JPWO2009014147A1 - 水エマルジョン製造装置 - Google Patents

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    • C10L1/32Liquid carbonaceous fuels consisting of coal-oil suspensions or aqueous emulsions or oil emulsions
    • C10L1/328Oil emulsions containing water or any other hydrophilic phase

Abstract

水エマルジョン容器と、油−水混合液を加圧するポンプと、前記ポンプから供給される油−水混合液を前記水エマルジョン容器内へ噴射する噴射ノズルと、前記水エマルジョン容器内で前記噴射ノズルに対向して設けられ、前記噴射ノズルから噴射される油−水混合液を衝突させる衝突板とを有することを特徴とする水エマルジョン製造装置。

Description

本発明は、水エマルジョンたとえば水エマルジョン燃料を製造する装置に関する。
油中水滴型(W/O型)の水エマルジョン燃料は、以下のような原理で燃焼を起こすことが知られている。すなわち、水エマルジョン燃料が燃焼機器内に噴霧されると、燃料の油滴が熱を受けて燃焼すると同時に、油滴中に含まれている水粒子が輻射熱を受けて加熱され、沸点に達してミクロ爆発し、周囲の油滴を二次微粒化させる。こうして燃料が瞬時に超微粒化することにより空気との接触面積が増大して完全燃焼に近い燃焼が達成され、燃焼排ガス中の未燃炭素やNOxの発生を抑える。また、空気との接触面積の増大によって燃焼に必要な過剰空気を低く抑えることが可能になるため、大きな省エネルギー効果が得られる。
従来、燃料(重油・軽油・灯油・BDF・ガソリン)と水との二相系の水エマルジョン燃料を製造するには、燃料と水との混合物を、スクリュー、ミキサー、せん断、超音波ホモジナイザーなどにより機械的に攪拌して燃料(連続相)中に水の微粒子(分散相)を分散させる方法が主に用いられている。
たとえば特許文献1には、攪拌容器の周方向に燃料と水を含む混合液を噴射するとともに攪拌容器内の混合液に第1の旋回流を形成する噴射ノズルと、第1の旋回流の下方に第1の旋回流よりも小径の第2の旋回流を形成する攪拌翼とを備えたエマルジョン燃料製造装置が記載されている。
水は燃料、特に軽油やA重油などの水との密度差が大きい燃料に溶解しないので相分離を起こしやすい。燃料と水を含む混合液を機械的に攪拌する方法では、燃料中に約1〜30μmの広い粒径分布で水粒子が形成され、大きな水粒子が短時間で凝集し沈降し相分離を起こすという欠点がある。このように、相分離を起こした水エマルジョン燃料は、特に始動時には燃料として使用できなくなる。そこで、乳化剤を使用して燃料と水の相分離を防ぐのが一般的である。
上記のように機械的な攪拌を用いる装置は大きく複雑であり、装置価格が高価になる。また、乳化剤を使用するため、費用対効果の面で不利である。しかも、乳化剤を使用しても、短時間で燃料と水との相分離が起こる可能性があり、実際には燃焼機器にインラインで攪拌装置を併設することは困難である。
一方、特許文献2には、混合撹拌室の一端に配置され加圧水を噴射する水噴射ノズルと、混合撹拌室の他端に水噴射ノズルと対向して配置され加圧燃料を噴射する燃料噴射ノズルとを備えたエマルジョン製造装置が記載されている。
しかし、互いに対向する2つのノズルから噴射された霧状の水と霧状の燃料が衝突する確率は極めて低いため、燃料中に微細な水粒子を分散させた水エマルジョンを製造することは不可能であると考えられる。
特開2006−111666号公報 特開平6−42734号公報
本発明の目的は、簡易な機器構成で小型化が可能であり、しかも乳化剤を使用することなく低コストで油中に微細な水粒子を分散させた水エマルジョンを製造でき、インラインで燃焼機器などに併設できる水エマルジョン製造装置を提供することにある。
本発明に係る水エマルジョン製造装置は、水エマルジョン容器と、油−水混合液を加圧するポンプと、前記ポンプから供給される油−水混合液を前記水エマルジョン容器内へ噴射する噴射ノズルと、前記水エマルジョン容器内で前記噴射ノズルに対向して設けられ、前記噴射ノズルから噴射される油−水混合液を衝突させる衝突板とを有することを特徴とする。
図1(a)は本発明の第1の実施形態に係る水エマルジョン燃料製造装置の構成図、図1(b)は図1(a)の平面図である。 図2(a)は本発明の第2の実施形態に係る水エマルジョン燃料製造装置の構成図、図2(b)は図2AのB−B’線に沿う断面図である。 図3は本発明の第3の実施形態に係る水エマルジョン燃料製造装置の構成図である。 図4(a)は本発明の第4の実施形態に係る水エマルジョン燃料製造装置の構成図、図4(b)は図4(a)の平面図である。 本発明の第5の実施形態に係る分散配置の水エマルジョン燃料製造装置の構成図である。 図6は本発明の第5の実施形態の変形例に係る分散配置の水エマルジョン燃料製造装置の構成図である。 本発明の第6の実施形態に係るワンパス型の水エマルジョン燃料製造装置の構成図である。
本発明に係る水エマルジョン製造装置に関する理論について説明する。
背景技術の説明からわかるように、燃料中に微細な水粒子を分散させることができれば、理論的には乳化剤(界面活性剤)を使用しなくても安定な水エマルジョンを製造することができる。その理論的根拠は、粒子の移動速度(沈降速度)を表すストークスの式(1)によって近似的に説明できる。
Vp=a×(ρ−ρ)×G/18×ρ×ν (1)
ここで、Vpは粒子の移動速度(m/sec)、aは(水の)粒子径(m)、ρは連続相の密度(kg/m)、ρは分散相の密度(kg/m)、νは連続相の動粘度(m/sec)、Gは重力加速度(9.8m/sec)である。
(1)式から、水粒子径aが小さいほど、粒子の移動速度(沈降速度)Vpを小さくでき、長時間にわたって相分離を抑制できることがわかる。本発明では、1μm以下(サブミクロン)、好ましくは500nm以下、さらに好ましくは100nm以下の水粒子径が目標となる。
微細な水粒子を形成するには、水滴を崩壊させればよい。水滴の崩壊メカニズムは、一般的に次のように考えられている。水滴が流体中に噴射されると表面張力により先端は球状になろうとする。しかし、静止している流体を押し除ける際に流体の中心部に滞留点(スタグネーション・ポイント)ができる。この部分の圧力は他の部分より高くなる。この圧力は、ベルヌーイの定理(2)により求めることができる。
P=(σV/2)1/2 (2)
この圧力Pが、水滴の表面張力よりも大きくなると、水滴はスタグネーション・ポイントから変形し、最終的には崩壊してより小さい水粒子となる。ここで、自由表面をなす水の表面張力は72dyne/cmである(軽油の表面張力:約30dyne/cmと推定)。例えば、軽油中に1μm径の水粒子が存在する場合、その水粒子の内圧PはP=408×10dyne/cmとなり、周囲の圧力より4bar高くなる。したがって、この内圧以上の圧力を加えれば、水滴を破壊してより微細な水粒子を形成することができる。
本発明に係る水エマルジョン製造装置では、水滴を破壊してより微細な水粒子を形成するために、油−水混合液を加圧して噴射ノズルから噴射させて衝突板に衝突させる。このようにすれば、噴射された油−水混合液の運動エネルギーを100%に近い高効率で圧力に変換することができ、サブミクロンの水粒子を形成することができる。このような微細な水粒子を含む水エマルジョンは、乳化剤を含まなくても長時間にわたって相分離を起こすことがない。このため、本発明に係る水エマルジョン製造装置はインラインでたとえば燃焼機器に併設することができる。好ましくは、油−水混合液を加圧して噴射ノズルから噴射させて衝突板に衝突させる操作を繰り返すことにより、効率的により微細な水粒子を形成でき、長時間にわたって水エマルジョンを維持することができる。また、本発明の水エマルジョン製造装置は機器構成が簡易であるため、小型化が可能であるし、大容量化する場合でも装置の複雑化を招くことがない。したがって、本発明に係る水エマルジョン製造装置は、費用対効果に非常に優れている。
以下、図面を参照しながら本発明の第1の実施形態を説明する。
図1(a)は本発明の第1の実施形態に係る水エマルジョン燃料製造装置の構成図、図1(b)は図1(a)の平面図である。この水エマルジョン燃料製造装置は、ボイラー、コジェネレーションシステム、船舶・自動車エンジンなどに併設され、インラインでこれらの燃焼機器へ水エマルジョン燃料を供給する。本発明に係る水エマルジョン燃料製造装置の基本的な構造は、どのような燃焼機器に併設する場合でもほとんど変わらない。
ステンレス鋼製の水エマルジョン容器10は、製造された水エマルジョン燃料を貯留する容器であり、たとえば円筒状をなしている。水エマルジョン容器10の形状は円筒状に限らず角柱状でもよく、縦型でも横型でもよい。水エマルジョン容器10の容量は、使用する燃焼機器に応じて、1リットル程度の小容量から船舶用や発電用などの大容量まで任意に設定することができる。
水エマルジョン容器10の頂部には高圧の燃料−水混合液を水エマルジョン容器10の内部へ向かって噴射する噴射ノズル11が挿入されている。噴射ノズル11のノズル口径は、たとえば0.1〜1.0mmである。ノズルの取付け位置、ノズル口の形状・方向・数などは、目的に応じて適宜調整できる。なお、図示しないが、燃料を単独で噴射するノズルと水を単独で噴射するノズルとを設けてもよい。
水エマルジョン容器10内には噴射ノズル11に対向して、噴射された燃料−水混合液を衝突させるための衝突板12が支持されている。噴射ノズル11のノズル口と衝突板12との距離は1〜50mmに設定される。この距離が短いほど、噴射された燃料−水混合液の圧力降下を抑制できる。衝突板12の形状は特に限定されず、たとえば平板状、円錐状、球状などの形状を採用することができる。平板状の衝突板12は噴射された燃料−水混合液の運動エネルギーを圧力に変換するのに有利である。円錐状や球状の衝突板12は水粒子を燃料中に効率よく分散させるのに有利である。
噴射ノズル11には混合液供給ライン13が接続されている。この混合液供給ライン13にはポンプ14および切替弁15が設けられている。混合液供給ライン13は混合槽16まで達している。混合槽16にはミキサーが設けられ、燃料と水を混合する。その後、ポンプ13で燃料−水混合液を5〜40MPaに加圧する。水エマルジョン容器10が大容量である場合には、ポンプ13で燃料−水混合液を50MPa以上に加圧してもよい。
混合槽16の上流には、燃料供給電磁弁17を備えた燃料供給ライン18、および水供給電磁弁19を備えた水供給ライン20が接続されている。
水エマルジョン容器10には循環ライン21が接続されており、水エマルジョン容器10内の水エマルジョン燃料を切替弁15、ポンプ14を通して噴射ノズル11へ戻して循環させることができる。循環ライン21の途中に攪拌機(図示せず)を設けてもよい。
また、必要に応じて、循環ライン21の途中に空気を注入するエアバルブ22を設けてもよい。エアバルブ22から空気を注入すると、微粒化された水だけでなく微粒化された空気も含む水エマルジョン燃料を製造することができる。このような水エマルジョン燃料が燃焼機器内に噴霧されると、水エマルジョン燃料中に溶存した空気が瞬間的に膨張して燃料を拡散させる作用も加わり、空気中の酸素と燃焼しやすい燃料の油滴を利用できるので、さらに完全燃焼に近い燃焼が達成され、燃焼効率の向上と排ガス浄化につなげることができる。
なお、エアバルブからの空気の注入は、水エマルジョン燃料の製造だけでなく、燃料のみの改質にも利用できる。すなわち、エアバルブから空気を燃料に注入し、加圧した燃料を噴射ノズルから噴射させて衝突板に衝突させて、微粒化された空気を含むように燃料を改質すれば、燃焼機器内での空気の膨張による空気中の酸素と燃焼しやすい燃料の油滴の利用が可能になるので、燃焼効率の向上と排ガス浄化につなげることができる。
また、燃料以外の液体(水・混合水・洗浄水・滅菌水など)にも、エアバルブから空気を液体に注入し、加圧した液体を噴射ノズルから噴射させて衝突板に衝突させるという方法を適用し、微粒化された空気を含む液体を製造することができる。
水エマルジョン容器10の下流には水エマルジョン燃料供給ライン23が接続され、水エマルジョン燃料供給ライン23はボイラーや自動車エンジンなどの燃焼機器に接続されている。この水エマルジョン燃料供給ライン23には圧力調整弁24およびトラップ25が設けられている。トラップ25の底部はリターン配管26を介して水エマルジョン容器10の底部に接続されている。リターン配管26にはポンプ27が設けられている。
ポンプ14、切替弁15、混合槽16、燃料供給電磁弁17、および水供給電磁弁19はコントローラ30によって制御することが望ましい。コントローラ30で扱う燃料および水の流量などのデーターは必要に応じて管理用サーバー(図示せず)へ送られる。
なお、本発明の水エマルジョン燃料製造装置は、各機器が一体化した一体型でも、各機器が分離したセパレート型でもよい。また、より簡易な構成の水エマルジョン燃料製造装置では、燃料供給電磁弁17、燃料供給ライン18、水供給電磁弁19、水供給ライン20をなくしてもよい。この場合、水エマルジョン容器10内に所定の混合比率の燃料−水混合物を入れ、循環ライン(および必要に応じてその途中に設けられた攪拌機)を介して燃料−水混合物を循環させながら、噴射および衝突を行うことにより、水エマルジョン燃料を製造する。
次に、この水エマルジョン燃料製造装置の動作を説明する。燃料供給電磁弁17によって流量が制御された燃料供給ライン18の燃料と、水供給電磁弁19によって流量が制御された水供給ライン20の水とが、所定の流量比で混合槽15に供給される。混合槽15ではミキサーによって燃料と水とが混合される。燃料−水混合液は混合槽15からポンプ14へ送られて5〜40MPaの圧力に加圧される。加圧された混合液は噴射ノズル11から噴射されて衝突板12に衝突する。
本発明においては、噴射ノズル11により燃料−水混合物の噴流に水粒子の内圧より高い運動エネルギーが与えられ、この噴流が衝突板12に衝突すると噴流の運動エネルギーが圧力に変換され、水粒子(分散相)が超微粒化されて燃料(連続相)中に分散される。水微粒子のサイズは噴射圧力と相関関係があり、圧力が高いほど微細な水粒子を形成できる。本発明においては、燃料−水混合物の噴流を衝突板12に衝突させるという手段を用いたことによって、1μm以下(サブミクロン)のサイズの水粒子を容易に形成できる。
水エマルジョン容器10内の上部空間は、噴射された燃料と水とが混合される混合部となっている。混合部では、衝突板12への衝突によって微粒化した水粒子の周囲に噴霧状の燃料からなる皮膜が形成される。こうして、早期に燃料からなる連続相中に水粒子からなる分散相が分散された水エマルジョン燃料が生成する。生成した水エマルジョン燃料は貯留部51に貯留される。相分離が起こっていなければ水エマルジョン容器10内には、ほとんど水エマルジョン燃料のみが貯留される。ただし、ミセルコロイド化した水粒子を含む燃料−水混合物が形成されると貯留部51の下部の滞留部52に滞留する。滞留部52に滞留するサイズの大きい水粒子を含む水エマルジョン燃料は、燃焼機器の始動時に使用するには適していないので、滞留部52の水エマルジョン燃料は燃焼機器へ供給しないようにする。なお、図1Aおよび1Bでは水エマルジョン容器10内に仕切を設けていないが、振動などにより液体の乱流が生じる場合には仕切を設けてもよい。
切替弁15を切替えて、水エマルジョン容器10内の水エマルジョン燃料を循環ライン21からポンプ14を通して噴射ノズル11から噴射させて衝突板12に衝突する操作を繰り返すことが望ましい。すなわち、燃料−水混合物の噴流を衝突板12に1回衝突させただけだと、1μm以上のサイズの水粒子が形成されていることがある。また、サブミクロンの水粒子でも時間が経過するとミセルコロイドを形成して1μm以上のサイズになる。これに対して、水エマルジョン燃料の循環を繰り返すことにより、水エマルジョン燃料中の水粒子をより微細化することができる。循環ライン21は、後述するように新たな燃料および水を供給している間を除いて、連続的に使用してもよいし間欠的に使用してもよい。この結果、長時間にわたって燃料と水の相分離を防止できる。
水エマルジョン容器10内の水エマルジョン燃料は、水エマルジョン燃料供給ライン23を通してインラインでボイラーや自動車エンジンなどの燃焼機器へ供給される。トラップ25は水エマルジョン容器10と燃焼機器との距離が長くなり、ミセルコロイドが沈降する可能性のある場合に必要に応じて設けられる。トラップ25でトラップされたミセルコロイドは、ポンプ27によりリターン配管26を介して水エマルジョン容器10の滞留部51へ戻される。こうして、始動時にミセルコロイド化した水粒子が含まれる水エマルジョン燃料が燃焼機器に供給されることによって不着火が起こるのを防止する。
水エマルジョン容器10内に、供給開始センサー31と供給停止センサー32を設けてもよい。燃焼機器での使用により水エマルジョン容器10内の水エマルジョン燃料が少なくなると、燃料の供給開始センサー31がオンする。この結果、切替弁15が切替えられ、燃料供給電磁弁17および水供給電磁弁19が開かれて新たな燃料および水が混合槽16で混合され、燃料−水混合液が切替弁15およびポンプ14を介して噴射ノズル11から噴射されて衝突板12に衝突し、新たな水エマルジョン燃料が生成して水エマルジョン容器10内に貯留される。水エマルジョン容器10内の水エマルジョン燃料が増加して供給停止センサー32のレベルまで達すると、新たな燃料および水の供給が停止される。
次に、A重油用バーナーを備えたボイラーで燃焼試験を行い、水を加熱した。実施例として、本発明に係る水エマルジョン燃料製造装置によりA重油:水の比率を8:2として調製された水エマルジョン燃料を用い、2時間にわたって燃焼させた。比較例として、A重油のみを燃料に用い、2時間にわたって燃焼させた。この燃焼試験でボイラー効率を比較した。
ボイラー効率ηは、ボイラー出力をQ1、熱供給量をQ2として、
η=Q1/Q2
と表される。Q1およびQ2はそれぞれ以下のように定義される。
Q1=Qw(Wt2−Wt1)、
(Qwは給水量[L/min]、Wt1は入口水温、Wt2は出口水温である)、
Q2=Hu×Gf、
(HuはA重油の発熱量、Gfは燃料流量であり本実施例の水エマルジョン燃料の場合には実際の燃料流量Gfを0.8倍する)。
比較例でのA重油の燃料流量は平均で9.572L/Hであり、入口水温Wt1(平均値)16.75℃に対して出口水温Wt2(平均値)は65.75℃となった。この場合、Q1/Q2は以下のようになる。
Q1/Q2=Qw(65.75−16.75)/Hu×9.572
=5.119Qw/Hu。
実施例での水エマルジョン燃料の燃料流量は平均で9.786L/Hであり、入口水温Wt1(平均値)18.4℃に対して出口水温Wt2(平均値)は64.0℃となった。この場合、Q1/Q2は以下のようになる。
Q1/Q2=Qw(64.0−18.4)/Hu×9.786×0.8
=5.825Qw/Hu。
上記の結果から、水エマルジョン燃料を用いた場合、A重油を用いた場合と比較して、5.825/5.119=1.137すなわち約14%の効率アップが得られた。
また、水エマルジョン燃料を用いることによる利点として知られている二酸化炭素やNOx・炭化水素(HC)の低減効果も確認された。
同様に、軽油:水の比率を8:2として調製された水エマルジョン燃料または軽油のみを用いてエンジンでの燃焼試験を行った場合にも、水エマルジョン燃料による効率アップと、二酸化炭素やNOx・炭化水素(HC)の低減効果が確認された。
なお、以上では、本発明の装置を用いて重油−水系または軽油−水系の水エマルジョン燃料を製造する例を説明したが、種々の応用が考えられる。たとえば、重油−水系または軽油−水系においては、水の混合比率を50%まで高めることができる。また、重油−水系や軽油−水系に限らず、重油−水−グリセリン系や軽油−水−グリセリン系の水エマルジョン燃料を製造することができる。グリセリンはBDF燃料の副生物として生じ、現状では有効利用できずに焼却処分されているが、本発明の装置を用いればグリセリンを含む水エマルジョン燃料としての有効利用も可能である。グリセリンは水に溶解するので、燃料と(水+グリセリン)とを混合して供給すればよい。さらに、重油や軽油などの燃料に限らず、種々の油分を用いて水エマルジョンを製造することができる。
次に、本発明の他の実施形態に係る水エマルジョン燃料製造装置を説明する。
図2(a)は本発明の第2の実施形態に係る水エマルジョン燃料製造装置の構成図、図2(b)は図2(a)のB−B’線に沿う断面図である。
水エマルジョン容器100の内部の貯留部101に、製造された水エマルジョン燃料が貯留される。水エマルジョン容器100内の液中に、支持体111に支持された噴射ノズル112およびこれに対向するように配置された衝突板113が設けられる。図2(b)に示すように、4組の噴射ノズル112および衝突板113が90°間隔で円周上に配置されている。また、4組の噴射ノズル112および衝突板113を含むユニットは上下2段になって設けられている。このように、合計8組の噴射ノズル112および衝突板113を設けることにより、水エマルジョン燃料の製造の効率化を図っている。また、図2(b)の下部に示すように、噴射ノズル112に対して衝突板113の1つまたはそれ以上を少し傾けて配置すると、水エマルジョン容器100内の液中に旋回流を生じさせ、良好な攪拌を達成できる。
図2(a)には、択一的に用いられる、3つの燃料・水供給系F1、F2、F3を示している。これらについては後に説明する。
水エマルジョン容器100内の液中に配置される噴射ノズル112は、混合液供給ライン121に接続されている。第1または第2の燃料・水供給系F1またはF2を用いる場合、混合液供給ライン121の上流に高圧ポンプ122を設ける。この高圧ポンプ122はモータ123によって駆動される。
第1の燃料・水供給系F1を用いる場合、燃料供給ライン131からの燃料と水供給ライン132からの水とを混合槽133で混合した後、この燃料−水混合液を高圧ポンプ122により加圧し、混合液供給ライン121を通して噴射ノズル112から噴射させ、衝突板113に衝突させて水エマルジョン燃料を製造する。
第2の燃料・水供給系F2を用いる場合、タンク135内で予め燃料と水とを混合し、この燃料−水混合液を高圧ポンプ122により加圧し、混合液供給ライン121を通して噴射ノズル112から噴射させ、衝突板113に衝突させて水エマルジョン燃料を製造する。
一方、第3の燃料・水供給系F3を用いる場合、水エマルジョン容器100内の液を循環させる循環ライン125を混合液供給ライン121に接続し、循環ライン125に高圧ポンプ126を設ける。この高圧ポンプ126はモータ127によって駆動される。第3の燃料・水供給系F3を用いる場合、燃料供給ライン136からの燃料と水供給ライン137からの水とを計量して直接に水エマルジョン容器100に入れ、この燃料−水混合液を高圧ポンプ126によって加圧し、循環ライン125および混合液供給ライン121を通して噴射ノズル112から噴射させ、衝突板113に衝突させて水エマルジョン燃料を製造する。燃焼に適した水エマルジョン燃料が製造されるまでこの循環運転を続ける。
なお、第1または第2の燃料・水供給系F1またはF2を用いる場合にも、混合液供給ライン121の上流に設けた高圧ポンプ122とともに、循環ライン125に設けた高圧ポンプ126を併用してもよい。
以上のような運転により製造された水エマルジョン燃料は、水エマルジョン燃料供給ライン141を通してエンジンやボイラーなどの燃焼機器へ供給される。なお、水エマルジョン燃料を製造する運転を停止したときには、攪拌装置142で水エマルジョン容器100内の液を攪拌し水エマルジョン燃料の混合率を一定に保つようにすることが好ましい。攪拌装置142はモータ143によって駆動される。図2(a)では、攪拌装置142としてスクリューを用いているが、スクリューの代わりに低圧ポンプを用いてもよい。
図3は本発明の第3の実施形態に係る水エマルジョン燃料製造装置の構成図である。この装置では、燃料および水を供給するためのバルブ操作、およびポンプの運転を手動で行う。この装置は、少量の水エマルジョン燃料を製造する場合に用いられる低価格のものである。
水エマルジョン容器200の内部の貯留部201に、製造された水エマルジョン燃料が貯留される。水エマルジョン容器200内の液中に、支持体211に支持された噴射ノズル212およびこれに対向するように配置された衝突板213が設けられる。水エマルジョン容器200には、手動バルブ222を備えた燃料供給ライン221が接続されている。水エマルジョン容器200の側面には目盛計223が取り付けられている。使用者は、目盛計223を見ながら所定の燃料ライン(OL)まで燃料を供給する。
水エマルジョン容器200の上部には水タンク230が設けられている。水タンク230には手動バルブ232を備えた水供給ライン231が接続されている。水タンク230の側面には目盛計233が取り付けられている。使用者は、目盛計233を見ながら所定の水ライン(WL)まで水を供給する。水タンク230は手動バルブ234を介して水エマルジョン容器200に接続されている。
水エマルジョン容器200の下部には、モータ252によって駆動される高圧ポンプ251が設けられている。使用者は、高圧ポンプ251のスイッチを入れて稼動させながら、手動バルブ234を開放して少しずつ水を供給し、水エマルジョン容器200内の液面が所定の水ライン(WL)に達したら手動バルブ234を閉じる。
水エマルジョン容器200内の液は高圧ポンプ251によって加圧され、循環ライン253を通して噴射ノズル212から噴射され、衝突板213に衝突し、その結果、水エマルジョン燃料が製造される。燃焼に適した水エマルジョン燃料が製造されるまでこの循環運転を続ける。製造された水エマルジョン燃料は、水エマルジョン燃料供給ライン255を通してボイラーなどの燃焼機器へ供給される。
水エマルジョン燃料を製造する運転を停止しても、攪拌用の低圧ポンプ254で水エマルジョン容器200内の液を吸入および吐出して攪拌すれば、水エマルジョン燃料を使用することができる。
なお、沈降遅延剤を使用すれば水粒子の沈降を遅くすることができるので、低圧ポンプ254による攪拌を少なくしたりなくしたりすることもできる。沈降遅延剤としては、廃エンジンオイルや廃食用油を用いることができる。沈降遅延剤の添加量は水エマルジョン燃料の0.2〜1%の範囲で、燃料や水混合率に応じて設定される。たとえば、A重油を水混合率30%で用いる場合、沈降遅延剤の添加量は約0.5%に設定される。沈降遅延剤は直接に水エマルジョン容器200に入れてもよいし、予め燃料タンクに入れてもよい。
図4(a)は本発明の第4の実施形態に係る水エマルジョン燃料製造装置の構成図、図4(b)は図4(a)の平面図である。この装置は、2つの水エマルジョン容器を有するタンデム型のものであり、自動制御でこれらの水エマルジョン容器を切替えて運転する。この装置は、たとえば水エマルジョン燃料の使用量が多いボイラーなどに併設される。
2つの水エマルジョン容器300A、300Bの内部の貯留部に、製造された水エマルジョン燃料が貯留される。2つの水エマルジョン容器300A、300B内の液中に、それぞれ、支持体311に支持された噴射ノズル312およびこれに対向するように配置された衝突板313が設けられる。図2(a)と同様に、噴射ノズル112および衝突板113を含むユニットは上下2段になって設けられている。
燃料は燃料供給ライン331から流量計332を通していずれかの水エマルジョン容器に供給される。水は水供給ライン333から流量計334を通していずれかの水エマルジョン容器に供給される。それぞれの水エマルジョン容器300A、300B内の液量は液面センサー302A、302Bによってモニターされる。
水エマルジョン容器300A、300Bの下部には、水エマルジョン容器300A、300Bの循環ライン355に接続された高圧ポンプ351が設けられている。この高圧ポンプ351はモータ352によって駆動される。水エマルジョン容器内の液は高圧ポンプ351によって加圧され、循環ライン355を通して噴射ノズル312から噴射され、衝突板313に衝突し、その結果、水エマルジョン燃料が製造される。水エマルジョン容器300A、300Bの水エマルジョン燃料は、低圧ポンプ356によって攪拌され、均一に混合される。なお、簡略化のために、図4(a)には低圧ポンプ356が水エマルジョン容器の水エマルジョン燃料を吸引および吐出するためのラインを省略している。また、低圧ポンプ356の代わりにスクリューなどの攪拌機を用いてもよい。
水エマルジョン容器300A、300Bの水エマルジョン燃料は、水エマルジョン燃料供給ライン361、流量計362、攪拌機つきトラップ363を通してエンジンやボイラーなどの燃焼機器へ供給される。水エマルジョン燃料をエンジンに供給する場合、エンジンからのリターン燃料をトラップ363に戻す。トラップ363でトラップされた水エマルジョン燃料はリターンライン366を通して水エマルジョン容器300A、300Bに戻される。
各種機器はコントローラ370により制御される。コントローラ370はインバーター371などを含む。コントローラ370の動作条件は操作パネル372から入力される。
以下、本実施形態の水エマルジョン燃料製造装置の動作の一例を説明する。
まず、一方の水エマルジョン容器300Aに燃料を供給する。液面センサー302Aにより燃料が所定レベルに達したことを検出すると、燃料供給を停止する。これと同時に、高圧ポンプ351を駆動させ、水の供給を開始する。燃料供給および水供給の開始および停止はコントローラ370によりシーケンス制御される。
水エマルジョン容器300A内の液を循環させながら、高圧ポンプ351により加圧された液を噴射ノズル312から噴射させ、衝突板313に衝突させることによって水エマルジョン燃料を製造する。なお、C重油などの粘度の高い燃料を用いる場合や、水の粒径が大きくても差し支えのない炉、大型エンジンおよび大型ボイラーなどに水エマルジョン燃料製造装置を併設する場合には、必ずしも水エマルジョン容器内の液を常時循環させる必要はない。
2つの水エマルジョン容器300A、300Bで水エマルジョン燃料の製造のための運転を交互に行う。2つの水エマルジョン容器300A、300Bから燃焼機器へのエマルジョン燃料の供給も交互に行う。
ポンプ、モータ、ソレノイドバルブおよびインバーターなどの運転および管理、流量計および圧力計などによる計測およびデーター転送などはコントローラ370で制御される。各種データーは必要に応じて管理用サーバーに送られる。
なお、図4(a)および(b)では、2つの水エマルジョン容器を用いているが、必要に応じて3つ以上の水エマルジョン容器を用いてもよい。また、図示していないが、非常停止時やメンテナンスのための停止時には、通常の燃料を用いるラインに切替えるようにしてもよい。
図5は本発明の第5の実施形態に係る分散配置の水エマルジョン燃料製造装置の構成図である。この装置は、分散配置された2つの水エマルジョン容器400A、400Bを直列に接続したものである。この装置は、図4(a)および(b)に図示した一体型の装置を設置するスペースがなく、燃料使用量が比較的多い船舶エンジンなどに併設される。
燃料タンク431の燃料は、燃料供給ライン432、バイパス切替バルブ461、462を通して直接に船舶エンジンなどの燃焼機器460に供給され、従来通りの燃焼を行うこともできるようになっている。
水エマルジョン燃料を製造する場合には、バイパス切替バルブ461、462を切替える。燃料タンク431の燃料は、燃料供給ライン432、バイパス切替バルブ461、流量計433を通して混合槽440へ送られる。水タンク435の水は、水供給ライン436、流量計437を通して混合槽440へ送られる。直列方式では、燃料タンク431から供給される燃料の量に比例して、水タンク435から供給される水の量を調節する。混合槽440で混合された燃料−水混合液は、1パス目の高圧ポンプ451、1パス目の水エマルジョン容器400A、2パス目の高圧ポンプ452、2パス目の水エマルジョン容器400Bを順次通過する。2つの水エマルジョン容器400A、400B内の液中に、それぞれ、支持体411に支持された噴射ノズル412およびこれに対向するように配置された衝突板413が設けられる。高圧ポンプ451で加圧された燃料−水混合液は水エマルジョン容器400A内で噴射ノズル412から噴射され、衝突板413に衝突し、水エマルジョン燃料が製造される。さらに、水エマルジョン容器400Aを出て高圧ポンプ451で加圧された水エマルジョン燃料は、水エマルジョン容器400A内で噴射ノズル412から噴射され、衝突板413に衝突し、より細かい粒子を含む水エマルジョン燃料が製造される。
製造された水エマルジョン燃料は、バイパス切替バルブ462、トラップ465を通して燃焼機器460に供給されて燃焼される。燃焼機器460がエンジンである場合、リターン燃料がトラップ465へ戻される。
ポンプ、モータ、ソレノイドバルブおよびインバーターなどの運転および管理、流量計および圧力計などによる計測およびデーター転送などはコントローラ470で制御される。
大型の船舶エンジンには、粘度が高く比重が大きいC重油などの燃料が用いられ、エマルジョン製造後も水粒子の沈降が比較的遅く、水粒子のサイズが5〜10μm程度であれば使用に差し支えがない。このため、複数の水エマルジョン容器400A、400Bを直列に接続することにより、水エマルジョン燃料を効率的に製造することができる。
図6は本発明の第5の実施形態の変形例に係る分散配置の水エマルジョン燃料製造装置の構成図である。この装置は、分散配置された2つの水エマルジョン容器400A、400Bの液を高圧ポンプ451によって循環させ、水エマルジョン燃料を製造する以外は図5の装置と同様の構成を有する。
図7は本発明の第6の実施形態に係るワンパス型の水エマルジョン燃料製造装置の構成図である。この装置では、燃料−水混合液を1回噴射するだけで水エマルジョン燃料を製造する。この装置は、水エマルジョン燃料の水粒子のサイズが比較的揃っていなくても問題のないエンジン、ボイラー、炉などの燃焼装置に併設される。この装置は燃焼装置にできるだけ近く配置され、製造された水エマルジョン燃料は直ちに燃焼装置で燃焼される。
燃料は、燃料供給ライン531、流量計532、バイパス切替バルブ561、562を通して直接に燃焼機器560に供給され、従来通りの燃焼を行うこともできるようになっている。
水エマルジョン燃料を製造する場合には、バイパス切替バルブ561、562を切替える。燃料は燃料供給ライン531、流量計532、バイパス切替バルブ561を通して供給され、水は水供給ライン535、流量計536を通して供給され、燃料−水混合液は高圧ポンプ551によって加圧され、水エマルジョン容器500に送られる。水エマルジョン容器500内の液中に、支持体511に支持された噴射ノズル512およびこれに対向するように配置された衝突板513が設けられる。高圧ポンプ551で加圧された燃料−水混合液は水エマルジョン容器500内で噴射ノズル512から噴射され、衝突板513に衝突し、水エマルジョン燃料が製造される。製造された水エマルジョン燃料はバイパス切替バルブ562を通して燃焼機器560へ供給されて燃焼される。ポンプ、モータ、ソレノイドバルブおよびインバーターなどの運転および管理、流量計および圧力計などによる計測およびデーター転送などはコントローラ570で制御される。
なお、水エマルジョン容器500に循環ライン521を接続してもよい。また、エンジンからのリターン燃料を、リターンライン563を通して水エマルジョン容器500に戻してもよい。

Claims (10)

  1. 水エマルジョン容器と、
    油−水混合液を加圧するポンプと、
    前記ポンプから供給される油−水混合液を前記水エマルジョン容器内へ噴射する噴射ノズルと、
    前記水エマルジョン容器内で前記噴射ノズルに対向して設けられ、前記噴射ノズルから噴射される油−水混合液を衝突させる衝突板と
    を有することを特徴とする水エマルジョン製造装置。
  2. 前記水エマルジョン容器内に貯留された水エマルジョンを、前記ポンプを介して前記噴射ノズルから噴射させる循環ラインを有することを特徴とする請求項1に記載の水エマルジョン製造装置。
  3. 前記ポンプの上流に、油と水とを混合する混合槽を有することを特徴とする請求項1に記載の水エマルジョン製造装置。
  4. 前記循環ラインに空気を注入するエアバルブを設けたことを特徴とする請求項1に記載の水エマルジョン製造装置。
  5. 前記ポンプの圧力が5MPa以上、前記噴射ノズルのノズル孔と前記衝突板との距離が1〜50mmであることを特徴とする請求項1に記載の水エマルジョン製造装置。
  6. 前記噴射ノズルおよび衝突板は、前記水エマルジョン容器内の液面上に設けられることを特徴とする請求項1に記載の水エマルジョン製造装置。
  7. 前記噴射ノズルおよび衝突板は、前記水エマルジョン容器内の液中に設けられることを特徴とする請求項1に記載の水エマルジョン製造装置。
  8. 複数の水エマルジョン容器が切替え可能に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の水エマルジョン製造装置。
  9. 複数の水エマルジョン容器が直列に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の水エマルジョン製造装置。
  10. 加圧した油−水混合液を噴射ノズルから噴射させて、衝突板に衝突させることを特徴とする水エマルジョンの製造方法。
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