JP2005261421A - ペントース発酵性ザイモバクター属形質転換微生物 - Google Patents

ペントース発酵性ザイモバクター属形質転換微生物 Download PDF

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Abstract

【課題】 ペントースを資化することができないZymobacter属の微生物に対し、組換えDNA法によりペントース代謝系酵素を導入することにより、ペントースからエタノールを生産できる形質転換微生物を提供すること。
【解決手段】 キシロース代謝系酵素生産性微生物をDNA供与体とし、そのDNA断片をベクターに結合させた組換えDNA及び該組換えDNAをZymobacter属微生物に導入して得られた形質転換微生物。
【選択図】 なし






Description

本発明は、キシロースイソメラーゼ、キシルロキナーゼ、トランスアルドラーゼおよびトランスケトラーゼから選ばれる少なくとも1種の酵素をコードする外来遺伝子を含む組換えDNA及び該組換えDNA断片を含む形質転換微生物に関し、該形質転換微生物はキシロースを含有する原料からのエタノールの効率的な生産に利用することができる。
セルロース系バイオマスを原料としてエタノール生産を行う場合、まず、バイオマスを単糖にまで分解した糖化液を発酵原料として用いる。セルロース系バイオマスの分解・糖化には、セルラーゼを用いる酵素法や硫酸などを用いる酸糖化法などが用いられるが、バイオマス中にはセルロースの他にヘミセルロース含量の高いものもあるため、その糖化液中にはグルコースの他にヘミセルロース由来のキシロースも含まれることがある。エタノール生産に用いられる主な微生物としてはSaccharomyces属の酵母やZymomonas属またはZymobacter属の細菌が挙げられる。通常、これらの微生物は、グルコースなどの糖からは効率よくエタノールを生産するが、キシロースからはエタノールを生産することができない。そのため、バイオマスを原料としたエタノール生産の収率を向上させるには、エタノール生産に用いられる微生物にキシロース代謝に関与する酵素を導入し、キシロースを基質としてエタノールを生産することができる形質転換微生物を構築する必要がある。
Zymomonas属およびZymobacter属の細菌は、Saccharomyces属の酵母より発酵速度が速いことが知られており、例えば、特許文献1には、Zymomonas属の細菌にペントース発酵性を形質転換することにより、キシロースからエタノールを効率よく生産することができる形質転換微生物を構築したことが開示されている。しかしながら、Zymomonas属の細菌は、Zymobacter属の細菌に比べ、発酵可能な糖の種類が狭く、マルトースやガラクトースあるいはマンノース等を含有した原料を効率よく発酵するためには、さらに多くの遺伝子で形質転換する必要がある。
米国特許第5,712,133号明細書
本発明の主たる目的は、ペントースを資化することができないZymobacter属の微生物に対し、組換えDNA法によりペントース代謝系酵素を導入することにより、ペントースからのエタノール生産能をもつ形質転換微生物を提供することである。
本発明者らは、キシロース分解能を有する微生物に注目し、種々スクリーニングを行ったところ、キシロースの代謝に関与するキシロースイソメラーゼ、キシルロキナーゼ、トランスアルドラーゼおよびトランスケトラーゼ遺伝子を得ることができた。しかし、Zymobacter属の細菌における宿主-ベクター系が確立されていないことから、ベクターの構築、形質転換法、キシロースの代謝に関与する酵素をコードする遺伝子のクローニング等について鋭意検討を重ねた結果、今回、発酵性糖種の幅が広いZymobacter属の細菌を宿主として用いると、様々な糖種を含む発酵原料に対して適応しやすいことを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明は、キシロースイソメラーゼ、キシルロキナーゼ、トランスアルドラーゼおよびトランスケトラーゼから選ばれる少なくとも1種の酵素をコードする外来遺伝子が導入されたZymobacter属のペントース発酵性、すなわち、ペントース、特にキシロースを基質としてエタノールを生産する能力をもつ形質転換微生物を提供するものである。
本発明は、また、キシロース代謝系酵素生産性菌株由来の、キシロースイソメラーゼ、キシルロキナーゼ、トランスアルドラーゼおよびトランスケトラーゼから選ばれる少なくとも1種の酵素をコードする遺伝子を含有するDNA断片をベクターに結合させてなる組換えDNAを提供するものである。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明においては、キシロース分解能を有する微生物をDNA供与体として用い、それからキシロースイソメラーゼ、キシルロキナーゼ、トランスアルドラーゼおよびトランスケトラーゼから選ばれる少なくとも1種の酵素をコードするDNAを分離、精製した後、種々の方法で切断することにより、該酵素をコードするDNA断片を調製する。このDNA断片を適当なベクターDNA断片と、例えばDNAリガーゼなどにより結合させ、キシロースイソメラーゼ遺伝子、キシルロキナーゼ遺伝子、トランスアルドラーゼ遺伝子およびトランスケトラーゼ遺伝子から選ばれる少なくとも1つの遺伝子を含有する組換えDNAを形成する。
本発明において用いる該遺伝子を含有するDNAの供与体微生物としては、特に制限はなく、キシロース分解能を有するものであればよいが、特に、Escherichia属、Xanthomonas属、Klebsiella属、Rhodobacter属、Flavobacterium属、Acetobacter属、Gluconobacter属、Rhizobium属、Abrobacterium属、Salmonella属およびPseudomonas属に属する微生物が好適に用いられ、その中でもEscherichia coliが好ましい。その他のEscherichia属微生物、あるいは上記以外の微生物であって、キシロース分解能を有するもの、さらにはプロモーター部位やリボソーム結合部位の異常などによりキシロース分解能は有しないが、そのDNA上にキシロースイソメラーゼ、キシルロキナーゼ、トランスアルドラーゼまたはトランスケトラーゼ構造遺伝子をコードする微生物もまた該遺伝子を含有するDNAの供与体として使用可能である。さらに、遺伝子組換えなどにより、キシロースイソメラーゼ、キシルロキナーゼ、トランスアルドラーゼまたはトランスケトラーゼ構造遺伝子が導入された形質転換微生物なども該遺伝子を含有するDNAの供与体微生物として使用することができる。異なる微生物から得られる該遺伝子を含有する複数種のDNA断片を1つのベクターに結合させることも可能である。
キシロースイソメラーゼ遺伝子、キシルロキナーゼ遺伝子、トランスアルドラーゼ遺伝子およびトランスケトラーゼ遺伝子から選ばれる少なくとも1つの遺伝子を含有する組換えDNAは、宿主であるZymobacter属に属する微生物に導入することにより、キシロースイソメラーゼ、キシルロキナーゼ、トランスアルドラーゼおよび/またはトランスケトラーゼ生産能をもつ形質転換微生物を構築することができる。導入された組換えDNAは、そのすべてあるいは一部が、Zymobacter属の宿主細胞のゲノム中に取り込まれても、また、形質転換に用いられたベクター上に存在していてもよい。
上記の供与体微生物からのDNAの分離、精製は、それ自体既知の方法、例えば、斉藤・三浦らの方法(Biochem.Biophys.Acta,Vol.72,619 〜629,1963)やその変法、さらには市販のDNA 抽出キットなどを用いる方法などにより行うことができる。以下、斉藤・三浦らの方法に準じた方法についてさらに具体的に説明する。
まず、供与体微生物をグリシン0.5%を含むイースト−スターチ培地(組成:酵母エキス0.2%,可溶性澱粉1.0%,pH7.3)などの適当な液体培地に接種し、4〜60℃、好ましくは30℃で8〜48時間、好ましくは一夜攪拌培養する。培養終了後、固−液分離操作、例えば0〜50℃、好ましくは4℃にて回転数3000〜15000rpm 、好ましくは10000rpmの条件で遠心分離を行うことにより集菌する。
集菌した微生物を次いでVS緩衝液(0.15M NaCl,0.1M EDTA,pH8.0)に懸濁させ、リゾチームを加えた後、4〜45℃、好ましくは37℃で0.5〜4時間、好ましくは1時間放置してプロトプラスト液を得る。該液に、TSS緩衝液(0.1M トリス,0.1M NaCl,1%SDS,pH9.0)及び5M NaClを加えてプロトプラストを溶解させる。続いて、TE溶液(10mM トリス,1mM EDTA,pH8.0)−飽和フェノールを加え、穏やかにかつ十分に懸濁させる。得られる懸濁液を0〜50℃、好ましくは4℃にて回転数3000〜15000rpm、好ましくは12000rpmで遠心分離し、得られる上層(水相)をクロロホルム液で懸濁させる。さらに、これを0〜50℃、好ましくは4℃にて回転数3000〜15000rpm、好ましくは12000rpmで遠心分離し、得られる上層(水相)を再度フェノール及びクロロホルムを用いて懸濁処理する。
続いて、冷エタノールを加え、生ずる白濁した粗染色体DNAを回収し、該DNAをSSC緩衝液(0.15M NaCl,0.015M クエン酸ナトリウム)に溶解し、SSC緩衝液に対して一晩透析する。この透析内液に、リボヌクレアーゼを終濃度1〜50μg/ml、好ましくは10μg/mlで加え、4〜45℃、好ましくは37℃で0.5〜16時間、好ましくは2時間放置する。さらに、プロテアーゼを終濃度0.1〜10μg/ml、好ましくは1μg/mlで加え、4〜45℃、好ましくは37℃で15分間〜8時間、好ましくは30分間放置する。これを、上記と同様にフェノール及びクロロホルム
を用いて処理し、SSC緩衝液に対して透析し、精製された供与体微生物の染色体DNA液を得る。
このようにして得られる供与体微生物のDNAを制限酵素などにより分解し、蔗糖密度勾配法により1kbp未満のDNA断片を除いたものを、供与体DNA断片として用いることが可能である。このときに用いる制限酵素は特に限定はなく、DNAを切断するAccII(別名FnuDII)などの各種酵素類を使用することができる。また、上記の酵素法以外にも超音波処理や物理的剪断力などを用いてDNAを切断することも可能である。その際、例えば、クレノーフラグメントやDNAポリメラーゼ、マングビーンヌクレアーゼなどの酵素で供与体DNA断片の末端を処理しておくと、後のベクターDNAとの結合効率が上がり好ましい。さらに、供与体微生物のDNAやその断片をテンプレートとしてPCR増幅したものについても、そのままあるいは上記の処理を行うことにより供与体DNA断片として使用することができる。
他方、ベクターDNA断片としては、特に限定はないが、グラム陰性細菌間の広宿主域性プラスミド由来のpRK290、pMFY40またはpMFY31を制限酵素で切断処理したものなどを好適に用いることができる。上記以外のベクター、例えば、既知のグラム陰性細菌の広宿主域性プラスミドを適宜選択し使用することも可能である。用いる制限酵素についても、粘着末端を生じるものに限らず、DNAを切断する各種の酵素類を使用することができ、さらに、上記の供与体微生物のDNAの切断と同様な方法によるベクターDNAの切断が可能である。
得られるベクターDNA断片は、上記の供与体DNA断片との結合反応に先立ち、アルカリ性フォスファターゼ処理することができる。これにより、該断片と供与体DNA断片との結合効率が向上する。さらに、PCR増幅により供与体DNA断片を調製する場合には、予め増幅断片の両末端にEcoRIなどの制限酵素部位付与プライマーを用い、その制限酵素切断したDNA断片と同じ制限酵素で切断したベクター断片を用いると、結合効率を上げることができる。供与体DNA断片とベクターDNA断片との結合反応は、公知のDNAリガーゼを使用する方法等の常法を用いて行うことができ、例えば、供与体DNA断片とベクターDNA断片とをアニーリングした後、生体外で適当なDNAリガーゼの作用により組換えDNAを作成することができる。また、必要に応じて、アニーリングした後、宿主微生物に導入し、生体内のDNA修復能を利用して組換えDNAにすることもできる。
供与体DNA断片とベクターDNA断片を含む組換えDNAを挿入する宿主微生物としては、エタノール発酵能を有し且つ組換えDNAが安定に保持されるものであればいずれの微生物でもよいが、本発明においては、好適には、Zymobacter属に属する微生物、一般的にはZymobacter palmaeが用いられる。宿主微生物に組換えDNAを導入する方法は、特に制限されないが、Zymobacter palmaeなどの場合には、エレクトロポレーションなどの電気的刺激を利用する方法による組換えDNAの導入が好適である。また、Zymobacter palmae以外の他のエタノール生産性微生物、例えばZymomonas mobilisや酵母、その他の宿主についても、同様の方法によって組換えDNAの導入が可能である。
このようにして得られる形質転換微生物の増殖培地としては、例えば、宿主微生物がZymobacterの場合は、RM培地などがよく用いられる。宿主微生物としてZymobacter以外の枯草菌や酵母など用いる場合は、用いた宿主微生物に応じた各種の培地での培養が可能であり、培養温度等の培養条件も宿主微生物の性質に応じて適宜設定することができる。また、用いるベクターDNA断片が、各種の抗生物質耐性遺伝子をコードしているものであれば、培地中に、相当する抗生物質を適量加えることにより、組換えDNAをより安定的に保持することができる。さらに、用いるベクターDNAが、宿主微生物の栄養要求性を補う遺伝子をコードしているものであれば、その要求される栄養素を含まない培地を用いることにより、同様に組換えDNAの安定性を向上させることができる。
本発明により、組換えDNA法を用いてZymobacter属の微生物にキシロース発酵性を付与することを可能にする組換えDNA及びその組換えDNA断片を含む形質転換微生物が提供される。該形質転換微生物を用いることによって、キシロース含有糖液を原料とした効率的なエタノールの製造が可能となる。
キシロース含有糖液を原料としたエタノールの生産は、キシロースを含む糖化原料を上記のペントース発酵性形質転換微生物を用いて発酵させ、得られる発酵液からエタノールを回収することにより行うことができる。例えば、上記の形質転換微生物を固定化した固定化担体を用い、それ自体既知のアルコール発酵法に従って行うことができる。
上記形質転換微生物の固定化担体への固定化は、それ自体既知の方法によって行うことができ、例えば、包括法、物理的吸着法、共有結合法等が挙げられる。
担体としては、中空状、凹凸状、多孔質状等の形態で単位体積当たりの表面積が大きいもの或いは水を吸収して膨潤するものであって、流動性を持ち、容易に反応系から流出しない粒径及び比重を有するものが好適であり、担体形状としては、例えば、板状体、繊維状体、円筒などの特殊形状体、スポンジ状体、粒・塊状体、立方体状などいずれでもよいが、中でも、流動性と充分な表面積を確保しやすい微小な粒状体が好ましい。担体素材としては、微生物や酵素などの担体材料として従来から用いられている各種の有機・無機材料を用いることができ、例えば、粒状活性炭、破砕活性炭、木炭、ゼオライト、雲母、砂粒等の無機材料;光硬化性樹脂、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリアクリルアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、寒天、アルギン酸、カラギーナン、セルロース、デキストラン、アガロース、イオン交換樹脂等の樹脂材料;シリカゲル等の多孔質セラミックス;アンスラサイト;樹脂材料に活性炭等を混入したものなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組合せて用いることができる。
上記固定化担体は、通常、バイオリアクター内に充填されて用いられる。発酵に用いられるバイオリアクターとしては、その形式の違いから、完全混合槽型、充填層型、膜型、流動層型、横型等のリアクターが挙げられる。このようなバイオリアクターを用いると、連続発酵が可能となり、微生物等の投入・回収が不要となるので好適である。
上記のアルコール発酵の際には、微生物の種々の栄養源を必要に応じて糖液中に配合することができ、例えば、窒素源として酵母エキス、コーンスティープリカー、ペプトン、肉エキス、カツオエキスなどを使用することができる。
本発明により、組換えDNA法を用いてZymobacter属の微生物にキシロース発酵性を付与することを可能にする組換えDNA及びその組換えDNA断片を含む形質転換微生物が提供される。該形質転換微生物を用いることによって、キシロース含有糖液を原料とした効率的なエタノールの製造が可能となる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
実施例1:大腸菌由来キシロースイソメラーゼとキシルロキナーゼ遺伝子を含む組換えプラスミドDNAの作製
Zymobacter palmaeはキシロース発酵性をもたない。その原因としては、キシロースをキシルロースに変換する酵素であるキシロースイソメラーゼ、キシルロースのリン酸化反応を触媒するキシルロキナーゼ、さらに、変換されたキシルロースリン酸をペントースリン酸経路を経てエタノール生合成へと効率よく導くためのキー酵素となるアルドースレダクターゼおよびトランスケトラーゼの欠損またはその微弱な活性が挙げられる。従って、これら酵素遺伝子を導入して発現させることによりキシロースからのエタノール生産能を付与することが可能になる(図1)。
そこで、大腸菌のゲノムDNAからPCRを用いてこれらの酵素遺伝子をクローニングした。また、導入した4種の酵素遺伝子をZymobacter palmae細胞内で発現させるために、Zymobacter palmaeに近縁とされるZymomonas mobilis細胞内で大量発現が報告されているグリセルアルデヒド-3-リン酸脱水素酵素の発現を制御するプロモーター遺伝子(GAP promoter)を利用した。
大腸菌由来キシロースイソメラーゼ遺伝子とキシルロキナーゼ遺伝子はPCRによりクローニングした。すなわち、Zymomonas mobilis由来のグリセルアルデヒド-3-リン酸脱水素酵素遺伝子のプロモーター遺伝子の下流に大腸菌由来のキシロースイソメラーゼ遺伝子とキシルロキナーゼ遺伝子をタンデムに連結し、且つそのDNA断片の両末端にクローニングのためのEcoRI制限酵素切断部位を付与したDNA断片を調製するために、既知のZymomonas mobilis由来のグリセルアルデヒド-3-リン酸脱水素酵素遺伝子配列(J. Bacteriol. Vol.169 (12), 5653-5662, 1987)と既知の大腸菌由来キシロースイソメラーゼ遺伝子とキシルロキナーゼ遺伝子の塩基配列(Appl. Environ. Microbiol., Vol.47 (1), 15-21, 1984)に基づき、以下の4種のPCRプライマーを設計した:
ZGX1:5’-CGGAATTCGTTCGATCAACAACCCGAATCCTATCG-3’
ZGX2:5’-TACTGGAATAAATGGTCTTCGTTATGCAAGCCTATTTTGACCAGCCTCGAT-3’
ZGX3:5’-ATCGACTGGTCAAAATAGGCTTGCATAACGAAGACCATTTATTCCAGTA-3’
EX4: 5’-CGGAATTCATGCATAGTTGCCAAAAGTTGCTGTCA-3’
一次PCRとして、Zymomonas mobilis菌体から調製したゲノムDNAをテンプレートにプライマーZGX1とZGX3を用いて、プロモーターとキシロースイソメラーゼ遺伝子のN末部位を含む約300bpDNA断片を増幅した。一方、大腸菌ゲノムDNAをテンプレートにプライマーZGX2とEX4を用いて、プロモーター遺伝子の一部とキシロースイソメラーゼ遺伝子とキシルロキナーゼ遺伝子を含む約3.0kbpDNA断片を増幅した。
次に、プロモーター遺伝子を含むDNA断片とキシロースイソメラーゼ遺伝子とキシルロキナーゼ遺伝子を含むDNA断片を混合して94℃で20分間加熱後、37℃で15分間保持することによりヘテロデュープレックスを形成させた後、TaqDNAポリメラーゼの存在下に72℃で3分間反応させた。この反応液に、プライマーZGX1とプライマーEX4を添加して二次PCRを行い、GAPプロモーター遺伝子、キシロースイソメラーゼ遺伝子、キシルロキナーゼ遺伝子の順に連結した約3.3kbpDNA断片を増幅させた。このDNA断片の両末端を平滑化反応後、大腸菌用ベクタープラスミドDNA、pUC118のHincII制限酵素切断片と混合してT4リガーゼにより連結させて組換えプラスミドDNAを作製した。作製した組換えプラスミドを用いて大腸菌JM109を常法に従い形質転換した後、形質転換株を50μg/mlのアンピシリン、0.1mMイソプロピル-β-D-チオ-ガラクトシド、20μg/mlの5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-β-D-ガラクトピラノシドを含むLB平板培地(1% Bacto Tripton、0.5%酵母エキス、1%NaCl、1.5%寒天)に塗布して、コロニーを形成させた。白色コロニーを形成した形質転換株から抽出した組換えプラスミドをpUC118-xylABとした(図2)。
実施例2:大腸菌由来トランスアルドラーゼとトランスケトラーゼ遺伝子を含む組換えプラスミドDNAの作製
大腸菌ゲノムDNA上ではトランスアルドラーゼ遺伝子とトランスケトラーゼ遺伝子はオペロンを構成せず、お互いに離れた位置に配座している。そのため、トランスアルドラーゼとトランスケトラーゼを個々にクローニングした後に、Zymomonas mobilis由来のGAPプロモーター制御下になるように連結した。そのため、既知のZymomonas mobilis由来のグリセルアルデヒド-3-リン酸脱水素酵素遺伝子配列と既知の大腸菌由来トランスアルドラーゼ遺伝子(Nucleic Acids Res., Vol.20, 3305-3308, 1992)に基づき、以下の4種のPCRプライマーを設計した:
ZGT1:5’-CGCGGATCCGTTCGATCAACAACCCGAATCCTATC-3’
ZGT2:5’-CTTAATAAGTTAGGAGAATAAACATGACGGACAAATTGACCTCCCTTCGT-3’
ZGT3:5’-ACGAAGGGAGGTCAATTTGTCCGTCATGTTTATTCTCCTAACTTATTAAG-3’
ETA4:5’-CATTTTGACTACCAGATCTAGATTACAGCAGATCGCCGATCATTTTTTCC-3’
一次PCRとして、Zymomonas mobilis菌体から調製したゲノムDNAをテンプレートにプライマーZGT1とZGT3を用いて、プロモーターとトランスアルドラーゼ遺伝子のN末部位を含み、そのプロモーター遺伝子上流末端にBamHI制限酵素切断部位を付加した約300bpDNA断片を増幅した。一方、大腸菌ゲノムDNAをテンプレートにプライマーZGT2とETA4を用いて、プロモーター遺伝子の一部とトランスアルドラーゼ遺伝子を含み、そのトランスアルドラーゼ遺伝子のC末端にXbaI制限酵素切断部位を付加した約1.2kbpDNA断片を増幅した。
次に、プロモーター遺伝子を含むDNA断片とトランスアルドラーゼ遺伝子を含むDNA断片を混合して94℃で20分間加熱後、37℃で15分間保持することによりヘテロデュープレックスを形成させた後、TaqDNAポリメラーゼの存在下に72℃で3分間反応させた。この反応液に、プライマーZGT1とプライマーETA4を添加して二次PCRを行い、GAPプロモーター遺伝子とトランスアルドラーゼ遺伝子の順に連結した約1.3kbpDNA断片を増幅させた。このDNA断片の両末端を平滑化反応後、大腸菌用ベクタープラスミドDNA、pUC118のHincII制限酵素切断片と混合してT4リガーゼにより連結させて組換えプラスミドDNAを作製した。
作製した組換えプラスミドを用いて大腸菌JM109(ATCC 53323)を常法に従い形質転換した後、形質転換株を50μg/mlのアンピシリン、0.1mMイソプロピル-β-D-チオ-ガラクトシド、20μg/mlの5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-β-D-ガラクトピラノシドを含むLB平板培地(1% Bacto Tripton、0.5%酵母エキス、1%NaCl、1.5%寒天)に塗布して、コロニーを形成させた。白色コロニーを形成した形質転換株から抽出した組換えプラスミドをpUC118-talとした。次に、トランスケトラーゼ遺伝子のPCRによる増幅を行った。公知のトランスケトラーゼ遺伝子の塩基配列(J. Bacteriol., Vol.174, 1707-1708, 1992)に基づき、以下の2種のプライマーを合成した:
ETK1:5’-CGGAATTCTCGAGCTCCAGTTACTCAATACGTAACAATAA-3’
ETK2:5’-CGGCATGCCTCGAGGCAAACGGACATTATCAAGGTAATAAAAAAGGTCGC-3’
一次PCRとして、大腸菌の菌体から調製したゲノムDNAをテンプレートにプライマーETK1とETK2を用いて、トランスケトラーゼ遺伝子のN末端上流にXbaI制限酵素切断部位とそのC末端下流にSphI制限酵素切断部位を付与した約2.1kbpDNA断片を増幅させた。このDNA断片の両末端を平滑化反応後、大腸菌用ベクタープラスミドDNA、pUC118のHincII制限酵素切断片と混合してT4リガーゼにより連結させて組換えプラスミドDNAを作製した。
作製した組換えプラスミドを用いて大腸菌JM109を常法に従い形質転換した後、形質転換株を50μg/mlのアンピシリン、0.1mMイソプロピル-β-D-チオ-ガラクトシド、20μg/mlの5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-β-D-ガラクトピラノシドを含むLB平板培地(1% Bacto Tripton、0.5%酵母エキス、1%NaCl、1.5%寒天)に塗布して、コロニーを形成させた。白色コロニーを形成した形質転換株から抽出した組換えプラスミドをpUC118-tktとした。
次に、GAPプロモーター遺伝子とトランスアルドラーゼ遺伝子とトランスケトラーゼ遺伝子が連結したDNA断片を含む組換えプラスミドを作製した。すなわち、組換えプラスミドpUC118-talを、そのトランスアルドラーゼ遺伝子のC末端下流域に存在するXbaI制限酵素切断部位とSphI制限酵素制限酵素切断部位により切断したDNA断片と組換えプラスミドpUC118-tktをXbaIとSphIにより切断して調製したトランスケトラーゼ遺伝子を含む約2.1kbpDNA断片を混合してT4リガーゼにより連結させて組換えプラスミドDNAを作製した。作製した組換えプラスミドを用いて大腸菌JM109を常法に従い形質転換した後、形質転換株を50μg/mlのアンピシリンを含むLB平板培地(1% Bacto Tripton、0.5%酵母エキス、1%NaCl、1.5%寒天)に塗布して、コロニーを形成させた。コロニーを形成した形質転換株から抽出した組換えプラスミドにGAPプロモーター遺伝子、トランスアルドラーゼ遺伝子、トランスケトラーゼ遺伝子が、この順番でタンデムに連結したことを確認して、pUC118-tal+tktとした(図3)。
実施例3:キシロース発酵性遺伝子を含む組換えプラスミドDNAの作製
4種のキシロース代謝系酵素遺伝子をZymobacter palmaeに導入して発現させるために、これら遺伝子を広宿主域性プラスミドベクターに挿入して組換えプラスミドを作製した。
組換えプラスミドpUC118-xylABをEcoRI制限酵素とBamHI制限酵素を用いて切断することにより、GAPプロモーター遺伝子、キシロースイソメラーゼ遺伝子およびキシルロキナーゼ遺伝子を含む約3.4kbpDNA断片を調製した。また、組換えプラスミドpUC118-tal+tktをBamHI制限酵素とXhoI制限酵素を用いて切断することにより、GAPプロモーター遺伝子、トランスアルドラーゼ遺伝子およびトランスケトラーゼ遺伝子を含む約3.3kbpDNA断片を調製した。これら両DNA断片と広宿主域性ベクタープラスミドpMFY31(Agric. Biol. Chem., Vol.49(9), 2719-2724, 1985)を、EcoRI制限酵素およびSalI制限酵素により切断して調製した約11.6kbpDNA断片と混合してT4リガーゼにより連結させて組換えプラスミドDNAを作製した。作製した組換えプラスミドを用いて大腸菌JM109を常法に従い形質転換した後、形質転換株を50μg/mlのアンピシリン、0.1mMイソプロピル-β-D-チオ-ガラクトシド、20μg/mlの5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-β-D-ガラクトピラノシドを含むLB平板培地(1% Bacto Tripton、0.5%酵母エキス、1%NaCl、1.5%寒天)に塗布して、コロニーを形成させた。コロニーを形成した形質転換株から抽出した組換えプラスミドに、GAPプロモーター、キシロースイソメラーゼ遺伝子、キシルロキナーゼ遺伝子、GAPプロモーター、トランスアルドラーゼ遺伝子、トランスケトラーゼ遺伝子が、この順番で連結していることを確認して、pMFY31-xtとした(図4)。
実施例4:キシロース発酵性Zymobacter palmaeの作製
大腸菌内で構築した組換えプラスミドpMFY31-xtをZymobacter palmae(ATCC 51623)に形質転換した。
Zymobacter palmaeをRM培地(2.0% Glucose、1.0% Bacto-yeast extract、0.2% KH2PO4、pH6.0)で一晩静置培養した5mlの前培養液を、50mlのT培地(2.0% Glucose、1.0% Bacto-yeast extract、1.0% KH2PO4、0.2% (NH4)2SO4、0.05% MgSO4・7H2O、pH6.0)に植え継ぎ、30℃で90分間培養した。培養液を4℃、300rpmで10分間の遠心分離により菌体を集め、20mlの冷却した10%グリセロールを加え、懸濁・洗浄した。再び、4℃、3000rpmで10分間遠心してコンピテントセルとした。200μlのコンピテントセルと10μlのpMFY31-xtDNA溶液を氷上にて混合した後、エレクトロポレーション装置付属のキュベットに移して、電圧が200 V、静電容量が250μFD、抵抗値が200Ωの条件下で電気的パルスを印加した。直ちに1mlのT培地をキュベットに添加して、30℃で1時間静置培養した後、選択培地上でコロニーを形成させた。キシロース発酵性の形質転換体はキシロースを唯一の炭素源とし、100μg/mlのアンピシリンを含むT寒天平板培地(2.0% Xylose、1.0% Bacto-yeast extract、1.0% KH2PO4、0.2% (NH4)2SO4、0.05% MgSO4・7H2O、1.5% Agar, pH6.0)上で選択した。Zymobacter palmae形質転換株細胞内での4種の酵素遺伝子の発現を確認した。得られた形質転換株は、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに寄託されており、その寄託番号はFERM P−19451である(これは平成16年6月30日にブタペスト条約のもとで国際寄託に移管され受託番号FERM BP−10048が与えられた)。
Zymobactrer palmae[pMFY31-xt]をT培地で培養した後、無細胞抽出液を調製して4種の酵素活性を測定した(Mol. Gen. Genet., Vol.234, 201-210, 1992, Methods Enzymol., Vol.9, 499-505, 1966, J. Bacteriol., Vol.100, 1289-1295, 1969)。なお、対象菌株として、大腸菌株とZymobactrer palmae[pMFY31]を用いて同様に活性測定を行い、比較した。キシロースイソメラーゼ、キシルロキナーゼ、トランスアルドラーゼおよびトランスケトラーゼはZymobacter palmae細胞内で効率よく発現しており、大腸菌に比べて著しく高い活性を示した(表1)
pMFY31-xtの導入による4種の酵素の高発現が確認できたことから、組換え株によるキシロースからのエタノール生産を行った。キシロースを唯一の炭素源とした発酵性を検討した。2%グルコース、2%キシロース及び2%グルコース+キシロースを炭素源とした培地に植菌し、菌体の生育及びエタノールの生成量を経時的に測定した(図5)。キシロースを唯一の炭素源とした培地ではグルコースのみに比べて生育速度は低下したものの、培養5日目で約1%のキシロースを消費し、約0.5%のエタノールを生産しており、収率は90%以上であった。また、グルコース+キシロース培地では、培養4日目にはキシロースの残存がほとんど無く、理論収率に近いエタノールの生産に成功した。グルコース混在下でのキシロース発酵性の向上は著しく、バイオリアクターの最適化により実用に適した発酵菌として位置づけることができた。
実施例5
組換え菌Zymobacter palmae FERM P-19451(FERM BP-10048)をバイオマス部分糖化液由来のグルコースおよびキシロースを炭素源としたGX培地(2.0%グルコース、2.0%キシロース、1.0%酵母エキス、1.0%KH2PO4、0.2%(NH4)2SO4、0.05%MgSO4・7H2O、pH6.0)に植菌し、2日間静置培養を行い、前培養液とした。本培養は前述のGX培地を用い、本培養用GX培地に対し10%の割合で前培養液を植菌し、30℃で緩やかに攪拌培養を行った。菌体の生育度、グルコース濃度、キシロース濃度およびエタノール濃度を経時的に測定したところ、3日間の培養でキシロースをほぼ消費し、理論収率に近いエタノールを生産した(図6)。
実施例6
廃木材の硫酸糖化により調製した糖液(12%グルコース、3%キシロース)に酵母エキスを1.0%、KH2PO4を1.0%、 (NH4)2SO4を0.2%、MgSO4・7H2Oを0.05%になるようにそれぞれ添加し、pHを6.0に調整した培地を用いて連続発酵を行った。組換えZymobacter palmaeFERM P-19451(FERM BP-10048)は光硬化性樹脂ENTG-3800(関西ペイント社製)を用いて包括固定化した。連続発酵にはドラフトチューブ型バイオリアクター(流動層型)を用い、固定化担体を充填率20%でリアクターに投入した後、上記培地をリアクター下部から連続的に注入した。さらに、発酵によって生じる炭酸ガスを一旦捕集した後、リアクター下部から再度供給することで流動床を形成させた。30℃、希釈率D=0.1h-1で連続発酵を行ったところ、糖消費率99%以上かつエタノール収率95%以上で1ヶ月以上安定して連続発酵を行うことができた。
実施例7
稲わらの硫酸糖化により調製した糖液(8%グルコース、3%キシロース)に酵母エキスを1.0%、KH2PO4を1.0%、 (NH4)2SO4を0.2%、MgSO4・7H2Oを0.05%になるようにそれぞれ添加し、pHを6.0に調整した培地を用いて連続発酵を行った。中空円筒型(2mmφ×3mm)ポリプロピレン製担体を菌体懸濁液中に投入することにより、組換えZymobacter palmae FERM P-19451(FERM BP-10048)の付着固定化を行った。連続発酵には固定床バイオリアクター(充填層型)を用い、固定化担体を充填率80%でリアクターに投入した後、上記培地をリアクター下部から連続的に供給した。30℃、希釈率D=0.2h-1で連続発酵を行ったところ、糖消費率99%以上かつエタノール収率95%以上で1ヶ月以上安定して連続発酵を行うことができた。
実施例8
実施例7の連続発酵装置において、固定床バイオリアクターを2つ直列につなぎ、実施例3と同様の試験を行った。その結果、希釈率D=0.2h-1の条件でも糖消費率99%以上かつエタノール収率95%以上で1ヶ月以上安定して連続発酵を行うことができた。
キシロースからのエタノール生合成経路の図である。 大腸菌由来キシロースイソメラーゼ遺伝子とキシルロキナーゼ遺伝子を含む組換えプラスミドの制限酵素切断地図である。 大腸菌由来トランスアルドラーゼ遺伝子とトランスケトラーゼ遺伝子を含む組換えプラスミドの制限酵素切断地図である。 4種のキシロース発酵性遺伝子を含む組換えプラスミドの制限酵素切断地図である。 組換えZymobacter palmae株によるキシロースからのエタノール生産結果を示すグラフである。 組換えZymobacter palmae株によるキシロースからのエタノールのバッチ発酵生産性を示すグラフである。

Claims (11)

  1. キシロースイソメラーゼ、キシルロキナーゼ、トランスアルドラーゼおよびトランスケトラーゼから選ばれる少なくとも1種の酵素をコードする外来遺伝子が導入されたZymobacter属のペントース発酵性形質転換微生物。
  2. キシロース代謝系酵素生産性菌株由来の、キシロースイソメラーゼ、キシルロキナーゼ、トランスアルドラーゼおよびトランスケトラーゼから選ばれる少なくとも1種の酵素をコードする遺伝子を含有するDNA断片をベクターに結合させてなる組換えDNA。
  3. キシロース代謝系酵素生産性菌株が、Escherichia属、Xanthomonas属、Klebsiella属、Rhodobacter属、Flavobacterium属、Acetobacter属、Gluconobacter属、Rhizobium属、Abrobacterium属、Salmonella属またはPseudomonas属に属する微生物である請求項2に記載の組換えDNA。
  4. キシロース代謝系酵素生産性菌株がEscherichia coliである請求項2に記載の組換えDNA。
  5. 請求項2〜4のいづれかに記載の組換えDNAが導入されている請求項1に記載の形質転換微生物。
  6. 導入された組換えDNAのすべてあるいは一部がZymobacter属の宿主細胞のゲノム中に取り込まれた請求項5に記載の形質転換微生物。
  7. 導入された組換えDNAのすべてあるいは一部がベクター上に存在する請求項5記載の形質転換微生物。
  8. キシロースを含む糖化原料を、請求項1に記載のペントース発酵性形質転換微生物を用いて発酵させ、得られる発酵液からエタノールを回収することを特徴とするエタノールの製造方法。
  9. 請求項1に記載のペントース発酵性形質転換微生物を固定化した固定化担体。
  10. 請求項9に記載の固定化担体を備えたバイオリアクター。
  11. 請求項9に記載の固定化担体を用いてキシロースを含む糖化原料を連続的に発酵させることを特徴とするエタノールの製造方法。
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