JPWO2009084276A1 - レーザ加工装置 - Google Patents
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Abstract
Description
最近では液晶パネル用基板のような2枚のガラス基板を貼り合せた貼り合せ基板に対し、1つのレーザ光源から照射されるレーザビームをビームスプリッタで分岐させ、あるいは2つのレーザ光源から独立にレーザビームを照射させ、基板両面にレーザビームを同時照射してスクライブしたり、分断したりするレーザ加工装置も提案されている(特許文献1、特許文献2参照)。
すなわち、架台501上に平行に配置された一対のガイドレール503、504に沿って、図10の紙面前後方向(Y方向とする)に往復移動するスライドテーブル502が設けられている。両ガイドレール503、504の間に、スクリューネジ505が前後方向に沿って配置され、このスクリューネジ505に、スライドテーブル502に固定されたステー506が螺合されており、スクリューネジ505をモータ(不図示)によって正、逆転することにより、スライドテーブル502がガイドレール503、504に沿ってY方向に往復移動するように形成されている。
行うためのモータ(モータ509等)を駆動するテーブル駆動部551、レーザビーム照射のためにレーザ513および光学ホルダ514の調整レンズ514bを駆動するレーザ駆動部552、冷却ノズル516を設ける場合は冷媒の噴霧を行う冷却ノズル駆動部553、カッターホイール518の位置決めおよびガラス基板Gに対する圧接力の調整を行うカッター駆動部554、CCDカメラ520、521による撮像を行うカメラ駆動部555の各駆動系が、コンピュータ(CPU)で構成される制御部550によってコントロールされる。
以上の処理が実行されることにより、分断予定ラインCLに沿ったクラックが形成される。
特に、最近は液晶パネル用のガラス基板を加工する場合のように、加工対象の基板の面積が大きくなる傾向がある。それゆえ基板面積が大きくなるにつれて、さらに大きな設置スペースが必要になる。
これによれば、ビームスポット形状を調整できるレーザ光学系(屈折レンズ、フォーカシングレンズ群)全体を、レーザビームの走査方向に移動する駆動機構を備えるようにしている。
ところで、テーブルの並進機構を持たずレーザ光学系を移動するコンパクトな装置構成を、基板の両面加工を行うレーザ加工装置に適用する場合、基板裏面側についてはテーブルが存在するため、テーブルがレーザ加工の妨げにならないようにした光学系の配置やテーブル構造にする必要がある。
また、特許文献1に記載の両面加工を行うレーザ加工装置においては、上述したように、レーザスクライブからレーザブレイクまでを1回の走査で行い、一挙に分断することが開示されている(特許文献1)。しかしながら、この加工を行うには被加工基板の種類、厚さ等の状況によって加工条件を設定する調整作業が必要であり、その条件出しや調整作業に時間を要する。特に、基板の板厚により(光路長さが変化するため)、ビームスポットの大きさが変化するので、基板の板厚に合わせて調整する必要がある。
また、本発明は、基板の厚さに依存せず、1つの加工装置で簡単にスクライブ加工からブレイク加工までを行うことができるレーザ加工装置を提供することを目的とする。
すなわち、本発明のレーザ加工装置は、脆性材料からなる基板の表裏二面に対しレーザビームを走査して加工を行うレーザ加工装置であって、レーザ光源から出射されるレーザビームを平行光束からなる第一ビームに整形し、基板表面側に導いて走査する第一ビーム走査光学系と、レーザ光源から出射されるレーザビームを平行光束からなる第二ビームに整形し、基板裏面側に導いて走査する第二ビーム走査光学系と、第二ビームを基板裏面に導くための光路となる溝によって分割された基板載置面を有するテーブルとを備え、基板載置面には多孔質部材で形成され、多孔質部材を介して基板に気体を吹き付けて浮上させる浮上機構が設けられ、さらに、浮上した基板の基板側面に当接して基板の水平方向の移動を制限する当接部を設けるようにしている。
また、基板裏面にレーザビームを導くための光路となる溝は、1本でも複数本でもよく、基板形状、分断加工したい基板上の位置、加工本数により、テーブルの溝の位置、本数を定めればよい。
また、当接部は、基板が定型の場合は基板載置面上に固定されていてもよい。基板が定型でない場合は移動可能な可動な当接部が望ましい。
また、本発明は、基板の厚さに依存せず、1つの加工装置で簡単にスクライブ加工からブレイク加工までを行うことができる。
上記発明において、テーブルには、多孔質部材を介して基板を吸着する吸着機構がさらに設けられてもよい。
これによれば、スクライブ加工の際に基板を吸着してスクライブすることができるので、正確かつ再現性のよいスクライブ加工が可能になる。特に、基板の板厚が薄い場合のスクライブ加工では、クロスカットを行う上でスクライブラインの深さを正確に制御する必要があるが、吸着機構でスクライブ加工を行うことにより、スクライブ加工時に精度のよい深さ制御が可能になる。
これによれば、スクライブ加工時には楕円ビーム、ブレイク加工時にはスクライブ用平行光束よりも断面積を大きくしたビームにすることができるので、それぞれの加工に適したビームスポット形状で加工することができる。
これによれば、テーブル上で基板の位置の微調整をしたり、基板の回転移動を行ったりすることができる。
これによれば、分断予定ラインの位置や本数により、溝幅を調整することができる。例えば接近する2本の分断予定ラインがある場合に、これら2本の分断予定ラインを加工できる溝幅に調整することができる。また、分断予定ラインの本数が少ないときは、不要な溝を閉じることもできる。
20a,20b レーザ走査光学系
21a,21b ビーム整形部
22a,22b 走査機構部
23a,23b 光路調整部
24a,24b ビーム断面拡大部
29a,29b ビーム断面切替機構
40 テーブル
40a,40b 部分テーブル
41 上部部材(多孔質部材)
46 真空ポンプ
47 エアー源
49 溝
50 基板誘導機構
51a,51b 可動当接部
54a,54b 当接部材
55a,55b カメラ
レーザ光源10(10a,10b)には、CO2レーザが用いられる。CO2レーザの代わりにCOレーザ、エキシマレーザを用いてもよい。レーザ光源10からは断面形状が円形のレーザビーム(元ビームL0)が出射される。
レーザ走査光学系20(20a,20b)は、大別すると、レーザビーム(元ビーム)の断面形状を平行光束の楕円ビームに調整するビーム整形部21(21a,21b)と、レーザビーム(元ビーム)の断面形状を円形ビームのまま拡大して平行光束の円形ビームとして出射するビーム断面拡大部24(24a,24b)と、レーザビームをテーブル面(XY方向)に沿って移動(走査)する走査機構22(22a,22b)と、ビーム整形部21およびビーム断面拡大部24から出射したレーザビームを走査機構22に導く光路調整部23(23a,23b)と、レーザビーム(元ビーム)の光路をビーム整形部21とビーム断面拡大部24との間で切り替えるビーム断面切替機構29(29a,29b)からなる。なお、テーブル面のうちX方向を走査軸方向(スクライブ加工やブレイク加工を行う方向)、Y方向を送り軸方向とする。
したがって、レーザビームの光路がビーム整形部21に向かうか、ビーム断面拡大部24に向かうかによって、楕円ビームの平行光束または拡大された円形ビームの平行光束のいずれかが光路調整部23に入射するようにしてある。
次に、テーブル40について説明する。図1に見られるようにテーブル40は溝49により部分テーブル40a、40bに2分割されている。図5(a)は部分テーブル40a(40bも同じ)の断面構造を示す図である。テーブル40aは、多孔質部材からなり基板G(図1参照)が載置される上面部材41(基板載置面)と、上面部材41の周囲に密着し、さらに底面が形成され、上面部材41との間に中空空間42aが形成されるボディ42と、中空空間42aに繋がる流路43が形成され、外部流路44に接続されるブラグ45と、流路43、外部流路44を介して中空空間42aを減圧する真空ポンプ46と、流路43、外部流路44を介して中空空間42aに加圧空気を送るエアー源47とからなる。
これらのうち、中空空間42a、流路43、外部流路44、真空ポンプ46により、基板Gを上面部材41に吸着させる吸着機構が形成される。また、中空空間42a、流路43、外部流路44、エアー源47により、基板Gを上面部材41から浮上させる浮上機構が形成される。
一方、基板Gを上面部材41の上に載置した状態で、開閉弁を開いてエアー源47から空気を送ることにより、中空空間42aが加圧状態になり、多孔質部材の上面部材41を介して加圧空気が噴出されて基板Gが浮上するようになる。なお、このときは後述する基板誘導機構50によって、基板Gの移動が制限されることになる。
また、図5(b)のようにY方向に沿ってスクライブ加工を行う場合、楕円ビームの長軸方向をY方向に変換する必要がある。詳細な説明は省略するが、例えば光路調整部M5(M5a,M5b)の位置に、平面反射鏡を組み合わせた光学回路を切り替え可能に取り付け、長軸方向を回転するようにすればよい。
次に、基板誘導機構50について説明する。図6は基板誘導機構50の構造を示す図である。基板誘導機構50は、方形のテーブル40a、40bの対角コーナー48a、48bの近傍に取り付けられる一対の可動当接部51a、51bにより構成される。
各可動当接部51a、51bは、図示しない駆動機構によって支軸52a、52bを中心に並進動作や旋回動作が行われる多関節アーム53a、53bを有する。多関節アーム53a、53bの先端部分には、図示しない駆動機構により旋回動作が行われる金属製の当接部材54a、54bが取り付けられる。当接部材54a、54bは、それぞれ先端が左右に分岐するように取り付けられ、基板Gと接する部位が円柱形にしてある。この円柱の軸方向は鉛直方向に向けられている。
水平移動を制限することができるようにしてある。また、当接部材54a、54bの位置を所望位置で停止させ、エアー源47を停止し、真空ポンプ46を作動することにより、基板Gを所望位置に吸着させることができる。
なお、加工する基板の形状が定型である場合は、基板を定位置に取り付けることができればよいので、移動しない位置固定の当接部材を基板の位置決め用のガイドとしてテーブル上に取り付けてもよい。
次に初期亀裂形成用のトリガ機構について説明する。なお、トリガ機構を取り付けるか否かは任意であり、トリガ機構を取り付けないときは、例えば、レーザアブレーション加工によって代用させることもできる。
図1に示すように、トリガ機構60はカッターホイール61と、昇降機構62と、多関節アーム63とからなる。多関節アーム63は、基板誘導機構50の多関節アーム53a、53bと同様の動きをする。カッターホール61の刃先はX方向に向けてある。
初期亀裂TRを形成するときは、多関節アーム63により、カッターホイール61が初期亀裂を形成する位置の直上にくるようにする。そして、昇降機構62により、カッターホイール61を一時的に下降させて圧接することにより初期亀裂TRを形成する。
続いて、レーザ加工装置LM1の制御系について説明する。図7はレーザ加工装置LM1の制御系を示すブロック図である。レーザ加工装置LM1は、テーブル40の吸着機構および浮上機構を駆動する吸着/浮上機構駆動部81、基板誘導機構50の可動当接部51a、51bを駆動する基板誘導機構駆動部82、トリガ機構60の昇降機構61および多関節アーム63を駆動するトリガ機構駆動部83、走査機構22の平面鏡M7、M8を移動させる走査機構駆動部84、レーザビームを照射するレーザ駆動部85、冷却ノズルを設けてビームスポットBSに追随する冷却スポットを形成するときは冷媒ノズルから冷媒の噴霧を行う冷却ノズル駆動部86、CCDカメラ55a、55bによる撮像を行うカメラ駆動部87、光路を切り替えるビーム断面切替機構駆動部88、溝49の幅を調整する溝幅調整機構駆動部89の各駆動系が、コンピュータ(CPU)で構成される制御部80によってコントロールされる。
次に、レーザ加工装置LM1による典型的な加工動作例について説明する。ここではアライメントマークが刻まれた貼り合せガラス基板Gに対し、両面同時にレーザスクライブ加工を行い、その後、片面ずつレーザ照射によるブレイク加工を行う場合について説明する。
説明の便宜上、分断方向をガラス基板のx方向とし、アライメントマークで位置決めを行ったときに、x方向がレーザ走査光学系のX方向に一致するものとする。
図8は、動作例を示すフローチャートである。
(X方向の溝が複数形成されたテーブルを用いた場合、スクライブを複数回繰り返すときは、平面鏡M7(M7a,M7b)によるY方向の移動(レーザ停止)と、平面鏡M8(M8a,M8b)によるX方向の移動(走査)(レーザ照射)とを交互に行う。)
次に、方形の貼り合せガラス基板Gを、互いに直交するx方向とy方向との二方向に加工(クロスカット)する場合のレーザ加工装置LM1による典型的な加工動作例について説明する。この場合は基板誘導機構50を用いて基板Gを90度回転することにより,二方向の加工を行う。図9は動作例を示すフローチャートである。
ここでは、複数本数のx方向の両面同時レーザスクライブ加工、複数本数のy方向の両面同時レーザスクライブ加工を行い、その後、y方向について片面ずつレーザ照射によるブレイク加工を行う場合について説明する。なお、y方向のブレイク加工により、ガラス基板Gは帯状になってしまうので、その後に行うx方向のブレイク加工については、本装置以外のブレイク装置によりブレイク加工を行うものとする。なお、説明の便宜上、最初にスクライブ加工する方向をガラス基板Gのx方向とする。また、レーザ加工装置LM1の制御部80には、x方向の加工本数と、y方向の加工本数が設定されてあり、加工ごとに、加工本数がカウントされるようにしてある。
浮上させ(S212)、基板誘導機構50を用いて、基板Gに形成されている複数本のスクライブラインのうち、最初にブレイク加工を行う位置を、テーブル40の溝49の方向に向け、位置決めする(S213)。
以上の動作により、ガラス基板Gのy方向の最初の1本のブレイク加工を終了する。
その結果、帯状に分断された基板が得られ、これらは他のブレイク装置に移動され、適宜分断されることにより、ブレイクが完了する。
Claims (5)
- 脆性材料からなる基板の表裏二面に対しレーザビームを走査して加工を行うレーザ加工装置であって、
レーザ光源から出射されるレーザビームを平行光束からなる第一ビームに整形し、基板表面側に導いて走査する第一ビーム走査光学系と、
レーザ光源から出射されるレーザビームを平行光束からなる第二ビームに整形し、基板裏面側に導いて走査する第二ビーム走査光学系と、
前記第二ビームを基板裏面に導くための光路となる溝によって分割された基板載置面を有するテーブルとを備え、
前記基板載置面には多孔質部材で形成され、多孔質部材を介して基板に気体を吹き付けて浮上させる浮上機構が設けられ、
さらに、浮上した基板の基板側面に当接して基板の水平方向の移動を制限する当接部を設けたことを特徴とするレーザ加工装置。 - 前記テーブルには、前記多孔質部材を介して基板を吸着する吸着機構がさらに設けられた請求項1に記載のレーザ加工装置。
- 第一ビーム走査光学系と第二ビーム走査光学系とは、それぞれ、ビーム断面を、断面が楕円であるスクライブ用平行光束、前記スクライブ用平行光束よりも断面積が大きいブレイク用平行光束のいずれかに切り替えるビーム断面切替機構を備えた請求項1に記載のレーザ加工装置。
- 前記当接部を水平移動することにより基板側面を水平な方向に押して基板を誘導する基板誘導機構を設けた請求項1に記載のレーザ加工装置。
- 前記溝の幅を調整する溝幅調整機構を備えた請求項1に記載のレーザ加工装置。
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