JPWO2008114421A1 - 物性状態検出装置および物性状態検出方法 - Google Patents

物性状態検出装置および物性状態検出方法 Download PDF

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Abstract

強誘電体の表面に接触若しくは近接して配置されるべきプローブと、プローブおよび強誘電体内部の静電容量を含む発振ループと、発振ループ内で生成される測定信号の強誘電体への交番電界印加に伴う周波数変化に基づいて強誘電体の物性状態を検出する検出手段と、を含む物性状態検出装置であり、測定信号の周波数を低周波に変換し、これを変換測定信号として出力する周波数変換手段と、変換測定信号の周波数を目標周波数に一致するべく制御する周波数制御手段と、変換測定信号の周波数に応じた信号レベルを有する周波数検出信号を生成する周波数検出手段と、周波数検出信号を同期信号に基づいて同期検波する同期検出手段と、を含む。

Description

本発明は、強誘電体材料の分極方向の如き容量変化を伴う物性状態を検出する物性状態検出装置および物性状態検出方法に関する。
近年、 情報量の増大から高速且つ大量に情報を蓄積する技術への要求が高まっている。 現在最も広く情報記録に使用されている磁気記録の記録密度は理論限界に近づきつつあり、垂直磁気記録を用いても、1Tbit/inch2の記録密度を達成することが限界だと考えられている。一方、強誘電体は自発分極を持ち、その分極方向は、外部から電界を印加することにより反転させることができる。従って、デジタルデータをこの分極の向きに対応させて情報を記録することができる。また、強誘電体の分域壁は1、2単位格子程度で、強磁性体のそれより格段に薄いことはよく知られており、そのドメインサイズも強磁性体のドメインサイズよりはるかに小さいので、強誘電体の極微細なドメインを人工的に制御できれば超高密度情報記録素子が得られると考えられる。しかし、強誘電材料中の分極は、材料の表面に付着した電子やイオン等の表面電荷によって遮蔽され、これを測定すること、すなわち、記録された情報を読み出すことは困難であった。
強誘電体の分極分布を純電気的に検出する装置として、SNDM(走査型非線形誘電率顕微鏡)が知られている。図1はこのSNDMを応用した公知の強誘電体分極方向検出装置のブロック図である。この装置は、強誘電体材料の非線形誘電率すなわち探針3直下の静電容量Cpの変化を測定することで強誘電体の分極方向を判別するものである。かかる装置において強誘電体材料1の分極方向を検出するには、ステージ2とリングプローブ4および探針(プローブ)3間に外部から交番電界を印加する。すると発振器5の発振周波数が交番電界に伴って変化する。このときの符号を含めた発振周波数の変化の割合は、探針直下の非線形誘電率すなわち静電容量Cpによって決定されるので、その周波数変化の割合を探針3が2次元スキャンすることによって強誘電体材料1の分極分布が検出される。具体的には、発振器5の周波数変化はFM復調器6で復調した後、ロックインアンプ7で印加電界の周波数で同期検波することによって検出される。
特開2004−127489号公報
上記した従来の検出装置の如く、探針(プローブ)3が強誘電体材料上を走査して分極分布を検出するような場合、探針3直下の静電容量Cpは、媒体上の検出位置すなわちデータ再生位置によって大きく変化するため、発振器5の発振周波数もこれに伴って変化する。そして、FM復調器6は、この周波数信号を直接受信して復調処理を行うので、復調可能な周波数の検出幅を広く取らねばならず、高感度な信号検出を行うことは困難であった。また、交番電界の印加に伴う発振周波数の変化は僅かであり、この変化を精度よく検出することが重要であるが、かかる点については未だ改善の余地がある。また、上記従来の検出装置の如く信号検出にロックインアンプを使用した場合、回路が大規模となるので複数のプローブを装置に搭載してこれらによって同時にデータの記録再生を行わせることが困難であった。
本発明は、上記した点に鑑みてなされたものであり、強誘電体の如き非線形誘電率変化を伴う媒体の物性状態(分極状態)を高精度で検出でき、また小規模な回路で構成することができる物性状態検出装置および物性状態検出方法を提供することを目的とする。
本発明の物性状態検出装置は、強誘電体の表面に接触若しくは近接して配置されるべきプローブと、前記プローブおよび前記強誘電体内部の静電容量を含む発振ループと、前記発振ループ内で生成される測定信号の前記強誘電体への交番電界印加に伴う周波数変化に基づいて前記強誘電体の物性状態を検出する検出手段と、を含む物性状態検出装置であって、前記測定信号の周波数を低周波に変換し、これを変換測定信号として出力する周波数変換手段と、前記変換測定信号の周波数を目標周波数に一致するべく制御する周波数制御手段と、前記変換測定信号の周波数に応じた信号レベルを有する周波数検出信号を生成する周波数検出手段と、前記周波数検出信号を同期信号に基づいて同期検波する同期検出手段と、を含むことを特徴としている。

また、本発明の物性状態検出方法は、強誘電体の表面に接触若しくは近接して配置されるべきプローブと前記強誘電体内部の静電容量とを含む発振ループ内で生成される測定信号の前記強誘電体への交番電界印加に伴う周波数変化に基づいて前記強誘電体の物性状態を検出物性状態検出方法であって、前記測定信号の周波数を低周波に変換し変換測定信号を得る周波数変換ステップと、前記変換測定信号の周波数に応じた信号レベルを有する周波数検出信号を得る周波数検出ステップと、前記周波数検出信号を同期信号に基づいて同期検波する同期検出ステップと、を含み、前記周波数変換ステップは、前記変換測定信号の周波数が目標周波数に一致するように制御する周波数制御ステップを含むことを特徴としている。
従来の検出装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例である物性状態検出装置の全体構成を示すブロック図である。 本発明の実施例である混合器の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例である周波数検出器の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例である制御器の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例である探索信号生成器の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例である同期検出器の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例である物性状態検出装置の動作を示すタイミングチャートである。 周波数制御系のオープンループ特性を示すグラフである。 混合器の入出力信号の周波数設定を示す図である。 本発明の第2実施例に係る制御器の構成を示すブロック図である。 混合器の入出力信号の周波数設定を示す図である。 本発明の他の実施例である物性状態検出装置の全体構成を示すブロック図である。 本発明の他の実施例である物性状態検出装置の全体構成を示すブロック図である。
符号の説明
10 記録媒体
11 探針
12 リングプローブ
13 発振器
20 混合器
30 周波数検出器
40 制御器
50 電圧制御発振器
60 探索信号生成器
70 同期検出器
80 記録パルス発生器
90 切り替えスイッチ
100 周波数分別器
以下、本発明の実施例について図面を参照しつつ説明する。以下の説明においては、本発明に係る物性状態検出装置を強誘電体材料を記録媒体とした再生装置或いは記録再生装置に適用した場合を例に説明する。尚、以下に示す図において、実質的に同一又は等価な構成要素、部分には同一の参照符を付している。
(第1実施例)
図2は、本発明の実施例である物性状態検出装置のブロック図である。以下、図2を参照しつつ、その全体構成について説明する。
探索信号生成器60は、探索信号f3(t)を生成し、これを金属ステージ14を介して記録媒体10に印加するとともに同期信号を生成し、これを同期検出器70に供給する。記録媒体10は、本発明に係る物性状態検出装置の測定対象であり、強誘電体材料によって形成される。探針(プローブ)11はその先端が記録媒体10に接触あるいは近接して配置され、この探針11とリングプローブ12によって、探索信号f3(t)の印加に伴う探針11直下の静電容量Cpの変化が読み取られることによって、記録媒体10に記録されたデータが読み取られる。尚、探針11と記録媒体10との相対的な位置の移動は例えば記録媒体10の形状がディスク状である場合には記録媒体10が回転することにより行われ、記録媒体10の形状が矩形状である場合には探針11と記録媒体10のいずれか一方が直線的に移動することにより行われる。
発振器13は、インダクタLを含み、このインダクタLと上記静電容量CpとでLC共振回路を構成し、静電容量Cpの変化によって周波数変調された測定信号f1(t)を生成する。
混合器20は、発振器13から供給される測定信号f1(t)を低周波に変換する本発明の周波数変換手段に相当し、測定信号f1(t)と電圧制御発振器50から供給されるVCO信号f2(t)との周波数差を示す変換測定信号Δf(t)を生成する。
周波数検出器30は、本発明の周波数検出手段に相当し、変換測定信号Δf(t)に応じた信号レベルを有する周波数検出信号V1(t)を生成し、これを制御器40および同期検出器70に供給する。
制御器40は、本発明の周波数制御手段に相当し、変換測定信号Δf(t)が目標周波数に一致するべく電圧制御発振器50の発振周波数を制御する。具体的には、変換測定信号Δf(t)の目標値を示す目標周波数信号frの信号レベルと周波数検出信号V1(t)とを比較して、その差を積分し、変換測定信号Δf(t)が目標周波数となるように制御信号を生成する。
電圧制御発振器50は、上記混合器20による周波数変換処理において、いわゆる局部発振器として機能するものであり、制御器40から供給される制御信号に応じて周波数制御がなされたVCO信号f2(t)(局部発振信号)を生成し、これを混合器20に供給する。上記した混合器20、周波数検出器30、制御器40、電圧制御発振器50によって、周波数制御ループが形成される。
同期検出器70は、本発明の同期検出手段に相当し、探索信号生成器60から供給される同期信号に同期して周波数検出器30から供給される周波数検出信号V1(t)を同期検波し、その結果を検出信号V2(t)として出力する。検出信号V2(t)は、記録媒体10に探索信号f3(t)を印加することによって得られた記録媒体10の分極状態を示す信号であり、すなわち記録されたデータの再生信号である。
このように、本発明に係る物性状態検出装置においては、混合器20、周波数検出器30、制御器40、電圧制御発振器50によって周波数制御系が構成され、探索信号生成器60、同期検出器70によって信号検出系が構成される。
次に上記した本発明に係る物性状態検出装置の各構成部分の詳細について以下に説明する。まず、本発明に係る物性状態検出装置の測定対象である記録媒体10は、例えばLiTaO等の強誘電体材料からなり、抗電界以上の電界を印加することで分極方向を変化させることができる。従って、この記録媒体10にデータに対応させて分極方向を定めることによってデータの記録を行うことが可能である。本発明に係る物性状態検出装置は、この記録媒体10の分極状態の検出すなわちデータ再生をなすものである。
探針(プローブ)11は、その先端が記録媒体10に接触或いは近接するように配置され、その周囲にはリング状のリングプローブ12が設けられている。リングプローブ12は、接地電位に固定されている。発振器13は、探針11とリングプローブ12の間に設けられたインダクタLを含み、探針11直下の記録媒体10内部に形成される静電容量CpとインダクタLによって定まる発振周波数で発振する測定信号f1(t)を出力する。
記録媒体10には探索信号f3(t)が金属ステージ14を介して印加されることによって、交番電界が印加される。記録媒体10に交番電界が印加されると探針11先端から記録媒体10を貫通してプローブリング12へとたどる電界パスが形成され、探針11は記録媒体10の内部に形成される静電容量Cpに接続される。また、記録媒体10に交番電界が印加されることによって記録媒体10の非線形誘電率が変化するので、これに伴い静電容量Cpも変化する。静電容量Cpの態様は、記録媒体10の分極状態によって異なる。具体的には、探索信号f3(t)が正極性のときの静電容量をCpp、負極性のときの静電容量をCpnとすると、記録媒体10の分極状態によってCppとCpnの大小関係が異なる。換言すれば、探索信号f3(t)の極性変化に伴って、探針11直下の容量Cpが増加するか減少するかは、記録媒体10の分極方向によって全く逆の反応を示すのである。本発明に係る物性状態検出装置は、探索信号f3(t)の印加に基づく静電容量Cpの変化の態様を検出することによって記録媒体10の分極方向の検出すなわち記録媒体10に記録されたデータの再生をなすものである。尚、探索信号f3(t)の印加に伴う静電容量Cpの変化量はaF(アトファラド:10−18F)のオーダであり、極めて僅かな容量変化を検出することとなる。
発振器13は、インダクタLと静電容量Cpとで共振回路を構成する。そして、静電容量Cpの変化は、周波数変換され、測定信号f1(t)として出力される。具体的には、交番電界の印加によって静電容量Cpの値が大きくなると測定信号f1(t)の発振周波数は低くなり、静電容量Cpの値が小さくなると測定信号f1(t)の発振周波数は高くなる。発振器13によって生成された測定信号f1(t)は混合器20に供給される。
図3は、混合器20のより詳細な構成を示すブロック図である。混合器20は、例えばダブルバランスドミキサ21と、低域通過フィルタ22と、増幅器23と、により構成される。ダブルバランスドミキサ21は、発振器13から供給される測定信号f1(t)と電圧制御発振器50から供給されるVCO信号f2(t)(局部発振信号)とを混合することにより互いに周波数が異なる2つのビート信号を生成する。すなわち、ダブルバランスドミキサ21は、f1(t)+f2(t)で示される第1ビート信号および|f1(t)−f2(t)|で示される第2ビート信号を生成する。低域通過フィルタ22は、高周波である第1ビート信号を除去し、低周波である第2ビート信号のみを通過させる。第2ビート信号は、上記の如く|f1(t)−f2(t)|で示される信号であり、測定信号f1(t)の周波数とVCO信号f2(t)の周波数との差分を示す信号である。従って、測定信号f1(t)よりも低周波となる。低域通過フィルタ22の出力信号は、増幅器23によって増幅され、変換測定信号Δf(t)として出力される。すなわち、測定信号f1(t)は、混合器20を通過することによって低周波の変換測定信号Δf(t)に変換される。この混合器20による周波数変換処理によって、高精度な信号検出が達成されることとなる。混合器20によって生成された変換測定信号Δf(t)は周波数検出器30に供給される。
図4は、周波数検出器30のより詳細な構成を示すブロック図である。周波数検出器30は、例えばコンパレータ31と、単安定マルチバイブレータ32と、低域通過フィルタ33と、増幅器34と、により構成される。コンパレータ31は、混合器20より出力される変換測定信号Δf(t)を2値化処理する。具体的には、変換測定信号Δf(t)と所定の基準レベルとを比較し、Δf(t)の信号レベルが基準レベルよりも大きいときはデジタル値1を出力し、Δf(t)の信号レベルが基準レベルよりも小さいときはデジタル値0を出力する。かかる2値化判定においては出力のチャタリング防止のため、適切な正帰還が施され、いわゆるヒステリシス特性を持たせることとしてもよい。コンパレータ31の出力信号は、単安定マルチバイブレータ32に入力される。単安定マルチバイブレータ32は、入力された2値化信号の立ち上がりエッジをトリガとして、一定のパルス幅を有するパルス信号列を発生させ、これを低域通過フィルタ33に供給する。低域通過フィルタ33は、単安定化マルチバイブレータ32から出力されたパルス列を平均化する。尚、低域通過フィルタ33の通過帯域は、変換測定信号Δf(t)をキャリア成分として除去すべく、変換測定信号Δf(t)の周波数より低く設定される。低域通過フィルタ33の出力は、増幅器34により増幅され周波数検出信号V1(t)として出力され、制御器40および同期検出器70に供給される。ここで、単安定マルチバイブレータは、入力信号の1周期毎に固定幅のパルスを出力するので、入力信号の周期が短くなると、すなわち変換測定信号Δf(t)の周波数が高くなると、単位時間あたりの固定幅の出力パルス数が増加する。そして、低域通過フィルタ33の作用により、単安定マルチバイブレータ32の出力パルス列は平均化されるので、その出力レベルは増加することとなる。一方、入力信号の周期が長くなると、すなわち変換測定信号Δf(t)の周波数が低くなると単安定マルチバイブレータ32から単位時間あたりに出力される固定幅のパルス数は減少するので、これが低域通過フィルタ33によって平均化されると、その出力レベルは減少することとなる。すなわち、周波数検出器30は、入力された変換測定信号Δf(t)の周波数に応じた信号レベルを有する周波数検出信号V1(t)を出力するのである。
周波数検出信号V1(t)につき端的に述べると、探索信号f3(t)の印加によって生じた記録媒体10の静電容量Cpの変化が、発振器13によって周波数に変換され、混合器20によって低周波に変換され、更に周波数検出器30によってf−V変換され、得られた信号が周波数検出信号V1(t)である。
図5は、制御器40のより詳細な構成を示すブロック図である。制御器40は、例えば減算器41と、反転積分器42と、により構成される。減算器41の一方の入力端には周波数検出信号V1(t)が入力され、他方の入力端には変換測定信号Δf(t)の目標値を示す目標周波数信号frが入力される。減算器41は、目標周波数信号frから周波数検出信号V1(t)を減算し、これを誤差信号として出力する。反転積分器42は、誤差信号を積分し、誤差信号がゼロとなるべく、誤差信号に対して、位相補償し、位相反転させた制御信号を出力する。すなわち、反転積分器42は減算器41から出力される誤差信号が負の場合は制御信号の出力レベルを上昇させ、誤差信号が正の場合には制御信号の出力レベルを下降させる。制御器40によって生成された制御信号は電圧制御発振器50に供給される。
電圧制御発振器50は、例えばインダクタと可変容量ダイオードと能動素子とを含み(いずれも図示せず)、制御器40より供給される制御信号に応じて可変容量ダイオードの容量値を変化させる。その結果、電圧制御発振器50は、制御信号に応じた発振周波数のVCO信号f2(t)(局部発振信号)を出力する。つまり、VCO信号f2(t)は、混合器20から出力される周波数誤差信号Δf(t)の周波数が目標周波数に一致するように制御器40によって制御されるのである。
このように、本発明の物性状態検出装置においては混合器20、周波数検出器30、制御器40、電圧制御発振器50によって周波数制御ループを構成している。この周波数制御ループの作用について以下に説明する。周波数制御ループが形成されることにより、測定信号f1(t)の周波数が大きく変化しても、VCO信号f2(t)がこの変化に追従して変化するので、変換測定信号Δf(t)(=|f1(t)−f2(t)|)は、目標周波数に保たれる。より具体的には、静電容量Cpは、探針11が記録媒体10をスキャンする位置によって大きく変動し得る。静電容量Cpが再生位置の変化によって低下し、測定信号f1(t)の周波数が高くなると、混合器20から出力される変換測定信号Δf(t)は高くなり、これに伴って、周波数検出器30から出力される周波数検出信号V1(t)の信号レベルが上昇する。周波数検出信号V1(t)によって示される周波数誤差信号Δf(t)の周波数が目標周波数よりも高いときは、減算器41から出力される誤差信号は負のレベルとなる。負のレベルの誤差信号が反転積分器42に供給されると、制御器40より出力される制御信号の信号レベルが上昇する。制御信号の信号レベルが上昇すると、電圧制御発振器50の出力であるVCO信号f2(t)の周波数が高くなる。VCO信号f2(t)の周波数が高くなると、一旦上昇した変換測定信号Δf(t)の周波数が低下し、目標周波数に一致するように制御されることとなる。一方、これとは逆に探針11が記録媒体10をスキャンする位置によって静電容量Cpが上昇し、これに伴い測定信号f1(t)の周波数が低くなり、混合器20から出力される変換測定信号Δf(t)が目標周波数よりも低くなった場合には、周波数制御ループの作用によってVCO信号f2(t)の周波数は低下し、一旦低下した変換測定信号Δf(t)の周波数は上昇し、目標周波数に一致するように制御される。
次に信号検出系について説明する。図6は、探索信号生成器60のより詳細な構成を示すブロック図である。探索信号生成器60は例えば水晶発振器61と、分周器62と、位相シフト器63と、振幅調整器64と、により構成される。水晶発振器61は例えば10MHzの安定した発振周波数のクロック信号を出力し、これを分周器62と位相シフト器63にそれぞれ供給する。分周器62は入力クロック信号を例えば1/1000に分周し、10KHzの周波数を持つ基準信号を出力し、これを振幅調整器64と位相シフト器63にそれぞれ供給する。振幅調整器64は、基準信号の振幅およびオフセット電圧を調整し、例えば振幅±5V、周波数10KHzの探索信号f3(t)を生成し、これを記録媒体10に供給する。振幅調整回路64の作用によって、探索信号f3(t)のレベル調整がなされ、記録媒体10には適切な交番電界が印加されることとなる。具体的には、探索信号f3(t)は、振幅調整回路64によって、記録媒体10に記録されたデータの読出しに必要な振幅レベルであり、かつデータ書き込みには至らない振幅レベルに調整される。位相シフト器63は、例えばシフトレジスタによって構成され、分周器62から供給された基準信号の位相をクロック信号に従って位相シフトさせ、これを同期信号として同期検出器に向けて出力する。同期信号は、探索信号f3(t)の印加から後述する同期検出器70による同期検波までの遅延量に相当する時間Tsだけ、探索信号f3(t)に対して遅延される。これにより、同期検出器70による同期検波が適切になされることとなる。尚、探索信号f3(t)および同期信号は、本発明に係る物性状態検出装置の外部より供給されることとしてもよい。
図7は、同期検出器70のより詳細な構成を示すブロック図である。同期検出器70は、例えば帯域通過フィルタ71と、極性反転器72と、アナログスイッチ73と、低域通過フィルタ74と、帯域阻止フィルタ75と、により構成される。帯域通過フィルタ71には、周波数検出器30から周波数検出信号V1(t)が供給される。上記したように周波数検出信号V1(t)は、探索信号f3(t)を記録媒体10に印加したことにより生じた発振器13の発振周波数の変化を電圧として検出した信号である。つまり、周波数検出信号V1(t)は、本来探索信号f3(t)の変化に従って変化する信号であるから、索信号f3(t)の周波数成分以外は不要である。従って、帯域通過フィルタ71は探索信号f3(t)の周波数成分のみを通過させ、その他の帯域の信号成分をノイズとして除去するように設計される。ノイズ源としては例えば交流電源からのハム信号等が挙げられる。帯域通過フィルタ71によってノイズが除去された周波数検出信号V1(t)は、極性反転器72およびアナログスイッチ73にそれぞれ供給される。極性反転器72は、周波数検出信号V1(t)の極性を反転させ、これをアナログスイッチ73に供給する。つまりアナログスイッチ73には極性反転器72を介して極性反転された信号と、極性反転器72を介さず元の極性を維持した信号とが入力される。さらにアナログスイッチ73には探索信号生成器60から出力された同期信号が入力される。アナログスイッチ73は、同期信号をコントロール信号として例えば同期信号が高レベルのときは反転処理を施していない周波数検出信号V1(t)を出力し、同期信号が低レベルのときは極性反転された周波数検出信号V1(t)を出力する。アナログスイッチ73はいわゆるチョッパー回路を構成しており、周波数検出信号V1(t)のうちの同期信号に同期した成分のみを検出し、検波信号を出力する同期検波回路である。低域通過フィルタ74および帯域阻止フィルタ75は、検波信号に含まれる同期信号の周波数成分を除去するキャリア除去用のフィルタである。低域通過フィルタ74の通過帯域は、同期信号の周波数より低く設計する。帯域阻止フィルタ75は、いわゆるノッチフィルタであり、その阻止周波数は同期信号の周波数に一致するべく設計する。両フィルタの作用により、検波信号に含まれる同期信号の周波数成分が除去された検出信号V2(t)が出力される。尚、両フィルタの配置順序は、図7に示された順序と逆になっていても構わない。また、帯域阻止フィルタ75の阻止周波数は、同期信号の周波数の高調波、または同期信号の周波数およびその高調波等の複数の周波数帯域を阻止すべく設計してもよい。
次に本発明に係る物性状態検出装置の動作について図8に示すタイミングチャートを参照しつつ説明する。図8において区間1および区間2は記録媒体10の分極ドメインを示しており、区間1にはデータ「1」が記録され、区間2にはデータ「0」が記録されているものとする。つまり、記録媒体10は、区間1および区間2において各データに対応した互いに異なる分極状態を呈している。探索信号生成器60は、図8に示す如く、周期的にその極性が変動する探索f3(t)を金属ステージ14を介して記録媒体10に印加する。尚、探索信号f3(t)は矩形波でも正弦波でもよい。これにより、記録媒体10には交番電界が印加され、記録媒体を介在した探針11直下の静電容量Cpが変化する。ここで、探索信号f3(t)が正極性のとき、記録媒体10には正方向の電界が印加され、このときの探針11直下の静電容量をCppとし、探索信号f3(t)が負極性のとき、記録媒体10には負方向の電界が印加され、このときの探針11直下の静電容量をCpnとする。上記の如く、区間1と区間2とでは、記録媒体10の分極方向が互いに異なっており、これに起因して区間1ではCpp<Cpnの関係が成立し、区間2ではCpp>Cpnの関係が成立する。このため発振器13より出力される測定信号f1(t)は、区間1においては正方向の電界印加時の方が、負方向の電界印加時に比べ発振周波数が高くなる。一方、区間2においては、正方向の電界印加時の方が、負方向の電界印加時に比べ発振周波数が低くなる。測定信号f1(t)は、混合器によって、低周波の周波数誤差信号Δf(t)に変換されるが、交番電界印加に基づく発振周波数の変化は、そのまま周波数検出器30に伝達される。
周波数検出器30より出力される周波数検出信号V1(t)は、周波数が電圧に変換された信号であり、また、帯域通過フィルタ71の通過後において、探索信号f3(t)の出力時に対し時間Tsだけ遅延したものとなる。すなわち、周波数検出信号V1(t)は、図8に示す如く、探索信号f3(t)に対して時間Tsだけ遅延し、区間1においては正方向の電界印加に対応して高レベルを呈し、負方向の電界印加に対応して低レベルを呈する。一方、区間2においては、これとは逆の信号レベルを呈する。また、探索信号生成器60は、探索信号f3(t)の印加から同期検波までの遅延量に相当する時間Tsだけ探索信号f3(t)の出力時に対して遅延させた同期信号を生成し、これを同期検出器70に供給する。その結果、周波数検出信号V1(t)は区間1においては同期信号と同位相となり、区間2においては逆位相となる。
同期検出器70のアナログスイッチ73は、同期信号をコントロール信号として同期信号が高レベルのときは反転処理を施していない周波数検出信号V1(t)を出力し、同期信号が低レベルのときは極性反転された周波数検出信号V1(t)を出力する。つまり、区間1においては、高レベルの周波数検出信号V1(t)はそのまま出力され、低レベルの周波数検出信号V1(t)は反転処理されて出力される。一方、区間2においては、高レベルの周波数検出信号V1(t)は反転処理されて出力され、低レベルの周波数検出信号V1(t)はそのまま出力される。かかる信号処理によって得られる検波信号は、図8に示すように、区間1においては正極性の信号のみによって構成され、区間2においては負極性の信号のみによって構成される。そして、低域通過フィルタ74および帯域阻止フィルタ75の作用によって検波信号からキャリア成分が除去され、検出信号V2(t)が生成される。検出信号V2(t)は、区間1において正極性となり、区間2においては負極性となる。つまり記録媒体10に記録されたデータ「1」および「0」は電圧レベルの違いとして検出され、純電気的に再生される。換言すれば、強誘電体材料の分極状態が純電気的に検出されたことになる。
次に、上記した各構成部分によって生成される各種信号の設定周波数について説明する。
図9は周波数制御系のオープンループ特性を示すボーデ線図である。図9においてf0はゲイン交点周波数、f3は探索信号周波数(交番電界周波数、同期信号周波数)、Δfは変換測定信号周波数(中間周波数)を示し、これらの各周波数はf0<f3<Δfとなるように設定するのが好ましい。以下その理由について説明する。
仮にf0>f3となるように設定した場合、周波数サーボが探索信号周波数f3に追従してしまい、周波数検出信号V1(t)の探索信号に対する変化分が減少し、結果として検出信号V2(t)の検出S/Nが低下してしまう。
一方、周波数検出器30の低域通過フィルタ33は、上記のとおり変換測定信号Δf(t)をキャリア成分として除去すべく、通過帯域は変換測定信号Δf(t)の周波数Δf以下に設定されるので、同期検出器70に入力される周波数検出信号V1(t)の信号帯域はΔf以下となる。故に、仮にf3>Δfに設定した場合、f3>Δf>V1(t)となり、同期検出器70による同期検波処理において、同期信号周波数(=f3)の方が検出すべき入力信号である周波数検出信号V1(t)の信号帯域と比較して高いと、入力信号の帯域外を同期検出することとなり、検出感度が低下し、結果として検出信号V2(t)の検出S/Nが低下してしまう。以上の理由から、f0<f3<Δfの関係が成立するように各周波数を設定することにより、最終的な検出結果である検出信号V2(t)のS/Nが向上し、精度よくデータの再生を行うことが可能となる。
次に、混合器20の入出力信号における周波数設定について図10を参照しつつ説明する。図10において、f1は測定信号周波数(発振器13の出力周波数)、f2はVCO信号周波数、f20はサーボ初期化時のVCO信号周波数、Δfは変換測定信号周波数(中間周波数)を示している。ここで、f1>f2が常に成立するように制御器40を設計した場合、f20<f2<f1となるように初期のVCO信号の周波数f20を設定するのが好ましい。以下その理由について、仮にf20>f1となるように設定した場合の不具合を例に説明する。
装置の電源投入時に周波数制御ループにおけるフィードバック制御が初期化される。具体的には、制御器40の反転積分器42のコンデンサ(図示せず)の蓄積電荷を初期値に設定することにより周波数制御ループの初期化がなされる。その結果、電圧制御発振器50の入力信号である制御信号の出力レベルが初期値となる。制御信号のレベルが初期値のとき、電圧制御発振器50の出力信号であるVCO信号f2(t)の周波数はf20となる。そして、混合器20からは変換測定信号Δf(t)が出力され、その周波数はΔf0(=|f1−f20|)である。ここで周波数Δfが目標周波数よりも高いとき、制御器40の減算器41から出力される誤差信号は負となるので、反転積分器42の出力である制御信号の信号レベルは上昇する。制御信号の信号レベルが上昇すると電圧制御発振器50から出力されるVCO信号f2(t)の周波数f2は高くなる。VCO信号f2(t)の周波数f2が高くなるとf1とf2の周波数差はさらに拡大し、変換測定信号Δf(t)の周波数Δfが高くなり、目標周波数からのずれがさらに拡大し、制御ループが正帰還となり周波数制御が発振する。以上の理由から周波数制御ループがロックしており、フィードバック制御が安定しているときにf1>f2となるべく制御器40の極性を選択した場合には、f20<f2<f1の順に周波数を設定することにより周波数制御ループが正帰還となる不具合を回避でき、周波数制御の引き込み過程を安定化させることが可能となる。
以上の説明から明らかなように、本発明の物性状態検出装置は測定信号f1(t)を低周波の変換測定信号Δf(t)に変換している。これにより、交番電界印加に伴う測定信号f1(t)の極僅かな周波数変化を精度よく検出することが可能となる。この周波数変化をより高精度で検出するためにはΔf(t)としてより低い周波数を選択する必要がある。例えば発振器13から出力される検出信号f1(t)の周波数を1GHzとした場合、交番電界印加に伴う静電容量Cpの容量変化は、上記したようにaFのオーダであるため、この容量変化によって生じる測定信号f1(t)の周波数変化は1KHz以下となる。1GHzの信号に生じた1KHz以下の周波数変化を精度よく検出するためには変換測定信号Δf(t)の周波数として数百KHzを選択する必要がある。かかる測定信号f1(t)の周波数変換は、混合器20およびVCO信号f2(t)によって達成される。
また、本発明の物性状態検出装置においては混合器20、周波数検出器30、制御器40、電圧制御発振器50によって周波数制御ループを構成し、中間周波数である変換測定信号Δf(t)が目標周波数に一致するようにフィードバック制御する。これにより、例えば探針11が記録媒体10上を移動することにより静電容量Cpが大きく変動し、これに伴って測定信号f1(t)の周波数が大きく変動しても、VCO信号f2(t)がその変動に追従するように変化し、変換測定信号Δf(t)が一定となるように制御がなされるので、データ再生位置の変化等によって生じた周波数の変動成分は除外され、高精度の信号検出が可能となる。詳述すると、測定信号f1(t)の発振周波数が1GHzの場合、データ再生位置の変化に伴う検出信号f1(t)の周波数変化は、1MHz以上に及ぶ場合がある。混合器20から出力される変換測定信号Δf(t)(=|f1(t)−f2(t)|)を数百KHzとして選択した場合、仮にフィードバック制御を行わずVCO信号の周波数を固定値に設定すると、記録媒体の再生位置の変化に伴う測定周波数f1(t)の変化量が変換測定信号Δf(t)の周波数を上回ることとなり周波数検出が破綻する。そこで、本発明においては、混合器20、周波数検出器30、制御器40、電圧制御発振器50によって周波数制御ループを構成し、変換測定信号Δf(t)が一定になるように測定信号f1(t)の周波数ずれに追従するようにVCO信号f2(t)を制御するので、交番電界印加に基づく周波数変化以外の周波数変動要因は除去されることとなり、高精度の信号検出が可能となるのである。
また、本発明に係る物性状態検出回路は、従来のロックインアンプを用いて同期検波する方法に比べて高速でデータ再生することができ、回路規模も小さなもので実現でき、小型化、集積化が可能となる。
(第2実施例)
以下に本発明に係る物性状態検出装置の第2実施例について説明する。上述の第1実施例において図5に示される制御器40の構成は、測定信号f1(t)の周波数f1とVCO信号f2(t)の周波数f2との関係においてf1>f2が常に成立する場合に適用可能な構成である。これに対して第2実施例では、f1<f2が常に成立する場合に適用可能な構成を示す。
図11は、第2実施例に係る制御器40´の具体的な構成を示すブロック図である。制御器40´は、減算器41と、ロック検出器43と、非反転積分器44と、により構成される。減算器41は、目標周波数信号frから周波数検出信号を減算し、これを誤差信号として出力する。非反転積分器44は、誤差信号を積分し、誤差信号がゼロとなるべく、誤差信号に対して位相反転させないで制御信号を出力する。すなわち、非反転積分器44は減算器41から出力される誤差信号が負の場合は制御信号の出力レベルを下降させ、誤差信号が正の場合には制御信号の出力レベルを上昇させる。このように、非反転積分器44は誤差信号に応じて制御信号の出力レベルを調整するが、制御信号の極性は第1実施例に係る反転積分器42とは逆となる。
ロック検出器43は、例えばコンパレータ等のレベル比較器(図示せず)とカウンタ等の時間間隔計測器を含むシーケンサ(図示せず)とから構成され、周波数制御状態を観測し、連続してロックがはずれていると判断した場合には初期化信号を出力し、後段の非反転積分器44を初期化する。具体的には、ロック検出器43は、減算器41から出力される誤差信号が所定範囲を超えた場合、または装置の電源投入時に初期化信号を出力する。尚、ロック検出器43は減算器41から出力される誤差信号が所定範囲を超える状態が一定時間継続した場合に初期化信号を生成することとしてもよい。
非反転積分器44はこの初期化信号を受信すると、内部のコンデンサ(図示せず)の蓄積電荷を初期値に設定し、制御信号を初期値に設定する。制御信号が初期値に設定されると電圧制御発振器50から出力されるVCO信号f2(t)が初期化され、周波数制御ループにおけるフィードバック制御の初期化がなされる。これにより、周波数制御ループの引き込み動作を安定させることが可能となる。また、f1>f2となり、正帰還による発振が生じた場合でも、かかる初期化作用によって自動的に周波数制御ループが引き込み動作を開始するので、正帰還状態が連続する不具合を防止することが可能となる。尚、制御器以外の他の構成部分については第1実施例と同一であるのでその説明については省略する。
次に、本実施例における混合器20の入出力信号の周波数設定について図12を参照しつつ説明する。図12において、f1は測定信号周波数(発振器13の出力周波数)、f2はVCO信号周波数、f20はサーボ初期化時のVCO信号周波数、Δfは変換測定信号周波数(中間周波数)を示している。ここで、f1<f2が常に成立するように制御器40を設計した場合、f20>f2>f1の関係が成立するように初期のVCO信号の周波数f20を設定するのが好ましい。以下その理由について、仮にf20<f1となるように設定した場合の不具合を例に説明する。
装置の電源投入時に周波数制御ループにおけるフィードバック制御が初期化される。具体的には、制御器40´の非反転積分器44のコンデンサ(図示せず)の蓄積電荷を初期値に設定することにより周波数制御ループの初期化がなされる。その結果、電圧制御発振器50の入力信号である制御信号の出力レベルが初期値となる。制御信号のレベルが初期値のとき、電圧制御発振器50の出力信号であるVCO信号f2(t)の周波数はf20となる。そして、混合器20からは変換測定信号Δf(t)が出力され、その周波数はΔf0(=|f1−f20|)である。周波数Δfが目標周波数よりも高いとき、制御器40´の減算器41から出力される誤差信号は負となるので、非反転積分器44の出力である制御信号の信号レベルは下降する。制御信号の信号レベルが下降すると電圧制御発振器50から出力されるVCO信号f2(t)の周波数f2は低くなる。VCO信号f2(t)の周波数f2が低くなるとf1とf2の周波数差はさらに拡大し、変換測定信号Δf(t)の周波数Δfが高くなり、目標周波数からのずれがさらに拡大し、制御ループが正帰還となり周波数制御が発振する。以上の理由から周波数制御ループがロックしており、フィードバック制御が安定しているときにf1<f2となるべく制御器40´の極性を選択した場合には、f20>f2>f1の順に周波数を設定することによって、周波数制御ループが正帰還となる不具合を回避でき、周波数制御の引き込み過程を安定化させることが可能となる。
このように、本発明の物性状態検出装置においては、制御器の構成が図5もしくは図11に示す如き2通りの構成をとり得るのは、制御すべき変換測定信号Δf(t)の周波数Δf(=|f1(t)−f2(t)|)が絶対値として出力されることに基づく。尚、これら2種類の制御器40および40´の両方を備え、例えば測定信号f1(t)の周波数特性に応じてこれらのうちのいずれかを選択して使用することとしてもよい。
(第3実施例)
以下に本発明に係る物性状態検出装置の第3実施例について説明する。図13は、本発明の第3実施例に係る物性状態検出回路の構成を示すブロック図である。第3実施例に係る装置は、図2に示した第1実施例の構成に加えて記録パルス発生器80および切り替えスイッチ90を更に備え、記録再生装置を構成している。記録パルス発生器80は、記録媒体10に記録すべきデータに対応した記録パルスを発生させる。記録パルスとしては正弦波、矩形波のいずれであってもよいが、記録媒体10にデータの書き込みができる程度の電圧レベルを有している必要がある。切り替えスイッチ90は、記録媒体10にデータ記録を行う際には記録パルス発生器80側に接続され、データ再生を行う際には探索信号生成器60側に接続される。記録パルス発生器80から金属ステージ14を介して記録媒体10に記録パルスが印加されると、記録媒体10の探針11直下の領域に抗電界以上の電界が印加され、印加電界の方向に対応した方向に分極する。この分極方向はデータに対応しており、これによってデータの記録がなされる。一方、データ再生時には切り替えスイッチ90が探索信号生成器60側に切り替えられて、記録媒体10に探索信号f3(t)を印加することによって、分極方向を検出してデータの再生を行う。尚、探索信号生成器60と記録パルス発生器80とはそれぞれ独立に構成する必要がなく、記録時と再生時とで出力レベル等を変化させることができる単一の発振器で構成することとしてもよい。
(第4実施例)
上記した第1〜第3実施例においては、1つの探針(プローブ)11を用いてデータの記録再生を行う場合について説明したが、図14に示す如き構成をとることによって複数の探針を用いて記録媒体に同時にデータの記録再生を行うことが可能となる。第4実施例に係る物性状態検出装置は、金属ステージ14が接地電位に固定され、周波数分別器100が新たに設けられる。また制御器40から出力される制御信号は発振器13に供給され、その出力周波数すなわち測定信号f1(t)の周波数が制御信号に応じて変化するよう構成される。探索信号生成器60から出力される探索信号f3(t)は周波数分別器100に供給される。周波数分別器100は、例えば10MHz以下の低周波信号である探索信号f3(t)を受信してこれを探針11に供給するとともに、発振器13から出力される例えば1GHz以上の高周波信号である測定信号f1(t)を受信してこれをそのまま混合器20に供給する。周波数分別器10を通過した測定信号f1(t)は、混合器20に供給され、変換測定信号Δf(t)(=|f1(t)−f2|)として出力される。尚、本実施例においては、電圧制御発振器50より供給されるVCO信号の周波数f2は固定値である。そして変換測定信号Δf(t)は周波数検出器30によって電圧変換され、周波数検出信号V1(t)として出力される。制御器40は、周波数検出信号V1(t)によって示される変換測定信号Δf(t)の周波数が目標周波数と一致するべく制御信号を生成し、これを発振器13に供給する。発振器13はこの制御信号に応じてΔf(t)と目標周波数が一致するように測定信号f1(t)の周波数を変化させる。発振器13の発振周波数を制御する方法としては、発振器13を例えば電圧制御発振器(VCO)で構成することとしてもよい。
このように、本実施例においては、記録媒体の電位が固定され、探索信号は探針を介して供給されるので、複数の探針を使用して同時にデータを記録再生することが可能となる。また、電圧制御発振器50から出力されるVCO信号f2(t)の周波数を固定して、発振器13自体の発振周波数をフィードバック制御して、変換測定信号Δf(t)が一定となるように制御している。これにより、複数の探針を用いて、同時にデータを記録再生する場合でも、探針ごとに電圧制御発振器50を設ける必要がなく共通化できるので、装置の簡素化および小型化を図ることが可能となる。尚、記録時には、複数の探針の各々には記録パルス発生器80から記録パルスが供給され、これら複数の探針によって記録媒体10に同時にデータの記録が行われる。このように本実施例に係る物性状態検出装置では、複数の探針(プローブ)を用いて同時にデータの記録再生を行うので、高速にデータの記録再生を行うことが可能となる。
尚、上記した各実施例においては本発明に係る物性状態検出装置を強誘電体材料を記録媒体とする再生装置或いは記録再生装置に適用した場合を例に説明したが、強誘電体材料表面の非線形誘電率の分布やドメイン構造を高分解能に観察、測定する分析装置に適用することも可能である。

Claims (12)

  1. 強誘電体の表面に接触若しくは近接して配置されるべきプローブと、前記プローブおよび前記強誘電体内部の静電容量を含む発振ループと、前記発振ループ内で生成される測定信号の前記強誘電体への交番電界印加に伴う周波数変化に基づいて前記強誘電体の物性状態を検出する検出手段と、を含む物性状態検出装置であって、
    前記測定信号の周波数を低周波に変換し、これを変換測定信号として出力する周波数変換手段と、
    前記変換測定信号の周波数を目標周波数に一致するべく制御する周波数制御手段と、
    前記変換測定信号の周波数に応じた信号レベルを有する周波数検出信号を生成する周波数検出手段と、
    前記周波数検出信号を同期信号に基づいて同期検波する同期検出手段と、
    を含むことを特徴とする物性状態検出装置。
  2. 前記強誘電体に一定周波数の探索信号を供給し、前記強誘電体に交番電界を与える交番電界印加手段と、
    前記同期信号を生成する同期信号生成手段と、を更に含み、
    前記同期信号は、前記探索信号に対して所定時間遅延していることを特徴とする請求項1に記載の物性状態検出装置。
  3. 前記周波数制御手段は、前記目標周波数と前記変換測定信号の周波数差に基づいて制御信号を生成する制御器を含み、
    前記周波数変換手段は、前記制御信号に応じた周波数のVCO信号を生成する電圧制御発振器と、前記測定信号と前記VCO信号とを混合する混合器と、を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の物性状態検出装置。
  4. 前記制御器は、前記目標周波数から前記変換測定信号の周波数を減算し、これを誤差信号として出力する減算器と、
    前記誤差信号を積分し、前記変換測定信号の周波数が前記目標周波数に一致するべく前記制御信号を生成する積分器と、を含むことを特徴とする請求項3に記載の物性状態検出装置。
  5. 前記制御器は、前記誤差信号が所定範囲を超えたとき若しくは起動時に初期化信号を生成するロック検出器をさらに含み、
    前記積分器は、前記初期化信号に応じて前記制御信号を初期状態に設定することを特徴とする請求項4に記載の物性状態検出装置。
  6. 前記周波数検出手段は、所定の基準レベルに基づいて前記変換測定信号を2値化処理する2値化回路と、前記2値化処理された信号のエッジをトリガ信号として、一定のパルス幅を有するパルス信号列を生成する発振回路と、前記パルス信号列の信号レベルを平均化する平均化回路と、を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1に記載の物性状態検出装置。
  7. 前記同期検出手段は、前記周波数検出信号のうちの前記探索信号の周波数帯域と同一の周波数帯域のみを通過せしめる帯域通過フィルタと、
    前記帯域通過フィルタ通過後の周波数検出信号の極性を反転させる極性反転器と、
    前記帯域通過フィルタ通過後の周波数検出信号又は、前記極性反転器によって極性反転された周波数検出信号のいずれかを前記同期信号に応じて選択し、これを検波信号として出力する同期検波回路と、
    前記検波信号のうちの前記同期信号の周波数成分を除去する低域通過フィルタと、を含むことを特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載の物性状態検出装置。
  8. 前記混合器と前記周波数検出手段と前記制御器と前記制御発振器とから構成される周波数制御ループのゲイン交点周波数をf0、前記探索信号の周波数をf3、前記変換測定信号の周波数をΔfとすると、
    f0<f3<Δf
    の関係が常に成立することを特徴とする請求項3に記載の物性状態検出装置。
  9. 前記測定信号の周波数をf1、前記VCO信号の初期の周波数をf20、前記周波数制御ループがロックしているときのVCO信号の周波数をf2、前記変換測定信号の周波数をΔfとすると、
    f20<f2<f1かつf1−f2=Δf>0
    又は
    f20>f2>f1かつf2−f1=Δf>0
    のいずれかを満たすことを特徴とする請求項8に記載の物性状態検出装置。
  10. 前記強誘電体の抗電界以上の電界を生ぜしめる記録パルスを生成する記録パルス発生器と、
    前記探索信号又は前記記録パルスのいずれかを選択的に前記強誘電体に印加するスイッチ手段と、を更に有することを特徴とする請求項2乃至9のいずれかに記載の物性状態検出装置。
  11. 強誘電体の表面に接触若しくは近接して配置されるべきプローブと前記強誘電体内部の静電容量とを含む発振ループ内で生成される測定信号の前記強誘電体への交番電界印加に伴う周波数変化に基づいて前記強誘電体の物性状態を検出物性状態検出方法であって、
    前記測定信号の周波数を低周波に変換し変換測定信号を得る周波数変換ステップと、
    前記変換測定信号の周波数に応じた信号レベルを有する周波数検出信号を得る周波数検出ステップと、
    前記周波数検出信号を同期信号に基づいて同期検波する同期検出ステップと、を含み、
    前記周波数変換ステップは、前記変換測定信号の周波数が目標周波数に一致するように制御する周波数制御ステップを含むことを特徴とする物性状態検出方法。
  12. 前記周波数変換ステップは、前記測定信号と局部発振信号とを混合するステップを含み、
    前記制御ステップは、前記目標周波数と前記変換測定信号の周波数の差に基づいて前記局部発振信号の周波数を制御するステップを含むことを特徴とする請求項11に記載の物性状態検出方法。
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