JPWO2009005151A1 - 新規脂質ペプチド並びにヒドロゲル - Google Patents

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Abstract

【課題】酸性からアルカリ性の液性範囲において極めて少量でヒドロゲルを形成できる脂質ペプチド並びに高い環境・生体適合性及び生分解性を有するヒドロゲルの提供。【解決手段】式(1):(式中、R1は炭素原子数9乃至23の脂肪族基を表し、R2、R3、R4及びR5は、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1乃至3の分枝鎖を有し得る炭素原子数1乃至7のアルキル基、フェニルメチル基、フェニルエチル基、又は−(CH2)n−X基を表し、且つR2、R3、R4又はR5のうち少なくとも一つが−(CH2)n−X基を表し、nは1乃至4の数を表し、Xはアミノ基、グアニジノ基、−CONH2基、又は窒素原子を1乃至3個有し得る5員環若しくは6員環又は5員環と6員環から構成される縮合複素環を表し、mは1又は2を表す。)で表される脂質ペプチド及びそれからなるヒドロゲル。【選択図】なし

Description

本発明は新規な脂質ペプチド、該脂質ペプチドの自己集合化により形成されるファイバー、ならびに該脂質ペプチド又はファイバーと水溶液又はアルコール水溶液により構成されるヒドロゲルに関する。
本発明の脂質ペプチドは、化粧品、寒天等のゲル状食料品や医薬品製剤等をはじめとする各種ゲル状基材の製造においてヒドロゲル化剤として特に好適に利用できる。また、該脂質ペプチドから得られたヒドロゲルは、化粧品、(ソフト)コンタクトレンズ、紙おむつ、芳香剤などの日用品用途や、乾燥地農業用途、クロマトグラフィーなどの分析化学用途、医療・薬学用途、タンパク質の担持体や細胞培養関連基材、バイオリアクター等の生化学分野用途等、各種機能性材料として好適である。
ヒドロゲルは水を媒質とするため生体適合性の高いゲルとして有用であり、紙おむつや化粧品、芳香剤等の日用品向け用途をはじめとして、幅広い分野で使用されている。
従来型のヒドロゲルとしては、アガロースなどの天然高分子ゲルや、アクリルアミドゲルなどの高分子鎖間を化学共有結合にて架橋した合成高分子ゲルを挙げることができる。
近年、ヒドロゲルに物質保持性能や外部刺激応答性能、さらには環境に配慮して生分解性能といった、各種機能を付与させた機能性ゲルが注目されており、前記天然又は合成高分子ゲルに共重合反応等を用いて機能性分子を組み入れることにより、様々な機能発現の試みがなされている。
このように新たな機能をヒドロゲルに付与するには、ゲルのナノ構造やその表面構造を詳細に検討する必要があるが、上述の共重合反応を用いた機能性分子の組み入れ方法では、機能性基の導入率に限界があることや精密分子設計が難しいとう問題があり、さらに未反応の残存物質の安全性の問題、ひいてはゲル調製が非常に煩雑であるという様々な課題を有している。
こうした従来の「トップダウン型」の機能性材料の開発に対し、物質の最少単位である原子や分子を集合させ、その集合体である超分子に新しい機能を見出す「ボトムアップ型」の機能性材料の創製研究が注目されている。
ゲルの分野においても、低分子化合物の自己集合化による非共有結合性ゲルファイバー(所謂「超分子ポリマー」)によって形成される新たなゲルの開発が進められている。この「自己集合化」とは、当初ランダムな状態にある物質(分子)群において、分子が適切な外部条件下で分子間の非共有結合性相互作用等により自発的に会合することにより、マクロな機能性集合体に成長することを指す。
上記新たなゲルは、理論的にはモノマーの分子設計によって分子間相互作用や分子集合体の弱い非共有結合を制御することで、巨視的なゲルの構造や機能の制御が可能である点が注目されている。
但し、低分子化合物間の分子間相互作用や非共有結合を如何に制御するかについては、明確な方法論が見出されておらず、また非共有結合性ゲルの研究は、比較的ゲル形成が容易であることから有機溶媒中における水素結合を利用した自己集合体の研究が先行しており、水溶液中における自己集合化化合物(すなわちヒドロゲル化剤など)は偶発的な発見の域に留まっている。
現在報告されている非共有結合性ゲルを形成するヒドロゲル化剤は、大きく分けて以下の3種類が挙げられる。
[1.両親媒性低分子を骨格として有するもの]
人工脂質膜をモデルとしたもので、四級アンモニウム塩部を親水部とし、アルキル長鎖を疎水部にした界面活性剤型ゲル化剤、二つの界面活性剤型分子の親水部を連結した双界面活性剤型ゲル化剤などが挙げられる。
こうしたゲル化剤によるハイドロゲルの一例として、分岐型アルキル基を疎水部に有するカチオン性両親媒性化合物の分散水溶液に、分子量90以上のアニオンを添加することによって形成される分子組織性のハイドロゲルに関する提案がなされている(特許文献1)。
[2.生体内成分をモチーフとした骨格を有するもの]
ペプチド二次構造骨格(α−ヘリックス構造やβ−シート構造など)による分子集合体間の会合を利用したゲル化剤が挙げられる。
例えばα−ヘリックス構造を有するもの(非特許文献1)、β−シート型構造を有するもの(非特許文献2)に関する提案がなされている。
[3.半人工型低分子を骨格として有するもの]
DNA塩基やペプチド鎖、糖鎖などの生体内成分(親水部)とアルキル鎖(疎水部)等の組み合わせからなり、先に挙げた2つのゲル化剤の特徴を組み合わせたゲル化剤といえる。ここでDNA塩基、ペプチド鎖及び糖鎖は、親水性を高めるだけでなく、水素結合などの分子間相互作用を付与する役割を担っている。
例えばN−アセチル化された単糖類または二糖類のグリコシド構造を有する糖構造部位を有するグリコシドアミノ酸誘導体から成るヒドロゲル化剤(特許文献2)、一般式「RCO(NHCH2CO)mOH」で表されるペプチド脂質と遷移金属とから自己集合性を有して形成される微細中空繊維(特許文献3)などの提案がなされている。
また、<疎水部−システイン残基(ネットワーク形成時にジスルフィド結合形成)−グリセリン残基(柔軟性を付与)−リン酸化セリン残基−細胞接着性ペプチド>という構造を有する両親媒性ペプチドが、疎水部を核としてβ−シート型ファイバーネットワークを形成することが開示されている(非特許文献3)。
そして、ケミカルライブラリーを用いて糖脂質型超分子ヒドロゲルの作成を行った事例も報告されている(非特許文献4)。
特開2002−085957号公報 特開2003−327949号公報 特開2004−250797号公報 ペカタら、サイエンス、281、389(1998)(W.A.Pekata et al., SCIENCE, 281, 389(1998)) A.アジェリら、アンケヴァンテ ヒェミー 2003、42、5603−5606(A.Aggeli et al., Angew, Chem. Int. Ed.,2003, 42, 5603-5606) ジェフリー D.ハルトゲリンク、エリア ベニアシュ、サミュエル I.ストゥップ、サイエンス、294巻、1684−1688頁(2001)(Jeffrey D.Hartgerink, Elia Beniash, Samuel I. Stupp, SCIENCE, vol 294, 1684-1688 (2001)) 松本真治、濱地格、ドージンニュース No.118、1−16頁(2006) キエルト J.C.ファン ボメルら、アンケヴァンテ ヒェミー 2004、43、1663−1667(Kjeld J. C. Van Bommel et al., Angew. Chem.Int. Ed. 2004, 43, 1663-1667)
従来型のヒドロゲルにあっては、その合成高分子ゲルを形成するにあたって、また場合によってゼラチン(コラーゲン)等の天然高分子をゲル化するにあたって、アルデヒド基を有する架橋剤を使用する必要がある。
また、天然高分子ゲルは勿論のこと、(合成)高分子ゲルに機能を付与するには、高分子鎖を化学修飾するか、機能分子を組み入れるために共重合反応を行う必要がある。
このように従来型のヒドロゲルにおいては、ゲルの調製が煩雑であり、未反応の架橋剤や共重合反応時の未反応物質が残存するという問題も有していた。
また、これまで提案された上述の非共有結合性ゲルを形成するヒドロゲル化剤において、前記両親媒性低分子を骨格とする(1.)場合、媒質の液性によってはゲル形成に至らないことがある。すなわち、アルカリ性領域ではミセルを形成し乳化液となってしまい、一方、酸性領域ではファイバー状に自己集合してヒドロゲルが得られるものの、生体に安全とされる中性領域でヒドロゲル化する例はほとんど報告されていない。また、四級アンモニウムカチオン等(例えば特許文献1)の生体環境への安全性に不安を残すなどの課題も有している。
また生体内成分をモチーフとした骨格(2.)にあっては、大量製造に向かないという生産性の問題や、ゲル形成能が温度やpHに依存するという課題を有している。
そして、半人工型低分子を骨格として有するもの(3.)にあっては、例えば特許文献2に記載の該ヒドロゲル化剤を構成するグリコシドアミノ酸誘導体を合成する反応スキーム(図1)を参照すると、毒性の高いアジ化ナトリウムを使用することが明記されており、また特許文献3に記載の中空繊維の自己集合化にあたり、遷移金属(イオン)の添加が必須となるなど、生体適合性や環境安全性において課題を残すものであった。
このように、これまで報告された各種の非共有結合性のヒドロゲル及び該ゲルを形成するヒドロゲル化剤にあっては、ゲル形成能(ゲル構造保持能)や生体環境への安全性等の面でさらなる改善が求められるものであった。
さらに生体環境への安全性の観点からは、より少量の添加量でゲル形成が可能となるヒドロゲル化剤に対する潜在的な要求があった。
本発明は、上記の事情に基づいてなされたものであり、その解決しようとする課題は、新規な脂質ペプチド、特に酸性からアルカリ性といった広い液性範囲において、特に中性領域にあっても、極めて少量でヒドロゲルを形成できる高いヒドロゲル化能を有するヒドロゲル化剤として有用な脂質ペプチドを提供することにある。
また本発明は上記脂質ペプチドを用いて、酸性からアルカリ性といった広い液性範囲で安定してゲル構造を保ち、また、高い環境・生体適合性及び生分解性を有するヒドロゲルを提供することにある。
本発明者は、上記の課題を解決するべく鋭意研究を行った結果、本発明を見出すに至った。
すなわち、第1観点として、式(1):
Figure 2009005151
(式中、R1は炭素原子数9乃至23の脂肪族基を表し、R2、R3、R4及びR5は、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1乃至3の分枝鎖を有し得る炭素原子数1乃至7のアルキル基、フェニルメチル基、フェニルエチル基、又は−(CH2)n−X基を表し、且つR2、R3、R4又はR5のうち少なくとも一つが−(CH2)n−X基を表し、nは1乃至4の数を表し、Xはアミノ基、グアニジノ基、−CONH2基、又は窒素原子を1乃至3個有し得る5員環若しくは6員環又は5員環と6員環から構成される縮合複素環を表し、mは1又は2を表す。)で表される脂質ペプチド及びその薬学的に使用可能な塩。
第2観点として、前記R1が不飽和結合を1又は2個有し得る炭素原子数11乃至23の直鎖状脂肪族基であることを特徴とする、第1観点記載の脂質ペプチド及びその薬学的に使用可能な塩。
第3観点として、前記R2、R3、R4及びR5は、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1又は2の分枝鎖を有し得る炭素原子数1乃至4のアルキル基、フェニルメチル基、又は−(CH2)n−X基を表し、且つR2、R3、R4又はR5のうち一つ又は二つが−(CH2)n−X基を表し、nは1乃至4の数を表し、Xはアミノ基、グアニジノ基、−CONH2基、又は窒素原子を1又は2個有し得る5員環又は5員環と6員環から構成される縮合複素環を表すことを特徴とする、第1観点又は第2観点記載の脂質ペプチド及びその薬学的に使用可能な塩。
第4観点として、前記R2、R3、R4及びR5は、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1又は2の分枝鎖を有し得る炭素原子数1乃至4のアルキル基、フェニルメチル基、又は−(CH2)n−X基を表し、且つR2、R3、R4又はR5のうち一つ又は二つが−(CH2)n−X基を表し、nは1乃至4の数を表し、Xはアミノ基、グアニジノ基、−CONH2基、ピロール基、イミダゾール基、ピラゾール基又はインドール基を表すことを特徴とする、第3観点記載の脂質ペプチド及びその薬学的に使用可能な塩。
第5観点として、前記R2、R3、R4及びR5は、それぞれ独立して水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、フェニルメチル基、アミノメチル基、2−アミノエチル基、3−アミノプロピル基、4−アミノブチル基、カルバモイルメチル基、2−カルバモイルエチル基、3−カルバモイルプロピル基、2−グアニジノエチル基、3−グアニジノプロピル基、ピロールメチル基、イミダゾールメチル基、ピラゾールメチル基又は3−インドールメチル基を表し、且つR2、R3、R4又はR5のうち一つ又は二つがアミノメチル基、2−アミノエチル基、3−アミノプロピル基、4−アミノブチル基、カルバモイルメチル基、2−カルバモイルエチル基、3−カルバモイルプロピル基、2−グアニジノエチル基、3−グアニジノプロピル基、ピロールメチル基、イミダゾールメチル基、ピラゾールメチル基又は3−インドールメチル基を表すことを特徴とする、第4観点記載の脂質ペプチド及びその薬学的に使用可能な塩。
第6観点として、前記R2、R3、R4及びR5は、それぞれ独立して水素原子、メチル基、i−プロピル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、フェニルメチル基、4−アミノブチル基、カルバモイルメチル基、2−カルバモイルエチル基、3−グアニジノプロピル基、イミダゾールメチル基又は3−インドールメチル基を表し、且つR2、R3、R4又はR5のうち一つ又は二つが4−アミノブチル基、カルバモイルメチル基、2−カルバモイルエチル基、3−グアニジノプロピル基、イミダゾールメチル基又は3−インドールメチル基を表すことを特徴とする、第5観点記載の脂質ペプチド及びその薬学的に使用可能な塩。
第7観点として、第1観点乃至第6観点のうちいずれか一項に記載の脂質ペプチド及びその薬学的に使用可能な塩の自己集合化により形成されるファイバー。
第8観点として、第1観点乃至第6観点のうちいずれか一項に記載の脂質ペプチド及びその薬学的に使用可能な塩又は第7観点記載のファイバーと水溶液又はアルコール水溶液より成るヒドロゲル。
本発明の脂質ペプチドは、従来型のヒドロゲル形成時に必要とされた架橋剤等を用いずに、水溶液又はアルコール水溶液をゲル化させてヒドロゲルを形成することができ、未反応の架橋剤の残存がない。また本発明の脂質ペプチドは低分子化合物からなるため、従来のヒドロゲル化剤のように機能発現のために組入れられた機能性分子の未反応物質を含まずに、ヒドロゲルを形成することができる。
また本発明の脂質ペプチドは、酸性領域からアルカリ性領域に亘る広い液性において、ヒドロゲルを形成することができる。特に、細胞培養の基材や医用材料等において要求される高い安全性の観点から、中性領域においてもゲル形成能を有する本発明の脂質ペプチドは、上記用途におけるヒドロゲル化剤として有用である。
また本発明の脂質ペプチドは、わずか0.03〜1質量%の添加量にてヒドロゲルを形成でき、環境や生体内で取り込まれた際に負荷が少ない。
さらに本発明の脂質ペプチドは、分散媒にエタノール等のアルコール性溶媒が50体積%程度まで含まれていてもヒドロゲルを形成することができ、滅菌性を要求されるヒドロゲル用途に好適に用いることができる。
また本発明の脂質ペプチドは、近年BSE感染等で問題となっている動物由来材料(コラーゲン、ゼラチン、マトリゲルなど)を使用せず、脂質とペプチドのみから構成される人工低分子化合物であるため、得られたヒドロゲルにおいて感染等による問題が生じない。しかも、アジ化ナトリウムなどの反応性は高いが毒性の試薬を使用することなく、脂質とペプチドのアミド化反応のみで脂質ペプチドの製造が可能であり、安全性の高いゲル化剤として好適に用いることができる。
なお本発明の脂質ペプチドは、上記以外にも、細胞障害保護、ラングミュア単分子層(Langmuir monolayer)としても用いることができる。
また本発明のファイバーは、前記脂質ペプチドが自己集合化する際、その最も外側(すなわちファイバー表面)にペプチド部(アミノ酸)が位置することになるため、生体内に取り込まれた際、生体細胞と拒絶反応を起こしにくく、細胞接着性にも優れる。このため、医療用の徐放性担体や吸着剤、再生医療用足場材などに好適に用いることができる。
上記用途のほか、食品工業、農林業、化粧品分野、繊維工業における安定剤、分散剤、湿潤剤として、金属や導電性物質をドープしたナノ部品として電子・情報分野において、さらにはフィルター用材料や導電性材料としても有用である。
そして本発明のヒドロゲルは、酸性領域からアルカリ性領域に亘って広い液性において、特に中性条件下でも安定にゲル構造を保つことができるため、細胞培養等の生化学向け材料や医用材料用途に好適である。
また本発明のヒドロゲルは、上述のように従来に比べて少量の脂質ペプチドの添加により得ることができるため、生体面・環境面の何れにおいても安全性の高いヒドロゲルといえる。
さらに本発明のヒドロゲルは、分散媒にエタノール等のアルコール性溶媒が50体積%程度まで含まれていても安定にゲル構造を保つことができるため、滅菌性を要する用途に好適に用いることができる。
さらに上述のように、低分子化合物である脂質ペプチドから得られたヒドロゲルは、外部環境中で、例えば土中で使用する場合、土壌細菌などによって容易に分解され、また生体内で使用する場合には代謝酵素によって容易に分解されるため、環境・生体に対する負荷が少ない。
[脂質ペプチド]
本発明の脂質ペプチドは、下記式(1)で表される構造を有し、脂溶性の高い長鎖を有する脂質部(アルキルカルボニル基)とペプチド部(テトラペプチド又はペンタペプチド)より構成される。
Figure 2009005151
上記式(1)において、脂質部に含まれるR1は炭素原子数9乃至23の脂肪族基を表し、好ましくは、R1が不飽和結合を1又は2つ有し得る炭素原子数11乃至23の直鎖状脂肪族基であることが望ましい。
1及び隣接するカルボニル基で構成される脂質部の特に好ましい構造の具体例としては、ラウロイル基、ドデシルカルボニル基、ミリストイル基、テトラデシルカルボニル基、パルミトイル基、マルガトイル基、オレオイル基、エライドイル基、リノレオイル基、ステアロイル基、バクセノイル基、オクタデシルカルボニル基、アラキドイル基、エイコシルカルボニル基、ベヘノイル基、エルカノイル基、ドコシルカルボニル基、リグノセイル基、ネルボノイル基等を挙げることができ、さらに好ましくはラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、マルガトイル基、エライドイル基、ステアロイル基、アラキドイル基、ベヘノイル基である。
上記式(1)において、ペプチド部に含まれるR2、R3、R4及びR5は、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1乃至3の分枝鎖を有し得る炭素原子数1乃至7のアルキル基、フェニルメチル基、フェニルエチル基、又は−(CH2)n−X基を表し、且つR2、R3、R4又はR5のうち少なくとも一つ、より好ましくは一つ又は二つが−(CH2)n−X基を表し、mは1又は2を表す。
上記−(CH2)n−基において、nは1乃至4の数を表し、Xはアミノ基、グアニジノ基、−CONH2基、又は窒素原子を1乃至3個有し得る5員環若しくは6員環又は5員環と6員環から構成される縮合複素環を表す。
上記炭素原子数1乃至3の分枝鎖を有し得る炭素原子数1乃至7のアルキル基とは、好ましくは原子、炭素原子数1又は2の分枝鎖を有し得る炭素原子数1乃至4のアルキル基である。
炭素原子数1又は2の分枝鎖を有し得る炭素原子数1乃至4のアルキル基とは、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基又はtert−ブチル基を表し、好ましくはメチル基、i−プロピル基、i−ブチル基又はsec−ブチル基である。
上記−(CH2)n−X基において、Xは好ましくはアミノ基、グアニジノ基、−CONH2基、ピロール基、イミダゾール基、ピラゾール基又はインドール基を表す。
従って、上記−(CH2)n−X基は、好ましくはアミノメチル基、2−アミノエチル基、3−アミノプロピル基、4−アミノブチル基、カルバモイルメチル基、2−カルバモイルエチル基、3−カルバモイルプロピル基、2−グアニジノエチル基、3−グアニジノプロピル基、ピロールメチル基、イミダゾールメチル基、ピラゾールメチル基又は3−インドールメチル基を表し、より好ましくは4−アミノブチル基、カルバモイルメチル基、2−カルバモイルエチル基、3−グアニジノプロピル基、イミダゾールメチル基又は3−インドールメチル基を表す。
上記式(1)で表される化合物において、特に好適な脂質ペプチド化合物としては、以下の脂質部とペプチド部(アミノ酸集合部)から形成される化合物である。なおアミノ酸の略称として、ヒスチジン(His)、グリシン(Gly)、フェニルアラニン(Phe)、バリン(Val)、イソロイシン(Ile)、アラニン(Ala)、アルギニン(Arg)、アスパラギン(Asn)、グルタミン(Gln)、ロイシン(Lue)、リジン(Lys)、トリプトファン(Trp)を表す。:N−ラウロイル−Gly−Gly−Gly−His、N−ラウロイル−Gly−Gly−His−Gly、N−ラウロイル−Gly−His−Gly−Gly、N−ラウロイル−His−Gly−Gly−Gly、N−ラウロイル−Gly−Gly−Gly−Lys、N−ラウロイル−Gly−Gly−Lys−Gly、N−ラウロイル−Gly−Lys−Gly−Gly、N−ラウロイル−Lys−Gly−Gly−Gly、N−ラウロイル−Gly−Gly−Gly−Trp、N−ラウロイル−Gly−Gly−Trp−Gly、N−ラウロイル−Gly−Trp−Gly−Gly、N−ラウロイル−Trp−Gly−Gly−Gly、N−ラウロイル−Gly−Gly−Gly−Arg、N−ラウロイル−Gly−Gly−Gly−Gln、N−ラウロイル−Gly−Gly−Gly−Asn、N−ラウロイル−Gly−Gly−Phe−His、N−ラウロイル−Gly−Gly−Ala−His、N−ラウロイル−Gly−Gly−Ile−His、N−ラウロイル−Gly−Gly−Lue−His、N−ラウロイル−Gly−Gly−Val−His、N−ラウロイル−Gly−Ala−Gly−His、N−ラウロイル−Gly−Val−Gly−His、N−ラウロイル−Gly−Lue−Gly−His、N−ラウロイル−Gly−Ile−Gly−His、N−ラウロイル−Ala−Gly−Gly−His、N−ラウロイル−Val−Gly−Gly−His、N−ミリストイル−Gly−Gly−Gly−His、N−ミリストイル−Gly−Gly−His−Gly、N−ミリストイル−Gly−His−Gly−Gly、N−ミリストイル−His−Gly−Gly−Gly、N−ミリストイル−Gly−Gly−Gly−Lys、N−ミリストイル−Gly−Gly−Lys−Gly、N−ミリストイル−Gly−Lys−Gly−Gly、N−ミリストイル−Lys−Gly−Gly−Gly、N−ミリストイル−Gly−Gly−Gly−Trp、N−ミリストイル−Gly−Gly−Trp−Gly、N−ミリストイル−Gly−Trp−Gly−Gly、N−ミリストイル−Trp−Gly−Gly−Gly、N−ミリストイル−Gly−Gly−Gly−Arg、N−ミリストイル−Gly−Gly−Gly−Gln、N−ミリストイル−Gly−Gly−Gly−Asn、N−ミリストイル−Gly−Gly−Phe−His、N−ミリストイル−Gly−Gly−Ala−His、N−ミリストイル−Gly−Gly−Ile−His、N−ミリストイル−Gly−Gly−Lue−His、N−ミリストイル−Gly−Gly−Val−His、N−ミリストイル−Gly−Ala−Gly−His、N−ミリストイル−Gly−Val−Gly−His、N−ミリストイル−Gly−Lue−Gly−His、N−ミリストイル−Gly−Ile−Gly−His、N−ミリストイル−Ala−Gly−Gly−His、N−ミリストイル−Val−Gly−Gly−His、N−パルミトイル−Gly−Gly−Gly−His、N−パルミトイル−Gly−Gly−His−Gly、N−パルミトイル−Gly−His−Gly−Gly、N−パルミトイル−His−Gly−Gly−Gly、N−パルミトイル−Gly−Gly−Gly−Lys、N−パルミトイル−Gly−Gly−Lys−Gly、N−パルミトイル−Gly−Lys−Gly−Gly、N−パルミトイル−Lys−Gly−Gly−Gly、N−パルミトイル−Gly−Gly−Gly−Trp、N−パルミトイル−Gly−Gly−Trp−Gly、N−パルミトイル−Gly−Trp−Gly−Gly、N−パルミトイル−Trp−Gly−Gly−Gly、N−パルミトイル−Gly−Gly−Gly−Arg、N−パルミトイル−Gly−Gly−Gly−Gln、N−パルミトイル−Gly−Gly−Gly−Asn、N−パルミトイル−Gly−Gly−Phe−His、N−パルミトイル−Gly−Gly−Ala−His、N−パルミトイル−Gly−Gly−Ile−His、N−パルミトイル−Gly−Gly−Lue−His、N−パルミトイル−Gly−Gly−Val−His、N−パルミトイル−Gly−Ala−Gly−His、N−パルミトイル−Gly−Val−Gly−His、N−パルミトイル−Gly−Lue−Gly−His、N−パルミトイル−Gly−Ile−Gly−His、N−パルミトイル−Ala−Gly−Gly−His、N−パルミトイル−Val−Gly−Gly−His、N−マルガロイル−Gly−Gly−Gly−His、N−マルガロイル−Gly−Gly−His−Gly、N−マルガロイル−Gly−His−Gly−Gly、N−マルガロイル−His−Gly−Gly−Gly、N−マルガロイル−Gly−Gly−Gly−Lys、N−マルガロイル−Gly−Gly−Lys−Gly、N−マルガロイル−Gly−Lys−Gly−Gly、N−マルガロイル−Lys−Gly−Gly−Gly、N−マルガロイル−Gly−Gly−Gly−Trp、N−マルガロイル−Gly−Gly−Trp−Gly、N−マルガロイル−Gly−Trp−Gly−Gly、N−マルガロイル−Trp−Gly−Gly−Gly、N−マルガロイル−Gly−Gly−Gly−Arg、N−マルガロイル−Gly−Gly−Gly−Gln、N−マルガリル−Gly−Gly−Gly−Asn、N−マルガリル−Gly−Gly−Phe−His、N−マルガリル−Gly−Gly−Ala−His、N−マルガリル−Gly−Gly−Ile−His、N−マルガリル−Gly−Gly−Lue−His、N−マルガリル−Gly−Gly−Val−His、N−マルガリル−Gly−Ala−Gly−His、N−マルガリル−Gly−Val−Gly−His、N−マルガリル−Gly−Lue−Gly−His、N−マルガリル−Gly−Ile−Gly−His、N−マルガリル−Ala−Gly−Gly−His、N−マルガリル−Val−Gly−Gly−His、N−ステアロイル−Gly−Gly−Gly−His、N−ステアロイル−Gly−Gly−His−Gly、N−ステアロイル−Gly−His−Gly−Gly、N−ステアロイル−His−Gly−Gly−Gly、N−ステアロイル−Gly−Gly−Gly−Lys、N−ステアロイル−Gly−Gly−Lys−Gly、N−ステアロイル−Gly−Lys−Gly−Gly、N−ステアロイル−Lys−Gly−Gly−Gly、N−ステアロイル−Gly−Gly−Gly−Trp、N−ステアロイル−Gly−Gly−Trp−Gly、N−ステアロイル−Gly−Trp−Gly−Gly、N−ステアロイル−Trp−Gly−Gly−Gly、N−ステアロイル−Gly−Gly−Gly−Arg、N−ステアロイル−Gly−Gly−Gly−Gln、N−ステアロイル−Gly−Gly−Gly−Asn、N−ステアロイル−Gly−Gly−Phe−His、N−ステアロイル−Gly−Gly−Ala−His、N−ステアロイル−Gly−Gly−Ile−His、N−ステアロイル−Gly−Gly−Lue−His、N−ステアロイル−Gly−Gly−Val−His、N−ステアロイル−Gly−Ala−Gly−His、N−ステアロイル−Gly−Val−Gly−His、N−ステアロイル−Gly−Lue−Gly−His、N−ステアロイル−Gly−Ile−Gly−His、N−ステアロイル−Ala−Gly−Gly−His、N−ステアロイル−Val−Gly−Gly−His、N−エライドイル−Gly−Gly−Gly−His、N−エライドイル−Gly−Gly−His−Gly、N−エライドイル−Gly−His−Gly−Gly、N−エライドイル−His−Gly−Gly−Gly、N−エライドイル−Gly−Gly−Gly−Lys、N−エライドイル−Gly−Gly−Lys−Gly、N−エライドイル−Gly−Lys−Gly−Gly、N−エライドイル−Lys−Gly−Gly−Gly、N−エライドイル−Gly−Gly−Gly−Trp、N−エライドイル−Gly−Gly−Trp−Gly、N−エライドイル−Gly−Trp−Gly−Gly、N−エライト゛イル−Trp−Gly−Gly−Gly、N−エライドイル−Gly−Gly−Gly−Arg、N−エライドイル−Gly−Gly−Gly−Gln、N−エライドイル−Gly−Gly−Gly−Asn、N−エライドイル−Gly−Gly−Phe−His、N−エライドイル−Gly−Gly−Ala−His、N−エライドイル−Gly−Gly−Ile−His、N−エライドイル−Gly−Gly−Lue−His、N−エライドイル−Gly−Gly−Val−His、N−エライドイル−Gly−Ala−Gly−His、N−エライドイル−Gly−Val−Gly−His、N−エライドイル−Gly−Lue−Gly−His、N−エライドイル−Gly−Ile−Gly−His、N−エライドイル−Ala−Gly−Gly−His、N−エライドイル−Val−Gly−Gly−His、N−アラキドイル−Gly−Gly−Gly−His、N−アラキドイル−Gly−Gly−His−Gly、N−アラキドイル−Gly−His−Gly−Gly、N−アラキドイル−His−Gly−Gly−Gly、N−アラキドイル−Gly−Gly−Gly−Lys、N−アラキドイル−Gly−Gly−Lys−Gly、N−アラキドイル−Gly−Lys−Gly−Gly、N−アラキドイル−Lys−Gly−Gly−Gly、N−アラキドイル−Gly−Gly−Gly−Trp、N−アラキドイル−Gly−Gly−Trp−Gly、N−アラキドイル−Gly−Trp−Gly−Gly、N−アラキドイル−Trp−Gly−Gly−Gly、N−アラキドイル−Gly−Gly−Gly−Arg、N−アラキドイル−Gly−Gly−Gly−Gln、N−アラキドイル−Gly−Gly−Gly−Asn、N−アラキドイル−Gly−Gly−Phe−His、N−アラキドイル−Gly−Gly−Ala−His、N−アラキドイル−Gly−Gly−Ile−His、N−アラキドイル−Gly−Gly−Lue−His、N−アラキドイル−Gly−Gly−Val−His、N−アラキドイル−Gly−Ala−Gly−His、N−アラキドイル−Gly−Val−Gly−His、N−アラキドイル−Gly−Lue−Gly−His、N−アラキドイル−Gly−Ile−Gly−His、N−アラキドイル−Ala−Gly−Gly−His、N−アラキドイル−Val−Gly−Gly−His、N−ベヘノイル−Gly−Gly−Gly−His、N−ベヘノイル−Gly−Gly−His−Gly、N−ベヘノイル−Gly−His−Gly−Gly、N−ベヘノイル−His−Gly−Gly−Gly、N−ベヘノイル−Gly−Gly−Gly−Lys、N−ベヘノイル−Gly−Gly−Lys−Gly、N−ベヘノイル−Gly−Lys−Gly−Gly、N−ベヘノイル−Lys−Gly−Gly−Gly、N−ベヘノイル−Gly−Gly−Gly−Trp、N−ベヘノイル−Gly−Gly−Trp−Gly、N−ベヘノイル−Gly−Trp−Gly−Gly、N−ベヘノイル−Trp−Gly−Gly−Gly、N−ベヘノイル−Gly−Gly−Gly−Arg、N−ベヘノイル−Gly−Gly−Gly−Gln、N−ベヘノイル−Gly−Gly−Gly−Asn、N−ベヘノイル−Gly−Gly−Phe−His、N
−ベヘノイル−Gly−Gly−Ala−His、N−ベヘノイル−Gly−Gly−Ile−His、N−ベヘノイル−Gly−Gly−Lue−His、N−ベヘノイル−Gly−Gly−Val−His、N−ベヘノイル−Gly−Ala−Gly−His、N−ベヘノイル−Gly−Val−Gly−His、N−ベヘノイル−Gly−Lue−Gly−His、N−ベヘノイル−Gly−Ile−Gly−His、N−ベヘノイル−Ala−Gly−Gly−His、N−ベヘノイル−Val−Gly−Gly−His、N−ラウロイル−Gly−Gly−Gly−Gly−His、N−ミストロイル−Gly−Gly−Gly−Gly−His、N−パルミトイル−Gly−Gly−Gly−Gly−His、N−アルガロイル−Gly−Gly−Gly−Gly−His、N−ステアロイル−Gly−Gly−Gly−Gly−His、N−エライドイル−Gly−Gly−Gly−Gly−His、N−アラキドイル−Gly−Gly−Gly−Gly−His、N−ベヘノイル−Gly−Gly−Gly−Gly−His、N−ラウロイル−Gly−Gly−Gly−Gly−Lys、N−ミストロイル−Gly−Gly−Gly−Gly−Lys、N−パルミトイル−Gly−Gly−Gly−Gly−Lys、N−アルガロイル−Gly−Gly−Gly−Gly−Lys、N−ステアロイル−Gly−Gly−Gly−Gly−Lys、N−エライドイル−Gly−Gly−Gly−Gly−Lys、N−アラキドイル−Gly−Gly−Gly−Gly−Lys、N−ベヘノイル−Gly−Gly−Gly−Gly−Lys、N−ラウロイル−Gly−Gly−Gly−Gly−Trp、N−ミストロイル−Gly−Gly−Gly−Gly−Trp、N−パルミトイル−Gly−Gly−Gly−Gly−Trp、N−アルガロイル−Gly−Gly−Gly−Gly−Trp、N−ステアロイル−Gly−Gly−Gly−Gly−Trp、N−エライドイル−Gly−Gly−Gly−Gly−Trp、N−アラキドイル−Gly−Gly−Gly−Gly−Trp、N−ベヘノイル−Gly−Gly−Gly−Gly−Trp。
上記化合物のうち、より好適な脂質ペプチド化合物としては、N−ラウロイル−Gly−Gly−Gly−His、N−ラウロイル−Gly−Gly−His−Gly、N−ラウロイル−Gly−His−Gly−Gly、N−ラウロイル−His−Gly−Gly−Gly、N−ラウロイル−Gly−Gly−Gly−Lys、N−ラウロイル−Gly−Gly−Lys−Gly、N−ラウロイル−Gly−Lys−Gly−Gly、N−ラウロイル−Lys−Gly−Gly−Gly、N−ラウロイル−Gly−Gly−Gly−Trp、N−ラウロイル−Gly−Gly−Trp−Gly、N−ラウロイル−Gly−Trp−Gly−Gly、N−ラウロイル−Trp−Gly−Gly−Gly、N−ミリストイル−Gly−Gly−Gly−His、N−ミリストイル−Gly−Gly−His−Gly、N−ミリストイル−Gly−His−Gly−Gly、N−ミリストイル−His−Gly−Gly−Gly、N−ミリストイル−Gly−Gly−Gly−Lys、N−ミリストイル−Gly−Gly−Lys−Gly、N−ミリストイル−Gly−Lys−Gly−Gly、N−ミリストイル−Lys−Gly−Gly−Gly、N−ミリストイル−Gly−Gly−Gly−Trp、N−ミリストイル−Gly−Gly−Trp−Gly、N−ミリストイル−Gly−Trp−Gly−Gly、N−ミリストイル−Trp−Gly−Gly−Gly、N−パルミトイル−Gly−Gly−Gly−His、N−パルミトイル−Gly−Gly−His−Gly、N−パルミトイル−Gly−His−Gly−Gly、N−パルミトイル−His−Gly−Gly−Gly、N−パルミトイル−Gly−Gly−Gly−Lys、N−パルミトイル−Gly−Gly−Lys−Gly、N−パルミトイル−Gly−Lys−Gly−Gly、N−パルミトイル−Lys−Gly−Gly−Gly、N−パルミトイル−Gly−Gly−Gly−Trp、N−パルミトイル−Gly−Gly−Trp−Gly、N−パルミトイル−Gly−Trp−Gly−Gly、N−パルミトイル−Trp−Gly−Gly−Gly、N−パルミトイル−Gly−Gly−Gly−Arg、N−パルミトイル−Gly−Gly−Gly−Gln、N−パルミトイル−Gly−Gly−Gly−Asn、N−パルミトイル−Gly−Gly−Phe−His、N−パルミトイル−Gly−Gly−Ala−His、N−パルミトイル−Gly−Gly−Ile−His、N−パルミトイル−Gly−Gly−Lue−His、N−パルミトイル−Gly−Gly−Val−His、N−パルミトイル−Gly−Ala−Gly−His、N−パルミトイル−Gly−Val−Gly−His、N−パルミトイル−Gly−Lue−Gly−His、N−パルミトイル−Gly−Ile−Gly−His、N−パルミトイル−Ala−Gly−Gly−His、N−パルミトイル−Val−Gly−Gly−His、N−マルガロイル−Gly−Gly−Gly−His、N−マルガロイル−Gly−Gly−His−Gly、N−マルガロイル−Gly−His−Gly−Gly、N−マルガロイル−His−Gly−Gly−Gly、N−マルガロイル−Gly−Gly−Gly−Lys、N−マルガロイル−Gly−Gly−Lys−Gly、N−マルガロイル−Gly−Lys−Gly−Gly、N−マルガロイル−Lys−Gly−Gly−Gly、N−マルガロイル−Gly−Gly−Gly−Trp、N−マルガロイル−Gly−Gly−Trp−Gly、N−マルガロイル−Gly−Trp−Gly−Gly、N−マルガロイル−Trp−Gly−Gly−Gly、N−ステアロイル−Gly−Gly−Gly−His、N−ステアロイル−Gly−Gly−His−Gly、N−ステアロイル−Gly−His−Gly−Gly、N−ステアロイル−His−Gly−Gly−Gly、N−ステアロイル−Gly−Gly−Gly−Lys、N−ステアロイル−Gly−Gly−Lys−Gly、N−ステアロイル−Gly−Lys−Gly−Gly、N−ステアロイル−Lys−Gly−Gly−Gly、N−ステアロイル−Gly−Gly−Gly−Trp、N−ステアロイル−Gly−Gly−Trp−Gly、N−ステアロイル−Gly−Trp−Gly−Gly、N−ステアロイル−Trp−Gly−Gly−Gly、N−エライドイル−Gly−Gly−Gly−His、N−エライドイル−Gly−Gly−His−Gly、N−エライドイル−Gly−His−Gly−Gly、N−エライドイル−His−Gly−Gly−Gly、N−エライドイル−Gly−Gly−Gly−Lys、N−エライドイル−Gly−Gly−Lys−Gly、N−エライドイル−Gly−Lys−Gly−Gly、N−エライドイル−Lys−Gly−Gly−Gly、N−エライドイル−Gly−Gly−Gly−Trp、N−エライドイル−Gly−Gly−Trp−Gly、N−エライドイル−Gly−Trp−Gly−Gly、N−エライドイル−Trp−Gly−Gly−Gly、N−アラキドイル−Gly−Gly−Gly−His、N−アラキドイル−Gly−Gly−His−Gly、N−アラキドイル−Gly−His−Gly−Gly、N−アラキドイル−His−Gly−Gly−Gly、N−アラキドイル−Gly−Gly−Gly−Lys、N−アラキドイル−Gly−Gly−Lys−Gly、N−アラキドイル−Gly−Lys−Gly−Gly、N−アラキドイル−Lys−Gly−Gly−Gly、N−アラキドイル−Gly−Gly−Gly−Trp、N−アラキドイル−Gly−Gly−Trp−Gly、N−アラキドイル−Gly−Trp−Gly−Gly、N−アラキドイル−Trp−Gly−Gly−Gly、N−ベヘノイル−Gly−Gly−Gly−His、N−ベヘノイル−Gly−Gly−His−Gly、N−ベヘノイル−Gly−His−Gly−Gly、N−ベヘノイル−His−Gly−Gly−Gly、N−ベヘノイル−Gly−Gly−Gly−Lys、N−ベヘノイル−Gly−Gly−Lys−Gly、N−ベヘノイル−Gly−Lys−Gly−Gly、N−ベヘノイル−Lys−Gly−Gly−Gly、N−ベヘノイル−Gly−Gly−Gly−Trp、N−ベヘノイル−Gly−Gly−Trp−Gly、N−ベヘノイル−Gly−Trp−Gly−Gly、N−ベヘノイル−Trp−Gly−Gly−Gly、N−ラウロイル−Gly−Gly−Gly−Gly−His、N−ミストロイル−Gly−Gly−Gly−Gly−His、N−パルミトイル−Gly−Gly−Gly−Gly−His、N−アルガロイル−Gly−Gly−Gly−Gly−His、N−ステアロイル−Gly−Gly−Gly−Gly−His、N−エライドイル−Gly−Gly−Gly−Gly−His、N−アラキドイル−Gly−Gly−Gly−Gly−His、N−ベヘノイル−Gly−Gly−Gly−Gly−His、N−ラウロイル−Gly−Gly−Gly−Gly−Lys、N−ミストロイル−Gly−Gly−Gly−Gly−Lys、N−パルミトイル−Gly−Gly−Gly−Gly−Lys、N−アルガロイル−Gly−Gly−Gly−Gly−Lys、N−ステアロイル−Gly−Gly−Gly−Gly−Lys、N−エライドイル−Gly−Gly−Gly−Gly−Lys、N−アラキドイル−Gly−Gly−Gly−Gly−Lys、N−ベヘノイル−Gly−Gly−Gly−Gly−Lys、N−ラウロイル−Gly−Gly−Gly−Gly−Trp、N−ミストロイル−Gly−Gly−Gly−Gly−Trp、N−パルミトイル−Gly−Gly−Gly−Gly−Trp、N−アルガロイル−Gly−Gly−Gly−Gly−Trp、N−ステアロイル−Gly−Gly−Gly−Gly−Trp、N−エライドイル−Gly−Gly−Gly−Gly−Trp、N−アラキドイル−Gly−Gly−Gly−Gly−Trp、N−ベヘノイル−Gly−Gly−Gly−Gly−Trpが挙げられ、最も好適な化合物としては、N−パルミトイル−Gly−Gly−Gly−His、N−パルミトイル−Gly−Gly−His−Gly、N−パルミトイル−Gly−His−Gly−Gly、N−パルミトイル−His−Gly−Gly−Gly、N−パルミトイル−Gly−Gly−Phe−His、N−ミリストイル−Gly−Gly−Gly−His、N−ステアロイル−Gly−Gly−Gly−His、N−エライジトイル−Gly−Gly−Gly−His、N−ラウロイル−Gly−Gly−Gly−His、N−パルミトイル−Gly−Val−Gly−His、N−パルミトイル−Gly−Gly−Ile−His、N−パルミトイル−Ala−Gly−Gly−His、N−パルミトイル−Gly−Gly−Gly−Arg、N−パルミトイル−Gly−Gly−Gly−Gln、N−パルミトイル−Gly−Gly−Gly−Lys、N−ベヘノイル−Gly−Gly−Gly−His、N−パルミトイル−Gly−Gly−Gly−Gly−Hisを挙げることができる。
[脂質ペプチドより形成されるファイバー]
本発明の脂質ペプチドは、水溶液又はアルコール水溶液中に投入されると、式(1)におけるペプチド部が水素結合により分子間非共有結合を形成し、一方、式(1)における脂質部が疎水的にパッキングするように自己集合化し、筒状の二次集合体、すなわちファイバーが形成される。
参考として図1に脂質ペプチドの自己集合化及びゲル化の概念図の一例を示す。該脂質ペプチド分子(a)は疎水性部位である脂質部を中心として集合し(b)、自己集合化によりファイバー(c)を形成する。
[ヒドロゲル]
上記ファイバーが水溶液又はアルコール水溶液中で形成されると、このファイバーが三次元網目構造を形成し(例えば図1における(d)参照)、さらに、ファイバー表面の親水性部分(ペプチド部)と水性溶媒間で非共有結合を形成して膨潤することにより、水溶液又はアルコール水溶液全体がゲル化し、ヒドロゲルが形成される。
本発明のヒドロゲル形成時の詳細なメカニズムについて詳細は明らかになっていないが、脂質ペプチド分子の荷電状態が関与しているものとみている。
本発明の脂質ペプチドは、C末端のカルボキシル基とペプチド部の側鎖−(CH2)n−X基に由来するアミノ基とを有する両イオン性化合物である。そのイオン状態は、カルボキシル基のみが陰イオン化した状態、アミノ基のみが陽イオン化した状態、双性イオン化した状態、両置換基ともイオンになっていない状態の4形状間で平衡にあると考えられる。
アミノ酸残基の酸解離定数を考慮すると、脂質ペプチド分子は酸性領域ではペプチド部の−(CH2)n−X基に由来する末端アミノ基がプラスに帯電して陽イオン化し、塩基性領域ではペプチド部C末端の末端カルボキシル基がマイナスに帯電して陰イオン化し、中性領域では双性イオン化した状態が多く存在するものと考えられる。
イオン化した状態になるとペプチド部の水との親和性が増強され、疎水部である長鎖部を水との接触を遠ざけるように自己集合化がなされ、ナノファイバーを形成する。その際、双性イオン状態がより多く存在していると、ナノファイバー間で陽イオンと陰イオンによるイオン結合が形成されて架橋構造を形成した網目構造になる。この網目構造の形成により、より多くの水を取り込むことが出来るようになることで、優れたヒドロゲル形成能を発現するものと考えている。
以上のように、本発明の脂質ペプチドによって中性領域においても安定なヒドロゲルを形成することができる。また、低分子化合物であることから本発明の脂質ペプチド及びそれから得られるヒドロゲルともに環境・生体内において分解可能であり、生体適合性の高い脂質ペプチド及びヒドロゲルを得ることができる。
このため、本発明の脂質ペプチド及びそれから得られるヒドロゲルは、細胞培養基材、細胞やタンパク質などの生体分子保存材、外用基材、医療用材料、生化学用材料、化粧品材料、食品用材料、コンタクトレンズ、紙おむつ、人工アクチュエーター、乾燥地農業用材など、様々な分野における材料に使用することができる。また、酵素などのバイオリアクター担体として、研究、医療、分析、各種産業に幅広く利用することができる。
しかも本発明のヒドロゲルは低分子化合物(脂質ペプチド)によって形成されたゲルであるため、該化合物の設計によって、例えば外部刺激応答によりゾル−ゲル転換するゲルを形成できるなど、高分子鎖の修飾や共重合反応の実施を必要とせずとも、様々な機能を容易に付加することが可能である。
以下、実施例を挙げて、本発明を更に詳しく説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものでない。
[実施例で用いる略記号]
以下の実施例で用いる略記号の意味は、次のとおりである。
Gly:グリシン
His:ヒスチジン
Phe:フェニルアラニン
Val:バリン
Ile:イソロイシン
Ala:アラニン
Arg:アルギニン
Gln:グルタミン
Lys:リジン
HBTU:2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム−ヘキサフルオロホスフェート(渡辺化学工業(株))
HOBt:1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール(和光純薬工業(株))
DMF:ジメチルホルムアミド
DCM:ジクロロメタン
DIEA:N,N−ジイソプロピルエチルアミン(東京化成工業(株))
TFA:トリフルオロ酢酸(渡辺化学工業(株))
TIS:トリイソプロピルシラン(渡辺化学工業(株))
[脂質ペプチドの合成]
脂質ペプチドは、以下に示すFmoc固相ペプチド合成法の手順に従って合成した。樹脂は主にアミノ酸−Barlos Resinを用いた。合成スケールは0.3mmolで行った。
[実施例1:N−パルミトイル−Gly−Gly−Gly−Hisの合成]
His−Barlos Resin(渡辺化学工業(株))約390mgをPD−10カラムに添加し、DCM5mlにて3回、続いてDMF5mlにて3回、それぞれ洗浄した。
次に上記カラムにFmoc−Gly−OH(渡辺化学工業(株))約270mg、縮合剤溶液1(HBTU3.05g、HOBt1.25gをDMF16mlに溶解したもの)2.1mlを添加した。
さらに縮合剤溶液2(DIEA2.75mlをDMF14.25mlに溶解したもの)2.1mlを添加した。
これらを30分間バイブレータにて撹拌した後、DMF5mlにて5回、続いてDCM5mlにて3回、さらにDMF5mlにて3回、それぞれ洗浄した。
次に20%ピペリジン/DMF溶液5mlを加えて1分間撹拌し、該溶液を除去した後、再び20%ピペリジン/DMF溶液5mlを加えて45分間撹拌し、DMF5mlにて5回洗浄した。
さらにFmoc−Gly−OHを270mg、前記縮合剤溶液1及び前記縮合剤溶液2を2.1mlずつ添加し、20分間バイブレータにて撹拌した後、DMF5mlにて5回、続いてDCM5mlにて3回、さらにDMF5mlにて3回、それぞれ洗浄した。
その後、20%ピペリジン/DMF溶液5mlを加えて1分間撹拌し、該溶液を除去した後、再び20%ピペリジン/DMF溶液5mlを加えて45分間撹拌し、DMF5mlにて5回洗浄した。
再度Fmoc−Gly−OHを270mg、前記縮合剤溶液1及び前記縮合剤溶液2を2.1mlずつ添加し、20分間バイブレータにて撹拌した後、DMF5mlにて5回、続いてDCM5mlにて3回、さらにDMF5mlにて3回、それぞれ洗浄した。
その後、20%ピペリジン/DMF溶液5mlを加えて1分間撹拌し、該溶液を除去した後、再び20%ピペリジン/DMF溶液5mlを加えて45分間撹拌し、DMF5mlにて5回洗浄した。
パルミチン酸(東京化成工業(株)製)約230mgをカラムに添加し、縮合剤溶液1及び縮合剤溶液2をそれぞれ2.1mlずつ添加し、90分間バイブレータにて撹拌した。
反応後、DMF5mlにて5回、続いてDCM5mlにて5回、さらにメタノール5mlにて5回、それぞれ洗浄した後、樹脂を一晩真空乾燥した。
乾燥後、TFA3.8ml及びTIS0.1mlをカラムに添加し、1時間撹拌した。
回収した混合溶液に水を添加し、固体を析出させた後、吸引ろ過を行って生成物を回収した。凍結乾燥を行った後、アセトニトリル4mlにて3回洗浄を行い、目的化合物を得た。
FT−MS+m/z calc. for C28H49N6O6 [M+H]+ 565.37140,found 565.3572
[実施例2:N−パルミトイル−Gly−Gly−His−Glyの合成]
Gly−Alko Resin(渡辺化学工業(株))約417mgをPD−10カラムに添加し、DCM5mlにて3回、続いてDMF5mlにて3回、それぞれ洗浄した。
次に上記カラムにFmoc−His(Trt)−OH(渡辺化学工業(株))約558mg、縮合剤溶液1(HBTU3.05g、HOBt1.25gをDMF16mlに溶解したもの)2.1mlを添加した。
さらに縮合剤溶液2(DIEA2.75mlをDMF14.25mlに溶解したもの)2.1mlを添加した。
これらを45分間バイブレータにて撹拌した後、DMF5mlにて5回、続いてDCM5mlにて3回、さらにDMF5mlにて3回、それぞれ洗浄した。
次に20%ピペリジン/DMF溶液5mlを加えて1分間撹拌し、該溶液を除去した後、再び20%ピペリジン/DMF溶液5mlを加えて45分間撹拌し、DMF5mlにて5回洗浄した。
さらにFmoc−Gly−OHを270mg、前記縮合剤溶液1及び前記縮合剤溶液2を2.1mlずつ添加し、20分間バイブレータにて撹拌した後、DMF5mlにて5回、続いてDCM5mlにて3回、さらにDMF5mlにて3回、それぞれ洗浄した。
その後、20%ピペリジン/DMF溶液5mlを加えて1分間撹拌し、該溶液を除去した後、再び20%ピペリジン/DMF溶液5mlを加えて45分間撹拌し、DMF5mlにて5回洗浄した。
再度Fmoc−Gly−OHを270mg、前記縮合剤溶液1及び前記縮合剤溶液2を2.1mlずつ添加し、20分間バイブレータにて撹拌した後、DMF5mlにて5回、続いてDCM5mlにて3回、さらにDMF5mlにて3回、それぞれ洗浄した。
その後、20%ピペリジン/DMF溶液5mlを加えて1分間撹拌し、該溶液を除去した後、再び20%ピペリジン/DMF溶液5mlを加えて45分間撹拌し、DMF5mlにて5回洗浄した。
パルミチン酸(東京化成工業(株)製)約230mgをカラムに添加し、縮合剤溶液1及び縮合剤溶液2をそれぞれ2.1mlずつ添加し、90分間バイブレータにて撹拌した。
反応後、DMF5mlにて5回、続いてDCM5mlにて5回、さらにメタノール5mlにて5回、それぞれ洗浄した後、樹脂を一晩真空乾燥した。
乾燥後、TFA3.8ml及びTIS0.1mlをカラムに添加し、1時間撹拌した。
回収した混合溶液に水を添加し、固体を析出させた後、吸引ろ過を行って生成物を回収した。凍結乾燥を行った後、アセトニトリル4mlにて3回洗浄を行い、目的化合物を得た。
FT−MS+m/z calc. for C28H49N6O6 [M+H]+ 565.37140,found 565.4315
[実施例3:N−パルミトイル−Gly−His−Gly−Glyの合成]
実施例2と同様の手順にて、すなわち、Gly−Alko Resin 417mgをカラムに装着し、Fmoc−Gly−OHを270mg、さらにFmoc−His(Trt)−OHを558mg、さらにFmoc−Gly−OHを270mgの順にFmoc法にて縮合させ、最後にパルミチン酸230mgを反応させることにより、目的化合物を得た。
FT−MS+m/z calc. for C28H49N6O6 [M+H]+ 565.37140,found 565.4823
[実施例4:N−パルミトイル−His−Gly−Gly−Glyの合成]
実施例2と同様の手順にて、すなわち、Gly−Alko Resin 417mgをカラムに装着し、Fmoc−Gly−OHを270mg、さらにFmoc−Gly−OHを270mg、次にFmoc−His(Trt)−OHを558mgの順にFmoc法にて縮合させ、最後にパルミチン酸230mgを反応させることにより、目的化合物を得た。
FT−MS+m/z calc. for C28H49N6O6 [M+H]+ 565.37140,found 565.3677
[実施例5:N−パルミトイル−Gly−Gly−Phe−Hisの合成]
実施例1と同様の手順にて、すなわち、His−Barlos Resin 390mgをカラムに装着し、Fmoc−Phe−OHを350mg、Fmoc−Gly−OHを270mg、さらにFmoc−Gly−OHを270mgの順にFmoc法にて縮合させ、最後にパルミチン酸230mgを反応させることにより、目的化合物を得た。
FT−MS+m/z calc. for C28H49N6O6 [M+H]+ 655.41831,found 655.4657
[実施例6:N−ミリストイル−Gly−Gly−Gly−Hisの合成]
実施例1と同様の手順にて、すなわち、His−Barlos Resin 390mgをカラムに装着し、Fmoc−Gly−OHを270mg、Fmoc−Gly−OHを270mg、さらにFmoc−Gly−OHを270mgの順にFmoc法にて縮合させ、最後にミリスチン酸205mgを反応させることにより、目的化合物を得た。
FT−MS+m/z calc. for C28H49N6O6 [M+H]+ 537.34006,found 537.3839
[実施例7:N−ステアロイル−Gly−Gly−Gly−Hisの合成]
実施例1と同様の手順にて、すなわち、His−Barlos Resin 390mgをカラムに装着し、Fmoc−Gly−OHを270mg、Fmoc−Gly−OHを270mg、さらにFmoc−Gly−OHを270mgの順にFmoc法にて縮合させ、最後にステアリン酸255mgを反応させることにより、目的化合物を得た。
FT−MS+m/z calc. for C28H49N6O6 [M+H]+ 593.40266,found 593.4270
[実施例8:N−エラジトイル−Gly−Gly−Gly−Hisの合成]
実施例1と同様の手順にて、すなわち、His−Barlos Resin 390mgをカラムに装着し、Fmoc−Gly−OHを270mg、Fmoc−Gly−OHを270mg、さらにFmoc−Gly−OHを270mgの順にFmoc法にて縮合させ、最後にエライジン酸253mgを反応させることにより、目的化合物を得た。
FT−MS+m/z calc. for C28H49N6O6 [M+H]+ 591.38701,found 591.3803
[実施例9:N−パルミトイル−Gly−Gly−Gly−Gly−Hisの合成]
実施例1と同様の手順にて、すなわち、His−Barlos Resin 390mgをカラムに装着し、Fmoc−Gly−OHを270mgを順に4回加えFmoc法にて縮合させ、最後にパルミチン酸230mgを反応させることにより、目的化合物を得た。
FT−MS+m/z calc. for C28H49N6O6 [M+H]+ 622.39282,found 622.4485
[実施例10:N−ラウロイル−Gly−Gly−Gly−Hisの合成]
実施例1と同様の手順にて、すなわち、H−His(Trt)−Trt(2−Cl) Resin 163mgをカラムに装着し、Fmoc−Gly−OHを149mg、Fmoc−Gly−OHを149mg、さらにFmoc−Gly−OHを149mgの順に加えFmoc法にて縮合させ、最後にラウリル酸125mgを反応させることにより、目的化合物43.8mgを得た。
1H−NMR(500MHz DMSO−d6 δppm):8.33(1H,brs,C−2 His),8.19−8.17(2H,m,NH His,Gly),8.14(1H,t,3J=5.8Hz,NH Gly),8.06(1H,t,3J=5.8Hz,NH Gly),7.12(1H,brs,C−4 His),4.48(1H,m,α−CH His),3.73−3.69(6H,m,α−CH Gly),3.05(1H,m,β−CH2a His),2.94(1H,m,β−CH2b His),2.11(2H,t,J=7.5Hz,CH2 Lau),1.48−1.45(2H,m,CH2 Lau),1.23(16H,brs,CH2 Lau),0.85(3H,t,J=7.0Hz,CH3 Lau);
ESI−MS+m/z calc. for C24H41N6O6 [M+H]+ 509.30876,found 509.30640
[実施例11:N−パルミトイル−Gly−Val−Gly−Hisの合成]
実施例1と同様の手順にて、すなわち、H−His(Trt)−Trt(2−Cl) Resin 163mgをカラムに装着し、Fmoc−Gly−OHを149mg、Fmoc−Val−OHを170mg、さらにFmoc−Gly−OHを149mgの順に加えFmoc法にて縮合させ、最後にパルミチン酸160mgを反応させることにより、目的化合物51.1mgを得た。
1H−NMR(500MHz DMSO−d6 δppm):8.61(1H,brs,C−2 His),8.35(1H,t,3J=6.0Hz,NH Gly),8.14(1H,d,3J=8.0Hz,NH His),8.04(1H,t,3J=6.0Hz,NH Gly),7.82(1H,d,3J=8.0Hz,NH Val),7.21(1H,s,C−4 His),4.52(1H,m,α−CH His],4.11(1H,t−like,J=7.3Hz,α−CH Val),3.79−3.65(4H,m,α−CH Gly),3.08(1H,m,β−CH2a His),2.96(1H,m,β−CH2bHis),2.12−2.06(2H,m,CH2 Pal),1.95(1H,m,β−CH Val),1.48−1.42(2H,m,CH2 Pal),1.23(24H,brs,CH2 Pal),0.88−0.83(9H,m,CH3 Pal,γ−CH3×2 Val);
ESI−MS+m/z calc. for C31H55N6O6 [M+H]+ 607.41831,found 607.41583
[実施例12:N−パルミトイル−Gly−Gly−Ile−Hisの合成]
実施例1と同様の手順にて、すなわち、H−His(Trt)−Trt(2−Cl) Resin 163mgをカラムに装着し、Fmoc−Ile−OHを177mg、Fmoc−Gly−OHを149mg、さらにFmoc−Gly−OHを149mgの順に加えFmoc法にて縮合させ、最後にパルミチン酸160mgを反応させることにより、目的化合物62.0mgを得た。
1H−NMR(500MHz DMSO−d6 δppm):8.62(1H,brs,C−2 His),8.41(1H,d,3J=8.0Hz,NH His),8.11(1H,t,3J=6.0Hz,NH Gly),8.04(1H,t,3J=5.8Hz,NH Gly),7.84(1H,d,3J=8.6Hz,NH Ile),7.22(1H,s,C−4 His),4.51(1H,m,α−CH His),4.15(1H,t−like,J=8.1Hz,α−CH Ile),3.79−3.65(4H,m,α−CH Gly),3.10(1H,m,β−CH2a His),2.95(1H,m,β−CH2b His),2.12(2H,t,J=7.6Hz,CH2 Pal),1.71(1H,m,β−CH Ile),1.52−1.45(2H,m,CH2 Pal),1.38(1H,m,γ−CH2a Ile,1.23(24H,brs,CH2 Pal),1.05(1H,m,γ−CH2b Ile,0.87−0.77(9H,m,CH3 Pal,γ−CH3 δ−CH3 Ile);
ESI−MS+m/z calc. for C32H57N6O6 [M+H]+
621.43396,found 621.43127
[実施例13:N−パルミトイル−Ala−Gly−Gly−Hisの合成]
実施例1と同様の手順にて、すなわち、H−His(Trt)−Trt(2−Cl) Resin 163mgをカラムに装着し、Fmoc−Gly−OHを149mg、Fmoc−Gly−OHを149mg、さらにFmoc−Ara−OHを159mgの順に加えFmoc法にて縮合させ、最後にパルミチン酸160mgを反応させることにより、目的化合物27.4mgを得た。
1H−NMR(500MHz DMSO−d6 δppm):8.27(1H,brs,C−2 His),8.18−8.15(2H,m,NH His,Gly),8.12(1H,t,3J=5.8Hz,NH Gly),8.03(1H,d, 3J=7.0Hz,NH Ala),7.10(1H,s,C−4 His),4.47(1H,m,α−CH His),4.25(1H,m,α−CH Ala),3.73−3.69(4H,m,α−CH Gly),3.04(1H,m,β−CH2a His),2.93(1H,m,β−CH2b His),2.10(2H,t,J=7.5Hz,CH2 Pal),1.50−1.43(2H,m,CH2 Pal),1.23(24H,brs,CH2 Pal),1.19(3H,d,J=7.0Hz,β−CH3 Ala),0.85(3H,t,J=7.0Hz,H3 Pal);
ESI−MS+m/z calc. for C29H51N6O6 [M+H]+ 579.38701,found 579.38428
[実施例14:N−パルミトイル−Gly−Gly−Gly−Argの合成]
実施例1と同様の手順にて、すなわち、Fmoc−Arg(Pbf)Resin 202mgをカラムに装着し、Fmoc−Gly−OHを149mg、Fmoc−Gly−OHを149mg、さらにFmoc−Gly−OHを149mgの順に加えFmoc法にて縮合させ、最後にパルミチン酸160mgを反応させることにより、目的化合物21.7mgを得た。
1H−NMR(500MHz DMSO−d6 δppm):8.15(2H,t,3J=5.8Hz,NH Gly),8.08(1H,t,3J=5.7Hz,NH Gly),7.89(1H,br,NH Arg),7.5−6.7(4H,br,NH2,−NH−×2 Arg),4.10(1H,m,α−CH Arg),3.72(6H,t−like,J=6.0Hz,α−CH Gly),3.09−3.06(2H,m,δ−CH2 Arg),2.12(2H,t,J=7.5Hz,CH2 Pal),1.70(1H,m,β−CH2a Arg),1.58(1H,m,β−CH2b Arg),1.52−1.43(4H,m,γ−CH2 Arg,CH2 Pal),1.24(24H,brs,CH2 Pal),0.85(3H,t,J=6.9Hz,CH3 Pal);
ESI−MS+m/z calc. for C28H54N7O6 [M+H]+ 584.41356,found 584.41052
[実施例15:N−パルミトイル−Gly−Gly−Gly−Glnの合成]
実施例1と同様の手順にて、すなわち、H−Gln(Trt)Resin 199mgをカラムに装着し、Fmoc−Gly−OHを149mg、Fmoc−Gly−OHを149mg、さらにFmoc−Gly−OHを149mgの順に加えFmoc法にて縮合させ、最後にパルミチン酸160mgを反応させることにより、目的化合物13.6mgを得た。
1H−NMR(500MHz DMSO−d6 δppm):8.13(2H,t,3J=5.8Hz,NH Gly),8.07−8.0(2H,m,NH Gly,Gln),7.30(1H,brs,δ−NH Gln),6.78(1H,brs,δ−NH Gln),4.12(1H,m,α−CH Gln),3.75−3.69(6H,m,α−CH Gly),2.14−2.07(4H,m,γ−CH2 Gln,CH2 Pal),1.93(1H,m,β−CH2a Gln),1.77(1H,m,β−CH2b Gln),1.51−145(2H,m,CH2 Pal),1.24(24H,brs,CH2 Pal),0.85(3H,t,J=6.9Hz,CH3 Pal);
ESI−MS+m/z calc. for C27H50N5O7 [M+H]+ 556.37103,found 556.36859
[実施例16:N−パルミトイル−Gly−Gly−Gly−Lysの合成]
実施例1と同様の手順にて、すなわち、Fmoc−Lys(Boc)Resin 163mgをカラムに装着し、Fmoc−Gly−OHを149mg、Fmoc−Gly−OHを149mg、さらにFmoc−Gly−OHを149mgの順に加えFmoc法にて縮合させ、最後にパルミチン酸160mgを反応させることにより、目的化合物34.3mgを得た。
1H−NMR(500MHz DMSO−d6 δppm):8.15−8.12(2H,m,NH Gly),8.06(1H,t,J=5.5Hz,NH Gly),7.99(1H,d,J=7.7Hz,NH Gly),7.8−7.4(2H,br,ε−NH2 Lys),4.17(1H,m,α−CH Lys),3.79−3.68(6H,m,α−CH Gly),2.76(2H,t,J=7.5Hz,ε−CH2 Lys),2.12(2H,t,J=7.5Hz,CH2 Pal),1.72(1H,m,β−CH2a Lys),1.60(1H,m,β−CH2b Lys),1.55−1.45(4H,m,δ−CH2 Lys,CH2 Pal),1.37−1.30(2H,m,γ−CH2 Lys),1.24(24H,brs,CH2 Pal),0.85(3H,t,J=6.9Hz,CH3 Pal);
ESI−MS+m/z calc. for C28H54N5O6 [M+H]+ 555.39958,found 556.40485
[実施例17:N−ベヘノイル−Gly−Gly−Gly−Hisの合成]
実施例1と同様の手順にて、すなわち、H−His(Trt)−Trt(2−Cl)Resin 326mgをカラムに装着し、Fmoc−Gly−OHを298mg、Fmoc−Gly−OHを298mg、さらにFmoc−Gly−OHを298mgの順に加えFmoc法にて縮合させ、最後にベヘン酸213mgを反応させることにより、目的化合物13.7mgを得た。
[純水による脂質ペプチドのヒドロゲル化の評価]
実施例10、12、13、15乃至17で合成した脂質ペプチドをサンプル管に入れ、0.5又は0.1質量%の脂質ペプチド濃度の水溶液になるように純水(日本ミリポア(株)製 Milli−Qシステムによって超純水化したもの)を加えた後、90℃以上に加熱して脂質ペプチドを溶解し、その後放冷した。
放冷後、溶液の流動性が失われて、サンプル管を倒置しても溶液が流れ落ちない状態を「ゲル化」と判定し、室温におけるpH値を測定した。
Figure 2009005151
[緩衝液による脂質ペプチドのヒドロゲル化の評価]
実施例10乃至実施例17で合成した脂質ペプチドをサンプル管に入れ、0.5又は0.1質量%の脂質ペプチド濃度の水溶液になるように5種類のリン酸緩衝液(pH=0、2、7.2、11、14)をそれぞれ加えた後、90℃以上に加熱して脂質ペプチドを溶解し、その後放冷した。なおpH=0、2、14の緩衝液については0.5質量%の脂質ペプチド濃度の水溶液のみ評価した。
放冷後、溶液の流動性が失われて、サンプル管を倒置しても溶液が流れ落ちない状態を「ゲル化」と判定し、室温におけるpH値を測定した。結果を表3に示す。なお表中、ゲル化したものを「○」、しなかったものを「×」、評価を実施しなかったものを「−」として示した。
Figure 2009005151
実施例10、12、13、15乃至17で合成した脂質ペプチドは純水中、わずか0.1質量%の濃度でゲル化した。
また、酸性領域では実施例10乃至実施例17で合成した脂質ペプチドが、中性領域においては実施例10乃至実施例16で合成した脂質ペプチドが、アルカリ性領域では実施例10乃至実施例12、15及び16で合成した脂質ペプチドが0.5質量%濃度でゲル化した。
[金属イオン水溶液による脂質ペプチドのヒドロゲル化の評価]
実施例1で合成した脂質ペプチド(N−パルミトイル−Gly−Gly−Gly−His)をサンプル管に入れ、0.2質量%の脂質ペプチド濃度の水溶液になるように5種類の50mM金属イオン水溶液(NaCl水溶液、MgCl2水溶液、CaCl2水溶液、NiCl2水溶液、FeCl3水溶液)をそれぞれ加えた後、60℃以上に加熱して脂質ペプチドを溶解し、その後放冷した。
放冷後サンプル管の状態を観察したところ、何れの試料も溶液の流動性が失われて、サンプル管を倒置しても溶液が流れ落ちなかったため、「ゲル化」と判定した。すなわち、実施例1の脂質ペプチドは上記5種類の異なる金属イオン水溶液において0.2質量%の濃度でゲル化した。
[エタノール溶液による脂質ペプチドのヒドロゲル化の評価]
実施例1で合成した脂質をサンプル管に入れ、0.1質量%の脂質ペプチド濃度の水溶液になるように3種類のエタノール溶液(エタノール/水混合溶液、エタノール濃度:10、30、50体積%)をそれぞれ加えた後、60℃以上に加熱して脂質ペプチドを溶解し、その後放冷した。
放冷後サンプル管の状態を観察したところ、何れの試料も溶液の流動性が失われて、サンプル管を倒置しても溶液が流れ落ちなかったため、「ゲル化」と判定した。すなわち、実施例1の脂質ペプチドは上記3種類の異なる濃度のエタノール溶液において、わずか0.1質量%の濃度でゲル化した。
[低濃度の脂質ペプチドによるヒドロゲル化の評価]
実施例1で合成した脂質ペプチドをサンプル管に入れ、0.03質量%の脂質ペプチド濃度の水溶液になるように4種類の溶液(1M塩酸(pH=0)、50mMリン酸緩衝液(pH=7.5)、50mMクエン酸ナトリウム水溶液(pH=8.4)、20体積%エタノール水溶液)をそれぞれ加えた後、60℃以上に加熱して脂質ペプチドを溶解し、その後放冷した。
放冷後サンプル管の状態を観察したところ、何れの試料も溶液の流動性が失われて、サンプル管を倒置しても溶液が流れ落ちなかったため、「ゲル化」と判定した。すなわち、実施例1の脂質ペプチドは、上記異なる3つのpH条件(pH=0、7.5、8.4)において、また、エタノール/水混合溶液においてエタノールを20体積%含む水溶液において、わずか0.03質量%の低濃度でゲル化した。
本発明による脂質ペプチド並びにそれから得られるヒドロゲルは、酸性領域からアルカリ性領域に亘って広い液性において、特に中性条件下でも安定にゲル構造を保つことができ、生体適合性が非常に高いことから、各種機能性材料としての用途に好適である。
例えば、上述の広い液性に適する観点から、洗浄剤(医療用、生活用、工業用等)、ゾル・ゲル化剤(化粧品、その他日用品用途)、色素安定用途のゲル化剤、食品用添加剤(酸性食品、アルカリ性食品、中性食品等)などの用途に好適である。
また、中性領域においては細胞培養基材や皮膚基材等、生物・生化学向け材料として、酸性領域においては、胃酸調整剤、腸溶性製剤、満腹感による生分解性抗メタボリック剤などの医薬品製剤の基材として、ペクチン等を含有する酸性乳飲料を製造する際の安定剤や添加剤として、或いはアルカリ土壌の改良用途等に用いることができる。
さらにアルカリ性領域においては、アルカリ性飲料、乳飲料を製造する際に安定剤や添加剤として、各種アルカリ性酵素(アルカリプロテアーゼ、アルカリセラーゼ、アルカリアミラーゼ、アルカリキシラーゼ、アルカリペクチン酸リアーゼ等)を用いた触媒反応向け用途として、好アルカリ性菌の産業利用において、アルカリ電池等に用いるゲル化剤として、酸性土壌の改良剤用途として、その他バイオリアクター、洗剤・石鹸、化粧品、創薬、分析検査等、各種産業に利用における基材、反応添加剤、促進剤として用いることが出来る。
図1は脂質ペプチドの自己集合化及びそれに続くゲル化の概念図を示す図である。

Claims (8)

  1. 式(1):
    Figure 2009005151
    (式中、R1は炭素原子数9乃至23の脂肪族基を表し、
    2、R3、R4及びR5は、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1乃至3の分枝鎖を有し得る炭素原子数1乃至7のアルキル基、フェニルメチル基、フェニルエチル基、又は−(CH2)n−X基を表し、且つR2、R3、R4又はR5のうち少なくとも一つが−(CH2)n−X基を表し、
    nは1乃至4の数を表し、Xはアミノ基、グアニジノ基、−CONH2基、又は窒素原子を1乃至3個有し得る5員環若しくは6員環又は5員環と6員環から構成される縮合複素環を表し、
    mは1又は2を表す。)
    で表される脂質ペプチド及びその薬学的に使用可能な塩。
  2. 前記R1が不飽和結合を1又は2個有し得る炭素原子数11乃至23の直鎖状脂肪族基であることを特徴とする、請求項1記載の脂質ペプチド及びその薬学的に使用可能な塩。
  3. 前記R2、R3、R4及びR5は、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1又は2の分枝鎖を有し得る炭素原子数1乃至4のアルキル基、フェニルメチル基、又は−(CH2)n−X基を表し、且つR2、R3、R4又はR5のうち一つ又は二つが−(CH2)n−X基を表し、nは1乃至4の数を表し、Xはアミノ基、グアニジノ基、−CONH2基、又は窒素原子を1又は2個有し得る5員環又は5員環と6員環から構成される縮合複素環を表すことを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の脂質ペプチド及びその薬学的に使用可能な塩。
  4. 前記R2、R3、R4及びR5は、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1又は2の分枝鎖を有し得る炭素原子数1乃至4のアルキル基、フェニルメチル基、又は−(CH2)n−X基を表し、且つR2、R3、R4又はR5のうち一つ又は二つが−(CH2)n−X基を表し、nは1乃至4の数を表し、Xはアミノ基、グアニジノ基、−CONH2基、ピロール基、イミダゾール基、ピラゾール基又はインドール基を表すことを特徴とする、請求項3記載の脂質ペプチド及びその薬学的に使用可能な塩。
  5. 前記R2、R3、R4及びR5は、それぞれ独立して水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、フェニルメチル基、アミノメチル基、2−アミノエチル基、3−アミノプロピル基、4−アミノブチル基、カルバモイルメチル基、2−カルバモイルエチル基、3−カルバモイルプロピル基、2−グアニジノエチル基、3−グアニジノプロピル基、ピロールメチル基、イミダゾールメチル基、ピラゾールメチル基又は3−インドールメチル基を表し、且つR2、R3、R4又はR5のうち一つ又は二つがアミノメチル基、2−アミノエチル基、3−アミノプロピル基、4−アミノブチル基、カルバモイルメチル基、2−カルバモイルエチル基、3−カルバモイルプロピル基、2−グアニジノエチル基、3−グアニジノプロピル基、ピロールメチル基、イミダゾールメチル基、ピラゾールメチル基又は3−インドールメチル基を表すことを特徴とする、請求項4記載の脂質ペプチド及びその薬学的に使用可能な塩。
  6. 前記R2、R3、R4及びR5は、それぞれ独立して水素原子、メチル基、i−プロピル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、フェニルメチル基、4−アミノブチル基、カルバモイルメチル基、2−カルバモイルエチル基、3−グアニジノプロピル基、イミダゾールメチル基又は3−インドールメチル基を表し、且つR2、R3、R4又はR5のうち一つ又は二つが4−アミノブチル基、カルバモイルメチル基、2−カルバモイルエチル基、3−グアニジノプロピル基、イミダゾールメチル基又は3−インドールメチル基を表すことを特徴とする、請求項5記載の脂質ペプチド及びその薬学的に使用可能な塩。
  7. 請求項1乃至請求項6のうちいずれか一項に記載の脂質ペプチド及びその薬学的に使用可能な塩の自己集合化により形成されるファイバー。
  8. 請求項1乃至請求項6のうちいずれか一項に記載の脂質ペプチド及びその薬学的に使用可能な塩又は請求項7記載のファイバーと水溶液又はアルコール水溶液より成るヒドロゲル。

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