JP2009263314A - 制酸および緩下用複合水酸化マグネシウム粒子 - Google Patents
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Abstract
【課題】水酸化マグネシウム粒子は、制酸および緩下剤として優れているが、正常な胃の場合は、胃内でpHが上がりすぎるきらいがあり、胃壁を犯され潰瘍になりやすく、胃内壁の保護という点から考えると不十分であった。さらに、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸等の内壁粘膜の保護という点でも充分ではなかった。そこで本発明は、優れた消化器官内壁の保護効果、潰瘍発生抑制効果を持つ制酸および緩下剤であり、さらに亜鉛補給剤としても有用な複合水酸化マグネシウム粒子を提供することにある。
【解決手段】水酸化マグネシウム粒子に微量のZnを添加して、下記式(1)の複水酸化マグネシウム粒子を製造することにより、解決する。
(Mg2+)1-x(Zn2+)x(OH)2 (1)
(式中、xは0.0001〜0.3を示す)
【選択図】なし
【解決手段】水酸化マグネシウム粒子に微量のZnを添加して、下記式(1)の複水酸化マグネシウム粒子を製造することにより、解決する。
(Mg2+)1-x(Zn2+)x(OH)2 (1)
(式中、xは0.0001〜0.3を示す)
【選択図】なし
Description
本発明は複合水酸化マグネシウム粒子に関するものであり、より詳しくは、水酸化マグネシウム粒子に小量の亜鉛(Zn)化合物を添加して、複合水酸化マグネシウム粒子とすることにより、従来の水酸化マグネシウム粒子より優れた消化器官粘膜保護及び体内吸収力が優れたZn補給剤としての効果も持つ制酸および緩下用複合水酸化マグネシウム粒子に関する。
従来の制酸用水酸化マグネシウム粒子は、単独で使用されてはおらず、制酸成分を補助する目的としたもの(特許文献1)、他の制酸剤との組み合わせ(特許文献2)等である。
緩下剤としての水酸化マグネシウムは柔便化剤として(特許文献3)、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム等の塩類性下剤にジメチルポリシロキサンを配合し、緩下作用を即効的に行うことが提案されている(特許文献4)。
特開平7-101867号公報
特開2006-131555号公報
特表平10-502930号公報
特開2007-15982号公報
必須ミネラルの一つであるマグネシウムおよび亜鉛は、最近不足しがちである。
亜鉛不足は、味覚や免疫力が低下すると云われている。特に妊婦の場合、体内の亜鉛が胎児に移行するので、亜鉛欠乏になりやすく、免疫力が低下する。また、亜鉛欠乏はうつ病を引き起こすことが報告されている。亜鉛欠乏のまま出産した場合は赤ん坊にうつ状態の脳波が観察されたり、脳細胞を作るたんぱく質の合成が行われず、学習や記憶力に悪影響を及ぼすということも判ってきている。亜鉛欠乏性貧血も報告されている。貧血の女性の約48%が亜鉛性貧血であったとの報告もある。これらZn補給が必要とされる妊婦や貧血女性は一方で緩下剤を必要とするケースも多い。
これら人体に不足しがちな小量の亜鉛と水酸化マグネシウム粒子を組み合わせた複合水酸化マグネシウム粒子を提供できれば、優れた制酸および緩下作用とともに、亜鉛不足を解消することができる。
亜鉛不足は、味覚や免疫力が低下すると云われている。特に妊婦の場合、体内の亜鉛が胎児に移行するので、亜鉛欠乏になりやすく、免疫力が低下する。また、亜鉛欠乏はうつ病を引き起こすことが報告されている。亜鉛欠乏のまま出産した場合は赤ん坊にうつ状態の脳波が観察されたり、脳細胞を作るたんぱく質の合成が行われず、学習や記憶力に悪影響を及ぼすということも判ってきている。亜鉛欠乏性貧血も報告されている。貧血の女性の約48%が亜鉛性貧血であったとの報告もある。これらZn補給が必要とされる妊婦や貧血女性は一方で緩下剤を必要とするケースも多い。
これら人体に不足しがちな小量の亜鉛と水酸化マグネシウム粒子を組み合わせた複合水酸化マグネシウム粒子を提供できれば、優れた制酸および緩下作用とともに、亜鉛不足を解消することができる。
水酸化マグネシウム粒子は、制酸・緩下剤として優れているが、正常な胃の場合は、胃内でpHが上がりすぎるきらいがあり、胃壁を犯され潰瘍になりやすく、胃内壁の保護という点から考えると不十分である。さらに、腸壁の保護という点でも充分ではなかった。そこで本発明の目的は、優れた食道、胃、十二指腸、小腸、大腸等消化器官内壁粘膜の保護効果、潰瘍発生抑制効果を持つ制酸および緩下剤として、さらに亜鉛補給剤としての有用な複合水酸化マグネシウム粒子を提供することにある。
本発明者は、前記目的を達成するために、水酸化マグネシウムを改質する研究を重ねた。その結果、本発明者等は亜鉛が皮膚や粘膜を保護する性質を持っていることに着目し、水酸化マグネシウムに小量のZnを固溶体として含有させる事により、優れた亜鉛補給剤および消化官粘膜保護および消化性潰瘍発生抑制効果を備えた制酸および緩下剤が得られることを見出した。
すなわち、本発明者は、比較的安価で、しかも無毒性か、もしくは毒性が比較的少なく、皮膚や粘膜保護に優れ人間が必要とするミネラルの一つである亜鉛イオンの微量を、水酸化マグネシウム粒子に固溶させた式(1)
(Mg2+)1-x(Zn2+)x(OH)2 (1)
(式中xは0.0001〜0.3を示す)
で表される複合水酸化マグネシウム粒子が、亜鉛およびマグネシウム補給に効果的であることを見出した。さらに、胃潰瘍の防止効果も認められた。
(Mg2+)1-x(Zn2+)x(OH)2 (1)
(式中xは0.0001〜0.3を示す)
で表される複合水酸化マグネシウム粒子が、亜鉛およびマグネシウム補給に効果的であることを見出した。さらに、胃潰瘍の防止効果も認められた。
本発明の式(1)で表される複合水酸化マグネシウム粒子は、本発明者が見出した新規な化合物で、水酸化マグネシウムに小量の亜鉛(Zn)を固溶させたものである。これは、水酸化マグネシウム粒子と同じ結晶構造を有する化合物である。粉末X線回折法によれば、水酸化マグネシウム粒子とほとんど同じ回折パターンを示す。複合水酸化マグネシウム粒子を制酸及び緩下剤として通常の量を服用した場合、固溶した亜鉛量は、人間が必要とする必須ミネラルとして必要な亜鉛量以下にすぎないので、安全でしかも亜鉛の補給ということにもなる。
さらに、本発明の複合水酸化マグネシウム粒子は固溶体であり、Znがマグネシウム中に固溶しているため腸内で吸収されやすく、腸壁を痛めることもない。
式(1)においてxが0.3より多い場合は、食物から摂取したZnと合わせ、必須ミネラルとしての必要量を越える可能性がある。xが0.0001より少ないと、優れた亜鉛(Zn)補給作用を発揮できなくなる傾向にある。このため、本発明のxの範囲は、0.0001〜0.3、好ましくは、0.0005〜0.2である。
式(1)においてxが0.3より多い場合は、食物から摂取したZnと合わせ、必須ミネラルとしての必要量を越える可能性がある。xが0.0001より少ないと、優れた亜鉛(Zn)補給作用を発揮できなくなる傾向にある。このため、本発明のxの範囲は、0.0001〜0.3、好ましくは、0.0005〜0.2である。
本発明の複合水酸化マグネシウム粒子を制酸および緩下剤として使用する場合は、粉末状、顆粒状、錠剤、カプセル剤または、スラリー状のいずれの形態でもよく、賦形剤、結合剤、崩壊剤および滑沢剤等を必要に応じ添加することが出来る。
本発明の複合水酸化マグネシウムのレーザー回折散乱法で測定された平均2次粒子径が0.1〜30μm、好ましくは5〜20μm、またBET法にて測定した比表面積が、1〜30m2/g、好ましくは5〜15m2/gである複合水酸化マグネシウム粒子が酸反応性に優れた活性を示し、錠剤化もしやすい。
この粒子径を有する複合水酸化マグネシウム粒子を使用し、前述の結合剤と崩壊剤とを組み合わせることによって錠剤中の複合水酸化マグネシウム粒子が85重量%〜97重量%、好ましくは88重量%〜96重量%、特に好ましくは、90重量%〜95重量%であり、高含有割合の錠剤が得られる。錠剤化に供する複合水酸化マウネシウムは粒子、粉末状でも顆粒状でもよい。
本発明の複合水酸化マグネシウム粒子錠剤に使用される結合剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、またはデンプン(例えばトウモロコシデンプン)であり、錠剤中1〜10重量%、好ましくは1〜8重量%配合され、また崩壊剤としては、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルメロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウムまたは、カルボキシスターチナトリウムである。これら崩壊剤は2種以上組み合わせても良い。崩壊剤としては、特に、クロスカルメロースナトリウムまたは、カルボキシスターチナトリウムは、従来の崩壊剤に比べて、極めて少量で崩壊するので、その配合量を減らすことが出来、さらに、経時的変化が非常に少なく、錠剤に配合した場合は、安定性に優れた錠剤を得ることが出来る。最も好ましい崩壊剤はクロスカルメロースナトリウムである。崩壊剤は錠剤中1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%配合される。
本発明の複合水酸化マグネシウムの製造方法は、マグネシウムイオンと亜鉛イオンを含有する水溶液に、これらカチオンの合計当量に対してほぼ当量以下のアルカリ性物質を加え、攪拌下に反応させ、必要に応じさらに反応物を約100〜200℃でオートクレーブを用いて、水熱処理してもよい。その後、水洗、脱水、乾燥する。ついで約300〜1200℃、好ましくは、400〜900℃で約0.1〜10時間焼成した後、粉砕、分級等の慣用の手段を適宜選択して採用することにより、製造される。この粉末をそのまま服用してもよく、また、この粉末を顆粒に造粒しても、錠剤に製剤し服用してもよい。
顆粒の造粒は、結合剤および崩壊剤を配合した複合水酸化マグネシウム粒子を乾式造粒し、顆粒とするのであるが、この場合の混合は(1)複合水酸化マグネシウム粒子85〜97重量%(2)結合剤1〜10重量%(好ましくは1〜8重量%)(3)崩壊剤1〜10重量%(好ましくは1〜5重量%)の組成で、コンテナー型、V型あるいはW型などの混合器を用いて混合し、顆粒状粒子に造粒する。その造粒は低圧力で乾式造粒機を用いて行うのが好ましく、この場合のロール圧は3〜12MPaが好ましく、さらに好ましくは、4〜8MPaである。造粒したシート状成形物は、オシレーター式粉砕機にて顆粒状粒子を得る。オシレーターに装着するスクリーンは目開き0.7〜1.2mmが好ましく、0.8〜1.0mmがより好ましい。かくして、平均粒子径が、0.25〜2.00mm、かつ見掛け密度が0.5〜0.7g/mLの顆粒状粒子が得られる。
錠剤に製剤する場合は、結合剤、崩壊剤、賦形剤および滑沢剤等を配合し、直接打錠法により製造してもよいが、上記の顆粒に、0.2〜2重量%の滑沢剤を加え、製錠してもよい。この場合の顆粒の平均粒子径は0.25〜0.40mmが好ましい。結合剤は、前述の結合剤の1種以上を錠剤中1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%含有されるよう配合する。また崩壊剤は、前述の崩壊剤の1種以上を錠剤中5〜20重量%、好ましくは5〜10重量%含有される。
実施例に基づき、本発明を詳細に説明する。
実施例において、複合水酸化マグネシウム粒子の(a)平均2次粒子径、(b)BET法比表面積(c)亜鉛(Zn)の分析は以下に記載する測定法によって測定された値を意味する。
(a)平均2次粒子径
MICROTRAC粒度分布計SPAタイプ(LEEDS&NORTHRUP INSTRUMENTS社製)を用いて測定決定する。
試料粉末700mgを70mLの水に加えて、超音波(NISSEI 社製、MODEL US-300,電流300μA)で3分間分散処理した後、その分散液の2-4mLを採って、250mLの脱気水を収容した上記粒度分布計の試料室に加え、分析計を作動させて8分間その懸濁液を循環した後、粒度分布を測定する。合計2回の測定を行い、それぞれの測定について得られた50%累積2次粒子径の算術平均値を算出して、試料の平均2次粒子径とする。
(b)BET法比表面積
液体窒素の吸着法により測定した。
(c)Znの分析
原子吸光法により測定した。
実施例において、複合水酸化マグネシウム粒子の(a)平均2次粒子径、(b)BET法比表面積(c)亜鉛(Zn)の分析は以下に記載する測定法によって測定された値を意味する。
(a)平均2次粒子径
MICROTRAC粒度分布計SPAタイプ(LEEDS&NORTHRUP INSTRUMENTS社製)を用いて測定決定する。
試料粉末700mgを70mLの水に加えて、超音波(NISSEI 社製、MODEL US-300,電流300μA)で3分間分散処理した後、その分散液の2-4mLを採って、250mLの脱気水を収容した上記粒度分布計の試料室に加え、分析計を作動させて8分間その懸濁液を循環した後、粒度分布を測定する。合計2回の測定を行い、それぞれの測定について得られた50%累積2次粒子径の算術平均値を算出して、試料の平均2次粒子径とする。
(b)BET法比表面積
液体窒素の吸着法により測定した。
(c)Znの分析
原子吸光法により測定した。
硝酸マグネシウムと硝酸亜鉛混合水溶液(硝酸マグネシウム1.30モル/L、硝酸亜鉛1.3×10−4モル/L、A液とする)と6.5Nの水酸化ナトリウム液(B液とする)とを定量ポンプを用いて、あらかじめ水を入れ攪拌している反応槽にA液及びB液を連続して注加する。反応温度40℃、反応pH10.5、反応槽での反応液の滞留時間は30分間で行い、反応槽からオーバーフローした反応懸濁液を4時間取り出した。反応液を濾別、水洗し、110℃で24時間乾燥後、粉砕、篩過して、複合水酸化マグネシウム粒子を得た。
組成:Mg0.9999Zn0.0001(OH)2
組成:Mg0.9999Zn0.0001(OH)2
試薬塩化マグネシウムと試薬塩化亜鉛との混合水溶液(塩化マグネシウム1.30モル/L、塩化亜鉛7.8×10−4モル/L、A液とする)と6.5Nの水酸化ナトリウム(B液とする)とを実施例1と同様の方法で反応を行い、複合水酸化マグネシウム粒子を得た。
組成:Mg0.9994Zn0.0006(OH)2
組成:Mg0.9994Zn0.0006(OH)2
試薬硝酸マグネシウムと試薬硝酸亜鉛との混合水溶液(硝酸マグネシウム1.30モル/L,硝酸亜鉛5.3×10-3モル/L、A液とする)と6.5Nの水酸化ナトリウム水溶液(B液とする)とを実施例1と同様の方法で反応を行い、反応層からオーバーフローした反応懸濁液700mLを80℃で2時間反応させた。冷却後濾別、水洗し110℃で24時間乾燥後、粉砕、篩過して複合水酸化マグネシウム粒子を得た。
組成:Mg0.996Zn0.004(OH)2
組成:Mg0.996Zn0.004(OH)2
試薬硝酸マグネシウムと試薬硝酸亜鉛との混合水溶液(硝酸マグネシウム1.50モル/L,硝酸亜鉛9.1×10-3モル/L、A液とする)と6.5Nの水酸化ナトリウム水溶液(B液とする)とを実施例1と同様の方法で反応を行い、反応槽からオーバーフローした反応懸濁液700mLをオートクレーブ装置に移して110℃で6時間水熱反応させた。冷却後濾別、水洗し110℃で24時間乾燥後、粉砕、篩過して複合水酸化マグネシウム粒子を得た。
組成:Mg0.994Zn0.006(OH)2
組成:Mg0.994Zn0.006(OH)2
試薬硝酸マグネシウムと試薬硝酸亜鉛との混合水溶液(硝酸マグネシウム1.30モル/L,硝酸亜鉛1.31×10-2モル/L、A液とする)と6.5Nの水酸化ナトリウム水溶液(B液とする)とを実施例1と同様の方法で反応を行い、反応槽からオーバーフローした反応懸濁液700mLをオートクレーブ装置に移して100℃で3時間水熱反応させた。冷却後濾別、水洗し110℃で24時間乾燥後、粉砕、篩過して複合水酸化マグネシウム粒子を得た。
組成:Mg0.990Zn0.010(OH)2
組成:Mg0.990Zn0.010(OH)2
試薬硝酸マグネシウムと試薬硝酸亜鉛との混合水溶液(硝酸マグネシウム1.30モル/L,硝酸亜鉛6.84×10-2モル/L、A液とする)と6.5Nの水酸化ナトリウム水溶液(B液とする)とを実施例1と同様の方法で反応を行い、反応槽からオーバーフローした反応懸濁液700mLをオートクレーブ装置に移して100℃で3時間水熱反応させた。冷却後濾別、水洗し110℃で24時間乾燥後、粉砕、篩過して複合水酸化マグネシウム粒子を得た。
組成:Mg0.95Zn0.05(OH)2
組成:Mg0.95Zn0.05(OH)2
試薬硝酸マグネシウムと試薬硝酸亜鉛との混合水溶液(硝酸マグネシウム1.30モル/L,硝酸亜鉛0.144モル/L、A液とする)と6.5Nの水酸化ナトリウム水溶液(B液とする)とを実施例1と同様の方法で反応を行い、反応槽からオーバーフローした反応懸濁液700mLをオートクレーブ装置に移して100℃で3時間水熱反応させた。冷却後濾別、水洗し110℃で24時間乾燥後、粉砕、篩過して複合水酸化マグネシウム粒子を得た。
組成:Mg0.90Zn0.10(OH)2
組成:Mg0.90Zn0.10(OH)2
試薬硝酸マグネシウムと試薬硝酸亜鉛との混合水溶液(硝酸マグネシウム1.30モル/L,硝酸亜鉛0.325モル/L、A液とする)と6.5Nの水酸化ナトリウム水溶液(B液とする)とを実施例1と同様の方法で反応を行い、反応槽からオーバーフローした反応懸濁液700mLをオートクレーブ装置に移して100℃で3時間水熱反応させた。冷却後濾別、水洗し110℃で24時間乾燥後、粉砕、篩過して複合水酸化マグネシウム粒子を得た。
組成:Mg0.80Zn0.20(OH)2
組成:Mg0.80Zn0.20(OH)2
雄ラット(SPF)を用いて実施例5で得られた複合水酸化マグネシウム粒子を用い、水浸拘束ストレス胃粘膜損傷テストを行った。比較のために協和化学工業株式会社製水酸化マグネシウムを使用した。
(i)試験方法
試験群構成
対象群(媒体) 6匹
複合水酸化マグネシウム粒子 100mg/kg 6匹
水酸化マグネシウム粒子 100mg/kg 6匹
(ii)投与方法
投与経路:経口投与
投与容量:5mL/Kg
投与手段:ディスポーザブル注射筒および経口投与用ゾンデを用いて投与する。
投与期間:胃粘膜損傷モデル作成の60分前に投与する。
約24時間絶食後、ストレスケージ((株)夏目製作所製)に入れ23℃の水槽内に浸し、6時間後にペントバルビタールナトリウム(40mg/Kg,i.p.)麻酔下に脱血致死させ、胃を摘出する。摘出した胃に1%ホルマリン液10mLを注入し、同液中に10分間以上浸す。胃を大湾に沿って切開し、発生している損傷の長さ(mm)を実体顕微鏡下で測定する。1匹あたりの損傷の合計をその個体の損傷係数とする。結果を表2に示す。この結果は、本発明の複合水酸化マグネシウム粒子が有効であることを示す。
(i)試験方法
試験群構成
対象群(媒体) 6匹
複合水酸化マグネシウム粒子 100mg/kg 6匹
水酸化マグネシウム粒子 100mg/kg 6匹
(ii)投与方法
投与経路:経口投与
投与容量:5mL/Kg
投与手段:ディスポーザブル注射筒および経口投与用ゾンデを用いて投与する。
投与期間:胃粘膜損傷モデル作成の60分前に投与する。
約24時間絶食後、ストレスケージ((株)夏目製作所製)に入れ23℃の水槽内に浸し、6時間後にペントバルビタールナトリウム(40mg/Kg,i.p.)麻酔下に脱血致死させ、胃を摘出する。摘出した胃に1%ホルマリン液10mLを注入し、同液中に10分間以上浸す。胃を大湾に沿って切開し、発生している損傷の長さ(mm)を実体顕微鏡下で測定する。1匹あたりの損傷の合計をその個体の損傷係数とする。結果を表2に示す。この結果は、本発明の複合水酸化マグネシウム粒子が有効であることを示す。
雄ラット(SPF)を用いて実施例5で得られた複合水酸化マグネシウム粒子を用い、エタノール誘発胃粘膜損傷テストを行った。比較のために協和化学工業株式会社製水酸化マグネシウムを使用した。
約24時間絶食後、エタノール(99.5%)1mL/ラットを経口投与する。エタノール投与1時間後にペントバルビタールナトリウム(40mg/Kg,i.p.)麻酔下に脱血致死させ胃を摘出すること以外は実施例9と同様にテストを行う。結果を表3に示す。この結果は本発明の複合水酸化マグネシウム粒子は有効であることを示している。
約24時間絶食後、エタノール(99.5%)1mL/ラットを経口投与する。エタノール投与1時間後にペントバルビタールナトリウム(40mg/Kg,i.p.)麻酔下に脱血致死させ胃を摘出すること以外は実施例9と同様にテストを行う。結果を表3に示す。この結果は本発明の複合水酸化マグネシウム粒子は有効であることを示している。
雄ラット(SPF)を用いて実施例5で得られた複合水酸化マグネシウム粒子を用い、インドメタシン誘発胃粘膜損傷テストを行った。比較のために協和化学工業株式会社製水酸化マグネシウムを使用した。
約24時間絶食後、インドメタシン30mg/Kg(15mg/mL:0.5%メチルセルロース水溶液を用いて懸濁)を皮下投与する。インドメタシン投与5時間後にペントバルビタールナトリウム(40mg/Kg,i.p.)麻酔下に脱血致死させ胃を摘出すること以外は実施例9と同様にテストする。結果は表4に示す。この結果は本発明の複合水酸化マグネシウムが有効であることを示している。
約24時間絶食後、インドメタシン30mg/Kg(15mg/mL:0.5%メチルセルロース水溶液を用いて懸濁)を皮下投与する。インドメタシン投与5時間後にペントバルビタールナトリウム(40mg/Kg,i.p.)麻酔下に脱血致死させ胃を摘出すること以外は実施例9と同様にテストする。結果は表4に示す。この結果は本発明の複合水酸化マグネシウムが有効であることを示している。
Claims (8)
- 下記式(1)で表される複合水酸化マグネシウム粒子を有効成分とする制酸および緩下剤。
(Mg2+)1-x(Zn2+)x(OH)2 (1)
(式中、xは0.0001〜0.30 を示す) - 前記式(1)中xが0.0005〜0.20である制酸および緩下剤。
- レーザー回折散乱法で測定された平均2次粒子径が0.1〜30μmである請求項1記載の複合水酸化マグネシウム粒子。
- BET法により測定された比表面積が1〜30m2/gである請求項1記載の複合水酸化マグネシウム粒子。
- 請求項1記載の複合水酸化マグネシウム粒子を有効成分として含有する制酸および緩下用組成物。
- 請求項1記載の複合水酸化マグネシウム粒子を85〜97重量%の割合で含有する制酸及び緩下用錠剤。
- 請求項1記載の複合水酸化マグネシウム粒子を有効成分とする消化器官粘膜保護剤。
- 請求項1記載の複合水酸化マグネシウム粒子を有効成分とする胃粘膜保護剤。
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