JP2952894B2 - 真空装置およびプロセスチャンバ内のガス分析方法 - Google Patents

真空装置およびプロセスチャンバ内のガス分析方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔概 要〕 プロセスチャンバ内のガス分析方法に関し、 プロセスチャンバ内が低真空の雰囲気であっても質量
分析計によってガス分析ができることを目的とし、 1.プロセスチャンバと、該プロセスチャンバとバルブ
を介して接続される排気ポンプと、該排気ポンプの壁面
に接続される質量分析計とを備えた真空装置と、2.プロ
セスチャンバにバルブを介して排気ポンプを接続し、該
排気ポンプの壁面に質量分析計を接続してガス分析を行
うようにプロセスチャンバ内のガス分析方法を構成す
る。
〔産業上の利用分野〕
本発明は、プロセスチャンバ内のガス分析方法に関す
る。
近年、半導体集積回路を中心とした電子デバイスの進
展に伴い、この電子デバイスの製造分野においては、真
空雰囲気のチャンバ内で処理を行ったり、あるいは一旦
真空にしてからガスを導入して、特殊なガス雰囲気のチ
ャンバ内で処理を行ったりする、いわゆる真空装置が、
電子デバイス製造工程に欠かせなくなっている。
この真空を含めた特殊雰囲気を利用する各種の製造装
置のおいては、真空装置のチャンバの内部の真空度が、
通常の高真空をさらに上回る超高真空系(1×10-10Tor
r以下)相当の性能が要求されるようになっている。
この要求は、真空を利用した種々のプロセスにおい
て、デバイスの性能をより高度にし、より高密度にし、
あるいはより高品質にするために不可欠なものである。
そして、プロセス処理が行われる、いわゆるプロセス
チャンバ内の雰囲気の質を上げること、およびその前提
となる真空の質をあげることが重要な課題となってい
る。
真空の質を上げるための背景となる技術の1つが、真
空系と外部(大気)との気密隔絶を如何に完全に行うか
であることはもちろんである。
しかし、もう1つは、真空系内、特にプロセスチャン
バ内の雰囲気を如何に効率よく高精度に測定するかが、
背景となる重要な技術である。
つまり、このプロセスチャンバ内のガス雰囲気測定と
は、ガス分析とリーク検出である。
〔従来の技術〕
プロセスチャンバ内の、一般に真空度と呼ばれる気圧
を測定する方法に電離真空計がある。
しかし、この計測方法においては、プロセスチャンバ
内のガス分析まではできない。
近時、プロセスチャンバ内が真空であるばかりでな
く、例えば、反応性スパッタとかCVDのような特殊なガ
ス雰囲気の中でプロセス処理が行われることが多くなっ
ている。
このようなガス雰囲気の分析には、質量分析計がよく
用いられる。
質量分析計は、電磁的相互作用を利用して、原子や分
子のイオンを質量の違いによって分析する装置で、幾つ
かの方式がある。
そして、プロセスチャンバ内のガス雰囲気分析には、
質量分析計の一種である、4極子マスフィルタ(4重極
子質量分析計、Q−Mass)がよく用いられる。
第3図は質量分析計による従来のガス分析方法の説明
図である。
同図において、1はプロセスチャンバ、2は真空排気
手段、3は質量分析計、4はプロセスチャンバ1の中に
雰囲気ガスを制御性よく導入するガス導入弁である。
一般に、大気に開放されていて、大気圧つまり、760T
orrのプロセスチャンバの内部は、まず、油回転真空ポ
ンプなどの低真空排気手段によって、例えば、10-3〜10
-4Torr程度まで真空度を上げる、いわゆる粗引きが行わ
れる。
その後、油や水銀の拡散ポンプとか、各種イオンポン
プとかの高真空排気手段に切り換え、例えば、10-5Torr
とか、10-8Torrとかの高真空を、場合によっては、10
-10Torr以上の超高真空を得ている。
こうして、真空になったプロセスチャンバ1の中に
は、必要に応じて、ガス導入弁4を通して所定のガスが
導入され、例えば、10-3Torrの真空度が保たれて、プロ
セス処理が行われる。
こゝで、第4図は、第3図の方法における真空度と分
圧との関係図である。
この図は、第3図におけるガス導入弁4から導入した
ガスがN2ガスの場合であり、このN2ガスの導入量(リー
ク量)が、0%、A%、B%(A<B)の3種類の条件
をそれぞれパラメータとしたときに、Torrの単位で表し
たプロセスチャンバ1の中の真空度に対して、任意単位
で表示した質量分析計3の中のN2ガスの分圧がどのよう
な値になるかを示している。
この図から、プロセスチャンバ1の中の真空度が上が
ってくると、N2ガスの導入量が大きくなる0%、A%、
B%の順に、質量分析計3の中のN2ガスの分圧の降下の
開始が高真空度側に移動して遅くなる傾向になる。
ところで、質量分析計3は、原子や分子のイオンの真
空中の挙動を利用して解析する装置であるから、10-5To
rrよりも高い真空雰囲気でないと正常に機能しない。
従って、10-3Torrといった低いプロセスチャンバ1の
雰囲気においては、質量分析計3を用いてガス分析を行
うことは適さない。
そこで、質量分析計3をプロセスチャンバ1のガス雰
囲気よりももっと高真空に保つ工夫がなされている。
第5図は第3図の方法を改良した従来のガス分析方法
の説明図である。
同図においては、プロセスチャンバ1に連結した真空
排気手段2とは別に、質量分析計3がプロセスチャンバ
1とは独立に排気できるようになっている。
すなわち、質量分析計3においては、プロセスチャン
バ1の中の、例えば、10-3Torrの真空度よりもより真空
度が高い10-5Torrとか、10-6Torrの雰囲気を得るため
に、質量分析計3とプロセスチャンバ1の間の管路に流
量調整弁5を設けるとともに、管路を質量分析計3の側
で分岐し、高真空排気手段21と低真空排気手段22とを連
設している。
こゝでは、高真空排気手段21には、ロータとステータ
とがタービン翼となっている分子ポンプ、いわゆるター
ボ分子ポンプを用い、低真空排気手段22には油回転ポン
プ用いており、こうして、質量分析計3内を高真空の雰
囲気にして機能させることができる。
第6図は、第5図の方法における真空度と分圧との関
係図である。
この図も、第5図におけるガス導入弁4から導入した
ガスがN2ガスの場合であり、このN2ガスの導入量(リー
ク量)が、0%、A%、B%(A<B)のときの値をそ
れぞれパラメータとしたときの、プロセスチャンバ1の
中のTorrの単位で表した真空度と、任意単位で表示した
N2ガスの分圧との関係図である。
この図から、プロセスチャンバ1の中の真空度が下が
ってくるにつれて、N2ガスの導入量に違いがあっても、
分圧の差がなくなってくることが分かる。
このことは、プロセスチャンバ1の中のN2ガスの分圧
と、質量分析計3の中のN2ガスの分圧とが等値でなく、
真のプロセスチャンバ1の中のガス分析ができなくなる
ことを意味している。
〔発明が解決しようとする課題〕
質量分析計を用いてプロセスチャンバ内のガス分析を
行うとき、プロセスチャンバの中の真空度が例えば、10
-5Torr以上の高真空であれば、質量分析計は極めて有用
な分析手段である。
しかし、スパッタ装置のような場合には、プロセスチ
ャンバは、その中の雰囲気を、高真空に排気した後、所
定のガスを導入(リーク)して、例えば、真空度を、10
-3Torrといった低真空にして用いられる。
このような低真空度のプロセスチャンバに直付けした
質量分析計による従来のガス分析においては、質量分析
計によって測定したガス分析値が、プロセスチャンバ内
のガス雰囲気の状態を正しく表していないという問題が
あった。
本発明は、このようなガス導入を行った低真空のプロ
セスチャンバ内のガス分析を、質量分析計によって正し
く測定できる手段を提供することを目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
上で述べた課題は、プロセスチャンバと、該プロセス
チャンバとバルブを介して接続される排気ポンプと、該
排気ポンプの壁面に接続される質量分析計とを備えた真
空装置と、プロセスチャンバにバルブを介して排気ポン
プを接続し、該排気ポンプの壁面に質量分析計を接続し
てガス分析を行うように構成されたプロセスチャンバ内
のガス分析方法によって解決できる。
〔作 用〕
スパッタ装置のような、プロセスチャンバの中の真空
度が、例えば、10-3Torrといった低真空の場合に、質量
分析計を用いてもプロセスチャンバの中のガス分析が正
しく行えなかった従来の方法に替えて、本発明において
は、質量分析計の配置する位置を、質量分析計が十分に
機能する高い真空雰囲気になるようにしている。
すなわち、まず、プロセスチャンバに真空排気手段を
接続して、例えば、10-3Torrのプロセスチャンバに対し
て、10-5Torrとか10-6Torrの真空雰囲気を形成するよう
にしている。
この高い真空雰囲気が形成される場所は、真空排気手
段の、例えば、ポンプの中はもちろんであるが、プロセ
スチャンバと真空排気手段とを接続する配管の管路の途
中であってもよく、何れにしても、質量分析計が十分に
機能する高い真空雰囲気の場所に、質量分析計を配置す
るようにしている。
実際には、真空排気手段である真空ポンプの側壁と
か、配管の主管路にバイパス管路を分岐して設けたりす
る。
こうして、本発明になるガス分析方法によれば、真空
度の低いプロセスチャンバの中のガス分析を質量分析計
を用いて行うことができる。
〔実施例〕
第1図は本発明の実施例説明図、第2図は実施例の評
価の説明図である。
同図において、プロセスチャンバ1にはAlのスパッタ
装置を用いた。
こゝで、真空排気手段2には、ガス分子を吸着して捕
そくするクライオポンプを用い、このポンプの中の真空
度は、3.5×10-5Torrである。
そして、プロセスチャンバ1のArガス雰囲気の中に、
ガス導入弁4からN2ガスを導入し、プロセスチャンバ1
内の真空度を7×10-3Torrになるように調整してスパッ
タを行うこととした。
そのため、プロセスチャンバ1と真空排気手段2との
間には流量調整弁5を介在させて接続し、100分の1の
圧力差が生じるように流量調整弁5を設定した。
一方、質量分析計は、真空排気手段2であるクライオ
ポンプの側壁に孔を開けて取り付けた。
シリコンウェーハにAlをスパッタしながら、質量分析
計の出力を読み取り、本発明になるガス分析方法の評価
を行った。
第2図において、横軸に処理したウェーハの枚数、縦
軸にN2分圧の任意単位をとると、N2の導入量が0%のと
きと50ppmのときとで曲線が明瞭に分離し、本発明にな
るガス分析方法が極めて有用であることが確認できた。
こゝで用いたプロセスチャンバや真空排気手段などに
は、いろいろな装置が適応でき、限定したものではない
ので種々の変形が可能である。
また、質量分析計が、10-5Torrよりも高い真空度の雰
囲気でないと、正常に機能しないことは周知のことであ
るが、プロセスチャンバの真空度やガス雰囲気の種類に
ついては、種々の変形が可能である。
〔発明の効果〕
以上述べたように、本発明になる質量分析計を用いた
真空チャンバ内のガス分析方法によれば、従来測定でき
なかったプロセスチャンバ内の真空度が低い場合にも、
安定に測定できる。
従って、本発明は、真空プロセスチャンバを用いて行
われている、半導体集積回路を中心とした電子デバイス
の研究・開発・製造などの今後の発展に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例説明図、 第2図は実施例の評価の説明図、 第3図は質量分析計による従来のガス分析方法の説明
図、 第4図は第3図の方法における真空度と分圧との関係
図、 第5図は第3図の方法を改良した従来のガス分析法の説
明図、 第6図は第5図の方法における真空度と分圧との関係
図、 である。 図において、 1はプロセスチャンバ、2は真空排気手段、 3は質量分析計、 である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−130485(JP,A) 特開 昭63−66839(JP,A) 特開 昭52−27693(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 27/62 H01J 49/00 - 49/48

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プロセスチャンバと、該プロセスチャンバ
    とバルブを介して接続される排気ポンプと、該排気ポン
    プの壁面に接続される質量分析計とを備えたことを特徴
    とする真空装置。
  2. 【請求項2】プロセスチャンバにバルブを介して排気ポ
    ンプを接続し、該排気ポンプの壁面に質量分析計を接続
    してガス分析を行うことを特徴とするプロセスチャンバ
    内のガス分析方法。
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