JPWO2009044559A1 - 加工茶の製造方法 - Google Patents

加工茶の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2009044559A1
JPWO2009044559A1 JP2009535985A JP2009535985A JPWO2009044559A1 JP WO2009044559 A1 JPWO2009044559 A1 JP WO2009044559A1 JP 2009535985 A JP2009535985 A JP 2009535985A JP 2009535985 A JP2009535985 A JP 2009535985A JP WO2009044559 A1 JPWO2009044559 A1 JP WO2009044559A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tea
green tea
processed
extract
tea extract
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009535985A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5393470B2 (ja
Inventor
福田 昌弘
昌弘 福田
枝里 板屋
枝里 板屋
高橋 宏和
宏和 高橋
日下 良
良 日下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2009535985A priority Critical patent/JP5393470B2/ja
Publication of JPWO2009044559A1 publication Critical patent/JPWO2009044559A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5393470B2 publication Critical patent/JP5393470B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23FCOFFEE; TEA; THEIR SUBSTITUTES; MANUFACTURE, PREPARATION, OR INFUSION THEREOF
    • A23F3/00Tea; Tea substitutes; Preparations thereof
    • A23F3/06Treating tea before extraction; Preparations produced thereby
    • A23F3/14Tea preparations, e.g. using additives
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23FCOFFEE; TEA; THEIR SUBSTITUTES; MANUFACTURE, PREPARATION, OR INFUSION THEREOF
    • A23F3/00Tea; Tea substitutes; Preparations thereof
    • A23F3/16Tea extraction; Tea extracts; Treating tea extract; Making instant tea
    • A23F3/18Extraction of water soluble tea constituents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23FCOFFEE; TEA; THEIR SUBSTITUTES; MANUFACTURE, PREPARATION, OR INFUSION THEREOF
    • A23F3/00Tea; Tea substitutes; Preparations thereof
    • A23F3/16Tea extraction; Tea extracts; Treating tea extract; Making instant tea
    • A23F3/30Further treatment of dried tea extract; Preparations produced thereby, e.g. instant tea

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Tea And Coffee (AREA)

Abstract

高濃度の非重合体カテキン類を水で溶出することが可能であり、しかも苦味及び収斂味が抑制されて風味が良好な加工茶を製造する。本発明の加工茶の製造方法は、(A)エタノールと水との質量比が99/1〜75/25の混合溶液中で緑茶抽出物を溶解抽出することにより得られた緑茶抽出物の精製物の造粒物と、(B)茶葉とを10/90〜90/10の固形分質量比[(A)/(B)]で混合する工程を含むことを特徴とする。

Description

本発明は、非重合体カテキン類を水で溶出する加工茶の製造方法に関する。
カテキン類の効果としてはコレステロール上昇抑制作用やアミラーゼ活性阻害作用などが報告されている(特許文献1、2)。このようなカテキン類の生理効果を発現させるためには、より簡便に大量のカテキン類を摂取することが必要であることから、飲料にカテキン類を高濃度に配合する技術が望まれている。この方法の一つとして、緑茶抽出物の濃縮物(特許文献3〜5)などを利用して、カテキン類を飲料に溶解状態で添加する方法がある。
しかしながら、これら従来の緑茶抽出物の濃縮物を液体に溶かして非重合体カテキン類を高濃度で摂取しようとすると、カテキン類が苦味及び収斂味を呈するだけでなく、緑茶抽出物の濃縮物にその他の成分が多く含まれるため苦味、収斂味、エグ味、雑味が増強されてしまう。
一方、茶葉に乾燥溶解性粉末をコートするなど、抽出効率の改善や風味を改善する技術が提案されている。例えば、特許文献6には茶製品の製造方法が開示されており、その製造方法は安価な紅茶と従来のインスタント茶末との混合物とした上で、この混合物に2〜15質量%の水を添加する工程と、得られたスラリーを空気中で乾燥する工程とから構成される。しかしながら、この製造方法は高品質の抽出液の提供に適当でなく、また抽出速度が遅かった。
また、特許文献7には、30〜95重量%の茶葉と、5〜70重量%の乾燥可溶性茶固形物との混合物を含むアイスティ飲料用ティーバッグが開示されている。その製造方法には、濃縮抽出物を茶葉に噴霧して抽出物の可溶性茶固形物で茶葉を被覆する工程が含まれる。しかしながら、得られた飲料は、緑茶抽出物の濃縮物による苦味、収斂味、エグ味、雑味が強かった。
さらに、特許文献8には、表面を湿らせた緑茶に抹茶をまぶし、次いで緑茶及び抹茶の表面を澱粉質等の可食性材料で被覆し乾燥する抹茶加工茶の製造方法が開示されている。一方、特許文献9では、アラビアゴムを基材とする粒剤にフレーバーを保持させたフレーバー含有粒剤にティー粉末を回転造粒機で被覆することで飲用組成物を得ている。また、特許文献10には、茶葉と茶末由来の茶固形物とを混合し、得られた混合物を水で同時に湿らせ乾燥する加工茶製品の製造方法が開示されている。更に、特許文献11には、緑茶抽出物を有機溶媒と水との混合溶液中で、活性白土及び活性炭に接触させ、緑茶抽出物の苦味を低減する方法が開示されている。
これらの方法で製造される加工茶又は粉末飲料は苦み及び収斂味が緩和される一方、飲料の清涼感が損なわれやすかった。
特開昭60−156614号公報 特開平3−133928号公報 特開昭59−219384号公報 特開平4−20589号公報 特開昭61−130285号公報 英国特許第1428394号明細書 特開平11−221018号公報 特開昭61−209548号公報 特開昭52−61269号公報 特表2005−531310号公報 特開2006−122004号公報
本発明は、下記(1)及び(2)の加工茶の製造方法を提供するものである。
(1)(A)エタノールと水との質量比が99/1〜75/25の混合溶液中で緑茶抽出物を溶解抽出することにより得られた緑茶抽出物の精製物の造粒物と、(B)茶葉とを10/90〜90/10の固形分質量比[(A)/(B)]で混合する工程を含む、加工茶の製造方法。
(2)(A)エタノールと水との質量比が99/1〜75/25の混合溶液中で緑茶抽出物を溶解抽出することにより得られた緑茶抽出物の精製物を含む液状物を、(B)茶葉に10/90〜90/10の固形分質量比[(A)/(B)]でコーティングする工程を含む、加工茶の製造方法。
また、本発明は、上記製造方法により得られた加工茶を提供するものである。
更に、本発明は、上記加工茶をティーバック内に封入してなる加工茶製品を提供するものである。
発明の実施の形態
上記特許文献に記載の方法においては、高濃度にカテキン類を溶出することを目的としておらず、カテキン類の含有量が少ないために十分な量のカテキン類を摂取することが困難である。また、十分な量のカテキン類を抽出しようとすると、苦味、収斂味、雑味が多くなり風味上問題があった。
本発明は、高濃度の非重合体カテキン類を水で溶出することが可能であり、しかも苦味及び収斂味が抑制されて風味が良好な加工茶及びその製造方法を提供することにある。本発明はまた、当該加工茶を用いた加工茶製品を提供することにある。
本発明者らは、緑茶抽出物に含まれる成分と、苦味及び収斂味との関係を調べた結果、エタノールと水とを特定割合で含む混合溶液中で緑茶抽出物を溶解抽出することにより得られた緑茶抽出物の精製物で茶葉を処理することにより、苦味及び収斂味が低減されて非重合体カテキン類を高濃度で摂取するのに適した加工茶が得られることを見出した。
本発明の製造方法によれば、高濃度の非重合体カテキン類を水で簡便に溶出することが可能であり、しかも苦味及び収斂味が抑制されて風味が良好な加工茶を得ることができる。したがって、本発明によれば、非重合体カテキン類を大量に摂取可能で、しかも飲みやすい加工茶及び当該加工茶を用いた加工茶製品を提供することができる。
先ず、本明細書において使用する用語について説明する。
本発明において、非重合体カテキン類とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレート等の非エピ体カテキン類、及びエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート等のエピ体カテキン類を合わせての総称であり、非重合体カテキン類の濃度は上記8種の合計量に基づいて定義される。このような非重合体カテキン類は、緑茶、紅茶、烏龍茶の茶葉から得られた抽出液を乾燥又は濃縮した茶抽出物などに含まれている。
また、非重合体カテキン類のガレート体とは、エピガロカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレート及びカテキンガレートを合わせての総称であり、非ガレート体とはエピガロカテキン、ガロカテキン、エピカテキン及びカテキンを合わせての総称である。
本発明の加工茶の製造方法は、下記の工程(a)又は(b)を含むことを特徴とするものである。
工程(a):緑茶抽出物の精製物の造粒物と、茶葉とを混合する工程
工程(b):緑茶抽出物の精製物を含む液状物を茶葉にコーティングする工程
本発明で使用する(A)緑茶抽出物の精製物の原料となる緑茶抽出物は、Camellia属、例えばC.sinensis、C.assamica、やぶきた種及びそれらの雑種等から選択される茶葉から製茶された茶葉から得られる。製茶された茶葉としては不発酵葉であれば特に限定なく使用できるが、例えば、煎茶、番茶、玉露、てん茶、釜炒り茶などの緑茶類が挙げられる。
緑茶抽出物は、緑茶抽出液を乾燥又は濃縮して得られるが、緑茶抽出液を得る方法としては、攪拌抽出などの公知の方法を採用することができる。また、煮沸脱気や窒素ガスなどの不活性ガスを通気して溶存酸素を除去する、いわゆる非酸化的雰囲気下で抽出する方法を併用してもよい。なお、緑茶抽出物の形態としては、例えば、液体、スラリー、半固体、固体が挙げられる。中でも、エタノールと水との混合溶液中での分散性の観点から、スラリー、半固体、固体が好ましい。
本発明においては、緑茶抽出物として茶葉から抽出した抽出液を使用するかわりに、緑茶抽出物の濃縮物を用いても、あるいは緑茶葉からの抽出液と緑茶抽出物の濃縮物を併用してもよい。ここでいう、緑茶抽出物の濃縮物とは、緑茶葉から熱水又は水溶性有機溶媒により抽出された溶液を濃縮したものであり、例えば、特開昭59−219384号公報、特開平4−20589号公報、特開平5−260907号公報、特開平5−306279号公報などに記載の方法により製造することができる。また、緑茶抽出物の濃縮物として市販品を使用してもよく、例えば、三井農林(株)「ポリフェノン」、伊藤園(株)「テアフラン」、太陽化学(株)「サンフェノン」などが挙げられる。本発明で使用する緑茶抽出物としては、乾燥質量で、非重合体カテキン類を25〜90質量%、更に30〜90質量%含有する緑茶抽出物の濃縮物を用いることが好ましい。
緑茶抽出物の精製方法としては、溶解抽出、すなわち、エタノールと水とを特定割合で含む混合溶液中に緑茶抽出物を懸濁して生じた沈殿を除去する方法が挙げられ、好ましくは、エタノールと水との混合溶液中で緑茶抽出物を、活性炭と、酸性白土又は活性白土と接触処理する方法が採用される。当該工程により、緑茶抽出物の濁りを除去できるほか、緑茶抽出物中のカフェインを低減することができる。なお、緑茶抽出物の精製物の形態としては、例えば、液体、スラリー、半固体、固体が挙げられる。
混合溶液中のエタノールと水との質量比は99/1〜75/25であるが、好ましくは97/3〜90/10、より好ましくは95/5〜91/9、特に好ましくは95/5〜92/8である。このような範囲に調整することで、苦味及び収斂味を低減させることができる。
緑茶抽出物をエタノールと水との混合溶液に分散する方法は特に制限されず、緑茶抽出物を最終的に処理する際のエタノールと水の質量比が99/1〜75/25の範囲になっていればよい。また、緑茶抽出物の使用量(固形分換算)は、エタノールと水の混合溶液100質量部に対して、10〜40質量部、特に10〜30質量部が好ましい。これにより、緑茶抽出物を効率よく処理することができる。
緑茶抽出物の精製に使用する活性炭としては、一般に工業レベルで使用されているものであれば特に制限されず、例えば、ZN−50(北越炭素社製)、クラレコールGLC、クラレコールPK−D、クラレコールPW−D(以上、クラレケミカル社製)、白鷲AW50、白鷲A、白鷲M、白鷲C(以上、武田薬品工業社製)などの市販品を用いることができる。活性炭の細孔容積は0.01〜0.8mL/gが好ましく、特に0.1〜0.7mL/gが好ましい。また、比表面積は800〜1300m2/g、特に900〜1200m2/gが好ましい。なお、これらの物性値は窒素吸着法に基づく値である。活性炭の使用量は、エタノールと水との混合溶液100質量部に対して、0.5〜5質量部、特に0.5〜3質量部が好ましい。
また、酸性白土又は活性白土は、ともに一般的な化学成分として、SiO2、Al23、Fe23、CaO、MgOなどを含有するものであるが、SiO2/Al23比が3〜12、特に4〜9であるものが好ましい。とりわけ、Fe23を2〜5質量%、CaOを0〜1.5質量%、MgOを1〜7質量%含有する組成のものが好ましい。活性白土は天然に産出する酸性白土(モンモリロナイト系粘土)を硫酸などの鉱酸で処理したものであり、大きい比表面積と吸着能を有する多孔質構造をもった化合物である。酸性白土又は活性白土の比表面積は、50〜350m2/gが好ましく、またpH(5%サスペンジョン、25℃)は2.5〜8、特に3.6〜7が好ましい。酸性白土として、例えば、ミズカエース#600(水澤化学社製)などの市販品を用いることができる。
酸性白土又は活性白土の使用量は、エタノールと水との混合溶液100質量部に対して、2.5〜25質量部、特に2.5〜15質量部が好ましい。酸性白土又は活性白土の添加量が少なすぎると、カフェインの除去効率が低下する傾向にあり、また多すぎると、ろ過工程においてケーク抵抗が大きくなる傾向にある。また、活性炭と、酸性白土又は活性白土との割合(質量比)は、活性炭1に対して、1〜10が好ましく、特に1〜6が好ましい。
緑茶抽出物は、エタノールと水との混合溶液に分散した状態で、活性炭と、酸性白土又は活性白土とに接触させて精製できるが、各成分の添加順序は特に限定されるものではない。例えば、(1)エタノールと水との混合溶液に緑茶抽出物を添加し、次いで活性炭を添加し、そして酸性白土又は活性白土を添加する方法、(2)エタノールと水との混合溶液に緑茶抽出物を添加し、次いで酸性白土又は活性白土を添加し、そして活性炭を添加する方法、(3)エタノールと水との混合溶液に酸性白土又は活性白土を添加し、次いでこれに緑茶抽出物を添加し、そして活性炭を添加する方法、(4)エタノールと水との混合溶液に活性炭を添加し、次いでこれに緑茶抽出物を添加し、そして酸性白土又は活性白土を添加する方法などが挙げられる。このように、精製処理は各成分を順次添加して行うことができるが、各添加工程間でろ過を行うことが好ましい。また、緑茶抽出物は、2回以上に分割し添加してもよく、その添加工程間でろ過を行ってもよい。
活性炭と、酸性白土又は活性白土とによる緑茶抽出物の分散液の接触処理は、バッチ式、カラムによる連続処理などのいずれの方法で行ってもよい。一般には、粉末状の活性炭などを添加し攪拌してカフェインを選択的に吸着させた後、ろ過操作によりカフェインを除去してろ液を得る方法、あるいは顆粒状の活性炭などを充填したカラムを用いて連続処理によりカフェインを選択的に吸着する方法などが採用される。活性炭と、酸性白土又は活性白土とを接触させた後の緑茶抽出物の分散液は、活性炭と、酸性白土又は活性白土とを除去した後、減圧蒸留さらに濃縮操作などにより系中からエタノールが除去される。
このようにして緑茶抽出物の精製物が得られるが、非重合体カテキン類に対するカフェインの割合(カフェイン/非重合体カテキン類)は、質量比で0.0001〜0.16が好ましく、より好ましくは0.001〜0.15、更に好ましくは0.01〜0.14、特に好ましくは0.05〜0.13である。かかる比率が低すぎると、飲料に還元した際の風味バランスが低下する傾向にあり、他方高すぎると、生理効果が不十分となる傾向にある。カフェインは、原料として用いる緑茶抽出物に由来のものでも、香料、果汁及び他の成分中に天然で存在するものであってもよく、更に新たに加えられたものであってもよい。
本発明においては、緑茶抽出物の精製物として、タンナーゼ処理によりガレート体率を低下させたものを使用することができる。ここで、本発明において、タンナーゼ処理とは、タンナーゼ活性を有する酵素で処理することをいい、例えば、アスペルギルス属、ペニシリウム属、リゾプス属のタンナーゼ生産菌を培養して得られるタンナーゼが挙げられる。このうちアスペルギルス オリーゼ由来のものが好ましい。タンナーゼによる処理は、非重合体カテキン類を含有する緑茶抽出液、又は緑茶抽出物の濃縮物のいずれの製造段階においても行うことができる。また、緑茶抽出液、又は緑茶抽出物の濃縮物中の非重合体カテキン類に対して、タンナーゼを0.5〜10質量%の範囲になるように添加することが好ましい。タンナーゼ処理の温度は、酵素活性が得られる15〜40℃が好ましく、更に好ましくは20〜30℃である。タンナーゼ処理時のpH(25℃)は、酵素活性が得られる4〜6が好ましく、更に好ましくは4.5〜6であり、特に好ましくは5〜6である。
タンナーゼ処理においては、タンナーゼ活性を有する酵素を添加後、非重合体カテキン類中のガレート体率が1〜60質量%に達するまで、緑茶抽出液又は緑茶抽出物の濃縮物を20〜50℃、特に20〜40℃に保持することが好ましい。この場合、非重合体カテキン類中のガレート体率は、3〜55質量%、特に5〜50質量%に調整することが好ましい。タンナーゼ処理によるガレート体率の制御は、処理時の緑茶抽出液又は緑茶抽出物の濃縮物のpH挙動によって反応の終点を決定することが好ましい。当該pH(25℃)は3〜6、特に3.5〜5.5が好ましい。その後、できるだけ速やかに45〜95℃、好ましくは75〜95℃まで昇温し、タンナーゼを失活させて反応を停止する。これにより、苦味及び渋味が低減され、より一層風味の良好な緑茶茶抽出物の精製物を得ることができる。また、タンナーゼの失活処理により、その後のガレート体率の低下を防止できるため、目的とするガレート体率を有する緑茶抽出物の精製物を簡便に得ることができる。
タンナーゼ処理において生じる没食子酸の含有量は、収斂味低減の観点から、緑茶抽出物の精製物の全質量に対して、0.6質量%以下が好ましい。没食子酸は発酵茶に特に多く含まれ、不発酵茶では少ない。好ましい没食子酸含有量は0.01〜0.6質量%、特に好ましくは0.05〜0.6質量%である。
このようにして得られた緑茶抽出物の精製物を、成分(A)として使用するが、液体又は粉末の状態で使用することが好ましい。粉末を製造する場合には、例えば、凍結乾燥やスプレードライなどの方法によって乾燥する。
本発明の製造方法においては、成分(B)として茶葉を使用するが、茶葉としては、緑茶葉、紅茶葉、烏龍茶葉が挙げられる。紅茶葉は発酵茶葉であり、具体的には、Camellia属、例えばC.sinensis、C.assamica、やぶきた種及びそれらの雑種から選択される茶葉から発酵工程を経て製茶された紅茶葉、黒茶葉等が挙げられる。また、烏龍茶葉は半発酵茶葉であり、具体的には、Camellia属、例えばC.sinensis、C.assamica、やぶきた種及びそれらの雑種から選択される茶葉から半発酵工程を経て製茶された烏龍茶葉が挙げられる。なお、緑茶葉は上記において説明したとおりである。なお、茶葉として緑茶葉を使用すると加工緑茶が得られ、また紅茶葉を使用すると加工紅茶が得られ、更に烏龍茶葉を使用すると加工烏龍茶が得られる。
成分(A)と、成分(B)との配合割合は、加工茶を水で抽出して得られる茶抽出液の風味や非重合体カテキン類の総量の観点から、固形分質量比[(A)/(B)]で10/90〜90/10であるが、成分(B)が緑茶葉である場合、好ましくは10/90〜50/50、更に好ましくは10/90〜40/60、特に好ましくは15/85〜25/75である。また、成分(B)が紅茶葉、烏龍茶葉である場合、上記割合[(A)/(B)]は20/80〜50/50、特に25/75〜40/60が好ましい。
工程(a)においては、緑茶抽出物の精製物の造粒物と、茶葉を混合するが、混合方式は、既知の容器回転型(水平円筒型、V型、ダブルコーン型、立方体型)又は容器固定型(リボン型、スクリュー型、円錐形スクリュー型、パドル型、流動層型、フィリップスブレンダ−)を採用することができる。
また、緑茶抽出物の精製物の造粒方法は乾式でも湿式でもよいが、最適な抽出効率を得るためには、水やバインダー(結合剤)の付着力を利用して造粒する湿式造粒が好ましい。バインダーとしては、例えば、デキストリン等の炭水化物を使用することができる。好ましい造粒方法としては、噴霧乾燥法、凍結乾燥法、流動層造粒法、転動造粒法などが挙げられ、これらは組み合わせて行うことができる。各造粒方法における乾燥温度としては、例えば、凍結乾燥法では−50〜50℃、噴霧乾燥では50℃〜120℃、流動層造粒法では20〜50℃、転動造粒法では20〜60℃を採用することができる。
噴霧乾燥法は、向流又は並流気流中に液状材料を噴霧し、液滴と気流との間の熱と物質の移動によって球状の粒子を得る方法である。噴霧乾燥法は、工程が簡素で連続化、大量生産、品質管理に適している。
凍結乾燥法では、低温で冷凍し粉砕した後、さらに真空状態(4.6Torr以下)で少量の熱を加える。この時、氷は水にならず、そのまま昇華するため、粉体粒子だけが残り、この粒子は噴霧乾燥時のような高温の熱を受けないため風味が損なわれ難いというメリットがある。
流動層造粒法では、個々の原料粒子の連続運動を確実にし、十分に広げられた状態にまで混合物を流動化させる。次いで、バインダーを流動層中に噴霧し、加熱した空気流を流動層内に通過させて緑茶抽出物の精製物を同時に乾燥する。緑茶抽出物の精製物の水分含有量が3〜8質量%、好ましくは約5質量%以下になるまで流動化工程は続けられる。この造粒法により得られる造粒物はポーラスで溶けやすく、形状は球状が多い。
転動造粒法は、水平に対して40〜50°傾斜させ、10〜30rpmで回転させた円形容器内に粉体を供給するとともに,バインダーを適量添加して造粒を行う方法である。原材料は転動しながら成長、造粒され、粒度分布のやや広い造粒物が得られる。転動造粒法では、場合により水分が残存することがあるため、別途乾燥工程が必要になる場合がある。
中でも、緑茶抽出物の精製物の造粒方法としては、噴霧乾燥法又は凍結乾燥法により1次粉末を製造した後、流動層造粒法又は転動造粒法により2次粉末を製造する2段階法が、溶解性向上やケーキング防止の点で好ましい。
このようにして得られた緑茶抽出物の精製物の造粒物の平均粒径は、100〜5000μmが好ましく、250〜2000μmがより好ましい。このような微細な粉体とすることで、非重合体カテキン類を水に溶解しやすくなるため、高濃度の非重合体カテキン類を簡便に摂取することが可能になる。なお、本発明において、平均粒径とはJIS K 0069化学製品のふるい分け試験方法に準拠して測定した値をいう。
一方、工程(b)においては、茶葉に緑茶抽出物の精製物を含む液状物を適用して茶葉の外表面を緑茶抽出物の精製物でコーティングするが、緑茶抽出物の精製物を含む液状物を適用する方法としては、上記した転動造粒法や流動層造粒法を用いることができる。具体的には、固形原料を転動造粒機又は流動層造粒機に予め供給しておき、緑茶抽出物の精製物を含む液状物を噴霧コーティングする方法を採用することができる。その際、バインダーとしてデキストリン等の炭水化物を併用してもよい。
本発明の製造方法においては、嗜好性を高めるために、粉末香料(フレーバー)、果実片、果実濃縮物(フルーツジュース)、果実粉末を配合することができる。これらは天然又は合成の如何を問わず使用することができ、好ましくはフルーツジュース、フルーツフレーバー、植物フレーバー及びそれらの混合物から選択できる。特に、フルーツジュースと一緒に茶フレーバー(好ましくは緑茶、紅茶又は烏龍茶フレーバー)を組合せたものが好ましい。果汁はリンゴ、ナシ、レモン、ライム、マンダリン、グレープフルーツ、クランベリー、オレンジ、ストロベリー、ブドウ、キゥイ、パイナップル、パッションフルーツ、マンゴ、グァバ、ラズベリー及びチェリーを使用できる。好ましくは、シトラスジュース(好ましくは、グレープフルーツ、オレンジ、レモン、ライム、マンダリン)、マンゴ、パッションフルーツ及びグァバのジュース、又はそれらの混合物が最も好ましい。粉末香料、果実片、果実濃縮物及び果実粉末の合計配合量は、加工茶の全質量に対して、0.001〜20質量%、特に0.002〜10質量%が好ましい。
好ましい天然フレーバーはジャスミン、カミツレ、バラ、ペパーミント、サンザシ、キク、ヒシ、サトウキビ、レイシ、タケノコ等である。特に好ましい香料はオレンジフレーバー、レモンフレーバー、ライムフレーバー及びグレープフルーツフレーバーを含めたシトラスフレーバーである。シトラスフレーバーに併せて、リンゴフレーバー、ブドウフレーバー、ラズベリーフレーバー、クランベリーフレーバー、チェリーフレーバー、パイナップルフレーバー等のような様々な他のフルーツフレーバーが使用できる。これらのフレーバーはフルーツジュース及び香油のような天然源から誘導しても、又は合成してもよい。粉末香料には、様々なフレーバーのブレンド、例えばレモン及びライムフレーバー、シトラスフレーバーと選択されたスパイス(典型的コーラソフトドリンクフレーバー)等を含めることができる。このような粉末香料の配合量は、加工茶の全質量に対して、0.0001〜5質量%、特に0.001〜3質量%が好ましい。
さらに、本発明の製造方法においては、嗜好性や健康機能を高めるために、ハーブ又はハーブエキスを配合することができる。ハーブエキスとは、薬草,香草等のハーブの抽出物であり、ハーブに適するものとしては、例えば、カモマイル、レモンバーベナ、ハイビスカス、ローズ、レモングラス、レモンバーム、マロー、ラベンダー、ローズマリー、タイム、リンデン、セージ、ジュニパー、バジル、オールスパイス、ジャスミン、シナモン、ファンネル、ウスベニアオイ、マサイ、ローレル、チコリ、ステビア、ジュニパーベリー、ミント、ヒソップ、ダンデライオン、オレンジフラワー、コーンフラワー、アルファルファ、クローブ、エルダー、キャラウェイ、サンフラワー、スイートバイオレット、オレガノ、タンポポ、マージョラム、セイボリー、ターメリック、ローゼル、メドゥスイート、マーシュマロウ、マリーゴールド、ワイルドストロベリー、ヤロウ、オレンジブロッサム、ユーカリ、セルピルム、バニラビーンズ、オレンジピール、レモンピール、アップルピール、ゼラニウムが挙げられる。これらは単独でもよいが、2種以上のハーブを混合して用いるとよい。ハーブの種類により、甘味のあるもの、酸味の強いもの、苦みの強いものなどがあり、2種以上を適宜組み合わせることにより、味の調和を図りまろやかで飲みやすいものとすることができる。2種以上のハーブを混合する場合の好ましい組み合わせの一例を挙げると、カモマイルとペパーミント、ハイビスカスとローズ、レモングラスとレモンバーム、マローブルーとハイビスカス、ラベンダーとローズ、ローズマリーとタイム、リンデンとペパーミント、セージとレモンバーム、ジュニパーとカモマイル、バジルとオールスパイス、ジャスミンとタイム、タイムとペパーミント、カモマイルとシナモン、ファンネルとハイビスカス、ウスベニアオイとカモマイル、マサイとローズヒップ、チコリとハイビスカス、ステビアとペパーミント、ジュニパーベリーとミント、ヒソップとミントの組み合わせなどであり、混合割合は混合するハーブの種類により様々である。なお、用いる部位は、ハーブの種類により、花、葉、実、根、皮、茎、種、全草など様々である。ハーブ及びハーブエキスの合計配合量は、加工茶の全質量に対して、好ましくは1.0〜10.0質量%、更に好ましくは0.5〜5.0質量%である。
このようにして得られる加工茶は、防腐・防菌やハンドリングの観点から、固形分が90.0質量%以上、更に95.0質量%以上、特に98.0質量%以上であることが好ましい。
また、加工茶10gを95℃の水1000gで5分間攪拌抽出した後、全量を1010gに調整し茶葉を除去して得られた抽出液中の非重合体カテキン類の含有量が、200mg/100mL以上、更に210mg/100mL以上、特に220mg/100mL以上であることが好ましい。このように、非重合体カテキン類の含有量が200mg/100mL以上であれば、多量の非重合体カテキン類を容易に摂取でき、しかも非重合体カテキン類による生理効果が期待できる。なお、苦味及び収斂味抑制の観点から、かかる非重合体カテキン類の含有量の上限は、600mg/100mL、特に500mg/100mLとすることが好ましい。
更に、本発明の加工茶においては、エステル型非重合体カテキン類であるガレート体は苦味が強いことから、非重合体カテキン類に対するガレート体の割合、すなわち非重合体カテキン類中のガレート体率が、5〜55質量%、更に8〜50質量%、特に10〜45質量%であることが好ましい。
本発明の製造方法により得られた加工茶は、一般の茶製品、粉末飲料又は粉末食品と同様にアルミ蒸着フィルム等を材質とする包装材料で包装して加工茶製品とすることができる。また、ティーバック等の透過性浸出パッケージ内に封入してもよい。浸出パッケージは、ティーポット又はカップに浸出茶製品を用意するための使用を意図した寸法で提供することができる。
(非重合体カテキン類の測定)
本発明の加工茶の抽出液をイオン交換水で100gに希釈した後、メンブランフィルター(0.8μm)でろ過し、次いで蒸留水で希釈した試料を、島津製作所製、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム L−カラムTM ODS(4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により測定した。移動相A液は酢酸0.1mol/L水溶液、B液は酢酸0.1mol/Lアセトニトリル溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行い、カテキン類の濃度は質量/体積%(%[w/v])で表した。
濃度勾配条件(体積%)
時間 移動相A 移動相B
0分 97% 3%
5分 97% 3%
37分 80% 20%
43分 80% 20%
43.5分 0% 100%
48.5分 0% 100%
49分 97% 3%
62分 97% 3%
(風味の評価)
各実施例及び比較例で得られた加工茶の抽出液を非重合体カテキン類濃度が0.13質量%になるようにイオン交換水で希釈した飲料について、パネラー5名により飲用試験を行った。飲用試験は、苦味及び収斂味について下記の基準にしたがって評価し、その後協議により0.5刻みで最終スコアを決定した。
苦味の評価基準
1:苦味が殆どない
2:苦味がかなり少ない
3:標準の苦味
4:苦味が多い
収斂味の評価基準
1:収斂味が殆どない
2:収斂味がかなり少ない
3:標準の収斂味
4:収斂味が多い
実施例1
(緑茶抽出物の精製物の製造)
市販の緑茶抽出物の濃縮物(三井農林(株)「ポリフェノンHG」)1,000gを常温、200r/minの攪拌条件下で95質量%エタノール水溶液9,000g中に懸濁させ、活性炭(クラレコールGLC、クラレケミカル社製)200gと、活性白土(ミズカエース#600、水澤化学社製)500gを投入後、約10分間攪拌を続けた。そして、室温のまま約30分間の攪拌処理を続けた。その後、2号濾紙で活性炭及び沈殿物を濾過したのち、0.2μmメンブランフィルターによって再濾過を行った。最後にイオン交換水200gを濾過液に添加し、40℃、3.3kPaでエタノールを留去し、減圧濃縮を行った。このうち750gをステンレス容器に投入し、イオン交換水で全量を10,000gとし、5質量%重炭酸ナトリウム水溶液30gを添加してpH5.5に調整した。次いで、22℃、150r/minの攪拌条件下で、イオン交換水10.7g中にタンナーゼKTFH(キッコーマン社製、Industrial Grade、500U/g以上)2.7gを溶解した液を添加し、55分後にpHが4.24に低下した時点で酵素反応を終了した。次いで、95℃の温浴にステンレス容器を浸漬し、90℃で10分間保持して酵素活性を完全に失活させた後、25℃まで冷却し濃縮処理を行い、Brix25の液体の緑茶抽出物の精製物を得た。さらに、噴霧乾燥を行い粉末の緑茶抽出物の精製物を得た。
(緑茶抽出物の精製物の造粒)
得られた粉末の緑茶抽出物の精製物のうち500gを転動型造粒機である乾燥パン型造粒機(内径540mm、深さ373mm、DPZ−01、アズワン株式会社)を使用し、25℃、水平に対して45°の角度、22rpmの回転数で造粒を行った。0.1〜0.5mmの粒径の粒子を得るまでこのパン型造粒機に水を注意深く噴霧し、次に粒子を取り出して4時間、25℃の減圧乾燥機で乾燥した後、22メッシュをパスした緑茶抽出物の精製物の造粒物を得た。
(加工緑茶)
得られた緑茶抽出物の精製物の造粒物200gと、宮崎産の緑茶煎茶葉800gとをミクロ形V形混合器/S−3形(筒井理化学器械株式会社製)に投入し、粉体混合により加工緑茶を得た。
得られた加工緑茶のうち10gを100rpmで撹拌中の95℃に保持した1,000gの水の入ったビーカーに投入し、5分間抽出を行った。抽出終了後全量を1,010gに水でメスアップした。次いで、20メッシュのふるいで茶葉を除去し、氷水で25℃まで冷却後、No.2のろ紙でろ過を行って抽出液を得た。加工緑茶の組成、抽出液中の非重合体カテキン類の含有量、及び風味評価結果を表1に示す。
実施例2
(緑茶抽出物の精製物の製造)
実施例1で製造した粉末の緑茶抽出物の精製物を使用した。
(緑茶抽出物の精製物の造粒)
実施例1と同様の方法で緑茶抽出物の精製物の造粒物を得た。
(加工紅茶)
緑茶抽出物の精製物の造粒物350gと、ケニア産のCTC紅茶葉650gとを使用したこと以外は、実施例1と同様の方法により加工紅茶及びその抽出液を得た。加工紅茶の組成、抽出液中の非重合体カテキン類の含有量、及び風味評価結果を表1に示す。
実施例3
(緑茶抽出物の精製物の製造)
実施例1で製造した粉末の緑茶抽出物の精製物を使用した。
(緑茶抽出物の精製物の造粒)
実施例1と同様の方法で緑茶抽出物の精製物の造粒物を得た。
(加工烏龍茶)
緑茶抽出物の精製物の造粒物300gと、福建省産の烏龍茶葉700gとを使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で加工烏龍茶及びその抽出液を得た。加工烏龍茶の組成、抽出液中の非重合体カテキン類の含有量、及び風味評価結果を表1に示す。
実施例4
(加工緑茶)
転動型造粒機である乾燥パン型造粒機を使用し、25℃、水平に対して45°の角度に傾斜した22rpmで回転する容器内に、宮崎産の緑茶煎茶葉400gを入れ、実施例1で製造した液体の緑茶抽出物の精製物167gを緑茶煎茶葉に注意深く噴霧した。次いで、緑茶葉を取り出して30分間、50℃の乾燥機で乾燥した後、加工緑茶を得た。そして、実施例1と同様の方法により抽出液を得た。加工緑茶の組成、抽出液中の非重合体カテキン類の含有量、及び風味評価結果を表1に示す。
実施例5
(加工紅茶)
液体の緑茶抽出物の精製物291.5g及びケニア産のCTC紅茶葉325gを使用したこと以外は、実施例4と同様の方法で加工紅茶及びその抽出液を得た。加工紅茶の組成、抽出液中の非重合体カテキン類の含有量、及び風味評価結果を表1に示す。
実施例6
(加工紅茶)
実施例1で得られた緑茶抽出物の精製物の造粒物350g、ケニア産紅茶葉610g、粉末レモン香料20g、市販の乾燥オレンジピール20gをミクロ形V形混合器/S−3形に投入し、粉体混合により加工紅茶を得た。そして、実施例1と同様の方法で抽出液を得た。加工紅茶の組成、抽出液中の非重合体カテキン類の含有量、及び風味評価結果を表1に示す。
実施例7
(加工緑茶)
99質量%エタノール水溶液を使用して緑茶抽出物の精製物を得たこと以外は、実施例1と同様の方法により加工緑茶及び抽出液を得た。加工緑茶の組成、抽出液中の非重合体カテキン類の含有量、及び風味評価結果を表1に示す。
実施例8
(加工緑茶)
80質量%エタノール水溶液を使用して緑茶抽出物の精製物を得たこと以外は、実施例1と同様の方法により加工緑茶及び抽出液を得た。加工緑茶の組成、抽出液中の非重合体カテキン類の含有量、及び風味評価結果を表1に示す。
実施例9〜10
(加工緑茶)
緑茶抽出物の精製物の造粒物と、緑茶煎茶葉を表1に記載の比率で配合したこと以外は、実施例1と同様の方法により加工緑茶及び抽出液を得た。加工緑茶の組成、抽出液中の非重合体カテキン類の含有量、及び風味評価結果を表1に示す。
比較例1
緑茶抽出物の精製物を使用しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法により加工緑茶及び抽出液を得た。加工緑茶の組成、抽出液中の非重合体カテキン類の含有量、及び風味評価結果を表1に示す。
比較例2
中国産緑茶抽出物の濃縮物200g、宮崎産の緑茶煎茶葉800gを使用したこと以外は、実施例1と同様の方法により加工緑茶及び抽出液を得た。加工緑茶の組成、抽出液中の非重合体カテキン類の含有量、及び風味評価結果を表1に示す。
比較例3
緑茶抽出物の精製物を使用しなかったこと以外は、実施例2と同様の方法により加工紅茶及び抽出液を得た。加工紅茶の組成、抽出液中の非重合体カテキン類の含有量、及び風味評価結果を表1に示す。
比較例4
ポリフェノンHG(東京フードテクノ製)1,000gを2,370gの水に溶解し、次にこのポリフェノールHG水溶液に70質量%エタノール水溶液6,630gを30分で滴下した。その後、攪拌しつつ30分間熟成した。熟成後、2号ろ紙にて荒濾過し、0.2μmメッシュのろ紙で濾過して不溶物を取り除いた。ここで得た濾過液に水200mLを加えた後、実施例1と同様の方法により緑茶抽出物の精製物の造粒物を得た。次いで、実施例1と同様の方法により加工緑茶及び抽出液を得た。加工緑茶の組成、抽出液中の非重合体カテキン類の含有量、及び風味評価結果を表1に示す。
比較例5
緑茶抽出物の精製物の造粒物と、緑茶煎茶葉とを表1に記載の比率で配合したこと以外は、実施例1と同様の方法により加工緑茶及び抽出液を得た。加工緑茶の組成、抽出液中の非重合体カテキン類の含有量、及び風味評価結果を表1に示す。
Figure 2009044559
実施例11
(加工紅茶製品の製造)
実施例6で得られた加工紅茶2gをポリエステル長繊維・ポリエチレン長繊維合紡不織布からなる袋形ティーバッグ(40mm×150mm)に封入して加工紅茶製品を製造した。風味評価結果を表2に示す。
比較例6
緑茶抽出物の精製物の代わりに中国産緑茶抽出物の濃縮物175g、ケニア産紅茶葉305gを使用し、これに粉末レモン香料10g、市販の乾燥オレンジピール10gを用いたこと以外は実施例6と同様の方法により加工紅茶を得た。次いで、実施例11と同様の方法により加工紅茶製品を製造した。風味評価結果を表2に示す。
Figure 2009044559
表1から、本発明の製造方法により得られた実施例1〜10の加工茶は、高濃度の非重合体カテキン類を水で溶出可能であり、しかも苦味及び収斂味が抑制されていることが明らかである。また、表2から、本発明の加工茶製品に係る実施例11は、従来の緑茶抽出物を配合した加工茶製品よりも苦味及び収斂味が抑制されていることが明らかである。

Claims (8)

  1. (A)エタノールと水との質量比が99/1〜75/25の混合溶液中で緑茶抽出物を溶解抽出することにより得られた緑茶抽出物の精製物の造粒物と、(B)茶葉とを10/90〜90/10の固形分質量比[(A)/(B)]で混合する工程を含む、加工茶の製造方法。
  2. (A)エタノールと水との質量比が99/1〜75/25の混合溶液中で緑茶抽出物を溶解抽出することにより得られた緑茶抽出物の精製物を含む液状物を、(B)茶葉に10/90〜90/10の固形分質量比[(A)/(B)]でコーティングする工程を含む、加工茶の製造方法。
  3. 茶葉が緑茶葉である、請求項1又は2記載の加工茶の製造方法。
  4. 茶葉が紅茶葉である、請求項1又は2記載の加工茶の製造方法。
  5. 茶葉が烏龍茶葉である、請求項1又は2記載の加工茶の製造方法。
  6. 非重合体カテキン類中のガレート体率が5〜55質量%である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の加工茶の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法により得られた加工茶。
  8. 請求項7記載の加工茶をティーバック内に封入してなる、加工茶製品。
JP2009535985A 2007-10-05 2008-10-03 加工茶の製造方法 Active JP5393470B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009535985A JP5393470B2 (ja) 2007-10-05 2008-10-03 加工茶の製造方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007261540 2007-10-05
JP2007261540 2007-10-05
JP2009535985A JP5393470B2 (ja) 2007-10-05 2008-10-03 加工茶の製造方法
PCT/JP2008/002791 WO2009044559A1 (ja) 2007-10-05 2008-10-03 加工茶の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2009044559A1 true JPWO2009044559A1 (ja) 2011-02-03
JP5393470B2 JP5393470B2 (ja) 2014-01-22

Family

ID=40525991

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009535985A Active JP5393470B2 (ja) 2007-10-05 2008-10-03 加工茶の製造方法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20100233322A1 (ja)
EP (1) EP2198721B1 (ja)
JP (1) JP5393470B2 (ja)
KR (1) KR101561251B1 (ja)
CN (1) CN101808528A (ja)
WO (1) WO2009044559A1 (ja)

Families Citing this family (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8293299B2 (en) 2009-09-11 2012-10-23 Kraft Foods Global Brands Llc Containers and methods for dispensing multiple doses of a concentrated liquid, and shelf stable Concentrated liquids
JP5751750B2 (ja) * 2009-12-21 2015-07-22 花王株式会社 インスタント紅茶
US8986770B2 (en) 2010-07-30 2015-03-24 Conopco, Inc. Process for fabricating leaf tea products
PL2597960T3 (pl) * 2010-07-30 2014-08-29 Unilever Nv Sposób fabrykowania produktów liściastej herbaty
FR2966700B1 (fr) 2010-10-29 2013-01-11 Bernard Mompon Procede de fabrication d?articles d?origine vegetale impregnes de substance liquide vegetale
KR101282960B1 (ko) * 2010-11-06 2013-07-08 목포대학교산학협력단 기호성이 우수한 녹차 제조방법
CN103260421B (zh) * 2010-12-27 2016-01-13 花王株式会社 粉末红茶
US8962698B2 (en) * 2011-01-28 2015-02-24 Tate & Lyle Ingredients Americas Llc Rebaudioside-mogroside V blends
WO2013036287A2 (en) 2011-09-09 2013-03-14 Kraft Foods Group Brands Llc Shelf stable, brewed beverage concentrates and methods of making the same
US11013248B2 (en) 2012-05-25 2021-05-25 Kraft Foods Group Brands Llc Shelf stable, concentrated, liquid flavorings and methods of preparing beverages with the concentrated liquid flavorings
US11484497B2 (en) * 2013-02-28 2022-11-01 Schweitzer-Mauduit International, Inc. Composition for making a tea beverage or herbal and vegetable broths
CN105142428A (zh) * 2013-02-28 2015-12-09 Swm卢森堡有限公司 用于制造茶饮料或草本和蔬菜汤的组合物
JP2015002725A (ja) * 2013-06-21 2015-01-08 株式会社レッツ 緑茶及びその製造方法
US10751282B2 (en) 2013-08-02 2020-08-25 Schweitzer-Mauduit International, Inc. Edible product comprising reconstituted plant material
EP3035946A1 (en) * 2013-08-20 2016-06-29 SWM Luxembourg s.a.r.l. Product comprising a plant for medicinal, cosmetic, coloring or dermatologic use
US10071053B2 (en) 2014-01-31 2018-09-11 Pocket Tea, Llc Tea composition for oral administration
BR112017000053B1 (pt) 2014-07-03 2021-10-05 Kraft Foods Group Brands Llc Concentrados de bebida à base de café e chá com baixo teor de água e método para preparar os referidos concentrados
WO2016050489A1 (en) 2014-10-01 2016-04-07 Unilever N.V. A tea product and process for preparing the same
CN105580932B (zh) 2014-10-22 2021-11-30 可口可乐公司 制备具有不同味道的茶叶提取物的方法
CN104585429A (zh) * 2015-01-26 2015-05-06 吴燕 一种玫瑰竹叶薄荷茶
CA2978174C (en) 2015-03-02 2023-02-28 Swm Luxembourg Sarl Low bulk density composition for making a tea beverage having reduced dust or fines
FR3049620B1 (fr) 2016-04-05 2020-06-12 Swm Luxembourg Sarl Papier vegetal comprenant des fibres d'une plante
KR102410975B1 (ko) 2017-08-12 2022-06-21 좋은영농조합법인 녹차 잎과 우엉을 이용한 차 제조방법 및 상기 제조방법에 의해 제조된 차
PT3823655T (pt) * 2018-07-17 2024-02-29 Procare Health Iberia S L Composições para o tratamento da vulvodínia
CN109398841B (zh) * 2018-12-13 2022-07-22 赵小林 一种用于三叶青茶叶加工的高效包装设备

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB1428394A (en) * 1972-06-29 1976-03-17 Unilever Ltd Tea
GB1564001A (en) * 1975-10-24 1980-04-02 Unilever Ltd Beverge compositions
JPS59219384A (ja) * 1983-05-30 1984-12-10 Mitsui Norin Kk 天然抗酸化剤の製造方法
JPS60227665A (ja) * 1984-04-27 1985-11-12 Sato Shokuhin Kogyo Kk インスタント穀類茶の製造法
SU1472036A1 (ru) * 1987-04-07 1989-04-15 Всесоюзный Научно-Исследовательский Институт Чайной Промышленности Способ производства гранулированного продукта из сухого,мелкого ча и установка дл его осуществлени
GB8829461D0 (en) * 1988-12-16 1989-02-01 Unilever Plc Beverage material
CA2245995A1 (en) * 1997-10-23 1999-04-23 Societe Des Produits Nestle S.A. Tea bag for iced tea
GB0215067D0 (en) * 2002-06-28 2002-08-07 Unilever Plc Tea manufacture
JP4247178B2 (ja) * 2004-10-29 2009-04-02 花王株式会社 精製緑茶抽出物の製造方法
DE602004028647D1 (de) * 2003-12-02 2010-09-23 Kao Corp Verpacktes getränk
JP4247166B2 (ja) * 2004-08-06 2009-04-02 花王株式会社 非重合体カテキン類含有茶抽出物の製造法
JP4694974B2 (ja) * 2005-05-20 2011-06-08 花王株式会社 精製緑茶抽出物の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
KR101561251B1 (ko) 2015-10-16
KR20100080526A (ko) 2010-07-08
CN101808528A (zh) 2010-08-18
US20100233322A1 (en) 2010-09-16
WO2009044559A1 (ja) 2009-04-09
EP2198721A1 (en) 2010-06-23
EP2198721B1 (en) 2015-04-29
JP5393470B2 (ja) 2014-01-22
EP2198721A4 (en) 2010-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5393470B2 (ja) 加工茶の製造方法
JP5294758B2 (ja) インスタント粉末飲料
CN101494991B (zh) 饮料前体及其制造方法
EP1557097B1 (en) Method of removing caffeine from caffeine-containing catechin compound composition
JP6294676B2 (ja) 茶抽出液の製造方法
JP5228229B2 (ja) 低カフェイン茶類抽出物の製造方法
JP4800779B2 (ja) 精製緑茶抽出物の製造法
JP5751750B2 (ja) インスタント紅茶
JP2010148499A (ja) 精製緑茶抽出物
CN100462019C (zh) 含有咖啡因的儿茶素类组合物的脱咖啡因的方法
JP6185121B1 (ja) 粉末茶組成物の製造方法
JP5393770B2 (ja) 粉末紅茶
JP6185120B1 (ja) 粉末茶組成物の製造方法
JP4119829B2 (ja) 緑茶容器詰飲料
JP5185780B2 (ja) 精製茶抽出物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110915

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130327

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130522

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130618

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130801

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20130820

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131008

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131015

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5393470

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113