JPWO2009028185A1 - ネットワーク制御装置、方法、及びプログラム - Google Patents

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Abstract

無線アドホックネットワークにおける、ネットワークの変化への追従性、大域性、及び応答性に優れたネットワーク制御(特に、伝送帯域の分配)を可能にする。無線アドホックネットワークを制御するネットワーク制御装置であって、前記無線アドホックネットワーク内の局所的な伝送品質に関わる情報を含むルーティング情報を利用して前記無線アドホックネットワーク内のルーティングを構築するルーティング処理部(402)と、前記ルーティングを構築する際に利用されたルーティング情報から前記伝送品質に関わる情報を取得するルーティング処理部(406)と、前記取得された情報によって表される複数の伝送品質の前記無線アドホックネットワーク内での分布に基づいて、ボトルネックの候補としての中継装置を推定するボトルネック推定部(411)とを備える。

Description

本発明は、アドホックネットワークを構成するノード間に好適な伝送帯域を割り当てる技術に関する。
従来、無線アドホックネットワークと有線ネットワークとをゲートウェイで相互接続し、無線アドホックネットワークに接続された複数の送信端末から有線ネットワークに接続された受信端末へ、それぞれデータを送信することが行われている。
このとき、送信端末と受信端末との間でデータを伝送できる実効帯域には、送信端末からゲートウェイまでのルーティング及びネットワークの状態に依存して、送信端末間で不公平が生じる。
そのような不公平を緩和すべく、無線アドホックネットワークに接続された複数の送信端末の間で伝送帯域の公平性を確保するための種々の技術が周知となっている(例えば、特許文献1〜6を参照)。
特許文献1では、無線アドホックネットワークの中継ノードで発生する伝送帯域のボトルネックを検出し、送信元で伝送レートを下げる技術が開示されている。
また、特許文献2では、中継ノードにおいてパケットの中身を調べて各パケットの送信順序をスケジューリングする技術が開示されている。
また、特許文献3では、各中継ノードにおいて、中継される端末(配下の端末)のデータの伝送量を公平にするために、各中継ノードが利用できる伝送帯域を配下の端末数で比例配分する技術が開示されている。
また、伝送路上の通信帯域にあわせて送信端末の伝送量を制御する方法として、特許文献4では、受信側で通信網の伝送帯域を推定し、推定された伝送帯域に基づいてデータ送信量を送信端末に指示する技術が開示されている。
また、特許文献5では、安定性の悪いノードやリンク間ではルーティング情報の更新頻度を上げ、逆に安定性の良いノードやリンク間では更新頻度を下げることで、ルーティング情報の更新頻度を最適化する技術が開示されており、さらに、各中継ノードにおいて伝送路上のノードやリンクの安定性(耐障害性)を予測する技術が開示されている。
また、特許文献6では伝送路上の送信端末と中継ノード間、中継ノードと中継ノード間、中継ノードと受信端末間のリンクの帯域情報を1つ1つ取得することで、伝送路上のボトルネックとなるリンクを検出し、検出されたリンクでの帯域に合わせて送受信を行う技術が開示されている。
特開2005−328458号公報 特開2006−74720号公報 特開2004−172719号公報 特開2000−115245号公報 特開2004−336768号公報 特許第3662907号公報
前述した従来技術によれば、無線アドホックネットワークに接続された複数の送信端末の間である程度公平に伝送帯域を確保することが可能となるが、なおも以下のような課題が残る。
課題1:無線アドホックネットワークでは、端末や中継ノードの追加、削除、中継ノード間の電波伝搬特性の変化等により、伝送路上に発生する伝送帯域のボトルネックの場所や大きさが時間とともに変化する。
そのため、事前に知られた伝送路上のボトルネックでの伝送帯域に合わせて各端末に伝送帯域を比例配分するだけでは、通信品質(QoS)の公平性や、効率的な伝送帯域の割当てを維持することができない。つまり、ネットワークの変化に対する追従性がない。
課題2:中継ノードごとに伝送路上の安定性を予測する場合には、ボトルネックとして推定される安定性が低いノードやリンクが、予測を行う中継ノードによって異なる。
そのため、それぞれの中継ノードにおいて、自身が推定したボトルネックがネットワーク全体におけるボトルネックかどうかを判断することができない。つまり、ボトルネックの推定における大域性が乏しい。
課題3:伝送路上の伝送帯域のボトルネックの場所を特定するために、無線アドホックネットワーク上の各中継ノード間のリンクの伝送帯域を1つ1つ測定した場合には、測定にかかる通信量や処理量が大きくなる。
そのため、ボトルネックの発生からボトルネックの特定を経て送信端末や中継ノードの帯域設定(通信速度設定)までに要する時間が長くなる。つまり、応答性が低い。
さらに、複数の送信端末からの伝送帯域の割当を目的としたボトルネック検出では、各送信端末からデータを送信する前(ボトルネックでの輻輳が発生する前)に、その場所を特定できることが求められる。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、無線アドホックネットワークにおけるボトルネックを推定するネットワーク制御装置、及び方法において、ネットワークの変化への追従性、大域性、及び応答性に優れたネットワーク制御(特に、伝送帯域の分配)を可能にすることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のネットワーク制御装置は、複数のデータリンクで接続された、端末装置と中継装置とゲートウェイにより構成されたアドホックネットワークにおいて、前記端末装置から前記ゲートウェイ装置まで前記中継装置を経由してデータを転送する前記アドホックネットワークを制御するネットワーク制御装置であって、前記アドホックネットワーク内のルーティングが、前記複数のデータリンクの伝送誤り率に関する情報を含むルーティング情報を利用して構築される場合に、前記ルーティング情報から、経路上の複数の中継装置間のデータリンクの接続関係に関する情報と、各データリンク上での前記伝送誤り率に関する情報とを取得するルーティング処理手段と、前記複数の中継装置のうち、送信するデータリンクの伝送誤り率が、前記データを受信するデータリンクの伝送誤り率よりも大きい中継装置を、ボトルネックの候補として推定するボトルネック推定手段とを備える。
また、前記アドホックネットワーク内のルーティングが、前記中継装置の輻輳レベルに関する情報を含むルーティング情報を利用して構築される場合に、前記ルーティング処理手段は、前記ルーティング情報から、経路上の複数の中継装置間のデータリンクの接続関係に関する情報と、前記複数の中継装置での輻輳レベルに関する情報とを取得し、前記ボトルネック推定手段は、前記複数の中継装置のうち、データリンクで直接結ばれている他のどの中継装置の輻輳レベルよりも自身の輻輳レベルが大きい中継装置を、ボトルネックの候補として推定してもよい。
この構成によれば、アドホックネットワーク内のルーティングの構築に利用されるルーティング情報に含まれる伝送品質に関わる情報を用いてボトルネックを推定するので、ルーティングが再構築されるたびに、新たなボトルネックを推定し直すことができる。この伝送品質に関わる情報は、例えば各データリンクの伝送誤り率や各中継装置の輻輳レベルといったアドホックルーティングの構築に用いられるメトリックの一種であるがゆえに、ルーティングの構築結果が反映された最新の情報を、常にネットワーク全体から収集することができる。
本発明のネットワーク制御装置は、この伝送品質に関わる情報を用いてボトルネックを推定するので、アドホックネットワークの変化への追従性に優れると共に、大域性にも優れたボトルネック推定が可能となる。
また、本発明のネットワーク制御装置は、さらに、前記ボトルネックの候補と推定された中継装置から前記ゲートウェイ装置へデータを伝送できる通信帯域である実効帯域を測定する実効帯域測定手段と、前記測定された実効帯域を分割することにより前記中継装置がデータを中継する1以上の端末装置に割り当てる帯域割当て決定手段とを備えてもよい。
この構成によれば、ボトルネックと推定された中継装置についてのみゲートウェイとの実効帯域を測定し、測定された実効帯域を分割して各端末装置に割り当てることができるので、実効帯域の測定にかかる通信量や処理量を小さく抑えることができ、その結果、応答性に優れた伝送帯域の割当てが可能となる。
なお、本発明は、このようなネットワーク制御装置として実現することができるだけでなく、ゲートウェイ装置としても実現できる。さらに、ネットワークを制御する制御方法、その制御方法を実行するためのプログラム、及びそのプログラムを格納する記憶媒体としても実現することができる。
以上説明したように、本発明のネットワーク制御装置は、アドホックルーティングの構築に利用されるルーティング情報を利用してボトルネックを推定するので、アドホックネットワークの変化への追従性に優れると共に、大域性にも優れたボトルネック推定が可能となる。また、ボトルネックと推定された中継装置についてのみゲートウェイとの実効帯域を測定し、測定された実効帯域を分割して各端末装置に割り当てることができるので、応答性に優れた伝送帯域の割当てが可能となる。
その結果として、無線アドホックネットワークにおいて、端末間で公平性を確保した伝送帯域の割当てや、無線アドホックネットワーク全体の伝送帯域の効率的な割当てを自動化することができる。
これにより、対象となる端末の数が多く、端末やネットワークの増設および削減により伝送帯域の再設定が必要な場合においても、煩雑な手動による端末や中継ノードの帯域設定(通信速度設定)が不要であり、設定作業を軽減することができる。
また、送信端末からゲートウェイまでを中継する中継ノード間の電波伝搬特性が変化することで伝送誤りによるパケットロスが発生する場合や、途中の中継ノードへのトラフィックの流入による輻輳やパケットロスにより伝送路上にボトルネックが発生する場合において、各端末が自動的に通信品質(QoS)の公平性や、効率的な伝送帯域の割当てを自動的に維持することができる。
また、特にルーティング情報より得られるデータリンクの伝送誤り率の比較によるボトルネックの推定は、送信端末からデータトラフィックを送信する前に、無線アドホックネットワークのボトルネックの実効帯域を測定し、その実効帯域に合わせた複数の送信端末の帯域割当ができるため、輻輳によるパケットロスや遅延といった伝送品質の低下を引き起こさないトラフィックデータの送信が可能となる。
図1(a)は、一般的な無線アドホックネットワークの構成を一例として示す概念図、図1(b)は、本発明で対象とするネットワークの構成を示す概念図である。 図2(a)及び(b)は、本発明が解決しようとする課題を説明する図である。 図3は、実施の形態1におけるネットワーク制御装置の構成の一例を示す機能ブロック図である。 図4は、実施の形態1におけるネットワーク制御装置の動作の一例を示すシーケンスチャートである。 図5(a)は、無線ネットワークにおける特性値の一例を示す図、図5(b)は、ルート選択の一般的な考え方を説明する図である。 図6(a)は、伝送誤り率テーブルの一例を示す図、図6(b)は、輻輳レベルテーブルの一例を示す図である。 図7(a)は、ボトルネックが発生する状況の一例を説明する図、図7(b)は、伝送誤り率テーブルに記録されている伝送誤り率によって表されるネットワークの状況の一例を示す図である。 図8(a)は、ボトルネックが発生する状況の他の一例を説明する図、図8(b)は、輻輳レベルテーブルに記録されている輻輳レベルによって表されるネットワークの状況の一例を示す図である。 図9は、端末や中継ノードへ公平な伝送帯域を自動割当てする処理の一例を示すフローチャートである。 図10(a)及び(b)は、各カメラへ伝送帯域を公平に割り当てる具体例について説明する図である。 図11は、端末や中継ノードへ効率的な伝送帯域を自動割当てする処理の一例を示すフローチャートである。 図12は、ステップS1103を実行するためのプログラムコードの一例を示す図である。 図13(a)及び(b)は、各カメラへ伝送帯域を効率的に割り当てる具体例について説明する図である。 図14(a)及び(b)は、ルーティングの変更による伝送経路上での伝播特性の劣化と、伝送速度の低下について説明する図である。 図15は、中継ノードの伝送速度の変化に基づいてボトルネックとなる中継ノードの候補を絞り込むための動作の一例を示すシーケンスチャートである。 図16は、伝送速度テーブルの一例を示す図である。 図17は、ボトルネック候補と推定する中継ノードを絞り込む処理の一例を示すフローチャートである。 図18は、伝送帯域の設定更新処理の一例を示すフローチャートである。 図19は、ルーティングの変更内容に基づいて通信帯域の設定を行う方法について説明する図である。 図20は、実施の形態2におけるネットワーク制御装置の構成の一例を示す機能ブロック図である。 図21は、実施の形態2におけるネットワーク制御装置の動作の一例を示すシーケンスチャートである。 図22は、ボトルネックと推定する中継ノードを絞り込む動作の一例を示すシーケンスチャートである。 図23(a)及び(b)は、本発明の効果を説明する図である。 図24は、本発明のネットワーク制御装置を監視システムとして利用した応用例を説明する図である。 図25は、モニター装置の操作GUIの一例を示す図である。 図26は、本発明のネットワーク制御装置を車載カメラに利用した応用例を説明する図である。
符号の説明
40、41 ネットワーク制御装置
401、405 帯域推定部
402、406 ルーティング処理部
403、413 帯域割当て決定部
404 ゲートウェイ制御部
407 中継ノード制御部
408 伝送レート制御部
409 データ生成部
410 端末制御部
411、412 ボトルネック推定部
1801 表示画面
1802 帯域再設定ボタン
1803 操作パネル
1901 車載カメラ
1902 中継装置
1903 ライブ映像
1904 地図情報
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
<本発明で対象とするネットワーク構成>
まず、本発明で対象とするネットワーク構成について説明する。
図1(a)は、一般的な無線アドホックネットワークの構成を一例として示す概念図である。
中継ノード間、及び送信端末であるカメラS1及びS2と中継ノードとの間は無線による複数のデータリンクで接続されている。この無線アドホックネットワークにおいて、データは、カメラS1及びS2から、複数の受信端末であるモニター装置G1及びG2へと伝送される。
図1(b)は、本発明で対象とするネットワークの構成を示す概念図である。
複数の送信端末であるカメラから送信されたデータは、無線アドホックネットワーク内を伝送され、さらにゲートウェイにて相互接続される有線ネットワークを経由して受信端末であるモニター装置へと伝送される。
なお、本発明で対象とするネットワークにおいて、受信端末は2台以上あってもよい。
また、無線アドホックネットワーク、及び有線ネットワークを実現する伝送媒体の種類を限定しない。伝送媒体としては、例えば、光ファイバ、同軸ケーブル、ツイストペアケーブル、電波、赤外線など周知の伝送媒体の中から選択することができる。
一般的なメッシュ状の無線アドホックネットワーク(図1(a))に対し、本発明で対象とする無線アドホックネットワークは、ルートノードであるゲートウェイと、リーフノードである送信端末とを、無線による複数のデータリンクでツリー状に接続して構成される。以下では、この無線アドホックネットワークにおいてゲートウェイに向かう方向を上流とし、送信端末に向かう方向を下流と定義して説明する。
無線アドホックネットワークのルーティングプロトコルには、周知のAODV(Ad Hoc On−Demand Distance Vector)、OLSR(Optimized Link State Routing)といったルーティング方式や、これらを無線伝送に拡張したIEEE802.11sのルーティング方式を利用することができる。
送信端末及び受信端末には種々の装置が想定されるが、一例としては、カメラ、携帯情報端末、IP電話機、カーナビ、テレビなどがあり得る。
中継ノードは、固定的に設置される無線中継装置であってもよく、また、車々間通信に用いられるような、移動体に搭載される無線中継装置であってもよい。
次に、上述のように構成されたネットワークを具体的な例に用いて、本発明が解決しようとする課題について詳しく説明する。
図2(a)及び図2(b)は、本発明が解決しようとする課題を説明する図である。
まず、本発明では、無線アドホックネットワークにおける伝送帯域のボトルネックを次のように定義する。
無線アドホックネットワークでは、中継ノードでの輻輳の程度や、中継ノードを結ぶデータリンクの伝送誤りの発生頻度などに応じて、データリンク(以下、単にリンクとも言う)ごとに利用できる伝送帯域の大きさが異なる。
このため、図2(a)及び図2(b)に示すネットワークにおいて、下流にある送信端末又は中継ノードとの間のリンク(下流リンク)の伝送帯域よりも、上流にある中継ノード又はゲートウェイとの間のリンク(上流リンク)の伝送帯域が小さい中継ノードを、伝送路上における伝送帯域のボトルネックと定義する。
本発明のネットワーク制御装置は、図2(a)及び図2(b)に示すネットワークにおいてボトルネックを推定し、複数の送信端末に好適な伝送帯域を割り当てる上での3つの困難を克服する。
第1の困難は、無線アドホックネットワークでは、伝送路上に発生する伝送帯域のボトルネックの場所や大きさが時間とともに変化するため、ボトルネックの位置や程度に見合った送信端末の送信量を事前に設計しておくことが難しいことである。
このボトルネックの変化は、端末や中継ノードの追加、削除によってネットワークのトポロジーが変化すること(変化要因1)、周囲の環境変化による中継ノード間の電波伝搬特性が変動すること(変化要因2)、及び受信端末側のユーザの数や要求内容の変化によってトラフィック量が変化すること(変化要因3)などに起因する(図2(a))。
また、複数の送信端末に好適な伝送帯域を割り当てる際には、ボトルネックの変化に良好に追従するのみならず、各送信端末からデータを送信する前(ボトルネックでの輻輳が発生する前)に、ボトルネックの特定ができることが望ましい。
第2の困難は、中継ノードごとに、自身が送信するデータを送信先まで安定して伝送するための障害となる(言い換えれば、データの伝送が途中で途切れる可能性が高く、安定性が低い)ノードやリンクをボトルネックとして予測する場合、中継ノードごとに安定性を予測する経路や範囲が異なるため、予測されるボトルネックが異なることである。
そのため、中継ノードごとに、自身が推定したボトルネックがネットワーク全体の安定化に影響するボトルネックかどうかを判断することができない(図2(a))。
第3の困難は、無線アドホックネットワークにおいて伝送路上のボトルネックの場所を特定するために各中継ノード間のリンクの伝送帯域を1つ1つ測定した場合には、ボトルネックの特定に必要な通信量や処理量が大きくなることである。
そのため、ボトルネックの発生からボトルネックの特定を経て送信端末や中継ノードの帯域設定(通信速度設定)までに要する時間が長くなる(図2(b))。
以下では、これらの困難を克服すべく構成されたネットワーク制御装置について説明する。
<実施の形態1>
図3は、本発明の実施の形態1におけるネットワーク制御装置40の構成の一例を示す機能ブロック図である。
ネットワーク制御装置40は、ネットワークシステム(図1(b))の無線アドホックネットワーク部分を構成するゲートウェイ、中継ノード、及び端末に分散して配置される。無線アドホックネットワークは、本発明のネットワーク制御装置40の制御対象である。ネットワーク制御装置40は、同一構成の複数の中継ノード、及び同一構成の複数の端末に分散して配置されてもよい。
以下、ゲートウェイ、中継ノード、及び端末に分散するネットワーク制御装置40の要部について説明する。
ゲートウェイは、ネットワーク制御装置40として機能する、帯域推定部401、ルーティング処理部402、ボトルネック推定部411、帯域割当て決定部403、及びゲートウェイ制御部404を含む。
帯域推定部401は、点線で示されるリンクを介して、中継ノードとゲートウェイ間の実効帯域を推定する。
ルーティング処理部402は、ゲートウェイ及び複数の中継ノードの間でアドホックルーティングを構築し、ルーティングを構築する際に利用されたルーティング情報から経路上の複数の中継装置間のデータリンクの接続関係と、各データリンク上での伝送誤りに関する情報、又は輻輳に関する情報を取得する。
ボトルネック推定部411は、ルーティング処理部402において収集された情報を用いて、無線アドホックネットワーク上での伝送誤り、又は輻輳の程度の分布に基づいて伝送路上のボトルネックの位置を推定する。
帯域割当て決定部403は、各中継ノードに接続されている端末数とボトルネックとなる中継ノードからゲートウェイまでの実効帯域の推定結果に基づき、各端末の伝送レートや中継ノードへの伝送帯域の割当てを決定する。
ゲートウェイ制御部404は、これら各部を制御する。
ここで、ルーティング処理部402は、ルーティング構築方法として、従来技術であるAODV、OLSRといったルーティング方式や、これらを無線伝送に拡張したIEEE802.11sのルーティング方式を利用してもよい。
中継ノードは、ネットワーク制御装置40として機能する、帯域推定部405、ルーティング処理部406、及び中継ノード制御部407を含む。
帯域推定部405は、中継ノードとゲートウェイ間の実効帯域を推定する。
ルーティング処理部406は、ゲートウェイを含めた中継ノード間でアドホックルーティングを構築する。
中継ノード制御部407は、これら各部を制御する。
端末は、ネットワーク制御装置40として機能する、データ生成部409、伝送レート制御部408、及び端末制御部410を含む。
データ生成部409は、送信されるべきデータを生成する。
伝送レート制御部408は、データの伝送レートを決定する。
端末制御部410は、これら各部を制御する。
端末は、中継ノードに無線によるリンクを介して接続される。ゲートウェイ及び複数の中継ノードの間にはアドホックルーティングでネットワークが構成される。端末は、中継ノード、ゲートウェイを介して図外の有線ネットワークに接続された受信端末へとデータを送信する。
端末は、具体的にはカメラやマイクといったセンサーデバイス、又はビデオやWebコンテンツなどの蓄積コンテンツを配信するサーバであってもよい。
このように構成されたネットワーク制御装置40において、ボトルネック推定部411が本発明のボトルネック推定手段の一例であり、帯域推定部401が本発明の実効帯域測定手段の一例であり、帯域割当て決定部403が本発明の帯域割当て決定手段の一例である。
<ネットワーク制御装置の動作>
図4は、ネットワーク制御装置40の動作の一例を示すシーケンスチャートである。この動作は、ネットワーク制御装置40としての端末、中継ノード、及びゲートウェイの連携によって行われる、この動作には、ネットワーク制御装置40の特徴的な処理であるところの、ネットワークにおけるアドホックルーティングの構築に利用された伝送誤り又は輻輳レベルの分布からボトルネックを推定する処理が含まれる。
端末は、データの送信を開始するために、端末制御部410から、周辺の中継ノードの1つに対してデータの送信要求を送る(S501)。
ここで、端末は、ユーザによって予め設定された中継ノードへデータの送信要求を送ってもよく(接続先の静的割当て)、また、周辺の中継ノードの中から電波の信号強度が最も大きい中継ノードを選択し、選択された中継ノードへデータの送信要求を送ってもよい(接続先の動的割当て)。
接続先の静的割当ては、一部の中継ノードに対して多くの端末からの送信データが集中しないように、予め各中継ノードに均等な数の端末を固定的に割り当てる場合に有用である。
また、接続先の動的割当ては、周囲の状況に応じて接続先を変えることができるため、端末や中継ノードが移動する状況や、周囲の環境からの影響によって、端末と中継ノード間の電波伝搬特性が変化する状況での利用に有用である。
中継ノードのルーティング処理部406は、中継ノードからゲートウェイまでのアドホックルーティングを構築する(S502)。
ゲートウェイまでのルーティングの構築が完了すると、中継ノードの中継ノード制御部407は、端末からのデータ送信の要求に対する応答を行う(S503)。
中継ノードのルーティング処理部406は、ゲートウェイまでのルーティング構築時に収集したルーティング情報をゲートウェイのルーティング処理部402へ通知する。このルーティング情報には、従来のルーティングプロトコル情報及びルーティングテーブル情報とともに、リンクにおける伝送誤り率及び中継ノードでの輻輳レベルといった伝送品質に関わる情報が含まれる(S504)。
中継ノードのルーティング処理部406は、中継ノード自身にデータを直接送信している端末数を特定し、特定された端末数をゲートウェイのルーティング処理部402に通知する(S505)。そのような端末数は、中継ノードが受信するデータのヘッダ情報に含まれる送信元を特定する情報(例えばMACヘッダに含まれる送信元のMACアドレス)を弁別することによって特定できる。
ゲートウェイのルーティング処理部402は、各中継ノードのルーティング処理部406から通知された端末数を、それぞれの中継ノードに接続する端末数として記録する(S506)。
ボトルネック推定部411は、各中継ノードのルーティング処理部406からゲートウェイのルーティング処理部402へ通知されたルーティング情報から伝送誤り率又は輻輳レベルを取得する(S507)。ルーティング情報に含まれる伝送誤り率及び輻輳レベルについては、後に図5を用いて詳しく説明する。
ボトルネック推定部411は、取得した無線アドホックネットワーク内の各リンクにおける伝送誤り率の分布、又は各中継ノードでの輻輳レベルの分布から、ネットワーク全体でのボトルネックとなる中継ノードMを推定する(S508)。ボトルネックとなる中継ノードMを推定する具体的な方法については、後に図7、図8を用いて詳しく説明する。
ゲートウェイの帯域推定部401は、ボトルネック推定部411がボトルネックであると推定した中継ノードMの帯域推定部405に対し、実効帯域を測定するための帯域測定データの送信要求を行う。要求を受けた中継ノードMの帯域推定部405は、ゲートウェイの帯域推定部401に対して帯域測定データを送信する。
ゲートウェイの帯域推定部401は中継ノードMの帯域推定部405から送られてきた帯域測定データ量と受信に要した時間から、中継ノードMからゲートウェイまでの実効帯域を求める(S509)。
帯域割当て決定部403は、中継ノードMからゲートウェイまでの実効帯域、及び中継ノードMを介してゲートウェイにデータを送信している端末の数に基づいて、個々の端末のデータ伝送量(つまり、個々の端末がデータ送信に用いるべき伝送帯域)を計算する(S510)。
帯域割当て決定部403は、個々の端末へ算出されたデータ伝送量を通知する(S511)。
各端末の伝送レート制御部408は、帯域割当て決定部403から通知されたデータ伝送量に従って、自身のデータ送信に用いる伝送帯域を調整する(S512)。
このような動作によって、無線アドホックネットワークにおけるボトルネックの推定に基づく各端末への伝送帯域の割当てが行われる。
<ルーティングの構築に用いられる伝送誤り率及び輻輳レベル>
次に、アドホックルーティングの構築に用いられる、各リンクにおける伝送誤り率及び各中継ノードの輻輳レベルに関するルーティング情報について詳しく説明する。
本発明では、アドホックルーティングの構築に用いられるルーティング情報は、ルーティングの構築の際にルーティングプロトコルで交換される旧来の情報(送信先IPアドレス、送信元IPアドレス、シーケンス番号、生存時間、ホップ数など)だけではなく、例えば各リンクの伝送誤り率及び各中継ノードの輻輳レベルといった伝送品質に関わる情報を含む。
例えば、現在、標準化が進められているIEEE802.11sにおいては、次のような提案がなされている(例えば、阪田史郎著、アドホックネットワークと無線LANメッシュネットワーク、電子情報通信学会論文誌、B、Vol.J89−B、No.6、pp.811−823を参照:非特許文献1)。無線LANメッシュネットワークの品質に影響する基本的な特性は、無線品質、干渉と無線資源の利用率である。これらすべての状況を反映し、実装が容易な無線メトリックとしてAirtimeが提案されている。
IEEE802.11sにおいては、AirtimeメトリックCaは下記のように定義されている。
Figure 2009028185
上式中のOca、Op、Btは、それぞれチャネルアクセスに必要なオーバーヘッド、プロトコルオーバーヘッド、フレームエラー率の計測に利用するテストパケットのフレーム長を示す。rは伝送速度、eptはフレームエラー率を示す。Ca、Oca、Op、Btが既知である場合、フレームエラー率eptを伝送誤り率として算出することが可能である。
これらの情報は、中継ノード間でルーティングを構築する際に(図4のS502)、中継ノード間で、リンクのフレームエラー率を計測するためのテストパケットを交換することによって計測される。
計測用に送信したテストパケットの情報量と、誤りが発生した情報量との比率から中継ノード間のリンクのフレームエラー率が決定される。同様に、送信端末と中継ノード間についても、テストパケットを交換することで、リンクのフレームエラー率を計測することが可能である。
図5(a)は、IEEE802.11a、IEEE802.11bにおいて適用されるパラメータOca、Op、Btの具体的な数値例を示す図である。一般に送信元から宛て先までのルーティングを構築する際、各リンクの無線メトリックを計算することで、通信品質の高いルートを選択することが可能となる。
図5(b)は、そのようなルーティングの構築の考え方を説明する図である。無線アドホックネットワークの各リンクには、無線メトリックの一例としての伝送速度及びフレームエラー率が示されている。
この例は、送信元Sから宛て先Dまでのルーティングを構築する際、伝送速度からフレームエラー率に相当する無効速度を差し引いて得られる実効速度が速いリンクほど優先的に選択されることを示している。
またIEEE802.11sでは、中継ノードで発生する輻輳を監視する方法として、受信レートと転送レートの差分に基づくレート、及び送信キューのサイズに上限値と下限値を設けることによる監視方法が提案されている(IEEE802.11−06/0328r0, February 2006:非特許文献2)。
このような監視の結果得られる輻輳の程度を表す輻輳レベルを伝送誤り率の代わりに用いたメトリックを定義し、このメトリックをルーティングの構築に利用するように拡張したルーティングプロトコル(例えば、輻輳ノードを避けたルーティングを行うプロトコルなど)を利用することもできる。この場合、ルーティング情報から輻輳レベルを取得することができる。
このようにして、各中継ノードのルーティング処理部406でゲートウェイまでのルーティングを構築する際に利用された、各リンクの伝送誤り率(フレームエラー率)又は各中継ノードの輻輳レベルに関するルーティング情報は、ゲートウェイのルーティング処理部402へ通知される。
そして、これら伝送誤り率及び輻輳レベルは、ゲートウェイのボトルネック推定部411によってルーティング情報から取得され、ゲートウェイに設けられる伝送誤り率テーブル又は輻輳レベルテーブルに記録される。
図6(a)は、各リンクにおける伝送誤り率を記録する伝送誤り率テーブルの一例を示す図である。図6(a)に示されるように、伝送誤り率テーブルには、各リンクを区別するための識別番号と、そのリンクでの伝送誤り率とが対応付けて記録される。
ゲートウェイのルーティング処理部402は、伝送誤り率テーブルに記録されていない新しいリンクの伝送誤り率がルーティング情報に含まれる場合には、新しいリンク識別番号を伝送誤り率テーブルに追加し、その伝送誤り率を記録する。また、既に登録されているリンクの新しい伝送誤り率がルーティング情報に含まれる場合には、対応するリンクの伝送誤り率を新しい伝送誤り率に更新する。
図6(b)は、各中継ノードの輻輳レベルを記録する輻輳レベルテーブルの一例を示す図である。図6(b)に示されるように、各中継ノードを区別するための識別番号と、その中継ノードでの輻輳レベルとが対応付けて記録される。
ゲートウェイのルーティング処理部402は、輻輳レベルテーブルに記録されていない新しい中継ノードの輻輳レベルがルーティング情報に含まれる場合には、新しいノード識別番号を輻輳レベルテーブルに追加し、その輻輳レベルを記録する。また、既に登録されている中継ノードの新しい輻輳レベルがルーティング情報に含まれる場合には、対応する中継ノードの輻輳レベルを新しい輻輳レベルに更新する。
<伝送誤り率によるボトルネックノードの推定>
次に、無線アドホックネットワーク上の各リンクの伝送誤り率の分布から、ボトルネックとなる中継ノードを推定する方法について説明する。
図7(a)は、中継ノードの受信側のリンクでの伝送誤り率と送信側のリンク間での伝送誤り率の違いによってボトルネックが発生する状況を説明する図である。
図7(a)は、無線アドホックネットワークにおける伝送経路上にある3台の中継ノード(中継ノードA、中継ノードB、中継ノードC)において、中継ノードAと中継ノードBの間のリンクの伝送誤り率と、中継ノードBと中継ノードCの間のリンクの伝送誤りが異なる場合を示している。
一般的に、無線LAN等で利用されているIEEE802.11規格によれば、伝送路上で外部からの雑音などによって、パケットに復元が不可能な伝送誤りが含まれる場合には、パケットが受信側に正しく届けられないため、送信側の中継ノードで正しく届けられなかったパケットの再送が行われる。
一方、復元が不可能な伝送誤りを含むパケットを受け取った受信側の中継ノードでは、伝送誤りを含むパケットの廃棄が行われる。
このため、送信側のリンク(中継ノードBと中継ノードC)での伝送誤り率が、受信側のリンク(中継ノードAと中継ノードB)での伝送誤り率より大きい中継ノードBでは、中継ノードBから送信されるパケットの再送回数が増加し、各パケットの送信キュー内での平均滞在時間が長くなるが、中継ノードBに送られてくるパケットのうち伝送誤りが含まれることによって廃棄されるパケットの数は増えない。
そのため、差し引きすると中継ノードBに残留するパケットの数が増加しやすくなり、その結果、中継ノードBは、伝送路上において輻輳を引き起こすボトルネックポイントとなる可能性が高くなる。
その逆に、中継ノードBにおいて、送信側のリンク(中継ノードBと中継ノードC)での伝送誤り率が、受信側のリンク(中継ノードAと中継ノードB)での伝送誤り率よりも小さくなる場合には、中継ノードBから送信されるパケットの再送によるパケットの送信キュー内での滞在時間の増加よりも、中継ノードBに送られてくるパケットのうち、伝送誤りが含まれることによる廃棄されるパケットの数の増加が優勢となる。
そのため、差し引きすると中継ノードBに残留するパケットの数が増加しにくくなり、その結果、中継ノードBは、伝送系路上において輻輳を引き起こすボトルネックポイントとなる可能性が低くなる。
このような考え方に基づき、ゲートウェイのボトルネック推定部411は、ルーティング情報から取得され伝送誤り率テーブルに記録されている各リンクの伝送誤り率を参照して、受信側のリンクよりも送信側のリンクの伝送誤り率が高くなっている中継ノードを探索し、その中継ノードを伝送路上における伝送帯域のボトルネックとして推定する。
例えば、伝送誤り率テーブルに、一例として、図7(b)に示すような各リンクの伝送誤り率が記録されており、複数の送信端末からゲートウェイの方向に対してデータトラフィックが流れている場合を考える。
この場合、各中継ノードの上流、下流のそれぞれのリンクの伝送誤り率は、中継ノードAの上流リンクで5%PER、下流リンクで3%PER、中継ノードBの上流リンクBで15%PER、下流リンクで5%PERと4%PER、中継ノードCの上流リンクで4%PER、下流リンクで5%PER、15%PERと3%PER、中継ノードDの上流リンクで4%PER、下流リンクで2%PER、中継ノードEの上流リンクで5%PER、下流リンクで2%PER、中継ノードFでは上流リンクのみ存在し伝送誤り率が3%PERとなる。
ボトルネック推定部411は、伝送誤り率テーブルに記録されている伝送誤り率を参照して、各中継ノードの上流リンクの伝送誤り率と下流リンクの伝送誤り率とを比較することによって、上流リンクの伝送誤り率が下流リンクの伝送誤り率よりも大きい中継ノードとして中継ノードBと中継ノードEを特定し、伝送路上の伝送帯域のボトルネックとなる中継ノードの候補として推定する。
なお、ボトルネック推定部411は、各中継ノードにおいて受信側のリンクと送信側のリンクを区別して伝送誤りの比較を行うため、同じ伝送誤り率テーブルであっても、トラフィックが、ゲートウェイから送信端末の方向へ送信されている場合には、中継ノードCがボトルネックとなる中継ノードの候補として推定される。
以上説明したルーティング処理による経路上のデータリンクの伝送誤り率の収集は、トラフィックを送信する前に行うことが可能であるため、伝送誤り率によるボトルネックの推定は、送信端末からトラフィックを送信する前に行うことができるという特徴がある。
<輻輳レベルによるボトルネックノードの推定>
次に、無線アドホックネットワーク上の各中継ノードの輻輳レベルの分布から、ボトルネックとなる中継ノードを推定する方法を説明する。
図8(a)は、無線アドホックネットワークにおける各中継ノードが持つ送信キュー内にある伝送データの残量と輻輳レベルの関係を示す図である。この例は、真ん中の中継ノードの輻輳レベルが5、上流側の中継ノードの輻輳レベルが2、下流側の中継ノードの輻輳レベルが2である場合を示している。
中継ノードにおいて、送信するデータの量よりも、受信するデータの量が大きい場合、送信キューに残留するデータの量が増加し、その中継ノードの輻輳レベルの値が高くなる。
リンクで直接結ばれているどの中継ノードの輻輳レベルよりも自身の輻輳レベルが高い中継ノードは、下流の中継ノードからデータを受信するためのリンクの伝送帯域よりも、上流の中継ノードへデータを送信するためのリンクの伝送帯域が小さく、その結果、伝送路上における伝送帯域のボトルネックとなっていると推定できる。
このような考え方に基づき、ゲートウェイのボトルネック推定部411は、ルーティング情報から取得され輻輳レベルテーブルに記録されている各中継ノードの輻輳レベルを参照して、リンクで直接結ばれているどの中継ノードの輻輳レベルよりも自身の輻輳レベルが高い中継ノードを伝送路上におけるボトルネックとして推定する。
例えば、輻輳レベルテーブルに、図8(b)に示すような各中継ノードの輻輳レベルが記録されている場合を考える。
この場合、各中継ノードの輻輳レベルは中継ノードAで15、中継ノードBで11、中継ノードCで14、中継ノードDで3、中継ノードEで8、中継ノードFで4となる。
ボトルネック推定部411は、輻輳レベルテーブルに記録されている輻輳レベルを参照して、各中継ノードの輻輳レベルと、その中継ノードと直接リンクで結ばれている中継ノードの輻輳レベルとを比較することによって、直接リンクで結ばれているどの中継ノードの輻輳レベルよりも自身の輻輳レベルが高い中継ノードとして中継ノードAと中継ノードCを特定し、伝送路上における伝送帯域のボトルネックとなる中継ノードの候補として推定する。
<ボトルネックノードの推定に使用されるその他の情報>
なお、伝送路上の伝送帯域のボトルネックを推定するために用いる伝送誤り率、及び輻輳レベルを測る指標として、前述したデータリンクの伝送誤り率、および送信バッファの使用量以外にも各種の情報を利用することができる。
例えば、送信バッファの使用量の代わりに、各中継ノードにおいて伝送データの送信に失敗した際に行われる、伝送データの再送の回数を測定し、測定された伝送データの平均的な再送回数を収集し、これを中継ノードの輻輳レベルを測る指標として用いてボトルネックを推定してもよい。
中継ノード間において再送が起こる原因として、送信先の中継ノードにおいて輻輳や伝送誤りが発生していることが考えられる。
この考え方に基づき、ボトルネック推定部411は、各中継ノードの再送回数を調べ、直接リンクで結ばれているどの中継ノードの再送回数よりも自身の再送回数が多い中継ノードを特定し、その中継ノードの上流に位置する中継ノードを伝送路上のボトルネックの候補として推定する。
また、データリンクの伝送誤り率の代わりに、各中継ノードにおいてデータリンクの信号レベル、雑音レベル、及び信号に対する雑音の量を対数で表わしたSNR(Signal Noise Ratio)を測定し、これをルーティング情報に含めて収集し、データリンクの伝送品質を測る指標としてボトルネックの推定に用いてもよい。
信号レベルに対して雑音レベルの量を表わしたSNRが小さいリンクでは、伝送誤り率が高くなる。このため、ボトルネック推定部411は、各リンクのSNRを特定し、上流リンクのSNRが下流リンクのSNRよりも小さい中継ノードを特定し、この中継ノードを伝送路上のボトルネックの候補として推定する。
また、データリンクの伝送誤り率の代わりに、各中継ノードにおいて、MTU(Max Transfer Unit)などによって、伝送データの最大パケットの大きさに制限を与えられている場合には、各中継ノードからデータリンクへ向けて送信できる最大パケットの大きさを収集し、これをデータリンクの伝送品質を測る指標として用いてボトルネックを推定してよい。
MTUの値が小さい中継ノードはデータを小さいパケットに分割して送信するため、スループットが低下しやすいと考えられる。
この考え方に基づき、ボトルネック推定部411は、各中継ノードのMTUの値を調べMTUの値が、直接リンクで結ばれているどの中継ノードのMTUの値よりも自身のMTUの値が小さい中継ノードを特定し、この中継ノードを伝送路上のボトルネックの候補として推定する。
また、再送回数が多い場合には、MTUの値が大きいと大きなパケットが再送されるため、MTUの値が小さい場合よりも再送にかかる時間が長くなり、スループットが低下してしまうことがある。そのため、MTUの値に加えて、伝送データの再送回数が取得できる場合には、ボトルネック推定部411は、各中継ノードのMTUの値と再送回数を調べ、MTUの値が大きくかつ再送が頻繁に起こっている中継ノードを伝送路上のボトルネックの候補として推定してもよい。
なお、各中継ノードにおける伝送データの再送回数や、信号レベル、雑音レベル、最大パケット長の指定については、例えばUNIX(登録商標)系のOSやLinuxを利用するシステムの場合には「iwconfig」などのコマンドによって取得することが可能である。
また、上記の情報の取得は図4、又は後述する図21におけるステップ502において、ルーティング処理部402又はルーティング処理部406がルーティングを再構築することによってルーティングテーブルの内容に変更が生じたことをゲートウェイ制御部404又は端末制御部410が検知した際に、これらのゲートウェイ制御部404又は端末制御部410によって行われる。
<公平な伝送帯域の自動割当て>
図9は、端末や中継ノードへ公平な伝送帯域を自動割当てする処理の一例を示すフローチャートである。
まず、本発明で述べる公平の定義について述べる。中継ノードを介して、ゲートウェイで中継される各送信端末からの伝送可能なデータの伝送レートが同じであることを公平であると定義する。
ゲートウェイの帯域推定部401と、ボトルネックと推定された中継ノードの帯域推定部405との間で実効帯域を計測する。ボトルネックと推定された中継ノードが複数存在する場合には、推定された各中継ノードに対して、ゲートウェイまでの実効帯域を求める(S901)。
なお、帯域推定部401の帯域推定方法は、具体的には、中継ノードで実効伝送速度を測定し、ゲートウェイに返してもよいし、ゲートウェイと測定対象の中継ノード間で伝播遅延時間を測定し、帯域を推定してもよい。
次に、ゲートウェイの帯域割当て決定部403にて、ステップS901において測定された実効帯域を、その中継ノードがデータを中継するカメラの台数で割る(つまり、実効帯域を分割する)ことによって、その中継ノードが1台のカメラに割り当て可能な伝送帯域biを求める。ボトルネックと推定される中継ノードが複数存在する場合には、それぞれの中継ノードについて測定された実効帯域を分割することによって伝送帯域biを求める(S902)。
ゲートウェイの帯域割当て決定部403にて求めた伝送帯域を公平な伝送帯域bminに設定する。ボトルネックと推定される中継ノードが複数存在する場合には、求めた伝送帯域biのうち最小の伝送帯域をbminに設定する(S903)。
図10(a)及び図10(b)は、各カメラへ伝送帯域を公平に割り当てる具体例について説明する図である。
この例では、3つの中継ノードがボトルネックであると推定されたとして、それら3つの中継ノードを、下流から上流へ順に、中継ノードA、中継ノードB、及び中継ノードCとする。各中継ノードには、それぞれ3台の送信端末(カメラ)が直接接続されている(図10(a))。
この例に従って、ネットワークの構造と、各中継ノードとゲートウェイ間の実効速度に基づき、各中継ノードが1台のカメラに割当て可能な最大の伝送帯域biを求めると、中継ノードAは3.3、中継ノードBは2.5、中継ノードCは2.8となる(図10(b))。
以上から、求めた伝送帯域の中で最も小さい2.5が、全てのカメラに公平に割り当てることができる伝送帯域bminに設定される。
<効率的な伝送帯域の自動割当て>
図11は、端末や中継ノードへ効率的な伝送帯域を自動割当てする処理の一例を示すフローチャートである。
まず、本発明で述べる“効率的な割当て”の定義について述べる。無線アドホックネットワークの利用可能な伝送帯域のうち、なるべく伝送帯域を余らせることなく、各端末へ伝送帯域を割り当てることを、伝送帯域の効率的な割当てを行うと定義する。効率的な割当てでは、全ての端末が同一の伝送帯域を割り当てられるとは限らない。
ゲートウェイの帯域推定部401と、ボトルネックと推定された各中継ノードの帯域推定部405との間で実効帯域を計測する(S1101)。
次に、ゲートウェイの帯域割当て決定部403にて、ステップS1101において測定された実効帯域を、その中継ノードがデータを中継するカメラの台数で割ることによって、その中継ノードが1台のカメラに割り当て可能な伝送帯域biを求める(S1102)。
さらに、ゲートウェイの帯域割当て決定部403にて、ゲートウェイに近い方から遠い方向(上流から下流へ)に、i番目の中継ノードの伝送帯域biと、i−1番目の伝送帯域を比較し、小さい方の値を採用する。但し、変数iは、ゲートウェイに近い方から遠い方向へ数字が大きくなり、iは1から始まる。
図12は、ステップS1103を実行するためのプログラムコードの一例を示す図である。
B1をボトルネックと推定された中継ノードのうちゲートウェイに最も近い中継ノードとゲートウェイとの間の実効帯域を全収容端末数(Nmax)で割った数とする。
ボトルネックと推定された中継ノードのうちゲートウェイから2番目の中継ノードをi=2とする。また、ボトルネックと推定された中継ノードのうち評価対象のi番目の中継ノードとゲートウェイとの間の実効帯域を計測し、ボトルネックと推定された中継ノードのうち末端の中継ノードから評価対象のi番目の中継ノードが収容する端末数で割った数をbiとする。
i=2から、ボトルネックと推定された中継ノードのうちゲートウェイから一番遠い、末端のNmax番目の中継ノードまでを順に探索し、探索を行った順にbiをより小さな値で置き換える。
なお、ボトルネックと推定されなかった中継ノードに接続する端末(カメラ)の伝送帯域biは、その中継ノードに最も近い(ホップ数が少ない)下流のボトルネックと推定された中継ノードの伝送帯域biに置き換える。
図13(a)及び図13(b)は、各カメラへ伝送帯域を効率的に割り当てる具体例について説明する図である。
この例では、3つの中継ノードがボトルネックであると推定されたとして、それら3つの中継ノードを、下流から上流へ順に、中継ノードA、中継ノードB、及び中継ノードCとする。各中継ノードには、それぞれ3台の送信端末(カメラ)が直接接続されている(図13(a))。
この例に従って、ネットワークの構造と、各中継ノードとゲートウェイ間の実効速度に基づき、各中継ノードが1台のカメラに割当て可能な最大の伝送帯域biを求めると、中継ノードAは3.3、中継ノードBは2.5、中継ノードCは2.8となる(図13(b))。
図11、図12を参照して説明した処理によって、中継ノードCがデータを中継するカメラに割り当てる伝送帯域は2.8と求まり、中継ノードB又は中継ノードAがデータを中継するカメラに割り当てる伝送帯域は2.5と求まる。
<中継ノードでの伝送速度の変化によるボトルネック候補の絞込み>
IEEE802.11の標準規格に基づく無線LANでは、送信データの変復調方式の違いや伝送誤り訂正符号の符号化率の違いによって異なる伝送速度を選択して通信を行うことが可能であり、送信側の機器は独立したパケットごとに送信パケットのデータ部の伝送速度を代えて送信を行うマルチレート制御が行われている。
例えば、IEEE802.11aでは、伝送速度として必須の6Mbps、12Mbps、24Mbpsと、オプションの9Mbps、18Mbps、36Mbps、48Mbps、54Mbpsが用意されており、AUTOモードに設定されている場合には、送信機側で自動的に伝送速度の選択が行われている。
また、マルチレート制御による伝送速度の選択は、送信側の機器においてフレーム誤りの観測などによって自動的に選択され、劣悪な伝搬環境ではより低速な伝送速度に切り替えることで伝送誤り率の増加を抑制している(守倉正博、久保田周治、“802.11高速無線LAN教科書”、インプレス:非特許文献3)。
図14(a)及び図14(b)は、ルーティングの変更による伝送経路上での伝播特性の劣化と、伝送速度の低下について説明する図である。
図14(a)及び図14(b)は、伝送経路上の3台の中継ノード間の各リンクの伝送速度の値を示している。
図14(a)のルーティング変更前の状態に対して、図14(b)に示すようにルーティングが変更されることによって送信パケットの伝送速度が低下した中継ノードは、ルーティングの変更によって伝搬環境の劣化が増大し、その結果、伝送誤り率が増加して伝送経路上における伝送帯域のボトルネックとなっている可能性が高い。
このため、ボトルネック推定部411において推定された伝送経路上における伝送帯域のボトルネックの候補となる中継ノードの中から、さらにルーティングが変更された後に伝送速度が低下した中継ノードを選別することで、ボトルネックと推定される中継ノード(つまり、ゲートウェイからの実行帯域を測定する対象)を絞り込むことができる。
これにより、中継ノードからゲートウェイまでの実効速度を測定するための通信を減らすことが可能となり、各送信端末の伝送帯域をより迅速に決定することができる。
図15は、中継ノードの伝送速度の変化に基づいてボトルネックとなる中継ノードの候補を絞り込むための動作の一例を示すシーケンスチャートである。
中継ノードの伝送速度の変化に応じてボトルネックとなる中継ノードの候補を絞り込む処理は、図4のシーケンスチャートによって示される端末、中継ノード、ゲートウェイの連携動作のうち、ステップS508の伝送誤りの分布に基づくボトルネックの推定処理の後、ステップS509のゲートウェイからボトルネックの候補として推定された中継ノードMまでの実効帯域の測定処理の前に行われる。
ゲートウェイ制御部404は、ボトルネックの候補と推定された中継ノードMの中継ノード制御部407に対して上流側の中継ノードに送信するデータの伝送速度の値を問い合わせる(S2101)。
ゲートウェイ制御部404は、取得した各中継ノードの伝送速度の変化を伝送速度情報として記録する。既に伝送速度を測定している中継ノードに対しては、今回測定した伝送速度と前回測定された伝送速度を比較し、伝送速度が前回の測定よりも低下している中継ノードの特定を行う(S2102)。
次に、ゲートウェイのゲートウェイ制御部404は、ステップS508において推定された伝送経路上において伝送帯域のボトルネック候補となる中継ノードの中から、さらに伝送速度が低下した中継ノードを、実際にゲートウェイまでの実効速度を測定する中継ノードとして絞り込む(S2103)。
図16は、各リンクの伝送速度の測定値を記録する伝送速度テーブルの一例を示す図である。伝送速度テーブルは、ゲートウェイに設けられる。図16に示されるように、伝送速度テーブルには、各リンクを区別するための識別番号と、そのリンクで測定された伝送速度と伝送速度の測定時刻が記録される。
ゲートウェイのゲートウェイ制御部404は、まだ一度も伝送速度を測定していないリンクの伝送速度を取得した場合には、そのリンク番号を伝送速度情報に登録し、そのリンクでの伝送速度と測定時刻を記録する。また、既に登録されているリンクに関する最新の伝送速度が測定された場合には、対応するリンクの伝送速度と測定時刻を最新の値に更新する。
図17は、ステップS2103においてゲートウェイ制御部404が、伝送経路上において伝送帯域のボトルネック候補となる中継ノードの中から、実際にゲートウェイまでの実効速度を測定する中継ノードを絞り込む動作の一例を示すフローチャートである。
ゲートウェイ制御部404は、伝送経路上において伝送帯域のボトルネック候補の中に、ルーティングが変更したことによって伝送速度が低下した中継ノードが存在するかどうかを判定する。伝送速度が低下した中継ノードが存在する場合には、ステップS2302に移り、伝送速度が低下した中継ノードが存在しない場合には、ボトルネック候補を変更しない(S2301)。
ルーティングの変更によって伝送速度が低下した中継ノードが存在する場合には、ゲートウェイ制御部404は、ボトルネック候補の中で伝送速度が低下しなかった中継ノードを、ボトルネック候補から除外する。
以上の処理によって、ゲートウェイ制御部404は、伝送経路上において伝送帯域のボトルネックとなる可能性がより高い中継ノードを候補として選別することにより、ゲートウェイまでの実効速度を測定する中継ノードを絞り込むことができる。
それにより、ゲートウェイと中継ノード間で実効速度を測定するために発生する通信量を削減できるため、より迅速に各送信端末の伝送帯域を決定することができる。
<伝送帯域の設定更新処理>
次に、伝送帯域の設定更新処理について説明する。
図18は、伝送帯域の設定更新処理の一例を示すフローチャートである。
伝送帯域の設定の更新タイミングは、ルーティングテーブルの更新が行われる場合や、端末の追加や削除が発生する場合が考えられる。
ルーティングテーブルの更新が発生する場合は、例えば、人や車などの移動によって、電波伝搬特性が変化し、中継ノード間の接続状態(例えば、受信電界強度や伝送誤り率など)が変わる場合が挙げられる。
また、端末の追加、削除については、カメラの新たな設置、カメラの故障が具体的な例として挙げられる。なお、ここでは、ゲートウェイは、端末または中継ノードからもたらされる通知に基づいて、端末が無線アドホックネットワークに追加、削除が行われたことを検出するものとする。
図18に示される伝送帯域の設定更新処理では、ルーティングテーブルの更新が発生した場合(S1401)、図9又は図11で示した伝送帯域の設定アルゴリズムに基づき、各カメラの伝送レートを設定する(S1402)。また、端末の追加、削除が発生した場合(S1403)、図9又は図11で示した伝送帯域の設定アルゴリズムに基づき、各カメラの伝送レートを設定する(S1404)。なお、伝送帯域の設定の更新の制御はゲートウェイ制御部404で行う。
図19は、ルーティングの変更内容に基づいて通信帯域の設定を行う方法について説明する図である。
伝送帯域の設定を高速に行うために、ルーティングテーブルの変更された箇所のみを抽出し、更新対象となった中継ノードのみに対してボトルネック推定の対象とする。これによって、ルーティングが変更されていない中継ノードについてはボトルネックの推定を行わないため、伝送帯域の設定を高速化することが可能となる。
具体的には、ゲートウェイのルーティング処理部402において、図19に示したようにルーティングの更新対象の中継ノードを抽出し、新たにボトルネックの推定が必要な中継ノードを抽出し、ボトルネック推定部411を介してボトルネックの推定を行う。なお、これら一連の各部の制御は、ゲートウェイ制御部404で行う。
<実施の形態2>
図20は、本発明の実施の形態2におけるネットワーク制御装置41の構成の一例を示す機能ブロック図である。
実施の形態2のネットワーク制御装置41は、図3に示される実施の形態1のネットワーク制御装置40と比べて、ゲートウェイのボトルネック推定部411で行われていた、伝送路上でのボトルネックとなる中継ノードの推定を、端末で行う点が異なる。以下、図3と同じ構成については、同じ番号を付与して説明を省略し、異なる構成について詳細に説明する。
実施の形態2の端末は、伝送レート制御部、データ生成部409、端末制御部410に加え、ボトルネック推定部412及び帯域割当て決定部413を備える。
ボトルネック推定部412は、中継ノードのルーティング処理部406からルーティング情報を取得し、ルーティング情報に含まれるゲートウェイを含めた中継ノード間の伝送誤りに関する情報、又は各中継ノードでの輻輳に関する情報を取得し、自端末からゲートウェイまでの伝送路上での前記伝送誤りに関する情報又は前記輻輳に関する情報の分布に基づいて、前記伝送路上のボトルネックを推定する。
帯域割当て決定部413は、ゲートウェイの帯域推定部401、ルーティング処理部402から、ボトルネックとなる中継ノードからゲートウェイまでの伝送帯域の推定結果と、各中継ノードに接続されている端末数を取得し、これらの情報を基に各端末の伝送レートや中継ノードへの伝送帯域の割当てを決定する。
このように構成されたネットワーク制御装置41において、ボトルネック推定部412が本発明のボトルネック推定手段の一例であり、帯域推定部401が本発明の実効帯域測定手段の一例であり、帯域割当て決定部413が本発明の帯域割当て決定手段の一例である。
図21は、ネットワーク制御装置41の動作の一例を示すシーケンスチャートである。この動作は、ネットワーク制御装置41としての端末、中継ノード、及びゲートウェイの連携によって行われる、この動作には、ネットワーク制御装置41の特徴的な処理であるところの、ネットワークにおける伝送誤り又は輻輳レベルの分布からボトルネックを推定する処理が含まれる。
なお、図4に示す動作と同じ動作については同じ番号を付与して説明を省略する。
ステップS501からステップS503、及びステップS505からステップS506において、図4に示す動作と同じ動作によって、端末の中継ノードへの接続、ルーティングの構築、並びに端末数の通知及び記録が行われる。
中継ノードのルーティング処理部406は、ゲートウェイまでのルーティング構築時に収集したルーティング情報を端末の端末制御部410へ送信する。このルーティング情報には、従来のルーティングプロトコル情報及びルーティングテーブル情報とともに、リンクにおける伝送誤り率及び中継ノードでの輻輳レベルといった伝送品質に関わる情報が含まれる(S513)。
端末のボトルネック推定部412は、ゲートウェイのボトルネック推定部411と同様にして、次の処理を行う。
中継ノードのルーティング処理部406から受け取ったルーティング情報から、中継ノードからゲートウェイまでの伝送路上の各リンク間での伝送誤り率、又は中継ノード内での輻輳レベルを取得する(S514)。
取得した伝送誤り率又は輻輳レベルの分布から、伝送路上に存在するボトルネックとなる中継ノードMを推定する(S515)。
そして、ボトルネックと推定された中継ノードMをゲートウェイの帯域推定部401に通知する(S516)。
ステップS509では、図4に示す動作と同様にして、ボトルネックと推定された中継ノードMからゲートウェイまでの実効帯域が測定される。
ゲートウェイの帯域推定部401、及びルーティング処理部402は、送信端末の帯域割当て決定部413に対して、ボトルネックと推定される中継ノードMからゲートウェイまでの実効帯域と、各中継ノードに接続する送信端末の数を通知する(S517)。
端末の帯域割当て決定部413は、各中継ノードに接続している送信端末数とボトルネックとなる中継ノードからゲートウェイまでの伝送帯域の推定結果に基づいて各端末の伝送レートや中継ノードへの伝送帯域の割当てを決定する(S518)。
端末の帯域割当て決定部413は、他の端末に対して、新しく求められた伝送レートや中継ノードへの伝送帯域の割当てを通知する(S519)。
各端末の伝送レート制御部408は、自身で求めた伝送レートか他の端末の帯域割当て決定部413から通知された伝送レートに従って、自身のデータ送信に用いる伝送帯域を調整する(ステップ520)。
以上のように、本実施の形態のネットワーク制御装置によれば、ボトルネックとなる中継ノードの推定、及び各端末の伝送レートの割当てを行う機能をゲートウェイが持っていない既存のネットワークであっても、ゲートウェイを変更することなく、ゲートウェイから必要な情報を取得することによって、ボトルネックとなる中継ノードの位置を端末にて推定し、各端末の伝送帯域の割当てを行うことが可能となる。
<中継ノードでの伝送速度の変化によるボトルネック候補の絞込み>
実施の形態2のネットワーク制御装置41においても、前述と同様にして、中継ノードの伝送速度の変化に基づいてボトルネックとなる中継ノードの候補を絞り込んでもよい。
図22は、ネットワーク制御装置41において、中継ノードの伝送速度の変化に基づいてボトルネックとなる中継ノードの候補を絞り込む動作の一例を示すシーケンスチャートである。
ネットワーク制御装置41では、端末のボトルネック推定部412において推定されたボトルネックの候補の中から、伝送速度の変化に基づいてボトルネック候補を選別することによって、ボトルネック候補の絞込みが行われる。
実施の形態2における伝送速度の変化に基づいてボトルネック候補の選別は、図21のシーケンスチャートによって示される端末、中継ノード、ゲートウェイの連携動作のうち、ステップS516の伝送誤りの分布によるボトルネックの推定処理の後、ステップS509のゲートウェイからボトルネックの候補として推定された中継ノードまでの実効帯域の測定処理の前に行われる。
なお、図22における各ステップは図21及び図15における対応するステップの内容と同じであるため、同じ番号を付与して説明を省略する。
<効果>
図23(a)及び図23(b)は、本発明の効果を説明する図である。
本発明のネットワーク制御装置によれば、無線アドホックネットワークにおいて、端末間で公平性を確保した伝送帯域の割当て(図10(b))、及び無線アドホックネットワーク全体の伝送帯域の効率的な割当て(図13(b))を自動化することができる。
ネットワーク制御装置が、ネットワーク全体におけるボトルネックを特定し、端末や中継ノードの伝送帯域(通信速度)の設定を行うので、従来、無線アドホックネットワークを構成する場合に行われている、端末に割り当てる伝送帯域を手作業で設定するという煩雑な作業が不要となる(図23(a))。
この効果は、無線アドホックネットワークを構成する端末の台数が多いほど、顕著に現れる。
また、課題として先に説明したように、無線アドホックネットワークでは、様々な送信元からデータが送信されてくるため、輻輳が発生する場合や、無線環境の変化で、伝送路の変化により、確保できる帯域が、位置的、時間的に変化する場合がある。
例えば、一般に、ゲートウェイからの中継段数が多くなるにつれて、収容端末数や増大や無線の影響により、確保できる伝送帯域は減少する。また、送受信端末の数の変化、人や車などの障害物の追加・削除や中継ノードの設置位置が変更されることで、電波の干渉の影響などで確保できる伝送帯域は減少する。
このような様々な要因を加味して、ネットワーク全体における伝送帯域のボトルネックを特定し、各端末の伝送レートや各中継ノードの伝送帯域を事前に設計して、確保することは困難である。
これに対し、本発明のネットワーク制御装置によれば、送信端末からゲートウェイまでのルーティングの構築に用いられるルーティング情報を利用して、ネットワーク全体における伝送帯域のボトルネックを推定することで、伝送誤りによるパケットロスの発生や、途中の中継ノードへのトラフィックの流入による輻輳の発生によりルーティングが再構築されるたびに各端末の通信品質(QoS)の公平性や、効率的な伝送帯域の割当てを自動的に設定することができる(図23(b))。
ここで、リンクの伝送誤り率及び中継ノードの輻輳レベルは、無線アドホックネットワークのルーティングの構築に用いられるメトリックの一種であるがゆえに、常に最新のルーティングが反映された値としてネットワーク全体から収集することができる。
本発明のネットワーク制御装置は、そのような伝送誤り率又は輻輳レベルを基準としてボトルネックを推定するので、ネットワークの変化への追従性に優れると共に、大域性にも優れたボトルネック推定が可能となる。
そして、端末に分配する伝送帯域を決定するために、ボトルネックと推定された中継ノードについてのみゲートウェイとの実効帯域を測定するので、測定にかかる通信量や処理量を小さく抑えることができ、その結果、応答性に優れた伝送帯域の割当てが可能となる。
実施の形態で説明したように、実際に実効帯域を測定する中継ノードを、ボトルネックと推定された中継ノードの中から、伝送速度の変化に基づいて絞り込んだ場合には、実効帯域の測定にかかる通信量や処理量をさらに削減することができる。
<応用例1>
図24は本発明のネットワーク制御装置を監視システムとして利用した応用例を説明する図である。
本発明のネットワーク制御装置の監視システムとしての利用先としては、ビルやショッピングモール等の屋内の監視、及び商店街や公園等の屋外など、広いエリアを複数のカメラを用いてリアルタイムに撮影した利用を想定している。
ここでは、図24に示すように、通学路や商店街等での人物(子供、老人など)や異状箇所(不審者、事故)の見守りを目的とした監視システムを例に説明する。
監視システムを構成する中継ノードは、監視対象となるエリア内の看板、外灯、電柱や道路標識、信号機等に一定の間隔で取付けられており、互いに無線で通信を行っている。また、中継ノードの一部は有線網と接続しておりゲートウェイとしての機能を有している。
カメラは被写体(人物)が移動する経路上の壁や看板、外灯、電柱、道路標識、信号機等に設置されており、カメラは近くの中継ノードを介してゲートウェイに映像を配信している。
また、この応用例ではカメラは画像処理やセンサ等と連携して、自身の撮影映像内に被写体(人物)があるかないかを判定できるものとする。画像処理による被写体(人物)の有無を判定する他の方法として、被写体が存在しないときと存在するときの映像を比較する背景差分法や、予め検出した被写体の映像をテンプレート映像として用意しておき、撮影映像とテンプレート映像を比較するテンプレートマッチング法等が挙げられる。また、センサを用いた被写体の検出方法としては、RFIDタグを被写体に携帯させ、所定の監視範囲に被写体がいるかどうかを判定する方法などが挙げられる。
各カメラが撮影した映像は、無線アドホックネットワークから、ゲートウェイを介して有線網に送られ、監視オペレータのモニターに届けられる。
図25は、オペレータ側でネットワーク制御装置を制御するためのモニター装置の操作GUIの一例を示す図である。
操作GUIにはカメラから送信された映像を表示する表示画面1801以外に、帯域の再設定を行うための帯域再設定ボタン1802、またカメラ映像の切り換え方を監視システムが自動的に切り替えるか、オペレータが手動で切り替えるかを選択する操作パネル1803等が備えられている。
カメラの自動選択の方法としては画像処理やセンサなどを用いて被写体が移っているカメラだけを自動的に選択して映像を取得する方法や、一定の時間ごとに映像の取得先のカメラを切り換えて撮影場所を巡回させる方法などがあり、これらは操作パネル1803により自動カメラ選択の内容を選択できるようになっている。
無線アドホックネットワークを利用した監視システムにおいて、各端末からゲートウェイまでの伝送帯域を公平、又は効率的に割当てが必要な状況として、以下の状況が挙げられる。
(状況1)メンテナンスやシステムの拡張のためにカメラや中継ノードの増設、削除した場合。
(状況2)天候などの環境変化の影響によって電波伝搬特性が変化する場合。
(状況3)オペレータ側で映像を取得するカメラや監視方法を選択する場合。
(状況4)画像処理やセンサ等を用いて、被写体のいる場所や、異常が発生している場所を撮影しているカメラだけがオペレータに映像を配信する場合。
(状況5)各場所の映像を定期的に切り替えて表示するために、オペレータ側で映像を配信するカメラを切り替える場合。
本発明のネットワーク制御装置では、(状況1)から(状況5)のいずれの場合においてもカメラからの映像配信が切り替わることでルーティング情報が変更されることをトリガーとして、伝送路上のボトルネックが推定され各カメラ(端末)の伝送帯域の割当てが行われる。
また、ルーティング情報の変更以外にも、(状況1)、(状況2)の場合には、帯域再設定ボタン1802により、手動でオペレータからゲートウェイのボトルネック推定部411、又は端末のボトルネック推定部412に再設定の指示を出してもよい。
また、帯域再設定ボタン1802はオペレータ側の操作GUIだけでなく、端末や中継ノード、ゲートウェイに備えられており、これらを設置する作業者側で再設定を指示してもよい。これによりオペレータが必要なときに、各端末の伝送レートや中継ノードまでの伝送帯域の割当てを自動的に行うことができる。
(状況3)の場合には、オペレータが操作パネル1803を操作した情報を伝送路上のボトルネック推定のためのトリガー情報とし、ゲートウェイのボトルネック推定部411、又は端末のボトルネック推定部412に通知してもよい。これにより、オペレータ側で表示画面1801に表示するカメラや監視方法を選択されるたびに、確実にボトルネックの推定を行い、帯域再割当てを行うことが可能となる。
(状況4)の場合には、カメラの画像処理やセンサにより新たに被写体や異常が検出された情報を伝送路上のボトルネック推定のためのトリガー情報として、ゲートウェイのボトルネック推定部411、又は端末のボトルネック推定部412に通知してもよい。これによりルーティングに変更がない場合でも、被写体や異常に変化があった場合にボトルネックとなる中継ノードを推定し帯域再設定を行うことが可能となる。
(状況5)の場合には、予めカメラを切り替える順番やタイミングが特定できるため、カメラの切替えの予定に合わせて事前にオペレータ側からゲートウェイのボトルネック推定部411、又は端末のボトルネック推定部412にボトルネックを再度推定するトリガー情報を通知してもよい。これにより映像の切り替えに合わせて各端末の伝送レートの設定を行うことが可能となる。
以上のように、無線アドホックネットワークを用いた監視システムにおいて各カメラ(端末)の伝送レートや中継ノードまでの帯域割当ての再設定が必要な状況において、自動的に各送信端末の伝送レートが公平、又は効率的となるように割り当てることが可能となる。
なお、応用例1の送信端末としてはカメラ以外の端末であってもよい。例えば、マイクを利用した音声情報や人感センサや温度センサ等による人の検出状況や天候、気温などを通知しても良い。
また、モニター装置は送られてきた音声を再生するスピーカを備えていたり、センサ情報を表示画面1801に表示したりしてもよい。
<応用例2>
図26は本発明のネットワーク制御装置を車載カメラに利用した応用例を説明する図である。
各車両は、本発明のネットワーク制御装置と同等の機能を持つ車載カメラ(端末)1901、及び中継装置(中継ノード、ゲートウェイ)1902を搭載している。なお、車両に搭載されている車載カメラ1901と中継装置1902は有線、無線いずれの方法で接続されていてもよい。
また、車両のナビゲータには、他の車両から取得した車載カメラの位置と映像を表示する機能が備えられている。
一般的に、道路や信号待ちを行う交差点が変わるごとに、車両の並び順番や車両の間隔が変化するため、伝送路上のボトルネックとなる中継車両が変わり、その都度、各車載カメラの伝送レートの再設定が必要となる。
このような中継車両の入れ替わりに対して、本発明のネットワーク制御装置を登載した車両では、車両の並び順番や車両の間隔の変更されたことによるルーティング情報の更新に基づいて自動的に車載カメラ1901の伝送レートを自動的に再割当てが実行される。
図26の応用例では、交差点での信号待ちなど複数の車両が存在する状況において、前方の交差点の様子や後方から近づいてくる歩行者などの様子を、無線アドホックネットワークを利用して取得し、その映像と撮影された位置をナビゲータの画面に表示する例を示している。
図26の例では、信号待ちの先頭にいる車の映像と、自身の後方の映像を取得し、表示する例を示しているが、その他の車両(例えば前方で右折待ちで停車している車など)の車載カメラの映像を取得し表示できることは明らかである。
このように、本発明のネットワーク制御装置を用いることにより、中継ノード(中継装置)の入れ替わりが頻繁に発生する車々間通信においても、周囲の車両の状況変化に追従して、他の車両の車載カメラ1901の映像を公平又は効率的に取得できる伝送レートを自動的に再設定することができる。
なお、応用例2の送信端末はカメラ以外の端末であってもよい。例えばIP電話を使った音声情報や、車載センサ(障害物検出)を使った障害物情報などでもよい。
また、ナビゲータの表示インターフェイスは送られてきた音声情報を再生するスピーカを備えていたり、センサ情報をライブ映像1903や地図情報1904と一緒に表示したりしてもよい。
本発明は、ネットワーク制御装置、とりわけ、無線アドホックネットワークに接続される複数の端末に好適な伝送帯域を、トラフィックの送信前に割り当てるネットワーク制御装置として利用できる。
本発明は、アドホックネットワークを構成するノード間に好適な伝送帯域を割り当てる技術に関する。
従来、無線アドホックネットワークと有線ネットワークとをゲートウェイで相互接続し、無線アドホックネットワークに接続された複数の送信端末から有線ネットワークに接続された受信端末へ、それぞれデータを送信することが行われている。
このとき、送信端末と受信端末との間でデータを伝送できる実効帯域には、送信端末からゲートウェイまでのルーティング及びネットワークの状態に依存して、送信端末間で不公平が生じる。
そのような不公平を緩和すべく、無線アドホックネットワークに接続された複数の送信端末の間で伝送帯域の公平性を確保するための種々の技術が周知となっている(例えば、特許文献1〜6を参照)。
特許文献1では、無線アドホックネットワークの中継ノードで発生する伝送帯域のボトルネックを検出し、送信元で伝送レートを下げる技術が開示されている。
また、特許文献2では、中継ノードにおいてパケットの中身を調べて各パケットの送信順序をスケジューリングする技術が開示されている。
また、特許文献3では、各中継ノードにおいて、中継される端末(配下の端末)のデータの伝送量を公平にするために、各中継ノードが利用できる伝送帯域を配下の端末数で比例配分する技術が開示されている。
また、伝送路上の通信帯域にあわせて送信端末の伝送量を制御する方法として、特許文献4では、受信側で通信網の伝送帯域を推定し、推定された伝送帯域に基づいてデータ送信量を送信端末に指示する技術が開示されている。
また、特許文献5では、安定性の悪いノードやリンク間ではルーティング情報の更新頻度を上げ、逆に安定性の良いノードやリンク間では更新頻度を下げることで、ルーティング情報の更新頻度を最適化する技術が開示されており、さらに、各中継ノードにおいて伝送路上のノードやリンクの安定性(耐障害性)を予測する技術が開示されている。
また、特許文献6では伝送路上の送信端末と中継ノード間、中継ノードと中継ノード間、中継ノードと受信端末間のリンクの帯域情報を1つ1つ取得することで、伝送路上のボトルネックとなるリンクを検出し、検出されたリンクでの帯域に合わせて送受信を行う技術が開示されている。
特開2005−328458号公報 特開2006−74720号公報 特開2004−172719号公報 特開2000−115245号公報 特開2004−336768号公報 特許第3662907号公報
前述した従来技術によれば、無線アドホックネットワークに接続された複数の送信端末の間である程度公平に伝送帯域を確保することが可能となるが、なおも以下のような課題が残る。
課題1:無線アドホックネットワークでは、端末や中継ノードの追加、削除、中継ノード間の電波伝搬特性の変化等により、伝送路上に発生する伝送帯域のボトルネックの場所や大きさが時間とともに変化する。
そのため、事前に知られた伝送路上のボトルネックでの伝送帯域に合わせて各端末に伝送帯域を比例配分するだけでは、通信品質(QoS)の公平性や、効率的な伝送帯域の割当てを維持することができない。つまり、ネットワークの変化に対する追従性がない。
課題2:中継ノードごとに伝送路上の安定性を予測する場合には、ボトルネックとして推定される安定性が低いノードやリンクが、予測を行う中継ノードによって異なる。
そのため、それぞれの中継ノードにおいて、自身が推定したボトルネックがネットワーク全体におけるボトルネックかどうかを判断することができない。つまり、ボトルネックの推定における大域性が乏しい。
課題3:伝送路上の伝送帯域のボトルネックの場所を特定するために、無線アドホックネットワーク上の各中継ノード間のリンクの伝送帯域を1つ1つ測定した場合には、測定にかかる通信量や処理量が大きくなる。
そのため、ボトルネックの発生からボトルネックの特定を経て送信端末や中継ノードの帯域設定(通信速度設定)までに要する時間が長くなる。つまり、応答性が低い。
さらに、複数の送信端末からの伝送帯域の割当を目的としたボトルネック検出では、各送信端末からデータを送信する前(ボトルネックでの輻輳が発生する前)に、その場所を特定できることが求められる。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、無線アドホックネットワークにおけるボトルネックを推定するネットワーク制御装置、及び方法において、ネットワークの変化への追従性、大域性、及び応答性に優れたネットワーク制御(特に、伝送帯域の分配)を可能にすることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のネットワーク制御装置は、複数のデータリンクで接続された、端末装置と中継装置とゲートウェイにより構成されたアドホックネットワークにおいて、前記端末装置から前記ゲートウェイ装置まで前記中継装置を経由してデータを転送する前記アドホックネットワークを制御するネットワーク制御装置であって、前記アドホックネットワーク内のルーティングが、前記複数のデータリンクの伝送誤り率に関する情報を含むルーティング情報を利用して構築される場合に、前記ルーティング情報から、経路上の複数の中継装置間のデータリンクの接続関係に関する情報と、各データリンク上での前記伝送誤り率に関する情報とを取得するルーティング処理手段と、前記複数の中継装置のうち、送信するデータリンクの伝送誤り率が、前記データを受信するデータリンクの伝送誤り率よりも大きい中継装置を、ボトルネックの候補として推定するボトルネック推定手段とを備える。
また、前記アドホックネットワーク内のルーティングが、前記中継装置の輻輳レベルに関する情報を含むルーティング情報を利用して構築される場合に、前記ルーティング処理手段は、前記ルーティング情報から、経路上の複数の中継装置間のデータリンクの接続関係に関する情報と、前記複数の中継装置での輻輳レベルに関する情報とを取得し、前記ボトルネック推定手段は、前記複数の中継装置のうち、データリンクで直接結ばれている他のどの中継装置の輻輳レベルよりも自身の輻輳レベルが大きい中継装置を、ボトルネックの候補として推定してもよい。
この構成によれば、アドホックネットワーク内のルーティングの構築に利用されるルーティング情報に含まれる伝送品質に関わる情報を用いてボトルネックを推定するので、ルーティングが再構築されるたびに、新たなボトルネックを推定し直すことができる。この伝送品質に関わる情報は、例えば各データリンクの伝送誤り率や各中継装置の輻輳レベルといったアドホックルーティングの構築に用いられるメトリックの一種であるがゆえに、ルーティングの構築結果が反映された最新の情報を、常にネットワーク全体から収集することができる。
本発明のネットワーク制御装置は、この伝送品質に関わる情報を用いてボトルネックを推定するので、アドホックネットワークの変化への追従性に優れると共に、大域性にも優れたボトルネック推定が可能となる。
また、本発明のネットワーク制御装置は、さらに、前記ボトルネックの候補と推定された中継装置から前記ゲートウェイ装置へデータを伝送できる通信帯域である実効帯域を測定する実効帯域測定手段と、前記測定された実効帯域を分割することにより前記中継装置がデータを中継する1以上の端末装置に割り当てる帯域割当て決定手段とを備えてもよい。
この構成によれば、ボトルネックと推定された中継装置についてのみゲートウェイとの実効帯域を測定し、測定された実効帯域を分割して各端末装置に割り当てることができるので、実効帯域の測定にかかる通信量や処理量を小さく抑えることができ、その結果、応答性に優れた伝送帯域の割当てが可能となる。
なお、本発明は、このようなネットワーク制御装置として実現することができるだけでなく、ゲートウェイ装置としても実現できる。さらに、ネットワークを制御する制御方法、その制御方法を実行するためのプログラム、及びそのプログラムを格納する記憶媒体としても実現することができる。
以上説明したように、本発明のネットワーク制御装置は、アドホックルーティングの構築に利用されるルーティング情報を利用してボトルネックを推定するので、アドホックネットワークの変化への追従性に優れると共に、大域性にも優れたボトルネック推定が可能となる。また、ボトルネックと推定された中継装置についてのみゲートウェイとの実効帯域を測定し、測定された実効帯域を分割して各端末装置に割り当てることができるので、応答性に優れた伝送帯域の割当てが可能となる。
その結果として、無線アドホックネットワークにおいて、端末間で公平性を確保した伝送帯域の割当てや、無線アドホックネットワーク全体の伝送帯域の効率的な割当てを自動化することができる。
これにより、対象となる端末の数が多く、端末やネットワークの増設および削減により伝送帯域の再設定が必要な場合においても、煩雑な手動による端末や中継ノードの帯域設定(通信速度設定)が不要であり、設定作業を軽減することができる。
また、送信端末からゲートウェイまでを中継する中継ノード間の電波伝搬特性が変化することで伝送誤りによるパケットロスが発生する場合や、途中の中継ノードへのトラフィックの流入による輻輳やパケットロスにより伝送路上にボトルネックが発生する場合において、各端末が自動的に通信品質(QoS)の公平性や、効率的な伝送帯域の割当てを自動的に維持することができる。
また、特にルーティング情報より得られるデータリンクの伝送誤り率の比較によるボトルネックの推定は、送信端末からデータトラフィックを送信する前に、無線アドホックネットワークのボトルネックの実効帯域を測定し、その実効帯域に合わせた複数の送信端末の帯域割当ができるため、輻輳によるパケットロスや遅延といった伝送品質の低下を引き起こさないトラフィックデータの送信が可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
<本発明で対象とするネットワーク構成>
まず、本発明で対象とするネットワーク構成について説明する。
図1(a)は、一般的な無線アドホックネットワークの構成を一例として示す概念図である。
中継ノード間、及び送信端末であるカメラS1及びS2と中継ノードとの間は無線による複数のデータリンクで接続されている。この無線アドホックネットワークにおいて、データは、カメラS1及びS2から、複数の受信端末であるモニター装置G1及びG2へと伝送される。
図1(b)は、本発明で対象とするネットワークの構成を示す概念図である。
複数の送信端末であるカメラから送信されたデータは、無線アドホックネットワーク内を伝送され、さらにゲートウェイにて相互接続される有線ネットワークを経由して受信端末であるモニター装置へと伝送される。
なお、本発明で対象とするネットワークにおいて、受信端末は2台以上あってもよい。
また、無線アドホックネットワーク、及び有線ネットワークを実現する伝送媒体の種類を限定しない。伝送媒体としては、例えば、光ファイバ、同軸ケーブル、ツイストペアケーブル、電波、赤外線など周知の伝送媒体の中から選択することができる。
一般的なメッシュ状の無線アドホックネットワーク(図1(a))に対し、本発明で対象とする無線アドホックネットワークは、ルートノードであるゲートウェイと、リーフノードである送信端末とを、無線による複数のデータリンクでツリー状に接続して構成される。以下では、この無線アドホックネットワークにおいてゲートウェイに向かう方向を上流とし、送信端末に向かう方向を下流と定義して説明する。
無線アドホックネットワークのルーティングプロトコルには、周知のAODV(Ad Hoc On−Demand Distance Vector)、OLSR(Optimized Link State Routing)といったルーティング方式や、これらを無線伝送に拡張したIEEE802.11sのルーティング方式を利用することができる。
送信端末及び受信端末には種々の装置が想定されるが、一例としては、カメラ、携帯情報端末、IP電話機、カーナビ、テレビなどがあり得る。
中継ノードは、固定的に設置される無線中継装置であってもよく、また、車々間通信に用いられるような、移動体に搭載される無線中継装置であってもよい。
次に、上述のように構成されたネットワークを具体的な例に用いて、本発明が解決しようとする課題について詳しく説明する。
図2(a)及び図2(b)は、本発明が解決しようとする課題を説明する図である。
まず、本発明では、無線アドホックネットワークにおける伝送帯域のボトルネックを次のように定義する。
無線アドホックネットワークでは、中継ノードでの輻輳の程度や、中継ノードを結ぶデータリンクの伝送誤りの発生頻度などに応じて、データリンク(以下、単にリンクとも言う)ごとに利用できる伝送帯域の大きさが異なる。
このため、図2(a)及び図2(b)に示すネットワークにおいて、下流にある送信端末又は中継ノードとの間のリンク(下流リンク)の伝送帯域よりも、上流にある中継ノード又はゲートウェイとの間のリンク(上流リンク)の伝送帯域が小さい中継ノードを、伝送路上における伝送帯域のボトルネックと定義する。
本発明のネットワーク制御装置は、図2(a)及び図2(b)に示すネットワークにおいてボトルネックを推定し、複数の送信端末に好適な伝送帯域を割り当てる上での3つの困難を克服する。
第1の困難は、無線アドホックネットワークでは、伝送路上に発生する伝送帯域のボトルネックの場所や大きさが時間とともに変化するため、ボトルネックの位置や程度に見合った送信端末の送信量を事前に設計しておくことが難しいことである。
このボトルネックの変化は、端末や中継ノードの追加、削除によってネットワークのトポロジーが変化すること(変化要因1)、周囲の環境変化による中継ノード間の電波伝搬特性が変動すること(変化要因2)、及び受信端末側のユーザの数や要求内容の変化によってトラフィック量が変化すること(変化要因3)などに起因する(図2(a))。
また、複数の送信端末に好適な伝送帯域を割り当てる際には、ボトルネックの変化に良好に追従するのみならず、各送信端末からデータを送信する前(ボトルネックでの輻輳が発生する前)に、ボトルネックの特定ができることが望ましい。
第2の困難は、中継ノードごとに、自身が送信するデータを送信先まで安定して伝送するための障害となる(言い換えれば、データの伝送が途中で途切れる可能性が高く、安定性が低い)ノードやリンクをボトルネックとして予測する場合、中継ノードごとに安定性を予測する経路や範囲が異なるため、予測されるボトルネックが異なることである。
そのため、中継ノードごとに、自身が推定したボトルネックがネットワーク全体の安定化に影響するボトルネックかどうかを判断することができない(図2(a))。
第3の困難は、無線アドホックネットワークにおいて伝送路上のボトルネックの場所を特定するために各中継ノード間のリンクの伝送帯域を1つ1つ測定した場合には、ボトルネックの特定に必要な通信量や処理量が大きくなることである。
そのため、ボトルネックの発生からボトルネックの特定を経て送信端末や中継ノードの帯域設定(通信速度設定)までに要する時間が長くなる(図2(b))。
以下では、これらの困難を克服すべく構成されたネットワーク制御装置について説明する。
<実施の形態1>
図3は、本発明の実施の形態1におけるネットワーク制御装置40の構成の一例を示す機能ブロック図である。
ネットワーク制御装置40は、ネットワークシステム(図1(b))の無線アドホックネットワーク部分を構成するゲートウェイ、中継ノード、及び端末に分散して配置される。無線アドホックネットワークは、本発明のネットワーク制御装置40の制御対象である。ネットワーク制御装置40は、同一構成の複数の中継ノード、及び同一構成の複数の端末に分散して配置されてもよい。
以下、ゲートウェイ、中継ノード、及び端末に分散するネットワーク制御装置40の要部について説明する。
ゲートウェイは、ネットワーク制御装置40として機能する、帯域推定部401、ルーティング処理部402、ボトルネック推定部411、帯域割当て決定部403、及びゲートウェイ制御部404を含む。
帯域推定部401は、点線で示されるリンクを介して、中継ノードとゲートウェイ間の実効帯域を推定する。
ルーティング処理部402は、ゲートウェイ及び複数の中継ノードの間でアドホックルーティングを構築し、ルーティングを構築する際に利用されたルーティング情報から経路上の複数の中継装置間のデータリンクの接続関係と、各データリンク上での伝送誤りに関する情報、又は輻輳に関する情報を取得する。
ボトルネック推定部411は、ルーティング処理部402において収集された情報を用いて、無線アドホックネットワーク上での伝送誤り、又は輻輳の程度の分布に基づいて伝送路上のボトルネックの位置を推定する。
帯域割当て決定部403は、各中継ノードに接続されている端末数とボトルネックとなる中継ノードからゲートウェイまでの実効帯域の推定結果に基づき、各端末の伝送レートや中継ノードへの伝送帯域の割当てを決定する。
ゲートウェイ制御部404は、これら各部を制御する。
ここで、ルーティング処理部402は、ルーティング構築方法として、従来技術であるAODV、OLSRといったルーティング方式や、これらを無線伝送に拡張したIEEE802.11sのルーティング方式を利用してもよい。
中継ノードは、ネットワーク制御装置40として機能する、帯域推定部405、ルーティング処理部406、及び中継ノード制御部407を含む。
帯域推定部405は、中継ノードとゲートウェイ間の実効帯域を推定する。
ルーティング処理部406は、ゲートウェイを含めた中継ノード間でアドホックルーティングを構築する。
中継ノード制御部407は、これら各部を制御する。
端末は、ネットワーク制御装置40として機能する、データ生成部409、伝送レート制御部408、及び端末制御部410を含む。
データ生成部409は、送信されるべきデータを生成する。
伝送レート制御部408は、データの伝送レートを決定する。
端末制御部410は、これら各部を制御する。
端末は、中継ノードに無線によるリンクを介して接続される。ゲートウェイ及び複数の中継ノードの間にはアドホックルーティングでネットワークが構成される。端末は、中継ノード、ゲートウェイを介して図外の有線ネットワークに接続された受信端末へとデータを送信する。
端末は、具体的にはカメラやマイクといったセンサーデバイス、又はビデオやWebコンテンツなどの蓄積コンテンツを配信するサーバであってもよい。
このように構成されたネットワーク制御装置40において、ボトルネック推定部411が本発明のボトルネック推定手段の一例であり、帯域推定部401が本発明の実効帯域測定手段の一例であり、帯域割当て決定部403が本発明の帯域割当て決定手段の一例である。
<ネットワーク制御装置の動作>
図4は、ネットワーク制御装置40の動作の一例を示すシーケンスチャートである。この動作は、ネットワーク制御装置40としての端末、中継ノード、及びゲートウェイの連携によって行われる。この動作には、ネットワーク制御装置40の特徴的な処理であるところの、ネットワークにおけるアドホックルーティングの構築に利用された伝送誤り又は輻輳レベルの分布からボトルネックを推定する処理が含まれる。
端末は、データの送信を開始するために、端末制御部410から、周辺の中継ノードの1つに対してデータの送信要求を送る(S501)。
ここで、端末は、ユーザによって予め設定された中継ノードへデータの送信要求を送ってもよく(接続先の静的割当て)、また、周辺の中継ノードの中から電波の信号強度が最も大きい中継ノードを選択し、選択された中継ノードへデータの送信要求を送ってもよい(接続先の動的割当て)。
接続先の静的割当ては、一部の中継ノードに対して多くの端末からの送信データが集中しないように、予め各中継ノードに均等な数の端末を固定的に割り当てる場合に有用である。
また、接続先の動的割当ては、周囲の状況に応じて接続先を変えることができるため、端末や中継ノードが移動する状況や、周囲の環境からの影響によって、端末と中継ノード間の電波伝搬特性が変化する状況での利用に有用である。
中継ノードのルーティング処理部406は、中継ノードからゲートウェイまでのアドホックルーティングを構築する(S502)。
ゲートウェイまでのルーティングの構築が完了すると、中継ノードの中継ノード制御部407は、端末からのデータ送信の要求に対する応答を行う(S503)。
中継ノードのルーティング処理部406は、ゲートウェイまでのルーティング構築時に収集したルーティング情報をゲートウェイのルーティング処理部402へ通知する。このルーティング情報には、従来のルーティングプロトコル情報及びルーティングテーブル情報とともに、リンクにおける伝送誤り率及び中継ノードでの輻輳レベルといった伝送品質に関わる情報が含まれる(S504)。
中継ノードのルーティング処理部406は、中継ノード自身にデータを直接送信している端末数を特定し、特定された端末数をゲートウェイのルーティング処理部402に通知する(S505)。そのような端末数は、中継ノードが受信するデータのヘッダ情報に含まれる送信元を特定する情報(例えばMACヘッダに含まれる送信元のMACアドレス)を弁別することによって特定できる。
ゲートウェイのルーティング処理部402は、各中継ノードのルーティング処理部406から通知された端末数を、それぞれの中継ノードに接続する端末数として記録する(S506)。
ボトルネック推定部411は、各中継ノードのルーティング処理部406からゲートウェイのルーティング処理部402へ通知されたルーティング情報から伝送誤り率又は輻輳レベルを取得する(S507)。ルーティング情報に含まれる伝送誤り率及び輻輳レベルについては、後に図5を用いて詳しく説明する。
ボトルネック推定部411は、取得した無線アドホックネットワーク内の各リンクにおける伝送誤り率の分布、又は各中継ノードでの輻輳レベルの分布から、ネットワーク全体でのボトルネックとなる中継ノードMを推定する(S508)。ボトルネックとなる中継ノードMを推定する具体的な方法については、後に図7、図8を用いて詳しく説明する。
ゲートウェイの帯域推定部401は、ボトルネック推定部411がボトルネックであると推定した中継ノードMの帯域推定部405に対し、実効帯域を測定するための帯域測定データの送信要求を行う。要求を受けた中継ノードMの帯域推定部405は、ゲートウェイの帯域推定部401に対して帯域測定データを送信する。
ゲートウェイの帯域推定部401は中継ノードMの帯域推定部405から送られてきた帯域測定データ量と受信に要した時間から、中継ノードMからゲートウェイまでの実効帯域を求める(S509)。
帯域割当て決定部403は、中継ノードMからゲートウェイまでの実効帯域、及び中継ノードMを介してゲートウェイにデータを送信している端末の数に基づいて、個々の端末のデータ伝送量(つまり、個々の端末がデータ送信に用いるべき伝送帯域)を計算する(S510)。
帯域割当て決定部403は、個々の端末へ算出されたデータ伝送量を通知する(S511)。
各端末の伝送レート制御部408は、帯域割当て決定部403から通知されたデータ伝送量に従って、自身のデータ送信に用いる伝送帯域を調整する(S512)。
このような動作によって、無線アドホックネットワークにおけるボトルネックの推定に基づく各端末への伝送帯域の割当てが行われる。
<ルーティングの構築に用いられる伝送誤り率及び輻輳レベル>
次に、アドホックルーティングの構築に用いられる、各リンクにおける伝送誤り率及び各中継ノードの輻輳レベルに関するルーティング情報について詳しく説明する。
本発明では、アドホックルーティングの構築に用いられるルーティング情報は、ルーティングの構築の際にルーティングプロトコルで交換される旧来の情報(送信先IPアドレス、送信元IPアドレス、シーケンス番号、生存時間、ホップ数など)だけではなく、例えば各リンクの伝送誤り率及び各中継ノードの輻輳レベルといった伝送品質に関わる情報を含む。
例えば、現在、標準化が進められているIEEE802.11sにおいては、次のような提案がなされている(例えば、阪田史郎著、アドホックネットワークと無線LANメッシュネットワーク、電子情報通信学会論文誌、B、Vol.J89−B、No.6、pp.811−823を参照:非特許文献1)。無線LANメッシュネットワークの品質に影響する基本的な特性は、無線品質、干渉と無線資源の利用率である。これらすべての状況を反映し、実装が容易な無線メトリックとしてAirtimeが提案されている。
IEEE802.11sにおいては、AirtimeメトリックCaは下記のように定義されている。
Figure 2009028185
上式中のOca、Op、Btは、それぞれチャネルアクセスに必要なオーバーヘッド、プロトコルオーバーヘッド、フレームエラー率の計測に利用するテストパケットのフレーム長を示す。rは伝送速度、eptはフレームエラー率を示す。Ca、Oca、Op、Btが既知である場合、フレームエラー率eptを伝送誤り率として算出することが可能である。
これらの情報は、中継ノード間でルーティングを構築する際に(図4のS502)、中継ノード間で、リンクのフレームエラー率を計測するためのテストパケットを交換することによって計測される。
計測用に送信したテストパケットの情報量と、誤りが発生した情報量との比率から中継ノード間のリンクのフレームエラー率が決定される。同様に、送信端末と中継ノード間についても、テストパケットを交換することで、リンクのフレームエラー率を計測することが可能である。
図5(a)は、IEEE802.11a、IEEE802.11bにおいて適用されるパラメータOca、Op、Btの具体的な数値例を示す図である。一般に送信元から宛て先までのルーティングを構築する際、各リンクの無線メトリックを計算することで、通信品質の高いルートを選択することが可能となる。
図5(b)は、そのようなルーティングの構築の考え方を説明する図である。無線アドホックネットワークの各リンクには、無線メトリックの一例としての伝送速度及びフレームエラー率が示されている。
この例は、送信元Sから宛て先Dまでのルーティングを構築する際、伝送速度からフレームエラー率に相当する無効速度を差し引いて得られる実効速度が速いリンクほど優先的に選択されることを示している。
またIEEE802.11sでは、中継ノードで発生する輻輳を監視する方法として、受信レートと転送レートの差分に基づくレート、及び送信キューのサイズに上限値と下限値を設けることによる監視方法が提案されている(IEEE802.11−06/0328r0,February 2006:非特許文献2)。
このような監視の結果得られる輻輳の程度を表す輻輳レベルを伝送誤り率の代わりに用いたメトリックを定義し、このメトリックをルーティングの構築に利用するように拡張したルーティングプロトコル(例えば、輻輳ノードを避けたルーティングを行うプロトコルなど)を利用することもできる。この場合、ルーティング情報から輻輳レベルを取得することができる。
このようにして、各中継ノードのルーティング処理部406でゲートウェイまでのルーティングを構築する際に利用された、各リンクの伝送誤り率(フレームエラー率)又は各中継ノードの輻輳レベルに関するルーティング情報は、ゲートウェイのルーティング処理部402へ通知される。
そして、これら伝送誤り率及び輻輳レベルは、ゲートウェイのボトルネック推定部411によってルーティング情報から取得され、ゲートウェイに設けられる伝送誤り率テーブル又は輻輳レベルテーブルに記録される。
図6(a)は、各リンクにおける伝送誤り率を記録する伝送誤り率テーブルの一例を示す図である。図6(a)に示されるように、伝送誤り率テーブルには、各リンクを区別するための識別番号と、そのリンクでの伝送誤り率とが対応付けて記録される。
ゲートウェイのルーティング処理部402は、伝送誤り率テーブルに記録されていない新しいリンクの伝送誤り率がルーティング情報に含まれる場合には、新しいリンク識別番号を伝送誤り率テーブルに追加し、その伝送誤り率を記録する。また、既に登録されているリンクの新しい伝送誤り率がルーティング情報に含まれる場合には、対応するリンクの伝送誤り率を新しい伝送誤り率に更新する。
図6(b)は、各中継ノードの輻輳レベルを記録する輻輳レベルテーブルの一例を示す図である。図6(b)に示されるように、各中継ノードを区別するための識別番号と、その中継ノードでの輻輳レベルとが対応付けて記録される。
ゲートウェイのルーティング処理部402は、輻輳レベルテーブルに記録されていない新しい中継ノードの輻輳レベルがルーティング情報に含まれる場合には、新しいノード識別番号を輻輳レベルテーブルに追加し、その輻輳レベルを記録する。また、既に登録されている中継ノードの新しい輻輳レベルがルーティング情報に含まれる場合には、対応する中継ノードの輻輳レベルを新しい輻輳レベルに更新する。
<伝送誤り率によるボトルネックノードの推定>
次に、無線アドホックネットワーク上の各リンクの伝送誤り率の分布から、ボトルネックとなる中継ノードを推定する方法について説明する。
図7(a)は、中継ノードの受信側のリンクでの伝送誤り率と送信側のリンク間での伝送誤り率の違いによってボトルネックが発生する状況を説明する図である。
図7(a)は、無線アドホックネットワークにおける伝送経路上にある3台の中継ノード(中継ノードA、中継ノードB、中継ノードC)において、中継ノードAと中継ノードBの間のリンクの伝送誤り率と、中継ノードBと中継ノードCの間のリンクの伝送誤りが異なる場合を示している。
一般的に、無線LAN等で利用されているIEEE802.11規格によれば、伝送路上で外部からの雑音などによって、パケットに復元が不可能な伝送誤りが含まれる場合には、パケットが受信側に正しく届けられないため、送信側の中継ノードで正しく届けられなかったパケットの再送が行われる。
一方、復元が不可能な伝送誤りを含むパケットを受け取った受信側の中継ノードでは、伝送誤りを含むパケットの廃棄が行われる。
このため、送信側のリンク(中継ノードBと中継ノードC)での伝送誤り率が、受信側のリンク(中継ノードAと中継ノードB)での伝送誤り率より大きい中継ノードBでは、中継ノードBから送信されるパケットの再送回数が増加し、各パケットの送信キュー内での平均滞在時間が長くなるが、中継ノードBに送られてくるパケットのうち伝送誤りが含まれることによって廃棄されるパケットの数は増えない。
そのため、差し引きすると中継ノードBに残留するパケットの数が増加しやすくなり、その結果、中継ノードBは、伝送路上において輻輳を引き起こすボトルネックポイントとなる可能性が高くなる。
その逆に、中継ノードBにおいて、送信側のリンク(中継ノードBと中継ノードC)での伝送誤り率が、受信側のリンク(中継ノードAと中継ノードB)での伝送誤り率よりも小さくなる場合には、中継ノードBから送信されるパケットの再送によるパケットの送信キュー内での滞在時間の増加よりも、中継ノードBに送られてくるパケットのうち、伝送誤りが含まれることによる廃棄されるパケットの数の増加が優勢となる。
そのため、差し引きすると中継ノードBに残留するパケットの数が増加しにくくなり、その結果、中継ノードBは、伝送経路上において輻輳を引き起こすボトルネックポイントとなる可能性が低くなる。
このような考え方に基づき、ゲートウェイのボトルネック推定部411は、ルーティング情報から取得され伝送誤り率テーブルに記録されている各リンクの伝送誤り率を参照して、受信側のリンクよりも送信側のリンクの伝送誤り率が高くなっている中継ノードを探索し、その中継ノードを伝送路上における伝送帯域のボトルネックとして推定する。
例えば、伝送誤り率テーブルに、一例として、図7(b)に示すような各リンクの伝送誤り率が記録されており、複数の送信端末からゲートウェイの方向に対してデータトラフィックが流れている場合を考える。
この場合、各中継ノードの上流、下流のそれぞれのリンクの伝送誤り率は、中継ノードAの上流リンクで5%PER、下流リンクで3%PER、中継ノードBの上流リンクBで15%PER、下流リンクで5%PERと4%PER、中継ノードCの上流リンクで4%PER、下流リンクで5%PER、15%PERと3%PER、中継ノードDの上流リンクで4%PER、下流リンクで2%PER、中継ノードEの上流リンクで5%PER、下流リンクで2%PER、中継ノードFでは上流リンクのみ存在し伝送誤り率が3%PERとなる。
ボトルネック推定部411は、伝送誤り率テーブルに記録されている伝送誤り率を参照して、各中継ノードの上流リンクの伝送誤り率と下流リンクの伝送誤り率とを比較することによって、上流リンクの伝送誤り率が下流リンクの伝送誤り率よりも大きい中継ノードとして中継ノードBと中継ノードEを特定し、伝送路上の伝送帯域のボトルネックとなる中継ノードの候補として推定する。
なお、ボトルネック推定部411は、各中継ノードにおいて受信側のリンクと送信側のリンクを区別して伝送誤りの比較を行うため、同じ伝送誤り率テーブルであっても、トラフィックが、ゲートウェイから送信端末の方向へ送信されている場合には、中継ノードCがボトルネックとなる中継ノードの候補として推定される。
以上説明したルーティング処理による経路上のデータリンクの伝送誤り率の収集は、トラフィックを送信する前に行うことが可能であるため、伝送誤り率によるボトルネックの推定は、送信端末からトラフィックを送信する前に行うことができるという特徴がある。
<輻輳レベルによるボトルネックノードの推定>
次に、無線アドホックネットワーク上の各中継ノードの輻輳レベルの分布から、ボトルネックとなる中継ノードを推定する方法を説明する。
図8(a)は、無線アドホックネットワークにおける各中継ノードが持つ送信キュー内にある伝送データの残量と輻輳レベルの関係を示す図である。この例は、真ん中の中継ノードの輻輳レベルが5、上流側の中継ノードの輻輳レベルが2、下流側の中継ノードの輻輳レベルが2である場合を示している。
中継ノードにおいて、送信するデータの量よりも、受信するデータの量が大きい場合、送信キューに残留するデータの量が増加し、その中継ノードの輻輳レベルの値が高くなる。
リンクで直接結ばれているどの中継ノードの輻輳レベルよりも自身の輻輳レベルが高い中継ノードは、下流の中継ノードからデータを受信するためのリンクの伝送帯域よりも、上流の中継ノードへデータを送信するためのリンクの伝送帯域が小さく、その結果、伝送路上における伝送帯域のボトルネックとなっていると推定できる。
このような考え方に基づき、ゲートウェイのボトルネック推定部411は、ルーティング情報から取得され輻輳レベルテーブルに記録されている各中継ノードの輻輳レベルを参照して、リンクで直接結ばれているどの中継ノードの輻輳レベルよりも自身の輻輳レベルが高い中継ノードを伝送路上におけるボトルネックとして推定する。
例えば、輻輳レベルテーブルに、図8(b)に示すような各中継ノードの輻輳レベルが記録されている場合を考える。
この場合、各中継ノードの輻輳レベルは中継ノードAで15、中継ノードBで11、中継ノードCで14、中継ノードDで3、中継ノードEで8、中継ノードFで4となる。
ボトルネック推定部411は、輻輳レベルテーブルに記録されている輻輳レベルを参照して、各中継ノードの輻輳レベルと、その中継ノードと直接リンクで結ばれている中継ノードの輻輳レベルとを比較することによって、直接リンクで結ばれているどの中継ノードの輻輳レベルよりも自身の輻輳レベルが高い中継ノードとして中継ノードAと中継ノードCを特定し、伝送路上における伝送帯域のボトルネックとなる中継ノードの候補として推定する。
<ボトルネックノードの推定に使用されるその他の情報>
なお、伝送路上の伝送帯域のボトルネックを推定するために用いる伝送誤り率、及び輻輳レベルを測る指標として、前述したデータリンクの伝送誤り率、および送信バッファの使用量以外にも各種の情報を利用することができる。
例えば、送信バッファの使用量の代わりに、各中継ノードにおいて伝送データの送信に失敗した際に行われる、伝送データの再送の回数を測定し、測定された伝送データの平均的な再送回数を収集し、これを中継ノードの輻輳レベルを測る指標として用いてボトルネックを推定してもよい。
中継ノード間において再送が起こる原因として、送信先の中継ノードにおいて輻輳や伝送誤りが発生していることが考えられる。
この考え方に基づき、ボトルネック推定部411は、各中継ノードの再送回数を調べ、直接リンクで結ばれているどの中継ノードの再送回数よりも自身の再送回数が多い中継ノードを特定し、その中継ノードの上流に位置する中継ノードを伝送路上のボトルネックの候補として推定する。
また、データリンクの伝送誤り率の代わりに、各中継ノードにおいてデータリンクの信号レベル、雑音レベル、及び信号に対する雑音の量を対数で表わしたSNR(Signal Noise Ratio)を測定し、これをルーティング情報に含めて収集し、データリンクの伝送品質を測る指標としてボトルネックの推定に用いてもよい。
信号レベルに対して雑音レベルの量を表わしたSNRが小さいリンクでは、伝送誤り率が高くなる。このため、ボトルネック推定部411は、各リンクのSNRを特定し、上流リンクのSNRが下流リンクのSNRよりも小さい中継ノードを特定し、この中継ノードを伝送路上のボトルネックの候補として推定する。
また、データリンクの伝送誤り率の代わりに、各中継ノードにおいて、MTU(Max Transfer Unit)などによって、伝送データの最大パケットの大きさに制限を与えられている場合には、各中継ノードからデータリンクへ向けて送信できる最大パケットの大きさを収集し、これをデータリンクの伝送品質を測る指標として用いてボトルネックを推定してよい。
MTUの値が小さい中継ノードはデータを小さいパケットに分割して送信するため、スループットが低下しやすいと考えられる。
この考え方に基づき、ボトルネック推定部411は、各中継ノードのMTUの値を調べMTUの値が、直接リンクで結ばれているどの中継ノードのMTUの値よりも自身のMTUの値が小さい中継ノードを特定し、この中継ノードを伝送路上のボトルネックの候補として推定する。
また、再送回数が多い場合には、MTUの値が大きいと大きなパケットが再送されるため、MTUの値が小さい場合よりも再送にかかる時間が長くなり、スループットが低下してしまうことがある。そのため、MTUの値に加えて、伝送データの再送回数が取得できる場合には、ボトルネック推定部411は、各中継ノードのMTUの値と再送回数を調べ、MTUの値が大きくかつ再送が頻繁に起こっている中継ノードを伝送路上のボトルネックの候補として推定してもよい。
なお、各中継ノードにおける伝送データの再送回数や、信号レベル、雑音レベル、最大パケット長の指定については、例えばUNIX(登録商標)系のOSやLinuxを利用するシステムの場合には「iwconfig」などのコマンドによって取得することが可能である。
また、上記の情報の取得は図4、又は後述する図21におけるステップ502において、ルーティング処理部402又はルーティング処理部406がルーティングを再構築することによってルーティングテーブルの内容に変更が生じたことをゲートウェイ制御部404又は端末制御部410が検知した際に、これらのゲートウェイ制御部404又は端末制御部410によって行われる。
<公平な伝送帯域の自動割当て>
図9は、端末や中継ノードへ公平な伝送帯域を自動割当てする処理の一例を示すフローチャートである。
まず、本発明で述べる公平の定義について述べる。中継ノードを介して、ゲートウェイで中継される各送信端末からの伝送可能なデータの伝送レートが同じであることを公平であると定義する。
ゲートウェイの帯域推定部401と、ボトルネックと推定された中継ノードの帯域推定部405との間で実効帯域を計測する。ボトルネックと推定された中継ノードが複数存在する場合には、推定された各中継ノードに対して、ゲートウェイまでの実効帯域を求める(S901)。
なお、帯域推定部401の帯域推定方法は、具体的には、中継ノードで実効伝送速度を測定し、ゲートウェイに返してもよいし、ゲートウェイと測定対象の中継ノード間で伝搬遅延時間を測定し、帯域を推定してもよい。
次に、ゲートウェイの帯域割当て決定部403にて、ステップS901において測定された実効帯域を、その中継ノードがデータを中継するカメラの台数で割る(つまり、実効帯域を分割する)ことによって、その中継ノードが1台のカメラに割り当て可能な伝送帯域biを求める。ボトルネックと推定される中継ノードが複数存在する場合には、それぞれの中継ノードについて測定された実効帯域を分割することによって伝送帯域biを求める(S902)。
ゲートウェイの帯域割当て決定部403にて求めた伝送帯域を公平な伝送帯域bminに設定する。ボトルネックと推定される中継ノードが複数存在する場合には、求めた伝送帯域biのうち最小の伝送帯域をbminに設定する(S903)。
図10(a)及び図10(b)は、各カメラへ伝送帯域を公平に割り当てる具体例について説明する図である。
この例では、3つの中継ノードがボトルネックであると推定されたとして、それら3つの中継ノードを、下流から上流へ順に、中継ノードA、中継ノードB、及び中継ノードCとする。各中継ノードには、それぞれ3台の送信端末(カメラ)が直接接続されている(図10(a))。
この例に従って、ネットワークの構造と、各中継ノードとゲートウェイ間の実効速度に基づき、各中継ノードが1台のカメラに割当て可能な最大の伝送帯域biを求めると、中継ノードAは3.3、中継ノードBは2.5、中継ノードCは2.8となる(図10(b))。
以上から、求めた伝送帯域の中で最も小さい2.5が、全てのカメラに公平に割り当てることができる伝送帯域bminに設定される。
<効率的な伝送帯域の自動割当て>
図11は、端末や中継ノードへ効率的な伝送帯域を自動割当てする処理の一例を示すフローチャートである。
まず、本発明で述べる“効率的な割当て”の定義について述べる。無線アドホックネットワークの利用可能な伝送帯域のうち、なるべく伝送帯域を余らせることなく、各端末へ伝送帯域を割り当てることを、伝送帯域の効率的な割当てを行うと定義する。効率的な割当てでは、全ての端末が同一の伝送帯域を割り当てられるとは限らない。
ゲートウェイの帯域推定部401と、ボトルネックと推定された各中継ノードの帯域推定部405との間で実効帯域を計測する(S1101)。
次に、ゲートウェイの帯域割当て決定部403にて、ステップS1101において測定された実効帯域を、その中継ノードがデータを中継するカメラの台数で割ることによって、その中継ノードが1台のカメラに割り当て可能な伝送帯域biを求める(S1102)。
さらに、ゲートウェイの帯域割当て決定部403にて、ゲートウェイに近い方から遠い方向(上流から下流へ)に、i番目の中継ノードの伝送帯域biと、i−1番目の伝送帯域を比較し、小さい方の値を採用する。但し、変数iは、ゲートウェイに近い方から遠い方向へ数字が大きくなり、iは1から始まる。
図12は、ステップS1103を実行するためのプログラムコードの一例を示す図である。
B1をボトルネックと推定された中継ノードのうちゲートウェイに最も近い中継ノードとゲートウェイとの間の実効帯域を全収容端末数(Nmax)で割った数とする。
ボトルネックと推定された中継ノードのうちゲートウェイから2番目の中継ノードをi=2とする。また、ボトルネックと推定された中継ノードのうち評価対象のi番目の中継ノードとゲートウェイとの間の実効帯域を計測し、ボトルネックと推定された中継ノードのうち末端の中継ノードから評価対象のi番目の中継ノードが収容する端末数で割った数をbiとする。
i=2から、ボトルネックと推定された中継ノードのうちゲートウェイから一番遠い、末端のNmax番目の中継ノードまでを順に探索し、探索を行った順にbiをより小さな値で置き換える。
なお、ボトルネックと推定されなかった中継ノードに接続する端末(カメラ)の伝送帯域biは、その中継ノードに最も近い(ホップ数が少ない)下流のボトルネックと推定された中継ノードの伝送帯域biに置き換える。
図13(a)及び図13(b)は、各カメラへ伝送帯域を効率的に割り当てる具体例について説明する図である。
この例では、3つの中継ノードがボトルネックであると推定されたとして、それら3つの中継ノードを、下流から上流へ順に、中継ノードA、中継ノードB、及び中継ノードCとする。各中継ノードには、それぞれ3台の送信端末(カメラ)が直接接続されている(図13(a))。
この例に従って、ネットワークの構造と、各中継ノードとゲートウェイ間の実効速度に基づき、各中継ノードが1台のカメラに割当て可能な最大の伝送帯域biを求めると、中継ノードAは3.3、中継ノードBは2.5、中継ノードCは2.8となる(図13(b))。
図11、図12を参照して説明した処理によって、中継ノードCがデータを中継するカメラに割り当てる伝送帯域は2.8と求まり、中継ノードB又は中継ノードAがデータを中継するカメラに割り当てる伝送帯域は2.5と求まる。
<中継ノードでの伝送速度の変化によるボトルネック候補の絞込み>
IEEE802.11の標準規格に基づく無線LANでは、送信データの変復調方式の違いや伝送誤り訂正符号の符号化率の違いによって異なる伝送速度を選択して通信を行うことが可能であり、送信側の機器は独立したパケットごとに送信パケットのデータ部の伝送速度を代えて送信を行うマルチレート制御が行われている。
例えば、IEEE802.11aでは、伝送速度として必須の6Mbps、12Mbps、24Mbpsと、オプションの9Mbps、18Mbps、36Mbps、48Mbps、54Mbpsが用意されており、AUTOモードに設定されている場合には、送信機側で自動的に伝送速度の選択が行われている。
また、マルチレート制御による伝送速度の選択は、送信側の機器においてフレーム誤りの観測などによって自動的に選択され、劣悪な伝搬環境ではより低速な伝送速度に切り替えることで伝送誤り率の増加を抑制している(守倉正博、久保田周治、“802.11高速無線LAN教科書”、インプレス:非特許文献3)。
図14(a)及び図14(b)は、ルーティングの変更による伝送経路上での伝搬特性の劣化と、伝送速度の低下について説明する図である。
図14(a)及び図14(b)は、伝送経路上の3台の中継ノード間の各リンクの伝送速度の値を示している。
図14(a)のルーティング変更前の状態に対して、図14(b)に示すようにルーティングが変更されることによって送信パケットの伝送速度が低下した中継ノードは、ルーティングの変更によって伝搬環境の劣化が増大し、その結果、伝送誤り率が増加して伝送経路上における伝送帯域のボトルネックとなっている可能性が高い。
このため、ボトルネック推定部411において推定された伝送経路上における伝送帯域のボトルネックの候補となる中継ノードの中から、さらにルーティングが変更された後に伝送速度が低下した中継ノードを選別することで、ボトルネックと推定される中継ノード(つまり、ゲートウェイからの実行帯域を測定する対象)を絞り込むことができる。
これにより、中継ノードからゲートウェイまでの実効速度を測定するための通信を減らすことが可能となり、各送信端末の伝送帯域をより迅速に決定することができる。
図15は、中継ノードの伝送速度の変化に基づいてボトルネックとなる中継ノードの候補を絞り込むための動作の一例を示すシーケンスチャートである。
中継ノードの伝送速度の変化に応じてボトルネックとなる中継ノードの候補を絞り込む処理は、図4のシーケンスチャートによって示される端末、中継ノード、ゲートウェイの連携動作のうち、ステップS508の伝送誤りの分布に基づくボトルネックの推定処理の後、ステップS509のゲートウェイからボトルネックの候補として推定された中継ノードMまでの実効帯域の測定処理の前に行われる。
ゲートウェイ制御部404は、ボトルネックの候補と推定された中継ノードMの中継ノード制御部407に対して上流側の中継ノードに送信するデータの伝送速度の値を問い合わせる(S2101)。
ゲートウェイ制御部404は、取得した各中継ノードの伝送速度の変化を伝送速度情報として記録する。既に伝送速度を測定している中継ノードに対しては、今回測定した伝送速度と前回測定された伝送速度を比較し、伝送速度が前回の測定よりも低下している中継ノードの特定を行う(S2102)。
次に、ゲートウェイのゲートウェイ制御部404は、ステップS508において推定された伝送経路上において伝送帯域のボトルネック候補となる中継ノードの中から、さらに伝送速度が低下した中継ノードを、実際にゲートウェイまでの実効速度を測定する中継ノードとして絞り込む(S2103)。
図16は、各リンクの伝送速度の測定値を記録する伝送速度テーブルの一例を示す図である。伝送速度テーブルは、ゲートウェイに設けられる。図16に示されるように、伝送速度テーブルには、各リンクを区別するための識別番号と、そのリンクで測定された伝送速度と伝送速度の測定時刻が記録される。
ゲートウェイのゲートウェイ制御部404は、まだ一度も伝送速度を測定していないリンクの伝送速度を取得した場合には、そのリンク番号を伝送速度情報に登録し、そのリンクでの伝送速度と測定時刻を記録する。また、既に登録されているリンクに関する最新の伝送速度が測定された場合には、対応するリンクの伝送速度と測定時刻を最新の値に更新する。
図17は、ステップS2103においてゲートウェイ制御部404が、伝送経路上において伝送帯域のボトルネック候補となる中継ノードの中から、実際にゲートウェイまでの実効速度を測定する中継ノードを絞り込む動作の一例を示すフローチャートである。
ゲートウェイ制御部404は、伝送経路上において伝送帯域のボトルネック候補の中に、ルーティングが変更したことによって伝送速度が低下した中継ノードが存在するかどうかを判定する。伝送速度が低下した中継ノードが存在する場合には、ステップS2302に移り、伝送速度が低下した中継ノードが存在しない場合には、ボトルネック候補を変更しない(S2301)。
ルーティングの変更によって伝送速度が低下した中継ノードが存在する場合には、ゲートウェイ制御部404は、ボトルネック候補の中で伝送速度が低下しなかった中継ノードを、ボトルネック候補から除外する。
以上の処理によって、ゲートウェイ制御部404は、伝送経路上において伝送帯域のボトルネックとなる可能性がより高い中継ノードを候補として選別することにより、ゲートウェイまでの実効速度を測定する中継ノードを絞り込むことができる。
それにより、ゲートウェイと中継ノード間で実効速度を測定するために発生する通信量を削減できるため、より迅速に各送信端末の伝送帯域を決定することができる。
<伝送帯域の設定更新処理>
次に、伝送帯域の設定更新処理について説明する。
図18は、伝送帯域の設定更新処理の一例を示すフローチャートである。
伝送帯域の設定の更新タイミングは、ルーティングテーブルの更新が行われる場合や、端末の追加や削除が発生する場合が考えられる。
ルーティングテーブルの更新が発生する場合は、例えば、人や車などの移動によって、電波伝搬特性が変化し、中継ノード間の接続状態(例えば、受信電界強度や伝送誤り率など)が変わる場合が挙げられる。
また、端末の追加、削除については、カメラの新たな設置、カメラの故障が具体的な例として挙げられる。なお、ここでは、ゲートウェイは、端末または中継ノードからもたらされる通知に基づいて、端末が無線アドホックネットワークに追加、削除が行われたことを検出するものとする。
図18に示される伝送帯域の設定更新処理では、ルーティングテーブルの更新が発生した場合(S1401)、図9又は図11で示した伝送帯域の設定アルゴリズムに基づき、各カメラの伝送レートを設定する(S1402)。また、端末の追加、削除が発生した場合(S1403)、図9又は図11で示した伝送帯域の設定アルゴリズムに基づき、各カメラの伝送レートを設定する(S1404)。なお、伝送帯域の設定の更新の制御はゲートウェイ制御部404で行う。
図19は、ルーティングの変更内容に基づいて通信帯域の設定を行う方法について説明する図である。
伝送帯域の設定を高速に行うために、ルーティングテーブルの変更された箇所のみを抽出し、更新対象となった中継ノードのみに対してボトルネック推定の対象とする。これによって、ルーティングが変更されていない中継ノードについてはボトルネックの推定を行わないため、伝送帯域の設定を高速化することが可能となる。
具体的には、ゲートウェイのルーティング処理部402において、図19に示したようにルーティングの更新対象の中継ノードを抽出し、新たにボトルネックの推定が必要な中継ノードを抽出し、ボトルネック推定部411を介してボトルネックの推定を行う。なお、これら一連の各部の制御は、ゲートウェイ制御部404で行う。
<実施の形態2>
図20は、本発明の実施の形態2におけるネットワーク制御装置41の構成の一例を示す機能ブロック図である。
実施の形態2のネットワーク制御装置41は、図3に示される実施の形態1のネットワーク制御装置40と比べて、ゲートウェイのボトルネック推定部411で行われていた、伝送路上でのボトルネックとなる中継ノードの推定を、端末で行う点が異なる。以下、図3と同じ構成については、同じ番号を付与して説明を省略し、異なる構成について詳細に説明する。
実施の形態2の端末は、伝送レート制御部、データ生成部409、端末制御部410に加え、ボトルネック推定部412及び帯域割当て決定部413を備える。
ボトルネック推定部412は、中継ノードのルーティング処理部406からルーティング情報を取得し、ルーティング情報に含まれるゲートウェイを含めた中継ノード間の伝送誤りに関する情報、又は各中継ノードでの輻輳に関する情報を取得し、自端末からゲートウェイまでの伝送路上での前記伝送誤りに関する情報又は前記輻輳に関する情報の分布に基づいて、前記伝送路上のボトルネックを推定する。
帯域割当て決定部413は、ゲートウェイの帯域推定部401、ルーティング処理部402から、ボトルネックとなる中継ノードからゲートウェイまでの伝送帯域の推定結果と、各中継ノードに接続されている端末数を取得し、これらの情報を基に各端末の伝送レートや中継ノードへの伝送帯域の割当てを決定する。
このように構成されたネットワーク制御装置41において、ボトルネック推定部412が本発明のボトルネック推定手段の一例であり、帯域推定部401が本発明の実効帯域測定手段の一例であり、帯域割当て決定部413が本発明の帯域割当て決定手段の一例である。
図21は、ネットワーク制御装置41の動作の一例を示すシーケンスチャートである。この動作は、ネットワーク制御装置41としての端末、中継ノード、及びゲートウェイの連携によって行われる、この動作には、ネットワーク制御装置41の特徴的な処理であるところの、ネットワークにおける伝送誤り又は輻輳レベルの分布からボトルネックを推定する処理が含まれる。
なお、図4に示す動作と同じ動作については同じ番号を付与して説明を省略する。
ステップS501からステップS503、及びステップS505からステップS506において、図4に示す動作と同じ動作によって、端末の中継ノードへの接続、ルーティングの構築、並びに端末数の通知及び記録が行われる。
中継ノードのルーティング処理部406は、ゲートウェイまでのルーティング構築時に収集したルーティング情報を端末の端末制御部410へ送信する。このルーティング情報には、従来のルーティングプロトコル情報及びルーティングテーブル情報とともに、リンクにおける伝送誤り率及び中継ノードでの輻輳レベルといった伝送品質に関わる情報が含まれる(S513)。
端末のボトルネック推定部412は、ゲートウェイのボトルネック推定部411と同様にして、次の処理を行う。
中継ノードのルーティング処理部406から受け取ったルーティング情報から、中継ノードからゲートウェイまでの伝送路上の各リンク間での伝送誤り率、又は中継ノード内での輻輳レベルを取得する(S514)。
取得した伝送誤り率又は輻輳レベルの分布から、伝送路上に存在するボトルネックとなる中継ノードMを推定する(S515)。
そして、ボトルネックと推定された中継ノードMをゲートウェイの帯域推定部401に通知する(S516)。
ステップS509では、図4に示す動作と同様にして、ボトルネックと推定された中継ノードMからゲートウェイまでの実効帯域が測定される。
ゲートウェイの帯域推定部401、及びルーティング処理部402は、送信端末の帯域割当て決定部413に対して、ボトルネックと推定される中継ノードMからゲートウェイまでの実効帯域と、各中継ノードに接続する送信端末の数を通知する(S517)。
端末の帯域割当て決定部413は、各中継ノードに接続している送信端末数とボトルネックとなる中継ノードからゲートウェイまでの伝送帯域の推定結果に基づいて各端末の伝送レートや中継ノードへの伝送帯域の割当てを決定する(S518)。
端末の帯域割当て決定部413は、他の端末に対して、新しく求められた伝送レートや中継ノードへの伝送帯域の割当てを通知する(S519)。
各端末の伝送レート制御部408は、自身で求めた伝送レートか他の端末の帯域割当て決定部413から通知された伝送レートに従って、自身のデータ送信に用いる伝送帯域を調整する(ステップ520)。
以上のように、本実施の形態のネットワーク制御装置によれば、ボトルネックとなる中継ノードの推定、及び各端末の伝送レートの割当てを行う機能をゲートウェイが持っていない既存のネットワークであっても、ゲートウェイを変更することなく、ゲートウェイから必要な情報を取得することによって、ボトルネックとなる中継ノードの位置を端末にて推定し、各端末の伝送帯域の割当てを行うことが可能となる。
<中継ノードでの伝送速度の変化によるボトルネック候補の絞込み>
実施の形態2のネットワーク制御装置41においても、前述と同様にして、中継ノードの伝送速度の変化に基づいてボトルネックとなる中継ノードの候補を絞り込んでもよい。
図22は、ネットワーク制御装置41において、中継ノードの伝送速度の変化に基づいてボトルネックとなる中継ノードの候補を絞り込む動作の一例を示すシーケンスチャートである。
ネットワーク制御装置41では、端末のボトルネック推定部412において推定されたボトルネックの候補の中から、伝送速度の変化に基づいてボトルネック候補を選別することによって、ボトルネック候補の絞込みが行われる。
実施の形態2における伝送速度の変化に基づいてボトルネック候補の選別は、図21のシーケンスチャートによって示される端末、中継ノード、ゲートウェイの連携動作のうち、ステップS516の伝送誤りの分布によるボトルネックの推定処理の後、ステップS509のゲートウェイからボトルネックの候補として推定された中継ノードまでの実効帯域の測定処理の前に行われる。
なお、図22における各ステップは図21及び図15における対応するステップの内容と同じであるため、同じ番号を付与して説明を省略する。
<効果>
図23(a)及び図23(b)は、本発明の効果を説明する図である。
本発明のネットワーク制御装置によれば、無線アドホックネットワークにおいて、端末間で公平性を確保した伝送帯域の割当て(図10(b))、及び無線アドホックネットワーク全体の伝送帯域の効率的な割当て(図13(b))を自動化することができる。
ネットワーク制御装置が、ネットワーク全体におけるボトルネックを特定し、端末や中継ノードの伝送帯域(通信速度)の設定を行うので、従来、無線アドホックネットワークを構成する場合に行われている、端末に割り当てる伝送帯域を手作業で設定するという煩雑な作業が不要となる(図23(a))。
この効果は、無線アドホックネットワークを構成する端末の台数が多いほど、顕著に現れる。
また、課題として先に説明したように、無線アドホックネットワークでは、様々な送信元からデータが送信されてくるため、輻輳が発生する場合や、無線環境の変化で、伝送路の変化により、確保できる帯域が、位置的、時間的に変化する場合がある。
例えば、一般に、ゲートウェイからの中継段数が多くなるにつれて、収容端末数や増大や無線の影響により、確保できる伝送帯域は減少する。また、送受信端末の数の変化、人や車などの障害物の追加・削除や中継ノードの設置位置が変更されることで、電波の干渉の影響などで確保できる伝送帯域は減少する。
このような様々な要因を加味して、ネットワーク全体における伝送帯域のボトルネックを特定し、各端末の伝送レートや各中継ノードの伝送帯域を事前に設計して、確保することは困難である。
これに対し、本発明のネットワーク制御装置によれば、送信端末からゲートウェイまでのルーティングの構築に用いられるルーティング情報を利用して、ネットワーク全体における伝送帯域のボトルネックを推定することで、伝送誤りによるパケットロスの発生や、途中の中継ノードへのトラフィックの流入による輻輳の発生によりルーティングが再構築されるたびに各端末の通信品質(QoS)の公平性や、効率的な伝送帯域の割当てを自動的に設定することができる(図23(b))。
ここで、リンクの伝送誤り率及び中継ノードの輻輳レベルは、無線アドホックネットワークのルーティングの構築に用いられるメトリックの一種であるがゆえに、常に最新のルーティングが反映された値としてネットワーク全体から収集することができる。
本発明のネットワーク制御装置は、そのような伝送誤り率又は輻輳レベルを基準としてボトルネックを推定するので、ネットワークの変化への追従性に優れると共に、大域性にも優れたボトルネック推定が可能となる。
そして、端末に分配する伝送帯域を決定するために、ボトルネックと推定された中継ノードについてのみゲートウェイとの実効帯域を測定するので、測定にかかる通信量や処理量を小さく抑えることができ、その結果、応答性に優れた伝送帯域の割当てが可能となる。
実施の形態で説明したように、実際に実効帯域を測定する中継ノードを、ボトルネックと推定された中継ノードの中から、伝送速度の変化に基づいて絞り込んだ場合には、実効帯域の測定にかかる通信量や処理量をさらに削減することができる。
<応用例1>
図24は本発明のネットワーク制御装置を監視システムとして利用した応用例を説明する図である。
本発明のネットワーク制御装置の監視システムとしての利用先としては、ビルやショッピングモール等の屋内の監視、及び商店街や公園等の屋外など、広いエリアを複数のカメラを用いてリアルタイムに撮影した利用を想定している。
ここでは、図24に示すように、通学路や商店街等での人物(子供、老人など)や異状箇所(不審者、事故)の見守りを目的とした監視システムを例に説明する。
監視システムを構成する中継ノードは、監視対象となるエリア内の看板、外灯、電柱や道路標識、信号機等に一定の間隔で取付けられており、互いに無線で通信を行っている。また、中継ノードの一部は有線網と接続しておりゲートウェイとしての機能を有している。
カメラは被写体(人物)が移動する経路上の壁や看板、外灯、電柱、道路標識、信号機等に設置されており、カメラは近くの中継ノードを介してゲートウェイに映像を配信している。
また、この応用例ではカメラは画像処理やセンサ等と連携して、自身の撮影映像内に被写体(人物)があるかないかを判定できるものとする。画像処理による被写体(人物)の有無を判定する他の方法として、被写体が存在しないときと存在するときの映像を比較する背景差分法や、予め検出した被写体の映像をテンプレート映像として用意しておき、撮影映像とテンプレート映像を比較するテンプレートマッチング法等が挙げられる。また、センサを用いた被写体の検出方法としては、RFIDタグを被写体に携帯させ、所定の監視範囲に被写体がいるかどうかを判定する方法などが挙げられる。
各カメラが撮影した映像は、無線アドホックネットワークから、ゲートウェイを介して有線網に送られ、監視オペレータのモニターに届けられる。
図25は、オペレータ側でネットワーク制御装置を制御するためのモニター装置の操作GUIの一例を示す図である。
操作GUIにはカメラから送信された映像を表示する表示画面1801以外に、帯域の再設定を行うための帯域再設定ボタン1802、またカメラ映像の切り換え方を監視システムが自動的に切り替えるか、オペレータが手動で切り替えるかを選択する操作パネル1803等が備えられている。
カメラの自動選択の方法としては画像処理やセンサなどを用いて被写体が移っているカメラだけを自動的に選択して映像を取得する方法や、一定の時間ごとに映像の取得先のカメラを切り換えて撮影場所を巡回させる方法などがあり、これらは操作パネル1803により自動カメラ選択の内容を選択できるようになっている。
無線アドホックネットワークを利用した監視システムにおいて、各端末からゲートウェイまでの伝送帯域を公平、又は効率的に割当てが必要な状況として、以下の状況が挙げられる。
(状況1)メンテナンスやシステムの拡張のためにカメラや中継ノードの増設、削除した場合。
(状況2)天候などの環境変化の影響によって電波伝搬特性が変化する場合。
(状況3)オペレータ側で映像を取得するカメラや監視方法を選択する場合。
(状況4)画像処理やセンサ等を用いて、被写体のいる場所や、異常が発生している場所を撮影しているカメラだけがオペレータに映像を配信する場合。
(状況5)各場所の映像を定期的に切り替えて表示するために、オペレータ側で映像を配信するカメラを切り替える場合。
本発明のネットワーク制御装置では、(状況1)から(状況5)のいずれの場合においてもカメラからの映像配信が切り替わることでルーティング情報が変更されることをトリガーとして、伝送路上のボトルネックが推定され各カメラ(端末)の伝送帯域の割当てが行われる。
また、ルーティング情報の変更以外にも、(状況1)、(状況2)の場合には、帯域再設定ボタン1802により、手動でオペレータからゲートウェイのボトルネック推定部411、又は端末のボトルネック推定部412に再設定の指示を出してもよい。
また、帯域再設定ボタン1802はオペレータ側の操作GUIだけでなく、端末や中継ノード、ゲートウェイに備えられており、これらを設置する作業者側で再設定を指示してもよい。これによりオペレータが必要なときに、各端末の伝送レートや中継ノードまでの伝送帯域の割当てを自動的に行うことができる。
(状況3)の場合には、オペレータが操作パネル1803を操作した情報を伝送路上のボトルネック推定のためのトリガー情報とし、ゲートウェイのボトルネック推定部411、又は端末のボトルネック推定部412に通知してもよい。これにより、オペレータ側で表示画面1801に表示するカメラや監視方法を選択されるたびに、確実にボトルネックの推定を行い、帯域再割当てを行うことが可能となる。
(状況4)の場合には、カメラの画像処理やセンサにより新たに被写体や異常が検出された情報を伝送路上のボトルネック推定のためのトリガー情報として、ゲートウェイのボトルネック推定部411、又は端末のボトルネック推定部412に通知してもよい。これによりルーティングに変更がない場合でも、被写体や異常に変化があった場合にボトルネックとなる中継ノードを推定し帯域再設定を行うことが可能となる。
(状況5)の場合には、予めカメラを切り替える順番やタイミングが特定できるため、カメラの切替えの予定に合わせて事前にオペレータ側からゲートウェイのボトルネック推定部411、又は端末のボトルネック推定部412にボトルネックを再度推定するトリガー情報を通知してもよい。これにより映像の切り替えに合わせて各端末の伝送レートの設定を行うことが可能となる。
以上のように、無線アドホックネットワークを用いた監視システムにおいて各カメラ(端末)の伝送レートや中継ノードまでの帯域割当ての再設定が必要な状況において、自動的に各送信端末の伝送レートが公平、又は効率的となるように割り当てることが可能となる。
なお、応用例1の送信端末としてはカメラ以外の端末であってもよい。例えば、マイクを利用した音声情報や人感センサや温度センサ等による人の検出状況や天候、気温などを通知しても良い。
また、モニター装置は送られてきた音声を再生するスピーカを備えていたり、センサ情報を表示画面1801に表示したりしてもよい。
<応用例2>
図26は本発明のネットワーク制御装置を車載カメラに利用した応用例を説明する図である。
各車両は、本発明のネットワーク制御装置と同等の機能を持つ車載カメラ(端末)1901、及び中継装置(中継ノード、ゲートウェイ)1902を搭載している。なお、車両に搭載されている車載カメラ1901と中継装置1902は有線、無線いずれの方法で接続されていてもよい。
また、車両のナビゲータには、他の車両から取得した車載カメラの位置と映像を表示する機能が備えられている。
一般的に、道路や信号待ちを行う交差点が変わるごとに、車両の並び順番や車両の間隔が変化するため、伝送路上のボトルネックとなる中継車両が変わり、その都度、各車載カメラの伝送レートの再設定が必要となる。
このような中継車両の入れ替わりに対して、本発明のネットワーク制御装置を登載した車両では、車両の並び順番や車両の間隔が変更されたことによるルーティング情報の更新に基づいて自動的に車載カメラ1901の伝送レートを自動的に再割当てが実行される。
図26の応用例では、交差点での信号待ちなど複数の車両が存在する状況において、前方の交差点の様子や後方から近づいてくる歩行者などの様子を、無線アドホックネットワークを利用して取得し、その映像と撮影された位置をナビゲータの画面に表示する例を示している。
図26の例では、信号待ちの先頭にいる車の映像と、自身の後方の映像を取得し、表示する例を示しているが、その他の車両(例えば前方で右折待ちで停車している車など)の車載カメラの映像を取得し表示できることは明らかである。
このように、本発明のネットワーク制御装置を用いることにより、中継ノード(中継装置)の入れ替わりが頻繁に発生する車々間通信においても、周囲の車両の状況変化に追従して、他の車両の車載カメラ1901の映像を公平又は効率的に取得できる伝送レートを自動的に再設定することができる。
なお、応用例2の送信端末はカメラ以外の端末であってもよい。例えばIP電話を使った音声情報や、車載センサ(障害物検出)を使った障害物情報などでもよい。
また、ナビゲータの表示インターフェイスは送られてきた音声情報を再生するスピーカを備えていたり、センサ情報をライブ映像1903や地図情報1904と一緒に表示したりしてもよい。
本発明は、ネットワーク制御装置、とりわけ、無線アドホックネットワークに接続される複数の端末に好適な伝送帯域を、トラフィックの送信前に割り当てるネットワーク制御装置として利用できる。
図1(a)は、一般的な無線アドホックネットワークの構成を一例として示す概念図、図1(b)は、本発明で対象とするネットワークの構成を示す概念図である。 図2(a)及び(b)は、本発明が解決しようとする課題を説明する図である。 図3は、実施の形態1におけるネットワーク制御装置の構成の一例を示す機能ブロック図である。 図4は、実施の形態1におけるネットワーク制御装置の動作の一例を示すシーケンスチャートである。 図5(a)は、無線ネットワークにおける特性値の一例を示す図、図5(b)は、ルート選択の一般的な考え方を説明する図である。 図6(a)は、伝送誤り率テーブルの一例を示す図、図6(b)は、輻輳レベルテーブルの一例を示す図である。 図7(a)は、ボトルネックが発生する状況の一例を説明する図、図7(b)は、伝送誤り率テーブルに記録されている伝送誤り率によって表されるネットワークの状況の一例を示す図である。 図8(a)は、ボトルネックが発生する状況の他の一例を説明する図、図8(b)は、輻輳レベルテーブルに記録されている輻輳レベルによって表されるネットワークの状況の一例を示す図である。 図9は、端末や中継ノードへ公平な伝送帯域を自動割当てする処理の一例を示すフローチャートである。 図10(a)及び(b)は、各カメラへ伝送帯域を公平に割り当てる具体例について説明する図である。 図11は、端末や中継ノードへ効率的な伝送帯域を自動割当てする処理の一例を示すフローチャートである。 図12は、ステップS1103を実行するためのプログラムコードの一例を示す図である。 図13(a)及び(b)は、各カメラへ伝送帯域を効率的に割り当てる具体例について説明する図である。 図14(a)及び(b)は、ルーティングの変更による伝送経路上での伝搬特性の劣化と、伝送速度の低下について説明する図である。 図15は、中継ノードの伝送速度の変化に基づいてボトルネックとなる中継ノードの候補を絞り込むための動作の一例を示すシーケンスチャートである。 図16は、伝送速度テーブルの一例を示す図である。 図17は、ボトルネック候補と推定する中継ノードを絞り込む処理の一例を示すフローチャートである。 図18は、伝送帯域の設定更新処理の一例を示すフローチャートである。 図19は、ルーティングの変更内容に基づいて通信帯域の設定を行う方法について説明する図である。 図20は、実施の形態2におけるネットワーク制御装置の構成の一例を示す機能ブロック図である。 図21は、実施の形態2におけるネットワーク制御装置の動作の一例を示すシーケンスチャートである。 図22は、ボトルネックと推定する中継ノードを絞り込む動作の一例を示すシーケンスチャートである。 図23(a)及び(b)は、本発明の効果を説明する図である。 図24は、本発明のネットワーク制御装置を監視システムとして利用した応用例を説明する図である。 図25は、モニター装置の操作GUIの一例を示す図である。 図26は、本発明のネットワーク制御装置を車載カメラに利用した応用例を説明する図である。
符号の説明
40、41 ネットワーク制御装置
401、405 帯域推定部
402、406 ルーティング処理部
403、413 帯域割当て決定部
404 ゲートウェイ制御部
407 中継ノード制御部
408 伝送レート制御部
409 データ生成部
410 端末制御部
411、412 ボトルネック推定部
1801 表示画面
1802 帯域再設定ボタン
1803 操作パネル
1901 車載カメラ
1902 中継装置
1903 ライブ映像
1904 地図情報
この構成によれば、アドホックネットワーク内のルーティングの構築に利用されるルーティング情報に含まれる伝送品質に関わる情報を用いてボトルネックを推定するので、ルーティングが再構築されるたびに、新たなボトルネックを推定し直すことができる。この伝送品質に関わる情報は、例えば各データリンクの伝送誤り率といったアドホックルーティングの構築に用いられるメトリックの一種であるがゆえに、ルーティングの構築結果が反映された最新の情報を、常にネットワーク全体から収集することができる。
本発明のネットワーク制御装置は、この伝送品質に関わる情報である各データリンクの伝送誤り率を用いてボトルネックを推定するので、アドホックネットワークの変化への追従性に優れると共に、大域性にも優れたボトルネック推定が可能となる。

Claims (10)

  1. 複数のデータリンクで接続された、端末装置と中継装置とゲートウェイにより構成されたアドホックネットワークにおいて、前記端末装置から前記ゲートウェイ装置まで前記中継装置を経由してデータを転送する前記アドホックネットワークを制御するネットワーク制御装置であって、
    前記アドホックネットワーク内のルーティングが、前記複数のデータリンクの伝送誤り率に関する情報を含むルーティング情報を利用して構築される場合に、
    前記ルーティング情報から、経路上の複数の中継装置間のデータリンクの接続関係に関する情報と、各データリンク上での前記伝送誤り率に関する情報とを取得するルーティング処理手段と、
    前記複数の中継装置のうち、送信するデータリンクの伝送誤り率が、前記データを受信するデータリンクの伝送誤り率よりも大きい中継装置を、ボトルネックの候補として推定するボトルネック推定手段と
    を備えるネットワーク制御装置。
  2. 前記ゲートウェイ装置によって前記各中継装置の伝送速度が収集される場合に、
    前記ボトルネック推定手段は、前記ルーティング情報が変更されたときに、前記伝送速度が変更前に比べて変更後に低下した中継装置を選別することによって、ボトルネックの候補として推定する中継装置を絞り込む
    請求項1に記載のネットワーク制御装置。
  3. 前記ボトルネック推定手段は、前記ゲートウェイ装置にて、前記ルーティング情報が変更されたことが検出されたときに、変更されたルーティング情報に関係する中継装置についてのみ、ボトルネックの候補となるか否かの推定をやり直す
    請求項1に記載のネットワーク制御装置。
  4. さらに、
    前記ボトルネックの候補と推定された中継装置から前記ゲートウェイ装置へデータを伝送できる通信帯域である実効帯域を測定する実効帯域測定手段と、
    前記測定された実効帯域を分割することにより前記中継装置がデータを中継する1以上の端末装置に割り当てる伝送帯域を決定する帯域割当て決定手段と
    を備える請求項1に記載のネットワーク制御装置。
  5. 前記帯域割当て決定手段は、前記ゲートウェイ装置にて、前記ルーティング情報が変更されたことが検出されたとき、及び前記アドホックネットワークに端末が追加及び削除されたことが検出されたときに、変更後のルーティング情報を用いて前記伝送帯域の決定をやり直す
    請求項4に記載のネットワーク制御装置。
  6. 前記実効帯域測定手段は、前記ゲートウェイに設けられ、
    前記帯域割当て決定手段は、前記端末装置に設けられ、
    前記帯域割当て決定手段は、前記ゲートウェイ装置から、前記実効帯域測定手段によって測定された実効帯域を取得し、前記取得された実効帯域を分割することにより、前記端末装置と共に同じ中継装置でデータを中継される1以上の端末装置に割り当てる伝送帯域を決定する
    請求項5に記載のネットワーク制御装置。
  7. 複数の端末装置、複数の中継装置、及び1つのゲートウェイ装置が複数のデータリンクで接続されてなり、前記各端末装置から前記ゲートウェイ装置まで前記中継装置を経由してデータを転送するアドホックネットワークを制御する前記ゲートウェイ装置であって、
    前記アドホックネットワーク内のルーティングは、前記アドホックネットワーク内の局所的な伝送誤り率に関わる情報を含むルーティング情報を利用して構築され、
    前記ルーティングを構築する際に利用されたルーティング情報から、経路上の複数の中継装置間のデータリンクの接続関係と、各データリンク上での前記伝送誤り率とに関わる情報を取得するルーティング処理手段と、
    前記複数の中継装置のうち、前記データを送信するデータリンクの伝送誤り率が、前記データを受信するデータリンクの伝送誤り率よりも大きい中継装置を、ボトルネックの候補として推定するボトルネック推定手段と
    を備えるゲートウェイ装置。
  8. 複数の端末装置、複数の中継装置、及び1つのゲートウェイ装置が複数のデータリンクで接続されてなり、前記各端末装置から前記ゲートウェイ装置まで前記中継装置を経由してデータを転送するアドホックネットワークを制御する制御方法であって、
    前記アドホックネットワーク内のルーティングは、前記アドホックネットワーク内の局所的な伝送誤り率に関わる情報を含むルーティング情報を利用して構築され、
    前記ルーティングを構築する際に利用されたルーティング情報から、経路上の複数の中継装置間のデータリンクの接続関係と、各データリンク上での前記伝送誤り率とに関わる情報を取得するルーティング処理ステップと、
    前記複数の中継装置のうち、前記データを送信するデータリンクの伝送誤り率が、前記データを受信するデータリンクの伝送誤り率よりも大きい中継装置を、ボトルネックの候補として推定するボトルネック推定ステップと
    を含む制御方法。
  9. 複数の端末装置、複数の中継装置、及び1つのゲートウェイ装置が複数のデータリンクで接続されてなり、前記各端末装置から前記ゲートウェイ装置まで前記中継装置を経由してデータを転送するアドホックネットワークを制御するためのコンピュータプログラムであって、
    前記アドホックネットワーク内のルーティングは、前記アドホックネットワーク内の局所的な伝送誤り率に関わる情報を含むルーティング情報を利用して構築され、
    前記ルーティングを構築する際に利用されたルーティング情報から、経路上の複数の中継装置間のデータリンクの接続関係と、各データリンク上での前記伝送誤り率とに関わる情報を取得するルーティング処理ステップと、
    前記複数の中継装置のうち、前記データを送信するデータリンクの伝送誤り率が、前記データを受信するデータリンクの伝送誤り率よりも大きい中継装置を、ボトルネックの候補として推定するボトルネック推定ステップと
    をコンピュータに実行させるプログラム。
  10. 複数のデータリンクで接続された、端末装置と中継装置とゲートウェイにより構成されたアドホックネットワークにおいて、前記端末装置から前記ゲートウェイ装置まで前記中継装置を経由してデータを転送する前記アドホックネットワークを制御するネットワーク制御装置であって、
    前記アドホックネットワーク内のルーティングが、前記中継装置の輻輳レベルに関する情報を含むルーティング情報を利用して構築される場合に、
    前記ルーティング情報から、経路上の複数の中継装置間のデータリンクの接続関係に関する情報と、前記複数の中継装置での輻輳レベルに関する情報とを取得するルーティング処理手段と、
    前記複数の中継装置のうち、データリンクで直接結ばれている他のどの中継装置の輻輳レベルよりも自身の輻輳レベルが大きい中継装置を、ボトルネックの候補として推定するボトルネック推定手段と
    を備えるネットワーク制御装置。
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