JP2004085528A - 拡散定数変化による蛋白質の会合検出方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】拡散定数変化による蛋白質の会合検出方法を提供しようとする。
【解決手段】ターゲット蛋白質を分散させた蛋白質含有液に別の蛋白質等の被検物質を添加し、それによって生ずる粒子混合系13に同一波長における一対の励起用パルスレーザー14を、その混合系内で交差するように入射して過渡回折格子を生じさせ、これに他の波長及び他の角度でプローブ用レーザー光15を照射して、そのレーザー光の過渡回折波強度を測定することにより、拡散定数の変化を測定するものである。
【選択図】 図3
【解決手段】ターゲット蛋白質を分散させた蛋白質含有液に別の蛋白質等の被検物質を添加し、それによって生ずる粒子混合系13に同一波長における一対の励起用パルスレーザー14を、その混合系内で交差するように入射して過渡回折格子を生じさせ、これに他の波長及び他の角度でプローブ用レーザー光15を照射して、そのレーザー光の過渡回折波強度を測定することにより、拡散定数の変化を測定するものである。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は新規の蛋白質会合検出方法と装置、特に拡散定数変化を用いた会合検出方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
医学及び薬学分野において、ある蛋白質と他の蛋白質等の物質が特異的に相互作用する関係にあるかどうかを見極めることは、きわめて重要であるが、その検出にはかなりの困難を伴うものである。一つの方法は、細胞破砕液をイオン交換カラムでいくつかに分画し、それぞれを相手の蛋白に固定化したカラムに流してから特定蛋白質との会合実験を行う方法であるが、これは測定装置の構成が複雑であり、操作も面倒で時間がかかる。別の方法としては、表面プラズモンを利用した重量分析を伴う分光分析法があるが、センサーチップ(ガラス基板上に金等の蒸着膜を形成したもの)の表面に被検溶液を付着させる等の面倒な前処理や、これをプリズムにあてがう場合の慎重な操作を要するなどの問題がある (例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−159311号公報(「 要約」欄参照)
【0004】
更に、蛍光偏光度測定システムも、蛋白質や核酸などの生体物質間の相互作用を測定解析するために用いられるが、光学系の構成が極めて複雑で大型化するという問題がある。従って、これらの従来法によらないで、物質間会合の度合いを簡便且つ正確に測定する方法の開発が待たれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の一つの目的は、ターゲット蛋白質と被検査蛋白質との混合系の拡散定数の変化を測定することにより、蛋白質会合の度合いを簡便且つ正確に測定する方法及び装置を提供することである。
本発明の第2の目的は、ターゲット蛋白質と被検査蛋白質との混合系の拡散定数の変化を、極短時間で測定するに適した新規の方法及び装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明は第1に、ターゲット蛋白質を分散させた蛋白質含有液に被検蛋白質を添加し、それによって生ずる粒子混合系の拡散定数の変化を検出することにより、両蛋白質の会合の度合いを測定する方法を構成したものである。
【0007】
本発明は第2に、前記粒子混合系に同一波長における一対の励起用パルスレーザーを、その混合系内で交差するように入射して過渡回折格子を生じさせ、これに他の波長及び他の角度でプローブ用レーザー光を照射して、そのレーザー光の過渡回折波強度を測定することにより、拡散定数の変化を測定する方法を構成したものである。
【0008】
本発明は第3に、前記の過渡回折格子法による拡散定数変化の測定にあたり、前記粒子混合系に、励起波長において光化学反応して蛋白質と結合することが可能な色素を添加してから、レーザー励起及びプローブ照射を行う方法を構成したものである。この色素は蛋白の光反応性の有無に関わらず、それ自体がほとんどの励起波長に光反応するものを用いるので、レーザーの波長調整の面倒さが無くなる。また、色素の光吸収に合わせたレーザー光を用いることで、本来は光吸収や光反応性の異なる種々の蛋白の測定において波長調整が容易となる。
【0009】
本発明は第4に、励起用パルスレーザーの光源と、前記励起用パルスレーザーとは異なる波長のプローブ用レーザー光の光源と、前記励起用パルスレーザーとプローブ用レーザーとを同一光路に重ねるための光路手段と、前記光路手段の終端から前記重ねられたレーザーを入射させるための透過型回折格子と、前記透過型回折格子から出たレーザーの回折線を集束するためのレンズ手段と、光透過性材料の容器からなり内部にターゲット蛋白質を分散させた蛋白質含有液を収容するとともに、被検蛋白質を添加するための測定セルであって、前記集束されたレーザーのうち回折により2本に分かれた励起用パルスレーザーと少なくとも1本のプローブ用レーザーとを照射されるように配置されたものと、前記測定セルから出たプローブ用レーザーの回折光を受光して電気信号に変換するための光電検出器とを備えた蛋白質の会合測定装置を構成したものである。
【0010】
本発明は第5に、光透過性材料の容器からなり内部にターゲット物質を分散させた分散媒を収容するとともに、被検物質を添加するための測定セルであって、同一光軸に沿って前記ターゲット物質と被検物質との混合系を励起するための励起用パルスレーザーとプローブ用レーザーとを照射されるように配置されたとき、照射を受けるべき正面又は背面となる壁体の1面に前記励起用パルスレーザーとプローブ用レーザーの双方の回折を生ずる格子パターンを印刷又は刻設形成した粒子混合系の過渡回折格子検出装置を構成したものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
一般に、蛋白質と蛋白質又はその他の物質とが会合した状態とは、両者中の同一分子間に水素結合、電荷移動結合、疎水結合などのような比較的弱い結合力が働き、二分子あるいはそれ以上の分子が結合して比較的規則性のよい集合体を形成することをいう。図1は、ある蛋白質1と薬物2との結合を例にとり、単純に模式化して示したもので、会合前(A)の状態から、会合後(B)の状態(集合体)3において、蛋白質1と薬物2との構造は本質的に異ならないため、会合後は組成1’及び2’として指示したものである。二物質間で、このような会合が生じない場合(すなわち、状態Aに止まっている場合)、両者は媒質中において速やかに拡散する。
【0012】
図2は、ターゲット蛋白質11を分散させた蛋白質含有液(通常は水溶液)に被検蛋白質12を添加し、それによって生ずる粒子混合系の拡散状態と会合の有無を、拡散せず偏った分布状態(A)、会合がないため添加後0.1秒程度において拡散が進んだ状態(B)、及び会合が生じたため添加後0.1秒程度経過しても拡散が進んでいない状態(C)として示している。すなわち、会合の有無及び度合いは粒子混合系の拡散の速さ(拡散定数)と密接に関連し、発明者はいずれか一方の粒子の拡散定数を測定することにより、蛋白質などの粒子混合系における会合の有無及び度合いを検出しうることを見出した。
【0013】
この場合、粒子混合系の拡散状態を測定するに有効な方法としては(1)光散乱法、(2)キャピラリー中での分布状態を観察するテーラー・ディスパージョン法、(3)電気泳動法、(4)過渡回折格子法があり、ここでは過渡回折格子法を適用して測定した例を述べる。なお、過渡回折格子法においてはターゲット蛋白質、又は被検蛋白質等の何れかが光吸収性を有しなければならないので、両方とも光を吸収しない場合には、一方の蛋白質等にPYP又は他の光レセプターを付して実施することができる。
【0014】
図3は、過渡回折格子法の原理を示す模式図である。図3において、透過型セル中のサンプル13は蛋白質含有液(水溶液)を収容し、被検蛋白質を添加した直後の状態にあり、ここでサンプル13を貫通する軸zを中心軸として、一対の同一波長λ(例えば450nm)による励起用パルスレーザー14を、このサンプル13内において角度θで交差するように入射させる。サンプル13で蛋白質の会合が生じ、拡散が進んでいない場合には、この励起により格子間隔d、但し2d=λ/sin(θ/2)による干渉縞が過渡的に形成される。この過渡的な干渉縞(過渡回折格子)の形成状態に対してプローブ用レーザー光15(例えば、波長633nm)を照射すると、パルス励起による過渡回折格子の消滅に到るまでの回折光信号16が検出され、その減衰曲線によって試料の緩和現象、特に拡散による緩和現象が検出され、励起種の拡散定数が求められる。
【0015】
例えば、ターゲット蛋白としてロドプシンを用い、これにG−プロテインが結合する過程を検出する場合、図4に示す通り、(a)ロドプシンに光hνが当たると、(b)活性化ロドプシンとなり、これは(c)G−プロテインと結合する。(d)結合したG−プロテイン(GTP)はGDPに転換し、その結果(e)G−プロテインは分離する。図5に実線で描いたグラフは、プローブレーザーによる回折光強度信号のピーク高さと持続状態から、上のような蛋白質間の会合があったことを明確に示している。この場合、ピークは約0.2秒以内に出現し、0.8秒位までに拡散が進行した。破線で描いたグラフは、蛋白質間の会合がなかった試料のものであり、0.1〜0.2秒という瞬時に拡散が略完了したことを示している。なお、実線のグラフでピークの前に、一瞬間急激な立ち下がりを生ずるのは、光励起に基づく熱によるものである。
【0016】
再び、図2を参照して、拡散せず偏った分布状態(A)では強い過渡回折信号が検出され、蛋白質の会合がないため拡散が進んだ状態(B)では過渡回折信号が検出されず、更に会合が有るため添加後0.1秒程度経過しても拡散が進んでいない状態(C)では強い過渡回折信号が検出され、しかもターゲット蛋白質の相11と、被検蛋白質の相12間に割り込む形での会合相11’、12’が大きいほど拡散が遅くなる、従って励起状態(過渡回折格子)の寿命が長くなるということが良く理解されるであろう。
【0017】
以上の通り、過渡回折格子法により実施する本発明の蛋白質会合検出法では、ターゲット及び被検蛋白質のいずれも水溶液で用意され、それらは測定基板への付着操作等の面倒な操作を要することなく、溶液のままで測定可能であり、試料セルに被検蛋白質を添加後、1秒以内の短時間で測定することができる。また、試料に光吸収性は要求されるが、蛍光分析のように、分子からの発光ラベルが要求されることもない。
【0018】
更に、過渡回折格子法による拡散定数変化の測定にあたり、ターゲット及び被検蛋白質のいずれもが光反応しない場合は勿論、いずれかの蛋白質が光反応する場合においても、この粒子混合系に、励起波長により光化学反応してこれらの蛋白質と結合する色素を添加してから、レーザー励起及びプローブ照射を行うことにより特有の効果が得られることも前述した通りである。この場合に有効な添加用色素としては、例えば、2−nitrobenzaldehyde がある。この色素はほとんどの励起波長に光反応するので、レーザーの波長調整の面倒さもなくなる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明による過渡回折格子測定装置の構成例について説明する。図6は、基本的な装置構成例を示すもので、図中の参照数字、20は例えば波長450nmの励起用パルスレーザーの光源、21は別の異なった波長、たとえば633nmを発するプローブ用レーザー光の光源であり、これらから出たレーザーはハーフミラー22の両側から、1本の光ファイバーからなる光路手段24の始端に投射され、同一光路に重ねられる。光路手段24の終端には凸レンズ25が配置され、このレンズで集束(コリメート)された合成レーザー光は透過型グレーティング26に入射し、適当な開き角で回折出射する一対の励起用パルスレーザー27と、それより大きい開き角で回折出射する一対のプローブ用レーザー28とに分けられ、これらは終段凸レンズ29に入射し、直前の透過型回折格子26から出たレーザーの回折線を、前記一対の励起用パルスレーザー27については適当な角度θで交差するように集束させ、併せて外側一対のプローブ用レーザー28をより大きい角度で交差するように集束させる。
【0020】
集束されたこれらのレーザー光線は、測定セル30に入射される。測定セル30は光透過性材料の容器からなり内部にターゲット蛋白質を分散させた蛋白質含有液を収容するとともに、測定時において別の蛋白質等の被検物質を添加するためのものである。この場合、2本の励起用パルスレーザー27は測定セル30の内部で交差するようにされ、プローブ用レーザー項28についても、その少なくとも1本が試料セル30内に入射するようにされる。さらに、測定セル30の背後には、そのセル30から出たプローブ用レーザーの回折光を受光し、電気信号に変換するための光電検出器31が配置される。
【0021】
以上の基本的な装置構成により、検出器31は前述した蛋白質会合の有無及び程度を表す信号出力を発するものであることが明らかである。この構成では、試料セル30は単独容器型であるため、別の試料を測定する場合には、試料溶液の置換又は試料セル30自体を交換しなければならない。そこで、多種類の試料、特にカラムより順次溶出されるような複数成分の測定のために、付加的構成を有するようにしたのが、図7に示す装置構成である。
【0022】
図7において、図6と同一の参照数字を付した部分は、図6の対応する部分と同一の機能を有するものであり、更なる説明は省略する。この構成において異なるのは、測定セル30’が流通型であり、その入口流路32の始端はカラム33の出口に接続される。流路32の中間にはマイクロシリンジ等の被検試料注入部34が接続され、カラム33から順次溶出される成分に対しては、被検試料注入部34からの被検物質がそれぞれ添加され、測定セル30’内で順次過渡回折格子測定が行われることになる。なお、測定セル30’の下端からはドレインチューブが垂下・突出し、回収容器35に対向している。光電検出器31の出力は、図示のオシロスコープ36又は記録計その他のデータ処理装置に接続され、成分ピークに対応する会合検出信号が表示される。
【0023】
図8に示す構造は、図6及び図7に示した測定装置中の要部である試料セルと透過回折格子とを合体させた回折格子付きセル37を示している。セル37は光透過性容器又は固体からなり、正面が励起用パルスレーザー27及びプローブレーザー28の合成光路の終端に位置し、背面には、前記励起用パルスレーザーとプローブ用レーザーの双方の回折を生ずる格子パターン38を印刷又は刻設形成したものである。なお、格子パターン38はセル37の正面に形成してもよい。格子のピッチは1〜数μmである。
【0024】
上記の格子/セル合体構造においては、入射した励起用パルスレーザー27がセル内において角度θで回折・分光して、セル内被検物質及びターゲット物質の状態に伴う過渡回折格子を生じ、その緩和現象たる拡散定数の変化が同じく回折したプローブレーザー28の強度変化として光電検出器31により測定される。但し、特有の回折角度においてプローブレーザー28を検出するため、スリット板39が配置される。なお、このセル構造は蛋白質会合のみでなく、セル体内に過渡回折格子を生じるものである限り、種々の粒子拡散状態の検出に用いることができる。
【0025】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、ターゲット蛋白質と被検査蛋白質との混合系の拡散定数の変化を測定することにより、蛋白質会合の度合いを簡便且つ正確に測定することができる。特に、本発明の装置構成によれば、ターゲット蛋白質と被検査蛋白質との混合系の拡散定数の変化を、極短時間で測定することが可能となる。
【0026】
従って、本発明の方法及び装置は、薬品と結合する蛋白質の探索、生体中の信号伝達系の探索、免疫応答及びレセプターリガンドアッセイ等に利用可能であり、携帯性及び機動性にも優れた簡便且つ正確な蛋白質等の会合検出を可能にするものである。
【0027】
また、本発明の方法において色素を利用すると、あらゆる種類の蛋白を容易に検出しうるという効果を発揮する。すなわち、蛋白によって光の吸収波長も反応性も異なるため、色素を用いない場合には蛋白の特性によってレーザーの波長を変える必要があるが、幅広い波長に反応する色素を添加すると、レーザーの波長を調整するという煩雑な操作さも不要となる。更に、色素の光吸収に合わせたレーザー光を用いることで、本来は光吸収や光反応性の異なる(中には光反応しないような)種々の蛋白の測定を、容易な波長調整において実施することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】会合前もしくは会合しないで対向したターゲット蛋白質と被検蛋白質(薬物)の関係(A)、及び会合した状態(B)を模式的に示す図である。
【図2】粒子混合系におけるターゲット粒子と被検粒子の拡散前の状態(A)、拡散が進んでいる状態(B)、粒子間会合相があるため拡散が遅くなる状態(C)を模式的に示す図である。
【図3】粒子混合系を含むサンプルが励起パルスレーザーにより過渡回折格子を生じ、プローブレーザーが過渡回折光信号を発する状態を示す模式図である。
【図4】ロドプシンが光励起を受けて活性化し、G−プロテインと会合する状態を示す模式図である。
【図5】蛋白質会合が有るときと、無いときの過渡回折光信号の強度変化を示すグラフである。
【図6】本発明の過渡回折格子法による拡散定数変化測定を行うための基本的装置構成を示す略図である。
【図7】図6に示した装置構成に分離カラムと試料注入部を加え、且つ検出器にオシロスコープを接続した構成を示す略図である。
【図8】図6及び図7に示した装置構成中の試料セルと透過型回折格子とを合体させた簡易型過渡回折格子測定セルを示す斜視図及び光学系部分図である。
【符号の説明】
1 ターゲット蛋白質
2 被検蛋白質(薬物等)
3 会合体
11 ターゲット蛋白質
12 被検蛋白質
13 サンプル
14、27 励起用パルスレーザー
15、28 プローブ用レーザー
20 励起用パルスレーザー光源
21 プローブ用レーザー光源
22 ハーフミラー
24 光ファイバー
25、29 凸レンズ
26 透過型グレーティング
30 測定セル
31 検出器
32 流路
33 カラム
34 試料注入部
35 回収容器
36 オシロスコープ
37 簡易型セル
38 格子パターン
39 スリット
【発明の属する技術分野】
本発明は新規の蛋白質会合検出方法と装置、特に拡散定数変化を用いた会合検出方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
医学及び薬学分野において、ある蛋白質と他の蛋白質等の物質が特異的に相互作用する関係にあるかどうかを見極めることは、きわめて重要であるが、その検出にはかなりの困難を伴うものである。一つの方法は、細胞破砕液をイオン交換カラムでいくつかに分画し、それぞれを相手の蛋白に固定化したカラムに流してから特定蛋白質との会合実験を行う方法であるが、これは測定装置の構成が複雑であり、操作も面倒で時間がかかる。別の方法としては、表面プラズモンを利用した重量分析を伴う分光分析法があるが、センサーチップ(ガラス基板上に金等の蒸着膜を形成したもの)の表面に被検溶液を付着させる等の面倒な前処理や、これをプリズムにあてがう場合の慎重な操作を要するなどの問題がある (例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−159311号公報(「 要約」欄参照)
【0004】
更に、蛍光偏光度測定システムも、蛋白質や核酸などの生体物質間の相互作用を測定解析するために用いられるが、光学系の構成が極めて複雑で大型化するという問題がある。従って、これらの従来法によらないで、物質間会合の度合いを簡便且つ正確に測定する方法の開発が待たれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の一つの目的は、ターゲット蛋白質と被検査蛋白質との混合系の拡散定数の変化を測定することにより、蛋白質会合の度合いを簡便且つ正確に測定する方法及び装置を提供することである。
本発明の第2の目的は、ターゲット蛋白質と被検査蛋白質との混合系の拡散定数の変化を、極短時間で測定するに適した新規の方法及び装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明は第1に、ターゲット蛋白質を分散させた蛋白質含有液に被検蛋白質を添加し、それによって生ずる粒子混合系の拡散定数の変化を検出することにより、両蛋白質の会合の度合いを測定する方法を構成したものである。
【0007】
本発明は第2に、前記粒子混合系に同一波長における一対の励起用パルスレーザーを、その混合系内で交差するように入射して過渡回折格子を生じさせ、これに他の波長及び他の角度でプローブ用レーザー光を照射して、そのレーザー光の過渡回折波強度を測定することにより、拡散定数の変化を測定する方法を構成したものである。
【0008】
本発明は第3に、前記の過渡回折格子法による拡散定数変化の測定にあたり、前記粒子混合系に、励起波長において光化学反応して蛋白質と結合することが可能な色素を添加してから、レーザー励起及びプローブ照射を行う方法を構成したものである。この色素は蛋白の光反応性の有無に関わらず、それ自体がほとんどの励起波長に光反応するものを用いるので、レーザーの波長調整の面倒さが無くなる。また、色素の光吸収に合わせたレーザー光を用いることで、本来は光吸収や光反応性の異なる種々の蛋白の測定において波長調整が容易となる。
【0009】
本発明は第4に、励起用パルスレーザーの光源と、前記励起用パルスレーザーとは異なる波長のプローブ用レーザー光の光源と、前記励起用パルスレーザーとプローブ用レーザーとを同一光路に重ねるための光路手段と、前記光路手段の終端から前記重ねられたレーザーを入射させるための透過型回折格子と、前記透過型回折格子から出たレーザーの回折線を集束するためのレンズ手段と、光透過性材料の容器からなり内部にターゲット蛋白質を分散させた蛋白質含有液を収容するとともに、被検蛋白質を添加するための測定セルであって、前記集束されたレーザーのうち回折により2本に分かれた励起用パルスレーザーと少なくとも1本のプローブ用レーザーとを照射されるように配置されたものと、前記測定セルから出たプローブ用レーザーの回折光を受光して電気信号に変換するための光電検出器とを備えた蛋白質の会合測定装置を構成したものである。
【0010】
本発明は第5に、光透過性材料の容器からなり内部にターゲット物質を分散させた分散媒を収容するとともに、被検物質を添加するための測定セルであって、同一光軸に沿って前記ターゲット物質と被検物質との混合系を励起するための励起用パルスレーザーとプローブ用レーザーとを照射されるように配置されたとき、照射を受けるべき正面又は背面となる壁体の1面に前記励起用パルスレーザーとプローブ用レーザーの双方の回折を生ずる格子パターンを印刷又は刻設形成した粒子混合系の過渡回折格子検出装置を構成したものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
一般に、蛋白質と蛋白質又はその他の物質とが会合した状態とは、両者中の同一分子間に水素結合、電荷移動結合、疎水結合などのような比較的弱い結合力が働き、二分子あるいはそれ以上の分子が結合して比較的規則性のよい集合体を形成することをいう。図1は、ある蛋白質1と薬物2との結合を例にとり、単純に模式化して示したもので、会合前(A)の状態から、会合後(B)の状態(集合体)3において、蛋白質1と薬物2との構造は本質的に異ならないため、会合後は組成1’及び2’として指示したものである。二物質間で、このような会合が生じない場合(すなわち、状態Aに止まっている場合)、両者は媒質中において速やかに拡散する。
【0012】
図2は、ターゲット蛋白質11を分散させた蛋白質含有液(通常は水溶液)に被検蛋白質12を添加し、それによって生ずる粒子混合系の拡散状態と会合の有無を、拡散せず偏った分布状態(A)、会合がないため添加後0.1秒程度において拡散が進んだ状態(B)、及び会合が生じたため添加後0.1秒程度経過しても拡散が進んでいない状態(C)として示している。すなわち、会合の有無及び度合いは粒子混合系の拡散の速さ(拡散定数)と密接に関連し、発明者はいずれか一方の粒子の拡散定数を測定することにより、蛋白質などの粒子混合系における会合の有無及び度合いを検出しうることを見出した。
【0013】
この場合、粒子混合系の拡散状態を測定するに有効な方法としては(1)光散乱法、(2)キャピラリー中での分布状態を観察するテーラー・ディスパージョン法、(3)電気泳動法、(4)過渡回折格子法があり、ここでは過渡回折格子法を適用して測定した例を述べる。なお、過渡回折格子法においてはターゲット蛋白質、又は被検蛋白質等の何れかが光吸収性を有しなければならないので、両方とも光を吸収しない場合には、一方の蛋白質等にPYP又は他の光レセプターを付して実施することができる。
【0014】
図3は、過渡回折格子法の原理を示す模式図である。図3において、透過型セル中のサンプル13は蛋白質含有液(水溶液)を収容し、被検蛋白質を添加した直後の状態にあり、ここでサンプル13を貫通する軸zを中心軸として、一対の同一波長λ(例えば450nm)による励起用パルスレーザー14を、このサンプル13内において角度θで交差するように入射させる。サンプル13で蛋白質の会合が生じ、拡散が進んでいない場合には、この励起により格子間隔d、但し2d=λ/sin(θ/2)による干渉縞が過渡的に形成される。この過渡的な干渉縞(過渡回折格子)の形成状態に対してプローブ用レーザー光15(例えば、波長633nm)を照射すると、パルス励起による過渡回折格子の消滅に到るまでの回折光信号16が検出され、その減衰曲線によって試料の緩和現象、特に拡散による緩和現象が検出され、励起種の拡散定数が求められる。
【0015】
例えば、ターゲット蛋白としてロドプシンを用い、これにG−プロテインが結合する過程を検出する場合、図4に示す通り、(a)ロドプシンに光hνが当たると、(b)活性化ロドプシンとなり、これは(c)G−プロテインと結合する。(d)結合したG−プロテイン(GTP)はGDPに転換し、その結果(e)G−プロテインは分離する。図5に実線で描いたグラフは、プローブレーザーによる回折光強度信号のピーク高さと持続状態から、上のような蛋白質間の会合があったことを明確に示している。この場合、ピークは約0.2秒以内に出現し、0.8秒位までに拡散が進行した。破線で描いたグラフは、蛋白質間の会合がなかった試料のものであり、0.1〜0.2秒という瞬時に拡散が略完了したことを示している。なお、実線のグラフでピークの前に、一瞬間急激な立ち下がりを生ずるのは、光励起に基づく熱によるものである。
【0016】
再び、図2を参照して、拡散せず偏った分布状態(A)では強い過渡回折信号が検出され、蛋白質の会合がないため拡散が進んだ状態(B)では過渡回折信号が検出されず、更に会合が有るため添加後0.1秒程度経過しても拡散が進んでいない状態(C)では強い過渡回折信号が検出され、しかもターゲット蛋白質の相11と、被検蛋白質の相12間に割り込む形での会合相11’、12’が大きいほど拡散が遅くなる、従って励起状態(過渡回折格子)の寿命が長くなるということが良く理解されるであろう。
【0017】
以上の通り、過渡回折格子法により実施する本発明の蛋白質会合検出法では、ターゲット及び被検蛋白質のいずれも水溶液で用意され、それらは測定基板への付着操作等の面倒な操作を要することなく、溶液のままで測定可能であり、試料セルに被検蛋白質を添加後、1秒以内の短時間で測定することができる。また、試料に光吸収性は要求されるが、蛍光分析のように、分子からの発光ラベルが要求されることもない。
【0018】
更に、過渡回折格子法による拡散定数変化の測定にあたり、ターゲット及び被検蛋白質のいずれもが光反応しない場合は勿論、いずれかの蛋白質が光反応する場合においても、この粒子混合系に、励起波長により光化学反応してこれらの蛋白質と結合する色素を添加してから、レーザー励起及びプローブ照射を行うことにより特有の効果が得られることも前述した通りである。この場合に有効な添加用色素としては、例えば、2−nitrobenzaldehyde がある。この色素はほとんどの励起波長に光反応するので、レーザーの波長調整の面倒さもなくなる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明による過渡回折格子測定装置の構成例について説明する。図6は、基本的な装置構成例を示すもので、図中の参照数字、20は例えば波長450nmの励起用パルスレーザーの光源、21は別の異なった波長、たとえば633nmを発するプローブ用レーザー光の光源であり、これらから出たレーザーはハーフミラー22の両側から、1本の光ファイバーからなる光路手段24の始端に投射され、同一光路に重ねられる。光路手段24の終端には凸レンズ25が配置され、このレンズで集束(コリメート)された合成レーザー光は透過型グレーティング26に入射し、適当な開き角で回折出射する一対の励起用パルスレーザー27と、それより大きい開き角で回折出射する一対のプローブ用レーザー28とに分けられ、これらは終段凸レンズ29に入射し、直前の透過型回折格子26から出たレーザーの回折線を、前記一対の励起用パルスレーザー27については適当な角度θで交差するように集束させ、併せて外側一対のプローブ用レーザー28をより大きい角度で交差するように集束させる。
【0020】
集束されたこれらのレーザー光線は、測定セル30に入射される。測定セル30は光透過性材料の容器からなり内部にターゲット蛋白質を分散させた蛋白質含有液を収容するとともに、測定時において別の蛋白質等の被検物質を添加するためのものである。この場合、2本の励起用パルスレーザー27は測定セル30の内部で交差するようにされ、プローブ用レーザー項28についても、その少なくとも1本が試料セル30内に入射するようにされる。さらに、測定セル30の背後には、そのセル30から出たプローブ用レーザーの回折光を受光し、電気信号に変換するための光電検出器31が配置される。
【0021】
以上の基本的な装置構成により、検出器31は前述した蛋白質会合の有無及び程度を表す信号出力を発するものであることが明らかである。この構成では、試料セル30は単独容器型であるため、別の試料を測定する場合には、試料溶液の置換又は試料セル30自体を交換しなければならない。そこで、多種類の試料、特にカラムより順次溶出されるような複数成分の測定のために、付加的構成を有するようにしたのが、図7に示す装置構成である。
【0022】
図7において、図6と同一の参照数字を付した部分は、図6の対応する部分と同一の機能を有するものであり、更なる説明は省略する。この構成において異なるのは、測定セル30’が流通型であり、その入口流路32の始端はカラム33の出口に接続される。流路32の中間にはマイクロシリンジ等の被検試料注入部34が接続され、カラム33から順次溶出される成分に対しては、被検試料注入部34からの被検物質がそれぞれ添加され、測定セル30’内で順次過渡回折格子測定が行われることになる。なお、測定セル30’の下端からはドレインチューブが垂下・突出し、回収容器35に対向している。光電検出器31の出力は、図示のオシロスコープ36又は記録計その他のデータ処理装置に接続され、成分ピークに対応する会合検出信号が表示される。
【0023】
図8に示す構造は、図6及び図7に示した測定装置中の要部である試料セルと透過回折格子とを合体させた回折格子付きセル37を示している。セル37は光透過性容器又は固体からなり、正面が励起用パルスレーザー27及びプローブレーザー28の合成光路の終端に位置し、背面には、前記励起用パルスレーザーとプローブ用レーザーの双方の回折を生ずる格子パターン38を印刷又は刻設形成したものである。なお、格子パターン38はセル37の正面に形成してもよい。格子のピッチは1〜数μmである。
【0024】
上記の格子/セル合体構造においては、入射した励起用パルスレーザー27がセル内において角度θで回折・分光して、セル内被検物質及びターゲット物質の状態に伴う過渡回折格子を生じ、その緩和現象たる拡散定数の変化が同じく回折したプローブレーザー28の強度変化として光電検出器31により測定される。但し、特有の回折角度においてプローブレーザー28を検出するため、スリット板39が配置される。なお、このセル構造は蛋白質会合のみでなく、セル体内に過渡回折格子を生じるものである限り、種々の粒子拡散状態の検出に用いることができる。
【0025】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、ターゲット蛋白質と被検査蛋白質との混合系の拡散定数の変化を測定することにより、蛋白質会合の度合いを簡便且つ正確に測定することができる。特に、本発明の装置構成によれば、ターゲット蛋白質と被検査蛋白質との混合系の拡散定数の変化を、極短時間で測定することが可能となる。
【0026】
従って、本発明の方法及び装置は、薬品と結合する蛋白質の探索、生体中の信号伝達系の探索、免疫応答及びレセプターリガンドアッセイ等に利用可能であり、携帯性及び機動性にも優れた簡便且つ正確な蛋白質等の会合検出を可能にするものである。
【0027】
また、本発明の方法において色素を利用すると、あらゆる種類の蛋白を容易に検出しうるという効果を発揮する。すなわち、蛋白によって光の吸収波長も反応性も異なるため、色素を用いない場合には蛋白の特性によってレーザーの波長を変える必要があるが、幅広い波長に反応する色素を添加すると、レーザーの波長を調整するという煩雑な操作さも不要となる。更に、色素の光吸収に合わせたレーザー光を用いることで、本来は光吸収や光反応性の異なる(中には光反応しないような)種々の蛋白の測定を、容易な波長調整において実施することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】会合前もしくは会合しないで対向したターゲット蛋白質と被検蛋白質(薬物)の関係(A)、及び会合した状態(B)を模式的に示す図である。
【図2】粒子混合系におけるターゲット粒子と被検粒子の拡散前の状態(A)、拡散が進んでいる状態(B)、粒子間会合相があるため拡散が遅くなる状態(C)を模式的に示す図である。
【図3】粒子混合系を含むサンプルが励起パルスレーザーにより過渡回折格子を生じ、プローブレーザーが過渡回折光信号を発する状態を示す模式図である。
【図4】ロドプシンが光励起を受けて活性化し、G−プロテインと会合する状態を示す模式図である。
【図5】蛋白質会合が有るときと、無いときの過渡回折光信号の強度変化を示すグラフである。
【図6】本発明の過渡回折格子法による拡散定数変化測定を行うための基本的装置構成を示す略図である。
【図7】図6に示した装置構成に分離カラムと試料注入部を加え、且つ検出器にオシロスコープを接続した構成を示す略図である。
【図8】図6及び図7に示した装置構成中の試料セルと透過型回折格子とを合体させた簡易型過渡回折格子測定セルを示す斜視図及び光学系部分図である。
【符号の説明】
1 ターゲット蛋白質
2 被検蛋白質(薬物等)
3 会合体
11 ターゲット蛋白質
12 被検蛋白質
13 サンプル
14、27 励起用パルスレーザー
15、28 プローブ用レーザー
20 励起用パルスレーザー光源
21 プローブ用レーザー光源
22 ハーフミラー
24 光ファイバー
25、29 凸レンズ
26 透過型グレーティング
30 測定セル
31 検出器
32 流路
33 カラム
34 試料注入部
35 回収容器
36 オシロスコープ
37 簡易型セル
38 格子パターン
39 スリット
Claims (5)
- ターゲット蛋白質を分散させた蛋白質含有液に別の蛋白質等の被検物質を添加し、それによって生ずる粒子混合系の拡散定数の変化を検出することにより、両蛋白質の会合の度合いを測定する方法。
- 前記粒子混合系に同一波長における一対の励起用パルスレーザーを、その混合系内で交差するように入射して過渡回折格子を生じさせ、これに他の波長及び他の角度でプローブ用レーザー光を照射して、そのレーザー光の過渡回折光強度を測定することにより、拡散定数の変化を測定することを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記粒子混合系に、励起波長において光化学反応して蛋白質と結合することが可能な色素を添加してから、レーザー励起及びプローブ照射を行うことを特徴とする請求項2に記載の方法。
- 励起用パルスレーザーの光源と、前記励起用パルスレーザーとは異なる波長のプローブ用レーザー光の光源と、前記励起用パルスレーザーとプローブ用レーザーとを同一光路に重ねるための光路手段と、前記光路手段の終端から前記重ねられたレーザーを入射させるための透過型回折格子と、前記透過型回折格子から出たレーザーの回折線を集束するためのレンズ手段と、光透過性材料の容器からなり内部にターゲット蛋白質を分散させた蛋白質含有液を収容するとともに、別の蛋白質等の被検物質を添加するための測定セルであって、前記集束されたレーザーのうち回折により2本に分かれた励起用パルスレーザーと少なくとも1本のプローブ用レーザーとを照射されるように配置されたものと、前記測定セルから出たプローブ用レーザーの回折光を受光して電気信号に変換するための光電検出器とを備えたことを特徴とする蛋白質の会合測定装置。
- 光透過性材料の容器からなり内部にターゲット物質を分散させた分散媒を収容するとともに、被検物質を添加するための測定セルであって、同一光軸に沿って前記ターゲット物質と被検物質との混合系を励起するための励起用パルスレーザーとプローブ用レーザーとを照射されるように配置されたとき、照射を受けるべき正面又は背面となる壁体の1面に前記励起用パルスレーザーとプローブ用レーザーの双方の回折を生ずる格子パターンを印刷又は刻設形成したことを特徴とする粒子混合系の過渡回折格子検出装置。
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