JP2013545491A - バイオマス加水分解物培地中でのキシロース資化性ザイモモナス・モビリスによるエタノール産生の向上 - Google Patents
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Abstract
バイオマス加水分解物を含む培地中での性能が改善されたザイモモナス(Zymomonas)キシロース資化性エタノール産生株を、適応工程を使用して単離した。別々に単離された株は、同じコード領域において独立した変異を有することが見出された。このコード内の変異は、改善された表現型が与えられるようにエンジニアリングすることが可能である。
Description
米国政府の権利についての記述
本発明は、米国エネルギー省によって授与された契約番号第DE−FC36−07GO17056の下に、米国政府の支援を得て為されたものである。米国政府は、本発明において所定の権利を有する。
本発明は、米国エネルギー省によって授与された契約番号第DE−FC36−07GO17056の下に、米国政府の支援を得て為されたものである。米国政府は、本発明において所定の権利を有する。
本発明は、微生物学および発酵の分野に関する。より具体的には、バイオマス加水分解物培地中での生育およびエタノール産生が改良された変異体ザイモモナス(Zymomonas)株を単離し、特徴付けた。
微生物によるエタノール産生は、化石燃料に代わるエネルギー源となっているため、現在の研究領域として重要性が大きい。エタノールだけでなく他の有用な生成物も産生する微生物は、ヒトによる食糧供給に影響しない培地(例えばトウモロコシ穀粒から生成される糖類の利用が回避されるような培地)中で生育しかつエタノールを産生する能力を有することが望ましい。セルロースバイオマス加工が進展した結果、グルコース、キシロースおよび他の糖は、バイオマス加水分解物における発酵用に高濃度で放出し得る。このように、バイオマスからエタノールに変換し、再生可能な非食糧リソースを使用して化石燃料の代替を提供すれば、環境への影響を改善できる可能性が高い。
天然ではキシロースを資化しないザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)および他の細菌のエタノロジェンに対しては、バイオマス加水分解物中の糖の利用率を高めてキシロース資化による生育およびエタノール産生を改善するための遺伝子操作が為されてきた。しかし、培地を含むバイオマス加水分解物中には、微生物に対して抑制的なアセテートおよび他の化合物が存在するため、生育およびエタノール産生は一般的に最適ではない。共通の所有者を有する同時係属中の米国特許出願公開第20110014670A1号明細書には、培地中のアセテートおよびエタノールに対する耐性に優れる改良型のキシロース資化性ザイモモナス(Zymomonas)株を生成するための方法、ならびに本方法で単離される株が開示されている。
前処理されたバイオマスの加水分解物中によく見出される単一化合物の毒性による影響は、Delegenes et al.((1996)Enzymes and Microbial Technology 19:220−224)に記述されている。キシロース発酵性付与ザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)を調整済みユリノキ(yellow−poplar)ヘミセルロースの希酸加水分解物に適応させる方法は、Lawford et al.((1999),Applied Biochemistry and Biotechnology 77:191−204)に記述されている。
バイオマス加水分解物培地での発酵中にエタノール産生を改善する単離型のキシロース資化性ザイモモナス(Zymomonas)のエタノロジェン株に対するニーズが存続しているだけでなく、改良型株が生成されるように遺伝子操作する方法も依然として求められている。
本発明は、バイオマス加水分解物培地中での生育およびエタノール産生が改善された組換えキシロース資化性ザイモモナス(Zymomonas)株を提供する。加えて、本発明は、加水分解物培地中で使用される改良型ザイモモナス(Zymomonas)株の製造方法、および前記株を使用したエタノール製造方法を提供する。
したがって、本発明は、zmo1432オープンリーディングフレーム中に少なくとも1つの遺伝的改変を有するザイモモナス(Zymomonas)属の、キシロース資化性エタノール産生性組換え微生物を提供する。
一態様において本発明は、配列番号3および配列番号4からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、およびそれをコードするポリヌクレオチドを提供する。
別の態様において本発明は、
a) ザイモモナス(Zymomonas)属のキシロース資化性エタノール産生微生物を提供する工程と、
b) 配列番号3および配列番号4からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする、ポリヌクレオチドを提供する工程と、
c) 内在性zmo1432コード領域が中断されるように、b)のポリヌクレオチドをa)の微生物内に導入する工程と、
を含む、組換えザイモモナス(Zymomonas)の作製方法を提供する。
a) ザイモモナス(Zymomonas)属のキシロース資化性エタノール産生微生物を提供する工程と、
b) 配列番号3および配列番号4からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする、ポリヌクレオチドを提供する工程と、
c) 内在性zmo1432コード領域が中断されるように、b)のポリヌクレオチドをa)の微生物内に導入する工程と、
を含む、組換えザイモモナス(Zymomonas)の作製方法を提供する。
代替の態様において本発明は、
a) 配列番号2に示すアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするzmo1432オープンリーディングフレームを含む、ザイモモナス(Zymomonas)属のキシロース資化性エタノール産生微生物を提供する工程と、
b) a)のzmo1432オープンリーディングフレームに変異を導入し、変異したオープンリーディングフレームの発現によって配列番号3および配列番号4からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを発現させる工程と、
を含む、組換えザイモモナス(Zymomonas)の作製方法を提供する。
a) 配列番号2に示すアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするzmo1432オープンリーディングフレームを含む、ザイモモナス(Zymomonas)属のキシロース資化性エタノール産生微生物を提供する工程と、
b) a)のzmo1432オープンリーディングフレームに変異を導入し、変異したオープンリーディングフレームの発現によって配列番号3および配列番号4からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを発現させる工程と、
を含む、組換えザイモモナス(Zymomonas)の作製方法を提供する。
別の態様において本発明は、
a) 本発明の組換えザイモモナス(Zymomonas)を提供する工程と、
b) キシロース含有のバイオマス加水分解物培地を提供する工程と、
c) エタノールを産生するb)のバイオマス加水分解物培地中でa)のザイモモナス(Zymomonas)を生育する工程と、
を含むエタノールの生産方法を提供する。
a) 本発明の組換えザイモモナス(Zymomonas)を提供する工程と、
b) キシロース含有のバイオマス加水分解物培地を提供する工程と、
c) エタノールを産生するb)のバイオマス加水分解物培地中でa)のザイモモナス(Zymomonas)を生育する工程と、
を含むエタノールの生産方法を提供する。
図面、生物学的寄託、および配列の簡単な説明
出願人らは、「特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約」の条項に基づいて、以下の生物学的寄託を行った。
寄託された株の情報
出願人らは、「特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約」の条項に基づいて、以下の生物学的寄託を行った。
寄託された株の情報
以下の配列は、連邦規則集第37巻:特許法施行規則(37C.F.R.)の1.821−1.825(「ヌクレオチド配列および/またはアミノ酸配列開示を含む特許出願の要件−配列規則」(Requirements for Patent Applications Containing Nucleotide Sequences and/or Amino Acid Sequence Disclosures−the Sequence Rules))に準拠し、世界知的所有権機関(WIPO)標準ST.25(2009)およびEPOおよびPCTの配列リスト要件(規則5.2および49.5(aの2)、ならびに実施細則第208号および附属書C)と一致する。ヌクレオチドおよびアミノ酸の配列データに用いられている記号および形式は、連邦規則集第37巻:特許法施行規則(37C.F.R.)の1.822に規定された一連の規則に準拠したものである。
配列番号1は、公開されたザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)のゲノム配列(NCBIリファレンス:NC_006526.2)中の、zmo1432と呼ばれるコーディング領域のヌクレオチド配列である。
配列番号2は、公開されたザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)のゲノム配列(NCBIリファレンス:NC_006526.2)中の、zmo1432と呼ばれるコーディング領域内でコードされたアミノ酸配列である。
配列番号3は、位置番号366のアミノ酸がアルギニンに変わることを除き、配列番号2のアミノ酸配列と同じである。
配列番号4は、位置番号117におけるアミノ酸がフェニルアラニンに変わることを除き、配列番号2のアミノ酸配列と同じである。
配列番号5は、fusC(受託番号P24128)にコードされたバークホルデリア・セノセパシア(Burkholderia cenocepacia)タンパク質のアミノ酸配列である。
配列番号6は、クレブシエラ・オキシトーカ(Klebsiella oxytoca)のフザリン酸解毒タンパク質(受託番号Q48403)のアミノ酸配列である。
配列番号7は、Bcenmc03_1426にコードされたバークホルデリア・セノセパシア(Burkholderia cenocepacia)タンパク質のアミノ酸配列である。配列番号8は、E.coliタンパク質AaeBのアミノ酸配列である。
配列番号9は、位置1〜16に対応する予測されたシグナル配列を含む、未成熟Xyn3のアミノ酸配列である。
配列番号10は、位置1〜23に対応する予測されたシグナル配列を含む、未成熟Fv3Aのアミノ酸配列である。
配列番号11は、位置1〜20に対応する予測されたシグナル配列を含む、未成熟Fv43Dのアミノ酸配列である。
配列番号12は、位置1〜19に対応する予測されたシグナル配列を含む、未成熟Fv51Aのアミノ酸配列である。
本発明は、バイオマス加水分解物培地中のキシロース資化性ザイモモナス(Zymomonas)菌体の生育およびエタノール産生を改善するように適応させることについて記述している。適応株における変異の特徴付けによって、改善のための変異特性が同定された。この変異特性は、非適応のキシロース資化性ザイモモナス(Zymomonas)株においてエンジニアリングすることが可能である。これらの株を使用することによって、エタノール産生の効率を高め、化石燃料の代替となるエタノールを生成できる。
明細書および特許請求の範囲を解釈するにあたって、下掲の略語および定義を使用する。
本明細書において、「含む(comprises)」、「含んでなる(comprising)」、「具備する(includes)」、「具備してなる(including)」、「有する(has)」、「有してなる(having)」、「含有する(contains)」もしくは「含有してなる(containing)」という用語、他の何らかの変形態様は、非排除的な包含を規定することを意図したものである。例えば、要素のリストを含む組成物、混合物、工程、方法、物品または装置は、必ずしもそれらの要素だけに限定されるわけでなく、明示的に記載されていない他の要素、またはそのような組成物、混合物、工程、方法、物品もしくは装置に固有の他の要素も包含し得る。更に、そうでない旨を明示的に記述しない限り、「または(or)」は、排他的論理和(exclusive or)でなく包含的論理和(inclusive or)を指す。例えば、条件AまたはBは、以下のいずれか1つによって満たされる:条件AまたはBは、「Aが真で(または存在し)かつBが偽である(または存在しない)」、「Aが偽で(または存在せず)かつBが真である(または存在する)」、ならびに「AおよびBが共に真である(または存在する)」。
また、本発明の要素または成分に先行する不定冠詞「或る(a)」、および「或る(an)」は、要素または成分の実例(即ち、実現値)の数に関して非制限的であることを意図している。ゆえに、「或る(a)」または「或る(an)」は1つまたは少なくとも1つを含むと読むべきであり、数が単一である旨が明らかに意味されていない限り、要素または成分の単数形の単語も複数を包含する。
本明細書において「キシロース資化性ザイモモナス(Zymomonas)菌体」は、キシロースを発酵用の炭水化物源として利用する能力を付与する酵素を発現するように遺伝子操作される株の菌体を指す。
「適応株」という用語は、特定の条件下で生育して生成物を産生する能力を向上させるために、そうした条件で生育するように選択された微生物を指す。
本明細書において「対応する非適応株」とは、本明細書に開示されているバイオマス加水分解物適応工程を使用して改良型株を生成する元となるキシロース資化性ザイモモナス(Zymomonas)原株を指す。
本明細書において「補給用の成長培地」とは、連続培養容器に添加される培地を指す。
「リグノセルロースバイオマス」あるいは「バイオマス」という用語は、任意のリグノセルロース材料を指し、セルロース、ヘミセルロース、リグニン、デンプン、オリゴ糖類および/または単糖類を含む材料を包含する。バイオマスはまた、タンパク質および/または脂質等の付加的な成分を含んでいてもよい。バイオマスは、単一の源に由来してもよく、またはバイオマスは、1つ以上の源に由来する混合物を含むことも可能である。例えば、バイオマスは、トウモロコシ穂軸およびコーンストーバの混合物、または草および葉の混合物を含んでいてもよい。リグノセルロースバイオマスは、バイオ燃料用作物、農業残渣、都市ごみ、産業廃棄物、製紙スラッジ、庭ごみ、木材および林業廃物を含むが、これらに限定されない。バイオマスの例としては、限定はされないが、トウモロコシ穂軸、作物残渣(トウモロコシ外皮、コーンストーバ、草、小麦藁、大麦藁、干し草、稲藁、スイッチグラス、廃紙、砂糖黍バガス、モロコシ植物材料、大豆植物材料等)、穀粒、樹木、枝、根茎、葉、木片、鋸屑、潅木および低木の粉砕により得られる成分、野菜、果物および花が挙げられる。
本明細書で用いられている「バイオマス加水分解物」および「セルロース加水分解物」は、バイオマスから生成された生成物、一般的に前処理および糖化工程を経たセルロース材料を指す。加水分解物および他の生成物中には、発酵性糖が存在する。
本明細書において「バイオマス加水分解物培地」とは、セルロースバイオマスおよび/またはリグノセルロースバイオマスから調製された加水分解物を少なくとも約50%含有する培地を指す。加水分解物はバイオマスの糖化によって調製され、事前に前処理が行われるのが一般的である。培地は、加水分解物に加えて、生触媒の生育および生産用に定められた成分を含んでいてもよい。
「Xyn3」は、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)由来のGH10ファミリーのキシラナーゼである。Xyn3(配列番号9)は、エンドキシラナーゼ活性を間接的に有する。このことは、前処理されたバイオマスまたは単離されたヘミセルロースに対して酵素が作用したときに、キシロシダーゼ(xylobiosidase)の存在下にてXyn3がキシロースモノマー産生の増大を触媒する能力を有することを観測することによって立証された。
「Fv3A」は、フザリウム・ベルチシルリオイデス(Fusarium verticillioides)由来のGH3ファミリーの酵素である。Fv3A(配列番号10)は、例えばp−ニトロフェニル−β−キシロピラノシド、キシロビオース、混合直鎖状キシロ−オリゴマー、ヘミセルロース由来の分枝アラビノキシランオリゴマー、または希釈アンモニアで前処理した穂軸を基質として用いた酵素アッセイにて、β−キシロシダーゼ活性を有することが立証された。
「Fv43D」は、フザリウム・ベルチシルリオイデス(Fusarium verticillioides)由来のGH43ファミリーの酵素である。Fv43D(配列番号11)は、例えばp−ニトロフェニル−β−キシロピラノシド、キシロビオース、および/または混合直鎖状キシロ−オリゴマーを基質として用いた酵素アッセイにて、β−キシロシダーゼ活性を有することが立証された。
「Fv51A」は、フザリウム・ベルチシルリオイデス(Fusarium verticillioides)由来のGH51ファミリーの酵素である。Fv51A(配列番号12)は、例えば4−ニトロフェニル−α−L−アラビノフラノシドを基質として用いた酵素アッセイにて、L−α−アラビノフラノシダーゼ活性を有することが立証された。
「遺伝子」とは、特異的タンパク質または機能RNA分子を発現させる核酸フラグメントを指し、コード配列に先行する調節配列(5’非コード配列)およびコード配列に続く調節配列(3’非コード配列)が含まれていてもよい。「生来の遺伝子」あるいは「野生型遺伝子」とは、自然界に見出される固有の調節配列を有する遺伝子を意味する。「キメラ遺伝子」とは、自然界に共に見出されない調節配列およびコーディング配列を含んでなる、生来の遺伝子でない任意の遺伝子を指す。したがって、キメラ遺伝子は、種々の源に由来する調節配列およびコード配列、または同じ源に由来する調整配列およびコード配列を含み得るが、自然界に見出されるものとは異なる仕方で配列される。「内因性遺伝子」とは、生物のゲノムにおける自然の位置にある生来の遺伝子を指す。「外来」遺伝子とは、通常は宿主生物内に見出されないが、遺伝子導入によって宿主生物内に導入される遺伝子を指す。外来遺伝子は、天然でない生物に挿入される生来の遺伝子、またはキメラ遺伝子で構成し得る。
「遺伝子構築物」という用語は、1つ以上の特異的タンパク質または機能RNA分子の発現をコードする核酸フラグメントを指す。遺伝子構築物において、遺伝子は、生来、キメラ、または自然界にはない外来性のものであり得る。遺伝子構築物は典型的に「コード配列」を含む。「コード配列」とは、特異的アミノ酸配列をコードするDNA配列を指す。
「プロモータ」あるいは「開始制御領域」とは、コード配列または機能RNAの発現を制御する能力を持つDNA配列を指す。一般に、コード配列はプロモータ配列の3’側に局在する。プロモータは、完全に生来の遺伝子から誘導することも、自然界に見出される種々のプロモータに由来する種々の要素から構成することも可能であり、更には合成DNAセグメントを含むことさえ可能である。種々のプロモータは、種々の発達段階で、または種々の環境状態に応答して、種々の組織内または種々の菌体タイプの遺伝子の発現を指図し得る。このことは、当業者によって理解されるであろう。ほとんど菌体タイプにおいてほとんどの場合に遺伝子を発現させるプロモータは、一般に「構成的プロモータ」と呼ばれる。
本明細書で用いられている「発現」という用語は、遺伝子に由来するコーディングRNA(mRNA)または機能RNAの転写および安定した蓄積を指す。発現は、mRNAをポリペプチドに翻訳することを指す場合もある。「過剰発現」は、トランスジェニック生物において遺伝子産物の産生が、通常の生物(即ち、形質転換されていない生物)における産生のレベルを超えることを指す。
本明細書で以降用いられる「形質転換」という用語は、宿主生物に核酸フラグメントを導入した結果として遺伝的に安定した遺伝形質が生じることを指す。形質転換された核酸は、宿主細胞内で維持されるプラスミドの形態、または宿主細胞のゲノム内に組み込むことの可能な何らかの変形された核酸の形態を取り得る。形質転換された核酸フラグメントを含む宿主生物は、「トランスジェニック」生物または「組み換え」生物または「形質転換」生物と呼ばれる。
本明細書で用いられている「プラスミド」および「ベクター」という用語は、細胞の中心的代謝の一部ではない遺伝子を運ぶことが多い余分の染色体要素を指し、通常は環状二本鎖DNA分子の形態を取る。そのような要素は、任意の源に由来する自律複製配列(autonomously replicating sequence)、ゲノム組み込み配列、ファージ配列またはヌクレオチド配列、線状または環状の一本鎖もしくは二本鎖DNAまたはRNAであってよく、それらの要素においては、幾つかのヌクレオチド配列が固有の構成体に結合されるかまたは再結合されており、この構成体は、選択された遺伝子産物のプロモータフラグメントおよびDNA配列を、適切な3’未翻訳配列と一緒に細胞内に導入できる。
「作動可能に連結(operably linked)」という用語は、一方の機能が他方によって影響されるような、単一核酸フラグメントに対する核酸配列の会合を指す。例えば、或るコード配列の発現に対する影響力を持つプロモータは、コード配列と作動可能に連結されている(即ち、コード配列が、そのプロモータの転写制御下にある)。コード配列は、センス方向またはアンチセンス方向に向かって調節配列に作動可能に連結され得る。
「選択マーカー」という用語は、関心対象の核酸の遺伝を追跡するために、かつ/または関心対象の核酸を受け継いでいる細胞もしくは生物を同定するために用いられるマーカー遺伝子の効果(即ち、抗生物質に対する耐性)に基づいて選択され得る、同定因子(通常、抗生物質または化学物質耐性遺伝子)を意味する。
当該技術分野において公知の「同一性パーセント」という用語は、2つ以上のポリペプチド配列、または2つ以上のポリヌクレオチド配列の間の関係であり、配列同士を比較することによって定量される。当該技術分野において「同一性」とは、その状況により、ポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列間の配列の関連性の程度も意味し、そのような配列のストリング間の一致率によって定量される。「同一性」および「類似性」を容易に計算するための方法としては、限定はされないが、1.) Computational Molecular Biology(Lesk,A.M.,Ed.)Oxford University:NY(1988);2.) Biocomputing:Informatics and Genome Projects(Smith,D.W.,Ed.)Academic:NY(1993);3.) Computer Analysis of Sequence Data,Part I(Griffin,A.M.,and Griffin,H.G.,Eds.)Humania:NJ(1994);4.) Sequence Analysis in Molecular Biology(von Heinje,G.,Ed.)Academic(1987);および5.) Sequence Analysis Primer(Gribskov,M.and Devereux,J.,Eds.)Stockton:NY(1991)に記載されている既知の方法を挙げることができる。
同一性の定量方法は、試験された配列間で最高の一致率が得られるように設計されたものであることが好ましい。同一性および類似性の定量方法は、公的に利用可能なコンピュータプログラムで分類される。配列アラインメントおよび同一性パーセントは、LASERGENEバイオインフォマティクス計算スイートのMegAlign(商標)プログラム(DNASTAR Inc.,Madison,WI)を用いて計算できる。多重配列アラインメントは、「Clustalアラインメント法」を用いて実施される。この方法は、Clustal Vとラベルされるアラインメント法(Higgins and Sharp,CABIOS.5:151−153(1989);Higgins,D.G.et al.,Comput.Appl.Biosci.,8:189−191(1992)に記載)に対応する「Clustal Vアラインメント法」を含めた幾つかの種類のアルゴリズムを包含し、LASERGENEバイオインフォマティクス計算スイートのMegAlign(商標)プログラム(DNASTAR Inc.)に見出される。多重アラインメント(multiple alignment)の場合、デフォルト値は、GAP PENALTY=10およびGAP LENGTH PENALTY=10に対応する。Clustal法を使用するペアワイズアラインメントおよびタンパク質配列の同一性パーセント計算用のデフォルトパラメータは、KTUPLE=1、GAP PENALTY=3、WINDOW=5およびDIAGONALS SAVED=5である。核酸の場合、これらのパラメータはKTUPLE=2、GAP PENALTY=5、WINDOW=4およびDIAGONALS SAVED=4である。Clustal Vプログラムを用いて配列のアラインメントを終えた後は、同じプログラム中の「配列距離(sequence distances)」表を見て「同一性パーセント」を得ることができる。加えて、「Clustal Wアラインメント法」が入手可能であり、これはClustal Wと名付けられたアラインメント法(Higgins and Sharp,CABIOS.5:151−153(1989);Higgins,D.G.et al.,Comput.Appl.Biosci.8:189−191(1992)に記載)に対応しており、LASERGENEバイオインフォマティクス計算スイートのMegAlign(商標)v6.1プログラム(DNASTAR Inc.)において見出される。多重アラインメント用のデフォルトパラメータ(GAP PENALTY=10,GAP LENGTH PENALTY=0.2,Delay Divergen Seqs(%)=30,DNA Transition Weight=0.5,Protein Weight Matrix=Gonnet Series,DNA Weight Matrix=IUB)。Clustal Wプログラムを用いて配列のアラインメントを終えた後は、同じプログラムの「配列距離(sequence distances)」表を見て「同一性パーセント」を求めることができる。
加水分解物培地での発酵が改善されたザイモモナス(Zymomonas)株の作製
本発明は、zmo1432オープンリーディングフレーム中に遺伝的改変を少なくとも1つ有する、ザイモモナス(Zymomonas)属の、キシロース資化性、エタノール産生性組換え微生物を提供する。この変異による影響は、加水分解物培地中での株の作用を改善するポリペプチドを発現させ、加水分解物中で様々な成長阻害物質に対する株の耐性を増強し、エタノールの収率を増大することである。発酵作用の改善は、本明細書で配列番号1として定義されているザイモモナス(Zymomonas)ゲノム(NCBIリファレンス:NC_006526.2)において、配列番号2のポリペプチドをコードするzmo1432領域内での変異と関連していた。
本発明は、zmo1432オープンリーディングフレーム中に遺伝的改変を少なくとも1つ有する、ザイモモナス(Zymomonas)属の、キシロース資化性、エタノール産生性組換え微生物を提供する。この変異による影響は、加水分解物培地中での株の作用を改善するポリペプチドを発現させ、加水分解物中で様々な成長阻害物質に対する株の耐性を増強し、エタノールの収率を増大することである。発酵作用の改善は、本明細書で配列番号1として定義されているザイモモナス(Zymomonas)ゲノム(NCBIリファレンス:NC_006526.2)において、配列番号2のポリペプチドをコードするzmo1432領域内での変異と関連していた。
したがって、加水分解物培地中で、ザイモモナス(Zymomonas)株の発酵を改善できることが、本明細書に記載されている。このザイモモナス(Zymomonas)株は、キシロースを炭素供給源として資化する能力を有し、かつ改変前に配列番号2に対し少なくとも約95%アミノ酸同一性を有するタンパク質をコードするオープンリーディングフレーム(ORF)中に、少なくとも1つの遺伝的改変を導入することによってエタノールを生成するものである。このタンパク質は、配列番号2に対して少なくとも約95%、96%、96%、98%、99%、または100%の同一性を有し得る。前記タンパク質においては、加水分解物培地の存在下にて前記変異体タンパク質を保菌する株によって何らかの遺伝的改変が為され、エタノール産生を増大し得る。エタノール産生の増大は、同じ発酵条件下にて、遺伝的改変の無いザイモモナス(Zymomonas)株による産生と比較することによって定量される。前記ORFにおいて遺伝的改変を施された株は、当業者がバイオマス加水分解物の存在下にて本明細書中の実施例3に記載されているような方法で容易にアッセイし、エタノール産生を評価できる。前記改良型の株はバイオマス加水分解物に対する耐性に優れ、バイオマス加水分解物に対する耐性に優れ、バイオマス加水分解物には阻害物質が存在する。ここで、耐性とは、加水分解物の含量が少ないかまたは全く含まない培地と比較した所定レベル(耐性レベル)の加水分解物を有する培地におけるのと同じように、株が生育しエタノールを生成できる能力を指す。耐性が向上したことは、遺伝的改変の無いザイモモナス(Zymomonas)株との比較によって定量される。
一実施形態においては、遺伝的改変が起きると、配列番号2のアミノ酸配列の位置366が変わり、スレオニンがアルギニンで置換される。別の実施形態においては、遺伝的改変が起きると、配列番号2のアミノ酸配列の位置117が変わり、セリンがフェニルアラニンで置換される。ヌクレオチド配列に何らかの変更が為され、その結果、コドン366がアルギニンをコードするか、またはコドン117がフェニルアラニンをコードする場合があり得る。アルギニンをコードするコドンはCGT、CGC、CGA、CGG、AGA、およびAGGである。フェニルアラニンをコードするコドンはTTTおよびTTCである。
一実施形態においては、遺伝的改変は、公開済みザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)のゲノム配列(NCBI Reference:NC_006526.2)内のzmo1432と呼ばれるORFに対して少なくとも95%の配列同一性を有し、配列番号1が付いたヌクレオチド1446603〜1448633の相補鎖のコーディング配列内に存在する。配列番号1のORFは代替名で呼ばれる場合もあるが、いずれにせよ配列番号1の配列との比較でzmo1432として同定され得る。ザイモモナス(Zymomonas)種または株間でzmo1432として同定されたコード領域の配列には、幾つかのバリエーションが存在し得る。ゆえに、zmo1432として同定されるコード領域は、配列番号1に対して少なくとも約95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有し得る。また、遺伝的改変が為されたコード領域は、遺伝的改変に先立って配列番号1に対して少なくとも約95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有し得る。このコード領域は、遺伝的改変の、改変に先立つ標的となる。
記載されている遺伝的改変の少なくとも1つは、キシロースを炭素供給源として資化する能力を有し、かつ当業者に公知の何らかの方法でエタノールを産生するザイモモナス(Zymomonas)株において為され得る。そのような方法としては、本明細書中の実施例1および2で後述するような、適応、化学変異誘発およびスクリーニング、ならびに遺伝子操作による方法が挙げられる。
遺伝的改変を標的コード領域に導入するための遺伝子操作は、ダブルクロスオーバーの相同性組み換えを使用して内在性標的コード領域を上述のような変異を持つ同じコード領域で置換する方法を介したものであってよい。相同組み換えでは、標的組み込み部位の側面に位置するDNA配列が、スペクチノマイシン耐性遺伝子または他の選択可能マーカー、および置換変異体配列を取り囲むように配置され、結果として、選択可能マーカーおよびその置換変異体配列が標的ゲノム部位に挿入される。選択可能マーカーはコード領域の外側にあり、それにより、その生成物においてコード領域が発現されるようになっている。加えて、選択可能マーカーが部位特異的組み換え部位で取り囲まれ、対応する部位特異的リコンビナーゼが発現した後に耐性遺伝子がゲノムから摘出できるようにもなっている。置換変異体配を組み込むには、EPICENTRE(登録商標)のEZ::Tnインビトロ転置方式(in vitro transposition system)を使用した転置が特に好適である。この方式は、米国特許第2009−0246846A1号明細書の実施例1および6で使用されている。
代替方法として、標的内在性コード領域が発現したとしても、挿入、変異または削除などの操作によって、菌体内で中断されることもあれば、上に記載したように、変異を持ったコード領域を発現する遺伝子が、菌体中に導入されることもあり得る。コード領域を不活性化する際に用いられるザイモモナス(Zymomonas)におけるダブルクロスオーバーの相同組み換えの例は、米国特許第7,741,119号明細書に記載されている。導入された遺伝子は、そのネイティブなプロモータを含む内因性遺伝子である(変異体コード領域を有する)場合もあれば、作動可能に連結したプロモータと、中断されたコード領域に対して少なくとも約95%、96%、97%、98%または99%の同一性を有するコード領域と、を含んでなるキメラ遺伝子である場合もあり得る。キメラ遺伝子には典型的に3’末端領域が含まれる。ザイモモナス(Zymomonas)において使用され得るプロモータとしては、ZmPgapおよびザイモモナス(Zymomonas)エノラーゼ遺伝子のプロモータが挙げられる。
導入された遺伝子は、プラスミド上に維持される場合もあれば、例えば、相同組み換え、部位特異的組み込みまたはランダム組み込みを使用してゲノムに組み込まれる場合もあり得る。導入される遺伝子は、典型的には、ベクター内で構成されるか、更なる操作のためにベクターに転送される。ベクターは、当該技術分野において周知である。ザイモモナス(Zymomonas)における特に有用な発現は、米国特許第5,514,583号明細書に記載されているpZB188などのザイモモナス(Zymomonas)と大腸菌(E.coli)の両方において複製能を持つベクターである。ベクターとしては、菌体内での自律複製のためのプラスミド、および細菌ゲノム中に組み込まれる構造を担持するためのプラスミドを挙げることができる。DNA組み込みのためのプラスミドとしては、トランスポゾン(Transposon)、標的細菌ゲノムに対して相同性を持つ核酸配列の領域、または組み込みをサポートする他の配列を挙げることができる。更に別のタイプのベクターとしては、例えば、EPICENTRE(登録商標)から市販されているシステムを使用して生成されるトランスポソーム(transposome)も挙げることができる。所望の標的宿主および所望の機能に適切なベクターを選択する方法は、周知である。
宿主株
いずれのザイモモナス(Zymomonas)の株も、キシロースを炭素供給源として資化する能力を有しかつエタノールを産生するものである限り、本発明の開始株となり得る。そのような株は、加水分解物培地での適応、化学変異誘発、およびスクリーニングの目的に使用されるか、または本明細書に開示されている改良型の株を生成するために遺伝子操作される。Z.モビリス(Z.mobilis)などのように、キシロース−エタノール発酵経路を発現するようにエンジニアリングされたザイモモナス(Zymomonas)の株は、特に有用である。内因性遺伝子は、代謝経路の一部を提供する場合もあれば、またはキシロース代謝に役立つ酵素活性を有するタンパク質を提供するように、何らかの公知の遺伝子操作技術によって変更可能な場合もある。例えば、内在性トランスケトラーゼは、キシロース資化経路の作製時に、導入された他の酵素活性を補足し得る。参照によって本明細書に援用されている米国特許第5,514,583号明細書に記載されているように、キシロースの代謝に関与する4つの酵素を発現させる場合、典型的には4つの遺伝子がZ.モビリス(Z mobilis)などのザイモモナス(Zymomonas)株に導入され得る。これらには、キシロースイソメラーゼをコードする遺伝子も包含されている。このキシロースイソメラーゼによってキシロースからキシルロースおよびキシルロキナーゼへの転換が触媒され、キシルロキナーゼによってキシルロースがリン酸化されて、キシルロース5‐リン酸が形成される。加えて、トランスケトラーゼおよびトランスアルドラーゼ(ペントースリン酸経路の二酵素)は、キシルロース5‐リン酸を中間体に転換し、ペントース代謝を解糖Entner−Douderoff経路に連結して、キシロースからエタノールへの代謝を可能にする。これらの酵素をコードするDNA配列は、キシロース代謝能を有する多数の微生物(腸溶細菌、ならびに一部の酵母および真菌など)のいずれかから採取できる。コード領域の供給源としては、キサントモナス(Xanthomonas)、クレブシエラ(Klebsiella)、エシェリキア(Escherichia)、ロドバクター(Rhodobacter)、フラボバクテリウム(Flavobacterium)、酢酸菌(Acetobacter)、グルコノバクター(Gluconobacter)、根粒菌(Rhizobium)、アグロバクテリウム(Agrobacterium)、サルモネラ(Salmonella)、シュードモナス(Pseudomonads)、およびザイモモナス(Zymomonas)が挙げられる。大腸菌(E.coli)のコード領域は、特に有用である。
いずれのザイモモナス(Zymomonas)の株も、キシロースを炭素供給源として資化する能力を有しかつエタノールを産生するものである限り、本発明の開始株となり得る。そのような株は、加水分解物培地での適応、化学変異誘発、およびスクリーニングの目的に使用されるか、または本明細書に開示されている改良型の株を生成するために遺伝子操作される。Z.モビリス(Z.mobilis)などのように、キシロース−エタノール発酵経路を発現するようにエンジニアリングされたザイモモナス(Zymomonas)の株は、特に有用である。内因性遺伝子は、代謝経路の一部を提供する場合もあれば、またはキシロース代謝に役立つ酵素活性を有するタンパク質を提供するように、何らかの公知の遺伝子操作技術によって変更可能な場合もある。例えば、内在性トランスケトラーゼは、キシロース資化経路の作製時に、導入された他の酵素活性を補足し得る。参照によって本明細書に援用されている米国特許第5,514,583号明細書に記載されているように、キシロースの代謝に関与する4つの酵素を発現させる場合、典型的には4つの遺伝子がZ.モビリス(Z mobilis)などのザイモモナス(Zymomonas)株に導入され得る。これらには、キシロースイソメラーゼをコードする遺伝子も包含されている。このキシロースイソメラーゼによってキシロースからキシルロースおよびキシルロキナーゼへの転換が触媒され、キシルロキナーゼによってキシルロースがリン酸化されて、キシルロース5‐リン酸が形成される。加えて、トランスケトラーゼおよびトランスアルドラーゼ(ペントースリン酸経路の二酵素)は、キシルロース5‐リン酸を中間体に転換し、ペントース代謝を解糖Entner−Douderoff経路に連結して、キシロースからエタノールへの代謝を可能にする。これらの酵素をコードするDNA配列は、キシロース代謝能を有する多数の微生物(腸溶細菌、ならびに一部の酵母および真菌など)のいずれかから採取できる。コード領域の供給源としては、キサントモナス(Xanthomonas)、クレブシエラ(Klebsiella)、エシェリキア(Escherichia)、ロドバクター(Rhodobacter)、フラボバクテリウム(Flavobacterium)、酢酸菌(Acetobacter)、グルコノバクター(Gluconobacter)、根粒菌(Rhizobium)、アグロバクテリウム(Agrobacterium)、サルモネラ(Salmonella)、シュードモナス(Pseudomonads)、およびザイモモナス(Zymomonas)が挙げられる。大腸菌(E.coli)のコード領域は、特に有用である。
コーディングDNA配列は、Z.モビリス(Z.mobilis)菌体内で発現されるプロモータ(Z.モビリス(Z.mobilis)のプロモータ、グリセルアルデヒド−3−リン酸塩デヒドロゲナーゼ(GAPプロモータ)、およびZ.モビリス(Z.mobilis)エノラーゼ(ENOプロモータ)など)に作動可能に連結される。プロモータから別々にコード領域が発現する場合もあれば、2つ以上のコード領域が同じプロモータから発現してオペロンにおいて結合される場合もある。結果として生じたキメラ遺伝子は、ザイモモナス(Zymomonas)に導入されてからプラスミド上に維持される場合もあれば、例えば、相同組み換え、部位特異的組み込みまたはランダム組み込みを使用してゲノムに組み込まれる場合もあり得る。特定の用途に用いられているキシロース資化性株としては、ZM4(pZB5)(米国特許第5,514,583号明細書、米国特許第6,566,107、および米国特許第5,571,2133号明細書に記載され、参照によって本明細書に援用されている)、8b(米国特許出願公開第2003/0162271号明細書;Mohagheghi et al.,(2004)Biotechnol.Lett.25;321−325)のほか、ZW658(ATCC PTA−7858)、ZW800、ZW801−4、ZW801−5、およびZW801−6(参照によって本明細書に援用されている共通の所有者を有する同時係属中の米国特許出願公開第2008−0286870A1号明細書に記載)が挙げられる。
天然基質でない他の糖類を資化するように加えてエンジニアリングされるザイモモナス(Zymomonas)株もまた、本工程において使用してもよい。参照によって本明細書に援用されている米国特許第5,843,760号明細書に記載されているように、一例は、アラビノース資化能を有するようにエンジニアリングされたZ.モビリス(Z.mobilis)の株である。
適応
適応のために、ザイモモナス(Zymomonas)(上述の開始株)のキシロース資化性株は、バイオマス加水分解物を含有する培地中で連続的に生育される。バイオマス加水分解物は、バイオマスの糖化によって生成される。典型的には、バイオマスは糖化に先立って前処理される。バイオマスは、当業者に公知の何らかの方法で処理することにより、加水分解物中に発酵性糖を生成できる。バイオマスは典型的には、物理的および/または化学的処理によって前処理され、酵素処理で糖化される。物理的および化学的処理としては、研磨、粉砕、切断、アンモニアまたはNaOHによる塩基処理、および酸処理を挙げることができる。特に有用なのは、低濃度アンモニアによる前処理である。この前処理では、バイオマスをアンモニア含有の水溶液と接触させ、バイオマス−アンモニア水混合物のアルカリ性pHを維持するのに充分なアンモニア濃度(ただし、バイオマスの乾燥重量を基準として約12重量%未満)のバイオマス−アンモニア水混合物を形成する。ここで、バイオマスの乾燥重量は、バイオマス−アンモニア水混合物の重量を基準として少なくとも約15重量%(固形)である。これは、参照によって本明細書に援用されている共通の所有者を有する同時係属中の米国特許出願公開第20070031918A1号明細書中に開示されている。
適応のために、ザイモモナス(Zymomonas)(上述の開始株)のキシロース資化性株は、バイオマス加水分解物を含有する培地中で連続的に生育される。バイオマス加水分解物は、バイオマスの糖化によって生成される。典型的には、バイオマスは糖化に先立って前処理される。バイオマスは、当業者に公知の何らかの方法で処理することにより、加水分解物中に発酵性糖を生成できる。バイオマスは典型的には、物理的および/または化学的処理によって前処理され、酵素処理で糖化される。物理的および化学的処理としては、研磨、粉砕、切断、アンモニアまたはNaOHによる塩基処理、および酸処理を挙げることができる。特に有用なのは、低濃度アンモニアによる前処理である。この前処理では、バイオマスをアンモニア含有の水溶液と接触させ、バイオマス−アンモニア水混合物のアルカリ性pHを維持するのに充分なアンモニア濃度(ただし、バイオマスの乾燥重量を基準として約12重量%未満)のバイオマス−アンモニア水混合物を形成する。ここで、バイオマスの乾燥重量は、バイオマス−アンモニア水混合物の重量を基準として少なくとも約15重量%(固形)である。これは、参照によって本明細書に援用されている共通の所有者を有する同時係属中の米国特許出願公開第20070031918A1号明細書中に開示されている。
酵素糖化では典型的に、酵素組成物または配合物を利用してセルロースおよび/またはヘミセルロースを分解し、例えばグルコース、キシロース、およびアラビノースなどの糖類含有の加水分解物を生成する。糖化酵素は、Lynd,L.R.,et al.(Microbiol.Mol.Biol.Rev.,66:506−577,2002)に概説されている。少なくとも1種の酵素が使用され、典型的には、1種以上のグリコシダーゼを含む糖化酵素配合物が使用される。二糖類、オリゴ糖類および多糖類のエーテル結合を加水分解するグリコシダーゼ類は、一般グループ「ヒドロラーゼ」(EC3)の酵素分類EC3.2.1.x(Enzyme Nomenclature 1992,Academic Press,San Diego,CA with Supplement 1(1993),Supplement 2(1994),Supplement 3(1995,Supplement 4(1997)and Supplement 5 [in Eur.J.Biochem.,223:1−5,1994;Eur.J.Biochem.,232:1−6,1995;Eur.J.Biochem.,237:1−5,1996;Eur.J.Biochem.,250:1−6,1997;and Eur.J.Biochem.,264:610−650 1999,respectively])に記載されている。本方法において有用なグリコシダーゼ類は、加水分解されるバイオマス成分によって分類できる。本方法に係る有用なグリコシダーゼ類としては、セルロース加水分解グリコシダーゼ(例えば、セルラーゼ、エンドグルカナーゼ、エキソグルカナーゼ、セロビオヒドロラーゼ、β−グルコシダーゼ)、ヘミセルロース加水分解グリコシダーゼ(例えば、キシラナーゼ、エンドキシラナーゼ、エキソキシラナーゼ、β−キシロシダーゼ、アラビノ−キシラナーゼ、マンナーゼ、ガラクターゼ、ペクチナーゼ、グルクロニダーゼ)、およびデンプン加水分解グリコシダーゼ(例えば、アミラーゼ、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、α−グリコシダーゼ、イソアミラーゼ)が挙げられる。加えて、ペプチダーゼ(EC3.4.x.y)、リパーゼ(EC3.1.1.x、および3.1.4.x)、リグニナーゼ(EC1.11.1.x)もしくはフェルロイルエステラーゼ(EC3.1.1.73)などの糖化酵素集合体に他の活性を加えて、バイオマスの他の成分からの多糖類の放出を促すことも、有用であり得る。多糖類加水分解酵素を生成する微生物が多くの場合、異なる基質特異性を有する幾つかの酵素または酵素のグループによって触媒されるセルロース分解能などの活性を呈することは、当該技術分野において公知である。ゆえに、微生物由来の「セルラーゼ」は、セルロース分解活性に関与し得る酵素のグループ、1種以上の酵素、またはそれらすべてを含み得る。商業的な酵素製剤または非商業的な酵素製剤(セルラーゼなど)は、酵素の採取に利用される精製方式に応じて多数の酵素で構成され得る。
糖化酵素は、市販のものを入手できる。そのような酵素としては、例えば、Spezyme(登録商標)CP cellulase、Multifect(登録商標)xylanase、Accelerase(登録商標)1500、およびAccellerase(登録商標)DUET(Danisco U.S.Inc.,Genencor International,Rochester,NY)が挙げられる。加えて、糖化酵素には、未精製の状態で、かつ菌体抽出物または完全な菌体製剤(cell preparation)として提供されているものもある。1種以上の糖化酵素を発現するようにエンジニアリングされた組換え微生物を使用すれば、酵素を生成できる。
糖化酵素としては、ほかにも、例えば、ファミリーGH3、GH39、GH43、GH55、GH10、およびGH11のメンバーなどのグリコシルヒドロラーゼが挙げられる。GHは、2つ以上の炭水化物間、または炭水化物と非炭水化物の残基間でグリコシド結合を加水分解する酵素のグループである。GHのファミリーは、配列類似性に基づいて分類され、分類は炭水化物−活性物質酵素(CAZy)データベース(Cantarel et al.(2009)Nucleic Acids Res.37(Database issue):D233−238)利用できる。これらの酵素の幾つかは、様々な基質に作用する能力を有し、糖化酵素としての効力を実証した。グリコシドヒドロラーゼファミリー3(「GH3」)酵素は、幾つかの既知の活性を有する。例えば、β−グルコシダーゼ(EC:3.2.1.21))活性;β−キシロシダーゼ(EC:3.2.1.37)活性;N−アセチルβ−グルコサミニダーゼ(EC:3.2.1.52)活性;グルカンβ−1,3−グルコシダーゼ(EC:3.2.1.58)活性;セロデキストリナーゼ(EC:3.2.1.74)活性;エキソ−1,3−1,4−グルカナーゼ(EC:3.2.1)活性;および/またはβ−ガラクトシダーゼ(EC3.2.1.23)活性が挙げられる。グリコシドヒドロラーゼファミリー39(「GH39」)酵素もまた、幾つかの既知の活性を有する。例えば、α−L−イズロニダーゼ(EC:3.2.1.76)および/またはβ−キシロシダーゼ(EC:3.2.1.37)活性が挙げられる。グリコシドヒドロラーゼファミリー43(「GH43」)酵素は、幾つかの既知の活性を有する。例えば、L−α−アラビノフラノシダーゼ(EC3.2.1.55);β−キシロシダーゼ(EC3.2.1.37);エンドアラビナーゼ(EC3.2.1.99);および/またはガラクタン1,3−β−ガラクトシダーゼ(EC3.2.1.145)活性が挙げられる。グリコシドヒドロラーゼファミリー51(「GH51」)酵素もまた、幾つかの既知の活性を有する。例えば、L−α−アラビノフラノシダーゼ(EC3.2.1.55)活性および/またはエンドグルカナーゼ(EC3.2.1.4)活性が挙げられる。グリコシドヒドロラーゼのファミリー10(「GH10」)はSchmidt et al.,1999,Biochemistry 38:2403−2412 and Lo Leggio et al.,2001,FEBS Lett 509:303−308)に記載され、グリコシドヒドロラーゼのファミリー11(「GH11」)は、Hakouvainen et al.,1996,Biochemistry 35:9617−24に記載されている。
本明細書中の実施例1および2に記載されているように、本適応工程において、キシロース資化性ザイモモナス(Zymomonas)は、漸次増分されるバイオマス加水分解物の存在下にて成長培地中で継続的に生育される。定期的な間隔で標本を採取し、加水分解物培地におけるキシロースおよびグルコース資化、ならびにエタノール産生などの性能をアッセイする。比例的に増分されるバイオマス加水分解物のほか、アセテートおよびエタノールといった他のストレス成分を含む培地に、複数回にわたって適応させることによって、上記のような性能が向上した株を生成できる。
改良型キシロース資化性株の発酵
本明細書に記載されている遺伝的改変を少なくとも1つ有するようにエンジニアリングされた、キシロース資化性かつエタノール産生ザイモモナス(Zymomonas)株は、エタノール生成の目的で発酵に使用できる。Z.モビリス(Z.mobilis)株を、グルコースおよびキシロース含有の糖類を含むバイオマス加水分解物を含んでなる培地に接触させる。少なくとも一部の糖類は、前処理済みの糖化セルロースバイオマスまたはリグノセルロースバイオマスから誘導される。更に他の糖類および/または他の培地成分を培地に含めてもよい。
本明細書に記載されている遺伝的改変を少なくとも1つ有するようにエンジニアリングされた、キシロース資化性かつエタノール産生ザイモモナス(Zymomonas)株は、エタノール生成の目的で発酵に使用できる。Z.モビリス(Z.mobilis)株を、グルコースおよびキシロース含有の糖類を含むバイオマス加水分解物を含んでなる培地に接触させる。少なくとも一部の糖類は、前処理済みの糖化セルロースバイオマスまたはリグノセルロースバイオマスから誘導される。更に他の糖類および/または他の培地成分を培地に含めてもよい。
共通の所有者を有する米国特許第7,629,156号明細書に開示されているように、糖類濃度が生育を阻害する程度に高いときは、その培地にソルビトール、マンニトールまたはこれらの混合物が含まれている。ガラクチトールまたはリビトールは、ソルビトールまたはマンニトールで置き換えてもよいし、ソルビトールまたはマンニトールと組み合わせて用いてもよい。Z.モビリス(Z.mobilis)は、発酵が起こりかつエタノールが産生される培地中で生育する。発酵は、空気、酸素または他の気体を補給せずに行われる(嫌気性、微好気性、または微好気性発酵などの条件を伴う場合もある)。発酵時間は少なくとも約24時間であるが、30時間以上継続させてもよい。エタノール産生が最大に達するまでのタイミングは、発酵条件に応じて変動することがある。発酵は温度約30℃〜約37℃かつpH約4.5〜約7.5にて行うことができる。
本Z.モビリス(Z.mobilis)は、実験室規模の発酵槽中のキシロース含有混和糖を含む培地において、商業的な量のエタノールを産生するスケールアップ式の発酵で生育できる。エタノールの商業生産が望ましい状況では、それに適用できる培養法は多岐にわたる。例えば、本Z.モビリス(Z.mobilis)株は、バッチ培養法および連続培養法のどちらを使用しても大量生産できる。古典的なバッチ培養法は、培地の組成物が培養開始時に設定される閉じた系であるため、培養工程中に人為的な変更を被らない。ゆえに、培養工程の開始時に、培地に所望の生物が接種され、系に何も添加しなくても生育または代謝活性が生じ得る。ただし、「バッチ」培養は典型的には炭素供給源の添加に関する処理単位であり、多くの場合、pHおよび酸素濃度などの制御因子にて試行が為される。バッチ系では、培養が終了する時点まで、系の代謝産物およびバイオマス組成物が絶えず変更される。バッチ培養において菌体の生育速度は、静的誘導期から高対数増殖期までを通じて緩和され、最後に、定常期に移ると、生育速度が減速または停止する。定常期において菌体は、無処置のままだと最終的に死滅する。多くの場合は、対数増殖期にある菌体が、エタノールの大量産生を担う。
標準バッチ系のバリエーションには、流加(Fed−Batch)系がある。流加(Fed−Batch)培養プロセスはまた、本Z.モビリス(Z.mobilis)株の生育にも好適であり、培養の進行につれて基質を増分的に添加することを除き、典型的なバッチ系で構成されている。流加(Fed−Batch)系で実の際の基質濃度の測定は困難であるため、pH、および廃物気体(CO2など)のガス分圧といった測定可能因子の変更に基づいて推定される。バッチおよび流加(Fed−Batch)培養法は一般的であり当該技術分野において周知であり、それらの例は、参照によって本明細書に援用されているBiotechnology:A Textbook of Industrial Microbiology,Crueger,Crueger,and Brock,Second Edition(1989)Sinauer Associates,Inc.,Sunderland,MA,or Deshpande,Mukund V.,Appl.Biochem.Biotechnol.,36,227,(1992)に見出すことができる。
エタノールの商業生産もまた、連続培養によって達成し得る。連続培養は開放系であり、培地がバイオリアクターに連続的に添加されると同時に等量の調整培地を除去し、処理を可能にしている。連続培養では一般に、菌体は主として対数増殖期にある。この対数増殖期においては恒常的な高液相密度で菌体が維持される。連続培養を実施する場合の代替方法として、固定化菌体が用いられる場合もある。炭素および栄養分が継続的に添加され、有用な生成物、副産物、または廃物が菌塊から継続的に除去される。当業者に公知のように、菌体の固定化には天然材料および/または合成材料で構成される固体支持体を使用可能であり、これらの固体支持体には多種多様なものがある。
エタノール産生には特に好適な発酵方法は、下掲のとおりである。本発明に係る望ましいZ.モビリス(Z.mobilis)株は、振盪フラスコ内で半複合培地にて約30℃〜約37℃で生育され、オービタルシェーカー内で約150rpmにて振盪された後、同様な培地を含む10Lのシード発酵槽に移される。シード培養物はシード発酵槽内で嫌気的に生育し、OD600が3〜10に達すると、発酵パラメータがエタノール産生用に最適化されている産生用発酵槽に移される。シードタンクから生産タンクに移された典型的な接種菌体積は、約2%〜約20%v/vの範囲に及ぶ。当業者に知られているように、本株の発酵培地は少なくとも約50%のバイオマス加水分解物を含有しており、他の栄養分を補給してもよい。培地中には、終濃度が約5mMのソルビトールまたはマンニトールが存在する。
発酵はpH5.0〜6.0にて制御される。その際、苛性アルカリ溶液(水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、または水酸化ナトリウム等)と、硫酸またはリン酸のどちらか一方とを使用する。発酵槽の温度は、30℃〜35℃で制御される。発泡を最小限に抑えるために、必要に応じて消泡剤(シリコーン系、有機系など、任意の種類のもの)を容器に添加する。カナマイシンなどの抗生物質は、その抗生物質に対して抗菌性の耐性マーカーが株内に存在する場合、またはその抗生物質に対して株が耐性を有する場合に、汚染を最小限に抑える目的で任意選択的に使用してもよい。
上記の一連の条件および当該技術分野において周知であるこれらの条件のバリエーションは、キシロース資化性組換えザイモモナス(Zymomonas)株を用いたエタノール産生にとって好適な条件である。
(発明の好ましい態様)
バイオマス加水分解物培地中での適応およびスクリーニング工程によって、バイオマス加水分解物の存在下にてグルコースおよびキシロースの資化性ならびにエタノール産生に優れるキシロース資化性ザイモモナス(Zymomonas)株を得ることが可能であることが、本明細書に開示されている。グルコースおよびキシロース資化性ならびにエタノール産生の増大は、対応するキシロース資化性の非適応株を用いた場合のグルコースおよびキシロース資化性と比較することによって測定される。対応する非適応株は、加水分解物の適応工程用の開始株として使用される株である。
バイオマス加水分解物培地中での適応およびスクリーニング工程によって、バイオマス加水分解物の存在下にてグルコースおよびキシロースの資化性ならびにエタノール産生に優れるキシロース資化性ザイモモナス(Zymomonas)株を得ることが可能であることが、本明細書に開示されている。グルコースおよびキシロース資化性ならびにエタノール産生の増大は、対応するキシロース資化性の非適応株を用いた場合のグルコースおよびキシロース資化性と比較することによって測定される。対応する非適応株は、加水分解物の適応工程用の開始株として使用される株である。
本明細書中の実施例1および2に記載されているように、ザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)株を、加水分解物の適応実験から単離した。2つの単離株をAdapted5−6(またはAR2 5−6)およびAdapted7−31(またはAR3 7−31)と命名し、更に特徴付けた。本明細書中の実施例3に記載されているように、これらの株はトウモロコシ穂軸の加水分解物中で生育された場合、対応する非適応株ZW705に比べてグルコースおよびキシロースの資化速度が迅速であった。発酵を実施してから21時間経った時点で、グルコースが資化率が約20%増加した。加えて、21時間経った時点で、エタノールが産生率が約22%増加した。52時間経った時点では、キシロース資化率が約21%増加し、エタノール産生率が5%増加した。一般的に、後述するAdapted5−6株またはAdapted7−31株の新たな遺伝的変更を有する株においては、グルコース資化、キシロース資化、およびエタノール産生の正確なパーセントの増加は、多くの因子に依存する。これらの因子としては、発酵条件のほか、本明細書に開示されている新たな遺伝的変更が加えられた株の遺伝的特性も挙げられる。
Adapted5−6およびAdapted7−31株のゲノムに何らかの変更が生じたかどうかを同定するために、ゲノムの配列決定を行った。これらのゲノム配列を、対応する開始株、ZW705(米国特許出願公開第20110014670A1号明細書に記載)、野生型株ZW1(ATCC 31821)、および株ATCC 31821(Seo et.al,Nat.Biotech.23:63−8 2005;NCBI Reference:NC_006526.2)の公開済みザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)配列のゲノム配列と比較して、両方の株が同じコード領域内で単一の新たな変異を持つことを確認した。このコード領域は、公開済みザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)のゲノム配列(NCBI Reference:NC_006526.2)内のzmo1432オープンリーディングフレーム(ORF)として同定されており、配列番号1が付いたヌクレオチド1446603〜1448633を補足している。
Adapted5−6においては、変異(CからGへの変更)が配列番号1の位置番号1097に保持されている。これにより、zmo1432でコードされたタンパク質(配列番号2))中のコドン366が、スレオニンをコードするACAからアルギニンをコードするAGAに変わり、結果として配列番号3のタンパク質においてスレオニンNo.366がアルギニンで置換される。Adapted7−31においては、変異(CからTへの変更)が配列番号1の位置番号350に保持されている。これにより、zmo1432でコードされたタンパク質(配列番号2))中のコドン117が、セリンをコードするTCTからフェニルアラニンコードするTTTに変わり、結果として配列番号4のタンパク質においてセリンNo.117がフェニルアラニンで置換される。
仮説的(hypothetical)コード領域zmo1432(即ち、ORF)は、ザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)の完全なゲノム配列(NCBIリファレンス:NC_006526.2)中で「フザリン酸耐性タンパク質」をコードするものとして注釈付けされている。それには、フザリン酸耐性タンパク質保存領域、即ち、タンパク質モチーフ:PFAM:PFO4632(Wellcome Trust Sanger Institute,Genome Research Limited,Hinxton,England)を有するものとして注釈付けされている。このモチーフは、フザリン酸耐性に関連しているバークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)(Swiss−Prot::P24128(SEQ ID NO:5);Utsumi et al.(1991)Agric.Biol.Chem.55:1913−1918;この生物は旧称シュードモナス‐セパシア(Pseudomonas cepacia)から改名済み)由来およびクレブシエラ・オキシトーカ(Klebsiella oxytoca)(Swiss−Prot::Q48403(SEQ ID NO:6);Toyoda et al.(1991)J Phytopathol.133:165−277)由来のタンパク質中に見つかる。これらのタンパク質は、多くの場合、膜輸送タンパク質である。
バークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)染色体1の完全な配列のBcenm03_1426と名付けられた領域は、推定のフザリン酸耐性輸送体タンパク質をコードするものとして注釈付けされている(Accession YP_001764723;Copeland et al.submitted 2/27/2008)。本明細書中の実施例4に記載されているように、このタンパク質(配列番号7)は、zmo1432でコードされたタンパク質に対して類似性を有する。加えて、本明細書中の実施例4に記載されているように、大腸菌(E.coli)タンパク質AaeB(配列番号8)は、芳香族カルボン酸流出ポンプの成分であり(VanDyk et al J.Bact.186:7196−7204(2004))、zmo1432でコードされたタンパク質に対して類似性を有する。ゆえに、ザイモモナス(Zymomonas)の輸送タンパク質は、加水分解物培地で生育されたキシロース資化性ザイモモナス(Zymomonas)株のグルコースおよびキシロース資化性、ならびにエタノール産生を改善する、変異の標的となり得る。
以下の実施例では、本発明について更に明確に述べる。これらの実施例が本発明の好ましい実施形態を示す一方であくまで例示目的にのみ挙げられていることを理解すべきである。上記の考察およびこれらの実施例から、当業者は本発明の本質的な特徴を確認でき、その趣旨および範囲から逸脱することなく本発明に種々の変更および改良を施して本発明の様々な利用および条件に適合させ得る。
略語の意味は、以下のとおりである。即ち、「kb」はキロベースを意味し、「bp」は塩基対を意味し、「nt」はヌクレオチドを意味し、「hr」は時間を意味し、「min」は分を意味し、「sec」は秒を意味し、「d」は日を意味し、「L」はリットルを意味し、「ml」はミリリットルを意味し、「μL」または「μl」はマイクロリットルを意味し、「μg」はマイクログラムを意味し、「ng」はナノグラムを意味し、「g」はグラムを意味し、「mM」はミリモルを意味し、「μM」はマイクロモルを意味し、「nm」はナノメートルを意味し、「μmol」はマイクロモルを意味し、「pmol」ピコモルを意味し、「OD600」は600ナノメートルにおける光学密度を意味する。
一般的方法
タービドスタット
適応はタービドスタット(米国特許第6,686,194号明細書;Heurisko USA,Inc.Newark,DE)という連続流動培養装置で為された。この装置において、培養物への培地の流れを制御することによって培養物中の菌体濃度が一定に維持され、結果として、培養物の混濁度が所定の狭い範囲内に維持された。連続培養物装置での増殖培養に利用できた培地は、レスティング培地(培地A)およびチャレンジ培地(challenge medium)(培地B)の2つである。グロースチャンバにて静止培地中で培養物を混濁度設定点まで生育し、次いで、その菌体密度を維持するように設定された希釈率で希釈した。規定した容量の培地を10分ごとに1回添加して、希釈を行った。タービドスタットが培地チャレンジモードに入ってから、前回の培地添加後の設定点への復帰率に基づいて、チャレンジ培地(challenge medium)またはレスティング培地のどちらを添加するかを選択した。グロースチャンバ内の培地の定常状態濃度は、培地Aおよび培地Bの混合物に、設定済み菌体密度を設定済み希釈率に維持できるときの各培地からの回収率に依存する、2つの培地の比率を用いて求められる。グロースチャンバ内の母集団を代表する菌体標本を、1週間間隔でタービドスタット(トラップチャンバ内)の流出物から回収した。菌体標本をいったんMRM3G6培地中で生育してから、−80℃にてグリセロール株として貯蔵した。
タービドスタット
適応はタービドスタット(米国特許第6,686,194号明細書;Heurisko USA,Inc.Newark,DE)という連続流動培養装置で為された。この装置において、培養物への培地の流れを制御することによって培養物中の菌体濃度が一定に維持され、結果として、培養物の混濁度が所定の狭い範囲内に維持された。連続培養物装置での増殖培養に利用できた培地は、レスティング培地(培地A)およびチャレンジ培地(challenge medium)(培地B)の2つである。グロースチャンバにて静止培地中で培養物を混濁度設定点まで生育し、次いで、その菌体密度を維持するように設定された希釈率で希釈した。規定した容量の培地を10分ごとに1回添加して、希釈を行った。タービドスタットが培地チャレンジモードに入ってから、前回の培地添加後の設定点への復帰率に基づいて、チャレンジ培地(challenge medium)またはレスティング培地のどちらを添加するかを選択した。グロースチャンバ内の培地の定常状態濃度は、培地Aおよび培地Bの混合物に、設定済み菌体密度を設定済み希釈率に維持できるときの各培地からの回収率に依存する、2つの培地の比率を用いて求められる。グロースチャンバ内の母集団を代表する菌体標本を、1週間間隔でタービドスタット(トラップチャンバ内)の流出物から回収した。菌体標本をいったんMRM3G6培地中で生育してから、−80℃にてグリセロール株として貯蔵した。
酵素
Spezyme(登録商標)CP−100,Multifect(登録商標)CX12L、およびAccellerase(登録商標)1500はDanisco U.S.Inc.,Genencor(Rochester,NY)製であった。
Spezyme(登録商標)CP−100,Multifect(登録商標)CX12L、およびAccellerase(登録商標)1500はDanisco U.S.Inc.,Genencor(Rochester,NY)製であった。
Novozyme188はNovozymes(2880Bagsvaerd,Denmark)製であった。
本明細書中の糖化工程で用いられた酵素には、ほかにもグリコシルヒドロラーゼ(GH)Xyn3、Fv3A、Fv51AおよびFv43Dがあった。Xyn3(配列番号9)はトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)由来のGH10ファミリーのキシラナーゼであり、Fv3A(配列番号10)はフザリウム・ベルチシルリオイデス(Fusarium verticillioides)由来のGH3ファミリーの酵素であり、Fv43D(配列番号11)はフザリウム・ベルチシルリオイデス(Fusarium verticillioides)由来のGH43ファミリーの酵素であり、およびFv51A(配列番号12)はフザリウム・ベルチシルリオイデス(Fusarium verticillioides)由来のGH51ファミリーの酵素である。
培地
まず、挽いたトウモロコシ穂軸を希釈アンモニアで前処理して、適応に使用されるトウモロコシ穂軸の加水分解物を調製した。容器の本体周囲および側面の1つに蒸気を渡すためのジャケットを備えた横置きLittleford Day130L反応器ベッセル(Littleford Day,Inc.,Florence,KY)に、粉砕成型された穂軸を入れた。容器に減圧を適用して0.1atmに到達させてから、29wt%の水酸化アンモニウム溶液および水を容器の最上部近くに導入し、乾燥重量バイオマスを基準として6wt%のNH3を生成した。容器の最上部近くに蒸気を導入し、内部の容器温度を145℃まで上げた。この温度を20分間保持した。前処理が終わった時点で、反応器が減圧され、大気圧に到達する。以後、減圧を(約1atm未満になるまで)適用して、温度を60℃未満に下げた。
まず、挽いたトウモロコシ穂軸を希釈アンモニアで前処理して、適応に使用されるトウモロコシ穂軸の加水分解物を調製した。容器の本体周囲および側面の1つに蒸気を渡すためのジャケットを備えた横置きLittleford Day130L反応器ベッセル(Littleford Day,Inc.,Florence,KY)に、粉砕成型された穂軸を入れた。容器に減圧を適用して0.1atmに到達させてから、29wt%の水酸化アンモニウム溶液および水を容器の最上部近くに導入し、乾燥重量バイオマスを基準として6wt%のNH3を生成した。容器の最上部近くに蒸気を導入し、内部の容器温度を145℃まで上げた。この温度を20分間保持した。前処理が終わった時点で、反応器が減圧され、大気圧に到達する。以後、減圧を(約1atm未満になるまで)適用して、温度を60℃未満に下げた。
その後、前処理した穂軸を酵素集合体で処理し、Spezyme CP−100(前処理済み穂軸のグルカン1gあたりタンパク質34mg);Multifect CX12L(前処理済み穂軸のキシラン1gあたりタンパク質12.5mg);Novozymes188(前処理済み穂軸のグルカン1gあたりタンパク質6.6mg)を含有する酵素混合物を使用してセルロースポリマーおよびヘミセルロースポリマーを酵素加水分解できた。加水分解反応を25%(重量/体積)で行い、穂軸乾燥物をpH5.3かつ47℃で前処理した。反応を連続撹拌により72時間継続した。
初期連続遠心分離を用い、加水分解物から固体を除去して、混合物を部分的に清澄化する。部分的に清澄化された混合物を18,000×Gで20分間再び遠心分離し、先に0.45マイクロメートルのフィルターに通してから0.22マイクロメートルのフィルターに通して、清澄化されたフィルター滅菌加水分解物を生成する。
グルコース、キシロースおよびアセテート濃度のそれぞれをHPLC分析で定量した。清澄化された加水分解物は、グルコース濃度が68g/L、キシロース濃度が46g/L、およびアセテート濃度が5g/Lであった。清澄化された加水分解物に6.2g/Lの酢酸アンモニウムを補給して、濃度が11〜12g/Lの範囲に収まるように酢酸アンモニウムの総濃度を上げた。記載がある場合、更なる栄養分を提供するために0.5%の酵母抽出物(Difco Yeast Extract,Becton,Dickinson and Co.,Sparks,MD)を添加した。この培地をHYAc/YEとラベル付けした。HYAc/YE培地のpHを5.8に調整して、培地をフィルター滅菌した。
加水分解物中に使用される酵素組成物を、Accellerase(登録商標)1500、Xyn3、Fv3A、Fv51AおよびFv43D含有の酵素配合物に変更し、グルカン+キシラン1gあたり21.3mgのタンパク質で加水分解反応物に添加したことを除き、上記の方法を使用して、1Lの発酵試験のための加水分解物培地を調整した。加水分解物を清澄化せずに、1Lスケールの発酵物中に使用した。
更なる培地
MRM3は1リットルあたり以下を含有する。酵母抽出物(10g)、KH2PO4(2g)およびMgSO4・7H2O(1g)
MRM3G6.5X4.5NH4Ac12.3は、65g/Lのグルコース、45g/Lのキシロース、12.3g/Lの酢酸アンモニウムを含有するMRM3である。
G5またはMRM3G5は、50g/Lのグルコースを含有するMRM3である。
G10またはMRM3G10は、100g/Lのグルコースを含有するMRM3である。
MRM3G2は、20g/Lのグルコースを含有するMRM3である。
MRM3X2は、20g/Lのキシロースを含有するMRM3である。
halfYEMaxSM:10g/LのDifo酵母抽出物、2g/LのKH2PO4、5g/LのMgSO4・7H2O、10mMのソルビトール、150g/Lのグルコース。
MRM3は1リットルあたり以下を含有する。酵母抽出物(10g)、KH2PO4(2g)およびMgSO4・7H2O(1g)
MRM3G6.5X4.5NH4Ac12.3は、65g/Lのグルコース、45g/Lのキシロース、12.3g/Lの酢酸アンモニウムを含有するMRM3である。
G5またはMRM3G5は、50g/Lのグルコースを含有するMRM3である。
G10またはMRM3G10は、100g/Lのグルコースを含有するMRM3である。
MRM3G2は、20g/Lのグルコースを含有するMRM3である。
MRM3X2は、20g/Lのキシロースを含有するMRM3である。
halfYEMaxSM:10g/LのDifo酵母抽出物、2g/LのKH2PO4、5g/LのMgSO4・7H2O、10mMのソルビトール、150g/Lのグルコース。
図2に示す平板培養に関する研究では、MRM3G2(20g/Lのグルコース)およびMRM3X2(20g/Lのキシロース)に1.5%の寒天を補給し、寒天が溶けるまで加熱し、45℃まで冷却してペトリ皿に注入した。
冷凍貯蔵培養物の調製
株ZW705、週次のタービドスタット標本母集団培養物、および単離された変異体クローンで凍結貯蔵培養物を調製した。G5またはG10培地で最初の凍結株を生育し、生成されたバイオマスを使用して新しい凍結株を調製することによって、凍結株をほかにも調製した。
株ZW705、週次のタービドスタット標本母集団培養物、および単離された変異体クローンで凍結貯蔵培養物を調製した。G5またはG10培地で最初の凍結株を生育し、生成されたバイオマスを使用して新しい凍結株を調製することによって、凍結株をほかにも調製した。
シード培養物、バッチ適応培養物、およびタービドスタット培養物の接種
凍結株を使用して、オーバーナイトG5またはG10のシード培養物を接種した。そのシード培養物を使用して、シード培地を遠心分離して新鮮な適応培地中で菌体ペレットを希釈することによって、バッチ適応培養物を接種した。タービドスタット接種では、10〜15mlのタービドスタットレスティング培地中に全シードペレットを再懸濁してタービドスタット反応器への接種に使用するか、または5mlのオーバーナイトシードを10%接種菌として使用した。
凍結株を使用して、オーバーナイトG5またはG10のシード培養物を接種した。そのシード培養物を使用して、シード培地を遠心分離して新鮮な適応培地中で菌体ペレットを希釈することによって、バッチ適応培養物を接種した。タービドスタット接種では、10〜15mlのタービドスタットレスティング培地中に全シードペレットを再懸濁してタービドスタット反応器への接種に使用するか、または5mlのオーバーナイトシードを10%接種菌として使用した。
培養物のOD600の測定
培養物のODを測定するにあたって、標本を100g/Lキシロース(希釈液、およびブランク)で希釈した。希釈された培養物を15分間静置させてから、ODの測定を行った。すべてのOD測定を600nmで行った。
培養物のODを測定するにあたって、標本を100g/Lキシロース(希釈液、およびブランク)で希釈した。希釈された培養物を15分間静置させてから、ODの測定を行った。すべてのOD測定を600nmで行った。
HPLC分析
HPLC分析をWaters Alliance HPLCシステムで行った。使用されたカラムは、BioRad Micro−Guard Cartridge Cation−H(#125−0129,Bio−Rad,Hercules,CA)搭載のTransgenomic ION−300カラム(#ICE−99−9850,Transgenomic,Inc)であった。0.01NのH2SO4を溶媒として使用して、75℃かつ0.4mL/分の流量にてカラムを作動させた。外部標準較正曲線を使用して、示差屈折率検出器で、開始糖類および生成物の濃度を定量した。
HPLC分析をWaters Alliance HPLCシステムで行った。使用されたカラムは、BioRad Micro−Guard Cartridge Cation−H(#125−0129,Bio−Rad,Hercules,CA)搭載のTransgenomic ION−300カラム(#ICE−99−9850,Transgenomic,Inc)であった。0.01NのH2SO4を溶媒として使用して、75℃かつ0.4mL/分の流量にてカラムを作動させた。外部標準較正曲線を使用して、示差屈折率検出器で、開始糖類および生成物の濃度を定量した。
株ZW705の説明
ザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)株ZW705を株ZW804−1から生成した。ZW801−4は、共通の所有者を有する米国特許第7,741,119号明細書に記載のZ.モビリス(Z.mobilis)の組換えキシロース資化性株である。この特許文献は、本明細書において参照により援用されている。株ZW801−4は、株ZW658に起源を持つ株ZW800から派生した。これらはすべて米国特許第7,741,119号明細書に記載されている。ZW658は、4つのキシロース資化性遺伝子(キシロースイソメラーゼ、キシルロキナーゼ、トランスアルドラーゼ、およびトランスケトラーゼをコードする)を含む2つのオペロン(PgapxylABおよびPgaptaltkt)を、逐次転位事象(sequential transposition event)を介してZW1(ATCC31821)のゲノムに組み込むことによって構成され、その後、キシロース含有の選択培地上で適応された(米国特許第7,629,156号明細書)。ZW658はATCC PTA−7858として寄託された。ZW658において、宿主媒介のダブルクロスオーバーの相同組み換えおよびスペクチノマイシン耐性を使用して、グルコース−フルクトースオキシドレダクターゼをコードする遺伝子を選択可能マーカーとして挿入的に不活性化して、ZW800を作製した(米国特許第7,741,119号明細書)。loxP部位に囲まれているスペクチノマイシン耐性マーカーを部位特異的組み換えによって除去し、Creリコンビナーゼを使用してZW801―4を作製した。
ザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)株ZW705を株ZW804−1から生成した。ZW801−4は、共通の所有者を有する米国特許第7,741,119号明細書に記載のZ.モビリス(Z.mobilis)の組換えキシロース資化性株である。この特許文献は、本明細書において参照により援用されている。株ZW801−4は、株ZW658に起源を持つ株ZW800から派生した。これらはすべて米国特許第7,741,119号明細書に記載されている。ZW658は、4つのキシロース資化性遺伝子(キシロースイソメラーゼ、キシルロキナーゼ、トランスアルドラーゼ、およびトランスケトラーゼをコードする)を含む2つのオペロン(PgapxylABおよびPgaptaltkt)を、逐次転位事象(sequential transposition event)を介してZW1(ATCC31821)のゲノムに組み込むことによって構成され、その後、キシロース含有の選択培地上で適応された(米国特許第7,629,156号明細書)。ZW658はATCC PTA−7858として寄託された。ZW658において、宿主媒介のダブルクロスオーバーの相同組み換えおよびスペクチノマイシン耐性を使用して、グルコース−フルクトースオキシドレダクターゼをコードする遺伝子を選択可能マーカーとして挿入的に不活性化して、ZW800を作製した(米国特許第7,741,119号明細書)。loxP部位に囲まれているスペクチノマイシン耐性マーカーを部位特異的組み換えによって除去し、Creリコンビナーゼを使用してZW801―4を作製した。
酢酸アンモニウム含有の培地のストレス条件下で、Z.モビリス(Z.mobilis)株ZW801−4の培養物を生育に適応させ、共通の所有者を有する米国特許出願公開第20110014670A1号明細書に記載のZW705を生成した。この特許文献は、本明細書において参照により援用されている。ZW801−4の連続培養は、250ml撹拌型の、pHおよび温度調節式発酵槽(Sixfors;Bottmingen,Switzerland)で行った。発酵用の基礎培地は、5g/Lの酵母抽出物、15mMのリン酸アンモニウム、1g/Lの硫酸マグネシウム、10mMのソルビトール、50g/Lのキシロースおよび50g/Lのグルコースであった。特定の希釈率で測定された確立済み生育速度を97日間にわたって維持しながら、酢酸アンモニウムの濃度を徐々に上げ、上述の連続培地に添加して、高濃度のアセテートおよびアンモニアの存在下での生育に適応させた。酢酸アンモニウムの濃度を160mMまで上げた。リン酸アンモニウムを添加してアンモニウムイオン濃度を更に上昇させ、139日間の連続培養の終了時までに最終的な総アンモニウムイオン濃度210mMにした。単一コロニーに平板培養し、その選択された単一コロニーを増殖して、適応された母集団から株ZW705を単離した。
実施例1
自動菌体密度調整連続培養器を使用したトウモロコシ穂軸加水分解物への適応
「一般的方法」に記載のタービドスタットを使用して、ザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)の培養物をトウモロコシ穂軸の加水分解物培地中での生育に適応させた。「一般的方法」に記載されているタービドスタットにて、恣意的な濁度設定点に達するまで、株ZW705の培養物を生長させた。この濁度設定点は、規定の希釈率における設定点菌体密度を達成できるよう、搬入される培地中に存在する全グルコースと約半分のキシロースとを培養物に利用させるように指示するものである。使用したレスティング培地は、HYAc/YEが50%、MRM3G6.5X4.5NH4Ac12.3が50%であった。「一般的方法」に記載されているように、チャレンジ培地(challenge medium)HYAc/YEとして使用してタービドスタットを作動させた。6週間にわたって週次に、トラップチャンバから菌体標本を採取した。
自動菌体密度調整連続培養器を使用したトウモロコシ穂軸加水分解物への適応
「一般的方法」に記載のタービドスタットを使用して、ザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)の培養物をトウモロコシ穂軸の加水分解物培地中での生育に適応させた。「一般的方法」に記載されているタービドスタットにて、恣意的な濁度設定点に達するまで、株ZW705の培養物を生長させた。この濁度設定点は、規定の希釈率における設定点菌体密度を達成できるよう、搬入される培地中に存在する全グルコースと約半分のキシロースとを培養物に利用させるように指示するものである。使用したレスティング培地は、HYAc/YEが50%、MRM3G6.5X4.5NH4Ac12.3が50%であった。「一般的方法」に記載されているように、チャレンジ培地(challenge medium)HYAc/YEとして使用してタービドスタットを作動させた。6週間にわたって週次に、トラップチャンバから菌体標本を採取した。
6週間にわたって連続培養した後、週次に貯蔵された菌体株からの標本をMRM3G6中で復活させ、10mlの静置培養物中で33℃にてOD600が約1になるまで生育した。これらを使用して、OD600nmが約0.4になるまで12mlのHYAc/YE培地の培養物を接種し、30℃で培養物を生育した。表1に記載されているような様々な時点で標本を採取し、OD600、糖消費、およびエタノール産生についてアッセイした。結果は表1に示すとおりである。
すべての培養物が、キシロースを資化する能力を保持したが、3週目の適応後にキシロースの利用率が低下したようであった。3週目の終わりに標本採取された菌体培養物から、単一コロニーを単離した。コロニーは、MRM3G5中で保持されたグリセリン株を生育してMRM3X2プレート上で平板培養することによって、単離された。単一コロニーはMRM3X2およびMRM3G2プレートにレプリカパッチされた。両方の炭素供給源上の大きい高密度パッチを株として選択し、冷凍グリセロール株として維持した。上述の冷凍株母集団試験について記述したように、選択した株を12mlの試験培養物中で生育させた。6つの株およびZW705の結果は、表2に示すとおりである。
12mlの試験において、選択されたいずれの株も、適応を施した株(ZW705)と比較対照してエタノール産生を増した。それらの株は、親株に比べてキシロース使用量が若干多かった。更に適応を反復させる株12−18X−2−36を選択した。
実施例2
自動菌体密度調整連続培養器を使用しての、エタノールを添加したトウモロコシ穂軸加水分解物への適応
レスティング培地をHYAc/YEとし、チャレンジ培地(challenge medium)をHYAc/YE+9重量%のエタノールとしたことを除いて、「一般的方法」にて株ZW705に関して上述したのと同様に、株12−18X−2−36の培養物(実施例1に記載)をタービドスタットで生育させた。4週間にわたってタービドスタットを作動させ、チャンバ流出物を週次に標本採取した。流出物の標本から冷凍菌株を作製した。開始密度をOD600=約0.5としたことを除き、最初のタービドスタットの作動について記述した条件と同じ条件で、12mlの加水分解物発酵試験においてMRM3G6の冷凍細胞株を復活させた。1つの発酵を同じHYAc/YE培地にて行い、もう1つの発酵を培地1Lあたり30gのエタノールを添加したHYAc/YE培地にて行った。両方の発酵の結果は、表3に示すとおりである。
自動菌体密度調整連続培養器を使用しての、エタノールを添加したトウモロコシ穂軸加水分解物への適応
レスティング培地をHYAc/YEとし、チャレンジ培地(challenge medium)をHYAc/YE+9重量%のエタノールとしたことを除いて、「一般的方法」にて株ZW705に関して上述したのと同様に、株12−18X−2−36の培養物(実施例1に記載)をタービドスタットで生育させた。4週間にわたってタービドスタットを作動させ、チャンバ流出物を週次に標本採取した。流出物の標本から冷凍菌株を作製した。開始密度をOD600=約0.5としたことを除き、最初のタービドスタットの作動について記述した条件と同じ条件で、12mlの加水分解物発酵試験においてMRM3G6の冷凍細胞株を復活させた。1つの発酵を同じHYAc/YE培地にて行い、もう1つの発酵を培地1Lあたり30gのエタノールを添加したHYAc/YE培地にて行った。両方の発酵の結果は、表3に示すとおりである。
HYAc/YE培地にエタノールを添加しない試験発酵では、すべての培養物がZW705対照と類似していた。HYAc/YE培地に30g/Lのエタノールを添加した発酵では、1週間後および2週間後に採取された培養物は、ZW705ならびに第3週および第4週の標本に比べて、グルコース資化性およびエタノール産生がはるかに良好であった。エタノールを添加して開始された試験において、最終のエタノール滴定値が最も高かったのは、2週間後に貯蔵された培養物であり、この培養物は単細胞由来の株から単離される対象として選択された。株12−18X−2−36を誘導するスクリーニングについて記述した株単離手順を2回行った。その両方のスクリーニングの結果は、表4および表5に示すとおりである。エタノールを添加しないHYAc/YE培地または40g/Lのエタノールを添加したHYAc/YE培地にてスクリーニングを開始した。
エタノールを添加せずに開始したときに、ほとんどの株は加水分解物培地中のグルコースをすべて使用したが、キシロースを一部しか使用しなかった。そのため、エタノールの総産生量はキシロース資化性の程度に依存した。非適応親株ZW705に比べてキシロース利用率およびエタノール産生に優れる株も、幾つかあった。40g/Lのエタノールを開始培地に添加したときの生育および糖資化性は、すべての株のなかでもかなり低かった。本試験では、ほとんどの場合に、キシロース利用率がきわめて低かったか、キシロースが全く消費されなかった。3つの株のグルコース利用率およびエタノール産生は、ZW705よりも有意に高かった。それらのなかでも最高だったのは、表4に示す株Adapted5−6である。
結果は、2回目の株単離実験のときと同様であった。エタノールを添加しない試験においてZW705に比べてキシロース利用率が多かった優れる株もあれば、エタノールを添加した試験においてグルコース利用率が多かった株もある。多くの株は、最初の24時間の生育中にグルコース利用率が増加し、かつ最初の24時間で菌塊収率量(OD600nmにて測定)も増加した。これらの株のなかから株Adapted7−31を更なる試験対象として選択した。
実施例3
加水分解物適応株の性能試験
シード発酵
1Lの発酵槽(Sartorious Stedim BIOSTAT)でシード発酵を行った。滅菌された空の発酵槽を、フィルター滅菌されたhalfYEMaxSMで充満した。濾過されてない4規定のNH4OHをpH5.5に調整するための塩基として使用して、シード発酵を33℃かつpH5.5で実施した。シード発酵物に、halfYEMaxSM中でOD600が約2.5になるまで約7.5時間生育させた充分な量の冷凍株細胞を接種した。菌体を1Lの発酵槽で希釈し、開始時のOD600nmを約0.025とした。概して、〜120g/Lのグルコースが消費されてから、かつ/またはOD600が約10に達してから、シード発酵物を回収した。シード発酵物を周期的に標本採取して生育をモニターしてから、約18.5時間で回収した。
加水分解物適応株の性能試験
シード発酵
1Lの発酵槽(Sartorious Stedim BIOSTAT)でシード発酵を行った。滅菌された空の発酵槽を、フィルター滅菌されたhalfYEMaxSMで充満した。濾過されてない4規定のNH4OHをpH5.5に調整するための塩基として使用して、シード発酵を33℃かつpH5.5で実施した。シード発酵物に、halfYEMaxSM中でOD600が約2.5になるまで約7.5時間生育させた充分な量の冷凍株細胞を接種した。菌体を1Lの発酵槽で希釈し、開始時のOD600nmを約0.025とした。概して、〜120g/Lのグルコースが消費されてから、かつ/またはOD600が約10に達してから、シード発酵物を回収した。シード発酵物を周期的に標本採取して生育をモニターしてから、約18.5時間で回収した。
加水分解物の発酵
加水分解物の発酵を1Lの発酵槽(Sartorious Stedim BIOSTAT)で実施した。滅菌された空の発酵槽を、「一般的方法」に記載されている方法で調整されたトウモロコシ穂軸加水分解物450mlで充填した。4規定のNaOHをpH調整のための塩基として使用して、加水分解物の発酵をpH5.8で実施した。加水分解物の発酵を33℃で開始した。加水分解物の発酵物に、シード発酵物(上記を参照)からのシードを10体積%(50ml)接種して、初期ODを約1.0にした。加水分解物の発酵を周期的に標本採取し、反応の進行をモニターした。「一般的方法」に記載されているように、グルコース、キシロース、およびエタノールについて標本をアッセイした。
加水分解物の発酵を1Lの発酵槽(Sartorious Stedim BIOSTAT)で実施した。滅菌された空の発酵槽を、「一般的方法」に記載されている方法で調整されたトウモロコシ穂軸加水分解物450mlで充填した。4規定のNaOHをpH調整のための塩基として使用して、加水分解物の発酵をpH5.8で実施した。加水分解物の発酵を33℃で開始した。加水分解物の発酵物に、シード発酵物(上記を参照)からのシードを10体積%(50ml)接種して、初期ODを約1.0にした。加水分解物の発酵を周期的に標本採取し、反応の進行をモニターした。「一般的方法」に記載されているように、グルコース、キシロース、およびエタノールについて標本をアッセイした。
2つの加水分解物の発酵を1週間の間隔で行った。各発酵には、対照株ZW705、および適応を経た株のなかから選択されたAdapted7−31(実施例2)を用いた。発酵時間の経過は図1に示すとおりである。Adapted7−31は、発酵過程においてグルコース利用速度がZW705よりも速くなり、キシロース総使用量が増加し、エタノール滴定値が増加した。
上に記載したように加水分解物の発酵を行い、アッセイして、対照株ZW705、株Adapted7−31、および株Adapted5−6(実施例2を参照)を比較対照した。結果は図2に示すとおりである。株Adapted5−6の性能は、株Adapted7−31の性能と同等であった。これらの適応株は両方とも、発酵開始時点でグルコース利用速度が迅速化し、発酵終了時までにキシロース利用率が増大したため、エタノール滴定終値が高まった。
実施例4
適応株の比較対照用DNA配列決定
野生型ザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)(ZM4)の全ゲノム配列が記述されている(Jeong−Sun Seo et.al,Nature Biotechnology.23,2005)。野生型開始株(ZW1;ATCC31821)、中間株(ZW658;ATCC PTA−7858)およびZW705については、高スループット454技術(Shendure and Ji,Nature Biotech.26:1135(2008))を使用して配列決定を行い、公開済み野生型配列と比較した。株Adapted5−6およびAdapted7−31については、Ilumina技術(Shendure and Ji,Nature Biotech 26:1135(2008))を使用して配列決定を行った。野生型配列、ZW658の配列、および別々に判別された挿入部位(その部位への意図的な配列変更が、2つのキシロース資化オペロンの挿入とGFOR遺伝子のノックアウトとに起因するもの)(「一般的方法」に記載)を基に、適応株由来の配列と比較対照し得るコンセンサス配列が作製された。配列決定およびゲノムアセンブリについては、以下に説明する。
適応株の比較対照用DNA配列決定
野生型ザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)(ZM4)の全ゲノム配列が記述されている(Jeong−Sun Seo et.al,Nature Biotechnology.23,2005)。野生型開始株(ZW1;ATCC31821)、中間株(ZW658;ATCC PTA−7858)およびZW705については、高スループット454技術(Shendure and Ji,Nature Biotech.26:1135(2008))を使用して配列決定を行い、公開済み野生型配列と比較した。株Adapted5−6およびAdapted7−31については、Ilumina技術(Shendure and Ji,Nature Biotech 26:1135(2008))を使用して配列決定を行った。野生型配列、ZW658の配列、および別々に判別された挿入部位(その部位への意図的な配列変更が、2つのキシロース資化オペロンの挿入とGFOR遺伝子のノックアウトとに起因するもの)(「一般的方法」に記載)を基に、適応株由来の配列と比較対照し得るコンセンサス配列が作製された。配列決定およびゲノムアセンブリについては、以下に説明する。
配列決定
株の配列決定には、配列決定技術Illumina/SolexaおよびRoche454を使用した。これらの大規模並列処理の配列決定方法を用いると、ショートリード(short reads)のきわめて高いスループットが実現される。Illuminaの場合、リード数は2億(100塩基対の長さ)を超える。Roche454による出力の場合、リード数は100万(500塩基対の長さ)である。どちらの方法を使用した場合にも、ゲノムDNA断片の両端からの配列決定が可能になり、ペアードエンドリード(paired−end reads)が起こる。
株の配列決定には、配列決定技術Illumina/SolexaおよびRoche454を使用した。これらの大規模並列処理の配列決定方法を用いると、ショートリード(short reads)のきわめて高いスループットが実現される。Illuminaの場合、リード数は2億(100塩基対の長さ)を超える。Roche454による出力の場合、リード数は100万(500塩基対の長さ)である。どちらの方法を使用した場合にも、ゲノムDNA断片の両端からの配列決定が可能になり、ペアードエンドリード(paired−end reads)が起こる。
Adatped5−6およびAdapted7−31株からの何億ものショートリード(short reads)が、野生型、ZW658、およびZW705配列から調製されたリファレンスゲノム配列にアラインされた。結果として得られたアラインメントを分析することによって、カバレージおよびバリエーションの情報が収集された。多くのリードを特定の領域に対してアラインできるため、アラインメントはリファレンスに対するリードの累積(pile up)となり、所定の位置の深度カバレージはその位置をカバーするリードの数となる。或る位置においてコンセンサス塩基がリファレンス塩基とは異なる場合、その位置は一塩基多型(SNP)バリエーションを有すると言える。
Adapted5−6およびAdapted7−31配列を適応ZW705配列の開始株と比較する際に、一塩基の変更またはSNPを、適応株ごとに同定した。Adapted5−6のSNPは、zmo1330と呼ばれる遺伝子のオープンリーディングフレーム内の位置1453116に存在した。同じオープンリーディングフレーム内にはAdapted7−31のSNPが存在していたが、その変更は別の位置(1453863)に保持されていた。Adapted5−6における変更は、コード領域(配列番号1)の位置1097に保持されている、その位置におけるCからGへの変更である。この変異が起こると、アミノ酸366のコドンがACAからAGAに変更され、結果として、コードされたタンパク質中のアミノ酸366がスレオニンからアルギニンに変更される。Adapted7−31における変更は、コード領域(配列番号1)の位置350に保持されている、その位置におけるCからGへの変更である。この変異が起こると、アミノ酸117のコドンがTCTからTTTに変更され、結果として、アミノ酸117がセリンからフェニルアラニンに変更される。
zmo1330でコードされたタンパク質を、輸送体分類データベースのBLAST(Saier Lab Bioinformatics Group;Saier et al.(2009),Nucl.Acids Res.,37:D274−8)で使用して、そのタンパク質がaaeBファミリーに属していることを同定した。このタンパク質ファミリーは、5〜6の膜交差部、かなり長い低疎水性の中間セクション、そしてC末端における同様な5〜6の膜交差部を予測する、疎水性N末端を有することにより特徴付けられる。この結果は、zmo1330でコードされたタンパク質が膜輸送タンパク質であることを示唆している。
公開済みZ.モビリス(Z.mobilis)のゲノム配列(Seo et al.,ibid;NCBI Reference:NC_006526.2)においてzmo1330は、「フザリン酸耐性タンパク質」をコードするものとして注釈付けされているzmo1432に対応している。シュードモナス‐セパシア(Pseudomonas cepacia)においてフザリン酸に対する耐性を有するうえで必要とされる一連のタンパク質は、Utsumi et al.(Agric.Biol.Chem.55:1919−1918(1991))によって同定された。フザリン酸耐性を付与する1つのオペロン様のものにおける一連のオープンリーディングフレーム(ORF)のうちの1つは、Utsumi et al.(前掲書)がfusBと命名したものである。fusBでコードされるタンパク質の配列は、バークホルデリア・セノセパシア(Burkholderia cenocepacia)由来のBcenm03_1426(配列番号7)と同一物であり、zmo1432でコードされるタンパク質とアラインされた。図3に示すとおり、2つのタンパク質配列が3つの小ギャップとアラインされ、22%の同一性および63%の類似性(Clustal Wアライメント)を有する。大腸菌(E.coli)のオペロン内でコードされる2つのタンパク質はp−アミノ安息香酸(pABA)に対する耐性を持つうえで必要であることが立証されており(VanDyk et al J.Bact.186:7196−7204(2004))、その2つのタンパク質のうちの大きい方が、AaeBの配列(配列番号8)である。このAaeBの配列に対して、Bcenm03_1426の配列はほぼ同じ同一性および類似性を有する。Zmo1432は、大腸菌(E.coli)のAaeBに対して17%の同一性、および55%の類似性を有する。zmo1432でコードされるタンパク質とaaeBに属するタンパク質とのアラインメントは、図4に示すとおりである。
Claims (8)
- zmo1432オープンリーディングフレーム中に少なくとも1つの遺伝的改変を有する、キシロース資化性エタノール産生性の、組換えザイモモナス(Zymomonas)属微生物。
- 少なくとも1つの遺伝的改変を有する前記zmo1432オープンリーディングフレームが、配列番号2に示す前記アミノ酸配列に対して少なくとも約95%の相同性を持つアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードし、
前記変異体タンパク質を存在させることによって、前記同じ条件下にて前記遺伝的改変の無いザイモモナス(Zymomonas)による産生と比較して、バイオマス加水分解物培地での発酵中に前記ザイモモナス(Zymomonas)によるエタノール産生を増強する、請求項1に記載の組換えザイモモナス(Zymomonas)。 - 遺伝的改変が、
1) 配列番号2の位置366におけるスレオニンからアルギニンへの置換、および、
2) 配列番号2の位置117におけるセリンからフェニルアラニンへの置換、
からなる群から選択されるアミノ酸置換を生じさせるzmo1432コード領域における変異である、請求項2に記載の組換えザイモモナス(Zymomonas)。 - zmo1432オープンリーディングフレーム中の少なくとも1つの遺伝的改変の無いザイモモナス(Zymomonas)と比較してバイオマス加水分解物に対する耐性に優れる、請求項1に記載の組換えザイモモナス(Zymomonas)。
- 配列番号3および配列番号4からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする、ポリヌクレオチド。
- 配列番号3および配列番号4からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する、ポリペプチド。
- a) 配列番号2に示すアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするzmo1432オープンリーディングフレームを含む、キシロース資化性エタノール産生性のザイモモナス(Zymomonas)属微生物を提供する工程と、
b) a)のzmo1432オープンリーディングフレームに変異を導入する工程であって、前記変異したオープンリーディングフレームの発現によって配列番号3および配列番号4からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドが発現する、前記工程と、
を含む組換えザイモモナス(Zymomonas)の生産方法。 - a) 請求項1に記載の組換えザイモモナス(Zymomonas)を提供する工程と、
b) キシロース含有バイオマス加水分解物培地を提供する工程と、
c) b)のバイオマス加水分解物培地中でa)のザイモモナス(Zymomonas)を生育させ、エタノールが産生される工程と、
を含むエタノールの生産方法。
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