JPWO2009060535A1 - 硬化性シリコーン組成物およびこれを含有する撥水コーティング剤 - Google Patents
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Abstract
耐久性と防汚性の優れた撥水性被膜を形成する硬化性シリコーン組成物およびこれを含有する撥水コーティング剤を提供する。分子末端がアルコキシシリル基で封鎖された構造をもつ0.1〜1,000,000cstのオルガノポリシロキサン0.1〜75質量%と、常温で固体の撥水性物質0.1〜40質量%を含有し、さらに硬化剤を含有してなる硬化性シリコーン組成物である。炭化水素系溶剤に前記硬化性シリコーン組成物を0.1〜90質量%溶解させてなる撥水コーティング剤である。
Description
本発明は、硬化性シリコーン組成物およびこれを含有する撥水コーティング剤に関し、特に、自動車用の撥水コーティング剤として幅広く利用することができる硬化性シリコーン組成物およびこれを含有する撥水コーティング剤に関するものである。
従来のコーティング剤は、シリコーン組成物やフッ素組成物を主成分としており、光沢および撥水性は十分であったが、耐久性が低いという問題があった。そこで、耐久性の向上および防汚性を向上させた親水性ガラス状被膜を形成するコーティング剤が開示されている(特許文献1)。これはガラス特有の硬い表面硬度から傷が付きづらく、耐久性が良いという特徴を持っている。
また、特許文献2には、湿気硬化性シリコーンレジン、硬化触媒および少なくとも1つのアルコキシ基を有する反応性シリコーンオイルを含有する表面保護剤が開示されている。
特許第3846563号公報
特開2006−45507号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、水酸基が表面に形成されるため、親水性を示し、撥水生が不十分であるという問題点があった。
そこで、このような欠点を解決する撥水型のコーティング剤として、親水性のコーティング剤の上に撥水性の被膜をコーティングする手法が考えられるが、作業時間が長くなり、また撥水性被膜の硬度が低いことにより、汚れを抱き込み易いなどという欠点もあり、完全なる改善には至らなかった。
また、特許文献2の方法では、未だ強力な撥水性を維持することができず、さらにジメチルシリコーンを添加する必要があるため、液体で粘性を持ち被膜が完全硬化せず、防汚性は低下するという問題点があった。
そこで、本発明の目的は、耐久性と防汚性の優れた撥水性被膜を形成する硬化性シリコーン組成物およびこれを含有する撥水コーティング剤を提供することである。
本発明者は、上記課題を改善するために鋭意研究を重ねた結果、特定のオルガノポリシロキサン、常温で固体の撥水性物質および硬化剤を含有することにより、耐久性と防汚性の優れた撥水性被膜を形成する硬化性シリコーン組成物、およびこれを含有する撥水コーティング剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の硬化性シリコーン組成物は、分子末端がアルコキシシリル基で封鎖された構造をもつ0.1〜1,000,000cstのオルガノポリシロキサン0.1〜75質量%と、常温で固体の撥水性物質0.1〜40質量%とを含有し、さらに硬化剤を含有してなることを特徴とするものである。
また、本発明においては、硬化剤が、酸、酸発生剤、塩基および塩基発生剤からなる群から選択されることが好ましい。
本発明の撥水コーティング剤は、炭化水素系溶剤に前記硬化性シリコーン組成物を0.1〜90質量%溶解させてなることを特徴とするものである。
また、本発明の撥水コーティング剤は、分子側鎖または末端がアミノ基で変成された構造をもつ0.1〜1,000,000cstのアミノ変成オルガノポリシロキサンを0.1〜5質量%溶解させてなることが好ましい。
本発明により、耐久性と防汚性の優れた撥水性被膜を形成する硬化性シリコーン組成物およびこれを含有する撥水コーティング剤を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の硬化性シリコーン組成物は、分子末端がアルコキシシリル基で封鎖された構造をもつ0.1〜1,000,000cstのオルガノポリシロキサン0.1〜75質量%と、常温で固体の撥水性物質0.1〜40質量%とを含有し、さらに硬化剤を含有してなることを特徴とするものである。室温での硬化、短時間の加熱又は紫外線照射により速やかに硬化する新規の硬化性シリコーン組成物と、それと相溶性の高い撥水性物質が含まれたもので、撥水コーティング剤として幅広く利用することができる。
本発明の硬化性シリコーン組成物は、分子末端がアルコキシシリル基で封鎖された構造をもつ0.1〜1,000,000cstのオルガノポリシロキサン0.1〜75質量%と、常温で固体の撥水性物質0.1〜40質量%とを含有し、さらに硬化剤を含有してなることを特徴とするものである。室温での硬化、短時間の加熱又は紫外線照射により速やかに硬化する新規の硬化性シリコーン組成物と、それと相溶性の高い撥水性物質が含まれたもので、撥水コーティング剤として幅広く利用することができる。
本発明に使用することができるオルガノポリシロキサンは、
下記一般式(1)、
R−Si−(OR1)3 (1)
で表すことができ、その架橋反応は、下記式、
(A)R−Si−(OR1)3+3H2O →R−Si−(OH)3+3R1OH
(B)R−Si−(OH)3+3R−Si−(OR1)3
→R−Si−(O−Si(OR1)2R)3+3R1OH
に従うものである。これら(A)および(B)は競争反応で架橋し続け高分子化する。
下記一般式(1)、
R−Si−(OR1)3 (1)
で表すことができ、その架橋反応は、下記式、
(A)R−Si−(OR1)3+3H2O →R−Si−(OH)3+3R1OH
(B)R−Si−(OH)3+3R−Si−(OR1)3
→R−Si−(O−Si(OR1)2R)3+3R1OH
に従うものである。これら(A)および(B)は競争反応で架橋し続け高分子化する。
上記一般式(1)中のRは、アルキル基であり、好ましくは、炭素数1〜10のアルキル基であり、直鎖型、側鎖型および環状型でもよい。また、炭化水素ではなく水素を別な元素、例えば、フッ素などで置換されていてもよい。R1は、その後の反応過程で生成するアルコールのアルキル基になるものであり、塗装への影響および揮発性を考えると、メチル基もしくはエチル基が好ましい。
また、架橋反応は、2分子での反応だけではなく、多数の分子と架橋反応を起こして巨大分子化して硬化被膜とすることもできる。
本発明に使用することができるオルガノポリシロキサンは、0.1〜1,000,000cstであり、室温でオイル状であることが好ましく、さらに1〜100,000cstであることが好ましく、特に1〜350cstであることが好ましい。粘度が0.1cstより小さいと液状となり撥水効果が得られず、1,000,000cstより大きいと塗布時にムラを生じ易く好ましくない。
ここで、かかるオルガノポリシロキサンの粘度は、ウッベローデ粘度計(東京硝子器械社製)を使用して、室温でASTM D 445−46Tにより測定する。
また、かかるオルガノポリシロキサンの含有量は、0.1〜75質量%であり、好ましくは5〜75質量%であり、さらに好ましくは50〜75質量%である。含有量が0.1質量%より少ないと十分な撥水効果が得られず、75質量%より多いと塗布時にムラを生じ易く好ましくない。
さらに、このような上記一般式(1)のオルガノポリシロキサンの好適例としては、信越化学社製のKR400(商品名)、KR401(商品名)等を例示することができ、これらを単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明の硬化性シリコーン組成物には、上記成分の他、常温で固体の撥水性物質を含有する。撥水性物質としては、上記成分と相溶性の高い物質であれば特に限定されないが、例えば、カルナバワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、蜜蝋、ラノリン、鯨ロウ、モンタンワックス、オゾケライト、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、硬化ひまし油、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ケトンワックス、酸化ワックス、酸化ポリエチレンワックス、エチレンビスアミド、硬化被膜を形成する変成シリコーンオイル、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、シリコーンレジン、アクリル樹脂等が挙げられる。油状物質は仕上り時に光沢を付与するが、雨等で被膜を剥がし耐久性および仕上り時の光沢の付与を考慮すると、変成シリコーンオイル等が好ましい。具体的には、シリコーンレジンパウダー(商品名:MQ 803TF、旭化成ワッカーシリコーン社製)、アクリルシリコーン(粘度100〜500cst、商品名:KP545、信越化学社製)等が挙げられる。
かかる常温で固体の撥水性物質の含有量は0.1〜40質量%であり、好ましくは3〜40質量%であり、さらに好ましくは20〜40質量%である。含有量が0.1質量%より少ないと十分な撥水効果が得られず、40質量%より多いと塗布時にムラを生じ易く好ましくない。
本発明の硬化性シリコーン組成物には、上記オルガノポリシロキサンおよび撥水性物質に加えて、硬化剤が含有される。この硬化剤としては、酸、酸発生剤、塩基および塩基発生剤が好適に使用される。また、本発明においては、硬化剤を含んでいることを必須としているため、硬化による被膜形成を妨げるジメチルシリコーンなどの被膜軟化剤を含まないものである。
かかる酸としては、例えば塩酸や硫酸、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、酢酸、メタンスルホン酸、トリフロロ酢酸等のブレンステッド酸、三塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素、四塩化チタン、塩化鉄(III)、塩化亜鉛、トリアルキルアルミニウム、オクチル酸亜鉛、ジブチルスズジラウレート、アルミニウムアセチルアセトナート等のルイス酸を使用できる。
また、硬化剤として酸発生剤も使用できる。具体的には、オニウム塩系光開始剤が使用できる。ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、トリアリールセレノニウム塩、などが挙げられる他、トリアジン系光酸発生剤、スルホン酸エステル系光酸発生剤、ジスルホン系光酸発生剤なども用いることができる。
さらに、塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の金属水酸化物、ブチルリチウム等のアルキル金属、ナトリウムメトキシド等の金属シラノレート、トリエチルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等を使用できる。なお、塩基発生剤としては、C6H5OOCNHで示される基を有するものも使用できる。
なお、本発明では、上記の硬化剤の中でも特にオニウム塩系光開始剤、ルイス酸を使用することが好ましい。
かかる硬化剤の含有量としては、アルコキシシリル基で封鎖された構造をもつオルガノポリシロキサン100質量%に対し硬化剤0.1〜15質量%であることが好ましい。含有量が0.1質量%より少ないとオルガノポリシロキサンが十分に硬化しないことがあり、15質量%より多いと本発明の効果が十分に得られないことがあり、好ましくない。
また、かかる硬化剤は、オルガノポリシロキサン中に含有されていることが好ましい。具体的には、KR400、KR401(商品名:信越化学社製)等が挙げられる。
本発明の硬化性シリコーン組成物は室温で硬化するが、紫外線および赤外線ランプ等の公知の硬化促進方法を利用できる。また、加熱により硬化させることもでき、その場合は、60℃、15分程度で硬化することが好ましい。また、硬化剤をあらかじめ含有しているオルガノポリシロキサンを用いてもよい。
また、本発明の硬化性シリコーン組成物には、充填剤、基材への密着向上剤、レベリング剤、顔料、染料等を添加してもよい。
本発明の撥水コーティング剤は、炭化水素系溶剤に前記硬化性シリコーン組成物を0.1〜90質量%溶解し、好ましくは10〜50質量%溶解させてなる。溶解量が0.1質量%より少ないと十分な撥水効果が得られず、90質量%より多いと塗布時にムラを生じ易く、好ましくない。
かかる炭化水素系溶剤としては特に限定されないが、例えば、ケロシン、ミネラルスピリット、石油エーテル、石油ナフサ、ソルベントナフサ、石油ベンジン、イソパラフィン、ノルマルパラフィン、デカリン、工業用ガソリン、灯油等を挙げることができる。コーティング剤と相溶性の高く、塗装へ悪影響を及さないものが好ましく、イソパラフィンオイル、ノルマルパラフィンオイル、ミネラルスピリット等が好ましい。
また、本発明の撥水コーティング剤は、分子側鎖または末端がアミノ基で変成された構造をもつ0.1〜1,000,000cstのアミノ変成オルガノポリシロキサンを0.1〜5質量%溶解させてなることが好ましく、0.5〜3,000cstのものであることがさらに好ましい。これにより、塗装と被膜の密着性を向上させることが可能である。具体的には、分子側鎖をアミノ基で変成された構造をもつ0.1〜1,000,000cstのアミノ変成オルガノポリシロキサンと、末端をアルコキシシリル基にて変成された0.1〜1,000,000cstのオルガノポリシロキサンとを使用すると、アミノ変成オルガノポリシロキサンのアミノ基が、分子末端がアルコキシシリル基で封鎖された構造をもつ0.1〜1,000,000cstのオルガノポリシロキサンと結合するために、アミノ基の効果により密着性が向上し、強固な被膜を形成する。
かかるアミノ変成オルガノポリシロキサンとしては、分子側鎖または末端がアミノ基で変成された構造をもつ0.1〜1,000,000cstのものであれば限定されず、例えば、KF857(商品名:信越化学社製)などが挙げられる。
本発明の撥水コーティング剤は、自動車用コーティング剤として使用できる。自動車用コーティング剤として使用した場合、室温で硬化し、得られた硬化物は撥水性と耐久性が良好である。また、本発明の撥水コーティング剤は、ゴム、プラスチック、セラミック、金属、プラスチックなどの幅広いコーティングに利用することができる。
自動車塗装面に本発明の撥水コーティング剤を塗布するには、スプレー塗布や含浸布での塗布等公知の方法を用いることができる。塗布厚みは、ムラにならない程度とすることが、好ましい。
以下、実施例および比較例を示すが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
以下の方法で、実施例1〜4および比較例1〜5のサンプルを作製した。
(実施例1)
硬化剤含有オルガノポリシロキサン(粘度1.2cst、商品名:KR400、信越化学社製、有機アルミニウム化合物系硬化剤10%含む)3質量部、シリコーンレジンパウダー(商品名:MQ 803TF、旭化成ワッカーシリコーン社製)2質量部を混合して硬化性シリコーン組成物を調製し、これを第二石油類のイソパラフィンオイル(商品名:スーパーゾルFP25、出光興産社製)95質量部にて希釈混合して、撥水コーティング剤を調製した。
(実施例1)
硬化剤含有オルガノポリシロキサン(粘度1.2cst、商品名:KR400、信越化学社製、有機アルミニウム化合物系硬化剤10%含む)3質量部、シリコーンレジンパウダー(商品名:MQ 803TF、旭化成ワッカーシリコーン社製)2質量部を混合して硬化性シリコーン組成物を調製し、これを第二石油類のイソパラフィンオイル(商品名:スーパーゾルFP25、出光興産社製)95質量部にて希釈混合して、撥水コーティング剤を調製した。
(実施例2)
硬化剤含有オルガノポリシロキサン(粘度1.2cst、商品名:KR400、有機アルミニウム化合物系硬化剤10%含む)7.5質量部、シリコーンレジンパウダー(商品名:MQ 803TF)5質量部を混合して硬化性シリコーン組成物を調製し、これを第二石油類のイソパラフィンオイル(商品名:スーパーゾルFP25)87.5質量部にて希釈混合して、撥水コーティング剤を調製した。
硬化剤含有オルガノポリシロキサン(粘度1.2cst、商品名:KR400、有機アルミニウム化合物系硬化剤10%含む)7.5質量部、シリコーンレジンパウダー(商品名:MQ 803TF)5質量部を混合して硬化性シリコーン組成物を調製し、これを第二石油類のイソパラフィンオイル(商品名:スーパーゾルFP25)87.5質量部にて希釈混合して、撥水コーティング剤を調製した。
(実施例3)
硬化剤含有オルガノポリシロキサン(粘度20cst、商品名:KR401、信越化学社製、有機アルミニウム化合物系硬化剤10%含む)3質量部、シリコーンレジンパウダー(商品名:MQ 803TF)2質量部を混合して硬化性シリコーン組成物を調製し、これを第二石油類のイソパラフィンオイル(商品名:スーパーゾルFP25)95質量部にて希釈混合して、撥水コーティング剤を調製した。
硬化剤含有オルガノポリシロキサン(粘度20cst、商品名:KR401、信越化学社製、有機アルミニウム化合物系硬化剤10%含む)3質量部、シリコーンレジンパウダー(商品名:MQ 803TF)2質量部を混合して硬化性シリコーン組成物を調製し、これを第二石油類のイソパラフィンオイル(商品名:スーパーゾルFP25)95質量部にて希釈混合して、撥水コーティング剤を調製した。
(実施例4)
硬化剤含有オルガノポリシロキサン(粘度1.2cst、商品名:KR400、有機アルミニウム化合物系硬化剤10%含む)3質量部、アクリルシリコーン(粘度100〜500cst、商品名:KP545、信越化学社製)2質量部を混合して硬化性シリコーン組成物を調製し、これを第二石油類のイソパラフィンオイル(商品名:スーパーゾルFP25)95質量部にて希釈混合して、撥水コーティング剤を調製した。
硬化剤含有オルガノポリシロキサン(粘度1.2cst、商品名:KR400、有機アルミニウム化合物系硬化剤10%含む)3質量部、アクリルシリコーン(粘度100〜500cst、商品名:KP545、信越化学社製)2質量部を混合して硬化性シリコーン組成物を調製し、これを第二石油類のイソパラフィンオイル(商品名:スーパーゾルFP25)95質量部にて希釈混合して、撥水コーティング剤を調製した。
(実施例5)
硬化剤含有オルガノポリシロキサン(粘度1.2cst、商品名:KR400、有機アルミニウム化合物系硬化剤10%含む)3質量部、シリコーンレジンパウダー(商品名:MQ 803TF)2質量部を混合して硬化性シリコーン組成物を調製し、これに、アミノアルコキシシリコーン(粘度70cst、商品名:KF857、信越化学社製)1質量部を加え、さらに、第二石油類のイソパラフィンオイル(商品名:スーパーゾルFP25)94質量部にて希釈混合して、撥水コーティング剤を調製した。
硬化剤含有オルガノポリシロキサン(粘度1.2cst、商品名:KR400、有機アルミニウム化合物系硬化剤10%含む)3質量部、シリコーンレジンパウダー(商品名:MQ 803TF)2質量部を混合して硬化性シリコーン組成物を調製し、これに、アミノアルコキシシリコーン(粘度70cst、商品名:KF857、信越化学社製)1質量部を加え、さらに、第二石油類のイソパラフィンオイル(商品名:スーパーゾルFP25)94質量部にて希釈混合して、撥水コーティング剤を調製した。
(実施例6)
硬化剤含有オルガノポリシロキサン(粘度1.2cst、商品名:KR400、有機アルミニウム化合物系硬化剤10%含む)10質量部、シリコーンレジンパウダー(商品名:MQ 803TF)2.5質量部を混合して硬化性シリコーン組成物を調製し、これを第二石油類のイソパラフィンオイル(商品名:スーパーゾルFP25)87.5質量部にて希釈混合して、撥水コーティング剤を調製した。
硬化剤含有オルガノポリシロキサン(粘度1.2cst、商品名:KR400、有機アルミニウム化合物系硬化剤10%含む)10質量部、シリコーンレジンパウダー(商品名:MQ 803TF)2.5質量部を混合して硬化性シリコーン組成物を調製し、これを第二石油類のイソパラフィンオイル(商品名:スーパーゾルFP25)87.5質量部にて希釈混合して、撥水コーティング剤を調製した。
(実施例7)
硬化剤含有オルガノポリシロキサン(粘度1.2cst、商品名:KR400、有機アルミニウム化合物系硬化剤10%含む)60質量部と、シリコーンレジンパウダー(商品名:MQ 803TF)40質量部を混合して硬化性シリコーン組成物を調製し、これを撥水コーティング剤として使用した。
硬化剤含有オルガノポリシロキサン(粘度1.2cst、商品名:KR400、有機アルミニウム化合物系硬化剤10%含む)60質量部と、シリコーンレジンパウダー(商品名:MQ 803TF)40質量部を混合して硬化性シリコーン組成物を調製し、これを撥水コーティング剤として使用した。
(比較例1)
硬化剤含有オルガノポリシロキサン(粘度1.2cst、商品名:KR400、有機アルミニウム化合物系硬化剤10%含む)5質量部を、第二石油類のイソパラフィンオイル(商品名:スーパーゾルFP25)95質量部にて希釈混合して、撥水コーティング剤を調製した。
硬化剤含有オルガノポリシロキサン(粘度1.2cst、商品名:KR400、有機アルミニウム化合物系硬化剤10%含む)5質量部を、第二石油類のイソパラフィンオイル(商品名:スーパーゾルFP25)95質量部にて希釈混合して、撥水コーティング剤を調製した。
(比較例2)
シリコーンレジンパウダー(商品名:MQ 803TF)5質量部を、第二石油類のイソパラフィンオイル(商品名:スーパーゾルFP25)95質量部にて希釈混合して、撥水コーティング剤を調製した。
シリコーンレジンパウダー(商品名:MQ 803TF)5質量部を、第二石油類のイソパラフィンオイル(商品名:スーパーゾルFP25)95質量部にて希釈混合して、撥水コーティング剤を調製した。
(比較例3)
硬化剤含有オルガノポリシロキサン(粘度1.2cst、商品名:KR400、有機アルミニウム化合物系硬化剤10%含む)3質量部、四フッ化エチレン樹脂(以下、「PTFE」:商品名:ダイニオンTF9207、住友3M社製)2質量部を、第二石油類のイソパラフィンオイル(商品名:スーパーゾルFP25)95質量部にて希釈混合して、撥水コーティング剤を調製した。
硬化剤含有オルガノポリシロキサン(粘度1.2cst、商品名:KR400、有機アルミニウム化合物系硬化剤10%含む)3質量部、四フッ化エチレン樹脂(以下、「PTFE」:商品名:ダイニオンTF9207、住友3M社製)2質量部を、第二石油類のイソパラフィンオイル(商品名:スーパーゾルFP25)95質量部にて希釈混合して、撥水コーティング剤を調製した。
サンプルの評価を、以下の方法で行った。
(撥水性(接触角))
接触角は、市販の液適法による接触角測定装置(ASTP社製、VCA Optima)を用いて測定した。
(撥水性(接触角))
接触角は、市販の液適法による接触角測定装置(ASTP社製、VCA Optima)を用いて測定した。
(撥水持続性、光沢増加度、ふきとりやすさ)
JISK2306「自動車用つや出しコーティング剤」中の撥水持続性試験に準拠して行った。
JISK2306「自動車用つや出しコーティング剤」中の撥水持続性試験に準拠して行った。
(防汚性)
実車にサンプルを施工し、1ヶ月間放置後カーシャンプーにて洗浄を行い、表面の汚れを除去した後、水垢のような慢性的な汚れがあるかどうかで防汚性を評価した。汚れが多い場合を×、少ない場合を△、ほとんど付いていない場合を○として、評価した。
実車にサンプルを施工し、1ヶ月間放置後カーシャンプーにて洗浄を行い、表面の汚れを除去した後、水垢のような慢性的な汚れがあるかどうかで防汚性を評価した。汚れが多い場合を×、少ない場合を△、ほとんど付いていない場合を○として、評価した。
表1に実施例1〜7、表2に比較例1〜3の評価を併記する。
(実施例1〜7の試験結果)
実施例1〜7では、撥水性、耐久性、光沢において非常に優れた被膜が得られた。また、塗布時にムラは発生せず、施工性は良好であった。
実施例1〜7では、撥水性、耐久性、光沢において非常に優れた被膜が得られた。また、塗布時にムラは発生せず、施工性は良好であった。
また、実施例7では、耐久性と防汚性の優れた撥水性被膜を形成する硬化性シリコーン組成物が得られた。ただし、液剤の粘性が高く、撥水コーティング剤として使用すると塗布時にムラになった。
(比較例1の試験結果)
比較例1では、オルガノポリシロキサンのみであるため、撥水性が悪化した。
比較例1では、オルガノポリシロキサンのみであるため、撥水性が悪化した。
(比較例2の試験結果)
比較例2では、有効成分がシリコーンレジンパウダーのみであるため、充分な光沢と撥水耐久性が得られなかった。
比較例2では、有効成分がシリコーンレジンパウダーのみであるため、充分な光沢と撥水耐久性が得られなかった。
(比較例3の試験結果)
比較例3では、オルガノポリシロキサンとPTFEが相溶しないために、PTFEをオルガノポリシロキサン被膜中に留めておくことができず、撥水性、耐久性、防汚性共に期待の効果を得られなかった。相溶性がないものの組み合わせでは、本発明の所望の効果を発揮しなかった。
比較例3では、オルガノポリシロキサンとPTFEが相溶しないために、PTFEをオルガノポリシロキサン被膜中に留めておくことができず、撥水性、耐久性、防汚性共に期待の効果を得られなかった。相溶性がないものの組み合わせでは、本発明の所望の効果を発揮しなかった。
以上のように、室温での硬化、短時間の加熱又は紫外線照射により速やかに硬化する新規のオルガノポリシロキサンと、それと相溶性の高い撥水性物質、さらに硬化剤を含むことにより、撥水コーティング剤として幅広く利用することができた。撥水補助剤および液体分を含まない固体被膜という特性から、耐久性、撥水性、防汚性に優れた被膜を得ることができた。
Claims (4)
- 分子末端がアルコキシシリル基で封鎖された構造をもつ0.1〜1,000,000cstのオルガノポリシロキサン0.1〜75質量%と、常温で固体の撥水性物質0.1〜40質量%とを含有し、さらに硬化剤を含有してなることを特徴とする硬化性シリコーン組成物。
- 前記硬化剤が、酸、酸発生剤、塩基および塩基発生剤からなる群から選択される請求項1記載の硬化性シリコーン組成物。
- 炭化水素系溶剤に請求項1または2記載の硬化性シリコーン組成物を0.1〜90質量%溶解させてなることを特徴とする撥水コーティング剤。
- 分子側鎖または末端がアミノ基で変成された構造をもつ0.1〜1,000,000cstのアミノ変成オルガノポリシロキサンを0.1〜5質量%溶解させてなる請求項3記載の撥水コーティング剤。
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