JPWO2008152928A1 - プラズマディスプレイパネルの製造方法および製造装置 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルの製造方法および製造装置 Download PDF

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Abstract

封着された第1基板(1)と第2基板(2)との間に放電ガスが充填されてなるプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、プラズマ放電に対する保護膜が形成された前記第1基板(1)を、真空中または制御された雰囲気中で280℃以上に加熱することにより、前記保護膜から不純ガスを離脱させる第1脱ガス工程と;前記保護膜から前記不純ガスが離脱された前記第1基板(1)と、前記第2基板(2)と、を当接させて封着する封着工程と;を有することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。第1基板と第2基板とを当接させる前の排気コンダクタンスが大きい状態で保護膜から不純ガスを離脱させるので、短時間で清浄化を行うことが可能になる。また保護膜を280℃以上に加熱するので、保護膜に吸着した不純ガスの約70%以上を離脱させることが可能になる。

Description

本発明は、プラズマディスプレイパネルの製造方法および製造装置に関する。
本願は、2007年6月15日に、日本に出願された特願2007−158704号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来から、プラズマディスプレイパネル(以下「PDP」という。)は表示装置の分野で広く利用されており、最近では大画面で高品質かつ低価格のPDPが要求されている。
PDPは、前面基板と背面基板とが封着材を介して貼り合わされ、内部に放電ガスが封入されたものである。PDPとして、前面基板に維持電極および走査電極が形成され、背面基板にアドレス電極が形成された3電極面放電型が主流となっている。走査電極とアドレス電極との間に電圧を印加して放電を発生させると、封入された放電ガスがプラズマ化して紫外線が放出される。この紫外線により、背面基板に形成された蛍光体が励起されて、可視光が放出されるようになっている。
このようなPDPの製造工程は、前面基板および背面基板を別個に形成する工程(前面基板工程および背面基板工程)と、両基板を貼り合わせる工程(パネル化工程)とを有するのが一般的である。この製造工程においては、プラズマ放電に対する保護膜を前面基板に形成してから、前面基板と背面基板とを貼り合わせるまでの間に、HやHO、CO、N、CO等の不純ガスが保護膜に吸着されることがある。これらの不純ガスが付着した状態では、保護膜の2次電子放出係数が小さくなってしまい、その結果、PDPの放電電圧が高くなるおそれがある。そこで、両基板の封着工程では、排気管を取付けて、加熱真空排気(排気ベーク)をすることにより、パネル内の清浄化(涸化)を行っている。また、放電ガスの充填後にAC電圧を印加して放電させ、パネルの放電電圧を低減して放電特性を安定化させるエージング(枯化)を行っている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3830288号公報
しかしながら、上述した清浄化は、両基板の封着後に、排気管を通して、排気コンダクタンスが非常に小さい状態で行われている。今後、PDPはさらに微細化が進むため、排気コンダクタンスはいっそう低下することになる。そのため、清浄化には数時間(2〜6時間)が必要となる。また、エージングには3〜15時間が必要となる。すなわち、パネル化工程のスループットが低下するという問題がある。
一方、前面基板工程のうち保護膜形成工程のスループットは、成膜レートの向上や成膜装置の大型化により短縮されている。ここで、PDP製造ライン全体のスループットを保護膜形成工程のそれと同じにするためには、多くの封着・エージング装置が必要となる。この場合、エネルギー消費量が増大してしまい、このことがPDPの製造コスト低減のための大きな課題となっている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、スループット向上および省エネルギーを実現可能な、プラズマディスプレイパネルの製造方法および製造装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では以下の手段を採用している。すなわち、本発明に係るプラズマディスプレイパネルの製造方法は、封着された第1基板と第2基板との間に放電ガスが充填されてなるプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、プラズマ放電に対する保護膜が形成された前記第1基板を、真空中または制御された雰囲気中で280℃以上に加熱することにより、前記保護膜から不純ガスを離脱させる第1脱ガス工程と;前記保護膜から前記不純ガスが離脱された前記第1基板と、前記第2基板と、を当接させて封着する封着工程と;を有する。
上記のプラズマディスプレイパネルの製造方法によれば、第1基板と第2基板とを当接させる前の排気コンダクタンスが大きい状態で保護膜から不純ガスを離脱させるので、短時間で清浄化を行うことが可能になる。また保護膜を280℃以上に加熱するので、保護膜に吸着した不純ガスの約70%以上を離脱させることが可能になる(図6参照)。すなわち、封着後のパネル内における不純ガスの含有量を低下させることができる。これにより、パネルの放電電圧を安定させることが可能になるため、エージング時間の短縮またはエージングレスを実現することができる。したがって、プラズマディスプレイパネルの製造におけるスループット向上および省エネルギーを実現することができる。
前記第1脱ガス工程の前に、真空中または制御された雰囲気中で前記第1基板に前記保護膜を形成する保護膜形成工程をさらに有し、前記保護膜形成工程から前記第1脱ガス工程までの間は、前記第1基板が真空中または制御された雰囲気中に保持されてもよい。
この場合、保護膜への不純ガスの吸着を抑制することが可能になり、その結果、プラズマディスプレイパネルの製造におけるスループット向上および省エネルギーを実現することができる。
前記第1脱ガス工程の前に、前記保護膜が形成された前記第1基板を、真空中で350℃以上に加熱することにより、前記保護膜から不純ガスを離脱させる予備脱ガス工程をさらに有し、前記予備脱ガス工程から前記第1脱ガス工程までの間は、前記第1基板が真空中に保持されてもよい。
この場合、第1基板を350℃以上に加熱することにより、保護膜形成中に吸着した不純ガスを離脱させることが可能になり、また第1基板の放置中に新たな不純ガスが吸着するのを抑制することが可能になる。これにより、清浄化時間の短縮に加えて、エージング時間の短縮またはエージングレスを実現することが可能になる。その結果、プラズマディスプレイパネルの製造におけるスループット向上および省エネルギーを実現することができる。また、保護膜形成工程と封着工程との間において第1基板を待機させることができるので、柔軟な工程設計が可能になり、その結果、プラズマディスプレイパネルの製造におけるスループットをさらに向上させることができる。
前記第1脱ガス工程の前に、前記保護膜が形成された前記第1基板を、大気中または制御された雰囲気中で350℃以上に加熱することにより、前記保護膜から不純ガスを離脱させる予備脱ガス工程をさらに有してもよい。
この場合、大気中または制御された雰囲気中で第1基板を加熱するので、保護膜形成工程から封着工程まで第1基板を真空中に保持する必要がなくなる。これにより、さらに柔軟な工程設計が可能になり、その結果、プラズマディスプレイパネルの製造におけるスループットを向上させることができる。
前記封着工程を、雰囲気中の前記不純ガスの濃度を所定値以下に保持した状態で行ってもよい。
この場合、封着後のパネル内における不純ガスの含有量を低下させることが可能になる。これにより、エージング時間の短縮またはエージングレスを実現することが可能になり、その結果、プラズマディスプレイパネルの製造におけるスループット向上および省エネルギーを実現することができる。
前記第1脱ガス工程では、前記第1基板と前記第2基板とが互いに対向配置された状態で、前記第1基板または前記第2基板から離脱した前記不純ガスの平均自由工程が、前記第1基板と前記第2基板との間隔より短くなるように、前記第1基板と前記第2基板との間にキャリアガスが導入されてもよい。
この場合、第1基板および第2基板のうち一方の基板から離脱した不純ガスが他方の基板に入射するのを防止することが可能になる。これにより、エージング時間の短縮またはエージングレスを実現することが可能になり、その結果、プラズマディスプレイパネルの製造におけるスループット向上および省エネルギーを実現することができる。
前記キャリアガスは、前記放電ガスと同じ種類のガスであってもよい。
この場合、キャリアガス供給手段を新たに設ける必要がないので、その結果、製造コストを低減することができる。
前記封着工程の前に、蛍光体および封着材が配設された前記第2基板を、真空中または制御された雰囲気中で加熱することにより、前記蛍光体および前記封着材から前記不純ガスを離脱させる第2脱ガス工程をさらに有してもよい。
この場合、蛍光体および封着材における不純ガスの吸着量を低下させることが可能になる。したがって、エージング時間の短縮またはエージングレスを実現することが可能になり、その結果、プラズマディスプレイパネルの製造におけるスループット向上および省エネルギーを実現することができる。
前記第2脱ガス工程の前に、真空中または制御された雰囲気中で前記第2基板に封着材を塗布する封着材塗布工程をさらに有し、前記封着材塗布工程から前記第2脱ガス工程までの間、前記第2基板が真空中または制御された雰囲気中に保持されてもよい。
この場合、封着材における不純ガスの吸着量をさらに低下させることが可能になる。したがって、エージング時間の短縮またはエージングレスを実現することが可能になり、その結果、プラズマディスプレイパネルの製造におけるスループット向上および省エネルギーを実現することができる。
前記封着工程では、前記不純ガスの分圧が2.0Pa以下の前記放電ガスが導入されてもよい。
この場合、封着後のパネル内における不純ガスの含有量を低下させることが可能になる。これにより、プラズマディスプレイパネルの放電電圧が安定するので、エージング時間の短縮またはエージングレスを実現することが可能になる。したがって、プラズマディスプレイパネルの製造におけるスループット向上および省エネルギーを実現することができる。
前記封着工程の前に、真空中または制御された雰囲気中で、前記第1基板および前記第2基板を、前記封着工程における封着温度以上の温度で予備加熱する工程をさらに有してもよい。
この場合、第1基板および第2基板における不純ガスの吸着量をさらに低下させた状態で封着を行うことが可能になる。したがって、エージング時間の短縮またはエージングレスを実現することが可能になり、その結果、プラズマディスプレイパネルの製造におけるスループット向上および省エネルギーを実現することができる。
一方、本発明に係るプラズマディスプレイパネルの製造装置は、真空中または制御された雰囲気中で第1基板と第2基板とが封着される封着室を備えたプラズマディスプレイパネルの製造装置であって、前記封着室は、前記第1基板と前記第2基板とを当接させる前に、プラズマ放電に対する保護膜が形成された前記第1基板が、真空中または制御された雰囲気中で280℃以上に加熱されるように構成されている。
上記のプラズマディスプレイパネルの製造装置によれば、第1基板と第2基板とを当接させる前に保護膜を加熱して、保護膜から不純ガスを離脱させるので、短時間で清浄化を行うことができる。また、成膜室において保護膜の脱ガスと両基板の封着とを連続して行うことができるため、封着後のパネル内における不純ガスの含有量を低下させることができる。これにより、プラズマディスプレイパネルの放電電圧を安定させることが可能になるため、エージング時間の短縮またはエージングレスを実現することができる。したがって、プラズマディスプレイパネルの製造におけるスループット向上および省エネルギーを実現することができる。
前記第1基板に前記保護膜が形成される成膜室をさらに備え、前記成膜室から前記封着室にかけて、前記第1基板が真空中または制御された雰囲気中に保持されるように構成されていてもよい。
この場合、保護膜への不純ガスの吸着をさらに抑制することが可能になるため、封着後のパネル内における不純ガスの含有量を低下させることができる。したがって、プラズマディスプレイパネルの製造におけるスループット向上および省エネルギーを実現することができる。
蛍光体および封着材の配設された前記第2基板が、真空中または制御された雰囲気中で加熱される加熱室をさらに備え、前記加熱室から前記封着室にかけて、前記第2基板が真空中または制御された雰囲気中に保持されるように構成されていてもよい。
この場合、第2基板の蛍光体および封着材への不純ガスの吸着を抑制することが可能になるため、封着後のパネル内における不純ガスの含有量を低下させることができる。したがって、エージング時間の短縮またはエージングレスを実現することが可能になり、その結果、プラズマディスプレイパネルの製造におけるスループット向上および省エネルギーを実現することができる。
真空中または制御された雰囲気中で前記第2基板に封着材が塗布される塗布室をさらに備え、前記塗布室から前記加熱室および前記封着室にかけて、前記第2基板が真空中または制御された雰囲気中に保持されるようになっていてもよい。
この場合、封着材への不純ガスの吸着をさらに抑制することが可能になるため、封着後のパネル内における不純ガスの含有量を低下させることができる。したがって、プラズマディスプレイパネルの製造におけるスループット向上および省エネルギーを実現することができる。
前記封着室には、前記雰囲気中の前記不純ガスの濃度を測定可能なガス分析手段が設けられていてもよい。
この場合、封着室における不純ガスの濃度を監視することにより、封着後のパネル内における不純ガスの含有量を低下させることができる。これにより、エージング時間の短縮またはエージングレスを実現することが可能になり、その結果、プラズマディスプレイパネルの製造におけるスループット向上および省エネルギーを実現することができる。
前記封着室は、前記第1基板と前記第2基板とを当接させる前に、真空中または制御された雰囲気中で、前記第1基板および前記第2基板が、封着温度以上の温度で予備加熱されるように構成されていてもよい。
この場合、第1基板および第2基板における不純ガスの吸着量をさらに低下させた状態で封着を行うことが可能になる。したがって、エージング時間の短縮またはエージングレスを実現することが可能になり、その結果、プラズマディスプレイパネルの製造におけるスループット向上および省エネルギーを実現することができる。
本発明に係るプラズマディスプレイパネルの製造方法によれば、第1基板と第2基板とを当接させる前の排気コンダクタンスが大きい状態で保護膜から不純ガスを離脱させるので、短時間で清浄化を行うことが可能になり、かつ封着工程中の清浄化が不要になる。また保護膜を280℃以上に加熱するので、保護膜に吸着した不純ガスの多くを離脱させることが可能になる。すなわち、封着後のパネル内における不純ガスの含有量を低下させることができる。これにより、パネルの放電電圧を安定させることが可能になるため、エージング時間の短縮またはエージングレスを実現することができる。したがって、プラズマディスプレイパネルの製造におけるスループット向上および省エネルギーを実現することができる。
また、本発明に係るプラズマディスプレイパネルの製造装置によれば、第1基板と第2基板とを当接させる前に保護膜を加熱して、保護膜から不純ガスを離脱させるので、短時間で清浄化を行うことができる。また、成膜室において保護膜の脱ガスと両基板の封着とを連続して行うことができるため、封着後のパネル内における不純ガスの含有量を低下させることができる。これにより、プラズマディスプレイパネルの放電電圧を安定させることが可能になるため、エージング時間の短縮またはエージングレスを実現することができる。したがって、プラズマディスプレイパネルの製造におけるスループット向上および省エネルギーを実現することができる。
図1は、3電極AC型プラズマディスプレイパネルの分解斜視図である。 図2Aは、PDPの平面図である。 図2Bは、図2AのA−A線に沿った側面断面図である。 図3は、本発明の第1実施形態に係るPDPの製造方法のフローチャートである。 図4は、同実施形態に係るPDPの製造装置のブロック図である。 図5は、封着室の概略構成図である。 図6は、加熱による保護膜からの放出ガス量の測定結果を示すグラフである。 図7は、前面基板の加熱中における水分のイオン電流値を示すグラフである。 図8は、前面基板の加熱中における炭酸ガスのイオン電流値を示すグラフである。 図9Aは、同実施形態に係るPDPの製造プロセスにおける両基板の加熱温度変化を示すグラフである。 図9Bは、従来技術に係るPDPの製造プロセスにおける両基板の加熱温度変化を示すグラフである。 図10は、エージング試験の結果を示すグラフである。 図11は、エージング試験の結果を示すグラフである。 図12は、昇温脱離法による保護膜からの放出ガス測定結果を示すグラフである。 図13は、本発明の第2実施形態に係るPDPの製造装置のブロック図である。 図14は、本発明の第3実施形態に係るPDPの製造装置のブロック図である。
符号の説明
1 前面基板
2 背面基板
14 保護膜
17 蛍光体
20 封着材
50 プラズマディスプレイパネルの製造装置
64 成膜室
82 封着室
96 残留ガス分析計(ガス分析手段)
100 プラズマディスプレイパネル
S66 保護膜形成工程
S78 封着材塗布工程
S84 封着工程
S801 第1脱ガス工程
S802 第2脱ガス工程
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、その縮尺を適宜変更している。また、以下において基板の「内面」とは、当該基板の両表面のうち、当該基板と対をなす基板側の表面をいうものとする。
(プラズマディスプレイパネル)
図1は、3電極AC型プラズマディスプレイパネルの分解斜視図である。このプラズマディスプレイパネル(以下「PDP」という。)100は、対向配置された前面基板(第1基板)1および背面基板(第2基板)2と、両基板1,2の間に形成された複数の放電室16とを備えている。
前面基板1の内面には、所定の間隔でストライプ状に表示電極12(走査電極12aおよび維持電極12b)が形成されている。この表示電極12は、ITO等の透明導電性材料とバス電極とによって構成されている。この表示電極12を覆うように誘電体層13が形成され、その誘電体層13を覆うように保護膜14が形成されている。この保護膜14は、放電ガスのプラズマ化によって発生した陽イオンから誘電体層13を保護するものであり、MgOやSrO等のアルカリ土類金属の酸化物によって構成されている。
一方、背面基板2の内面には、所定の間隔でストライプ状にアドレス電極11が形成されている。このアドレス電極11は、前記表示電極12と直交するように配置されている。このアドレス電極11と表示電極12との交点が、PDP100の画素になっている。
そのアドレス電極11を覆うように、誘電体層19が形成されている。また、互いに隣接するアドレス電極11の間における誘電体層19の上面には、アドレス電極11と平行に隔壁(リブ)15が形成されている。さらに、互いに隣接する隔壁15の間における誘電体層19の上面および隔壁15の側面には、蛍光体17が配設されている。この蛍光体17は、赤、緑、青の何れかの蛍光を発光するものである。
図2Aは、PDPの平面図である。上述した前面基板1と背面基板2とが、これら基板の内面の周縁部に配置された封着材20により貼り合わされている。
図2Bは、図2AのA−A線における側面断面図である。図2Bに示すように、前面基板1と背面基板2とが貼り合わされることにより、互いに隣接する隔壁15の間に放電室16が形成されている。この放電室16の内部には、NeおよびXeの混合ガス等からなる放電ガスが封入されている。
PDP100のアドレス電極11と走査電極12aとの間に直流電圧を印加して対向放電を発生させ、さらに走査電極12aと維持電極12bとの間に交流電圧を印加すると、面放電が発生される。すると、放電室16内に封入された放電ガスがプラズマ化して、紫外線が放射される。この紫外線によって蛍光体17が励起され、その結果、可視光が前面基板1から放出される。
(PDPの製造方法、製造装置)
図3は、本発明の第1実施形態に係るPDPの製造方法のフローチャートである。PDPの製造工程は、パネル工程(S50)と、モジュール・セット工程(S52)との2つに大きく分けられる。そのパネル工程(S50)は、前面基板工程(S60)と、背面基板工程(S70)と、パネル化工程(S80)との3つに分けられる。
前面基板工程(S60)では、まず表示電極12となる透明電極を前面基板1上に形成する(S62)。具体的には、ITOやSnO等の透明導電膜をスパッタ法等で前面基板1上に形成し、形成された透明導電膜をパターニングすることにより表示電極12を得る。次に、得られた表示電極12の電気抵抗を低減するため、その表示電極12上に金属材料からなる補助電極(バス電極)をスパッタ法等により形成する(S63)。さらに、これら表示電極12及び補助電極の保護と壁電荷の形成とを目的として、それら電極の上に誘電体層13を印刷法等により厚さ20〜40μmに形成し、焼成する(S64)。そして、形成された誘電体層13の保護と二次電子放出効率の向上のため、その誘電体層13の上に保護膜14を電子ピーム蒸着法等により厚さ700〜1200nmに形成する(S66)。
背面基板工程(S70)では、まずAg、Cr/Cu/CrまたはAlからなるアドレス電極11を背面基板2上に形成する(S72)。次に、形成されたアドレス電極11を保護するための誘電体層19をアドレス電極11の上に形成する(S74)。さらに、放電空間および蛍光体17の発光面積を増加させるために、誘電体層19の上に複数の隔壁15をサンドブラスト法等によって形成する(S75)。なお、サンドブラスト法は、隔壁の材料となるガラスペーストを基板上に塗布し、塗布されたガラスペーストの乾燥後にマスク材をパターニングし、そこへアルミナやガラスビーズ等の研磨剤を高圧で吹き付けることにより、所定形状の隔壁を複数形成する方法である。次に、互いに隣接する隔壁15の間に、スクリーン印刷法等により蛍光体17を塗布し、乾燥する。その後に、乾燥された蛍光体17を約500℃程度で焼成する(S76)。そして、背面基板2の周縁に、当該背面基板2を加熱しつつ封着材20を塗布する(S78)
図4は、本発明の第1実施形態に係るPDPの製造装置のブロック図である。PDPの製造装置50は、前面基板ライン60の後端、背面基板ライン70の後端およびパネル化ライン80の前端が、それぞれ搬送室55に接続されて構成されている。このPDPの製造装置50は、図3に示すPDPの製造プロセスのうち二点鎖線で囲われた範囲50を、真空中または制御された雰囲気中で連続して実施するものである。なお、制御された雰囲気とは、例えば所定圧力に制御された不活性ガス雰囲気である。また、図4に示す前面基板ライン60における保護膜形成工程のタクトタイムは、パネル化ライン80におけるパネル化工程のタクトタイムに比べて非常に短いので、1つの前面基板ライン60に対して複数のパネル化ライン80を接続してもよい。
図4に示す前面基板ライン60には、誘電体層13までが形成された前面基板1を受け入れる仕込室(真空排気室)61と、前面基板1を150〜350℃程度に加熱する加熱室62と、電子ビーム蒸着法等により保護膜14を形成する成膜室64とが設けられている。なお、成膜室64から後述する封着室82にかけて、真空中または制御された雰囲気中で前面基板を保持しうるようになっている。本実施形態では、前面基板1を250℃まで加熱し、その表面に保護膜14としてMgO膜を厚さ約800nmで成膜する。
また背面基板ライン70には、蛍光体17および封着材20が配設された背面基板2を受け入れる仕込室76と、背面基板2を加熱する加熱室77とが設けられている。なお加熱室77から後述する封着室82にかけて、真空中または制御された雰囲気中で背面基板を保持しうるようになっている。この加熱室77では、図3に示す第2脱ガス工程(S802)を行う。すなわち、背面基板2を加熱することにより、蛍光体および封着材から不純ガスを離脱させる。具体的には、NガスおよびOガスを流しながら加熱室77を200Pa程度に保持し、背面基板2を約450℃で3時間程度加熱する。なお加熱室77を10−5Pa程度の真空中に保持し、背面基板2を420〜430℃で3時間程度加熱してもよい。背面基板ライン70のスループットを短くするため、背面基板2の加熱は複数同時に行うか、加熱室を複数設置するか、あるいはこれらを組み合わせてもよい。
一方、図4に示すパネル化ライン80には、前面基板1および背面基板2のアライメント、放電ガスの導入、および両基板1,2の封着を行う封着室82が設けられている。このように、両基板のアライメントから封着までを同じ処理室で行うことにより、両基板への不純ガスの吸着を抑制することが可能になる。これにより、清浄化時間の短縮に加えて、エージング時間の短縮またはエージングレスを実現することができる。
図5は、封着室の概略構成図である。封着室82は、真空ないし19.6N/cmG程度の圧力に耐えうるチャンバ90を備えている。チャンバ90の天井面には、前面基板1を支持するための複数のフック機構91aが配設されている。そのフック機構91aに支持された前面基板1を加熱するために、チャンバ90の天井面と略平行にはヒータプレート91が設けられている。一方、チャンバ90の底面には、背面基板2を支持するための複数のピン機構92aが配設されている。そのピン機構92aに支持された背面基板2を加熱するために、チャンバ90の下部には、底面と略平行にヒータプレート92が設けられている。なお、このように輻射熱によって両基板を加熱する代わりに、静電チャック機構等を用いて両基板を支持し、接触による熱伝達やガスを介在した熱伝達によって両基板を加熱してもよい。
チャンバ90の一方の側面には、放電ガス供給手段94が設けられている。放電ガス供給手段94は、質量流量計(Mass Flow Controller;MFC)94aと、チャンバ90の中央部に向かって開口するガスノズル94bとを備えている。またチャンバ90の他方の側面には、ターボ分子ポンプ等からなる真空排気系95が設けられている。なお排気速度を調整するために、真空排気系95にコンダクタンス可変バルブを設けてもよい。
またチャンバ90には、残留ガス分析計(Residual Gas Analyzer;RGA)96が設けられている。この残留ガス分析計96は、四重極型質量分析計等で構成されている。なお、四重極型質量分析計は、所定圧力以下でなければ作動されない。そこで、四重極型質量分析計の分析管内に導入される被測定ガスを所定圧力以下に減圧するために、差動排気系やガス導入用キャピラリー等が設けられている。
なお、図示しないが、チャンバ90には真空計が装着されている。またチャンバ90の大気側には、両基板のアライメントを行うためのCCDカメラ機構が設けられている。
上述した封着室82において、図3に示すパネル化工程(S80)を行う。
パネル化工程(S80)では、前面基板1を加熱して保護膜から不純ガスを離脱させる第1脱ガス工程(S801)を行う。さらに、両基板のアライメント工程(S82)と、放電ガス導入および封着工程(S84)とを行う。なお必要な場合には、短時間のエージング工程(S86)をも行う。
具体的には、まず封着室82の内部を真空排気系95により排気して、真空または制御された雰囲気に保持する。次に、保護膜14が形成された前面基板1を、真空中または制御された雰囲気中に保持したまま封着室82に搬送し、封着室82の上部に設けたフック機構91aで支持する。そして、真空中または制御された雰囲気中で、ヒータプレート91により前面基板1を280℃以上に加熱して、保護膜から不純ガスを離脱させる(第1脱ガス工程;S801)。
図6は、加熱による保護膜からの放出ガス量の測定結果を示すグラフであり、横軸に前面基板1の加熱温度をとり、縦軸に放出ガス量をとっている。本発明の発明者らは、MgOからなる保護膜を成膜圧力5×10−2Paで厚さ約800nmに形成し、この保護膜からの放出ガス量を昇温脱離法(Thermal Desorption Spectroscopy;TDS)により測定した。その結果、図6に示すように、放出ガス量の小さなピークが約140℃に存在し、大きなピークが約280℃に存在することが確認された。
図7および図8は、前面基板の加熱中に残留ガス分析計で測定した特定ガスのイオン電流値(特定ガスの分圧に相当する量)を示すグラフである。なお、保護膜からの特定ガスの離脱量に比例して、特定ガスのイオン電流値が上昇することになる。図7は水分(HO;質量電荷比m/e=18)のイオン電流値であり、図8は炭酸ガス(CO;質量電荷比m/e=44)のイオン電流値である。図7の水分の場合には、図6と同様に小さなピークが約140℃に存在し、大きなピークが約280℃に存在することが確認された。図8の炭酸ガスの場合には、大きなピークのみが約280℃に存在することが確認された。
図6から図8の結果から、約140℃のピークは、MgOに弱く吸着している水分子が、加熱により離脱したことに由来すると考えられる。また、約280℃のピークは、雰囲気中の炭酸ガスおよび水分をMgOが吸収して炭酸水酸化マグネシウム(4MgCO・Mg(OH)・5HO)となっていたものが、加熱により分解して離脱したことに由来すると考えられる。
また、図6の結果から、大きなピークが確認された280℃以上に前面基板1を加熱すれば、保護膜に吸着した不純ガスの70%以上が放出されることがわかる。そこで本実施形態では、保護膜が形成された前面基板1を、真空中または制御された雰囲気中で280℃以上に加熱することとされている(第1脱ガス工程;S801)。
次に、蛍光体および封着材が形成された背面基板を、真空中または制御された雰囲気中に保持したまま、図5に示す封着室82に搬送し、封着室82の下部に設けられたピン機構92aで支持する。そして、真空中または制御された雰囲気中で、前面基板1および背面基板2を280℃以上に保持する。ここでは、両基板を封着温度まで加熱してもよい。封着温度が280℃以下の場合には、前面基板1のみを280℃以上に加熱してもよい。
ここで、互いに対向配置された前面基板1および背面基板2のうち、一方の基板から離脱した不純ガスが、他方の基板に入射するのを防止する必要がある。そこで、一方の基板から離脱した不純ガスの平均自由工程が、対向配置された他方の基板との間隔より短くなるように、前面基板1と背面基板2との間に所定圧力のキャリアガスを導入する。ここで平均自由工程(ミーンフリーパス)とは、気体の中を自由に動き回る粒子が、同種または異種粒子と次々に衝突する場合、相続く衝突間に粒子が飛行した距離の平均である。キャリアガスを導入すれば、離脱した不純ガスがキャリアガスと衝突するので、平均自由工程は短くなる。不純ガスの平均自由工程が両基板の間隔より短くなれば、一方の基板から離脱した不純ガスが他方の基板に入射するのを防止することができる。またキャリアガスを導入することにより、一方の基板から離脱した不純ガスを速やかに排気することができる。
上記の導入するキャリアガスとしては、HやO、N、Ar、Ne、Xe、CDA(Clean Dry Air)等を採用することが可能である。特に、キャリアガスとして、PDPに封入される放電ガスと同一の種類の放電ガスを採用することが望ましい。図5に示すように、封着室82には放電ガス供給手段94が設けられているので、キャリアガス供給手段を別途設ける必要がなく、その結果、製造コストの増加を抑制できるからである。この場合には、放電ガス供給手段94と真空排気系95とを対向配置し、放電ガス供給手段94から供給した放電ガスを両基板1,2の間に流通させて真空排気系95により排気すればよい。
次に、図3に示すアライメント工程(S82)と、放電ガス導入および封着工程(S84)とを行う。具体的には、図5に示す封着室82において、チャンバ90の大気側に設置されたCCDカメラ機構(不図示)により、前面基板1および背面基板2のアライメントマークを読み取って、両基板1,2の位置合わせを行う(S82)。
次に、放電ガス供給手段94により放電ガスを導入する。ここで、不純ガスの分圧が2.0Pa以下の放電ガスを導入することが望ましい。これにより、封着後のパネル内における不純ガスの含有量を低下させることが可能になる。
次に、フック機構91aおよびピン機構92aをチャンバ内部に伸長させて前面基板1および背面基板2を互いに当接させる。両基板1,2が加圧された状態で、封着材20を430〜450℃程度に加熱して、両基板1,2を封着する(S84)。なお封着材20を430〜450℃程度に加熱し、次にフック機構91aおよびピン機構92aをチャンバ内部に伸長させて前面基板1および背面基板2を互いに当接させ、両基板1,2を加圧して封着してもよい。封着後のパネルは、図4に示す冷却・取出室84へ搬送されて、約150℃まで冷却され、その後に取り出される。
ところで、上述した第1脱ガス工程は、封着室内の不純ガスの濃度が所定値以下に低下するまで行われることが望ましい。また、上述した封着工程は、封着室内の不純ガスの濃度を所定値以下に保持した状態で行われることが望ましい。具体的には、第1脱ガス工程から封着工程にかけて、図5に示す残留ガス分析計96により、チャンバ90内におけるHやHO、CO、N、CO等の不純ガスの分圧を測定する。特に、HOおよびCOの分圧を測定することが望ましい。なお、上記測定の際には、残留ガス分析計96に接続した差動排気系を駆動したりキャピラリーの利用により、分析管内の圧力が高くならないようにする。また、残留ガス分析計96で分圧を換算する場合、予めHeで校正し、測定するガスによって換算係数を決定する。
ここで、第1脱ガス工程において、不純ガスの濃度低下を促進させる方法として、(1)前面基板の加熱時間を延長する方法と、(2)前面基板の加熱温度を高くする方法とがある。(2)の場合、例えば加熱温度を370℃から390℃にすると、不純ガスの濃度が所定値以下に低下するまでの時間は約半分に短縮されるとの報告がある。なお、(1)および(2)の方法を同時に採用することも可能である。
本実施形態では、封着室内の不純ガスの濃度を20ppm以下まで低下させる。不純ガス濃度が少なくとも20ppmあれば、AC型PDPの動作電圧を増加させるという報告があるからである。
そして、封着室内の不純ガスの濃度を所定値以下に保持した状態で封着工程を行う。これにより、パネル内における不純ガスの含有量を低下させることが可能になる。したがって、エージング時間の短縮またはエージングレスを実現することが可能になり、その結果、PDPの製造におけるスループットの向上および省エネルギーを実現することができる。
図9A及び図9Bは、PDPの製造プロセスにおける両基板1,2の温度変化を示すグラフである。なお図9Aは本実施形態の場合であり、図9Bは従来技術の場合である。図9Bに示す従来技術に係るPDPの製造プロセスでは、前面基板工程において保護膜形成を約250℃で行った後、パネル化工程において両基板のアライメントを常温で(大気中で)行っている。これに続いて、パネル化工程において両基板の封着を約450℃で行った後、清浄化を約350℃で行っている。このように従来技術では、ヒートサイクルが多くなり、工程間の温度変化が大きくなるので、PDPの製造プロセスにおけるエネルギー消費量が増大するとともに、そのスループットが低下することになる。
これに対して、図9Aに示す本実施形態に係るPDPの製造プロセスでは、前面基板工程において保護膜形成を約250℃で行った後、パネル化工程において両基板の加熱による清浄化(第1脱ガス工程)およびアライメントを280℃で行う。これに続いて、両基板の封着を約450℃で行う。このように本実施形態では、ヒートサイクルが少なくなり、工程間の温度変化が小さくなるので、従来技術の場合と比較して、PDPの製造プロセスにおけるエネルギー消費量を低減し、そのスループットを向上させることができる。
本発明の発明者らは、従来方法で作製したPDPおよび本実施形態の方法で作製したPDPにつき、エージング試験を行って初期特性を評価した。本試験におけるPDPの保護膜14には、膜厚800nmに成膜されたMgOを用い、また、放電ガスとしてNe−4%Xeを、66.5kPaの圧力で導入した。
なお、本実施形態に係るPDPの作製においては、保護膜形成後の前面基板を、封着室において280℃以上に加熱(第1脱ガス処理)した後に、両基板を封着した。
これに対して、従来技術に係るPDPの作製においては、保護膜形成後の前面基板を真空中に120分放置した後に、両基板を封着・封止した。なお両基板の封着中に、350℃で90分間の清浄化を行った。
図10は、エージング試験の結果を示すグラフである。なお、Vfnは最終セル点灯電圧であり、Vsmnは最終消灯電圧である。真空中に放置した従来技術に係るPDPの場合(図10における破線のグラフ)は、最終セル点灯電圧Vfnおよび最終消灯電圧Vsmnとも高く、また電圧が安定するまでに約20分を要している。これは、不純ガスの清浄化が不十分であることが原因と考えられる。これに対して、本実施形態に係るPDPの場合(図10における実線のグラフ)は、最終セル点灯電圧Vfnおよび最終消灯電圧Vsmnとも低く、当初から安定している。これは、第1脱ガス処理により不純ガスの清浄化が十分に行われていることが原因と考えられる。
この結果から、本実施形態に係るPDPの製造方法および製造装置を採用することにより、エージング時間の短縮またはエージングレスを実現できることが確認された。したがって、PDPの製造におけるスループットを向上させることができる。また消費電力を低減することが可能になり、その結果、省エネルギー化を実現することができる。
さらに、本発明の発明者らは、本実施形態に係る方法で作製したPDPにつき、放置後の特性変動を評価した。具体的には、70℃の高温槽に48時間放置した後に、上記と同様のエージング試験を行った。
図11は、エージング試験の結果を示すグラフである。本実施形態に係るPDPにおいては、図10に示す放電電圧(実線)に対して、図11に示す放置後のPDPの放電電圧が、ほとんど変化していない。それに対して、従来技術に係るPDPでは、不純ガスの清浄化が不十分であるため、放置後には放電電圧が上昇する。
この結果から、本実施形態に係るPDPでは、封着前の第1脱ガス処理により不純ガスの清浄化が十分に行われているので、パネル内の不純ガスの含有量が低くなり、放電電圧が上昇しないことが確認された。これにより、エージング時間の短縮またはエージングレスを実現できる。これに伴って、PDPの製造におけるスループットの向上および省エネルギー化を実現することができる。
以上に詳述したように、本実施形態のPDPの製造方法は、保護膜が形成された前面基板を、真空中または制御された雰囲気中で280℃以上に加熱することにより、保護膜から不純ガスを離脱させる第1脱ガス工程と、第1脱ガス工程に連続して、前面基板と背面基板とを当接させて封着する封着工程と、を有する。
上記のPDPの製造方法によれば、前面基板と背面基板とを当接させる前の排気コンダクタンスが大きい状態で保護膜から不純ガスを離脱させるので、短時間で清浄化を行うことが可能になり、したがって、封着工程中の清浄化が不要になる。また保護膜を280℃以上に加熱するので、保護膜に吸着した不純ガスの約70%以上を離脱させることが可能になり(図6参照)、したがって、封着後のパネル内における不純ガスの含有量を低下させることができる。これにより、パネルの放電電圧を安定させることが可能になるため、エージング時間の短縮またはエージングレスを実現することができる。したがって、PDPの製造におけるスループット向上および省エネルギーを実現することができる。
また、本実施形態のPDPの製造方法では、前面基板に保護膜を形成した後に、前面基板を真空中または制御された雰囲気中に保持したままで、上述した第1脱ガス工程を行う。すなわち、保護膜形成工程から第1脱ガス工程までの間、前面基板は真空中または制御された雰囲気中に保持される。
この場合、保護膜への不純ガスの吸着を抑制することが可能になるため、第1脱ガス工程を短時間で行うことができる。したがって、PDPの製造におけるスループット向上および省エネルギーを実現することができる。
さらに、本実施形態のPDPの製造方法では、蛍光体および封着材が配設された背面基板を、真空中または制御された雰囲気中で加熱することにより、蛍光体および封着材から不純ガスを離脱させる第2脱ガス工程の後に、封着工程を行う。
この場合、蛍光体および封着材における不純ガスの吸着量を低下させることが可能になるため、パネルの放電電圧を安定させることができる。したがって、エージング時間の短縮またはエージングレスを実現することが可能になり、その結果、PDPの製造におけるスループット向上および省エネルギーを実現することができる。
上記のPDPの製造方法において、真空中または制御された雰囲気中で背面基板に封着材を塗布する封着材塗布工程の後に、背面基板を真空中または制御された雰囲気中に保持したままで、上述した第2脱ガス工程を行うことが望ましい。すなわち、封着材塗布工程から第2脱ガス工程までの間、背面基板は真空中または制御された雰囲気中に保持される。
この場合、封着材における不純ガスの吸着量をさらに低下させることが可能になる。したがって、エージング時間の短縮またはエージングレスを実現することが可能になり、その結果、PDPの製造におけるスループット向上および省エネルギーを実現することができる。
また、上述した封着工程の前に、封着工程における封着温度以上の温度で、前面基板および背面基板を予備加熱する工程を有することが望ましい。
一般に、両基板の封着温度(封着材が溶解する温度)は約420〜430℃であるが、図6のグラフによれば、この封着温度以上で加熱した場合にも不純ガスが放出される(ガラス基板からの放出ガスであると考えられる。)。そこで封着工程の前に、封着温度以上の温度(例えば450℃)で前面基板および背面基板を予備加熱する。この予備加熱工程は封着室において、第1脱ガス工程に続けてまたは第1脱ガス工程と同時に行うことが可能である。これにより、前面基板および背面基板における不純ガスの吸着量をさらに低下させた状態で封着を行うことが可能になる。したがって、エージング時間の短縮またはエージングレスを実現することが可能になり、その結果、PDPの製造におけるスループット向上および省エネルギーを実現することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るPDPの製造方法および製造装置について説明する。
第2実施形態では、前面基板に対する保護膜形成工程と第1脱ガス工程との間に、予備脱ガス工程を備えている点で第1実施形態と異なっている。なお第1実施形態と同様の構成となる部分については、その詳細な説明を省略する。
図12は、昇温脱離法(TDS)による保護膜からの放出ガス測定結果を示すグラフである。図12では、加熱時間と基板温度との関係を実線で示している。また、保護膜形成後の前面基板を90分間真空保持した後、TDSを行った場合(a)における加熱時間と放出ガス圧力との関係を破線で示している。また、保護膜形成の直後にTDSを行った場合(b)における加熱時間と放出ガス圧力との関係を一点鎖線で示している。また、保護膜形成後の前面基板を450℃に加熱し、140℃で120分間真空保持した後に、TDSを行った場合(c)における加熱時間と放出ガス圧力との関係を二点鎖線で示している。
(b)の結果から、保護膜形成工程においても不純ガスが吸着されることがわかる。また(b)と(a)との比較から、90分間の真空保持により不純ガスの吸着量が大幅に増加していることがわかる。保護膜形成中には全ての不純ガスが吸着され、さらに、真空保持中には特にHOが吸着されるものと考えられる。これに対して(c)では、保護膜形成後の前面基板を450℃に加熱することにより、保護膜形成中に吸着した不純ガスは離脱しているので、140℃で120分間の真空保持中に吸着した不純ガスのみが放出されていると考えられる。
(b)と(c)とを詳細に比較すると、基板温度が約280℃以上の領域では、(c)より(b)の放出ガス量が多くなっている。これは、成膜中に吸着した不純ガス(主にCO)とMgOとの反応により生成された炭酸水酸化マグネシウム(4MgCO・Mg(OH)・5HO)が分解され、COが放出されたものと考えられる。また基板温度が200℃以下の領域では、(b)より(c)の放出ガス量が多くなっている。これは、120分間の真空保持によりMgOに弱く吸着したHO分子が放出されたものと考えられる。
このように、(b)では保護膜形成中に吸着した不純ガスのみが放出され、(c)では真空保持中に吸着した不純ガスのみが放出され、(a)では両方で吸着した不純ガスが放出されていると考えられる。しかしながら(c)の放出ガス量は、(a)と(b)との差より小さくなっている。この結果から、保護膜形成後の前面基板を加熱しておけば、その後の真空保持中に不純ガスが吸着されにくくなることがわかる。
また、(c)の放出ガス量は(a)の1/3以下であり、PDPにとって問題のないレベルである。特に(c)の真空保持時間を短縮すれば、(b)より放出ガス量が少なくなると考えられる。そこで、本実施形態では(c)の方法を採用している。
図13は、第2実施形態に係るPDPの製造装置のブロック図である。第2実施形態に係るPDPの製造装置52では、前面基板ライン60における成膜室64の下流側に加熱室66を備えている点で、図4に示す第1実施形態に係るPDPの製造装置50と異なっている。
第2実施形態に係るPDPの製造方法では、第1実施形態と同様に保護膜形成工程を行う。具体的には、図13に示す成膜室64において前面基板に保護膜を形成する。次に、保護膜形成後の前面基板を真空中に保持したまま、加熱室66において前面基板を350℃以上に加熱する(予備脱ガス工程)。
上述したように、保護膜形成中に吸着した不純ガスとMgOとの反応により、保護膜中には炭酸水酸化マグネシウムが生成されている。この保護膜が形成された前面基板を350℃以上に加熱することにより、炭酸水酸化マグネシウムを確実に分解して、保護膜形成中に吸着した不純ガス(主にCO)を除去することができる。また、保護膜形成中にはH、C、HO、CO、CO等の不純物が取り込まれるが、予備脱ガス工程において前面基板を350℃以上に加熱することにより、これらの不純物を取り除くことができる。図6のグラフによれば、前面基板を350℃以上に加熱することにより、保護膜から90%以上の不純ガスを離脱させることが可能である。
次に、加熱後の前面基板を真空中に保持したまま、搬送室55を経て封着室82に搬送する。なお、搬送中の前面基板は100℃以上に保持されることが望ましい。図5に示す封着室82では、第1実施形態と同様に、フック機構91aで前面基板1を支持する。そして、真空中または制御された雰囲気中で、ヒータプレート91により前面基板1を280℃以上に加熱する(第1脱ガス工程)。これにより、前面基板の真空搬送中に保護膜に吸着した不純ガスを離脱させる。
その後、蛍光体および封着材が形成された背面基板2を封着室82に搬送し、前面基板1との封着を行う。
なお、封着室82において、前面基板と背面基板とを当接させる前に、上述した予備脱ガス工程を実施してもよい。背面基板に塗布された封着材の溶融温度が現状において380〜500℃程度であるから、350℃に加熱しても封着材が溶融しないからである。しかしながら、今後の封着材の溶融温度は、350℃以下に低下する可能性がある。この場合には、本実施形態のように封着室82とは別の加熱室66において、予備加熱工程を実施することが望ましい。
以上に詳述したように、第2実施形態に係るPDPの製造方法は、保護膜が形成された前面基板を、真空中で350℃以上に加熱することにより、保護膜から不純ガスを離脱させる予備脱ガス工程と、予備脱ガス工程後の前面基板を真空中に保持したまま、前面基板を280℃以上に加熱する第1脱ガス工程と、を有する。すなわち、予備脱ガス工程から第1脱ガス工程までの間、前面基板は、真空中に保持される。
上記のPDPの製造方法によれば、保護膜形成中に吸着した不純ガスを予備脱ガス工程において離脱させることが可能になり、また第1基板の真空保持中に新たな不純ガスが吸着するのを抑制することが可能になる。これにより、保護膜形成直後と同等の不純ガス吸着状態を実現することが可能になり(図12参照)、したがって、清浄化時間を短縮することができる。また、パネル内における不純ガスの含有量が低下されて、放電電圧を安定させることが可能になるため、エージング時間の短縮またはエージングレスを実現することができる。したがって、PDPの製造におけるスループット向上および省エネルギーを実現することができる。また、保護膜形成工程と封着工程との間において第1基板を待機させることができるので、柔軟な工程設計が可能になり、その結果、PDPの製造におけるスループットを向上させることができる。
ところで、成膜室64における保護膜形成工程のタクトタイムは、封着室82におけるパネル化工程のタクトタイムに比べて非常に短い。そのため、保護膜形成後の前面基板の待機(放置)時間が長くなる。そこで、この前面基板の待機中に上述した予備脱ガス工程を行うことにより、PDPの製造におけるスループットの低下を防止することができる。また、予備脱ガス工程後の加熱室において、そのまま前面基板を待機させることも可能である。しかも、予備脱ガス工程を実施しているので、その後に相当時間にわたり前面基板を放置しても、不純ガスの吸着を抑制することが可能になる。これにより、エージング時間の短縮またはエージングレスを実現することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係るPDPの製造方法および製造装置について説明する。
上述した第2実施形態に係るPDPの製造方法では、真空中で予備脱ガス工程を行うのに対して、第3実施形態に係るPDPの製造方法では、大気中または制御された雰囲気中で予備脱ガス工程を行う。なお第1実施形態または第2実施形態と同様の構成となる部分については、その詳細な説明を省略する。
上述した第2実施形態のように、真空中で予備脱ガス工程を行えば、保護膜に対する不純ガスの吸着量を大幅に低減することが可能である。しかしながら、大気(酸素が存在する雰囲気)中または制御された雰囲気中で予備脱ガス工程を行った場合(A)でも、予備脱ガス工程を行わない場合(B)に比べて、不純ガスの吸着量を低減することは可能である。具体的には、(A)および(B)の前面基板を、相対湿度50%の空気中に30分間放置した後に、TDSを行って放出ガス量を測定したところ、(A)の放出ガス量は(B)に比べて約30%少なくなることが確認された。
これ以外にも、(A)では、(B)に比べて、保護膜の結晶性を改善することができる。具体的には、(111)ピーク強度が増加し半値幅が減少する。またパネル化後の放電遅れを大幅に改善することができる。
加えて、大気中で予備脱ガス工程を行う場合には、保護膜形成工程の直後に封着工程を行う必要がなくなり、工程に柔軟性を持たせることができる。
図14は、第3実施形態に係るPDPの製造装置のブロック図である。第3実施形態に係るPDPの製造装置53は、保護膜形成装置53aと、パネル化装置53bとに分離されている。保護膜形成装置53aは、前面基板の仕込室61と、前面基板を150〜350℃程度に加熱する加熱室62と、電子ビーム蒸着法等により保護膜を形成する成膜室64と、前面基板の取出室65aとを備えている。一方、パネル化装置53bでは、前面基板ライン60bの後端、背面基板ライン70の後端、およびパネル化ライン80の前端が、それぞれ搬送室55に接続されている。背面基板ライン70およびパネル化ライン80は、第1実施形態と同様に構成されている。これに対して前面基板ライン60bは、前面基板の仕込室61および加熱室66のみを備え、成膜室を備えていない。
第3実施形態に係るPDPの製造方法では、保護膜形成装置53aの成膜室64において保護膜形成工程を行う。保護膜形成装置53aから前面基板を取出した後、図示しない加熱装置において、大気中で前面基板を350℃以上に加熱する(予備脱ガス工程)。次に、パネル化装置53bの仕込室65bに前面基板を投入し、加熱室(バッファ室)66において真空中または制御された雰囲気中で待機させる。なお、加熱室66において予備脱ガス工程を行ってもよい。
次に、前面基板を封着室82に搬送する。そして第1実施形態と同様に、図5に示す封着室82の上部に設けたフック機構91aで前面基板1を支持し、真空中または制御された雰囲気中で、ヒータプレート91により前面基板1を280℃以上に加熱する(第1脱ガス工程)。これにより、前面基板の保護膜に吸着した不純ガスを離脱させる。
その後、蛍光体および封着材が形成された背面基板2を封着室82に搬送し、前面基板1との封着を行う。
以上に詳述したように、第3実施形態に係るPDPの製造方法は、保護膜が形成された前面基板を、大気中または制御された雰囲気中で350℃以上に加熱することにより、保護膜から不純ガスを離脱させる予備脱ガス工程と、真空中または制御された雰囲気中で前面基板を280℃以上に加熱する第1脱ガス工程と、を有する。
上記のPDPの製造方法によれば、第1基板を350℃以上に加熱することにより、保護膜形成中に吸着した不純ガスを離脱させることが可能になり、また第1基板の放置中に新たな不純ガスが吸着するのを抑制することが可能になるので、清浄化時間の短縮することができる。また、パネル内における不純ガスの含有量が低下されて、放電電圧を安定させることが可能になるため、エージング時間の短縮またはエージングレスを実現することができる。したがって、PDPの製造におけるスループット向上および省エネルギーを実現することができる。また、大気中での加熱は安価に実施することが可能であるため、製造コストを低減することができる。
図14に示す成膜室64における保護膜形成工程のタクトタイムは、封着室82におけるパネル化工程のタクトタイムに比べて非常に短い。そこで、1個の保護膜形成装置53aに対して、複数個のパネル化装置53bを設けることが望ましい。本実施形態では、保護膜形成装置53aからパネル化装置53bに対して真空中または制御された雰囲気中で前面基板を搬送する必要がないので、任意の個数のパネル化装置53bを設けることが可能である。このように、本実施形態によれば柔軟な工程設計が可能になり、その結果、PDPの製造におけるスループットを最大限に向上させることができる。
なお、本発明の技術範囲は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
すなわち、各実施形態で挙げた具体的な材料や構成などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
例えば、上記実施形態ではMgOからなる保護膜を例にして説明したが、SrOやCaO等のアルカリ土類金属の酸化物、または他の材料からなる保護膜についても、本発明を同様に適用することが可能である。
スループット向上および省エネルギーを実現可能な、プラズマディスプレイパネルの製造方法および製造装置を提供することができる。

Claims (17)

  1. 封着された第1基板と第2基板との間に放電ガスが充填されてなるプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
    プラズマ放電に対する保護膜が形成された前記第1基板を、真空中または制御された雰囲気中で280℃以上に加熱することにより、前記保護膜から不純ガスを離脱させる第1脱ガス工程と;
    前記保護膜から前記不純ガスが離脱された前記第1基板と、前記第2基板と、を当接させて封着する封着工程と;
    を有することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  2. 請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
    前記第1脱ガス工程の前に、真空中または制御された雰囲気中で前記第1基板に前記保護膜を形成する保護膜形成工程をさらに有し、
    前記保護膜形成工程から前記第1脱ガス工程までの間は、前記第1基板が真空中または制御された雰囲気中に保持される。
  3. 請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
    前記第1脱ガス工程の前に、前記保護膜が形成された前記第1基板を、真空中で350℃以上に加熱することにより、前記保護膜から不純ガスを離脱させる予備脱ガス工程をさらに有し、
    前記予備脱ガス工程から前記第1脱ガス工程までの間は、前記第1基板が真空中に保持される。
  4. 請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
    前記第1脱ガス工程の前に、前記保護膜が形成された前記第1基板を、大気中または制御された雰囲気中で350℃以上に加熱することにより、前記保護膜から不純ガスを離脱させる予備脱ガス工程をさらに有する。
  5. 請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
    前記封着工程を、雰囲気中の前記不純ガスの濃度を所定値以下に保持した状態で行う。
  6. 請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
    前記第1脱ガス工程では、前記第1基板と前記第2基板とが互いに対向配置された状態で、前記第1基板または前記第2基板から離脱した前記不純ガスの平均自由工程が、前記第1基板と前記第2基板との間隔より短くなるように、前記第1基板と前記第2基板との間にキャリアガスが導入される。
  7. 請求項6に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
    前記キャリアガスは、前記放電ガスと同じ種類のガスである。
  8. 請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
    前記封着工程の前に、蛍光体および封着材が配設された前記第2基板を、真空中または制御された雰囲気中で加熱することにより、前記蛍光体および前記封着材から前記不純ガスを離脱させる第2脱ガス工程をさらに有する。
  9. 請求項8に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
    前記第2脱ガス工程の前に、真空中または制御された雰囲気中で前記第2基板に封着材を塗布する封着材塗布工程をさらに有し、
    前記封着材塗布工程から前記第2脱ガス工程までの間、前記第2基板が真空中または制御された雰囲気中に保持される。
  10. 請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
    前記封着工程では、前記不純ガスの分圧が2.0Pa以下の前記放電ガスが導入される。
  11. 請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
    前記封着工程の前に、真空中または制御された雰囲気中で、前記第1基板および前記第2基板を、前記封着工程における封着温度以上の温度で予備加熱する工程をさらに有する。
  12. 真空中または制御された雰囲気中で第1基板と第2基板とが封着される封着室を備えたプラズマディスプレイパネルの製造装置であって、
    前記封着室は、前記第1基板と前記第2基板とを当接させる前に、プラズマ放電に対する保護膜が形成された前記第1基板が、真空中または制御された雰囲気中で280℃以上に加熱されるように構成されていることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造装置。
  13. 請求項12に記載のプラズマディスプレイパネルの製造装置であって、
    前記第1基板に前記保護膜が形成される成膜室をさらに備え、
    前記成膜室から前記封着室にかけて、前記第1基板が真空中または制御された雰囲気中に保持されるように構成されている。
  14. 請求項12に記載のプラズマディスプレイパネルの製造装置であって、
    蛍光体および封着材の配設された前記第2基板が、真空中または制御された雰囲気中で加熱される加熱室をさらに備え、
    前記加熱室から前記封着室にかけて、前記第2基板が真空中または制御された雰囲気中に保持されるように構成されている。
  15. 請求項14に記載のプラズマディスプレイパネルの製造装置であって、
    真空中または制御された雰囲気中で前記第2基板に封着材が塗布される塗布室をさらに備え、
    前記塗布室から前記加熱室および前記封着室にかけて、前記第2基板が真空中または制御された雰囲気中に保持されるようになっている。
  16. 請求項12に記載のプラズマディスプレイパネルの製造装置であって、
    前記封着室には、前記雰囲気中の前記不純ガスの濃度を測定可能なガス分析手段が設けられている。
  17. 請求項12に記載のプラズマディスプレイパネルの製造装置であって、
    前記封着室は、前記第1基板と前記第2基板とを当接させる前に、真空中または制御された雰囲気中で、前記第1基板および前記第2基板が、封着温度以上の温度で予備加熱されるように構成されている。
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