JP2005043856A - 投影表示装置の光学システム及びその投影方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】暗態における迷光の問題を効果的に解決することにより、影像のコントラストを向上し、且つ、背面焦点距離を短縮し、広視角の投影レンズの設計に有利な投影表示装置の照明システムを提供する。
【解決手段】本発明に係わる投影表示装置の光学システムは、光源と、光路スイッチング装置と、プリズム組とを含み、前記プリズム組は、前記光路スイッチング装置と一投影装置との間に設置され、前記光路スイッチング装置は、複数のマイクロミラーから構成されるマイクロミラー・アレーを含み、前記プリズム組には、少なくとも2つのエアギャップが形成されると共に、そのプリズム組に進入する光線は、最初に当たったプリズムとエアギャップとの界面で全反射されて前記光路スイッチング装置に進入し、各マイクロミラーが明態モードにある時、マイクロミラーから反射された光線が前記投影装置に進入し、暗態モードにある時、光線が最初に当たったプリズムとエアギャップとの界面で全反射され、前記投影装置に進入しない。
【選択図】図4B

Description

本発明は、投影表示装置の光学システム及びその投影方法に関し、特に、同時に影像のコントラストと投影レンズの視角を向上する、投影表示装置の光学システム及びその投影方法に関する。
投影表示装置は、一般に照明システム及び投影システムから構成される。照明システムは、光源が発する光線をデジタルマイクロミラー組立装置へ投影し、当該デジタルマイクロミラー組立装置は、大量の独立制御可能な微小な光路スイッチング装置を備え、これらの微小な光路スイッチング装置が選択的に光線を反射した後に、投影装置を介して表示スクリーンに影像が投影される。Texas Instruments(TI)(登録商標)が製造したデジタルマイクロミラー装置(Digital Micromirror Device; DMD)を例にとってみると、当該微小な光路スイッチング装置は、大量のマイクロミラーから構成され、ミラの傾斜角度を制御することにより、光線を透過投影システム(明態、Light-state)または不透過投影システム(暗態、Dark-state)の二種類に変化させることで、表示装置の輝度を変化させる。
図1は従来の投影表示装置の光学システム100の模式図を示す。図1に示すように、デジタルマイクロミラー装置102上のマイクロミラーの傾斜角度を制御して、入射光を進行方向108に沿って投影装置104中に入射させ、明態モードを形成し、または、別の方向110に沿って投影装置104を離れて出射させ、暗態モードを形成することにより、表示装置における各画素の輝度を変化させる。デジタルマイクロミラー装置102と投影装置104との間には、内部全反射(Total Internal Reflection)プリズム106が設置され、内部全反射プリズム106は、2つのプリズム106a及び106bを、エアギャップ(Air Gap)112を挟んで組み合わせて成り、プリズム106bとエアギャップ112との間に全反射の条件が満たされることにより、入射光Iを図示された光路に沿って進行するように導くことができる。然しながら、この設計によれば、明態または暗態を問わず、その光線の進行経路は皆同じであり、唯一の相違点は最後にマイクロミラーの傾斜角度を変化させることにより、光線を投影装置104に入射させ、又はそこから離れさせることである。しかし、マイクロミラーの傾斜角度には限りがあるため、この設計には以下の欠点がある。即ち、暗態において、光線は投影装置104から離れ、別の方向110に沿って出射しなければならないが、投影装置104に近い一部の光線が容易に投影装置104に進入し、影像のコントラストを悪化させてしまう。このとき、投影装置104とプリズム106との距離を長くすることで、投影レンズに進入する暗態の迷光を減少することができるが、この方法では背面焦点距離が長すぎてしまい、広視角の投影レンズの設計が難しくなってしまう。
図2A及び図2Bは、従来の投影表示装置の光学システム200における内部全反射プリズムの明態モード及び暗態モードの模式図を示す。投影表示装置の光学システム200のプリズム組206は、3つのプリズムを含み、2つの隣り合うプリズム同士の間には、それぞれエアギャップ208及びエアギャップ210を形成する。図2Aに示す明態の場合、入射光Iは、エアギャップ208とプリズム206との間に形成された全反射によりデジタルマイクロミラー装置202に投影され、さらに、デジタルマイクロミラー装置202上のマイクロミラーに反射された後、プリズム206を介して投影装置204に進入する。一方、図2Bに示す暗態の場合は、デジタルマイクロミラー装置202上のマイクロミラーに反射された光線は、エアギャップ210とプリズム206との間に形成された全反射により外界に向って反射されるため、投影装置204に進入しない。プリズム206の設計により、この方法は、暗態におけるデジタルマイクロミラー装置202が反射する光の進行経路を変化させ、暗態時の迷光が投影装置204に入りにくくすることができる。然しながら、この方法では、プリズム206の組立状態の厚さWが厚くなり、デジタルマイクロミラー装置202から投影装置204までの距離が増大し、同様に背面焦点距離が長すぎてしまい、広視角の投影レンズの設計が困難になる。
本発明の目的は、暗態における迷光の問題を効果的に解決することにより、影像のコントラストを向上し、且つ、背面焦点距離を短縮し、広視角の投影レンズの設計に有利な投影表示装置の照明システムを提供することにある。
本発明に係わる投影表示装置の光学システムは、光源と、光路スイッチング装置と、プリズム組とを含む。前記プリズム組は、前記光路スイッチング装置と一投影装置との間に設置され、前記光路スイッチング装置は、複数のマイクロミラーから構成されたマイクロミラー・アレーを含み、前記プリズム組は、少なくとも2つのエアギャップを形成し、前記プリズム組に進入する光線は、最初に当たったプリズムとエアギャップの界面で全反射され、前記光路スイッチング装置に進入する。各マイクロミラーの傾斜角度を調整することにより、マイクロミラーが明態モードにある時、マイクロミラーから反射された光線は、直接前記プリズム組を通過して前記投影装置に進入し、また、マイクロミラーが暗態モードにある時、マイクロミラーから反射された光線は、最初に当たったプリズムとエアギャップの界面で全反射され、前記投影装置に進入することができないよう制御する。
さらに、本発明によれば、マイクロミラーが暗態モードにある時、光線はマイクロミラー・アレーに近いプリズムとエアギャップとの界面で全反射された後、反射された光線がさらに最も近いマイクロミラー・アレーのプリズムの内表面で再度全反射され、暗態の入射光の進行光路をプリズム内に制限することができる。
本発明の設計によれば、暗態モードにおいてマイクロミラー・アレーから反射された光線は、最初に当たったプリズムとエアギャップとの界面で全反射され、設計可能な最短距離内で迅速に暗態モードの入射光を投影装置から離れさせる效果が得られ、大幅にプリズム組の全体的な厚さを減少し、背面焦点距離を短縮することができる。このようにして、広視角の投影レンズの設計に有利であり、且つ、迷光の投影レンズへの進入を完全に防ぐことができる。さらに、本発明は、プリズム表面で形成される全反射を利用し、暗態においてマイクロミラー・アレーから反射された光線をプリズム内に制限することができ、プリズムにおける投影装置から離れた方向の側面から逸脱させることにより、暗態における迷光が投影装置に入らないようにすることができる。
図3は本発明の実施例における投影表示装置の光学システム10の模式図を示す。図3に示すように、光学システム10は、光源12と、ライトガイド14と、リレーレンズ16と、プリズム組18と、光路スイッチング装置20と、投影装置22とを含む。さらに、光源12の周囲には、例えば、楕円体面の反射面30のような集光器を設置することにより、光源12から放射された光線をライトガイド14に集束させる。ライトガイド14の内周壁面は反射面とし、光線が当該反射壁面により複数回反射された後、ライトガイドの出口端から均一に分布された光束が出射し、さらにリレーレンズ16を介してプリズム組18に投影される。光路スイッチング装置20は、複数のマイクロミラーから形成されたマイクロミラー・アレー20aを備え、マイクロミラー・アレー20aのマイクロミラーの傾斜角度を調整することにより、光線を投影装置22に進入させる明態モード(Light-state)、または光線を投影装置22から離れさせる暗態モード(Dark-state)を選択的に構成し、これにより表示装置内の各画素の輝度を変化させる。なお、本発明の光路スイッチング装置20の可能なモードは、上述した明態及び暗態モードに限らず、実際の必要に応じて変化させることができる。
図4A及び図4Bは、入射光Iが本発明のプリズム組18に進入した後の光路の模式図を示す。図4Aは明態モードでの光路を示し、図4Bは暗態モードでの光路を示す。本実施例によれば、プリズム組18は、ライトガイド14に近いプリズム18aと、光路スイッチング装置20に近いプリズム18bと、投影装置22に近いプリズム18cと、から構成され、プリズム18aとプリズム18cとの間には、エアギャップ24が形成され、且つ、プリズム18aとプリズム18bとの間には、エアギャップ26が形成される。
照明端からの入射光Iは、まず一定の入射角でプリズム18aに進入し、次にエアギャップ24とプリズム18aとの界面での入射角がスネル法則(Snell's law)の内部全反射の臨界角より大きいため、当該入射光Iはその界面で光路スイッチング装置20に反射される。図4Aに示すように、光路スイッチング装置20上のマイクロミラー・アレー20aの傾斜角度が明態モードとして選択された場合には、マイクロミラー・アレー20aに反射された光線は、順に、エアギャップ26及びエアギャップ24を通過して投影装置22に入射する。一方、マイクロミラー・アレー20aの傾斜角度が暗態モードとして選択された場合には、図4Bに示すように、マイクロミラー・アレー20aに反射された光線は、別の入射角でプリズム組18に入射する時、本発明の設計によれば、最初に当たったプリズム18bとエアギャップ26との界面での入射角がスネル法則(Snell's law)の内部全反射の臨界角より大きいため、エアギャップ26に反射され、設計可能な最短距離内で迅速に暗態モードの入射光を投影装置22から離れさせることができる。
次に、本発明のプリズム組18の設計によれば、光線がプリズム18bとエアギャップ26との界面で全反射された後、反射された光線がプリズム18bにおけるマイクロミラー・アレー20aに最も近い表面S1で再度全反射され、且つ、本発明のプリズム18bの設計によれば、光線が表面S1で再度全反射された後、プリズム18bの側面S2以外の部分の内表面に入射する時、その入射角度が臨界角より大きいため、暗態における入射光の進行光路は、図4Bに示すように、プリズム18b内に制限され、最後にプリズム18bの側面S2から逸脱させ、暗態の迷光を投影装置22から完全に離れさせることができる。さらに、光吸收物質をプリズム18bの側面に設置することにより、逸脱された光線を吸収することもでき、例えば、プリズム18bの側面S2に光吸収層28を塗布してもよい。
本発明のプリズム組18の設計により、暗態モードにおいてマイクロミラー・アレー20aから反射された光線は、最初に当たったプリズムとエアギャップとの界面で全反射され、設計可能な最短距離内で迅速に暗態モードの入射光を投影装置22から離れさせることができ、プリズム組の全体的な厚さを大幅に減少し、背面焦点距離を短縮することができるため、広視角の投影レンズの設計に有利であり、且つ、迷光の投影レンズへの進入を完全に防ぐことができる。
さらに、本発明は、プリズム表面で形成される全反射を利用し、暗態においてマイクロミラー・アレーから反射された光線をプリズム内に制限することができ、当該光線をプリズムにおける投影装置から離れた方向の側面から逸脱させることにより、暗態における迷光が投影装置に進入しないようにすることができる。
図5は、本発明によるプリズム組と従来のプリズム組を示す。同一条件を維持してそれぞれ全反射条件に符合させた状況下において、例えば、同じプリズム材質、同じマイクロミラー・アレー等を採用した場合、光路スイッチング装置と投影装置との間のプリズムの組立状態の厚さをみると、図5に示すように、従来の三枚式プリズムの組立状態の厚さWは約77.2mmが必要となるのに対し、本発明のプリズム組の組立状態の厚さW'は、僅か23.96mmで同様の効果を得ることができる。
図6は本発明のプリズム組18の変化例を示す。本発明のプリズム組18は、隣り合うプリズム同士の間のエアギャップには全反射条件を満たせば良くて、その外形及び配置関係は実際の必要に応じて任意に変化させることが可能である。例えば、光学システムの光路を短縮する必要がある時、従来の方法では、照明端に反射鏡を一つ多く配置し、入射光の進行光路を変化させる。然しながら、本発明によれば、図6に示すように、照明端に近いプリズム18aの外形を変化させ、反射面Rを形成することにより、入射光がまず反射面Rに反射された後、プリズム18aとギャップ24との界面で全反射され、同様にシステムの光路を変化させる效果が得られ、従来における照明端に配置された反射鏡を省くことができ、製造コストを抑え、組立てにもより便利である。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳述してきたが、具体的な構成は、これらの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において設計の修正または変更等があっても、本発明の特許請求の範囲に含まれる。
従来の投影表示装置の光学システムを示す模式図である。 従来の投影表示装置の光学システムにおいて、内部全反射プリズムの明態モードを示す模式図である。 従来の投影表示装置の光学システムにおいて、内部全反射プリズムの暗態モードを示す模式図である。 本発明の実施例における投影表示装置の光学システムを示す模式図である。 本発明の実施例における投影表示装置の光学システムにおいて、入射光がプリズム組に進入した後の明態モードでの光路を示す模式図である。 本発明の実施例における投影表示装置の光学システムにおいて、入射光がプリズム組に進入した後の暗態モードでの光路を示す模式図である。 本発明によるプリズム組と従来技術によるプリズム組を示す模式図である。 本発明に係わるプリズム組の変化例を示す模式図である。
符号の説明
10 投影表示装置の光学システム
12 光源
14 ライトガイド
16 リレーレンズ
18 プリズム組
18a、18b、18c プリズム
20 光路スイッチング装置
20a マイクロミラー・アレー
22 投影装置
24、26 エアギャップ
28 光吸収層
30 楕円体面の反射面
100 投影表示装置の光学システム
102 デジタルマイクロミラー装置
104 投影装置
106、106a、106b プリズム
108 明態モードの光進行方向
110 暗態モードの光進行方向
112 エアギャップ
200 投影表示装置の光学システム
202 デジタルマイクロミラー装置
204 投影装置
206 プリズム組
208、210 エアギャップ
I 入射光
R 反射面
1、S2 プリズム表面
W、W' プリズム組の厚さ

Claims (8)

  1. 光線を発する光源と、
    前記光線を受けてその光線を異なる進行光路に反射する複数の切換モードを備え、前記複数の切換モードのうち、第一モードは前記光線を反射し、一投影装置に進入させ、第二モードは前記光線を反射し、前記投影装置から離れさせる、光路スイッチング装置と、
    前記投影装置と前記光路スイッチング装置との間に設置され、第一プリズムと、第二プリズムと、第三プリズムとを有し、前記第一プリズムと前記第二プリズムとの間に第一ギャップが形成され、前記第一プリズムと前記第三プリズムとの間に第二ギャップが形成された、プリズム組と、
    を含む投影表示装置の光学システムであって、
    前記光線が全反射方式で前記光路スイッチング装置に進入し、前記光路スイッチング装置の前記第一モードにおいては、前記光線が前記第一ギャップ及び前記第二ギャップを通過して前記投影装置に進入し、前記第二モードにおいては、前記光線が前記第一ギャップとプリズムとの界面で全反射され、前記投影装置の進行方向から離れることを特徴とする投影表示装置の光学システム。
  2. 前記第二モードにおいて、前記第一ギャップと前記プリズムとの界面で全反射された前記光線は、前記光路スイッチング装置に最も近いプリズムの内表面で全反射されることを特徴とする請求項1に記載の投影表示装置の光学システム。
  3. 前記光線が前記プリズムの前記内表面で全反射された後の進行光路に設置された、光吸収物質をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の投影表示装置の光学システム。
  4. 前記光路スイッチング装置の表面には、複数のマイクロミラーから形成されたマイクロミラー・アレーが設けられ、前記光路スイッチング装置は、前記マイクロミラー・アレーによって前記光線を受けてその光線を反射することを特徴とする請求項1に記載の投影表示装置の光学システム。
  5. 光源が発する光線を一光路スイッチング装置に案内するステップと、
    一投影装置と前記光路スイッチング装置との間に一プリズム組を設置し、前記プリズム組は、各隣り合うプリズム同士の間にギャップが形成された複数のプリズムを有し、前記プリズム組に進入した光線は、最初に当たったプリズムと前記エアギャップとの界面で全反射されて前記光路スイッチング装置に進入するステップと、
    前記光路スイッチング装置の複数の切換モードによって、前記光路スイッチング装置に進入した入射光を異なる光路に切り換え、前記切換モードのうち、第一切換モードにおいては、前記光路スイッチング装置に反射された光線は、直接前記プリズム組を通過して前記投影装置に進入し、第二切換モードにおいては、前記光路スイッチング装置に反射された光線は、最初に当たったプリズムと前記エアギャップとの界面で全反射され、前記投影装置から離れるステップと、
    を含むことを特徴とする投影表示装置の光学システムの投影方法。
  6. 前記第二切換モードにおいて、前記光路スイッチング装置に反射された光線は、最初に当たったプリズムと前記エアギャップとの界面で全反射された後、さらに、前記光路スイッチング装置に最も近いプリズムの内表面で全反射されることを特徴とする請求項5に記載の投影表示装置の光学システムの投影方法。
  7. 前記プリズムの前記内表面で全反射された前記入射光を吸収するための光吸收物質を設置するステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の投影表示装置の光学システムの投影方法。
  8. 前記入射光が前記プリズム組に進入する時、まず、最初に当たったプリズムの内表面に形成された反射面で反射された後、前記プリズムと前記エアギャップとの界面で全反射されることを特徴とする請求項5に記載の投影表示装置の光学システムの投影方法。
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