JP4528972B2 - 染色体組み込みマンノース発酵性ザイモモナス属細菌 - Google Patents
染色体組み込みマンノース発酵性ザイモモナス属細菌 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4528972B2 JP4528972B2 JP2005201801A JP2005201801A JP4528972B2 JP 4528972 B2 JP4528972 B2 JP 4528972B2 JP 2005201801 A JP2005201801 A JP 2005201801A JP 2005201801 A JP2005201801 A JP 2005201801A JP 4528972 B2 JP4528972 B2 JP 4528972B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mana
- mannose
- mobilis
- gene
- frk
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Description
しかしながら、ザイモモナス属細菌のエタノール生産性は酵母よりも3〜5倍優れており、このような細菌にマンノース発酵性を付与できれば、未利用セルロース系バイオマスからの燃料用エタノール生産に大きく貢献できる。
非特許文献1には、ザイモモナス属細菌にエシェリヒア・コリ(Escherichia coli)由来のホスホマンノースイソメラーゼ遺伝子をプラスミドに載せて導入し、マンノースでの生育を可能にした報告がある。しかし、この報告は、染色体への組み込みではなく、また、マンノースからのエタノール生産については言及されていない。
Appl. Envirom. Microbiol., 62(11), 4153-4161 (1996)
マンノースの発酵性を付与するためには、マンノースをフルクトース6リン酸へと変換した後、エントナー・ドゥドロフ経路へ効率良く導入する必要がある。すなわち、細胞内に取り込まれたマンノースは、フルクトキナーゼ(FRK)によりマンノース6リン酸にまで代謝されると推定されるが、ザイモモナス属細菌はマンノース6リン酸をフルクトース6リン酸へと異性化するホスホマンノースイソメラーゼ(PMI)遺伝子が欠損しており、マンノースが解糖系へと導入されず、したがって、エタノールへと変換できないことになる。
本発明者らは、(1)ホスホマンノースイソメラーゼ遺伝子をザイモモナス属菌に導入することにより、マンノースを、エントナー・ドゥドロフ経路へ導入でき、最終的にエタノールを発酵生産することが可能であり、また、(2)ザイモモナス属菌を用いてのエタノール生産において市場を切り開くには、エタノールを高効率、低コストで生産する必要があり、ベクター導入株とは違い、導入した遺伝子の安定性が増し、マーカー等の薬剤の必要性がなくなる染色体への組み込みにより、上記目的が達成できると考えた。この考えに基づき、鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
(1)ホスホマンノースイソメラーゼをコードする外来遺伝子を、相同組換え法によるダブルクロスオーバーによってザイモモナス属細菌の染色体上の標的遺伝子内に組み込んでなるザイモモナス属細菌、
(2)外来遺伝子がエシェリヒア・コリ(Escherichia coli)由来である上記(1)記載の細菌、
(3)標的遺伝子が、レバンスクラーゼ遺伝子である上記(1)記載の細菌、
(4)ザイモモナス・モビリスである上記(1)記載の細菌、
(5)Zymomonas mobilis Z6 E2:manA(FERM P−20581)である上記(4)記載の細菌等を提供するものである。
本発明の組み換えザイモモナス属細菌を得るために使用するホスホマンノースイソメラーゼをコードする外来遺伝子は、マンノース分解能を有する供与体微生物から得ることができる。
供与体微生物としては、特に限定するものではなく、ザイモモナス属、エシェリヒア(Escherichia)属、キサントモナス(Xanthomonas)属、クレブシエラ(Klebsiella)属、ロドバクター(Rhodobacter)属、フラボバクテリウム(Flavobacterium)属、アセトバクター(Acetobacter)属、グルコノバクター(Gluconobacter)属、リゾビウム(Rhizobium)属、アブロバクテリウム(Abrobacterium)属、サルモネラ(Salmonella)属およびシウドモナス(Pseudomonas)属に属する微生物が好適に用いられ、その中でもエシェリヒア・コリが好ましい。
供与体微生物のホスホマンノースイソメラーゼをコードするDNAを分離、精製した後、種々の方法で切断して得られるDNA断片を調製する。さらに同様にして得られるベクターDNA断片とを、例えばDNAリガーゼなどにより結合させ、ホスホマンノースイソメラーゼ遺伝子を含有する組換えDNAを形成する。DNAの分離、精製、DNA断片の調製、DNAリガーゼによる結合等は、市販のDNA抽出キットなどを用い、当該分野で公知の方法、例えば、モレキュラー・クローニング(Molecular Cloning)3rd(J. Sambrook et al., Cold Spring Harbor Lab. Press, 2001)に記載の方法などに従って行なうことができる。
染色体上の標的遺伝子としては、このレバンスクラーゼ遺伝子の他に、例えば、インベルターゼ遺伝子、乳酸脱水素酵素遺伝子等があげられる。
以下、参考例および実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
参考例では、エシェリヒア・コリ(E. coli)由来のホスホマンノースイソメラーゼ遺伝子(manA)のクローニングと、ザイモモナス・モビリス(Zm. mobilis)への導入を示す。また、フルクトキナーゼがマンノース発酵性の律速であると予想され、セルフクローニングにより発現を強化させることにより、さらなるエタノール発酵生産の向上が期待されるので、Zm. mobilis由来のフルクトキナーゼ遺伝子(frk)を導入した例と、これら遺伝子を効率よく発現させることによるマンノース発酵性付与の検討結果も示す。
実施例は、染色体組み込み用ベクターの構築と、E2部位へのmanAの導入を示す。
参考例および実施例で使用したプライマーは、公知のZm. mobilis由来グリセルアルデヒド−3−リン酸脱水素酵素遺伝子配列(J. Bacteriol. Vol.169 (12), 5653-5662, 1987)、公知のE. coli由来のmanAの塩基配列(Gene 32 (1-2), 41-48 (1984))、公知のZm. mobilis由来のfrkの塩基配列(J. Bacteriol. 174 (11), 3455-3460 (1992))、公知のZn. mobilisゲノムE2配列(Biosci. Biotech. Biochem., 59(2), 289-293 (1995) DNAのAccession number D17524 (DDBJ, EMBL))に基づいて設計した表1に示すプライマーである。
[表1]
manAプライマー
manA(1)(配列番号1):CGGAATTCGTTCGATCAACAACCCGAATCCTATCG
manA(2)(配列番号2):CTTAATAAGTTAGGAGAATAAACATGCAAAAACTCATTAACTCAGTGCAA
manA(3)(配列番号3):TTGCACTGAGTTAATGAGTTTTTGCATGTTTATTCTCCTAACTTATTAAG
manA(4)(配列番号4): CGCGGATCCTTACAGCTTGTTGTAAACACGCGCTA
frkプライマー
frk(1)(配列番号5):CGCGGATCCGTTCGATCAACAACCCGAATCCTATC
frk(2)(配列番号6):CTTAATAAGTTAGGAGAATAAACATGAAAAACGATAAAAAAATTTATGGA
frk(3)(配列番号7):TCCATAAATTTTTTTATCGTTTTTCATGTTTATTCTCCTAACTTATTAAG
frk(4)(配列番号8):GGCGTCGACTTCCAAAATCCCTTTTCGGTTAAGAA
E2プライマー
E2(1) (配列番号9) :ACTTAATAAGTTAGGAGAATAAACATGTTGAATAAAGCAGGCATTGCAGA
E2(2) (配列番号10):GCTCTAGATCATTATTTATTCAATAAAGACAGGGC
E2(3) (配列番号11):AGCAAATAATTTCTGGGATTTCCGC
E2(4) (配列番号12):AGGCCGCTCCGTCTGG
表1にまとめた合成オリゴヌクレオチドの組み合わせにより、目的遺伝子を含むDNA断片をPCRにより増幅した。
まず、Zm. mobilisの野生株 (IFO13756)のクロモゾームDNA(Chr. DNA)を鋳型として1次PCRを行い、gapプロモーターを増幅させた。同様に、E. coli K12株のChr. DNAを鋳型とし、manAを増幅させた。次に、2つのPCR産物を用いてヘテロ二本鎖を形成し、2次PCRを行い、gap-manA断片を構築して、ベクターpUC118のHincIIサイトにライゲーションさせ、E. coli JM109株へ形質転換した。
挿入断片のシークエンスを行った結果、データベースに登録されているmanAの塩基配列と一致したことからpUC118-manAとした。
Zm. mobilisのChr. DNAを鋳型として1次PCRを行い、gapプロモーターとfrkを増幅させた。次に、2つのPCR産物を用いてヘテロ二本鎖2を形成し、次PCRを行い、gap-frk断片を構築した。構築したgap-frk断片を平滑化し、ベクターpUC118のHincIIサイトにライゲーションさせ、E. coli JM109株へ形質転換した。
挿入断片のシークエンスを行った結果、データベースに登録されているfrkの塩基配列と一致したことからpUC118-frkとした。
図2にこのクローニング操作をまとめる。
pSTV29-manAの構築:E. coli用ベクターpSTV29とpUC118-manAをEcoRIおよびBamHIで消化し切り出した。その断片のライゲーション反応を行った。クロラムフェニコール耐性(Cmr)、X-gal、IPTG入り寒天培地にプレーティングし、形質転換したpSTV29-manAについて、欠損lacZ遺伝子であるためX-galによるカラーセレクションを行った。その結果、manAの増幅断片を確認することができ、さらにBamHI、EcoRIで消化確認したところ3.0 kbp、1.4 kbpにバンドが検出された。以上からpSTV29-manAを構築することができたことを確認した。
図3にこの構築操作をまとめる。
pSZ1-manAの構築:構築したpSTV29-manAおよび、E. coliとZm. mobilis間のシャトルベクターpZA323内のザイモモナス由来遺伝子部位からpSZ1-manAの構築を試みた。まず、pSTV29-manAをHindIIIで消化しBAP処理(アルカリフォスファターゼ1μL、30分×2)をした後、DNA断片を切り出した。pZA323もHindIIIで消化後、pZA3部位を切り出した。ベクター2μL、挿入断片5μLの割合で混合し、ライゲーション反応を一晩行った。それをE. coli JM109に形質転換してクロラムフェニコール(Cm)100μL入りLB寒天培地に塗布した。多数のコロニーが形成しており、それからプラスミド抽出を行い、SalIとHindIIIで消化確認したところ、それぞれ5.8 kbp、4.4 kbp、1.4 kbpの位置にバンドが検出された。以上のことより、pSZ1-manA(5.8 kbp)が構築できたことを確認した。
図4にこの構築操作をまとめる。
pSZ1-manA-frkの構築:先に構築したpSZ1-manA(5.8 kbp)をBamHIおよびSalIで切り出し、アルカリホスファターゼ処理した。また、frk(1.2 kbp)断片はpUC118-frkからBamHIおよび SalIで切り出した。これら二つの断片をライゲーションし、E. coli JM109の形質転換を行った。生育したコロニーから適当なコロニーを選びプラスミド抽出を行い、BamHIおよびSalIで消化確認を行った。BamHI消化では7.0 kbp、BamHIとSalIの両方で消化した時には5.8 kbpと1.2 kbpの位置にバンドが見られ、これをもってpSZ1-manA-frkを構築できたことを確認した。
図5にこの構築操作をまとめる。
構築したpSZ1-manAを用いて、Zm. mobilis IFO13756(以下、Zm. mobilis Z6と称する)の形質転換を行った。5〜10μLのプラスミドをコンピテントセルと混合しエレクトロポレーション法により形質転換を行い、遺伝子の導入を行った。形質転換株からプラスミド抽出後、PCRを行ったところ、1.4 kbpに遺伝子の増幅が見られ、manA遺伝子の導入を確認した。同様に、pSZ1-manA-frkによるZm. mobilis Z6の形質転換を行った。エレクトロポレーション後、プラスミドの抽出を行い、E. coli JM109[pSZ1-manA-frk]と比較してmanAおよびfrk遺伝子の導入を確認した。また、ネガティブコントロールとして、構築したpSZ1を用いて、同様にZm. mobilis Z6の形質転換を行った。5μLのpSZ1をコンピテントセルと混合してエレクトロポレーション法により形質転換を行った。プラスミド抽出後、JM109[pSZ1]から得たプラスミドと比較してpSZ1の導入を確認した。
(2)Zm. mobilis内でのマンノースオペロン遺伝子の発現
導入した遺伝子の発現を確認するため、Zm. mobilis Z6および遺伝子組換え体を用いて酵素活性測定を行った。無細胞抽出液を20mM KPBで一晩透析して酵素液とし、PMI活性とFK活性を測定した。
結果を表2に示す。
[表2]
表2に示すごとく、Zm. mobilis Z6はPMI活性を示さず、微弱なFK活性を持つことを確認した。また、ネガティブコントロールのpSZ1を導入した形質転換株においても同様であった。しかし、manAと共にfrkを導入することによりPMI活性が約2倍程度上昇しており、組換え株は野性株およびネガティブコントロールに比べてみると大幅な活性増加を明らかにした。2%マンノース培地で培養した場合でもfrkを導入することによりPMI活性に大幅な増加が見られた。一方、FK活性ではfrkの導入による活性値の著しい活性上昇は認められなかった。マンノース培地を用いるとPMI活性は増加し、RM培地ではFK活性の増加が見られた。
マンノース発酵性遺伝子を導入した形質転換体を、2%マンノース培地10mLに植菌し、30℃で前培養し、そこから1mL採取して100mLの2%グルコース、2%マンノース、2%グルコース+2%マンノース培地に植え継いだ。12時間毎に増殖測定(OD610)およびHPLC測定用にサンプリングを行った。
結果を図6に示す。
manA導入Zm. mobilis:2%マンノースのみで培養を行った場合、マンノースを72〜84時間に消費して、理論収率に近いエタノールを生産した。一方、グルコースとマンノースの混合培地では相乗効果による発酵性の向上が認められ、マンノースのみと比べ12〜36時間の短縮が見られ、並行発酵が可能であることが明らかになった。さらに、4%マンノースでは、理論収率のエタノール生産を達成しており、混合培地において発酵時間の短縮も可能であることが明らかになった。
manAとfrk導入Zm. mobilis:2%マンノースのみで培養を行った場合、エタノール変換には36〜48時間を要した。また、グルコースとマンノースの混合培地ではマンノースのみに比べ発酵時間は約12時間短縮した。さらに、4%マンノースでのmanAとfrk導入株においては理論収率のエタノール生産性を示した。
以上の結果から、Zm. mobilisにmanAのみの導入により、新たにマンノース発酵性を付与することに成功したことが判明。さらに、グルコースとマンノースの混合条件下では、マンノースのみに比べて発酵速度の向上と並行発酵が可能であることを明らかなった。
染色体組込み用ベクターをE2部位をターゲットにして行った構築図を図7に示す。
ベクターpUZE2d(4.8 kb)をNdeI処理、平滑化、ついでBAPP処理してDNAを切出した。また、pUC118-manA(4.8 kb)からPgap-manA(1.5 kb)をBamHIとEcoRIで消化し、平滑化し、manA断片を切出した。その後ライゲーション・ハイ(Ligation high)とT4リガーゼを用いて4℃、16℃で一晩ライゲーションさせ、ヒート・ショック(Heat shock)法によりE. coli JM109の形質転換を行い、プラスミド抽出を行った。その抽出したプラスミドからmanA(1)およびmanA(4)プライマーを用いて1.5 kbpのmanA断片をPCRにより確認した。さらに、EcoRVとKpnIで消化したところ、E2遺伝子と順方向であることを示す4.8 kbp、1.5 kbp断片であることを示す5.3 kbp断片のバンドを検出した。このとから、これをプラスミドpUZE2d'-manAとした。
(2)Zm. mobilis染色体DNAへのmanAの組込み確認
Zm. mobilis Z6株に対して、高濃度のプラスミド溶液を用いたエレクトロポレーション法により形質転換を行った。次に、3回の継代培養を行い2%マンノース−RWプレートに塗布した。その後3日から約2週間培養を続け、生育した大きなコロニーを任意に選び出し、2%マンノース−RM液体培地に接種した。生育した菌体懸濁液を集菌し、一度滅菌MilliQ水で洗浄後、1mLの滅菌MilliQ水に懸濁してDNA抽出用サンプルとした。その抽出液50μLの内1μLからmanAプライマーmanA(1)、manA(4)およびE2プライマーE2(1)、E2(2)によるPCR増幅を行った。その結果、manAプライマーによる増幅では、manA断片(1.5 kbp)が、また、E2プライマーによる増幅では2.8 kbpにバンドが検出された。これは、E2(1.3 kbp)にmanA(1.5 kbp)を組込んだ断片の2.8 kbpに合致することから、染色体DNA上のE2部位にmanAが挿入されたことが裏付けられた。
manAが染色体に組み込まれた菌株は、Zymomonus mobilis Z6 E2:manAと命名(略称ZymomonasE2M)し、平成17年7月1日から、茨城県つくば市東1−1−1 中央第6の、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに受託番号FERM P−20581の下で寄託してある。
(3)染色体へ組込んだmanAの発現
染色体へmanAを組込んだ3種の株を用いて、manAの発現を確認するためPMI、FK活性測定を行った。また炭素源の違いによる活性値の比較も行った。
その結果を表3に示す。
[表3]
染色体組込み株のグルコース培地での場合以外では、ベクター導入株より高いPMI活性値を有しており、活性値は比較的近似していたことから遺伝子が安定して複製し発現していることが判明した。
(4)染色体組込み株の発酵性試験
染色体組込み株をグリセロールストックから2%マンノース−RM培地に植菌し、そのOD610nm=0.8〜1.0付近もしくは対数増殖期後期の菌体懸濁液120μLを新鮮な2%糖濃度の培地12mLへ接種し、経時的にサンプリングし、生育度の測定とHPLC分析を行った。
結果を図8に示す。
図8から明らかなごとく、マンノース培地では、グルコース培地での生育度に比べ約半分であったが36時間までにマンノースを完全に消費し理論収率のエタノール生産力を有していた。混合培地においてはグルコース、マンノースともにスムーズな代謝と並行発酵が確認でき2日ほどで完全に消費した。ベクター導入株より安定した発酵性能を有していた。
そこで、実施例におけるごとく、Zm. mobilisの実用菌を育種するため染色体に配位したE2をターゲットとし、構築した染色体組込みプラスミドを用いて、ダブルクロスオーバーにより染色体E2部位にmanAを挿入した染色体組込み株の開発に成功した。PMI、FK活性測定を行ったところ、染色体に組込んだmanAはベクター導入株(manA+frk)のPMI活性値と同等あるいはそれ以上の活性値を有しており、発酵性試験も行ったところ、マンノースからのスムーズなエタノール発酵生産が確認できた。
かくして、本発明によれば、ホスホマンノースイソメラーゼをコードする外来遺伝子をザイモモナス属細菌の染色体に組み込むことにより、安定なマンノース発酵性の付与が可能となり、当該菌株を、マンノースを含有する原料からのエタノールの効率的な生産に利用することができる。
配列番号2:E. coliのmanAをコードするDNA増幅用に設計したオルゴヌクレオチド・プライマー。
配列番号3:E. coliのmanAをコードするDNA増幅用に設計したオルゴヌクレオチド・プライマー。
配列番号4:E. coliのmanAをコードするDNA増幅用に設計したオルゴヌクレオチド・プライマー。
配列番号5:Zm. mobilisのfrkをコードするDNA増幅用に設計したオルゴヌクレオチド・プライマー。
配列番号6:Zm. mobilisのmanAをコードするDNA増幅用に設計したオルゴヌクレオチド・プライマー。
配列番号7:Zm. mobilisのmanAをコードするDNA増幅用に設計したオルゴヌクレオチド・プライマー。
配列番号8:Zm. mobilisのmanAをコードするDNA増幅用に設計したオルゴヌクレオチド・プライマー。
配列番号9:Zm. mobilisの染色体E2部位をコードするDNA増幅用に設計したオルゴヌクレオチド・プライマー。
配列番号10:Zm. mobilisの染色体E2部位をコードするDNA増幅用に設計したオルゴヌクレオチド・プライマー。
配列番号11:Zm. mobilisの染色体E2部位をコードするDNA増幅用に設計したオルゴヌクレオチド・プライマー。
配列番号12:Zm. mobilisの染色体E2部位をコードするDNA増幅用に設計したオルゴヌクレオチド・プライマー。
Claims (1)
- ホスホマンノースイソメラーゼをコードするエシェリヒア・コリ(Escherichia coli)由来の外来遺伝子を、相同組換え法によるダブルクロスオーバーによってザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)の染色体上のレバンスクラーゼ遺伝子内に組み込んでなるザイモモナス属細菌であるZymomonas mobilis Z6 E2:manA(FERM P−20581)。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005201801A JP4528972B2 (ja) | 2005-07-11 | 2005-07-11 | 染色体組み込みマンノース発酵性ザイモモナス属細菌 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005201801A JP4528972B2 (ja) | 2005-07-11 | 2005-07-11 | 染色体組み込みマンノース発酵性ザイモモナス属細菌 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007014306A JP2007014306A (ja) | 2007-01-25 |
JP4528972B2 true JP4528972B2 (ja) | 2010-08-25 |
Family
ID=37752004
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005201801A Active JP4528972B2 (ja) | 2005-07-11 | 2005-07-11 | 染色体組み込みマンノース発酵性ザイモモナス属細菌 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4528972B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2009081941A1 (ja) * | 2007-12-25 | 2011-05-06 | 国立大学法人鳥取大学 | 木質系および草本系バイオマス糖化液からのバイオエタノール並行発酵菌 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1996040952A1 (en) * | 1995-06-07 | 1996-12-19 | Genemedicine, Inc. | Plasmid for delivery of nucleic acids to cells and methods of use |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB9602796D0 (en) * | 1996-02-12 | 1996-04-10 | Innes John Centre Innov Ltd | Genetic control of plant growth and development |
-
2005
- 2005-07-11 JP JP2005201801A patent/JP4528972B2/ja active Active
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1996040952A1 (en) * | 1995-06-07 | 1996-12-19 | Genemedicine, Inc. | Plasmid for delivery of nucleic acids to cells and methods of use |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2007014306A (ja) | 2007-01-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6566107B1 (en) | Recombinant Zymomonas mobilis with improved xylose utilization | |
EP0737742A2 (en) | Pentose fermentation by recombinant zymomonas | |
JP4124270B1 (ja) | グルコース・マンノース・キシロース並行発酵性菌およびそれを用いるバイオエタノールの製造方法 | |
US20230332187A1 (en) | Construction of a lactobacillus casei ethanologen | |
US6107093A (en) | Recombinant cells that highly express chromosomally-integrated heterologous genes | |
US20070172937A1 (en) | Recombinant cells that highly express chromosomally-integrated heterologous genes | |
US10947519B2 (en) | Yeast strains co-expressing exogenous glucoamylases, the method for obtaining said yeast strains and the use thereof to produce bioethanol | |
EP0560885B1 (en) | Recombinant cells that highly express chromosomally-integrated heterologous genes | |
US7374939B1 (en) | Method of inactivation of an end product of energy metabolism in Zymomonas mobilis | |
JP5813977B2 (ja) | Kluyveromyces属の変異体酵母及びこれを用いたエタノールの製造方法 | |
WO2011005554A2 (en) | Recombinant ethanologenic bacteria | |
CN106434402B (zh) | 一株表达木糖异构酶的酿酒酵母菌株及其构建方法 | |
JP4528972B2 (ja) | 染色体組み込みマンノース発酵性ザイモモナス属細菌 | |
Kita et al. | Isolation of thermophilic acetogens and transformation of them with the pyrF and kanr genes | |
KR101202737B1 (ko) | 재조합 효모를 이용한 글리세롤로부터 에탄올의 제조방법 | |
Ingram et al. | Biochemical and genetic improvement of Zymomonas mobilis | |
CN113234653B (zh) | 一种提高合成气发酵产乙醇含量的突变株和利用突变株的应用 | |
KR101476047B1 (ko) | 신규의 갈락토스 고대사균 및 이를 이용한 바이오매스 대사방법 | |
Su et al. | Preliminary investigation of metabolic engineering in a novel host bacterium Corynebacterium crenatum for alcohol biofuel production | |
JP4686709B2 (ja) | マンノース発酵性ザイモバクター属形質転換微生物 | |
JP2005261421A (ja) | ペントース発酵性ザイモバクター属形質転換微生物 | |
CN117844837A (zh) | 产琥珀酸的大肠杆菌基因工程菌的构建方法与应用 | |
CN117802013A (zh) | 利用甲酸合成靛蓝素的需钠弧菌 | |
CN117286086A (zh) | 协同利用葡萄糖和木糖的谷氨酸棒杆菌工程菌的构建与应用 | |
US20140170724A1 (en) | Replicating expression vector and methods |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070607 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100209 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100408 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100506 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |