JPWO2008139648A1 - マイクロニードルのコーティング方法 - Google Patents

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Abstract

マイクロニードルデバイスのマイクロニードルを精度良く、簡便かつ量産可能にコーティングするためのマイクロニードルのコーティング方法を提供する。この方法は、複数のマイクロニードル(21)を有するマイクロニードルデバイス(22)をテーブル(23)上に設置し、一方、複数の開口部(24)を有するマスク版(25)を枠体(26)に固定し、コーティング液(27)をマスク版(25)上でヘラ(28)により矢印A方向に引いて、開口部(24)にコーティング液を充填する。コーティング液(27)の開口部(24)への充填前または充填後に開口部(24)にマイクロニードル(21)が挿入され、これによりマイクロニードル(21)をコーティングする。

Description

本発明は、マイクロニードルデバイスのマイクロニードルにコーティングを行うためのマイクロニードルのコーティング方法に関する。
従来から、薬剤の経皮吸収を向上させるためのデバイスとしてマイクロニードルデバイスが知られている。マイクロニードルデバイスに設けられるマイクロニードルは、皮膚最外層である角質層を穿刺することを目的とし、様々なサイズや形状が提案されており、非侵襲的な投与方法として期待されている(例えば特許文献1)。
また、マイクロニードルデバイスを利用した場合の薬剤の適用方法についても様々な方法が提案されている。薬剤をマイクロニードル表面にコーティングすること、マイクロニードルに薬剤あるいは生体成分を透過させるための溝または中空部分を設けること、マイクロニードル自身に薬剤を混合すること等が知られている(例えば特許文献2)。
このようにマイクロニードルデバイスを用いて薬剤の経皮吸収性を効率的に促進させる方法として、マイクロニードルデバイス表面の一部分に薬剤をコーティングする方法があり、特にマイクロニードルデバイスの一部分(特にマイクロニードルのみ)に薬剤をコーティングした場合、適用した薬剤の全てまたはそのほとんどが体内へ移行するため、非常に効率的且つ正確な投与手段として有用である。
また、これらの提案されたマイクロニードルデバイスは、何れも高さ数十〜数百マイクロメートル程度の非常に小さな突起物を備えたデバイスであるため、薬剤の適用方法によっては薬剤の経皮吸収性や効率も大きく異なることは容易に想定できる。
特許文献3は、インクジェット法等を用いた微小液滴コーティング方法であり、マイクロニードルにのみ選択的に吐出させる方法である。
しかし、厳密な位置制御と吐出制御によるマイクロニードルデバイスの一部分(マイクロニードル)にのみコーティングする方法にまでは言及されていない。一般的にインクジェット法の場合、吐出可能な量はピコリットルオーダーであり、一度にコーティングできる量は限定される。また、コーティング液の粘度もかなり低粘度側(<50cps)に限定されることから、マイクロニードルにのみ選択的に再現性良くコーティングすることは困難と考えられる。
特許文献4は、マイクロニードルの先端部分にのみ選択的に薬剤を含む溶液をコーティングする方法である。具体的には一定の深さにコントロールされたコーティング液中にマイクロニードルを浸漬させることにより、薬剤がコーティングされるレベルをコントロールする方法である。コーティング液の深さはシリンダー形状のローラーによって制御され、溶液の液性粘度を500cps程度以下に限定することにより、定量的なコーティングを達成している。本方法は、薬剤をマイクロニードルにのみ選択的にコーティングすることを可能とし、薬剤を定量的にコーティングする方法として有用と考えられる。しかし、コーティング液の粘度範囲は低粘度領域(500cps程度以下)に限定されるため、1度の浸漬でコートされる薬剤量はある程度限定される。したがって、付着量を制御する必要がある場合で特に多量の薬剤コーティングを必要とする場合は、複数回の浸漬−乾燥サイクルの繰り返しが必要となってしまう。
また、シリンダーを使ったローリングによりコーティング液を移動させる作業を繰り返す場合は、コーティング液の濃度が除々に上昇する可能性がある。また本方法を用いてマイクロニードルにのみ薬剤をコーティングしようとした場合、用いるコーティング液の表面張力によっては毛細管現象が発生し、マイクロニードルの基底(根元部分)あるいはマイクロニードル基板底部にまで溶液が広がるウィッキング現象が生じる可能性も十分に考えられる。
特許文献5には、除去可能なマスク相を備えたコーティング方法が開示されている。本方法は相分離可能な揮発性の異なる溶媒をマスキング材として用い、段階的に溶媒を揮発させることによりマイクロニードルの先端部に生理活性物質をコーティングする方法である。本方法は、マイクロニードルにのみコーティングすることが可能となるが、薬剤によっては乾燥工程に時間を要することが予想され、マスク相のマイクロニードル基板への残留も危惧される。
特許文献6は、ディップコーティング方法をベースに開発されたマイクロニードル基板上の針に対するコーティング方法である。本方法は、コーティング液の表面張力によるウィッキング現象を抑えるためにマイクロニードルのピッチに応じた穴が形成されたマスク(Physical mask)を使用する方法で、コーティング液の表面位置とマイクロニードルの接触レベルをコントロールすることによりコーティング量を制御する。しかし、本方法はコーティング液を貯蔵するリザーバーとマイクロニードルを挿入するマスク穴が直結しているため、コーティング量のレベルは針の挿入位置によって大きく変動する可能性がある。また、挿入レベルを厳密に制御した場合においても、コーティング液の表面張力と針の表面エネルギーとのバランスを一定に維持する必要があり、バランスが崩れるとマイクロニードルへのコーティングレベルおよび量の変動を引き起こしかねない。さらに、マスク表面に対するコーティング液の液面のレベルについても厳密に制御する必要があり、液面を常に一定に維持するための動力装置が必要となる。
特表2001−506904号公報 特表2004−504120号公報 特表2004−520152号公報 WO02/074173A1 WO2006/055799A1 WO2006/138719A2
上述のように既に提案されている技術には、様々な問題がある。このため、マイクロニードルデバイスの一部分(特にマイクロニードルおよびマイクロニードル先端部)に対して、すなわちマイクロニードルのような非常に小さくて細い立体構造に対して、薬物を必要な量だけ精度良く、簡便かつ量産可能にコーティングする方法が望まれている。しかしながら、これまでマイクロニードルデバイスの一部分(特にマイクロニードルおよびマイクロニードル先端部)に対して生理活性物質(薬物)をコーティングする場合、必要な量だけ精度良く、簡便かつ量産可能にマイクロニードルをコーティングする方法がなかった。
従って本発明の目的は、マイクロニードルデバイスのマイクロニードルを精度良く、簡便かつ量産可能にコーティングするためのマイクロニードルのコーティング方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行う中で、マイクロニードルのコーティングに関して、これまで使用実績のなかったスクリーン印刷装置を応用することにより、コーティング液を一度の操作で必要な量だけマイクロニードルまたはその先端部にコーティングする方法を見出し、さらに研究を進めた結果、コーティングの定量性を確認し本発明を完成するに至った。
本発明に係るマイクロニードルのコーティング方法は、開口部を有するマスク版上で充填手段を用いて前記開口部にコーティング液を充填する工程と、前記コーティング液を充填した開口部にマイクロニードルデバイスのマイクロニードルを挿入することにより前記マイクロニードルをコーティングする工程とを備える。また、本発明に係るマイクロニードルのコーティング方法は、マスク版に設けられた開口部にマイクロニードルデバイスのマイクロニードルを挿入する工程と、前記マスク版上で充填手段を用いて前記開口部にコーティング液を充填することにより前記マイクロニードルをコーティングする工程とを備える。前記充填手段はヘラとすることができる。
ここで、前記マイクロニードルのコーティング量は、a.マスク版の開口部の開口径、
b.コーティング液の粘度、c.マスク版とマイクロニードルの基底との間のクリアランス、d.ヘラの印圧、e.ヘラを引く速度、f.マスク版の厚さ、およびg.ヘラのマスク版へのアタック角の少なくとも一つを変化させることにより調節することができる。この場合、前記マスク版の開口部の開口径は、前記マイクロニードル挿入時の前記開口部下端におけるマイクロニードルの断面積を超える100μm〜90000μmとすることができる。前記コーティング液の粘度は、500cps〜60000cpsとすることができる。前記マスク版とマイクロニードルの基底との間のクリアランスは、0〜500μmとすることができる。前記ヘラの印圧は、0.001〜0.4MPaとすることができる。前記ヘラを引く速度は、2〜800mm/secとすることができる。前記マスク版の厚さは、10〜500μmとすることができる。前記ヘラのマスク版へのアタック角は、65°〜90°とすることができる。
また、前記各工程は相対湿度70.0〜100%RHにて行うことができる。前記コーティング液は、高分子生理活性物質と相溶性のある高分子担体を含有することができる。ここで、「高分子生理活性物質」とは、分子量1000以上の生理活性物質をいう。「相溶性を有する」とは、視覚的評価の範囲において、溶液調整後に遠心操作を行い明確な相分離が生じるかあるいは凝集物の発生が認められないことと定義される。前記高分子担体は多糖類とすることができる。前記多糖類はプルラン、ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒアルロン酸からなる群から選ばれる1または2以上とすることができる。本発明に係るマイクロニードルデバイスは、以上のようなコーティング方法を用いてコーティングされたマイクロニードルを備えたものである。
本発明によれば、マイクロニードルデバイスのマイクロニードルを精度良く、簡便かつ量産可能にコーティングするためのマイクロニードルのコーティング方法を得ることができる。本発明により、マイクロニードルへの生理活性物質のコーティングが定量的に可能となるばかりでなく、スクリーン印刷装置あるいはスクリーン印刷の基本動作を応用することでマイクロニードルをコーティングしたマイクロニードルデバイスを量産化できる。また、コーティング液に、高分子生理活性物質と相溶性のある高分子担体を含有させることで、高分子生理活性物質をほぼ均一に含むものとすることができる。すなわち、水溶性ポリマー添加による高分子生理活性物質の凝集や相分離を抑制することができ、溶液が実質的に均一であることから、高分子生理活性物質のマイクロニードルへの精度の高いコーティングが可能となる。さらに、水溶性ポリマーの粘度を調節することにより高分子生理活性物質のコーティング量の制御が可能となる。これにより、マイクロニードルの利用性を格段に高めることができる。
本発明に用いることができるマイクロニードルデバイスの一例を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA−B断面図である。 本発明に係るマイクロニードルのコーティング方法で用いることができるスクリーン印刷装置の印刷部断面の一例を示す概念図である。 図2におけるマスク版の一例を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は斜視図である。 (a)〜(c)は、コーティング液をマスク開口部に充填した後にマイクロニードルを開口部に挿入してコーティングする方法の一例を示す図である。 (a)〜(c)は、マスク開口部にマイクロニードルを挿入した後にコーティング液をマスク開口部に充填してマイクロニードルをコーティングする方法の一例を示す図である。 BSA/プルランを用いたコーティング試験の一例を示すグラフである。 (a)〜(f)は、マイクロニードルをコーティングする方法の他の例を示す図である。 (a)〜(c)は、マイクロニードルをコーティングする方法のさらに他の例を示す図である。 各種ポリマー水溶液の展膏後の経時重量変化の一例を示す図である。 プルラン濃度別のBSA含量測定結果の一例を示す図である。 プルラン濃度と粘度との相関関係の一例を示す図である。
符号の説明
1、22 マイクロニードルデバイス
2 マイクロニードル基板
3、21 マイクロニードル
4 コーティング
23 テーブル
24 開口部
25 マスク版
26 枠体
27 コーティング液
28 ヘラ
以下、本発明に係るマイクロニードルのコーティング方法の実施例を説明するが、その前にまず、本発明に用いることができるマイクロニードルを備えたマイクロニードルデバイスの一例について説明する。
図1は本発明に用いることができるマイクロニードルデバイスの一例を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA−B断面図である。図1(a)に示すように、マイクロニードルデバイス1は、マイクロニードル基板2と、マイクロニードル基板2上に皮膚を穿孔可能な二次元状に配置された複数のマイクロニードル3とを有する。マイクロニードル3上には生理活性物質を保持する手段としてコーティング担体を用いてコーティング4が施される。
なお、このマイクロニードルデバイスは、生理活性物質投与を目的として限定されるものではないが、ここでは、生理活性物質を保持する手段としてコーティング担体と呼ぶこととする。また、コーティング4は、好適にはマイクロニードル3の全体または一部の表面に固着した状態とされる。
マイクロニードル3は、好適には非金属製の合成または天然の樹脂素材を用いて作製される。また、マイクロニードル3の形状は本例では円錐状であるが、本発明はこれに限定されず、四角錐等の多角錐でもよく、また別の形状でもよい。
上述のように、マイクロニードルデバイスは、皮膚又は粘膜に穿刺されるマイクロニードル(針)とこれを支持するマイクロニードル基板からなり、マイクロニードルは基板に複数配列されている。マイクロニードルは微小構造であり、マイクロニードルの高さ(長さ)hは、好ましくは50μm〜500μmである。ここで、マイクロニードルの長さを50μm以上とするのは生理活性物質の経皮からの投与を確実とするためであり、500μm以下とするのはマイクロニードルの神経との接触を回避し、痛みの可能性を確実に減少させることができると同時に出血の可能性を確実に回避するためである。また、その長さが500μm以下であると、皮内に入る生理活性物質の量を効率良く投与することができる。
ここで、マイクロニードルとは、凸状構造物であって広い意味での針形状又は針形状を含む構造物を意味し、円錐状構造の場合、通常その基底における直径は50〜200μm程度である。また、マイクロニードルは、先鋭な先端を有する針形状のものに限定されるものではなく、先の尖っていない形状も含むものである。
マイクロニードル基板はマイクロニードルを支持するための土台であり、その形態は限定されるものではなく、例えば貫通した穴を備えた基板であってもよく、これにより基板の背面からの生理活性物質の投与が可能となる。マイクロニードルあるいは基板の材質としては、シリコン、二酸化ケイ素、セラミック、金属(ステンレス、チタン、ニッケル、モリブテン、クロム、コバルト等)及び合成または天然の樹脂素材等が挙げられるが、マイクロニードルの抗原性および材質の単価を考慮すると、ポリ乳酸、ポリグリコリド、ポリ乳酸−co−ポリグリコリド、プルラン、カプロノラクトン、ポリウレタン、ポリ無水物等の生分解性ポリマーや、非分解性ポリマーであるポリカーボネート、ポリメタクリル酸、エチレンビニルアセテート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオキシメチレン等の合成または天然の樹脂素材が特に好ましい。また、多糖類であるヒアルロン酸、プルラン、デキストラン、デキストリン若しくはコンドロイチン硫酸等も好適である。
マイクロニードル(針)の密度は、典型的には、針の横列は1ミリメートル(mm)当たり約1ないし10の密度が提供される様に横列間が空けられている。一般に、横列は横列内の針の空間に対し実質等しい距離だけ離れており、1cm当たり100ないし10000本の針密度を有する。100本以上の針密度があると、効率良く皮膚を穿孔することができ、10000本を超える針密度では、マイクロニードルに皮膚穿孔可能な強度を付与することが難しくなる。
マイクロニードルの製法としては、シリコン基板を用いたウエットエッチング加工又はドライエッチング加工、金属又は樹脂を用いた精密機械加工(放電加工、レーザー加工、ダイシング加工、ホットエンボス加工、射出成型加工等)、機械切削加工等が挙げられる。これらの加工法により、針部と支持部は、一体に成型される。針部を中空にする方法としては、針部を作製後、レーザー加工等で2次加工する方法が挙げられる。
以下、本発明に係るマイクロニードルのコーティング方法の実施例を説明する。
図2は、本発明に係るマイクロニードルのコーティング方法で用いることができるスクリーン印刷装置の印刷部断面の一例を示す概念図である。本実施例では、スクリーン印刷装置およびマスク版(スクリーン版)を用いる。スクリーン印刷装置には、例えばニューロング社製のスクリーン印刷装置(例えば、LS−150TVA)を用いることができる。図示のように、複数のマイクロニードル21を有するマイクロニードルデバイス22がテーブル23上に設置されている。一方、複数の開口部24を有するマスク版25が枠体26に固定されている。開口部24へのコーティング液の充填は充填手段を用いて行われる。充填手段として本例ではヘラ28を用いる。すなわち、コーティング液27はマスク版25上でヘラ28により矢印A方向に引かれ(掃引され)、開口部24にコーティング液が充填される。このコーティング液の充填前または充填後に開口部24にマイクロニードル21が挿入される。ここで、ヘラ28は、例えばスクリーン印刷で用いられるスクレッパーやスキージを含むものであり、本実施例ではスクレッパーやスキージを用いることができる。マイクロニードル21の開口部24への挿入は、テーブル23を図の矢印B方向に動かして行ってもよいし、逆に枠体26を矢印B方向と反対方向に動かして行ってもよいし、また両者を共に動かして行ってもよい。このようにしてマイクロニードル21がコーティングされる。このコーティング方法については後で詳述する。
マイクロニードル21へのコーティング量は、マスク版の開口部の開口径、コーティング液の粘度、マスク版とマイクロニードルの基底との間のクリアランス、ヘラの印圧、ヘラを引く速度、マスク版の厚さ、およびヘラのマスク版へのアタック角の少なくとも一つを変化させることにより調節することができる。
図3は図2におけるマスク版の一例を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は斜視図である。図示のように、マスク版25は複数の開口部24を備えている。マスク版はスクリーン版とも呼ばれ、絹・ナイロン・テトロンなどの繊維あるいはステンレススティールの針金などで織った網目構造(メッシュ)のマスクや、ステンレス等の金属をくりぬき加工したメタルマスク版等があり、その加工精度は印刷物の精度に影響することが知られている。マイクロニードルへの生理活性物質のコーティングには、メタルマスクを用いることが好ましい。マイクロニードルの針の形状やピッチに応じてマスク版の開口部の口径や形状を選択することができる。マスク版の開口部の口径は例えば20〜300μmとすることができる。マスク版の厚みは例えば10〜500μmとすることができ、一般的には50〜200μm前後のものを使用するが、特に少量のコーティングには、厚み10〜50μmのマスク版を使用し、多量のコーティングには、厚み200〜500μmのマスク版を使用する。また、マスクの開口部24は、貫通口または閉鎖口のどちらでも良く、閉鎖口の場合には、先のマスク版の厚みは開口部24の底部までを言う。
メタルマスク版としては、ステンレスや銅系合金、ニッケル系合金などの金属製の多孔シートが使用され、形成させる開口部の規格とマスク版厚み、コーティング液の組成を調整することにより、一定量のコーティング液をマスク版の開口部に充填し、充填されたコーティング液のみをマイクロニードルの一部分(針部または先端部)にのみ転写することにより、薬剤をコーティングしたマイクロニードルを作製することが可能になる。開口部の数は、マイクロニードルの針の本数に応じて決められるため、特に限定されないが、100個/cm〜3000個/cmが好ましく、400個/cm〜1800個/cmがより好ましい。また、開口部の規格としては、マイクロニードルを一定位置まで挿入させるために必要な形状およびサイズに設定さなければならないが、開口部一個の面積としては、100μm/個〜90000μm/個が好ましく、2500μm/個〜50000μm/個がより好ましい。コーティング液の量は、開口部の形状に関わらずその面積が大きくなればなるほど増加することとなる。また、マスク開口部は、マイクロニードルの挿入深度に応じて貫通口でも閉鎖口のどちらでも選択可能である。マイクロニードルは、マスク開口部が貫通口の場合はマスク版の両面のどちらからでも開口部に挿入可能であるが、マスク開口部が閉鎖口の場合はマスク版の開口部の開いた面から挿入される。したがって、ヘラの位置もマスク版の開口部の開いた面であれば上部、下部どちらでも選択可能である。
スクリーン印刷において、コーティング液をマスクの開口部に充填するに当たっては、上述のとおり、スクレッパーやスキージと呼ばれる専用のヘラを用いることができる。スクレッパーは主にスキージングによって片側に掃引されたコーティング液を、元の位置に戻すと同時に充填動作を実行する目的で用いられる。スキージはコーティング液の充填と被写体への転写能を併せ持つ。スキージは、通常、平型・角型・剣型・筒型などの形状がある。また、材質は、合成ゴム・シリコンゴム・金属・プラスチック、セラミック等から成り、このうちウレタンゴム製のスキージがもっとも好ましい。また、コーティング液を密閉型ヘッド内に収納する密閉型スキージもある。スクレッパーやスキージ(ヘラ)の印圧、又はスキージスピード若しくはスクレッパースピード(ヘラを引く速度)、又はアタック角(スクレッパー若しくはスキージ(ヘラ)のマスク版への設置角度)、又はこれらの2つ以上を調節することでコーティング液の充填量の調節が可能である。ヘラの印圧は、通常は0.001〜0.4MPaであり、好ましくは0.01〜0.2MPaである。ヘラを引く速度は、好ましくは2〜800mm/secである。ヘラのマスク版へのアタック角は、好ましくは65°〜90°である。
マイクロニードルへのコーティング量や厚みは、マスク版の規格、あるいはコーティング液の物性(ポリマー種、濃度)をコントロールすることによって自在に増減させることが可能であり、マスク版と被印刷物であるマイクロニードル間のクリアランス又は印圧又はスキージスピード(若しくはスクレッパースピード)又はアタック角又はマスク厚を調整することによるマスク開口部への充填量の加減によっても調整が可能である。
コーティング液をマイクロニードルに転写するタイミングとしては、マスク版へのスキージング(コーティング液の充填)と同時に転写する方法と、マスク版へ一定量のコーティング液を充填した後に転写する方法があり、コーティング液の物性やマイクロニードルの形状に応じて選択することができる。以下、この2つの方法について詳述するが、いずれの方法においてもマスク版の開口部への充填量は常に一定量が充填されることが好ましい。
図4(a)〜(c)は、コーティング液をマスク開口部に充填した後にマイクロニードルを開口部に挿入してコーティングする方法の一例を示す図である。この方法は、まず、図4(a)に示すように、コーティング液27をマスク版25上でヘラ28により矢印A方向に掃引し、開口部24にコーティング液を充填する。この際、充填されたコーティング液27が開口部24からはみ出た場合、必要に応じてマスク版25下面においてヘラ29により矢印C方向に掃引し、はみ出たコーティング液を除去する。続いて、図4(b)に示すように、マスク版25の開口部24にマイクロニードル21を挿入する。その後、図4(c)に示すように、マスク版25の開口部24からマイクロニードル21を引き出す。これにより、マイクロニードル21にはコーティング液27のコーティング40が施される。
マイクロニードル21のコーティングの高さHは、図4(b)に示すクリアランス(ギャップ)41で調整される。このクリアランス41は、マイクロニードルの基底からマスク表面までの距離(基板厚みは関与しない)で定義され、マスクのテンションとマイクロニードルの長さに応じて設定される。クリアランス41の距離の範囲は、好ましくは、0〜500μmである。クリアランス41の距離が0の場合はマイクロニードル21の全体がコーティングされる。
図5(a)〜(c)は、マスク開口部にマイクロニードルを挿入した後にコーティング液をマスク開口部に充填してマイクロニードルをコーティングする方法の一例を示す図である。この方法は、まず、図5(a)に示すように、マスク版25の開口部24にマイクロニードル21を挿入する。続いて、コーティング液27をマスク版25上でヘラ28により矢印A方向に掃引し、図5(b)に示すように、開口部24にコーティング液を充填する。充填されたコーティング液27は開口部24に挿入されたマイクロニードル部分を覆う。その後、図5(c)に示すように、マスク版25の開口部24からマイクロニードル21を引き出す。これにより、マイクロニードル21にはコーティング液27のコーティング50が施される。
マイクロニードル21のコーティングの高さHは、上述の場合と同様に、図5(b)に示すクリアランス(ギャップ)51で調整される。このクリアランス51は、マイクロニードルの基底からマスク表面までの距離(基板厚みは関与しない)で定義され、マスクのテンションとマイクロニードルの長さに応じて設定される。クリアランス51の距離の範囲は、好ましくは、0〜500μmである。クリアランス51の距離が0の場合はマイクロニードル21の全体がコーティングされる。
マスク版への充填時および転写時に生じるコーティング液の溶媒揮発による薬剤の濃度変化および物性の変化を最小限にするために、装置の設置環境、あるいはテーブル、マスク版、被印刷物周辺の温湿度は、一定に制御されることが好ましい。溶媒の蒸散を防ぐためには、温度を下げるか湿度を上げるかのどちらかまたはその両方を制御することが好ましい。温度を制御しない場合の室温での湿度は、相対湿度として50〜100%RHであり、好ましくは70.0〜100%RHである。50%RH以下であると溶媒の著しい蒸発が起こり、コーティング液の物性の変化が起こる。加湿方式には、目的の湿度状態が確保できれば特に限定されないが、気化式、蒸気式、水噴霧式などがある。また、コーティング液に混合される増粘剤は溶媒の揮発性を極力抑える湿潤性や保湿性の高い水溶性ポリマーを選択することが好ましい。
コーティング液の溶媒揮発による薬剤の濃度変化および物性の変化を最小限にするための形態として図7に示すようなコーティング方法もある。この方法は、コーティング液付与装置70を用いる。コーティング液付与装置70は、コーティング液密閉容器71と、この密閉容器71を支持する支持部材72と、密閉容器71を押圧する押圧ロッド73とを備える。密閉容器71は複数のコーティング液注入口74を有しており、押圧ロッド73により押圧されることにより注入口74からコーティング液27を送出する。注入口74は例えば弁機構を備えることで密閉容器71の密閉性は保たれる。図7(a)に示すように、まずコーティング液付与装置70を上方からマスク版25の開口部24に密着させる。次に、図7(b)に示すように、押圧ロッド73により密閉容器71を図の矢印方向に押圧する。これにより、開口部24にコーティング液27が充填される。充填後、図7(c)に示すようにコーティング液付与装置70を上方に移動し、続いて図7(d)に示すように、コーティング液27が充填された開口部24と、保持部材75に保持されたマイクロニードルデバイス22のマイクロニードル21とが互いに対応する位置に来るように、マスク版25および/またはマイクロニードルデバイス22を移動させる。そして、図7(e)に示すように、開口部24にマイクロニードル21を挿入する。マイクロニードル21の挿入後、図7(f)に示すように、それを引き出すことで、マイクロニードル21にコーティング40が施される。
別案として、図8(a)〜(c)に示すコーティング方法を用いることもできる。この方法は、コーティング液付与装置80の支持部材82に支持された密閉型ヘラ構造81内部にコーティング液27を保持し、押圧ロッド83の押圧によりマスク版25の開口部24内にコーティング液を充填する。続いてマスク版25を、保持部材75に保持されたマイクロニードル22のマイクロニードル21直下に移動させて、開口部24にマイクロニードル21を挿入する。マスク版25をマイクロニードル21直下に移動させる方法としては、マスク版25を移動させる場合と密閉型ヘラ構造81を移動させる場合のどちらを用いてもよい。マイクロニードル21を開口部24に挿入し、その後引き出すことで、マイクロニードル21へコーティングが施される。
また、コーティング液は、生理活性物質をマイクロニードルに精製水および/または高分子コーティング担体あるいは、精製水および/または低分子コーティング担体を含ませてコーティングすることが可能であり、高分子コーティング担体としては、ポリエチレンオキサイド、ポリヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリメチルセルロース、デキストラン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、プルラン、ヒアルロン酸等があり、低分子コーティング担体としては塩化ナトリウムなどの塩類やグルコースなどの糖類などがあり、これらコーティング担体を含むコーティング液をマイクロニードルの一部若しくは全体またはその先端部にコーティングしたのち乾燥する。
コーティング担体としては高分子コーティング担体が好ましく、特に限定はされないが、そのうち水酸基を有する水溶性高分子であるポリエチレンオキサイド、ポリヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリメチルセルロース、デキストラン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、プルラン、ヒアルロン酸等がより好ましく、そのうち更に好ましくは、多糖類であるポリヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリメチルセルロース、デキストラン、プルラン、ヒアルロン酸等である。
コーティング液中のコーティング担体の含量は、1〜70重量%であり、好ましくは1〜40重量%であり、特に好ましくは3〜25重量%である。また、このコーティング担体は、液だれすることのないようある程度の粘性が必要である場合があり、粘度として100〜100000cps程度必要である。より好ましい粘度は500〜60000cps、さらに好ましい粘度は500〜50000cpsである。粘度がこの範囲にあることにより、マイクロニードルの材質に依存することなく、所望量のコーティング液を一度に塗布することが可能となる。また、一般的に粘度高くなればなるほどコーティング液の量が増える傾向になる。
マイクロニードルのコーティングの厚さは、50μm未満であり、好ましくは25μm未満、さらに好ましくは1〜10μmである。一般に、コーティングの厚さは、乾燥後にマイクロニードルの表面にわたって測定される平均の厚さである。コーティングの厚さは、一般に、コーティング担体の複数の被膜を適用することにより増大させること、すなわち、コーティング担体固着後にコーティング工程をくり返すことで増大させることができる。
マイクロニードルの高さ(長さ)hは、上述のとおり、好ましくは50μm〜500μmである。マイクロニードルのコーティングの高さHは、マイクロニードルの高さhによって変動するが、0μm〜500μmの範囲とすることができ、通常10μm〜500μmの範囲内であり、好ましくは、30μm〜300μm程度である。この範囲は生理活性物質の投与すべき量によって設定され、高さの制御は、マスク版の厚みやスキージ圧(印圧)、クリアランス等によって調節することが可能である。コーティングされたコーティング液は塗布後、乾燥させることで固着化させる。
マイクロニードルをコーティングするのに使用される液体組成物は、生体適合性の担体、送達されるべき有益な作用物質、および場合によってはいずれかのコーティング補助物質を揮発性液体と混合することにより調製する。揮発性液体は、水、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、エタノール、イソプロピルアルコールおよびそれらの混合物等であることができる。これらの中で水が最も好ましい。液体のコーティング液もしくは懸濁液は、典型的には、0.1〜65重量%の有益な生理活性物質濃度を有することができ、好ましくは1〜30重量%、更に好ましくは、3〜20重量%である。コーティングは、固着化された状態が特に好ましい。「固着化された状態」というのは、コーティング担体が対象物にほぼ一様に付着している状態をいう。しかし、コーティング直後には、風乾、真空乾燥、凍結乾燥またはそれらの組合せの既知の乾燥方法で、コーティング担体が乾燥状態で固着しているが、経皮投与後は、取り巻く雰囲気と平衡にある水分含量あるいは有機溶媒等を保持することもあるため、乾燥状態で固着しているとは限らない。
他の既知の製剤補助物質は、それらがコーティングの必要な溶解性および粘度の特徴ならびに乾燥されたコーティングの性状および物性に有害な影響を及ぼさない限りは、コーティングに添加してもよい。
本発明に用いられる生理活性物質(薬物)は、通常高分子化合物であるが特に限定されることはない。高分子とは、目安として分子量1000以上であり、特に分子量の上限は設定されない。高分子化合物としては、ペプチド、タンパク質、DNA、RNA等が考えられるが特に限定されず、例えば、α−インターフェロン、多発性硬化症のためのβ−インターフェロン、エリスロポイエチン、卵胞刺激ホルモン(FSH)、フォリトロピンβ、フォリトロピンα、G−CSF、GM−CSF、ヒト絨毛性腺刺激ホルモン、黄体形成(leutinizing)ホルモン、サケカルシトニン、グルカゴン、GNRH アンタゴニスト、インスリン、ヒト成長ホルモン、フィルグラスチン、ヘパリン、低分子ヘパリン、副甲状腺ホルモン(PTH)、ソマトロピン等が挙げられる。また、ワクチン類の例としては、インフルエンザワクチン、日本脳炎ワクチン、ロタウィルスワクチン、アルツハイマー病ワクチン、動脈硬化ワクチン、癌ワクチン、ニコチンワクチン、ジフテリアワクチン、破傷風ワクチン、百日咳ワクチン、ライム病ワクチン、狂犬病ワクチン、肺炎双球菌ワクチン、黄熱病ワクチン、コレラワクチン、種痘疹ワクチン、結核ワクチン、風疹ワクチン、麻疹ワクチン、おたふくかぜワクチン、ボツリヌスワクチン、ヘルペスウイルスワクチン、他のDNAワクチン、B型肝炎ワクチン等が挙げられる。
しかし、分子量は特に限定されるものではなく、低分子化合物として例えば、催眠・鎮静剤(塩酸フルラゼパム、塩酸リルマザホン、フェノバルビタール、アモバルビタール等)、解熱消炎鎮痛剤(酒石酸ブトルファノール、クエン酸ペリソキサール、アセトアミノフェン、メフェナム酸、ジクロフェナックナトリウム、アスピリン、アルクロフェナク、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、ナプロキセン、ピロキシカム、ペンタゾシン、インドメタシン、サリチル酸グリコール、アミノピリン、ロキソプロフェン等)、ステロイド系抗炎症剤(ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン等)、興奮・覚醒剤(塩酸メタンフェタミン、塩酸メチルフェニデート等)、精神神経用剤(塩酸イミプラン、ジアゼパム、塩酸セルトラリン、マレイン酸フルボキサミン、塩酸パロキセチン、臭化水素酸シタロプラム、塩酸フルオキセチン、アルプラゾラム、ハロペリドール、クロミプラミン、アミトリプチリン、デシプラミン、アモクサピン、マプロチリン、ミアンセリン、セチプチリン、トラザドン、ロヘプラミン、ミルナシプラン、デュロキセチン、ベンラフェキシン、塩酸クロルプロマジン、チオリダジン、ジアゼパム、メプロバメート、エチゾラム等)、ホルモン剤(エストラジオール、エストリオール、プロゲステロン、酢酸ノルエチステロン、酢酸メテロノン、テストステロン等)、局所麻酔剤(塩酸リドカイン、塩酸プロカイン、塩酸テトラカイン、塩酸ジブカイン、塩酸プロピトカイン等)、泌尿器官用剤(塩酸オキシブチニン、塩酸タムスロシン、塩酸プロピベリン等)、骨格筋弛緩剤(塩酸チザニジン、塩酸エペリゾン、メシル酸プリジノール、塩酸スキサメトニウム、等)、生殖器官用剤(塩酸リトドリン、酒石酸メルアドリン)、抗てんかん剤(バルプロ酸ナトリウム、クロナゼパム、カルバマゼピン等)、自律神経用剤(塩化カルプロニウム、臭化ネオスチグミン、塩化ベタネコール等)、抗パーキンソン病剤(メシル酸ペルゴリド、メシル酸ブロモクリプチン、塩酸トリヘキシフェニジル、塩酸アマンタジン、塩酸ロピニロール、塩酸タリペキソール、カベルゴリン、ドロキシドパ、ピペリデン、塩酸セレギリン等)、利尿剤(ヒドロフルメチアジド、フロセミド等)、呼吸促進剤(塩酸ロベリン、ジモルホラミン、塩酸ナロキソン等)、抗片頭痛剤(メシル酸ジヒドロエルゴタミン、スマトリプタン、酒石酸エルゴタミン、塩酸フルナリジン、塩酸サイプロヘプタジン等)、抗ヒスタミン剤(フマル酸クレマスチン、タンニン酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ジフェニルピラリン、プロメタジン等)、気管支拡張剤(塩酸ツロブテロール、塩酸プロカテロール、硫酸サルブタモール、塩酸クレンブテロール、臭化水素酸フェノテロ−ル、硫酸テルブタリン、硫酸イソプレナリン、フマル酸ホルモテロール等)、強心剤(塩酸イソプレナリン、塩酸ドパミン等)、冠血管拡張剤(塩酸ジルチアゼム、塩酸ベラパミル、硝酸イソソルビド、ニトログリセリン、ニコランジル等)、末梢血管拡張剤(クエン酸ニカメタート、塩酸トラゾリン等)、禁煙補助薬(ニコチン等)、循環器官用剤(塩酸フルナリジン、塩酸ニカルジピン、ニトレンジピン、ニソルジピン、フェロジピン、ベシル酸アムロジピン、ニフェジピン、ニルバジピン、塩酸マニジピン、塩酸ベニジピン、マレイン酸エナラプリル、塩酸デモカプリル、アラセプリル、塩酸イミダプリル、シラザプリル、リシノプリル、カプトプリル、トランドラプリル、ペリンドプリルエルブミン、アテノロール、フマル酸ビソプロロール、酒石酸メトプロロール、塩酸ベタキソロール、塩酸アロチノロール、塩酸セリプロロール、カルベジロール、塩酸カルテオロール、塩酸ベバントロール、バルサルタン、カンデサルタンシレキセチル、ロサルタンカリウム、塩酸クロニジン等)、不整脈用剤(塩酸プロプラノロール、塩酸アルプレノロール、塩酸プロカインアミド、塩酸メキシチレン、ナドロール、ジソピラミド等)、抗悪性潰瘍剤(シクロフォスファミド、フルオロウラシル、デガフール、塩酸プロカルバジン、ラニムスチン、塩酸イリノテカン、フルリジン等)、抗脂血症剤(プラバスタチン、シンバスタチン、ベザフィブレート、プロブコール等)、血糖降下剤(グリベンクラミド、クロルプロパミド、トルブタミド、グリミジンナトリウム、グリブゾール、塩酸ブホルミン)、消化性潰瘍治療剤(プログルミド、塩酸セトラキサート、スピゾフロン、シメチジン、臭化グリコピロニウム)、利胆剤(ウルソデスオキシコール酸、オサルミド等)、消化管運動改善剤(ドンペリドン、シサプリド等)、肝臓疾患用剤(チオプロニン等)、抗アレルギー剤(フマル酸ケトチフェン、塩酸アゼラスチン等)、抗ウイルス剤(アシクロビル等)、鎮暈剤(メシル酸ベタヒスチン、塩酸ジフェニドール等)、抗生剤(セファロリジン、セフジニル、セフポドキシムプロキセチル、セファクロル、クラリスロマイシン、エリスロマイシン、メチルエリスロマイシン、硫酸カナマイシン、サイクロセリン、テトラサイクリン、ベンジルペニシリンカリウム、プロピシリンカリウム、クロキサシンナトリウム、アンピシリンナトリウム、塩酸バカンピシリン、カルベニシリンナトリウム、クロラムフェニコール、等)、習慣性中毒用剤(シアナミド等)、食欲抑制剤(マジンドール等)、化学療法剤(イソニアシド、エチオナミド、ピラジナミド等)、血液凝固促進剤(塩酸チクロピジン、ワルファリンカリウム)、抗アルツハイマー剤(フィゾスチグミン、塩酸ドネペジル、タクリン、アレコリン、キサノメリン等)、セロトニン受容体拮抗制吐剤(塩酸オンダンセトロン、塩酸グラニセトロン、塩酸ラモセトロン、塩酸アザセトロン等)、痛風治療剤(コルヒチン、プロベネシド、スルフィンピラゾン等)、麻薬系の鎮痛剤(クエン酸フェンタニル、硫酸モルヒネ、塩酸モルヒネ、リン酸コデイン、塩酸コカイン、塩酸ペチジン等)が挙げられる。また、分子量が1000程度であれば、ワクチン、低分子ペプチド、糖、核酸等の生理活性物質でも構わない。
なおこれらの薬物は単独で用いても2種類以上併用してもよく、薬学的に許容できる塩であれば、無機塩あるいは有機塩のいずれの形態の薬物も当然含まれる。また、薬物は、コーティング担体中に包含させるのが基本であるが、コーティング担体中には薬物を包含させずに別に後からマイクロニードルの基板に施された貫通孔(開口部)より供給することもできる。
(実施例1)BSA/プルランを用いたコーティング試験
コーティング担体として日本薬局方プルランを用い、蛋白性のモデル薬剤として10〜30%BSA(Bovine serum albumin)を用いてコーティング液を調製し、マイクロニードルにコーティングを施した。各コーティング液中のプルラン濃度は20%に固定した。コーティング方法は、以下の手順にて実施した。
1.マスク版(メタルマスク)をPETライナー上に設置(マスク規格:厚100μm,開口部直径200μm正方形(1cm)31行×31列)。
2.100μlのコーティング液をマスク上に滴下。
3.スキージングを行いマスクに形成された開口部にコーティング液を充填。
4.マイクロニードル(長さ250μm)をクリアランスが150μmになるようにマスク開口部に一時的に挿入し、その後、マスクからマイクロニードルを離すことにより、マイクロニードルの先端部にのみ薬剤をコーティング。
高湿度条件下でコーティングを行う際には、グローブボックス内で上記の操作を行い、ボックス内の相対湿度を90%以上に維持した条件下にてコーティング操作を実施した。コーティング操作は10枚連続して行い、各マイクロニードル上にコーティングされたBSA量を蛋白定量法(BCA法)にて測定した。
図6は、BSA/プルランを用いたコーティング試験の一例を示すグラフである。このグラフ横軸はBSA含有率(%)、縦軸はBSAコーティング量(μg)である。本例は、相対湿度(RH)約45%、約99%雰囲気下で充填を行った際のBSAコーティング量の結果を示す。本グラフ中の「S.D.」は、標準偏差である。このグラフに示すように、いずれの湿度環境下においてもBSA濃度に依存したBSA量の増加が認められており、30%BSAにおいては、1回のコーティング操作で100μg以上の薬剤をコーティングすることが可能であった。実際に、20%プルラン溶液の粘度は約5000cps(20%水溶液)を示し、さらにBSAを加えた各溶液の粘度はBSA10%で約7000cps、20%で約9000cps、30%で約15000cpsであり、BSAのコーティング量は10%BSA群に比べて20%群では約2.6倍、30%BSA群では約8.3倍と顕著に増加する傾向を示した。これらの結果より、コーティングされるBSA量は、薬物濃度の上昇だけでなく、薬物濃度上昇に伴うコーティング液の物性変化(粘度上昇)も大きく関与することが示された。この結果は、薬物濃度とコーティング担体の濃度を最適化することにより、薬物のコーティング量の制御が可能になることを示している。
但し、相対湿度約45%環境下において、連続コーティング操作時にコーティング液の粘度は上昇する傾向が認められ、特にBSA30%においては、粘度上昇に伴う糸曳き現象が確認されており、10枚の連続コーティングが不可能であった。これらの現象は、コーティング液中の水分が蒸散することに起因すると考えられたため、蒸気式加湿による高湿度環境下(約99%)にて同様のコーティング操作を実施した。その結果、コーティング量は湿度約45%環境下に比べて若干低値を示すものの、コーティング操作時に見られた粘度上昇は全く認められず、30%BSA溶液においても糸曳き現象は認められなかった。また、各ケースでの標準偏差値を比較しても高湿度環境下で実施した場合の方が低値を示しており、高湿度環境下でのコーティングの有用性が示された。これらの結果より、高湿度雰囲気下でのコーティング操作は、コーティング液の薬物濃度を一定に維持させる効果だけでなく、コーティング液の物性維持にも有用であり、結果的にコーティング精度を高めることが示された。
(実施例2)各種ポリマーのBSA,OVAとの相溶性確認試験
操作手法
各種ポリマーとBSA,OVAとを、下記の表1、表2の条件にしたがって、それぞれ混合水溶液を調製し、凝集物の発生の有無や遠心脱泡後(遠心条件は表に記載)の相分離発生の有無を確認することで、相溶性について評価した(均一な液性=○、不均一な液性=×)。表1、表2において、○印は相溶性を有するものであり、×印は相溶性を有しないものである。なお、以下の記載において%表記は重量%である。コーティング含量の測定は、上述の図2に示す方法でコーティングを行った後、1mL精製水で抽出し、BSAまたはOVA含量(付着量)を測定した。また、「不可」の記載は、ポリマーの針への付着性が認められなかったことを示す。
Figure 2008139648
Figure 2008139648
表1,2に、OVAまたはBSAと各水溶性ポリマーとの相溶性に関する結果とマイクロニードルへコーティングした際の、BSAまたはOVA含量を示す。生理活性物質と水溶性ポリマーの配合比を最適化することで高い相溶性を示したのはプルラン、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース、ヒアルロン酸、ポリアクリル酸Naであり、特にプルランは、高濃度のOVAに対しても高い相溶性を示した。さらに、これらの溶液を用いて図4の方法でマイクロニードルへのコーティングを行った結果、プルランが最も高い値を示し、続いてヒドロキシプロピルセルロース(SL)、メチルセルロース、ヒアルロン酸の順であった。ヒドロキシプロピルセルロースに関しては、グレードによってコーティング量に違いが認められ、HPC−SL>HPC−L>HPC−Hの順で低下する傾向を示した。この原因としては、ヒドロキシプロピルセルロースは低分子量になるにつれてポリマーの粘弾性(粘稠性)が上昇する傾向を示したため、マイクロニードルへの付着性が上昇したと考えられる。他、メチルセルロースはOVAでは良好な相溶性を示したが、BSAでは良好な条件は確認されなかった。ヒアルロン酸については、OVA,BSAいずれにおいても良好な相溶性を示したが、粘稠性に乏しく十分なコーティング量は得られなかった。ポリアクリル酸Naについては、良好な相溶性を示したが、針への付着性が全く認められず、コーティング担体として不適であった。以上の結果から、高分子生理活性物質と相溶性を有するコーティング担体を用いることで、実質的に均一な高分子生理活性物質を含むコーティングを実現できる。
なお、各種ポリマーは以下のものを使用した。メチルセルロース(SM−25、SM−400、SM−8000)は信越化学工業製を、ポリアクリル酸(NP−600、NP−800)は昭和電工製を、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(90SH−30000、65SH−1500、TC−5)は信越化学工業製を、ポリビニルピロリドン(K29/32、K90)は日本触媒社製をそれぞれ使用した。
(実施例3)各種ポリマー水溶液の乾燥性の試験
ライナー上に20%PVA220、20%PVA117、30%プルランの各コーティング液を厚み50μmで展膏し、面積(8cm)に打ち抜いたものを作製し、電子天秤上に設置し、室温条件下で経時的な重量変化を測定した。図9は、上記各種ポリマー水溶液の展膏後の経時重量変化の一例を示す図である。図の横軸は放置時間(分)、縦軸は重量減少率(対初期重量)である。図9に示すように、2種のPVAは、計測時間内において、経時で重量が減少傾向を示したのに対して、プルランは初期に重量減少が見られたものの、ほぼ一定の重量値を示しており、湿潤性を保持したまま、安定した物性を示した。
(実施例4)プルランの濃度とBSAコーティング量の関係
設定条件
(a)コーティング液設定濃度
・プルラン濃度:5,10,20,24(%)
・BSA(モデルタンパク)濃度:20(%)固定
(b)マイクロニードル
・高さ250μm、900本/cm、製剤面積1cm
(c)メタルマスク版
・ピッチ:300μm,T(マスク厚):100μm,開口部:四角形状(一辺200μm)
(d)環境設定:室温,低温加湿法条件下
操作手法
上記の通り、BSA(ウシ血清アルブミン)濃度を20%に固定して、プルラン濃度を4濃度に設定したコーティング液を調製した。コーティングは上述の図4に示す方法で行った。加湿条件下、コーティング液をメタルマスク開口部にヘラにより充填した。充填した開口部にマイクロニードル(針)を進入させてコーティングされたマイクロニードルを1mL精製水で抽出し、BCA法(BSA標準)によりBSA含量(付着量)を測定した。表3および図10にその結果を示す。図10において横軸はプルラン濃度(%)、縦軸はBSA含量(μg/patch)である。
Figure 2008139648
表3に示すように、プルラン濃度の上昇と共に溶液の粘度は上昇し、BSA含量も粘度上昇に依存して上昇した。高粘度溶液の場合(2000cps,10000cps)は、低粘度(200,400cps)の場合と比較してBSAのコーティング量は高値を示し、変動係数(CV%)は低下する傾向を示した。したがって、コーティング液の粘度は、コーティングされる薬剤量の確保と精度の観点から500cps以上が好ましい。
(実施例5)プルラン中のBSA濃度と粘度の関係
設定条件
(a)プルラン水溶液設定濃度:5〜30(%)
(b)プルランベースコーティング液設定濃度
・プルラン:10〜28.5(%)
・BSA:5〜40(%)
操作手法
上記条件に調製した水溶液の粘度を、粘度計(リオン株式会社製ビスコテスターVF−04)を用いて測定した。その結果をプルラン濃度と粘度との相関関係として図11に示す。図11に示すように、プルラン単体の水溶液では、濃度の上昇にしたがって、2次曲線的な粘度上昇が確認された。プルランとBSAとの混合では、BSA濃度が低値設定の場合には、プルランの濃度依存の粘度特性が確認され、BSA濃度が支配的な溶液条件(40%BSA・10%プルラン)では、前記のプルラン濃度依存性から逸脱した粘度となった。図11の結果から、高分子生理活性物質の溶媒に対する溶解度が低い場合等で、処方設計上、高分子生理活性物質濃度を低値設定とする際には、コーティング担体(プルラン等)の濃度を適宜設定することにより、コーティング液の粘度の制御が可能となり所望量のコーティングが可能となる。
本発明により、マイクロニードルへの生理活性物質のコーティングが定量的に可能となるばかりでなく、スクリーン印刷装置を用いてマイクロニードルをコーティングしたマイクロニードルデバイスを量産化できる。これにより、マイクロニードルの利用性が格段に高まるため、産業上の利用可能性がある。

Claims (16)

  1. 開口部を有するマスク版上で充填手段を用いて前記開口部にコーティング液を充填する工程と、前記コーティング液を充填した開口部にマイクロニードルデバイスのマイクロニードルを挿入することにより前記マイクロニードルをコーティングする工程とを備えたマイクロニードルのコーティング方法。
  2. マスク版に設けられた開口部にマイクロニードルデバイスのマイクロニードルを挿入する工程と、前記マスク版上で充填手段を用いて前記開口部にコーティング液を充填することにより前記マイクロニードルをコーティングする工程とを備えたマイクロニードルのコーティング方法。
  3. 請求項1または2において、前記充填手段がヘラであるマイクロニードルのコーティング方法。
  4. 請求項3において、前記マイクロニードルのコーティング量が、
    a.マスク版の開口部の開口径、
    b.コーティング液の粘度、
    c.マスク版とマイクロニードルの基底との間のクリアランス、
    d.ヘラの印圧、
    e.ヘラを引く速度、
    f.マスク版の厚さ、および
    g.ヘラのマスク版へのアタック角
    の少なくとも一つを変化させることにより調節されるマイクロニードルのコーティング方法。
  5. 請求項4において、前記マスク版の開口部の開口径が、前記マイクロニードル挿入時の前記開口部下端におけるマイクロニードルの断面積を超える100μm〜90000μmであるマイクロニードルのコーティング方法。
  6. 請求項4において、前記コーティング液の粘度が、500cps〜60000cpsであるマイクロニードルのコーティング方法。
  7. 請求項4において、前記マスク版とマイクロニードルの基底との間のクリアランスが、0〜500μmであるマイクロニードルのコーティング方法。
  8. 請求項4において、前記ヘラの印圧が、0.001〜0.4MPaであるマイクロニードルのコーティング方法。
  9. 請求項4において、前記ヘラを引く速度が、2〜800mm/secであるマイクロニードルのコーティング方法。
  10. 請求項3において、前記マスク版の厚さが、10〜500μmであるマイクロニードルのコーティング方法。
  11. 請求項4において、前記ヘラのマスク版へのアタック角が、65°〜90°であるマイクロニードルのコーティング方法。
  12. 請求項1乃至11のいずれかにおいて、前記各工程が相対湿度70.0〜100%RHにて行われるマイクロニードルのコーティング方法。
  13. 請求項1または2において、前記コーティング液が高分子生理活性物質と相溶性を有する高分子担体を含有するマイクロニードルのコーティング方法。
  14. 請求項13において、前記高分子担体が多糖類であるマイクロニードルのコーティング方法。
  15. 請求項14において、前記多糖類がプルラン、ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒアルロン酸からなる群から選ばれる1または2以上であるマイクロニードルのコーティング方法。
  16. 請求項1乃至15のいずれかに記載のコーティング方法を用いてコーティングされたマイクロニードルを備えたマイクロニードルデバイス。
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