JP2006186175A - 電子部品用樹脂膜形成材料及びそれを用いた積層体 - Google Patents

電子部品用樹脂膜形成材料及びそれを用いた積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】製膜が容易であって、封止内容物などの樹脂膜との接触物の水による腐食や劣化を抑制することができ、デバイスの長期安定駆動が可能であり、各種電子部品の製造に好適な電子部品用樹脂膜形成材料、それを用いた積層体及び電子部品を提供する。
【解決手段】(A)樹脂成分、及び(B)溶剤を含み、かつ水分含有量が500重量ppm以下である電子部品用樹脂膜形成材料、基板と、該材料を用いて形成された樹脂膜を有する積層体、及び該積層体からなる電子部品である。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子部品用樹脂膜形成材料、それを用いた積層体、その製造方法及び該積層体からなる電子部品に関する。さらに詳しくは、本発明は、製膜が容易である上、低含水性であって、封止内容物や樹脂膜との接触物の水による腐食や劣化を抑制することができ、電子部品の製造に好適な電子部品用樹脂膜形成材料、基板上にこの材料から得られた樹脂膜を有する積層体、その製造方法及び該積層体からなる電子部品に関するものである。
有機エレクトロルミネッセンス(以下、エレクトロルミネッセンスを、「EL」と略記する。)素子や液晶表示素子などの各種表示素子、集積回路素子、固体撮像素子、カラーフィルター、ブラックマトリックスなどの電子部品には、その劣化や損傷を防止するための保護膜、内容物を保護する封止膜、素子表面や配線を平坦化するための平坦化膜、電気絶縁性を保つための電気絶縁膜、層状に配置される配線の間を絶縁するための層間絶縁膜等、種々の機能性膜が設けられている。こうした機能性膜は、無機材料や有機材料を単独で又は複合して用いて形成される(特許文献1〜3)。
こうした機能性膜は、例えば、機能性膜が接している配線などの内容物を腐食させないために、配線腐食性が低い材料を選択するばかりでなく、形成する膜自体を厚くして、低水蒸気透過性などの性能を確保しなければならない場合が多い。
無機材料としては、酸化シリコン、窒化シリコン、アモルファスシリコン、酸化アルミニウムなどが一般的に用いられているが、無機材料からなる無機膜は、成膜に手間がかかる上、厚みのある膜ではクラックが入りやすい問題がある。
一方、樹脂のような有機材料を用いて形成される樹脂膜は、その柔軟性のため、樹脂膜が厚くてもクラックは入りにくい利点を有している。しかし、膜を厚くすれば生産性が低下する上、透明膜を形成したい場合、膜が厚くなることで透明性が低下する問題もあった。
特開平11−354813号公報 特開2001−077202号公報 特開2002−026010号公報
本発明は、このような事情のもとで、製膜が容易であって、内容物を腐食させない、かつ水蒸気透過性の低い電子部品用樹脂膜形成材料、それを用いた積層体及び該積層体からなる電子部品を提供することを目的としてなされたものである。
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、樹脂成分と溶剤を含み、かつ水分含有量がある値以下の樹脂膜形成材料が、電子部品用樹脂膜形成材料として、その目的に適合し得ること、そして基板上に、この樹脂膜形成材料を用いて樹脂膜を形成することにより、水分による腐食や劣化が抑制され、長期安定駆動可能な電子部品として用いられる積層体が得られることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)(A)樹脂成分、及び(B)溶剤を含み、かつ水分含有量が500重量ppm以下であることを特徴とする電子部品用樹脂膜形成材料、
(2)樹脂成分が、環状オレフィン樹脂又はアクリル樹脂である上記(1)項に記載の電子部品用樹脂膜形成材料、
(3)平坦化膜、電気絶縁膜、層間絶縁膜、保護膜又は封止膜の形成に用いられる上記(1)又は(2)項に記載の電子部品用樹脂膜形成材料、
(4)基板と、上記(1)〜(3)項のいずれかに記載の電子部品用樹脂膜形成材料を用いて形成された樹脂膜を有することを特徴とする積層体、
(5)基板上に、上記(1)〜(3)項のいずれかに記載の樹脂膜形成材料を用いて樹脂膜を形成することを特徴とする、基板とその上に形成された樹脂膜を有する積層体の製造方法、及び
(6)上記(4)項に記載の積層体又は上記(5)項に記載の方法で得られた積層体からなる電子部品、
を提供するものである。
本発明によれば、製膜が容易である上、低含水性であって、封止内容物などの樹脂膜との接触物の水による腐食や劣化を抑制することができ、例えば表示素子、集積回路素子、固体撮像素子、カラーフィルター、ブラックマトリックスなどの電子部品の製造における平坦化膜、電気絶縁膜、層間絶縁膜、保護膜又は封止膜などの形成に好適な(特に封止膜の形成に好適な)電子部品用樹脂膜形成材料を提供することができる。
また、基板と、前記樹脂膜形成材料を用いて形成された樹脂膜を有する積層体、その製造方法、及びこの積層体からなり、水分による腐食や劣化が抑制され、長期安定駆動可能な電子部品を提供することができる。
本発明の電子部品用樹脂膜形成材料(以下、単に「樹脂膜形成材料」と言うことがある。)は、(A)樹脂成分、及び(B)溶剤を含むものであって、該樹脂膜形成材料中の水分含有量は500重量ppm以下である。この水分含有量が500重量ppm以下であれば、形成される樹脂膜中の含水量が少なくなり、該樹脂膜から放出される水分によって、封止内容物や樹脂膜接触物の腐食や劣化が抑制され、電子部品の長期安定駆動が可能となる。好ましい水分含有量は400重量ppm以下であり、より好ましくは100重量ppm以下である。
なお、上記水分含有量の測定方法については、後で詳述する。
本発明においては、(A)樹脂成分、(B)溶剤及び必要に応じて用いられる、後述する(A)、(B)以外の成分を含有する樹脂膜形成材料中の水分含有量を前記の範囲にするために、必要に応じ、使用する各成分に、脱水処理を施すことができる。脱水処理方法については特に制限はなく、効果的に脱水し得る方法であれば、いかなる方法を用いてもかまわない。
樹脂成分や他の固体成分の脱水方法の例としては、風乾、デシケーターによる乾燥、オーブン型電気乾燥器や熱風循環式乾燥機による加熱乾燥などがある。デシケーターによる乾燥やオーブン型電気乾燥器による加熱乾燥における雰囲気としては、常圧、減圧、真空のいずれであってもよい。
一方、溶剤や他の液体成分の脱水方法の例としては、固体乾燥剤を溶剤中に直接投入して脱水処理したのち、ろ過する方法、固体乾燥剤を入れた溶剤を蒸留処理する方法がある。固体乾燥剤としては、粒状水酸化カリウム、粒状水酸化ナトリウム、無水硫酸ナトリウム、無水硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、モレキュラーシーブ、無水硫酸カルシウム、五酸化リン、金属ナトリウム、ドライナップ、水素化アルミニウムリチウム、水素化カルシウムなどが挙げられ、溶剤や他の液体成分の特性に応じて適切なものを用いる。
さらに、モレキュラーシーブなどの水分吸着剤を充填したカラムに溶剤や他の液体成分を通液する方法なども用いることができる。
本発明の樹脂膜形成材料においては、前記(A)成分及び(B)成分以外に、必要に応じ、架橋剤、感放射線化合物、老化防止剤、その他添加剤を含有させることができる。
以下、各成分について説明する。
本発明の樹脂膜形成材料において、(A)成分として用いられる樹脂成分については特に制限はなく、形成される樹脂膜の使用目的に応じて、様々な樹脂の中から適宜選択して用いることができる。
前記樹脂としては、例えば、環状オレフィン樹脂、アクリル樹脂、アクリルアミド樹脂、シロキサン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリオレフィン樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、水蒸気透過率の小さい樹脂(例えば300g/m2・24h以下)、具体的には環状オレフィン樹脂及びアクリル樹脂が好ましく、特に極性基を有する環状オレフィン樹脂が好適である。
環状オレフィン樹脂は、環状オレフィン単量体由来の構造単位を有する重合体であって、環状オレフィン単量体以外の単量体に由来する構造単位を有していてもよい。環状オレフィン樹脂は、環状オレフィン単量体の開環(共)重合体、環状オレフィンとビニル脂環式炭化水素単量体又はビニル芳香族炭化水素単量体との付加共重合体、並びに、これらの水素添加物を包含する。また、本発明において、環状オレフィン樹脂は、ビニル脂環式炭化水素単量体(ビニル基を置換基として有する脂環式炭化水素)の単独重合体及び共重合体並びに他の単量体との共重合体、これらの水素添加物、ビニル芳香族炭化水素単量体の(共)重合体並びに他の単量体との共重合体の水素添加物をも包含する概念である。更に、これらの重合体は、開環重合体及び付加重合体のいずれであってもよい。これらの中でも、環状オレフィン単量体の開環(共)重合体及びその水素添加物、環状オレフィン単量体とビニル脂環式炭化水素単量体又はビニル芳香族炭化水素単量体との付加共重合体及びその水素添加物、並びにビニル芳香族炭化水素単量体の重合体の水素添加物が好ましく、特に環状オレフィン単量体の開環(共)重合体の水素添加物が好ましい。
環状オレフィン樹脂を得るための環状オレフィン単量体は、特に限定されず、第1の群として、極性基を含有しない環状オレフィン単量体(a)を挙げることができる。その具体例としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、テトラシクロ[8.4.0.111,14.03,7]ペンタデカ−3,5,7,12,11−ペンタエン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]デカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)、8−メチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ビニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−プロペニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカ−3,10−ジエン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセン、8−フェニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、テトラシクロ[9.2.1.02,10.03,8]テトラデカ−3,5,7,12−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロ−9H−フルオレンともいう)、ペンタシクロ[7.4.0.13,6.110,13.02,7]ペンタデカ−4,11−ジエン、ペンタシクロ[9.2.1.14,7.02,10.03,8]ペンタデカ−5,12−ジエン等が挙げられる。これらの環状オレフィン単量体は、それぞれ単独で使用しても2種以上を組合せて使用してもよい。
環状オレフィン単量体の第2群としては、極性基を有する環状オレフィン単量体を挙げることができる。これらの極性基を有する環状オレフィン単量体は、それぞれ単独で使用しても2種以上を組合せて使用してもよい。極性基は、プロトン性極性基と、これ以外の極性基とに分けて示すことができる。従って、極性基を有する環状オレフィン単量体は、プロトン性極性基を有する環状オレフィン単量体(b)と、これ以外の極性基(非プロトン性極性基)を有する環状オレフィン単量体(c)とに分けて示すことができる。
プロトン性極性基は、ヘテロ原子、好ましくは、周期律表第15族及び第16族の原子、更に好ましくは周期律表第15族及び第16族第1及び第2周期の原子、特に好ましくは酸素原子に水素原子が直接結合した原子団である。
プロトン性極性基の具体例としては、カルボキシル基(ヒドロキシカルボニル基)、スルホン酸基、リン酸基、ヒドロキシル基等の酸素原子を有する極性基;第一級アミノ基、第二級アミノ基、第一級アミド基、第二級アミド基(イミド基)等の窒素原子を有する極性基;チオール基等のイオウ原子を有する極性基;等が挙げられる。これらの中でも、酸素原子を有するものが好ましく、より好ましくはカルボキシル基である。
プロトン性極性基を含有する環状オレフィン単量体(b)の具体例としては、5−ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシメチル−5−ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エキソ−6−エンド−ジヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、8−ヒドロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−ヒドロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エキソ−9−エンド−ジヒドロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン等のカルボキシル基含有環状オレフィン;5−(4−ヒドロキシフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−(4−ヒドロキシフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、8−(4−ヒドロキシフェニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−(4−ヒドロキシフェニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン等のヒドロキシ基含有環状オレフィン等が挙げられ、これらの中でもカルボキシル基含有環状オレフィンが好ましい。
プロトン性極性基以外の極性基の具体例としては、エステル基(アルコキシカルボニル基及びアリーロキシカルボニル基を総称していう。)、N−置換イミド基、エポキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、カルボニルオキシカルボニル基(ジカルボン酸の酸無水物残基)、アルコキシ基、カルボニル基、第三級アミノ基、スルホン基、ハロゲン原子、アクリロイル基等を有するものが示される。これらのうち、好ましくはエステル基、N−置換イミド基及びシアノ基であり、より好ましくはエステル基及びN−置換イミド基である。特に、N−置換イミド基が好ましい。
エステル基含有環状オレフィンとしては、例えば、5−アセトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、8−アセトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン等が挙げられる。
N−置換イミド基含有環状オレフィンとしては、例えば、N−(4−フェニル)−(5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド)等が挙げられる。
シアノ基含有環状オレフィンとしては、例えば、8−シアノテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−シアノテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン等が挙げられる。
シアノ基含有環状オレフィンとしては、例えば、8−シアノテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−シアノテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等が挙げられる。
ハロゲン原子を含有する環状オレフィンとしては、例えば、8−クロロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−クロロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン等が挙げられる。
ビニル脂環式炭化水素単量体(d)の例としては、ビニルシクロプロパン、ビニルシクロブタン、ビニルシクロペンタン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘプタン等のビニルシクロアルカン;3−メチル−1−ビニルシクロヘキサン、4−メチル−1−ビニルシクロヘキサン、1−フェニル−2−ビニルシクロプロパン、1,1−ジフェニル−2−ビニルシクロプロパン等のアルキル基置換のビニルシクロアルカン;等を挙げることができる。
ビニル芳香族炭化水素単量体(e)の例としては、スチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、3−ビニルナフタレン等のビニル芳香族類;3−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレン等のアルキル基置換のビニル芳香族類;m−ジビニルベンゼン、p−ジビニルベンゼン、ビス(4−ビニルフェニル)メタン等の多官能ビニル芳香族類;等を挙げることができる。
これ以外の、環状オレフィンと共重合可能な単量体の代表例としては、鎖状オレフィン(f)が挙げられる。鎖状オレフィンの例(f)としては、エチレン;プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等の炭素数2〜20のα−オレフィン;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン等の非共役ジエン等が挙げられる。これらの単量体は、それぞれ単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。
上記各単量体の重合方法は、常法に従えばよく、例えば、開環重合法や付加重合法が採用される。
重合触媒としては、例えば、モリブデン、ルテニウム、オスミウム等の金属錯体が好適に用いられる。これらの重合触媒は、それぞれ単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。重合触媒の量は、重合触媒中の金属化合物:環状オレフィンのモル比で、通常、1:100〜1:2,000,000、好ましくは1:500〜1:1,000,000、より好ましくは1:1,000〜1:500,000の範囲である。
上記重合によって得たプロトン性極性基を含有する環状オレフィン樹脂は、必要に応じて水素添加してもよい。
水素添加は、通常、水素添加触媒を用いて行われる。水素添加触媒としては、例えば、オレフィン化合物の水素添加に際して一般的に使用されているものが用いることができる。具体的には、チーグラータイプの均一系触媒、貴金属錯体触媒、及び担持型貴金属系触媒等が利用できる。これらの水素添加触媒のうち、極性基が変性する等の副反応が起きず、重合体中の炭素−炭素不飽和結合を選択的に水素添加できる点から、ロジウム、ルテニウム等の貴金属錯体触媒が好ましく、電子供与性の高い含窒素複素環式カルベン化合物又はホスフィン類が配位したルテニウム触媒が特に好ましい。
本発明において、環状オレフィン樹脂は、組成等の異なるものを、それぞれ単独で又は2種類以上組合せて用いることができる。
本発明において使用する環状オレフィン樹脂は、極性基を含有するものであることが好ましい。
本発明において、極性基を含有する環状オレフィン樹脂に含まれる極性基の数は、特に限定されず、また、種類が異なる極性基が含まれていてもよい。
本発明において、極性基を含有する環状オレフィン樹脂に含まれる極性基は、環状オレフィン単量体単位に結合していても、環状オレフィン単量体以外の単量体単位に結合していてもよいが、環状オレフィン単量体単位に結合していることが望ましい。
本発明においては、環状オレフィン樹脂は、特にプロトン性極性基を含有することが好ましい。プロトン性極性基を含有する環状オレフィン樹脂を使用することにより、得られる樹脂膜形成材料が感放射線組成物からなる場合、放射線に対する感度が向上するので好適である。
これらのプロトン性極性基を含有する環状オレフィン樹脂は、組成等の異なるものを、それぞれ単独で又は2種類以上組合せて用いることができる。
プロトン性極性基を含有する環状オレフィン樹脂において、プロトン性極性基を含有する単量体単位とこれ以外の単量体単位との比率(プロトン性極性基を含有する単量体単位/これ以外の単量体単位)は、重量比で、通常、100/0〜10/90、好ましくは90/10〜20/80、より好ましくは80/20〜30/70の範囲であることが好ましい。
プロトン性極性基を含有する環状オレフィン樹脂の好ましい製造方法として、プロトン性極性基を含有する環状オレフィン単量体(b)を重合し、必要に応じて水素添加を行う方法、を挙げることができる。プロトン性極性基を含有する環状オレフィン単量体(b)は、必要に応じて、これと共重合可能な単量体(上述の単量体(a)、(c)〜(f))と共重合することができる。
また、プロトン性極性基を含有する環状オレフィン樹脂は、プロトン性極性基を含有しない環状オレフィン樹脂に、公知の方法により、プロトン性極性基を導入した後、必要に応じて水素添加を行う方法によっても得ることができる。水素添加は、プロトン性極性基導入前の重合体について行ってもよい。上記プロトン性極性基を含有する環状オレフィン樹脂の製法において、プロトン性極性基はその前駆体であってもよく、この前駆体を光や熱による分解、加水分解等の化学反応によって、プロトン性極性基に変換すればよい。例えば、プロトン性極性基がカルボキシル基である場合に、プロトン性極性基に代えてエステル基を使用してもよい。
プロトン性極性基を含有しない環状オレフィン樹脂は、前記単量体(a)、(c)〜(f)を使用して得ることができる。この際、プロトン性極性基を含有する単量体を併用しても勿論構わない。
プロトン性極性基を導入するための変性剤としては、通常、一分子内にプロトン性極性基と反応性の炭素−炭素不飽和結合を有する化合物が用いられる。このような化合物の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、アンゲリカ酸、チグリン酸、オレイン酸、エライジン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、アトロパ酸、ケイ皮酸等の等の不飽和カルボン酸;アリルアルコール、メチルビニルメタノール、クロチルアルコール、メタリルアルコール、1−フェニルエテン−1−オール、2−プロペン−1−オール、3−ブテン−1−オール、3−ブテン−2−オール、3−メチル−3−ブテン−1−オール、3−メチル−2−ブテン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−2−オール、2−メチル−3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、4−メチル−4−ぺンテン−1−オール、2−ヘキセン−1−オール等の不飽和アルコール;等を挙げることができる。変性反応は、常法に従えばよく、通常、ラジカル発生剤の存在下で行われる。
環状オレフィン樹脂の重量平均分子量(Mw)は、通常、1,000〜1,000,000、好ましくは1,500〜100,000、より好ましくは2,000〜10,000の範囲である。
環状オレフィン樹脂の分子量分布は、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)比で、通常、4以下、好ましくは3以下、より好ましくは2.5以下である。
環状オレフィン樹脂のヨウ素価は、通常、200以下、好ましくは50以下、より好ましくは10以下である。環状オレフィン樹脂のヨウ素価がこの範囲にある時に特に耐熱形状保持性に優れ好適である。
本発明の樹脂膜形成材料において、(B)成分として用いられる溶剤については特に制限はなく、使用する前記(A)樹脂成分の種類に応じて適宜選択されるが、水分含有量及び吸水性などの面から、脂肪族炭化水素化合物、脂環式炭化水素化合物、芳香族炭化水素化合物、ハロゲン化炭化水素化合物などの非極性溶剤が好ましい。また、アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類なども用いることができる。この溶剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
溶剤の使用量は、(A)樹脂成分100重量部に対して、通常、20〜10,000重量部、好ましくは50〜5,000重量部、より好ましくは100〜1,000重量部の範囲である。
本発明の樹脂膜形成材料において、必要に応じ用いられる架橋剤は、(A)成分として用いられる樹脂の架橋性官能基の種類に応じて適宜選択される。
(A)成分として、前記の環状オレフィン樹脂を用いる場合には、架橋剤として、該環状オレフィン樹脂と反応し得る官能基を分子内に2つ以上、好ましくは3つ以上有するものが用いられる。官能基は環状オレフィン樹脂中の官能基、不飽和結合等と反応しうるものであれば、特に限定されない。環状オレフィン樹脂がプロトン性極性基を含有する場合には、好ましい官能基としては、例えば、アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、オキセタニル基、イソシアネート基等が挙げられ、更に好ましくはアミノ基、エポキシ基、イソシアネート基であり、特に好ましくはエポキシ基である。
このような架橋剤の具体例としては、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ポリアミン類;4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルスルフォン等の芳香族ポリアミン類;2,6−ビス(4'−アジドベンザル)シクロヘキサノン、4,4'−ジアジドジフェニルスルフォン等のアジド類;ナイロン、ポリヘキサメチレンジアミンテレフタルアミド、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド等のポリアミド類;N,N,N',N',N”,N”−(ヘキサアルコキシメチル)メラミン等のメラミン類;N,N',N”,N”'−(テトラアルコキシメチル)グリコールウリル等のグリコールウリル類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のアクリレート化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート系ポリイソシアネート、トリレンジイソシアネート系ポリイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート等のイソシアネート系化合物;1,4−ジ−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ジ−(ヒドロキシメチル)ノルボルナン;1,3,4−トリヒドロキシシクロヘキサン;各種の多官能エポキシ化合物;等が挙げられる。
多官能エポキシ化合物の更に具体的な例としては、エポキシ基を2つ以上有するエポキシ化合物であって、脂環骨格を有するもの、クレゾールノボラック骨格を有するもの、フェノールノボラック骨格を有するもの、ビスフェノールA骨格を有するもの、ナフタレン骨格を有するもの等が挙げられる。これらの中でも、環状オレフィン樹脂との相溶性の良好さから、特に、脂環式構造を有し、エポキシ基を2つ以上、より好ましくは3つ以上有する多官能エポキシ化合物が好ましい。
これらの架橋剤は、それぞれ単独で又は2種以上を組合せて用いることができ、その使用量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、前記(A)樹脂成分100重量部に対し、通常、1〜1,000重量部、好ましくは5〜500重量部、より好ましくは10〜100重量部である。使用量がこの範囲にあるときに、形成される樹脂膜の耐熱性が高度に改善され好適である。
本発明で使用する架橋剤の分子量は、特に限定されないが、通常、100〜100,000、好ましくは500〜50,000、より好ましくは1,000〜10,000である。この範囲の分子量であると、加熱時の安定性やゲル化の効率の点から好適である。
本発明においては、架橋剤として、2つ以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ化合物が好ましく、エポキシ基を3つ以上有する多官能エポキシ化合物がより好ましい。
エポキシ化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ポリフェノール型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、脂肪族グリシジルエーテル、エポキシアクリレート重合体等を挙げることができる。
本発明の樹脂膜形成材料において、必要に応じて用いられる感放射線化合物は、紫外線や電子線等の放射線を吸収し、化学反応を引き起こすことのできる化合物である。本発明においてプロトン性極性基を有する環状オレフィン樹脂を使用する場合には、そのアルカリ溶解性を制御できるものが好ましい。本発明においては、感放射線化合物として、光酸発生剤を使用することが好ましい。光酸発生剤を使用すると、後述するアミン系老化防止剤との併用により、放射線に対する感度を低下させずに耐光性を付与することができる。
感放射線化合物としては、例えば、フォトリソグラフィ用の感光性樹脂組成物中の感光剤として広く用いられているアセトフェノン化合物、トリアリールスルホニウム塩、キノンジアジド化合物等のアジド化合物等が挙げられるが、好ましくはアジド化合物、特に好ましくはキノンジアジド化合物である。
感放射線化合物の使用量は、前記(A)樹脂成分100重量部に対して、通常、1〜100重量部、好ましくは5〜50重量部、より好ましくは10〜40重量部の範囲である。感放射線化合物の使用量がこの範囲にあるときに、基板上に形成させた樹脂膜をパターン化する際に、放射線照射部と放射線未照射部との溶解度差が大きくなり、現像によるパターン化が容易で、且つ、放射線感度も高くなるので好適である。
本発明の樹脂膜形成材料において、必要に応じて用いられる老化防止剤としては、アミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤、その他老化防止剤が挙げられる。
アミン系老化防止剤は、分子内に少なくとも1つのアミノ基を有するものである。このアミン系老化防止剤としては、例えば、第一級アミン化合物、第二級アミン化合物、第三級アミン化合物等が挙げられるが、第三級アミン化合物が最も効果が高い効果を発揮するので好適である。また、アミン系老化防止剤は、鎖状アミン化合物及び環状アミン化合物のいずれでもよいが、環状アミン化合物であるのが好ましく、特に含窒素複素環アミン化合物のようなヒンダードアミン系老化防止剤が好ましい。
本発明の樹脂膜形成材料において、必要に応じて用いられるその他添加剤としては、例えば、増感剤、界面活性剤、潜在的酸発生剤、接着助剤、帯電防止剤、消泡剤、顔料、染料等を挙げることができる。
増感剤としては、例えば、2H−ピリド−(3,2−b)−1,4−オキサジン−3(4H)−オン類、10H−ピリド−(3,2−b)−1,4−ベンゾチアジン類、ウラゾール類、ヒダントイン類、バルビツール酸類、グリシン無水物類、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール類、アロキサン類、マレイミド類等が好ましく挙げられる。
界面活性剤は、ストリエ−ション(塗布筋あと)の防止、現像する場合の現像性の向上等の目的で使用され、例えば、ノニオン系界面活性剤;フッ素系界面活性剤;シリコーン系界面活性剤;(メタ)アクリル酸共重合体系界面活性剤等が挙げられる。
潜在的酸発生剤は、本発明の樹脂膜形成材料の耐熱性及び耐薬品性を向上する目的で使用され、例えば、加熱により酸を発生するカチオン重合触媒であり、スルホニウム塩、ベンゾチアゾリウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩等が挙げられる。これらの中でも、スルホニウム塩およびベンゾチアゾリウム塩が好ましい。接着助剤としては、例えば、官能性シランカップリング剤等が挙げられ、その具体例としては、トリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
本発明においては、必要に応じて用いられる各配合成分は、適当な脱水処理を施して、水分含有量をできるだけ低下させることが望ましい。
本発明の樹脂膜形成材料における各成分の溶剤への溶解又は分散方法は、常法に従えばよく、例えば、攪拌子とマグネティックスタラーを使用した攪拌、高速ホモジナイザー、ディスパージョン、遊星攪拌機、二軸攪拌機、ボールミル、三本ロール等を使用して行うことができる。
本発明の樹脂膜形成材料は、各成分を溶剤に溶解又は分散した後に、例えば孔径が0.5μm程度のフィルター等を用いて濾過した後、使用に供することが好ましい。本発明の樹脂膜形成材料の固形分濃度は、通常、1〜70重量%、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜40重量%である。固形分濃度がこの範囲にある時に、溶解安定性、基板上への塗布性や形成される樹脂膜の膜厚均一性及び平坦性等が高度にバランスされ好適である。
本発明の積層体は、基板と、その上に本発明の樹脂膜形成材料を用いて形成した樹脂膜とを有する。
樹脂膜の厚さは、積層体における当該樹脂膜の使用目的に応じて適宜設定できる。例えば表示素子、集積回路素子、固体撮像素子のような素子の封止膜として著効を示す。通常、0.1〜100μm、好ましくは0.5〜50μm、より好ましくは0.5〜30μmの範囲である。樹脂膜の厚みがこの範囲であるとき、水蒸気透過率が1500g/m2・24h以下のものが得られる。
本発明において、基板は、例えば、プリント配線基板、シリコン基板、ガラス基板、プラスチック基板等を用いることができる。また、ディスプレイ分野において使用される、ガラス基板やプラスチック基板等に薄型トランジスタ型液晶表示素子、カラーフィルター、ブラックマトリックス等が形成されたものも好適に用いられる。
本発明の積層体は、本発明の樹脂膜形成材料を用いて基板上に樹脂膜を形成させた後、必要に応じて樹脂膜を架橋させて得ることができる。
樹脂膜を基板上に形成する方法は、特に限定されず、例えば、塗布法やフィルム積層法等の方法を用いることができる。塗布法は、樹脂膜形成材料を基板上に塗布した後、加熱乾燥して溶媒を除去する方法である。樹脂膜形成材料を基板上に塗布する方法としては、例えば、スプレー法、スピンコート法、ロールコート法、ダイコート法、ドクターブレード法、回転塗布法、バー塗布法、スクリーン印刷法等の各種の方法を採用することができる。加熱乾燥条件は、各成分の種類や配合割合に応じて異なるが、通常、30〜150℃、好ましくは60〜120℃で、通常、0.5〜90分間、好ましくは1〜60
分間、より好ましくは1〜30分間で行えばよい。
フィルム積層法は、例えば、樹脂膜形成材料を溶剤に溶解又は分散したものを、樹脂フィルムや金属フィルム等の基材上に塗布した後に加熱乾燥により溶剤を除去してBステージフィルムを得、次いで、このBステージフィルムを基板上に積層する方法である。加熱乾燥条件は、各成分の種類や配合割合に応じて異なるが、通常、30〜150℃、好ましくは60〜120℃で、通常、0.5〜90分間、好ましくは1〜60分間、より好ましくは1〜30分間行えばよい。フィルム積層は、加圧ラミネータ、プレス、真空ラミネータ、真空プレス、ロールラミネータ等の圧着機を用いて行うことができる。
基板と、基板上に本発明の樹脂膜形成材料を用いて形成した樹脂膜とを有する積層体において、樹脂膜はパターン化されていてもよい。本発明の積層体、特に基板上にパターン化樹脂膜を形成した積層体は、種々の電子部品として有用である。
基板上に形成されたパターン化樹脂膜は、例えば、感放射線化合物を含む樹脂膜に紫外線、g線やi線等の単一波長の紫外線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光等の光線;電子線のような粒子線;等の活性放射線を照射して潜像パターンを形成し、次いで潜像パターンを有する樹脂膜に現像液を接触させることによりパターンを顕在化させて得ることができる。基板上にパターン化樹脂膜を形成した積層体は、種々の電子部品として有用である。
本発明の樹脂膜形成材料は、表示素子、集積回路素子、固体撮像素子、カラーフィルター、ブラックマトリックスなどの電子部品の製造における平坦化膜、電気絶縁膜、層間絶縁膜、保護膜又は封止膜などの形成に用いられる。特に有機EL素子などの表示素子や、これを含む表示装置において、基板上に設けられた素子や配線を覆う状態で設けられる平坦化絶縁膜、保護膜又は封止膜の形成に好適に用いられる。とりわけ樹脂として環状オレフィン樹脂やアクリル樹脂のような水蒸気透過率の低いものを用いた場合は、封止膜として著効を示す。
本発明の樹脂膜形成材料を用いて形成された樹脂膜は含水率が低く、また、使用する樹脂の選択により吸水率も低くし得ることから、封止内容物などの樹脂膜との接触物の水による腐食や劣化を抑制することができ、長期安定駆動可能な電子部品を提供することができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各例で得られた樹脂膜形成材料の含水量、封止性及び水蒸気透過率は、以下に示す方法に従って測定した。
(1)含水量
カールフィッシャー試薬「アクアミクロンAKX」[三菱化学科学技術研究センター社製]を用い、試料(樹脂膜形成材料)0.2gを試薬100gに溶解し、カールフィッシャー測定装置[京都電子工業製「MKC−610」]にて含水量を測定した。含水量が少ないほど封止物を腐食せず、封止用材料として優れている。
(2)封止性
50×50mm、厚さ1mmのガラス基板上に、樹脂膜形成材料をそれぞれ3.0μmの膜厚になるようにスピンコートし、80℃、30分間ホットプレート上でプレベークした。エッジ部分10mmの樹脂膜形成材料を除去した後、グローブボックスと接続された蒸着装置でガラス基板中心部分に10×10mm、膜厚300nmの金属カルシウムを蒸着した。
上記処理を行ったガラス基板を酸素濃度1ppm以下、水分露点温度が−110℃以下のグローブボックス内に移動し、ガラス基板端部に紫外線(UV)硬化型接着剤「XNR5516HN」[ナガセケムテックス社製]を塗布し、ガラス基板を上から乗せ、UV照射して接着処理を行った。
ガラス基板をグローブボックスから取り出し、日本分光社製の紫外可視近赤外分光光度計「V−570」を用いて570nmの光線透過率を測定し、2%以下であることを確認した。その後温度85℃、相対湿度20%の恒温槽に3時間保存し、透過率の変化を測定した。光線透過率が低いほど金属カルシウムが水により酸化されていないので、封止用材料として優れている。
(3)水蒸気透過率
上記(2)と同様にして作製した厚さ3μmの樹脂膜について、MOCON社製、水蒸気透過度測定装置「PERMATRAN−W」を用い、JIS K 7192 B−1992に準じて温度40℃、相対湿度90%の条件にて水蒸気透過率を測定した。
また、重合体の重量平均分子量及び数平均分子量は、東ソー社製の高速ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置「HLC−8220GPC」を用い、テトラヒドロフランを溶媒としてポリスチレン換算値を測定した。重合体の水素化率は、日本電子社製の核磁気共鳴分光装置「JNM−ECA500」を用い、1H−NMRにより測定した。
環状オレフィン樹脂の製造
8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン95重量部、8−ヒドロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン5重量部、1−ヘキセン4.5重量部、1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド0.05重量部、及びテトラヒドロフラン400重量部を、窒素置換したガラス製耐圧反応器に仕込み、撹拌しつつ70℃にて2時間反応させて重合体溶液(1)(固液分濃度:約20重量%)を得た。この重合体の重量平均分子量は6,000であり、数平均分子量は2,900であった。
この重合体溶液(1)の一部を撹拌機つきオートクレーブに移し、温度150℃にて水素を圧力4MPaで溶存させて5時間反応させ、水素化された重合体(水素化率100%)を含む重合体水素添加物溶液(2)(固液分濃度:約20重量%)を得た。この重合体水素添加物の重量平均分子量は7,300、数平均分子量は3,700であった。
100重量部の重合体溶液(2)に活性炭粉末1重量部を添加し、オートクレーブに入れ、撹拌しつつ150℃にて水素を4MPaの圧力で3時間溶存させた。次いで、溶液を取り出して孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルタでろ過して活性炭を分離して重合体溶液を得た。ろ過は滞りなく行えた。該溶液をメタノール中に注いで凝固させ、ろ取した固形分を乾燥して重合体(3)を得た。
実施例1
前記の環状オレフィン樹脂の製造で得た重合体(3)100重量部に対して、デカリン233重量部を混合し溶解させた後、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルタでろ過して樹脂膜形成材料Aを調製した。
この樹脂膜形成材料Aについて、含水量、封止性及び水蒸気透過率を測定した。その結果を第1表に示す。
実施例2
アクリル共重合樹脂溶液[ダイセル化学工業社製、商品名「サイクロマーP ACA200M」]100重量部とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100重量部を混合して溶解させたのち、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルタでろ過して樹脂膜形成材料Bを調製した。
この樹脂膜形成材料Bについて、含水量、封止性及び水蒸気透過率を測定した。その結果を第1表に示す。
比較例1
実施例1の樹脂膜形成材料Aに対して、超純水0.6重量部を混合し溶解させた後、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルタでろ過して樹脂膜形成材料Cを調製した。
この樹脂膜形成材料Cについて、含水量、封止性及び水蒸気透過率を測定した。その結果を第1表に示す。
比較例2
実施例2の樹脂膜形成材料Bに対して、超純水0.8重量部を混合し溶解させた後、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルタでろ過して樹脂膜形成材料Dを調製した。
この樹脂膜形成材料Dについて、含水量、封止性及び水蒸気透過率を測定した。その結果を第1表に示す。
Figure 2006186175
この結果から、水分含量の少ない樹脂膜形成材料を用いると、封止性に優れた樹脂膜が得られることが判る。また、本発明の樹脂膜形成材料から得られる樹脂膜は、極めて低い水蒸気透過性を有することが判る。
本発明の樹脂膜形成材料から得られる樹脂膜は、製膜が容易である上、低含水性であって、封止内容物などの樹脂膜との接触物の水による腐食や劣化を抑制することができ、例えば集積回路素子、表示素子、固体撮像素子などの電子部品の製造における平坦化膜、電気絶縁膜、層間絶縁膜、保護膜又は封止膜などの形成に好適に用いられる。

Claims (6)

  1. (A)樹脂成分、及び(B)溶剤を含み、かつ水分含有量が500重量ppm以下であることを特徴とする電子部品用樹脂膜形成材料。
  2. 樹脂成分が、環状オレフィン樹脂又はアクリル樹脂である請求項1に記載の電子部品用樹脂膜形成材料。
  3. 平坦化膜、電気絶縁膜、層間絶縁膜、保護膜又は封止膜の形成に用いられる請求項1又は2に記載の電子部品用樹脂膜形成材料。
  4. 基板と、請求項1〜3のいずれかに記載の電子部品用樹脂膜形成材料を用いて形成された樹脂膜を有することを特徴とする積層体。
  5. 基板上に、請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂膜形成材料を用いて樹脂膜を形成することを特徴とする、基板とその上に形成された樹脂膜を有する積層体の製造方法。
  6. 請求項4に記載の積層体又は請求項5に記載の方法で得られた積層体からなる電子部品。
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