JPWO2009051036A1 - 薄膜形成方法及び有機エレクトロニクス素子 - Google Patents

薄膜形成方法及び有機エレクトロニクス素子 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2009051036A1
JPWO2009051036A1 JP2009538057A JP2009538057A JPWO2009051036A1 JP WO2009051036 A1 JPWO2009051036 A1 JP WO2009051036A1 JP 2009538057 A JP2009538057 A JP 2009538057A JP 2009538057 A JP2009538057 A JP 2009538057A JP WO2009051036 A1 JPWO2009051036 A1 JP WO2009051036A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating
solvent
thin film
substrate
forming method
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009538057A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5316415B2 (ja
Inventor
遠藤 喜芳
喜芳 遠藤
野崎 敦夫
敦夫 野崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2009538057A priority Critical patent/JP5316415B2/ja
Publication of JPWO2009051036A1 publication Critical patent/JPWO2009051036A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5316415B2 publication Critical patent/JP5316415B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K71/00Manufacture or treatment specially adapted for the organic devices covered by this subclass
    • H10K71/40Thermal treatment, e.g. annealing in the presence of a solvent vapour
    • H10K71/441Thermal treatment, e.g. annealing in the presence of a solvent vapour in the presence of solvent vapors, e.g. solvent vapour annealing

Abstract

本発明は、装置の大型化、コストアップとなることなく、基板に均一な膜厚の有機エレクトロニクス素子の塗布膜を形成することのできる薄膜形成方法を提供する。この薄膜形成方法は、少なくとも1種類の溶媒と該溶媒中に分散または溶解した材料を含む液状組成物(塗布液)を基板に塗布し薄膜の塗布膜を形成する際に、前記塗布膜の膜厚を均一化する、溶媒蒸気供給手段を備えた溶媒蒸気供給工程を設け、塗布液に用いられる溶媒の溶媒蒸気を基板の塗布膜の近傍に供給し充満する。これにより、前記塗布膜の乾燥速度を抑制し、前記塗布膜の膜厚の均一化を促進する。

Description

本発明は、連続搬送する基板に液状組成物を塗布して薄膜を形成する薄膜形成方法、及びその方法によって形成された有機エレクトロニクス素子に関する。
近年、有機エレクトロルミネッセンス素子、有機光電変換素子、電子写真用有機感光体、有機トランジスタ、をはじめとした、様々な有機エレクトロニクス素子の開発が検討されている。
有機エレクトロニクス素子は、有機物を用いて電気的な動作を行う素子であり、省エネルギー、低価格、柔軟性といった特長を発揮できると期待され、従来のシリコンを主体とした無機半導体に替わる技術として注目されている。
これらの有機エレクトロニクス素子は、有機物の非常に薄い膜を、電極を介して電流を流すことで、発光したり、発電したり、帯電したり、電流や電圧を制御したりする素子である。通常、有機物は絶縁体であるが有機層の膜厚を非常に薄くすることにより、有機エレクトロニクス素子として機能することが可能となる。
前記薄膜を基板上に形成(成膜)する方法として、現在、真空成膜法が主流で真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、プラズマCVD、熱CVD等が知られている。しかしながら、これらの方法では薄膜を形成する塗布材料の使用効率が低く、また、生産速度が遅く生産性の問題があった。これに対し、塗布手段を用いた塗布方式による塗布は液状組成物である塗布材料の使用効率が高く、生産速度を速くできるため、塗布方式による薄膜の形成が有望視されている。
前記塗布方式での薄膜の形成において、塗布膜を形成する際、均一の膜形成が重要な要素となる。しかしながら、前記塗布方式による塗布においては、揮発性の有機溶媒中に機能性材料を分散または溶解させた液状組成物(以下、塗布液ともいう)を塗布する際、乾燥が速く起こり、乾燥ムラを生じ膜厚の均一性を損なうといった問題があった。
前記問題に対し、インクジェット方式での薄膜形成に際し、インクジェット塗布装置を成膜室に収納し、成膜室に溶媒を気化して供給する基板処理装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−260778号公報
特許文献1は、塗布装置としてインクジェット塗布装置を用い、前記インクジェット塗布装置を成膜室に収納し成膜室に溶媒を気化して供給することで、基板上に塗布した塗布液の溶媒がすぐに蒸発し塗布膜の膜厚が不均一になることを防止するものである。
しかしながら、インクジェット塗布装置を成膜室に収納するため装置が大型となり、更に塗布装置も防爆にする必要がある。このため、装置全体のコスト及びランニングコストが増加する。
また、ロール状に巻かれた基板を繰り出しながら前記塗布を行い、再度ロール状に巻き取る、所謂ロールツーロール(roll to roll)による高い生産性を得る方式には適用できない。
本発明は、上記状況に鑑みなされたもので、装置の大型化、コストアップとなることなく、均一な膜厚の有機EL素子の塗布膜を高い生産性で形成することのできる薄膜形成方法を提供することを目的とする。
上記目的は下記の方法により達成される。
1.ロール状に巻かれた長尺状の可撓性の基板を連続的に搬送し、前記基板に少なくとも1種類の溶媒と該溶媒中に分散または溶解した材料を含む液状組成物を基板に塗布し、薄膜の塗布膜を形成する薄膜形成方法において、前記液状組成物を塗布手段で基板に塗布し塗布膜を生成する塗布工程と、前記塗布膜を乾燥する乾燥工程と、前記塗布工程と前記乾燥工程との間に、溶媒蒸気供給手段を備えた溶媒蒸気供給工程と、を有することを特徴とする薄膜形成方法。
2.前記溶媒蒸気供給手段は、溶媒が含浸された含浸部材と前記含浸部材を保持する保持部材を含み構成され、前記含浸部材から溶媒が気化することを特徴とする1に記載の薄膜形成方法。
3.前記保持部材は、基板に塗布された塗布膜面に対向する面にのみ開口部があることを特徴とする2に記載の薄膜形成方法。
4.前記含浸部材へ溶媒を連続的に供給することを特徴とする2または3に記載の薄膜形成方法。
5.前記溶媒蒸気供給手段からの溶媒蒸気供給量は、基板の幅方向中央部近傍と両端側方向とで異なることを特徴とする1乃至4の何れか1項に記載の薄膜形成方法。
6.前記開口部の開口比率は、基板の幅方向中央部近傍と両端側方向とで異なることを特徴とする3乃至5の何れか1項に記載の薄膜形成方法。
7.前記溶媒蒸気供給手段からの溶媒蒸気供給量は、基板の搬送方向上流側と下流側とで異なることを特徴とする1乃至6の何れか1項に記載の薄膜形成方法。
8.前記開口部の開口比率は、基板の搬送方向上流側と下流側とで異なることを特徴とする3乃至7の何れか1項に記載の薄膜形成方法。
9.前記溶媒蒸気供給手段の基板の搬送方向両端側より、不活性ガスを供給することを特徴とする1乃至8の何れか1項に記載の薄膜形成方法。
10.前記塗布手段は、スロット型コータまたはインクジェットであることを特徴とする1乃至9の何れか1項に記載の薄膜形成方法。
11.1乃至10の何れか1項に記載の薄膜形成方法によって形成されたことを特徴とする有機エレクトロニクス素子
上記により、塗布手段で塗布された塗布膜の近傍に、溶媒蒸気供給手段を有する溶媒蒸気供給工程を設け、前記溶媒蒸気供給工程で塗布膜の近傍に溶媒蒸気を充満させることで塗布膜の乾燥速度を抑制することができる。これにより、塗布膜の膜厚の均一化を促進することができ、膜厚の均一な塗布膜を形成することができる。
また、装置も簡単になり、防爆対応も不要になり、装置の大型化、コストアップを抑制することができる。
本発明の薄膜形成方法を用いた塗布装置の概略模式図である。 塗布膜と溶媒蒸気供給手段の対向面との隙間の関係を示した図である。 開口部の開口比率が基板の幅方向中央部分と両端側方向とで異なる例を示す図である。 開口部の開口比率が基板の搬送方向上流側と下流側とで異なる例を示す図である。 不活性ガス供給機構を備えた溶媒蒸気供給手段を表す図である。 枚葉状の基板を用い、塗布はインクジェット方式とした例の概略模式図である。
符号の説明
10 基板
12 バックアップロール
20 塗布部
21 コータ
22 送液ポンプ
23 塗布液タンク
30 レベリング部
31 溶媒蒸気供給手段
311 含浸部材
312 保持部材
32 溶媒タンク
40 乾燥部
以下に図を参照しながら本発明の実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明を有機EL素子適用した場合の、その層構成の好ましい具体例を下記に示すが、以下の形態に限定されるものではない。
《有機EL素子》
本発明で用いることのできる有機EL素子としては特に制限がなく、陽極と陰極と、両者に挟まれた有機層が少なくとも1層以上あり、電流を流すと発光する素子であればよい。
発光タイプとしては、蛍光発光性の化合物を用いる蛍光型と、リン光発光性の化合物を用いるリン光型、あるいは、蛍光発光性の化合物とリン光発光性の化合物を併用する併用型があるが、どれでも良い。効率がよいという点から、リン光型の有機ELが好ましい。
また、本発明の発光装置を照明装置として用いる場合には、照明用色であることが好ましい。
《有機EL素子の構成》
本発明を適用した有機EL素子は、支持体、電極、種々の機能を有する有機層等の構成要素によって構成される。好ましい構成の具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
(i)陽極/正孔輸送層/電子阻止層/発光層ユニット/正孔阻止層/電子輸送層/陰極
(ii)陽極/正孔輸送層/電子阻止層/発光層ユニット/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
(iii)陽極/陽極バッファー層/正孔輸送層/電子阻止層/発光層ユニット/正孔阻止層/電子輸送層/陰極
(iv)陽極/陽極バッファー層/正孔輸送層/電子阻止層/発光層ユニット/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
上記のように、有機EL層は各層を重ね合わせて重層とされる。また、本発明の薄膜形成方法は、上記の各構成を形成するのに適用できるが、特に陽極及び陰極を除く各層の形成に好ましく適用できる。
本発明を有機光電変換素子に適用した場合、その層構成の好ましい具体例を下記に示すが、以下の形態に限定されるものではない。
《有機光電変換素子》
本発明で用いることのできる有機光電変換素子としては特に制限がなく、陽極と陰極と、両者に挟まれた発電層が少なくとも1層以上あり、光を照射すると電流を発生する素子であればよい。
発電層の構成としては、有機半導体材料を積層した構成であれば特に限定されないが、例えば、p型半導体材料とn型半導体材料を積層したヘテロジャンクション型や、p型、n型両方の半導体材料を混合し、ドメイン構造を有した所謂バルクヘテロジャンクション型を挙げることができる。更には、内部量子効率向上の観点から、電荷分離効率に優れる構成が好ましく、バルクヘテロジャンクション型の構造が本願においてより好ましい。
また、本発明の有機光電変換素子を太陽電池として用いる場合には、太陽光スペクトルに最適な吸収特性を有する有機半導体材料を用いることが好ましく、効率、意匠性の観点からより黒い外観である有機光電変換素子であることが好ましい。
《有機光電変換素子の構成》
本発明を適用した有機光電変換素子は、支持体の一方面上に、透明電極、発電層及び対電極が順次積層されている。
また、これに限られず、例えば透明電極や対電極と発電層との間に正孔輸送層、電子輸送層、正孔ブロック層、電子ブロック層、電極バッファー層、あるいは平滑化層等の他の層を有して有機光電変換素子が構成されてもよい。これらの中でも、バルクへテロジャンクション型の発電層を有する有機光電変換素子においては、発電層と陽極(通常、透明電極側)との中間には正孔輸送層及び/または電子ブロック層を、発電層と陰極(通常、対電極側)との中間には電子輸送層及び/または正孔ブロック層を形成することで、バルクへテロジャンクション型の発電層で発生した電荷をより効率的に取り出すことが可能となるため、これらの層を有していることが好ましい。
(i)陽極/正孔輸送層/電子ブロック層/発電層/正孔ブロック層/電子輸送層/陰極
(ii)陽極/正孔輸送層/電子ブロック層/発電層/正孔ブロック層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
(iii)陽極/陽極バッファー層/正孔輸送層/電子ブロック層/発電層/正孔ブロック層/電子輸送層/陰極
(iv)陽極/陽極バッファー層/正孔輸送層/電子ブロック層/初d寝そう/正孔ブロック層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
上記のように、有機光電変換素子は各層を重ね合わせて重層とされる。また、本発明の薄膜形成方法は、上記の各構成を形成するのに適用できるが、特に陽極及び陰極を除く各層の形成に好ましく適用できる。
図1は、本発明の薄膜形成方法を適用した塗布装置の概略模式図である。図1は、長尺状の可撓性基板に塗布を行う例であり、所謂ロールツーロールと称される例である。
ロール状に巻かれた長尺状の基板10は、駆動手段(不図示)により巻き出しロール10aから矢印B方向に繰り出され搬送される。
長尺状の基板10はバックアップロール12に支持されながら搬送され、塗布部20の塗布手段であるコータ21により、塗布液が塗布される(塗布工程)。塗布液タンク23に貯留された塗布液は、塗布液タンク23より塗布液供給管24を介し送液ポンプ22でコータ21に供給される。
前記塗布液は、1種類以上の溶媒を含み構成される。前記溶媒は、例えば、トルエン、アセトニトリル、シクロヘキサン、メチルエチルケトン(MEK)等が挙げられる。
コータ21は、基板10を挟みバックアップロール12に対向する位置に配設される。図1はコータ21として、基板10の幅方向に塗布幅に対応した、塗布液を吐出するスリット(不図示)を有し、前記スリットより塗布液を吐出して塗布を行うスロット型コータを用いた例である。塗布手段は、これに限定されるものではなく、一般的に知られているコータを用いることができる。また、インクジェット方式を用いることもできる。
塗布部20で塗布液が塗布された基板の塗布膜面側には、レベリング部30で溶媒蒸気供給手段31により溶媒蒸気が供給される(溶媒蒸気供給工程)。前記溶媒蒸気供給工程で、塗布膜の膜厚を均一化するレベリングが行われる。従って、前記溶媒蒸気供給工程はレベリング工程と称することもできる。
次に、乾燥部40で塗布膜の乾燥が行われ(乾燥工程)、巻き取りロール(不図示)に巻き取られる。また、巻き取りロールに巻き取らず、シート状にカットすることも可能である。
次に、レベリング部30について説明する。
レベリング部30は、溶媒蒸気供給手段31、溶媒タンク32、溶媒供給管33を有する。
溶媒蒸気供給手段31は、溶媒を含浸する含浸部材311と含浸部材311を内部に保持する保持部材312を含み構成され、基板10の塗布膜面に対向して配設される。含浸部材311は、溶媒で溶解、変質、変形等が生じないスポンジ、セラミックス、金属、樹脂等の連続気泡体の多孔質部材が好ましく用いられる。保持部材312は、基板10の塗布膜面に対向する対向面312aのみに開口部を有する。保持部材312の材質は、耐溶媒性のある金属、樹脂等が用いられる。含浸部材311に含浸された溶媒は、対向面312aの開口部より気化し溶媒蒸気として、基板10の塗布膜面と対向面312aの間の隙間に充満される。
溶媒タンク32に貯留された溶媒は、溶媒供給管33を介し、含浸部材311に供給される。溶媒バルブ34は、溶媒の供給量を調節する。本実施の形態では、溶媒の供給は重力を利用した自然落下での供給としているが、必要に応じ強制的な供給としてもよい。強制的な供給としては、溶媒供給管33の途中に、必要に応じ溶媒ポンプ35(破線部)を設けてもよい。また、溶媒タンク32を密閉構造として加圧手段36(破線部)で溶媒タンク32内部を気体で加圧してもよい。前記気体としては、不活性ガス、例えば窒素が用いられる。
また、気化手段(例えば、加熱等)を用いて、予め気化させた溶媒蒸気を、供給手段(例えば、ポンプ等)で強制的に供給してもよい。
図2は、塗布膜と対向面312aの隙間を示した図である。塗布膜と対向面312aの隙間Sは0.1mm以上100mm以下が好ましい。0.1mm未満では塗布膜との接触を起こし易く、100mmを超えると装置の大型化を招き、また溶媒蒸気の漏れを起こし易くなる。
前記溶媒は、塗布液に用いられる溶媒が用いられる。溶媒が複数の時は、複数の溶媒を混合して用いることが好ましい。更に溶媒蒸気の温度は、塗布液温度と略同等が好ましい。これにより、前記溶媒蒸気は塗布液に用いられる溶媒で、更に略同等の温度で構成されるため、塗布膜の乾燥速度を抑制することができ、塗布膜の膜厚の均一化(レベリング)を十分に行うことができる。このように、膜厚の均一化が十分に行われた後、乾燥部で乾燥することにより、均一な塗布膜の薄膜を形成することができる。
前記隙間に充満された溶媒蒸気の一部は、基板の搬送にともない乾燥部に運ばれ、塗布液中の溶媒とともに排気除去される。また、一部は基板10の塗布膜面と対向面312aの間の隙間外に漏れる。このため、常に前記隙間に溶媒蒸気を充満させるために、塗布中には前記溶媒は、連続的に含浸部材311に供給される。溶媒の供給量は予め実験により設定し、溶媒バルブで調節することができる。
前記溶媒蒸気の量をより適切に維持するため、蒸気センサー37を設け、溶媒蒸気の湿度を検出し溶媒バルブ34を調節することが好ましい。この場合は溶媒バルブ34を制御し、溶媒の供給を断続的とすることもできる。
また、基板に塗布された塗布膜の乾燥は、塗布膜幅方向の中央部近傍に対し、端部側が速く進行しやすい。このため、塗布膜の端部側では膜厚の均一化が十分に行われないまま乾燥が進行する恐れがある。この乾燥を防止するため、端部側の溶媒蒸気の供給量を中央部近傍より多くする必要がある。このため、保持部材312の対向面312aの開口部の開口比率を、端部側と中央部近傍とで変えることが好ましい。
ここで、前記開口比率とは、開口面の単位面積当たりの開口面積の比率である。
図3は対向面312aの開口部の開口比率を端部側と中央部近傍とで変えた例であり、保持部材312の対向面312a、基板10、塗布膜を図1の矢印Y1方向から見た図である。黒丸は開口部を表す。塗布膜の両端側方向の開口比率を中央部近傍より大きくし、中央部分より溶媒蒸気の供給を多くしている。開口比率は、塗布液に含まれる溶媒の種類と量、塗布膜厚、塗布幅、塗布速度(基板搬送速度)、溶媒蒸気の供給量等に基づき、予め実験により、適宜設定される。
また、塗布膜の安定のため、塗布膜厚の均一化は塗布後迅速に行うことが重要となる。このため、塗布膜厚の均一化は基板搬送方向の上流側で迅速に行うことが好ましい。このため、下流側に比べ上流側での塗布膜の乾燥防止が重要になる。また、基板進行方向の上流側では基板の搬送にともない溶媒蒸気の一部が下流側に同伴で流され、溶媒蒸気が減少する。このため、上流側の溶媒蒸気の供給量を下流側に比べ多くする必要がある。この対応として、保持部材312の対向面312aの開口部の開口比率を、上流側と下流側とで変えることが好ましい。
図4は対向面312aの開口部の開口比率を上流側と下流側とで変えた例であり、保持部材312の対向面312a、基板10、塗布膜を図1の矢印Y1方向から見た図である。黒丸は開口部を表す。上流側の開口比率を大きくし、下流側より溶媒蒸気の供給を多くしている。開口比率は、塗布液に含まれる溶媒の種類と量、塗布膜厚、塗布幅、塗布速度(基板搬送速度)、溶媒蒸気の供給量等に基づき、予め実験により、適宜設定される。
更に、図3と図4に示す例を組み合わせることが、より溶媒蒸気の均一化のためには好ましい。
図3及び図4に示す例では、開口形状を円形としたが、スリット形状とすることもできる。
また、基板10の搬送方向両端側に不活性ガスを供給することが好ましい。図5は、不活性ガス供給機構を備えた溶媒蒸気供給手段を表す図である。不活性ガスを基板10の両端側に供給するダクト35を備え、不活性ガス供給部(不図示)からダクトに不活性ガスが供給され、図5に示すように不活性ガスが吹き出される。これにより、不活性ガスでレベリング部30にある塗布面を大気から遮断でき、前記塗布面を溶媒蒸気の雰囲気に容易に維持することができる。また、溶媒蒸気の漏れを少なくすることができる。前記不活性ガスとしては、例えば窒素が用いられる。
前記不活性ガスの吐出量は、塗布膜と対向面312aの隙間及び基板搬送速度を基に、実験等で適宜設定される。
上記は、長尺状の可撓性基板を用いた例であるが、枚葉状の基板を用いることもできる。図6は、枚葉状の基板を用い、塗布はインクジェット方式とした例の、概略模式図である。
図6に示す例では、基台50上に、インクジェット方式の塗布部60、レベリング部30、乾燥部40が配設されが、これに限定されるものではない。
基台1の移動機構(不図示)に載置された基板51は、矢印C方向に移動される。先ず、塗布部60のインクジェットヘッド61より、塗布液が射出され、基板51に塗布される。塗布液タンク62は塗布液を貯留し、インクジェットヘッド61に塗布液を供給する。塗布液が塗布された基板51は、次にレベリング部30へと進み塗布膜の均一化がされる。次に、乾燥部で塗布膜が乾燥され、基板50に薄膜が形成される。レベリング部30乾燥部40の機能、作用は図1の例に準ずる。

Claims (11)

  1. ロール状に巻かれた長尺状の可撓性の基板を連続的に搬送し、前記基板に少なくとも1種類の溶媒と該溶媒中に分散または溶解した材料を含む液状組成物を基板に塗布し、薄膜の塗布膜を形成する薄膜形成方法において、前記液状組成物を塗布手段で基板に塗布し塗布膜を生成する塗布工程と、前記塗布膜を乾燥する乾燥工程と、前記塗布工程と前記乾燥工程との間に、溶媒蒸気供給手段を備えた溶媒蒸気供給工程と、を有することを特徴とする薄膜形成方法。
  2. 前記溶媒蒸気供給手段は、溶媒が含浸された含浸部材と前記含浸部材を保持する保持部材を含み構成され、前記含浸部材から溶媒が気化することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の薄膜形成方法。
  3. 前記保持部材は、基板に塗布された塗布膜面に対向する面にのみ開口部があることを特徴とする請求の範囲第2項に記載の薄膜形成方法。
  4. 前記含浸部材へ溶媒を連続的に供給することを特徴とする請求の範囲第2項または第3項に記載の薄膜形成方法。
  5. 前記溶媒蒸気供給手段からの溶媒蒸気供給量は、基板の幅方向中央部近傍と両端側方向とで異なることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第4項の何れか1項に記載の薄膜形成方法。
  6. 前記開口部の開口比率は、基板の幅方向中央部近傍と両端側方向とで異なることを特徴とする請求の範囲第3項乃至第5項の何れか1項に記載の薄膜形成方法。
  7. 前記溶媒蒸気供給手段からの溶媒蒸気供給量は、基板の搬送方向上流側と下流側とで異なることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第6項の何れか1項に記載の薄膜形成方法。
  8. 前記開口部の開口比率は、基板の搬送方向上流側と下流側とで異なることを特徴とする請求の範囲第3項乃至第7項の何れか1項に記載の薄膜形成方法。
  9. 前記溶媒蒸気供給手段の基板の搬送方向両端側より、不活性ガスを供給することを特徴とする請求の範囲第1項乃至第8項の何れか1項に記載の薄膜形成方法。
  10. 前記塗布手段は、スロット型コータまたはインクジェットであることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第9項の何れか1項に記載の薄膜形成方法。
  11. 請求の範囲第1項乃至第10項の何れか1項に記載の薄膜形成方法によって形成されたことを特徴とする有機エレクトロニクス素子
JP2009538057A 2007-10-17 2008-10-07 薄膜形成方法及び有機エレクトロニクス素子 Expired - Fee Related JP5316415B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009538057A JP5316415B2 (ja) 2007-10-17 2008-10-07 薄膜形成方法及び有機エレクトロニクス素子

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007269871 2007-10-17
JP2007269871 2007-10-17
PCT/JP2008/068211 WO2009051036A1 (ja) 2007-10-17 2008-10-07 薄膜形成方法及び有機エレクトロニクス素子
JP2009538057A JP5316415B2 (ja) 2007-10-17 2008-10-07 薄膜形成方法及び有機エレクトロニクス素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2009051036A1 true JPWO2009051036A1 (ja) 2011-03-03
JP5316415B2 JP5316415B2 (ja) 2013-10-16

Family

ID=40567305

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009538057A Expired - Fee Related JP5316415B2 (ja) 2007-10-17 2008-10-07 薄膜形成方法及び有機エレクトロニクス素子

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5316415B2 (ja)
WO (1) WO2009051036A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015144051A (ja) * 2014-01-31 2015-08-06 住友化学株式会社 発光装置の製造方法

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7237616B2 (ja) 2018-02-28 2023-03-13 キヤノン株式会社 インクジェット装置、およびそれを用いた機能素子の製造方法
WO2019167741A1 (ja) * 2018-02-28 2019-09-06 キヤノン株式会社 インクジェット装置、およびそれを用いた機能素子の製造方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2802636B2 (ja) * 1989-01-23 1998-09-24 東京エレクトロン株式会社 塗布装置及び塗布方法
JPH04337284A (ja) * 1991-05-14 1992-11-25 Asahi Chem Ind Co Ltd 有機電界発光素子
JP2004243164A (ja) * 2003-02-12 2004-09-02 Konica Minolta Holdings Inc 塗布装置および塗布方法
JP2005056614A (ja) * 2003-08-07 2005-03-03 Sharp Corp 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造装置及びその製造方法
JP2007234390A (ja) * 2006-03-01 2007-09-13 Seiko Epson Corp 有機elパネルの製造方法及びその製造装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015144051A (ja) * 2014-01-31 2015-08-06 住友化学株式会社 発光装置の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2009051036A1 (ja) 2009-04-23
JP5316415B2 (ja) 2013-10-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2007097329A1 (ja) 成膜装置および発光素子の製造方法
WO2009104382A1 (ja) 薄膜形成装置および薄膜形成方法
JP5058396B1 (ja) 薄膜の製造方法及び製造装置
JP2008071726A (ja) 有機elシート製造装置
JP5316415B2 (ja) 薄膜形成方法及び有機エレクトロニクス素子
JP5125585B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法とその製造装置
JP5056682B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法、有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造装置
US20100207515A1 (en) Method for controlling film forming apparatus, film forming method, film forming apparatus, organic el electronic device, and storage medium having program for controlling film forming apparatus stored therein
JP2014523940A (ja) フレキシブル基板を処理する方法
KR20150113742A (ko) 증발원 및 이를 포함하는 증착장치
US10319909B2 (en) Method for manufacturing organic electronic element
JP2010007101A (ja) 蒸着源、成膜装置および成膜方法
JP5212474B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法
JP2007149482A (ja) 有機el素子の製造方法
US10686162B2 (en) Method for manufacturing organic EL panel
JP4696832B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法
JP5772826B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法
JP2008004481A (ja) 拡散層の製造装置及び製造方法
JP2011253784A (ja) 塗布装置及び有機エレクトロニクス素子の製造方法
WO2012121237A1 (ja) 蒸着装置及び薄膜形成方法
WO2012002423A1 (ja) 有機薄膜層の形成方法、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法
JP2011258684A (ja) 非接触巻取り体の製造方法及び該非接触巻取り体の製造方法を用いて製造された有機エレクトロルミネッセンス素子
WO2012121238A1 (ja) 蒸着用シート、蒸着装置、及び蒸着用シートの製造方法
WO2016132583A1 (ja) 薄膜電子デバイスの製造方法、エッチング装置および薄膜電子デバイスの製造装置
JP5431242B2 (ja) 成膜装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110411

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20110818

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121106

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121210

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130611

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130624

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5316415

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees