JPWO2009104636A1 - エンジンの制御装置及びその制御方法 - Google Patents

エンジンの制御装置及びその制御方法 Download PDF

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    • F02D29/04Controlling engines, such controlling being peculiar to the devices driven thereby, the devices being other than parts or accessories essential to engine operation, e.g. controlling of engines by signals external thereto peculiar to engines driving pumps

Abstract

エンジンの燃費を向上させることができ、作業機が必要とするポンプ吐出量を確保しながらも、エンジン回転数を非常に滑らかに変化させることができ、しかも、エンジン回転音が不連続に変化する違和感を防止できるエンジンの制御装置及びその制御方法を提供する。指令手段による指令値に応じて第1目標エンジン回転数N1と高速制御の領域F1とを設定する。第1目標エンジン回転数N1に基づいて低回転側の第2目標エンジン回転数N2と高速制御の領域F2とを設定する。可変容量型の油圧ポンプのポンプ容量D及びエンジントルクTを検出し、高速制御の領域F2でのエンジン制御中に、検出したポンプ容量D及びエンジントルクTに対応する目標エンジン回転数Nを、予め設定したポンプ容量Dと目標エンジン回転数Nとの対応関係及びエンジントルクTと目標エンジン回転数Nとの対応関係から求める。そして、エンジンを目標エンジン回転数Nとなるように駆動制御する。

Description

本発明は、設定したエンジンの目標エンジン回転数に基づいてエンジンの駆動制御を行うエンジンの制御装置及びその制御方法に関し、特に、エンジンの燃費消費量の改善を図ったエンジンの制御装置及びその制御方法に関するものである。
作業車輌では、エンジン負荷がエンジンの定格トルク以下の場合には、トルク線図における高速制御の領域でエンジントルクとのマッチングが行われている。例えば、燃料ダイヤルでの設定に対応して目標エンジン回転数が設定され、設定された目標エンジン回転数に対応した高速制御の領域が定められる。
あるいは、燃料ダイヤルでの設定に対応して高速制御の領域が定められ、定められた高速制御の領域に対応してエンジンの目標エンジン回転数が設定される。そして、定められた高速制御の領域で、エンジン負荷とエンジントルクとをマッチングさせる制御が行われる。
一般的に多くの作業者は、作業量を上げるため、目標エンジン回転数をエンジンの定格回転数またはその近傍の回転数となるように設定することが多い。ところで、エンジンの燃料消費量が少ない領域、即ち、燃費の良い領域は、通常、エンジンのトルク線図上では中速回転数領域や高トルク領域に存在している。このため、無負荷ハイアイドル回転から定格回転の間で定められる高速制御の領域は、燃費の面からみると効率の良い領域とはなっていない。
従来、エンジンを燃費の良い領域で駆動させるため、作業モード毎にエンジンの目標エンジン回転数の値とエンジンの目標出力トルクの値とを予め対応付けて設定し、複数の作業モードを選択できるようにした制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この種の制御装置では、作業者が、例えば、第2の作業モードを選択した場合には、第1の作業モードに比べて、エンジンの回転数を低く設定することができ、燃費を改善することができる。
しかしながら、上述したような作業モード切換方式を用いた場合には、作業者がモード切換手段を一々操作していかなければ、燃費の改善を行うことができない。また、第2の作業モードを選択したときのエンジン回転数を、第1の作業モードを選択したときのエンジン回転数に対して、一律に下げた回転数の値となるように設定しておいたときには、第2の作業モードが選択されると、次のような問題が起きてしまう。即ち、作業車輌の作業装置(以下、作業機という。)における最大速度は、第1の作業モードを選択した場合に比べて低下してしまう。この結果、第1の作業モードを選択したときの作業量に比べて、第2の作業モードを選択したときの作業量は少なくなってしまう。
特開平10−273919号公報
本発明は、上述したような従来技術の有していた課題を解決すべくなされたものであって、エンジントルクが低い状態のときには、設定した第1目標エンジン回転数よりも低回転域側にある第2目標エンジン回転数に基づいて、エンジンの駆動制御を行い、エンジントルクが高い状態でエンジンを使用するときには、エンジンによって駆動される可変容量型油圧ポンプのポンプ容量又は検出したエンジントルクに対応して、予め設定した目標エンジン回転数となるようにエンジンの駆動制御を行えるエンジンの制御装置及びその制御方法を提供する。
特に、エンジンの燃費を向上させることができ、作業機が必要とするポンプ吐出量を確保しながらも、エンジン回転数を非常に滑らかに変化させることができ、しかも、エンジン回転音が不連続に変化する違和感を防止できるエンジンの制御装置及びその制御方法を提供することにある。
本発明の課題は、請求の範囲第1項〜第4項に記載したエンジンの制御装置の発明と請求の範囲第5項〜第10項に記載したエンジンの制御方法との各発明により、達成することができる。
即ち、本願発明におけるエンジンの制御装置では、エンジンによって駆動される可変容量型の油圧ポンプと、前記油圧ポンプからの吐出圧油により駆動される油圧アクチュエータと、前記油圧ポンプから吐出した圧油を制御して前記油圧アクチュエータに給排する制御弁と、前記油圧ポンプのポンプ容量及びエンジントルクを検出する検出手段と、前記エンジンに供給する燃料を制御する燃料噴射装置と、を備えたエンジンの制御装置において、
可変に指令できる指令値の中から一つの指令値を選択して指令する指令手段と、前記指令手段で指令された指令値に応じて第1目標エンジン回転数を設定し、設定した前記第1目標エンジン回転数に基づいて、前記第1目標エンジン回転数よりも低い回転数である第2目標エンジン回転数を設定する第1設定手段と、前記検出手段で検出されるポンプ容量と目標エンジン回転数との対応関係及び前記検出手段で検出されるエンジントルクと目標エンジン回転数との対応関係を定めた第2設定手段と、
を備え、
前記第2目標エンジン回転数に基づいて開始された前記エンジンの駆動制御において、前記検出手段で検出したポンプ容量又はエンジントルクに対応して、前記第2設定手段から求めた目標エンジン回転数となるように前記燃料噴射装置が制御されてなることを最も主要な特徴となしている。
また、本願発明におけるエンジンの制御装置では、前記燃料噴射装置における前記第2設定手段から求めた目標エンジン回転数に基づく燃料制御は、前記第2目標エンジン回転数に基づいたエンジンの制御中においては、前記油圧ポンプのポンプ容量が予め設定した第2の所定ポンプ容量又はエンジントルクが予め設定した第2の所定エンジントルクよりも大きくなった後に行われてなることを主要な特徴となしている。
更に、本願発明におけるエンジンの制御装置では、前記燃料噴射装置における前記第2設定手段から求めた目標エンジン回転数に基づく燃料制御は、前記第1目標エンジン回転数に基づいたエンジンの制御中においては、前記油圧ポンプのポンプ容量が予め設定した第1の所定ポンプ容量又はエンジントルクが予め設定した第1の所定エンジントルクよりも小さくなった後に行われてなることを主要な特徴となしている。
更にまた、本願発明におけるエンジンの制御装置では、前記第2設定手段から求めた前記目標エンジン回転数が、前記検出手段で検出したポンプ容量に対応した目標エンジン回転数と前記検出手段で検出したエンジントルクに対応した目標エンジン回転数とのうちで、高い方の目標エンジン回転数であることを主要な特徴となしている。
本願発明におけるエンジンの制御方法では、エンジンによって駆動される可変容量型の油圧ポンプと、前記油圧ポンプからの吐出圧油により駆動される油圧アクチュエータと、前記油圧ポンプから吐出した圧油を制御して前記油圧アクチュエータに給排する制御弁と、前記油圧ポンプのポンプ容量及びエンジントルクを検出する検出手段と、を備えたエンジンの制御方法において、
可変に指令できる指令値の中から一つの指令値を選択し、選択した指令値に応じて第1目標エンジン回転数を設定すること、設定した前記第1目標エンジン回転数に基づいて、前記第1目標エンジン回転数よりも低い回転数である第2目標エンジン回転数を設定すること、前記検出手段で検出されるポンプ容量及び前記検出手段で検出されるエンジントルクに対応した目標エンジン回転数を、予め設定しておくこと、
前記第2目標エンジン回転数に基づいて開始された前記エンジンの駆動制御が、予め定めておいた前記目標エンジン回転数の中から、前記検出手段で検出しているポンプ容量又はエンジントルクに対応した目標エンジン回転数に基づいて制御されてなること、を他の最も主要な特徴となしている。
また、本願発明におけるエンジンの制御方法では、前記目標エンジン回転数に基づく前記エンジンの駆動制御は、前記第2目標エンジン回転数に基づいたエンジンの制御中においては、前記油圧ポンプのポンプ容量が予め設定した第2の所定ポンプ容量又はエンジントルクが予め設定した第2の所定エンジントルクよりも大きくなった後に行われてなることを主要な特徴となしている。
更に、本願発明におけるエンジンの制御方法では、前記目標エンジン回転数に基づく前記エンジンの駆動制御は、前記第1目標エンジン回転数に基づいたエンジンの制御中においては、前記油圧ポンプのポンプ容量が予め設定した第1の所定ポンプ容量又はエンジントルクが予め設定した第1の所定エンジントルクよりも小さくなった後に行われてなることを主要な特徴となしている。
更にまた、本願発明におけるエンジンの制御方法では、前記目標エンジン回転数に基づく前記エンジンの駆動制御が、前記検出手段で検出しているポンプ容量に対応した目標エンジン回転数に基づいて制御されてなることを主要な特徴となしている。
また、本願発明におけるエンジンの制御方法では、前記目標エンジン回転数に基づく前記エンジンの駆動制御が、前記検出手段で検出しているエンジントルクに対応した目標エンジン回転数に基づいて制御されてなることを主要な特徴となしている。
更に、本願発明におけるエンジンの制御方法では、前記目標エンジン回転数に基づく前記エンジンの駆動制御が、予め定めておいた目標エンジン回転数の中から、前記検出手段で検出しているポンプ容量に対応した目標エンジン回転数と、前記検出手段で検出しているエンジントルクに対応した目標エンジン回転数と、のうちで回転数が高い目標エンジン回転数に基づいて制御されてなることを主要な特徴となしている。
本発明におけるエンジンの制御装置及びエンジンの制御方法では、指令手段からの指令値に応じて、第1目標エンジン回転数を設定し、設定した第1目標エンジン回転数に基づいて低回転域側に第2目標エンジン回転数を設定することができる。そして、エンジントルクが低い状態でエンジンを駆動制御するときには、第2目標エンジン回転数に基づいてエンジンの駆動制御を開始することができる。これにより、作業車輌における作業性能を実質変えることなく、エンジンを燃費効率の良い領域にシフトして使用することが可能となり、エンジンの燃料消費量を低減させることができる。
しかも、検出したポンプ容量又は検出したエンジントルクに対応した目標エンジン回転数を求めることができ、そして、求めた目標エンジン回転数となるようにエンジンを制御していくことができる。
このように構成することによって、エンジン負荷とエンジントルクとをマッチングさせながら、必要なポンプ吐出量を確保しつつ、エンジン回転数を非常に滑らかに変化させることができる。また、エンジン回転音が不連続に変化してしまうのを防止することができるので、エンジン回転音による違和感の発生を防止できる。しかも、エンジン回転数を非常に滑らかに変化させることができるので、燃費を大きく向上させることができる。
また、本発明では、第2目標エンジン回転数でエンジンの駆動制御を行っているときには、可変容量型の油圧ポンプにおけるポンプ容量が、予め設定した第2の所定ポンプ容量又はエンジントルクが予め設定した第2の所定エンジントルク以上となるまでは、第2目標エンジン回転数でエンジンの駆動制御を行っている。そして、第2の所定ポンプ容量又は第2の所定エンジントルク以上になった後には、検出したポンプ容量又は検出したエンジントルクに対応した目標エンジン回転数となるようにエンジンの駆動制御を行っている。
これにより、作業者の求める作業機の操作状況に応じた最適な状態で、エンジンを回転駆動させることができ、可変容量型の油圧ポンプとしては、最適状態で回転駆動しているエンジンにおける最大出力を吸収して、圧油を吐出することができる。このため、重掘削作業等において、エンジンの最大出力を必要とする作業においては、従来と同じ作業性能を発揮することができる。
更に、本発明では、第1目標エンジン回転数でエンジンの駆動制御を行っているときには、可変容量型の油圧ポンプにおけるポンプ容量が、予め設定した第1の所定ポンプ容量又はエンジントルクが、予め設定した第1の所定エンジントルク以下となるまでは、第1目標エンジン回転数でエンジンの駆動制御を行っている。そして、第1の所定ポンプ容量又は第1の所定エンジントルク以上になった後には、検出したポンプ容量又は検出したエンジントルクに対応した目標エンジン回転数となるように、エンジンの駆動制御を行っている。
これにより、第1目標エンジン回転数でエンジンの駆動制御を行っているときには、可変容量型の油圧ポンプが、第1の所定ポンプ容量又はエンジントルクが予め設定した第1の所定エンジントルク以下になるまでは、高いエンジントルクを確保しておくことができる。そして、可変容量型の油圧ポンプが、第1の所定ポンプ容量又はエンジントルクが予め設定した第1の所定エンジントルク以下となって高いエンジントルクを必要としないときには、検出したポンプ容量又はエンジントルクに対応して、燃費効率の良い第1目標エンジン回転数よりも低い目標エンジン回転数にすることができる。このようにエンジンの駆動制御を行うことが可能となるので、エンジンの燃料消費量を低減させることができる。
更に、本発明では、エンジンの駆動制御を行うときの目標エンジン回転数として、検出したポンプ容量に対応した目標エンジン回転数と、検出したエンジントルクに対応した目標エンジン回転数とのうちで、高い方の目標エンジン回転数を用いることができる。
このように構成することによって、トルク線図上でエンジンが出し得る最大定格馬力点を通過させることもできるようになり、油圧アクチュエータが必要とするポンプ吐出量を確保した状態で、滑らかで効率の良い状態においてエンジンの駆動制御を行うことができる。
本願発明では、高いエンジントルクを必要としないときには、燃費効率の良い目標エンジン回転数で、エンジンの駆動制御を行なっていくことが可能となり、エンジンの燃料消費量を低減させながら、必要とするポンプ吐出量を確保しておくことができる。しかも、上述したような簡単な構成でありながら、可変容量型の油圧ポンプにエンジンの最大出力を吸収させることが可能となり、しかも、エンジンの燃料消費量を低減させることができる。
尚、検出するポンプ容量としては、油圧ポンプの斜板角を検出した値あるいはポンプ容量を表す関係式を用いて求めることができる。ポンプ容量を表す関係式としては、例えば、可変容量型の油圧ポンプの吐出圧Pと吐出容量D(ポンプ容量D)とエンジントルクTとの関係を示した、T=P・D/200πの関係式を用いて、D=200π・T/Pの式から、そのときの油圧ポンプのポンプ容量を求めることができる。
また、可変容量型の油圧ポンプの斜板角を制御するポンプ制御装置において設定されている差圧(通常、ロードセンシング差圧と呼ばれている。)に対して、可変容量型の油圧ポンプのポンプ吐出圧と油圧アクチュエータの負荷圧との差圧における関係等を用いて、ポンプ容量を求めることもできる。
更に、検出するエンジントルクとしては、従来から公知のエンジントルク検出器等を用いて検出することも、ポンプ容量とポンプ吐出圧力とからエンジントルクを求めるなど適宜の方法で求めることができる。
本願発明においては、第1目標エンジン回転数、第2目標エンジン回転数、及び第1目標エンジン回転数と第2目標エンジン回転数との間における、検出したポンプ容量又は検出したエンジントルクに対応した目標エンジン回転数に基づいて、エンジンのT−N線図(エンジントルク軸とエンジン回転数軸とからなるトルク線図)において、それぞれ対応した高速制御の領域を設定することができる。
そして、検出したポンプ容量に対応した目標エンジン回転数を用いてエンジンの駆動制御を行うことにより、現時点での可変容量型の油圧ポンプにおけるポンプ容量に対応して、次の目標エンジン回転数を順次定めていくことができる。
このようにして、目標エンジン回転数を順次定めていくことによって、可変容量型の油圧ポンプにおけるポンプ容量を最適なポンプ容量となるように制御できる。従って、可変容量型の油圧ポンプにおけるポンプ容量が変動したとしても、目標エンジン回転数を変動した油圧ポンプのポンプ容量に追従させることができ、短時間の間に油圧アクチュエータが必要とする吐出流量を確保することができる。
また、検出したエンジントルクに対応した目標エンジン回転数を用いてエンジンの駆動制御を行うことによっても、ポンプ容量を検出して目標エンジン回転数を求めてエンジンの駆動制御を行っていく場合と同様の効果を奏することができる。
その上、検出したエンジントルクに対応した目標エンジン回転数を用いてエンジンの駆動制御を行う場合には、トルク線図上でエンジンが出し得る最大定格馬力点を通過させることができる。尚、検出したポンプ容量に対応した目標エンジン回転数を用いてエンジンの駆動制御を行う場合で、第1目標エンジン回転数になっていない場合には、トルク線図上で最大馬力点を通過させることはできるが、この最大馬力点は最大定格馬力点よりも小さくなっている。
このように、各高速制御の領域での制御を行うことができる。しかも、これらの高速制御の領域における制御も本願発明では、第1目標エンジン回転数、第2目標エンジン回転数及び第1目標エンジン回転数と、第2目標エンジン回転数との間における、検出したポンプ容量又は検出したエンジントルクに対応した目標エンジン回転数に基づいたエンジンの制御に包含されているものである。
図1は、本発明の実施形態に係わる油圧回路図である。(実施例) 図2は、エンジンのトルク線図である。(実施例) 図3は、エンジントルクを増加させるときのトルク線図である。(実施例) 図4は、エンジントルクを減少させるときのトルク線図である。(実施例) 図5は、本発明に係わる制御フロー図である。(実施例) 図6は、コントローラのブロック図である。(実施例) 図7は、ポンプ容量と目標エンジン回転数との関係を示した図である。(実施例) 図8は、エンジン回転数とエンジントルクとの関係を示した図である。(説明例) 図9は、エンジン回転数とエンジントルクとの関係を示した図である。(実施例) 図10は、エンジントルクと目標エンジン回転数との関係を示した図である。(実施例) 図11は、オープンセンタタイプとして構成された油圧回路図である。(実施例) 図12は、オープンセンタタイプのうちでネガティブコントロールタイプの油圧回路図である。(実施例) 図13は、図12のネガティブコントロールタイプの制御特性を示す図である。(実施例) 図14は、図12のネガティブコントロールタイプにおけるポンプ制御特性を示す図である。(実施例) 図15は、オープンセンタタイプのうちでポジティブコントロールタイプの油圧回路図である。(実施例) 図16は、図15のポジティブコントロールタイプにおけるポンプ制御特性を示す図である。(実施例)
符号の説明
2・・・エンジン
3・・・燃料噴射装置
4・・・燃料ダイヤル(指令手段)
6・・・可変容量型油圧ポンプ
7・・・コントローラ
8・・・ポンプ制御装置
9・・・制御弁
11・・・操作レバー装置
12・・・サーボシリンダ
17・・・LS弁
32・・・燃料ダイヤル指令値演算部
32a・・・第1設定手段
32b・・・第2設定手段
50・・・可変容量型油圧ポンプ
53・・・第三制御弁
54・・・センターバイパス回路
55・・・絞り
57・・・サーボ油圧アクチュエータ
58・・・サーボ案内弁
59・・・ネガティブコントロール弁
71・・・第一パイロット弁
72・・・第二パイロット弁
73・・・第三パイロット弁
75・・・コントローラ
76・・・ポンプ制御装置
F1〜F4・・・高速制御の領域
Fa〜Fc・・・高速制御の領域
A・・・第1設定位置
B・・・第2設定位置
Nh・・・定格回転数
K1・・・最大定格馬力点
R・・・最大トルク線
M・・・等燃費曲線
本発明の好適な実施の形態について、添付図面に基づいて以下において具体的に説明する。本発明のエンジンの制御装置及びエンジンの制御方法は、油圧ショベル、ブルドーザ、ホイールローダなどの作業車輌に搭載されるディーゼルエンジンを制御する制御装置及び制御方法として好適に適用することができるものである。
また、本発明のエンジンの制御装置及びエンジンの制御方法としては、以下で説明する形状、構成以外にも本発明の課題を解決することができる形状、構成であれば、それらの形状、構成を採用することができるものである。このため、本発明は、以下に説明する実施例に限定されるものではなく、多様な変更が可能である。
図1は、本発明の実施形態に係わるエンジンの制御装置及びエンジンの制御方法における油圧回路図である。エンジン2はディーゼルエンジンであり、そのエンジントルクの制御は、エンジン2のシリンダ内に噴射する燃料の量を調整することによって行われる。この燃料の調整は、従来から公知の燃料噴射装置3によって行うことができる。
エンジン2の出力軸5には可変容量型油圧ポンプ6(以下、油圧ポンプ6という。)が連結されており、出力軸5が回転することにより油圧ポンプ6が駆動される。油圧ポンプ6の斜板6aの傾転角は、ポンプ制御装置8によって制御され、斜板6aの傾転角が変化することで油圧ポンプ6のポンプ容量D(cc/rev)が変化する。
ポンプ制御装置8は、斜板6aの傾転角を制御するサーボシリンダ12と、ポンプ圧と油圧アクチュエータ10の負荷圧との差圧に応じて制御されるLS弁(ロードセンシング弁)17と、から構成されている。サーボシリンダ12は、斜板6aに作用するサーボピストン14を備えており、油圧ポンプ6からの吐出圧は、油路27a、27bによって取り出すことができる。油路27aで取り出した吐出圧とパイロット油路28で取り出した油圧アクチュエータ10の負荷圧との差圧に応じて、LS弁17が作動し、LS弁17の作動によってサーボピストン14を制御する構成となっている。
サーボピストン14の制御によって、油圧ポンプ6における斜板6aの傾転角が制御される。また、操作レバー11aの操作量に応じて制御弁9が制御されることで、油圧アクチュエータ10に供給する流量が制御されることになる。このポンプ制御装置8は、公知のロードセンシング制御装置によって構成することができる。
油圧ポンプ6から吐出された圧油は、吐出油路25を通って制御弁9に供給される。制御弁9は、5ポート3位置に切換えることのできる切換弁として構成されており、制御弁9から出力する圧油を油路26a、26bに対して選択的に供給することで、油圧アクチュエータ10を作動させることができる。
尚、油圧アクチュエータとしては、例示した油圧シリンダ型の油圧アクチュエータに限定されて解釈されるものではなく、油圧モータでもよく、また、ロータリー型の油圧アクチュエータとして構成することもできる。また、制御弁9と油圧アクチュエータ10との組を1組だけ例示しているが、制御弁9と油圧アクチュエータ10との組を複数組構成しておくことも、1つの制御弁で複数の油圧アクチュエータを操作するように構成しておくこともできる。
即ち、例えば作業車輌として油圧ショベルを例に挙げて油圧アクチュエータを説明すれば、ブーム用油圧シリンダ、アーム用油圧シリンダ、バケット用油圧シリンダ、左走行用油圧モータ、右走行用油圧モータ及び旋回モータ等が、油圧アクチュエータとして用いられることになる。図1ではこれらの各油圧アクチュエータのうちで、例えば、ブーム用油圧シリンダを代表させて示していることになる。
操作レバー11aを中立位置から操作したとき、操作レバー11aの操作方向及び操作量に応じて、操作レバー装置11からはパイロット圧が出力される。出力されたパイロット圧は、制御弁9の左右のパイロットポートのいずれかに加えられることになる。これにより、制御弁9は、中立位置である(II)位置から左右の(I)位置又は(III)位置に切換えられる。
制御弁9が(II)位置から(I)位置に切換えられると、油圧ポンプ6からの吐出圧油を、油路26bから油圧アクチュエータ10のボトム側に供給することができ、油圧アクチュエータ10のピストンを伸長させることができる。このとき、油圧アクチュエータ10のヘッド側における圧油は、油路26aから制御弁9を通ってタンク22に排出されることになる。
同様に、制御弁9が(III)位置に切換えられると、油圧ポンプ6からの吐出圧油は、油路26aから油圧アクチュエータ10のヘッド側に供給することができ、油圧アクチュエータ10のピストンを縮小させることができる。このとき、油圧アクチュエータ10のボトム側における圧油は、油路26bから制御弁9を通ってタンク22に排出されることになる。
吐出油路25の途中からは、油路27cが分岐しており、油路27cにはアンロード弁15が配設されている。アンロード弁15はタンク22に接続しており、油路27cを遮断する位置と連通する位置とに切換えることができる。油路27cにおける油圧は、アンロード弁15を連通位置に切換える押圧力として作用する。
また、油圧アクチュエータ10の負荷圧を取り出しているパイロット油路28のパイロット圧及び一定差圧を付与するバネのバネ力は、アンロード弁15を遮断位置に切換える押圧力として作用する。そして、アンロード弁15は、パイロット油路28のパイロット圧及びバネのバネ力と、油路27cにおける油圧との差圧によって制御されることになる。
作業者が指令手段としての燃料ダイヤル4を操作して、可変に指令できる指令値の中から一つの指令値を選択すると、選択した指令値に対応した目標エンジン回転数を設定することができる。このようにして設定した第1目標エンジン回転数に応じて、エンジン負荷とエンジントルクとをマッチングさせる高速制御の領域を設定することができる。
即ち、図2で示すように、燃料ダイヤル4の操作に応じて第1目標エンジン回転数である目標エンジン回転数Nb(N´b)が設定されると、目標エンジン回転数Nb(N´b)に応じた高速制御の領域Fbが選択されることになる。このとき、エンジンの目標エンジン回転数は、回転数Nb(N´b)となる。
尚、エンジンの目標エンジン回転数N´bは、エンジンの目標エンジン回転数を回転数Nbに制御するときにおける、無負荷時のエンジンの摩擦トルクと油圧系のロストルクとの合計値とエンジントルクとがマッチングする点として定まることになる。そして、実際のエンジン制御においては、目標エンジン回転数N´bとマッチング点Psとを結んだ線を、高速制御の領域Fbとして設定することになる。
ここで、作業者が燃料ダイヤル4を操作して、最初に選択した第1目標エンジン回転数Nb(N´b)とは異なる低い目標エンジン回転数Nc(N´c)を設定すると、高速制御の領域としては低回転域側における高速制御の領域Fcが設定されることになる。このとき設定された目標エンジン回転数Nc(N´c)が第2目標エンジン回転数となる。
このように、燃料ダイヤル4が設定されることにより、燃料ダイヤル4で選択できる目標エンジン回転数に対応して、1つの高速制御の領域を設定することができる。即ち、燃料ダイヤル4を選択することによって、例えば、図2で示すように最大定格馬力点K1を通る高速制御の領域Faと、同高速制御の領域Faから低回転域側における複数の高速制御の領域Fb、Fc、・・・の中から任意の高速制御の領域、あるいは、これらの高速制御の領域の中間にある任意の高速制御の領域を設定することができる。
図3のトルク線図において最大トルク線Rで規定される領域が、エンジン2が出し得る性能を示している。最大トルク線R上の最大定格馬力点K1(以下、最大定格馬力点K1という。)であり、エンジン2の出力(馬力)が最大になる。Mはエンジン2の等燃費曲線を示しており、等燃費曲線の中心側が燃費最小領域となっている。
以下では、燃料ダイヤル4の指令値に対応してエンジンの最大目標エンジン回転数である目標エンジン回転数N1(N´1)が設定され、目標エンジン回転数N1(N´1)に対応して、最大定格馬力点K1を通る高速制御の領域F1が設定された場合を例に挙げて説明する。即ち、第1目標エンジン回転数として、目標エンジン回転数N1(N´1)が設定された場合について説明する。このとき、エンジン負荷とエンジントルクとをマッチングさせながら高速制御の領域F1上を移動させる制御フローについては、主に図1、図3及び図4を参照しながら、図5の制御フロー図及び図6のシステムブロック図を用いて説明を行うことにする。
尚、燃料ダイヤル4の指令値に対応して、エンジン回転数としての最大目標エンジン回転数N1(N´1)、最大定格馬力点K1を通る高速制御の領域F1が、第1目標エンジン回転数として設定された場合についての説明を以下で行うが、本発明は最大定格馬力点K1を通る高速制御の領域F1が設定された場合に限定されるものではない。例えば、設定された第1目標エンジン回転数N1に応じて、図2における複数の高速制御の領域Fb、Fc、・・・の中から、あるいは、複数の高速制御の領域Fb、Fc、・・・の中間における任意の高速制御の領域を設定した場合であったとしても、設定した各高速制御の領域に対して本発明を好適に適用することができる。
図3は、エンジントルクが増大していくときの様子を示しており、図4は、エンジントルクが減少していくときの様子を示している。図7は、検出したポンプ容量Dと目標エンジン回転数との対応関係を説明している図である。また、図8〜図10は、検出したエンジントルクと目標エンジン回転数との対応関係を説明するための図である。図8は、エンジントルクの推定方法を示す図であり、図9は、検出したエンジントルクを用いて行ったときのトルク線図を示している。図10は、検出したエンジントルクと目標エンジン回転数との対応関係を説明している図である。
また、図5は、制御フローを示している。また、図6において一点鎖線で囲んだところが、コントローラ7を示している。尚、図5及び図7において、ポンプ容量Dと目標エンジン回転数Nとの関係、図5及び図10における検出トルクTと目標エンジン回転数Nとの関係、を示しているが、ここで示した関係は例示であって、他の関係曲線等に設定しておくこともできる。
最初に、コントローラ7の制御について、図6を用いて説明する。図6において、コントローラ7内の燃料ダイヤル指令値演算部32には、燃料ダイヤル4の指令値37が入力されるとともに、検出した油圧ポンプ6のポンプ容量と検出したエンジントルクとが入力される。燃料ダイヤル指令値演算部32には、第1設定手段32aと第2設定手段32bとが設けられている。第1設定手段32a及び第2設定手段32bについては、後述する。
燃料ダイヤル指令値演算部32からは、エンジン2の目標エンジン回転数を出力し、新燃料ダイヤル指令値35を設定する。そして、設定した新燃料ダイヤル指令値35をエンジン2の燃料噴射装置3(図1参照)に指令して、エンジン2の駆動制御を行う。
燃料ダイヤル指令値演算部32に入力される油圧ポンプ6の検出したポンプ容量としては、ポンプ容量センサ39からの検出信号を直接用いることや、ポンプ容量演算部33で演算したポンプ容量を用いることができる。
ポンプ容量演算部33には、ポンプ圧力センサ38で検出したポンプ吐出圧とエンジントルク指令値41又はエンジントルク演算部II(42)からの出力信号が入力されている。一般に、油圧ポンプ6のポンプ吐出圧Pと吐出容量D(ポンプ容量D)とエンジントルクT(エンジントルクT)との関係は、T=P・D/200πとして表すことができる。この関係式から、D=200π・T/Pの式を導き引き出して、その時点での油圧ポンプ6のポンプ容量Dを求めることができる。
尚、ポンプ圧力センサ38は、例えば、図1の吐出油路25におけるポンプ圧力を検出できるように配設しておくことができる。また、ポンプ容量センサ39は、油圧ポンプ6の斜板角を検出するセンサ等として構成しておくことができる。
エンジントルク指令値41は、コントローラ内部にエンジン制御の目的で保有しているエンジントルク指令値である。ポンプ容量演算部33において、エンジントルク指令値41又はエンジントルク演算部II(42)から出力されたエンジントルクの値を、ポンプ圧力センサ38で検出したポンプ吐出圧で割ることにより、ポンプ容量を求めることができる。
ポンプ容量演算部II(42)には、エンジン回転数センサ20で検出したエンジン回転数と、新燃料ダイヤル指令値35とが入力されている。ポンプ容量演算部II(42)では、図8に示したようなエンジントルクTとエンジン回転数Nとの関係図等を用いて、ポンプ容量演算部II(42)に入力された値を用いてエンジントルクを演算することができる。
即ち、図8で示すように、その時点における目標エンジン回転数Nn、即ち、目標エンジン回転数Nnに対応して新燃料ダイヤル指令値35によって設定された高速制御領域Fn上において、エンジン回転数センサ20で検出したその時点でのエンジン回転数Nrとの交点から、その時点におけるエンジンの推定トルクTgを求めることができる。
尚、エンジントルク演算部II(42)では、エンジントルク指令値41とエンジン回転数センサ20で検出したエンジン回転数とから、その時点におけるエンジントルクを演算することもできる。
燃料ダイヤル指令値演算部32に入力される検出したエンジントルクとしては、エンジントルク演算部I(40)又はエンジントルク演算部II(42)から出力されたトルクの値が用いられている。
エンジントルク演算部II(42)では、上述したような演算が行われて、エンジントルクが求められる。また、エンジントルク演算部I(40)では、ポンプ容量センサ39で検出したポンプ容量と、ポンプ圧力センサ38で検出したポンプ吐出圧とから、油圧ポンプ6の出力トルクを演算し、同演算した出力トルクを、その時点でのエンジントルクとして求めることができる。
図6では、ポンプ容量演算部33、エンジントルク指令値41、エンジントルク演算部II(42)に対する入力信号及び出力信号を、それぞれ破線を用いて示している。これは、これらの演算部、指令値は、ポンプ容量やエンジントルクを求める代替手段として用いることができることを示すため、破線を用いて示している。
次に、図5の制御フローについて説明を行う。
図5のステップ1において、コントローラ7は燃料ダイヤル4の指令値を読み取る。コントローラ7が燃料ダイヤル4の指令値を読み取ると、ステップ2に移る。
ステップ2では、コントローラ7は読み取った燃料ダイヤル4の指令値に応じて、第1目標エンジン回転数N1(N´1)を設定し、設定した第1目標エンジン回転数N1(N´1)に基づいて高速制御の領域F1を設定する。
尚、読み取った燃料ダイヤル4の指令値に応じて、エンジン2の第1目標エンジン回転数N1(N´h)を最初に設定する旨の説明を行っているが、最初に高速制御の領域F1を設定して、設定した高速制御の領域F1に対応して第1目標エンジン回転数N1(N´1)を設定することもできる。あるいは、読み取った燃料ダイヤル4の指令値に応じて、第1目標エンジン回転数N1(N´1)と高速制御の領域F1とを同時に設定することもできる。
図3で示すように、第1目標エンジン回転数N1(N´1)及び高速制御の領域F1が設定されると、ステップ3に移る。
尚、図3において、最大目標エンジン回転数N1のハイアイドル点N´1と最大定格馬力点K1とを結ぶ線を、高速制御の領域F1として示している。このハイアイドル点N´1は、図2を用いた高速制御の領域Fbの説明において既に説明したように、エンジンの目標エンジン回転数を最大目標エンジン回転数Nhに制御するときにおける、無負荷時のエンジンの摩擦トルクと油圧系のロストルクとの合計値とエンジントルクとがマッチングする点として定めることができる。
ステップ3では、コントローラ7は第1設定手段32aを用いて、第1目標エンジン回転数N1(N´1)、高速制御の領域F1に対応して予め設定してある低回転域側にある第2目標エンジン回転数N2(N´2)、目標エンジン回転数N2(N´2)に対応した高速制御の領域F2を決定する。
高速制御の領域F2としては、例えば、油圧ショベルの操作レバー11aを操作したときに、高速制御の領域F1で制御した場合に比べても、ロードセンシング制御によって操作速度が、殆ど低下することのない高速制御の領域として予め設定しておくことができる。
即ち、高速制御の領域F2に応じた目標エンジン回転数N2を、高速制御の領域F1に応じた目標エンジン回転数Nhに対して、例えば10%低くなるように設定することができる。仮に目標エンジン回転数を10%低くなるように設定した場合を例に挙げて説明したが、ここで挙げている数値は、例示であって、本発明はこの数値に限定されるものではない。
このようにして、燃料ダイヤル4で設定できる各高速制御の領域F1に対応して、同高速制御の領域F1よりも低回転域側にある高速制御の領域F2を、予めそれぞれの高速制御の領域F1に対応した高速制御の領域として設定しておくことができる。
高速制御の領域F2がコントローラ7によって決定され、ステップ4に移る。
ステップ4では、操作レバー11aが操作されると、図3の細かい点線で示すように、コントローラ7はエンジン負荷とエンジントルクとのマッチングが高速制御の領域F2上で行われるように、燃料噴射装置3の制御を行う。
作業者が操作レバー11aを操作して、油圧ショベルの作業機速度を増速させる制御が開始されると、ステップ5からの制御又はステップ8からの制御が行われる。後述するように、検出したポンプ容量Dに対応した目標エンジン回転数Nと、検出したエンジントルクTに対応した目標エンジン回転数Nとの両方の目標エンジン回転数を利用する場合には、ステップ5からの制御及びステップ8からの制御が行われることになる。
ステップ5からステップ7の制御は、検出した油圧ポンプ6のポンプ容量Dに対応した目標エンジン回転数Nを求める制御ステップとして構成されており、ステップ8からステップ11の制御は、検出したエンジントルクTに対応した目標エンジン回転数Nを求める制御ステップに構成されている。そして、ステップ5からステップ7での制御及びステップ8からステップ11での制御は、第2設定手段32bによって行われる。
最初に、ステップ5からステップ7における、検出したポンプ容量に対応した目標エンジン回転数を求める制御ステップについて説明する。
ステップ5では、ポンプ容量センサ39で検出した油圧ポンプ6のポンプ容量Dが読み取られる。ステップ5において、ポンプ容量Dが読み取られるとステップ6に移動する。ポンプ容量Dの求め方としては、上述したようにポンプ吐出圧Pと吐出容量D(ポンプ容量D)とエンジントルクT(エンジントルクT)との関係等から求めることもできる。
ステップ6における、検出したポンプ容量Dに対応した目標エンジン回転数Nを求める制御の概略は次の通りである。即ち、図7で示すように、エンジンの駆動制御が第2目標エンジン回転数N2に基づいて制御されているときには、油圧ポンプ6のポンプ容量Dが第2の所定のポンプ容量D2になるまでは、第2目標エンジン回転数N2に基づいた制御が行われる。
検出した油圧ポンプ6のポンプ容量Dが、第2の所定のポンプ容量D2以上となったときには、図7で示すような予め設定したポンプ容量Dと目標エンジン回転数Nとの対応関係に基づいて、検出したポンプ容量Dに対応した目標エンジン回転数Nが求められることになる。そしてこのときには、エンジン2の駆動制御としては、求めた目標エンジン回転数Nnとなるように制御されることになる。
そして、目標エンジン回転数Nnが、第1目標エンジン回転数N1又は第2目標エンジン回転数N2となるまでの間は、検出したポンプ容量Dnに対応した目標エンジン回転数Nnを常に求めていくことになり、求めた目標エンジン回転数Nnでエンジン2の駆動を常に制御することになる。
例えば、現時点における検出したポンプ容量Dが、ポンプ容量Dnであるときには、目標エンジン回転数Nとしては目標エンジン回転数Nnとして求めることができる。そして、ポンプ容量Dnの状態からポンプ容量Dn+1の状態に変化したことが検出されれば、図7からポンプ容量Dn+1に対応した目標エンジン回転数Nn+1が新たに求められる。そして、新たに求められた目標エンジン回転数Nn+1となるようにエンジン2に対する駆動制御が行われる。
検出されたポンプ容量Dが、第1の所定のポンプ容量D1となったときには、第1目標エンジン回転数N1に基づいて、エンジン2の駆動制御が行われることになる。そして、第1目標エンジン回転数N1に基づいて、エンジン2の駆動制御が行われているときには、油圧ポンプ6のポンプ容量Dが第1の所定のポンプ容量D1以下となるまでは、第1目標エンジン回転数N1に基づいて、エンジン2の駆動制御が行われ続けることになる。
また、検出されたポンプ容量Dが、第1の所定のポンプ容量D1と第2の所定のポンプ容量D2との間の状態のまま、図3で示すように最大トルク線Rにまで達した場合には、最大トルク線Rに沿ったエンジン制御が行われることになる。
図5に戻って、制御ステップ6についての説明を続ける。ステップ6において、予め設定したポンプ容量Dと目標エンジン回転数Nとの対応関係に基づいて、検出したポンプ容量Dに対応した目標エンジン回転数Nが求められると、ステップ7に移る。
ステップ7では、油圧ポンプ6のポンプ容量の変化率、ポンプ吐出圧力の変化率、あるいはエンジントルクTの変化率に応じて、目標エンジン回転数Nの値を修正する。即ち、これらの変化率、即ち、増加する度合いが高いときには、目標エンジン回転数Nを高め側に修正させることもできる。
尚、ステップ7として、目標エンジン回転数Nの値を修正する制御ステップを記載しているが、ステップ7の制御を飛ばすように構成しておくこともできる。
次に、ステップ8からステップ11における、検出したエンジントルクに対応した目標エンジン回転数を求める制御ステップについて説明する。
ステップ8からステップ11では、図6におけるポンプ容量センサ39からの検出信号とポンプ圧力センサ38からの検出信号によって、エンジントルク演算部I(40)からエンジントルクTが出力される構成に基づいて説明を行っている。しかし、上述したようにエンジントルクTを検出する構成としては、エンジントルク演算部II(42)等を用いて構成しておくこともできる。エンジントルク演算部I(40)又はエンジントルク演算部II(42)からエンジントルクTを演算する構成については、上述したエンジントルク演算部I(40)及びエンジントルク演算部II(42)に関する説明をもって代えることにする。
ステップ8において、ポンプ容量センサ39からの検出信号とポンプ圧力センサ38からの検出信号を読み取ると、ステップ9に移動する。
ステップ9では、ステップ8において読み取った検出信号に基づいて、エンジントルクTを算出する。エンジントルクTが算出されるとステップ10に移動する。
ステップ10における、検出したエンジントルクTに対応した目標エンジン回転数Nを求める制御の概略は次の通りである。即ち、図10で示すように、エンジンの駆動制御が、第2目標エンジン回転数N2に基づいて制御されているときには、検出されたエンジントルクTが、第2の所定のエンジントルクT2になるまでは、第2目標エンジン回転数N2に基づいた制御が行われる。
検出されたエンジントルクTが、第2の所定のエンジントルクT2以上となったときには、図10で示すような予め設定したエンジントルクTと目標エンジン回転数Nとの対応関係に基づいて、検出したエンジントルクTに対応した目標エンジン回転数Nが求められることになる。そしてこのときには、エンジン2の駆動制御としては、求めた目標エンジン回転数Nとなるように制御されることになる。
そして、目標エンジン回転数Nが、第1目標エンジン回転数N1又は第2目標エンジン回転数N2となるまでの間は、検出したエンジントルクTに対応した目標エンジン回転数Nが常に求められていくことになり、求めた目標エンジン回転数Nによってエンジン2の駆動制御が行われる。
例えば、現時点における検出したエンジントルクTが、エンジントルクTnであるときには、目標エンジン回転数Nとしては目標エンジン回転数Nnが求められる。そして、エンジントルクTが、エンジントルクTnの状態からエンジントルクTn+1の状態に変化したことが検出されれば、図10からエンジントルクTn+1に対応した目標エンジン回転数Nn+1が新たに求められる。そして、新たに求められた目標エンジン回転数Nn+1となるようにエンジン2に対する駆動制御が行われる。
検出されたエンジントルクTが、第1の所定のエンジントルクT1となったときには、第1目標エンジン回転数N1に基づいてエンジン2の駆動制御が行われることになる。そして、第1目標エンジン回転数N1に基づいてエンジン2の駆動制御が行われているときには、検出したエンジントルクTが、第1の所定のエンジントルクT1以下となるまでは、第1目標エンジン回転数N1に基づいてエンジン2の駆動制御が行われ続けることになる。
また、検出されたエンジントルクTに対応した目標エンジン回転数Nを求めてエンジン2の駆動制御を行うことにより、図9で示すように、エンジンのトルク線図上でエンジン2が出し得る最大定格馬力点を通過させることができる。
図10に戻って説明を続けると、検出されたエンジントルクTが、第1の所定のエンジントルクT1と第2の所定のエンジントルクT2との間にあるときに、次に検出したエンジントルクTn+1が変動すると、変動した新たなエンジントルクTn+1に対応した目標エンジン回転数Nn+1が求められる。そして、この新たに求められた目標エンジン回転数Nn+1に基づいて、エンジン2の駆動制御が順次行われていくことになる。
図5に戻って、制御ステップ10についての説明を続ける。ステップ10において、予め設定したエンジントルクTと目標エンジン回転数Nとの対応関係に基づいて、検出したエンジントルクTに対応した目標エンジン回転数Nが求められると、ステップ11に移る。
ステップ11では、油圧ポンプ6のポンプ容量の変化率、ポンプ吐出圧力の変化率、あるいはエンジントルクTの変化率に応じて、目標エンジン回転数Nの値を修正する。即ち、これらの変化率、即ち、増加する度合いが高いときには、目標エンジン回転数Nを高め側に修正させることもできる。
尚、ステップ11として、目標エンジン回転数Nの値を修正する制御ステップを記載しているが、ステップ11の制御を飛ばすように構成しておくこともできる。
ステップ5〜ステップ7の制御及びステップ8〜ステップ11の制御は、検出したポンプ容量Dに対応した目標エンジン回転数Nと、検出したエンジントルクTに対応した目標エンジン回転数Nとのうちで、回転数の高い方の目標エンジン回転数を使う場合には、ステップ5〜ステップ7の制御とステップ8〜ステップ11の制御とが行われる。この場合には、ステップ7及びステップ11に引き続いてステップ12の制御が行われる。
検出したポンプ容量Dに対応した目標エンジン回転数Nによって、エンジン2の駆動制御を行う場合や、検出したエンジントルクTに対応した目標エンジン回転数Nによって、エンジン2の駆動制御を行う場合には、ステップ12の制御をスキップしてステップ13に移動する。
ステップ12では、検出したポンプ容量Dに対応した目標エンジン回転数Nと、検出したエンジントルクTに対応した目標エンジン回転数Nとのうちで、回転数の高い方の目標エンジン回転数が選択される。高い方の目標エンジン回転数が選択されると、ステップ13に移動する。
ステップ13では、目標エンジン回転数Nを用いてエンジンの駆動制御を行わせるため、図6で示す新燃料ダイヤル指令値35が出力されるようにする。ステップ14では、ステップ13で指令された新燃料ダイヤル指令値35を読み取ることになる。
ステップ15では、新たに入力された新燃料ダイヤル指令値35が、直前に入力されていた新燃料ダイヤル指令値35とは異なる値であるか否かの判断を行う。
ステップ15において、新たに入力された新燃料ダイヤル指令値35が、直前に入力されていた新燃料ダイヤル指令値35とは異なる値であると判断した場合には、ステップ2に戻って、ステップ2以降の制御を繰り返すことになる。また、ステップ15において、新たに入力された新燃料ダイヤル指令値35が、直前に入力されていた新燃料ダイヤル指令値35とは異なる値ではないと判断した場合、即ち、新燃料ダイヤル指令値35が変更されていないと判断した場合には、ステップ5又はステップ8に戻って、ステップ5又はステップ8以降の制御を繰り返すことになる。
次に、作業時における制御について、図1を用いて概説する。即ち、作業者が操作レバー11aを深く操作して、油圧ショベルの作業機速度を増速させようとした場合について、ポンプ容量Dを検出して行う制御について説明を行う。エンジントルクTを検出して行う制御についての説明は省略するが、ポンプ容量Dを検出する制御と同様の制御が行われることになる。
図1における操作レバー11aが深く操作され、これによって制御弁9が例えば(I)位置に切り換えられたとすると、制御弁9の(I)位置における開口面積9aは増大し、油路25におけるポンプ吐出圧とパイロット油路28における負荷圧との差圧は低下する。このとき、ロードセンシング制御装置として構成されているポンプ制御装置8は、油圧ポンプ6のポンプ容量Dを増大する方向に作動する。
尚、第2の所定ポンプ容量D2は、油圧ポンプ6における最大ポンプ容量の値を用いて設定しておくことも、最大ポンプ容量以下のポンプ容量として設定しておくこともできる。以下では、第2の所定ポンプ容量D2として所定のポンプ容量を設定した場合を例に挙げて説明を行うことにする。油圧ポンプ6のポンプ容量が第2の所定ポンプ容量D2状態にまで増大すると、目標エンジン回転数Nを、第2目標エンジン回転数N2から図7で示すような検出したポンプ容量Dに対応した目標エンジン回転数Nの制御が行われる。
油圧ポンプ6のポンプ容量が第2の所定ポンプ容量D2となった状態は、次に説明するような各種パラメータの値を用いて検出することができる。ポンプ容量の検出手段としては、以下で説明する種々のパラメータの値を検出することのできる検出手段として構成することができる。
油圧ポンプ6のポンプ容量Dを検出することのできるパラメータの値として、エンジントルクTの値を用いた場合には、コントローラ7は、コントローラ7に記憶されているトルク線図に基づいて、エンジン回転数センサ20により検出されているエンジン回転数から、同エンジン回転数に対応した高速制御の領域F2上の位置を特定することができる。特定された位置に基づいて、そのときのエンジントルクの値を求めることができる。このようにして、エンジントルクの値をパラメータの値として用いることで、高速制御の領域F2において油圧ポンプ6からの吐出量が、油圧ポンプ6から吐出し得る最大の吐出量となった状態を検出できる。
また、油圧ポンプ6のポンプ容量をパラメータの値として用いた場合には、油圧ポンプ6の吐出圧Pと吐出容量D(ポンプ容量D)とエンジントルクTとの関係は、T=P・D/200πとして表せることができる。この関係式を用いたD=200π・T/Pの式から、そのときの油圧ポンプ6のポンプ容量を求めることができる。エンジントルクTとしては、例えば、コントローラ内部に保持されているエンジントルクの指令値を用いることもできる。
あるいは、油圧ポンプ6に斜板角センサ(図示せず)を装着して、油圧ポンプ6のポンプ容量を直接計測することによって、油圧ポンプ6のポンプ容量を求めることもできる。このようにして求めた油圧ポンプ6のポンプ容量で、高速制御の領域F2において油圧ポンプ6のポンプ容量が、第2の所定のポンプ容量D2となった状態を検出できる。
高速制御の領域F2において油圧ポンプ6のポンプ容量が、第2の所定のポンプ容量D2となった状態から、作業機速度を増速させるために作業者が操作レバー11aを更に深く操作したときには、図7に示すような検出したポンプ容量Dに対応した目標エンジン回転数Nとなるように、エンジン2の駆動制御が行われることになる。そして、このとき、高速制御の領域F2から高速制御の領域F1の間で、順次最適な高速制御の領域にシフトする制御が行われることになる。
高速制御の領域F1までのシフトが行われた後で、油圧アクチュエータ10の負荷が更に増大していくと、エンジントルクは上昇する。高速制御の領域F1において、油圧アクチュエータ10の負荷が更に増大した場合には、油圧ポンプ6のポンプ容量Dは最大ポンプ容量まで増大するとともに、エンジントルクは最大定格馬力点K1まで上昇する。また、高速制御の領域F1と高速制御の領域F2との間で、油圧アクチュエータ10の負荷が更に増大して、エンジントルクTが最大トルク線Rまで上昇した場合や、高速制御の領域F1から最大定格馬力点K1まで上昇した場合には、その後は、最大トルク線R上でエンジン回転数とエンジントルクとがマッチングする。
このように推移することができるので、高速制御の領域F1までのシフトが行われた場合には、作業機は従来どおりに最大馬力を吸収することができる。
即ち、高速制御の領域F2から高速制御の領域F1にシフトした場合には、図3の細かい点線に沿って最大トルク線Rに向かって上昇する制御が行われることになる。また、一点鎖線の状態は、高速制御の領域F2から高速制御の領域F1にシフトしている途中の高速制御の領域Fnから直接最大トルク線Rに向かって上昇する制御を示している。太い点線の矢印で示した状態が、従来から行われている高速制御の領域F1の状態のままで制御が行われた場合の様子を示している。尚、高速制御の領域Fnは、検出したポンプ容量D又は検出したエンジントルクTの値によって、目標エンジン回転数Nが変動するため、高速制御の領域Fnも変動することになる。
第2設定位置Bを決定する他の手段としては、次のような手段も存在する。即ち、油圧ポンプ6からの吐出圧と油圧アクチュエータ10の負荷圧との差圧が、ロードセンシング差圧を下回った場合には、油圧ポンプ6からの吐出流量が不足していることを示していると判断して、油圧ポンプ6の吐出圧と油圧アクチュエータ10の負荷圧との差圧が、ロードセンシング差圧と一致している状態から減少傾向になったときを、第2設定位置Bを決定する手段として用いることもできる。
このとき、高速制御の領域F2上では、ポンプ吐出流量が不足している状態になっており、言い換えると、油圧ポンプ6が第2の所定のポンプ容量D2状態になったと判断することができる。従って、エンジンを高回転域で回転させることができるように、高速制御の領域F2を高回転域側にシフトさせる制御を行わせる。
上述の実施例では、油圧回路としてロードセンシング制御装置を備えた油圧回路の例で説明を行った。しかし、油圧ポンプ6のポンプ容量を、エンジン回転数の実測値とエンジンのトルク線図から求める方法や、ポンプ斜板角センサで直接ポンプ容量を求める方法においては、図11で示すような油圧回路がオープンセンタタイプとして構成されていた場合であっても、同様に行うことができる。
油圧ショベル等の建設機械に用いられている油圧回路としては、従来からオープンセンタタイプのものが知られている。この油圧回路の一例としては、図11に示すような油圧回路がある。図11において、符号8で示す装置は、公知のポンプ容量制御装置であって、その詳細は例えば特公平6−58111号公報で開示されているような構成となっている。図11におけるポンプ制御装置8の概略を述べれば、制御弁9のセンターバイパス回路に設けた絞り30の上流圧が、パイロット油路28を介して可変容量型油圧ポンプ6のポンプ制御装置8に導かれている。
そして、制御弁9が中立位置(II)から(I)位置または(III)位置の方向に操作されていくと、制御弁9のセンターバイパス回路を通過する流量が、徐々に低減していくことになり、絞り30上流側の圧力も徐々に低減していく。絞り30上流側の圧力に反比例する形で、可変容量型油圧ポンプ6のポンプ容量は増加していく。制御弁9が(I)位置または(III)位置へ完全に切換えられると、センターバイパス回路は、ブロックされた状態となるので、絞り30上流側の圧力は、タンク22と同じレベルの圧力となる。
このとき、可変容量型油圧ポンプ6は、最大ポンプ容量となる構成となっている。そこで、パイロット油路28の圧力がタンク22の圧力となったことを検出することで、エンジン回転数を制御することが可能となる。
あるいは、可変容量型油圧ポンプ6のポンプ容量を、エンジン回転数の実測値とエンジントルクとから求める方法や、ポンプ斜板角センサで直接ポンプ容量を求める方法を用いても、エンジン回転数を制御することも可能である。
従って、本発明における油圧回路としては、ロードセンシングタイプの油圧回路に限定されるものではない。
油圧アクチュエータ10の負荷が増大した状態から減少してくると、コントローラ7は、最大トルク線R上でエンジントルクとマッチングさせながら下降させる。そして、検出したポンプ容量Dに対応して目標エンジン回転数Nが変化する関係が、図7から求められると、そのとき最大トルク線Rと高速制御の領域F3とのマッチング点から、例えば高速制御の領域Fnを下降することになる。
また、目標エンジン回転数Nが、第2目標エンジン回転数N2から第1目標エンジン回転数N1にシフトされた後の場合には、即ち、高速制御の領域を高速制御の領域F1までシフトさせたときには、エンジントルクTを最大定格馬力点K1まで下降させることになる。
そして、操作レバー11aが深く操作されていた状態から戻されると、油圧ポンプ6の斜板角は小さくなり、コントローラ7は、燃料噴射装置3を制御して燃料噴射量を下げる。このようにして、高速制御の領域Fnまたは高速制御の領域F1では、エンジン負荷とエンジントルクとをマッチングさせながら、油圧ポンプ6のポンプ容量を最大ポンプ容量状態から減少させる制御が行われることになる。
高速制御の領域F1でエンジン負荷とエンジントルクとをマッチングさせながら、エンジントルクTを減少させる制御を行っているときに、油圧ポンプ6のポンプ容量が第1の所定ポンプ容量D1よりも減少して、油圧ポンプ6のポンプ容量Dが更に減少傾向にあるときには、図7から求められる検出したポンプ容量Dに対応した目標エンジン回転数Nとなるようにエンジンの駆動制御が行われる。
このときの高速制御の領域F1上の点を第1設定位置A(即ち、第1の所定ポンプ容量D1)として設定しておくことができる。第1の所定ポンプ容量D1としては、油圧ポンプ6の最大ポンプ容量として設定しておくことも、最大ポンプ容量以下の値として設定しておくこともできる。
第1設定位置Aとしては、油圧ポンプ6のポンプ容量が第1の所定ポンプ容量D1よりも減少して、油圧ポンプ6のポンプ容量が減少傾向にあるときの位置として設定しておくこと以外にも、次のようにして設定しておくことができる。即ち、油圧ポンプ6の吐出圧と油圧アクチュエータ10の負荷圧との差圧が、ポンプ制御装置8で設定されているロードセンシング差圧よりも上回ったときにおける高速制御の領域F1上の点を、第1設定位置Aとして設定しておくこともできる。
このように、エンジン負荷とエンジントルクとをマッチングさせる制御を行うことができるようになる。従って、エンジン2を低回転域側で回転させることができるようになり、エンジン2の燃費向上を図ることができる。
尚、図4では、高速制御の領域F1から高速制御の領域Fnへシフトする様子を示している。また、第1設定位置Aを判断するポンプ容量の値と第2設定位置Bを判断するポンプ容量の値とは、同じ値として設定しておくことも異なる値として設定しておくこともできる。
更に、第1設定位置Aは、エンジントルクTの変化率、油圧ポンプ6のポンプ容量の変化率、または油圧ポンプ6の吐出圧Pの変化率に応じてその位置を変更させることもできる。即ち、これらの変化率、即ち、減少する度合いが高いときには、第1設定位置Aの位置としてエンジントルクの高い位置側に設定し、早めに高速制御の領域F2側へのシフトを行わせることもできる。
本発明によって、エンジンの燃費効率を高めて、作業者が燃料ダイヤル4での指令値に対応して設定した第1目標エンジン回転数N1に応じて、高速制御の領域F1を設定し、設定した第1目標エンジン回転数N1、高速制御の領域F1に応じて予め設定した低回転域側の第2目標エンジン回転数N2及び高速制御の領域F2を設定し、第2目標エンジン回転数N2または高速制御の領域F2に基づいて、エンジンの駆動制御を開始することができる。
これにより、高いエンジントルクを必要としない領域では、低回転域側の第2目標エンジン回転数N2に基づいて、エンジンの回転を制御することができ、エンジンの燃費効率を高めることができる。また、高いエンジントルクを必要とする領域では、検出したポンプ容量Dに応じて予め設定した目標エンジン回転数Nとなるように、エンジンの駆動制御を行わせることができ、作業機を操作する上で必要とする作業速度を充分に得ることができる。
また、エンジンの高出力状態からエンジントルクTを減少させていくときにも、検出したポンプ容量Dに応じて、予め設定した目標エンジン回転数Nとなるように、エンジンの駆動制御を行わせることで、燃費の向上を図ることができる。
ところで、図11を用いてオープンセンタタイプの油圧回路においても、本願発明を好適に適用することができる旨の説明を行ったが、オープンセンタタイプの油圧回路としては、ネガティブコントロールタイプの油圧回路とポジティブコントロールタイプの油圧回路とが知られている。そこで、ネガティブコントロールタイプの油圧回路及びポジティブコントロールタイプの油圧回路における実施例について、更に詳述することにする。
ネガティブコントロールタイプの油圧回路を用いた実施例について、図12を用いて説明を行う。また、図12で示したネガティブコントロールタイプにおけるネガティブコントロール弁59の制御特性については、図13を用いてその説明を行い、同じく図12で示したネガティブコントロールタイプにおけるポンプ制御特性については、図14を用いてその説明を行う。
図12に示すように、ネガティブコントロールタイプの油圧回路では、図示せぬエンジンによって、可変容量型油圧ポンプ50が回転駆動され、可変容量型油圧ポンプ50から吐出した吐出流量は、第一制御弁51、第二制御弁52及び第三制御弁53に供給される。第三制御弁53は、油圧アクチュエータ60を操作する操作弁として構成されており、油圧アクチュエータの符号についての記載は省略しているが、第一制御弁51及び第二制御弁52もそれぞれ油圧アクチュエータを操作する操作弁として構成されている。
また、図12では、各第一制御弁51〜第三制御弁53をそれぞれ操作するパイロット弁の構成は、後述するポジティブコントロールタイプの油圧回路を示す図15のように構成しておくことができるが、図12ではパイロット弁の図示は省略している。
第一制御弁51のセンターバイパス回路54aは、第二制御弁52のセンターバイパス回路54bに接続しており、第二制御弁52のセンターバイパス回路54bは、第三制御弁53のセンターバイパス回路54cに接続している。第三制御弁53のセンターバイパス回路54cは、タンク22に連通したセンターバイパス回路54に接続しており、センターバイパス回路54には、絞り55が設けられている。
絞り55の上流側における圧力Ptは、油路63によって取り出され、絞り55の下流側における圧力Pdは、油路64によって取り出される。絞り55の前後差圧(Pt−Pd)、即ち、油路63と油路64との間における圧力差は、圧力センサ62によって検出することができる。
図示せぬエンジンの駆動によって、パイロット油圧ポンプ56が、回転駆動される構成となっている。パイロット油圧ポンプ56からの吐出流量は、ネガティブコントロール弁59とサーボ案内弁58とに供給されている。また、パイロット油圧ポンプ56からの吐出圧は、リリーフ弁67によって、所定の圧力以上に上昇しないように圧力調整されている。
可変容量型油圧ポンプ50のポンプ容量を制御する斜板50aの斜板角は、サーボ油圧アクチュエータ57、サーボ案内弁58及びネガティブコントロール弁59によって制御される。ネガティブコントロール弁59は、二位置3ポートの切換弁として構成されており、ネガティブコントロール弁59の一端側には、バネ力とセンターバイパス回路54に設けた絞り55の下流側の圧力Pdが油路64を介して作用している。
また、ネガティブコントロール弁59の他端側には、絞り55の上流側の圧力Ptが、油路63を介して作用するとともに、ネガティブコントロール弁59からの出力圧Pnが作用している。出力圧Pnは、油路65を介して供給されたパイロット油圧ポンプ56からの吐出圧を元圧として、ネガティブコントロール弁59によって制御された出力圧であって、圧力センサ61によって検出することができる。
ネガティブコントロール弁59は、通常、バネ力によって油路65を介して供給されたパイロット油圧ポンプ56からの吐出流量を出力する切換え位置に切換わっているが、絞り55の前後差圧(Pt−Pd)が大きくなると、ネガティブコントロール弁59からの出力流量を減少させる切換え位置に切換わることになる。
即ち、ネガティブコントロール弁59は、絞り55の前後差圧(Pt−Pd)に応じた制御を行う。そして、前後差圧(Pt−Pd)が大きくなったときには、ネガティブコントロール弁59からの出力流量を減少させる制御を行い、前後差圧(Pt−Pd)が小さくなったときには、ネガティブコントロール弁59からの出力流量を増大させる制御を行う。
サーボ案内弁58は、三位置4ポートの切換弁として構成されており、ネガティブコントロール弁59から出力した出力圧Pnが、サーボスプールの一端側に作用し、バネ力が、サーボスプールの他端側に作用している。また、パイロット油圧ポンプ56からの吐出流量が、サーボ案内弁58のサーボ作動部を介して供給されている。そして、サーボ案内弁58のサーボ作動部は、可変容量型油圧ポンプ50の斜板50aを回動させるサーボ油圧アクチュエータ57のサーボピストン57aと連動部材66を介して連結している。
サーボ案内弁58のサーボ作動部を介して、サーボ案内弁58のポートとサーボ油圧アクチュエータ57の油圧室とが接続している。そして、サーボ油圧アクチュエータ57のサーボピストン57aは、バネの付勢力によって斜板50aを最小斜板方向に付勢している。
次に、可変容量型油圧ポンプ50のポンプ容量を制御する作動について説明する。例えば、第三制御弁53が、図示せぬパイロット弁によって操作されることで、中立位置(II)から(I)位置又は、(III)位置に操作されていくと、第三制御弁53のセンターバイパス回路54cは徐々に絞られていく。同時に、油圧アクチュエータ60に接続する回路が徐々に開かれていき、油圧アクチュエータ60に作動を行わせることができる。また、センターバイパス回路54cが徐々に絞られていくのに伴って、センターバイパス回路54を流れる流量が減少し、絞り55の前後差圧(Pt−Pd)は減少する。
絞り55の前後差圧(Pt−Pd)が減少すると、絞り55の前後差圧(Pt−Pd)が作用しているネガティブコントロール弁59は、バネの付勢力によって図12の右側の切換え位置に切換わっていくことになる。即ち、図13で示すように、絞り55の前後差圧(Pt−Pd)は、減少するのにともなって、ネガティブコントロール弁59から出力される出力圧Pnは、上昇していくことになる。
尚、図13では、横軸に絞り55の前後差圧(Pt−Pd)を示し、縦軸にネガティブコントロール弁59から出力される出力圧Pnを示している。
出力圧Pnが上昇すると、サーボ案内弁58のスプールは図12の左方向に摺動して、サーボ案内弁58を図12における右側の切換え位置に切換えていくことになる。そして、サーボ案内弁58に供給されていたパイロット油圧ポンプ56からの吐出流量は、サーボ案内弁58からサーボ油圧アクチュエータ57の右側の油圧室に導入される。
これによって、サーボ油圧アクチュエータ57のサーボピストン57aは、バネに抗して図12の左方向に摺動することになり、可変容量型油圧ポンプ50のポンプ容量を増大させるように斜板50aは回動させられる。そして、可変容量型油圧ポンプ50から吐出する吐出流量が、油圧アクチュエータ60を作動させるのに必要な流量となるように、可変容量型油圧ポンプ50における斜板角の制御が行われる。
サーボピストン57aが、図12の左方向に摺動することによって、連動部材66を介してサーボ案内弁58のサーボ作動部は、図12の左方向に摺動させられることになり、サーボ案内弁58を中立位置に戻していくことになる。
そして、ネガティブコントロール弁59からの出力圧Pnが、絞り55の前後差圧(Pt−Pd)に応じた出力圧となったときに、サーボ案内弁58はバランスして中立位置に維持されることになる。このとき、サーボ油圧アクチュエータ57のサーボピストン57aにおける摺動位置は、出力圧Pnに応じた位置となり、図14で示すように、可変容量型油圧ポンプ50のポンプ容量Dとしては、出力圧Pnに応じたポンプ容量D、即ち、絞り55の前後差圧(Pt−Pd)に応じたポンプ容量Dになることができる。
尚、図14では、横軸にネガティブコントロール弁59から出力される出力圧Pnを示し、縦軸に可変容量型油圧ポンプ50のポンプ容量Dを示している。
前述したように、図15で示したオープンセンタタイプの油圧回路を用いた説明において、油圧ポンプのポンプ容量を求める方法として、エンジン回転数の実測値とエンジンのトルク線図から求める方法や、油圧ポンプの斜板角センサで直接ポンプ容量を求める方法について説明した。また、パイロット油路28における圧力が、タンク圧となったことを検出することで、エンジン回転数を制御することの説明を行ったが、図12のような、ネガティブコントロールタイプの油圧回路においては、更に、ネガティブコントロール弁59から出力される出力圧Pnを検出する圧力センサ61を設け、図14の特性図を利用して可変容量型油圧ポンプのポンプ容量を指令する指令値Dを知ることができる。
更にまた、絞り55の前後差圧(Pt−Pd)を検出する圧力センサ62を設けることによって、図13、図14の特性図を利用すれば、可変容量型油圧ポンプ50のポンプ容量を指令する指令値Dを知ることもできる。
従って、ネガティブコントロールタイプの油圧回路においても、可変容量型油圧ポンプ50のポンプ容量を指令する指令値Dが分かるので、エンジン回転数を制御することが可能となる。そして、このようにして求めた値を図1で示したコントローラ7に入力することによって、エンジン回転数の制御を行わせることができる。
尚、図12において可変容量型油圧ポンプ50を駆動する図示せぬエンジンの回転数を低速側に設定した場合には、センターバイパス回路54の絞り55を通過するセンターバイパス流量が減少することになる。これによって、絞り55の前後差圧(Pt−Pd)が小さくなり、図13に示すようにネガティブコントロール弁59から出力される出力圧Pnが増加することになる。そして、図14の特性図に基づいて、可変容量型油圧ポンプ50のポンプ容量Dは増加していくことになる。
このように、エンジンの回転数を低速側に設定した場合であったとしても、エンジン回転数を低速側以外の状態に設定した場合と同様に、ポンプ容量Dの制御を行うことができる。これは、ロードセンシングタイプにおける油圧回路の場合と同様に、エンジン回転数を低速側に設定しても、低速側以外に設定した場合と同様に、ポンプ容量Dの制御を行うことができることを意味している。
次に、ポジティブコントロールタイプの油圧回路を用いた実施例について、図15を用いて説明を行う。図15で示したポジティブコントロールタイプにおけるポンプ制御特性については、図16を用いてその説明を行う。また、ポジティブコントロールタイプの油圧回路において、図12で示したネガティブコントロールタイプの油圧回路と同じ構成部材については、図12で用いた部材符号を用いることで、同部材についての説明を省略する。
図15に示すように、ポジティブコントロールタイプの油圧回路では、第一制御弁51、第二制御弁52及び第三制御弁53を、それぞれ操作する第一パイロット弁71、第二パイロット弁72及び第三パイロット弁73を図示している。第一パイロット弁71〜第三パイロット弁73をそれぞれ操作することで、パイロット油圧ポンプ56からの吐出圧油を破線に示す配管を介して、第一制御弁51〜第三制御弁53の各スプールに作用させることができる。
そして、第一パイロット弁71〜第三パイロット弁73におけるそれぞれの操作量及び操作方向に応じて、対応する第一制御弁51〜第三制御弁53をそれぞれ制御することができる。
第一パイロット弁71〜第三パイロット弁73におけるそれぞれの操作量は、第一パイロット弁71〜第三パイロット弁73と第一制御弁51〜第三制御弁53とを接続する破線で示した各配管にそれぞれ設けた圧力センサ74a〜74fによって検出することができる。
各圧力センサ74a〜74fで検出した検出圧は、a〜fで示すハーネスを介してコントローラ75に入力される。第一制御弁51〜第三制御弁53に対して複数の操作が行われたときには、検出した圧力センサ74a〜74fからの検出圧が、それぞれコントローラ75に入力されることになる。コントローラ75では、入力した複数の検出圧の合計値が演算され、図16の横軸に示す検出圧の合計値から、同合計値に対応したポンプ容量の指令値Dが決定される。
そして、決定されたポンプ容量の指令値Dが、ポンプ制御装置76に出力されて、可変容量型油圧ポンプ50のポンプ容量が指令値Dとなるように、ポンプ制御装置76が制御される。例えば、第一パイロット弁71と第二パイロット弁72とが操作されている場合には、可変容量型油圧ポンプ50からの吐出流量は、第一制御弁51及び第二制御弁52を通して、図示しない油圧アクチュエータに供給される。
また、上述の例の場合に、第一パイロット弁71と第二パイロット弁72が、フルストロークまで操作されていなければ、第一パイロット弁71と第二パイロット弁72とでそれぞれ操作される第一制御弁51と第二制御弁52ともフルストローク位置に切換わっていないので、余剰油はセンターバイパス回路54を通って、タンク22に還流されることになる。
従って、このようなポジティブコントロールタイプの油圧回路においても、各第一パイロット弁71〜第三パイロット弁73をそれぞれ操作することによって、各第一パイロット弁71〜第三パイロット弁73によって操作されるそれぞれの油圧アクチュエータの速度制御を行うことができる。
しかも、上述したポジティブコントロールタイプにおけるポンプ容量の指令値Dは、コントローラ75によって決定されるので、コントローラ75で決定されたポンプ容量の指令値Dを用いることで、エンジン回転数を制御することが可能となる。
従って、本発明における油圧回路としては、ロードセンシングタイプの油圧回路に限定されるものではなく、オープンセンタタイプの油圧回路であっても、しかも、オープンセンタタイプの油圧回路におけるネガティブコントロールタイプの油圧回路やポジティブコントロールタイプの油圧回路であっても、好適に適用することができる。
本発明は、ディーゼルエンジンに対するエンジン制御に対して、本発明の技術思想を適用することができる。

Claims (10)

  1. エンジンによって駆動される可変容量型の油圧ポンプと、
    前記油圧ポンプからの吐出圧油により駆動される油圧アクチュエータと、
    前記油圧ポンプから吐出した圧油を制御して前記油圧アクチュエータに給排する制御弁と、
    前記油圧ポンプのポンプ容量及びエンジントルクを検出する検出手段と、
    前記エンジンに供給する燃料を制御する燃料噴射装置と、
    を備えたエンジンの制御装置において、
    可変に指令できる指令値の中から一つの指令値を選択して指令する指令手段と、
    前記指令手段で指令された指令値に応じて第1目標エンジン回転数を設定し、設定した前記第1目標エンジン回転数に基づいて、前記第1目標エンジン回転数よりも低い回転数である第2目標エンジン回転数を設定する第1設定手段と、
    前記検出手段で検出されるポンプ容量と目標エンジン回転数との対応関係及び前記検出手段で検出されるエンジントルクと目標エンジン回転数との対応関係を設定する第2設定手段と、
    を備え、
    前記第2目標エンジン回転数に基づいて開始された前記エンジンの駆動制御において、前記検出手段で検出したポンプ容量又はエンジントルクに対応して、前記第2設定手段から求めた目標エンジン回転数となるように前記燃料噴射装置が制御されてなることを特徴とするエンジンの制御装置。
  2. 前記燃料噴射装置における前記第2設定手段から求めた目標エンジン回転数に基づく燃料制御は、前記第2目標エンジン回転数に基づいたエンジンの制御中においては、前記油圧ポンプのポンプ容量が予め設定した第2の所定ポンプ容量又はエンジントルクが予め設定した第2の所定エンジントルクよりも大きくなった後に行われてなることを特徴とする請求の範囲第1項記載のエンジンの制御装置。
  3. 前記燃料噴射装置における前記第2設定手段から求めた目標エンジン回転数に基づく燃料制御は、前記第1目標エンジン回転数に基づいたエンジンの制御中においては、前記油圧ポンプのポンプ容量が予め設定した第1の所定ポンプ容量又はエンジントルクが予め設定した第1の所定エンジントルクよりも小さくなった後に行われてなることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項記載のエンジンの制御装置。
  4. 前記第2設定手段から求めた目標エンジン回転数が、前記検出手段で検出したポンプ容量に対応した目標エンジン回転数と前記検出手段で検出したエンジントルクに対応した目標エンジン回転数とのうちで、高い方の目標エンジン回転数であることを特徴とする請求の範囲第1項〜第3項のいずれかに記載のエンジンの制御装置。
  5. エンジンによって駆動される可変容量型の油圧ポンプと、
    前記油圧ポンプからの吐出圧油により駆動される油圧アクチュエータと、
    前記油圧ポンプから吐出した圧油を制御して前記油圧アクチュエータに給排する制御弁と、
    前記油圧ポンプのポンプ容量及びエンジントルクを検出する検出手段と、
    を備えたエンジンの制御方法において、
    可変に指令できる指令値の中から一つの指令値を選択し、選択した指令値に応じて第1目標エンジン回転数を設定すること、
    設定した前記第1目標エンジン回転数に基づいて、前記第1目標エンジン回転数よりも低い回転数である第2目標エンジン回転数を設定すること、
    前記検出手段で検出されるポンプ容量及び前記検出手段で検出されるエンジントルクに対応した目標エンジン回転数を、予め設定しておくこと、
    前記第2目標エンジン回転数に基づいて開始された前記エンジンの駆動制御が、予め設定した前記目標エンジン回転数の中から、前記検出手段で検出しているポンプ容量又はエンジントルクに対応した目標エンジン回転数に基づいて制御されてなること、
    を特徴とするエンジンの制御方法。
  6. 前記目標エンジン回転数に基づく前記エンジンの駆動制御は、前記第2目標エンジン回転数に基づいたエンジンの制御中においては、前記油圧ポンプのポンプ容量が予め設定した第2の所定ポンプ容量又はエンジントルクが予め設定した第2の所定エンジントルクよりも大きくなった後に行われてなることを特徴とする請求の範囲第5項記載のエンジンの制御方法。
  7. 前記目標エンジン回転数に基づく前記エンジンの駆動制御は、前記第1目標エンジン回転数に基づいたエンジンの制御中においては、前記油圧ポンプのポンプ容量が予め設定した第1の所定ポンプ容量又はエンジントルクが予め設定した第1の所定エンジントルクよりも小さくなった後に行われてなることを特徴とする請求の範囲第5項又は第6項に記載のエンジンの制御方法。
  8. 前記目標エンジン回転数に基づく前記エンジンの駆動制御が、前記検出手段で検出しているポンプ容量に対応した目標エンジン回転数に基づいて制御されてなることを特徴とする請求の範囲第5項〜第7項のいずれかに記載のエンジンの制御方法。
  9. 前記目標エンジン回転数に基づく前記エンジンの駆動制御が、前記検出手段で検出しているエンジントルクに対応した目標エンジン回転数に基づいて制御されてなることを特徴とする請求の範囲第5項〜第7項のいずれかに記載のエンジンの制御方法。
  10. 前記目標エンジン回転数に基づく前記エンジンの駆動制御が、予め定めておいた目標エンジン回転数の中から、前記検出手段で検出しているポンプ容量に対応した目標エンジン回転数と、前記検出手段で検出しているエンジントルクに対応した目標エンジン回転数と、のうちで回転数が高い目標エンジン回転数に基づいて制御されてなることを特徴とする請求の範囲第5項〜第7項のいずれかに記載のエンジンの制御方法。
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