JP7050256B2 - 微粒子化装置 - Google Patents
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Description
前記製造装置は、燃料油と水とを含む混合燃料を生成するための混合タンクと、第1ポンプと、前記混合燃料中の分散質を微粒子化するための微粒子化装置と、前記第1ポンプの圧送により前記混合燃料をこの順に送液するための第1配管と、を備え、
前記微粒子化装置は、
前記混合燃料が通過可能な孔を有する2つのエレメントを互いに一定の間隔を保持しつつ配置して、この2つのエレメント間に空間を形成してなり、
前記2つのエレメントは、送液方向上流側から順に、第1エレメントと第2エレメントとを有し、
前記第1エレメントは、複数の第1孔を有するとともに、前記複数の第1孔の径は、2種以上であり、
前記第2エレメントは、前記空間に導入された混合燃料を排出する第2孔を有する、製造装置。
〔3〕 前記燃料油は、温度50℃における動粘度が2mm2/s以上である。
前記第2配管は、前記第1配管から前記エマルジョン燃料を燃焼装置に供給する経路を形成し、
前記第2ポンプは、前記エマルジョン燃料を前記圧力調整器に向けて圧送し、
前記圧力調整器は、前記第2ポンプによって圧送される前記エマルジョン燃料に印加される圧力が所定の圧力となるように調整する。
前記製造方法は、燃料油と水とを混合して混合燃料を生成し、
前記混合燃料を圧送して、2種以上の径からなる複数の第1孔を有する第1エレメントを通過させ、
前記第1エレメントを通過した前記混合燃料を、前記第1エレメントと一定の間隔を保持しつつ配置された第2エレメントとの間に形成される空間に導入し、
前記空間に導入された前記混合燃料を、前記第2エレメントに設けられた第2孔から排出する、製造方法。
前記エマルジョン燃料に所定の圧力が印加されるように調整しながら、エマルジョン燃料を燃焼装置に供給する、供給方法。
以下、W/O型のエマルジョン燃料を製造する場合のエマルジョン燃料の製造装置の具体例を示す。図1は、本発明の実施形態に係るエマルジョン燃料の製造装置の概念図である。図2は、本発明の他の実施形態に係るエマルジョン燃料の製造装置の概念図である。
水用ポンプP11、ポンプP31及び吐出ポンプP41としては、特に限定されず、遠心ポンプ、プロペラポンプ、渦巻ポンプ、セントヒューガルポンプ、カスケードポンプ、過流タービンポンプ等の非容積式ポンプ、往復動ポンプや回転ポンプ、ギアポンプ等の容積式ポンプ等を用いることができる。このうち、水用ポンプP11及びポンプP31としては、これらのポンプの吸入側においてコンプレッサC10、C50から気体を導入し、これらのポンプにより予備撹拌できるように、カスケードポンプ、過流タービンポンプを用いることが好ましい。また、水用ポンプP11、ポンプP31及び吐出ポンプP41の吐出圧力、吐出量も特に限定されないが、吐出圧力は0.5MPa~1.0MPaであることが好ましい。
微粒子化装置90は、混合タンクT30で生成された燃料油と水とを含む混合燃料中の水(分散質)を微粒子化するためのものである。図3(a)は、本発明の実施形態に係る微粒子化装置を示す斜視図であり、図3(b)は、図3(a)の分解斜視図であり、図3(c)は、図3(a)のC-C断面図である。また、図4は、本発明の実施形態に係る微粒子化装置の使用形態を示す斜視図である。
上流側エレメント91は、円盤状のプレートに円形の孔を複数形成したものである。上流側エレメント91は、その中心側に第1の径を有する中心側孔91a(第1孔)を例えば1~10個有し、その外周側に第2の径を有する外周側孔91b(第2孔)を2~20個有することができる。図3(b)に示す上流側エレメント91では、4個の中心側孔91aを有し、8個の外周側孔91bを有する例を示している。図3(b)に示す4つの中心側孔91aは、上流側エレメント91の中心から同心円状の位置に等間隔に配置されている。図3(b)に示す8つの外周側孔91bは、中心側孔91aの外周側であって、上流側エレメント91の中心から同心円状の位置に等間隔に配置されている。なお、中心側孔91aは、1~8個とすることが好ましく、2~6個とすることがより好ましい。また、外周側孔91bは、2~16個とすることが好ましく、4~8個とすることがより好ましい。
下流側エレメント92は、円盤状のプレートに円形の孔を形成したものである。下流側エレメント92は、その中心に中央孔(第2孔)92aを例えば1~16個有することができる。図3(b)に示す下流側エレメント92では、その中心に1つの中央孔92aを有する例を示している。なお、中央孔92aは、1~4個であることが好ましく、1~2個であることがより好ましい。下流側エレメント92は、微粒子化装置に組立てる際の簡便性等の点から、上流側エレメント91と同じ直径を有することが好ましいが、異なる直径であってもよい。
ガスケット93は、例えばヘルールガスケットとして知られるものを用いることができ、円盤状のプレートに孔を形成したものである。ガスケット93の一方の面に上流側エレメント91を配置し、他方の面に下流側エレメント92を配置することにより、上流側エレメント91と下流側エレメント92とをガスケット93を介して、互いに一定の間隔を保持しつつ対向させることができる。
ウルトラファインバブル水の生成装置90’は、ウルトラファインバブル水(ナノバブル水)を生成することができるものを用いることができる。具体的には、超音波方式、旋回流方式、加圧溶解方式等によってウルトラファインバブル水を生成することができる装置の他、上記した微粒子化装置90と同様の構造を有する装置を用いることができる。微粒子化装置90と同様の構造を有する生成装置90’では、生成装置90’に導入された水に微細な気泡が形成されることによりウルトラファインバブル水を製造することができる。ウルトラファインバブル水とは、1μm以下のナノサイズの気泡を含む水をいう。
圧力調整器V43としては、エマルジョン燃料を圧送するときの圧力が所定の圧力となるように調整できるものであればよい。例えばエマルジョン燃料の送液を所定の圧力まで抑制するものや、エマルジョン燃料が通過する圧力調整器V43の流路面積(流路)を、燃料装置用配管40の他の部分に比べて小さい流路とすることによって、エマルジョン燃料の流量を抑制するものを用いることができる。圧力調整器V43として具体的には、上記した微粒子化装置90、圧力調整弁、リリーフ弁、手動弁、安全弁、減圧弁等を用いることができる。
エマルジョン燃料の製造装置Aを用いてW/O型のエマルジョン燃料を製造する製造方法について説明する。
(燃料油)
燃料油は、温度50℃における動粘度が2mm2/s以上であることが好ましく、5mm2/s以上であることがより好ましく、10mm2/s以上であることが最も好ましい。上記燃料油として具体的には、温度50℃における動粘度が通常1.5~20mm2/sであるA重油、温度50℃における動粘度が通常2.5~100mm2/sであるB重油、温度50℃における動粘度が通常80~200mm2/sであるC重油、温度50℃における動粘度が通常80~200mm2/sである石炭油、温度50℃における動粘度が2~100mm2/sである再生油(廃油)よりなる群より選択される少なくとも1種を挙げることができ、2種以上を混合して用いてもよい。このうち、A重油、B重油、C重油、石炭油、再生油(廃油)よりなる群より選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。上記燃料油と水とを、上記したエマルジョン燃料の製造装置を用いて混合することにより、界面活性剤を別途添加することなく又は界面活性剤の使用量を低減して、上記燃料油をエマルジョン化することができる。
水は、水道水、蒸留水、精製水、イオン交換水、アルカリ水、酸性水、純粋、超純水、廃水、これらを用いて作製したウルトラファインバブル水等を用いることができる。
本発明のエマルジョン燃料は、燃料油、水以外のその他の成分として、乳化剤(界面活性剤)、酸化防止剤、粘度調整剤、防錆剤、分散剤、消泡剤、香料、着色剤、潤滑剤などを含んでいてもよい。エマルジョン燃料に含まれるその他の成分の含有率は、本発明のエマルジョン燃料の安定した乳化状態を維持できる範囲であれば特に限定されないが、エマルジョン燃料の総重量に対して20重量%以下であることが好ましく、10重量%以下であることがより好ましい。
本発明のエマルジョン燃料の製造装置で製造されたエマルジョン燃料は、ボイラ、ディーゼルエンジン、燃焼炉、乾燥炉、発電所等の燃焼装置に供給されて使用される。
エマルジョン燃料の油水分離試験は、エマルジョン燃料の製造装置で製造された直後にエマルジョン燃料を200mLのメスシリンダーに150mL投入して静置した後、油水分離が生じる時間までの時間を計測することによって行った。静置後、24時間以内に油水分離が生じた場合には、油水分離が生じる時間を計測し、24時間以内に油水分離が生じなかった場合には分離なしと判定した。
エマルジョン燃料をプレパラートに0.1mL採取した状態で顕微鏡(GR-D8T2、松電舎製)で撮影し、撮影画像を画像分析装置(A像君、旭化成エンジニアリング製)で粒径分析して、エマルジョン燃料中の水の粒子径を算出した。
実施例及び比較例で得たエマルジョン燃料を、バーナ(MC-3G、HODAKA製、吐出圧力1.0~2.8MPa、吐出流量8~15kg/h、ノズルチップ2.25(60°),2.5(60°)、ノズルチップ及び吐出圧力で吐出流量を制御)を用い、噴射圧力1.0MPaの範囲で噴射して、簡易燃焼炉(炉サイズ:内径600mm、幅1500mm)内で燃焼させる燃焼試験を行った。排ガス分析器(Testo350S、テストー製)を用いて、簡易燃焼炉から排出される排ガスの排気煙道から、排ガス分析器のプローブで排ガス0.6L/minを採取し、排ガス内のCO、NO、NO2、SO2の量を測定した。
実施例及び比較例で得たエマルジョン燃料について、図2に示す製造装置A3を用い、上記燃焼試験で用いたものと同じ簡易燃焼炉、排ガス分析器を用いて燃費評価を行った。具体的には、簡易燃焼炉の温度を十分に昇温した後、エマルジョン燃料を燃焼させ、簡易燃焼炉の排気煙道から排ガス分析器のプローブで採取した排ガスを排ガス分析器で検出して、排ガスの温度が425±5℃、酸素濃度が3.5±0.2%となるように、エマルジョン燃料の燃焼状態を維持して30分間燃焼させた。実際の燃焼温度及び酸素濃度は表2に示すとおりである。
実施例1で用いた微粒子化装置90に代えて、せん断式のミキサ(ラモンドナノミキサ、ナノクス製)を用いたこと以外は、実施例1と同様の製造装置でエマルジョン燃料を得、油水分離試験を行った。また、比較例1について水の粒子径の測定を行った。その結果を表1に示す。
実施例1で用いた微粒子化装置90を用いずに、混合タンクT30でスターラ(ナノクス製)を用いて撹拌したこと以外は、実施例1と同様の製造装置でエマルジョン燃料を得、油水分離試験を行った。また、比較例2について水の粒子径の測定を行った。その結果を表1に示す。
実施例3で用いた微粒子化装置90に代えて、比較例1に記載のせん断式のミキサ(ラモンドナノミキサ、ナノクス製)を用いたこと以外は、実施例2と同様の燃焼装置Bを用いて燃焼試験及び燃焼評価試験を行った。その結果を表2に示す。
実施例3で用いた微粒子化装置90に代えて、比較例2に記載のスターラー(ナノクス製)を用いたこと以外は、実施例2と同様の燃焼装置Bを用いて燃焼試験及び燃焼評価試験を行った。その結果を表2に示す。
実施例2及び比較例3で用いた製造装置を使用せず、燃焼装置Bに直接C重油を供給して、燃焼試験及び燃費評価試験を行った。その結果を表2に示す。
Claims (1)
- 複数の材料の混合物中の分散質を微粒子化するための微粒子化装置であって、
前記微粒子化装置は、前記複数の材料を通過可能な孔を有する2つのエレメントを互いに10mm~80mmの間隔を保持しつつ配置して、前記2つのエレメント間に空間を形成してなり、
前記2つのエレメントは、送液方向上流側から順に、第1エレメントと第2エレメントとを有し、
前記第1エレメントは、
複数の第1孔を有するとともに、前記複数の第1孔の径は、2種以上であり、前記複数の第1孔は、前記第1エレメントの中心側に第1の径を有する中心側孔と、 前記中心側孔の外周側に第2の径を有する外周側孔とを含み、かつ、前記中心側孔の直径 は、前記外周側孔の直径に比べて小さく、前記第1エレメントの中心側に直径が0.4mm~1mmである中心側孔を1~4個と、前記中心側孔の外周側に直径が0.8mm~2mmである前記外周側孔を2~8個とを含み、
前記第2エレメントは、
前記空間に導入された前記複数の材料の混合物を排出する第2孔を有し、前記第2エレメントの前記第2孔の総面積は、前記第1エレメントの前記第1孔の総面積の0.8~1.2倍であり、前記第2エレメントの中心に1~2個有する、微粒子化装置。
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