JP4868190B2 - ナノ粒子計測装置 - Google Patents

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Description

本発明は、直径が100nm以下のいわゆるナノ粒子の拡散係数や粒子径を光学的に計測する装置に関する。
粒子径が100nm以下の粒子は、一般にナノ粒子と称され、同じ材質であっても通常のバルク物質とは異なる性質を表すことから、さまざまな分野で利用され始めている。粒子径を測定する方法としては、レーザ回折・散乱式をはじめとして種々のものが知られているが、粒子径が100nm以下のナノ粒子については、主として動的散乱法(光子相関法)と称される測定方法に基づく方法が用いられている(例えば特許文献1,2参照)。
動的散乱法は、粒子のブラウン運動を利用したものであり、媒体中でブラウン運動をしている粒子に光ビームを照射し、粒子による散乱光の強度を所定の位置で測定して、粒子のブラウン運動に起因する散乱光強度の揺らぎ、つまり散乱光の経時的変化を捕らえ、各粒子がその粒径に応じた激しさでブラウン運動をすることを利用して被測定粒子群の粒度分布を算出する。
しかしながら、粒子からの散乱光の揺らぎを測定する動的散乱法(光子相関法)においては、大きな散乱光中の小さな揺らぎを測定する必要があること、換言すれば明るい視野中での光強度の変動を計測する必要があることから、その原理上、測定感度が低いとともに、S/Nが悪いといった問題は避けられない。
このような動的散乱法において不可避の問題を解決する有力な手法として、媒体中に移動可能に分散させた粒子群に対し、空間周期を有する電界を印加することにより粒子群を泳動させ、粒子群に空間周期的な濃度変化を持たせて擬似的な回折格子を生成させ、その状態で粒子群に対してレーザ光を照射して得られる回折光を検出し、電界の印加を停止した時点からの回折光の時間変化から、粒子群の拡散係数および粒子径を求める方法および装置が提案されている(特許文献3参照)。
この提案方法並びに装置は、媒体中における粒子群の誘電泳動もしくは電気泳動を利用して、電界の印加により粒子群の濃度分布(密度分布)による回折格子の生成させた状態で、電界の印加を停止することによる当該回折格子の消滅過程が、粒子群の拡散係数に依存することを利用したものであり、粒子の濃度分布に起因して生じる回折格子からの回折光の消失に要する時間から、粒子群の拡散係数を求めることができ、ひいては粒子径を算出することができる。
媒体中に移動可能に分散させた粒子群に対して、空間周期を有する電界を印加する具体的装置構成は、媒体中に粒子群を移動可能に分散させた試料を透明なセル内に収容し、そのセルを形成する壁体の一部の内面に、櫛形の電極対を形成し、その電極対に対して交流電圧もしくは直流電圧を印加できるようにし、そのセル1の電極対の形成部位に向けて外部からレーザ光等の平行光束を照射し、粒子群の密度分布により形成される回折格子による回折光を特定の方位において検出する検出光学系を設けた構成とされる。
この提案方法並びに装置によると、粒子群の濃度分布による回折格子による回折光強度を検出するため、動的散乱法で得られる個々の粒子による散乱光に比して強いため、測定する信号が強く、動的散乱法に比してS/Nおよび感度が大幅に改善される。
米国特許第5,094,532号明細書 特開2001−159595号公報 特開2006−84207号公報
ところで、上記した提案方法を実現する装置構成においては、セル内の試料中に空間周期を有する電界を形成するために、セルの内壁に電極を形成する構成を採ることは前記した通りであるが、その電極に交流電圧を印加してセル内に交流電界を形成すると、ナノ粒子は誘電泳動して電極へと向かい、電極の近傍でその速度が最大となる。これにより、電極並びにその電極対が形成されているセルの内壁面にナノ粒子の吸着が生じ、誘電泳動が弱くなるという問題がある。
また、電極への電圧印加を続けた状態で粒子が濃縮されると電極反応が生じる可能性もあり、その場合には電極対が劣化する恐れがあった。
本発明は、粒子群の密度分布による回折格子からの回折光の時間変化から粒子の拡散係数や粒子径を計測する前記した提案技術を改良するものであり、電極やその形成面への粒子群の吸着を防止し、また、電極反応の発生をも有効に防止することのできるナノ粒子計測装置の提供をその課題としている。
上記の課題を解決するため、本発明のナノ粒子計測装置は、媒体中に移動可能に粒子群を分散させてなる試料を保持するセルと、交流もしくは直流電圧を発生する電源と、上記セルの内側に略対向するように形成され、上記電源からの電圧が印加される一対の電極と、その一対の電極の間に配置され、当該電極間に電圧を印加することにより上記セル内に空間周期を有する電界を形成する誘電体シートと、上記セル内に向けて平行光束を照射する照射光学系と、その平行光束が上記セル内を透過することにより発生する回折光を検出する検出光学系と、上記電源から上記一対の電極への電圧の印加を制御する制御手段と、その電圧の印加と停止、もしくは変調による上記回折光の時間変化から、セル内の粒子群の拡散係数および/または粒子径を求めるデータ処理手段を備えていることによって特徴づけられる。
ここで、本発明においては、上記セルが、互いに対向する透明材料からなる壁体を備えた構造とし、上記一対の電極は透明電極であって上記対向する壁体に形成され、上記誘電体シートはこれらの各壁体の間にこれらと平行に設けられているとともに、上記照射光学系は一方の透明電極を透過して上記セル内に平行光束を照射し、上記検出光学系は他方の透明電極を介して回折光を検出する構成を採用することができる。
また、上記セルが、同じく互いに対向する透明材料からなる壁体を備え、上記一対の電極は、透明電極に限らず、上記各各壁体の端部に形成され、上記誘電体シートは上記各壁体の間にこれらと平行に設けられているとともに、上記照射光学系は一対の電極のいずれをも透過せずに一方の壁体を介して上記セル内に平行光束を照射し、上記検出光学系は一対の電極のいずれをも介さずに他方の壁体を介して回折光を検出する構成を採用することもできる。
本発明における誘電体シートとしては、互いに平行な複数のスリットが形成されたもの、あるいは、複数の貫通孔が一次元方向に形成されてなる孔列が、互いに平行に複数列形成されたもの、あるいはまた、複数の貫通孔が形成され、かつ、その各孔が複数方向への列を形成する位置関係のもとに形成されたものなどを採用することができる。
本発明は、一対の電極間に誘電体シートを設けることにより、一対の電極間に電圧を印加したとき、誘電体シートの近傍で電界勾配が生じることを利用したものである。
すなわち、セル内で略対向する一対の電極間に、互いに平行な複数のスリット、あるいは互いに平行な複数の貫通孔の列を形成した誘電体シートを配置し、一対の電極間に電圧を印加してこれらの間に電界を形成すると、その電気力線はは誘電体シートのスリットないしは貫通孔の形成位置で高くなってこれらのスリットないしは貫通孔を通過する。つまり、セル内に空間周期を有する電界が形成される。
セル内に、媒体中に移動可能に粒子群を分散させてなる試料を保持した状態で、セル内に上記のような空間周期を有する電界を形成すると、粒子群は誘電泳動(印加電圧が交流の場合)もしくは電気泳動(印加電圧が直流の場合)によって、電界密度の高い部位へと吸引されて移動するか(正の泳動力)、あるいは高い部位に対して反発して遠ざかる向きに移動する(負の泳動力)。
誘電体シートの複数のスリットないしは複数の貫通孔列は、回折格子を形成するが、上記した粒子群の移動により、誘電体シートのスリットないしは貫通孔列からなる回折格子のコントラストが変化する。すなわち、粒子群が正の泳動力のもとに移動する場合には、当初の均一分散状態から、誘電体シートのスリットないしは貫通孔列を粒子群によって覆うように捕集されていき、回折格子のコントラストが低下する。一方、粒子群が負の泳動力のもとに移動する場合には、当初の均一分散状態から、誘電体シートのスリットないしは貫通孔列から離れる向きに移動していき、回折格子のコントラストが高くなる。
セル内に向けて照射される平行光束は、複数のスリットないしは複数の貫通孔列を透過することによって回折を受け、その回折光が検出光学系によって検出される。上記した電界の印加による粒子群の泳動により回折格子のコントラストが変化すると、検出光学系により検出される回折光強度が変化する。電界の印加により粒子群を泳動させて回折格子のコントラストを変化させている状態で、その電界の印加を停止もしくは変調すると、粒子群は自由拡散を開始し、やがて当初の分散状態に戻る。その戻る速さは粒子群の拡散係数に依存する。従って、電界の印加により粒子群を泳動させた後、その印加を停止もしくは変調して拡散を開始させた後の回折光強度の時間変化から、粒子群の拡散係数を求めることができ、ひいては粒子径を算出することができる。
本発明の実施の形態の全体構成図で、光学的構成を表す模式図と電気的構成を表すブロック図とを併記して示す図である。 図1におけるセルの模式的断面図で、(A)は粒子が分散している状態を示す図であり、(B)は粒子がスリット近傍に捕集された状態を示す図である。 図1における誘電体シートの構造説明図で、(A)は正面図であり、(B)はその横断面図である。 本発明の実施の形態の原理説明図である。 本発明の実施の形態の測定結果の例を示すグラフである。 本発明の誘電体シートの他の構造例の説明図で、(A)は正面図であり、(B)はその横断面図である。 本発明の誘電体シートの更に他の構造例の説明図で、(A)は正面図であり、(B)はその横断面図である。 本発明のセルおよび電極の他の構造例を示す模式的断面図である。
符号の説明
1 セル
2a,2b 電極
3 誘電体シート
3a スリット
3b 貫通孔
4 電源
5 照射光学系
6 検出光学系
6a ピンホール
6b 光検出器
7 データ収集・解析部
8 制御部
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の実施の形態の全体構成図であり、光学的構成を表す模式図と電気的構成を表すブロック図とを併記して示す図である。
装置は、媒体中に粒子群が移動可能に分散した試料、例えば液体中に粒子が分散した試料や、粒子が移動可能に分散したゲルからなる試料を収容するためのセル1と、このセル1内に設けられている一対の電極2a,2bと、同じくセル1内に設けられている誘電体シート3、一対の電極2a,2b間に電圧を印加する電源4、セル1に向けて平行光束を照射する照射光学系5、誘電体シート3が作る回折格子による回折光を検出する検出光学系6、その検出光学系6の出力を収集して各種解析を行うデータ処理・解析部7、および、全体の測定動作を制御する制御部8を主体として構成されている。
セル1は、図2(A)または(B)に模式的断面図で示すように、互いに平行な2枚のガラス等の透明材料からなる壁体11,12を備えており、各壁体11,12の内側の表面に平板状の電極2a,2bが形成されている。これらの一対の電極2a,2bは、この例において例えばITO等の透明電極である。
誘電体シート3は、図3に示すように、耐薬品性が高く、かつ、可視光を透過させやすい例えばフッ素樹脂製であり、複数本のスリット3aが互いに平行に穿たれている。厚さは取り扱いしやすい数μm以上が好ましい。スリット3aの幅とピッチは1μm〜10μm程度であり、例えばレーザ加工やホトリソグラフィ技術を用いて加工することができる。このようなスリット3aによって回折格子が形成される。なお、媒体(媒液)を水とする場合には、特に耐薬品性は必要ではなく、加工しやすい素材を適宜に選択することができる。
以上の誘電体シート3は、透明な壁体11,12と平行に、これらの間の中間に配置されており、壁体11,12間に介在するスペーサ等にその周囲が挟み込まれることによって固定されている。
照射光学系5は、ほぼ単色化された光を概略平行光束に整形した状態で出力し、その出力光はセル1の一方の透明な壁体12および透明電極2bを介してセル1内に照射される。照射光学系5の光源は、レーザ、LEDなどの単色光のみを放射するものが簡便であるが、連続波長光源をバンドパスフィルタや分光器などで疑似単色化した光でもよく、例えば可視波長領域ではスペクトルバンド幅は数十nm程度以下であればよい。この照射光学系5からの照射光は、一方の透明な壁体12および透明電極2bを経て、セル1内の誘電体シート3のスリット3aで形成される回折格子に照射され、その回折格子を透過した光が他方の透明電極2aおよび透明な壁体11を介してセル1外へと向かう。照射光学系5からの光がセル1内の誘電体シート3のスリット3aで形成される回折格子によって回折を受ける。
検出光学系6は、その回折光のうち、特定の次数の光を検出する位置に配置されている。この検出光学系8は、例えばピンホール6aと光検出器6bによって構成される。この検出光学系6によって、セル1内の誘電体シート3のスリット3aによる回折光強度の変化が時系列に計測される。
さて、前記した一対の電極2a,2b間には、電源4からの交流電圧が印加される。この電圧の印加によりセル1内に電界が生じるが、図4に原理図を示すように、その電気力線2cは、誘電体シート3のスリット3aの近傍に集中して密となり、その部位で電界勾配が高くなる。このような空間周期を有する電界がセル1内に生じることにより、測定対象である粒子Pは誘電泳動によって移動する。粒子Pに正の誘電泳動力が作用するものとすると、各粒子Pは誘電泳動により、電気力線2cの集中している部分、従って各スリット3aに向けて移動する。
セル1内の粒子Pは、以上のような電界を印加していない状態では、図5(A)に示すように、媒体中に一様に分散した状態であるのに対し、上記のような空間周期を有する電界を印加することにより、同図(B)に示すように、誘電体シート3の各スリット3aを覆うように集中する。この粒子Pのスリット3aへの集中により、誘電体シート3のスリット3aで形成される回折格子は、粒子Pが一様に分散している(A)に示す状態に比してコントラストが低下する。
従って、平行光束がスリット3aを通過することによる回折光の強度は、図5(A)に示す状態に比して、同図(B)に示す状態となることにより低下する。電極2a,2b間への電圧の印加の後、その電圧の印加を停止すると、各粒子Pは自由拡散により再び図4(A)に示す一様な分散状態へと戻り、上記した回折格子のコントラストは再び当初の高い状態となる。この電圧印加停止後の各粒子Pの拡散の速度は、当該粒子Pの拡散係数の大きさ、従って粒子Pの粒子径に依存する。よって、図6にグラフを例示するように、回折光強度の検出データのうち、電圧印加後の停止時以降のデータから、粒子Pの拡散係数ないしは粒子径に係る情報を得ることができる。
同じ条件下で複数の試料粒子について上記の計測を行えば、これらの試料粒子間での拡散係数ないしは粒子径の大小関係の情報を得ることができる。また、拡散係数ないしは粒子径が既知の幾種類かの参照粒子を用いてキャリブレーションを行っておけば、試料粒子の拡散係数ないしは粒子径の定量的な情報を得ることができる。データ収集・解析部7はこのような手法によって粒子P拡散係数および/または粒子径を求める。
以上の実施の形態において特に注目すべき点は、誘電体シートのスリットが作る回折格子のコントラストを、試料粒子群の泳動によって変化させ、その変化を回折光強度の変化として捕らえ、粒子の拡散係数もしくは粒子径を求めるため、従来の動的光散乱法のように個々の粒子からの散乱光の揺らぎを計測する方法に比して、高いS/Nのもとに拡散係数ないしは粒子径を計測することができると同時に、規則的に並ぶ電極対を用いて粒子群の密度分布による回折格子を形成してその回折光強度を計測する方法に比して、電極やその形成面への粒子群の吸着が生じることがなく、電極反応の発生も防止することができる。
ここで、以上の実施の形態においては、正の誘電泳動力が作用する粒子についての挙動について説明したが、負の誘電泳動力が作用する粒子については、電極2a,2bへの交流電圧の印加により、各粒子がスリット3aから遠ざかる向きに泳動する結果、粒子が均一に分散している状態に比して、スリット3aによる回折格子のコントラストがより高くなり、その回折格子による回折光強度が強くなる。その状態で電圧の印加を停止することにより、粒子が自由拡散して元の分散状態に戻り、回折格子のコントラストは元の状態に戻ることになり、従って電圧の印加の停止後の回折光強度は上記した説明とは逆に低下していく。その回折光強度の低下の速度から、上記と同様に粒子の拡散係数ないしは粒子径を求めることができる。
また、以上の説明では、セル1内の試料に交流電圧を印加して交流電界を生じさせることにより、粒子を誘電泳動させた例を示したが、セル1内の試料に直流電圧を印加することにより粒子を電気泳動させて、その後、直流電圧の印加を停止して粒子を自由拡散させ、その拡散過程での回折光強度を用いても、拡散係数と粒子径を求めることができる。
また、以上の実施の形態においては、誘電体シートに互いに平行な複数のスリットを穿って回折格子を形成した例を示したが、図6に示すように、誘電体シート3に複数の貫通孔3bからなる孔列を、互いに平行に複数列形成しても、これらの各孔列によって回折格子が形成され、上記の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
更に、図7に示すように、貫通孔3bを図6のように一列状に形成せず、複数の貫通孔3bの全体によって、縦、横、斜めなどの互いに異なる方向への孔列を形成してもよく、この場合、回折光は各孔列の方向に応じた方向に生じ、検出光学系によってそのいずれかの回折光強度を検出すればよい。
また、セル1と電極2a,2bについても上述した実施の形態で述べたものに限定されることはなく、例えば図7に示すように、一対の電極20a,20bを透明とせず、セル1の透明な壁体11,12の各端部に設けて、これらの電極20a,20bを結ぶ線が壁体11,12と平行にこれらの間に配置された誘電体シート3を斜めに横切るように構成するとともに、照射光学系5からの照射光が直接一方の壁体12を介してセル1内に入射し、誘電体シート3のスリット3aや貫通孔3bの列によって形成される回折格子による回折光が他方の壁体11を介して外部へと向かうように構成してもよい。
本発明によれば、高いS/Nのもとにナノ粒子の拡散係数や粒子径を計測することができ、しかも、計測により電極近辺に粒子が付着することがないために、電極が損傷しにくく、また、電極反応も生じにくい。また、誘電体シートは安価であるので、取り外しを容易にしておけば、ディスポーザブルとすることができる。更に、電極対を周期的なものとして、その電極対に対して電圧を印加することにより粒子群による回折格子を生じさせる特許文献1に記載の技術のように、電極対による回折光がノイズ成分となるといった不具合も生じない。

Claims (6)

  1. 媒体中に移動可能に粒子群を分散させてなる試料を保持するセルと、交流もしくは直流電圧を発生する電源と、上記セルの内側に略対向するように形成され、上記電源からの電圧が印加される一対の電極と、その一対の電極の間に配置され、当該電極間に電圧を印加することにより上記セル内に空間周期を有する電界を形成する誘電体シートと、上記セル内に向けて平行光束を照射する照射光学系と、その平行光束が上記セル内を透過することにより発生する回折光を検出する検出光学系と、上記電源から上記一対の電極への電圧の印加を制御する制御手段と、その電圧の印加と停止、もしくは変調による上記回折光の時間変化から、セル内の粒子群の拡散係数および/または粒子径を求めるデータ処理手段を備えていることを特徴とするナノ粒子計測装置。
  2. 上記セルが互いに対向する透明材料からなる壁体を備え、上記一対の電極は透明電極であって上記対向する壁体に形成され、上記誘電体シートはこれらの各壁体の間にこれらと平行に設けられているとともに、上記照射光学系は一方の透明電極を透過して上記セル内に平行光束を照射し、上記検出光学系は他方の透明電極を介して回折光を検出することを特徴とする請求項1に記載のナノ粒子計測装置。
  3. 上記セルが互いに対向する透明材料からなる壁体を備え、上記一対の電極は、その各壁体の端部に形成され、上記誘電体シートは上記各壁体の間にこれらと平行に設けられているとともに、上記照射光学系は一対の電極のいずれをも透過せずに一方の壁体を介して上記セル内に平行光束を照射し、上記検出光学系は一対の電極のいずれをも介さずに他方の壁体を介して回折光を検出することを特徴とする請求項1に記載のナノ粒子計測装置。
  4. 上記誘電体シートは、互いに平行な複数のスリットが形成されてなることを特徴とする請求項1、2または3のいずれか1項に記載のナノ粒子計測装置。
  5. 上記誘電体シートは、複数の貫通孔が一次元方向に形成されてなる孔列が、互いに平行に複数列形成されてなることを特徴とする請求項1、2または3のいずれか1項に記載のナノ粒子計測装置。
  6. 上記誘電体シートは、複数の貫通孔が形成され、かつ、その各孔が複数方向への列を形成する位置関係のもとに形成されてなることを特徴とする請求項1、2または3のいずれか1項に記載のナノ粒子計測装置。
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