JPWO2009075216A1 - 潰瘍治療剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、ハイドロタルサイト粒子に亜鉛を固溶させ、優れた消化性潰瘍治療効果、さらにZn補給剤としての効果をあわせ持つ複合ハイドロタルサイト粒子を有効成分とする潰瘍治療剤を提供するものである。【解決手段】ハイドロタルサイト粒子に小量のZnを固溶体として添加して、得られた下記式(1)の複合ハイドロタルサイト粒子を活性成分と使用することにより解決する。(MgaZnb)1-XAlx(OH)2(An-)x/n・mH2O (1)(但し、式中、An-はCO32-、SO42-またはCl-を示し、x、a、bおよびmは下記条件を満足する値を示す。0.18≦x≦0.40, 0.1≦a<1, 0<b≦0.5, 0≦m<1)【選択図】なし

Description

本発明は複合ハイドロタルサイト粒子を有効成分として含有する潰瘍治療剤に関するものであり、より詳しくは、優れた潰瘍治療効果を持つ、亜鉛を含有する複合ハイドロタルサイト粒子を有効成分とする新規潰瘍治療剤に関する。
胃潰瘍治療剤は昔から研究されており、多種多様な製品が開発されている。消化性潰瘍が起こる原因は、胃酸の酸度が高いこと、自律神経の興奮の促進、胃壁の血行障害、ストレス等があり、抗潰瘍剤としては粘膜保護剤とH2ブロッカーやプロトンポンプインヒビター等の胃酸の分泌を抑制する攻撃因子抑制剤が使われている。最近は抗潰瘍剤としてH2ブロッカーは、顆粒球数を減少させ、またプロトンポンプインヒビターは顆粒球のスーパオキサイド生成を抑制することが知られている(非特許文献1)。一方最近では亜鉛(Zn)の創傷治癒作用が注目され、有機物質に亜鉛(Zn)を配合した潰瘍治療剤も開発されている。例えば、亜鉛(Zn)の錯体を組みやすいという特徴を利用した、ヒスタミンH2受容体拮抗剤のシメチジンに亜鉛を配合したシメチジン亜鉛錯体(特許文献1)がある。
これら胃潰瘍治療剤のほとんどが有機物であり、その人体への安全性が懸念される。
無機物質の胃潰瘍治療剤としては制酸剤である合成ハイドロタルサイト粒子が使用されている(特許文献2および特許文献3)。合成ハイドロタルサイト粒子は医薬用制酸剤としては理想的である、と云われている。
制酸剤としての合成ハイドロタルサイト粒子は、潰瘍治療剤としても有効であり、その製造方法は、米国特許明細書に記載されている(特許文献4)(特許文献5)。このハイドロタルサイト粒子は、代表的には、化学式Mg6Al2(OH)16CO3・4H2Oで表される。しかし、従来のハイドロタルサイト粒子を潰瘍治療剤として使用する場合は長期間の服用が必要であり、長期間の服用により、胃内壁の粘膜をいためる場合がある。
Digestive Diseases and Siences,Vol.45, No.9P.1786−1791 (September 2000) 特開平6-49035号公報 特公昭46-2280号公報 特公昭50-30039号公報 米国特許3539306号明細書 米国特許3650704号明細書
ハイドロタルサイト粒子は、優れた潰瘍治療剤であるが、長期間の服用が必要であり、長期間の服用により胃内壁の粘膜を損傷する場合がある。胃内壁の保護という点から考えると、さらに改良が望まれていた。そこで、本発明の目的は、胃内壁の粘膜を損傷させず短期間の服用で優れた潰瘍治療効果を持つ潰瘍治療剤として改良された複合ハイドロタルサイト粒子を提供することにある。
本発明者らは、前記目的を達成するために、ハイドロタルサイト粒子を改質する研究を重ねた。その結果、ハイドロタルサイト粒子に微量かつ特定量の亜鉛(Zn)を固溶体として含有させた複合ハイドロタルサイト粒子は、胃内壁の粘膜を損傷することなくて優れた潰瘍治療作用を有することを見出した。すなわち、従来の胃潰瘍治療剤に比べ、速効性で副作用がない胃潰瘍治療剤である複合ハイドロタルサイト粒子を提供できることを見出した。
本発明の複合ハイドロタルサイト粒子は、亜鉛を固溶体として一定量含有している。この複合ハイドロタルサイト粒子は、亜鉛を含有しない従来のハイドロタルサイト粒子に対して、マグネシウムの一部が亜鉛に置換された化合物である。この複合ハイドロタルサイト粒子は、固溶体として含有する亜鉛に基因して潰瘍治療効果が達成される。このことは後述する比較例からも明らかである。後述する比較例では亜鉛を含有しないハイドロタルサイト粒子(Mg6Al2(OH)16・CO3・4H2O)に対して酸化亜鉛(ZnO)を混合して経口投与しても、酸化亜鉛(Zn)による治療改良効果は実質上認められなかった。
過度のストレスによる胃潰瘍の場合は、ストレスによって血液中の亜鉛(Zn)濃度が下がる。それは、ストレスによって肝臓で生成されるメタロチオネインという蛋白質が多くなるが、その際、亜鉛が大量に使用されるので、血液中の亜鉛(Zn)が肝臓に集まるため、亜鉛の血中濃度が低くなり、胃に十分供給できなくなる。そのため、潰瘍の発生を抑制する亜鉛の血中濃度が低くなり潰瘍を発生することになる。本発明の複合ハイドロタルサイト粒子の服用により、胃内壁粘膜の創傷治癒効果のみならず、複合ハイドロタルサイト粒子が胃内で胃酸により分解し、亜鉛(Zn)が血液中に効果的に吸収され、肝臓および血中の亜鉛(Zn)濃度が高くなり、胃へ亜鉛(Zn)が供給されることも胃潰瘍治癒を助けていると思われる。
さらに、本発明の複合ハイドロタルサイト粒子は人体に必要な必須ミネラルのひとつである亜鉛補給も兼ね備えている。必須ミネラルの一つである亜鉛は、最近不足しがちである。
亜鉛不足は、味覚や免疫力を低下させるだけでなく、特に妊婦の場合、体内の亜鉛が胎児に移行するので、亜鉛欠乏になりやすく、免疫力が低下する。また、亜鉛欠乏はうつ病を引き起こすことも報告されている。亜鉛欠乏のまま出産した場合は、赤ん坊にうつ状態の脳波が観察されたり、脳細胞を作るたんぱく質の合成が行われず、学習や記憶力に悪影響を及ぼすということも判ってきている。亜鉛欠乏性貧血も報告されている。貧血の女性の約48%が亜鉛性貧血であったとの報告もある。
これら人体に不足しがちな微量の亜鉛をハイドロタルサイト粒子に固溶させた複合ハイドロタルサイト粒子により提供できる。それ故、本発明による複合ハイドロタルサイト粒子は消化性潰瘍治療および亜鉛補給効果を兼ね備えた新規潰瘍治療剤であると云うことができる。
すなわち、本発明者らは、比較的安価で、しかも無毒性か、もしくは毒性が比較的少ない亜鉛イオンの微量を、ハイドロタルサイト粒子に固溶させた複合ハイドロタルサイト粒子が胃潰瘍治療効果に優れており、ミネラルとしての亜鉛(Zn)補給剤としての効果もあることを見出し本発明に到達した。
本発明によれば下記潰瘍治療剤およびその利用が提供される。
(1)下記式(1)で表される複合ハイドロタルサイト粒子を有効成分とする潰瘍治療剤。
(MgaZnb)1-XAlx(OH)2(An-)x/n・mH2O (1)
但し、式中、An-はCO3 2-、SO4 2-またはCl-を示し、nは1または2を示し、x、a、bおよびmはそれぞれ下記条件を満足する値を示す。
0.18≦x≦0.40, 0.1≦a<1, 0<b≦0.5, 0≦m<1)
(2)前記式(1)中、An-はCO3 2-またはSO4 2-である前記(1)記載の潰瘍治療剤。
(3)前記式(1)中、An-はCO3 2-である前記(1)記載の潰瘍治療剤。
(4)前記式(1)中、xは0.2≦x≦0.35を満足する前記(1)記載の潰瘍治療剤。
(5)前記式(1)中、bは0.0005≦b≦0.2を満足する前記(1)記載の潰瘍治療剤。
(6)前記式(1)中、bは0.005≦b≦0.1を満足する前記(1)記載の潰瘍治療剤。
(7)前記式(1)中、aは0.2≦a≦0.9を満足する前記(1)記載の潰瘍治療剤。
(8)哺乳動物のための消化性潰瘍に対する前記(1)記載の潰瘍治療剤。
(9)ヒトのための消化性潰瘍に対する前記(1)記載の潰瘍治療剤。
(10)ヒトのための胃潰瘍または十二指腸潰瘍に対する前記(1)記載の潰瘍治療剤。
(11)前記(1)記載の複合ハイドロタルサイト粒子の潰瘍治療のための使用。
(12)経口投与する形態における前記(1)記載の潰瘍治療剤。
(13)前記(1)記載の複合ハイドロタルサイト粒子を有効成分として含有する潰瘍治療用錠剤。
(14)前記(1)記載の複合ハイドロタルサイト粒子を有効成分として含有する潰瘍治療用顆粒剤または細粒剤。
(15)前記(1)記載の複合ハイドロタルサイト粒子を有効成分として含有する潰瘍治療用スラリー剤。
(16)前記(1)記載の複合ハイドロタルサイト粒子を有効成分として含有する亜鉛補給剤。
(17)消化性潰瘍を患っている人に対して、前記(1)記載の複合ハイドロタルサイト粒子の有効量を、経口投与することを特徴とする消化性潰瘍の治療方法。
(18)潰瘍治療に対する薬剤の製造のための前記(1)記載の複合ハイドロタルサイト粒子の使用。
本発明によれば、消化性潰瘍に対して、治療効果を有する複合ハイドロタルサイト粒子が提供される。この複合ハイドロタルサイト粒子は亜鉛(Zn)の一定量が固溶体として含有している合成ハイドロタルサイト粒子であり、前記式(1)で表わされる。本発明の複合ハイドロタルサイト粒子は、経口投与することにより、消化性潰瘍が早く治癒される。亜鉛を含有しないハイドロタルサイト粒子に比較して、治癒効果は速効性であり、副作用が少なく、しかも胃や腸の内壁の粘膜を損傷することは極めて少ない。
本発明の複合ハイドロタルサイト粒子は、前述したように下記式(1)で表わされる。
(MgaZnb)1-XAlx(OH)2(An-)x/n・mH2O (1)
(但し、式中、An-はCO3 2-、SO4 2-またはCl-を示し、nは1または2を示し、x,a,bおよびmはそれぞれ下記条件を満足する値を示す。 0.18≦x≦0.40 0.1≦a<1 0<b≦0.5 0≦m<1)
本発明の式(1)で表される複合ハイドロタルサイト粒子は、ハイドロタルサイト粒子に小量の亜鉛(Zn)が固溶体として含有したものである。そのため、本発明の複合ハイドロタルサイト粒子は、ハイドロタルサイト粒子と同じ結晶構造を有する化合物であり、粉末X線回折法によれば、ハイドロタルサイト粒子と同じ回折パターンを示す(表1参照)。さらに、本発明の複合ハイドロタルサイト粒子は、亜鉛がハイドロタルサイト中に固溶しているため、経口投与により胃内壁および腸内壁を痛めることもない。
本発明の複合ハイドロタルサイト粒子は、前記式(1)で表される化学構造を有している。この式(1)について以下具体的に説明する。
式(1)中、An-は、n価のアニオンであり、CO3 2-、SO4 2-またはCl-であり、CO3 2-、またはSO4 2-が好ましく、CO3 2-がもっとも好ましい。これらアニオンは2種、例えば、CO3 2-およびSO4 2-が同時に含まれてもよい。xは0.18≦x≦0.4を満足するが、0.2≦x≦0.35が好ましく、0.24≦x≦0.3がより好ましい。bは、0<b≦0.5を満足するが、0.0005≦b≦0.2が好ましく、0.005≦b≦0.1が特に好ましい。また、aは0.1≦a<1を満足するが、0.2≦a≦0.9が好ましく、0.3≦a≦0.8が特に好ましい。mは、結晶水の含有量を示し、0≦m<1を満足するが、0.1≦m<1が好ましい。
本発明の複合ハイドロタルサイト粒子はほとんど無毒であり、LD50は、15,000mg/kg以上(経口 ラット)である。
本発明の複合ハイドロタルサイト粒子の製造方法は基本的には公知のハイドロタルサイト粒子の製造方法(例えば、米国特許3539306号明細書)と同様の方法である。その際、亜鉛(Zn)が固溶体として含有されるように、マグネシウム塩及び/またはアルミニウム塩と一緒に原料中に添加される。亜鉛(Zn)はその所定量を、好ましくは硝酸塩、硫酸塩または塩化物のような水溶性塩として原料中に添加すればよく、反応条件は前記米国特許明細書中に記載された範囲を選択するのが望ましい。
本発明の複合ハイドロタルサイト粒子の製造方法は、例えば、Mg、ZnおよびAlの塩(硝酸塩、塩化物、および硫酸塩)を目的のハイドロタルサイト粒子を構成する金属元素の比率で含む水溶液と炭酸ナトリウム水溶液(Na2CO3/Al=0.35〜0.75)および水酸化ナトリウム水溶液とを接触させ、水酸化ナトリウム水溶液で反応液のpHを10〜10.5に保持して共沈殿させる。反応は室温ないし100℃の温度で行う。また反応生成物をそのまま、または洗浄し、懸濁液(水系)を70〜200℃の温度で0.5〜24時間水熱反応を行うことも出来る。
本発明の複合ハイドロタルサイト粒子は、特にその形状は制限されないが、レーザー回折散乱法で測定された平均2次粒子径は、0.1〜20μm、好ましくは0.2〜10μmであるのが有利であり、BET法比表面積は5〜30m2/g、好ましくは7〜25m2/gであるのが望ましい。
本発明の複合ハイドロタルサイト粒子は、潰瘍治療剤として使用する場合は、粉末状、細粒状、顆粒状、錠剤、カプセル剤または、スラリー状のいずれの形態でもよく、賦形剤、結合剤、崩壊剤および滑沢剤等を必要に応じ添加することが出来る。
結合剤としては結晶セルローズ、デンプン系等、崩壊剤としては、とうもろこしデンプン、馬鈴薯デンプン、デキストリン、ヒドロキシプロピルスターチ、部分アルファー化デンプン、カルボキシメチルスターチナトリウム、等のデンプン系崩壊剤、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、カルメロース、カルボキシスターチナトリウム等がある。
本発明の複合ハイドロタルサイト粒子を錠剤として成形する場合、錠剤全重量当り、複合ハイドロタルサイト粒子は70〜99.5重量%、好ましくは80〜99重量%含有するのが有利である。また錠剤中には添加剤を0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%含有することができる。錠剤中の添加剤としては、前述した結合剤および崩壊剤の他に、甘味剤、矯味剤、香料、滑沢剤、着色剤およびコーティング剤を挙げることができる。錠剤の形状としては、丸形、楕円形、球形、ドーナツ型、棒状形などを挙げることができる。
本発明の潰瘍治療剤は哺乳動物の種々の潰瘍に対してその組織の修復に効果をもたらす。殊に消化性潰瘍に対して優れた治療効果を奏する。すなわち、口腔、食道、胃、十二指腸、小腸および大腸の如き消化器官の潰瘍に対して、本発明の治療剤は早い回復効果を有している。とりわけ胃および十二指腸の潰瘍に対する治療効果は顕著である。その理由は、本発明の治療剤に含まれる複合ハイドロタルサイト粒子はそれ自体が優れた制酸剤であり、胃酸のpHを中和する速効性および中和効果の持続性に優れていることもこれらの潰瘍を治癒することに役立っているものと考えられる。
本発明の潰瘍治療剤は、哺乳動物であれば、種々の動物に対して有効である。ヒトのみならず、牛、豚および羊などの家畜類、犬および猫などのペット類に対して有効である。とりわけヒトの消化性潰瘍(特に胃潰瘍および十二指腸潰瘍)の治療に優れた効果を発揮する。
本発明の潰瘍治療剤は、経口投与する場合、その投与量は複合ハイドロタルサイト粒子の量として成人1人1日当り、0.2〜5g、好ましくは1〜4gの範囲が適当であるが、症状に応じて、この範囲と外れて増減することが可能である。
実施例に基づき、本発明を詳細に説明する。
実施例において、複合ハイドロタルサイト粒子の(a)ZnおよびAsの分析法、(b)平均2次粒子径、(c)BET法比表面積および(d)X線回折はいずれも以下に記載する測定法によって測定された値を意味する。
(a)ZnおよびAs(ヒ素)の分析
原子吸光法により測定した。
(b)平均2次粒子径(レーザー回折散乱法による測定)
MICROTRACK粒度分布計(日機装 X−100 HRA)を用いて測定する。
試料粉末700mgに、0.2W/V% ヘキサメタリン酸ナトリウム溶液70mLを徐々に加え、超音波ホモジナイザー、US−300T((株)日本精機製作所製)で3分間超音波分散を行う。超音波分散後、直ちにミニスターラーで撹拌し、超音波処理から1分以内に、その分散液2.5〜4.0mLを採って、MICROTRACK粒度分布計(日機装 X−100 HRA)の溶媒循環器に添加し、1分後に粒度分布を測定する。合計2回の測定を行い、それぞれの測定について得られた50%累積2次粒子径の算術平均値を算出して、試料の平均2次粒子径とする。
(c)BET法比表面積
液体窒素の吸着法により測定した。
(d)粉末X線回折測定法
CuKα角度(2θ);5〜65°、ステップ:0.02、
スキャンスピード:4°/分、管理電圧;40KV、管理電流;20mA、
使用装置;RINT2200VX回折システム(理学電機株式会社製)
1.50モル/L濃度の硝酸マグネシウムと3.61×10-3モル/L濃度の硝酸亜鉛および0.752モル/L濃度の硝酸アルミニウムとの混合水溶液{A液とする}と0.45モル/L濃度の炭酸ナトリウム水溶液{B液}および3.4N濃度の水酸化ナトリウム水溶液{C液}を調製する。次に、A液, B液,およびC液を定量ポンプを用いてA液/B液=1:1の容量比となる流量で反応槽に注加し、C液で反応液のpH値を10〜10.5の範囲に保持し、反応温度は40℃で行い沈殿物を生成させた。濾過、洗浄、110℃で一夜乾燥後、粉砕、篩過して次に示す組成の複合ハイドロタルサイト粒子を得た。洗浄は水洗後、10-3モル/Lの塩酸で洗浄した。この時の塩酸量は複合ハイドロタルサイト粒子重量の30倍とした。
組成:Mg0.665Zn0.0016Al0.333(OH)2(CO3)0.167・0.5H2O
この複合ハイドロタルサイト粒子の、Znの分析結果を表2に示す。表2にはヒ素(As)の分析結果も示した(以下同じ)。
1.20モル/L濃度の硝酸マグネシウム0.754モル/L濃度の硝酸亜鉛および0.31モル/L濃度の硝酸アルミニウムとの混合水溶液(A液とする)と0.45モル/L濃度の炭酸ナトリウム水溶液(B液)および3.4N濃度の水酸化ナトリウム水溶液(C液)を調整する。
次に、実施例1と同様の方法で反応を行い、下記に示す組成の複合ハイドロタルサイト粒子を得た。
洗浄は水洗後、10−4モル/L濃度の硝酸水溶液を複合ハイドロタルサイト粒子重量の30倍量を用いて洗浄した。
組成:Mg0.53Zn0.137Al0.333(OH)(CO0.167・0.5H
この複合ハイドロタルサイト粒子のZnの分析値を表2に示す。
1.50モル/L濃度の硝酸マグネシウムと3.08×10-3モル/L濃度の硝酸亜鉛および0.501モル/L濃度の硝酸アルミニウムとの混合水溶液{A液}と0.30モル/L濃度の炭酸ナトリウム水溶液{B液}および3.4N濃度の水酸化ナトリウム水溶液{C液}を調製する。次に、実施例1と同様の方法で反応を行い、下記に示す組成の複合ハイドロタルサイト粒子を得た。洗浄は水洗後、10-3モル/Lの酢酸を複合ハイドロタルサイト粒子重量の30倍量用い、洗浄した。
組成:Mg0.7485Zn0.0015Al0.25(OH)2(CO3)0.125・0.5H2O
この複合ハイドロタルサイト粒子のZnの分析結果を表2に示す。
1.50モル/L濃度の硝酸マグネシウムと1.733×10-2モル/L濃度の硝酸亜鉛および0.506モル/L濃度の硝酸アルミニウムとの混合水溶液{A液}と0.304モル/L濃度の炭酸ナトリウム水溶液{B液}および3.4N濃度の水酸化ナトリウム水溶液{C液}を調製する。次に、実施例1と同様の方法で反応を行い、得られた反応液を150℃で12時間水熱反応させた。冷却後、ろ過、水洗後0.1モル/L濃度の炭酸ナトリウムの水溶液(0.03モル)で洗浄し、さらに、水洗を行った。次に、10-4モル/Lの塩酸を複合ハイドロタルサイト粒子重量の40倍量を用い、洗浄した。110℃で一夜乾燥後、粉砕、篩過して下記に示す組成の複合ハイドロタルサイト粒子を得た。
組成:Mg0.7414Zn0.0086Al0.25(OH)2(CO3)0.125・0.5H2O
この複合ハイドロタルサイト粒子の、Znの分析結果を表2に示す。
1.50モル/L度の硫酸マグネシウムと2.9×10-3モル/L濃度の硫酸亜鉛および0.1879モル/L濃度の硫酸アルミニウムとの混合水溶液{A液}と0.23モル/L濃度の炭酸ナトリウム水溶液{B液}および3.4N濃度の水酸化ナトリウム水溶液{C液}を調製する。次に、実施例1と同様の方法で反応を行い、得られた反応液を濾過、水洗後、0.1モル/L濃度の炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し更に水洗を行った。次に、10-4モル/Lの塩酸を複合ハイドロタルサイト粒子重量の40倍量を用い、洗浄した。40℃で一夜乾燥後、粉砕、篩過して下記に示す組成の複合ハイドロタルサイト粒子を得た。
組成:Mg0.7985Zn0.0015Al0.20(OH)2(CO3)0.0994(SO4)0.0006・0.75H2O
この複合ハイドロタルサイト粒子の、Znの分析結果を表2に示す。
1.50モル/L濃度の硫酸マグネシウムと1.627×10-2モル/L濃度の硫酸亜鉛および0.1895モル/L濃度の硫酸アルミニウムとの混合水溶液{A液}と0.23モル/L濃度の炭酸ナトリウム水溶液{B液}および3.4N濃度の水酸化ナトリウム水溶液{C液}を調製する。次に、実施例1と同様の方法で反応を行い、得られた反応液を濾過、水洗後、0.1モル/L濃度の炭酸ナトリウム水溶液で洗浄しさらに水洗を行った。その後、10-4モル/Lの酢酸を複合ハイドロタルサイト粒子重量の40倍量用い、洗浄した。110℃で一夜乾燥後、粉砕、篩過して下記に示す組成の複合ハイドロタルサイト粒子を得た。
組成:Mg0.7914Zn0.0086Al0.20(OH)2(CO3)0.0994(SO4)0.0006・0.6H2O
この複合ハイドロタルサイト粒子の、Znの分析結果を表2に示す。
1.50モル/L濃度の塩化マグネシウムと2.03×10-2モル/L濃度の硫酸亜鉛および0.507モル/L濃度の塩化アルミニウムとの混合水溶液{A液}と0.30モル/L濃度の炭酸ナトリウム水溶液{B液}および3.4N濃度の水酸化ナトリウム水溶液{C液}を調製する。次に、実施例1と同様の方法で反応を行い、下記に示す組成の複合ハイドロタルサイト粒子を得た。洗浄は水洗後、10−4モル/Lの硝酸を複合ハイドロタルサイト粒子重量の40倍量を用い、洗浄した。
組成:Mg0.74Zn0.01Al0.25(OH)2(CO3)0.125・0.5H2O
この複合ハイドロタルサイト粒子の、Znの分析結果を表2に示す。また複合ハイドロタルサイト粒子の粉末X線回折法による回折パターンの特徴的ピークを表1に示す。
1.20モル/L濃度の塩化マグネシウムと1.13×10-2モル/L濃度の硫酸亜鉛および0.404モル/L濃度の塩化アルミニウムとの混合水溶液{A液}と0.24モル/L濃度の炭酸ナトリウム水溶液{B液}および3.4N濃度の水酸化ナトリウム水溶液{C液}を調製する。次に、実施例1と同様の方法で反応を行い、得られた反応液を洗浄し、懸濁液(水系)を120℃で15時間水熱反応させた。冷却後、濾過、洗浄、110℃で一夜乾燥後、粉砕、篩過して下記組成の複合ハイドロタルサイト粒子を得た。洗浄は水洗後、10-4モル/Lの酢酸を複合ハイドロタルサイト粒子重量の40倍量を用い、洗浄した。
組成:Mg0.743Zn0.007Al0.25(OH)2(CO3)0.125・0.5H2O
この複合ハイドロタルサイト粒子の、Znの分析結果を表2に示す。
1.2モル/L濃度の塩化マグネシウムと4.82×10-3モル/L濃度の硝酸亜鉛および0.20モル/L濃度の硫酸アルミニウムの混合水溶液{A液}290mlと3.4モル/L濃度の水酸化ナトリウム水溶液273mlと0.24モル/L濃度の炭酸ナトリウム水溶液290mlとの混合水溶液{B液}を調整する。
次に、1リットル容器に{B液}を入れ、室温下攪拌しつつ{A液}を注加する。さらに40分間攪拌後、反応液を150℃で8時間水熱反応させた。冷却後、濾過、水洗し、引き続いて0.078モル/L濃度の炭酸ナトリウム(0.03モル/L)で洗浄し、さらに水洗して105℃で一夜乾燥した。粉砕・篩過して下記に示す組成式の複合ハイドロタルサイト粒子を得た。
組成式::Mg0.747Zn0.003Al0.25(OH)2(CO3)0.125・0.5H2O
この複合ハイドロタルサイト粒子の、Znの分析結果を表2に示す。
なお、前記複合ハイドロタルサイト粒子中の鉛(Pb)、カドミュウム(Cd)およびクロム(Cr)の含有量を原子吸光法により測定した結果、それぞれ0.1ppm以下、0.23ppmおよび0.69ppmであり、水銀(Hg)の含有量を還元気化原子吸光法により測定した結果0.01ppm以下であった。また硫酸イオン(SO4)および塩素イオン(Cl)の含有量を蛍光X線法により測定した結果、それぞれ0.077wt%および0.007wt%であった。
1.20モル/L濃度の塩化マグネシウムと7.21×10-3モル/L濃度の硝酸亜鉛および0.604モル/L濃度の塩化アルミニウムとの混合水溶液{A液}と0.36モル/L濃度の炭酸ナトリウム水溶液{B液}および3.4N濃度の水酸化ナトリウム水溶液{C液}を調製する。次に、実施例1と同様の方法で反応を行い、得られた反応液を90℃で8時間加熱反応させた。冷却後、濾過、洗浄、110℃で一夜乾燥後、粉砕、篩過して下記に示す組成の複合ハイドロタルサイト粒子を得た。洗浄は水洗後、10-5モル/Lの硝酸を複合ハイドロタルサイト粒子重量の50倍量用い、洗浄した。
組成:Mg0.662Zn0.004Al0.333(OH)2(CO3)0.167・0.5H2O
この複合ハイドロタルサイト粒子の、Znの分析結果を表2に示す。
1.20モル/L濃度の塩化マグネシウムと1.09×10-2モル/L濃度の硝酸亜鉛および0.605モル/L濃度の塩化アルミニウムとの混合水溶液{A液}と0.36モル/L濃度の炭酸ナトリウム水溶液{B液}および3.4N濃度の水酸化ナトリウム水溶液{C液}を調製する。次に、実施例1と同様の方法で反応を行い、得られた反応液を洗浄し、懸濁液(水系)を130℃で4時間水熱反応させた。冷却後、濾過、洗浄し110℃で一夜乾燥後、粉砕して下記に示す組成の複合ハイドロタルサイト粒子を得た。洗浄は水洗後、10-5モル/Lの酢酸を複合ハイドロタルサイト粒子重量の50倍量を用い、洗浄した。
組成:Mg0.660Zn0.006Al0.333(OH)2(CO3)0.167・0.5H2O
この複合ハイドロタルサイト粒子のZnの分析結果を表2に示す。
1L容器に3.4Nの水酸化ナトリウム水溶液273mLと1.2モル/Lの炭酸ナトリウム水溶液58mLを入れ、室温下攪拌しつつ1.2モル/Lの塩化アルミニウム水溶液284mL、0.7モル/Lの硝酸亜鉛水溶液10mLおよび1モル/Lの硫酸アルミニウム水溶液58mLとの混合水溶液を注加する。1時間攪拌後、オートクレーブ装置に移して150℃で12時間水熱反応させた。冷却後、水熱反応物を濾過、水洗し、さらに炭酸ナトリウム水溶液400mL(0.03モル)で洗浄後水洗し、110℃で一夜乾燥した。粉砕、篩過して下記に示す組成の複合ハイドロタルサイト粒子を得た。
組成:Mg0.735Zn0.015Al0.25(OH)2(CO30.125・0.5H2O
この複合ハイドロタルサイト粒子のZnの分析結果を表2に示す。
1.5モル/L濃度の塩化マグネシウムと0.23モル/L濃度の硝酸亜鉛および0.288モル/L濃度の硫酸アルミニウムとの混合水溶液{A液}と0.346モル/L濃度の炭酸ナトリウム水溶液{B液}および3.4N濃度の水酸化ナトリウム水溶液{C液}を調整する。次にA液、B液およびC液を定量ポンプを用いて、A液とB液は同一流量比で脱イオン水を入れた反応層に注加し、C液で反応液のpH値を10〜10.5の範囲に保持して沈殿物を生成させた。反応温度は40℃、反応槽での反応液の滞留時間は40分で行った。濾過、洗浄し110℃で一夜乾燥、粉砕、篩過して次に示す組成の複合ハイドロタルサイト粒子を得た。
組成:Mg0.65Zn0.1Al0.25(OH)2(CO3)0.125・0.5H2O
この複合ハイドロタルサイト粒子のZnの分析値を表2に示す。
1.4モル/L硫酸マグネシウム水溶液2.82L、1モル/L硫酸アルミニウム水溶液1L、1.0モル/L塩化亜鉛水溶液0.1Lを5L容ポリビーカーに投入し、よく攪拌しMg-Al-Zn混液{A液}を調整する。容量10Lのステンレス製丸槽に、3.0モル/L水酸化ナトリウム水溶液4Lを入れ、攪拌下にA液を定量ポンプを用いて60分で投入した。得られた反応懸濁液を、濾過、洗浄、乾燥後ラボスケール粉砕機で粉砕することにより、次に示す組成の複合ハイドロタルサイト粒子を得た。なお、反応温度は、28〜32℃で、反応終了時の液pHは10.6であった。
組成:Mg0.658Zn0.017Al0.333(OH)2(SO4)0.175・0.398H2O
この複合ハイドロタルサイト粒子のZnの分析値を表2に示す。
0.2モル/L濃度の塩化マグネシウムと0.6モル/Lの硝酸亜鉛および0.2モル/Lの硫酸アルミニウムとの混合水溶液{A液}と0.24モル/Lの炭酸ナトリウム水溶液{B液}および3.4Nの水酸化ナトリウム水溶液{C液}を調製する。次にA液、B液およびC液を定量ポンプを用いて、A液とB液は同一流量比で脱イオン水を入れた反応槽に注加し、C液で反応液のpH値を9.0〜9.5の範囲に保持して沈殿物を生成させた。反応温度は35℃、反応槽での反応液の滞留時間は30分で行った。濾過、洗浄し110℃で一夜乾燥後、粉砕・篩過して次に示す組成の複合ハイドロタルサイト粒子を得た。
組成:Mg0.167Zn0.5Al0.333(OH)2(CO3)0.167・0.5H2O
この複合ハイドロタルサイト粒子のZnの分析値を表2に示す。
(1)水酸化アルミニウム懸濁液の調製
日本薬局方第十五改正適合乾燥水酸化アルミニウムゲルとして、協和化学工業株式会社製商品名S−100(Al 含有量54%)47gを水道水150mLの水に懸濁し使用した。
(2)反応方法
2L容量のビーカーに、水道水500mLと和光純薬工業株式会社製試薬特級塩化亜鉛(ZnCl)3.8gを投入し攪拌溶解した。続いて、協和化学工業株式会社製形状が短冊状塩基性炭酸マグネシウム(商品名シタ)140gを投入後、前記(1)に記した水酸化アルミニウムゲル懸濁液を投入し、更に、3.3モル/L水酸化ナトリウム水溶液598mLを加えた。その後、液温を90℃に昇温後、同温度で3時間加熱熟成した。冷却後、得られた反応懸濁液をヌッチェで減圧下に洗浄、脱水後、90℃で20時間乾燥し、ラボスケールハンマーミルで粉砕し下記に示す組成の複合ハイドロタルサイト粒子を得た。尚、熟成終了後の反応懸濁液pHは10.73であった。
組成:Mg0.732Zn0.013Al0.25(OH)2(CO3)0.171・0.6H2O
この複合ハイドロタルサイト粒子のZnの分析値を表2に示す。また得られた複合ハイドロタルサイト粒子を顕微鏡にて観察したところ、粒子形状は長軸の長さが23〜62μm、短軸の長さ7〜12μmである柱状粒子であった。
Figure 2009075216
Figure 2009075216
比較例1
協和化学工業株式会社製のハイドロタルサイト粒子(商品名アルカマック)を使用した。“アルカマック”は化学式Mg6Al2(OH)16(CO3)・4H2Oであらわされるハイドロタルサイト粒子である。なお、アルカマックの鉛(Pb)、カドミュウム(Cd)、クロム(Cr)、水銀(Hg)、硫酸イオン(SO4)、塩素イオン(Cl)を実施例9と同様の方法で測定した結果は、それぞれ0.1ppm>、0.20ppm、0.72ppm、0.01ppm>、0.090wt%、0.010wt%であった。
比較例2
ハイドロタルサイト粒子と酸化亜鉛粒子との混合試料の調製;
150g/Lのハイドロタルサイト粒子スラリー(協和化学製の商品名;アルカマック)1.5Lに、Zn量で1wt%になるように、日本薬局方酸化亜鉛(ZnO)2.83gを加え、均一になるように混合し、スプレードライヤーにて噴霧乾燥し、混合試料を得た。均一に分散しているかどうかの確認のため、X線マイクロアナライザー(日本電子株式会社製 EPMA)で測定し、均一混合物であることを確認した。
(薬理試験)
雄ラット(SPF)を用いて実施例12で得られた複合ハイドロタルサイト粒子を用い、胃潰瘍に対する影響を調べた。ハイドロタルサイト粒子は協和化学工業株式会社製グレード名“アルカマック”を使用した。この“アルカマック”は化学式Mg6Al2(OH)16(CO3)・4H2Oで表わされるハイドロタルサイト粒子である。
(試験方法)
試験群構成
対象群(媒体) 6匹
複合ハイドロタルサイト粒子 100mg/Kg 6匹
ハイドロタルサイト粒子 100mg/Kg 6匹
一晩絶食したラットをペントバルビタールナトリウム(40mg/Kg、i.p.)麻酔下に開腹し、胃体部と幽門前庭部の境界の粘膜下組織に漿膜側より20%酢酸30μLを注入し、酢酸潰瘍を作製する。潰瘍モデル作製3日後に群分けをして被験物質を1日1回100mg/kgの薬剤を10日間反復経口投与する。最終投与の翌日にペントバルビタールナトリウム(40mg/Kg、i.p.)麻酔下に胃を摘出して潰瘍の長径×短径(mm)を測定し、その積(mm2)を損傷係数とし、6匹の平均値±標準誤差で示した。結果は表3に示す。
この結果は、本発明の複合ハイドロタルサイト粒子は有効であることを示している。
Figure 2009075216
(薬理試験)
雄ラット(SPF)を用いて実施例15で得られた複合ハイドロタルサイト粒子をそれぞれ用い、実施例17と同様にして胃潰瘍に対する影響を調べた。
その結果を表4に示す。
(薬理試験)
雄ラット(SPF)を用いて実施例9で得られた複合ハイドロタルサイト粒子をそれぞれ用い、実施例17と同様にして胃潰瘍に対する影響を調べた。
その結果を表4に示す。
この結果は、実施例9および実施例15の複合ハイドロサイト粒子は特に有効であることを示している。
Figure 2009075216
(薬理試験)
雄ラット(SPF)を用いて実施例16で得られた複合ハイドロタルサイト粒子を用い、実施例17と同様にして胃潰瘍に対する影響を調べた。
その結果を表5に示す。
この結果は本発明の複合ハイドロタルサイト粒子は有効であることを示している。
Figure 2009075216
比較例3
(薬理試験)
雄ラット(SPF)を用いて比較例2で得られた混合試料(ハイドロタルサイト粒子および酸化亜鉛粒子の混合物:亜鉛(Zn)含有量1wt%)を用いて実施例17と同様にして胃潰瘍に対する影響を調べた。
その結果を表6に示す。
この結果は、比較例2の混合試料は効果がないことを示している。
Figure 2009075216

Claims (18)

  1. 下記式(1)で表される複合ハイドロタルサイト粒子を有効成分とする潰瘍治療剤。
    (MgaZnb)1-XAlx(OH)2(An-)x/n・mH2O (1)
    但し、式中、An-はCO3 2-、SO4 2-またはCl-を示し、nは1または2を示し、x、a、bおよびmはそれぞれ下記条件を満足する値を示す。
    0.18≦x≦0.40, 0.1≦a<1, 0<b≦0.5, 0≦m<1)
  2. 前記式(1)中、An-はCO3 2-またはSO4 2-である請求項1記載の潰瘍治療剤。
  3. 前記式(1)中、An-はCO3 2-である請求項1記載の潰瘍治療剤。
  4. 前記式(1)中、xは0.2≦x≦0.35を満足する請求項1記載の潰瘍治療剤。
  5. 前記式(1)中、bは0.0005≦b≦0.2を満足する請求項1記載の潰瘍治療剤。
  6. 前記式(1)中、bは0.005≦b≦0.1を満足する請求項1記載の潰瘍治療剤。
  7. 前記式(1)中、aは0.2≦a≦0.9を満足する請求項1記載の潰瘍治療剤。
  8. 哺乳動物のための消化性潰瘍に対する請求項1記載の潰瘍治療剤。
  9. ヒトのための消化性潰瘍に対する請求項1記載の潰瘍治療剤。
  10. ヒトのための胃潰瘍または十二指腸潰瘍に対する請求項1記載の潰瘍治療剤。
  11. 請求項1記載の複合ハイドロタルサイト粒子の潰瘍治療のための使用。
  12. 経口投与する形態における請求項1記載の潰瘍治療剤。
  13. 請求項1記載の複合ハイドロタルサイト粒子を有効成分として含有する潰瘍治療用錠剤。
  14. 請求項1記載の複合ハイドロタルサイト粒子を有効成分として含有する潰瘍治療用顆粒剤または細粒剤。
  15. 請求項1記載の複合ハイドロタルサイト粒子を有効成分として含有する潰瘍治療用スラリー剤。
  16. 請求項1記載の複合ハイドロタルサイト粒子を有効成分として含有する亜鉛補給剤。
  17. 消化性潰瘍を患っている人に対して、請求項1記載の複合ハイドロタルサイト粒子の有効量を、経口投与することを特徴とする消化性潰瘍の治療方法。
  18. 潰瘍治療に対する薬剤の製造のための請求項1記載の複合ハイドロタルサイト粒子の使用。
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