JP4793601B2 - 微粒子の誘電泳動の強さ評価方法 - Google Patents

微粒子の誘電泳動の強さ評価方法 Download PDF

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Description

本発明は、粒子径が100nm以下のいわゆるナノ粒子をはじめとする微粒子を対象とする誘電泳動の強さ評価方法に関する。
粒子径が100nm以下の粒子は、一般にナノ粒子と称され、同じ材質であっても通常のバルク物質とは異なる性質を表すことから、さまざまな分野で利用され始めている。このようなことから、微小粒子の性質を評価することが重要となってきている。
微小粒子の評価方法として、誘電泳動法が知られている。誘電泳動現象は電荷を持たない粒子であっても、強い不均一電界をかけることで粒子に電気分極を生起させるとともに、均一でない電界であるが故に分極した正負の電荷に対する引力平衡の崩れで粒子が移動する現象である。誘電泳動の強さには、粒子と媒体のそれぞれの複素誘電率、拡散係数など、粒子の物性に関係する重要な性質が関与しており、従って粒子の誘電泳動感受性を評価することで、粒子や分散媒体物性、およびその相互作用に関する評価を行うことができる。
微小粒子の誘電泳動強さを観察する方法の典型的なものは、泳動中の粒子を顕微鏡で観察する方法である。しかし、粒子のサイズが光学顕微鏡で観察できる限界を下回るナノ粒子では、顕微鏡では粒子を見ることができない。そこで、蛍光体をナノ粒子に化学的に結合させることで、粒子が光学分解以下であっても蛍光発光の強度分布を観察できる方法がある。こうして電極引力によって粒子が引き寄せられる様子を顕微鏡で観察し、粒子の蛍光発光の強度分布をビデオに記録する方法が知られており(例えば非特許文献1,2または3参照)、この映像から誘電泳動の動きと強さを知ることができる。
M.Washizu,S.Suzuki,O.Kurosawa,T.Nishizaka,T.Shnohara,"Molecular dielectophoresis of biopolymers",IEEE Trans.on Industry Applications,vol.30 835-843(1994) Nicolas G. Green and Hywel Morgan, "Dielectrophoresis of Submicrometer Latex Spheres.1. Experimental Results"J.Phys.Chem.B,vol.103,41-50,(1999) 鷲津正夫,川端智久,黒沢修,鈴木誠一 "誘電泳動による生体分子のハンドリング技術と分離技術への応用",電子情報通信学会論文誌 C Vol.J83−C No.1,pp1−8 2000年8月
ところで、以上のような蛍光粒子のビデオ観察を用いる従来の誘電泳動法による粒子の評価方法では、以下に示す3つの欠点がある。
(1)蛍光体を対象粒子に付着させる必要があるということは大きな制約であり、粒子をそのまま測定できないので、ルーチン分析には実際的でないうえに、蛍光体を付着できない場合は適用自体が不可能である。
(2)ビデオ観察では泳動力の定量化が難しい。
(3)更に、最大の困難は、ナノ粒子のような粒子径の小さい粒子の観察に適さないという事実がある。誘電泳動力が粒子径の3乗(すなわち微粒子の体積に比例)に比例するので、粒子径が小さいほど極度に誘電泳動力が小さくなり、検出が困難となる。実際、誘電泳動を扱った報告の殆どが、直径μm程度またはせいぜい100nm程度までで、数十nm以下の粒子の測定は困難であると思われる。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたもので、ナノ粒子を含む微粒子の誘電泳動力を、蛍光体の付着等の前処理を施すことなく、定量的に評価することのできる微粒子の誘電泳動の強さの評価方法の提供をその課題としている。
上記の課題を解決するため、本発明の誘電泳動の強さの評価方法は、媒体中に粒子群を分散させた試料をセル中に収容した状態で、そのセル中に規則的に並ぶ交流電界の分布を形成することにより、媒体中で粒子群を誘電泳動させて当該粒子群の密度分布による回折格子を生成させるとともに、その密度分布による回折格子に対して測定光を照射することにより発生する回折光を検出する動作を同一の試料に対して上記交流電界の周波数を相違させて複数回にわたって行い、その各回折光の検出結果の相違に基づいて、試料の誘電泳動強度もしくは誘電泳動感受性の周波数依存性を評価するによって特徴付けられる。
本発明は、セル内で媒体中に分散する粒子群を、セル内に規則的な、つまり空間周期的な交流電界の形成により誘電泳動させて、粒子群の密度分布による回折格子を生成させ、その回折格子による回折光を計測することによって、媒体とそこに分散している粒子群の組み合わせからなる試料における誘電泳動の強さに係る情報を、信号化して取り出すことを可能とし、粒子に対する蛍光体の付着等の前処理を全く要することなく定量的に誘電泳動の強さを評価するものであり、同一試料に対して交流電界の周波数を相違させてそれぞれ測定を行うことで、誘電泳動強度もしくは誘電泳動感受性の周波数依存性を評価しようとするものである。
すなわち、媒体中に粒子群が移動可能に分散している試料中に、規則的な交流電界を形成することによって粒子群に誘電泳動力を作用させると、粒子群はその交流電界の空間パターンに応じて泳動する結果、電界の空間パターンに対応する粒子群の密度分布が生じ、粒子群の密度分布による回折格子が生成される。その回折格子に対して測定光を照射することによって生じる回折光の強度は、粒子群の密度分布による回折格子の変調の大きさ(コントラスト)に依存するので、この回折光の時間的変化から、回折格子の刻々の生成の状況を把握することができる。回折格子の生成速度は、媒体中の粒子群の誘電泳動力に相関するため、回折光の増え方から、媒体中の粒子群の泳動力を評価することができる。更に、誘電泳動を停止した後の回折光の減衰の速さから、拡散係数を介して粒径情報が得られるため、誘電泳動の強さの粒径補正用のデータも共通の測定から求められる。
ここで、密度分布による回折格子からの回折光の特定の次数(通常は1次光)の強度は、粒子群の周期的な空間変調度の2乗に比例することから、単に1次回折光の強度を測定するだけで良好な感度のもとに粒子群の空間的変調強度を測定できる。
一般に、回折格子の各溝から回折される光は同じ位相で干渉し加算されるので、溝数の2乗で信号が増えることになり、従って本発明方法では溝数を多くすることでその計測の感度が高くなる。従って、粒径の小さい粒子であってもこれらが多数集まって回折格子を形成すれば、検出レベルに達することになる。よって本発明方法によると、従来の誘電泳動の評価方法に比して、蛍光体が不要であり、定量性が増し、更には感度が向上する結果、本来誘電泳動の効果の弱い直径数ナノの微粒子の誘電泳動特性まで計測できることが確かめられている。
ここで、例えば同一の電界条件下で、上記の計測を異なる試料に対して行うことで、各試料の誘電泳動力の相違などを定量的に評価することができる。また、共通の媒体に異なる粒子群を分散させた試料について、同じく同一の電界条件下で上記の計測を行うことで、その媒体に対する各粒子群の誘電泳動力の相違などを定量的に評価することができ、逆に、共通の粒子群を異なる媒体に分散させた試料について、同一の電界条件下で上記の計測を行えば、その粒子群に対する媒体の誘電泳動への寄与を評価することできる。
本発明の方法に用いる装置としては、例えば、媒体中に粒子群を分散させた試料を保持するセルと、交流電源と、その交流電源からの電圧印加によりセル内に規則的に並ぶ電界分布を形成する電極と、上記電界の形成による粒子群の誘電泳動で生じる密度分布に起因する回折格子に対して測定光を照射する光源と、その測定光の上記回折格子による回折光を検出する光検出器を備え、上記電極へ電圧印加の開始後、少なくとも印加を停止もしくは変調するまでの間で、上記光検出器の出力を記録する記録手段を備えた構成のものを用いることができる。
上記した装置におけるセルは、その全体もしくは少なくとも測定光が通過する2枚の壁体は、石英ガラスなどの透明材料によって形成される。電極はそのセルの透明材料からなる壁体の内側に形成する構成を採用することができ、その電極の好適なパターンとしては、複数の互いに平行な直線状の電極片を、その一端部で接続してなる櫛形の電極の一対を、各電極片が相手方の電極片の間に入り込むように配置したパターンを好適に採用することができる。
このような櫛形電極を用いる場合には、各櫛形電極を、少なくとも2本の直線状の電極片が隣接して配置された電極片偏在領域と、電極片の存在しない電極片不在領域とが交互に位置するように形成されたものとし、これらの各櫛形電極が、一方の櫛形電極の電極片偏在領域が、他方の櫛形電極の電極片不在領域に位置するように配置したパターンをより好適に採用することができる。このような電極を用いることにより、交流電圧の印加による交流電界の形成で誘電泳動して捕集される粒子群の高密度領域のピッチは、各電極片のピッチよりも大きくなる。その結果、粒子群の密度分布による回折格子の格子間隔は、電極片が作る回折格子の格子間隔よりも広くなり、これらの各回折格子による回折光の出射方位を相互に異ならせることが可能となり、粒子群の密度分布による回折光を選択的に検出することが可能となり、測定のS/Nを向上させることができる。
本発明の実施の形態の構成図で、光学的構成を表す模式図と電気的構成を表すブロック図とを併記して示す図である。 図1におけるセル1の具体例を示す斜視図と、電極対2に対する電圧の印加のための回路図とを併記して示す図である。 図1におけるセルの模式的部分拡大断面図である。 本発明の実施の形態のセル1内に設けられる電極対2のパターン例の説明図である。 図1の装置を用いて、電極対2に印加する交流電圧の周波数を変化させて、それぞれ粒子群の密度分布による回折格子の生成から消滅に到るまで、回折光強度を計測した結果の例を示すグラフである 図5の時刻0.1秒の点において、周波数を横軸に、回折光強度を縦軸にプロットしたグラフである。 図1の装置を用いて、印加する交流電圧の周波数を一定に保ちつつ、粒子群の密度分布による回折格子の形成時の交流電圧の振幅を変えて繰り返しトレースした結果を示すグラフである。 図7における時刻2秒の点における回折強度度号(検出電圧)の高さをプロットしグラフである。
1 セル
2 電極対
21,22 電極
21a,22a 電極片
21b,22b 接続部
3 電極電源
4 照射光学系
5 検出光学系
6 装置制御及びデータ取込み・処理装置
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明は、以下に説明するような実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の態様が含まれることはいうまでもない。更に、以下の説明では、泳動力について粒子を吸引により捕集する正の泳動力を前提に説明するが、反発力を有する負の泳動力の場合にも電極付近に周囲よりも粒子密度が低くなる粒子密度変調が形成され、同様に回折格子として機能する。
装置は、その全体構成を表す図1に示すように、粒子群が移動可能に分散した試料、例えば液体中に粒子が分散した試料や、粒子が移動可能に分散したゲルからなる試料を収容するためのセル1と、このセル1内に設けられている電極対2に対して電圧を印加する電極電源3と、セル1に対して光を照射する照射光学系4と、電極対2への電圧の印加によりセル1内に生じる粒子群の密度分布による回折格子からの回折光を測定する検出光学系5、および、装置全体を制御するとともに、検出光学系5からの出力を増幅器6aを介して取り込んでデータ処理を施す装置制御およびデータ取り込み・処理装置6を主たる構成要素としている。
セル1は、図2の斜視図と、図3の模式的な拡大断面図を示すように、少なくとも互いに平行で、かつ、それぞれ透明材料からなる壁体11,12を有し、その一方の壁体11の表面(内面)に電極対2が形成されている。
電極対2は、図4に示すように、電極21,22として、それぞれ互いに平行な複数の電極片21aまたは22aと、これらの各電極片21aまたは22aを相互に電気的に接続する接続部21b,22bを有する櫛形の電極によって構成している。また、各電極21,22はそれぞれ2本の直線状の電極片21aまたは22aが互いに隣接配置された電極偏在領域と、電極片が存在しない電極不存在領域を交互に成形した形状をとる。そして、一方の電極片偏在領域の2本の電極片21aまたは22aが、他方の電極片不存在領域に入り込んだ状態とし、全体として各電極片21aと22aが、一定の間隔を開けて互いに平行に2本ずつ交互に位置した状態となっている。
以上の電極対2には、電極電源3からの交流(高周波)電圧が印加され、この電圧の印加によりセル1に収容されている試料内に電界分布が発生し、その電界分布により、後述するように試料中の粒子群が泳動し、粒子群の密度分布による回折格子が生成される。電極電源3の出力電圧、従って電極対2に対する印加電圧は、装置制御およびデータ取り込み・処理装置6により後述するように制御される。
照射光学系4は、ほぼ単色化された光を概略平行光束に整形した状態で出力し、その出力光はセル1の電極対2の形成面に向けて照射される。照射光学系4の光源は、レーザ、LEDなどの単色光のみを放射するものが簡便であるが、連続波長光源をバンドパスフィルタや分光器などで疑似単色化した光でもよく、例えば可視波長領域ではスペクトルバンド幅は数十nm程度以下であればよい。
検出光学系5は、照射光学系4からの光のうち、セル1内の粒子群の密度分布による回折格子で回折した例えば1次の回折光が出射される方位に配置される。この検出光学系5は、例えばピンホール5aと光検出器5bによって構成される。この検出光学系5によって、セル1内の粒子群の密度分布による回折格子による回折光強度の変化が時系列に計測される。なお、セル1から各次数の角度でもって出射される平行な回折光を集光レンズで集光すると、集光レンズの焦点位置に、いわゆるフラウンホーファ条件の各次数の回折スポットができるから、必要な次数位置にピンホールと検出器を配置してその強度を検出してもよい。
以上の構成において、電極対2を構成する各電極21、22間に、交流電圧を印加すると、その電極パターンに応じた電界の分布がセル1中の試料内に形成され、その電界の分布に基づく誘電泳動により、粒子群の密度分布が生じる。すなわち、図4の電極対2において、逆極性の電極片が隣接している部分、つまり図4に示されるように、一方の電極21の電極片21aと他方の電極22の電極片22aとが隣接している部分に、粒子の高密度領域Pが形成される。この粒子群の高密度領域Pは、電極片21aと22aと平行に、かつ、電極片21aまたは22aの配設ピッチの2倍のピッチで空間的に繰り返し形成されることになり、その複数の粒子群の高密度領域Pにより回折格子が生成される。
このような粒子群の密度分布による回折格子に対して照射光学系4からの光を照射することにより、この光はその回折格子によって回折を受ける。ここで、この粒子群の密度分布による回折格子の格子間隔は、電極片21a,22aが作る回折格子の格子間隔の2倍となって、両者の格子定数が相違することになり、粒子群の密度分布で作られる回折格子の格子定数で決まる特定次数の回折光については、電極片21a,22aで作られる回折格子による回折光が存在しない方位に出現する。
すなわち、この実施の形態においては、粒子の密度分布で形成される回折格子による〔2m+1〕次回折光(mは整数)については、電極片で形成される回折格子による回折光が存在しない方位に形成される。従って、その方位に検出光学系5を配置することにより、その検出光学系5による検出光は、密度回折格子によらない背景光が低く抑えられ、背景光の揺らぎや背景光によるショットノイズが低く抑えられる結果、良好なS/Nのもとに粒子群の密度分布による回折格子からの回折光を計測することができる。従って、密度分布による回折格子からの回折光のうち、例えば1次の回折光を計測することにより、電極片からの強い回折光を避け、目的とする粒子群の密度分布による回折格子からの回折光のみを抽出することができ、前記したように、回折格子の各溝から回折される光は同じ位相で干渉して加算されるが故に、溝数の2乗で信号が増える効果が、電極片21a,22aからの強い回折光に邪魔されることなく計測できる結果、弱い誘電泳動でも感度よく計測することができる。
さて、誘電泳動現象の強さは、印加する交流電圧の周波数に依存すること、および、周波数依存性が、粒子と粒子の分散媒体の電磁気学的性質である複素誘電率に依存することが知られている。そこで、これを使って粒子と、その分散媒体の性質解析に応用できる。 図5は、直径8nmのシリカ粒子を媒体としての水に分散させた試料を測定した結果を示すものであり、図1の装置を用いて、電極対2に印加する交流電圧の周波数を200KHz〜500KHzまでの10種の周波数に変化させて、それぞれ粒子群の密度分布による回折格子の生成から消滅に到るまで、回折光強度を計測した結果の例を示すグラフである。図5において、時刻0.2秒までが交流電圧を印加した時間帯、つまり誘電泳動ONの時間帯であり、この間に粒子群が周期的に集まって密度分布による回折格子を形成する。0.2秒以降は交流電圧の印加を停止した結果、一旦形成された粒子群の密度分布による回折格子が粒子の拡散現象によって指数的に緩和していく様子が観察される。
周波数を変える測定は極めて簡単である。実測によると交流電圧の印加/停止を繰り返しても媒体中の粒子が変化することは少ないようで、比較的再現性が保たれていた。従ってセル1中に媒体中に粒子群を分散させて試料を保持した状態で、電圧印加/停止を周波数を順次変えながら繰り返すことで、図5のようなデータを容易に採取することができる。
図5の時刻0.1秒の点において、周波数を横軸に、回折光強度を縦軸にプロットしたものが図6のグラフであって、周波数依存性の表示の一例である。一般に光学理論により回折格子の変調振幅と回折光が作る電場が比例し、回折光の強度はその電場の2乗に比例することが知られている。言い換えれば、回折光強度の平方根が回折格子の変調振幅に比例する。従って、この実施の形態において生成される密度格子の回折光強度の平方根は、誘電泳動によって形成された粒子群の密度分布による回折格子の振幅に比例することになる。この図6は、周波数対密度振幅の関係図であり、縦軸をその平方根に換算すれば誘電泳動の効果を定量的に表す指標の一つとなる。こうして図6の周波数依存性から、後に示すように粒子本来の電気光学特性である複素誘電率に関する情報を得ることができる。
図7は、印加する交流電圧の周波数を一定(500Hz)に保ちつつ、粒子群の密度分布による回折格子形成時の印加交流電圧の振幅をピーク・ツー・ピーク値で12Vから20Vまで2Vごとに変えて繰り返しトレースした結果を示すグラフである。高い電圧ほど当然のことながら回折格子の変調は大きくなるから、信号の絶対値が大きいが、電圧の印加を停止してから以降の指数的な減衰部分は殆ど平行になっている。すなわち、電圧の印加を停止すれば誘電泳動は関係なくなり、粒子群は単純に拡散現象によって元の平衡状態に戻るから、戻り方(減衰係数)は拡散係数Dできまるからである。従って、図7における時刻の適当な一点における回折信号の大きさを、粒子群の密度分布による回折格子の形成時の電圧に対してプロットすれば、図8を得る。この図8は、図7における時刻2秒の点における信号(検出電圧)の高さをプロットしたものであって、この図8から、回折信号はあるしきい値電圧までは発生せず、しきい値を越えると急に立ち上がる特性を持つ。この理由は次の(1)式で表される誘電泳動のポテンシャルφdep と、熱運動のエネルギkTとの大小関係が関係している。
Figure 0004793601
ただし、式(1)において、aは粒子の半径、em は分散媒体の誘電率、ωは角周波数で、格子形成に使う交流の周波数のfの2π倍である。
Figure 0004793601
は、いわゆるクラウジュースモソティの係数K* (ω)の実部で、K* (ω)は下記の(2)式で与えられる量である。
Figure 0004793601
ただし、εp * とεm * は粒子および媒体の複素誘電率であり、それぞれ
Figure 0004793601
で与えられる。
なお、(2)式の*印は複素数であることを表し、(3)式のεp とεm はそれぞれ粒子と媒体の誘電率、σp とσm はそれぞれ粒子と媒体の導電率、jは虚数単位、ωは印加する高周波の角周波数である。
図6で示した周波数fへの依存性は、(1)式に現れているK* (ω)に関係している。角周波数ω=2πfであって、式のεp * εm * に含まれるωを介して、K* (ω)に繋がっていることが判る。すなわち、周波数fへの依存性から、K* (ω)の形が予測できることになる。
次に、図8を評価するのにも(1)式が関係する。(1)式の誘電泳動のポテンシャルφdep が熱運動のエネルギkTを上回るときに、はじめて誘電泳動が観察され、粒子群の密度分布による回折格子が誘起されるわけだから、誘電泳動のしきい値が存在する。前記した図8はしきい値とその立ち上がり方を示すから、前述の図6の周波数特性をも含めて(1)式で表される粒子と分散媒体の複素誘電率を関係づけることができる。
従って、図1に示す装置によって、周波数と印加電圧を順次変えながら1つの試料に対して図5,図7のような多数のトレースを短時間に自動的に得ることができ、これを周波数と印加電圧(電界の強さ)の図に変換表示することで、ナノ粒子と分散媒体の性質に関する情報を取得することができる。
また、(2)式で示されるK* (ω)は一般に複素数であるが、その実部は、粒子と媒体の複素誘電率εp * εm * に依存して、正になったり負になったりする。この量の正負が、粒子を吸引により捕集する正の泳動力と、反発力となって現れる負の泳動力に対応するが、いずれの場合にも、密度回折格子の手法が適用できる。
また、以上の説明においては、粒子群の密度分布の生成過程における信号を利用したが、これに加えて、電極対2に対して交流電圧の印加を停止した後の回折格子の緩和速度も同時に利用することができる。
すなわち、電極対2に対して交流電圧を印加して、粒子群の密度分布による回折格子を生成させた後、その電圧の印加を停止すると、粒子群は拡散を開始し、やがて回折格子は消滅する。この格子の緩和による回折光強度の指数減衰は、減衰前の強度をI0 、時刻tにおける強度をIとして、
Figure 0004793601
によって表すことができる。ただし、Λは密度分布による回折格子の格子間隔、Dは粒子の拡散係数である。
前記した図5において、電圧印加を停止して誘電泳動を停止させた時刻0.2秒以降の信号強度の減衰係数、2(2π/Λ)2 Dから、拡散係数Dが求められ、更にDからアインシュタイン−ストークスの関係式
Figure 0004793601
を用いて粒子の半径aを求めることができる。ただし(5)式において、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、ηは媒体の粘性係数である。粒子半径aが得られると、誘電泳動の電界強度依存性を表す(1)式の誘電泳動力ポテンシャルφdep に、aの3乗が含まれているので、aの3乗で電界強度依存性を補正することで、(1)式の粒径以外の要因の情報を抽出できる。
要約すると、上述した回折格子生成と減衰の組み合わせ測定法の特徴は、粒径が未知のナノ粒子に対しても、図5の後半の減衰項から粒径を得ると同時に、格子形成における周波数依存性あるいは電界強度依存性から誘電泳動の特性を求めるという2種の情報が一度に得られるという、極めて効率的な評価が可能となる点にある。
本発明によれば、粒子に対して蛍光体を付着させることなく、誘電泳動の評価を行うことができ、回折光を計測するだけの簡単な測定よく、測定の定量性を増すことができる。しかも、誘電泳動の計測の最大の課題であった感度を向上させることができ、本来、誘電泳動の効果の弱い直径数nmの微粒子の誘電泳動特性まで計測することが可能となる。
また、粒子群の密度分布による回折格子の消滅過程での情報から、粒子の粒径の判定を同じ装置で行うことができるため、誘電泳動の強度を粒径による補正を含めた解析が可能となる。
粒子の誘電泳動力を定量的に評価できることは、バイオテクノロジーにおけるタンパク粒子や高分子の評価や、粉体分野などにおいて極めて有用であり、本発明方法および装置は、これらの分野における各種研究・開発における重要な測定ツールとして期待できる。

Claims (1)

  1. 媒体中に粒子群を分散させた試料をセル中に収容した状態で、そのセル中に規則的に並ぶ交流電界の分布を形成することにより、媒体中で粒子群を誘電泳動させて当該粒子群の密度分布による回折格子を生成させるとともに、その密度分布による回折格子に対して測定光を照射することにより発生する回折光を検出する動作を同一の試料に対して上記交流電界の周波数を相違させて複数回にわたって行い、その各回折光の検出結果の相違に基づいて、試料の誘電泳動強度もしくは誘電泳動感受性の周波数依存性を評価することを特徴とする誘電泳動の強さ評価方法。
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