JP2004064133A - 無線ネットワークシステム - Google Patents

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Fumihiko Sugiyama
杉山 文彦
Akitoshi Sato
佐藤 聡俊
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Abstract

【課題】無線ネットワークにおいて通信状況に関する測定を行い、その通信状況を視覚化して利用者に提供するとともに、無線出力調整、適切な無線アクセスポイントの配置など、各種無線技術を支援するシステムを提供する。
【解決手段】無線ネットワークアクセス装置から送信される無線信号又は端末装置から送信される無線信号のいずれか一方又は両方の無線信号について、無線信号の出力電力の情報と、無線信号を受信する側の無線ネットワークアクセス装置又は端末装置で測定した該無線信号の強さの情報と、無線ネットワークアクセス装置および端末装置それぞれの位置情報を記憶手段に記憶する測定過程と、記憶手段に記憶された情報に基づいて、位置毎の当該無線ネットワークの通信状況を分析する分析過程とを有する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、無線ネットワークシステムに関する。特に、無線ネットワークにおける通信状況を測定するシステムおよびその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インターネットが地球規模で普及したことにより、ネットワークを活用したビジネス様式、生活様式があたりまえの社会となってきている。次なる課題は、個人の移動性に対応したネットワーク環境の提供である。いつでも、どこでもネットワークを活用できる利便性が、これまでに培ったビジネス様式、生活様式を更に加速させる牽引力となっている。この流れにおいて、移動性に制限を加えるケーブル型のネットワークは、バックヤードのネットワークへと移行し、ユーザ周辺(端末)側ではケーブルレス型ネットワークが普及しつつある。
これまで無線は、周波数帯において法的な制限をうけていたが、その制限が開放され、多種多様な無線仕様と製品が普及する中で、確実に通信インフラとしての地位を固めつつある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような社会インフラストラクチャ化した無線通信インフラストラクチャであるが、通信を保証するインフラストラクチャが無線という目に見えないものであり、有線と異なり、その通信状態を検証することが困難である。
そのため、通信保証の視点に立ったネットワーク設計において、明確な基準を持ち得ないのが事実である。
例えば、無線信号の強さが弱すぎると、充分な通信帯域を確保することができないという問題が起こる。逆に、無線信号の強さが強すぎると、電波障害の原因になる可能性があるとともに、必要以上に広い範囲に無線信号が届くことによって情報の漏洩が起こる危険性もある。
【0004】
本発明は、上記のような事情を考慮して為されたものであり、無線ネットワーク(無線LAN)において、通信状況に関する測定を行い、その通信状況を視覚化された情報として利用者に提供するとともに、測定結果に基づき、無線の出力の調整ならびに適切な無線アクセスポイントの配置、更には、空間の特定周波数帯における波及状況の検証などの、各種無線技術を支援するシステムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、無線ネットワークアクセス装置と端末装置とから構成される無線ネットワークにおける通信状況分析方法であって、前記無線ネットワークアクセス装置から送信される無線信号又は前記端末装置から送信される無線信号のいずれか一方又は両方の無線信号について、該無線信号の出力電力の情報と、該無線信号を受信する側の無線ネットワークアクセス装置又は端末装置で測定した該無線信号の強さの情報と、前記無線ネットワークアクセス装置および前記端末装置それぞれの位置情報を記憶手段に記憶する測定過程と、前記記憶手段に記憶された情報に基づいて、位置毎の当該無線ネットワークの通信状況を分析する分析過程とを有することを特徴とする通信状況分析方法を要旨とする。
【0006】
また、本発明の通信状況分析方法は、前記分析過程においては、位置毎の当該無線ネットワークの通信状況を視覚化する処理を行うことを特徴とするものである。
また、本発明の通信状況制御方法は、上記の通信状況分析方法に、さらに、前記分析過程における分析結果に基づき、前記無線ネットワークアクセス装置が送信する無線信号の出力電力を制御する処理を行う出力電力制御過程を有することを特徴とするものである。
また、本発明のネットワーク設計方法は、上記の通信状況分析方法に、さらに、前記分析過程における分析結果に基づき、前記無線ネットワークにおける無線ネットワークアクセス装置の設置場所を設計する処理を行う設置場所設計過程を有することを特徴とするものである。
また、本発明の通信状況分析方法は、前記測定過程においては複数の異なる周波数帯について測定を行い、前記分析過程においては、これら複数の異なる周波数帯について分析を行うことを特徴とするものである。
また、本発明の通信状況分析方法は、さらに、通信ネットワークを介して前記分析過程における分析結果の情報を遠隔監視装置に対して送信する分析結果送信過程を有することを特徴とするものである。
【0007】
また、本発明は、無線ネットワークアクセス装置と端末装置とから構成される無線ネットワークにおける通信状況の分析および制御を行う無線ネットワーク測定制御装置であって、無線ネットワークアクセス装置および端末装置を選択し、選択された無線ネットワークアクセス装置と端末装置に対して無線信号の測定を指示することによって、無線信号の出力電力の情報と、該無線信号を受信する側の無線ネットワークアクセス装置又は端末装置で測定した該無線信号の強さの情報とを取得する制御手段と、前記制御手段が取得した情報を測定結果データとして記憶する測定結果データ記憶手段と、前記無線ネットワークアクセス装置の位置情報と前記端末装置の位置情報とを記憶する位置情報記憶手段と、を備え、前記制御手段は、前記測定結果データ記憶手段から読み出した測定結果データと、前記位置情報記憶手段から読み出した各装置の位置情報とに基づいて、位置毎の当該無線ネットワークの通信状況を分析する処理を行うことを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明は、上記の無線ネットワーク測定制御装置において、前記制御手段は、通信状況を分析する処理を行う際に位置毎の当該無線ネットワークの通信状況を視覚化する処理を行うことを特徴とするものである。
また、本発明は、上記の無線ネットワーク測定制御装置において、前記制御手段は、通信状況の分析結果に基づいて、前記無線ネットワークアクセス装置と前記端末装置のいずれか一方又は両方の無線信号の出力電力を制御することを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しこの発明の一実施形態について説明する。図1は、同実施形態による無線ネットワークシステムの装置構成を示す概略図である。図1において、符号100は無線ネットワークにおける通信状況を測定するとともに無線ネットワークで用いられる各装置の出力電力などの制御を行う無線ネットワーク測定制御装置、200は端末装置から無線によってネットワークにアクセスするための無線ネットワークアクセス装置、300は通信状況を測定するための測定用端末装置である。無線ネットワークアクセス装置200および測定用端末装置300は、それぞれ複数存在している。そして、無線ネットワーク痩躯低制御装置100と無線ネットワークアクセス装置200と測定用端末装置300は、それぞれ有線ネットワーク10に接続されており、この有線ネットワーク10を介して、相互に無線ネットワーク状況の測定のための制御情報や測定結果データを送受信できるようになっている。
【0010】
図2は、本システムによる測定対象および制御対象となる無線ネットワークの構成を示す概略図である。図2において、無線ネットワークアクセス装置200は、バックボーンネットワーク(図示せず)に接続されており、端末装置からのアクセスポイントとしての役割を果たす。測定用端末装置300は、この無線ネットワークの通信状況を測定するために無線ネットワークアクセス装置200にアクセスする。また、一般利用者が用いるための一般端末装置400も、無線によって無線ネットワークアクセス装置200にアクセスする。なお、この無線ネットワークでは、IEEE802.11bなどの規格による通信が用いられる。
【0011】
次に、図3〜図5を参照しながら各装置の内部構成を説明する。図3は、無線ネットワーク測定制御装置100の内部構成を示すブロック図である。図3に示すように、無線ネットワーク測定制御装置は、制御部101と、位置情報記憶部102と、測定結果データ記憶部103とを備えている。制御部101は、測定のための制御や、測定結果の分析処理や、各装置の出力電力の制御を行う。また、制御部101は、有線ネットワークを介して他の装置と通信できるようになっている。位置情報記憶部102は、測定に用いる各装置(無線ネットワークアクセス装置、測定用端末装置)の種別やそれらの位置情報を記憶する。測定結果データ記憶部103は、通信状況の測定結果のデータを記憶する。なお、位置情報記憶部102と測定結果データ記憶部103は、半導体メモリや磁気ハードディスクなどといった記憶媒体を内部に備えている。
【0012】
図4は、無線ネットワークアクセス装置200の内部構成を示すブロック図である。無線ネットワークアクセス装置200は、アクセス制御部201と、無線送受信部202と、アンテナ203と、電力制御部204とを備えている。アクセス制御部201は、各種端末装置からの無線ネットワークを介したアクセスを制御するとともに、各種端末装置とバックボーンネットワークとの間のデータのやりとりを仲介する。なお、バックボーンネットワークは、無線ネットワークアクセス装置200に直接接続されていても良いし、有線ネットワークを介して無線ネットワークアクセス装置200に接続されていても良い。また、アクセス制御部201は、無線ネットワーク測定制御装置100から有線ネットワークを介して受信する制御情報に基づき、無線ネットワークの通信状況を測定する処理を実行する。また、その測定結果は、アクセス制御部201から有線ネットワークを介して無線ネットワーク測定制御装置100に送信される。
無線送受信部202は、各種端末装置との間での無線信号の送受信を行う。アンテナ203は、その無線信号の送信および受信のために用いられる。
電力制御部204は、アクセス制御部201からの指示に基づいて、無線送受信部202の送信信号の出力電力を制御する。
また、無線送受信部202は、端末装置から受信した無線信号の強さ(電力)を測定する機能を有している。
【0013】
図5は、測定用端末装置300の内部構成を示すブロック図である。測定用端末装置300は、測定制御部301と、無線送受信部302と、アンテナ303と、電力制御部304とを備えている。測定制御部301は、無線ネットワーク測定制御装置100から有線ネットワークを介して受信する制御情報に基づき、無線ネットワークの通信状況を測定するための処理を実行する。また、その測定結果は、測定制御部301から有線ネットワークを介して無線ネットワーク測定制御装置100に送信される。
無線送受信部302は、無線ネットワークアクセス装置との間での無線信号の送受信を行う。アンテナ303は、その無線信号の送信および受信のために用いられる。
電力制御部304は、測定制御部301からの指示に基づいて、無線送受信部302の送信信号の出力電力を制御する。
また、無線送受信部302は、無線ネットワークアクセス装置から受信した無線信号の強さ(電力)を測定する機能を有している。
【0014】
次に図6および図7を参照しながら、無線ネットワークにおける通信状況の測定に関するデータについて説明する。
図6は、無線ネットワーク測定制御装置内の位置情報記憶部に記憶されているデータの構造およびデータ例の一部を示す概略図である。この位置情報記憶部に記憶されているデータは、2次元の表の構造を有しており、この表の1行(row)は、装置(無線ネットワークアクセス装置、測定用端末装置)1台に関する情報を表す。また、この表は5つの桁(column)を有しており、それぞれの桁は、装置識別情報、装置種別、x座標値、y座標値、z座標値の各データ項目を格納するためのものである。
図6に示すデータでは、例えば、装置識別情報「A」で表される装置は、装置種別が「アクセス装置」(無線ネットワークアクセス装置)であり、この装置Aは、x座標=10、y座標=5、z座標=3の位置に設置されている。また、例えば、装置識別情報「F」で表される装置は、装置種別が「測定用端末装置」であり、この装置Fは、x座標=30、y座標=5、z座標=1の位置に設置されている。
なお、本システムでは、無線ネットワークアクセス装置や測定用端末装置は、オフィス用建物や住居用建物や商業施設用建物などの中に設定されており、これらの建物における所定の範囲の空間内で無線ネットワークを利用することを前提としている。なお、上記の位置情報(x座標、y座標、z座標)は、人間が測定した位置を予め設定しておくようにしても良いし、例えばGPS(グローバル・ポジショニング・システム)などといった位置測定手段を用いて測定した結果を自動的に上記表内に格納するようにしても良い。
【0015】
図7は、無線ネットワーク測定制御装置内の測定結果データ記憶部に記憶されているデータの構造およびデータ例の一部を示す概略図である。この測定結果データ記憶部に記憶されているデータは、2次元の表の構造を有しており、この表の1行(row)は、1台の無線ネットワークアクセス装置と1台の測定用端末装置のペアに関して1回の測定によって得られた情報を格納する。また、この表は、8つの桁(column)を有しており、それぞれの桁は、アクセス装置、測定用端末装置、距離、アクセス装置側出力電力、測定用端末装置側受信電力、測定用端末装置側出力電力、アクセス装置側受信電力、実効帯域の各データ項目を格納するためのものである。
【0016】
このうち、アクセス装置の項目は、無線ネットワークアクセス装置の装置識別情報を表す。測定用端末装置の項目は、測定用端末装置の装置識別情報を表す。距離の項目は、これら無線ネットワークアクセス装置および測定用端末装置の間の距離を表わすものであり、この距離は位置情報記憶部に記憶されている各装置の座標情報を基に算出される。アクセス装置側出力電力および測定用端末装置側出力電力の項目は、測定時における各装置からの無線信号の出力電力を表わすものである。これらの出力電力は、無線ネットワーク測定制御装置内の制御部からの指示に基づき各装置の電力制御部によって制御される。測定用端末装置側受信電力およびアクセス装置側受信電力は、それぞれ相手側装置から送信される無線信号の受信電力(信号の強さ)を表わすものであり、これらは、各装置の送受信部内に設けられた測定手段によって測定される。実効帯域は、無線ネットワークアクセス装置と測定用端末装置との間での実質的な通信帯域を表わすものであり、ビット毎秒(bit/sec)の単位で表わされる。この実効帯域は、両装置内の無線送受信部によって測定される。
なお、図示していないが、測定日時や、測定に用いた無線信号の周波数帯域などの情報を、さらに測定結果データ記憶部に記憶させるようにしても良い。
【0017】
次に、本システムによる無線状況の測定の手順について説明する。
(1)まず、無線ネットワーク測定制御装置100は、無線ネットワークアクセス装置200と測定用端末装置300をそれぞれ1台ずつ選択し、有線ネットワーク10を介して、それらの装置に対して測定の開始を指示する。この指示に基づいて、無線ネットワークアクセス装置200と測定用端末装置300との間で通信を行うための初期処理が行われる。
(2)次に、無線ネットワーク測定制御装置100は、測定用端末装置300に対して、所定の出力電力での無線信号の送信を指示する。この指示に基づいて測定用端末装置300は、無線ネットワークアクセス装置200に対して無線信号を送信する。そして、無線ネットワークアクセス装置200は、その無線信号を受信し、受信電力(信号の強さ)を測定する。この測定結果の値は、無線ネットワーク測定制御装置100に伝えられ、測定結果データ記憶部に記憶される。
【0018】
(3)次に、無線ネットワーク測定制御装置100は、無線ネットワークアクセス装置200に対して、所定の出力電力での無線信号の送信を指示する。この指示に基づいて無線ネットワークアクセス装置200は、測定用端末装置300に対して無線信号を送信する。そして、測定用端末装置300は、その無線信号を受信し、受信電力(信号の強さ)を測定する。この測定結果の値は、無線ネットワーク測定制御装置100に伝えられ、測定結果データ記憶部に記憶される。
(4)次に、無線ネットワークアクセス装置200あるいは測定用端末装置300が、上記(2)および(3)の過程における通信の実効帯域を算出する。この実効帯域の値は、無線ネットワーク測定制御装置100に伝えられ、測定結果データ記憶部に記憶される。
【0019】
(5)上記(2)〜(4)の過程が終了すると、無線ネットワーク測定制御装置100は、無線ネットワークアクセス装置200と測定用端末装置300の他の組み合わせを選択し、それらの装置について(1)〜(4)の処理を行う。そして、無線ネットワークアクセス装置200と測定用端末装置300のすべての組み合わせ、予め定められた組み合わせについて測定を行う。また、複数の周波数帯域(例えば、2.4GHz(ギガヘルツ)帯と5.2GHz帯)についての測定が必要なときには、各周波数帯域について測定を行う。
【0020】
次に、測定結果を用いた分析の方法について説明する。図8は、無線ネットワーク測定制御装置内の測定結果データ記憶部に記憶されたデータを基に、通信状況を視覚的に表わした図である。図8に示すA〜EおよびF〜Iの印は、各装置の位置をXY平面上に投射したものである。ここで、白丸(A〜E)は無線ネットワークアクセス装置を表わし、黒丸(F〜I)は測定用端末装置を表わす。また、図8に示す矢印は、無線ネットワークアクセス装置と測定用端末装置との間の測定結果を表わす。ここでは測定結果は、無線信号の受信電力(信号の強さ)や実効帯域を基に、実線又は破線の矢印で表わされている。
【0021】
例えば、信号の強さを視覚化して矢印で表わす場合、障害のない理想的な空間において理論的に算出される受信電力(信号の強さ)と比べて、減衰率が小さい(所定の範囲内)の場合には実線の矢印で表わし、減衰率が大きい場合には破線の矢印で表わすものとする。ここでは、実線と破線の2種類の矢印で表わしているが、より細分化して多種の矢印等を用いて表わしても良い。無線信号が減衰する代表的な原因は、送信側と受信側の間に存在して無線信号を遮蔽する障害物や、無線信号を吸収する性質の物体や、壁などによる反射波による干渉である。
また、実効帯域を視覚化して矢印で表わす場合は、理論的に得られる最大の通信帯域と比べて、どの程度帯域が狭められているかに応じて、実線や破線などを使い分けて表わす。
【0022】
上記のような方法で、通信状況を視覚化した結果、図8に示す例では、A〜H間、B〜G間、B〜I間、C〜F間の矢印がそれぞれ破線で示され、その他の矢印は実線で示されている。
【0023】
次に、図8に示した分析結果を基に、空間内のどの部分で信号が弱められているかを推定する処理を行う。図9は、その推定結果を視覚的に表わした図である。図9では、FとBとHとEとの各装置の位置を頂点とする四角形の内側に、無線信号を減衰させる何らかの要因が存在していることが表わされている。このような図9の視覚表現は、図8を基に人間が推定処理を行うことによって導き出しても良いし、コンピュータ等(例えば、無線ネットワーク測定制御装置の制御部)を用いた処理によって自動的に導き出しても良い。自動処理によって図9の視覚表現を導き出すには、例えば、ルールベースを用いた推論を行う。つまり、図8に表現されている要素(白丸、黒丸、実線矢印、破線矢印のそれぞれの位置)を事実情報として、予め定められたルール(例えば、「複数の破線矢印が存在していて、実線矢印が存在していない領域であって、所定の面積より広い領域には、無線信号の障害要因が存在する」といったルール)を上記事実情報に適用することにより、図9に示す結果が得られる。
このように、分析結果を視覚化する処理を行うことにより、実際には目に見えない通信状況をわかりやすく利用者に提示することができる。
【0024】
次に、上記の分析結果に基づく無線ネットワークアクセス装置の設置場所の設計の方法について説明する。図9に示したように、実際には目に見えない障害要因が視覚的に提示されるため、この情報に基づいて、設置場所の設計の際には、このような障害要因の影響を受け難いように無線ネットワークアクセス装置の設置場所を設計することができる。適切な無線ネットワークアクセス装置の設置場所は、図9のような表示に基づいて人間が決定してもよいし、コンピュータ等(例えば、無線ネットワーク測定制御装置の制御部)を用いた処理によって自動的に決定してもよい。自動処理による場合は、例えば、図9の情報が予めコンピュータの記憶装置に記憶されていることを前提として、端末装置を利用する領域を入力し、その利用領域の場所と障害要因が存在する場所とから、障害要因の影響を受けにくいような無線ネットワークアクセス装置の設置場所を空間内で探索する処理を行う。また、それとともに、空間内で各無線ネットワークアクセス装置がカバーすべき範囲を設計する。
【0025】
次に、実際に無線ネットワークを運用する際に、無線ネットワークアクセス装置の出力電力を制御する方法について説明する。通常、1台の無線ネットワークアクセス装置がカバーできる範囲は、10m(メートル)〜50m程度である。しかし、実際には、空間の状況や、無線ネットワークアクセス装置の設置台数によって、それぞれの無線ネットワークアクセス装置がカバーすべき範囲が異なってくる。そのような場合には、上記の設計の結果に基づいて、出力電力を制御するようにする。実際には、無線ネットワーク測定制御装置からの指示に基づき、無線ネットワークアクセス装置の電力制御部が無線信号の出力電力を制御する。これにより、必要な通信品質の確保を保証できるだけでなく、必要以上に大きな出力を出すことも避けられるため、漏れ電波による情報漏洩の防止にも役立つ。
また、様々な状況によって通信環境が変動することも有り得るが、予め測定しておいたデータと、リアルタイムに測定するデータ(信号の強さや実効通信帯域など)とを比較することにより、動的に無線ネットワークアクセス装置の出力電力を制御するようにしても良い。
また、無線ネットワークアクセス装置側だけでなく、端末装置(一般端末装置を含む)側の出力電力も制御するようにしても良い。
【0026】
なお、前述のように、複数の異なる周波数帯について、通信状況の測定および分析を行うことも可能である。無線信号に対する障害要因の影響が信号の周波数に応じて異なるなど、同一の空間であっても、周波数帯によって通信状況が異なる場合があるが、複数の周波数帯を分析することによって、例えばどの周波数帯を用いることがその空間に適しているかを検討あるいは決定することができる。また、ある空間において、部分毎に使用する周波数帯を異なるようにネットワークを設計することもできる。
【0027】
次に、通信状況の分析結果を遠隔監視する方法について説明する。遠隔監視を行うためには、遠隔監視端末(遠隔監視装置)を設け、この遠隔監視端末が通信ネットワークを介して図1に示す無線ネットワーク測定制御装置と互いに通信を行えるようにする。ここで監視用に用いる通信ネットワークは、有線ネットワークでも良いし、無線ネットワークでも良いし、その他のネットワークでも良い。また、複数種類のネットワークを組み合わせても良い。そして、無線ネットワーク測定制御装置内の制御部が、測定結果の情報や、その測定結果に基づく分析結果の情報を上記通信ネットワークを介して遠隔監視端末に対して送信できるようにする。遠隔監視端末では、受信した測定結果の情報や分析結果の情報を、文字や図形などを用いて表示するようにする。これにより、遠隔地から無線ネットワークの通信状況を把握することができる。また、遠隔監視端末が備えている記憶装置(半導体メモリや磁気ディスク装置や光ディスク装置など)に受信した測定結果の情報や分析結果の情報を書き込んで蓄積するようにしても良い。なお、遠隔監視端末の代わりに、監視のためのサーバコンピュータを設けても良い。そして、このサーバコンピュータが、複数の無線ネットワーク測定制御装置から通信状況の情報を収集し、集中管理するようにしても良い。
【0028】
上述の無線ネットワーク測定制御装置、無線ネットワークアクセス装置、測定用端末装置、一般端末装置は、それぞれ、内部にコンピュータシステムを有している。そして、上述した測定、分析(視覚化を含む)、設置場所の設計、電力の制御の各過程の処理は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0029】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
例えば、図1には有線ネットワーク10を示し、この有線ネットワーク10を介して測定等のための制御データや測定結果の通信を行うようにしたが、これらの通信自身を無線ネットワークを用いて行っても良い。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、無線ネットワークにおける通信状況を実際に測定し、視覚化してわかりやすく利用者に提示することができる。これにより、従来、主として経験と勘と試行錯誤に基づいて行われていた無線ネットワークアクセス装置の設置場所の決定などをより適切に行うことが可能となり、無線ネットワークの通信の質を保証することが可能となる。また、測定結果などに基づいて各装置の出力電力を制御するため、無線信号が強すぎるあるいは弱すぎるといった問題を回避することが可能となる。また、複数の周波数帯域が使用可能な状態において、最適な周波数帯域を選択して使用したり、複数の周波数帯域を組み合わせて使用したりすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態による無線ネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】同実施形態による測定対象および制御対象となる無線ネットワークの構成を示す概略図である。
【図3】同実施形態による無線ネットワーク測定制御装置の内部構成を示すブロック図である。
【図4】同実施形態による無線ネットワークアクセス装置の内部構成を示すブロック図である。
【図5】同実施形態による測定用端末装置の内部構成を示すブロック図である。
【図6】同実施形態による無線ネットワーク測定制御装置内の位置情報記憶部に記憶されているデータの構造を示す概略図である。
【図7】同実施形態による無線ネットワーク測定制御装置内の測定結果データ記憶部に記憶されているデータの構造を示す概略図である。
【図8】同実施形態による測定データに基づく分析結果を視覚的に表わした図である。
【図9】図8に基づいてさらに分析した結果を視覚的に表わした図である。
【符号の説明】
10 有線ネットワーク
100 無線ネットワーク測定制御装置
101 制御部
102 位置情報記憶部
103 測定結果データ記憶部
200 無線ネットワークアクセス装置
201 アクセス制御部
202 無線送受信部
203 アンテナ
204 電力制御部
300 測定用端末装置
301 測定制御部
302 無線送受信部
303 アンテナ
304 電力制御部
400 一般端末装置

Claims (9)

  1. 無線ネットワークアクセス装置と端末装置とから構成される無線ネットワークにおける通信状況分析方法であって、
    前記無線ネットワークアクセス装置から送信される無線信号又は前記端末装置から送信される無線信号のいずれか一方又は両方の無線信号について、該無線信号の出力電力の情報と、該無線信号を受信する側の無線ネットワークアクセス装置又は端末装置で測定した該無線信号の強さの情報と、前記無線ネットワークアクセス装置および前記端末装置それぞれの位置情報を記憶手段に記憶する測定過程と、
    前記記憶手段に記憶された情報に基づいて、位置毎の当該無線ネットワークの通信状況を分析する分析過程と
    を有することを特徴とする通信状況分析方法。
  2. 請求項1に記載の通信状況分析方法であって、
    前記分析過程においては、位置毎の当該無線ネットワークの通信状況を視覚化する処理を行うことを特徴とする通信状況分析方法。
  3. 請求項1に記載の通信状況分析方法に、さらに、
    前記分析過程における分析結果に基づき、前記無線ネットワークアクセス装置が送信する無線信号の出力電力を制御する処理を行う出力電力制御過程を有することを特徴とする通信状況制御方法。
  4. 請求項1に記載の通信状況分析方法に、さらに、
    前記分析過程における分析結果に基づき、前記無線ネットワークにおける無線ネットワークアクセス装置の設置場所を設計する処理を行う設置場所設計過程を有することを特徴とするネットワーク設計方法。
  5. 請求項1に記載の通信状況分析方法であって、
    前記測定過程においては複数の異なる周波数帯について測定を行い、
    前記分析過程においては、これら複数の異なる周波数帯について分析を行う
    ことを特徴とする通信状況分析方法。
  6. 請求項1に記載の通信状況分析方法に、さらに、
    通信ネットワークを介して前記分析過程における分析結果の情報を遠隔監視装置に対して送信する分析結果送信過程を有することを特徴とする通信状況分析方法。
  7. 無線ネットワークアクセス装置と端末装置とから構成される無線ネットワークにおける通信状況の分析および制御を行う無線ネットワーク測定制御装置であって、
    無線ネットワークアクセス装置および端末装置を選択し、選択された無線ネットワークアクセス装置と端末装置に対して無線信号の測定を指示することによって、無線信号の出力電力の情報と、該無線信号を受信する側の無線ネットワークアクセス装置又は端末装置で測定した該無線信号の強さの情報とを取得する制御手段と、
    前記制御手段が取得した情報を測定結果データとして記憶する測定結果データ記憶手段と、
    前記無線ネットワークアクセス装置の位置情報と前記端末装置の位置情報とを記憶する位置情報記憶手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記測定結果データ記憶手段から読み出した測定結果データと、前記位置情報記憶手段から読み出した各装置の位置情報とに基づいて、位置毎の当該無線ネットワークの通信状況を分析する処理を行う
    ことを特徴とする無線ネットワーク測定制御手段。
  8. 請求項6に記載の無線ネットワーク測定制御装置であって、
    前記制御手段は、通信状況を分析する処理を行う際に位置毎の当該無線ネットワークの通信状況を視覚化する処理を行うことを特徴とする無線ネットワーク測定制御装置。
  9. 請求項6に記載の無線ネットワーク測定制御装置であって、前記制御手段は、通信状況の分析結果に基づいて、前記無線ネットワークアクセス装置と前記端末装置のいずれか一方又は両方の無線信号の出力電力を制御することを特徴とする無線ネットワーク測定制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009253927A (ja) * 2008-04-11 2009-10-29 Sony Corp ネットワーク管理装置とネットワーク管理方法および監視システム
JP2012134894A (ja) * 2010-12-24 2012-07-12 Hitachi Ltd 無線ネットワークの保守端末および保守システム
US9642095B2 (en) 2014-03-14 2017-05-02 Omron Corporation Communication status output apparatus, communication status output method, communication status output program, and transmission module

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