JPWO2008105244A1 - アクティブマトリックス基板及びその製造方法並びに平面表示装置 - Google Patents

アクティブマトリックス基板及びその製造方法並びに平面表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な操作で製造することができ、しかも優れたトランジスタ特性及び高い信頼性を有するアクティブマトリックス基板及びその製造方法を提供すること。【解決手段】基材と、この上に形成された、アモルファスシリコン膜を有する薄膜トランジスタと、を備えてなるアクティブマトリックス基板であって、アモルファスシリコン膜上にシリコン酸化層を有し、更にシリコン酸化層上に有機保護膜が積層されているアクティブマトリックス基板。前記アクティブマトリックス基板の製造方法であって、(1)基材上に形成された薄膜トランジスタのアモルファスシリコン膜Aの表面を酸化して、アモルファスシリコン膜α上にシリコン酸化層を形成する工程、及び(2)シリコン酸化層の上に感放射線性樹脂組成物により有機保護膜を形成する工程、を有するアクティブマトリックス基板の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、アクティブマトリックス基板及びその製造方法並びに平面表示装置に関する。更に詳しくは、本発明は、簡単な操作で製造することができ、しかも優れたトランジスタ特性及び高い信頼性を有するアクティブマトリックス基板及びその製造方法並びに平面表示装置に関する。
アクティブマトリックス基板とは、基板上、互いに直交して配置される複数本のゲート信号線とソース信号線との交点に薄膜トランジスタ(TFT)を介して画素電極が配置されたものである。かかる基板は、アクティブマトリックス型平面表示装置に使用されている。アクティブマトリックス型平面表示装置では、各表示画素がTFT(スイッチング素子)により個別に制御されるので、パッシブマトリックス型平面表示装置に比べてクロストークが生じにくく、高精細化及び大容量化に適している。
図7は、従来のアクティブマトリックス基板上の回路の一例の説明図である。基板上に直交して配置されたゲート信号線12とソース信号線13の交点にスイッチング素子としてのTFT14が配置されている。ゲート電極15に印加される電圧に応じて、ソース電極16からドレイン電極17に流れる電流量が変化し、この変化がコンタクトホールを経由して画素電極18に伝達されることになる。
従来のアクティブマトリックス基板は、TFTが形成されたアレイ基板の表面に、スパッタ法、蒸着法、又はCVD法によりシリコン窒化物等からなるパッシベーション膜が形成され、層間絶縁膜により表面が平坦化され、層間絶縁膜上に、コンタクトホールにおいてTFTのドレイン電極と接続された画素電極が設けられた構成を有するものが多い。
例えば、特許文献1には、SiN又はSiOからなる保護層(パッシベーション膜)と、ベンゾシクロブテンからなる平坦化層(層間絶縁膜)とを有するアクティブマトリックス基板が開示されている。
また、特許文献2には、画素電極と配線との間に、ソース電極、ソース配線、ドレイン電極及びバックチャネルを直接覆うシロキサン樹脂からなる第1の有機層間絶縁膜と、アクリル系樹脂からなる第2の有機層間絶縁膜とが形成され、TFTのチャネル部に、直接下層の有機層間絶縁膜が接するアクティブマトリックス基板が開示されている。
特開平10−96963号公報 特開平11−307778号公報
上記のアクティブマトリックス基板は実用に耐え得るトランジスタ特性及び信頼性を有すると思われるが、それらの構成上、特許文献1のアクティブマトリックス基板では、パッシベーション膜の形成を真空中で行う必要があり、一方、特許文献2のアクティブマトリックス基板では、有機層間絶縁膜の形成工程を2回要し、概して製造過程における操作が煩雑である。
本発明は、簡単な操作で製造することができ、しかも優れたトランジスタ特性及び高い信頼性を有するアクティブマトリックス基板及びその製造方法並びにこのアクティブマトリックス基板を備えてなる平面表示装置を提供することを目的としてなされたものである。
本発明者は、上記の目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、基材上に形成されたTFTのアモルファスシリコン膜の表面を酸化した後、その上に有機保護膜を形成してなるアクティブマトリックス基板は、リーク電流が小さく、また、ゲート電極の電圧の増加に対してソース電極/ドレイン電極間の電流が直線的に立ち上がり、しかも高温多湿の環境下に長時間放置しても、それらのトランジスタ特性や電流を流すのに必要な閾値電圧がほとんど変化しないことを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
〔1〕基材と、この上に形成された、アモルファスシリコン膜を有する薄膜トランジスタと、を備えてなるアクティブマトリックス基板であって、アモルファスシリコン膜上にシリコン酸化層を有し、更にシリコン酸化層上に有機保護膜が積層されているアクティブマトリックス基板、
〔2〕シリコン酸化層の厚さが5nm以下である前記〔1〕記載のアクティブマトリックス基板、
〔3〕シリコン酸化層がシリル化されたものである前記〔1〕又は〔2〕に記載のアクティブマトリックス基板、
〔4〕有機保護膜が、極性基を有する環状オレフィン系ポリマーの架橋体からなる膜である前記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のアクティブマトリックス基板、
〔5〕前記〔1〕に記載のアクティブマトリックス基板の製造方法であって、
(1)基材上に形成された薄膜トランジスタのアモルファスシリコン膜Aの表面を酸化して、アモルファスシリコン膜α上にシリコン酸化層を形成する工程、及び
(2)シリコン酸化層の表面上に感放射線性樹脂組成物により有機保護膜を形成する工程、
を有するアクティブマトリックス基板の製造方法、
〔6〕工程(1)におけるアモルファスシリコン膜Aの表面の酸化を、オゾン水との接触、酸化性ガス雰囲気での紫外線照射、酸化性ガス雰囲気での加熱、及び酸化性ガスを含むプラズマ中への曝露からなる群から選ばれる少なくとも1つの方法により行う前記〔5〕に記載のアクティブマトリックス基板の製造方法、
〔7〕工程(2)を湿式法により行う前記〔5〕又は〔6〕に記載のアクティブマトリックス基板の製造方法、
〔8〕感放射線性樹脂組成物が、極性基を有する環状オレフィン系ポリマー、架橋剤、感放射線化合物、及び溶剤を含有してなるものである前記〔5〕〜〔7〕のいずれか1項に記載のアクティブマトリックス基板の製造方法、並びに
〔9〕前記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のアクティブマトリックス基板を備えてなる平面表示装置、
を提供するものである。
本発明のアクティブマトリックス基板は、リーク電流が小さく、また、ゲート電極の電圧の増加に対してソース電極/ドレイン電極間の電流が直線的に立ち上がり、しかも高温多湿の環境下に長時間放置しても、それらのトランジスタ特性や閾値電圧がほとんど変化しない。該基板によれば、長寿命、低消費電力で高コントラストの優れたアクティブマトリックス型平面表示装置が得られる。
また、本発明のアクティブマトリックス基板の製造方法によれば、高い信頼性を有するアクティブマトリックス基板を簡単な操作で効率的に製造することができる。
本発明のアクティブマトリックス基板の一態様の、1画素単位の模式的平面図(1a)及びTFT部を含む部分断面図(1b)である。 本発明のアクティブマトリックス基板を用いて作製され得るアクティブマトリックス型液晶表示装置の一態様の平面図である。 図2のアクティブマトリックス型液晶表示装置のX−Y断面図である。 本発明の有機EL表示装置における有機EL素子の典型的な構成例を示す。 アクティブマトリックス型有機EL表示装置に使用される、本発明のアクティブマトリックス基板上の回路の一例の説明図である。 実施例1と比較例1のアクティブマトリックス基板についての、ゲート電極の電圧と、ソース電極/ドレイン電極間の電流との関係を示すグラフである。 従来のアクティブマトリックス基板上の回路の一例の説明図である。
符号の説明
α アモルファスシリコン膜
0 ゲート絶縁膜
1 基材
2 ゲート信号線
3 ソース信号線
4 薄膜トランジスタ(TFT)
5 ゲート電極
6 ソース電極
7 ドレイン電極
8 シリコン酸化層
9 有機保護膜
10 コンタクトホール
11 画素電極
12 ゲート信号線
13 ソース信号線
14 薄膜トランジスタ(TFT)
15 ゲート電極
16 ソース電極
17 ドレイン電極
18 画素電極
101 アクティブマトリックス基板
102 カラーフィルタ基板
103 シール材
104 有機保護膜
105 電極パターン
108 入力端子
110 液晶層
111 配向膜
201 薄膜トランジスタ(TFT)
202 画素電極
203 ゲート信号線
204 ソース信号線
206 対向電極
207 カラーフィルタ層
208 ブラックマトリックス
301 アクティブマトリックス基板
302 発光材料層
303 上部電極層(陰極)
304 封止膜
401 走査電極
402 薄膜トランジスタ(TFT)
403 データ電極
404 コンデンサ
405 薄膜トランジスタ(TFT)
406 有機EL素子
本発明のアクティブマトリックス基板は、基材上に形成されたTFTのアモルファスシリコン膜α上にシリコン酸化層を有し、更にシリコン酸化層上に積層された有機保護膜を有する。
図1は、本発明のアクティブマトリックス基板の一態様における、1画素単位の模式的平面図(1a)及びTFT部を含む部分断面図(1b)である。本態様においては、基材1の表面に、ゲート信号線2とソース信号線3が直交して配置され、その交点にTFT4が配置されている。TFT4は、ゲート電極5、ソース電極6及びドレイン電極7を有する。基材1の上に形成されたTFT4のアモルファスシリコン膜αの上にシリコン酸化層8が形成されており、シリコン酸化層8の上には、有機高分子からなる有機保護膜9が設けられ、有機保護膜9のコンタクトホール10を介して、ドレイン電極7と画素電極11とが接続されている。なお、本態様ではTFTが1画素単位当たり1つであるが、所望により2つ以上形成されていてもよい。
本発明のアクティブマトリックス基板の各構成要素、即ち、基材、ゲート信号線、ソース信号線、TFT、画素電極等は、例えば、前記特許文献1や2に記載されているような従来のアクティブマトリックス基板のものと同様であり、それらの公知文献に記載の材料を用いて形成することができる。
本発明のアクティブマトリックス基板においては、TFTのアモルファスシリコン膜上にシリコン酸化層が形成されているが、シリコン酸化層が形成されると、アモルファスシリコン膜の表面と有機保護膜との間への水分の侵入が防止されるものと推定される。その結果、優れた耐湿熱性を有するアクティブマトリックス基板が得られる。シリコン酸化層の厚さは、特に限定されないが、良好なトランジスタ特性を発現させる観点から、5nm以下が好ましく、3nm以下がより好ましい。シリコン酸化層の厚さの下限としては、通常、1nmである。1nm未満では、充分な水分の侵入防止効果を得ることが難しい。
本明細書において、TFTのアモルファスシリコン膜上に形成されたシリコン酸化層の表面とは、TFTのチャネル部のアモルファスシリコン膜上に形成されたシリコン酸化層の表面をいう。
また、TFTのアモルファスシリコン膜は、アモルファスシリコン膜上に形成されたシリコン酸化層の表面と有機保護膜との間への水分の侵入防止をより充分なものとする観点から、さらにシリル化されたものであるのが好ましい。TFTのアモルファスシリコン膜上に形成されたシリコン酸化層の表面がシリル化された場合、アモルファスシリコン膜上に形成されたシリコン酸化層の表面の疎水性が一層向上すると推定され、本発明の所望の効果がより良好に発現され得る。
アモルファスシリコン膜上に形成されたシリコン酸化層の表面のシリル化に利用するシリル基に特に限定はなく、その具体例として、例えば、ジメチルシリル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基などを挙げることができる。これらの中で、トリメチルシリル基を好適に利用することができる(すなわち、トリメチルシリル化が好適である)。
本明細書において、シリル化とは、アモルファスシリコン膜上に形成されたシリコン酸化層等のシリル化対象物の表面に存在するプロトンがシリル基によって置換されることをいう。
本発明のアクティブマトリックス基板において、有機保護膜は、通常、TFTのアモルファスシリコン膜上に形成されたシリコン酸化層の表面に直接接するようにして、基材の全面に形成される。本発明の所望の効果の発現を阻害しない限り、アモルファスシリコン膜上に形成されたシリコン酸化層の表面と有機保護膜との間に任意の材料からなる膜が積層されていてもよい。
本発明において、有機保護膜を形成する材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどのポリオレフィン;環状オレフィン系ポリマー;アクリル樹脂;ポリイミド樹脂;ポリシロキサン樹脂;ポリエーテル;などを挙げることができる。これらの中で、環状オレフィン系ポリマーは、吸湿性が極めて小さく、誘電率の周波数依存性が小さいので好適に用いることができる。特に、TFTのアモルファスシリコン膜上に形成されたシリコン酸化層上に、かかる環状オレフィン系ポリマーからなる有機保護膜を直接積層して得たアクティブマトリックス基板は、より良好なトランジスタ特性、及びより高い信頼性を発揮し得る。本発明において、有機保護膜の厚さは、通常、0.1〜100μm、好ましくは0.5〜50μm、より好ましくは0.5〜30μmである。
環状オレフィン系ポリマーとは、環状構造(脂環又は芳香環)と炭素−炭素二重結合とを有する環状オレフィン単量体の単独重合体又は共重合体である。環状オレフィン系ポリマーは環状オレフィン単量体以外の単量体単位を有していてもよい。かかる環状オレフィン系ポリマーの全構造単位中、環状オレフィン単量体単位の割合は、通常、30〜100重量%、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは70〜100重量%である。
本発明に使用する環状オレフィン単量体は、特に限定されないが、その具体例としては、例えば、後述の、環状オレフィン単量体(a)〜(c)、ビニル脂環式炭化水素単量体(d)、及びビニル芳香族炭化水素単量体(e)が挙げられる。一方、かかる環状オレフィン単量体以外の単量体は、特に限定されないが、その具体例としては、例えば、後述の鎖状オレフィン(f)が挙げられる。
本発明の環状オレフィン系ポリマーは、これらの各単量体を任意に組合せて重合することにより形成することができる。また、得られたポリマーの環状構造が不飽和結合を有するときは、これを水素化することにより、飽和の環状構造とすることも可能である。
環状オレフィン単量体の第1の群として、極性基を有しない環状オレフィン単量体(a)を挙げることができる。その具体例としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、テトラシクロ[8.4.0.111,14.03,7]ペンタデカ−3,5,7,12,11−ペンタエン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]デカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)、8−メチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ビニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−プロペニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカ−3,10−ジエン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセン、8−フェニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、テトラシクロ[9.2.1.02,10.03,8]テトラデカ−3,5,7,12−テトラエン(「1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロ−9H−フルオレン」ともいう。)、ペンタシクロ[7.4.0.13,6.110,13.02,7]ペンタデカ−4,11−ジエン、ペンタシクロ[9.2.1.14,7.02,10.03,8]ペンタデカ−5,12−ジエン等が挙げられる。
これらの環状オレフィン単量体は、それぞれ単独で使用しても2種以上を組合せて使用してもよい。
環状オレフィン単量体の第2の群としては、極性基を有する環状オレフィン単量体を挙げることができる。極性基を有する環状オレフィン単量体は、それぞれ単独で使用しても2種以上を組合せて使用してもよい。
極性基は、プロトン性極性基と、これ以外の極性基とに分けて示すことができる。従って、極性基を有する環状オレフィン単量体は、プロトン性極性基を有する環状オレフィン単量体(b)と、プロトン性極性基以外の極性基(非プロトン性極性基)を有する環状オレフィン単量体(c)とに分けて示すことができる。
本明細書においてプロトン性極性基とは、炭素原子以外の原子に水素原子が直接結合した原子団をいう。ここで、炭素原子以外の原子は、好ましくは周期律表第15族及び第16族に属する原子、より好ましくは周期律表第15族及び第16族の第1及び第2周期に属する原子、更に好ましくは酸素原子、窒素原子及び硫黄原子、特に好ましくは酸素原子である。
プロトン性極性基の具体例としては、カルボキシ基(ヒドロキシカルボニル基)、スルホン酸基、リン酸基、ヒドロキシ基等の酸素原子を有する極性基;第一級アミノ基、第二級アミノ基、第一級アミド基、第二級アミド基(イミド基)等の窒素原子を有する極性基;チオール基等の硫黄原子を有する極性基;等が挙げられる。これらの中でも、酸素原子を有するものが好ましく、より好ましくはカルボキシ基である。
プロトン性極性基を有する環状オレフィン単量体(b)の具体例としては、5−ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシメチル−5−ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エキソ−6−エンド−ジヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、8−ヒドロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−ヒドロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エキソ−9−エンド−ジヒドロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]]ドデカ−3−エン等のカルボキシ基を有する環状オレフィン;5−(4−ヒドロキシフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−(4−ヒドロキシフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、8−(4−ヒドロキシフェニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−(4−ヒドロキシフェニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン等のヒドロキシ基を有する環状オレフィン等が挙げられ、これらの中でもカルボキシ基を有する環状オレフィンが好ましい。
非プロトン性極性基の具体例としては、エステル基(アルコキシカルボニル基及びアリーロキシカルボニル基を総称していう。)、N−置換イミド基、エポキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、カルボニルオキシカルボニル基(ジカルボン酸の酸無水物残基)、アルコキシ基、カルボニル基、第三級アミノ基、スルホン基、ハロゲン原子、アクリロイル基等が挙げられる。これらのうち、好ましくはエステル基、N−置換イミド基、シアノ基及びハロゲン原子であり、より好ましくはエステル基及びN−置換イミド基である。特に、N−置換イミド基が好ましい。
非プロトン性極性基を有する環状オレフィン単量体(c)としては、以下のようなものが具体的に例示される。
エステル基を有する環状オレフィンとしては、例えば、5−アセトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、8−アセトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン等が挙げられる。
N−置換イミド基を有する環状オレフィンとしては、例えば、N−(4−フェニル)−(5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド)等が挙げられる。
シアノ基を有する環状オレフィンとしては、例えば、8−シアノテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−シアノテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等が挙げられる。
ハロゲン原子を有する環状オレフィンとしては、例えば、8−クロロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−クロロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン等が挙げられる。
また、ビニル脂環式炭化水素単量体(d)の例としては、ビニルシクロプロパン、ビニルシクロブタン、ビニルシクロペンタン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘプタン等のビニルシクロアルカン;3−メチル−1−ビニルシクロヘキサン、4−メチル−1−ビニルシクロヘキサン、1−フェニル−2−ビニルシクロプロパン、1,1−ジフェニル−2−ビニルシクロプロパン等の置換基を有するビニルシクロアルカン;等を挙げることができる。
ビニル芳香族炭化水素単量体(e)の例としては、スチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、3−ビニルナフタレン等のビニル芳香族類;3−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレン等の置換基を有するビニル芳香族類;m−ジビニルベンゼン、p−ジビニルベンゼン、ビス(4−ビニルフェニル)メタン等の多官能ビニル芳香族類;等を挙げることができる。
鎖状オレフィン(f)の例としては、エチレン;プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等の炭素数2〜20のα−オレフィン;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン等の非共役ジエン等が挙げられる。
これらの単量体は、それぞれ単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。
上記各単量体の重合方法は、常法に従えばよく、例えば、開環重合法や付加重合法が採用される。重合触媒としては、例えば、モリブデン、ルテニウム、オスミウム等の金属錯体が好適に用いられる。これらの重合触媒は、それぞれ単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。例えば、環状オレフィン単量体の開環重合体及び環状オレフィン単量体の開環共重合体(以下、両者を併せて「環状オレフィン単量体の開環(共)重合体」という。)を得る場合、重合触媒の量は、重合触媒中の金属化合物:環状オレフィン単量体のモル比で、通常、1:100〜1:2,000,000、好ましくは1:500〜1:1,000,000、より好ましくは1:1,000〜1:500,000の範囲である。
上記重合によって得られる環状オレフィン系ポリマーは、所望により水素添加することができる。水素添加は、通常、水素添加触媒を用いて行われる。水素添加触媒としては、例えば、オレフィン化合物の水素添加に際して一般的に使用されているものを用いることができる。具体的には、チーグラータイプの均一系触媒、貴金属錯体触媒、担持型貴金属系触媒等が利用できる。これらの水素添加触媒のうち、プロトン性極性基等の官能基を変性させる等の副反応を起こさず、ポリマー中の炭素−炭素不飽和結合に選択的に水素添加できる点から、ロジウム、ルテニウム等の貴金属錯体触媒が好ましく、電子供与性の高い含窒素複素環式カルベン化合物又はホスフィン類が配位したルテニウム触媒がより好ましい。なお、環状オレフィン系ポリマーの水素化率は、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上である。
本発明に用いる環状オレフィン系ポリマーは、特に限定されないが、好ましくは、環状オレフィン単量体の開環(共)重合体及びそれらの水素添加物;環状オレフィン単量体とビニル脂環式炭化水素単量体との付加共重合体及びその水素添加物;並びに環状オレフィン単量体とビニル芳香族炭化水素単量体との付加共重合体及びその水素添加物;からなる群から選択される少なくとも1種であり、より好ましくは、環状オレフィン単量体の開環(共)重合体の水素添加物である。
本発明において、環状オレフィン系ポリマーは、組成等の異なるものを、それぞれ単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。
本発明において使用する環状オレフィン系ポリマーとしては、極性基を有するものが好ましい。極性基を有する環状オレフィン系ポリマーに含まれる極性基の数は特に限定されず、極性基は、同一又は相異なる種類のものが含まれていてもよい。また、極性基は、環状オレフィン単量体単位に結合していても、環状オレフィン単量体以外の単量体単位に結合していてもよいが、環状オレフィン単量体単位に結合しているのが好ましい。
本発明においては、環状オレフィン系ポリマーは、特にプロトン性極性基を有するものが好ましい。プロトン性極性基を有する環状オレフィン系ポリマー(以下、「プロトン性極性基含有環状オレフィン系ポリマー」という場合がある。)を使用することにより、後述するような感放射線性樹脂組成物の活性放射線に対する感度や、該組成物の基板に対する密着性が向上するので好適である。プロトン性極性基含有環状オレフィン系ポリマーは、組成等の異なるものを、それぞれ単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。
本発明においてプロトン性極性基含有環状オレフィン系ポリマーとしては、以下に示すような、式(I)で表される構造単位を有するものが好適であり、式(I)で表される構造単位及び式(II)で表される構造単位を有するものがより好適である。式(I)で表される構造単位、及び式(II)で表される構造単位は、いずれも環状オレフィン単量体単位である。
Figure 2008105244
〔式(I)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子又は−X−R’基(Xは二価の有機基であり;nは0又は1であり;R’は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族基、又はプロトン性極性基である。)である。R〜Rのうち少なくとも1つは、R’がプロトン性極性基である−X−R’基である。mは0〜2の整数である。〕
Figure 2008105244
〔式(II)中、R〜Rは、任意の組み合わせで、それらが結合している2つの炭素原子と共に、環構成原子として酸素原子又は窒素原子を含む、3〜5員の複素環構造を形成しており、この複素環は、当該複素環に置換基を有していてもよい。kは0〜2の整数である。〕
一般式(I)において、Xで示される二価の有機基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、カルボニル基等が挙げられる。R’で示される、置換基を有していてもよいアルキル基は、通常、直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜7のアルキル基であり、その例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。置換基を有していてもよい芳香族基は、通常、炭素数6〜10の芳香族基であり、その例としては、フェニル基、ベンジル基等が挙げられる。アルキル基や芳香族基の置換基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基;フェニル基、キシリル基、トリル基、ナフチル基等の炭素数6〜12のアリール基;等が挙げられる。R’で示されるプロトン性極性基としては、前記したような基が挙げられる。
一般式(II)において、R〜Rが、任意の組み合わせで、それらが結合している2つの炭素原子と共に形成する3員複素環構造としては、例えば、エポキシ構造等が挙げられる。また、同じく5員複素環構造としては、例えば、ジカルボン酸無水物構造〔−C(=O)−O−C(=O)−〕、ジカルボキシイミド構造〔−C(=O)−N−C(=O)−〕等が挙げられる。当該複素環に結合した置換基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられる。
プロトン性極性基含有環状オレフィン系ポリマーにおいて、プロトン性極性基を有する単量体単位とこれ以外の単量体単位との比率(プロトン性極性基を有する単量体単位/これ以外の単量体単位)は、重量比で、通常、100/0〜10/90、好ましくは90/10〜20/80、より好ましくは80/20〜30/70の範囲である。
本発明において使用するプロトン性極性基含有環状オレフィン系ポリマーの好ましい製造方法としては、プロトン性極性基を有する環状オレフィン単量体(b)を重合し、所望により水素添加を行う方法を挙げることができる。
また、本発明において使用するプロトン性極性基含有環状オレフィン系ポリマーは、プロトン性極性基を有しない環状オレフィン系ポリマーに、公知の方法により、変性剤を用いてプロトン性極性基を導入する方法によっても得ることができる。このとき、プロトン性極性基導入前後のポリマーについて、水素添加を行ってもよい。
プロトン性極性基を有しない環状オレフィン系ポリマーにプロトン性極性基を導入するための変性剤としては、通常、一分子内に、反応性の炭素−炭素不飽和結合とプロトン性極性基とを有する化合物が用いられる。このような化合物の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、アンゲリカ酸、チグリン酸、オレイン酸、エライジン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、アトロパ酸、ケイ皮酸等の不飽和カルボン酸;アリルアルコール、メチルビニルメタノール、クロチルアルコール、メタリルアルコール、1−フェニルエテン−1−オール、2−プロペン−1−オール、3−ブテン−1−オール、3−ブテン−2−オール、3−メチル−3−ブテン−1−オール、3−メチル−2−ブテン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−2−オール、2−メチル−3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、4−メチル−4−ぺンテン−1−オール、2−ヘキセン−1−オール等の不飽和アルコール;等を挙げることができる。変性反応は、常法に従えばよく、通常、ラジカル発生剤の存在下で行われる。これらの変性剤はそれぞれ単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
上記プロトン性極性基含有環状オレフィン系ポリマーの製法において、プロトン性極性基に代えて、その前駆体を用いてもよい。即ち、プロトン性極性基を有する単量体に代えて、そのプロトン性極性基の前駆体を有する単量体を用いてもよい。また、変性剤として、プロトン性極性基に代えてその前駆体を有する変性剤を用いてもよい。プロトン性極性基の前駆体は、その種類に応じて、光や熱による分解、加水分解等の化学反応により、プロトン性極性基に変換される。
例えば、プロトン性極性基含有環状オレフィン系ポリマーにおけるプロトン性極性基をカルボキシ基とする場合、プロトン性極性基の前駆体としてエステル基を使用し、次いで適宜カルボキシ基に変換すればよい。
一方、プロトン性極性基を有しない環状オレフィン系重合体は、常法に従って、例えば、前記単量体(a)、(c)〜(f)を使用して得ることができる。
本発明で使用する環状オレフィン系ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、通常、1,000〜1,000,000、好ましくは1,500〜100,000、より好ましくは2,000〜10,000の範囲である。
本発明で使用する環状オレフィン系ポリマーの分子量分布は、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)比で、通常、4以下、好ましくは3以下、より好ましくは2.5以下である。
本発明で使用する環状オレフィン系ポリマーのヨウ素価は、通常、200以下、好ましくは50以下、より好ましくは10以下である。環状オレフィン系ポリマーのヨウ素価がこの範囲にあれば、特に耐熱形状保持性に優れ、好適である。
本発明における有機保護膜は、好ましくは環状オレフィン系ポリマー、より好ましくは極性基を有する環状オレフィン系ポリマーにより形成されるが、基材との密着性及び有機保護膜形成以降のプロセス適合性に優れることから、有機保護膜は、極性基を有する環状オレフィン系ポリマーの架橋体により形成されるのが更に好ましい。
本発明のアクティブマトリックス基板は、例えば、前記特許文献1や2に記載されている公知の方法に準じて製造することができるが、操作が容易で製造効率に優れることから、以下の方法、すなわち、
(1)基材上に形成された薄膜トランジスタのアモルファスシリコン膜の表面を酸化して、アモルファスシリコン膜α上にシリコン酸化層を形成する工程、及び
(2)シリコン酸化層の上に感放射線性樹脂組成物により有機保護膜を形成する工程、
を有する、本発明のアクティブマトリックス基板の製造方法が好適である。
なお、本明細書では、以下、便宜的に、表面酸化前のアモルファスシリコン膜をアモルファスシリコン膜Aといい、この表面を酸化してシリコン酸化層を表面に有するアモルファスシリコン膜をアモルファスシリコン膜αという。
本発明のアクティブマトリックス基板製造方法の工程(1)において、TFTのアモルファスシリコン膜Aの表面を酸化する方法は、特に限定されないが、操作が容易で効率的にアモルファスシリコン膜Aの表面を酸化することができることから、オゾン水との接触、酸化性ガス雰囲気での紫外線照射、酸化性ガス雰囲気での加熱、及び酸化性ガスを含むプラズマ中への曝露からなる群から選ばれる少なくとも1つの方法により行うのが好ましい。
オゾン水との接触によりアモルファスシリコン膜Aの表面を酸化する方法としては、例えば、室温(25℃±5℃)にて、オゾン濃度5ppm以上(通常、オゾン濃度の上限は20ppm)のオゾン水をアモルファスシリコン膜Aの表面に、60秒間以上(通常、接触時間の上限は600秒間)接触させる方法が挙げられる。オゾン水との接触によりアモルファスシリコン膜Aの表面が酸化され、アモルファスシリコン膜α上にシリコン酸化層が形成される。シリコン酸化層の厚さは、例えば、オゾン濃度、接触時間、又は接触時のオゾン水の温度を調節することにより制御可能である。
酸化性ガス雰囲気での紫外線照射によりアモルファスシリコン膜Aの表面を酸化する方法としては、例えば、酸化性ガスを含む雰囲気中において、紫外線光をアモルファスシリコン膜Aの表面に照射する方法が挙げられる。当該方法の条件としては、例えば、室温にて、アモルファスシリコン膜Aの表面に対し、酸化性ガスとして酸素を約20体積%含む空気中で、310nm以下の波長の紫外線を1W/cm以上(通常、強度の上限は10W/cm)の強度で60秒間以上照射するような条件が挙げられる。酸化性ガスの濃度は、通常、20体積%から100体積%(すなわち、酸化性ガス単独)である。酸化性ガス雰囲気に含まれる酸化性ガス以外のガスとしては、例えば、ヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスや窒素等の不活性ガスが挙げられる。紫外線照射によりアモルファスシリコン膜Aの表面が酸化され、アモルファスシリコン膜α上にシリコン酸化層が形成される。シリコン酸化層の厚さは、例えば、紫外線の波長、強度、照射時間、又は酸化性ガス濃度を調節することにより制御可能である。
酸化性ガス雰囲気での加熱によりアモルファスシリコン膜Aの表面を酸化する方法としては、例えば、酸化性ガスを含む雰囲気中において、アレイ基板の加熱を通してアモルファスシリコン膜Aを加熱する方法が挙げられる。本明細書においてアレイ基板とは、基材上にTFTが形成され、所定の回路が配置されてなる基板をいう。当該方法の条件としては、例えば、酸化性ガスとして酸素を約20体積%含む空気中で、200℃以上でアモルファスシリコン膜Aを60分間以上加熱するような条件が挙げられる。酸化性ガスの濃度は、通常、20体積%から100体積%(すなわち、酸化性ガス単独)である。酸化性ガス雰囲気に含まれる酸化性ガス以外のガスとしては、例えば、ヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスや窒素等の不活性ガスが挙げられる。加熱によりアモルファスシリコン膜Aの表面が酸化され、アモルファスシリコン膜α上にシリコン酸化層が形成される。シリコン酸化層の厚さは、酸化性ガスの濃度、加熱温度、又は加熱時間を調節することにより制御可能である。
酸化性ガスを含むプラズマ中への曝露によりアモルファスシリコン膜Aの表面を酸化する方法としては、例えば、酸化性ガスをプラズマ化させ、かかるプラズマ雰囲気中でアモルファスシリコン膜Aを維持する方法が挙げられる。当該方法の条件としては、例えば、大気圧にて、プラズマ出力30W/cm以上(通常、出力の上限は100W/cm)で、酸化性ガスとして酸素を10体積%含むプラズマを発生させ、その中でアモルファスシリコン膜Aを60秒間以上維持するような条件が挙げられる。プラズマ中の酸化性ガスの濃度は、通常、10体積%から100体積%である。プラズマ中の酸化性ガス以外のガスとしては、例えば、ヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスが挙げられる。プラズマの作用によりアモルファスシリコン膜Aの表面が酸化され、アモルファスシリコン膜α上にシリコン酸化層が形成される。シリコン酸化層の厚さは、酸化性ガスの濃度、プラズマ出力、又は維持時間を調節することにより制御可能である。
なお、前記酸化性ガスとしては、例えば、酸素(O)、二酸化炭素(CO)、水(HO)、オゾン(O)、一酸化窒素(NO)等が挙げられる。一般に、オゾン(O)は強い酸化作用を持ち、二酸化炭素(CO)や一酸化窒素(NO)等の酸化作用は弱い。プラズマ中への曝露による方法でアモルファスシリコン膜Aの表面を酸化する場合、酸化性ガスとしては、特に、酸素(O)が好適である。
以上により、基材上のTFTのアモルファスシリコン膜には、その表面にシリコン酸化層が形成されることになるが、ここで、アモルファスシリコン膜α上に形成されたシリコン酸化層を更にシリル化してもよい〔工程(1)’〕。
基材上に形成されたTFTのアモルファスシリコン膜α上に形成されたシリコン酸化層の表面をシリル化するために使用されるシリル化剤としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、N−トリメチルシリルアセトアミド、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、N−メチル−N−トリメチルシリルアセトアミド、N−メチル−N−トリメチルシリルトリフルオロアセトアミド、N−トリメチルシリルジメチルアミン、N−トリメチルシリルジエチルアミン、N,O−ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド、N−トリメチルシリルイミダゾール、テトラメチルジシラザン、t−ブチルジメチルクロロシラン、N−メチル−N−(t−ブチルジメチルシリル)トリフルオロアセトアミド、ジクロロメチルテトラメチルジシラザン、クロロメチルジメチルクロロシラン、ブロモメチルジメチルクロロシラン、オクタデシルトリクロロシラン、N,N’−ビス(トリメチルシリル)尿素、N−トリメチルシリル−N,N’−ジフェニル尿素、N,O−ビス(トリメチルシリル)カーバメート、N,O−ビス(トリメチルシリル)サルファメート、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホン酸などを挙げることができる。これらの中で、アモルファスシリコン膜α上に形成されたシリコン酸化層の表面と有機保護膜との間への水分の浸入防止効果、及び両者の界面の密着性向上効果に優れることから、特にヘキサメチルジシラザンを好適に用いることができる。これらのシリル化剤は、それぞれ単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
本発明のアクティブマトリックス基板製造方法において、基材上に形成されたTFTのアモルファスシリコン膜α上に形成されたシリコン酸化層の表面をシリル化剤と接触させて該表面をシリル化する方法に特に制限はない。例えば、ホットプレートを備えたシリル化処理室にTFTが形成されたアレイ基板をホットプレートから離して搬入し、処理室内を減圧にしてシリル化剤の蒸気を導入し、ホットプレートを加熱してアレイ基板をホットプレートに近づけ、50℃以下でシリル化剤の蒸気を均一に拡散させて、シリル化剤の蒸気の導入と排気を停止し、アレイ基板をホットプレートに接触させて80〜90℃の温度でシリル化反応を行ったのち、シリル化剤の蒸気を窒素により置換してシリル化反応を停止させる方法が挙げられる。シリル化は、アレイ基板とシリル化剤の蒸気との接触が行われている間に進行する。その場合、シリル化剤の濃度は、0.15体積%が好ましい。上記方法によれば、TFTのアモルファスシリコン膜α上に形成されたシリコン酸化層の表面を含め、アレイ基板の全面がシリル化され得る。接触は、通常、1分間以上行えばよい。
また、上記方法の他、例えば、密閉した容器に常温、常圧でアレイ基板と少量のシリル化剤とを同封することにより、アレイ基板上のTFTのアモルファスシリコン膜α上に形成されたシリコン酸化層の表面をシリル化する方法が挙げられる。かかる方法によれば、実質的に、TFTのアモルファスシリコン膜α上に形成されたシリコン酸化層の表面がシリル化され得る。
工程(2)においては、工程(1)で得られたシリコン酸化層の上に感放射線性樹脂組成物により有機保護膜を形成する。
前記感放射線性樹脂組成物としては、特に限定されるものではないが、通常、極性基を有する環状オレフィン系ポリマー、架橋剤、感放射線化合物、及び溶剤を含有してなるものが好適に用いられる。
極性基を有する環状オレフィン系ポリマーの好ましい例としては、前記式(I)で表される構造単位及び/又は式(II)で表される構造単位を有する環状オレフィン系ポリマーが挙げられる。
架橋剤の好ましい例としては、エポキシ基を2つ以上、好ましくはエポキシ基を3つ以上有する、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ポリフェノール型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、脂肪族グリシジルエーテル、エポキシアクリレート重合体等の多官能エポキシ化合物が挙げられる。
感放射線化合物(紫外線や電子線等の放射線の照射により、化学反応を引き起こすことができる化合物)の好ましい例としては、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロライド、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロライド、1,2−ベンゾキノンジアジド−5−スルホン酸クロライド等のキノンジアジドスルホン酸ハライドと、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン、4,4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール等のフェノール性水酸基を有する化合物とのエステル化合物等の光酸発生剤が挙げられる。
かかる組成物には、公知の感放射線性樹脂組成物に慣用されるその他の成分の他、無機微粒子として、例えば、コロイダルシリカが含まれていてもよい。
また、溶剤としては、例えば、モノアルキレングリコール溶媒;ポリアルキレングリコール溶媒;モノアルキレングリコールアルキルエステル溶媒;ポリアルキレングリコールアルキルエステル溶媒;モノアルキレングリコールジエステル溶媒;ポリアルキレングリコールジエステル溶媒;等が挙げられる。
以上の感放射線性樹脂組成物はポジ型の例であるが、ネガ型であってもよい。かかる組成物は公知の方法に従って製造することができる。なお、本発明方法に用いる感放射線性樹脂組成物の固形分濃度は、必要な有機保護膜の厚さや塗布方法等を考慮して適宜選定することができるが、5〜40重量%であるのが好ましい。調製された感放射線性樹脂組成物は、通常、孔径0.1〜5μmのフィルター等を用いて異物等を除去したのち、塗布するのが好ましい。
有機保護膜は前記感放射線性樹脂組成物を用いて形成するのが、操作が簡便で製造効率に優れることから、好適である。それゆえ、有機保護膜は、通常、湿式法により形成する。湿式法とは、有機保護膜を構成する有機高分子及び所望によりその他の配合剤を溶媒に溶かして溶液を得、該溶液を流延させて溶媒を除去し成膜する方法である。当該方法としては、例えば、塗布法やフィルム積層法等が挙げられる。これらの方法によれば、通常、有機保護膜はアレイ基板の全面に形成されることになる。
前記塗布法は、感放射線性樹脂組成物をアレイ基板上に塗布したのち、加熱乾燥して溶媒を除去する方法である。感放射線性樹脂組成物をアレイ基板上に塗布する方法としては、例えば、スプレー法、スピンコート法、ロールコート法、ダイコート法、ドクターブレード法、回転塗布法、バー塗布法、スクリーン印刷法等を挙げることができる。加熱乾燥温度は、各成分の種類や配合割合に応じて適宜選択することができるが、通常、30〜150℃である。加熱乾燥時間は、各成分の種類や配合割合に応じて適宜選択することができるが、通常、0.5〜90分間である。
前記フィルム積層法は、感放射線性樹脂組成物を、樹脂フィルムや金属フィルム等のBステージフィルム形成用基材上に塗布した後に加熱乾燥により溶媒を除去してBステージフィルムを得、次いで、このBステージフィルムをアレイ基板上に積層する方法である。加熱乾燥条件は、各成分の種類や配合割合に応じて適宜選択することができるが、加熱温度は、通常、30〜150℃であり、加熱時間は、通常、0.5〜90分間である。フィルム積層は、加圧ラミネータ、プレス、真空ラミネータ、真空プレス、ロールラミネータ等の圧着機を用いて行うことができる。
以上により、シリコン酸化層の上に有機保護膜が形成される。この有機保護膜は、通常、これに活性放射線を照射して当該膜中に潜像パターンを形成し、次いで現像液を接触させることにより潜像パターンを顕在化させて、パターン化される。かかる操作により、コンタクトホールとなるホールパターンを容易に形成することができる。
活性放射線は、感放射線化合物を活性化させ、感放射線性樹脂組成物のアルカリ可溶性を変化させることができるものであれば特に限定されず、例えば、紫外線、g線やi線等の単一波長の紫外線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光等の光線;電子線等の粒子線;等を挙げることができる。これらの活性放射線を選択的にパターン状に照射して潜像パターンを形成する方法としては、例えば、縮小投影露光装置等により、紫外線、g線、i線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光等の光線を、マスクパターンを介して照射する方法、電子線等の粒子線により描画する方法等を挙げることができる。活性放射線を照射したのち、所望により、有機保護膜を60〜130℃で、1〜2分間加熱処理してもよい。
活性放射線照射により形成された潜像パターンを現像して顕在化させるための現像液としては、アルカリ性化合物の水性溶液を用いることができる。アルカリ性化合物としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の無機化合物、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドやテトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の有機化合物のいずれをも用いることができる。アルカリ水性溶液の水性媒体としては、水;メタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒を使用することができる。アルカリ水性溶液は、界面活性剤等を適当量添加したものであってもよい。
潜像パターンを有する有機保護膜に現像液を接触させる方法としては、例えば、パドル法、スプレー法、ディッピング法等を挙げることができる。現像温度は、通常、5〜55℃であり、現像時間は、通常、30〜180秒間である。
このようにしてパターン化された有機保護膜をアレイ基板上に形成したのち、所望により、基板上、基板裏面及び基板端部の現像残渣を除去するために、アレイ基板を超純水等のリンス液を用いてリンスしてもよい。
更に、所望により、感放射線化合物を失活させるために、パターン化有機保護膜を有するアレイ基板全面に活性放射線を照射したり、それと同時に又は照射後、有機保護膜を加熱したりしてもよい。加熱方法としては、例えば、アレイ基板をホットプレートやオーブン内で加熱する方法が挙げられる。加熱温度は、通常、100〜300℃である。
本発明のアクティブマトリックス基板製造方法においては、アレイ基板上に有機保護膜を形成した後、通常、有機保護膜をパターン化した後に、樹脂の架橋反応を行うのが好ましい。アレイ基板上に形成された有機保護膜を架橋する方法は、使用した架橋剤の種類に応じて適宜選択することができるが、通常は加熱により行う。加熱は、例えば、ホットプレート、オーブン等を用いて行うことができる。加熱温度は、180〜250℃であるのが好ましく、加熱時間は、有機保護膜の大きさ、厚さ、使用機器等に応じて適宜選択することができる。例えば、ホットプレートを用いる場合は、5〜60分間、オーブンを用いる場合は、30〜90分間であるのが好ましい。
加熱は、所望により、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノン、クリプトン等の不活性ガス雰囲気下で行うことができる。
有機保護膜にコンタクトホールとなるホールパターンを形成した後、有機保護膜の上に、例えば、スパッタリング法によりITO(Indium Tin Oxide)からなる画素電極を形成してパターニングし、有機保護膜のコンタクトホールを介してTFTのドレイン電極と画素電極とを接続する。このとき、画素電極を構成するITOにより電極パターンを同時に形成する。その後、配向膜を形成してラビング処理等の配向処理を施すことにより所望のアクティブマトリックス基板が得られる。
本発明の平面表示装置は、本発明のアクティブマトリックス基板を備えてなることを特徴とする。本発明の平面表示装置は、該基板を用いてなることから、長寿命、低消費電力で高コントラストの優れた平面表示装置である。平面表示装置の具体例としては、アクティブマトリックス型液晶表示装置、アクティブマトリックス型有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置等が挙げられる。
前記アクティブマトリックス型液晶表示装置は、液晶材料やフィルム状液晶等を間に挟んで対向配設された一対の基板からなるものであって、一対の基板のうち一方の基板が本発明のアクティブマトリックス基板で構成された平面表示装置である。アクティブマトリックス基板に対して対向配設される基板(以下、「対向基板」という。)としては、例えば、カラーフィルタ基板、マイクロレンズ基板等が挙げられる。
また、アクティブマトリックス基板とカラーフィルタ基板とで構成される液晶表示装置の変形例としては、アクティブマトリックス基板における画素電極上に、カラーフィルタ材料層を直接設け、対向基板にカラーフィルタを設けない態様の液晶表示装置や、導電性を有するカラーフィルタ材料により、アクティブマトリックス基板の画素電極を形成し、対向基板にカラーフィルタを設けない態様の液晶表示装置等が挙げられる。
図2に、本発明のアクティブマトリックス基板を用いて作製され得るアクティブマトリックス型液晶表示装置の一態様の平面図を、図3に、そのX−Y線断面図を示す。本態様においては、画素電極202を備えたアクティブマトリックス基板101と、対向電極206を備えたカラーフィルタ基板102とが、液晶層110を挟んで対向配設され、各画素電極202と対向電極206との対向部分が画素となっている。画素からなる表示領域の外周にはシール材103が設けられ、表示領域とシール材103との間の領域に電極パターン105が存在している。なお、カラーフィルタ基板102には、ブラックマトリックス208を有するカラーフィルタ層207上に対向電極206が設けられ、その上に配向膜111が設けられている。アクティブマトリックス基板101には、基板上、スイッチング素子としてのTFT201を駆動するゲート信号を供給するゲート信号線203及びTFT201にソース信号を供給するソース信号線204が互いに直交して設けられている。両信号線の交差部近傍にTFT201が設けら、その上に有機保護膜104を介して、両信号線と一部重なるように画素電極202が設けられている。なお、有機保護膜104のコンタクトホール(図示せず)において、画素電極202とTFT201のドレイン電極とが接続されている。また、有機保護膜104の上には配向膜111が対向配設されている。
一方、ゲート信号線203及びソース信号線204は、額縁領域を超えて延出形成されており、その外側の端子領域に設けられた入力端子108を介して、ゲート信号線203にTFT201駆動用の信号電圧が入力され、ソース信号線204に表示データの信号電圧が入力され得る。電極パターン105が、有機保護膜104の外周領域上に形成され、更に端子領域まで延長形成されており、駆動回路からの信号が入力される。以上の液晶表示装置は公知の方法、例えば、特開2003−005215号公報に記載の方法に従って製造することができる。
前記アクティブマトリックス型有機EL表示装置は、本発明のアクティブマトリックス基板上、マトリクス配列して形成された各画素が、少なくとも1つの有機EL素子と、該有機EL素子を駆動するための少なくとも2つのTFTとを有するものである。
有機EL素子は、特に制限されず、例えば、陽極となる正孔注入電極と陰極となる電子注入電極との間に正孔輸送層と発光材料層とが形成された構造(SH−A構造)のもの、正孔注入電極と電子注入電極との間に発光材料層と電子輸送層とが形成された構造(SH−B構造)のもの、又は正孔注入電極と電子注入電極との間に、正孔輸送層と発光材料層と電子輸送層とが形成された構造(DH構造)のもの等が挙げられる。いずれの構造の場合でも、有機EL素子は正孔注入電極(陽極)から注入された正孔と電子注入電極(陰極)から注入された電子が、発光材料層と正孔(又は電子)輸送層の界面、及び発光材料層内で再結合して発光するという原理で作動する。
図4に、本発明の有機EL表示装置における有機EL素子の典型的な構成例を示す。図4に示す有機EL素子は、アクティブマトリックス基板〔下部電極層(陽極)として画素電極を含む〕301、発光材料層302、及び上部電極層(陰極)303から構成されている。また、最外層として封止膜304が設けられている。有機EL表示装置の一画素分の構成としては、通常、少なくとも1つの有機EL素子に対し、該EL素子を駆動するためのTFTとして少なくとも2つ、即ち、駆動トランジスタと書き込みトランジスタが必要であるが、図4の構成例では両トランジスタは省略してある。それらのトランジスタは、本発明のアクティブマトリックス基板に存在する。
本発明のアクティブマトリックス基板では、陽極としての画素電極とTFTのドレイン電極とが接続されている。図5に、本発明のアクティブマトリックス基板上の回路の一例を示すが、該回路において、水平駆動回路に接続された走査電極401に順次印加された電圧によりTFT402(書き込みトランジスタ)がオン状態になり、垂直駆動回路に接続されたデータ電極403からの表示信号に応じた電荷量がコンデンサ404に蓄積される。コンデンサ404に蓄積された電荷量によりTFT405(駆動トランジスタ)が動作し、有機EL素子406に電流が供給され有機EL素子が点灯する。走査電極401に電圧が印加されるまでの間、この点灯状態が保持されることになる。以上の有機EL表示装置は公知の方法、例えば、特開2002―333846号公報に記載の方法に従って製造することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
製造例1(環状オレフィン系ポリマーの製造)
8−カルボキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン60重量部、N−フェニル−(5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド)40重量部、1,5−ヘキサジエン2.8重量部、(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド0.05重量部及びジエチレングリコールエチルメチルエーテル400重量部を、窒素置換した耐圧ガラス反応器に仕込み、撹拌下に80℃で2時間重合反応を行って開環メタセシス重合体1Aを含有する重合反応溶液を得た。重合転化率は、99.9%以上であった。この重合体1Aの重量平均分子量は3,200、数平均分子量は1,900、分子量分布は1.68であった。
次いで、水素添加触媒としてビス(トリシクロヘキシルホスフィン)エトキシメチレンルテニウムジクロリド0.1重量部を重合反応溶液に加え、水素を4MPaの圧力で5時間溶存させて、水素添加反応を進行させたのち、活性炭粉末1重量部を添加し、オートクレーブに入れて撹拌しつつ150℃で水素を4MPaの圧力で3時間溶存させた。次いで、溶液を取り出して孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターでろ過して活性炭を分離して開環メタセシス重合体1Aの水素化物1Bを含有する水素添加反応溶液476重量部を得た。ろ過は、滞りなく行うことができた。ここで得られた水素化物1Bを含有する水素添加反応溶液の固形分濃度は20.6重量%であり、水素化物1Bの収量は98.1重量部であった。得られた水素化物1Bの重量平均分子量は4,430、数平均分子量は2,570、分子量分布は1.72であった。水素化率は99.9%であった。
なお、重合体1A及び水素化物1Bの重量平均分子量及び数平均分子量は、テトラヒドロフランを溶離液とし、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(東ソー社製、HLC−8020)を用いて、ポリイソプレン換算分子量として求めた。
得られた水素化物1Bの水素添加反応溶液をロータリーエバポレーターで濃縮し、固形分濃度を35重量%に調整して、水素化物1C(極性基としてカルボキシ基を有する環状オレフィン系ポリマー)の溶液を得た。濃縮の前後で収量、水素化物の重量平均分子量、数平均分子量、及び分子量分布に変化はなかった。
〔実施例1〕
製造例1で得られた水素化物1Cを含有する環状オレフィン系ポリマー溶液(固形分35重量%)100重量部、架橋剤として脂環式構造を有する多官能エポキシ化合物[ダイセル化学工業社製、EHPE3150(製品名)、分子量約2,700、エポキシ基数15]25重量部、感放射線化合物として1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン(1モル)と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロライド(2.5モル)との縮合物25重量部、老化防止剤として(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル/トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート5重量部、接着助剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン5重量部及びシリコーン系界面活性剤[信越化学工業社製、KP341(製品名)]0.05重量部を混合し、更にジエチレングリコールエチルメチルエーテル92重量部及びN−メチル−2−ピロリドン8重量部を添加して混合撹拌した。混合物は、5分以内に均一な溶液になった。この溶液を孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過して、感放射線性樹脂組成物1Dを調製した。
ガラス基材[コーニング社製、コーニング1737(製品名)]上に、スパッタリング装置を用いて、クロムを200nmの膜厚に形成し、フォトリソグラフィによりパターニングを行い、ゲート電極、ゲート信号線及びゲート端子部を形成した。次いで、CVD装置により、ゲート電極とゲート配線とを覆って、ゲート絶縁膜となるシリコン窒化物膜を450nmの厚さ、半導体層となるa−Si層を250nmの厚さ、オーミックコンタクト層となるn+Si層を50nmの厚さで連続成形し、n+Si層とa−Si層とをアイランド状にパターニングした。更に、ゲート絶縁膜とn+Si層との上にスパッタリング装置で、クロムを200nmの膜厚に形成し、フォトリソグラフィにより、ソース電極、ソース信号線、ドレイン電極及びデータ端子部を形成し、ソース電極とドレイン電極との間の不要なn+Si層を除去してバックチャネル(アモルファスシリコン膜)を形成した。その後、23℃にて、濃度10ppmのオゾン水に、得られたアレイ基板を3分間浸漬し、TFTのバックチャネル部の表面に厚さ3nmのシリコン酸化層を形成した。
次いで、アレイ基板をホットプレートを備えたシリル化処理室に入れ、処理室内部を脱気したのちシリル化剤としてヘキサメチルジシラザンを導入し、50℃でヘキサメチルジシラザンの蒸気を処理室内に均一に拡散させたのち、ホットプレートによりアレイ基板を85℃に加熱して1分間シリル化を行った。次いで、窒素により処理室内のヘキサメチルジシラザンを置換し、室温まで冷却して、TFTのアモルファスシリコン膜α上に形成されたシリコン酸化層表面を含み、表面全体がシリル化(トリメチルシリル化)されたアレイ基板を得た。
得られた、表面がシリル化されたアレイ基板に、上記の感放射線性樹脂組成物1Dをスピンコートしたのち、ホットプレートを用いて90℃で2分間プリベークして、膜厚2.5μmの樹脂膜を形成した。この樹脂膜に、10μm×10μmのホールパターンのマスクを介して、365nmにおける光強度が5mW/cmである紫外線を、40秒間空気中で照射した。次いで、0.4重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて、25℃で90秒間現像処理を行ったのち、超純水で30秒間リンスしてコンタクトホールのパターンを形成したところ、残膜率90%以上の良好なパターンが得られた。更に、オーブンを用いて、230℃で15分間加熱するポストベーク(架橋処理)を行った。
有機保護膜が形成されたアレイ基板を真空槽に移し、スパッタガスとしてアルゴンと酸素との混合ガス(体積比100:4)を用い、圧力を0.3Pa、DC出力を400Wとし、マスクを通してDCスパッタリングすることにより、ドレイン電極に接するように、膜厚200nmのIn−Sn−O系の非晶質透明導電層(画素電極)を形成して、アクティブマトリックス基板を得た。
得られたアクティブマトリックス基板のソース電極とドレイン電極との間に電圧20Vを印加し、ゲート電極に印加する電圧を−20〜30Vに変化させて、ソース電極とドレイン電極との間に流れる電流を、マニュアルプローバーと半導体パラメータアナライザー(Agilent社製、4156C)とを用いて測定した。結果を、図6に示す。リーク電流は1×10−13A/cmであり、閾値電圧は4Vであった。
アクティブマトリックス基板を60℃、90%RHの雰囲気中に200時間放置したのち、同じ測定を行った。リーク電流は1×10−13A/cmであり、閾値電圧は4Vであり、変化はなかった。
〔実施例2〕
オゾン水との接触による酸化の代わりに、UVオゾン発生装置〔ハイマックス社製、MODEL144A(商品名)〕を用い、酸素を約20体積%含む空気中で254nmの波長の紫外線を強度5W/cmで、得られたアレイ基板に5分間照射してバックチャネル部の表面に厚さ3nmのシリコン酸化層を形成したこと、及びアレイ基板に、感放射線性樹脂組成物1Dの代わりに、アクリル樹脂溶液[JSR社製、オプトマー(商品名)]をスピンコートしたこと以外は、実施例1と同様にしてアクティブマトリックス基板を作製し、評価を行った。
この基板の作製直後のリーク電流は2×10−13A/cmであり、閾値電圧は3Vであった。60℃、90%RHの雰囲気中に200時間放置後のリーク電流は1×10−12A/cmであり、閾値電圧は2.5Vであった。
〔実施例3〕
オゾン水との接触による酸化の代わりに、プラズマ発生装置〔ヤマト科学社製、YAP510(商品名)〕を用い、大気圧にて、プラズマ出力30W/cmで酸素を20体積%含むプラズマを発生させ、その中で得られたアレイ基板を3分間維持してバックチャネル部の表面に厚さ2nmのシリコン酸化層を形成したこと、及びアレイ基板に、感放射線性樹脂組成物1Dの代わりに、ポリイミド樹脂溶液[東レ社製、フォトニース(商品名)]をスピンコートしたこと以外は、実施例1と同様にしてアクティブマトリックス基板を作製し、評価を行った。
この基板の作製直後のリーク電流は5×10−13A/cmであり、閾値電圧は3Vであった。60℃、90%RHの雰囲気中に200時間放置後のリーク電流は2×10−12A/cmであり、閾値電圧は2Vであった。
〔比較例1〕
アレイ基板に形成されたTFTのバックチャネル部の表面を酸化及びシリル化することなく、該アレイ基板上に感放射線性樹脂組成物1Dをスピンコートする工程に移った以外は、実施例1と同様にしてアクティブマトリックス基板を作製し、評価を行った。
この基板の作製直後のリーク電流は2×10−11A/cmであり、閾値電圧は2Vであった。60℃、90%RHの雰囲気中に200時間放置後のリーク電流は5×10−8A/cmであり、閾値電圧は−2Vであった。
〔比較例2〕
アレイ基板に形成されたTFTのバックチャネル部の表面を酸化及びシリル化することなく、該アレイ基板上にアクリル樹脂溶液[JSR社製、オプトマー(商品名)]をスピンコートする工程に移った以外は、実施例2と同様にしてアクティブマトリックス基板を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。
この基板の作製直後のリーク電流が2×10−6A/cmであり、アクティブマトリックス基板として作動しなかった。
〔比較例3〕
アレイ基板に形成されたTFTのバックチャネル部の表面を酸化及びシリル化することなく、該アレイ基板上にポリイミド樹脂溶液[東レ社製、フォトニース(商品名)]をスピンコートする工程に移った以外は、実施例3と同様にしてアクティブマトリックス基板を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。
この基板の作製直後のリーク電流は5×10−5A/cmであり、アクティブマトリックス基板として作動しなかった。
実施例1〜3及び比較例1〜3の結果を、表1に示す。
Figure 2008105244
表1より、ガラス基材上にTFTが形成されたアレイ基板のバックチャネル部の表面が酸化及びシリル化され、その上に、極性基を有する環状オレフィン系ポリマーの架橋体で有機保護膜を形成した実施例1のアクティブマトリックス基板、並びに有機保護膜が、それぞれ、アクリル樹脂及びポリイミド樹脂である実施例2及び3の各アクティブマトリックス基板は、高温多湿の環境下に長時間放置された後でさえ実用的に優れた性能を有していることが分かる。
一方、アレイ基板のバックチャネル部の表面の酸化及びシリル化を行わずに、極性基を有する環状オレフィン系ポリマーの架橋体で有機保護膜を形成した比較例1のアクティブマトリックス基板は、実施例1のアクティブマトリックス基板と比べると性能が劣ることが分かる。また、アレイ基板のバックチャネル部の表面の酸化及びシリル化を行わずに、有機保護膜をアクリル樹脂及びポリイミド樹脂で形成した比較例2〜3の各アクティブマトリックス基板は、リーク電流が大きいことが分かる。なお、比較例2及び3のアクティブマトリックス基板は当該基板として作動しなかった。
本発明のアクティブマトリックス基板によれば、長寿命、低消費電力で高コントラストの優れたアクティブマトリックス型平面表示装置が得られる。また、本発明のアクティブマトリックス基板の製造方法によれば、優れた特性を有するアクティブマトリックス基板を簡単な操作で効率的に製造することができる。

Claims (9)

  1. 基材と、この上に形成された、アモルファスシリコン膜を有する薄膜トランジスタと、を備えてなるアクティブマトリックス基板であって、アモルファスシリコン膜上にシリコン酸化層を有し、更にシリコン酸化層上に有機保護膜が積層されているアクティブマトリックス基板。
  2. シリコン酸化層の厚さが5nm以下である請求の範囲第1項に記載のアクティブマトリックス基板。
  3. シリコン酸化層がシリル化されたものである請求の範囲第1項又は第2項に記載のアクティブマトリックス基板。
  4. 有機保護膜が、極性基を有する環状オレフィン系ポリマーの架橋体からなる膜である請求の範囲第1項〜第3項のいずれか1項に記載のアクティブマトリックス基板。
  5. 請求の範囲第1項に記載のアクティブマトリックス基板の製造方法であって、
    (1)基材上に形成された薄膜トランジスタのアモルファスシリコン膜Aの表面を酸化して、アモルファスシリコン膜α上にシリコン酸化層を形成する工程、及び
    (2)シリコン酸化層の上に感放射線性樹脂組成物により有機保護膜を形成する工程、
    を有するアクティブマトリックス基板の製造方法。
  6. 工程(1)におけるアモルファスシリコン膜Aの表面の酸化を、オゾン水との接触、酸化性ガス雰囲気での紫外線照射、酸化性ガス雰囲気での加熱、及び酸化性ガスを含むプラズマ中への曝露からなる群から選ばれる少なくとも1つの方法により行う請求の範囲第5項に記載のアクティブマトリックス基板の製造方法。
  7. 工程(2)を湿式法により行う請求の範囲第5項又は第6項に記載のアクティブマトリックス基板の製造方法。
  8. 感放射線性樹脂組成物が、極性基を有する環状オレフィン系ポリマー、架橋剤、感放射線化合物及び溶剤を含有してなるものである請求の範囲第5項〜第7項のいずれか1項に記載のアクティブマトリックス基板の製造方法。
  9. 請求の範囲第1項〜第4項のいずれか1項に記載のアクティブマトリックス基板を備えてなる平面表示装置。
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