JPWO2008136101A1 - ナノ粒子計測方法および装置 - Google Patents

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Abstract

媒体中に粒子群を移動可能に分散させた試料をセル中に収容した状態で、そのセル中に空間周期を有する電界分布を形成することにより、媒体中で粒子群を泳動させて当該粒子群の密度分布による回折格子を生成させ、その回折格子に対して平行光束を照射することによって生じる回折光を検出する。電界の印加による回折格子の生成と、その電界の印加の停止もしくは変調による回折格子の消滅を複数回にわたって繰り返し行い、各回の回折格子の消滅過程での回折光の時間変化の計測結果の加算平均化結果を用いて、粒子群の拡散係数を求め、粒子径を算出する。各回の回折光の検出出力が弱くても、S/Nの高い計測を可能とし、粒子群の粒子径を正確に求めることを可能とする。

Description

本発明は、直径が100nm以下のいわゆるナノ粒子の拡散係数や粒子径を光学的に計測する方法と、その方法を実現する装置に関する。
粒子径が100nm以下の粒子は、一般にナノ粒子と称され、同じ材質であっても通常のバルク物質とは異なる性質を表すことから、さまざまな分野で利用され始めている。粒子径を測定する方法としては、レーザ回折・散乱式をはじめとして種々のものが知られているが、粒子径が100nm以下のナノ粒子については、主として動的散乱法(光子相関法)と称される測定方法に基づく方法が用いられている(例えば特許文献1,2参照)。
動的散乱法は、粒子のブラウン運動を利用したものであり、媒体中でブラウン運動をしている粒子に光ビームを照射し、粒子による散乱光の強度を所定の位置で測定して、粒子のブラウン運動に起因する散乱光強度の揺らぎ、つまり散乱光の経時的変化を捕らえ、各粒子がその粒径に応じた激しさでブラウン運動をすることを利用して被測定粒子群の粒度分布を算出する。
しかしながら、粒子からの散乱光の揺らぎを測定する動的散乱法(光子相関法)においては、大きな散乱光中の小さな揺らぎを測定する必要があること、換言すれば明るい視野中での光強度の変動を計測する必要があることから、その原理上、測定感度が低いとともに、S/Nが悪いといった問題は避けられない。
このような動的散乱法において不可避の問題を解決する有力な手法として、媒体中に移動可能に分散させた粒子群に対し、空間周期を有する電界を印加することにより粒子群を泳動させ、粒子群に空間周期的な濃度変化を持たせて擬似的な回折格子を生成させ、その状態で粒子群に対してレーザ光を照射して得られる回折光を検出し、電界の印加を停止した時点からの回折光の時間変化から、粒子群の拡散係数および粒子径を求める方法および装置が提案されている(特許文献3参照)。
この提案方法並びに装置は、媒体中における粒子群の誘電泳動もしくは電気泳動を利用して、電界の印加により粒子群の濃度分布(密度分布)による回折格子を生成させた状態で、電界の印加を停止することによる当該回折格子の消滅過程が、粒子群の拡散係数に依存することを利用したものであり、粒子の濃度分布に起因して生じる回折格子からの回折光の消失に要する時間から、粒子群の拡散係数を求めることができ、ひいては粒子径を算出することができる。
この提案方法並びに装置によると、粒子群の濃度分布による回折格子による回折光強度を検出するため、動的散乱法で得られる個々の粒子による散乱光に比して強いため、測定する信号が強く、動的散乱法に比してS/Nおよび感度が大幅に改善される。
米国特許第5,094,532号明細書 日本特開2001−159595号公報 日本特開2006−84207号公報
ところで、上記した特許文献3に記載の技術においては、前記したように動的散乱法に比してS/Nおよび感度が格段に向上するものの、粒子群濃度が低い場合や、泳動力が働きにくい粒子の計測にあっては、信号強度が弱くS/Nをより向上させる必要がある。
また、粒子は一般に、粒子間に働く会合や結合が生じる可能性があるが、1回の計測に要する時間はわずか数秒間であり、粒子間の会合や結合による粒子径の変化や拡散係数の変化を測定することが困難であるという問題もある。
本発明は、粒子群の濃度分布による回折格子からの回折光の時間的変化から粒子径や拡散係数を計測する、前記した提案技術を改良するものであり、粒子群の濃度が低い場合や泳動力が働きにくい粒子の計測に際しても、高いS/Nのもとに粒子径や拡散係数を測定することのできるナノ粒子計測方法および装置の提供を第1の課題とし、また、粒子間の会合や結合の発生についても判定することのできるナノ粒子計測方法および装置の提供をその第2の課題としている。
前記した第1の課題を解決するため、請求項1に係る発明のナノ粒子計測方法は、媒体中に移動可能に粒子群を分散させてなる試料に対し、空間周期を有する電界を印加することにより粒子群に泳動力を作用させ、媒体中における粒子群の密度分布による回折格子を生成さるとともに、その粒子群に対して平行光束を照射することによって回折光を検出し、回折格子の生成状態で電界の印加を停止もしくは変調することによる当該回折格子の消滅過程での回折光の時間変化を計測する動作を、同じ試料について同一条件のもとに複数回にわたって繰り返し行い、その各回の時間変化の計測結果を加算平均した結果から粒子群の拡散係数を求め、粒子径を算出することによって特徴づけられる。
この方法によると、粒子濃度が低い場合、あるいは泳動力が働きにくい粒子の計測に際して、各回の回折格子の消滅過程における回折光の検出信号強度が弱くても、複数回の計測結果を加算平均することにより、S/Nが向上する。
また、第2の課題を解決するため、請求項2に係る発明のナノ粒子計測方法は、媒体中に移動可能に粒子群を分散させてなる試料に対し、空間周期を有する電界を印加することにより粒子群に泳動力を作用させ、媒体中における粒子群の密度分布による回折格子を生成さるとともに、その粒子群に対して平行光束を照射することによって回折光を検出し、回折格子の生成状態で電界の印加を停止もしくは変調することによる当該回折格子の消滅過程での回折光の時間変化を計測する動作を、同じ試料について同一条件のもとに複数回にわたって繰り返し行い、その各回の時間変化の計測結果から、粒子群の拡散係数を求めて粒子径を計算し、その各回の粒子径の計算結果の推移から、粒子群の会合、結合もしくは分解の情報を得ることによって特徴づけられる。
この方法は、セル内の粒子群の会合、結合あるいは分解による見かけ上の粒子径の変化を、複数回にわたる繰り返し計測の結果から解析しようとするものである。すなわち、セル内の粒子群が会合や結合、あるいは分解により、その粒子径(見かけ上)が経時的に変化していく。セル内の同じ試料を同じ条件のもとに、あらかじめ設定されている間隔で繰り返し回折格子の生成/消滅を繰り返させて、その各回の消滅過程における回折光の時間変化を計測して拡散係数および粒子径を求めることで、セル内の粒子の会合・結合、あるいは分解のしやすさなどを表すデータが得られる。
また、第2の課題を解決するための他の方法としての請求項3に係る発明のナノ粒子計測方法は、媒体中に移動可能に粒子群を分散させてなる試料に対し、空間周期を有する電界を印加することにより粒子群に泳動力を作用させ、媒体中における粒子群の密度分布による回折格子を生成さるとともに、その粒子群に対して平行光束を照射することによって回折光を検出する動作を、同じ試料について同一条件のもとに複数回にわたって繰り返し行い、電界の印加から一定時間経過時点における回折光強度の検出結果から回折格子を生成すべく捕集された粒子の濃度を求め、各回の粒子濃度について比較することにより、粒子群の会合、結合もしくは分解の情報を得ることによって特徴付けられる。
この方法は、粒子が会合、結合もしくは分解によって見かけ上の粒子径が変化することにより、粒子の捕集されやすさが変化することを利用し、粒子の会合、結合もしくは分解の発生を推定しようとするものである。
すなわち、電界の印加による粒子の密度分布による回折格子の生成過程で、電界の印加から一定の時間経過後における回折光強度を、複数回の計測動作で比較すると、会合や結合が発生して見かけ上の粒子径が大きくなっている場合には、粒子が捕集されやすいために回折格子を形成する粒子の濃度が高くなって回折光強度が強くなり、分解が発生して粒子径が小さくなっている場合には、粒子が捕集されにくくなるために回折光を形成する粒子の濃度が低くなって回折光強度が弱くなる。複数回の計測動作でこの粒子濃度の相違を観察することにより、粒子が会合、結合もしくは分解していることを推定することができる。
また、第2の課題を解決する更に他の方法としての請求項4に係る発明のナノ粒子計測方法は、媒体中に移動可能に粒子群を分散させてなる試料に対し、空間周期を有する電界を印加することにより粒子群に泳動力を作用させ、媒体中における粒子群の密度分布による回折格子を生成さるとともに、その粒子群に対して平行光束を照射することによって回折光を検出する動作を、同じ試料について同一条件のもとに複数回にわたって繰り返し行い、電界の印加からあらかじめ設定されている回折光強度に達するまでの時間を計測し、これらの時間を比較することにより、粒子群の会合,結合もしくは分解の情報を得ることによって特徴づけられる。
この方法は、請求項3に係る発明と同等の情報を得るのに異なる手法を用いるものである。すなわち、請求項3に係る発明では、各回の計測動作において、電界の印加から一定時間経過時点における回折光強度を各計測動作で得たものどうしで比較したのに対し、請求項4に係る発明においては、電界の印加を開始してから、あらかじめ設定されている回折光強度に到達するまでの時間を計測し、その時間を各回の計測動作で得たものどうしで比較する。この時間は、粒子群の密度分布による回折格子の作りやすさ、換言すれば泳動力の大きさに依存するので、各計測動作で得た時間の相違から、粒子の会合、結合もしくは分解の情報を得ることができる。
本発明のナノ粒子計測装置は、請求項1または2の方法を実現することのできる装置であり、媒体中に移動可能に分散させた粒子群を保持するセルと、交流もしくは直流電圧を発生する電源と、その電源からの電圧を印加することにより上記セル内に空間周期を有する電界を発生させる電極対と、上記電圧の印加によりセル内に生成される粒子群の密度分布による回折格子に向けて平行光束を照射する照射光学系と、その平行光束が上記回折格子を透過することにより生じる回折光を検出する検出光学系と、上記電極対に対して上記電源からの電圧の印加と、その電圧印加の停止もしくは変調により、上記セル内に粒子群の密度分布による回折格子の生成と消滅を、設定されたインターバルのもとに繰り返し行わせる制御手段と、各回の回折格子による回折光の時間変化の計測結果を収集するデータ処理手段を備えていることによって特徴づけられる。
以上の構成におけるデータ処理手段に、各回の回折格子の消滅過程における回折光の時間変化の計測結果を加算平均し、粒子群の拡散係数を求めて粒子径を算出する機能を持たせることにより請求項1に係る発明方法を実現でき、各回の回折格子の消滅過程における回折光の時間変化から、それぞれ粒子群の拡散係数を求めて粒子径を計算し、その各回の粒子径の計算結果の推移を出力する機能を持たせることで、請求項2に係る発明方法を実現することができる。
また、データ処理手段に、各回の回折格子の生成過程における生成開始後一定時間が経過した時点の回折光強度の検出結果から求められる回折格子生成粒子の濃度に係る情報をそれぞれ求め、出力するこ機能を持たせれば、請求項3に係る発明方法を実現することができ、あるいはデータ処理手段に、各回の回折格子の生成過程における生成開始後、あらかじめ設定されている回折光強度に達するまでの時間をそれぞれ求め、出力する機能を持たせれば、請求光4に係る発明方法を実現することができる。
本発明の実施の形態の全体構成図で、光学的構成を表す模式図と電気的構成を表すブロック図とを併記して示す図である。 図1におけるセルの模式的部分断面図である。 図1のセル中に設けられている電極対のパターンの例を示す図である。 本発明の実施の形態における電極対への印加電圧波形の例と、粒子群の密度分布が作る回折格子による回折光強度の時間的変化の例を示すグラフである。 本発明の実施の形態による回折光の検出結果の例を横軸を時間軸として表すグラフである。 図5における1回目の測定で取得した回折格子の消滅過程における回折光強度の変化をそのピーク値で規格化して描写した要部グラフである。 図5に示される4回の測定結果を回折光強度をそれぞれのピーク値で規格化して加算平均したグラフである。 図5に示される4回の測定結果における電圧印加開始から0.005秒後の回折光強度の平方根を表すグラフである。 図5に示される4回の測定結果における回折光のそれぞれの消滅過程から、粒子径を個々に算出した結果を表すグラフである。
符号の説明
1 セル
2 電極対
21,22 電極
21a,22a 電極片
21b,22b 接続部
3 電源
4 照射光学系
5 検出光学系
6 データ処理・解析部
7 制御部
P 粒子の高密度領域
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の実施の形態の全体構成図であり、光学的構成を表す模式図と電気的構成を表すブロック図とを併記して示す図である。また、図2は図1におけるセル1の模式的部分断面図であり、図3は同じく図1におけるセル1中に設けられている電極対のパターンの例を示す図である。
装置は、媒体中に粒子群が移動可能に分散した試料、例えば液体中に粒子が分散した試料や、粒子が移動可能に分散したゲルからなる試料を収容するための容器1と、この容器1内に設けられている電極対2に対して電圧を印加する電極電源3と、容器1に対して光を照射する照射光源系4と、電極対2への電圧の印加により容器1内に生じる粒子群の密度分布による回折格子からの回折光を測定する検出光学系5、その検出光学系5の出力を収集して各種解析を行うデータ処理・解析部6、および、全体の測定動作を制御する制御部7を主たる構成要素としている。
セル1は、図2に示すように、少なくとも互いに平行で、かつ、それぞれ透明材料からなる壁体11,12を有しており、その一方の壁体12の内側の表面に電極対2が形成されている。
電極対2は、図3に示すように、それぞれが櫛形をした電極21,22からなり、各電極21,22はそれぞれ、互いに平行な複数の直線状の電極片21a・・21a,22a・・22aと、これらの各電極片21a・・21a,22a・・22aを相互に電気的に接続する接続部21b,22bによって構成されている。
各電極21,22は、それぞれ、2本の直線状の電極片21aまたは22aが互いに隣接配置された電極片偏在領域と、電極片が存在しない電極片不存在領域を交互に形成した形状としている。そして、一方の電極片偏在領域の2本の電極片21aまたは22aが、他方の電極片不存在領域に入り込んだ状態とし、全体として各電極片21aと22aが、一定の間隔を開けて互いに平行に2本ずつ交互に位置した状態となっている。
以上の電極対2には、電源3からの電圧が印加され、この電圧の印加によりセル1内に収容されている試料内に電界分布が発生し、その電界分布により、後述するように試料中の粒子が泳動し、粒子群の密度分布による回折格子が生成される。電源3の出力電圧、従って電極対2に対する印加電圧は、制御部7により後述するように制御される。
照射光学系4は、ほぼ単色化された光を概略平行光束に整形した状態で出力し、その出力光はセル1の電極対2の形成面に向けて照射される。照射光学系4の光源は、レーザ、LEDなどの単色光のみを放射するものが簡便であるが、連続波長光源をバンドパスフィルタや分光器などで疑似単色化した光でもよく、例えば可視波長領域ではスペクトルバンド幅は数十nm程度以下であればよい。
検出光学系5は、照射光学系4からの光のうち、セル1内の粒子群の密度分布による回折格子で回折した例えば1次の回折光が出射される方位に配置される。この検出光学系5は、例えばピンホール5aと光検出器5bによって構成される。この検出光学系5によって、セル1内の粒子群の密度分布で生成される回折格子による回折光強度の変化が時系列に計測される。
以上の構成において、電極対2を構成する各電極21,22間に、交流電圧を印加すると、その電極パターンに応じた電界の分布がセル1内の試料中に形成され、その電界の分布に基づく誘電泳動により、粒子群の密度分布が生じる。すなわち、図3の電極対パターンにおいては、逆極性の電極片が隣接している部分、つまり図示のように一方の電極21の電極辺21aと他方の電極22の電極片22aとが隣接している部分に、粒子群の高密度領域Pが形成される。この粒子群の高密度領域Pは、電極片21a,22aと平行に、かつ、電極片21a,22aの全体としてのピッチの2倍のピッチで空間的に繰り返し形成されることになり、その複数の粒子群の高密度領域Pにより回折格子が生成される。このような回折格子の生成状態において電極対2に対する電圧の印加を停止することにより、粒子は拡散を開始し、試料中の粒子群の空間密度は均一化していき、粒子群の密度分布による回折格子はやがて消滅する。
粒子群の密度分布による回折格子に対して照射光学系4からの光を照射することにより、その光は回折格子によって回折を受ける。ここで、図3の電極パターンでは、粒子群の密度分布による回折格子の格子間隔は、電極片21a,22aが作る回折格子の格子間隔の2倍となって、両者の格子定数が相違することになる。そのため、粒子群の密度分布で作られる回折格子のうち、当該密度分布による回折格子と電極片による回折格子それぞれの格子定数で定まる特定次数の回折光については、電極片で作られる回折格子による回折光が存在しない方位に出現する。具体的には、粒子の密度分布で形成される回折格子による〔2m+1〕次回折光(mは整数)については、電極片で形成される回折格子による回折光が存在しない方位に形成され、その方位に検出光学系5を配置することにより、電極片による回折格子からの回折光に影響されることなく、粒子の密度分布で形成される回折格子からの回折光のみを選択的に検出することができる。
以上のようにして検出される粒子群の密度分布による回折格子からの回折光の強度は、その回折格子の消滅過程で次第に弱くなっていく。図4に電極対2に対して印加される電圧波形と、粒子群の密度分布が作る回折格子による回折光強度の時間的変化の例をグラフで示す。この例では、一定の電圧Vの正弦波様の交流電圧を電極対2に印加し、粒子に誘電泳動力を作用させた例を示している。
この粒子群の密度分布による回折格子の消滅過程における回折光強度の時間的変化は、粒子の拡散係数に依存するので、その時間的変化の計測結果から、後述するように、試料中の粒子の拡散係数を求めることができ,更にその拡散系数から粒子群の粒子径を算出することができる。
さて、制御部7は、同じ試料について、図4に示した電圧波形の電極対2への印加と停止を、あらかじめ設定されているインターバルのもとに繰り返し行い、データ処理・解析部6は、その各回の測定における検出光学系5からの出力を取り込んで記憶する。
例えば試料の濃度が低く、1回の計測では高いS/Nでの測定が期待できない場合、その旨を指定し、比較的短い測定インターバルを設定する。制御部7では、設定内容に従い、電源4の制御によって複数回にわたって繰り返し電極対2への電圧の印加と停止を繰り返し、データ処理・解析部6では、その各回における回折格子の消滅過程における回折光強度の検出出力を取り込んで記憶し、これらの検出結果を加算平均し、その平均結果を用いて粒子群の拡散係数と粒子径を算出する。
図5にその測定結果をグラフで例示する。このグラフは、試料としてポリスチレン粒子の水懸濁液を用いた実験結果であり、0.05秒間の電圧印加により誘電泳動を生起させた後、電圧の印加を停止する動作を4回にわたって繰り返した例である。
S/Nの向上に際してデータ処理・解析部6は、各回の回折光強度の時間プロファイルの時間原点(例えば印加開始時点)を合わせて加算して平均化する。その際、連続して取得した4回のデータについて、回折光強度のピーク値で規格化して加算平均を行う。
図6は図5において最初に取得した(1回目の)回折格子の消滅過程における回折光強度の変化を上記のようにピーク値で規格化して描写した要部グラフであり、図7は、4回の測定結果を回折光強度を同様に規格化して加算平均したグラフである。これらの図6,図7から明らかなように、加算平均によりノイズの低減効果が現れている。
データ処理・解析部6では、このようにして求めた平均化後のデータを用いて、粒子群の拡散係数を求める。その演算式の一例を以下に示す。
Figure 2008136101
この(1)式において、Iは電圧の印加停止時点の回折光強度で、tは電圧の印加停止からの経過時間、Iは時間t経過後の回折光強度、Λは粒子群の密度分布による回折格子の格子間隔、Dは拡散係数である。
また、拡散係数Dが求まると、下記のアインシュタイン=ストークスの式から粒子群の粒子径を算出することができる。
Figure 2008136101
(2)式においてdは粒子径、ηは粒子群の分散媒である媒液の粘度、kはボルツマン定数であって、Tは絶対温度である。
次に、以上の実施の形態を用いて、粒子の会合や結合、あるいは分解の推定方法について説明する。
同じ試料をセル1内に収容した状態で、上記と同様に複数回にわたって電圧の印加と停止を繰り返して取得した回折光強度の時間変化を参照し、電極対2に電圧を印加してから一定時間経過した時点における回折光強度を比較することにより、誘電泳動で捕集された粒子の量を比較することができる。ただし、回折光強度は粒子群の密度分布による回折格子を形成する粒子の濃度の二乗に比例するため、回折光強度の平方根をとることで捕集された粒子の濃度を比較することができる。会合などで見かけの粒子径が大きくなると、粒子は捕集されやすくなり、化学分解などで粒子径が小さくなると捕集されにくくなるが、各回の回折光強度の比較により、これらの粒子径の変化の様子を観察することができる。
前記した4回のプロファイルにおける電圧印加開始から0.005秒後の回折光強度の平方根をグラフ化したものを図8に示す。同一の試料を繰り返し測定した結果、光量は安定しており、濃度変化の検出、従って粒子群の会合、結合、あるいは分解の様子を観察することが可能であることが確かめられた。
また、各回のプロファイル中における回折格子の消滅過程での回折光強度の時間変化から、前記した(1),(2)式を用いて個々の測定時点における拡散係数並びに粒子径を算出することもできる。各回ごとの粒子径の算出結果を図9にグラフで示す。このような比較によっても、粒子径の時間推移を観察することができる。
ここで、電極対2に電圧を印加してから一点時間経過後の回折光強度を比較することに代えて、電極対2に電圧を印加してから、回折光強度があらかじめ設定されている値に達するまでの時間を計測し、各回で得られるこれらの時間を比較することによっても、誘電泳動による粒子群の捕集のしやすさに係る情報、従って泳動力の変化を知ることができ、上記と同様に会合や結合、あるいは分解の発生に係る情報を得ることができる。
以上の実験は、測定のインターバルを十数秒程度としたが、試料の性質に合わせて、インターバルを更に短くしたり、あるいは1時間程度等に長くすることにより、目的の時間帯における粒子径の時間変化を解析することができる。また、粒子としてタンパク質などを用いると、拡散速度の変化から結合力の強さ(速さ)を評価することも可能となる。
以上の実施の形態の説明においては、電極対2に交流電圧を印加して粒子群を誘電泳動させて回折格子を生成させ、その交流電圧の印加を停止することによって回折格子を消滅させた例を示したが、回折格子の生成後に交流電圧を変調させることによって回折格子を消滅させてもよい。
また、電極対2に対して直流電圧を印加することにより、粒子群を電気泳動させて回折格子を生成させ、その電圧の印加を停止することによって回折格子を消滅させてもよい。
本発明の方法および装置によると、ナノ粒子の拡散係数や粒子径を高いS/Nのもとに計測することができる。また、粒子の会合や結合、分解などによる見かけ上の粒子径変化を観察することができ、タンパク質などの結合の強さの評価も可能となる。

Claims (9)

  1. 媒体中に移動可能に粒子群を分散させてなる試料に対し、空間周期を有する電界を印加することにより粒子群に泳動力を作用させ、媒体中における粒子群の密度分布による回折格子を生成さるとともに、その粒子群に対して平行光束を照射することによって回折光を検出し、回折格子の生成状態で電界の印加を停止もしくは変調することによる当該回折格子の消滅過程での回折光の時間変化を計測する動作を、同じ試料について同一条件のもとに複数回にわたって繰り返し行い、その各回の時間変化の計測結果を加算平均した結果から粒子群の拡散係数を求め、粒子径を算出することを特徴とするナノ粒子計測方法。
  2. 媒体中に移動可能に粒子群を分散させてなる試料に対し、空間周期を有する電界を印加することにより粒子群に泳動力を作用させ、媒体中における粒子群の密度分布による回折格子を生成さるとともに、その粒子群に対して平行光束を照射することによって回折光を検出し、回折格子の生成状態で電界の印加を停止もしくは変調することによる当該回折格子の消滅過程での回折光の時間変化を計測する動作を、同じ試料について同一条件のもとに複数回にわたって繰り返し行い、その各回の時間変化の計測結果から、粒子群の拡散係数を求めて粒子径を計算し、その各回の粒子径の計算結果の推移から、粒子群の会合、結合もしくは分解の情報を得ることを特徴とするナノ粒子計測方法。
  3. 媒体中に移動可能に粒子群を分散させてなる試料に対し、空間周期を有する電界を印加することにより粒子群に泳動力を作用させ、媒体中における粒子群の密度分布による回折格子を生成さるとともに、その粒子群に対して平行光束を照射することによって回折光を検出する動作を、同じ試料について同一条件のもとに複数回にわたって繰り返し行い、電界の印加から一定時間経過時点における回折光強度の検出結果から回折格子を生成すべく捕集された粒子の濃度を求め、各回の粒子濃度について比較することにより、粒子群の会合、結合もしくは分解の情報を得ることを特徴とするナノ粒子計測方法。
  4. 媒体中に移動可能に粒子群を分散させてなる試料に対し、空間周期を有する電界を印加することにより粒子群に泳動力を作用させ、媒体中における粒子群の密度分布による回折格子を生成さるとともに、その粒子群に対して平行光束を照射することによって回折光を検出する動作を、同じ試料について同一条件のもとに複数回にわたって繰り返し行い、電界の印加からあらかじめ設定されている回折光強度に達するまでの時間を計測し、これらの時間を比較することにより、粒子群の会合,結合もしくは分解の情報を得ることを特徴とするナノ粒子計測方法。
  5. 媒体中に移動可能に分散させた粒子群を保持するセルと、交流もしくは直流電圧を発生する電源と、その電源からの電圧を印加することにより上記セル内に空間周期を有する電界を発生させる電極対と、上記電圧の印加によりセル内に生成される粒子群の密度分布による回折格子に向けて平行光束を照射する照射光学系と、その平行光束が上記回折格子を透過することにより生じる回折光を検出する検出光学系と、上記電極対に対して上記電源からの電圧の印加と、その電圧印加の停止もしくは変調により、上記セル内に粒子群の密度分布による回折格子の生成と消滅を、設定されたインターバルのもとに繰り返し行わせる制御手段と、各回の回折格子による回折光の時間変化の計測結果を収集するデータ処理手段を備えていることを特徴とするナノ粒子測定装置。
  6. 上記データ処理手段は、各回の回折格子の消滅過程における回折光の時間変化の計測結果を加算平均し、粒子群の拡散係数を求めて粒子径を算出することを特徴とする請求項5に記載のナノ粒子計測装置。
  7. 上記データ処理手段は、各回の回折格子の消滅過程における回折光の時間変化から、それぞれ粒子群の拡散係数を求めて粒子径を計算し、その各回の粒子径の計算結果の推移を出力することを特徴とする請求項5または6に記載のナノ粒子計測装置。
  8. 上記データ処理手段は、各回の回折格子の生成過程における生成開始後一定時間が経過した時点の回折光強度の検出結果から求められる回折格子生成粒子の濃度に係る情報をそれぞれ求め、出力することを特徴とする請求項5、6または7のいずれか1項に記載のナノ粒子計測装置。
  9. 上記データ処理手段は、各回の回折格子の生成開始後、あらかじめ設定されている回折光強度に到達するのに要する時間をそれぞれ出力することを特徴とする請求項5、6とまたは7のいずれか1項に記載のナノ粒子計測装置。
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