JPWO2009116287A1 - シェルモールド用フェノール樹脂組成物及びシェルモールド用レジンコーテッドサンド並びにそれを用いて得られる鋳型 - Google Patents

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Abstract

鋳造時のヤニの発生量が少なく、また低熱膨張率であると共に、なりより性の高い鋳型が有利に得られるシェルモールド用フェノール樹脂組成物、及びそれを用いて得られるレジンコーテッドサンド、更にはかかるレジンコーテッドサンドを用いて得られる鋳型を提供する。フェノール樹脂と共に、プロピレングリコール及び/又はその重合物を必須の構成成分としたシェルモールド用フェノール樹脂組成物を構成した。

Description

本発明は、シェルモールド用フェノール樹脂組成物及びシェルモールド用レジンコーテッドサンド並びにそれを用いてなる鋳型に係り、特に、鋳造時に発生する熱分解生成物(以下、単に「ヤニ」と言う)の発生量を抑制し、且つ熱膨張性及びなりより性の問題を同時に解決し得るシェルモールド用フェノール樹脂組成物及びそれを用いて得られるレジンコーテッドサンド、並びにそれを用いて造型してなる鋳型に関するものである。
従来から、シェルモールド鋳造においては、耐火性粒子(鋳物砂)及びフェノール樹脂(バインダー)と共に、更に必要に応じて、ヘキサメチレンテトラミン等の硬化剤を混練して得られるレジンコーテッドサンド(以下、「RCS」と略称する)を用いて、それを加熱成形せしめ、所望の形状としてなるシェル鋳型が、一般的に使用されて来ている。
しかしながら、この種の鋳型の中で、特に、内燃機関のシリンダーヘッドのような鋳物製品を鋳造する複雑な形状の鋳型の場合、それを用いた鋳造操作において、亀裂乃至は割れ(以下、鋳型の「割れ」と言う)が惹起され易いという問題があった。また、鋳型の形状が複雑化する中で、ガス抜き孔は減少する傾向にあり、そのために、鋳造時において、バインダー由来のヤニの発生も、深刻な問題となって来ている。
ところで、鋳型の割れを防止するためには、鋳型の熱膨張率を低くすると共に、なりより性を大きくすればよいと考えられるものであるところ、特許文献1においては、バインダーの成分としてビスフェノールAやビスフェノールE等のビスフェノール類を用いることにより、急熱膨張率の低減を図り、以て低熱膨張性が実現され得ることが、明らかにされている。しかしながら、そのような手法にあっては、鋳型の割れの問題は充分に解消され得るものの、鋳造時において、ヤニの発生量が多くなるという問題が、新たに生じている。
また、特許文献2においては、RCS中に、数平均分子量が1500〜40000であるポリエチレングリコールを存在させ、それにより、鋳型の割れ(クラック)を防止する方法が提案されているが、熱膨張特性及びなりより性の向上が充分ではなく、未だ改善の余地を有するものであった。
特開昭59−178150号公報 特開昭58−119433号公報
ここにおいて、本発明は、かくの如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、鋳造時のヤニの発生量が少なく、また低熱膨張率であると共に、なりより性の大きい鋳型が有利に得られるシェルモールド用フェノール樹脂組成物、及びそれを用いて得られるRCS、更にはかかるRCSを用いて造型して得られる鋳型を提供することにある。
そして、本発明者が、上述した如き課題の解決を図るべく、シェルモールド用フェノール樹脂組成物について、鋭意検討を重ねたところ、フェノール樹脂に対して、プロピレングリコール及び/又はその重合物を配合することで、それを用いて得られるRCSにて造型される鋳型において、ヤニ発生量が有利に抑えられ、また熱膨張率が低く、且つなりより性の大きい特性が、有利に実現されることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、上記せる課題を解決するために、フェノール樹脂と共に、プロピレングリコール及び/又はその重合物を、必須の構成成分として含有してなることを特徴とするシェルモールド用フェノール樹脂組成物を、その要旨とするものである。
なお、かかる本発明に従うシェルモールド用フェノール樹脂組成物の望ましい態様の一つによれば、前記プロピレングリコール及び/又はその重合物は、フェノール樹脂100質量部に対して1〜30質量部の割合において用いられ、また、他の望ましい態様の一つによれば、前記プロピレングリコールの重合物は、300〜3000の数平均分子量を有するものである。
さらに、本発明にあっては、上述せる如きシェルモールド用フェノール樹脂組成物からなる被覆層が、所定の耐火性粒子の表面に形成されてなることを特徴とするシェルモールド用RCSをも、その要旨としている。
加えて、本発明にあっては、上述の如きシェルモールド用RCSを用いて造型し、加熱硬化させて得られる鋳型をも、その対象とするものである。
従って、このような本発明に従うシェルモールド用フェノール樹脂組成物によれば、フェノール樹脂と共に、プロピレングリコール及び/又はその重合物を必須の構成成分としてなるものであるところから、それからなる被覆層を、所定の耐火性粒子の表面に形成して、シェルモールド用RCSを構成し、このRCSを用いて鋳型を造型することにより、そのような鋳型から発生するヤニの発生量が、有利に低減され得ることとなるのであり、また、それと共に、得られる鋳型の熱膨張率が低く、且つ鋳型のなりより性も充分に向上せしめられ得、以て、鋳造時におけるヤニの発生に起因するガス欠陥の問題や、更にはベーニングという鋳造欠陥の問題が、同時に解決可能され得るようになるのである。
実施例において測定したなりより性の測定形態を示す説明図である。
ところで、本発明に従うシェルモールド用フェノール樹脂組成物は、上述せるように、フェノール樹脂と共に、プロピレングリコール及び/又はその重合物を必須の構成成分として組み合わせてなるものである。
そこにおいて用いられ得るフェノール樹脂は、酸性触媒及び/又は塩基性触媒の存在下において、フェノール類とアルデヒド類とを反応させることにより得られる固体状乃至は液体状(例えば、ワニス状或いはエマルジョン等)の縮合生成物にして、所定の硬化剤乃至は硬化触媒の存在下又は非存在下において加熱することにより、熱硬化性を発現するフェノール樹脂であり、具体的には、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、含窒素レゾール型フェノール樹脂、ベンジルエーテル型フェノール樹脂等が挙げられ、これらが単独で、或いは2種以上を組み合わせて、用いられることとなる。
また、かかるシェルモールド用フェノール樹脂組成物を製造するに際して、フェノール樹脂の原料として用いられるフェノール類としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール等の、フェノール若しくはアルキル置換フェノールや、ビスフェノールA、ビスフェノールF等の多価フェノール、及びそれらの混合物等が挙げられ、更に、アルデヒド類としては、ホルマリン、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、パラアルデヒド、プロピオンアルデヒド等を、挙げることが出来る。勿論、それらフェノール類及びアルデヒド類としては、かかる例示のものに何等限定されるものではなく、それら以外の公知の樹脂原料が、何れも、適宜に用いられ得るものである。加えて、そのようなフェノール類及びアルデヒド類は、何れも、単独で用いられても、2種以上の原料を併用して用いるようにされても、何等差支えない。
なお、この本発明において用いられるフェノール樹脂の製造方法としては、特に制限されるものではなく、従来より公知の各種の手法を採用することが可能であって、例えば、シュウ酸、塩酸、硫酸、リン酸等の酸性物質や、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等の塩基性物質や、有機酸金属塩、二価金属塩等の触媒を用いて、フェノール類とアルデヒド類とを反応させる手法が、有利に採用されることとなる。
また、フェノール樹脂を製造するに際して、アルデヒド類(F)とフェノール類(P)の配合モル比(F/P)は、用いられる反応触媒の種類等に応じて適宜に選定され得るところであるが、好ましくは、0.55〜0.80の範囲内において設定されることとなる。なお、この配合モル比を0.55以上とすることにより、目的とするフェノール樹脂を充分な収率において得ることが出来る一方、0.80以下とすることにより、得られるフェノール樹脂を用いて形成されてなるシェルモールド用RCSにおいて、それを造型して得られる鋳型の強度が、有利に向上せしめられ得るのである。
このようにして得られるフェノール樹脂は、固体状又は液体状(例えば、ワニス状又はエマルジョン等)の形態を呈するものであって、例えば、ヘキサメチレンテトラミン等の硬化剤乃至は硬化触媒の存在下又は非存在下において、加熱せしめることにより、熱硬化性を発現するものである。なお、本発明においては、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)分析で得られる数平均分子量が、400〜900の範囲内であるフェノール樹脂が、好ましく用いられることとなる。このフェノール樹脂の数平均分子量が小さ過ぎる場合には、かかる樹脂を含む樹脂組成物を被覆してなるシェルモールド用RCSにおいて、造型時の充填性が損なわれて、得られる鋳型において、充分な強度が確保され得ない恐れがあり、一方、フェノール樹脂の数平均分子量が大き過ぎる場合には、加熱時の樹脂の流動性が損なわれて、得られる鋳型において、充分な強度が確保され得ない恐れがある。
なお、本発明にあっては、そのようなフェノール樹脂には、予め、フェノール樹脂に対して、鋳型の物性改善等を目的として、従来より一般的に用いられている各種の添加剤が適宜に配合され得るものであるが、特に、γ−アミノプロピルトリエトキシシランやγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤、エチレンビスステアリン酸アマイドやメチレンビスステアリン酸アマイド等の滑剤等を配合することが、望ましい。
そして、本発明に従うシェルモールド用フェノール樹脂組成物にあっては、上述せる如きフェノール樹脂と共に、プロピレングリコール(以下「PG」と略称する)及び/又はその重合物が、必須の構成成分として組み合わされるのである。その中でも、本発明にあっては、特に、PGの重合物が、沸点が高く、揮発し難いために、好適に用いられることとなる。
より具体的には、本発明においては、PGの重合物の中でも、特に、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー分析で得られる数平均分子量が、300〜3000のポリプロピレングリコール(以下「PPG」と略称する。)が好ましく用いられる。かかるPPGの数平均分子量が300以上である場合には、その沸点が、鋳型を造型する際の温度に比べてかなり高くなり、揮発し難くなるために、上述せる如きPPGの効果が、より一層有利に発揮せしめられることとなる。また、PPGの数平均分子量が3000以下である場合には、得られるシェル鋳型の強度低下を有利に抑えることが可能となる。そのような数平均分子量を有するPPGには、各種のものが市販されており、本発明においては、そのような市販品の中から適宜に選定することが出来る。
また、本発明におけるPG及び/又はその重合物のフェノール樹脂への配合割合は、特に限定されるものではないが、フェノール樹脂100質量部に対して、一般に、1〜30質量部の割合において用いられることが望ましい。PC及び/又はその重合物の配合割合が1質量部以上である場合には、得られるシェル鋳型のクラックの発生の防止効果がより一層充分に発揮され得ることとなるのであり、また、PC及び/又はその重合物の配合割合が30質量部以下である場合には、シェル鋳型の強度低下が有利に抑制され得ることとなる。
そして、そのようなPG及び/又はその重合物が、フェノール樹脂に対して配合等により組み合わされ、それによって、本発明に従うシェルモールド用フェノール樹脂組成物の一つの形態が実現されることとなるのであるが、そこにおいて、PG及び/又はその重合物をフェノール樹脂に組み合わせる方法としては、本発明においては、特に限定されるものではなく、フェノール樹脂の製造時、フェノール類とアルデヒド類の反応開始時、反応中、又は反応終了後の何れかの時点において、PG及び/又はその重合物を適宜に配合せしめることによって実現することが出来る。また、フェノール樹脂の製造後、フェノール樹脂と、PGの重合物とを粉砕混合する方法や、エクストルーダー等の混合機によりフェノール樹脂と、PG及び/又はその重合物とを溶融混合する方法等も、適宜に採用され得るところである。更に、RCSの製造工程中に、PG及び/又はその重合物を配合することも可能である。RCSの製造工程中において配合する場合には、フェノール樹脂の添加前又は添加後、或いは同時の何れでもよい。また、PG及び/又はその重合物は、そのまま配合しても、或いは何等かの媒体に分散乃至は溶解して、配合されても、何等差支えない。
ところで、本発明に従うシェルモールド用RCSを製造するに際しては、上述せる如きシェルモールド用フェノール樹脂組成物に対して、更に、耐火性粒子が混練せしめられることとなる。そこにおいて、本発明のRCS中のシェルモールド用フェノール樹脂組成物の配合量は、使用する樹脂の種類や要求される鋳型の強度等を考慮して決定されるものであるため、一概に限定はされないが、一般的には、耐火性粒子:100質量部に対して0.2〜10質量部程度の範囲内であり、好ましくは0.5〜8質量部、更に好ましくは0.5〜5質量部の範囲内である。
また、そのようなシェルモールド用フェノール樹脂組成物に混練せしめられる耐火性粒子に関して、その種類は、本発明にあっては、特に限定されるものではない。かかる耐火性粒子は、鋳型の基材を為すものであるところから、鋳造に耐え得る耐火性と鋳型形成(造型)に適した粒径を有する無機粒子であれば、従来からシェルモールド鋳造に用いられて来た公知の無機粒子が、何れも用いられ得るものである。そのような耐火性粒子としては、例えば、一般的によく用いられているケイ砂の他にも、オリビンサンドやジルコンサンド、クロマイトサンド、アルミナサンド等の特殊砂、フェロクロム系スラグやフェロニッケル系スラグ、転炉スラグ等のスラグ系粒子、ナイガイセラビーズ(商品名、伊藤忠セラテック株式会社)のようなムライト系多孔質粒子、或いはこれらを鋳造後に回収・再生した再生粒子等が挙げられ、これらが単独で、或いは2種以上を組み合わせて、用いられることとなる。
そして、そのようなシェルモールド用RCSを製造するに際して、その製造方法は、特に限定されるものではなく、ドライホットコート法やセミホットコート法、コールドコート法、粉末溶剤法等の従来から公知の方法が何れも採用され得るところであるが、本発明にあっては、特に、ワールミキサーやスピードミキサー等の混練機内で、予熱された耐火性粒子とシェルモールド用樹脂組成物とを混練した後、ヘキサメチレンテトラミン(硬化剤)水溶液を加えると共に、送風冷却により塊状内容物を粒状に崩壊させて、ステアリン酸カルシウム(滑剤)を加える、所謂ドライホットコート法が推奨される。
さらに、上述せる如きシェルモールド用RCSを用いて、鋳型を造型するに際して、その加熱造型方法としては、特に限定されるものではなく、従来から公知の各種の手法が、何れも、有利に用いられ得ることとなる。例えば、上述せる如きRCSを、目的とする鋳型を与える所望の形状空間を有する、150℃〜300℃に加熱された成形型内に、重力落下方式や吹込み方式等により充填し、硬化させた後、かかる成形型から、硬化した鋳型を抜型して、鋳造用鋳型を得ることが出来るのである。そして、そのようにして得られた鋳型にあっては、上述したような優れた効果が、有利に発揮せしめられ得ることとなるのである。
以下に、本発明の実施例を幾つか示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等が加えられ得るものであることが、理解されるべきである。
なお、以下の記載において、「部」及び「%」は、特に断らない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を意味するものである。また、製造されたシェルモールド用RCSの各特性は、下記の試験法に従って測定したものである。
−鋳型強度の測定−
製造されたシェルモールド用RCSを用いて、JIS−K−6910(検体の焼成条件:250℃で60秒間)に準ずるJIS式テストピース(幅:10mm×厚さ:10mm×長さ:60mm)を作製し、その得られたJIS式テストピース(以下、単にテストピース又はTPとも言う。)について、JACT試験法SM−1に準じて、その鋳型強度(N/cm2 )を測定した。
−ヤニ発生量の測定−
ガラス試験管(内径27mm×長さ200mm)内に、4本の鋳型強度測定用テストピース(サイズ:10mm×10mm×60mm)を入れた後、試験管の開口部付近に、予め秤量したガラスウール(2.5g)を挿入して、ヤニの発生量測定装置を作った。次に、炉内温度が700℃に保持された管状加熱炉内に、前記測定装置を入れて、6分間曝熱処理した後、取り出して、常温まで放置冷却した。その後、該測定装置からガラスウールを取り出して、その質量を測定した。なお、ヤニの発生量(mg)は、爆熱後のガラスウール質量(mg)から爆熱前のガラスウール質量(mg)を差し引くことにより、値を算出した。
−鋳型のなりより性評価−
まず、始めに、なりより性評価用の鋳型として、各RCSを用いた鋳型片(120mm×40mm×5mm)を、焼成条件:250℃×40秒間の下において作製し、当該鋳型を常温まで放置し、冷却した。
次いで、図1に示されるように、上記で得られた鋳型片を支持台にセットした後、発熱体(エレマ棒)を200℃から徐々に加熱し、800℃まで昇温させ、その際に、当該鋳型片の先端部から10mmの位置にレーザー変位計をセットし、直接パソコンにデータを取り込んだ。変位の挙動としては、始めに、当該鋳型片が加熱されたことにより、膨張挙動に基づき当該鋳型片は反り、その後やがて撓み始め、最終的に当該鋳型片はほぼ中央部、すなわち発熱体の加熱部で破断する。ここで言う「なりより性」とは、破断するまでに得られた最大撓み量にて表され、その値が大きい程、鋳型が変形し易く、柔軟性に富むことを意味する。なお、本測定は、発熱体の温度が200℃付近になると次の鋳型片の測定を開始するような測定周期も考慮して、測定を実施した。
−熱膨張率の評価−
JACT試験法M−2熱膨張率測定試験法に記載の急熱膨張率測定試験法に従って行なった。焼成温度:280℃、焼成時間:120秒で作成したテストピース(28.3mmφ×51mmL、円周の約1/4カット)を、炉内温度:1000℃に調節された高温鋳物砂試験器中に設置し、1分後に取り出した。そして、曝熱前と曝熱後のテストピース長から、下記の計算式に従って、熱膨張率を算出した。
熱膨張率(%)={(曝熱後‐曝熱前)テストピース長}/(曝熱前のテストピース長)×100
−フェノール樹脂Aの製造−
温度計、撹拌装置及びコンデンサーを備えた反応容器に、フェノールの940部、47%ホルマリンの428部、シュウ酸の2.8部を投入した。次いで、反応容器を徐々に昇温して、還流温度に到達後、90分間還流反応させ、更に、反応液温度が170℃になるまで、加熱及び減圧濃縮することにより、フェノール樹脂Aを得た。
−フェノール樹脂Bの製造−
温度計、撹拌装置及びコンデンサーを備えた反応容器に、フェノールの650部、ビスフェノールAの350部、47%ホルマリンの270部、シュウ酸の3部を投入した。次いで、反応容器を徐々に昇温し、還流温度に到達後、70分間還流反応させ、更に、反応液温度が170℃になるまで、加熱及び減圧濃縮することにより、フェノール樹脂Bを得た。
−実施例1−
フェノール樹脂Aの100部を加熱溶融させた後、数平均分子量:2000のPPG(商品名:ハイフレックス D−2000、第一工業製薬株式会社製)の3部を混合し、冷却、固化させることにより、フェノール樹脂組成物を得た。次に、この得られたフェノール樹脂組成物の105部と130〜140℃に加熱した耐火性粒子(再生硅砂)の7000部とを、実験用ワールミキサーに投入し、60秒間混錬した。更に、ヘキサメチレンテトラミンの23部を水105部に溶解したものを添加し、送風冷却し、その後、ステアリン酸カルシウムの7部を添加して、RCSを得た。
−実施例2〜6−
数平均分子量:2000のPPGの3部に代えて、実施例2,3では、その添加量を5部、10部としたこと、実施例4では、PGの5部を用いたこと、実施例5では、数平均分子量:400のPPGの5部を用いたこと、実施例6では、数平均分子量:4000のPPGを用いたこと以外は、実施例1と同様の手法にて、RCSを得た。
−比較例1−
数平均分子量:2000のPPGの3部を添加しないこととしたこと以外は、実施例1と同様の手法にて、RCSを得た。
−比較例2−
数平均分子量:2000のPPGの3部に代えて、数平均分子量:2000のポリエチレングリコール(PEG)の5部を用いたこと以外は、実施例1と同様の手法にて、RCSを得た。
−比較例3−
フェノール樹脂Aに代えて、フェノール樹脂Bを用い、更に、PPGを添加しないこととした以外は、上記実施例1と同様の手順を行って、RCSを得た。
−評価−
得られたRCSについて、前述した試験法に従って、それぞれ、鋳型強度の測定、ヤニ発生量の測定、鋳型のなりより性及び熱膨張率の測定を行なった。その結果を、下記表1に併せて示す。
Figure 2009116287
かかる表1の結果から明らかなように、本発明に従うRCSである実施例1〜6にあっては、ヤニの発生量が少ないものであると共に、熱膨張率が低く、且つなりより性が大きいものであった。一方、フェノール樹脂に対して、プロピレングリコール及び/又はその重合物が添加されていない比較例1、及びプロピレングリコール及び/又はその重合物に代えて、ポリエチレングリコールが添加されてなる比較例2のRCSにあっては、熱膨張率が高く、またなりより性の小さいものであった。更に、従来の低熱膨張性フェノール樹脂を用いた比較例3のRCSにあっては、ヤニが多く、また熱膨張は抑えられているものの、なりより性は小さいものであった。

Claims (8)

  1. フェノール樹脂と共に、プロピレングリコール及び/又はその重合物を、必須の構成成分として含有してなることを特徴とするシェルモールド用フェノール樹脂組成物。
  2. 前記プロピレングリコール及び/又はその重合物が、フェノール樹脂100質量部に対して1〜30質量部の割合において用いられることを特徴とする請求項1に記載のシェルモールド用フェノール樹脂組成物。
  3. 前記プロピレングリコールの重合物が、300〜3000の数平均分子量を有していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシェルモールド用フェノール樹脂組成物。
  4. 前記フェノール樹脂が、アルデヒド類(F)とフェノール類(P)とを、それらの配合モル比(F/P)が0.55〜0.80となるようにして、所定の触媒を用いて反応せしめて、得られたものである請求項1乃至請求項3のうちの何れか一つに記載のシェルモールド用フェノール樹脂組成物。
  5. 前記フェノール樹脂が、400〜900の範囲内の数平均分子量を有している請求項1乃至請求項4のうちの何れか一つに記載のシェルモールド用フェノール樹脂組成物。
  6. 耐火性粒子の表面に、請求項1乃至請求項5のうちの何れか一つに記載のシェルモールド用フェノール樹脂組成物からなる被覆層が形成されてなることを特徴とするシェルモールド用レジンコーテッドサンド。
  7. 前記耐火性粒子の100質量部に対して、0.2〜10質量部の前記シェルモールド用フェノール樹脂組成物が用いられている請求項6に記載のシェルモールド用レジンコーテッドサンド。
  8. 請求項6又は請求項7に記載のシェルモールド用レジンコーテッドサンドを用いて造型し、加熱硬化させて得られる鋳型。
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