以下、図を参照しながら、この発明の実施の一形態について説明する。図1は、ネットワークシステムの構成例を示す図である。このネットワークシステム10は、ネットワーク管理装置20、表示装置30、有線ネットワーク40、ゲートウェイ50と例えば複数の無線通信装置60からなるアドホックネットワーク70で構成されている。
ネットワーク管理装置20は、アドホックネットワーク70に関する種々の情報等をユーザに提供するものである。ネットワーク管理装置20は、有線ネットワーク40を介してゲートウェイ50や無線通信装置60から情報を取得して、この取得した情報に基づきアドホックネットワーク70のネットワーク構成図等を生成して、このネットワーク構成図等を示す表示信号を生成して表示装置30に供給する。表示装置30は、ネットワーク管理装置からの表示信号に基づき画像表示を行う。
ゲートウェイ50は、有線ネットワーク40とアドホックネットワーク70間の通信を可能とするものである。無線通信装置60は、他の無線通信装置やゲートウェイと無線通信を行う機能、一方の無線通信装置から伝送されたデータを他方の無線通信装置に伝送する中継機能を有するものである。なお、ゲートウェイ50は無線通信装置60に設けられているものとしてもよい。
図2は、ネットワーク管理装置20の構成を例示している。ネットワーク管理装置20は、有線ネットワークインタフェース部21、表示信号生成部22、および操作部23とネットワーク管理制御部24を備えている。
有線ネットワークインタフェース部21は、ネットワーク管理装置20を有線ネットワーク40と接続するためのインタフェースである。
表示信号生成部22は、有線ネットワークインタフェース部21を介して取得した画像データやネットワーク管理制御部24から供給された画像データに基づき、表示装置30に対応したフォーマットの表示信号を生成して表示装置30に供給する。例えば、後述するように監視カメラ等の撮像装置に無線通信機能を設けて無線通信装置60として監視システムを構成する場合、表示信号生成部22は、有線ネットワークインタフェース部21を介して取得した撮像画像の画像データに基づき表示信号を生成して表示装置30に供給する。また、表示信号生成部22は、ネットワーク管理制御部24から供給されたネットワーク構成図の画像データに基づき表示信号を生成して表示装置30に供給する。なお、監視システムを構成する場合、ネットワーク管理装置20と表示装置30で監視装置が構成される。
操作部23は、操作キーやポインティングデバイス等を用いて構成されており、ユーザ操作に応じた操作信号を生成してネットワーク管理制御部24に供給する。
ネットワーク管理制御部24は、情報取得部241と表示情報生成部242を有している。情報取得部241は、アドホックモードで動作している複数の無線通信装置やゲートウェイから経路情報とリンク品質情報を取得する。例えば、後述するように有線ネットワークインタフェース部21や有線ネットワーク40を介して、ゲートウェイ50に対して管理情報リストの要求を行うことで、経路情報とリンク品質情報を取得する。表示情報生成部242は、取得した経路情報から無線端末間のリンク状態を示すネットワーク構成図を生成する。さらに、表示情報生成部242は、確立されているリンクを示す表示の属性をリンク品質情報に応じて変更する。例えば、後述するように確立されているリンクを線などで示し、線の属性をリンク品質に応じて変更する。表示情報生成部242は、リンク品質情報に応じて表示の属性が変更されているネットワーク構成図を示す画像データを、表示信号生成部22に供給する。さらに、ネットワーク管理制御部24は、操作部23からの操作信号に基づき管理情報の取得や表示情報の生成制御を行い、ユーザが所望する情報等を表示装置30に表示させる。
なお、ネットワーク管理制御部24は、ソフトウェアで実現するものとしてもよい。この場合、ネットワーク管理制御部24は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)等で構成するものとする。CPUは、ROMやRAMに記憶されているプログラムを実行して、アドホックモードで動作している複数の無線端末から経路情報とリンク品質情報を取得する処理や、取得した経路情報から無線端末間のリンク状態を示すネットワーク構成図を生成して、確立されているリンクを示す表示の属性を前記リンク品質情報に応じて変更する処理を行う。さらに、操作部23からの操作信号に基づき、ユーザが所望する情報等を表示装置30に表示させる処理等を行う。
図3は、ゲートウェイ50の構成を例示している。ゲートウェイ50は、有線ネットワークインタフェース部51、有線/無線ブリッジ部52、無線ネットワークインタフェース部53、無線通信設定データ保持部54、およびゲートウェイ制御部55を備えている。
有線ネットワークインタフェース部51は、ゲートウェイ50を有線ネットワーク40と接続するためのインタフェースである。有線/無線ブリッジ部52は、有線ネットワーク40とアドホックネットワーク70のプロトコル変換等を行うものである。無線ネットワークインタフェース部53は、ゲートウェイ50をアドホックネットワーク70に接続するためのインタフェースであり、アンテナ531や無線信号の送受信処理を行う通信部532等で構成されている。なお、アンテナや通信部は、1つあるいは複数設けるものとしてもよい。
無線通信設定データ保持部54は、無線通信を行うための種々のデータを保持するものである。無線通信設定データ保持部54は、例えば、ゲートウェイ50のMACアドレスやセキュリティ設定データ等を保持する。また、無線通信設定データ保持部54は、経路テーブルやリンク品質情報を保持する。経路テーブルは、アドホックネットワーク70において宛先の無線端末装置にデータを到達させるための経路の一覧を含むテーブルである。リンク品質情報は、例えばS/N比やパケット(フレーム)ロス比、パケット(フレーム)遅延時間等を示す情報である。さらに、無線通信設定データ保持部54は、アドホックネットワーク70に関する管理情報を保持する。この管理情報は、固定したものではなくアドホックネットワーク70おけるリンクの変更等に応じて更新されるものである。なお、管理情報の詳細については後述する。
ゲートウェイ制御部55は、ゲートウェイ50の全体の動作制御を行うものであり、有線ネットワーク40に接続された装置とアドホックネットワーク70を構成する装置間で通信を可能とする。また、ゲートウェイ制御部55は、無線通信設定データ保持部54に保持されている管理情報をネットワーク管理装置20に供給する処理も行う。
図4は、無線通信装置60の構成を例示したものである。なお、図4では、例えば監視カメラ等の撮像装置に無線通信機能を設けて無線通信装置60を構成した場合を示している。
無線通信装置60は、無線ネットワークインタフェース部61と、無線通信設定データ保持部62と、撮像部63および無線通信装置制御部64を備えており、バス65を介して各部が接続されている。
無線ネットワークインタフェース部61は、無線通信装置60をアドホックネットワーク70に接続するためのインタフェースであり、アンテナ611や無線信号の送受信処理を行う通信部612で構成されている。なお、アンテナや通信部は、1つあるいは複数設けるものとしてもよい。
無線通信設定データ保持部62は、無線通信を行うための種々のデータを保持するものである。無線通信設定データ保持部62は、例えば無線通信装置60のMACアドレスやセキュリティ設定データ等を保持する。また、無線通信設定データ保持部62は、経路テーブルやリンク品質情報を保持する。経路テーブルは、上述のようにアドホックネットワーク70においてゲートウェイ50や他の無線端末装置にデータを到達させるための経路の一覧を含むテーブルである。リンク品質情報は、上述のように例えばS/N比等を示す情報である。
撮像部63は、レンズや撮像素子およびカメラ信号処理部等で構成されており、動画像あるいは静止画像の撮像画像データを生成する。
無線通信装置制御部64は、無線通信装置60の全体の制御を行うものである。例えば、撮像部63で生成された撮像画像データを例えばゲートウェイ50等に送信する処理を行う。また、ゲートウェイ50等から撮像動作制御信号が供給されたときには、撮像動作制御信号に基づき撮像部63の撮像動作を制御する。さらに、無線通信装置制御部64は、無線ネットワークインタフェース部61での受信結果に基づきリンク品質情報の生成、無線通信設定データ保持部62に保持している情報の更新や他の無線通信装置等への情報の送信等の処理も行う。
図5は、無線通信装置60におけるソフトウェアの階層構造を示している。無線通信装置60は、デバイスドライバ60s1、ネットワークインタフェース60s2、アプリケーション60s3、ルーティングデーモン60s4を備えている。デバイスドライバ60s1は、無線通信を行う通信部612等のハードウェアを駆動するためのソフトウェアである。ネットワークインタフェース60s2は、無線通信装置60において、無線通信を行うための処理やアプリケーションで行われる処理の管理、メモリの管理等を行うためのソフトウェアである。アプリケーション60s3は、無線通信装置60が例えば撮像装置に無線通信機能を設けたものであるとき、撮像装置で所望の撮像動作等を行わせるためのソフトウェアである。ルーティングデーモン60s4は、無線通信において用いられる経路テーブルの生成や更新等の処理を行うためのソフトウェアである。
無線通信装置60は、無線通信を行い隣接する無線通信装置を判別して、判別した無線通信装置とのリンク品質等に応じて経路テーブルの更新等を行う。このときの処理の流れを図5の破線で示している。また、無線通信装置60は、例えば静止画像や動画像の画像データを送信するとき、所望の宛先に画像データを正しく伝送するため、経路テーブルに基づき隣接する無線通信装置を指定して画像データを無線信号として送信する。このときの処理の流れを図5の実線で示している。さらに、無線通信装置60は、受信したデータの宛先が他の装置であることを示しているとき、経路テーブルからデータの宛先に対応する経路を判別して、この経路に対応した隣接する無線通信装置を指定してデータを無線信号として送信する。このときの処理の流れを図5の一点鎖線で示している。
なお、無線通信装置60は、図4や図5に示すように撮像装置に無線通信機能を設けたものに限られるものではない。例えば、情報家電(テレビジョン受像機、冷蔵庫、空調機、電子レンジ、電話機、ビデオレコーダ等)、携帯情報端末(携帯型のコンピュータ、携帯電話機、携帯型ゲーム機、電子書籍等)、表示装置、印刷装置、ゲーム機器、汎用コンピュータ、携帯音楽プレーヤ等を無線通信装置60として用いるものとしてもよい。また、無線通信装置60に上述のゲートウェイ50の機能を設けるものとしてもよい。以下、ゲートウェイ50と無線通信装置60を総称して無線端末と定義して説明を行う。
次に、アドホックネットワークシステムの動作について説明する。アドホックネットワークシステムでは、ルーティングプロトコルによって、どの無線端末を経由してデータの伝送を行うかのルート構築が行われる。
ルーティングプロトコルでは、無線端末間でメッセージの交換を行い、経路テーブルの生成が行われる。例えばルーティングプロトコルであるOLSR(Optimized Link State Routing)プロトコルにおいて、無線端末は自己のアドレスを含むHELLOメッセージとよばれるパケットをブロードキャストして、他の無線端末からの応答に基づき隣接する無線端末を検出する。なお、応答には、応答を行った無線端末のアドレスを含めるものとする。この隣接する無線端末の検出を各無線端末が行うことで、隣接する無線端末のアドレスを把握できる。また、HELLOメッセージに隣接する無線端末の情報を含めることで、隣接する無線端末の先にはどのような無線端末があるか明らかとなり、無線端末はこれらの情報を保持する。さらに、OLSRプロトコルでは、ネットワーク全体にフラッディングされるTCメッセージが用いられている。TCメッセージは、ネットワーク全体のトポロジーを各無線端末に通知するためのものである。
各無線端末は、これらのメッセージの送受信を行い、受信したメッセージの情報に基づき経路テーブルを生成して保持する。また、このようなメッセージの送受信を繰り返すことで、無線端末の移動等が生じたときでも、無線端末は経路テーブルを正しい状態に更新できる。さらに、メッセージにリンク品質情報を含めることで、無線端末は最適な経路選択を行うことができる。
次に、経路計算のアルゴリズムについて簡単に説明する。なお、アドホックネットワーク70は、図6に示すように例えば4つの無線端末60−a,60−b,60−c,60−d(例えばゲートウェイ50)を用いて構成されており、無線端末60−aをノードA(Node A)、無線端末60−b,60−c,60−dをそれぞれノードB(Node B),ノードC(Node C),ノードD(Node D)として以下の説明を行う。なお、ノードAは、上述のようにメッセージの送受信を行うことで得られた隣接するノードに関する隣接ノード情報を保持しているものとする。
図7は、ノードAが保持している隣接ノード情報を例示している。例えばノードAが保持する隣接ノード情報は、隣接ノード(Neighbor)がノードB,ノードCであることを示している。また、隣接ノード情報は、リンク品質(Link Quality)として、例えばS/N比、パケット(フレーム)ロス率(以下単に「ロス率:loss」という)、遅延時間を示している。具体的には、ノードBと確立されたリンクのリンク品質は、S/N比が「60」、ロス率が「5%」、遅延時間が「20ms」であり、ノードCと確立されたリンクのリンク品質は、S/N比が「40」、ロス率が「10%」、遅延時間が「100ms」であることを示している。さらに、隣接ノード情報は、隣接ノードにおける到達性情報(Reachability)を示している。具体的にはノードBからノードDとノードA、およびノードCからノードDとノードAに到達させることが可能であり、それぞれのホップ数が「1」であることを示している。
図8は、経路決定のアルゴリズムを例示したフローチャートである。例えばノードAは、隣接ノード情報を用いた経路決定を開始してステップST1に進むと、ノードAは、例えばノードDを宛先とした経路判別を行う。図9は、ノードDを宛先とした経路判別のアルゴリズムを例示したフローチャートである。ステップST11でノードAは、隣接するノードからノードDを宛先とした到達性情報を有するノードを判別する。例えば、図7に示す隣接ノード情報は、ノードBおよびノードCでノードDへの到達が可能であることを示している。したがって、ノードAはノードBとノードCを判別してステップST12に進む。
ステップST12でノードAは、ホップ数が最小のノードは1つであるか否かを判別する。ノードAは、ステップST11で判別したノードにおいて、ホップ数が最小となるノードが1つであるか否かを判別して、ホップ数が最小となるノードが複数であるときはステップST13に進み、1つであるときはステップST14に進む。ノードAは、ステップST11で上述のようにノードBとノードCを判別したとき、ノードDまでのホップ数が隣接ノード情報によっていずれも「1」であることが示されているのでステップST13に進む。
ステップST13でノードAは、ホップ数が最小のノードからリンク品質が良好な1つのノードを選択してステップST14に進む。ノードAは、ノードBとノードCのリンク品質が図7に示すものであるとき、リンク品質が良好であるノードBを選択してステップST14に進む。
ステップST14でノードAは経路を確定する。すなわち、ノードAは、ホップ数が最小となるノードが1つであるときは、このノードを用いた経路に決定する。また、ホップ数が最小となるノードが複数であるときは、リンク品質が最も良好であるノードを用いた経路に決定する。すなわち、ノードAは、宛先がノードDであるときノードBを経路とする。このようにして、ノードDを宛先とした経路判別が完了すると、図8のステップST2にすすむ。
ステップST2でノードAは、ノードCを宛先とした経路判別を行う。ここで、ノードAは図9と同様な処理を行うことで、ノードCを宛先とした経路判別を行う。すなわち、ノードAは、隣接ノード情報がノードCとのリンクの確立を示しているので、ノードCを経路としてステップST3に進む。
ステップST3でノードAは、ノードBを宛先とした経路判別を行う。ここで、ノードAは図9と同様な処理を行うことで、ノードBを宛先とした経路判別を行う。すなわち、ノードAは、隣接ノード情報がノードBとのリンクの確立を示しているので、ノードBを経路としてステップST4に進む。
ステップST4でノードAは、経路テーブルの生成または更新を行う。ノードAは、ステップST1からステップST3の処理よって決定された経路を示す経路テーブルを生成する。また、ノードAは、経路テーブルを保持しているとき、決定された経路となるように経路テーブルを更新する。
このように経路決定を行うものとすると、ノードAは図10に示す経路テーブルを生成することができる。例えば宛先としてノードB,ノードC,ノードDが示されており、宛先がノードBであるときは次ホップとしてノードB、宛先がノードCであるときは次ホップとしてノードC、宛先がノードDであるときは次ホップとしてノードDを用いることが示されている。また、宛先がノードDであるときはホップ数が「2」であることが示されている。なお、他のノードB,C,Dにおいても隣接するノードに関する隣接ノード情報を保持するものとして、上述のような処理を行うことで経路テーブルの生成や更新を行うことができる。
次に、撮像画像の画像データを伝送する場合、例えば撮像画像を表示装置30で表示する場合、ノードは、画像データをパケット化して送信元と宛先のアドレス等を付加して伝送データを生成する。また、ノードは、経路テーブルに基づき宛先に対応した次ホップのノードを判別する。さらに、ノードは、伝送データを無線信号として、判別したノードを無線信号の送信先として送信する。また、ノードは、受信した無線信号の送信先が自己を示しているとき、この無線信号を受信して伝送データの処理を行う。
さらに、ノードは、受信した無線信号の送信先が自己を示しており、伝送データの宛先を示すアドレスが自己のアドレスと異なるとき中継処理を行う。すなわち、ノードは、受信した伝送データの宛先が経路テーブルに登録されているとき、経路テーブルに基づいて判別した次ホップのノードに伝送データを転送する。なお、受信した伝送データの宛先が経路テーブルに示されていないとき、受信した伝送データを破棄する。
このように、データの送受信や中継を行うことで、送信元のノードから宛先のノードに画像データを正しく伝送できる。また、同様にして種々のデータを送信元のノードから宛先のノードに正しく伝送できる。
このようなアドホックネットワークの管理を行うネットワーク管理装置は、ゲートウェイを介して各ノードからネットワーク管理に必要とされる管理情報を取得する。
図11は、管理情報取得方法を説明するための図である。ゲートウェイとして動作している例えばノードDは、Queryメッセージを送受信して、ノードA,B,Cから供給されたQueryメッセージによって示された管理情報を例えば管理情報リストとして保持する。また、管理情報リストにはノードDの管理情報を含めるものとする。
図12は、ノードAの管理情報を例示した図である。管理情報は、「Host Info.」、「Network Info.」、「Wireless Info.」、「Role」、「Neighbor List」、「Routing」の情報で構成されている。
管理情報において、「Host Info.」は、ホストの名称や管理情報を生成したときの時刻を示すものである。「Network Info.」は、ノードAのIPアドレスやサブネットマスクおよびデフォルトゲートウェイのIPアドレスを示すものである。「Wireless Info.」は、無線通信で用いる周波数を示している。「Role」は、アドホックネットワークシステムにおける役割を示すものであり、図12ではノードであることが示されている。
「Neighbor List」は、隣接ノードおよび隣接ノードとのリンク品質情報を示すものである。なお、図12に示す「Neighbor List」は、ノードAに対する隣接ノードがノードB,Cであることを示している。また、図12に示す「Neighbor List」は、ノードB,CのMAC(Media Access Control)アドレス、ノードB,Cとリンク品質情報例えばノードB,Cと無線通信を行ったときのS/N比やロス率、遅延時間を示している。
「Routing」は、経路テーブルの情報を示すものである。なお、図12に示す「Routing」は、宛先がノードBであるとき、隣接ノードとしてノードBを用いること、および宛先までのホップ数が「1」であることを示している。また、図12に示す「Routing」は、宛先がノードCであるとき、隣接ノードとしてノードCを用いること、および宛先までのホップ数が「1」であることを示している。さらに、図12に示す「Routing」は、宛先がノードDであるとき、隣接ノードとしてノードBを用いること、および宛先までのホップ数が「2」であることを示している。また、図12に示す「Routing」では、ノードB,Cとのリンクが送受信可能な状態であることも示している。
ノードDは、図12に示すような管理情報をノードBやノードCからも取得して、さらに自己の管理情報も用いて管理情報リストを生成する。
ネットワーク管理装置20は、ネットワーク管理を行う際に、ゲートウェイとして動作しているノードDに対して管理情報リストの要求を行う。また、ノードDは、ネットワーク管理装置20から管理情報リストの要求がなされたとき、保持している管理情報リストNILをネットワーク管理装置20に供給する。
このような処理を行うことで、ネットワーク管理装置20は、アドホックネットワークシステムを構成する各ノードから管理情報を取得することができる。なお、ネットワーク管理装置20は、各ノードから経路テーブルやリンク品質等を示す管理情報を取得できればよく、経路テーブルや管理情報リストの生成方法は、上述の方法に限られるものではない。例えばAODV(Ad-hoc On-Demand Distance Vector)等のプロトコルを用いて経路テーブルの生成を行うものとしてもよい。
次に、ネットワーク管理装置20の動作について説明する。管理情報リストには、上述のように各ノードで保持している経路テーブルおよびリンク品質の情報が含まれている。このため、ネットワーク管理装置20は、ノード間でどのようにリンクが確立されており、各リンクはどのようなリンク品質であるかを判別することが可能である。したがって、ネットワーク管理装置20は、ノードDから取得した管理情報リストに基づき、無線端末間のリンク状態を示すネットワーク構成図を生成する。また、ネットワーク管理装置20は、リンク品質情報に応じて表示の属性を変更する処理を行うことで、リンク品質を識別可能とする。さらに、ネットワーク管理装置20は、処理後のネットワーク構成図を示す表示信号を表示装置30に供給して、ネットワーク構成図を表示させる。また、ネットワーク管理装置20は、ノードD等を介して所望のノードから供給された画像データを表示装置30に供給することで、所望の撮像装置で撮像された画像を表示装置30で表示させる。また、ネットワーク管理装置20は、所望のノードから供給された画像信号を処理して表示信号を生成することで、複数の撮像装置で撮像された画像を表示装置30で1画面表示させるものとしたり、種々の情報等とともに表示させる処理等を行う。
ネットワーク構成図は、アドホックネットワーク70を構成する各ノードと、ノード間でどのようにリンクが確立されているかを一覧表示したものである。なお、ネットワーク管理装置20は、管理情報リストに基づき各ノードのリンク状態を検出して、ネットワーク構成図における各ノードの表示位置を決定する。また、ネットワーク管理装置20は、各ノードが位置情報を有している場合、この位置情報を利用することで、ネットワーク構成図における各ノードの表示位置を、実際の位置に対応させて表示することができる。ここで、位置情報は測位システム例えばGPS(Global Positioning System)等を利用して取得するものとしてもよく、ノード間の通信結果からノード間の距離を推定して、この距離を利用して各ノードの位置を推定するものとしてもよい。
ネットワーク管理装置20は、ネットワーク構成図において、ノード間のリンク品質の違いを容易に識別できるようにリンク表示を行う。リンク表示では、ノード間で確立されたリンクを線で示すものとして、リンク品質に応じて線の属性を変更する。属性の変更としては、例えば線種の変更、線色の変更、線幅の変更等をあげることができる。
図13は、ネットワーク構成図におけるリンク品質表示方法を説明するための図であり、リンク品質に応じて線種を変更する場合を示している。なお、図13では説明を簡単とするためアドホックネットワークの一部、例えばノードAとノードBおよびノードCのみを示している。また、図13の(A)は、ノードAとノードBおよびノードAとノードCのリンクが確立されている場合のリンク品質を示しており、図13の(B)は、ネットワーク管理装置20によって表示装置30に表示されるネットワーク構成図を示している。
ネットワーク管理装置20は、ノード間のリンク品質例えばロス率が予め設定されている閾値未満であるときは安定リンクであり閾値以上であるときは不安定リンクと判別する。また、ネットワーク管理装置20は、安定リンクを実線、不安定リンクを破線で示すものとする。
ここで、ノードAとノードB間のロス率が「1%」、ノードAとノードC間のロス率が「50%」であり、閾値が「1%」よりも大きく「50%」以下である場合、ネットワーク管理装置20は、ロス率が閾値未満であるノードAとノードB間のリンクを安定リンク(stable link)、ロス率が閾値以上であるノードAとノードC間のリンクを不安定リンク(unstable link)と判別する。したがって、ロス率が閾値以下であるネットワーク管理装置20は、ネットワーク構成図において、ノードAとノードBを実線で結び、ノードAとノードCを破線で結ぶ。このようにすれば、ユーザは、ネットワーク構成図おいて、ノード間がどのような線種で結ばれているかによって、安定リンクと不安定リンクを容易に識別できる。なお、図13では、2つの線種を用いるものとしたが、ロス率に対する閾値を複数設けることでリンク品質を3以上のクラスに分類して、クラス毎に異なる線種を用いるものとしてもよい。例えば、ロス率の悪化に伴い破線の間隔を広くしたり、一点鎖線や二点鎖線等の線を用いるものとしてもよい。
図14は、リンク品質に応じて線色を変更する場合を示した図である。なお、図14では、図13と同様にノードAとノードBおよびノードCのみを示している。また、図14の(A)は、ノードAとノードBおよびノードAとノードCのリンクが確立されている場合のリンク品質を示しており、図14の(B)は、ネットワーク管理装置20で表示されるネットワーク構成図を示している。
ネットワーク管理装置20は、ノード間のリンク品質例えば遅延時間が予め設定されている閾値未満であるときは良好なリンクであり閾値以上であるときは不良なリンクと判別する。また、ネットワーク管理装置20は、例えば良好なリンクを青色(CB)、不良なリンクを赤色(CR)で示すものとする。
ここで、ノードAとノードB間の遅延時間が「10ms」、ノードAとノードC間の遅延時間が「100ms」であり、閾値が「10ms」よりも大きく「100ms」以下である場合、ネットワーク管理装置20は、遅延時間が閾値未満であるノードAとノードB間のリンクを良好なリンク(Good Link)、遅延時間が閾値以上であるノードAとノードC間のリンクを不良なリンク(Bad Link)と判別する。したがって、ネットワーク管理装置20は、ネットワーク構成図において、ノードAとノードBを結ぶ線を青色(CB)、ノードAとノードCを結ぶ線を赤色(CR)で表示する。このようにすれば、ユーザは、ネットワーク構成図おいて、ノード間がどのような色の線で結ばれているによって、良好なリンクと不良なリンクを容易に識別できる。なお、図14では、2つの色を用いるものとしたが、遅延時間に対する閾値を複数設けることでリンク品質を3以上のクラスに分類して、クラス毎に異なる色を用いるものとしてもよい。例えば、緑色や黄色等を用いるものとしてもよい。また、ネットワーク管理装置20は、色の違いとして色相や彩度、明度を変更するものとしてもよい。
図15は、リンク品質に応じて線幅を変更する場合を示した図である。なお、図15では、図13と同様にノードAとノードBおよびノードCのみを示している。また、図15の(A)は、ノードAとノードBおよびノードAとノードCのリンクが確立されている場合のリンク品質を示しており、図15の(B)は、ネットワーク管理装置20で表示されるネットワーク構成図を示している。
ネットワーク管理装置20は、ノード間のリンク品質例えばS/N比が予め設定されている閾値以上であるときは太いリンク(Bold)であり閾値未満であるときは細いリンク(Thin)と判別する。また、ネットワーク管理装置20は、例えば太いリンクの線幅を広く、細いリンクの線幅を狭くする。
ここで、ノードAとノードB間のS/N比が「30」、ノードAとノードC間のS/N比が「10」であり、閾値が「10」よりも大きく「30」以下である場合、ネットワーク管理装置20は、S/N比が閾値以上であるノードAとノードB間のリンクを太いリンク(Bold)、S/N比が閾値未満であるノードAとノードC間のリンクを細いリンク(Thin)と判別する。したがって、ネットワーク管理装置20は、ネットワーク構成図において、ノードAとノードBを結ぶ線の線幅を広く、ノードAとノードCを結ぶ線の線幅を、ノードAとノードBを結ぶ線よりも狭く表示する。このようにすれば、ユーザは、ネットワーク構成図おいて、ノード間がどのような線幅で結ばれているによって、バンド幅が高いリンクであるか低いリンクであるかを容易に識別できる。なお、図15では、2つの線幅を用いるものとしたが、S/N比に対する閾値を複数設けることでリンク品質を3以上のクラスに分類して、クラス毎に異なる線幅としてもよい。例えば、S/N比の低下に伴い線幅を順次狭くするものとしてもよい。
ところで、ノード間で無線通信を行う際に、一方のノードから他方のノードにデータを送信する場合と、他方のノードから一方のノードに送信されたデータを受信する場合でリンク品質が異なる場合がある。例えばノード間で無線信号の送信や受信を行う送受信部で性能が異なる場合、一方のノードの受信性能が他方のノードの受信性能よりも劣っていると、一方のノードから他方のノードにデータを送信した場合に比べて、他方のノードから一方のノードに送信されたデータを受信するときのリンク品質が悪化したものとなってしまう場合が生じる。
そこで、ネットワーク管理装置20は、ノード間のリンク品質を2つの線で示すものとしてもよい。この場合、2つの線は、いずれの線がいずれのデータ伝送方向に対応するものであるかを識別可能とする。例えば、矢印の線としてデータ伝送方向を明示する。
図16は、ノード間のリンク品質をデータ伝送方向毎に示す場合の図である。なお、図16では、ノードAとノードBのみを示している。また、図16の(A)は、ノードAとノードBのリンク品質を示しており、図16の(B)は、ネットワーク管理装置20で表示されるネットワーク構成図を示している。
ここで、ノードAからノードBにデータを伝送したときのロス率が「1%」、ノードBからノードAにデータを伝送したときのロス率が「50%」であり、閾値が「1%」よりも大きく「50%」以下である場合、ネットワーク管理装置20は、ノードAからノードBにデータを伝送する際のリンクを安定リンク、ノードBからノードAにデータを伝送する際のリンクを不安定リンクと判別する。したがって、ネットワーク管理装置20は、ネットワーク構成図において、ノードAとノードB間は、矢印の向きがノードAからノードBの方向された実線と、矢印の向きがノードBからノードAの方向された破線を用いてリンクを表示する。このようにすれば、ユーザは、ネットワーク構成図おいて、ノード間がどのような線種で結ばれているによって、データ伝送方向毎に、安定リンクと不安定リンクを容易に識別できる。
また、ネットワーク管理装置20は、操作部23と表示装置30によってGUIを構成して、ユーザがリンクを選択したとき、選択したリンクのリンク品質情報を表示するようにしてもよい。
図17は、ユーザが選択したリンクのリンク品質情報を表示する場合を示した図である。なお、図17では、ノードAとノードBのみを示している。また、図17の(A)は、ノードAとノードBのリンク品質を示しており、図17の(B)は、ネットワーク管理装置20で表示されるネットワーク構成図を示している。なお、ノードAからノードBにデータを伝送したときのS/N比は「30」,ロス率は「1%」,遅延時間は「10ms」であり、ノードBからノードAにデータを伝送したときのS/N比は「20」,ロス率は「10%」,遅延時間は「30ms」であるものとする。
ネットワーク管理装置20は、画面上にカーソル表示を行い、操作部でユーザ操作が行われたとき、ユーザ操作に応じてカーソル(Cursor)を移動させる。ネットワーク管理装置20は、例えばカーソル(Cursor)の位置がノードAとノードBを結ぶ線の位置となったとき、ユーザがノードAとノードB間に確立されたリンクを選択したものと判別して、このリンクのリンク品質情報を図17の(B)に示すように表示する。なお、図17の(B)では、S/N比とロス率と遅延時間を、伝送方向毎に表示した場合を例示している。
ネットワーク構成図において、すべてのリンクについてリンク品質情報を詳細に表示すると、表示される情報が多くなってネットワーク構成図が煩雑なものとなってしまう。しかし、ネットワーク管理装置20は、ユーザがリンクを選択したとき、選択したリンクのリンク品質情報を詳細に表示すれば、ユーザが必要としたときのみリンク品質情報を詳細に表示できるので、表示内容の読み取りが容易であって必要な情報を効率よく得ることができるネットワーク管理情報の表示を行うことができる。
なお、図13から図16では、リンク品質情報における1つの情報に応じて線の属性の1つを変更する場合について示したが、リンク品質情報に応じて線の属性を複数組み合わせて変更するものとしてもよい。また、図17において、ノードAとノードBを結ぶ線の属性を、上述のようにリンク品質情報に応じて変更するものとしてもよい。この場合には、線の属性の違いによって各リンクの品質状態の概略を把握することが可能となり、さらにユーザが所望するリンクのリンク品質情報を詳細に得ることも可能となる。
次に、ノード間のリンク品質の違いを容易に識別できるようにリンク表示を行うだけでなく、経路を容易に識別できるようにリンク表示を行う場合について説明する。
図18は、データ単位例えばパケットを模したダミー画像をネットワーク構成図に設けて、ダミー画像の属性を経路に応じて変更する場合を示している。なお、図18では、ノードAとノードBとノードCおよびノードDを示している。また、図18の(A)は、ノードAとノードBおよびノードCにおける経路テーブルの一部を示しており、図18の(B)は、ネットワーク管理装置20で表示されるネットワーク構成図を示している。
ここで、ノードAの経路テーブルでは宛先がノードDであるとき隣接ノードがノードBとされている。また、ノードBの経路テーブルでは宛先がノードDであるとき隣接ノードがノードD、ノードCの経路テーブルでは宛先がノードDであるとき隣接ノードがノードDとされているものとする。
この場合、ネットワーク管理装置20は、図18の(B)に示すように、例えば矩形状のダミー画像を設けることでデータを伝送するときに用いられるリンクを識別可能とする。このように、ネットワーク構成図にダミー画像を設けるものとすれば、データの伝送経路をユーザが容易に把握できるようになる。
ところで、ノードBとノードD間のリンクでは、ノードDを宛先としたノードBからのデータだけでなく、ノードDを宛先としたノードAからのデータが中継されて伝送される。したがって、ネットワーク管理装置20は、データの送信元から宛先までの伝送経路毎に、ダミー画像の属性を変更することで例えばダミー画像の色を変更することで、伝送経路をデータ毎にユーザが容易に把握できるようにしてもよい。
例えば、ネットワーク管理装置20は、ネットワーク構成図において、ノードAからノードBを経由してノードDにデータを伝送するときに用いられるリンクを、緑色のダミー画像PGを設けることで識別可能とする。すなわち、ネットワーク管理装置20は、ノードAとノードBとの間およびノードBとノードDとの間にダミー画像PGを設ける。また、ネットワーク管理装置20は、ノードBからノードDにデータを伝送するときに用いられるリンクを、例えば青色のダミー画像PBを設けることで識別可能とする。さらに、ネットワーク管理装置20は、ノードCからノードDにデータを伝送するときに用いられるリンクを、例えば赤色のダミー画像PRを設けることで識別可能とする。
このように、ネットワーク管理装置20は、データの送信元から宛先までのリンクを、各データの伝送経路毎に異なる色のダミー画像を設けて識別可能とする。このため、ユーザは、どのような色のダミー画像がいずれのノード間に設けられているかによって、伝送経路をデータ毎に容易に把握できる。また、ダミー画像の形状を変更してもよい。例えば矩形状だけでなく円状、三角形のダミー画像等を用いるものとしてもよい。また三角形のダミー画像を用いる場合、三角形の向きでデータの伝送方向を示すこともできる。
また、ノード間ではリンク品質によって、伝送されるデータ量が異なるものとなる。例えば、S/N比が高いリンクは、上述のようにS/N比が低いリンクに比べて単位時間に伝送できるデータを多くすることができる。したがって、リンク品質に応じてダミー画像の属性、例えばダミー画像の数を変更して、伝送経路だけでなくリンク品質を識別できるようにすることができる。
図19は、リンク品質に応じてダミー画像の数を変更する場合を示している。なお、図19では、ノードAとノードBとノードCおよびノードDを示している。また、図19の(A)は、ノードAとノードBおよびノードCにおける経路テーブルの一部とリンク品質例えばS/Nを示しており、図19の(B)は、ネットワーク管理装置20で表示されるネットワーク構成図を示している。
ここで、ノードAの経路テーブルでは宛先がノードDであるとき隣接ノードがノードBとされている。また、ノードBの経路テーブルでは宛先がノードDであるとき隣接ノードがノードD、ノードCの経路テーブルでは宛先がノードDであるとき隣接ノードがノードDとされているものとする。また、ノードAとノードB間のリンクのS/N比は「10」、ノードBとノードD間のリンクのS/N比は「50」、ノードCとノードD間のリンクのS/N比は「10」とする。
この場合、ネットワーク管理装置20は、S/N比に応じてノード間に設けるダミー画像の数を変更する。すなわち、S/N比が高いリンクは、S/N比が低いリンクに比べて単位時間に伝送できるデータを多くできることから、ネットワーク管理装置20は、S/N比が高いリンクついては、ノード間に設けるダミー画像の数を多くして、S/N比が低いリンクついてはダミー画像の数を少なくする。例えば、図19の(B)に示すように、ノードBとノードDとの間のダミー画像PG,PBの数は、ノードAとノードBとの間のダミー画像PGの数や、ノードCとノードDとの間のダミー画像PRの数より多くする。このように、ダミー画像の数を変更すれば、単位時間に伝送できるデータ量が多いリンクであるか否かをユーザが容易に把握できるようになる。
また、ネットワーク管理装置20は、ダミー画像の表示位置をデータの伝送方向に移動すれば、ダミー画像がいずれの方向に移動しているかを判別するだけで、容易にデータの伝送方向を把握できる。さらに、ネットワーク管理装置20は、リンク品質に応じてダミー画像の移動速度を変更するものとしてもよい。
図20は、リンク品質に応じてダミー画像の移動速度を変更する場合を示している。なお、図20では、ノードAとノードBとノードCおよびノードDを示している。また、図20の(A)は、ノードAとノードBおよびノードCにおける経路テーブルの一部とリンク品質例えばS/Nを示しており、図20の(B)は、ネットワーク管理装置20で表示されるネットワーク構成図を示している。
ここで、ノードAの経路テーブルでは宛先がノードDであるとき隣接ノードがノードBとされている。また、ノードBの経路テーブルでは宛先がノードDであるとき隣接ノードがノードD、ノードCの経路テーブルでは宛先がノードDであるとき隣接ノードがノードDとされているものとする。また、ノードAとノードB間のリンクのS/N比は「10」、ノードBとノードD間のリンクのS/N比は「50」、ノードCとノードD間のリンクのS/N比は「10」とする。
この場合、ネットワーク管理装置20は、S/N比に応じてノード間に設けたダミー画像の移動速度を変更する。すなわち、S/N比が高いリンクは、S/N比が低いリンクに比べて単位時間に伝送できるデータを多くできる。すなわちデータの伝送速度が速いことから、ネットワーク管理装置20は、S/N比が高いリンクついては、S/N比が低いリンクに比べてノード間に設けたダミー画像の移動速度を速くする。例えば、図20の(B)に示すように、S/N比が高いノードBとノードDとの間のリンクを示すダミー画像PG,PBの移動速度は、ノードAとノードBとの間のダミー画像PGやノードCとノードDとの間のダミー画像の移動速度よりも速くする。このように、ダミー画像の移動速度を変更すれば、データの伝送速度が速いリンクであるか否かをユーザが容易に把握できるようになる。
また、ネットワーク管理装置20は、ダミー画像を用いてデータの伝送経路やノード間のリンク品質の違い容易に識別できるようにリンク表示を行うものとしたが、ダミー画像とは異なる表示を用いて、データの伝送経路およびノード間のリンク品質の違い容易に識別できるようにリンク表示を行ものとしてもよい。例えば、データの送信元のノードから宛先のノードまで矢印を設けることでデータの伝送経路を示すものとして、矢印の属性を変更してリンク品質の違い容易に識別できるようにするものとしてもよい。
図21は、矢印を用いて経路表示を行う場合を示している。なお、図21では、ノードAとノードBとノードCおよびノードDを示している。また、図21の(A)は、ノードAとノードBおよびノードCにおける経路テーブルの一部を示しており、図21の(B)は、ネットワーク管理装置20で表示されるネットワーク構成図を示している。
ここで、ノードAの経路テーブルでは宛先がノードDであるとき隣接ノードがノードBとされている。また、ノードBの経路テーブルでは宛先がノードDであるとき隣接ノードがノードD、ノードCの経路テーブルでは宛先がノードDであるとき隣接ノードがノードDとされているものとする。
この場合、ネットワーク管理装置20は、図21の(B)に示すように、送信元のノード側を線分の始点として宛先のノード側を線分の終点とし、線分の終点にデータの伝送方向を示すアローヘッドを設けることで矢印の表示を行う。このような矢印を設けるものとすれば、データの伝送経路をユーザが容易に把握できるようになる。なお、線分の始点と線分の終点のみを規定すると、データの中継が行われているノードを判別することができない。例えばノードAとノードDとの間に矢印表示を設けると、ノードBで中継が行われていることを判別できなくなってしまう。したがって、ネットワーク管理装置20は、データの中継が行われているノードBを線分が経由するように矢印を設ける。
また、矢印は、各データの伝送経路毎に異なる色としてもよい。例えば、ネットワーク管理装置20は、ネットワーク構成図において、ノードAからノードBを経由してノードDにデータを伝送するときに用いられるリンクを、緑色の矢印YGで識別可能とする。また、ネットワーク管理装置20は、ノードBからノードDにデータを伝送するときに用いられるリンクを、青色の矢印YBで識別可能とする。さらに、ネットワーク管理装置20は、ノードCからノードDにデータを伝送するときに用いられるリンクを、赤色の矢印YRで識別可能とする。
このように、ネットワーク管理装置20は、データの送信元から宛先までのリンクを、各データの伝送経路毎に異なる色の矢印を用いることで識別可能とする。このため、ユーザは、どのような色の矢印がいずれの位置に設けられているかによって、伝送経路をデータ毎に容易に把握できる。
図22は、リンク品質に応じて矢印表示の属性を変更する場合を示している。なお、図22では、ノードAとノードBとノードCおよびノードDを示している。また、図22の(A)は、ノードAとノードBおよびノードCにおける経路テーブルの一部とリンク品質例えばS/Nを示しており、図22の(B)は、ネットワーク管理装置20で表示されるネットワーク構成図を示している。
ここで、ノードAの経路テーブルでは宛先がノードDであるとき隣接ノードがノードBとされている。また、ノードBの経路テーブルでは宛先がノードDであるとき隣接ノードがノードD、ノードCの経路テーブルでは宛先がノードDであるとき隣接ノードがノードDとされているものとする。また、ノードAとノードB間のリンクのS/N比は「10」、ノードBとノードD間のリンクのS/N比は「50」、ノードCとノードD間のリンクのS/N比は「10」とする。
この場合、ネットワーク管理装置20は、S/N比に応じて例えば矢印の線分幅を変更する。すなわち、S/N比が高いリンクは、S/N比が低いリンクに比べて単位時間に伝送できるデータを多くできることから、ネットワーク管理装置20は、S/N比が高いリンクついては、矢印の線分幅を広くして、S/N比が低いリンクについては線分幅を狭くする。例えば、図22の(B)に示すように、ノードBからノードDにデータを伝送するときに用いられるS/N比が高いリンクを示す矢印YBの線分幅は、ノードAからノードBを経由してノードDにデータを伝送するときに用いられるS/N比の低いリンクを示す矢印YGや、ノードCからノードDにデータを伝送するときに用いられるS/N比の低いリンクを示す矢印YRよりも広くする。このように、矢印の線分幅を変更すれば、単位時間に伝送できるデータ量が多いリンクであるか否かをユーザが容易に把握できるようになる。
なお、表示の属性を変更する場合、リンク品質情報が複数の情報を示しているときは各情報と表示の属性を個々に関係付けるものとすれば、いずれの属性が変更されているかに応じて、リンク品質におけるいずれの情報が変化しているかを容易に判別できる。
また、上述のリンク品質情報やリンク品質情報と変更される属性の関係は例示的なものとであり、上述の実施の形態の記載に限定されるものではない。
10・・・ネットワークシステム、20・・・ネットワーク管理装置、21・・・有線ネットワークインタフェース部、22・・・表示信号生成部、23・・・操作部、24・・・ネットワーク管理制御部、30・・・表示装置、40・・・有線ネットワーク、50・・・ゲートウェイ、51・・・有線ネットワークインタフェース部、52・・・有線/無線ブリッジ部、53・・・無線ネットワークインタフェース部、54・・・無線通信設定データ保持部、55・・・ゲートウェイ制御部、60・・・無線通信装置、60−a,60−b,60−c,60−d・・・無線端末、60s1・・・デバイスドライバ、60s2・・・ネットワークインタフェース、60s3・・・アプリケーション、60s4・・・ルーティングデーモン、61・・・無線ネットワークインタフェース部、62・・・無線通信設定データ保持部、63・・・撮像部、64・・・無線通信装置制御部、65・・・バス、70・・・アドホックネットワーク、241・・・情報取得部、242・・・表示情報生成部、531,611・・・アンテナ、532、612・・・通信部