JPWO2009128151A1 - 風路切換装置およびこれを用いた熱交換換気装置 - Google Patents

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Abstract

機器内の通風路を第1通風路と該第1通風路から分岐した第2通風路とに切り替える風路切換装置を構成するにあたり、第1通風路での気流の方向に略沿って第1通風路における上記の分岐点近傍に風路切換板保持部を配置することにより第1通風路を第1サブ通風路と第2サブ通風路とに局所的に分け、風路切換板保持部に回動自在に保持させる風路切換板には、第1通風路を開にするときに第2通風路の流入口を閉止する一方で第1通風路を閉にするときに第2サブ通風路を閉にする第1セクションと、第1通風路を開にするときに第1サブ通風路を開にする枠形状の第2セクションと、第1通風路を閉にするときに第1サブ通風路を閉にする第3セクションとを設けることにより、風路切換板を回動させる駆動機の小型化、低騒音化を図る。

Description

本発明は、第1通風路と該第1通風路から分岐した第2通風路とを備えた機器に設けられて該機器内の通風路を第1通風路と第2通風路とに切り替える風路切換装置、およびこれを用いた熱交換換気装置に関するものである。
今日では、外気と室内空気との間で熱交換素子により熱交換を行いながら換気する熱交換換気と、熱交換素子による熱交換は行わずに換気する普通換気とを適宜切り替えて空気調和を行う熱交換換気装置が開発されている。このタイプの熱交換換気装置の多くは、外気を取り込み熱交換素子経由で室内に吹き出す給気通風路と、室内空気を取り込み熱交換素子経由で室外に吹き出す排気通風路と、室内空気を取り込み熱交換素子を迂回させて室外に吹き出すバイパス通風路とを有している。
上記のバイパス通風路は熱交換素子の上流側で排気通風路から分岐しており、分技部には風路切換装置が設けられる。熱交換換気を行うときには、風路切換装置によりバイパス通風路が閉にされる一方で排気通風路が開にされる。このため、給気通風路に取り込まれた外気と排気通風路に取り込まれた室内空気とが熱交換素子を経由し、これら外気と室内空気との間で熱交換素子を介して熱交換が行われる。また、普通換気運転を行うときには、風路切換装置により排気通風路が閉にされる一方でバイパス通風路が開にされ、パイパス通風路に取り込まれた室内空気が熱交換素子を迂回して室外に吹き出される。このため、外気と室内空気との間での熱交換が実質的に起こらない。
熱交換換気装置の低騒音化や信頼性の向上、あるいは動力費の低減等のために、種々の風路切換装置が開発されている。例えば特許文献1に記載された風路切換装置では、2つの通通風路に分技した通通風路を一方から他方へ、他方から一方へと切り換える回動可能な風路切換板を備え、風路切換を行うときには風路切換板を途中まで駆動機にて回動させ、その後は通風路での風圧によって閉止位置にまで回動させることで駆動機の小型化を図り、結果として熱交換換気装置の低騒音化を図っている。
また、特許文献2に記載された熱交換換気装置(空調換気装置)の風路切換装置(ダンパ機構)では、熱交換換気された空気の通風路と通常換気された空気の通風路とが同一の通風路カバーを通るように熱交換換気装置を構成すると共に、駆動機により回動して風路切換を行うダンパを上記通風路カバーの内部に配置することで部品点数の削減を図り、結果として熱交換換気装置の信頼性を向上させている。
特許文献3には、熱交換素子を収容した部分での外気取入口側および還気口側にそれぞれ1対のダンパ羽根を設け、個々の対での各ダンパ羽根を連結棒で連結して一方が開いたときに他方が閉じるように構成すると共に、外気取入口側に設けた1対のダンパ羽根のうちの下側のダンパ羽根が閉じたときに還気口側に設けた1対のダンパ羽根のうちの上側のダンパ羽根が開くように構成した熱交換換気装置(回転形熱交換換気ユニット)が記載されている。この熱交換換気装置では、各対のダンパ羽根の開閉を制御することで熱交換換気と普通換気(通常換気)とを切り換え、熱交換換気時には給気用送風機および排気用送風機の各々を強運転し、普通換気時には給気用送風機および排気用送風機の各々を弱運転することで動力費の低減を図っている。
特開2000−337693号公報 特開平5−332572号公報 特開2001−41524号公報
従来の風路切換装置は、排気通風路とバイパス通風路との仕切り面に取り付けられ、1つの風路切換板を所定方向に回動させることで排気通風路およびパイパス通風路を開閉しており、風路切換板の大きさは、排気通風路およびパイパス通風路のいずれの通風路も閉にすることができるように選定されている。このため、排気通風路での流入口の周囲およびバイパス通風路での流入口の周囲には、それぞれ、上記の風路切換板を位置させることができる広さの閉止用スペースが確保される。
しかしながら、排気通風路内には熱交換素子が位置しているもののバイパス通風路内には熱交換素子が位置していないので、バイパス通風路を流れる室内空気の圧力損失は排気通風路での圧力損失よりも大幅に少なく、バイパス通風路の断面積を排気通風路の断面機より小さくしても同一送風量を得ることができる。排気通風路での流入口の周囲に確保される閉止用スペースと同じ広さの閉止用スペースをバイパス通風路での流入口の周囲に確保することは、風路切換装置および熱交換換気装置それぞれの小型化を図るうえでの阻害要因となる。
また、通風路の切り換えは熱交換換気装置の運転時に行われるため、風路切換時には送風による風圧に抗して風路切換板を回動させなければならず、風路切換板を回動させる駆動機に比較的大きな負荷がかかる。このため、大風量の通風路に配置される風路切換装置や大風量の熱交換換気装置では、風路切換時に負荷としてかかる風圧に打ち勝つ駆動力をもった大型の駆動機が必要となる。風路切換装置における駆動機の大型化は、風路切換装置および熱交換換気装置それぞれの大型化につながり、熱交換換気装置の取り付けスペースの増大につながる。また、風路切換装置および熱交換換気装置それぞれの低騒音化の妨げともなる。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、小型化および低騒音化を図り易い風路切換装置、およびこれを用いた熱交換換気装置を得ることにある。
上記の目的を達成する本発明の風路切換装置は、第1通風路と該第1通風路から分岐した第2通風路とを備えた機器に設けられて、機器内の通風路を前記第1通風路と前記第2通風路とに切り替える風路切換装置であって、第1通風路での気流の方向に略沿って第1通風路における分岐点近傍に配置された風路切換板保持部と、風路切換板保持部に回動自在に保持され、略クランク状に繋がった板状の第1セクション、開口部を有する枠形状の第2セクション、および板状の第3セクションを有する風路切換板と、通風路として第1通風路を選択するときには、第1セクションが第2通風路の流入口を閉にし、第2セクションの開口部が第1通風路のうちで風路切換板保持部よりも第2通風路側の領域に位置し、第3セクションが風路切換板保持部の下流側に位置するように風路切換板を回動させ、通風路として第2通風路を選択するときには、第1セクションが第1通風路のうちで風路切換板保持部よりも第2通風路から離れた側の領域を閉にし、第2セクションの開口部が風路切換板保持部と重なり、第3セクションが第1通風路のうちで風路切換板保持部よりも第2通風路側の領域を閉にするように風路切換板を回動させる駆動機構とを有することを特徴とするものである。
上記の目的を達成する本発明の熱交換換気装置は、外気を取り込んで室内に吹き出す給気通風路と、給気通風路の途中に配置された熱交換素子と、室内空気を取り込んで熱交換素子経由で室外に吹き出す排気通風路と、排気通風路から分岐して室内空気を熱交換素子を迂回させて室外に吹き出すバイパス通風路と、排気通風路に設けられて室内空気の流路を排気通風路とバイパス通風路とに切り換える風路切換装置とを備えた熱交換換気装置であって、風路切換装置は、排気通風路での気流の方向に略沿って排気通風路における分岐点近傍に配置された風路切換板保持部と、風路切換板保持部に回動自在に保持され、略クランク状に繋がった板状の第1セクション、開口部を有する枠形状の第2セクション、および板状の第3セクションを有する風路切換板と、通風路として排気通風路を選択するときには、第1セクションがバイパス通風路の流入口を閉にし、第2セクションの開口部が排気通風路のうちで風路切換板保持部よりもバイパス通風路側の領域に位置し、第3セクションが風路切換板保持部の下流側に位置するように風路切換板を回動させ、通風路としてバイパス通風路を選択するときには、第1セクションが排気通風路のうちで風路切換板保持部よりもバイパス通風路から離れた側の領域を閉にし、第2セクションの開口部が風路切換板保持部と重なり、第3セクションが排気通風路のうちで風路切換板保持部よりもバイパス通風路側の領域を閉にするように風路切換板を回動させる駆動機構とを有することを特徴とするものである。
本発明の風路切換装置は、第1通風路を開にするときには風路切換板の第1セクションで第2通風路を閉にし、第1通風路を閉にするときには、第1通風路のうちで風路切換板保持部よりも第2通風路から離れた側の領域を上記第1セクションで閉にするので、第2通風路での流入口の面積は、第1通風路のうちで風路切換板保持部よりも第2通風路から離れた側の領域の断面積と同程度にまで縮小可能である。
風路切換板保持部が配置されている箇所での第1通風路の断面積を従来と同程度にしても、第2通風路での流入口の面積を小さくすることができるので、風路切換板のうちで風路の閉止に直接関わる領域の面積を従来よりも小さくすることができ、風路切換時に風路切換板にかかる風圧を低減させることができる。また、風路切換板を回動させる際に第1セクションまたは第3セクションにかかる風圧を駆動力の一部として利用することができるので、小型の駆動機を用いて駆動機構を構成することも容易になる。
したがって、本発明によれば小型で低騒音の風路切換装置を得易くなる。また、本発明の熱交換換気装置では、排気通風路とバイパス通風路とを切り替える風路切換装置として本発明の風路切換装置を用いるので、小型で低騒音のものを得易い。本発明の熱交換換気装置での排気通風路が上記第1通風路に相当し、バイパス通風路が上記第2通風路に相当する。
図1は、本発明の熱交換換気装置の一例での熱交換換気時の様子を概略的に示す部分切欠き水平断面図である。 図2は、図1に示した熱交換換気装置での普通換気時の様子を概略的に示す部分切欠き水平断面図である。 図3−1は、図1および図2に示した熱交換換気装置に用いられている風路切換装置での要部を概略的に示す斜視図である。また、図4−1は、図1および図2に示した風路切換装置での風路切換板保持部を概略的に示す斜視図であり、図4−2は、図1および図2に示した風路切換装置での風路切換板を概略的に示す斜視図である。 図3−2は、図1および図2に示した熱交換換気装置に用いられている風路切換装置での要部を概略的に示す他の斜視図である。 図4−1は、図1および図2に示した熱交換換気装置に用いられている風路切換装置での風路切換板保持部を概略的に示す斜視図である。 図4−2は、図1および図2に示した熱交換換気装置に用いられている風路切換装置での風路切換板を概略的に示す斜視図である。 図5−1は、図1および図2に示した熱交換換気装置でのバイパス通風路を閉にしたときの風路切換装置を概略的に示す部分切欠き斜視図である。 図5−2は、図1および図2に示した熱交換換気装置でのバイパス通風路を閉にしたときの風路切換装置を概略的に示す部分切欠き平面図である。 図6−1は、図1および図2に示した熱交換換気装置でのバイパス通風路を開にしたときの風路切換装置を概略的に示す部分切欠き斜視図である。 図6−2は、図1および図2に示した熱交換換気装置でのバイパス通風路を開にしたときの風路切換装置を概略的に示す部分切欠き平面図である。
符号の説明
1a 外気吸い込み口
1b 外気吹き出し口
5a 室内空気吸い込み口
5b 室内空気吹き出し口
20 筐体
25 熱交換素子
30 給気ファン
35 排気ファン
40 風路切換板保持部
50 風路切換板
51 第1セクション
52 第2セクション
53 第3セクション
53A 第1ポーション
53B 第2ポーション
55 弾性部材
57 駆動機
59 リンク部材
60 風路切換装置
65 演算・制御部
70 熱交換換気装置
SF 給気通風路
EF 排気通風路
EF1 第1サブ通風路
EF2 第2サブ通風路
BF バイパス通風路
DM 駆動機構
以下、本発明の風路切換装置および熱交換換気装置それぞれの実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は下記の実施の形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の熱交換換気装置の一例での熱交換換気時の様子を概略的に示す部分切欠き水平断面図であり、図2は、図1に示した熱交換換気装置での普通換気時の様子を概略的に示す部分切欠き水平断面図である。
図1および図2に示す熱交換換気装置70は、筐体20と、2つの熱交換ユニット25,25と、給気ファン30と、排気ファン35と、本発明の風路切換装置に含まれる風路切換装置60と、風路切換装置60の動作を制御する演算・制御部65と、演算・制御部65の入力装置として機能する指令入力部67とを備えている。
上記の筐体20は直方体状の箱体であり、その側壁には外気吸い込み口1a、外気吹き出し口1b、室内空気吸い込み口5a、および室内空気吹き出し口5bが設けられている。また、筐体20内には、当該筐体20での深さ方向の中央部に位置する2つの水平隔壁10a,10bが設けられている。各水平隔壁10a,10bは筐体20内の中央部で互いに離隔しており、ここに2つの熱交換ユニット25,25が並列に配置されている。
個々の熱交換ユニット25は、熱交換素子25aと該熱交換素子25aを収容した枠体25bとを有している。熱熱交換素子25aとしては、例えば、シート状を呈する紙製の仕切り部材と波形を呈する紙製の間隔保持部材とを交互に積層し、仕切り部材とその下の間隔保持部材との間、および仕切り部材とその上の間隔保持部材との間にそれぞれ空気の流路を複数形成した直交流形のものが用いられる。仕切り部材の下に形成された各流路と当該仕切り部材の上に形成された各流路とは平面視したときに略直交し、仕切り部材の下に形成された各流路を流下する空気と当該仕切り部材の上に形成された各流路を流下する空気との間で、仕切り部材を介して顕熱の交換および潜熱の交換が行われる。
各熱交換ユニット25は、熱交換素子25aを横臥させた状態で筐体20内に配置されて、1対のホルダ部29a,29bにより筐体20に固定されている。なお、図1および図2においては、上述した各水平隔壁10a,10bと筐体20の底板20bとを区別し易くするために、各水平隔壁10a,10bにスマッジングを付してある。
筐体20に設けられている外気吸い込み口1aと外気吸吹き出し口1bとは、平面視上、図1および図2での手前側の熱交換ユニット25の一方の側と他方の側とに分かれて配置されており、外気吹き出し口1bは水平隔壁10bの上方に位置している。これら外気吸い込み口1aおよび外気吹き出し口1bは、各熱交換ユニット25を介して連通して、水平隔壁10b上に配置された給気ファン30と共に給気通風路SFを構成する。
底板20aでの外気吸い込み口1aの近傍に2つの垂直隔壁13a,13bが配置されると共に水平隔壁10bでの給気ファン30の近傍の3つの垂直隔壁13c,13d,13eが配置されて、所定形状の給気通風路SFを画定している。各垂直隔壁13c,13d,13eは、給気ファン30のケーシングを構成している。給気ファン30を駆動させることにより、外気吸い込み口1aから熱交換換気装置70内に外気が取り込まれ、該外気が各熱交換ユニット25、給気ファン30、および外気吹き出し口1bを介して室内に吹き出される。図1および図2においては、給気通風路SFでの外気の流れを破線BLで示している。
また、筐体20に設けられている室内空気吸い込み口5aと室内空気吸吹き出し口5bとは、平面視上、図1および図2での奥側の熱交換ユニット25の一方の側と他方の側とに分かれて配置されており、室内空気吹き出し口5bは水平隔壁10aの上方に位置している。これら室内空気吸い込み口5aおよび室内空気吹き出し口5bは、各熱交換ユニット25を介して連通して、水平隔壁10a上に配置された排気ファン35と共に排気通風路EFを構成するか、または、各熱交換ユニット25を迂回して連通して、排気ファン35と共にバイパス通風路BFを構成する。
底板20aでの室内空気吸い込み口5aの近傍に2つの垂直隔壁15a,15bが配置されると共に水平隔壁10aでの排気ファン35の近傍に5つの垂直隔壁15c,15d,15e,15f,15gが配置されて、所定形状の排気通風路EFを画定している。垂直隔壁15c,15d,15e,15fは、排気ファン35のケーシングを構成している。また、垂直隔壁15a,15dと、図1および図2での奥側の熱交換ユニット25の一端側に配置された垂直隔壁17と、筐体20の側壁とによって、所定形状のバイパス通風路BFが画定されている。バイパス通風路BFは、室内空気吸い込み口5aの近傍で排気通風路EFから分岐しており、その流入口IOは垂直隔壁15aに設けられている。
上述した排気ファン35を駆動させることにより、室内空気を取り込んで室外に吹き出す排気通風路EFまたはバイパス通風路BFが熱交換換気装置70内に形成される。図1に示すように、風路切換装置60の風路切換板50によってバイパス通風路BFの流入口IOが閉にされているときには、熱交換換気装置70内に排気通風路EFが形成されて、室内空気吸い込み口5aから熱交換換気装置70内に取り込まれた室内空気が各熱交換ユニット25を経由して排気ファン35に達し、室内空気吹き出し口5bから室外に吹き出される。排気通風路EFでの室内空気の流れを図1中に一点鎖線CLで示している。
一方、図2に示すように、風路切換装置60の風路切換板50によって排気通風路EFが閉にされているときには、熱交換換気装置70内にバイパス通風路BFが形成され、室内空気吸い込み口5aから熱交換換気装置70内に取り込まれた室内空気が各熱交換ユニット25を迂回して排気ファン35に達し、室内空気吹き出し口5bから室外に吹き出される。バイパス通風路BFでの室内空気の流れを図2中に二点鎖線CL2で示している。なお、図1に示すように、排気通風路EFは、風路切換装置60によって、バイパス通風路BFに近い第1サブ通風路EF1と、バイパス通風路BFから遠い第2サブ通風路EF2とに局所的に分けられている。
排気通風路EFおよびバイパス通風路BFのどちらを形成するかは、演算・制御部65により判断される。当該演算・制御部65は、外気吸い込み口1aの近傍に配置された温度センサ(図示せず)の検知結果と、室内空気吸い込み口5aの近傍に配置された温度センサ(図示せず)の検知結果とを基に、熱交換換気を行うのが適当か普通換気を行うのが適当かを判断し、該判断結果を基に風路切換装置60の動作を制御する。熱交換換気を行うのが適当と判断されたときには、風路切換装置60を動作させてバイパス通風路BFの流入口IOを閉にし、普通換気を行うのが適当と判断されたときには、風路切換装置60を動作させて排気通風路EFを閉にする。
上述した構成を有する熱交換換気装置70は、風路切換装置60に特徴を有しているので、以下、図1または図2で用いた参照符号を適宜引用しつつ図3−1〜図4−2を参照して、風路切換装置60を詳述する。
図3−1は、図1および図2に示した熱交換換気装置に用いられている風路切換装置での要部を概略的に示す斜視図であり、図3−2は、図1および図2に示した熱交換換気装置に用いられている風路切換装置での要部を概略的に示す他の斜視図である。また、図4−1は、図1および図2に示した熱交換換気装置に用いられている風路切換装置での風路切換板保持部を概略的に示す斜視図であり、図4−2は、図1および図2に示した熱交換換気装置に用いられている風路切換装置での風路切換板を概略的に示す斜視図である。
図3−1および図3−2に示すように、風路切換装置60は、風路切換板保持部40と、該風路切換板保持部40に回動自在に保持された風路切換板50と、後述する駆動機構とを備えており、図3−1および図3−2には駆動機構を構成する弾性部材55が示されている。
図3−1、図3−2、および図4−1に示すように、上記の風路切換板保持部40は、筐体20の底板20b(図1および図2参照)に固定されるベース部41と、背板部43と、天板部45とを有しており、ベース部41と天板部45とは背板部43に接続されている。ベース部41での長手方向両端部には、ネジ等の固定具が挿入される貫通孔41a,41aが形成されており、背板部43の下側側部には、バネ等の弾性部材55の一端が連結される係合部43aが形成されている。また、ベース部41には、風路切換板保持部40を回動自在に保持する回転軸47(図4−1参照)の一端が装着される貫通孔41bが形成されており、天板部45には、上記の回転軸47の他端が装着される貫通孔45aが形成されている。
一方、図3−1、図3−2、および図4−2に示すように、風路切換板50は略クランク状に繋がった第1〜第3セクション51〜53を有している。第1セクション51は、排気通風路EFを開にしたときに垂直隔壁15aに当接してパイパス通風路BFの流入口IO(図1および図2参照)を閉にし、排気通風路EFを閉にしたときには第2サブ通風路EF2(図1参照)の流入口を閉にする。
また、第2セクション52は枠形状を呈し、第1セクション51と所定の角度をもって該第1セクション51に連設されて、排気通風路EFを開にするときに第1サブ通風路EF1(図1参照)を開にする。この第2セクション52での高さ方向の下端および上端にはフランジ52a,52bが設けられており、排気通風路EFを開にするときには当該第2セクション52での開口部52cが第1サブ通風路EF1の一部となる。
第3セクション53は、第2セクション52と所定の角度をもって該第2セクション52に連設され、排気通風路EFを開にするときには風路切換板保持部40の下流側に位置し、排気通風路EFを閉にするときに第1サブ通風路EF1(図1参照)を閉にする。この第3セクション53は、第2セクション52に連設された第1ポーション53Aと、第1ポーション53Aに連なる第2ポーション53Bとからなる。
第1ポーション53Aでの高さ方向の下端および上端にはフランジ53a,53bが設けられており、各フランジ53a,53bには、前述した回転軸47(図4−1参照)が挿入される貫通孔53cが形成されている。第1ポーション53Aは、回転軸47により風路切換板保持部40に軸着される。また、当該第1ポーション53Aには、バネ等の弾性部材55の他端が連結される2つの取り付け穴53d,53d、および後述するリンク部材の一端が接続される2つの取り付け穴53e,53e(図4−2参照)も形成されている。
一方、第3セクション53での第2ポーション53Bは、第1ポーション53Aと所定の角度をもって該第1ポーション53Aに連なって、排気通風路EFを閉にするときに第1ポーション53Aと共に第1サブ通風路EF1(図1参照)を閉にする。第2ポーション53Bの面積は、第1セクション51の面積よりも小さい。
上述した風路切換板保持部40および風路切換板50を備えた風路切換装置60は、演算・制御部65(図1または図2参照)よる制御の下に動作し、後述の駆動機構から付与される駆動力により風路切換板50を所定方向に回動させて、室内空気の流路をバイパス通風路BFおよび排気通風路EFのいずれかに選択する。以下、図5−1〜図6−2を参照して、風路切換装置60の配置および動作について詳述する。
図5−1は、バイパス通風路を閉にしたときの風路切換装置を概略的に示す部分切欠き斜視図であり、図5−2は、バイパス通風路を閉にしたときの風路切換装置を概略的に示す部分切欠き平面図である。また、図6−1は、バイパス通風路を開にしたときの風路切換装置を概略的に示す部分切欠き斜視図であり、図6−2は、バイパス通風路を開にしたときの風路切換装置を概略的に示す部分切欠き平面図である。
図5−1および図5−2に示すように、風路切換装置60での風路切換板保持部40は、排気通風路EFでの気流の方向に略沿って当該排気通風路EFにおけるバイパス通風路BFとの分岐点近傍、具体的には分岐点の下流側に配置されている。これにより、排気通風路EFは、風路切換板保持部40よりもバイパス通風路BF側の領域である第1サブ通風路EF1と、風路切換板保持部40よりもバイパス通風路BFから離れた側の領域である第2サブ通風路EF2とに局所的に分けられている。
風路切換板50は、上記の風路切換板保持部40に回動自在に保持され、通風路として排気通風路EFが選択されると、前述した弾性部材55、ギアードモータ等の駆動機57、および該駆動機57と第3セクション53とを連結する連結棒等のリンク部材59を有する駆動機構DMからの駆動力により矢印A方向に回動する。結果として、第1セクション51がバイパス通風路BFの流入口IOを閉にし、第2セクション52の開口部52cが第1サブ通風路EF1内に位置し、第3セクション53が風路切換板保持部40の下流側に位置することになる。第1サブ通風路EF1に流入した室内空気は第2セクション52の開口部52cを流下するので、第1サブ通風路EF1は閉にならない。
排気通風路EFの選択時、駆動機57は停止状態にあるが、弾性部材55(図5−2参照)がその弾性力で第3セクション53を風路切換板保持部40側に引き寄せる。そのため、風路切換板50が矢印A方向に回動する。すなわち、駆動機57から風路切換板50に駆動力を付与しなくても、弾性部材55の弾性力により風路切換板50が矢印A方向に回動する。
一方、図6−1および図6−2に示すように、通風路としてバイパス通風路BFが選択されると、駆動機構DMからの駆動力により風路切換板50が矢印B方向に回動する。結果として、第1セクション51の先端部が垂直隔壁15bに密着して第2サブ通風路EF2を閉にし、第2セクション52の開口部52cが風路切換板保持部40と重なり、第3セクション53が第1サブ通風路EF1を閉にすることになる。
バイパス通風路BFの選択時には駆動機57が動作し、弾性部材55(図6−2参照)の弾性力に抗してリンク部材59を駆動機57側に引き寄せる。そのため、駆動機57からリンク部材59を介して通風路切換板50に引張り力が付与されて、第3セクション53が駆動機57側に引き寄せられ、風路切換板50が矢印B方向に回動する。このとき、第2セクション52の開口部52c(例えば図5−1参照)が通風路保持部40と略重なり合うことから、第1サブ通風路EF1での圧力損失が抑えられる。
風路切換板50の回動時には第1セクション51および第3セクション53の各々に風圧がかかる。しかしながら、第1セクション51の面積の方が第3セクション53での第2ポーション53Bの面積よりも大きいことから、風路切換板50が垂直隔壁15a側から矢印B方向にある程度回動すると、第1セクション51の裏面(バイパス通風路BFの流入口IO側に位置していた面)にかかる風圧の方が第2ポーション53Bにかかる風圧よりも大きくなって、風路切換板50が自ずと矢印B方向に回動する。このため、駆動機57を小型化しても風路切換板50を矢印B方向に回動させることが可能である。
なお、図示を省略するが、熱交換換気装置70の筐体20は所定形状の蓋部を有しており、該蓋部の下面には、風路切換板保持部40の上端部が密着する凸部、バイパス通風路BFを開にするときに第1セクション51の上端部が熱交換ユニット25(図1または図2参照)側から密着する凸部、およびバイパス通風路BFを開にするときに第3セクション53の上端部(風路切換板保持部40により覆われる領域を除く)が室内空気吸い込み口5a側から密着する凸部が形成されている。バイパス通風路BFを開にするときには、上記蓋部の下面に形成されている3つの凸部と、第1セクション51と、第3セクション53とによって排気通風路EFが閉にされる。
上述したように、風路切換装置60は、風路切換板保持部40によって排気通風路EFを第1サブ通風路EF1と第2サブ通風路EF2とに局所的に分け、排気通風路EFを開にするときには風路切換板50の第1セクション51でバイパス通風路BFの流入口IOを閉にし、排気通風路EFを閉にするときには上記第1セクション51で第2サブ通風路EF2を閉にするので、バイパス通風路BFの流入口IOの面積を第2サブ通風路EF2の面積と同程度にまで縮小可能である。
第1サブ通風路EF1と第2サブ通風路EF2とに局所的に分けられる箇所での排気通風路EFの断面積を従来と同程度にしても、バイパス通風路BFでの流入口IOの面積を小さくすることができるので、風路切換板50のうちで風路の閉止に直接関わる領域の面積を小さくすることができ、風路切換時に風路切換板50にかかる風圧を低減させることができる。また、風路切換板50を回動させる際に第1セクション51または第3セクション53にかかる風圧を駆動力の一部として利用することができるので、駆動機57を小型化することも容易である。したがって、風路切換装置60ではその小型化および低騒音化を図り易く、当該風路切換装置60を用いた熱交換換気装置70についても小型化および低騒音化を図り易い。
以上、本発明の風路切換装置および熱交換換気装置について実施の形態を挙げて説明したが、前述のように、本発明は上述の形態に限定されるものではない。風路切換装置における風路切換板保持部の形状や、風路切換板におけるセクションの数および個々のセクションの形状を種々変更しても、実施の形態で説明した風路切換装置と同様の機能を奏するものを得ることが可能である。
例えば実施の形態で説明した風路切換装置では、風路切換板での第3セクションが第1ポーションと第2ポーションと分かれているが、第3セクションを1つのポーションで構成することもできるし、3つ以上のポーションで構成することもできる。
また、熱交換換気装置における風路切換装置以外の構成は、排気通風路からバイパス通風路が分岐するものであれば適宜変更可能である。本発明の風路切換装置および熱交換換気装置の各々については、種々の変形、修飾、組み合わせ等が可能である。
本発明の風路切換装置は、第1通風路と該第1通風路から分岐した第2通風路とを備えた種々の機器に適用することができる。また、本発明の熱交換換気装置は、熱交換換気と普通換気とを行う家庭用または業務用の熱交換換気装置として用いることができる。

Claims (4)

  1. 第1通風路と該第1通風路から分岐した第2通風路とを備えた機器に設けられて、該機器内の通風路を前記第1通風路と前記第2通風路とに切り替える風路切換装置であって、
    前記第1通風路での気流の方向に略沿って前記第1通風路における前記分岐点近傍に配置された風路切換板保持部と、
    該風路切換板保持部に回動自在に保持され、略クランク状に繋がった板状の第1セクション、開口部を有する枠形状の第2セクション、および板状の第3セクションを有する風路切換板と、
    通風路として前記第1通風路を選択するときには、前記第1セクションが前記第2通風路の流入口を閉にし、前記第2セクションの前記開口部が前記第1通風路のうちで前記風路切換板保持部よりも前記第2通風路側の領域に位置し、前記第3セクションが前記風路切換板保持部の下流側に位置するように前記風路切換板を回動させ、通風路として前記第2通風路を選択するときには、前記第1セクションが前記第1通風路のうちで前記風路切換板保持部よりも前記第2通風路から離れた側の領域を閉にし、前記第2セクションの前記開口部が前記風路切換板保持部と重なり、前記第3セクションが前記第1通風路のうちで前記風路切換板保持部よりも前記第2通風路側の領域を閉にするように前記風路切換板を回動させる駆動機構と、
    を有することを特徴とする風路切換装置。
  2. 前記駆動機構は、
    前記風路切換板保持部に一端が連結され、前記第3セクションに他端が連結されて、前記第1通風路を閉にする方向に前記風路切換板を回動させたときに該風路切換板を反対方向に付勢する弾性部材と、
    前記第3セクションに接続され、通風路として前記第2通風路を選択するときに前記風路切換板に引張り力を付与する駆動機と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の風路切換装置。
  3. 外気を取り込んで室内に吹き出す給気通風路と、該給気通風路の途中に配置された熱交換素子と、室内空気を取り込んで前記熱交換素子経由で室外に吹き出す排気通風路と、該排気通風路から分岐して前記室内空気を前記熱交換素子を迂回させて室外に吹き出すバイパス通風路と、前記排気通風路に設けられて前記室内空気の流路を前記排気通風路と前記バイパス通風路とに切り換える風路切換装置とを備えた熱交換換気装置であって、
    前記風路切換装置は、
    前記排気通風路での気流の方向に略沿って前記排気通風路における前記分岐点近傍に配置された風路切換板保持部と、
    該風路切換板保持部に回動自在に保持され、略クランク状に繋がった板状の第1セクション、開口部を有する枠形状の第2セクション、および板状の第3セクションを有する風路切換板と、
    通風路として前記排気通風路を選択するときには、前記第1セクションが前記バイパス通風路の流入口を閉にし、前記第2セクションの前記開口部が前記排気通風路のうちで前記風路切換板保持部よりも前記バイパス通風路側の領域に位置し、前記第3セクションが前記風路切換板保持部の下流側に位置するように前記風路切換板を回動させ、通風路として前記バイパス通風路を選択するときには、前記第1セクションが前記排気通風路のうちで前記風路切換板保持部よりも前記バイパス通風路から離れた側の領域を閉にし、前記第2セクションの前記開口部が前記風路切換板保持部と重なり、前記第3セクションが前記排気通風路のうちで前記風路切換板保持部よりも前記バイパス通風路側の領域を閉にするように前記風路切換板を回動させる駆動機構と、
    を有することを特徴とする熱交換換気装置。
  4. 前記駆動機構は、
    前記風路切換板保持部に一端が連結され、前記第3セクションに他端が連結されて、前記排気通風路を閉にする方向に前記風路切換板を回動させたときに該風路切換板を反対方向に付勢する弾性部材と、
    前記第3セクションに接続され、通風路として前記バイパス通風路を選択するときに前記風路切換板に引張り力を付与する駆動機と、
    を有することを特徴とする請求項3に記載の熱交換換気装置。
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