JPWO2009081941A1 - 木質系および草本系バイオマス糖化液からのバイオエタノール並行発酵菌 - Google Patents

木質系および草本系バイオマス糖化液からのバイオエタノール並行発酵菌 Download PDF

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英司 簗瀬
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Abstract

マンノース代謝系酵素生産菌株由来のフルクトースキナーゼおよびホスホマンノースイソメラーゼから選ばれる少なくとも1つの酵素をコードする外来遺伝子と、キシロース代謝系酵素生産菌株由来のキシロースイソメラーゼ、キシルロキナーゼ、トランスアルドラーゼおよびトランスケトラーゼから選ばれる少なくとも1つの酵素をコードする外来遺伝子が導入されたザイモバクター(Zymobacter)属の形質転換微生物であって、グルコース、マンノースおよびキシロースをエタノールに並行発酵できるバイオエタノール並行発酵菌を提供する。この発酵菌は、木質系および草本系のバイオマス糖化液に混在するグルコース、マンノース、およびキシロースを同時にエタノールに並行発酵できる新規ザイモバクター属菌である。

Description

本発明は、木質系および草本系バイオマス糖化液からエタノールを生産するためのバイオエタノール並行発酵菌に関する。
木質系および草本系のリグノセルロース系バイオマスからバイオエタノールを直接発酵生産する微生物は天然には存在しない。そのため、現状ではリグノセルロース系バイオマスの酸加水分解による糖化と発酵の二段階からなる発酵プロセスが実用化に近い技術とされている。酸処理糖化液の主要な成分はセルロースやヘミセルロースに由来するグルコースであるが、糖化液中にはヘミセルロースに由来するキシロースやマンノースが混在し、エタノール回収率の低下の原因となっている。すなわち、伝統的な醸造菌である酵母を利用した木質系や草本系バイオマスの糖化液の発酵では、糖化液中に含まれるグルコースがエタノールに変換されるものの、キシロースなどのペントース類は利用されずに残糖となり、エタノール回収率は60〜70%に留まっている。そのため、リグノセルロース系バイオマスを発酵原料としたエタノール生産では、グルコースに加え、キシロースやマンノースを同時に発酵する菌株の育種が急務とされている。
本発明者らは、先に、グルコースをエタノールに発酵できるが、セルロース系やリグノセルロース系バイオマス資源の糖化液中に存在するマルトースやキシロースをエタノールに発酵することができないザイモモナス(Zymomonas)属菌を形質転換することにより、グルコース、キシロース、マンノースを同時に並行発酵できる菌株の取得に成功し、既に特許出願した(特願2007−261860号)。
一方、ザイモバクター(Zymobacter)属菌は、酵母やザイモモナスと同程度にグルコースをエタノールに発酵できる細菌であって、ザイモモナスより糖発酵スペクトルが広く、マルトースの他、様々な糖を発酵することが可能である。しかし、マンノース、ソルビトールを炭素源とする培地では生育速度が遅く、エタノールの生産性も低く、また、キシロース、アラビノース、あるいはセロビオースを炭素源とした培地における菌体の生育、エタノール発酵はともに認められない。
このような事情に鑑み、特許文献1には、ザイモバクター属菌に木材の酸処理糖化液に混在するセルロース部分分解物であるセロオリゴ糖の発酵性を付与するために、セロビオースの加水分解に働くルーメン細菌由来β-グルコシダーゼをコードする外来遺伝子を導入したザイモバクター属菌が開示されている。
特許文献2には、ザイモバクター属菌にキシロースの発酵性を付与するために、キシロースからのエタノール生合成に必要とされる4種の酵素、すなわちキシロースイソメラーゼ、キシルロキナーゼ、トランスアルドラーゼ、およびトランスケトラーゼをコードする外来遺伝子群を導入したザイモバクター属菌が開示されている。
特許文献3には、ザイモバクター属菌にマンノースの発酵性を付与するために、マンノースからのフルクトースリン酸への変換酵素であるフルクトキナーゼとホスホマンノースイソメラーゼの2種の外来遺伝子を導入したザイモバクター属菌が開示されている。
特開2005−261422号公報 特開2005−261421号公報 特開2006−246789号公報
本発明は、木質系および草本系のバイオマス糖化液に混在するグルコース、マンノース、およびキシロースを同時にエタノールに並行発酵できる新規ザイモバクター属菌を育種することを目的とする。
上記のごとく、これまでに、セロオリゴ糖を発酵できるザイモバクター属菌、キシロースを発酵できるザイモバクター属菌、マンノースを発酵できるザイモバクター属菌が育種されている。しかし、一つの菌株で、リグノセルロースの主要な糖成分であるグルコース、マンノースおよびキシロースを同時にエタノールに並行発酵できるザイモバクター属菌の育種には至っていなかった。
そこで、本発明者らは、木質系および草本系のバイオマス糖化液に混在するグルコース、マンノースおよびキシロースのエタノールへの同時並行発酵性ザイモバクター属菌を育種するために、マンノースの発酵に必要なフルクトキナーゼ遺伝子とホスホマンノースイソメラーゼ遺伝子、およびキシロースの発酵に必要なキシロースイソメラーゼ遺伝子、キシルロキナーゼ遺伝子、トランスアルドラーゼ遺伝子とトランスケトラーゼ遺伝子の導入とこれら遺伝子群の発現を実施し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)マンノース代謝系酵素生産菌株由来のフルクトースキナーゼおよびホスホマンノースイソメラーゼから選ばれる少なくとも1つの酵素をコードする外来遺伝子と、キシロース代謝系酵素生産菌株由来のキシロースイソメラーゼ、キシルロキナーゼ、トランスアルドラーゼおよびトランスケトラーゼから選ばれる少なくとも1つの酵素をコードする外来遺伝子が導入されたザイモバクター属の形質転換微生物であって、グルコース、マンノースおよびキシロースをエタノールに並行発酵できるバイオエタノール並行発酵菌、
(2)マンノース代謝系酵素生産菌株およびキシロース代謝系酵素生産菌株が、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)である上記(1)記載の発酵菌、
(3)ザイモバクター・パルメ(Zymobacter palmae)を宿主とする上記(1)記載の発酵菌、
(4)フルクトースキナーゼおよびホスホマンノースイソメラーゼをコードする外来遺伝子と、キシロースイソメラーゼ、キシルロキナーゼおよびトランスアルドラーゼをコードする外来遺伝子が導入された上記(3)記載の発酵菌、
(5)ザイモバクター・パルメ pMFY31-opmxtR(FERM BP−11077)である上記(4)記載の発酵菌などを提供するものである。
ザイモバクター・パルメは、沖縄の椰子の発酵樹液から単離された新しいグラム陰性のエタノール発酵性細菌である。本菌は酵母やザイモモナスと同程度にグルコースをエタノールに発酵できる細菌であり、IFOやATCCに登録されている。生育温度は21〜39℃、生育pHは3〜10、20%グルコースや50%マルトースに耐性をもち、伝統的な発酵菌との特性を比較すると、酵母やザイモモナスと同程度の発酵性と理論収率でのエタノール生産を示す。ザイモバクターは、主に2モルのマルトースから1モルのエタノールを生産し、特徴的なことは、ザイモモナスより糖発酵スペクトルが広く、マルトース以外にも様々な糖を発酵することも可能である。すなわち、ザイモモナスに比較して、様々な糖質からのエタノール生産性を示す。
発酵性試験の結果、グルコース、フルクトース、ガラクトース、スクロース、マルトース、ラフィノースを炭素源とした培地では、よく生育し、エタノールの生成量も理論収率に近い値を示した。また、マンノース、ソルビトールでも生育速度は遅いが、生育し、エタノールの生産が確認できた。しかし、キシロース、アラビノース、あるいはセロビオースを炭素源とした培地における菌体の生育、エタノール発酵はともに認められなかった。
本発明によれば、ザイモバクター属菌にグルコース、マンノースおよびキシロースのエタノールへの発酵性を付与することにより、糖発酵スペクトルのより広いバイオエタノール並行発酵菌が得られ、木質系および草本系バイオマスの糖化液からのエタノール回収率を向上させることができる。
人工マンノースオペロンpMFY31-opmの構築操作を示す制限酵素地図である。 pUC118-xylAB-NotIおよびpUC118-taltktA-NotIの構築操作を示す制限酵素地図である。 pUC118-xt(NotI)の構築操作を示す制限酵素地図である。 組換えプラスミドpMFY31-opmxtRの構築操作を示す制限酵素地図である。 木質糖化モデル糖液の発酵状態と、残糖、生育の関係をしめすグラフである。
本発明において、フルクトースキナーゼおよびホスホマンノースイソメラーゼから選ばれる少なくとも1つの酵素をコードする外来遺伝子源となるマンノース代謝系酵素生産菌株としては、例えば、ザイモモナス属、エシェリヒア属、キサントモナス(Xanthomonas)属、クレブシエラ(Klebsiella)属、ロドバクター(Rhodobacter)属、フラボバクテリウム(Flavobacterium)属、アセトバクター(Acetobacter)属、グルコノバクター(Gluconobacter)属、リゾビウム(Rhizobium)属、アブロバクテリウム(Abrobacterium)属、サルモネラ(Salmonella)属およびシウドモナス(Pseudomonas)属に属する微生物から選ばれる菌株が挙げられる。その中でもザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)およびエシェリヒア・コリ(Escherichia coli)が好ましい。その他の微生物、あるいは上記以外の微生物であって、マンノース分解能を有するもの、さらにはプロモーター部位やリボソーム結合部位の異常などにより、マンノース分解能は有しないが、フルクトースキナーゼまたホスホマンノースイソメラーゼをコードする構造遺伝子を有する微生物であれば遺伝子源として使用可能である。また、遺伝子組換えなどにより、フルクトキナーゼまたはホスホマンノースイソメラーゼの構造遺伝子を導入された形質転換微生物なども外来遺伝子源として使用することができる。異なる微生物から得られた複数種のDNA断片を1つのベクターに結合させることも可能であり、形質転換後、導入された組換えDNAの全て、あるいは一部がザイモバクター属の宿主細胞のゲノム中に取り込まれても、形質転換に用いられたベクター上に存在してもよい。
ザイモバクター属の細菌の多くは、フルキトキナーゼとホスホマンノースイソメラーゼとの両者を欠損している場合が多いので、本発明においては、両方の遺伝子を導入することが好ましいが、フルクトキナーゼ生産能を有する菌株の存在も推定されており、そのような菌株では、ホスホマンノースイソメラーゼ遺伝子の導入のみでマンノース生産能を示す形質転換体が得られる。
キシロースイソメラーゼ、キシルロキナーゼ、トランスアルドラーゼおよびトランスケトラーゼから選ばれる少なくとも1つの酵素をコードする外来遺伝子源となるキシロース代謝系酵素生産菌株としては、例えば、エシェリヒア属、キサントモナス属、クレブシエラ属、フラボバクテリウム属、アセトバクター属、グルコノバクター属、リゾビウム属、アブロバクテリウム属、サルモネラ属およびシウドモナス属に属する微生物から選ばれる菌株が挙げられる。特に、エシェリヒア・コリをこれらの外来遺伝子源とすることが好ましい。上記以外の微生物であって、キシロース分解能を有するもの、さらにはプロモーター部位やリボソーム結合部位の異常などにより、キシロース分解能は有しないが、キシロースイソメラーゼ、キシルロキナーゼ、トランスアルドラーゼまたはトランスケトラーゼをコードする構造遺伝子を有する微生物であれば遺伝子源として使用可能である。また、遺伝子組換えなどにより、キシロースイソメラーゼ、キシルロキナーゼ、トランスアルドラーゼまたはトランスケトラーゼをコードする構造遺伝子を導入された形質転換微生物なども外来遺伝子源として使用することができる。異なる微生物から得られた複数種のDNA断片を1つのベクターに結合させることも可能であり、形質転換後、導入された組換えDNAの全て、あるいは一部がザイモバクター属の宿主細胞のゲノム中に取り込まれても、形質転換に用いられたベクター上に存在してもよい。
キシロースイソメラーゼ、キシルロキナーゼ、トランスアルドラーゼおよびトランスケトラーゼをコードする構造遺伝子から選ばれる少なくとも1つの遺伝子を含有する組換えDNAを宿主細胞に導入することによりキシロースイソメラーゼ、キシルロキナーゼ、トランスアルドラーゼおよび/またはトランスケトラーゼ生産能を有する形質転換体が構築できる。
上記の外来遺伝子源微生物からのDNAの分離、精製には、斉藤・三浦らの方法(Biochem. Biophys. Acta, Vol. 72, 619〜629, 1963)やその変法、さらには市販のDNA抽出キットなどを用いることができる。
以下に、斉藤・三浦らの方法に準じた方法を例示する。
まず、外来遺伝子源微生物をグリシン0.5 %を含むイースト−スターチ培地(組成:酵母エキス0.2%、可溶性澱粉1.0%、pH7.3)などの適当な液体培地に接種し、4〜60℃、好ましくは30℃で8〜48時間、好ましくは一夜攪拌培養する。培養終了後、固−液分離操作、例えば0〜50℃、好ましくは4℃で回転数3000〜15000rpm、好ましくは10000rpmの条件で遠心分離を行うことにより集菌する。これをVS緩衝液(0.15M NaCl、0.1M EDTA、pH8.0)に懸濁し、リゾチームを加えた後、4〜45℃、好ましくは37℃で0.5〜4時間、好ましくは1時間放置してプロトプラスト液を得る。該液に、TSS緩衝液(0.1Mトリス、0.1M NaCl、1%SDS、pH9.0)および5M NaClを加えてプロトプラストを溶解させる。ついで、TE溶液(10mMトリス、1mM EDTA、pH8.0)−飽和フェノールを加え、穏やかに、かつ十分に懸濁する。これを0〜50℃、好ましくは4℃で回転数3000〜15000rpm、好ましくは12000rpmで遠心分離し、得られた上層(水相)をクロロホルム液で懸濁する。さらに、これを0〜50℃、好ましくは4℃で回転数3000〜15000rpm、好ましくは12000rpmで遠心分離し、得られた上層(水相)を再度フェノールおよびクロロホルムを用いて懸濁処理する。ついで、冷エタノールを加え、生じた白濁の粗染色体DNAを回収し、該DNAをSSC緩衝液(0.15M NaCl、0.015Mクエン酸ナトリウム)に溶解し、SSC緩衝液に対して一晩透析する。この透析内液に、リボヌクレアーゼを終濃度1〜50μg/ml、好ましくは10μg/ml加え、4〜45℃、好ましくは37℃で0.5〜16時間、好ましくは2時間放置する。さらに、プロテアーゼを終濃度0.1〜10μg/ml、好ましくは1μg/ml加え、4〜45℃、好ましくは37℃で15分間〜8時間、好ましくは30分間放置する。これを、上記と同様にフェノールおよびクロロホルムを用いて処理し、SSC緩衝液に対して透析し、精製した外来遺伝子源微生物の染色体DNA液とする。
こうして得られた外来遺伝子源のDNAを制限酵素などにより分解し、蔗糖密度勾配法により1kbp未満のDNA断片を除いたものを、外来遺伝子DNA断片として用いることが可能である。このとき用いる制限酵素は特に限定はなく、DNAを切断するAccII(別名FnuDII)などの各種酵素類を使用することができる。また、上記した酵素法以外にも超音波処理や物理的剪断力などを用いてDNAを切断することも可能である。この際、例えばクレノーフラグメントやDNAポリメラーゼ、マングビーンのヌクレアーゼなどの酵素で外来遺伝子DNA断片の末端を処理しておくと、後のベクターDNAとの結合効率が上がり好ましい。さらに、外来遺伝子源のDNAやその断片をテンプレートとしてPCR増幅したものについても、そのままあるいは上記の処理を行うことにより外来遺伝子DNA断片として使用することができる。
ハイブリダイゼーションは、公知の方法、例えば、モレキュラー・クローニング(Molecular Cloning)3rd(J. Sambrook et al., Cold Spring Harbor Lab. Press, 2001)に記載の方法などに従って行なうことができ、ストリンジェントな条件としては、例えば、ナトリウム濃度が約19〜40mM、好ましくは約19〜20mMで、温度が約50〜70℃、好ましくは約60〜65℃の条件が挙げられる。
本発明で用いるベクターDNA断片としては、グラム陰性細菌間の広宿主域性プラスミド由来のpRK290、pMFY40およびpMFY31を制限酵素で切断処理したものなどを用いることができる。上記以外のベクターについても、公知のグラム陰性細菌の広宿主域性プラスミドを適宜選択し使用することが可能である。用いる制限酵素についても、粘着末端を生じるものに限らず、DNAを切断する各種の酵素類も使用できる上、上記の外来遺伝子源のDNAの切断と同様な方法によるベクターDNAの切断が可能である。得られたベクターDNA断片は、上記の外来遺伝子DNA断片との結合反応に先立ち、アルカリ性フォスファターゼ処理する。これにより、該断片と外来遺伝子DNA断片との結合効率が上昇する。さらに、PCR増幅により外来遺伝子DNA断片を調製する場合には、予め増幅断片の両末端にEcoRIなどの制限酵素部位付与プライマーを用い、その制限酵素切断したDNA断片と同じ制限酵素で切断したベクター断片を用いると、結合効率を上げることができる。外来遺伝子DNA断片とベクターDNA断片との結合反応は、公知のDNAリガーゼを使用する方法等の常法であればよく、例えば、外来遺伝子DNA断片とベクターDNA断片とをアニーリングした後、生体外で適当なDNAリガーゼの作用により組換えDNAを作成する。また、必要であれば、アニーリングした後、宿主微生物に導入して、生体内のDNA修復能を利用して組換えDNAにすることもできる。
結合した供与体DNA断片とベクターDNA断片とを挿入するザイモモナス属宿主微生物としては、エタノール発酵能を有し、かつ組換えDNAが安定に保持されるものであればよく、一般的にはザイモバクター・パルメが用いられる。宿主微生物への組換えDNA導入は、主に、エレクトロポレーションなどの電気的刺激を利用する方法によって行うことができる。
こうして得られた形質転換体の増殖培地としては、例えばRM培地などが用いられる。培養温度等の培養条件は宿主微生物の性質に応じて適宜設定できる。また、用いたベクターDNA断片が、各種の抗生物質耐性遺伝子をコードしているものであれば、培地中に、相当する抗生物質を適量加えることで、組換えDNAをより安定的に保持することができる。さらに、用いたベクターDNAが、宿主微生物の栄養要求性を補う遺伝子をコードしているものであれば、その要求される栄養素を含まない培地を用いることにより、同様に組換えDNAの安定性が向上する。
かくして得られた本発明の発酵菌は、木質系、草本系いずれのバイオマス資源の糖化液からのエタノール製造にも使用できるが、その高いエタノール生産性から、木質系バイオマス資源の糖化液からのエタノール生産に好適に使用できる。
例えば、原料となる木質を化学的あるいは物理的に処理することにより加水分解して糖化液を調製し、これを発酵原料とする。この木質糖化液には、木質の構成成分であるセルロースとヘミセルロースに由来するグルコース、キシロース、およびマンノースが混在する。
従来は、木質糖化液に対して伝統的な醸造菌として利用される酵母を用いてバイオエタノールを回分式あるいは連続式にて発酵・製造していた。この製造法では、木質糖化液中に含まれるキシロースやマンノース(約20%)はバイオエタノールに変換できない。そのために、木質糖化液からのバイオエタノール回収はグルコース成分(約50%)のみ限定され、バイオエタノールのコスト上昇の一要因なっていた。
本発明では、得られた発酵菌を使用し、例えば、これを固定化担体に固定化、充填したリアクターに木質糖化液を連続的に供給して、当該発酵菌と接触させることにより高速度、かつ高回収でバイオエタノールを製造することができる。これにより、従来の方法に比較してキシロースとマンノース量に相当する約20%のバイオエタノールの回収と低コスト化を達成することが可能となる。
固定化担体への固定化は、それ自体既知の方法によって行うことができ、例えば、包括法、物理的吸着法、共有結合法等が挙げられる。
担体としては、中空状、凹凸状、多孔質状等の形態で単位体積当たりの表面積が大きいもの或いは水を吸収して膨潤するものであって、流動性を持ち、容易に反応系から流出しない粒径および比重を有するものが好適であり、担体形状としては、例えば、板状体、繊維状体、円筒などの特殊形状体、スポンジ状体、粒・塊状体、立方体状などいずれでもよいが、中でも、流動性と充分な表面積を確保しやすい微小な粒状体が好ましい。担体素材としては、微生物や酵素などの担体材料として従来から用いられている各種の有機・無機材料を用いることができ、例えば、粒状活性炭、破砕活性炭、木炭、ゼオライト、雲母、砂粒等の無機材料;光硬化性樹脂、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリアクリルアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、寒天、アルギン酸、カラギーナン、セルロース、デキストラン、アガロース、イオン交換樹脂等の樹脂材料;シリカゲル等の多孔質セラミックス;アンスラサイト;ケイソウ土;樹脂材料に活性炭等を混入したものなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組合せて用いることができる。
上記固定化担体は、通常、バイオリアクター内に充填されて用いられる。発酵に用いられるバイオリアクターとしては、その形式の違いから、完全混合槽型、充填層型、膜型、流動層型、横型等のリアクターが挙げられる。このようなバイオリアクターを用いると、連続発酵が可能となり、微生物等の投入・回収が不要となるので好適である。
上記のアルコール発酵の際には、微生物の種々の栄養源を必要に応じて糖液中に配合することができ、例えば、窒素源として酵母エキス、コーンスティープリカー、ペプトン、肉エキス、カツオエキスなどを使用することができる。
以下に、実施例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)マンノース・キシロース発酵性組換えプラスミドの構築
ザイモバクター菌への遺伝子導入ベクターであるpMFY31に上記の6種の酵素遺伝子を挿入した組換えプラスミドを構築した。
(a)人工マンノースオペロンpMFY31-opmの構築
ザイモモナス由来のGAPプロモーター遺伝子(Pgap、グリセルアルデヒド−3−リン酸脱水素酵素の発現を制御するプロモーター遺伝子)制御下に、エシェリヒア・コリ由来のホスホマンノースイソメラーゼ遺伝子(manA)とザイモモナス・モビリス由来のフルクトキナーゼ遺伝子(frk)をタンデムに連結して、マンノースオペロン(opm: operon of mannose utilization)を下記の手順に従い構築した。
すなわち、上記特許文献3に記載のpUC118-manA(エシェリヒア・コリ用のベクターpUC118にPgap-manAを組み込んだ組換えプラスミド)をテンプレートとして、Pgapの制御下に挿入されたホスホマンノースイソメラーゼ遺伝子を以下のPCRプライマー
TALf(配列番号1):TATGCCTCGAGGGCGTTCGATCAACAACCCGAATCCTATC
TALr(配列番号2):CGTTTTTCATGTTTATTCTCCTAACTTATTACAGCTTGTTGTAAACACGC
の組み合わせにより増幅した。
一方、特許文献3に記載のpUC118-frk(pUC118にPgap-frkを組み込んだ組換えプラスミド)をテンプレートとして、manA遺伝子との連結部を含むフルクトキナーゼ遺伝子をPCRプライマー
FRKf(配列番号3):GCGTGTTTACAACAAGCTGTCCTCCGTTAGGAGAATAAACATGAAAAACG
FRKr(配列番号4):GGCGTCGACTTCCAAAATCCCTTTTCGGTTAAGAA
の組み合わせにより増幅した。
これら両PCR増幅DNA断片を用いてヘテロデュープレックスを調製した後、RecombinantPCR用プライマーであるTALfとFRKrの組み合わせによりPgap-manA-frk断片を増幅した。調製したRecombinantPCR断片を平滑化後、エシェリヒア・コリ用ベクターであるpUC118のマルチクローニングサイトのHincIIサイトに連結して、pUC118-opmを構築した。
pUC118-opmからPgap-manA-frk断片を制限酵素XhoIとSalIにより切り出し、ベクターpMFY31のSalI部位に挿入し、pMFY31-opmを構築した。
図1に、この構築操作の制限酵素地図を示す。
(b)マンノースおよびキシロース発酵性組換えプラスミドpMFY31-opmxtRの構築
上記(a)で構築したpMFY31-opmへのキシロース発酵性遺伝子群の挿入を可能にするために、下記の手順に従い組換えプラスミドを構築した。
上記特許文献2に記載のpUC118-xylAB(pUC118にPgapとエシェリヒア・コリ由来のキシロースイソメラーゼ遺伝子(xylA)およびキシルロキナーゼ遺伝子(xylB)を組み込んだ組換えプラスミド)のPgap上流域に、新たに制限酵素NotI部位を付加するために、pUC118-xylABを制限酵素EcoRIIにより切断して平滑化後、NotIリンカー(AGCGGCCGCT)と連結して、Pgap上流にNotI部位が挿入されたpUC118-xylAB-NotIを構築した。
また、特許文献2に記載のpUC118-taltktA(pUC118にPgapとエシェリヒア・コリ由来のトランスアルドラーゼ遺伝子(tal)とトランスケトラーゼ遺伝子(tkt)を組み込んだ組換えプラスミド)のtkt下流域に、新たに制限酵素NotI部位を付加するために、pUC118-taltktAを制限酵素SacIにより切断して平滑化後、NotIリンカー(AGCGGCCGCT)と連結して、tkt下流域にNotI部位が挿入されたpUC118-taltktA-NotIを構築した。
図2に、pUC118-xylAB-NotIおよびpUC118-taltktA-NotI構築操作の制限酵素地図を示す。
キシロース発酵性遺伝子断片の上流域と下流域にNotI切断部位を挿入するために、下記の手順により組換えプラスミドを構築した。
エシェリヒア・コリベクターpUC118をマルチクローニング部位に存在するHincII部位で切断してNotIリンカー(AGCGGCCGCT)と連結し、pUC118-NotIを構築した。ついで、先に構築したpUC118-xylAB-NotIをNotIとBglIにより切断して切り出したPgap-xylA/xylBとpUC118-taltktA-NotIをNotIとBglIにより切断して切り出したPgap-taltktAを、NotIにより切断したpUC118-NotIとともに連結して、pUC118のNotI部位にPgap-xylA/xylBとPgap-taltktAがタンデムに挿入された組換えプラスミドpUC118-xt(NotI)を構築した。
図3に、pUC118-xt(NotI)構築操作の制限酵素地図を示す。
上記(a)で構築したpMFY31-opm上のPgap-opm下流にPgap-xylA/xylB-Pgap-taltktA 断片を挿入するために、pMFY31-opmをBamHIにより切断して平滑化後、NotIリンカー(AGCGGCCGCT)と連結して、opm下流域にNotI部位が挿入されたpMFY31-opm(NotI)を構築した。構築したpUC118-xt(NotI)からPgap-xylA/xylB-Pgap-taltktA 断片をNotI切断により切り出して、NotI切断したpMFY31-opm(NotI)と連結してPgap-opm、Pgap-xylAB-taltktAがタンデムに挿入された組換えプラスミドpMFY31-opmxtRを構築した。
図4に、組換えプラスミドpMFY31-opmxtR構築操作の制限酵素地図を示す。
(2)グルコース・マンノース・キシロース並行発酵性の付与
上記(1)で構築した、マンノース発酵性遺伝子群とキシロース発酵性遺伝子群を挿入した組換えプラスミドpMFY31-opmxyRを上記特許文献3記載のエレクトロポレーション法によりザイモバクター宿主を形質転換した。
ザイモバクター・パルメ(ATCC51623)の−80℃グリセロールストックからT培地(2.0%グルコース、1.0%バクト−酵母エキス、1.0%KHPO、0.2%(NHSO、0.05%MgSO・7HO、pH6.0)のプレートに画線したコロニーを5mlのT培地に植菌し、24時間、30℃で静置培養した。これを前培養液とした。前培養液を新鮮なT培地45mlに植継ぎ、OD610が0.4〜0.6になるまで静置培養した(30℃で2〜3時間)。培養液を滅菌コーニング管に移して、10分間氷冷した。ついで、4℃にて、3500rpmで10分間、遠心分離後、上清を捨て、15mlの10%滅菌グリセロール溶液を加えて、穏やかに懸濁し、10分間氷冷した。さらに、4℃にて、3500rpmで10分間、遠心分離し、上清を捨て、1mlの10%グリセロール溶液を加えて、穏やかに懸濁し、コンピタントセルを調製した。200μlのコンピタントセルと10μlのpMFY31-opmxtRDNA溶液を氷上にて混合した後、エレクトロポレーション装置付属のキュベットに移して、電圧200V、静電容量250μFD、抵抗値200Ωの条件下、電気パルスを印加し、直ちに1mlのT培地をキュベットに添加して、30℃で1時間静置培養した後、選択培地上でコロニーを形成させた。まず、アンピシリンを含むキシロースを唯一の炭素源とするT培地平板培地上でコロニー形成株として選択し、つぎに、得られたコロニーをキシロース、マンノースを炭素源とした液体培地での生育を観察して、キシロースとマンノースのいずれの炭素源においても高い生育を示した株を選択することにより、所望の形質転換株を得た。
かくして得られた形質転換株は、ZB-opmxtRと命名し、平成19年11月19日から、ブタペスト条約の下、茨城県つくば市東1−1−1 中央第6の、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに受託番号FERM BP−11077で寄託してある。
形質転換株における導入遺伝子の発現を確認するために、形質転換株の培養菌体から調製した無細胞抽出液のキシロースイソメラーゼ、キシルロキナーゼ、アルドラーゼ、ホスホマンオースイソメラーゼ、およびフルクトキナーゼ活性を測定した。
すなわち、形質転換株を、5mlのT培地を用いて、24時間培養を行い、50mlのT培地に植え継ぎ、24時間培養を行った。ついで、培養液を遠心管に移し、4℃にて、3500rpmで10分間、遠心分離を行った。上澄みを捨てた後、菌体を20mlの20mM KPB(pH7.0)で懸濁し、洗浄した。さらに、4℃にて、3500rpmで10分間、遠心分離を行い、上澄みを除去し、20mM KPB(pH7.0)を用いて、OD610=20になるよう菌体を再懸濁した。氷上にて超音波処理(30秒超音波処理→30秒冷却/4〜5回)を行い、菌体を破砕し、超音波処理液を4℃にて、6000rpmで15分間、遠心分離を行った。遠心後の上清を採取した。これを4℃にて、35000rpmで1時間、超遠心を行った。超遠心後の上清を採取し、これを無細胞抽出液とし、その酵素活性を測定した。
キシロースイソメラーゼ(XI)の活性は、基質であるキシロースから酵素反応によって生成されるキシルロースの量を、システイン−カルバゾール−硫酸法を用いて比色定量することで測定し、活性を算出した。酵素活性は、1分間で1μmolのキシルロースを生成するために必要な酵素量を1単位(U)として表す。
キシルロースキナーゼ(XK)の活性は、XKの作用により、キシロースがピルビン酸を経て乳酸に至るまでの酵素反応に伴うNADHの減少量を測定することで求めた。酵素活性は、1分間で1μmolのNADHを減少させる酵素量を1単位(U)として表す。
トランスアルドラーゼ(TA)活性は、TAの作用により、フルクトース−6−リン酸がグリセルアルデヒド−3−リン酸を経てグリセロール−3−リン酸に至るまでの酵素反応に伴うNADHの減少量を測定することで求めた。酵素活性は、1分間で1μmolのNADHを減少させる酵素量を1単位(U)として表す。
ホスホマンノースイソメラーゼ(PMI)活性は、PMIの作用により、マンノース−6−リン酸がグルコース−6−リン酸を経てグルコンサン−6−リン酸に至るまでの酵素反応に伴うNADPHの増加量を測定することで求めた。酵素活性は、1分間で1μmolのNADPHを増加させる酵素量を1単位(U)として表す。
フルクトースキナーゼ(FKI)活性(フルクトースリン酸化活性)は、FKの作用により、フルクトースが下記の酵素反応に伴うNADPHの増加量を測定することで求めた。グルコース−6−リン酸を経てグルコン酸−6−リン酸に至るまでの酵素反応に伴うNADPHの増加量を測定することで求めた。酵素活性は、1分間で1μmolのNADPHを増加させる酵素量を1単位(U)として表す。
フルクトースキナーゼ(FKII)活性(マンノースリン酸化活性)は、FKの作用により、マンノースが下記の酵素反応に伴うNADPHの増加量を測定することで求めた。グルコース−6−リン酸を経てグルコン酸−6−リン酸に至るまでの酵素反応に伴うNADPHの増加量を測定することで求めた。酵素活性は、1分間で1μmolのNADPHを増加させる酵素量を1単位(U)として表す。
測定結果を表1に示す。対照として、ベクターpMFY31を導入した株の測定結果も示す。
Figure 2009081941

表1に示すごとく、ベクターpMFY31を導入した株では、いずれの酵素活性も微弱であったが、pMFY31-opmxtRを導入した株ではキシロースイソメラーゼ、キシルロキナーゼ、アルドラーゼ、ホスホマンオースイソメラーゼおよびフルクトキナーゼ活性の著しい活性上昇が認められた。すなわち、ザイモモナス由来のプロモーターPgapが効率よく働き、導入したマンノース発酵性遺伝子群とキシロース発酵性遺伝子群が十分に発現していることを確認した。
木質系バイオマス(例、建築廃材)の酸処理糖化液中には、セルロースとヘミセルロースに由来するグルコース、マンノース、キシロースが含まれ、各糖質の濃度は6%グルコース、2%マンノース、2%キシロースである。そこで、廃木材酸処理糖化液を対象とするバイオエタノール発酵を想定して、6%グルコース、2%マンノース、および2%キシロースを含むモデル糖液を用いて、実施例1で得られた形質転換株(Zb. palme-opm+xt(k)の発酵性を試験した。比較として、マンノース発酵性ザイモバクター(Zb. palmae-opm:上記特許文献3)とキシロース発酵性ザイモバクター(Zb. palmae-xt(k):上記特許文献2)を用いた。
結果を図5に示す。
図5に示すごとく、マンノース発酵性ザイモバクターでは、グルコースとマンノースを並行発酵して生育し、消費糖当たり理論収率のエタノールを生産したが、キシロースは全く利用できない。キシロース発酵性ザイモバクターでは、グルコースとキシロースを並行発酵して生育し、消費糖当たり理論収率のエタノールを生産したが、マンノースは全く利用できない。一方、pMFY31-opnxtRを導入した組換えザイモバクターは、グルコース、マンノース、およびキシロースを並行発酵して完全に消費し、理論収率のエタノールを生産した。以上のように、育種ザイモバクターは木質系および草本系の糖化液中の主要な糖質であるグルコース、マンノース、およびキシロースを一つの菌株で並行発酵して理論収率のエタノール生産することから、リグノセルロース系バイオマス糖化液からのバイオエタノール生産のための触媒素子として優れている。
以上記載したごとく、本発明によれば、ザイモバクター属菌にグルコース、マンノース、およびキシロースの発酵性を付与することにより、糖発酵スペクトルのより広いバイオエタノール並行発酵菌が得られ、木質系および草本系バイオマスの糖化液からのエタノール回収率を向上させることができる。
配列番号1:pUC118-manAのPgap-manAをコードするDNA増幅用に設計したオルゴヌクレオチド・プライマー。
配列番号2:pUC118-manAのPgap-manAをコードするDNA増幅用に設計したオルゴヌクレオチド・プライマー。
配列番号3:pUC118-frkの-manAとの連結部を含むfrkをコードするDNA増幅用に設計したオルゴヌクレオチド・プライマー。
配列番号4:pUC118-frkの-manAとの連結部を含むfrkをコードするDNA増幅用に設計したオルゴヌクレオチド・プライマー。

Claims (5)

  1. マンノース代謝系酵素生産菌株由来のフルクトースキナーゼおよびホスホマンノースイソメラーゼから選ばれる少なくとも1つの酵素をコードする外来遺伝子と、キシロース代謝系酵素生産菌株由来のキシロースイソメラーゼ、キシルロキナーゼ、トランスアルドラーゼおよびトランスケトラーゼから選ばれる少なくとも1つの酵素をコードする外来遺伝子が導入されたザイモバクター(Zymobacter)属の形質転換微生物であって、グルコース、マンノースおよびキシロースをエタノールに並行発酵できるバイオエタノール並行発酵菌。
  2. マンノース代謝系酵素生産菌株およびキシロース代謝系酵素生産菌株が、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)である請求項1記載の発酵菌。
  3. ザイモバクター・パルメ(Zymobacter palmae)を宿主とする請求項1記載の発酵菌。
  4. フルクトースキナーゼおよびホスホマンノースイソメラーゼをコードする外来遺伝子と、キシロースイソメラーゼ、キシルロキナーゼおよびトランスアルドラーゼをコードする外来遺伝子が導入された請求項3記載の発酵菌。
  5. ザイモバクター・パルメ pMFY31-opmxtR(FERM BP−11077)である請求項4記載の発酵菌。
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