JP2000509988A - キシロースをエタノールに発酵するための安定な組換え酵母 - Google Patents

キシロースをエタノールに発酵するための安定な組換え酵母

Info

Publication number
JP2000509988A
JP2000509988A JP09540153A JP54015397A JP2000509988A JP 2000509988 A JP2000509988 A JP 2000509988A JP 09540153 A JP09540153 A JP 09540153A JP 54015397 A JP54015397 A JP 54015397A JP 2000509988 A JP2000509988 A JP 2000509988A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yeast
xylose
dna
cells
ethanol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP09540153A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4321878B2 (ja
JP2000509988A5 (ja
Inventor
ホー,ナンシー・ダブリュー・ワイ
チェン,ツェン―ダオ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Purdue Research Foundation
Original Assignee
Purdue Research Foundation
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Purdue Research Foundation filed Critical Purdue Research Foundation
Publication of JP2000509988A publication Critical patent/JP2000509988A/ja
Publication of JP2000509988A5 publication Critical patent/JP2000509988A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4321878B2 publication Critical patent/JP4321878B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/0004Oxidoreductases (1.)
    • C12N9/0006Oxidoreductases (1.) acting on CH-OH groups as donors (1.1)
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/79Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
    • C12N15/80Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for fungi
    • C12N15/81Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for fungi for yeasts
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/87Introduction of foreign genetic material using processes not otherwise provided for, e.g. co-transformation
    • C12N15/90Stable introduction of foreign DNA into chromosome
    • C12N15/902Stable introduction of foreign DNA into chromosome using homologous recombination
    • C12N15/905Stable introduction of foreign DNA into chromosome using homologous recombination in yeast
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/10Transferases (2.)
    • C12N9/12Transferases (2.) transferring phosphorus containing groups, e.g. kinases (2.7)
    • C12N9/1205Phosphotransferases with an alcohol group as acceptor (2.7.1), e.g. protein kinases
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P7/00Preparation of oxygen-containing organic compounds
    • C12P7/02Preparation of oxygen-containing organic compounds containing a hydroxy group
    • C12P7/04Preparation of oxygen-containing organic compounds containing a hydroxy group acyclic
    • C12P7/06Ethanol, i.e. non-beverage
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E50/00Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
    • Y02E50/10Biofuels, e.g. bio-diesel

Abstract

(57)【要約】 キシロースをエタノールに発酵し、かつ非選択培地中で多数の世代にわたって培養した場合にそれを行う能力を維持する組換え酵母が記載される。好ましい酵母は、グルコース抑制されず誘導のためにキシロースを要求しないプロモーターに融合したキシロースレダクターゼ、キシリトールデヒドロゲナーゼ、及びキシルロキナーゼをコードする組込み遺伝子の複数のコピーを含有する。細胞を複製/組込みベクターで形質転換し、次いで細胞を選択圧力下で多数回複製して次の世代におけるベクターの保持を促進することによる、複数のコピーの外来DNAを宿主細胞へ組込むための好ましい方法も記載される。かくして複製されたベクターは、複製/選択段階を通じて複数のコピーの外来DNAを宿主細胞に組込むのに役立つ。その後、選択圧力を除去して次の世代におけるベクターの損失を促進でき、外来DNAの安定な組込み体が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】 キシロースをエタノールに発酵するための安定な組換え酵母 背景 本発明は一般的には遺伝子操作された微生物に関し、そして特に宿主内の反復 DNA配列で外来DNAの多種のコピーを取り込む等、細胞中に外来DNAを安 定に取り込むユニークな方法に関するものである。一つの好ましい面において、 本発明はエタノールまでキシロースを発酵(好ましくは該キシロースをグルコー スと共に同時発酵)することができる酵母に関するものである。さらに詳しくは 、本発明の好ましい面は、キシロースレダクターゼ(XR)、キシリトールデヒド ロゲナーゼ(XD)およびキシルロキナーゼ(XK)をコードするクローン化遺 伝子を含有する酵母(イーストyeast)に関し、該酵母は非常に多くの世代 の間、非還択的培地中で培養した後でさえもキシロースをエタノールに発酵する ための能力を実質的に保持する。 他の背景として、最近の研究はエタノールが自動車用の理想的な液体燃料であ ることを証明している。それは生燃料(100%エタノール)として直接か、ま たは種々の濃度でガソリンとの混合物として使用され得る。ガソリンの補足また は代替のためのエタノールの使用により、輸入される外国の石油への多くの国の 依存を減らすことができ、そしてまた輸送のための再生可能燃料を提供する。さ らに、エタノールは通常のガソリンに比べ環境への汚染物質の放出がかなり少な いよりクリーンな燃料を提供することが証明されている。例えば、ガソリン中へ の酸素含有物質の使用が有害な汚染物質である一酸化炭素の空気中への放出を減 少し得ることが示されている。ガソリンの酌素含有量を高めるために現在使用さ れているいくつかの酸素含有物の中で、エタノールが量高の酸素含有量を有する 。米国環境保護局(EPA)は、10%エタノールを混合したガソリンが一酸化 炭素の放出を約25%〜30%減らすことを証明している。 今まで発酵による工業用アルコール製造に使用された供給原料はサトウキビや ビートからの糖およびトウモロコシや他の食料作物からのデンプンであった。し かしながら、これら農作物は余りにも高価で、燃料エタノールの大規模製造のた めの供給原料としては使用できないと現在ではみなされている。植物バイオマス は、それが再生可能で、そして低コストかつ大量に利用可能であるので、発酵に よるエタノール燃料製造のための注目に値する供給原料である。農業バイオマス から糖の微生物発酵により製造されるアルコールを利用する概念は少なくとも2 0年前に生まれていた。セルロース性物質からの主な発酵可能な糖はグルコース とキシロースであり、グルコース:キシロースの比率は約2または3:1である 。セルロース性物質の最も望ましい発酵は、もちろん、グルコースおよびキシロ ースの両方をエタノールに完全に変換する。残念ながら、現在でさえも、グルコ ースとキシロースの両方を有効に発酵できる単一の公知天然微生物は存在しない 。 酵母、特にサッカロミセス(Saccharomyces)酵母はグルコースをベースとす る供給原料をエタノールに発酵するために伝統的に使用されてきており、そして それらは上記目的のための最良の微生物であると依然みなされている。しかしな がら、サッカロミセス酵母等のこれらのグルコース発酵性酵母はキシロースを発 酵することができず、そしてまた増殖のためにペントース糖を使用することがで きないことが見出されている。 最近、N.Ho等は組換え酵母、特にキシロースをエタノールに有効に発酵で きる組換えサッカロミセス酵母を開発した(HoおよびTsao,1995)。よ り詳細には、好ましい組換え酵母はセルロース性バイオマスの2つの主な糖成分 、グルコースおよびキシロースをエタノールに同時発酵することができた(Ho およびTsao,1995)。これらの組換え酵母は、キシロース代謝の3つの 鍵酵素をコードする3つのクローン化遺伝子、XR,XDおよびXKを含有する ハイコピー数プラスミド(コピー数の多いプラスミド)での酵母の形質転換によ り開発された(図1)。図2および図3は1400(pLNH32)および140 0(pLNH33)と表記される従来作製された組換えサッカロミセス酵母のう ちの2種を示し、同一培地中に存在する8%グルコースおよび4%キシロースを 2日間でほぼ完全にエタノールに同時に発酵することができる。他方、図4は親 酵母融合体1400(D’Amore等,1989およびD’Amore等,1 990)がグルコースをエタノールに発酵し得るだけで、キシロースをエタノー ルに発酵できないことを示す。1400(pLNH32)(略してLNH32)お よび1400(pLNH33)(略してLNH33)は、図1に示される、ハ イコピー数プラスミドのうちの2つ、pLNH32およびpLNH33でサッカ ロミセス融合体1400(D’Amore等,1989およびD’Amore等 ,1990)の形質転換により開発された。今日まで、4種の上記ハイ・コピー 数プラスミド、pLNH31,pLNH32,pLNH33およびpLNH34 が報告されている(HoおよびTsao,1995)。これらのプラスミドの各々 が融合体1400を組換え酵母に形質転換して、同様の効率でグルコースおよび キシロースの両方を同時発酵することができる。 2μ−ベース安定ハイ・コピー数プラスミドにクローン化されたキシロース代 謝性遺伝子を有する、酵母1400(pLNH32)、1400(pLNH33) および関連組換えキシロース発酵性サッカロミセスはバッチプロセスの発酵には 実際に適当である。しかしながら、連続プロセスの発酵において・グルコースに 富む培地中での延長された培養(20世代以上)では、1400(pLNH32) 、1400(pLNH33)および類似のプラスミド伸介組換え酵母は、図5お よび図6に示されるようにキシロースを発酵する能力を失う。 一般に、外来DNAまたは遺伝子は2つの別々の方法により酵母中にクローン 化され得る。一方の方法は、選択性遺伝子マーカーとプラスミドが新しい宿主に おいて自律的に複製することを可能にする機能的な酵母DNA複製起点またはA RS(自律的複製配列)(Struh1等,1979;Stinchcomb等 ,1980;ChanおよびTye,1980)とを含有するプラスミドベクタ ーに外来DNAまたは遺伝子をクローン化し、次いでクローン化されたDNA断 片または遺伝子を含むプラスミドでの所望の酵母宿主の形質転換を行うことであ る。得られる酵母形質転換体は選択圧の存在下でクローン化された遺伝子を安定 に維持することができる。しかしながら、そのようなクローン化された遺伝子は 非選択的培地中で(選択圧の不在下で)延長された培養後には不安定である。 酵母宿主中に外来DNAまたは遺伝子をクローン化する他方の方法はDNAま たは遺伝子を酵母染色体に組込むことである。酵母において、組込み形質転換は ほとんどいつも相同的組換えを介する(Orr−Weaver等,1981)。組 込みにより酵母染色体に所望の遺伝子をクローン化する最も単純な方法は、起点 の複製またはARS(自律的複製配列)を含まず、特定部位への組込みをター ゲッティングするための一片の宿主DNAを含むプラスミド中に所望の遺伝子を 最初にクローン化することである(Orr−Weaver等,1981)。そのよ うな無傷の組込みベクターでの新たな酵母宿主の形質転換は、選択されたターゲ ッティング酵母DNA配列に隣接する部位にクローン化された所望の遺伝子を含 む組込み形質転換体を生じるであろう。しかしながら、そのような組込み形質転 換の頻度は極端に低い(DNAμgあたり1ないし10形質転換体)。また、宿主 染色体DNAに相同なDNA断片内に線状化された組込みベクターはさらにより 高い頻度(100ないし1000倍高い)で酵母を形質転換できることが示され ている(Orr−Weaver等,1981;Orr−WeaverおよびSz ostak,1983)。制限酵素消化により誘導された二本鎖切断は組換え生 成性であり、そして相同染色体DNAと高度に相互作用することが示唆された。 これは、1より多い酵母遺伝子を含有する複合型プラスミドにとって特に役立ち 、その結果、制限酵素でプラスミド上の対応する領域内で切断することにより、 特定の部位への組込みを導くことができる。 転移(transplacement)または遺伝子崩壊とも記載される組込みのもう一つのタ イプは、酵母染色体DNAを置換する二重の相同組換えを利用する(Rothstein,1981 )。二重の相同組換えベクターはクローン化されるべき外来DNAまたは遺伝子 および選択マーカーを置換されるべき染色体DNA断片の5’および3’領域に 相同な酵母DNA配列により両側が挟まれて含有する。形質転換に先立ち、染色 体DNA配列に相同な5’および3’末端を含む転移断片を所望の組込み部位で 遊離する制限酵素によりベクターは消化される。後者の戦略は、安定な単一コピ ー形質転換体が望ましいならば、酵母の組込み形質転換のための選択方法になる 。 反復染色体DNAへの組込みに基づいた多くの戦略が安定な多種(多重)コピー 組込み体を創製するために使用されてきた。例えば、酵母レトロトランスポゾン Tyのデルタ配列(Sakai等,1990;Sakai等,1991)、高度に保存された反復シグマ要 素(KudlaおよびNicolas,1992)およびリボソームDNAの非転写配列(Lopes等,19 89;Lopes等,1991;Rosso1ini等,1992)が全て、酵母への外来遺伝子の多種組込み のための標的部位として使用されてきた(Rothstein,1991;Romanos 等,1992)。 酵母染色体への外来遺伝子の多種組込みに関する文献に報告された最近の研究 はほとんどが、クローン化されるべき所望の遺伝子と選択のための遺伝子マーカ ーを酵母染色体DNAの領域に相同なDNA配列で両側が挟まれて含有する適当に線状 化された非複製性ヘクターまたはDNA断片のいずれかの使用を包含している。稀 に、線状化された複製性ベクターおよびほとんどないが無傷の複製性ベクター、 例えば無傷のARSベクターがそのような組換え形質転換を達成するために使用さ れた。従って、酵母の組換え形質転換の開発の端緒での初期の研究(Szoatakおよ びWu(1979))以来、そしてARSベクターにクローン化されたDNAが宿主染色体に組 み込まれ得るという観察(Cregg等,1985:Kurtz等,1986)にもかかわらず、組込み のための無傷のARSベクターの使用(Struhl等,1979;Stincomb等,1980;Chanおよび Tye.1980)は長い間一般に放棄されてきた。このことは、制限酵素消化により誘 導された二本鎖切断が組換えを生じやすいという発見(Orr-Weaver等,1981:Orr-W eaverおよびSzostak,1983)以来、特に真実であった。 この背景を考慮すると、キシロースをエタノールに、好ましくはキシロースと グルコースを同時にエタノールに発酵する、より安定な酵母、およびコピー数の 多い組込み体を製造する容易かつ有効な方法に対する要望がある。本発明はこれ らの要望に応えるものである。 発明の要旨 従って、本発明は、複数の世代(例えば20より多い)非選択的培地で培養す る場合でもキシロースからエタノールへ発酵する能力を完全に保持する安定にク ローン化されたXR、XD及びXK遺伝子の複数のコピーを含む酵母を提供する 。より好ましくは、XR、XD及びXK遺伝子は全て、グルコースの存在によっ て抑制されず、その発現にキシロースの存在を必要としないプロモーターに融合 している。さらに好ましくは、本発明の酵母は、セルロース系のバイオマスの二 つの主要成分であるグルコースとキシロースをエタノールに同時発酵できる。 本発明の別の態様は、XR、XD及びXKを含有するDNA断片の酵母ゲノム への相同組換えを介した高コピー数組込を目的とする相同配列としての、反復配 列、例えば5S DNAに近接する非転写r−DNA配列(Valenzuela他.,1977) の使用に関する。例えば、相同配列にフランキングするDNA断片を含む複製プ ラスミドベクターを、DNA断片の組み込みをターゲッティングするために使用 することができる。本発明の好ましい方法は、(a)選択マーカーを含む外来D NAを有する複製/組込みプラスミドで細胞を形質転換し、そして(b)工程(a) で得られた細胞を繰り返し複製し、選択マーカーを含む細胞を選択しながら(例 えば、選択性のプレート上で複製することにより)複数の世代の子孫細胞を生じ させ、その結果、子孫細胞の次の世代における複製/組込プラスミドの保持及び 外来DNAの複数の挿入コピーを有する子孫細胞の形成を促進する工程を含む。 さらなる工程において、工程(b)で得られた細胞を、選択マーカーを含む細胞 の選択をせずに複製して、複数の世代の子孫細胞を製造し、その結果次の世代の 子孫細胞におけるプラスミドの喪失を促進することができる(従って、安定な組 込体に富んだ集団を残すことができる)。 また、本発明は、所望の形質転換体を選択し、維持するための有利な方法を提 供する。最小培地内で、全ての微生物が生長のためにグルコースまたはキシロー スのような炭素源の存在を要求することは良く知られている。しかしながら、リ ッチ培地では、殆どの微生物は成長のために炭素源の存在を要求しない。それに もかかわらず、本発明は、YEP(1%の酵母抽出物及び2%のペプトン)のよ うなリッチ培地における形質転換体の選択のための選択圧(selection pressure) としての炭素源の使用を提供する。1400(LNH-ST)(図7)のような、非選択 培地で本質的に無制限の世代の間培養した後に、キシロースの有効な発酵を行い 得る安定な形質転換体の開発は、図8に示すように、多くの酵母、特にSaccharo myces酵母が、通常、リッチ培地においても生長のためにキシロースまたはグル コースのような炭素源の存在を要求するという発見により、非常に促進された。 広い観点においては、本発明は外来DNAの複数のコピーを細胞の反復染色体 DNAに組み込むための方法をも提供する。この方法は、(a)細胞を選択マー カーを含む外来遺伝子を有する複製及び組込プラスミドにより形質転換すること を含む。この方法は、また、(b)工程(a)で得られた細胞を複製し、選択マ ーカー含む細胞を選択しながら複数の世代の子孫細胞(progeny cell)を生じさ せ、その結果、子孫細胞の次の世代における複製及び組込みプラスミドの保持( retention)を促進し、そして外来DNAの複数の挿入コピーを有する 子孫細胞を形成することを含む。特定の適用において、そのような方法は、(i )酵母細胞を選択マーカーを含む外来DNAを有する複製プラスミドで形質転換 し、該外来遺伝子が、宿主のDNAの反復配列に相同なDNA配列により各末端 にフランキングしており、そして(ii)工程(i)で得られた形質転換された酵 母細胞を繰り返し複製し、選択マーカーを含む細胞を選択しながら複数の世代の 子孫細胞を生じさせ、その結果、子孫細胞の次の世代における複製プラスミドの 保持を促進して外来DNAの複数の挿入コピーを有する子孫細胞を形成し、そし て(iii)工程(ii)からの子孫細胞を、選択マーカーを含む細胞の選択をせず に複製して、複数の世代の子孫細胞を製造し、その結果、次の世代の子孫細胞に おけるプラスミドの喪失を促進し、各々染色体DNAに組込まれた外来DNAの 複数のコピーを含有する酵母細胞を回収することを含む。 さらに別の実施態様において、本発明は、キシロースをエタノールに発酵する 酵母を提供する。この酵母は、外来DNAの複数のコピーがその染色体DNAに 組み込まれている。キシロースリダクターゼ、キシリトールデヒドロゲナーゼ及 びキシルロキナーゼをコードする遺伝子を含む外来DNAは非グルコース抑制プ ロモーターに融合しており、これにより酵母はグルコース及びキシロースを同時 に発酵させてエタノールとし、酵母がキシロースをエタノールに発酵する能力を 、非選択性条件で培養した場合でも少なくとも20世代の間実質的に保持する。 本発明の別の観点は、キシロース含有培地を本発明の酵母で発酵させることを 含むキシロースをエタノールに発酵するための方法に関する。 本発明の別の実施態様は、選択マーカーを含む外来DNA配列を標的酵母細胞 の染色体DNAに組込むためのプラスミドベクターを提供する。本発明のプラス ミドベクターは、機能的な酵母DNA複製起点と、標的酵母細胞の反復リボソー ムDNA配列に相同なDNAフランキング配列により各末端にフランキングする 、選択マーカーを含む外来DNAを含む。このプラスミドは、さらに第二の選択 マーカーをDNAフランキング配列の間以外の位置に有する。 本発明のさらに別の実施態様は、外来DNA配列を酵母に組み込んで、キシロ ースをエタノールに発酵する安定な組込み体を形成するためのプラスミドベクタ ーを提供する。このベクターは、機能的な酵母DNA複製起点と、標的酵母細胞 の反復DNA配列に相同なDNAフランキング配列により各末端にフランキング するキシロースリダクターゼ、キシリトールデヒドロゲナーゼ及びキシルロキナ ーゼをコードする遺伝子を含む外来遺伝子を含む。 本発明のさらに別の観点は、外来DNA断片のコピーが複数組み込まれた細胞 を形成するための方法を提供する。本発明の方法は、反復ゲノムDNAを有し、 外来DNAを有する複製及び組込プラスミドを含む細胞を複製することを含み、 選択マーカーを含む細胞を選択しながら複数の世代の子孫細胞を生じさせ、その 結果、子孫細胞の次の世代における複製及び組込みプラスミドの保持を促進し、 外来DNAの複数の挿入コピーを有する子孫細胞を形成する工程を含む。 本発明は、キシロースを発酵する能力を失うことなく、キシロース及びグルコ ースをエタノールに同時発酵するための非選択性条件下(例えば、連続発酵)で の使用を可能にする、安定にクローン化された遺伝子を含む酵母を提供する。さ らに、本発明は、実施が容易で、且つ組み込まれる外来DNAのコピー数を変化 させるように調節され得る酵母または他の細胞の安定な複数コピー組込み体を形 成するための方法及び材料を提供する。本発明のさらに別の実施態様、特徴及び 効果は、下記の記載及び添付の請求の範囲により明らかとなるであろう。 図面の簡単な説明 図1は、プラスミドpLNH31,-32,-33及び-34の制限地図、並びにそこにクロ ーン化された遺伝子を示す。 図2は、酵母形質転換体1400(pLNH32)(LNH32と略す)が、グルコースと キシロースの同時発酵を有効に行い得ることを示す。酵母を培養するため及び糖 を発酵するために使用される条件は、実施例7に記載されたものと同様である。 図3は、酵母形質転換体1400(pLNH33)(LNH33と略す)が、グルコースと キシロースの同時発酵を有効に行い得ることを示す。酵母を培養するため及び糖 を発酵するために使用される条件は、実施例7に記載されたものと同様である。 図4は、親酵母融合株1400がグルコースを発酵させるが、キシロースは発 酵させないことを示す。酵母を培養するため及び糖を発酵するために使用される 条件は、実施例7に記載されたものと同様である。 図5は、複製プラスミドpLNH32にキシロース代謝遺伝子がクローン化された酵 母形質転換体1400(pLNH32)(LNH32と略す)が、非選択培地では安定でない ことを示す。非選択(例えば、グルコース)培地において20世代培養した後、 1400(pLNH32)は、キシロースを発酵する能力を失う。 図6は、複製プラスミドpLNH33にキシロース代謝遺伝子がクローン化された酵 母形質転換体1400(pLNH33)(LNH33と略す)が、非選択培地では安定でない ことを示す。非選択(例えば、グルコース)培地において20世代培養した後、 1400(pLNH33)は、キシロースを発酵する能力を失う。 図7は、酵母形質転換体1400(LNH-ST)(LNH-STと略す)が、非選択性培地 で40世代以上培養した後も、キシロース発酵能力を安定に維持し得ることを示 す。 図8は、S.cerevisiae及び他のSaccharomyces酵母が、培地中に酵母抽出物と ペプトンのようなリッチ培地が存在する場合でも生長に炭素源を要求することを 示す。例えば、これらの実験は、S.cerevisiaeが、1%の酵母抽出物及び2%の ペプトンを含むYEP培地中では生長できないが、このYEP培地にグルコース またはキシルロースを添加すると、生長することができることを示す。 図9Aは、pLNH-STの制限地図及びこれにクローン化された遺伝子を示す。 図9Bは、pLNH-STにクローン化された遺伝子(5Sr DNA,KK,AR及びKD )の遺伝子地図(順番及び方向)を示す。遺伝子地図の上または下のオリゴヌク レオチド(例えば、Oligo25、Oligo26等)は、PCRによりクローン化された遺 伝子の順番及び方向を特徴付けるのに使用されたプライマーである。 図10は、クローン化されたXR,XD,XK遺伝子を含むpBluescript IIKS (-)の構築の概略を示す模式図である:そのようなプラスミドが4つ構築された 。pKS(−)−KK−AR−KD−3にクローン化されたKK−AR−KD断 片を選択して、pLNH-STとしても示されるpUCKm-rDNA(5S)(KRD)-ARSの構築のため のpUCKm-rDNA(5S)-ARSにクローン化した。 図11は、酵母形質転換体1400(LNH-ST)(LNH-STと略す)が、1400(p LNH32)及び1400(pLNH33)より優れており、グルコースとキシロースの同時発 酵を有効に行い得ることを示す。酵母を培養するため及び糖を発酵するために使 用される条件は、実施例7に記載されたものと同様である。 図12は、S.cerevisiae及び他の酵母の染色体DNAからARS含有DNA断 片を単離するためのブロード−ホスト(broad-host)プラスミドにクローン化され た遺伝子及びその制限地図を示す。 発明の詳細な説明 本発明の主題の理解を助けるために、その好ましい実施態様を参照する。これ を記載するために、特定の用語を使用する。しかしながら、これらは本発明の範 囲の限定を意図するものではなく、ここに記載した本発明の主題の変更、さらな る改良、及び適用は、本発明の関連する技術の当業者に通常生じると考えられる 。 上記のように、本発明の好ましい観点の一つは、安定にクローン化されたXR ,XD及びXK遺伝子を組み込むことのできる組換え酵母を提供することにあり 、これは、従来報告されている組換え酵母に対する改良である。一般的に、同じ 培地に存在するグルコースとキシロースを有効に同時発酵できる組換え酵母が報 告されている(Ho及びTsao,1995)。この出版物において製造されている酵母は、 ハイコピー数プラスミド、pUCKm10に適当に修飾されたXR,XD及びXK遺伝 子をクローン化し、続いて得られたプラスミド、pLNH3X(X=1〜4)(図1)を 用い、適当な天然酵母を形質転換することにより製造される。例えば、プラスミ ドpLNH32及びpLNH33を、各々融合酵母1400の1400(pLNH32)及び1400 (pLNH33)への形質転換に使用し得る。これらの組換えSaccharomyces酵母は、図 2及び図3に示すように、同じ培地に存在するグルコースとキシロースの両方を エタノールに有効に同時発酵することができるが、親の遺伝子操作されていない 1400酵母は、グルコースしか発酵できず、グルコースとキシロースの両方を 同時発酵することはできない(図4)。 プラスミド介在組換え酵母は、選択された圧力の存在下でクローン化された遺 伝子を維持することができるが、選択された圧力がないと、できない。図5及び 図6に示したように、1400(pLNH32)及び1400(pLNH33)は、選択圧力なし に長期間培養すると、それらのプラスミド及びそれらのキシロース発酵能力を失 うに至る。 工業用組換え酵母、特に大容量の産業用製品、例えばエタノールの生産に使用 される菌株は、選択の存在を必要とすることなく安定であることが非常に望まし い。本発明において、XR,XD及びXK遺伝子が組み込まれた組換え酵母の開 発により、そのような安定性が得られた。さらに、得られた組換え酵素が、14 00(pLNH32)及び1400(pLNH33)と同様であるかまたはより優れた効率でグル コースとキシロースを同時発酵する能力を有するために、組換え酵母は、キシロ ース代謝遺伝子が組み込まれているだけでなく、そのような組込遺伝子を高いコ ピー数で含むはずである。本発明の好ましい観点において、酵母のハイコピー数 (hcn)組込体(即ち、少なくとも約10の外来DNAの組込コピーを有する 酵母)は、非コード領域、例えば5SリボソームDNA(rDNA)の非コード 領域を複数組込(multiple integration)のための部位としてターゲッティング することにより開発された。 rDNAは、高度に保存され、酵母は通常rDNA繰り返し配列を100コピ ーより多く含んでいるので、組込に有利な位置を提供する。しかしながら、本発 明の酵母を得るには、繰り返しまたは反復配列が生じる毎に所望の遺伝子を組み 込む必要はないものと理解される。そのような組込は、本発明の広い解釈に従い 、反復配列の複数の位置、即ち2またはそれ以上の位置の各々で行われれば充分 である。 hcnXR,XD及びXKを、5S rDNAの部位で酵母染色体に組み込むために、 図9に示すように、組込プラスミド、pLNH-STを構築した。PLNH-STは、酵母−E. coliシャトルベクターであり、pUCKm6プラスミド(Ho.et al.,1984)の誘導体 である。5S rDNA配列を、pUCKm6のXho I制限部位に挿入した。この5S rDNA配列 は、酵母の染色体DNAからPCR技術によりコピーし、部位特異的突然変異誘 発技術を用いて、図9に示すようにその(ほぼ)中央配列にXho I制限部位を付 加するように修飾した。PKS(-)-KK-AR-KDからのXho I断片(図10)(Ho及びTsa o,1995)を、pLNH-STにクローン化された5S rDNAのXho I位置に挿入 した。 PLNH-STは、他の伝統的な5S rDNAベースのhcn酵母組込ベクターとは異なり 、図9に示すように、機能性の酵母ARS配列をも含む(Struhl et al.,1979;S tinchcomb et al.,1980;Chan and Tye,1980)。従って、pLNH-STは、複製ベク ターでも組込ベクターでもある。ユニークであるのは、pLNH-STは、高コピー数 のXR,XD及びXKが組み込まれた組換え酵母の開発において、まず、複製ベ クターとして機能し、続いて組込ベクターとして機能することである。ARS断 片を、pUCKm6のEcoR1部位に挿入した。さらに、pLNH-STは、カナマイシン耐性遺 伝子(KmR)及びアンピシリン耐性遺伝子(ApR)をも含む。KmRは、酵母 においてゲネチシン(geneticin)耐性遺伝子としても機能し、その酵母形質転換 体に、ゲネチシン耐性を付与するであろう。KmRのXho I部位は、PCR技術に より、活性に影響を与えることなく除去した。KmR及びApRはいずれも、オリ ジナルのpUCKm6プラスミドの一部である。 上記のように、上記のベクターは、ARS配列を含有することにより、最新技 術で使用されているものとは異なる。さらに、既に報告されているhcn酵母組 込体の製造方法において、クローン化された遺伝子の組込は、酵母細胞が外因性 遺伝子で形質転換された瞬間に、すぐに起こる。反対に、本発明の好ましい方法 によると、クローン化された遺伝子の組込は、形質転換が完了したずっと後に、 徐々に起こり続ける。特に、まずpLNH-STのような複製プラスミドの存在により 形質転換が起こり、形質転換された酵母細胞において、組込は、選択培地を含む プレート上で繰り返される形質転換体の複製により徐々にしか起こらない。 従って、本発明は、酵母または他の細胞のhcn組込クローン化遺伝子を含む 形質転換体を開発するための下記の方法の使用に関する。酵母細胞や真核細胞の ような反復DNA配列を含む宿主細胞は、pLNH-STのような複製/組込プラスミ ドにより形質転換され、ハイコピー数の複製/組込プラスミドを含有する形質転 換体が選択される。得られた選択された形質転換体は、所望のコピー数の外来D NAを組み込むのに充分な回数、新しい選択プレートで繰り返し複製され、高い 細胞密度まで生長し、続いてこの形質転換体を充分な世代数、非選択培地で培養 し、形質転換体から複製/組込プラスミドを除去する。その後、得られた形質転 換体を選択培地で培養すると、選択培地で有効に生長する能力を保持している形 質転換体が、酵母又は他の宿主細胞の染色体に組み込まれた所望の外来遺伝子の hcnを含む形質転換体である。例えば融合1400酵母は、上記の方法により pLNH-STで形質転換され、得られた安定な組換え酵母1400(LNH-ST)は、図1 1に示すようにグルコースとキシロースの両方を、1400(LNH32)及び14 00(LNH33)よりも良好に発酵させることができる。重要なのは、新しく開発 された安定な組換え酵母、1400(LNH-ST)が、図7に示すように、非選択培 地で、4,20及び40世代培養した後でもグルコースとキシロースを等しい効 率で発酵させることができるのに対し、1400(LNH32)及び1400(LNH33)は 、非選択培地で20世代培養した後に、キシロースを発酵させる能力の殆どを失 うことである(図5及び6)。さらに、1400(LNH-ST)を続いて非選択培地で 数百世代にわたって培養しても、なおグルコース及びキシロースの同時発酵能力 を完全に保持している。 安定なhcn組込体を開発するための好ましい方法において、共通の選択マー カーを、同じ選択培地で、プラスミド介在活性と組み込まれた遺伝子により得ら れる活性との両方の選択及び維持に使用する。好ましい作業においては、共通の 選択マーカーは、三つのクローン化されたキシロース代謝遺伝子、XR,XD及 びXKであり、共通の選択培地は、キシロースを含有する(酵母用の)リッチま たは最小培地の何れかである。さらに、これらのクローン化された遺伝子は、殆 どのSaccharomyces酵母のリッチ培地における選択マーカーとして使用される。 本出願の出願人は、殆どのSaccharomyces酵母は、リッチ培地における成長でさ え、キシロースのような炭素源の存在を要求することを見出したからである(図 8)。宿主として選択された酵母にとって、生長のためにリッチ培地で炭素源の 存在を要求することは絶対に必要という訳ではないが、それにもかかわらず、最 小培地及びキシロースを含むプレート上でよりは、リッチ培地及びキシロースを 含むプレート上で所望の組込物を選択できることははるかに便利である。本発明 において形質転換のために好ましい宿主は、Saccharomyces種に属するものであ る。これらは、通常、グルコースの発酵に非常に有効だからである。ハイコピー 数のキシロース代謝遺伝子を組み込むための宿主として使用するために望ましい 酵母の種が、リッチ培地における生長のために炭素源の存在を要求しないことが わかった場合には、リッチ培地で炭素源を要求しない種の適当な突然変異体を慣 用方法を用いて単離することができる。 PLNH-STのようなhcn組込を行うための複製/組込プラスミドは、望ましく は複製プラスミド介在形質転換体の選択のための第二の選択手段を含む。pLNH-S Tについては、第二の選択機構は、選択マーカーとしてKmR及びApRの両方を 利用する。複製/組込ベクターが第二の選択機構を含むことは、絶対に必要とい う訳ではないが、より好ましいベクターを提供することになるであろう。特に、 ARSベクターが選択圧の存在下でさえも充分に安定ではない場合は、形質転換 体は、所望の遺伝子を充分なコピー数で組み込む前に、プラスミドの殆どを失う 傾向がある。第二の選択機構を含むベクターを用いる場合、第二の選択試薬の存 在下で形質転換体を培養して、プラスミドのコピー数を高めうるか、または同じ ベクターで第二の選択機構を用いて形質転換体を再形質転換し、形質転換体を再 選択し、その結果組込プロセスを続けうるかまたは再開始できることになるであ ろう。 第二の選択機構としてKmR及びApRの両方を使用することは、出願人の好ま しい酵母については望ましいことである。KmRはゲネチシンに耐性の酵母の形 質転換の主要な選択マーカーであり得るが、いくつかの酵母はKmRを含むプラ スミドを得なくてもゲネチシンに対して本来的に耐性である。その結果、KmR 単独では、酵母形質転換体の選択のための好ましい選択マーカーにはならない。 一方、ApRは殆どの酵母で有効に発現するが、殆どの酵母は本来的にアンピシ リンに対して耐性であるので、酵母の形質転換体の主要な選択マーカーとして使 用することはできない。しかしながら、KmR及びApRの両方を一緒に用いれば 、殆どの酵母、特にSaccharomyces酵母については、優れた主要な選択システム を提供しうる。そのような選択システムを使用するためには、まず、形質転換体 を、YEPD(酵母抽出物1%、ペプトン2%、グルコース2%)及び適正な濃 度のゲネチシン(種により異なるが、20〜80μg/mlを含むプレート上で選 択する。得られた形質転換体を、ペニシリナーゼ試験(Chevallier and Aigle,19 79)によりApRの発現についてスクリーニングして、真の形質転換体を確認 する。 pLNH-ST中のApRの存在(図9)及び関連する複製/組込プラスミドは、別の 機能をも提供する。ApRは、複製プラスミドにのみ存在し、酵母の染色体に組 込まれた断片には存在しないので、アンピシリン試験は、hcn組込クローン遺 伝子を含むが、プラスミドベクターは含まない形質転換体を確認するための便利 な方法をも提供する。 hcn組込遺伝子を含む安定な組換え酵母を提供するための本発明のアプロー チの特徴は、組み込まれるべき遺伝子のコピー数を容易に制御できることにある 。例えば、KmRのような別の選択マーカーを5S rDNA断片(または標的配列)に 挿入すれば、XR−XD−XK遺伝子のより多くのコピーを融合酵母1400染 色体に挿入することができる。さらに、hcn酵母組込体の開発のための発明性 のある方法は、実験条件を調整して制御しなければならず、安定な菌株が得られ るまで形質転換を繰り返さなければならない、報告されている他のアプローチに 比べて、より容易に行い得る。 従って、出願人は、1400(pLNH32)及び1400(pLNH33)のような従来 の組換えキシロース発酵酵母の安定性を改良して、クローン化された遺伝子の維 持に選択圧力の存在を必要とせず、グルコース及びキシロースの同時発酵を14 00(pLNH32)及び1400(pLNH33)と同等またはそれ以上に有効に行い得る 、有利に安定な組換え酵母、例えば1400(LNH-ST)を開発した。さらに、出 願人は、組み込むべき遺伝子のコピー数を容易に調節し得る外来遺伝子の細胞染 色体への容易なhcn組込を提供する便利な方法を開発した。 1400(pLNH32)及び1400(pLNH33)と同様に、本発明の好ましい安定 な遺伝子操作されたキシロース発酵酵母は、グルコース及びキシロースの両方を 同時発酵することもできる。これは、新しい酵母宿主の染色体に挿入されたXR 、XD、及びXK遺伝子が全て、酵母において有効に発現することができ、高レ ベルの酵素の製造をコードし、且つ培地中のグルコースの存在により抑制されな い遺伝子からの無傷の5’非コード配列に融合するからである。例えば、糖分解 性遺伝子の有効な発現のため且つ高レベルの糖分解酵素の生産のための全ての遺 伝的要素を含む無傷の5’非コードDNA配列が、これらの目的のためのXR、 X D及びXKの無傷の5’非コード領域に置き換えるのに適する。 pLNH-STにクローン化されたXR,XD及びXKは、Pichia Stipitis(XR及 びXD)及びSaccharomyces cerevisiae(XK)由来である。しかしながら、こ れらは、有効なプロモーター、リボソーム結合部位等を有する適正な5’非コー ド配列に融合された後に、各酵素を高レベルで生産することができる限り、いか なる微生物由来であっても良い。例えば、これらの三つの遺伝子は、広範囲の微 生物に生じることがよく知られており、多数のXR,XD及びXK遺伝子が確認 され、単離されている。従って、これらの遺伝子の特定の供給源は、本発明の広 い観点においては重要ではなく、むしろキシロースリダクターゼ活性(補酵素と してのNADPH及び/またはNADHを用いてD−キシロースをキシリトールに転化す る能力)、キシリトールデヒドロゲナーゼ活性(補酵素としてのNAD+及び/また はNADP+を用いてキシリトールをD−キシルロースに転化する能力)またはキシ ルロキナーゼ活性(D−キシルロースをD−キシルロース−5−ホスフェートに 転化する能力)を有するタンパク質(酵素)をコードする任意のDNAが適して いるであろう。これらの遺伝子は、天然の遺伝子として得ることができ、コード されるタンパク質がXR,XDまたはXK活性を有している限り、例えば、天然 の遺伝子における塩基の付加、置換または欠失により、修飾することもできる。 同様に、これらの遺伝子またはその一部は、得られるDNAが望ましいXR,X DまたはXK活性を有するタンパク質をコードしている限り、公知の技術により 合成することもできる。 例として、XR及びXD遺伝子の適当な供給源として、Candida shehatae,Pi chia stipitis,Pachysolen tannnophilusのようなキシロース利用性酵母が挙げ られ、XK遺伝子の適当な供給源としては、上記のキシロース利用性酵母に加え て、Saccharomyces属、例えばS.cerevisiae、Schizosaccaromyces属、例えばSc hizosaccharomyces pombeから選ばれるもののようなキシロース非利用性酵母、 並びにEscherichia coli,Bacillus種、Streptomyces種等のような細菌が挙げら れる。目的の遺伝子は、これらの供給源から慣用の方法を利用して得ることがで きる。この目的には、例えば、ハイブリダイゼーション、相補性、またはPCR 技術を利用することができる。 広範囲の種類のプロモーターが本発明に使用するのに適している。広く述べれ ば、XR,XDまたはXK遺伝子の転写を制御することのできる酵母コンパチブ ル(yeast-compatible)プロモーターが使用されるであろう。そのようなプロモ ーターは、酵母、細菌及び他の細胞供給源を含む多くの公知の供給源から得られ る。好ましくは、本発明に使用されるプロモーターは、効率の良い、誘導にキシ ロースを要求しない非グルコース抑制プロモーターである。この点に関して、こ こで使用される“効率の良い”プロモーターとは、融合遺伝子を高いレベルで発 現させる5’フランキング配列をいう。これらの特性を有するプロモーターも、 広く入手可能であり、本明細書の教示があれば、それらの本発明における使用は 、当業者の権限の範囲内で行われ、プロモーターのXR,XD及びXK遺伝子へ の融合、プロモーター/遺伝子融合生成物の適当なベクターへのクローン化並び に酵母を形質転換するための該ベクターの使用も同様である。これらの操作の全 ては、当該分野で良く知られている慣用の遺伝子操作技術及び文献を用いて行う ことができる。 酵母DNAの複製起点、例えばARS含有DNA断片は、該DNA断片が有効 な複製起点として機能してhcn組込のために選択された宿主におけるプラスミ ドの自主複製(autonomous replication)を支持することができる限り、酵母染色 体DNA由来でも、他の生物の染色体DNA由来でもよい。ARSとして機能す るDNA断片は、ランダムに消化されたDNA断片をE.collプラスミドに組込み 、続いて所望の宿主生物、例えばSaccharomyces酵母を文献(Stinchcomb et al. ,1980:Ho et al.,1984)に報告されているように得られたプラスミドバンクで 形質転換することにより、容易に単離され得る。 本発明の安定な菌株を製造するために、新規な方法を用いてきた。それにもか かわらず、クローン化された遺伝子が複製プラスミドになく、宿主ゲノムに組み 込まれていることを示す証拠はいくつかある。例えば、1400(LNH-ST)から 単離された染色体DNAは、クローン化された遺伝子、例えば5S rDNA及びクロ ーン化された遺伝子配列の両方を含む融合体のポリメラーゼ連鎖反応(PCR) による単離のための鋳型として使用され得る。また、E.coliの形質転換(Ward, 1990)を経て、1400(LNH-ST)から回収されたプラスミド(pLNH-ST)は少 量であるのに対し、同じ条件で、1400(pLNH32)及び1400(pLNH33)から回 収されたpLNH32及びpLNH33プラスミドは各々数百である。さらに、ハイコピー数 の複製プラスミドpLNH-STを含む1400融合酵母形質転換体は、初期には不安 定であるが(それらのキシロース発酵能力に関して)、ペニシリナーゼ(ApRに よりコードされる酵素)試験(Chevallier and Aigle,1979)には陽性である。こ れに対し、最終的な安定な形質転換体1400(LNH-ST)は、選択の存在なしに キシロースを発酵する能力を保持しており、ペニシリナーゼ試験に陰性であるこ とが見いだされている。ApRは宿主染色体に組み込まれるDNA断片の一部で はないので、これにより、外来DNAが、5S rDNAの部位に組み込まれているか 否かが予測される。安定な酵母形質転換体のいくつかは、酵母染色体のARS部 位に挿入された外来遺伝子を含む可能性もある。 本発明及びその特徴及び効果ををさらに理解する目的で、下記に実施例を示す 。しかしながら、これらの実施例は説明のためのものであって、本発明を限定す るものではないと理解すべきである。 実施例1 5S rDNA断片のPCRによる合成 5S rDNA断片のPCRによる合成のために(酵母染色体へのハイコピー数組込み を目的とする酵母DNA配列として用いるために)、下記のオリゴヌクレオチド を合成し、公表されている5S rDNA配列(Valenzuela et al.,1977)によるPCR 反応のためのプライマーとして使用した。5S rDNA配列に加えて、Sal I制限部位 を特定する追加のヌクレオチドを、プライマーの5’末端に付加し、PC R合成された5S rDNAのE.coliプラスミドへのクローン化を促進した。 オリゴヌクレオチドI:TTAGTCGACGTCCCTCCAAATGTAAAATGG オリゴヌクレオチドII:AATGTCGACGTAGAAGAGAGGGAAATGGAG 融合酵母1400から単離された染色体DNAをPCR反応の鋳型として使用 した。まず、PCRで合成された5S rDNA断片をE.coll pBluescript II KS(-)プ ラスミド(Stratagene Cloning Systems,La Jolla,CA)に、SalI部位でクローン 化した。得られたプラスミドをpKS-rDNA(5S)と命名した。 実施例2 クローン化された5S rDNAへのXHOI部位の挿入 5S rDNA配列の−29と−56の間のヌクレオチド配列を(Valenzuela et al. ,1977)、オリゴヌクレオチド仲介部位特異的突然変異誘発(Kunkel,1985;Kunkel et al.,1987)により修飾した。結果として、上記の特異的位置にXhoI制限部位 が挿入された。この操作は、プラスミドpTZ18UまたはpTZ19Uではなくプラスミド pKSを使用する以外は、バイオラッドラボラトリーズインコーポレーテッドによ り提供されるオリゴヌクレオチド仲介部位特異的突然変異誘発のためのプロトコ ロルに従って行なった。突然変異5S rDNAを含む得られたプラスミドを、pKS-5S rDNA(XhoI)と命名した。下記のオリゴヌクレオチドを部位特異的突然変異を行う のに用いた: GAGGGCAGGCTCGAGACATGTTCAGTAGG 実施例3 S.cervisiaeDNA由来のDNA断片または酵母における ARSとして機能する他のDNAの単離 S.cerevisiaeDNA(または他の酵母もしくは他の生物からのDNA)を、Sau3 A制限酵素で消化して、pCUKm6のBamH1部位(図12)にクローン化した(Ho,et al .,1984)。得られたプラスミドバンクをS.cerevisiaeの形質転換に使用した。こ れらの形質転換体のうち、YEPD(酵母抽出物1%、ペプトン2%、及びグルコー ス2%)及び50μg/mlのゲネチシンを含有するプレート上で生長することがで き、ペニシリナーゼ試験(Chevallier and Algle,1979)に陽性のものを選択した 。選択された真正な形質転換体からのプラスミドをWard(1990)に記載されている 方法と同様の方法で回収した。 pUCKm6に挿入され(図12)、酵母形質転換体から回収された酵母DNA断片は 、全てS.cerevesiae内で、ARS(autonomous replicating sequence)として 機能し、他の酵母内でも同様に機能しうるDNA断片を含んでいるべきである。 このDNA挿入物を種々の制限酵素で消化し、得られたDNA断片をpUCKm6に再 び挿入した。このプラスミドを、S.cerevesiaeの再形質転換に使用した。pUCKm6 を酵母プラスミドとして有効に機能させ得る全ての適切な大きさの制限断片は、 有効な“ARS”を含んでいなければならず、pLNH-STのような、S.cereviciae の染色体への外来遺伝子の高コピー数組込を行うための複製/組込ベクターの構 築に使用することができる。これらの制限断片は、他の酵母においてもARSと して機能すると考えられ、他の酵母の複製/組込プラスミドの構築にも適してい る。 実施例4 ゲネチシン(カナマイシン)耐性遺伝子,KmRからのXhoI制限部位の除去 Tn903(A.Oka et al.,1981)からのゲネチシン(カナマイシン)耐性遺 伝子、KmR及び実施例1に記載した5S rDNA断片は、外来遺伝子の複数のコピー を酵母染色体に組込むために設計されたプラスミドの一部である。しかしながら 、KmRはコード配列中にXhoI部位を含む。これは、XhoI部位が、XR、XD及 びXKのような外来遺伝子の組込のためのプラスミドへの挿入に使用するために 、クローン化された5S rDNA配列の中心に加工されている事実と矛盾する。従っ て、KmRからXhoI部位を除去する必要がある。これは、いくつかの異なるアプ ローチにより行い得る。出願人は、アミノ酸コード配列を変化させることなく、 その遺伝子によりコードされる酵素の触媒活性に影響を与えることなく、KmR からXhoI部位を除去するために、オーバーラップエクステンションPCR技術(S .N.Ho,et al.,1989)による部位特異的突然変異誘発の使用を選択する。pUCKm6 (図12)にクローン化されたKmR遺伝子を、上記のようにKmR(-Xho)に転化 した。 この操作を行なうために使用される4つのオリゴヌクレオチドを下記に示す。 オリゴヌクレオチド I:GGCCAGTGAATTCTCGAGCAGTTGGTG オリゴヌクレオチド II:TGGAATTTAATCGCGGCCCCTAGCAAGACG オリゴヌクレオチド III:TTACGCCAAGCTTGGCTGC オリゴヌクレオチド IV: TTCAACGGGAAACGTCTTGCTAGGGGCCGC pUCKm6(図12)はpUC9の誘導体である。Oligo Iの一部及びOligo IIIの全部 を、pUC9のポリリンカー領域の配列(Sambrook,et al.,1989)に従って合成 する。 上記のpUCKm6の遺伝子操作により、KmRのコード領域からXhoI制限部位が欠 失する結果となるだけでなく、pUCKm6のKmRコーディング配列とEcoRI部位の間 にXhoI制限部位が挿入される結果となる。得られたプラスミドを、pUCKm(-XhoI) (+XhoI)と命名した。KmRコード配列の下流に、XhoI部位を付加することにより 、新しく開発されたプラスミドであるpUCKm(-Xho)(+Xho)への実施例1に記載し た5S rDNA断片の挿入が促進される。 実施例5 プラスミドpLNH-STの構築 実施例4に記載したプラスミドpUCKm(-XhoI)(+XhoI)を図9に示すpLNH-STの構 築に使用した。まず、5S rDNA(XhoI)を含むSal I断片をpKS-5S rDNA(XhoI)から 単離し、pUCKm(-XhoI)(+XhoI)のXhoI部位に挿入した。得られたプラスミドを、p UCKm-rDNA(5S)と命名した。このプラスミドに対し、S.cerevisiaeから単離され た有効なARSを含有するEcoRI断片(実施例3に記載された方法による)を、pUC Km-5S rDNAのEcoRI部位に挿入した。得られたプラスミドを、pUCKm-5S rDNA-ARS と命名した。このプラスミドに、酵母アルコールデヒドロゲナーゼプロモーター (XR)、及びピルベートキナーゼプロモーター(XD及びXKの両方に対して) に融合したクローン化されたXR、XD及びXKを含有する pKS(-)-KK-AR-KD-3のXhoI断片を、クローン化された5S rDNA配列の中心 に位置するXhoI部位に挿入した。得られたプラスミド、pUCKm-rDNA(5S)(KDR)-AR Sを、pLNH-STと命名し、図9に示す。 実施例6 融合酵母1400のpLNH-STによる形質転換 及び安定な形質転換体1400(LNH-ST)の選択 pLNH-STを使用して、菌株1400のプラスミドpLNH32及びpLNH33による形質 転換に用いる条件(国際公開No.95/13362,1995年5月18日、公開された国際出 願No.PCT/US94/12861,1994年11月8日出願)でのエレクトロポレーション により融合株1400を形質転換した。簡潔に述べると、早期対数期(140〜 190クレット単位(Klett Unit)(KU))の酵母細胞50mlを遠心分離にかけ、 培地を除去し、冷水で2回、1Mの冷ソルビトール溶液で1回洗浄し、200μ lの1Mソルビトール溶液に再懸濁した。60μlの細胞を4mlの予め消毒し たプラスチック管(キャップ付き)に移し、これに1μgのプラスミドDNAを 添加した。得られた細胞とプラスミドの混合物50μlを、予め冷却した0.2 cmの電極ギャップを有する遺伝子パルサーキュベットに、ピペットで入れ、こ のキュベット内の内容物にパルスコントローラーを備えた遺伝子パルサー(バイ オラッド)により、2.0KV,25μF、200オームでパルスをかけた。 ただちに、0.50mlのYEPDをこのキュベットに添加した。このキュベ ットの内容物を新しい4mlの滅菌プラスチック管に移し、30℃で1時間イン キュベートした。この細胞100μlを、YEPD及び40μg/mlのG41 8(ゲネチシン)を含有する寒天プレート上に平板化した。速く生長したコロニ ーを選択し、同じ培地を含む別のプレート上で複製させた。選択されたコロニー に、アンピシリン試験(Chevallier and Aigle,1979)を、陽性のものが一つ確認 されるまで行なった。上記のエレクトポレーション法は、Becker及びGuarente(1 971)により報告されているものに基づく。 形質転換体がペニシリナーゼ試験により陽性であることが確認されたら、これ をYEPX(酵母抽出物1%、ペプトン2%、キシロース2%)プレート上で維 持する。最初は、形質転換体は非常に不安定であった。これらはYEPD培地で 20世代に渡り培養すると、キシロース発酵能力を失う。しかしながら、形質転 換体をYEPXプレート上で定常期まで培養し続け、これを新しいYEPXプレ ートに繰り返し移し続けると、形質転換体のキシロースを発酵する能力は徐々に 安定化した。一度安定になると、形質転換体は数百またはそれ以上の世代の間、 非選択培地で培養することができ、その後も、実施例8に示すように、グルコー ス及びキシロースの両方の同時発酵が可能であった。 実施例7 1400(LNH-ST)によるグルコース及びキシロースの同時発酵 グルコースとキシロースの混合物(グルコースが約10%、キシロースが約5 %)を、下記に示す条件下で菌株1400(LNH-ST)により発酵させた。1400 及び1400(LNH-ST)の種培養物を、液体YEPD培地で、中間対数期(mid-log phase)(400〜450クレット単位(KU))に達するまで好気的に培養し、4 ℃で貯蔵した。月に一度、培養物2mlを新しいYEPD50mlに移すことにより 新しい種培養物を調製し、上記のように培養した。1400(LNH-ST)の種培養物 2mlを、サイドアームを備えた300mlのエーレンマイヤーフラスコ中の100 mlのYEPD培地に接種した。これにより、クレット比色計により酵母培養物の 生長を直接モニターすることができる。この培養物を振とう器内で、30℃、2 00rpmで好気的にインキュベートした。 細胞濃度が中間対数期(400−450KU)に達したら、グルコース20ml (50%)及びキシロース10ml(50%)をフラスコに添加した。完全に混 合した後、培養混合物1mlをフラスコから除去し、ゼロサンプル(zero sample) とした。その後、フラスコをサランラップで封じ、発酵を嫌気的に行った。発酵 ブロスのサンプル1mlを適当な間隔(6時間毎)で除去し、発酵中のブロスのグ ルコース、キシロース、キシリトール、及びグリセロールの含有量を、実施例9 で記載するようにHPLCにより測定するためのサンプルとした。結果は、図1 1に示すように、遺伝子操作された酵母1400(LNH-ST)が、10%のグルコー ス及び5%のキシロースの殆どを、30時間以内にエタノールに同時発酵するこ とができることを示した。この発酵は、通常の条件下で、特別な培地またはpH を必要とすることなく、さらに、酵母の高い細胞密度への生長を必要とすること なく行われた。従って、遺伝子操作された1400(LNH-ST)は、グルコースとキ シロースの両方を高濃度でエタノールに有効に同時発酵することができ、副生成 物として生産されるキシリトールの量は非常に少ない。図2及び図3に示した組 換えSaccharomyces 1400(pLNH32)及び1400(pLNH33)との比較において、1400(pLN H-ST)はグルコース及びキシロースの両方を、これら二つの既に開発されている 酵母よりも、幾分良好に同時発酵した。 実施例8 4、20及び40世代、非選択培地中で培養した後の、グルコース及び キシロースの同時発酵における、安定な菌株1400(LNH-ST)、 菌株1400(LNH32)及び菌株1400(LNH33)の比較 実施例7に記載したように、1400(LNH-ST)、1400(LNH-ST32)及び14 00(LNH-ST33)の種培養物の各々2mlを、サイドアームを備えた別個の250ml のエーレンマイヤーフラスコ中の50mlのYEPD培地に接種した。細胞を40 0〜450KUまで培養した後、各フラスコからの新しい培地2mlを新しいフラ スコに移した。この方法を、1400(LNH-ST)について10回、1400(LNH32 )及び1400(LNH33)について5回繰り返した。非選択培地中での4、20及び 40世代培養した(各移し換えは非選択培地中で培養した世代4回と考えられる )1400(LNH-ST)を、実施例7に記載したのと同様の条件下で、グルコース及 びキシロースの同時発酵に使用した。発酵サンプルをとり、実施例7に記載した のと同様に分析した。同様に、非選択培地中での4及び20世代培養した140 0(LNH32)及び1400(LNH33)の培養物を、グルコース及びキシロースの同時発 酵に使用した。発酵を開始した後、再びサンプルをHPLCによる分析のために 適当な間隔で取り、図4〜6に比較した。これらの結果は、明らかに1400(L NH-ST)が、40世代以上非選択培地で培養した後のキシロース発酵能力を維持す ることにおいて、1400(LNH32)及び1400(LNH33)に比べてはるかに安定で あることを示す。 実施例9 発酵サンプルのHPLC分析 培養物から除去された発酵ブロスを含むサンプル(0.6ml〜1.0ml)を、 1.5mlのエッペンドルフチューブ中に保持した。細胞及び他の残滓をマイクロ フュージ(microfuge)(最高速度)中、10分間遠心分離にかけることにより除 去した。上清液を10倍に希釈した。得られた希釈サンプルのエタノール、グル コース、キシロース、キシリトール、及びグリセロールの含有量を、日立システ ムを用いた高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)により、下記の条件で分 析した。 カラム: BioRad HPX-87H 移動相: 0.005M H2SO4 流速: 0.8ml/分 検出: RI検出器 温度: 60℃ 抽出容量: 20μl 実施例10 安定な形質転換体1400(LNH-ST)からの染色体DNAの遺伝的特性 制限及びPCR分析をベースとして、pLNH-ST中のクローン化された遺伝子、 KK,AR,KD及び5SrDNAの遺伝子地図(順序及び方向)を、図9Bに示した ように決定した。実験は、これらの遺伝子(KK,AR及びKD)が5S rDNAの 位置に組み込まれたか否かを決定するように設計された。これらの遺伝子が予想 通り5S rDNAの位置で酵母染色体に挿入されれば、下記の部分または無傷の遺伝 子の組み合わせ、例えば5S rDNA-KK;5S rDNA-KD;KK-AR及びAR-KD)を含むDNA 断片の正確な大きさが、鋳型として1400(LNH-ST)染色体DNAを用い、プラ イマーとして遺伝子マップ(図9B)に示すオリゴヌクレオチドを用いて、PC RによりDNA合成を行うことにより得られたはずである。これらの遺伝子は、 酵母染色体に組み込まれなかった場合は、上記の実験においては遺伝子または遺 伝子断片のそのような組み合わせは得られなかったはずである。これらの遺伝子 は、5S rDNAの位置ではなく、むしろ酵母染色体の別の場所に組み込まれた場合 、上記の遺伝子または遺伝子断片の組み合わせのいくつかは、上記の実験により 得られるであろうが、5S rDNA-KK及び5S-rDNA-KDのような5S rDNA断片を含むも のは得られない。上記の実験を行うために、染色体DNAを、1400(LNH-ST) からカリフォルニア州、チャッツウォースのキアゲンにより提供されるプロトコ ルを用いて単離した。下記のプライマー対(図9参照)を用いることにより、P CR合成において陽性の結果が得られた:オリゴ25及びオリゴ369;オリゴ 26及びオリゴ369;オリゴ370及びオリゴ96;オリゴ97及びオリゴ9 9;オリゴ982及びオリゴ27。従って、上記の分析によると、KK− AR−KDを含むDNA断片が、1400酵母の染色体の5S rDNA位置に実際に 組み込まれているようである。 参考文献 以下の文献は当業者が有する技術水準の指標であり、各々が引用により取り込 まれて十分に記載されているが如く、各々が引用により本書に取り込まれる。 1.Chan,C.S.M.,and B.-K.Tye(1980),”Autonomously replicating sequen ces in Saccharomyces cerevisiae,”Proc.Natl.Acad.Sc.,77(11).6329-6 333. 2.Cregg J.M.,K.J.Barringer,A.Y.Hessler,and K.R.Madden(1985), ”Pichia pastoris as a Host System for Transformations,”Molecular and Cellular Blology,5,3376-3385. 3.D'Amore,T.,G.Celotto,I.Russell,and G.G.Stewart(1989),”Selecti on and Optimization of Yeast Suitable for Ethanol Production at 40°”En z.Microbial.Technol.11,411-416. 4.D'Amore,T.,J. P.Chandra,I.Russell,and G.G,Stewart(1990),”A Study of ethanol Tolerance in Yeast”Critical Reviews In Biotechnology 9 ,287 304. 5.Ho,N.W.Y.,and Tsao,G.T.,”Recombinant Yeasts capable of Effect ive Fermentation of both glucose and Xylose,”International Publication No.95/13362,May 18, 1995,publishing International Application No.PCT /US94/12861,November 8,1994出願. 6.Kudla,B.,and A.Nicolas(1992),”Amultisite integrative cassette fo r the yeast Saccharomyces cerevisiae,”Gene.119,49-56. 7.Kurtz,M.B.,M.W.Cortelyou,and D.R.Kirsch(1986),”Integrative Transformation of Candida albicans,Using a Cloned Candida ADE2 Gene,” Molecular and Cellular Biology,142-149. 8.Lopes,T.S.,J.Klootwijk,A.E.Veenstra,P.C.vanderAar,H.van H eerikhuizen,H.A.Raue,and R.J.Planta(1989),”High-copy-number inte gration into the ribosomal DNA of Saccharomyces cerevisiae:a new vector for high-level expression,”Elsevier Science Publishers,79,199-206. 9.Lopes T.S.,Gert-Jan A.J.Hakkaart,B.L.Koerts,H.A.Raue,and R. J.Planta(1991),”Mechanism of high-copy-number integration of pMIRY-typ e vectors into theribosomal DNA of Saccharomyces cerevisiae,”Elsevier S cience Publishers,105,83-90. 10.Orr-Weaver,T.L.,J.W.Szostak,and R.J.Rothstein(1981),”Yeast transformation:A model system for the study of recombination,”Proc.Na tl.Acad.Sci.,78(10),6354-6358. 11.Orr-Weaver,T.L.,and J.W.Szostak(1983),”Multiple,Tandem Plasmi d Integration ln Saccharomyces cerevisiae,”Molecular and Cellular Biolo gy,3(4),747-749, 12.Romanos,M.A.,C.A.Scorer and J.J.Clare(1992),”Foreign Gene Ex pression in Yeast:a Review,”John Wiley & Sons Ltd.,8,423-488. 13,Rossolini,M.,M.L.Riccio,E.Gallo,and C.L.Galeotti(1992),”Sa ccharomyces lactis rDNA as a target for multiple integration by homologo us recombination,”Elsevier Science Publlshers,75-81. 14.Rothstein,R.J.(1981),”One-Step Gene Disruption in Yeast,”Metho ds in Enzymology,101,202-211. 15.Rothstein,R.J.(1991),”Targeting,Disruption,Replacement,and Al lele Rescue:Integrative DNA Transformation in Yeast,”Methods in Enzymol ogy,194,281-301. 16.Sakai,A.,Y.Shimizu,and F.Hishinuma(1990),”Integration of heter ologous genes into the chromosome of Saccharomyces cerevisiae using a de lta sequence of yeast retrotransposen Ty,”Appl.Microbiol.Biotechnol. ,33,302-306. 17.Sakai,A.,F.Ozawa,T.Higashizaki,Y.Shimizu and F.Hishinuma(199 1),”Enhanced Secretion of Human Nerve Growth Factor from Saccharomyces cerevisiae Using an Advanced d-Integration System,”Bio/Technology,9,1 382-1385. 18.Stinchcomb,D.T.,M.Thomas,J.Kelly,E.Selker,and R.W.Davis(1 980),”Eukaryotic DNA segments capable of autonomous replication in yeas t,”Proc.Natl.Acad.Sci.,77(8),4559-4563. 19.Struhl.K.,.D.T.Stinchcomb,S.Scherer,and R.W.Davis(1979),”H igh frequency transformation of yeast:Autonomous replication of hybrid D NA molecules,”Proc.Natl.Acad.Sci.,76(3),1035-1039. 20.Szostak,J.W.,and R.Wu(1979),”Insertion of a GeneticMarket into the Ribosomal DNA of Yeast,”Plasmid,2,536-554. 21.Valenzuela,P.,G.I.Bell,A.Venegas.E.T.Sewell,F.R.Masiarz ,L.J.DeGennaro,G.Weinberq,and W.J.Rutter(1977),”Ribosomal RNA ge nes of Saccharomyces cerevisiae II.Physical map and nucleotide sequence of the 5 S ribosomal RNA gene and adjacent intergenic Regions,”The Journal of Bi ological Chemistry,252(22),8126-8135. 22.Chevaller,M.R.and M.Algle(1979),"Qualitative detection of penici llinnase produced by yeast stralns carrying chimeric yeast‐Coli plasmid ",Febs Letters,108.179-180. 23.Ho,N.W.Y.,H.C.Gao J.J.Huang,P.E.Stevis,S.F.Chang(1984) ,”Development of a cloning system for Candida species”Biotechnol.Bioen gineering Symp.No..14,295-301. 24.Ward,A.C.(1990),”Single-steppurification of shuttle vectors from yeast for high frequency back-transformation into E.coli”,Nucleic Ac ids Research,18,5319. 25.Becker,D.M.and L.Guavente(1991),”High-efficiency transformation of yeast by electroporation,”Methods in Enzymology 194,182-187. 26.Ho,S.N.,Hunt,H.D.,Horton,R.M.,Pullen,J.K.,and Pease,L. R.,(1989),”Site-directedmutagenesis by overlap extension using the pol ymerase chain reaction,Gene,77,51. 27.Kunkel,T.A.,(1985)Proc Natl Acad Sci.USA,82,488. 28.Kunkel,T.A.,Roberts,J.D.and Zakour,R.A.,(1987),Meth.Enzym ol.,154,367. 29.Sambrook,J.,E.F.Fritsch,and T.Maniatls,(1989),”Molecular Cl oning,”published by Cold Spring Harbor Lab.Press,4.10-4.11.
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:84) (C12N 1/19 C12R 1:85) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU ,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH, CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G B,GE,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP ,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU, LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,N Z,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI ,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US, UZ,VN,YU (72)発明者 チェン,ツェン―ダオ アメリカ合衆国インディアナ州47906,ウ エスト・ラファイエット,メイプル・スト リート 480

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. キシロースリダクターゼ、キシリトールデヒドロゲナーゼ及びキシルロキ ナーゼをコードする遺伝子が、酵母の複数反復リボゾームDNA部位の各々に組 込まれた酵母を含む、キシロースをエタノールに発酵する酵母。 2. さらにグルコースのエタノールへの発酵も行なう請求項1記載の酵母。 3. Saccharomycesである請求項2記載の酵母。 4. 前記部位が非転写DNA部位である請求項3記載の酵母。 5. 前記遺伝子が、非グルコース抑制プロモーターに融合されており、酵母が グルコースとキシロースのエタノールへの発酵を同時に行なう請求項1記載の酵 母。 6. 前記プロモーターが誘導にキシロースを要求しない請求項5記載の酵母。 7. 前記遺伝子が、非グルコース抑制プロモーターに融合されており、酵母が グルコースとキシロースのエタノールへの発酵を同時に行なう請求項3記載の酵 母。 8. 前記遺伝子が、非グルコース抑制プロモーターに融合されており、酵母が グルコースとキシロースのエタノールへの発酵を同時に行ない、該プロモーター が誘導にキシロースを要求しない請求項4記載の酵母。 9.前記キシロースリダクターゼ及びキシリトールデヒドロゲナーゼ遺伝子が、 キシロースをエタノールに発酵する天然酵母由来である請求項6記載の酵母。 10. 前記天然酵母が、Candida Shehatae,Pichia stipitisまたはPachysolen tannophilusである請求項9の酵母。 11. 前記キシルロキナーゼ遺伝子が酵母または細菌由来である請求項9記載 の酵母。 12. 前記キシルロキナーゼ遺伝子が、Candida Shehatae,Pichiastipitis、P achysolen tannophilus、Saccharomyces cerevisiae、Schizosaccaromyces pomb eまたはEscherichia coli由来である請求項11記載の酵母。 13. 酵母の少なくとも約10個のリボソームDNA部位に組込まれた前記遺 伝子を有する請求項1記載の酵母。 14. (a)第1の選択マーカーを含む外来DNAを有する複製及び組込みプ ラスミドで細胞を形質転換し、そして (b)工程(a)で得られた細胞を繰り返し複製し、選択マーカー含む細胞を選 択しながら複数の世代の子孫細胞を生じさせ、その結果、子孫細胞の次の世代に おける複製及び組込プラスミドの保持を促進し、外来DNAの複数の挿入コピー を有する子孫細胞を生じさせることを含む方法。 15. 前記プラスミドDNAが、プラスミドを含む細胞を選択するための第二 の選択マーカーをも含む請求項14記載の方法。 16. 細胞が酵母または真核細胞であり、さらに、工程(b)で得られた子孫 細胞を、選択マーカーを含む細胞の選択をせずに繰り返し複製して、複数の世代 の子孫細胞を生じさせ、その結果次の世代の子孫細胞におけるプラスミドの喪失 を促進し、外来DNAの複数のコピーが各々染色体DNAに組込まれた酵母細胞 を回収することを含む請求項14記載の方法。 17. 前記細胞が酵母細胞であり、前記外来のDNAが、第一の選択マーカー としても機能するキシロースリダクターゼ、キシリトールデヒドロゲナーゼ、及 びキシルロキナーゼをコードする遺伝子を含む請求項16記載の方法。 18. (i)酵母細胞を選択マーカーを含む外来DNAを有する複製プラスミ ドで形質転換し、該外来DNAが、宿主のDNAの反復配列に相同なDNA配列 により各末端にフランキングしており、 (ii)工程(i)で得られた形質転換された酵母細胞を繰り返し複製し、選択マ ーカーを含む細胞を選択しながら複数の世代の子孫細胞を生じさせ、その結果、 子孫細胞の次の世代における複製プラスミドの保持を促進し、外来DNAの複数 の挿入コピーを有する子孫細胞を生じさせ、そして (iii)工程(ii)からの子孫細胞を、選択マーカーを含む細胞の選択をせずに 複製して、複数の世代の子孫細胞を製造し、その結果、次の世代の子孫細胞にお けるプラスミドの喪失を促進し、外来DNAの複数のコピーが各々染色体DNA に組込まれた酵母細胞を回収することを含む請求項14記載の方法。 19. 請求項18記載の方法により生産される酵母細胞。 20. 前記外来DNAが、キシロースリダクターゼ、キシリトールデヒドロゲ ナーゼ、及びキシルロキナーゼをコードする遺伝子を含み、前記酵母細胞が、キ シロースをエタノールに発酵する請求項19記載の酵母細胞。 21. 前記遺伝子が、誘導にキシロースを要求しない非グルコース抑制プロモ ーターに融合しており、前記酵母細胞が、グルコースとキシロースを同時にエタ ノールに発酵する請求項20記載の酵母細胞。 22. 非選択性条件で培養した場合に、キシロースをエタノールに発酵する能 力を、少なくとも20世代の間実質的に維持する請求項21記載の酵母細胞。 23. キシロースをエタノールに発酵する酵母であって、 該酵母の染色体DNAに組み込まれた外来DNAの複数のコピーを有し、前記 外来DNAが、非グルコース抑制プロモーターに融合したキシロースリダクター ゼ、キシリトールデヒドロゲナーゼ、及びキシルロキナーゼをコードする遺伝子 を含み、前記酵母が、グルコースとキシロースを同時にエタノールに発酵し、そ して非選択性条件で培養した場合に、キシロースをエタノールに発酵する能力を 、少なくとも20世代の間実質的に維持する酵母を含む酵母。 24. 前記プロモーターが誘導にキシロースを要求しない請求項23記載の酵 母。 25. キシロースをエタノールに発酵する酵母であって、 キシロースリダクターゼ、キシリトールデヒドロゲナーゼ、及びキシルロキナ ーゼをコードする導入されたDNAの複数のコピーを含み、前記酵母がキシロー スをエタノールに発酵し、そして非選択性条件で培養した場合に、キシロースを エタノールに発酵する能力を、少なくとも20世代の間実質的に維持する酵母を 含む酵母。 26. 前記プロモーターが誘導にキシロースを要求しない請求項25記載の酵 母。 27. 請求項1、22、23、24、25または26記載の酵母を用いて、キ シロース含有培地を発酵してエタノールを生産することを含む、キシロースのエ タノールへの発酵方法。 28. 第一の選択マーカーを含む外来DNA配列を標的酵母細胞の染色体DN Aに組込むためのプラスミドベクターであって、機能的な酵母DNA複製起点と 、標的酵母細胞のリボソームDNAの反復配列に相同なDNAフランキング配列 に より各末端にフランキングする外来DNAを含み、該プラスミドは、さらに第二 の選択マーカーをDNAフランキング配列の問以外の位置に有するプラスミドベ クター。 29. 外来DNA配列を酵母に組み込んで、キシロースをエタノールに発酵す る安定な組込み体を形成するためのプラスミドベクターであって、機能的な酵母 DNA複製起点と、標的酵母細胞の反復DNA配列に相同なDNAフランキング 配列により各末端にフランキングするキシロースリダクターゼ、キシリトールデ ヒドロゲナーゼ、及びキシルロキナーゼをコードする遺伝子含む外来DNAを含 むプラスミドベクター。 30. 外来DNA断片のコピーが複数組み込まれた細胞を形成するための方法 であって、反復ゲノムDNAを有し、外来DNAを含む複製及び組込プラスミド を含む細胞を複製し、選択マーカーを含む細胞を選択しながら複数の世代の子孫 細胞を生じさせ、その結果、子孫細胞の次の世代における複製及び組込みプラス ミドの保持を促進し、外来DNAの複数の組込コピーを有する子孫細胞を生じさ せることを含む方法。
JP54015397A 1996-05-06 1997-05-06 キシロースをエタノールに発酵するための安定な組換え酵母 Expired - Fee Related JP4321878B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US1686596P 1996-05-06 1996-05-06
US60/016,865 1996-05-06
PCT/US1997/007663 WO1997042307A1 (en) 1996-05-06 1997-05-06 Stable recombinant yeasts for fermenting xylose to ethanol

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009029455A Division JP2009148277A (ja) 1996-05-06 2009-02-12 キシロースをエタノールに発酵するための安定な組換え酵母

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2000509988A true JP2000509988A (ja) 2000-08-08
JP2000509988A5 JP2000509988A5 (ja) 2005-01-13
JP4321878B2 JP4321878B2 (ja) 2009-08-26

Family

ID=21779420

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP54015397A Expired - Fee Related JP4321878B2 (ja) 1996-05-06 1997-05-06 キシロースをエタノールに発酵するための安定な組換え酵母
JP2009029455A Pending JP2009148277A (ja) 1996-05-06 2009-02-12 キシロースをエタノールに発酵するための安定な組換え酵母

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009029455A Pending JP2009148277A (ja) 1996-05-06 2009-02-12 キシロースをエタノールに発酵するための安定な組換え酵母

Country Status (11)

Country Link
US (2) US7527927B1 (ja)
EP (1) EP0898616A4 (ja)
JP (2) JP4321878B2 (ja)
CN (1) CN1238490C (ja)
AU (1) AU731102B2 (ja)
BR (1) BR9710963A (ja)
CA (2) CA2661090C (ja)
ID (1) ID16873A (ja)
IN (1) IN191596B (ja)
UA (1) UA76690C2 (ja)
WO (1) WO1997042307A1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011083255A (ja) * 2009-10-19 2011-04-28 Kumamoto Univ キシロースからエタノールを発酵する酵母
JP2012115248A (ja) * 2010-12-03 2012-06-21 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology キシロース代謝改変による効果的なエタノール生産法
KR20180000795A (ko) * 2016-06-23 2018-01-04 안동대학교 산학협력단 마를 포함하는 알코올 발효 촉진용 배지 조성물 및 이를 이용한 마 발효주

Families Citing this family (77)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
IN191596B (ja) * 1996-05-06 2003-12-06 Purdue Research Foundation
FI980551A (fi) * 1998-03-11 1999-09-12 Valtion Teknillinen Transformoidut mikro-organismit, joilla on parannettuja ominaisuuksia
EP1071786B1 (en) 1998-04-20 2005-11-30 Forskarpatent i Syd AB Genetically engineered yeast and mutants thereof for the efficient fermentation of lignocellulose hydrolysates
EP1278876A2 (en) * 2000-05-01 2003-01-29 Midwest Research Institute STABLE i ZYMOMONAS MOBILIS /i XYLOSE AND ARABINOSE FERMENTING STRAINS
US7354755B2 (en) 2000-05-01 2008-04-08 Midwest Research Institute Stable zymomonas mobilis xylose and arabinose fermenting strains
WO2001088094A1 (en) * 2000-05-15 2001-11-22 Forskarpatent I Syd A recombinant yeast for lignocellulose raw materials
EP1364072B1 (en) 2001-02-28 2007-01-03 Iogen Energy Corporation Method of processing lignocellulosic feedstock for enhanced xylose and ethanol production
PL1626979T3 (pl) 2003-05-02 2012-09-28 Cargill Inc Genetycznie modyfikowane gatunki drożdży i sposoby fermentacji z użyciem genetycznie modyfikowanych drożdży
CN100339483C (zh) * 2003-12-19 2007-09-26 首都师范大学 酵母菌利用木糖和葡萄糖生产酒精的方法
ATE546534T1 (de) * 2005-03-02 2012-03-15 Pharmedartis Gmbh Expression system für rekombinante proteine
US20150328347A1 (en) 2005-03-24 2015-11-19 Xyleco, Inc. Fibrous materials and composites
CN1325633C (zh) * 2005-08-08 2007-07-11 天津大学 甘油通道蛋白基因缺失降低甘油生成提高乙醇产量的酿酒酵母菌株及构建方法
BRPI0713506A2 (pt) 2006-06-22 2012-03-13 Iogen Energy Corporation composiçõpes de enzima para a hidrólise enzimática aperfeiçoada de celulose e método de uso das mesmas
CN1966694B (zh) * 2006-11-15 2010-05-12 山东大学 一种利用葡萄糖木糖共发酵生产酒精的方法
ATE506447T1 (de) * 2007-10-30 2011-05-15 Du Pont Verfahren zur herstellung von etahnol in einem xylose enthaltenden medium unter verwendung eines rekombinanten zymomonas stammes mit reduzierter hima expression
CN101463328B (zh) * 2007-12-19 2011-06-29 中国科学院微生物研究所 一株利用木糖发酵产乙醇的代谢工程酵母菌
US9228178B2 (en) 2008-05-30 2016-01-05 Archer Daniels Midland Co. Engineering of xylose reductase and overexpression of xylitol dehydrogenase and xylulokinase improves xylose alcoholic fermentation in the thermotolerant yeast Hansenula polymorpha
CN101302535B (zh) * 2008-06-30 2010-10-20 黑龙江大学 一种表达木酮糖激酶基因的质粒的构建方法
US9234413B2 (en) 2009-06-25 2016-01-12 Shell Oil Company Water injection systems and methods
US20120184007A1 (en) 2009-07-09 2012-07-19 Stephen Picataggio Engineered microorganisms with enhanced fermentation activity
CA2719280A1 (en) 2009-10-28 2011-04-28 Erin Johnson Novel ethanol-producing yeast
CA2779163A1 (en) 2009-12-30 2011-07-07 Iogen Energy Corporation Modified yeast strains exhibiting enhanced fermentation of lignocellulosic hydrolysates
US8759049B2 (en) 2010-02-25 2014-06-24 Iogen Energy Corporation Method for the production of a fermentation product from a sugar hydrolysate
CN102220254B (zh) * 2010-04-14 2013-04-17 新疆农业科学院生物质能源研究所 一种重组酿酒酵母工程菌株及其应用
JP2013524797A (ja) 2010-04-21 2013-06-20 ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. アラビノースを転化できる細胞を製造する方法
US9493802B2 (en) 2010-08-20 2016-11-15 Codexis, Inc. Use of glycohydrolase 61 protein variants with improved thermostability for processing cellulose
US8709770B2 (en) 2010-08-31 2014-04-29 Iogen Energy Corporation Process for improving the hydrolysis of cellulose in high consistency systems using one or more unmixed and mixed hydrolysis reactors
WO2012045088A2 (en) * 2010-10-01 2012-04-05 The Board Of Trustees Of The University Of Illinois Combinatorial design of highly efficient heterologous pathways
US8889384B2 (en) 2010-10-07 2014-11-18 Shell Oil Company Process for the production of alcohols from biomass
US9290821B2 (en) 2010-11-05 2016-03-22 Shell Oil Company Treating biomass to produce materials useful for biofuels
KR101204366B1 (ko) * 2010-11-16 2012-11-27 서울대학교산학협력단 토르(Tor) 신호 전달 경로에 관여하는 유전자의 기능을 소실시킨 재조합 사카로마이세스 세레비지애를 이용하여 자일로오스로부터 에탄올을 생산하는 방법
WO2012071470A2 (en) 2010-11-22 2012-05-31 Cargill, Incorporated Compositions and methods for increased ethanol titer from biomass
JP2012120491A (ja) * 2010-12-09 2012-06-28 Toyota Motor Corp キシロースを含む培地における発酵培養方法
WO2012088108A1 (en) 2010-12-20 2012-06-28 Shell Oil Company Process for the production of alcohols from biomass
US8728798B2 (en) 2011-05-03 2014-05-20 Verdezyne, Inc. Biological methods for preparing adipic acid
TWI438274B (zh) * 2011-06-03 2014-05-21 Inst Nuclear Energy Res Atomic Energy Council 一種木糖代謝菌之製備方法及該木糖代謝菌
BR112014004171A2 (pt) 2011-08-22 2018-11-06 Codexis Inc variantes da proteína glicósideo hidrolase gh61 e cofatores que aumentam a atividade de gh61
BR112014007719A2 (pt) 2011-09-30 2017-06-13 Codexis Inc proteases fúngicas
BR112014013854B1 (pt) 2011-12-15 2021-07-13 Shell Internationale Research Maatschappij B.V. Método para o tratamento de um subproduto da produção de etanol
WO2013169706A1 (en) 2012-05-07 2013-11-14 Shell Oil Company Continuous or semi-continuous process for treating biomass to produce materials useful for biofuels
CA2873298C (en) 2012-05-17 2016-04-26 Corey William RADTKE Process for producing volatile organic compounds from biomass material
JP6291482B2 (ja) 2012-05-17 2018-03-14 シエル・インターナシヨネイル・リサーチ・マーチヤツピイ・ベー・ウイShell Internationale Research Maatschappij Besloten Vennootshap バイオマス材料を処理する方法およびシステム
SG195410A1 (en) * 2012-05-25 2013-12-30 Ngee Ann Polytechnic Xylose fermenting yeast constructed using an modified genome shuffling method
CN103060217B (zh) * 2012-11-29 2014-12-17 天津大学 一株高效代谢木糖的重组酵母菌株及用途
CN103146741B (zh) * 2013-02-01 2014-12-10 首都师范大学 三阶段基因转录调控提高纤维素乙醇产量的方法及基因工程菌株
WO2014185635A1 (ko) * 2013-05-16 2014-11-20 에스케이이노베이션 주식회사 자일로스로부터 에탄올을 생산할 수 있는 재조합 효모 및 이를 이용한 에탄올 생산방법
WO2015160887A1 (en) 2014-04-17 2015-10-22 Shell Oil Company Processes for producing fermentation products
US10619173B2 (en) 2014-07-22 2020-04-14 Iogen Corporation Process for using biogenic carbon dioxide derived from non-fossil organic material
WO2016011555A1 (en) 2014-07-22 2016-01-28 Iogen Corporation Process for producing fuel using two fermentations
AU2015301619B2 (en) 2014-08-14 2017-06-22 Shell Internationale Research Maatschappij B.V. Improved process for treating biomass to produce materials useful for biofuels
EP3180320B1 (en) 2014-08-14 2021-01-13 Shell International Research Maatschappij B.V. Process for preparing furfural from biomass
US9546386B2 (en) * 2014-09-03 2017-01-17 Tekkware, Inc. Glucose and xylose co-fermenting microorganism that expresses active glucoamylase
US11434509B2 (en) 2014-12-08 2022-09-06 Iogen Corporation Process for using biogenic carbon dioxide derived from non-fossil organic material
CN104561081B (zh) * 2015-01-06 2019-03-15 江南大学 一株能够利用木糖的酵母Candida amazonensis的表达系统
CN104561082B (zh) * 2015-01-06 2018-03-20 江南大学 一株能够利用木糖的酵母Candida jeffriesii的表达系统
CN104630258B (zh) * 2015-01-06 2018-08-14 江南大学 一种酿酒酵母基因表达系统及其构建与应用
BR112017017895A2 (pt) 2015-03-16 2018-04-10 Iogen Corp processo para produzir um produto de fermentação e para produzir um álcool a partir de uma matéria prima lignocelulósica.
CA2974747A1 (en) 2015-03-16 2016-09-22 Iogen Corporation Process comprising sulfur dioxide and/or sulfurous acid pretreatment and enzymatic hydrolysis
US10421667B2 (en) 2015-03-16 2019-09-24 Iogen Corporation Process for treating lignocellulosic feedstock comprising wet oxidation
US10513715B2 (en) 2015-09-24 2019-12-24 Iogen Corporation Wet oxidation of biomass
BR112018010741B1 (pt) 2015-11-25 2022-11-22 Iogen Energy Corporation Método para resfriamento e hidrólise de biomassa pré-tratada e sistema para hidrólise de biomassa
US10662455B2 (en) 2015-12-18 2020-05-26 Iogen Corporation Sulfur dioxide and/or sulfurous acid pretreatment
BR112018016366A2 (pt) 2016-02-10 2018-12-18 Iogen Corp processos para hidrolisar biomassa lignocelulósica e para pré-tratamento de biomassa lignocelulósica.
CA3021679A1 (en) 2016-05-03 2017-11-09 Shell Internationale Research Maatschappij B.V. Lignin-based solvents and methods for their preparation
WO2018018111A1 (pt) * 2016-07-28 2018-02-01 Universidade Estadual De Campinas - Unicamp Levedura industrial geneticamente modificada lvy127 com a via oxi-redutiva de conversão de xilose, cassetes de expressão gênica, processo de obtenção de etanol 2g e uso da levedura lvy127
BR102016025442A2 (pt) * 2016-10-31 2018-10-02 Universidade Estadual De Campinas - Unicamp levedura industrial geneticamente modificada lvy142 com a via oxi-redutiva de conversão de xilose, cassete de expressão gênica, processo de obtenção de etanol 2g e uso da levedura lvy142
WO2018085182A1 (en) 2016-11-01 2018-05-11 Shell Oil Company Process for the recovery of furfural
EP3535246A1 (en) 2016-11-01 2019-09-11 Shell Internationale Research Maatschappij B.V. Process for the recovery of furfural
WO2018085179A1 (en) 2016-11-01 2018-05-11 Shell Oil Company Process for the recovery of furfural
US10562874B2 (en) 2016-11-01 2020-02-18 Shell Oil Company Process for the recovery of furfural
US11046938B2 (en) 2016-12-20 2021-06-29 Novozymes A/S Recombinant yeast strains for pentose fermentation
JP2020530271A (ja) 2017-06-30 2020-10-22 ピーティーティー グローバル ケミカル パブリック カンパニー リミテッド 安定化されたコピー数の機能性dna配列を有する微生物及び関連方法
EP3707269A4 (en) 2017-11-09 2021-08-25 Iogen Corporation PRE-TREATMENT OF SULFUR DIOXIDE AT LOW TEMPERATURE
WO2019090414A1 (en) 2017-11-09 2019-05-16 Iogen Corporation Low temperature pretreatment with sulfur dioxide
WO2019191828A1 (en) 2018-04-06 2019-10-10 Iogen Corporation Pretreatment with lignosulfonic acid
WO2020171831A1 (en) 2019-02-22 2020-08-27 Tekkware, Inc. Biomass with bioengineered yeast, associated organic compounds, and related methods
US11787773B2 (en) 2019-05-22 2023-10-17 Shell Usa, Inc. Process for the production of furfural

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE4009676A1 (de) 1990-03-26 1991-10-02 Rhein Biotech Proz & Prod Gmbh Dna-sequenz, umfassend ein fuer xylosereduktase und/oder xylitoldehydrogenase codierendes strukturgen
US5866382A (en) * 1990-04-06 1999-02-02 Xyrofin Oy Xylose utilization by recombinant yeasts
FI901771A (fi) 1990-04-06 1991-10-07 Valtion Teknillinen Anvaendning av xylos hos hybridjaest.
US5789210A (en) * 1993-11-08 1998-08-04 Purdue Research Foundation Recombinant yeasts for effective fermentation of glucose and xylose
IN191596B (ja) * 1996-05-06 2003-12-06 Purdue Research Foundation

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011083255A (ja) * 2009-10-19 2011-04-28 Kumamoto Univ キシロースからエタノールを発酵する酵母
JP2012115248A (ja) * 2010-12-03 2012-06-21 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology キシロース代謝改変による効果的なエタノール生産法
KR20180000795A (ko) * 2016-06-23 2018-01-04 안동대학교 산학협력단 마를 포함하는 알코올 발효 촉진용 배지 조성물 및 이를 이용한 마 발효주
KR102062144B1 (ko) 2016-06-23 2020-01-03 안동대학교 산학협력단 마를 포함하는 알코올 발효 촉진용 배지 조성물 및 이를 이용한 마 발효주

Also Published As

Publication number Publication date
WO1997042307A1 (en) 1997-11-13
CA2253581A1 (en) 1997-11-13
EP0898616A4 (en) 2000-12-06
US8652772B2 (en) 2014-02-18
AU731102B2 (en) 2001-03-22
JP4321878B2 (ja) 2009-08-26
EP0898616A1 (en) 1999-03-03
CA2253581C (en) 2012-04-17
ID16873A (id) 1997-11-20
JP2009148277A (ja) 2009-07-09
CN1238490C (zh) 2006-01-25
UA76690C2 (uk) 2006-09-15
US20090246857A1 (en) 2009-10-01
US7527927B1 (en) 2009-05-05
AU2830197A (en) 1997-11-26
CA2661090A1 (en) 1997-11-13
CA2661090C (en) 2013-02-05
CN1225125A (zh) 1999-08-04
IN191596B (ja) 2003-12-06
BR9710963A (pt) 2001-07-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000509988A (ja) キシロースをエタノールに発酵するための安定な組換え酵母
EP0973915B1 (en) Recombinant microorganisms capable of fermenting cellobiose
JP5772594B2 (ja) 形質転換体およびその製造方法、ならびに乳酸の製造方法
EP2313489B1 (en) Production method
EP2287293A2 (en) Thermophillic Bacterial Strains for the Production of Ethanol
US5821093A (en) Recombinant cells that highly express chromosomally-integrated heterologous genes
US20070172937A1 (en) Recombinant cells that highly express chromosomally-integrated heterologous genes
JP3593125B2 (ja) 染色体に組込まれた異種遺伝子を高度に発現する組換え細胞
US9309542B2 (en) Recombinant Caldicellulosiruptor bescii and methods of use
EP3194568B1 (en) Clostridium acetobutylicum strains unable to produce hydrogen and useful for the continuous production of chemicals and fuels
JP2007504813A (ja) Nadh依存型l−キシルロース還元酵素
MXPA98009223A (en) Recombinant yeas stable to ferment xilosa to eta
JP2005261421A (ja) ペントース発酵性ザイモバクター属形質転換微生物
DE102021113602A1 (de) Gentechnisch veränderte hefe zur biotechnologischen herstellung von bernsteinsäure aus glycerol
US20140170724A1 (en) Replicating expression vector and methods
BR112015007234B1 (pt) Levedura transformada e método para a produção de etanol
AU2005248924A1 (en) Recombinant cells that highly express chromosomally-integrated heterologous genes

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040423

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040423

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070123

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20070125

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20070312

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070720

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080812

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20081111

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20081222

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090212

A72 Notification of change in name of applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A721

Effective date: 20090212

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090519

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090602

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120612

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130612

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees