JP4379318B2 - 光学的測定装置および光学的測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液体試料を光学的に測定する光学的測定装置および方法に関し、さらに詳細には、液体中に2種類以上の粒子が混在する液体試料について測定する光学的測定装置および方法に関する。本発明の光学的測定装置および方法は、例えば、異なる粒径の蛋白質分子等が混在する溶液中の粒子存在比の確認、さらには粒子濃度、粒形、粒径の測定に適用することができる。
近年、液体中で粒子を計測することは、例えば蛋白質などの生体高分子に関する情報を計測する手段のひとつとして注目されている。
生体高分子を粒子としてみたときの生体高分子の移動しやすさ、すなわち拡散しやすさは、生体高分子の大きさ、形状、結合状態等に依存して変化するので、拡散しやすさを評価することにより、生体高分子に関する種々の情報、例えば粒径や、粒形、結合状態等を知ることができる。
液体中の粒子の拡散しやすさを計測する手法としては例えば顕微蛍光相関分光法がある(特許文献1参照)。
顕微蛍光分光法によれば、計測対象となる粒子(生体高分子)を蛍光分子で標識処理し、顕微鏡視野下でこれを励起照明し、蛍光を発する計測対象粒子のブラウン運動に伴う蛍光強度変化を計測(蛍光粒子の数をカウントする)して、計測対象粒子の拡散係数を求めるものである。
また、出願人自身による先行特許出願において、標識化を行うことなく粒子(溶解したもの又は分散したもの)の拡散しやすさを計測するための光学的測定装置として、液体中の粒子に誘電泳動を生じさせて移動することにより、粒子集中領域を形成し、その後、誘電泳動を停止して粒子集中領域から粒子を拡散させたときの屈折率変化から、粒子の拡散に関する評価を行う装置を提案している(特願2004−204024号)。この光学的測定装置では、2本の平行に並ぶ電極を通じて被測定溶液に電圧を印加して誘電泳動を引き起こすことにより、溶液の局所的な屈折率変化を発生させている。
また、出願人による他の先行特許出願において、基本回折光パターンを生じさせる回折格子に、所定の交流電圧を印加して粒子に誘電泳動を起こさせることにより、基本回折光パターンとは異なる変形回折光パターンを発生させ、変形回折光パターンに基づいて液体中の粒子に関する情報を計測することを提案している(特願2004−241907号)。
特表平11−502608号公報
上述した特許文献1に開示された顕微蛍光相関分光法による光学的測定では、試料を標識する必要があり、そのための煩わしい前処理作業を行わなければならない。
また、顕微蛍光相関分光法により測定すれば、粒子に標識化処理を施してしまうので、粒子を完全な自然状態で測定することはできない。
これに対し、上述した誘電泳動による変形回折光パターンに基づいて液体中の粒子の光学的測定を行う方法では、標識化処理の必要がないので、前処理の煩わしさがなく、また、粒子を完全な自然状態で測定することができる。
しかしながら、蛋白質分子を粒子とする試料の場合をはじめ、液体中に含まれる粒子が2種類、あるいはそれ以上である場合がある。また、蛋白質分子が1種類であっても、結合状態が変化することにより蛋白質分子の形状が異なり、実質的に異なる2種類の粒子となる場合もある。
実質的に異なる2種類以上の粒子が含まれる試料の場合に、単に交流電圧を印加して誘電泳動を発生させ、安定状態になったときの変形回折光パターンを測定する方法では、2種類以上の粒子が混在した状態での情報を得ることができるが、それぞれの種類の粒子の濃度、特性を分離して測定することができなかった。
そこで、本発明は標識化のための前処理を行うことなく、試料液体中の粒子の状態を計測する光学的測定装置および方法を提供することを目的とする。
さらに、試料液体中に2種類あるいはそれ以上の数の異なる種類の粒子が存在した場合に、異なる粒子ごとの情報を分離して得ることができる光学的測定装置および方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の光学的測定装置は、光源と、印加電圧値を変化することができる交流電源と、液体試料を保持する容器と、容器内の液体試料と接する位置に形成され、光源から光が照射されることにより基本回折光パターンを生じる回折格子と、回折格子の少なくとも一部を構成するとともに、交流電源から交流電圧を印加することが可能な電極対と、電極対に印加する電圧値を変化させる電圧制御部と、回折格子による回折光を検出する光検出器とを備え、電極対に電圧を印加して液体試料の屈折率分布を変化することにより、基本回折光パターンとは異なる変形回折光パターンを発生させるとともに、電圧制御部により印加電圧値が次第に大きくなるように変化させたときの変形回折光パターン強度の変化に基づいて液体試料に関する情報を計測するようにしている。
この発明によれば、容器内に液体試料、特に、2種類以上の異なる粒子を含んだ液体試料を入れて保持した状態で、回折構成を構成する電極対に向けて光源から光を照射する。このとき、回折格子により光が回折され、回折光パターンを生じる。このときの回折光パターンが基本回折光パターンとなる。
そして、電源から電極対に交流電圧を印加して誘電泳動を発生する。誘電泳動により粒子が移動すると回折格子近傍の液体試料の屈折率が変化し、基本回折光パターンを生じる回折格子とは異なる派生的な回折格子が発生し、変形回折光パターンが発生する。この変形回折光パターンを光検出器で測定することにより、液体試料中の粒子による影響を変形回折光パターンの強度変化として測定することができる。
このときの電極対への印加電圧値を電圧制御部により制御する。この印加電圧制御について説明する。
誘電泳動中に微粒子に働く力はブラウン運動による等方的な拡散力と誘電泳動力の和と考えることができるが、電極にかかる電圧値に関わらず、ブラウン運動による拡散力は一定である。一方、粒子を引き寄せる誘電泳動力に注目すると、その力は分極による双極子モーメントと電界勾配に比例する。つまり誘電泳動力は印加電圧の2乗に比例することになる。
誘電泳動を生じさせるための交流電圧を印加した場合に、電極に印加する電圧値が小さすぎると誘電泳動力に起因する粒子捕集力が小さいことから、実質的に粒子が集中できない印加電圧値範囲が存在する。すなわち拡散力が誘電泳動力より強くなる印加電圧値範囲があり、この印加電圧値範囲は物質によって異なり、2種類以上の粒子が存在すると、それぞれの粒子ごとに、拡散力が誘電泳動力より強くなる印加電圧値範囲が異なる。
この拡散力が誘電泳動力より強くなる印加電圧値範囲が異なることを利用して、粒子を分離する。すなわち、印加電圧値を0から(後述する第1臨界点の予測がつく場合はそれよりも十分に小さい値からでよい)次第に大きくしていく。やがて、誘電泳動力と拡散力との差が最も小さいいずれかの粒子(第1の粒子)の誘電泳動力が拡散力より強くなる境界値(第1臨界点)を超えると、その粒子が最初に捕集されるようになる。このとき、その他の種類の粒子については、まだ誘電泳動力より拡散力が勝っているので捕集されない。
さらに印加電圧値を大きくしていき、誘電泳動力と拡散力との差が次に小さい第2の粒子についての誘電泳動力が拡散力より強くなり、第2の境界値(第2臨界点)を超えると、第2の粒子についても捕集されるようになる。同様に、粒子の種類が3つ以上あるときは、印加電圧値を引き続き大きくして、第3臨界点以降も越えるようにすると、順次、誘電泳動力と拡散力との差が小さい粒子から捕集されるようになる。
このように2種類以上の粒子が存在する場合に、印加電圧値を次第に大きくしていくことにより、捕集される粒子の種類を1つずつ追加することができる。
そこで、印加電圧値を変化させながら、光検出器により、変形回折光パターンの強度変化(回折光強度変化)を測定すると、第1臨界点から第2臨界点までは第1の粒子のみによる変形回折光パターン、第2臨界点から第3臨界点までは、第1の粒子と第2の粒子とによる変形回折光パターンが形成される。2つの粒子による変形回折光パターンの場合の回折光強度は、それぞれの粒子による変形回折光パターンの回折光強度の和であるので、第1臨界点から第2臨界点までの変形回折光パターンによるデータと、第2臨界点から第3臨界点までの変形回折光パターンによるデータとから、第1の粒子による変形回折光パターンの回折光強度と第2の粒子による変形回折光パターンの回折光強度とを分離することができる。さらに、粒子の種類数が増加しても同様の手順で分離することができる。このようにして粒子の種類ごとに分離された変形回折光パターンの回折光強度から粒子ごとの情報を得るようにする。
本発明によれば、2種類以上の粒子が含まれる液体試料の光学的測定において、標識化等の煩雑な前処理を行うことなく、試料液体中の粒子の状態を計測することができる。
さらに、試料液体中の2種類あるいはそれ以上の数の異なる種類の粒子による変形回折光パターン強度(変形回折光パターンの回折光強度)を、それぞれ粒子ごとに分離して計測することができるので、混在した粒子の情報だけではなく、粒子ごとの情報を得ることができる。
(その他の課題を解決するための手段および効果)
上記発明において、電極対は、交流電圧が印加されたときに正の電極と負の電極とが隣接する部分が、回折格子周期の2倍以上の整数倍の周期で繰り返すように配置されるようにしてもよい。
この発明によれば、変形回折光パターンにおいて、新たに追加された回折光は、基本回折光パターンでは回折光が存在していなかった中間付近の暗い位置(暗部分)に発生するので、明暗のコントラストがはっきりする位置でピークを検出することができる。
また、上記課題を解決するために別の観点からなされた本発明の光学的測定方法は、光源と、印加電圧値を変化することができる交流電源と、液体試料を保持する容器と、容器内の液体試料と接する位置に形成され、光源から光が照射されることにより基本回折光パターンを生じる回折格子と、回折格子の少なくとも一部を構成するとともに、交流電源から正負の電圧を印加することが可能な電極対と、回折格子による回折光を検出する光検出器とを備え、電極対に交流電圧を印加して誘電泳動により液体試料の屈折率分布を変化させて基本回折光パターンとは異なる変形回折光パターンを発生させ、変形回折光パターンから液体試料中の粒子に関する情報を計測する光学的測定方法であって、少なくとも2種類の異なる粒子が混在する液体試料を容器内に入れ、印加電圧値を次第に大きい電圧値になるように連続的に変化させながら電極対に印加して、そのときの変形回折光パターン強度の変化のデータに基づいて液体中に含まれる粒子に関する情報を計測するようにする。
これによれば、上述した光学的測定装置と同様の手順で、試料液体中の2種類あるいはそれ以上の数の異なる種類の粒子による変形回折光パターン強度(変形回折光パターンの回折光強度)を、それぞれ粒子ごとに分離して計測することができるので、混在した粒子の情報だけではなく、粒子ごとの情報を得ることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は、以下に説明するような実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の態様が含まれることはいうまでもない。
図1は、本発明の一実施形態である光学的測定装置の構成を示す概略断面図、図2はその上面図である。
この実施形態の光学的測定装置は、誘電泳動を行いながら、光学的測定を行うものであり、液体試料を保持する容器11、容器11の底面となる底板12aに形成され、回折格子を形成する一対の電極13、14と、電極13および電極14に交流電圧を印加する交流電源15と、光源16と、光源光を収束するレンズ光学系17と、回折光を検出する光検出器18と、印加電圧を制御する電圧制御部20とからなる。
容器11は、底板12aの上に、側壁となる枠体12bを貼り付けることにより形成してある。この容器11は、ガラス等の光透過性の材料が用いられ、底板12aを通して、入射光が電極13、14(回折格子)に照射できるようにしてある。
電極13、14は、マスクパターニング手法を用いて,底板12a上に形成される。なお、本実施形態では、底板12aに電極13、14を形成しているが、容器11が十分に深い場合には、底板12aに代えて、側壁となる枠体12bに電極13、14を形成してもよい。
液体試料をこの容器11に入れ、電極13、14を液体中に浸すことにより、電極13、14と液体試料とが接するようになる。なお、電極表面に耐食性の保護膜(例えばSiO)を形成した場合は、液体と電極とは非接触となるが、このような場合も実質的に接するものとして扱ってよい。要するに、電極に印加する電圧により誘電泳動を生じさせることができればよい。
電極13は、2本の平行な直線状電極片13a、13bが隣接する直線状電極片偏在領域13fと、直線状電極片形成されていない直線状電極片不在領域13cとが、交互に繰り返すようにしてあり、すべての直線状電極片13a、13bは、接続部13dにより電気的に接続され、いわゆる櫛型電極構造としてある。
電極14についても同様であり、2本の平行な直線状電極片14a、14bが隣接する直線状電極片偏在領域14fと、直線状電極片が形成されていない直線状電極片不在領域14cとが、交互に繰り返すようにしてあり、すべての直線状電極片14a、14bは、接続部14dにより電気的に接続され、櫛型電極構造としてある。
そして、電極13の直線状電極片不在領域13cの位置に、電極14の直線状電極片14a、14bがくるように配置して、電極13の直線状電極片13a、13bと、電極14の直線状電極片14a、14bとが、等間隔で連続的に並ぶようにして、直線状電極片13a、13b、14a、14bにより回折格子が形成されるようにしてある。
回折格子の寸法は、回折格子を構成する電極幅d1、電極間隔d2のいずれについても、0.5μm〜20μm程度にするのが好ましいが、回折光を発生させることができるものであれば、形状や寸法は、特に限定されない。例えば、電極幅d1と電極間隔d2とが異なる寸法になるようにしてもよいし、回折格子形状が直線状電極片で構成されなくてもよい。なお、本実施形態の回折格子では、電極幅10μm、電極間隔10μmの直線状電極片としている。この場合、回折格子の格子間隔dは、d1+d2となる。
交流電源15には、電圧0から(第1臨界点の予測がつく場合はそれより小さい値からでよい)、連続的に印加電圧値を増大するように変化することができる交流電源が用いられる。具体的には、0〜100Vで可変であり、周波数が10KHz〜10MHz程度の交流電圧が印加できる交流電源を使用する。なお、一般的には、高周波電源を用いるのが好ましい。
光源16は、測定対象となる液体試料に応じて種類を選択すればよいが、例えば、He−Neレーザ光源(波長633nm)や、その他のレーザ光源を用いるのが好ましい。
レンズ光学系17は、光源光を収束して、電極13、14(回折格子)に照射できるように構成してある。なお、光源光の入射角度を調整できるようにして、測定対象、測定目的に応じて、透過回折光、反射回折光のいずれでも、取得できるようにするのが好ましい。
透過回折光を測定する場合、入射角は、容器底面と液体試料との界面で全反射が生じない条件であればよく、例えば、入射角0度で入射させてもよい。
光検出器18は、透過回折光を検出するため、液体試料の上部側に配置する。光検出器18には、回折角を測定するための角度調整機構が設けられており、回折光の強度とともに回折角が検出できるようにしてある。この光検出器18には、フォトダイオードやCCDが用いられる。なお、角度調整機構を設ける代わりに、複数の素子を並べたアレイセンサを用いて、回折角が計測できるようにしてもよい。
電圧制御部20は、交流電源15の出力電圧値を制御して、電極対13、14への印加電圧を制御する。
次に、上記装置の計測動作について説明する。ここでは、液体試料中に、2種類の異なる粒子S1、S2が混在しているものとする。説明を簡略化するため、S1、S2は同一材料で粒径が異なる(粒径はS1>S2)ものとする。
まず、電極13、14に、電圧を印加しない状態で、光源16から入射光を照射する。液体試料は、粒子S1、S2が拡散し、全体がほぼ均一な状態になっている。このとき、入射光は、直線状電極片13a、13b、14a、14bにより形成される回折格子(以下、周期電極による回折格子(周期d)という)の影響を受け、図3において実線で示すように、周期dの回折条件を満たす角度位置に、−1次、0次、1次、・・・の透過回折光による回折光パターン(基本回折光パターンという)が発生する。
次に、交流電源15により、電極13、電極14間に交流電圧を印加する。液体試料中に粒子S1、S2が存在すると、交流電圧が十分に高い場合には粒子の拡散力より誘電泳動力が勝ることにより、誘電泳動作用が働き、粒子S1、S2は電気力線が集中する領域に移動する。図4は、交流電圧を印加したときの粒子の状態を説明する図である。図に示すように、正極と負極とが隣接することにより電気力線が集中する、直線状電極片14bと直線状電極片13aとの間、あるいは、直線状電極片13bと直線状電極片14aとの間に、粒子が集中するようになり、屈折率が高い粒子集中領域Pが形成される。この屈折率が高い粒子集中領域Pは、格子間隔dの2倍の周期(2d)で発生しており、このときの屈折率分布による周期2dの回折格子を形成する。
入射光は、周期電極による回折格子(周期d)の影響を受けて、基本回折光パターンを発生するとともに、屈折率分布による回折格子(周期2d)の影響を受けて、図3に破線で示すように、周期2dの回折条件を満たす角度位置に、−1次、1次、・・・の透過回折光による回折光パターンが追加された変形回折光パターンを発生する。(ただし、0次透過回折光は、基本回折光パターンにおける0次の回折光と重なる)。
粒子集中による屈折率分布により生じた回折光パターン(図3の破線の±1次光)の回折光強度は、捕集された粒子S1、S2の密度に依存する。したがって、交流印加電圧値を0または十分に小さい値から次第に大きくなるように変化させ、粒子集中領域の粒子密度を変化させ、このときの回折光強度を検出するようにする。
図5および図6は、印加電圧値を変化させながら回折光強度(図3の破線の±1次光)を測定し、印加電圧値の二乗に対してこの回折光強度の変化を示したデータである。なお、図5は、参考とするため粒子S1と粒子S2とを別々に測定したときのデータであり、図6は、2種類の粒子S1、S2が混在する試料液体について測定したデータである。
図5に示すように、粒子S1を含む液体試料では、印加電圧値がA点(第1臨界点)に達すると、誘電泳動による粒子集中が始まり、回折光強度が増加する。そしてC点(飽和点)は、捕集できる粒子S1がすべて捕集され、回折光強度が最大となった状態である。同様に、粒子S2を含む液体試料では、印加電圧値がB点(第2臨界点)に達すると、誘電泳動による粒子集中が始まり、回折光強度が増加する。そしてD点(飽和点)は、捕集できる粒子S2がすべて捕集され、回折光強度が最大となった状態である。
これら2種類の液体試料を適当な比で混合して、同様の測定を行うと図6に示すように回折光強度は図4のA、B、C、D点と同じ電圧値で変曲するようになる。このことから図5においてもA、B点は粒子S1、S2それぞれの臨界点であり、C、D点は粒子S1、S2それぞれの飽和点であることがわかる。
図6の粒子S1の回折光強度が飽和したときの回折光強度値IS1と粒子S2の回折光強度が飽和したときの回折光強度値IS2との和は、液体試料中に存在する粒子S1、粒子S2のすべてを捕集したときの回折光強度である。
粒子S1と粒子S2とが同じ材料であって、屈折率が同じであれば、その混合比率は粒子S1の飽和回折光強度値IS1と粒子S2による飽和回折光強度値IS2との比に比例することになる。
なお、粒子S1と粒子S2との材質が異なるときは、予めそれぞれの粒子S1、S2を単独で含む標準試料を用いて回折光強度に寄与する比である係数を求めておけばよい。
このようにして、印加電圧値を変化させながら回折光強度を測定したときの変曲点(臨界点、飽和点)を求めることにより、混在する粒子を分離して、それぞれの回折光強度を求めることができる。
さらに、予め、標準試料により、回折光強度と濃度、粒径、粒形、結合状態との関係を測定して基礎データを持つことにより、基礎データの比較により、それぞれの粒子についての濃度や結合状態の情報を得ることもできる。
また、上記実施形態では液体中に含まれる粒子は2種類としたが、3種類以上であっても、計算がやや複雑にはなるが、同様の方法で回折光強度を粒子ごとに分離することができる。
また、上記実施形態では、電極対は、正の電極と負の電極とが隣接する部分が、回折格子周期の2倍以上の整数倍の周期で繰り返すようにするために、一定間隔で並ぶ直線状の電極片13a、13bと、直線状電極片14a、14bとが交互に配置されるようにしたが、電極パターンはこれに限られず、他のパターンであってもよい。
本発明は、2種類以上の粒子が混在する液体試料について測定する液体試料中の粒子の光学的測定を行う光学的測定装置などに利用することができる。
本発明の一実施形態である光学的測定装置の構成を示す概略断面図。 図1の光学的測定装置の上面図。 図1の光学的測定装置による回折光パターンを説明する図。 交流電圧を印加したときの屈折率状態を説明する図(上面図)。 本発明の他の一実施形態である光学的測定装置において、交流電圧を印加したときの屈折率分布状態を説明する図(断面図)。 図6の光学的測定装置による回折光パターンを説明する図。
符号の説明
11: 容器
13、14 電極
15: 交流電源
16: 光源
18: 光検出器
20:電圧制御部

Claims (3)

  1. 光源と、印加電圧値を変化することができる交流電源と、液体試料を保持する容器と、容器内の液体試料と接する位置に形成され、光源から光が照射されることにより基本回折光パターンを生じる回折格子と、回折格子の少なくとも一部を構成するとともに、交流電源から交流電圧を印加することが可能な電極対と、電極対に印加する電圧値を変化させる電圧制御部と、回折格子による回折光を検出する光検出器とを備え、
    電極対に電圧を印加して液体試料の屈折率分布を変化することにより、基本回折光パターンとは異なる変形回折光パターンを発生させるとともに、電圧制御部により印加電圧値が連続的に大きくなるように変化させたときの変形回折光パターン強度の変化に基づいて液体試料に関する情報を計測することを特徴とする光学的測定装置。
  2. 電極対は、交流電圧が印加されたときに正の電極と負の電極とが隣接する部分が、回折格子の格子周期の2倍以上の整数倍の周期で繰り返すように配置されることを特徴とする請求項1に記載の光学的測定装置。
  3. 光源と、印加電圧値を変化することができる交流電源と、液体試料を保持する容器と、容器内の液体試料と接する位置に形成され、光源から光が照射されることにより基本回折光パターンを生じる回折格子と、回折格子の少なくとも一部を構成するとともに、交流電源から交流電圧を印加することが可能な電極対と、回折格子による回折光を検出する光検出器とを備え、電極対に交流電圧を印加して液体試料の屈折率分布を変化させて基本回折光パターンとは異なる変形回折光パターンを発生させ、変形回折光パターンから液体試料中の粒子に関する情報を計測する光学的測定方法であって、
    少なくとも2種類の異なる粒子が混在する液体試料を容器内に入れ、
    印加電圧値を次第に大きい電圧値になるように連続的に変化させながら電極対に印加して、そのときの変形回折光パターン強度の変化のデータを光検出器により計測し、
    変形回折光パターン強度の変化のデータに基づいて液体中に含まれる粒子に関する情報を計測することを特徴とする光学的測定方法。
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