JPWO2008132831A1 - 投写型表示装置 - Google Patents
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Abstract
光源1と、入力信号に応じて出射光の進行方向を制御する反射型ライトバルブ9と、光源からの光を照明光として反射型ライトバルブに集光する照明光学系2、3、4、6aと、反射型ライトバルブからの出射光を投写する投写レンズ10と、照明光学系の瞳の位置に配置され光源からの光の一部を遮光する第1絞り7と、投写レンズの瞳の位置に配置され反射型ライトバルブからの出射光の一部を遮光する第2絞り8を備える。照明光のうち反射型ライトバルブの表面により反射された光が投写レンズの瞳に入射する不要光を、第1絞りと第2絞りの組み合わせにより遮光する。第1絞りの遮光領域は、照明光学系の瞳の不要光の範囲に対応する領域を弦方向の線で分割して得られる外周側の分割領域に対応し、第2絞りの遮光領域は、中心側の分割領域に対応する形状及び配置に設定される。投写レンズに入射する不要光を効率良くカットして、高い輝度性能を得る。
Description
本発明は、ライトバルブ上に形成された光学像をスクリーン上に拡大投写する投写型表示装置に関する。
大画面映像を得るための方法として、ライトバルブ上に映像信号に応じた光学像を形成し、その光学像に光を照射し、投写レンズを用いてスクリーン上に拡大投写するプロジェクターなどの投写型表示装置が知られている。
このような投写型表示装置においては、ライトバルブとして反射型ライトバルブを用いることで、高い解像度と高い画素開口率とを両立させることができ、光利用効率の高い高輝度の投写画像を表示することが可能となる。
図4に、上述したような反射型ライトバルブを用いた従来の投写型表示装置における光学系の構成図を示す。このような構成は、例えば、特許文献1に開示されている。
図4において、光源としてのランプ1から放射される光は、凹面鏡2、ロッドプリズム3、及びコンデンサレンズ4から構成される照明光学系により、全反射プリズム6aを介して反射型ライトバルブ9上に集光される。ロッドプリズム3は、断面が四角柱状であり、反射型ライトバルブ9の有効表示面と略同じアスペクト比を有する。凹面鏡2とロッドプリズム3の間には、カラーホイール5が配置されている。反射型ライトバルブ9により反射された光は、色分離合成光学系であるダイクロイックプリズム6bを経て、投写レンズ10によりスクリーン(図示せず)上に投写される。
凹面鏡2は、反射面の断面形状が楕円形をなしており、第1焦点と第2焦点を有している。そして、ランプ1の発光体の中心が凹面鏡2の第1焦点付近に位置し、ロッドプリズム3の光入射面が第2焦点付近に位置するように配置されている。凹面鏡2は、ガラス製機材の内面に、赤外光を透過させ、可視光を反射させる性質を有する光学多層膜を形成した部材により構成される。
ランプ1から放射された光は、凹面鏡2によって反射及び集光され、凹面鏡2の第2焦点においてランプ1の発光体像を形成する。ランプ1の発光体像は、光軸に近い中心付近が最も明るく、周辺ほど急激に暗くなる傾向にあるため、そのままでは輝度が不均一である。
この問題に対し、第2焦点付近にロッドプリズム3の入射面を配置し、ロッドプリズム3の側面で入射光を多重反射させて輝度の均一化を図っている。こうすることで、ロッドプリズム3の出射面を2次面光源とし、以降に配置されているコンデンサレンズ4によって、反射型ライトバルブ9上に結像させることにより、照明光の均一性を確保する。
カラーホイール5は、3原色のうち、1色のみを透過する3種類のカラーフィルタを組み合わせて構成したものである。凹面鏡2の第2焦点付近に配置されたカラーホイール5によって、ランプ1から出力される白色光は、赤・緑・青の3原色に時分割される。すなわち、カラーホイール5を回転させることによって、赤・緑・青の3原色の光が順次、反射型ライトバルブ9上に時分割で照射される。それにより、1つの表示素子(反射型ライトバルブ9)を用いて、フルカラーの投写画像を表示できる。
照明光学系の瞳の位置には、後に説明する不要光を取り除くために、絞り11が設置されている。この絞り11は、照明光学系の光軸に対し、開口の重心が偏心して配置されている。その理由は、必要光の遮光を抑えて明るさの低下を最小限に抑えながら、コントラスト性能を向上させるためである。
次に、反射型ライトバルブ9の構成および動作について、図5A〜図5Cを参照して説明する。一般に反射型ライトバルブ9は、映像信号に応じて光の進行方向を制御し、反射角の変化として光学像が形成されるものである。図5A〜図5Cは、従来の投写型表示装置における反射型ライトバルブの構成及び動作を説明するための断面図である。
この反射型ライトバルブ9は、DMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)と称するもので、画素ごとにミラー素子12がマトリックス状に形成されている。各ミラー素子12はそれぞれ、投写レンズ10(図4参照)の光軸と垂直な基準平面13に対する傾斜角が、白表示のためのON信号及び黒表示のためのOFF信号に応じて制御される。そして、照明主光線15は、カバーガラス14を透過した後、ミラー素子12に入射し反射されて、再びカバーガラス14を透過して出射する。
ON信号時には図5Aに示すように、ミラー素子12は基準平面13に対して+θ゜の角度を持つように制御される。照明主光線15の入射角は、その際、ON光主光線16が基準平面13と垂直な方向、すなわち投写レンズ10の光軸に沿った方向に反射されるように設定される。従って、照明主光線15とON光主光線16とのなす角度は2θとなる。
OFF信号時には図5Bに示すように、ミラー素子12は基準平面13に対して−θ゜の角度を持つように制御される。このとき、照明主光線15とOFF光主光線17とのなす角度は6θとなる。それによりOFF光主光線17は、投写レンズ10に入射しない方向に反射し進行する。
また、図5Cに示すように、照明光がカバーガラス14の表面により反射されたフラット光18が発生する。ON、OFF信号時に関わらず、照明主光線15とフラット光18の主光線とのなす角度は4θとなる。フラット光18は、ON、OFFいずれの信号時においても、その一部が投写レンズ10に入射する。そのため、特に黒表示であるOFF信号時において、フラット光18がコントラスト性能を大きく劣化させてしまうという問題点があった。
次に、図6の照明光学系の入反射説明図を参照して、フラット光18がコントラスト劣化の原因となる理由について説明する。図6において、反射型ライトバルブ9に入射する光線のうちで照明光の光軸との傾きが最大になる光線の角度を、照射角θaとする。すなわち、照明光は、照明主光線15を中心とする照射角θaの範囲から反射型ライトバルブ9に入射する。19は照明光学系の瞳、20は投写レンズ10の瞳を示す。21は、投写レンズ10の瞳20に対応する位置におけるフラット光18のスポットを示す。
反射型ライトバルブ9により、照明主光線15との間で角度2θをなす方向に反射されたON光主光線16は、投写レンズ10に瞳20を経て入射しスクリーンに映し出される。一方、フラット光18は、照明主光線15との間に角度4θをなす方向に反射型ライトバルブ9から反射される。
ここで、照射角θaがθ以上となった場合、フラット光18の一部は、不要光22として投写レンズ10に入射する。投写レンズ10の瞳20にフラット光18のスポット21が重なる範囲が、不要光22に対応する。不要光22は、特にOFF信号時においてコントラスト性能を大きく劣化させてしまう。
一般的に反射型ライトバルブを備えた投写型映像装置では、高い光の利用効率を得るために、照明光学系の照明F値を小さくするため、照明角θaはθより大きい値となる。
そこで、不要光22をカットするために、図4に示したように絞り11を照明光学系の瞳の位置に配置する。図6に示すように、照明光学系の瞳19における絞り11の遮光領域23の配置は、反射型ライトバルブ9によりフラット光18として反射されたスポット21中で、不要光22の領域に対応するように設定される。
絞り11の遮光領域23の形状は、不要光22の領域の形状に対応している。不要光22の領域は、投写レンズ10の瞳20にフラット光18のスポット21が重なる範囲、すなわち、2つの円の交わる領域である。従って、遮光領域23は図7に示すように、照明光学系の瞳19の外周と同じ曲率を有する2つの円弧で囲まれた両凸レンズ形を有する。以下の記載では、この形状を単に「レンズ形」と称する。
瞳19における遮光領域23の配置は、構造的には以下のとおりである。すなわち、遮光領域23は、レンズ形の一方の円弧を瞳19の領域の外周に沿わせて配置される。レンズ形の対称軸は、照明主光線15とON光主光線16を含む面と瞳19の面の交線の方向に向けられる。そして、瞳19の直径の両端のうち、反射型ライトバルブ9に入射する直前の位置で、ON光主光線16に近くなる側に配置される。
この遮光領域23により、投写レンズ10の瞳20に対する不要光22の入射を排除することができる。すなわち、照明主光線15を中心とする照射角θaの照明光のうち、不要光22となる範囲の照明光の反射型ライトバルブ9への入射が、絞り11の遮光領域23により阻止されるからである。
特開2004−94262号公報
瞳における輝度分布は、光軸に近い中心付近が最も明るく、周辺ほど急激に暗くなるという特性を持っている。従って、上記レンズ形の形状を持つ絞り11の遮光領域23は、図7の遮光状態説明図に示すように、光軸近傍の高い輝度分布の光束を遮光してしまうことになる。そのため、大きな輝度損失が発生していた。
本発明は、上記問題点を解決するために、絞り形状を最適化して、投写レンズに入射するフラット光の不要光を効率良くカットしながら、高い輝度性能を持つ投写型表示装置を提供することを目的とする。
本発明の投写型表示装置は、光源と、入射光に対する出射光の進行方向の関係を入力信号に応じて制御する反射型ライトバルブと、前記光源からの光を照明光として前記反射型ライトバルブに集光する照明光学系と、前記反射型ライトバルブからの出射光を投写する投写レンズと、前記照明光学系の瞳の位置に配置され前記光源からの光の一部を遮光する第1絞りとを備える。前記第1絞りは、前記照明光のうち前記反射型ライトバルブの表面により反射された光が前記投写レンズの瞳に不要光として入射する範囲に対応する前記照明光学系の瞳の領域の一部に対する遮光領域を有する。
上記課題を解決するために、本発明の投写型表示装置は、前記投写レンズの瞳の位置に配置され前記反射型ライトバルブからの出射光の一部を遮光する第2絞りを更に備え、前記第1絞りの遮光領域は、前記照明光学系の瞳の前記不要光の範囲に対応する領域を弦方向の線で分割して得られる2つの分割領域のうち、外周側の前記分割領域に対応し、前記第2絞りの遮光領域は、中心側の前記分割領域に対応する形状を有するとともに、当該中心側の分割領域に対応する位置に配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、不要光の遮光特性は確保しながら、照明光の第1絞りによる光損失を減らすことができ、コントラストの低下を抑制して、プロジェクターなどの投写型表示装置における高輝度化を図ることが可能である。
1 ランプ
2 凹面鏡
3 ロッドプリズム
4 コンデンサレンズ
5 カラーホイール
6a 全反射プリズム
6b ダイクロイックプリズム
7 第1絞り
8 第2絞り
9 反射型ライトバルブ
10 投写レンズ
11 絞り
12 ミラー素子
13 基準平面
14 カバーガラス
15 照明主光線
16 ON光主光線
17 OFF光主光線
18 フラット光
19 照明光学系の瞳
20 投写レンズの瞳
21 フラット光のスポット
22 不要光
23 遮光領域
24、24a、24b 遮光領域
25、25a、25b 遮光領域
2 凹面鏡
3 ロッドプリズム
4 コンデンサレンズ
5 カラーホイール
6a 全反射プリズム
6b ダイクロイックプリズム
7 第1絞り
8 第2絞り
9 反射型ライトバルブ
10 投写レンズ
11 絞り
12 ミラー素子
13 基準平面
14 カバーガラス
15 照明主光線
16 ON光主光線
17 OFF光主光線
18 フラット光
19 照明光学系の瞳
20 投写レンズの瞳
21 フラット光のスポット
22 不要光
23 遮光領域
24、24a、24b 遮光領域
25、25a、25b 遮光領域
本発明の投写型表示装置は、上記構成を基本として、以下のような態様をとることができる。
すなわち、前記反射型ライトバルブは、映像信号に応じて光の反射方向を制御する複数のミラー素子がマトリックス状に配列されたものであることが好ましい。
また、前記第1絞りの遮光領域は、2つの円弧によって囲まれた凸レンズ形がその両頂点を結ぶ線に平行な直線で分割された分割領域の一方の形状を有し、前記第2絞りの遮光領域は、他方の前記分割領域の形状を有することが好ましい。
また、前記第1絞りと前記第2絞りの入射側表面には、入射する光が少なくとも80%以上反射される金属又は誘電体多層膜による反射鏡が形成されていることが好ましい。
また、前記照明光学系はロッドプリズムを有し、周辺照度が、中心照度に対して90%以上となるようにロッドプリズムの長さが設定されていることが好ましい。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。
(実施の形態)
図1は、本発明の一実施の形態にかかる投写型表示装置の光学系の構成図である。図1において、光源としてのランプ1、凹面鏡2、ロッドプリズム3、コンデンサレンズ4、カラーホイール5、ダイクロイックプリズム6、反射型ライトバルブ9、及び投写レンズ10の構成は、図4に示した従来例と同様である。
図1は、本発明の一実施の形態にかかる投写型表示装置の光学系の構成図である。図1において、光源としてのランプ1、凹面鏡2、ロッドプリズム3、コンデンサレンズ4、カラーホイール5、ダイクロイックプリズム6、反射型ライトバルブ9、及び投写レンズ10の構成は、図4に示した従来例と同様である。
本実施の形態においては、図4に示した従来例の絞り11に代えて、照明光学系の瞳の位置に設置された第1絞り7と、投写レンズ10の瞳の位置に設置された第2絞り8の組み合わせにより、フラット光を遮光する機能を持たせる。第1絞り7と第2絞り8の構成については、後述する。
反射型ライトバルブ9は、図5に示した従来例のように、画素ごとにマトリックス状に形成されたミラー素子12を備え、映像信号に応じて光の進行方向を制御することによって、反射角の変化に応じて光学像を形成する。
また、凹面鏡2は、反射面の断面形状が楕円形をなす楕円面鏡で構成されており、第1焦点と第2焦点を有している。ランプ1としては高圧水銀ランプが用いられ、発光体の中心が凹面鏡2における第1焦点付近に位置するように配置されている。ロッドプリズム3は、その光入射面が凹面鏡2における第2焦点付近に位置するように配置されている。
ロッドプリズム3は、光の入射面及び出射面が、反射型ライトバルブ9の有効表示面と同じアスペクト比を有する四角柱形状を有している。ロッドプリズム3は、ランプ1からの放射光が集光される場所に配置されるため、材質は耐熱性に優れる石英ガラスが好ましい。
ロッドプリズム3の入射面付近に、凹面鏡2によって集光されたランプ1の発光体像が形成される。凹面鏡2によって集光されたランプ1の発光体像は、光軸に近い中心付近が最も明るく、周辺に向かうにつれて急激に暗くなる傾向にある。そのため、そのままでは面内の輝度は不均一である。これに対し、ロッドプリズム3に入射した光線束は、ロッドプリズム3の側面で多重反射され、反射回数分だけ発光体像が細分割及び重畳されて照明されるので、ロッドプリズム3の出射面においては輝度が均一化される。
このように、ランプ発光体像の細分割及び重畳効果によって、ロッドプリズム3内で反射される回数が多いほど均一性が向上するので、均一性の度合いはロッドプリズム3の長さに依存する。本実施の形態においては、スクリーン上の周辺照度が中心照度に対して90%以上となるように、ロッドプリズム3の長さが設定される。
このように、輝度が均一化されたロッドプリズム3の出射面を2次面光源とし、以降に配置されているコンデンサレンズ4によって、反射型ライトバルブ9の有効表示面積とマッチングする倍率で結像させる。それにより、集光効率の確保と均一性の向上を両立させることが可能となる。
また、ランプ1から出力される白色光は、凹面鏡2の第2焦点付近に配置されたカラーホイール5を回転させることによって、赤・緑・青の3原色として順次透過し、反射型ライトバルブ9上に時分割で照射される。それにより、1つの反射型ライトバルブ9でフルカラーの投写画像を表示できる。
また、図5A〜図5Cの従来例と同様、ランプ1から放射される光は、照明光学系によって集光され、反射型ライトバルブ9に入射する。図5Aに示したように、反射型ライトバルブ9に入射した照明主光線15のうち、白表示のために反射されたON光主光線16は、投写レンズ10に入射してスクリーン上(図示せず)に拡大投写される。一方、図5Bに示したように、黒表示に相当するOFF光主光線17は、投写レンズ10の有効径の外側へと進行して、スクリーンには到達しない。
次に、図2の照明光学系の入反射説明図を参照して、照明光学系の瞳19の位置に配置されている第1絞り7、及び投写レンズ10の瞳20の位置に配置されている第2絞り8の形状と、不要光22の遮光の関係について説明する。図2において、照明主光線15の反射型ライトバルブ9に対する入反射の関係は従来例の図6と同じであるため、同一の要素には同一の参照符号を付して、説明を省略する。
第1絞り7の遮光領域24は、従来例の図6に示した絞り11と配置は同様であるが、形状が異なる。すなわち遮光領域24は、従来のレンズ形の遮光領域の形状を瞳19の外形の弦方向の線、すなわちレンズ形の両頂点を結ぶ線に平行な線で分割した外周側の分割領域の形状を有する。従って、従来例の絞り11から中心側の分割領域が削除された形状である。
一方、第2絞り8の遮光領域25は、従来のレンズ形の遮光領域から、第1絞り7の遮光領域24が切り取られた残りに対応する形状を有する。その配置は、投写レンズ10の瞳20における不要光22に対応する領域の外周側に設定される。第1絞り7の遮光領域24は、フラット光18における不要光22の領域の外周側に対応するので、瞳20においては中心側となる。従って、第1絞り7の遮光領域24と第2絞り8の遮光領域25を組み合わせた遮光領域は、従来の絞り11と同様、不要光22の領域全体に対応する。
但し、第1絞り7の遮光領域24、及び第2絞り8の遮光領域25は、必ずしも不要光22の領域を完全に覆う必要はない。不要光22の領域に対して遮光領域が若干欠けたとしても、実質的に十分な効果を得ることが可能である。
このように、第1絞り7と第2絞り8の組み合わせた遮光領域による不要光22に対する遮光量は、従来の照明光学系に配置された絞り21の遮光領域による遮光量と同等である。しかし、照明光学系の瞳19と投写レンズ10の瞳20のそれぞれにおいて、光束の周辺から分割して絞ることにより、輝度の高い光束中心の光を遮光することなくON光に含ませて、しかもフラット光18の不要光22を遮光できる。その結果、コントラスト性能は同等で、輝度損失が少なくなるため、従来よりも輝度を向上させることができる。
以上のように、第1絞り7の遮光領域24と第2絞り8の遮光領域25は、各々の対称軸が照明主光線15とON光主光線16を含む面と一致するように配置される。第2絞り8の遮光領域25は、瞳20の直径の両端のうち、フラット光18に近い側への配置となる。
次に、第1絞り7と第2絞り8の構成について、図3A〜図3Cの遮光状態説明図を参照して説明する。図3Aは、照明光学系の瞳の位置にだけ絞りが配置されたときの遮光状態を示すものであり、従来例の図7で説明したものと同じものである。当然、投写レンズの瞳の位置には絞りは配置されていない。図3B、図3Cは、本実施の形態の遮光状態を示している。
図3A(a)は、照明光学系の瞳19に対する従来例の絞り11による遮光領域23を示す。図3B、図3Cの(a)は、本実施の形態の第1絞り7による照明光学系の瞳19に対する遮光領域24a、24bを示す。図3A(b)は、投写レンズ10の瞳20を示すが、この場合、瞳20に対する遮光領域はない。図3B、図3Cの(b)は、投写レンズ10の瞳20に対する第2絞り8による遮光領域25a、25bを示す。
第1絞り7の遮光領域は、レンズ形をその両頂点を結ぶ直線に平行な直線で分割して得られる分割領域のうちの一方の形状を有する。すなわち、図3B(a)に示すような円の弦と弧により囲まれた弓形の遮光領域24aか、または、図3C(a)に示すようなレンズ形の一部が弓形に切り取られた形状の遮光領域24bが用いられる。削除されるのは瞳19の中心側であり、外周側の分割領域が用いられる。
第2絞り8は、レンズ形から第1絞り7が切り取られた残りに対応する形状の遮光領域25a、25bを有する。すなわち、図3Aに示す従来の遮光領域23を、図3B、図3Cに示すように、第1絞り7と第2絞り8で分割し、遮光領域24a、25a、あるいは遮光領域24b、25bが組み合わせて使用される。
図3Cの遮光領域24b、25bは、図3Bの遮光領域24a、25aに比べて、光束の遮光率について第2絞り8の重みを小さくした態様である。いずれの場合も、第1絞り7の遮光面積と第2絞り8の遮光面積の和は、従来の照明光学系に配置される絞り11の遮光面積と同じになることが望ましい。
このように遮光領域を分割すれば、輝度の高い光束中心付近の光は遮光せず、周辺を遮光するため、輝度損失が少なくなり、従来と比べ、輝度が向上する。
なお、一般的に投写レンズに絞りが配置された場合、絞りが光を吸収し、レンズ鏡等の熱伸縮を発生させ、フォーカス性能を引き起こす恐れがある。その場合は、投写レンズ性能に問題が発生しない程度に投写レンズの絞り量を決定すればよい。
また、照明光学系の絞りと投写レンズの絞りの表面には、入射する光が80%以上反射される金属又は誘電体多層膜による反射膜が形成されることが望ましい。
本発明の投写型表示装置は、不要光を遮光する絞りによる光損失を低減させて、コントラストの低下を抑制できるので、プロジェクターなどの投写型表示装置に有用である。
本発明は、ライトバルブ上に形成された光学像をスクリーン上に拡大投写する投写型表示装置に関する。
大画面映像を得るための方法として、ライトバルブ上に映像信号に応じた光学像を形成し、その光学像に光を照射し、投写レンズを用いてスクリーン上に拡大投写するプロジェクターなどの投写型表示装置が知られている。
このような投写型表示装置においては、ライトバルブとして反射型ライトバルブを用いることで、高い解像度と高い画素開口率とを両立させることができ、光利用効率の高い高輝度の投写画像を表示することが可能となる。
図4に、上述したような反射型ライトバルブを用いた従来の投写型表示装置における光学系の構成図を示す。このような構成は、例えば、特許文献1に開示されている。
図4において、光源としてのランプ1から放射される光は、凹面鏡2、ロッドプリズム3、及びコンデンサレンズ4から構成される照明光学系により、全反射プリズム6aを介して反射型ライトバルブ9上に集光される。ロッドプリズム3は、断面が四角柱状であり、反射型ライトバルブ9の有効表示面と略同じアスペクト比を有する。凹面鏡2とロッドプリズム3の間には、カラーホイール5が配置されている。反射型ライトバルブ9により反射された光は、色分離合成光学系であるダイクロイックプリズム6bを経て、投写レンズ10によりスクリーン(図示せず)上に投写される。
凹面鏡2は、反射面の断面形状が楕円形をなしており、第1焦点と第2焦点を有している。そして、ランプ1の発光体の中心が凹面鏡2の第1焦点付近に位置し、ロッドプリズム3の光入射面が第2焦点付近に位置するように配置されている。凹面鏡2は、ガラス製機材の内面に、赤外光を透過させ、可視光を反射させる性質を有する光学多層膜を形成した部材により構成される。
ランプ1から放射された光は、凹面鏡2によって反射及び集光され、凹面鏡2の第2焦点においてランプ1の発光体像を形成する。ランプ1の発光体像は、光軸に近い中心付近が最も明るく、周辺ほど急激に暗くなる傾向にあるため、そのままでは輝度が不均一である。
この問題に対し、第2焦点付近にロッドプリズム3の入射面を配置し、ロッドプリズム3の側面で入射光を多重反射させて輝度の均一化を図っている。こうすることで、ロッドプリズム3の出射面を2次面光源とし、以降に配置されているコンデンサレンズ4によって、反射型ライトバルブ9上に結像させることにより、照明光の均一性を確保する。
カラーホイール5は、3原色のうち、1色のみを透過する3種類のカラーフィルタを組み合わせて構成したものである。凹面鏡2の第2焦点付近に配置されたカラーホイール5によって、ランプ1から出力される白色光は、赤・緑・青の3原色に時分割される。すなわち、カラーホイール5を回転させることによって、赤・緑・青の3原色の光が順次、反射型ライトバルブ9上に時分割で照射される。それにより、1つの表示素子(反射型ライトバルブ9)を用いて、フルカラーの投写画像を表示できる。
照明光学系の瞳の位置には、後に説明する不要光を取り除くために、絞り11が設置されている。この絞り11は、照明光学系の光軸に対し、開口の重心が偏心して配置されている。その理由は、必要光の遮光を抑えて明るさの低下を最小限に抑えながら、コントラスト性能を向上させるためである。
次に、反射型ライトバルブ9の構成および動作について、図5A〜図5Cを参照して説明する。一般に反射型ライトバルブ9は、映像信号に応じて光の進行方向を制御し、反射角の変化として光学像が形成されるものである。図5A〜図5Cは、従来の投写型表示装置における反射型ライトバルブの構成及び動作を説明するための断面図である。
この反射型ライトバルブ9は、DMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)と称するもので、画素ごとにミラー素子12がマトリックス状に形成されている。各ミラー素子12はそれぞれ、投写レンズ10(図4参照)の光軸と垂直な基準平面13に対する傾斜角が、白表示のためのON信号及び黒表示のためのOFF信号に応じて制御される。そして、照明主光線15は、カバーガラス14を透過した後、ミラー素子12に入射し反射されて、再びカバーガラス14を透過して出射する。
ON信号時には図5Aに示すように、ミラー素子12は基準平面13に対して+θ゜の角度を持つように制御される。照明主光線15の入射角は、その際、ON光主光線16が基準平面13と垂直な方向、すなわち投写レンズ10の光軸に沿った方向に反射されるように設定される。従って、照明主光線15とON光主光線16とのなす角度は2θとなる。
OFF信号時には図5Bに示すように、ミラー素子12は基準平面13に対して−θ゜の角度を持つように制御される。このとき、照明主光線15とOFF光主光線17とのなす角度は6θとなる。それによりOFF光主光線17は、投写レンズ10に入射しない方向に反射し進行する。
また、図5Cに示すように、照明光がカバーガラス14の表面により反射されたフラット光18が発生する。ON、OFF信号時に関わらず、照明主光線15とフラット光18の主光線とのなす角度は4θとなる。フラット光18は、ON、OFFいずれの信号時においても、その一部が投写レンズ10に入射する。そのため、特に黒表示であるOFF信号時において、フラット光18がコントラスト性能を大きく劣化させてしまうという問題点があった。
次に、図6の照明光学系の入反射説明図を参照して、フラット光18がコントラスト劣化の原因となる理由について説明する。図6において、反射型ライトバルブ9に入射する光線のうちで照明光の光軸との傾きが最大になる光線の角度を、照射角θaとする。すなわち、照明光は、照明主光線15を中心とする照射角θaの範囲から反射型ライトバルブ9に入射する。19は照明光学系の瞳、20は投写レンズ10の瞳を示す。21は、投写レンズ10の瞳20に対応する位置におけるフラット光18のスポットを示す。
反射型ライトバルブ9により、照明主光線15との間で角度2θをなす方向に反射されたON光主光線16は、投写レンズ10に瞳20を経て入射しスクリーンに映し出される。一方、フラット光18は、照明主光線15との間に角度4θをなす方向に反射型ライトバルブ9から反射される。
ここで、照射角θaがθ以上となった場合、フラット光18の一部は、不要光22として投写レンズ10に入射する。投写レンズ10の瞳20にフラット光18のスポット21が重なる範囲が、不要光22に対応する。不要光22は、特にOFF信号時においてコントラスト性能を大きく劣化させてしまう。
一般的に反射型ライトバルブを備えた投写型映像装置では、高い光の利用効率を得るために、照明光学系の照明F値を小さくするため、照明角θaはθより大きい値となる。
そこで、不要光22をカットするために、図4に示したように絞り11を照明光学系の瞳の位置に配置する。図6に示すように、照明光学系の瞳19における絞り11の遮光領域23の配置は、反射型ライトバルブ9によりフラット光18として反射されたスポット21中で、不要光22の領域に対応するように設定される。
絞り11の遮光領域23の形状は、不要光22の領域の形状に対応している。不要光22の領域は、投写レンズ10の瞳20にフラット光18のスポット21が重なる範囲、すなわち、2つの円の交わる領域である。従って、遮光領域23は図7に示すように、照明光学系の瞳19の外周と同じ曲率を有する2つの円弧で囲まれた両凸レンズ形を有する。以下の記載では、この形状を単に「レンズ形」と称する。
瞳19における遮光領域23の配置は、構造的には以下のとおりである。すなわち、遮光領域23は、レンズ形の一方の円弧を瞳19の領域の外周に沿わせて配置される。レンズ形の対称軸は、照明主光線15とON光主光線16を含む面と瞳19の面の交線の方向に向けられる。そして、瞳19の直径の両端のうち、反射型ライトバルブ9に入射する直前の位置で、ON光主光線16に近くなる側に配置される。
この遮光領域23により、投写レンズ10の瞳20に対する不要光22の入射を排除することができる。すなわち、照明主光線15を中心とする照射角θaの照明光のうち、不要光22となる範囲の照明光の反射型ライトバルブ9への入射が、絞り11の遮光領域23により阻止されるからである。
特開2004−94262号公報
瞳における輝度分布は、光軸に近い中心付近が最も明るく、周辺ほど急激に暗くなるという特性を持っている。従って、上記レンズ形の形状を持つ絞り11の遮光領域23は、図7の遮光状態説明図に示すように、光軸近傍の高い輝度分布の光束を遮光してしまうことになる。そのため、大きな輝度損失が発生していた。
本発明は、上記問題点を解決するために、絞り形状を最適化して、投写レンズに入射するフラット光の不要光を効率良くカットしながら、高い輝度性能を持つ投写型表示装置を提供することを目的とする。
本発明の投写型表示装置は、光源と、入射光に対する出射光の進行方向の関係を入力信号に応じて制御する反射型ライトバルブと、前記光源からの光を照明光として前記反射型ライトバルブに集光する照明光学系と、前記反射型ライトバルブからの出射光を投写する投写レンズと、前記照明光学系の瞳の位置に配置され前記光源からの光の一部を遮光する第1絞りとを備える。前記第1絞りは、前記照明光のうち前記反射型ライトバルブの表面により反射された光が前記投写レンズの瞳に不要光として入射する範囲に対応する前記照明光学系の瞳の領域の一部に対する遮光領域を有する。
上記課題を解決するために、本発明の投写型表示装置は、前記投写レンズの瞳の位置に配置され前記反射型ライトバルブからの出射光の一部を遮光する第2絞りを更に備え、前記第1絞りの遮光領域は、前記照明光学系の瞳の前記不要光の範囲に対応する領域を弦方向の線で分割して得られる2つの分割領域のうち、外周側の前記分割領域に対応し、前記第2絞りの遮光領域は、中心側の前記分割領域に対応する形状を有するとともに、当該中心側の分割領域に対応する位置に配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、不要光の遮光特性は確保しながら、照明光の第1絞りによる光損失を減らすことができ、コントラストの低下を抑制して、プロジェクターなどの投写型表示装置における高輝度化を図ることが可能である。
本発明の投写型表示装置は、上記構成を基本として、以下のような態様をとることができる。
すなわち、前記反射型ライトバルブは、映像信号に応じて光の反射方向を制御する複数のミラー素子がマトリックス状に配列されたものであることが好ましい。
また、前記第1絞りの遮光領域は、2つの円弧によって囲まれた凸レンズ形がその両頂点を結ぶ線に平行な直線で分割された分割領域の一方の形状を有し、前記第2絞りの遮光領域は、他方の前記分割領域の形状を有することが好ましい。
また、前記第1絞りと前記第2絞りの入射側表面には、入射する光が少なくとも80%以上反射される金属又は誘電体多層膜による反射鏡が形成されていることが好ましい。
また、前記照明光学系はロッドプリズムを有し、周辺照度が、中心照度に対して90%以上となるようにロッドプリズムの長さが設定されていることが好ましい。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。
(実施の形態)
図1は、本発明の一実施の形態にかかる投写型表示装置の光学系の構成図である。図1において、光源としてのランプ1、凹面鏡2、ロッドプリズム3、コンデンサレンズ4、カラーホイール5、ダイクロイックプリズム6、反射型ライトバルブ9、及び投写レンズ10の構成は、図4に示した従来例と同様である。
図1は、本発明の一実施の形態にかかる投写型表示装置の光学系の構成図である。図1において、光源としてのランプ1、凹面鏡2、ロッドプリズム3、コンデンサレンズ4、カラーホイール5、ダイクロイックプリズム6、反射型ライトバルブ9、及び投写レンズ10の構成は、図4に示した従来例と同様である。
本実施の形態においては、図4に示した従来例の絞り11に代えて、照明光学系の瞳の位置に設置された第1絞り7と、投写レンズ10の瞳の位置に設置された第2絞り8の組み合わせにより、フラット光を遮光する機能を持たせる。第1絞り7と第2絞り8の構成については、後述する。
反射型ライトバルブ9は、図5に示した従来例のように、画素ごとにマトリックス状に形成されたミラー素子12を備え、映像信号に応じて光の進行方向を制御することによって、反射角の変化に応じて光学像を形成する。
また、凹面鏡2は、反射面の断面形状が楕円形をなす楕円面鏡で構成されており、第1焦点と第2焦点を有している。ランプ1としては高圧水銀ランプが用いられ、発光体の中心が凹面鏡2における第1焦点付近に位置するように配置されている。ロッドプリズム3は、その光入射面が凹面鏡2における第2焦点付近に位置するように配置されている。
ロッドプリズム3は、光の入射面及び出射面が、反射型ライトバルブ9の有効表示面と同じアスペクト比を有する四角柱形状を有している。ロッドプリズム3は、ランプ1からの放射光が集光される場所に配置されるため、材質は耐熱性に優れる石英ガラスが好ましい。
ロッドプリズム3の入射面付近に、凹面鏡2によって集光されたランプ1の発光体像が形成される。凹面鏡2によって集光されたランプ1の発光体像は、光軸に近い中心付近が最も明るく、周辺に向かうにつれて急激に暗くなる傾向にある。そのため、そのままでは面内の輝度は不均一である。これに対し、ロッドプリズム3に入射した光線束は、ロッドプリズム3の側面で多重反射され、反射回数分だけ発光体像が細分割及び重畳されて照明されるので、ロッドプリズム3の出射面においては輝度が均一化される。
このように、ランプ発光体像の細分割及び重畳効果によって、ロッドプリズム3内で反射される回数が多いほど均一性が向上するので、均一性の度合いはロッドプリズム3の長さに依存する。本実施の形態においては、スクリーン上の周辺照度が中心照度に対して90%以上となるように、ロッドプリズム3の長さが設定される。
このように、輝度が均一化されたロッドプリズム3の出射面を2次面光源とし、以降に配置されているコンデンサレンズ4によって、反射型ライトバルブ9の有効表示面積とマッチングする倍率で結像させる。それにより、集光効率の確保と均一性の向上を両立させることが可能となる。
また、ランプ1から出力される白色光は、凹面鏡2の第2焦点付近に配置されたカラーホイール5を回転させることによって、赤・緑・青の3原色として順次透過し、反射型ライトバルブ9上に時分割で照射される。それにより、1つの反射型ライトバルブ9でフルカラーの投写画像を表示できる。
また、図5A〜図5Cの従来例と同様、ランプ1から放射される光は、照明光学系によって集光され、反射型ライトバルブ9に入射する。図5Aに示したように、反射型ライトバルブ9に入射した照明主光線15のうち、白表示のために反射されたON光主光線16は、投写レンズ10に入射してスクリーン上(図示せず)に拡大投写される。一方、図5Bに示したように、黒表示に相当するOFF光主光線17は、投写レンズ10の有効径の外側へと進行して、スクリーンには到達しない。
次に、図2の照明光学系の入反射説明図を参照して、照明光学系の瞳19の位置に配置されている第1絞り7、及び投写レンズ10の瞳20の位置に配置されている第2絞り8の形状と、不要光22の遮光の関係について説明する。図2において、照明主光線15の反射型ライトバルブ9に対する入反射の関係は従来例の図6と同じであるため、同一の要素には同一の参照符号を付して、説明を省略する。
第1絞り7の遮光領域24は、従来例の図6に示した絞り11と配置は同様であるが、形状が異なる。すなわち遮光領域24は、従来のレンズ形の遮光領域の形状を瞳19の外形の弦方向の線、すなわちレンズ形の両頂点を結ぶ線に平行な線で分割した外周側の分割領域の形状を有する。従って、従来例の絞り11から中心側の分割領域が削除された形状である。
一方、第2絞り8の遮光領域25は、従来のレンズ形の遮光領域から、第1絞り7の遮光領域24が切り取られた残りに対応する形状を有する。その配置は、投写レンズ10の瞳20における不要光22に対応する領域の外周側に設定される。第1絞り7の遮光領域24は、フラット光18における不要光22の領域の外周側に対応するので、瞳20においては中心側となる。従って、第1絞り7の遮光領域24と第2絞り8の遮光領域25を組み合わせた遮光領域は、従来の絞り11と同様、不要光22の領域全体に対応する。
但し、第1絞り7の遮光領域24、及び第2絞り8の遮光領域25は、必ずしも不要光22の領域を完全に覆う必要はない。不要光22の領域に対して遮光領域が若干欠けたとしても、実質的に十分な効果を得ることが可能である。
このように、第1絞り7と第2絞り8の組み合わせた遮光領域による不要光22に対する遮光量は、従来の照明光学系に配置された絞り21の遮光領域による遮光量と同等である。しかし、照明光学系の瞳19と投写レンズ10の瞳20のそれぞれにおいて、光束の周辺から分割して絞ることにより、輝度の高い光束中心の光を遮光することなくON光に含ませて、しかもフラット光18の不要光22を遮光できる。その結果、コントラスト性能は同等で、輝度損失が少なくなるため、従来よりも輝度を向上させることができる。
以上のように、第1絞り7の遮光領域24と第2絞り8の遮光領域25は、各々の対称軸が照明主光線15とON光主光線16を含む面と一致するように配置される。第2絞り8の遮光領域25は、瞳20の直径の両端のうち、フラット光18に近い側への配置となる。
次に、第1絞り7と第2絞り8の構成について、図3A〜図3Cの遮光状態説明図を参照して説明する。図3Aは、照明光学系の瞳の位置にだけ絞りが配置されたときの遮光状態を示すものであり、従来例の図7で説明したものと同じものである。当然、投写レンズの瞳の位置には絞りは配置されていない。図3B、図3Cは、本実施の形態の遮光状態を示している。
図3A(a)は、照明光学系の瞳19に対する従来例の絞り11による遮光領域23を示す。図3B、図3Cの(a)は、本実施の形態の第1絞り7による照明光学系の瞳19に対する遮光領域24a、24bを示す。図3A(b)は、投写レンズ10の瞳20を示すが、この場合、瞳20に対する遮光領域はない。図3B、図3Cの(b)は、投写レンズ10の瞳20に対する第2絞り8による遮光領域25a、25bを示す。
第1絞り7の遮光領域は、レンズ形をその両頂点を結ぶ直線に平行な直線で分割して得られる分割領域のうちの一方の形状を有する。すなわち、図3B(a)に示すような円の弦と弧により囲まれた弓形の遮光領域24aか、または、図3C(a)に示すようなレンズ形の一部が弓形に切り取られた形状の遮光領域24bが用いられる。削除されるのは瞳19の中心側であり、外周側の分割領域が用いられる。
第2絞り8は、レンズ形から第1絞り7が切り取られた残りに対応する形状の遮光領域25a、25bを有する。すなわち、図3Aに示す従来の遮光領域23を、図3B、図3Cに示すように、第1絞り7と第2絞り8で分割し、遮光領域24a、25a、あるいは遮光領域24b、25bが組み合わせて使用される。
図3Cの遮光領域24b、25bは、図3Bの遮光領域24a、25aに比べて、光束の遮光率について第2絞り8の重みを小さくした態様である。いずれの場合も、第1絞り7の遮光面積と第2絞り8の遮光面積の和は、従来の照明光学系に配置される絞り11の遮光面積と同じになることが望ましい。
このように遮光領域を分割すれば、輝度の高い光束中心付近の光は遮光せず、周辺を遮光するため、輝度損失が少なくなり、従来と比べ、輝度が向上する。
なお、一般的に投写レンズに絞りが配置された場合、絞りが光を吸収し、レンズ鏡等の熱伸縮を発生させ、フォーカス性能を引き起こす恐れがある。その場合は、投写レンズ性能に問題が発生しない程度に投写レンズの絞り量を決定すればよい。
また、照明光学系の絞りと投写レンズの絞りの表面には、入射する光が80%以上反射される金属又は誘電体多層膜による反射膜が形成されることが望ましい。
本発明の投写型表示装置は、不要光を遮光する絞りによる光損失を低減させて、コントラストの低下を抑制できるので、プロジェクターなどの投写型表示装置に有用である。
1 ランプ
2 凹面鏡
3 ロッドプリズム
4 コンデンサレンズ
5 カラーホイール
6a 全反射プリズム
6b ダイクロイックプリズム
7 第1絞り
8 第2絞り
9 反射型ライトバルブ
10 投写レンズ
11 絞り
12 ミラー素子
13 基準平面
14 カバーガラス
15 照明主光線
16 ON光主光線
17 OFF光主光線
18 フラット光
19 照明光学系の瞳
20 投写レンズの瞳
21 フラット光のスポット
22 不要光
23 遮光領域
24、24a、24b 遮光領域
25、25a、25b 遮光領域
2 凹面鏡
3 ロッドプリズム
4 コンデンサレンズ
5 カラーホイール
6a 全反射プリズム
6b ダイクロイックプリズム
7 第1絞り
8 第2絞り
9 反射型ライトバルブ
10 投写レンズ
11 絞り
12 ミラー素子
13 基準平面
14 カバーガラス
15 照明主光線
16 ON光主光線
17 OFF光主光線
18 フラット光
19 照明光学系の瞳
20 投写レンズの瞳
21 フラット光のスポット
22 不要光
23 遮光領域
24、24a、24b 遮光領域
25、25a、25b 遮光領域
Claims (5)
- 光源と、
入射光に対する出射光の進行方向の関係を入力信号に応じて制御する反射型ライトバルブと、
前記光源からの光を照明光として前記反射型ライトバルブに集光する照明光学系と、
前記反射型ライトバルブからの出射光を投写する投写レンズと、
前記照明光学系の瞳の位置に配置され前記光源からの光の一部を遮光する第1絞りとを備え、
前記第1絞りは、前記照明光のうち前記反射型ライトバルブの表面により反射された光が前記投写レンズの瞳に不要光として入射する範囲に対応する前記照明光学系の瞳の領域の一部に対する遮光領域を有する投写型表示装置において、
前記投写レンズの瞳の位置に配置され前記反射型ライトバルブからの出射光の一部を遮光する第2絞りを更に備え、
前記第1絞りの遮光領域は、前記照明光学系の瞳の前記不要光の範囲に対応する領域を弦方向の線で分割して得られる2つの分割領域のうち、外周側の前記分割領域に対応し、
前記第2絞りの遮光領域は、中心側の前記分割領域に対応する形状を有するとともに、当該中心側の分割領域に対応する位置に配置されていることを特徴とする投写型表示装置。 - 前記反射型ライトバルブは、映像信号に応じて光の反射方向を制御する複数のミラー素子がマトリックス状に配列されたものである請求項1記載の投写型表示装置。
- 前記第1絞りの遮光領域は、2つの円弧によって囲まれた凸レンズ形がその両頂点を結ぶ線に平行な直線で分割された分割領域の一方の形状を有し、前記第2絞りの遮光領域は、他方の前記分割領域の形状を有する請求項1記載の投写型表示装置。
- 前記第1絞りと前記第2絞りの入射側表面には、入射する光が少なくとも80%以上反射される金属又は誘電体多層膜による反射鏡が形成されている請求項1記載の投写型表示装置。
- 前記照明光学系はロッドプリズムを有し、周辺照度が、中心照度に対して90%以上となるようにロッドプリズムの長さが設定されている請求項1記載の投写型表示装置。
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20110705 |