JPWO2008102545A1 - 金属チエタン化合物、これを含む重合性組成物、樹脂およびその使用 - Google Patents

金属チエタン化合物、これを含む重合性組成物、樹脂およびその使用 Download PDF

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Abstract

下記一般式(120)に示される金属チエタン化合物。(下記一般式(120)中、MはBi、Sb、Ti、ZrおよびTaからなる群から選択される一種、X1およびX2は各々独立に硫黄原子または酸素原子、R1は2価の有機基である。点線と実線で表されたM−Tの間の結合は単結合または二重結合を表す。mは0または1以上の整数、nはMの価数、pは1以上n以下の整数である。r=1のとき、q=0、Yは1価の無機または有機基である。r=1かつn−p−qが2以上の場合、複数のYは各々独立に1価の無機または有機基である。r=1かつn−p−qが2以上の場合、複数のYが互いに結合しMを含む環を形成していてもよい。r=2のとき、n−p−q=1または2、Yは2価の基である。r=2かつn−p−q=2の場合、2つのYが2つのMとともに環を形成していてもよい。r=2かつq=2の場合、複数のTは各々独立に無機または有機基である。)

Description

本発明は、金属チエタン化合物、これを含む重合性組成物、樹脂およびその使用に関する。
近年、無機ガラスに代わる透明性材料として、透明性有機高分子材料が使用されている。こうした材料をたとえば光学用樹脂に用いる場合、一般に、たとえば透明性、熱的特性、機械的特性などの一般的に求められる特性を有しつつ、かつ高屈折率とすることが求められる。
このような樹脂に関する従来の技術として、特許文献1に記載のものがある。同文献には、金属含有チエタン化合物が記載されている。また、屈折率(nd)1.7を超える高屈折率の光学用樹脂が記載されている。
国際公開第2005/095490号パンフレット 特開2003−327583号公報 特開平10−130250号公報
本発明は、高屈折率の透明性樹脂を得る新規な化合物を提供する。
本発明は、
[1]下記一般式(120)に示される金属チエタン化合物。
Figure 2008102545
(上記一般式(120)中、Mは、Bi、Sb、Ti、ZrおよびTaからなる群から選択される一種の金属原子である。X1およびX2は各々独立に硫黄原子または酸素原子である。R1は2価の有機基である。
点線と実線で表されたM−Tの間の結合は、単結合または二重結合を表す。点線と実線で表されたM−Tの間の結合が単結合の場合、Tは1価の無機または有機基であり、qは0または1以上n−2以下の整数であり、rは1または2である。点線と実線で表されたM−Tの間の結合が二重結合の場合、Tは酸素原子または硫黄原子であり、q=1、r=1である。
mは0または1以上の整数である。
nはMの価数であり、pは1以上n以下の整数である。
r=1のとき、q=0であり、Yは1価の無機または有機基である。r=1かつn−p−qが2以上の場合、複数のYは、各々独立に1価の無機または有機基である。r=1かつn−p−qが2以上の場合、複数のYが互いに結合し、Mを含む環を形成していてもよい。
r=2のとき、n−p−q=1または2であり、Yは2価の基である。r=2かつn−p−q=2の場合、2つのYが、2つのMとともに環を形成していてもよい。r=2かつq=2の場合、複数のTは、各々独立に無機または有機基である。)
[2]下記一般式(110)に示される金属チエタン化合物;
Figure 2008102545
(上記一般式(110)中、MはBi、Sb、Ti、ZrおよびTaからなる群から選択される一種の金属原子である。X1およびX2は各々独立に硫黄原子または酸素原子である。R1は2価の有機基である。
mは0または1以上の整数である。
nはMの価数であり、pは1以上n以下の整数である。
qは0または1以上n−2以下の整数である。
Yは1価または2価の基であり、Tは無機または有機基である。
rは1または2である。
r=1のとき、q=0であり、Yは1価の無機または有機基である。r=1かつn−p−qが2以上の場合、複数のYは、各々独立に1価の無機または有機基である。r=1かつn−p−qが2以上の場合、複数のYが互いに結合し、金属原子Mを含む環を形成していてもよい。
r=2のとき、n−p−q=1または2であり、Yは2価の基である。r=2かつn−p−q=2の場合、2つのYが、2つの金属原子Mとともに環を形成していてもよい。r=2かつq=2の場合、複数のTは、各々独立に無機または有機基である。)
[3]下記一般式(100)に示される金属チエタン化合物;
Figure 2008102545
(上記一般式(100)中、X1およびX2は各々独立に硫黄原子または酸素原子である。R1は2価の有機基である。
mは0または1以上の整数である。
nは3または5である。n=3のとき、pは1以上3以下の整数である。n=5のとき、pは1以上5以下の整数である。
qは0または1以上n−2以下の整数である。
Yは1価または2価の基であり、Tは無機または有機基である。
rは1または2である。
r=1のとき、q=0であり、Yは1価の無機または有機基である。r=1かつn−p−qが2以上の場合、複数のYは、各々独立に1価の無機または有機基である。r=1かつn−p−qが2以上の場合、複数のYが互いに結合し、Sb原子を含む環を形成していてもよい。
r=2のとき、n−p−q=1または2であり、Yは2価の基である。r=2かつn−p−q=2の場合、2つのYが、2つのSb原子とともに環を形成していてもよい。r=2かつq=2の場合、複数のTは、各々独立に無機または有機基である。)
[4]下記一般式(1)に示される金属チエタン化合物;
Figure 2008102545
(上記一般式(1)中、X1およびX2は各々独立に硫黄原子または酸素原子である。R1は2価の有機基である。
mは0または1以上の整数である。nは3または5である。n=3のとき、pは1以上3以下の整数であり、n=5のとき、pは1以上5以下の整数である。
Yは1価の無機または有機基である。n−pが2以上の場合、複数のYは、各々独立に1価の無機または有機基である。n−pが2以上の場合、複数のYが互いに結合し、Sb原子を含む環を形成していてもよい。)
[5][2]乃至[4]いずれかに記載の金属チエタン化合物において、m=0である、金属チエタン化合物;
[6][2]乃至[5]いずれかに記載の金属チエタン化合物において、X1が硫黄原子である、金属チエタン化合物;
[7][4]に記載の金属チエタン化合物において、下記一般式(3)に示される、金属チエタン化合物;
Figure 2008102545
(上記一般式(3)において、Y、nおよびpは、それぞれ、前記一般式(1)におけるY、nおよびpと同じである。)
[8][2]乃至[7]いずれかに記載の金属チエタン化合物において、n=p=3である、金属チエタン化合物;
[9][8]に記載の金属チエタン化合物において、下記式(4)に示される、金属チエタン化合物;
Figure 2008102545
[10][2]乃至[7]いずれかに記載の金属チエタン化合物において、n=p=5である、金属チエタン化合物;
[11][10]に記載の金属チエタン化合物において、下記式(5)に示される、金属チエタン化合物;
Figure 2008102545
[12][2]乃至[11]いずれかに記載の少なくとも一種の金属チエタン化合物を含む、重合性組成物;
[13][12]に記載の重合性組成物において、さらに、チオール化合物、エポキシ化合物、エピチオ化合物、分子構造中に金属原子を含まない非金属チエタン化合物のうち少なくとも一つを含む、重合性組成物;
[14][13]に記載の重合性組成物において、
前記チオール化合物が、3−メルカプトチエタン、1,2−エタンジチオール、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカンおよび2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンからなる群から選択される一種以上であり、
前記エポキシ化合物が、ビス(2,3−エポキシプロピル)ジスルフィド、エチレングリコールジグリシジルエーテル、イソシアヌル酸トリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3',4'−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートからなる群から選択される一種以上であり、
前記エピチオ化合物が、ビス(2,3−エピチオプロピル)スルフィド、ビス(2,3−エピチオプロピル)ジスルフィドからなる群から選択される一種以上であり、
前記非金属チエタン化合物が、ビスチエタニルジスルフィド、ビスチエタニルテトラスルフィド、ビス(チエタニルチオ)メタン、3−(((チエタニルチオ)メチルチオ)メチルチオ)チエタンからなる群から選択される一種以上である、重合性組成物;
[15][12]に記載の重合性組成物において、下記式(130)に示す非金属チエタン化合物をさらに含む、重合性組成物;
Figure 2008102545
[16][12]に記載の重合性組成物において、
前記金属チエタン化合物が、下記式(4)に示す金属チエタン化合物であって、
Figure 2008102545
下記式(12)に示す化合物をさらに含む、重合性組成物;
Figure 2008102545
[17][16]に記載の重合性組成物において、さらに、チオール化合物、エポキシ化合物、エピチオ化合物、分子構造中に金属原子を含まない非金属チエタン化合物のうち少なくとも一つを含む、重合性組成物;
[18][16]に記載の重合性組成物において、下記式(130)で示される非金属チエタン化合物をさらに含む、重合性組成物;
Figure 2008102545
[19][12]乃至[18]いずれかに記載の重合性組成物において、一般式(110)に示した金属チエタン化合物を含み、重合性化合物の総重量に対する前記一般式(110)で表される化合物の含有量が、50重量%以上である、重合性組成物;
[20][12]乃至[19]いずれかに記載の重合性組成物において、ブルーイング剤をさらに含む、重合成組成物;
[21][12]乃至[20]いずれかに記載の重合性組成物を注型重合する工程を含む、樹脂の製造方法;
[22][12]乃至[20]いずれかに記載の重合性組成物を重合して得られる樹脂;
[23][22]に記載の樹脂からなる光学部品;
[24][12]乃至[20]いずれかに記載の重合性組成物の光学部品としての使用;
[25][12]乃至[20]いずれかに記載の重合性組成物を重合させた樹脂の光学部品としての使用;
[26]下記一般式(201)に示されるチエタン化合物;
Figure 2008102545
(上記一般式(201)中、X1は硫黄原子または酸素原子を表す。Zは硫黄原子または酸素原子を表す。pは1以上5以下の整数を表す。qは0以上2以下の整数である。rは0以上4以下の整数を表す。p+r+2q=5または3である。
rが2以上の整数の場合、複数のYは、各々独立に無機または有機残基を表す。また、複数のYが互いに結合し、Bi原子を含む環を形成していてもよい。)
[27][26]に記載のチエタン化合物において、前記一般式(201)において、q=0である、チエタン化合物;
[28][26]または[27]に記載のチエタン化合物において、前記一般式(201)において、p=3、q=0、r=0である、チエタン化合物;
[28][26]に記載のチエタン化合物において、前記一般式(201)において、q=1であるチエタン化合物;
[30][29]に記載のチエタン化合物において、前記一般式(201)において、Zが酸素原子である、チエタン化合物;
[31][26]乃至[30]いずれかに記載のチエタン化合物において、前記一般式(201)において、X1が硫黄原子である、チエタン化合物;
[32][26]乃至[31]いずれかに記載のチエタン化合物を含む、重合性組成物;
[33][32]に記載の重合性組成物において、さらに、チオール化合物を含む、重合性組成物;
[34][33]に記載の重合性組成物において、前記チオール化合物が、3−メルカプトチエタン、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカンおよび2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンからなる群から選択される一種以上である、重合性組成物;
[35][32]乃至[34]いずれかに記載の重合性組成物において、重合性化合物の総重量に対する前記一般式(201)で表される化合物の含有量が、50重量%以上である、重合性組成物;
[36][32]乃至[35]いずれかに記載の重合性組成物を注型重合する工程を含む、樹脂の製造方法;
[37][32]乃至[35]いずれかに記載の重合性組成物を重合して得られる樹脂;
[38][37]に記載の樹脂からなる光学部品;
[39][32]乃至[35]いずれかに記載の重合性組成物の光学部品としての使用;および
[40][32]乃至[35]いずれかに記載の重合性組成物を重合させた樹脂の光学部品としての使用である。
本発明によれば、構成元素として金属原子を含む新規なチエタン化合物が提供される。
以下、本発明について、具体例を用いて説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。また、本発明において、各成分または基について、例示されたものを単独で用いてもよいし、複数組み合わせて用いてもよい。
はじめに、本発明の金属チエタン化合物について説明する。
本発明の金属チエタン化合物は、分子内にチエタン基および特定の金属原子を含有する化合物であり、下記一般式(120)で表される。
Figure 2008102545
(上記一般式(120)中、Mは、Bi、Sb、Ti、ZrおよびTaからなる群から選択される一種の金属原子である。X1およびX2は各々独立に硫黄原子または酸素原子である。R1は2価の有機基である。
点線と実線で表されたM−Tの間の結合は、単結合または二重結合を表す。点線と実線で表されたM−Tの間の結合が単結合の場合、Tは1価の無機または有機基であり、qは0または1以上n−2以下の整数であり、rは1または2である。点線と実線で表されたM−Tの間の結合が二重結合の場合、Tは酸素原子または硫黄原子であり、q=1、r=1である。
mは0または1以上の整数である。
nはMの価数であり、pは1以上n以下の整数である。
r=1のとき、q=0であり、Yは1価の無機または有機基である。r=1かつn−p−qが2以上の場合、複数のYは、各々独立に1価の無機または有機基である。r=1かつn−p−qが2以上の場合、複数のYが互いに結合し、Mを含む環を形成していてもよい。
r=2のとき、n−p−q=1または2であり、Yは2価の基である。r=2かつn−p−q=2の場合、2つのYが、2つのMとともに環を形成していてもよい。r=2かつq=2の場合、複数のTは、各々独立に無機または有機基である。)
上記一般式(120)に示した化合物として、具体的には、下記一般式(110)に示す化合物および下記一般式(201)に示す化合物(後述)が挙げられる。以下、それぞれについて詳細に説明する。
はじめに、下記一般式(110)に示す化合物について説明する。
Figure 2008102545
(上記一般式(110)中、Mは金属原子である。X1およびX2は各々独立に硫黄原子または酸素原子である。R1は2価の有機基である。
mは0または1以上の整数である。
nはMの価数であり、pは1以上n以下の整数である。
qは0または1以上n−2以下の整数である。
Yは1価または2価の基であり、Tは無機または有機基である。
rは1または2である。
r=1のとき、q=0であり、Yは1価の無機または有機基である。r=1かつn−p−qが2以上の場合、複数のYは、各々独立に1価の無機または有機基である。r=1かつn−p−qが2以上の場合、複数のYが互いに結合し、金属原子Mを含む環を形成していてもよい。
r=2のとき、n−p−q=1または2であり、Yは2価の基である。r=2かつn−p−q=2の場合、2つのYが、2つの金属原子Mとともに環を形成していてもよい。r=2かつq=2の場合、複数のTは、各々独立に無機または有機基である。)
以下、本発明の金属チエタン化合物が上記一般式(110)に示した化合物である場合の具体的構成を、金属原子MがSb原子である場合を主に例に挙げながら、さらに詳しく説明する。
MがSb原子のとき、本発明の金属チエタン化合物は、分子内にチエタン基およびSb原子を含有する化合物であり、下記一般式(100)で表される。
Figure 2008102545
(上記一般式(100)中、X1およびX2は各々独立に硫黄原子または酸素原子である。R1は2価の有機基である。
mは0または1以上の整数である。
nは3または5である。n=3のとき、pは1以上3以下の整数である。n=5のとき、pは1以上5以下の整数である。
qは0または1以上n−2以下の整数である。
Yは1価または2価の基であり、Tは無機または有機基である。
rは1または2である。
r=1のとき、q=0であり、Yは1価の無機または有機基である。r=1かつn−p−qが2以上の場合、複数のYは、各々独立に1価の無機または有機基である。r=1かつn−p−qが2以上の場合、複数のYが互いに結合し、Sb原子を含む環を形成していてもよい。
r=2のとき、n−p−q=1または2であり、Yは2価の基である。r=2かつn−p−q=2の場合、2つのYが、2つのSb原子とともに環を形成していてもよい。r=2かつq=2の場合、複数のTは、各々独立に無機または有機基である。)
以下、上記一般式(100)について具体的に説明する。
まず、上記一般式(100)中、r=1の場合について説明する。r=1のとき、q=0であり、本発明の金属チエタン化合物は下記一般式(1)に示される化合物となる。
Figure 2008102545
(上記一般式(1)中、X1およびX2は各々独立に硫黄原子または酸素原子である。R1は2価の有機基である。
mは0または1以上の整数である。nは3または5である。n=3のとき、pは1以上3以下の整数であり、n=5のとき、pは1以上5以下の整数である。
Yは1価の無機または有機基である。n−pが2以上の場合、複数のYは、各々独立に1価の無機または有機基である。n−pが2以上の場合、複数のYが互いに結合し、Sb原子を含む環を形成していてもよい。)
以下、上記一般式(1)について具体的に説明する。
まず、上記一般式(1)において、X1およびX2は、各々独立に硫黄原子または酸素原子を表す。本発明の所望の効果である高屈折率であることを鑑みると、X1およびX2として、硫黄原子はより好ましい。
上記一般式(1)において、R1は2価の有機基を表す。
かかる二価の有機基としては、鎖状または環状脂肪族基、芳香族基および芳香族−脂肪族基が挙げられ、好ましくは、炭素数1以上20以下の鎖状脂肪族基、炭素数3以上20以下の環状脂肪族基、炭素数5以上20以下の芳香族基、炭素数6以上20以下の芳香族−脂肪族基である。
1は、より具体的には、かかる二価の有機基が鎖状または環状脂肪族基、芳香族基または芳香族−脂肪族基であって、好ましくは、
メチレン基、エチレン基、1,2−ジクロロエチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、シクロペンチレン基、ヘキサメチレン基、シクロヘキシレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、トリデカメチレン基、テトラデカメチレン基、ペンタデカメチレン基等の炭素数1以上20以下の置換または無置換の鎖状または環状脂肪族基;
フェニレン基、クロロフェニレン基、ナフチレン基、インデニレン基、アントラセニレン基、フルオレニレン基等の置換または無置換の炭素数5以上20以下の芳香族基;または
−C64−CH2−基、−CH2−C64−CH2−基、−CH2−C63(Cl)−CH2−基、−C106−CH2−基、−CH2−C106−CH2−基、−CH2CH2−C64−CH2CH2−基等の置換または無置換の炭素数6以上20以下の芳香族−脂肪族基である。
1は、より好ましくはメチレン基、エチレン基、1,2−ジクロロエチレン基、トリメチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基等の炭素数1以上6以下の置換または無置換の鎖状または環状脂肪族基;
フェニレン基、クロロフェニレン基、ナフチレン基、インデニレン基、アントラセニレン基、フルオレニレン基等の置換または無置換の炭素数5以上15以下の芳香族基;または
−C64−CH2−基、−CH2−C64−CH2−基、−CH2−C63(Cl)−CH2−基、−C106−CH2−基、−CH2−C106−CH2−基、−CH2CH2−C64−CH2CH2−基等の置換または無置換の炭素数6以上15以下の芳香族−脂肪族基である。
かかる二価の有機基は、基中に炭素原子、水素原子以外のヘテロ原子を含有していてもよい。かかるヘテロ原子としては、酸素原子または硫黄原子が挙げられるが、本発明の所望の効果を考慮すると、硫黄原子であることが好ましい。
上記一般式(1)において、mは0または1以上の整数を表す。かかるmは、好ましくは、0以上4以下の整数であり、より好ましくは、0以上2以下の整数であり、さらに好ましくは、整数0または1である。
m=0のとき、上記一般式(1)は、下記一般式(2)となる。
Figure 2008102545
(上記一般式(2)において、X1、Y、nおよびpは、それぞれ、上記一般式(1)におけるX1、Y、nおよびpと同じである。)
また、上記一般式(1)中の、チエタニル基を含みSb原子に結合する基において、より一層好ましくは、m=0であり、かつX1が硫黄原子である。このとき、上記一般式(1)は、下記一般式(3)で表される。
Figure 2008102545
(上記一般式(3)において、Y、nおよびpは、それぞれ、上記一般式(1)におけるY、nおよびpと同じである。)
なお、上記一般式(3)において、好ましくはn=pである。
次に、上記一般式(1)におけるnおよびpについて説明する。
nは、Sb原子の価数つまり5または3である。後述する重合性組成物中の重合性化合物として用いたときの高屈折率化のために金属の含有率を高める観点では、nが3であることが好ましい。
また、pは、Sb原子の価数以下の正の整数である。よって、Sb原子の価数nが3のとき、pは1以上3以下の正の整数であり、Sb原子の価数nが5のとき、pは1以上5以下の正の整数である。かかるpは、好ましくは、n、n−1またはn−2であり、より好ましくは、nまたはn−1である。
上記一般式(1)において、具体的にはp=3であり、さらに具体的には、X1が硫黄原子であり、n=p=3である。このとき、上記一般式(1)に示される化合物は、下記式(4)に示される化合物となる。
Figure 2008102545
また、上記一般式(1)において、具体的にはp=5であり、さらに具体的には、X1が硫黄原子であり、n=p=5である。このとき、上記一般式(1)に示される化合物は、下記式(5)に示される化合物となる。
Figure 2008102545
上記一般式(1)において、Yは、1価の無機または有機基を表す。以下、Yの具体例を説明する。
まず、n−p=1の場合、Yは1価の無機または有機基を表す。また、n−pが2以上の整数の場合、複数のYは、各々独立に1価の無機または有機基を表す。複数のYは、同じ基であってもよいし、全部または一部が異なる基であってもよい。また、複数のYが互いに結合し、Sb原子を含む環を形成していてもよい。
Yは特に制限されるものではないが、たとえば、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、チオール基、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のアラルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換のアルキルチオ基、置換または無置換のアリールオキシ基、置換または無置換のアリールチオ基が挙げられる。
これらのうち、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のアラルキル基、置換または無置換のアルコキシ(アルキルオキシ)基、置換または無置換のアルキルチオ基、置換または無置換のアリールオキシ基、置換または無置換のアリールチオ基に関して以下説明する。
ハロゲン原子の具体例として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。
置換または無置換のアルキル基の具体例として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、等の総炭素数1以上10以下の直鎖アルキル基;
イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、1−エチルペンチル基、2−エチルペンチル基、3−エチルペンチル基、1−n−プロピルブチル基、1−iso−プロピルブチル基、1−iso−プロピル−2−メチルプロピル基、1−メチルヘプチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、6−メチルヘプチル基、1−エチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、4−エチルヘキシル基、1−n−プロピルペンチル基、2−n−プロピルペンチル基、1−iso−プロピルペンチル基、2−iso−プロピルペンチル基、1−n−ブチルブチル基、1−iso−ブチルブチル基、1−sec−ブチルブチル基、1−tert−ブチルブチル基、2−tert−ブチルブチル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルペンチル基、1,2−ジメチルペンチル基、1,3−ジメチルペンチル基、1,4−ジメチルペンチル基、2,2−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、3,3−ジメチルペンチル基、3,4−ジメチルペンチル基、1−エチル−1−メチルブチル基、1−エチル−2−メチルブチル基、1−エチル−3−メチルブチル基、2−エチル−1−メチルブチル基、2−エチル−3−メチルブチル基、1,1−ジメチルヘキシル基、1,2−ジメチルヘキシル基、1,3−ジメチルヘキシル基、1,4−ジメチルヘキシル基、1,5−ジメチルヘキシル基、2,2−ジメチルヘキシル基、2,3−ジメチルヘキシル基、2,4−ジメチルヘキシル基、2,5−ジメチルヘキシル基、3,3−ジメチルヘキシル基、3,4−ジメチルヘキシル基、3,5−ジメチルヘキシル基、4,4−ジメチルヘキシル基、4,5−ジメチルヘキシル基、1−エチル−2−メチルペンチル基、1−エチル−3−メチルペンチル基、1−エチル−4−メチルペンチル基、2−エチル−1−メチルペンチル基、2−エチル−2−メチルペンチル基、2−エチル−3−メチルペンチル基、2−エチル−4−メチルペンチル基、3−エチル−1−メチルペンチル基、3−エチル−2−メチルペンチル基、3−エチル−3−メチルペンチル基、3−エチル−4−メチルペンチル基、1−n−プロピル−1−メチルブチル基、1−n−プロピル−2−メチルブチル基、1−n−プロピル−3−メチルブチル基、1−iso−プロピル−1−メチルブチル基、1−iso−プロピル−2−メチルブチル基、1−iso−プロピル−3−メチルブチル基、1,1−ジエチルブチル基、1,2−ジエチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1,1,2−トリメチルブチル基、1,1,3−トリメチルブチル基、1,2,3−トリメチルブチル基、1,2,2−トリメチルブチル基、1,3,3−トリメチルブチル基、2,3,3−トリメチルブチル基、1,1,2−トリメチルペンチル基、1,1,3−トリメチルペンチル基、1,1,4−トリメチルペンチル基、1,2,2−トリメチルペンチル基、1,2,3−トリメチルペンチル基、1,2,4−トリメチルペンチル基、1,3,4−トリメチルペンチル基、2,2,3−トリメチルペンチル基、2,2,4−トリメチルペンチル基、2,3,4−トリメチルペンチル基、1,3,3−トリメチルペンチル基、2,3,3−トリメチルペンチル基、3,3,4−トリメチルペンチル基、1,4,4−トリメチルペンチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、3,4,4−トリメチルペンチル基、1−エチル−1,2−ジメチルブチル基、1−エチル−1,3−ジメチルブチル基、1−エチル−2,3−ジメチルブチル基、2−エチル−1,1−ジメチルブチル基、2−エチル−1,2−ジメチルブチル基、2−エチル−1,3−ジメチルブチル基、2−エチル−2,3−ジメチルブチル基等の総炭素数3以上10以下の分岐アルキル基;および
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロペンチル基、メトキシシクロペンチル基、メトキシシクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、1,2−ジメチルシクロヘキシル基、1,3−ジメチルシクロヘキシル基、1,4−ジメチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基等の総炭素数5以上10以下の飽和環状アルキル基が挙げられる。
置換または無置換のアリール基の具体例として、フェニル基、ナフチル基、アンスラニル基、シクロペンタジエニル基等の総炭素数20以下の芳香族炭化水素;
2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、シクロヘキシルフェニル基、オクチルフェニル基、2−メチル−1−ナフチル基、3−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、5−メチル−1−ナフチル基、6−メチル−1−ナフチル基、7−メチル−1−ナフチル基、8−メチル−1−ナフチル基、1−メチル−2−ナフチル基、3−メチル−2−ナフチル基、4−メチル−2−ナフチル基、5−メチル−2−ナフチル基、6−メチル−2−ナフチル基、7−メチル−2−ナフチル基、8−メチル−2−ナフチル基、2−エチル−1−ナフチル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、3,6−ジメチルフェニル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,5−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基等の総炭素数20以下のアルキル置換アリール基;
2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−エトキシフェニル基、プロポキシフェニル基、ブトキシフェニル基、ヘキシルオキシフェニル基、シクロヘキシルオキシフェニル基、オクチルオキシフェニル基、2−メトキシ−1−ナフチル基、3−メトキシ−1−ナフチル基、4−メトキシ−1−ナフチル基、5−メトキシ−1−ナフチル基、6−メトキシ−1−ナフチル基、7−メトキシ−1−ナフチル基、8−メトキシ−1−ナフチル基、1−メトキシ−2−ナフチル基、3−メトキシ−2−ナフチル基、4−メトキシ−2−ナフチル基、5−メトキシ−2−ナフチル基、6−メトキシ−2−ナフチル基、7−メトキシ−2−ナフチル基、8−メトキシ−2−ナフチル基、2−エトキシ−1−ナフチル基等の炭素数10以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数20以下のモノアルコキシアリール基;
2,3−ジメトキシフェニル基、2,4−ジメトキシフェニル基、2,5−ジメトキシフェニル基、2,6−ジメトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,5−ジメトキシフェニル基、3,6−ジメトキシフェニル基、4,5−ジメトキシ−1−ナフチル基、4,7−ジメトキシ−1−ナフチル基、4,8−ジメトキシ−1−ナフチル基、5,8−ジメトキシ−1−ナフチル基、5,8−ジメトキシ−2−ナフチル基等の炭素数10以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数20以下のジアルコキシアリール基;
2,3,4−トリメトキシフェニル基、2,3,5−トリメトキシフェニル基、2,3,6−トリメトキシフェニル基、2,4,5−トリメトキシフェニル基、2,4,6−トリメトキシフェニル基、3,4,5−トリメトキシフェニル基等の炭素数10以下の置換または無置換のアルキルオキシが置換した総炭素数20以下のトリアルコキシアリール基;および
クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、トリクロロフェニル基、ブロモフェニル基、ジブロモフェニル基、ヨードフェニル基、フルオロフェニル基、クロロナフチル基、ブロモナフチル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロフェニル基、テトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基等のハロゲン原子が置換した総炭素数20以下のアリール基が挙げられる。
置換または無置換のアラルキル基の具体例として、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルエチル基等の総炭素数12以下のアラルキル基が挙げられる。また、他に、置換または無置換のアリール基の具体例で挙げたアリール基を側鎖にもつメチル基、エチル基、プロピル基が挙げられる。
置換または無置換のアルキルオキシ基の具体例として、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、iso−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、iso−ヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基等の総炭素数1以上10以下の直鎖または分岐のアルコキシ基;
シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の総炭素数5以上10以下のシクロアルコキシ基;
メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、エトキシエトキシ基、n−プロポキシメトキシ基、iso−プロポキシメトキシ基、n−プロポキシエトキシ基、iso−プロポキシエトキシ基、n−ブトキシエトキシ基、iso−ブトキシエトキシ基、tert−ブトキシエトキシ基、n−ペンチルオキシエトキシ基、iso−ペンチルオキシエトキシ基、n−ヘキシルオキシエトキシ基、iso−ヘキシルオキシエトキシ基、n−ヘプチルオキシエトキシ基等の総炭素数2以上10以下のアルコキシアルコキシ基;および
ベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ基が挙げられる。
置換または無置換のアルキルチオ基の具体例として、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、iso−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、iso−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、iso−ペンチルチオ基、n−ヘキシルチオ基、iso−ヘキシルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、3,5,5−トリメチルヘキシルチオ基、n−ヘプチルチオ基、n−オクチルチオ基、n−ノニルチオ基等の総炭素数1以上10以下の直鎖または分岐のアルキルチオ基;
シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等の総炭素数5以上10以下のシクロアルキルチオ基;
メトキシエチルチオ基、エトキシエチルチオ基、n−プロポキシエチルチオ基、iso−プロポキシエチルチオ基、n−ブトキシエチルチオ基、iso−ブトキシエチルチオ基、tert−ブトキシエチルチオ基、n−ペンチルオキシエチルチオ基、iso−ペンチルオキシエチルチオ基、n−ヘキシルオキシエチルチオ基、iso−ヘキシルオキシエチルチオ基、n−ヘプチルオキシエチルチオ基等の総炭素数2以上10以下のアルコキシアルキルチオ基;
ベンジルチオ基などのアラルキルチオ基;および
メチルチオエチルチオ基、エチルチオエチルチオ基、n−プロピルチオエチルチオ基、iso−プロピルチオエチルチオ基、n−ブチルチオエチルチオ基、iso−ブチルチオエチルチオ基、tert−ブチルチオエチルチオ基、n−ペンチルチオエチルチオ基、iso−ペンチルチオエチルチオ基、n−ヘキシルチオエチルチオ基、iso−ヘキシルチオエチルチオ基、n−ヘプチルチオエチルチオ基等の総炭素数2以上10以下のアルキルチオアルキルチオ基が挙げられる。
置換または無置換のアリールオキシ基の具体例として、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基、アンスラニルオキシ基、2−メチルフェニルオキシ基、3−メチルフェニルオキシ基、4−メチルフェニルオキシ基、2−エチルフェニルオキシ基、プロピルフェニルオキシ基、ブチルフェニルオキシ基、ヘキシルフェニルオキシ基、シクロヘキシルフェニルオキシ基、オクチルフェニルオキシ基、2−メチル−1−ナフチルオキシ基、3−メチル−1−ナフチルオキシ基、4−メチル−1−ナフチルオキシ基、5−メチル−1−ナフチルオキシ基、6−メチル−1−ナフチルオキシ基、7−メチル−1−ナフチルオキシ基、8−メチル−1−ナフチルオキシ基、1−メチル−2−ナフチルオキシ基、3−メチル−2−ナフチルオキシ基、4−メチル−2−ナフチルオキシ基、5−メチル−2−ナフチルオキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基、7−メチル−2−ナフチルオキシ基、8−メチル−2−ナフチルオキシ基、2−エチル−1−ナフチルオキシ基、2,3−ジメチルフェニルオキシ基、2,4−ジメチルフェニルオキシ基、2,5−ジメチルフェニルオキシ基、2,6−ジメチルフェニルオキシ基、3,4−ジメチルフェニルオキシ基、3,5−ジメチルフェニルオキシ基、3,6−ジメチルフェニルオキシ基、2,3,4−トリメチルフェニルオキシ基、2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基、2,3,6−トリメチルフェニルオキシ基、2,4,5−トリメチルフェニルオキシ基、2,4,6−トリメチルフェニルオキシ基、3,4,5−トリメチルフェニルオキシ基等の総炭素数20以下の無置換またはアルキル置換アリールオキシ基;
2−メトキシフェニルオキシ基、3−メトキシフェニルオキシ基、4−メトキシフェニルオキシ基、2−エトキシフェニルオキシ基、プロポキシフェニルオキシ基、ブトキシフェニルオキシ基、ヘキシルオキシフェニルオキシ基、シクロヘキシルオキシフェニルオキシ基、オクチルオキシフェニルオキシ基、2−メトキシ−1−ナフチルオキシ基、3−メトキシ−1−ナフチルオキシ基、4−メトキシ−1−ナフチルオキシ基、5−メトキシ−1−ナフチルオキシ基、6−メトキシ−1−ナフチルオキシ基、7−メトキシ−1−ナフチルオキシ基、8−メトキシ−1−ナフチルオキシ基、1−メトキシ−2−ナフチルオキシ基、3−メトキシ−2−ナフチルオキシ基、4−メトキシ−2−ナフチルオキシ基、5−メトキシ−2−ナフチルオキシ基、6−メトキシ−2−ナフチルオキシ基、7−メトキシ−2−ナフチルオキシ基、8−メトキシ−2−ナフチルオキシ基、2−エトキシ−1−ナフチルオキシ基等の炭素数10以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数20以下のモノアルコキシアリールオキシ基;
2,3−ジメトキシフェニルオキシ基、2,4−ジメトキシフェニルオキシ基、2,5−ジメトキシフェニルオキシ基、2,6−ジメトキシフェニルオキシ基、3,4−ジメトキシフェニルオキシ基、3,5−ジメトキシフェニルオキシ基、3,6−ジメトキシフェニルオキシ基、4,5−ジメトキシ−1−ナフチルオキシ基、4,7−ジメトキシ−1−ナフチルオキシ基、4,8−ジメトキシ−1−ナフチルオキシ基、5,8−ジメトキシ−1−ナフチルオキシ基、5,8−ジメトキシ−2−ナフチルオキシ基等の炭素数10以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数20以下のジアルコキシアリールオキシ基;
2,3,4−トリメトキシフェニルオキシ基、2,3,5−トリメトキシフェニルオキシ基、2,3,6−トリメトキシフェニルオキシ基、2,4,5−トリメトキシフェニルオキシ基、2,4,6−トリメトキシフェニルオキシ基、3,4,5−トリメトキシフェニルオキシ基等の炭素数10以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数20以下のトリアルコキシアリールオキシ基;および
クロロフェニルオキシ基、ジクロロフェニルオキシ基、トリクロロフェニルオキシ基、ブロモフェニルオキシ基、ジブロモフェニルオキシ基、ヨードフェニルオキシ基、フルオロフェニルオキシ基、クロロナフチルオキシ基、ブロモナフチルオキシ基、ジフルオロフェニルオキシ基、トリフルオロフェニルオキシ基、テトラフルオロフェニルオキシ基、ペンタフルオロフェニルオキシ基等のハロゲン原子が置換した総炭素数20以下のアリールオキシ基が挙げられる。
置換または無置換のアリールチオ基の具体例として、フェニルチオ基、ナフチルチオ基、アンスラニルチオ基、2−メチルフェニルチオ基、3−メチルフェニルチオ基、4−メチルフェニルチオ基、2−エチルフェニルチオ基、プロピルフェニルチオ基、ブチルフェニルチオ基、ヘキシルフェニルチオ基、シクロヘキシルフェニルチオ基、オクチルフェニルチオ基、2−メチル−1−ナフチルチオ基、3−メチル−1−ナフチルチオ基、4−メチル−1−ナフチルチオ基、5−メチル−1−ナフチルチオ基、6−メチル−1−ナフチルチオ基、7−メチル−1−ナフチルチオ基、8−メチル−1−ナフチルチオ基、1−メチル−2−ナフチルチオ基、3−メチル−2−ナフチルチオ基、4−メチル−2−ナフチルチオ基、5−メチル−2−ナフチルチオ基、6−メチル−2−ナフチルチオ基、7−メチル−2−ナフチルチオ基、8−メチル−2−ナフチルチオ基、2−エチル−1−ナフチルチオ基、2,3−ジメチルフェニルチオ基、2,4−ジメチルフェニルチオ基、2,5−ジメチルフェニルチオ基、2,6−ジメチルフェニルチオ基、3,4−ジメチルフェニルチオ基、3,5−ジメチルフェニルチオ基、3,6−ジメチルフェニルチオ基、2,3,4−トリメチルフェニルチオ基、2,3,5−トリメチルフェニルチオ基、2,3,6−トリメチルフェニルチオ基、2,4,5−トリメチルフェニルチオ基、2,4,6−トリメチルフェニルチオ基、3,4,5−トリメチルフェニルチオ基等の総炭素数20以下の無置換またはアルキル置換アリールチオ基;
2−メトキシフェニルチオ基、3−メトキシフェニルチオ基、4−メトキシフェニルチオ基、2−エトキシフェニルチオ基、プロポキシフェニルチオ基、ブトキシフェニルチオ基、ヘキシルオキシフェニルチオ基、シクロヘキシルオキシフェニルチオ基、オクチルオキシフェニルチオ基、2−メトキシ−1−ナフチルチオ基、3−メトキシ−1−ナフチルチオ基、4−メトキシ−1−ナフチルチオ基、5−メトキシ−1−ナフチルチオ基、6−メトキシ−1−ナフチルチオ基、7−メトキシ−1−ナフチルチオ基、8−メトキシ−1−ナフチルチオ基、1−メトキシ−2−ナフチルチオ基、3−メトキシ−2−ナフチルチオ基、4−メトキシ−2−ナフチルチオ基、5−メトキシ−2−ナフチルチオ基、6−メトキシ−2−ナフチルチオ基、7−メトキシ−2−ナフチルチオ基、8−メトキシ−2−ナフチルチオ基、2−エトキシ−1−ナフチルチオ基等の炭素数10以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数20以下のモノアルコキシアリールチオ基;
2,3−ジメトキシフェニルチオ基、2,4−ジメトキシフェニルチオ基、2,5−ジメトキシフェニルチオ基、2,6−ジメトキシフェニルチオ基、3,4−ジメトキシフェニルチオ基、3,5−ジメトキシフェニルチオ基、3,6−ジメトキシフェニルチオ基、4,5−ジメトキシ−1−ナフチルチオ基、4,7−ジメトキシ−1−ナフチルチオ基、4,8−ジメトキシ−1−ナフチルチオ基、5,8−ジメトキシ−1−ナフチルチオ基、5,8−ジメトキシ−2−ナフチルチオ基等の炭素数10以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数20以下のジアルコキシアリールチオ基;
2,3,4−トリメトキシフェニルチオ基、2,3,5−トリメトキシフェニルチオ基、2,3,6−トリメトキシフェニルチオ基、2,4,5−トリメトキシフェニルチオ基、2,4,6−トリメトキシフェニルチオ基、3,4,5−トリメトキシフェニルチオ基等の炭素数10以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数20以下のトリアルコキシアリールチオ基;および
クロロフェニルチオ基、ジクロロフェニルチオ基、トリクロロフェニルチオ基、ブロモフェニルチオ基、ジブロモフェニルチオ基、ヨードフェニルチオ基、フルオロフェニルチオ基、クロロナフチルチオ基、ブロモナフチルチオ基、ジフルオロフェニルチオ基、トリフルオロフェニルチオ基、テトラフルオロフェニルチオ基、ペンタフルオロフェニルチオ基等のハロゲン原子が置換した総炭素数20以下のアリールチオ基等が挙げられる。Yはこれらに限定されるものではない。
かかるYにおいて、好ましい例を以下に示す。
好ましい例として、たとえば水素原子が挙げられる。
また、Yの好ましい例のうち、ハロゲン原子として、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
置換または無置換のアルキル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、等の総炭素数1以上6以下の直鎖アルキル基;
イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、等の総炭素数3以上6以下の分岐アルキル基;および
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、等の総炭素数5または6の飽和環状アルキル基が挙げられる。
置換または無置換のアリール基として、フェニル基、ナフチル基、シクロペンタジエニル基等の総炭素数12以下の芳香族炭化水素;
2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、3,6−ジメチルフェニル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,5−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基等の総炭素数12以下のアルキル置換アリール基;
2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−エトキシフェニル基、プロポキシフェニル基、ブトキシフェニル基、等の炭素数6以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数12以下のモノアルコキシアリール基;
2,3−ジメトキシフェニル基、2,4−ジメトキシフェニル基、2,5−ジメトキシフェニル基、2,6−ジメトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,5−ジメトキシフェニル基、3,6−ジメトキシフェニル基等の炭素数6以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数12以下のジアルコキシアリール基;および
クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、トリクロロフェニル基、ブロモフェニル基、ジブロモフェニル基、ヨードフェニル基、フルオロフェニル基、クロロナフチル基、ブロモナフチル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロフェニル基、テトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基等のハロゲン原子が置換した総炭素数12以下のアリール基が挙げられる。
置換または無置換のアラルキル基として、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基等の総炭素数12以下のアラルキル基が挙げられる。
置換または無置換のアルキルオキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、iso−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、iso−ヘキシルオキシ基等の総炭素数1以上6以下の直鎖または分岐のアルコキシ基;
シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の総炭素数5または6のシクロアルコキシ基;および
メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、エトキシエトキシ基、n−プロポキシメトキシ基、iso−プロポキシメトキシ基、n−プロポキシエトキシ基、iso−プロポキシエトキシ基、n−ブトキシエトキシ基、iso−ブトキシエトキシ基、tert−ブトキシエトキシ基等の総炭素数2以上6以下のアルコキシアルコキシ基が挙げられる。
置換または無置換のアルキルチオ基として、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、iso−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、iso−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、iso−ペンチルチオ基、n−ヘキシルチオ基、iso−ヘキシルチオ基等の総炭素数1以上6以下の直鎖または分岐のアルキルチオ基;
シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等の総炭素数5または6のシクロアルキルチオ基;
メトキシエチルチオ基、エトキシエチルチオ基、n−プロポキシエチルチオ基、iso−プロポキシエチルチオ基、n−ブトキシエチルチオ基、iso−ブトキシエチルチオ基、tert−ブトキシエチルチオ基等の総炭素数2以上6以下のアルコキシアルキルチオ基;および
メチルチオエチルチオ基、エチルチオエチルチオ基、n−プロピルチオエチルチオ基、iso−プロピルチオエチルチオ基、n−ブチルチオエチルチオ基、iso−ブチルチオエチルチオ基、tert−ブチルチオエチルチオ基等の総炭素数2以上6以下のアルキルチオアルキルチオ基が挙げられる。
置換または無置換のアリールオキシ基として、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基、2−メチルフェニルオキシ基、3−メチルフェニルオキシ基、4−メチルフェニルオキシ基、2−エチルフェニルオキシ基、プロピルフェニルオキシ基、ブチルフェニルオキシ基、ヘキシルフェニルオキシ基、シクロヘキシルフェニルオキシ基、2,4−ジメチルフェニルオキシ基、2,5−ジメチルフェニルオキシ基、2,6−ジメチルフェニルオキシ基、3,4−ジメチルフェニルオキシ基、3,5−ジメチルフェニルオキシ基、3,6−ジメチルフェニルオキシ基、2,3,4−トリメチルフェニルオキシ基、2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基、2,3,6−トリメチルフェニルオキシ基、2,4,5−トリメチルフェニルオキシ基、2,4,6−トリメチルフェニルオキシ基、3,4,5−トリメチルフェニルオキシ基等の総炭素数12以下の無置換またはアルキル置換アリールオキシ基;
2−メトキシフェニルオキシ基、3−メトキシフェニルオキシ基、4−メトキシフェニルオキシ基、2−エトキシフェニルオキシ基、プロポキシフェニルオキシ基、ブトキシフェニルオキシ基、ヘキシルオキシフェニルオキシ基、シクロヘキシルオキシフェニルオキシ基等の炭素数6以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数12以下のモノアルコキシアリールオキシ基;
2,3−ジメトキシフェニルオキシ基、2,4−ジメトキシフェニルオキシ基、2,5−ジメトキシフェニルオキシ基、2,6−ジメトキシフェニルオキシ基、3,4−ジメトキシフェニルオキシ基、3,5−ジメトキシフェニルオキシ基、3,6−ジメトキシフェニルオキシ基等の炭素数6以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数12以下のジアルコキシアリールオキシ基;および
クロロフェニルオキシ基、ジクロロフェニルオキシ基、トリクロロフェニルオキシ基、ブロモフェニルオキシ基、ジブロモフェニルオキシ基、ヨードフェニルオキシ基、フルオロフェニルオキシ基、クロロナフチルオキシ基、ブロモナフチルオキシ基、ジフルオロフェニルオキシ基、トリフルオロフェニルオキシ基、テトラフルオロフェニルオキシ基、ペンタフルオロフェニルオキシ基等のハロゲン原子が置換した総炭素数12以下のアリールオキシ基が挙げられる。
置換または無置換のアリールチオ基として、フェニルチオ基、ナフチルチオ基、2−メチルフェニルチオ基、3−メチルフェニルチオ基、4−メチルフェニルチオ基、2−エチルフェニルチオ基、プロピルフェニルチオ基、ブチルフェニルチオ基、ヘキシルフェニルチオ基、シクロヘキシルフェニルチオ基、2,4−ジメチルフェニルチオ基、2,5−ジメチルフェニルチオ基、2,6−ジメチルフェニルチオ基、3,4−ジメチルフェニルチオ基、3,5−ジメチルフェニルチオ基、3,6−ジメチルフェニルチオ基、2,3,4−トリメチルフェニルチオ基、2,3,5−トリメチルフェニルチオ基、2,3,6−トリメチルフェニルチオ基、2,4,5−トリメチルフェニルチオ基、2,4,6−トリメチルフェニルチオ基、3,4,5−トリメチルフェニルチオ基等の総炭素数12以下の無置換またはアルキル置換アリールチオ基;
2−メトキシフェニルチオ基、3−メトキシフェニルチオ基、4−メトキシフェニルチオ基、2−エトキシフェニルチオ基、プロポキシフェニルチオ基、ブトキシフェニルチオ基、ヘキシルオキシフェニルチオ基、シクロヘキシルオキシフェニルチオ基等の炭素数6以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数12以下のモノアルコキシアリールチオ基;
2,3−ジメトキシフェニルチオ基、2,4−ジメトキシフェニルチオ基、2,5−ジメトキシフェニルチオ基、2,6−ジメトキシフェニルチオ基、3,4−ジメトキシフェニルチオ基、3,5−ジメトキシフェニルチオ基、3,6−ジメトキシフェニルチオ基、4,5−ジメトキシ−1−ナフチルチオ基、4,7−ジメトキシ−1−ナフチルチオ基、4,8−ジメトキシ−1−ナフチルチオ基、5,8−ジメトキシ−1−ナフチルチオ基、5,8−ジメトキシ−2−ナフチルチオ基等の炭素数6以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数12以下のジアルコキシアリールチオ基;
クロロフェニルチオ基、ジクロロフェニルチオ基、トリクロロフェニルチオ基、ブロモフェニルチオ基、ジブロモフェニルチオ基、ヨードフェニルチオ基、フルオロフェニルチオ基、クロロナフチルチオ基、ブロモナフチルチオ基、ジフルオロフェニルチオ基、トリフルオロフェニルチオ基、テトラフルオロフェニルチオ基、ペンタフルオロフェニルチオ基等のハロゲン原子が置換した総炭素数12以下のアリールチオ基が挙げられる。
Yのより好ましい例を以下に示す。
Yのより好ましい例として、たとえば水素原子が挙げられる。
また、ハロゲン原子として、塩素原子および臭素原子が挙げられる。
置換または無置換のアルキル基として、メチル基、エチル基、iso−プロピル基等の総炭素数1以上3以下の直鎖または分岐アルキル基が挙げられる。
置換または無置換のアリール基として、フェニル基、ナフチル基、シクロペンタジエニル基等の総炭素数12以下の芳香族炭化水素;
2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−エチルフェニル基、プロピルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、3,6−ジメチルフェニル基等の総炭素数9以下のアルキル置換アリール基;
2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−エトキシフェニル基、プロポキシフェニル基等の炭素数3以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数9以下のモノアルコキシアリール基;および
クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、トリクロロフェニル基、ブロモフェニル基、ジブロモフェニル基、クロロナフチル基、ブロモナフチル基等のハロゲン原子が置換した総炭素数12以下のアリール基が挙げられる。
置換または無置換のアラルキル基として、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基等の総炭素数9以下のアラルキル基が挙げられる。
置換または無置換のアルキルオキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、iso−プロポキシ基等の総炭素数1以上3以下の直鎖または分岐のアルコキシ基;および
シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の総炭素数5または6のシクロアルコキシ基が挙げられる。
置換または無置換のアルキルチオ基として、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、iso−プロピルチオ基等の総炭素数1以上3以下の直鎖または分岐のアルキルチオ基;
シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等の総炭素数5または6のシクロアルキルチオ基;および
メチルチオエチルチオ基、エチルチオエチルチオ基、n−プロピルチオエチルチオ基、iso−プロピルチオエチルチオ基、n−ブチルチオエチルチオ基、iso−ブチルチオエチルチオ基、tert−ブチルチオエチルチオ基等の総炭素数2以上6以下のアルキルチオアルキルチオ基が挙げられる。
置換または無置換のアリールオキシ基として、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基、2−メチルフェニルオキシ基、3−メチルフェニルオキシ基、4−メチルフェニルオキシ基、2−エチルフェニルオキシ基、プロピルフェニルオキシ基、2,4−ジメチルフェニルオキシ基、2,5−ジメチルフェニルオキシ基、2,6−ジメチルフェニルオキシ基、3,4−ジメチルフェニルオキシ基、3,5−ジメチルフェニルオキシ基、3,6−ジメチルフェニルオキシ基等の総炭素数9以下の無置換またはアルキル置換アリールオキシ基;
2−メトキシフェニルオキシ基、3−メトキシフェニルオキシ基、4−メトキシフェニルオキシ基、2−エトキシフェニルオキシ基、プロポキシフェニルオキシ基等の炭素数3以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数9以下のモノアルコキシアリールオキシ基;および
クロロフェニルオキシ基、ジクロロフェニルオキシ基、トリクロロフェニルオキシ基、ブロモフェニルオキシ基、ジブロモフェニルオキシ基、クロロナフチルオキシ基、ブロモナフチルオキシ基等のハロゲン原子が置換した総炭素数12以下のアリールオキシ基が挙げられる。
置換または無置換のアリールチオ基として、フェニルチオ基、2−メチルフェニルチオ基、3−メチルフェニルチオ基、4−メチルフェニルチオ基、2−エチルフェニルチオ基、プロピルフェニルチオ基、2,4−ジメチルフェニルチオ基、2,5−ジメチルフェニルチオ基、2,6−ジメチルフェニルチオ基、3,4−ジメチルフェニルチオ基、3,5−ジメチルフェニルチオ基、3,6−ジメチルフェニルチオ基等の総炭素数9以下の無置換またはアルキル置換アリールチオ基;
2−メトキシフェニルチオ基、3−メトキシフェニルチオ基、4−メトキシフェニルチオ基、2−エトキシフェニルチオ基、プロポキシフェニルチオ基等の炭素数3以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数9以下のモノアルコキシアリールチオ基;および
クロロフェニルチオ基、ジクロロフェニルチオ基、トリクロロフェニルチオ基、ブロモフェニルチオ基、ジブロモフェニルチオ基、クロロナフチルチオ基、ブロモナフチルチオ基等のハロゲン原子が置換した総炭素数12以下のアリールチオ基が挙げられる。
Yが環を形成しない場合、Yとして、さらに具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等の炭素数1以上3以下のアルキル基;
メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、iso−プロピルチオ基等のSb原子に直接結合する硫黄原子を含み総炭素数1以上3以下の直鎖または分岐のアルキルチオ基;および
2−(3−チエタニルチオ)エチルチオ等のチエタニルチオアルキルチオ基が挙げられる。なお、Yがチエタニルチオアルキルチオ基である場合、Yは、上記一般式(1)においてSbと結合する[]内の基とは異なる基である。このようなYを有する化合物として、たとえば(3−チエタニルチオ)ビス[2−(3−チエタニルチオ)エチルチオ]アンチモン(III)が挙げられる。また、Yがチエタニルチオアルキルチオ基である場合、上記一般式(120)および(110)においても、Mと結合する[]内の基とは異なる基である。
Yがアルキル基であるとき、上記一般式(1)において、Yは、好ましくはメチル基である。
また、Yがアルキル基であり、n−pが2以上の整数の場合、Yは互いに結合し、Sb原子を介して環状構造となっても構わない。つまり、複数のYが結合してSb原子を含む環を形成していてもよい。
環を形成している場合、環を形成するアルキル鎖としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、つまり炭素数1以上3以下のアルキレン基が挙げられる。環を形成するアルキル鎖は、好ましくは、エチレン基である。なお、Sb原子を含む環は、具体的には、4員環から6員環であり、環を構成する原子としては、SbおよびC(炭素)の他に、後述のようにたとえばSを含んでもよい。
また、YがSb原子に直接結合する硫黄原子を含むチオアルキル基であるとき、上記一般式(1)に示される化合物の例として、下記一般式(6)に示される化合物が挙げられる。
Figure 2008102545
(上記一般式(6)中、X1およびnは、それぞれ、上記一般式(1)におけるX1およびnと同じである。pは2以上(n−1)以下の整数である。
n−pが1の場合、R2は、置換基を有してもよい炭素数1以上3以下の直鎖状もしくは分岐鎖を有するアルキル基を表す。
n−pが2以上の場合、複数のR2は、各々独立に、置換基を有してもよい炭素数1以上3以下の直鎖状もしくは分岐鎖を有するアルキル基または単結合を表す。また、複数のR2が互いに結合してSb原子を含む環を形成してもよく、この場合、環を形成するアルキル鎖は炭素数1以上3以下であり、環を構成する部分には、硫黄原子を含まない。)
上記一般式(6)においても、樹脂の屈折率を向上させる観点では、X1が硫黄原子であることが好ましい。このとき、上記一般式(6)は、下記一般式(7)となる。
Figure 2008102545
(上記一般式(7)中、p、nおよびR2は、それぞれ、上記一般式(6)におけるp、nおよびR2と同じである。)
上記一般式(6)および(7)において、nはSb原子の価数である。また、上記一般式(6)および(7)において、pは、(Sb原子の価数−1)以下の正の整数である。つまり、pは2以上(n−1)以下の整数である。
上記一般式(6)および(7)において、R2は、置換基を有してもよい炭素数1以上3以下の直鎖状もしくは分岐鎖を有するアルキル基を表す。
n−pが2以上の場合、R2は、各々独立に置換基を有してもよい炭素数1以上3以下の直鎖状もしくは分岐鎖を有するアルキル基を表す。複数のR2は、同じ基であってもよいし、全部または一部が異なる基であってもよい。また、複数のR2が互いに結合し、原子団−S−Sb−S−を含む環を形成してもよい。この場合、環を形成するアルキル鎖は炭素数1以上3以下であり、硫黄原子は、Sb原子に直接結合しているもののみである。つまり、R2のうち、環を構成する部分には硫黄原子を含まない。
上記一般式(6)および(7)で表される化合物の中でも好ましい例の一つとして、以下の態様が挙げられる。すなわち、R2が環を形成しない場合、R2として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、つまり炭素数1以上3以下のアルキル基が挙げられる。
また、上記一般式(6)および(7)で表される化合物の別の好ましい例として、n−p=2であり、二つの−S−R2基が、Sに隣接するSb原子とともに原子団−S−Sb−S−を含む環を形成しており、環を形成するアルキル鎖が、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、つまり炭素数1以上3以下のアルキレン基であるものが挙げられる。Sb原子を含む環は、具体的には、4員環から6員環である。なお、Sb原子を含む環が4員環のとき、二つのR2のうちの一つは、具体的には単結合である。
さらに具体的には、環を形成しない場合、R2はメチル基であり、また環を形成する場合は環を形成するアルキル鎖はエチレン基である。
次に、上記一般式(100)中、r=2の場合について、r=1の場合と異なる点を中心に説明する。以下で特に説明しない基や記号については、r=1の場合に一般式(1)を参照して前述した場合と同様である。
r=2のとき、n−p−q=1または2であり、Yは両端がそれぞれ異なるSb原子に結合する2価の基である。
Yは有機基であることが好ましく、その具体例として、R1として例示した2価の有機基が挙げられる。また、Yとして、他に、−S−R3−S−基が挙げられる。上記基中、R3は、メチレン基または炭素数2以上5以下のアルキレン基である。なお、r=2かつn−p−q=2の場合、2つのYは、同じ基あってもよいし、異なっていてもよい。また、r=2かつn−p−q=2の場合、2つのSb原子とともに環を形成していてもよい。
r=2のとき、上記一般式(100)において、Tは、無機または有機基を表す。r=2かつq=2の場合、複数のTは、各々独立に無機または有機基を表す。複数のTは同じ基であってもよいし、異なる基であってもよい。
Tは、有機基であることが好ましく、その具体例としては、r=1の場合にYとして例示した1価の基が挙げられる。
なお、r=2の場合にも、m=0であることが好ましい。このとき、上記一般式(100)は、下記一般式(101)に示される。
Figure 2008102545
(上記一般式(101)において、X1、Y、T、n、p、qおよびrは、それぞれ、上記一般式(100)におけるX1、Y、T、n、p、qおよびrと同じである。)
また、r=2の場合にも、m=0であり、X1が硫黄原子であることがさらに好ましい。このとき、上記一般式(100)は、下記一般式(102)に示される。
Figure 2008102545
(上記一般式(102)において、Y、T、n、p、qおよびrは、それぞれ、上記一般式(100)におけるY、T、n、p、qおよびrと同じである。)
上記一般式(100)に示した化合物の具体例としては、以下の化合物が挙げられる。
まず、上記一般式(100)において、r=1の場合、上記式(4)および(5)に示した化合物が挙げられる他、以下の化合物が例示される。
Figure 2008102545
また、r=2の場合、以下の化合物が例示される。
Figure 2008102545
以上、MがSb原子である場合を例に説明したが、上記一般式(110)および(120)においても、各置換基等は、MがSb原子である場合に準じて選択される。
また、上記一般式(101)および(102)は、上記一般式(110)に対応して、以下のように一般化することができる。
Figure 2008102545
Figure 2008102545
上記一般式(111)で示される化合物として、たとえば以下のものが挙げられる。
Figure 2008102545
なお、上記一般式(110)〜(112)および(120)において、金属原子Mの価数nは、具体的には、2以上5以下である。
n=2のとき、金属原子Mの例として、たとえばTi(チタン)が挙げられる。
n=3のとき、Mの例としてTi、Ta(タンタル)、Sb(アンチモン)およびBi(ビスマス)が挙げられ、SbおよびBiが好ましい。
n=4のとき、Mの例としてTi、Zr(ジルコニウム)およびTaが挙げられTiおよびZrが好ましい。
また、n=5のとき、Mの例として、TaおよびSbが挙げられる。
n=2〜5のとき、本発明における金属チエタン化合物の具体例として、以下のものが挙げられる。
Figure 2008102545
なお、本発明における金属チエタン化合物の別の態様として、金属原子Mに配位子が配位しているものもある。つまり、上記一般式(110)および(120)に示した金属チエタン化合物は、さらに配位結合によって金属原子と結合する配位性化合物を含んでもよい。
配位性化合物は、分子内に1つ以上の金属に配位する配位性官能基を含有する。また、配位性化合物は、たとえば上記一般式(110)または(120)で表される化合物に配位するものであればいかなる構造を有する化合物でも使用できるが、好ましくは窒素、酸素、リン、硫黄原子等のヘテロ原子で金属に配位する化合物である。
窒素原子で配位する配位子の具体的化合物例としてはアンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−プロピルアミン、ジ−イソプロピルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジメチルエチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ヒドラジン、メチルヒドラジン、ジメチルヒドラジン、アニリン、フェニルヒドラジン、o−フェニレンジアミン、ヒドロキシルアミン、システアミン、アミノエタノール、グリシン等のアンモニアおよびアミン化合物;
ピリジン、2,2'−ビピリジン、1,10−フェナントロリン等のピリジン化合物;
ピリダジン、ピリミジン、プリン、ピラジン、1,8−ナフチリジン、ピラゾ−ル、イミダゾ−ル等の窒素複素環化合物;
ジメチルホルムアミド、ジメチルイミダゾリジノン等のアミド化合物;
アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル化合物等を挙げることができる。
リン原子で配位する配位子の具体的化合物例としてはトリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、1,2−ビス(ジメチルホスフィノ)エタン、ビス(ジメチルホスフィノ)メタン等のホスフィン化合物等を挙げることができる。
酸素原子で配位する配位子の具体的化合物例としては、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール等の水およびアルコール化合物;
テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン、エチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル化合物;
アセトン、メチルエチルケトン等のケトン化合物;酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸メチル、ギ酸エチル等のエステル化合物;
ジメチルスルホキシド、スルホラン等のスルホキシド化合物およびスルホン化合物等を挙げることができる。
硫黄原子で配位する配位子の具体的化合物例としては、ジメチルスルフィド、ジエチルスルフィド、テトラヒドロチオフェン等のスルフィド化合物等を挙げることができるが、例示化合物のみに限定されるものではない。
これら例示した配位性化合物のうち、好ましくはアンモニア、エチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ヒドロキシルアミン等のアンモニアおよびアミン化合物;
ピリジン、2,2'−ビピリジン等のピリジン化合物;
テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル化合物等が挙げられる。
より好ましくはアンモニアおよびエチレンジアミンである。
次に、上記一般式(120)においてMがBiである例を説明する。このとき、本発明のチエタン化合物は、分子内にチエタン基およびBi原子を含有する化合物であり、具体的には下記一般式(201)で表される。
Figure 2008102545
(上記一般式(201)中、X1は硫黄原子または酸素原子を表す。Zは硫黄原子または酸素原子を表す。pは1以上5以下の整数を表す。qは0以上2以下の整数である。rは0以上4以下の整数を表す。p+r+2q=5または3である。
rが2以上の整数の場合、複数のYは、各々独立に無機または有機(残)基を表す。また、複数のYが互いに結合し、Bi原子を含む環を形成していてもよい。)
上記一般式(201)において、X1は、硫黄原子または酸素原子である。上記一般式(201)に示したチエタン化合物を含む重合性組成物を重合して得られる樹脂の屈折率をさらに向上させる観点では、X1が硫黄原子であることが好ましい。
上記一般式(201)において、pは、Biの価数以下の正の整数であり、Biの価数は、3または5である。つまり、pは1以上5以下の整数である。
また、qは0以上2以下の整数であり、さらに具体的には0または1である。なお、q=2の場合、2つのZは同じであってもよいし、異なっていてもよい。
rは0以上4以下の整数である。
p+r+2qは、Biの価数つまり5または3である。後述する重合性組成物中の重合性化合物として用いたときの重合に関与する官能基数を多くする観点では、p+r+2qが5であることが好ましい。
また、上記一般式(201)において、具体的にはp=3であり、さらに具体的には、X1が硫黄原子であり、p=3、q=0、r=0である。このとき、上記一般式(201)に示される化合物は、下記式に示される化合物となる。
Figure 2008102545
上記一般式(201)において、Yは、各々独立に無機または有機基を表す。以下、Yの具体例を説明する。
まず、r=1の場合、Yは無機または有機基を表す。また、rが2以上の整数の場合、複数のYは、各々独立に無機または有機基を表す。複数のYは、同じ基であってもよいし、全部または一部が異なる基であってもよい。また、複数のYが互いに結合し、Bi原子を含む環を形成していてもよい。
Yは特に制限されるものではないが、たとえば、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、チオール基、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のアラルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換のアルキルチオ基、置換または無置換のアリールオキシ基、置換または無置換のアリールチオ基が挙げられる。
これらのうち、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のアラルキル基、置換または無置換のアルコキシ(アルキルオキシ)基、置換または無置換のアルキルチオ基、置換または無置換のアリールオキシ基、置換または無置換のアリールチオ基に関して以下説明する。
ハロゲン原子の具体例として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。
置換または無置換のアルキル基の具体例として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、等の総炭素数1以上10以下の直鎖アルキル基;
イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、1−エチルペンチル基、2−エチルペンチル基、3−エチルペンチル基、1−n−プロピルブチル基、1−iso−プロピルブチル基、1−iso−プロピル−2−メチルプロピル基、1−メチルヘプチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、6−メチルヘプチル基、1−エチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、4−エチルヘキシル基、1−n−プロピルペンチル基、2−n−プロピルペンチル基、1−iso−プロピルペンチル基、2−iso−プロピルペンチル基、1−n−ブチルブチル基、1−iso−ブチルブチル基、1−sec−ブチルブチル基、1−tert−ブチルブチル基、2−tert−ブチルブチル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルペンチル基、1,2−ジメチルペンチル基、1,3−ジメチルペンチル基、1,4−ジメチルペンチル基、2,2−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、3,3−ジメチルペンチル基、3,4−ジメチルペンチル基、1−エチル−1−メチルブチル基、1−エチル−2−メチルブチル基、1−エチル−3−メチルブチル基、2−エチル−1−メチルブチル基、2−エチル−3−メチルブチル基、1,1−ジメチルヘキシル基、1,2−ジメチルヘキシル基、1,3−ジメチルヘキシル基、1,4−ジメチルヘキシル基、1,5−ジメチルヘキシル基、2,2−ジメチルヘキシル基、2,3−ジメチルヘキシル基、2,4−ジメチルヘキシル基、2,5−ジメチルヘキシル基、3,3−ジメチルヘキシル基、3,4−ジメチルヘキシル基、3,5−ジメチルヘキシル基、4,4−ジメチルヘキシル基、4,5−ジメチルヘキシル基、1−エチル−2−メチルペンチル基、1−エチル−3−メチルペンチル基、1−エチル−4−メチルペンチル基、2−エチル−1−メチルペンチル基、2−エチル−2−メチルペンチル基、2−エチル−3−メチルペンチル基、2−エチル−4−メチルペンチル基、3−エチル−1−メチルペンチル基、3−エチル−2−メチルペンチル基、3−エチル−3−メチルペンチル基、3−エチル−4−メチルペンチル基、1−n−プロピル−1−メチルブチル基、1−n−プロピル−2−メチルブチル基、1−n−プロピル−3−メチルブチル基、1−iso−プロピル−1−メチルブチル基、1−iso−プロピル−2−メチルブチル基、1−iso−プロピル−3−メチルブチル基、1,1−ジエチルブチル基、1,2−ジエチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1,1,2−トリメチルブチル基、1,1,3−トリメチルブチル基、1,2,3−トリメチルブチル基、1,2,2−トリメチルブチル基、1,3,3−トリメチルブチル基、2,3,3−トリメチルブチル基、1,1,2−トリメチルペンチル基、1,1,3−トリメチルペンチル基、1,1,4−トリメチルペンチル基、1,2,2−トリメチルペンチル基、1,2,3−トリメチルペンチル基、1,2,4−トリメチルペンチル基、1,3,4−トリメチルペンチル基、2,2,3−トリメチルペンチル基、2,2,4−トリメチルペンチル基、2,3,4−トリメチルペンチル基、1,3,3−トリメチルペンチル基、2,3,3−トリメチルペンチル基、3,3,4−トリメチルペンチル基、1,4,4−トリメチルペンチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、3,4,4−トリメチルペンチル基、1−エチル−1,2−ジメチルブチル基、1−エチル−1,3−ジメチルブチル基、1−エチル−2,3−ジメチルブチル基、2−エチル−1,1−ジメチルブチル基、2−エチル−1,2−ジメチルブチル基、2−エチル−1,3−ジメチルブチル基、2−エチル−2,3−ジメチルブチル基等の総炭素数3以上10以下の分岐アルキル基;および
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロペンチル基、メトキシシクロペンチル基、メトキシシクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、1,2−ジメチルシクロヘキシル基、1,3−ジメチルシクロヘキシル基、1,4−ジメチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基等の総炭素数5以上10以下の飽和環状アルキル基が挙げられる。
置換または無置換のアリール基の具体例として、フェニル基、ナフチル基、アンスラニル基、シクロペンタジエニル基等の総炭素数20以下の芳香族炭化水素;
2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、シクロヘキシルフェニル基、オクチルフェニル基、2−メチル−1−ナフチル基、3−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、5−メチル−1−ナフチル基、6−メチル−1−ナフチル基、7−メチル−1−ナフチル基、8−メチル−1−ナフチル基、1−メチル−2−ナフチル基、3−メチル−2−ナフチル基、4−メチル−2−ナフチル基、5−メチル−2−ナフチル基、6−メチル−2−ナフチル基、7−メチル−2−ナフチル基、8−メチル−2−ナフチル基、2−エチル−1−ナフチル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、3,6−ジメチルフェニル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,5−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基等の総炭素数20以下のアルキル置換アリール基;
2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−エトキシフェニル基、プロポキシフェニル基、ブトキシフェニル基、ヘキシルオキシフェニル基、シクロヘキシルオキシフェニル基、オクチルオキシフェニル基、2−メトキシ−1−ナフチル基、3−メトキシ−1−ナフチル基、4−メトキシ−1−ナフチル基、5−メトキシ−1−ナフチル基、6−メトキシ−1−ナフチル基、7−メトキシ−1−ナフチル基、8−メトキシ−1−ナフチル基、1−メトキシ−2−ナフチル基、3−メトキシ−2−ナフチル基、4−メトキシ−2−ナフチル基、5−メトキシ−2−ナフチル基、6−メトキシ−2−ナフチル基、7−メトキシ−2−ナフチル基、8−メトキシ−2−ナフチル基、2−エトキシ−1−ナフチル基等の炭素数10以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数20以下のモノアルコキシアリール基;
2,3−ジメトキシフェニル基、2,4−ジメトキシフェニル基、2,5−ジメトキシフェニル基、2,6−ジメトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,5−ジメトキシフェニル基、3,6−ジメトキシフェニル基、4,5−ジメトキシ−1−ナフチル基、4,7−ジメトキシ−1−ナフチル基、4,8−ジメトキシ−1−ナフチル基、5,8−ジメトキシ−1−ナフチル基、5,8−ジメトキシ−2−ナフチル基等の炭素数10以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数20以下のジアルコキシアリール基;
2,3,4−トリメトキシフェニル基、2,3,5−トリメトキシフェニル基、2,3,6−トリメトキシフェニル基、2,4,5−トリメトキシフェニル基、2,4,6−トリメトキシフェニル基、3,4,5−トリメトキシフェニル基等の炭素数10以下の置換または無置換のアルキルオキシが置換した総炭素数20以下のトリアルコキシアリール基;および
クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、トリクロロフェニル基、ブロモフェニル基、ジブロモフェニル基、ヨードフェニル基、フルオロフェニル基、クロロナフチル基、ブロモナフチル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロフェニル基、テトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基等のハロゲン原子が置換した総炭素数20以下のアリール基が挙げられる。
置換または無置換のアラルキル基の具体例として、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルエチル基、また、置換または無置換のアリール基の具体例で挙げたアリール基を側鎖にもつメチル基、エチル基、プロピル基が挙げられる。
置換または無置換のアルキルオキシ基の具体例として、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、iso−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、iso−ヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基等の総炭素数1以上10以下の直鎖または分岐のアルコキシ基;
シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等総炭素数5以上10以下のシクロアルコキシ基;
メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、エトキシエトキシ基、n−プロポキシメトキシ基、iso−プロポキシメトキシ基、n−プロポキシエトキシ基、iso−プロポキシエトキシ基、n−ブトキシエトキシ基、iso−ブトキシエトキシ基、tert−ブトキシエトキシ基、n−ペンチルオキシエトキシ基、iso−ペンチルオキシエトキシ基、n−ヘキシルオキシエトキシ基、iso−ヘキシルオキシエトキシ基、n−ヘプチルオキシエトキシ基等の総炭素数2以上10以下アルコキシアルコキシ基;および
ベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ基が挙げられる。
置換または無置換のアルキルチオ基の具体例として、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、iso−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、iso−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、iso−ペンチルチオ基、n−ヘキシルチオ基、iso−ヘキシルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、3,5,5−トリメチルヘキシルチオ基、n−ヘプチルチオ基、n−オクチルチオ基、n−ノニルチオ基等の総炭素数1以上10以下の直鎖または分岐のアルキルチオ基;
シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等総炭素数5以上10以下のシクロアルキルチオ基;
メトキシエチルチオ基、エトキシエチルチオ基、n−プロポキシエチルチオ基、iso−プロポキシエチルチオ基、n−ブトキシエチルチオ基、iso−ブトキシエチルチオ基、tert−ブトキシエチルチオ基、n−ペンチルオキシエチルチオ基、iso−ペンチルオキシエチルチオ基、n−ヘキシルオキシエチルチオ基、iso−ヘキシルオキシエチルチオ基、n−ヘプチルオキシエチルチオ基等の総炭素数2以上10以下のアルコキシアルキルチオ基;
ベンジルチオ基などのアラルキルチオ基;および
メチルチオエチルチオ基、エチルチオエチルチオ基、n−プロピルチオエチルチオ基、iso−プロピルチオエチルチオ基、n−ブチルチオエチルチオ基、iso−ブチルチオエチルチオ基、tert−ブチルチオエチルチオ基、n−ペンチルチオエチルチオ基、iso−ペンチルチオエチルチオ基、n−ヘキシルチオエチルチオ基、iso−ヘキシルチオエチルチオ基、n−ヘプチルチオエチルチオ基等の総炭素数2以上10以下のアルキルチオアルキルチオ基が挙げられる。
置換または無置換のアリールオキシ基の具体例として、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基、アンスラニルオキシ基、2−メチルフェニルオキシ基、3−メチルフェニルオキシ基、4−メチルフェニルオキシ基、2−エチルフェニルオキシ基、プロピルフェニルオキシ基、ブチルフェニルオキシ基、ヘキシルフェニルオキシ基、シクロヘキシルフェニルオキシ基、オクチルフェニルオキシ基、2−メチル−1−ナフチルオキシ基、3−メチル−1−ナフチルオキシ基、4−メチル−1−ナフチルオキシ基、5−メチル−1−ナフチルオキシ基、6−メチル−1−ナフチルオキシ基、7−メチル−1−ナフチルオキシ基、8−メチル−1−ナフチルオキシ基、1−メチル−2−ナフチルオキシ基、3−メチル−2−ナフチルオキシ基、4−メチル−2−ナフチルオキシ基、5−メチル−2−ナフチルオキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基、7−メチル−2−ナフチルオキシ基、8−メチル−2−ナフチルオキシ基、2−エチル−1−ナフチルオキシ基、2,3−ジメチルフェニルオキシ基、2,4−ジメチルフェニルオキシ基、2,5−ジメチルフェニルオキシ基、2,6−ジメチルフェニルオキシ基、3,4−ジメチルフェニルオキシ基、3,5−ジメチルフェニルオキシ基、3,6−ジメチルフェニルオキシ基、2,3,4−トリメチルフェニルオキシ基、2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基、2,3,6−トリメチルフェニルオキシ基、2,4,5−トリメチルフェニルオキシ基、2,4,6−トリメチルフェニルオキシ基、3,4,5−トリメチルフェニルオキシ基等の総炭素数20以下の無置換またはアルキル置換アリールオキシ基;
2−メトキシフェニルオキシ基、3−メトキシフェニルオキシ基、4−メトキシフェニルオキシ基、2−エトキシフェニルオキシ基、プロポキシフェニルオキシ基、ブトキシフェニルオキシ基、ヘキシルオキシフェニルオキシ基、シクロヘキシルオキシフェニルオキシ基、オクチルオキシフェニルオキシ基、2−メトキシ−1−ナフチルオキシ基、3−メトキシ−1−ナフチルオキシ基、4−メトキシ−1−ナフチルオキシ基、5−メトキシ−1−ナフチルオキシ基、6−メトキシ−1−ナフチルオキシ基、7−メトキシ−1−ナフチルオキシ基、8−メトキシ−1−ナフチルオキシ基、1−メトキシ−2−ナフチルオキシ基、3−メトキシ−2−ナフチルオキシ基、4−メトキシ−2−ナフチルオキシ基、5−メトキシ−2−ナフチルオキシ基、6−メトキシ−2−ナフチルオキシ基、7−メトキシ−2−ナフチルオキシ基、8−メトキシ−2−ナフチルオキシ基、2−エトキシ−1−ナフチルオキシ基等の炭素数10以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数20以下のモノアルコキシアリールオキシ基;
2,3−ジメトキシフェニルオキシ基、2,4−ジメトキシフェニルオキシ基、2,5−ジメトキシフェニルオキシ基、2,6−ジメトキシフェニルオキシ基、3,4−ジメトキシフェニルオキシ基、3,5−ジメトキシフェニルオキシ基、3,6−ジメトキシフェニルオキシ基、4,5−ジメトキシ−1−ナフチルオキシ基、4,7−ジメトキシ−1−ナフチルオキシ基、4,8−ジメトキシ−1−ナフチルオキシ基、5,8−ジメトキシ−1−ナフチルオキシ基、5,8−ジメトキシ−2−ナフチルオキシ基等の炭素数10以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数20以下のジアルコキシアリールオキシ基;
2,3,4−トリメトキシフェニルオキシ基、2,3,5−トリメトキシフェニルオキシ基、2,3,6−トリメトキシフェニルオキシ基、2,4,5−トリメトキシフェニルオキシ基、2,4,6−トリメトキシフェニルオキシ基、3,4,5−トリメトキシフェニルオキシ基等の炭素数10以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数20以下のトリアルコキシアリールオキシ基;および
クロロフェニルオキシ基、ジクロロフェニルオキシ基、トリクロロフェニルオキシ基、ブロモフェニルオキシ基、ジブロモフェニルオキシ基、ヨードフェニルオキシ基、フルオロフェニルオキシ基、クロロナフチルオキシ基、ブロモナフチルオキシ基、ジフルオロフェニルオキシ基、トリフルオロフェニルオキシ基、テトラフルオロフェニルオキシ基、ペンタフルオロフェニルオキシ基等のハロゲン原子が置換した総炭素数20以下のアリールオキシ基が挙げられる。
置換または無置換のアリールチオ基の具体例として、フェニルチオ基、ナフチルチオ基、アンスラニルチオ基、2−メチルフェニルチオ基、3−メチルフェニルチオ基、4−メチルフェニルチオ基、2−エチルフェニルチオ基、プロピルフェニルチオ基、ブチルフェニルチオ基、ヘキシルフェニルチオ基、シクロヘキシルフェニルチオ基、オクチルフェニルチオ基、2−メチル−1−ナフチルチオ基、3−メチル−1−ナフチルチオ基、4−メチル−1−ナフチルチオ基、5−メチル−1−ナフチルチオ基、6−メチル−1−ナフチルチオ基、7−メチル−1−ナフチルチオ基、8−メチル−1−ナフチルチオ基、1−メチル−2−ナフチルチオ基、3−メチル−2−ナフチルチオ基、4−メチル−2−ナフチルチオ基、5−メチル−2−ナフチルチオ基、6−メチル−2−ナフチルチオ基、7−メチル−2−ナフチルチオ基、8−メチル−2−ナフチルチオ基、2−エチル−1−ナフチルチオ基、2,3−ジメチルフェニルチオ基、2,4−ジメチルフェニルチオ基、2,5−ジメチルフェニルチオ基、2,6−ジメチルフェニルチオ基、3,4−ジメチルフェニルチオ基、3,5−ジメチルフェニルチオ基、3,6−ジメチルフェニルチオ基、2,3,4−トリメチルフェニルチオ基、2,3,5−トリメチルフェニルチオ基、2,3,6−トリメチルフェニルチオ基、2,4,5−トリメチルフェニルチオ基、2,4,6−トリメチルフェニルチオ基、3,4,5−トリメチルフェニルチオ基等の総炭素数20以下の無置換またはアルキル置換アリールチオ基;
2−メトキシフェニルチオ基、3−メトキシフェニルチオ基、4−メトキシフェニルチオ基、2−エトキシフェニルチオ基、プロポキシフェニルチオ基、ブトキシフェニルチオ基、ヘキシルオキシフェニルチオ基、シクロヘキシルオキシフェニルチオ基、オクチルオキシフェニルチオ基、2−メトキシ−1−ナフチルチオ基、3−メトキシ−1−ナフチルチオ基、4−メトキシ−1−ナフチルチオ基、5−メトキシ−1−ナフチルチオ基、6−メトキシ−1−ナフチルチオ基、7−メトキシ−1−ナフチルチオ基、8−メトキシ−1−ナフチルチオ基、1−メトキシ−2−ナフチルチオ基、3−メトキシ−2−ナフチルチオ基、4−メトキシ−2−ナフチルチオ基、5−メトキシ−2−ナフチルチオ基、6−メトキシ−2−ナフチルチオ基、7−メトキシ−2−ナフチルチオ基、8−メトキシ−2−ナフチルチオ基、2−エトキシ−1−ナフチルチオ基等の炭素数10以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数20以下のモノアルコキシアリールチオ基;
2,3−ジメトキシフェニルチオ基、2,4−ジメトキシフェニルチオ基、2,5−ジメトキシフェニルチオ基、2,6−ジメトキシフェニルチオ基、3,4−ジメトキシフェニルチオ基、3,5−ジメトキシフェニルチオ基、3,6−ジメトキシフェニルチオ基、4,5−ジメトキシ−1−ナフチルチオ基、4,7−ジメトキシ−1−ナフチルチオ基、4,8−ジメトキシ−1−ナフチルチオ基、5,8−ジメトキシ−1−ナフチルチオ基、5,8−ジメトキシ−2−ナフチルチオ基等の炭素数10以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数20以下のジアルコキシアリールチオ基;
2,3,4−トリメトキシフェニルチオ基、2,3,5−トリメトキシフェニルチオ基、2,3,6−トリメトキシフェニルチオ基、2,4,5−トリメトキシフェニルチオ基、2,4,6−トリメトキシフェニルチオ基、3,4,5−トリメトキシフェニルチオ基等の炭素数10以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数20以下のトリアルコキシアリールチオ基;および
クロロフェニルチオ基、ジクロロフェニルチオ基、トリクロロフェニルチオ基、ブロモフェニルチオ基、ジブロモフェニルチオ基、ヨードフェニルチオ基、フルオロフェニルチオ基、クロロナフチルチオ基、ブロモナフチルチオ基、ジフルオロフェニルチオ基、トリフルオロフェニルチオ基、テトラフルオロフェニルチオ基、ペンタフルオロフェニルチオ基等のハロゲン原子が置換した総炭素数20以下のアリールチオ基等が挙げられる。Yはこれらに限定されるものではない。
かかるYにおいて、好ましい例を以下に示す。
好ましい例として、たとえば水素原子が挙げられる。
また、Yの好ましい例のうち、ハロゲン原子として、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
置換または無置換のアルキル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、等の総炭素数1以上6以下の直鎖アルキル基;
イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、等の総炭素数3以上6以下の分岐アルキル基;および
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、等の総炭素数5以上6以下の飽和環状アルキル基が挙げられる。
置換または無置換のアリール基として、フェニル基、ナフチル基、シクロペンタジエニル基等の総炭素数12以下の芳香族炭化水素;
2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、3,6−ジメチルフェニル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,5−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基等の総炭素数12以下のアルキル置換アリール基;
2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−エトキシフェニル基、プロポキシフェニル基、ブトキシフェニル基、等の炭素数6以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数12以下のモノアルコキシアリール基;
2,3−ジメトキシフェニル基、2,4−ジメトキシフェニル基、2,5−ジメトキシフェニル基、2,6−ジメトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,5−ジメトキシフェニル基、3,6−ジメトキシフェニル基等の炭素数6以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数12以下のジアルコキシアリール基;および
クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、トリクロロフェニル基、ブロモフェニル基、ジブロモフェニル基、ヨードフェニル基、フルオロフェニル基、クロロナフチル基、ブロモナフチル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロフェニル基、テトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基等のハロゲン原子が置換した総炭素数12以下のアリール基が挙げられる。
置換または無置換のアラルキル基として、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基等の総炭素数12以下のアラルキル基が挙げられる。
置換または無置換のアルキルオキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、iso−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、iso−ヘキシルオキシ基等の総炭素数1以上6以下の直鎖または分岐のアルコキシ基;
シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等総炭素数5または6のシクロアルコキシ基;および
メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、エトキシエトキシ基、n−プロポキシメトキシ基、iso−プロポキシメトキシ基、n−プロポキシエトキシ基、iso−プロポキシエトキシ基、n−ブトキシエトキシ基、iso−ブトキシエトキシ基、tert−ブトキシエトキシ基等の総炭素数2以上6以下アルコキシアルコキシ基が挙げられる。
置換または無置換のアルキルチオ基として、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、iso−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、iso−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、iso−ペンチルチオ基、n−ヘキシルチオ基、iso−ヘキシルチオ基等の総炭素数1以上6以下の直鎖または分岐のアルキルチオ基;
シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等総炭素数5または6のシクロアルキルチオ基;
メトキシエチルチオ基、エトキシエチルチオ基、n−プロポキシエチルチオ基、iso−プロポキシエチルチオ基、n−ブトキシエチルチオ基、iso−ブトキシエチルチオ基、tert−ブトキシエチルチオ基等の総炭素数2以上6以下のアルコキシアルキルチオ基;および
メチルチオエチルチオ基、エチルチオエチルチオ基、n−プロピルチオエチルチオ基、iso−プロピルチオエチルチオ基、n−ブチルチオエチルチオ基、iso−ブチルチオエチルチオ基、tert−ブチルチオエチルチオ基等の総炭素数2以上6以下のアルキルチオアルキルチオ基が挙げられる。
置換または無置換のアリールオキシ基として、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基、2−メチルフェニルオキシ基、3−メチルフェニルオキシ基、4−メチルフェニルオキシ基、2−エチルフェニルオキシ基、プロピルフェニルオキシ基、ブチルフェニルオキシ基、ヘキシルフェニルオキシ基、シクロヘキシルフェニルオキシ基、2,4−ジメチルフェニルオキシ基、2,5−ジメチルフェニルオキシ基、2,6−ジメチルフェニルオキシ基、3,4−ジメチルフェニルオキシ基、3,5−ジメチルフェニルオキシ基、3,6−ジメチルフェニルオキシ基、2,3,4−トリメチルフェニルオキシ基、2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基、2,3,6−トリメチルフェニルオキシ基、2,4,5−トリメチルフェニルオキシ基、2,4,6−トリメチルフェニルオキシ基、3,4,5−トリメチルフェニルオキシ基等の総炭素数12以下の無置換またはアルキル置換アリールオキシ基;
2−メトキシフェニルオキシ基、3−メトキシフェニルオキシ基、4−メトキシフェニルオキシ基、2−エトキシフェニルオキシ基、プロポキシフェニルオキシ基、ブトキシフェニルオキシ基、ヘキシルオキシフェニルオキシ基、シクロヘキシルオキシフェニルオキシ基等の炭素数6以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数12以下のモノアルコキシアリールオキシ基;
2,3−ジメトキシフェニルオキシ基、2,4−ジメトキシフェニルオキシ基、2,5−ジメトキシフェニルオキシ基、2,6−ジメトキシフェニルオキシ基、3,4−ジメトキシフェニルオキシ基、3,5−ジメトキシフェニルオキシ基、3,6−ジメトキシフェニルオキシ基等の炭素数6以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数12以下のジアルコキシアリールオキシ基;および
クロロフェニルオキシ基、ジクロロフェニルオキシ基、トリクロロフェニルオキシ基、ブロモフェニルオキシ基、ジブロモフェニルオキシ基、ヨードフェニルオキシ基、フルオロフェニルオキシ基、クロロナフチルオキシ基、ブロモナフチルオキシ基、ジフルオロフェニルオキシ基、トリフルオロフェニルオキシ基、テトラフルオロフェニルオキシ基、ペンタフルオロフェニルオキシ基等のハロゲン原子が置換した総炭素数12以下のアリールオキシ基が挙げられる。
置換または無置換のアリールチオ基として、フェニルチオ基、ナフチルチオ基、2−メチルフェニルチオ基、3−メチルフェニルチオ基、4−メチルフェニルチオ基、2−エチルフェニルチオ基、プロピルフェニルチオ基、ブチルフェニルチオ基、ヘキシルフェニルチオ基、シクロヘキシルフェニルチオ基、2,4−ジメチルフェニルチオ基、2,5−ジメチルフェニルチオ基、2,6−ジメチルフェニルチオ基、3,4−ジメチルフェニルチオ基、3,5−ジメチルフェニルチオ基、3,6−ジメチルフェニルチオ基、2,3,4−トリメチルフェニルチオ基、2,3,5−トリメチルフェニルチオ基、2,3,6−トリメチルフェニルチオ基、2,4,5−トリメチルフェニルチオ基、2,4,6−トリメチルフェニルチオ基、3,4,5−トリメチルフェニルチオ基等の総炭素数12以下の無置換またはアルキル置換アリールチオ基;
2−メトキシフェニルチオ基、3−メトキシフェニルチオ基、4−メトキシフェニルチオ基、2−エトキシフェニルチオ基、プロポキシフェニルチオ基、ブトキシフェニルチオ基、ヘキシルオキシフェニルチオ基、シクロヘキシルオキシフェニルチオ基等の炭素数6以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数12以下のモノアルコキシアリールチオ基;
2,3−ジメトキシフェニルチオ基、2,4−ジメトキシフェニルチオ基、2,5−ジメトキシフェニルチオ基、2,6−ジメトキシフェニルチオ基、3,4−ジメトキシフェニルチオ基、3,5−ジメトキシフェニルチオ基、3,6−ジメトキシフェニルチオ基、4,5−ジメトキシ−1−ナフチルチオ基、4,7−ジメトキシ−1−ナフチルチオ基、4,8−ジメトキシ−1−ナフチルチオ基、5,8−ジメトキシ−1−ナフチルチオ基、5,8−ジメトキシ−2−ナフチルチオ基等の炭素数6以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数12以下のジアルコキシアリールチオ基;
クロロフェニルチオ基、ジクロロフェニルチオ基、トリクロロフェニルチオ基、ブロモフェニルチオ基、ジブロモフェニルチオ基、ヨードフェニルチオ基、フルオロフェニルチオ基、クロロナフチルチオ基、ブロモナフチルチオ基、ジフルオロフェニルチオ基、トリフルオロフェニルチオ基、テトラフルオロフェニルチオ基、ペンタフルオロフェニルチオ基等のハロゲン原子が置換した総炭素数12以下のアリールチオ基が挙げられる。
Yのより好ましい例を以下に示す。
Yの好ましい例として、たとえば水素原子が挙げられる。
また、ハロゲン原子として、塩素原子および臭素原子が挙げられる。
置換または無置換のアルキル基として、メチル基、エチル基、iso−プロピル基等の総炭素数1以上3以下の直鎖または分岐アルキル基が挙げられる。
置換または無置換のアリール基として、フェニル基、ナフチル基、シクロペンタジエニル基等の総炭素数12以下の芳香族炭化水素;
2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−エチルフェニル基、プロピルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、3,6−ジメチルフェニル基等の総炭素数9以下のアルキル置換アリール基;
2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−エトキシフェニル基、プロポキシフェニル基等の炭素数3以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数9以下のモノアルコキシアリール基;および
クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、トリクロロフェニル基、ブロモフェニル基、ジブロモフェニル基、クロロナフチル基、ブロモナフチル基等のハロゲン原子が置換した総炭素数12以下のアリール基が挙げられる。
置換または無置換のアラルキル基として、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基等の総炭素数9以下のアラルキル基が挙げられる。
置換または無置換のアルキルオキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、iso−プロポキシ基等の総炭素数1以上3以下の直鎖または分岐のアルコキシ基;および
シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等総炭素数5または6のシクロアルコキシ基が挙げられる。
置換または無置換のアルキルチオ基として、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、iso−プロピルチオ基等の総炭素数1以上3以下の直鎖または分岐のアルキルチオ基;
シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等総炭素数5または6のシクロアルキルチオ基;および
メチルチオエチルチオ基、エチルチオエチルチオ基、n−プロピルチオエチルチオ基、iso−プロピルチオエチルチオ基、n−ブチルチオエチルチオ基、iso−ブチルチオエチルチオ基、tert−ブチルチオエチルチオ基等の総炭素数2以上6以下のアルキルチオアルキルチオ基が挙げられる。
置換または無置換のアリールオキシ基として、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基、2−メチルフェニルオキシ基、3−メチルフェニルオキシ基、4−メチルフェニルオキシ基、2−エチルフェニルオキシ基、プロピルフェニルオキシ基、2,4−ジメチルフェニルオキシ基、2,5−ジメチルフェニルオキシ基、2,6−ジメチルフェニルオキシ基、3,4−ジメチルフェニルオキシ基、3,5−ジメチルフェニルオキシ基、3,6−ジメチルフェニルオキシ基等の総炭素数9以下の無置換またはアルキル置換アリールオキシ基;
2−メトキシフェニルオキシ基、3−メトキシフェニルオキシ基、4−メトキシフェニルオキシ基、2−エトキシフェニルオキシ基、プロポキシフェニルオキシ基等の炭素数3以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数9以下のモノアルコキシアリールオキシ基;および
クロロフェニルオキシ基、ジクロロフェニルオキシ基、トリクロロフェニルオキシ基、ブロモフェニルオキシ基、ジブロモフェニルオキシ基、クロロナフチルオキシ基、ブロモナフチルオキシ基等のハロゲン原子が置換した総炭素数12以下のアリールオキシ基が挙げられる。
置換または無置換のアリールチオ基として、フェニルチオ基、2−メチルフェニルチオ基、3−メチルフェニルチオ基、4−メチルフェニルチオ基、2−エチルフェニルチオ基、プロピルフェニルチオ基、2,4−ジメチルフェニルチオ基、2,5−ジメチルフェニルチオ基、2,6−ジメチルフェニルチオ基、3,4−ジメチルフェニルチオ基、3,5−ジメチルフェニルチオ基、3,6−ジメチルフェニルチオ基等の総炭素数9以下の無置換またはアルキル置換アリールチオ基;
2−メトキシフェニルチオ基、3−メトキシフェニルチオ基、4−メトキシフェニルチオ基、2−エトキシフェニルチオ基、プロポキシフェニルチオ基等の炭素数3以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数9以下のモノアルコキシアリールチオ基;および
クロロフェニルチオ基、ジクロロフェニルチオ基、トリクロロフェニルチオ基、ブロモフェニルチオ基、ジブロモフェニルチオ基、クロロナフチルチオ基、ブロモナフチルチオ基等のハロゲン原子が置換した総炭素数12以下のアリールチオ基が挙げられる。
Yが環を形成しない場合、Yとして、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、つまり炭素数1以上3以下のアルキル基が挙げられる。
また環を形成した場合、環を形成するアルキル鎖としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、つまり炭素数1以上3以下のアルキレン基が挙げられる。Biを含む環は、具体的には、4員環から6員環である。
さらに具体的には、環を形成しない場合、Yはメチル基であり、また環を形成する場合は環を形成するアルキル鎖はエチレン基である。
次に、Zについて説明する。Zは酸素原子または硫黄原子である。なお、q=2のとき、二つのZは、各々独立に、酸素原子または硫黄原子である。
たとえばq=1の場合、さらに具体的には、Zが酸素原子である。
このうち、Biが3価のとき、上記一般式(201)に示される化合物は、以下に示される化合物となる。
Figure 2008102545
また、Biが5価のとき、上記一般式(201)に示される化合物は、以下に示される化合物となる。
Figure 2008102545
次に、本発明における金属チエタン化合物の製造方法について、上記一般式(100)および一般式(201)に示した金属チエタン化合物の製造方法を例に説明する。
まず、上記一般式(100)においてr=1の場合について説明する。このとき、上記一般式(100)は、上記一般式(1)となる。
上記一般式(1)に示した金属チエタン化合物は、代表的には、下記一般式(8)で示されるSb原子を含むハロゲン化物と、下記一般式(9)で表されるチエタン基を有するヒドロキシ化合物またはチオール化合物との反応により製造される。
Figure 2008102545
(上記一般式(8)中、n、pおよびYは、それぞれ、上記一般式(1)におけるn、pおよびYに同じであり、Wはハロゲン原子を表す。)
Figure 2008102545
(上記一般式(9)中、X1、X2、R1およびmは、それぞれ、上記一般式(1)におけるX1、X2、R1およびmに同じである。)
また、上記一般式(6)で表される化合物についても、上記一般式(1)で表される化合物の製造方法に準じた方法で製造できる。
たとえば、下記一般式(10)で示されるハロゲン化物と、上記一般式(9)で表されるチエタン基を有するヒドロキシ化合物またはチオール化合物との反応により製造される。
Figure 2008102545
(上記一般式(10)中、p、nおよびR2は、それぞれ、上記一般式(6)におけるp、nおよびR2に同じであり、Wはハロゲン原子を表す。)
また、上記一般式(10)においてn=pであるハロゲン化物と、上記一般式(9)で表されるチエタン基を有するヒドロキシ化合物またはチオール化合物と、下記一般式(11)で示されるチオール化合物とを一括混合し、同時に反応させても製造される。
2−SH (11)
(上記一般式(11)中、R2は、上記一般式(6)におけるR2に同じである。)
また、上記一般式(10)においてn=pであるハロゲン化物と上記一般式(9)で表されるチエタン基を有するヒドロキシ化合物またはチオール化合物とをあらかじめ反応させて得られた化合物と、上記一般式(11)で表されるチオール化合物とを反応することによっても製造される。
なお、上記一般式(1)に示した金属チエタン化合物は、金属ハロゲン化物を用いる方法以外の方法によっても製造できる。たとえば、金属酸化物または金属アミド化物を原料に用いて、上記一般式(9)で表される化合物を反応させることによっても上記一般式(1)に示した金属チエタン化合物を製造できる。
上記一般式(8)、(10)および(11)に示した化合物は、工業用原料または研究用試薬として入手可能である。
また、上記一般式(9)で表される化合物は公知化合物であって、たとえば、特許文献2(特開2003−327583号公報)に記載の方法に準じて製造される。
上記一般式(8)で示されるSbを含むハロゲン化物と、上記一般式(9)で表されるチエタン基を有するヒドロキシ化合物またはチオール化合物との反応は無溶媒で行ってもよく、あるいは、反応に不活性な溶媒の存在下に行ってもよい。
かかる溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定するものではなく、石油エーテル、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの炭化水素系溶媒;
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル系溶媒;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒;
酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミルなどのエステル系溶媒;
塩化メチレン、クロロホルム、クロルベンゼン、ジクロルベンゼンなどの含塩素系溶媒;
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶媒;
テトラヒドロチオフェン、チオフェン、スルホラン、トリメチレンスルフィド、ジエチルスルフィド、ジ−n−プロピルスルフィド、ジ−t−ブチルスルフィド、3−メルカプトチエタン、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィドなどの含硫系溶媒;および
水などが例示される。
上記一般式(8)に示した化合物と上記一般式(9)に示した化合物の反応温度は、特に制限するものではないが、通常、−78℃以上200℃以下の範囲であり、好ましくは、−78℃以上100℃以下である。
また、反応時間は反応温度により影響されるが、通常、数分から100時間である。
上記一般式(8)に示した化合物と上記一般式(9)に示した化合物の反応における、上記一般式(8)で表される化合物と上記一般式(9)で表される化合物の使用量は、特に限定するものではないが、通常、上記一般式(8)で表される化合物中に含有されるハロゲン原子1モルに対して、上記一般式(9)で表される化合物の使用量は、0.01モル以上100モル以下である。好ましくは、0.1モル以上50モル以下であり、より好ましくは、0.5モル以上20モル以下である。
上記一般式(8)に示した化合物と上記一般式(9)に示した化合物の反応を実施するに際し、反応を効率よく行うために、生成するハロゲン化水素の捕捉剤として塩基性化合物を用いることは好ましい。
かかる塩基性化合物として、たとえば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどの無機塩基;および
ピリジン、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセンなどの有機塩基が例示される。
また、上記一般式(100)において、r=2の場合にも、r=1の場合について前述した方法に準じて得ることができる。
また、上記一般式(120)において点線と実線で表されたM−Tの間の結合が二重結合、n−p−q=0、Zが酸素原子、MがSbである化合物は、たとえば上記一般式(9)に示した化合物および水の混合液に、水酸化ナトリウム水溶液を添加してアルカリ性に調整した後、オキシ塩化アンチモンを添加して反応させることに得られる。たとえば、(3−チエタニルチオ)オキシアンチモン(III)を合成する場合、上記一般式(9)に示した化合物として3−メルカプトチエタンを用いればよい。
以上、金属原子MがSb原子である場合を例に挙げて説明したが、本発明において、他の金属原子を含む金属チエタン化合物についても、上述した方法に準じて製造することができる。
また、たとえば、MがBiである場合、以下のようにしてもよい。以下、上記一般式(201)に示したチエタン化合物の製造方法を例に説明する。
上記一般式(201)に示したチエタン化合物は、代表的には、下記一般式(202)で示されるBiのハロゲン化物と、下記一般式(203)で表されるチエタン基を有するヒドロキシ化合物またはチオール化合物との反応により製造される。
Figure 2008102545
(上記一般式(202)中、p、q、r、YおよびZは、それぞれ、上記一般式(201)におけるp、q、r、YおよびZに同じであり、Wはハロゲン原子を表す。)
Figure 2008102545
(上記一般式(203)中、X1は、上記一般式(201)におけるX1に同じである。)
上記一般式(202)に示した化合物は、工業用原料または研究用試薬として入手可能である。
また、上記一般式(203)で表される化合物は公知化合物であって、たとえば、特許文献2(特開2003−327583号公報)に記載の方法に準じて製造される。
上記一般式(202)で示されるBiのハロゲン化物と、上記一般式(203)で表されるチエタン基を有するヒドロキシ化合物またはチオール化合物との反応は無溶媒で行ってもよく、あるいは、反応に不活性な溶媒の存在下に行ってもよい。
かかる溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定するものではなく、石油エーテル、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの炭化水素系溶媒;
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル系溶媒;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒;
酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミルなどのエステル系溶媒;
塩化メチレン、クロロホルム、クロルベンゼン、ジクロルベンゼンなどの含塩素系溶媒;
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶媒;
テトラヒドロチオフェン、チオフェン、スルホラン、トリメチレンスルフィド、ジエチルスルフィド、ジ−n−プロピルスルフィド、ジ−t−ブチルスルフィド、3−メルカプトチエタン、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィドなどの含硫系溶媒;および
水などが例示される。
上記一般式(202)に示した化合物と上記一般式(203)に示した化合物の反応温度は、特に制限するものではないが、通常、−78℃以上200℃以下の範囲であり、好ましくは、−78℃以上100℃以下である。
また、反応時間は反応温度により影響されるが、通常、数分から100時間である。
上記一般式(202)に示した化合物と上記一般式(203)に示した化合物の反応における、上記一般式(202)で表される化合物と上記一般式(203)で表される化合物の使用量は、特に限定するものではないが、通常、上記一般式(202)で表される化合物中に含有されるハロゲン原子1モルに対して、上記一般式(203)で表される化合物の使用量は、0.01モル以上100モル以下である。好ましくは、0.1モル以上50モル以下であり、より好ましくは、0.5モル以上20モル以下である。
上記一般式(202)に示した化合物と上記一般式(203)に示した化合物の反応を実施するに際し、反応を効率よく行うために、生成するハロゲン化水素の捕捉剤として塩基性化合物を用いることは好ましい。
かかる塩基性化合物として、たとえば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどの無機塩基;および
ピリジン、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセンなどの有機塩基が例示される。
また、上記一般式(201)においてq=1、r=0、Zが酸素原子である化合物は、たとえば上記一般式(203)に示した化合物および水の混合液に、水酸化ナトリウム水溶液を添加してアルカリ性に調整した後、オキシ塩化ビスマスを添加して反応させることに得られる。たとえば、(3−チエタニルチオ)オキシビスマス(III)を合成する場合、上記一般式(203)に示した化合物として3−メルカプトチエタンを用いればよい。
次に、本発明の重合性組成物について説明する。
本発明の重合性組成物は、本発明における少なくとも一種の金属チエタン化合物を含む。この重合性組成物は、具体的には、上記一般式(120)に示した金属チエタン化合物を含む。より具体的には、本発明の重合性組成物は、上記一般式(110)または上記一般式(201)に示した金属チエタン化合物を含み、さらに具体的には、上記一般式(100)に示した金属チエタン化合物を含む。この重合性組成物は、たとえば光学部品の材料として用いられる。
以下、本発明の重合性組成物が、上記一般式(110)または上記一般式(201)に示した金属チエタン化合物を含む場合を例に、説明する。
本発明の重合性組成物は、上記一般式(110)に示した金属チエタン化合物として、一種類の化合物を含んでいてもよいし、異なる複数の化合物を含んでいてもよい。たとえば、金属チエタン化合物として、金属原子Mが異なる複数の化合物を含んでいてもよい。
また、本発明の重合性組成物は、上記一般式(110)に示した金属チエタン化合物と他の金属チエタン化合物とを含んでもよい。このとき、重合性組成物は、本発明における金属チエタン化合物として上記一般式(110)においてMがSbの化合物を含み、さらに、他の金属チエタン化合物として、上記一般式(110)においてMがZnまたはSnである化合物を含むことが好ましい。
また、後述するように、本発明の重合性組成物は、金属原子Mが異なる複数の化合物と、分子構造中に金属原子を含まないチエタン化合物(非金属チエタン化合物)を含んでもよい。
また、本発明の重合性組成物は、上記一般式(100)に示した金属チエタン化合物として、一種類の化合物を含んでいてもよいし、異なる複数の化合物を含んでいてもよい。
また、本発明の重合性組成物は、上記一般式(201)に示したチエタン化合物として、一種類の化合物を含んでいてもよいし、異なる複数の化合物を含んでいてもよい。
また、上記一般式(110)および上記一般式(201)に示した金属チエタン化合物は、いずれも重合性化合物である。このため、本発明の重合性組成物中の重合性化合物が、上記一般式(110)に示した金属チエタン化合物から構成されていてもよい。たとえば、本発明の重合性組成物中の重合性化合物が、上記一般式(100)に示した金属チエタン化合物から構成されていてもよい。また、本発明の重合性組成物中の重合性化合物が、上記一般式(201)に示したチエタン化合物から構成されていてもよい。
また、本発明の重合性組成物中の重合性化合物が上記一般式(110)に示した金属チエタン化合物を含むとき、上記一般式(110)に示した金属チエタン化合物に加えて、他の重合性化合物を含んでいてもよい。たとえば、本発明の重合性組成物中の重合性化合物が、上記一般式(100)に示した金属チエタン化合物に加えて、他の重合性化合物を含んでいてもよい。
本発明の重合性組成物中に含まれる重合性化合物の総重量に占める、上記一般式(100)で表される化合物の含有量は、特に限定するものではないが、通常、10重量%以上であり、高屈折率化の観点から、好ましくは、30重量%以上であり、より好ましくは、50重量%以上であり、さらに好ましくは、70重量%以上である。
また、上記一般式(110)(たとえば、上記一般式(100))で表される化合物以外の成分は、重合性組成物を用いた樹脂の屈折率を下げる要因となる場合が多いため、屈折率の高い樹脂を得る観点から、重合性化合物の総重量に占める一般式(110)(たとえば、上記一般式(100))で表される化合物の含有量を50重量%以上とすることが好ましい。
また、本発明の重合性組成物中の重合性化合物が上記一般式(201)に示したチエタン化合物を含むとき、上記一般式(201)に示したチエタン化合物に加えて、他の重合性化合物を含んでいてもよい。
他の重合性化合物としては、公知の各種重合性モノマーまたは重合性オリゴマーが挙げられ、たとえば、(メタ)アクリル酸エステル化合物、ビニル化合物、エポキシ化合物、エピスルフィド化合物、オキセタン化合物、チエタン化合物などが挙げられる。
本発明の重合性組成物中に含まれる重合性化合物の総重量に占める、上記一般式(201)で表される化合物の含有量は、特に限定するものではないが、通常、10重量%以上であり、高屈折率化の観点から、好ましくは、30重量%以上であり、より好ましくは、50重量%以上であり、さらに好ましくは、70重量%以上である。
また、一般式(201)で表される化合物以外の成分は、重合性組成物を用いた樹脂の屈折率を下げる要因となる場合が多いため、屈折率の高い樹脂を得る観点から、重合性化合物の総重量に占める上記一般式(201)で表される化合物の含有量を50重量%以上とすることが好ましい。
また、本発明の重合性組成物は、他の重合性化合物のうち、チオール化合物、エポキシ化合物、エピチオ化合物、本発明における金属チエタン化合物以外のチエタン化合物のうち少なくとも一つを含んでもよい。本発明における金属チエタン化合物以外のチエタン化合物は、具体的には、分子構造中に金属原子を含まない非金属チエタン化合物、上記一般式(120)においてMがBi、Sb、Ti、ZrおよびTa以外の金属である化合物である。
以下、チオール化合物、エポキシ化合物、エピチオ化合物、および非金属チエタン化合物について、それぞれ具体例を挙げて説明する。なお、以下の説明において、本発明における重合性組成物の成分が複数の官能基を有するときの官能基の優先順位は、以下の通りとする。
(i)チオール基
(ii)エポキシ基
(iii)エピチオ基
(iv)チエタニル基
たとえば、以下において、チオール基とチエタニル基とを有する化合物については、チオール化合物の項で説明する。
重合性組成物が、上記一般式(110)(たとえば、上記一般式(100))で表される化合物とチオール化合物、エポキシ化合物、エピチオ化合物またはチエタン化合物を含む構成とすれば、得られる樹脂の機械物性および色相をより一層向上させることができる場合がある。
はじめに、チオール化合物について説明する。
重合性組成物に使用されるチオール化合物は、分子内に1つ以上チオール基(SH基)を含有する化合物である。
重合性組成物が上記一般式(110)に示した化合物を含むとき、チオール化合物として、たとえば上記一般式(110)(さらに具体的には、上記一般式(100))で表される化合物と相溶するものであればいかなる構造を有する化合物でも使用できる。
また、重合性組成物が上記一般式(201)に示した化合物を含むとき、チオール化合物として、たとえば上記一般式(201)で表される化合物と相溶するものであればいかなる構造を有する化合物でも使用できる。
チオール化合物として、具体的には、1価のチオール化合物としては、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、プロピルメルカプタン、ブチルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、ヘキサデシルメルカプタン、オクタデシルメルカプタン、シクロヘキシルメルカプタン、ベンジルメルカプタン、エチルフェニルメルカプタン、2−メルカプトメチル−1,3−ジチオラン、2−メルカプトメチル−1,4−ジチアン、1−メルカプト−2,3−エピチオプロパン、1−メルカプトメチルチオ−2,3−エピチオプロパン、1−メルカプトエチルチオ−2,3−エピチオプロパン、3−メルカプトチエタン、2−メルカプトチエタン、3−メルカプトメチルチオチエタン、2−メルカプトメチルチオチエタン、3−メルカプトエチルチオチエタン、2−メルカプトエチルチオチエタン等の脂肪族メルカプタン化合物、チオフェノール、メルカプトトルエン等の芳香族メルカプタン化合物、ならびに2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール等のメルカプト基以外にヒドロキシ基を含有する化合物が挙げられる。
また、多価チオール(ポリチオール)化合物としては、1,1−メタンジチオール、1,2−エタンジチオール、1,1−プロパンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、2,2−プロパンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,2,3−プロパントリチオール、1,1−シクロヘキサンジチオール、1,2−シクロヘキサンジチオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジチオール、3,4−ジメトキシブタン−1,2−ジチオール、2−メチルシクロヘキサン−2,3−ジチオール、1,1−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、チオリンゴ酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール(2−メルカプトアセテート)、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール(3−メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,2−ジメルカプトプロピルメチルエーテル、2,3−ジメルカプトプロピルメチルエーテル、2,2−ビス(メルカプトメチル)−1,3−プロパンジチオール、ビス(2−メルカプトエチル)エーテル、エチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパンビス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパンビス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、テトラキス(メルカプトメチル)メタン、1,1,1,1−テトラキス(メルカプトメチル)メタン等の脂肪族ポリチオール化合物;
1,2−ジメルカプトベンゼン、1,3−ジメルカプトベンゼン、1,4−ジメルカプトベンゼン、1,2−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3−トリメルカプトベンゼン、1,2,4−トリメルカプトベンゼン、1,3,5−トリメルカプトベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、2,5−トルエンジチオール、3,4−トルエンジチオール、1,3−ジ(p−メトキシフェニル)プロパン−2,2−ジチオール、1,3−ジフェニルプロパン−2,2−ジチオール、フェニルメタン−1,1−ジチオール、2,4−ジ(p−メルカプトフェニル)ペンタン等の芳香族ポリチオール化合物;
1,2−ビス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン等、およびこれらの核アルキル化物等のメルカプト基以外に硫黄原子を含有する芳香族ポリチオール化合物;
ビス(メルカプトメチル)スルフィド、ビス(メルカプトメチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトエチル)スルフィド、ビス(メルカプトエチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトプロピル)スルフィド、ビス(メルカプトメチルチオ)メタン、ビス(2−メルカプトエチルチオ)メタン、ビス(3−メルカプトプロピルチオ)メタン、1,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エタン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)エタン、1,2−ビス(3−メルカプトプロピル)エタン、1,3−ビス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,3−ビス(2−メルカプトエチルチオ)プロパン、1,3−ビス(3−メルカプトプロピルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(2−メルカプトエチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(3−メルカプトプロピルチオ)プロパン、1,2−ビス[(2−メルカプトエチル)チオ]−3−メルカプトプロパン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、テトラキス(メルカプトメチルチオメチル)メタン、テトラキス(2−メルカプトエチルチオメチル)メタン、テトラキス(3−メルカプトプロピルチオメチル)メタン、ビス(2,3−ジメルカプトプロピル)スルフィド、ビス(1,3−ジメルカプトプロピル)スルフィド、2,5−ジメルカプト−1,4−ジチアン、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプトメチル−2,5−ジメチル−1,4−ジチアン、ビス(メルカプトメチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトエチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトプロピル)ジスルフィド、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン等のメルカプト基以外に硫黄原子を含有する脂肪族ポリチオール化合物、ならびにこれらのチオグリコール酸およびメルカプトプロピオン酸のエステル;
ヒドロキシメチルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシエチルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシエチルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシプロピルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシプロピルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシメチルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシプロピルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシプロピルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、2−メルカプトエチルエーテルビス(2−メルカプトアセテート)、2−メルカプトエチルエーテルビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ジチアン−2,5−ジオールビス(2−メルカプトアセテート)、1,4−ジチアン−2,5−ジオールビス(3−メルカプトプロピオネート)、チオジグリコール酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、チオジプロピオン酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、4,4−チオジブチル酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、ジチオジグリコール酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、ジチオジプロピオン酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、4,4−ジチオジブチル酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、チオジグリコール酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)、チオジプロピオン酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)、ジチオグリコール酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)、ジチオジプロピオン酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)等のメルカプト基以外に硫黄原子とエステル結合を含有する脂肪族ポリチオール化合物;
3,4−チオフェンジチオール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール等のメルカプト基以外に硫黄原子を含有する複素環化合物;
グリセリンジ(メルカプトアセテート)、1−ヒドロキシ−4−メルカプトシクロヘキサン、2,4−ジメルカプトフェノール、2−メルカプトハイドロキノン、4−メルカプトフェノール、3,4−ジメルカプト−2−プロパノール、1,3−ジメルカプト−2−プロパノール、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、1,2−ジメルカプト−1,3−ブタンジオール、ペンタエリスリトールトリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールモノ(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールトリス(チオグリコレート)、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシメチル−トリス(メルカプトエチルチオメチル)メタン、1−ヒドロキシエチルチオ−3−メルカプトエチルチオベンゼン等のメルカプト基以外にヒドロキシ基を含有する化合物;
1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,1,2,2−テトラキス(メルカプトメチルチオ)エタン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアシクロヘキサン、1,1,5,5−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−3−チアペンタン、1,1,6,6−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−3,4−ジチアヘキサン、2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エタンチオール、2−(4,5−ジメルカプト−2−チアペンチル)−1,3−ジチアシクロペンタン、2,2−ビス(メルカプトメチル)−1,3−ジチアシクロペンタン、2,5−ビス(4,4−ビス(メルカプトメチルチオ)−2−チアブチル)−1,4−ジチアン、2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−プロパンジチオール、3−メルカプトメチルチオ−1,7−ジメルカプト−2,6−ジチアヘプタン、3,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,9−ジメルカプト−2,5,8−トリチアノナン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,9−ジメルカプト−2,5,8−トリチアノナン、3−メルカプトメチルチオ−1,6−ジメルカプト−2,5−ジチアヘキサン、2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタン、1,1,9,9−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−5−(3,3−ビス(メルカプトメチルチオ)−1−チアプロピル)3,7−ジチアノナン、トリス(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)メタン、トリス(4,4−ビス(メルカプトメチルチオ)−2−チアブチル)メタン、テトラキス(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)メタン、テトラキス(4,4−ビス(メルカプトメチルチオ)−2−チアブチル)メタン、3,5,9,11−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−1,13−ジメルカプト−2,6,8,12−テトラチアトリデカン、3,5,9,11,15,17−ヘキサキス(メルカプトメチルチオ)−1,19−ジメルカプト−2,6,8,12,14,18−ヘキサチアノナデカン、9−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−3,5,13,15−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−1,17−ジメルカプト−2,6,8,10,12,16−ヘキサチアヘプタデカン、3,4,8,9−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−1,11−ジメルカプト−2,5,7,10−テトラチアウンデカン、3,4,8,9,13,14−ヘキサキス(メルカプトメチルチオ)−1,16−ジメルカプト−2,5,7,10,12,15−ヘキサチアヘキサデカン、8−{ビス(メルカプトメチルチオ)メチル}−3,4,12,13−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−1,15−ジメルカプト−2,5,7,9,11,14−ヘキサチアペンタデカン、4,6−ビス{3,5−ビス(メルカプトメチルチオ)−7−メルカプト−2,6−ジチアヘプチルチオ}−1,3−ジチアン、4−{3,5−ビス(メルカプトメチルチオ)−7−メルカプト−2,6−ジチアヘプチルチオ}−6−メルカプトメチルチオ−1,3−ジチアン、1,1−ビス{4−(6−メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアニルチオ}−3,3−ビス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,3−ビス{4−(6−メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアニルチオ}−1,3−ビス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1−{4−(6−メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアニルチオ}−3−{2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル}−7,9−ビス(メルカプトメチルチオ)−2,4,6,10−テトラチアウンデカン、1−{4−(6−メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアニルチオ}−3−{2−(1,3−ジチエタニル)}メチル−7,9−ビス(メルカプトメチルチオ)−2,4,6,10−テトラチアウンデカン、1,5−ビス{4−(6−メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアニルチオ}−3−{2−(1,3−ジチエタニル)}メチル−2,4−ジチアペンタン、4,6−ビス[3−{2−(1,3−ジチエタニル)}メチル−5−メルカプト−2,4−ジチアペンチルチオ]−1,3−ジチアン、4,6−ビス{4−(6−メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアニルチオ}−1,3−ジチアン、4−{4−(6−メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアニルチオ}−6−{4−(6−メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアニルチオ}−1,3−ジチアン、3−{2−(1,3−ジチエタニル)}メチル−7,9−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,11−ジメルカプト−2,4,6,10−テトラチアウンデカン、9−{2−(1,3−ジチエタニル)}メチル−3,5,13,15−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−1,17−ジメルカプト−2,6,8,10,12,16−ヘキサチアヘプタデカン、3−{2−(1,3−ジチエタニル)}メチル−7,9,13,15−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−1,17−ジメルカプト−2,4,6,10,12,16−ヘキサチアヘプタデカン、3,7−ビス{2−(1,3−ジチエタニル)}メチル−1,9−ジメルカプト−2,4,6,8−テトラチアノナン、4−{3,4,8,9−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−11−メルカプト−2,5,7,10−テトラチアウンデシル}−5−メルカプトメチルチオ−1,3−ジチオラン、4,5−ビス{3,4−ビス(メルカプトメチルチオ)−6−メルカプト−2,5−ジチアヘキシルチオ}−1,3−ジチオラン、4−{3,4−ビス(メルカプトメチルチオ)−6−メルカプト−2,5−ジチアヘキシルチオ}−5−メルカプトメチルチオ−1,3−ジチオラン、4−{3−ビス(メルカプトメチルチオ)メチル−5,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−8−メルカプト−2,4,7−トリチアオクチル}−5−メルカプトメチルチオ−1,3−ジチオラン、2−[ビス{3,4−ビス(メルカプトメチルチオ)−6−メルカプト−2,5−ジチアヘキシルチオ}メチル]−1,3−ジチエタン、2−{3,4−ビス(メルカプトメチルチオ)−6−メルカプト−2,5−ジチアヘキシルチオ}メルカプトメチルチオメチル−1,3−ジチエタン、2−{3,4,8,9−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−11−メルカプト−2,5,7,10−テトラチアウンデシルチオ}メルカプトメチルチオメチル−1,3−ジチエタン、2−{3−ビス(メルカプトメチルチオ)メチル−5,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−8−メルカプト−2,4,7−トリチアオクチル}メルカプトメチルチオメチル−1,3−ジチエタン、4,5−ビス[1−{2−(1,3−ジチエタニル)}−3−メルカプト−2−チアプロピルチオ]−1,3−ジチオラン、4−[1−{2−(1,3−ジチエタニル)}−3−メルカプト−2−チアプロピルチオ]−5−{1,2−ビス(メルカプトメチルチオ)−4−メルカプト−3−チアブチルチオ}−1,3−ジチオラン、2−[ビス{4−(5−メルカプトメチルチオ−1,3−ジチオラニル)チオ}]メチル−1、3−ジチエタン、4−{4−(5−メルカプトメチルチオ−1,3−ジチオラニル)チオ}−5−[1−{2−(1,3−ジチエタニル)}−3−メルカプト−2−チアプロピルチオ]−1,3−ジチオラン、さらにこれらのオリゴマー等のジチオアセタールもしくはジチオケタール骨格を有する化合物;
トリス(メルカプトメチルチオ)メタン、トリス(メルカプトエチルチオ)メタン、1,1,5,5−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−2,4−ジチアペンタン、ビス[4,4−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアブチル](メルカプトメチルチオ)メタン、トリス[4,4−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアブチル]メタン、2,4,6−トリス(メルカプトメチルチオ)−1,3,5−トリチアシクロヘキサン、2,4−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3,5−トリチアシクロヘキサン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−2−チアプロパン、ビス(メルカプトメチル)メチルチオ−1,3,5−トリチアシクロヘキサン、トリス[(4−メルカプトメチル−2,5−ジチアシクロヘキシル−1−イル)メチルチオ]メタン、2,4−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアシクロペンタン、2−メルカプトエチルチオ−4−メルカプトメチル−1,3−ジチアシクロペンタン、2−(2,3−ジメルカプトプロピルチオ)−1,3−ジチアシクロペンタン、4−メルカプトメチル−2−(2,3−ジメルカプトプロピルチオ)−1,3−ジチアシクロペンタン、4−メルカプトメチル−2−(1,3−ジメルカプト−2−プロピルチオ)−1,3−ジチアシクロペンタン、トリス[2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)−1−チアエチル]メタン、トリス[3,3−ビス(メルカプトメチルチオ)−2−チアプロピル]メタン、トリス[4,4−ビス(メルカプトメチルチオ)−3−チアブチル]メタン、2,4,6−トリス[3,3−ビス(メルカプトメチルチオ)−2−チアプロピル]−1,3,5−トリチアシクロヘキサン、テトラキス[3,3−ビス(メルカプトメチルチオ)−2−チアプロピル]メタン等、さらにこれらのオリゴマー等のオルトトリチオ蟻酸エステル骨格を有する化合物;および
3,3'−ジ(メルカプトメチルチオ)−1,5−ジメルカプト−2,4−ジチアペンタン、2,2'−ジ(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアシクロペンタン、2,7−ジ(メルカプトメチル)−1,4,5,9−テトラチアスピロ[4,4]ノナン、3,9−ジメルカプト−1,5,7,11−テトラチアスピロ[5,5]ウンデカン、さらにこれらのオリゴマー等のオルトテトラチオ炭酸エステル骨格を有する化合物等が挙げられるが、これらの例示化合物のみに限定されるものではない。これら例示化合物は、単独でも2種類以上混合して使用してもよい。
これらチオール化合物のうち、得られる樹脂の光学物性、特にアッベ数を考慮すれば、芳香族系よりも脂肪族系のチオール化合物を選択する方が好ましい。さらに、光学物性、特に屈折率の要求を考慮すれば、スルフィド結合および/またはジスルフィド結合等のチオール基以外に硫黄原子を有する化合物を選択すると、より一層好ましい。得られる樹脂の耐熱性を考慮し3次元架橋性を上げる観点では、エピチオ基やチエタニル基などの重合性基を有するチオール化合物や、チオール基を3つ以上有する化合物を1種以上選択すると特に好ましい。
以上の観点で好ましいチオールとしては、3−メルカプトチエタン、1−メルカプト−2,3−エピチオプロパン、1−メルカプトメチルチオ−2,3−エピチオプロパン、1−メルカプトエチルチオ−2,3−エピチオプロパン、3−メルカプトチエタン、2−メルカプトチエタン、3−メルカプトメチルチオチエタン、2−メルカプトメチルチオチエタン、3−メルカプトエチルチオチエタン、2−メルカプトエチルチオチエタン、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、1,1,1,1−テトラキス(メルカプトメチル)メタン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,1,2,2−テトラキス(メルカプトメチルチオ)エタン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタンである。
さらに好ましくは、3−メルカプトチエタン、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、1,1,1,1−テトラキス(メルカプトメチル)メタン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,1,2,2−テトラキス(メルカプトメチルチオ)エタン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタンである。また、2価のチオール化合物を選択する場合は、重合性基を有するチオール化合物および/または3価以上のチオール化合物と混合して使用することが好ましい。
重合性組成物が上記一般式(110)に示した化合物を含むとき、チオール化合物は、さらに具体的には、3−メルカプトチエタン、1,2−エタンジチオール、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカンおよび2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンからなる群から選択される一種以上である。
これらチオール化合物の使用量としては、上記一般式(110)(たとえば、上記一般式(100))で表される化合物とチオール化合物の合計を100重量部としたとき、チオール化合物の使用量が少なすぎると、色相の改善および機械強度の向上の効果が小さく好ましくない場合がある。また、上記一般式(110)(たとえば、上記一般式(100))で表される化合物とチオール化合物の合計を100重量部としたとき、チオール化合物の使用量が多すぎると、耐熱性の低下が著しく好ましくない場合がある。
従って、チオール化合物の使用量は、上記一般式(110)(たとえば、上記一般式(100))で表される化合物とチオール化合物の合計を100重量部としたとき、1重量部以上50重量部以下使用することが好ましい。より好ましくはチオール化合物の使用量は上記一般式(110)(たとえば、上記一般式(100))で表される化合物とチオール化合物の合計を100重量部としたとき、1重量部以上25重量部以下である。
また、重合性組成物が上記一般式(201)に示した化合物を含むとき、チオール化合物は、さらに具体的には、3−メルカプトチエタン、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカンおよび2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンからなる群から選択される一種以上である。
これらチオール化合物の使用量としては、上記一般式(201)で表される化合物とチオール化合物の合計を100重量部としたとき、チオール化合物の使用量が少なすぎると、色相の改善および機械強度の向上の効果が小さく好ましくない場合がある。また、上記一般式(201)で表される化合物とチオール化合物の合計を100重量部としたとき、チオール化合物の使用量が多すぎると、耐熱性の低下が著しく好ましくない場合がある。
従って、チオール化合物の使用量は、上記一般式(201)で表される化合物とチオール化合物の合計を100重量部としたとき、1重量部以上50重量部以下使用することが好ましい。より好ましくはチオール化合物の使用量は上記一般式(201)で表される化合物とチオール化合物の合計を100重量部としたとき、1重量部以上25重量部以下である。
重合性組成物が、上記一般式(201)で表される化合物とチオール化合物を含む構成とすれば、得られる樹脂の機械物性および色相をより一層向上させることができる。
また、重合性組成物中に、チオール化合物に加えてさらにイソシアネート化合物を配合してもよい。イソシアネート化合物を加えることにより機械物性等がさらに改良される場合がある。
ここで用いられるイソシアネート化合物は、特に限定されないが、複数のイソシアナト基を有するポリイソシアナート化合物が好ましく、さらに好ましくはジイソシアナート化合物である。具体的にはヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、キシレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2,2,1]−へプタン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2,2,1]−へプタン、イソホロンジイソシアネート等が好適な例として挙げられる。
また、あらかじめチオール化合物とイソシアナート化合物を反応させて得られる反応物を重合生成物中に加えてもよい。
次に、エポキシ化合物およびエピチオ化合物について説明する。
本発明の重合性組成物は、エポキシ化合物および/またはエピチオ化合物を含んでもよい。このとき、上記一般式(110)で表される化合物においてm=0であり、X1が硫黄原子であってもよい。また、上記一般式(100)で表される化合物においてm=0であり、X1が硫黄原子であってもよい。
エポキシ化合物およびエピチオ化合物は、それぞれ、分子内に1つ以上のエポキシ基およびエピチオ基を含有する。また、エポキシ化合物およびエピチオ化合物は、たとえば上記一般式(110)(具体的には、上記一般式(100))で表される化合物と相溶するものであればいかなる構造を有する化合物でも使用できるが、好ましくはエポキシ基および/またはエピチオ基を合計2つ以上含有する化合物である。
具体的には、エポキシ化合物として、ビスフェノールA、ビスフェノールF等の多価フェノール化合物と、エピハロヒドリン化合物との縮合反応により得られるフェノール系エポキシ化合物(たとえば、ビスフェノールAグリシジルエーテル、ビスフェノールFグリシジルエーテル);
水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、シクロヘキサンジメタノール等の多価アルコール化合物と、エピハロヒドリン化合物との縮合により得られるアルコール系エポキシ化合物(たとえば、水添ビスフェノールAグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFグリシジルエーテル)、およびエチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル等のその他のアルコール系エポキシ化合物;
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3',4'−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートや1,2−ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等のグリシジルエステル系エポキシ化合物;および
一級および二級アミン化合物とエピハロヒドリン化合物との縮合により得られるアミン系エポキシ化合物(たとえば、イソシアヌル酸トリグリシジルエーテル)等が挙げられる。また、その他、4−ビニル−1−シクロヘキサンジエポキシドなどのビニルシクロヘキセンジエポキシド等の脂肪族多価エポキシ化合物等を挙げることができる。
スルフィド基含有エポキシ化合物とエーテル基含有エポキシ化合物の具体的化合物例としては、ビス(2,3−エポキシプロピル)スルフィド、ビス(2,3−エポキシプロピル)ジスルフィド、ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)メタン、1,2−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)エタン、1,2−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)プロパン、1,3−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)プロパン、1,3−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)−2−メチルプロパン、1,4−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)ブタン、1,4−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)−2−メチルブタン、1,3−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)ブタン、1,5−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)ペンタン、1,5−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)−2−メチルペンタン、1,5−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)−3−チアペンタン、1,6−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)ヘキサン、1,6−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)−2−メチルヘキサン、3,8−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)−3,6−ジチアオクタン、1,2,3−トリス(2,3−エポキシプロピルチオ)プロパン、2,2−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)−1,3−ビス(2,3−エポキシプロピルチオメチル)プロパン、2,2−ビス(2,3−エポキシプロピルチオメチル)−1−(2,3−エポキシプロピルチオ)ブタン、1,5−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)−2−(2,3−エポキシプロピルチオメチル)−3−チアペンタン、1,5−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)−2,4−ビス(2,3−エポキシプロピルチオメチル)−3−チアペンタン、1−(2,3−エポキシプロピルチオ)−2,2−ビス(2,3−エポキシプロピルチオメチル)−4−チアヘキサン、1,5,6−トリス(2,3−エポキシプロピルチオ)−4−(2,3−エポキシプロピルチオメチル)−3−チアヘキサン、1,8−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)−4−(2,3−エポキシプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)−4,5−ビス(2,3−エポキシプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)−4,4−ビス(2,3−エポキシプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)−2,5−ビス(2,3−エポキシプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)−2,4,5−トリス(2,3−エポキシプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,1,1−トリス[[2−(2,3−エポキシプロピルチオ)エチル]チオメチル]−2−(2,3−エポキシプロピルチオ)エタン、1,1,2,2−テトラキス[[2−(2,3−エポキシプロピルチオ)エチル]チオメチル]エタン、1,11−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)−4,8−ビス(2,3−エポキシプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)−4,7−ビス(2,3−エポキシプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)−5,7−ビス(2,3−エポキシプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン等の鎖状脂肪族の2,3−エポキシプロピルチオ化合物;
1,3−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)シクロヘキサン、1,4−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)シクロヘキサン、1,3−ビス(2,3−エポキシプロピルチオメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(2,3−エポキシプロピルチオメチル)シクロヘキサン、2,5−ビス(2,3−エポキシプロピルチオメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス[[2−(2,3−エポキシプロピルチオ)エチル]チオメチル]−1,4−ジチアン、2,5−ビス(2,3−エポキシプロピルチオメチル)−2,5−ジメチル−1,4−ジチアン、3−(2,3−エポキシプロピルチオ)チエタン等の環状脂肪族の2,3−エポキシプロピルチオ化合物;
1,2−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)ベンゼン、1,3−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)ベンゼン、1,4−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)ベンゼン、1,2−ビス(2,3−エポキシプロピルチオメチル)ベンゼン、1,3−ビス(2,3−エポキシプロピルチオメチル)ベンゼン、1,4−ビス(2,3−エポキシプロピルチオメチル)ベンゼン、ビス[4−(2,3−エポキシプロピルチオ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−(2,3−エポキシプロピルチオ)フェニル]プロパン、ビス[4−(2,3−エポキシプロピルチオ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(2,3−エポキシプロピルチオ)フェニル]スルホン、4,4'−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)ビフェニル等の芳香族2,3−エポキシプロピルチオ化合物;
エチレンオキシド、プロピレンオキシド、グリシドール、エピクロルヒドリン等の単官能エポキシ化合物;
ビス(2,3−エポキシプロピル)エーテル、ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)メタン、1,2−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)エタン、1,2−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)プロパン、1,3−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)プロパン、1,3−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)−2−メチルプロパン、1,4−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)ブタン、1,4−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)−2−メチルブタン、1,3−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)ブタン、1,5−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)ペンタン、1,5−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)−2−メチルペンタン、1,5−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)−3−チアペンタン、1,6−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)ヘキサン、1,6−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)−2−メチルヘキサン、3,8−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)−3,6−ジチアオクタン、1,2,3−トリス(2,3−エポキシプロピルオキシ)プロパン、2,2−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)−1,3−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシメチル)プロパン、2,2−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシメチル)−1−(2,3−エポキシプロピルオキシ)ブタン、1,5−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)−2−(2,3−エポキシプロピルオキシメチル)−3−チアペンタン、1,5−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)−2,4−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシメチル)−3−チアペンタン、1−(2,3−エポキシプロピルオキシ)−2,2−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシメチル)−4−チアヘキサン、1,5,6−トリス(2,3−エポキシプロピルオキシ)−4−(2,3−エポキシプロピルオキシメチル)−3−チアヘキサン、1,8−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)−4−(2,3−エポキシプロピルオキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)−4,5−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)−4,4−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)−2,5−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)−2,4,5−トリス(2,3−エポキシプロピルオキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,1,1−トリス[[2−(2,3−エポキシプロピルオキシ)エチル]チオメチル]−2−(2,3−エポキシプロピルオキシ)エタン、1,1,2,2−テトラキス[[2−(2,3−エポキシプロピルオキシ)エチル]チオメチル]エタン、1,11−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)−4,8−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)−4,7−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)−5,7−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン等の鎖状脂肪族の2,3−エポキシプロピルオキシ化合物;
1,3−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)シクロヘキサン、1,4−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)シクロヘキサン、1,3−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシメチル)シクロヘキサン、2,5−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス[[2−(2,3−エポキシプロピルオキシ)エチル]チオメチル]−1,4−ジチアン、2,5−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシメチル)−2,5−ジメチル−1,4−ジチアン等の環状脂肪族の2,3−エポキシプロピルオキシ化合物;および、
1,2−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)ベンゼン、1,2−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシメチル)ベンゼン、1,3−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシメチル)ベンゼン、1,4−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシメチル)ベンゼン、ビス[4−(2,3−エポキシプロピルオキシ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−(2,3−エポキシプロピルオキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(2,3−エポキシプロピルオキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(2,3−エポキシプロピルオキシ)フェニル]スルホン、4,4'−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)ビフェニル等の芳香族2,3−エポキシプロピルオキシ化合物等を挙げることができるが、例示化合物のみに限定されるものではない。
これら例示したエポキシ化合物のうち、好ましくは、ビス(2,3−エポキシプロピル)ジスルフィド、4−ビニル−1−シクロヘキサンジエポキシド、ビスフェノールAグリシジルエーテル、ビスフェノールFグリシジルエーテル等のフェノール系エポキシ化合物;
水添ビスフェノールAグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル等のアルコール系エポキシ化合物;
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3',4'−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートや1,2−ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等のグリシジルエステル系エポキシ化合物;
イソシアヌル酸トリグリシジルエーテル等のアミン系エポキシ化合物等が挙げられる。また、その他、ビニルシクロヘキセンジエポキシド等の脂肪族多価エポキシ化合物等が挙げられる。
エポキシ化合物は、より好ましくは、ビス(2,3−エポキシプロピル)ジスルフィド、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAグリシジルエーテル、ビスフェノールFグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、イソシアヌル酸トリグリシジルエーテルである。さらに好ましくは、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテルおよびビスフェノールFグリシジルエーテルである。
エピチオ化合物として、具体的には、ビス(1,2−エピチオエチル)スルフィド、ビス(1,2−エピチオエチル)ジスルフィド、ビス(エピチオエチルチオ)メタン、ビス(エピチオエチルチオ)ベンゼン、ビス[4−(エピチオエチルチオ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(エピチオエチルチオ)フェニル]メタン等のエピチオエチルチオ化合物;
ビス(2,3−エピチオプロピル)スルフィド、ビス(2,3−エピチオプロピル)ジスルフィド、ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)メタン、1,2−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)エタン、1,2−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)プロパン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)プロパン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2−メチルプロパン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ブタン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2−メチルブタン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ブタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ペンタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2−メチルペンタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−3−チアペンタン、1,6−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ヘキサン、1,6−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2−メチルヘキサン、3,8−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−3,6−ジチアオクタン、1,2,3−トリス(2,3−エピチオプロピルチオ)プロパン、2,2−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)プロパン、2,2−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−1−(2,3−エピチオプロピルチオ)ブタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2−(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3−チアペンタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2,4−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3−チアペンタン、1−(2,3−エピチオプロピルチオ)−2,2−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−4−チアヘキサン、1,5,6−トリス(2,3−エピチオプロピルチオ)−4−(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3−チアヘキサン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−4−(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−4,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−4,4−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2,4,5−トリス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,1,1−トリス[[2−(2,3−エピチオプロピルチオ)エチル]チオメチル]−2−(2,3−エピチオプロピルチオ)エタン、1,1,2,2−テトラキス[[2−(2,3−エピチオプロピルチオ)エチル]チオメチル]エタン、1,11−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−4,8−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−4,7−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−5,7−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン等の鎖状脂肪族の2,3−エピチオプロピルチオ化合物;
1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)シクロヘキサン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)シクロヘキサン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)シクロヘキサン、2,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス[[2−(2,3−エピチオプロピルチオ)エチル]チオメチル]−1,4−ジチアン、2,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−2,5−ジメチル−1,4−ジチアン等の環状脂肪族の2,3−エピチオプロピルチオ化合物;
1,2−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ベンゼン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ベンゼン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ベンゼン、1,2−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)ベンゼン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)ベンゼン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)ベンゼン、ビス[4−(2,3−エピチオプロピルチオ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−(2,3−エピチオプロピルチオ)フェニル]プロパン、ビス[4−(2,3−エピチオプロピルチオ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(2,3−エピチオプロピルチオ)フェニル]スルホン、4,4'−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ビフェニル等の芳香族2,3−エピチオプロピルチオ化合物;
エチレンスルフィド、プロピレンスルフィド、メルカプトプロピレンスルフィド、メルカプトブテンスルフィド、エピチオクロルヒドリン等のエピチオ基を1つ有する化合物;
ビス(2,3−エピチオプロピル)エーテル、ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)メタン、1,2−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)エタン、1,2−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)プロパン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)プロパン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−2−メチルプロパン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)ブタン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−2−メチルブタン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)ブタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)ペンタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−2−メチルペンタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−3−チアペンタン、1,6−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)ヘキサン、1,6−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−2−メチルヘキサン、3,8−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−3,6−ジチアオクタン、1,2,3−トリス(2,3−エピチオプロピルオキシ)プロパン、2,2−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)プロパン、2,2−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−1−(2,3−エピチオプロピルオキシ)ブタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−2−(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3−チアペンタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−2,4−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3−チアペンタン、1−(2,3−エピチオプロピルオキシ)−2,2−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−4−チアヘキサン、1,5,6−トリス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−4−(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3−チアヘキサン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−4−(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−4,5−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−4,4−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−2,5−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−2,4,5−トリス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,1,1−トリス[[2−(2,3−エピチオプロピルオキシ)エチル]チオメチル]−2−(2,3−エピチオプロピルオキシ)エタン、1,1,2,2−テトラキス[[2−(2,3−エピチオプロピルオキシ)エチル]チオメチル]エタン、1,11−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−4,8−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−4,7−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−5,7−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン等の鎖状脂肪族の2,3−エピチオプロピルオキシ化合物;
1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)シクロヘキサン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)シクロヘキサン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)シクロヘキサン、2,5−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス[[2−(2,3−エピチオプロピルオキシ)エチル]チオメチル]−1,4−ジチアン、2,5−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−2,5−ジメチル−1,4−ジチアン等の環状脂肪族の2,3−エピチオプロピルオキシ化合物;および、
1,2−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)ベンゼン、1,2−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)ベンゼン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)ベンゼン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)ベンゼン、ビス[4−(2,3−エピチオプロピルオキシ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−(2,3−エピチオプロピルオキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(2,3−エピチオプロピルオキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(2,3−エピチオプロピルオキシ)フェニル]スルホン、4,4'−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)ビフェニル等の芳香族2,3−エピチオプロピルオキシ化合物等を挙げることができるが、例示化合物のみに限定されるものではない。
これら例示化合物のうち好ましい化合物としては、ビス(1,2−エピチオエチル)スルフィド、ビス(1,2−エピチオエチル)ジスルフィド、ビス(2,3−エピチオプロピル)スルフィド、ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)メタンおよびビス(2,3−エピチオプロピル)ジスルフィドであり、より好ましい化合物としてはビス(1,2−エピチオエチル)スルフィド、ビス(1,2−エピチオエチル)ジスルフィド、ビス(2,3−エピチオプロピル)スルフィドおよびビス(2,3−エピチオプロピル)ジスルフィドである。また、より一層好ましい化合物は、ビス(2,3−エピチオプロピル)スルフィドおよびビス(2,3−エピチオプロピル)ジスルフィドである。
エポキシ化合物および/またはエピチオ化合物の使用量としては、使用する化合物の構造や使用量により異なるが、得られる樹脂の屈折率を考慮すれば、本発明の重合性組成物全体に対して、25重量%以下含有すると好ましい。23重量%以下であればより好ましく、20重量%以下であればさらに好ましい。得られる樹脂の色相および機械強度を考慮すれば、2.5重量%以上であると好ましい。
エポキシ化合物および/またはエピチオ化合物は、いずれか一方、もしくは両方を併用して使用することができ、その量比は特に限定されるものではない。また、エポキシ化合物同士であって異なるエポキシ化合物、または、エピチオ化合物同士であって異なるエピチオ化合物を複数併用することも可能である。ただし、高屈折率の樹脂を得るためには、エピチオ化合物の使用が好ましい。
重合性組成物がエポキシ化合物および/またはエピチオ化合物をさらに含むとき、本発明の重合性組成物中に含まれる重合性化合物の総重量に占める、上記一般式(110)(たとえば、上記一般式(100))で表される化合物の含有量は、特に限定するものではなく、通常、10重量%以上である。また、上記一般式(110)(たとえば、上記一般式(100))で表される化合物の含有量が増加するにつれて高屈折率化材料が得られる傾向にあることから好ましくは、30重量%以上であり、より好ましくは、50重量%以上であり、さらに好ましくは、70重量%以上である。
ただし、上記一般式(110)(たとえば、上記一般式(100))で表される化合物の含有量が多すぎると相対的にチオール化合物およびエポキシ化合物および/またはエピチオ化合物の含有量が低下するため、樹脂の色相を改善し、機械強度の低下を抑制する観点では、重合性組成物中の上記一般式(110)(たとえば、上記一般式(100))で表される化合物の含有量を95重量%以下とすることが好ましい。
また、チオール化合物とエポキシ化合物および/またはエピチオ化合物とを併用するとき、チオール化合物の使用量としては、使用する化合物の構造および、エポキシ化合物および/またはエピチオ化合物の構造や使用量により異なるが、上記一般式(110)(たとえば、上記一般式(100))で表される化合物は高い屈折率を有する樹脂を与えるため、一般的にチオール化合物の添加は得られる樹脂の屈折率の低下を意味する。従って、得られる樹脂の屈折率を考慮すれば、本発明の重合性組成物全体に対して、35重量%以下含有することが好ましい。30重量%以下であればより好ましく、25重量%以下であればさらに好ましい。得られる樹脂の色相、機械強度を勘案すると、2.5重量%以上であると好ましい。
また、チオール化合物とエポキシ化合物および/またはエピチオ化合物とを併用するとき、チオール化合物とエポキシ化合物および/またはエピチオ化合物の使用量比としては、チオール化合物中のチオール基と、エポキシ化合物および/またはエピチオ化合物中のエポキシ基および/またはエピチオ基との官能基比(SH基/(エポキシ基+エピチオ基))は、樹脂色相の観点からは、0.7以上が好ましい。さらに好ましくは0.9以上5以下であり、より好ましくは0.9以上3以下である。この官能基比が小さすぎると、得られる樹脂の機械強度が低下し好ましくない場合があり、大きすぎると得られる樹脂の耐熱性が低下するため好ましくない場合がある。
次に、非金属チエタン化合物について説明する。
非金属チエタン化合物は、分子内に1つ以上のチエタニル基を含有する。また、非金属チエタン化合物は、たとえば上記一般式(100)または上記一般式(110)で表される化合物と相溶するものであればいかなる構造を有する化合物でも使用できるが、好ましくはチエタニル基を合計2つ以上含有する化合物である。
具体的には、チエタン化合物として、ビスチエタニルスルフィド、ビス(チエタニルチオ)メタン、3−(((チエタニルチオ)メチルチオ)メチルチオ)チエタン等のスルフィド系チエタン化合物:
ビスチエタニルジスルフィド、ビスチエタニルトリスルフィド、ビスチエタニルテトラスルフィド、ビスチエタニルペンタスルフィド等のポリスルフィド系チエタン化合物等が挙げられる。
また、非金属チエタンとして、下記式(130)に示す化合物(1,3−ビス(チエタニルチオ)−2プロパノール)を用いてもよい。
Figure 2008102545
また、このとき、重合性組成物が、上記一般式(120)および(110)に示した化合物として下記式(4)に示す金属チエタン化合物を含み、他の金属チエタン化合物として、下記式(12)に示す化合物を含んでもよい。上記式(130)に示した化合物と、上記一般式(120)に示した化合物(たとえば、下記式(4)に示す化合物)とを組み合わせて用いることにより、重合性組成物を重合して得られる樹脂の高屈折率、機械強度および耐熱性のバランスにさらに優れる構成とすることができる。
Figure 2008102545
Figure 2008102545
非金属チエタン化合物の使用量としては、使用する化合物の構造や使用量により異なるが、得られる樹脂の屈折率を考慮すれば、本発明の重合性組成物全体に対して、たとえば25重量%以下含有する構成とすることができ、23重量%以下であれば好ましく、20重量%以下であればより好ましい。一方、得られる樹脂の色相および機械強度を考慮すれば、非金属チエタン化合物の使用量を、たとえば2.5重量%以上とする。
また、本発明における重合性組成物は、上記一般式(100)で表される金属チエタン化合物と、他の金属チエタン化合物を含んでもよい。他の金属チエタン化合物の具体例としては、
メチルチオトリス(チエタニルチオ)スズ、エチルチオトリス(チエタニルチオ)スズ、プロピルチオトリス(チエタニルチオ)スズ、イソプロピルチオトリス(チエタニルチオ)スズ等のアルキル(チエタニルチオ)スズ;
ビス(メチルチオ)ビス(チエタニルチオ)スズ、ビス(エチルチオ)ビス(チエタニルチオ)スズ、ビス(プロピルチオ)ビス(チエタニルチオ)スズ、ビス(イソプロピルチオ)ビス(チエタニルチオ)スズ等のビス(アルキルチオ)ビス(チエタニルチオ)スズ;
エチルチオ(メチルチオ)ビス(チエタニルチオ)スズ、メチルチオ(プロピルチオ)ビス(チエタニルチオ)スズ、イソプロピルチオ(メチルチオ)ビス(チエタニルチオ)スズ、エチルチオ(プロピルチオ)ビス(チエタニルチオ)スズ、エチルチオ(イソプロピルチオ)ビス(チエタニルチオ)スズ、イソプロピルチオ(プロピルチオ)ビス(チエタニルチオ)スズ等のアルキルチオ(アルキルチオ)ビス(チエタニルチオ)スズ;
ビス(チエタニルチオ)ジチアスタンネタン、ビス(チエタニルチオ)ジチアスタンノラン、ビス(チエタニルチオ)ジチアスタンニナン、ビス(チエタニルチオ)トリチアスタンノカン等のビス(チエタニルチオ)環状ジチオスズ化合物:
メチルトリス(チエタニルチオ)スズ、ジメチルビス(チエタニルチオ)スズ、ブチルトリス(チエタニルチオ)スズ等のアルキルスズ化合物:
テトラキス(チエタニルチオ)スズ、テトラキス(チエタニルチオ)ゲルマニウム、トリス(チエタニルチオ)ビスマス等の金属チエタン化合物等が挙げられる。
これら例示化合物のうち、ビスチエタニルジスルフィド、ビスチエタニルテトラスルフィド、ビス(チエタニルチオ)メタン、3−(((チエタニルチオ)メチルチオ)メチルチオ)チエタン、テトラキス(チエタニルチオ)スズ、トリス(チエタニルチオ)ビスマス、ビス(チエタニルチオ)ジチアスタンノランからなる群から選択される一種以上を選択することが好ましい。
また、これら例示化合物のうち好ましい化合物としては、ビスチエタニルスルフィド、ビス(チエタニルチオ)メタン、ビスチエタニルジスルフィド、ビスチエタニルテトラスルフィド、ビス(チエタニルチオ)ジチアスタンノランおよびテトラキス(チエタニルチオ)スズであり、より好ましい化合物としてはビスチエタニルジスルフィド、ビス(チエタニルチオ)ジチアスタンノランおよびテトラキス(チエタニルチオ)スズである。
また、重合性組成物が上記一般式(110)に示した化合物を含むとき、他の重合性化合物の組み合わせの具体例として、チオール化合物が、3−メルカプトチエタン、1,2−エタンジチオール、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカンおよび2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンからなる群から選択される一種以上であり、エポキシ化合物が、ビス(2,3−エポキシプロピル)ジスルフィド、エチレングリコールジグリシジルエーテル、イソシアヌル酸トリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3',4'−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートからなる群から選択される一種以上であり、エピチオ化合物が、ビス(2,3−エピチオプロピル)スルフィド、ビス(2,3−エピチオプロピル)ジスルフィドからなる群から選択される一種以上であり、非金属チエタン化合物が、ビスチエタニルジスルフィド、ビスチエタニルテトラスルフィド、ビス(チエタニルチオ)メタン、3−(((チエタニルチオ)メチルチオ)メチルチオ)チエタンからなる群から選択される一種以上である組み合わせが挙げられる。また、このとき、重合性組成物が、テトラキス(チエタニルチオ)スズ、トリス(チエタニルチオ)ビスマス、ビス(チエタニルチオ)ジチアスタンノランを含んでいてもよい。
重合性組成物において、上記一般式(110)で表される化合物に対するチオール化合物、エポキシ化合物、エピチオ化合物および非金属チエタン化合物の含有量は、屈折率の観点では、エポキシ化物の含有量は少なく、チオール化合物、エピチオ化合物およびチエタン化合物の含有量は多い方が好ましい場合がある。また樹脂色相の観点では、チオール化合物の含有量が多い方が好ましい場合がある。
重合性組成物において、上記一般式(110)で表される化合物、チオール化合物、エポキシ化合物、エピチオ化合物および非金属チエタン化合物の合計100重量部に対する、チオール化合物、エポキシ化合物、エピチオ化合物および非金属チエタン化合物の合計は、たとえば1重量部以上50重量部以下である。
また、本発明における重合性組成物に含まれる他の重合性化合物としては、公知の各種重合性モノマーまたは重合性オリゴマーが挙げられ、たとえば、(メタ)アクリル酸エステル化合物、ビニル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
また、本発明の重合性組成物は、必要に応じて、重合速度を調整するため公知公用の重合触媒をさらに含んでいてもよい。
また、本発明の重合性組成物は、必要に応じて、ブルーイング剤を含んでもよい。ブルーイング剤は、可視光領域のうち橙色から黄色の波長域に吸収帯を有し、樹脂の色相を調整する機能を有する。ブルーイング剤は、さらに具体的には、青色から紫色を示す物質を含む。
本発明の重合性組成物に用いられるブルーイング剤は、特に限定されるものではなく、具体的には、染料、蛍光増白剤、蛍光顔料、無機顔料等が挙げられるが、ブルーイング剤として使用できるものの中からレンズに要求される物性や樹脂色相などに合わせて適宜選択される。これらのブルーイング剤は、それぞれ単独で用いても、2種類以上組み合わせて使用してもよい。
これらのブルーイング剤のうち、重合性組成物への溶解性の観点および得られる樹脂の透明性の観点からは、染料が好ましい。染料の中でも、ブルー系染料およびバイオレット系の染料から選ばれる1種または2種以上の染料を含む染料であることが好ましいが、場合によっては他の色の染料を混合して用いてもよい。たとえば、ブルー系やバイオレット系のほかに、グレー系やブラウン系やレッド系、オレンジ系の染料も使用することができる。こうしたブルーイング剤の組み合わせの具体例として、ブルー系染料とレッド系染料との組み合わせ、およびバイオレット系染料とレッド系染料の組み合わせ等が挙げられる。
吸収波長の観点からは、好ましくは、極大吸収波長が520nm以上600nm以下の染料であり、さらに好ましくは極大吸収波長が540nm以上580nm以下の染料が挙げられる。
また、化合物の構造の観点からは、アントラキノン系染料が好ましい。
染料として、具体的には、「PS Blue RR」、「PS Violet RC」、「PET Blue 2000」、「PS Brilliant Red HEY」、「MLP RED V-1」(それぞれ、ダイスタージャパン社の商品名)等が挙げられる。
ブルーイング剤の使用量は、モノマーの種類、各種添加剤の使用の有無、使用する添加剤の種類や量、重合方法、重合条件によっても異なるが、一般にはモノマーの全体使用量、つまり重合組成物中に含まれる重合性化合物の総重量に対して0.001ppm以上500ppm以下の割合で、好ましくは0.005ppm以上100ppm以下の割合で、さらに好ましくは0.01ppm以上10ppm以下の割合で使用される。ブルーイング剤の添加量が多すぎると、レンズ全体が青くなりすぎて好ましくない場合があり、また少なすぎると、色相改善効果が十分に発揮されず好ましくない場合がある。
ブルーイング剤の添加方法については、特に限定されるものではなく、あらかじめモノマー系に添加しておくことが望ましいが、その方法として、モノマーに溶解させておく方法、あるいは、高濃度のブルーイング剤を含有したマスター溶液を調製しておき、そのマスター溶液を使用するモノマーや他の添加剤で希釈して添加する方法など、様々な方法が採用できる。
さらに、重合性組成物を硬化してなる樹脂の屈折率、アッベ数等の光学物性のさらなる調整や、色相、耐光性や耐候性、耐熱性、耐衝撃性、硬度、比重、線膨張係数、重合収縮率、吸水性、吸湿性、耐薬品性、粘弾性等の諸物性を調整、透過率や透明性の調整、重合性組成物の粘度、その他保存や輸送方法の取り扱い性を調整するためなど、樹脂の改良や取り扱い性を改良する目的で、本発明の重合性組成物に精製や洗浄、保温、保冷、ろ過、減圧処理などの有機化合物を合成する際に一般的に用いられる手法、操作を施したり、また、公知の化合物等を安定剤や樹脂改質剤として加えたりすることは良好な樹脂を得る目的で好ましい場合がある。長期の保存安定性や、重合安定性、熱安定性などの安定性向上のために加えられるものとしては、重合遅延剤や重合禁止剤、脱酸素剤、酸化防止剤などの化合物が挙げられる。
重合性組成物を精製するのは、硬化して得られる樹脂の透明性を改良したり、色相を改良するためや純度を上げるために用いられる手法である。本発明の重合性組成物を精製する際には、公知の方法、たとえば、再結晶、カラムクロマト法(シリカゲル法や活性炭法、イオン交換樹脂法など)、抽出などのいかなる手法をいかなるタイミングで行ってもよく、一般に精製して得られる組成物を硬化させて得られる樹脂の透明性や色相が改良されていればよい。
重合性組成物を洗浄する方法は、硬化して得られる樹脂の透明性を改良したり、色相を改良するのに用いられる手法であるが、重合性組成物を合成して取り出す際または合成後の取り出した後などのタイミングで極性および/または非極性溶媒で洗浄し、樹脂の透明性を阻害する物質、たとえば、重合性組成物を合成する際に使用されるまたは、副生する無機塩、たとえば、アンモニウム塩などを取り除くまたは減量する方法が挙げられる。用いる溶媒は、洗浄される重合性組成物そのものや重合性組成物を含有する溶液の極性等により一概に限定はできないが、取り除きたい成分を溶解可能で、かつ、洗浄される重合性組成物そのものや重合性組成物を含有する溶液と相溶しにくいものが好ましく、一種類のみならず、2種類以上を混合して使用してもよい。ここで取り除く成分は目的や用途に応じて異なるが、なるべく少なくしておくことが好ましく、通常5000ppm以下、より好ましくは1000ppm以下とすると良い結果が得られる場合がある。
重合性組成物を保温・保冷・ろ過する方法は、硬化して得られる樹脂の透明性を改良したり、色相を改良するのに用いられる手法であるが、重合性組成物を合成して取り出す際または合成後の取り出した後などのタイミングで行うのが一般的である。保温方法としては、たとえば、重合性組成物が保管中に結晶化し、ハンドリングが悪くなった場合に、重合性組成物および重合性組成物を硬化させてなる樹脂の性能が低下しない範囲で加熱溶解する方法が挙げられる。加熱する温度範囲や加熱溶解する方法は、取り扱われる重合性組成物を構成する化合物の構造により一概に限定できないが、通常、凝固点+50℃以内の温度で行われ、好ましくは+20℃以内であり、攪拌可能な装置で機械的に攪拌したり、組成物に不活性なガスでバブリングすることで内液を動かし溶解する方法などが挙げられる。保冷とは重合性組成物の保存安定性を高める目的で通常行われるが、たとえば重合性組成物の融点が高い場合には、結晶化後の取り扱い性を向上させるため、保管温度を考慮するとよい。保冷温度は取り扱われる重合性組成物を構成する化合物の構造、保存安定性により一概に限定できないが、通常は、本発明の重合性組成物の安定性が維持できる温度以下で保存する必要がある。
また、本発明の重合性組成物が、光学用途に用いる重合性組成物の場合、その非常に高い透明性を要求されることから、通常重合性組成物を孔径の小さいフィルターでろ過するとよい。ここで用いるフィルターの孔径は通常0.05μm以上10μm以下で行われるが、操作性や性能を考慮すれば、好ましくは、0.05μm以上5μm以下であり、より好ましくは0.1μm以上5μm以下である。本発明の重合性組成物も例外でなくろ過すると良い結果が得られる場合が多い。ろ過する温度については、凝固点付近の低温で行うとさらに好ましい結果が得られる場合があるが、ろ過中に凝固が進行するような場合は、ろ過作業に支障を来さない温度で行うと良い場合がある。
減圧処理は、一般的に重合性組成物を硬化させてなる樹脂の性能を低下させる溶媒や溶存ガス、臭気を取り除くのに行われる手法である。溶存溶媒は一般に得られる樹脂の屈折率低下や耐熱性低下を招くことがあるため、可能な限り取り除くとよい。溶存溶媒の許容値は、取り扱われる重合性組成物を構成する化合物の構造、溶存する溶媒の構造により一概に限定できないが、通常1%以下とするのが好ましく、より好ましくは、5000ppm以下である。溶存ガスは重合の阻害を抑制する観点および得られる樹脂に気泡が混入するのを抑制する観点から、取り除く方が好ましい。特に、水蒸気などの水分を意味するガスについては、とりわけ乾燥ガスでバブリングするなどして除去した方が好ましい。溶存量については、重合性組成物を構成する化合物の構造、溶存するガスの物性および構造、種類に応じて設定できる。
本発明における重合性組成物の製造方法として、代表的には、上記一般式(110)(たとえば、上記一般式(100))に示した化合物と、必要に応じて上記の他の各種重合性化合物、重合触媒、添加剤等を一括で仕込んだ混合物を加熱溶解調合すれば良い。ただし併用する重合性化合物、重合触媒、添加剤等の種類によっては一括で仕込んで加熱溶解させる過程で混合物が高粘度して、続く減圧濾過、脱気、成形用モールドへの注型操作が不可能になる場合がある。たとえば、重合性化合物として、エポキシ化合物とチオール化合物を併用する場合などは、上述の一括仕込み加熱溶解調合方法では、加熱溶解時に高粘度化する場合がある。
このような場合は、たとえば下記(i)(ii)に示す段階的な調合方法により調合時の高粘度化を回避して重合性組成物の調製が可能である。
(i)エポキシ化合物とチオール化合物を最初に仕込んで混合する。引き続いて、上記一般式(110)(たとえば、上記一般式(100))に示した化合物を添加して加熱溶解する。
(ii)チオール化合物および上記一般式(110)(たとえば、上記一般式(100))に示した化合物を最初に仕込んで加熱溶解させた後、モノマーが析出することのない温度付近まで冷却してエポキシ化合物を添加する。
段階的な調合方法は、これらに限られるものではないが、上述(i)(ii)の調合方法を基本として併用する重合性化合物の物性に応じてモノマー仕込み比、加熱溶解温度、時間条件等を最適化することにより、調合時の高粘度化を回避して安定的に重合性組成物の調製が可能である。
また、上記一般式(201)に示した化合物を含む重合性組成物の製造方法として、代表的には、上記一般式(201)に示した化合物と、必要に応じて上記の他の各種重合性化合物とを併用して、さらに必要に応じて上記重合触媒を添加した後、混合、溶解させる方法などが挙げられる。
得られた重合性組成物は、たとえば極めて高い屈折率を有する透明樹脂用の原料モノマー組成物として有用である。
また、得られた重合性組成物は、通常、公知のチエタン基含有化合物を重合する際の方法に準じて重合し、硬化させることができる。
硬化樹脂を得るための重合触媒等の種類や量、単量体の種類や割合は、重合性組成物を構成する化合物の構造により設定される。
本発明の重合性組成物を硬化し成形する際には、目的に応じて、公知の成形法と同様に、安定剤、樹脂改質剤、鎖延長剤、架橋剤、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)系を代表とする光安定剤、ベンゾトリアゾール系を代表とする紫外線吸収剤、ヒンダードフェノール系を代表とする酸化防止剤、着色防止剤、充填剤、シリコーン系を代表とする外部離型剤または酸性燐酸エステル、4級アンモニウム塩もしくは4級ホスホニウム塩等の界面活性剤を代表とする内部離型剤、密着性向上剤などの種々の物質を添加してもよい。ここで、内部離型剤は、前述の各種触媒のうち離型効果を示すものをも含む。
上記の添加可能な各種添加剤の添加量は、それぞれの添加剤の種類、構造、効果により異なり一概に限定することはできないが、通常、重合性組成物の総重量に対して0.001重量%以上10重量%以下の範囲で用いられ、好ましくは0.01重量%以上5重量%以下の範囲で使用される。これらの範囲内とすることにより、さらに良好に硬化した樹脂の製造が可能であり、得られる樹脂の透明性、光学物性がさらに良好なものとなる場合がある。
たとえば、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)やフェノール系、ホスファイト系、チオエーテル系の酸化防止剤を添加すると樹脂色相が改善される場合がある。特に、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)を添加すると樹脂色相が大幅に改善される場合がある。このようなヒンダードアミン系光安定剤(HALS)としては、たとえば、株式会社ADEKA社製のアデカスタブLA−77、LA−57、LA−52、LA−67、LA−62、LA−68、LA−63P、LA−87、LA−82等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
上記重合性組成物を重合することにより、樹脂が得られる。重合方法としては、プラスチックレンズを製造する際に用いられる公知の各種方法が挙げられるが、代表的には、注型重合が挙げられる。
本発明の重合性組成物を注型重合する際には、必要に応じて、重合性組成物に対して減圧下での脱法処理やフィルターろ過を行った後、成型用モールドに注入し、必要に応じて加熱して重合を行う。この場合、低温から高温へ徐々に加熱して重合することが好ましい。
上述の成型用モールドは、たとえば、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル等からなるガスケットを介した鏡面研磨した二枚の鋳型により構成される。鋳型は、代表的には、ガラスとガラスの組み合わせであり、他にガラスとプラスチック板、ガラスと金属板等の組み合わせの鋳型が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、成型用モールドは2枚の鋳型をポリエステル粘着テープなどのテープ等で固定したものであってもよい。必要に応じて、鋳型に対して離型処理など公知の処理方法を行ってもよい。
注型重合を行う場合、重合温度は重合開始剤の種類など重合条件によって影響されるので、限定されるものではないが、通常、−50℃以上200℃以下であり、好ましくは、−20℃以上170℃以下であり、より好ましくは、0℃以上150℃以下である。
重合時間は、重合温度により影響されるが、通常、0.01時間以上200時間以下であり、好ましくは、0.05時間以上100時間以下である。また必要に応じて、定温や昇温、降温などを行っていくつかの温度を組み合わせて重合を行うことも可能である。
また、本発明の重合性組成物は、電子線、紫外線や可視光線などの活性エネルギー線を照射することによっても重合を行うことができる。この際には、必要に応じて、活性エネルギー線によって重合開始するラジカル重合触媒やカチオン重合触媒が用いられる。
得られた樹脂は、硬化後、必要に応じて、アニール処理を施されてもよい。さらに必要に応じて、反射防止、高硬度付与、耐摩耗性向上、防曇性付与あるいはファッション性付与の目的で、表面研磨、帯電防止処理、ハードコート処理、無反射コート処理、染色処理、調光処理(たとえば、フォトクロミックレンズ化処理など)など公知の各種物理的または化学的処理を施されてもよい。
本発明の重合性組成物を重合することにより得られる樹脂は、高い透明性、良好な耐熱性と機械的強度を有し、かつ、たとえば高屈折率を有しており、たとえば、プラスチックレンズなどの光学部品に用いられる樹脂として有用である。
光学部品としては、たとえば、視力矯正用眼鏡レンズ、撮像機器用レンズ、液晶プロジェクター用フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、コンタクトレンズなどの各種プラスチックレンズ;
発光ダイオード(LED)用封止材;
光導波路;
光学レンズや光導波路の接合に用いる光学用接着剤;
光学レンズなどに用いる反射防止膜;
基板、導光板、フィルム、シートなどの液晶表示装置部材に用いる透明性コーティングまたは透明性基板などが挙げられる。
以下、製造例および実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
(参考製造例1)
特許文献2(特開2003−327583号公報)に記載の方法に従って、3−チエタノールを合成した。さらに得られた3−チエタノールを用い、3−メルカプトチエタンを合成した。
すなわち、攪拌装置と温度計を備えた反応器中に、チオ尿素190g(2.50モル)、35重量%塩酸水253gおよび水250gを装入して攪拌して反応液とした。反応液を攪拌しながら、反応液に3−チエタノール156g(1.73モル)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、30℃で24時間、攪拌して反応を行った後、24重量%アンモニア水177gを1時間かけて滴下した。さらに30℃で15時間反応を行った後、静置して有機層(下層)を取り出し、粗生成物134gを得た。得られた粗生成物を減圧下に蒸留して、沸点40℃/106Paの留分を集め、無色透明液体の目的物である3−メルカプトチエタンを得た。
(参考製造例2)
本製造例では、ジクロロ(エチレンジアミン)亜鉛(下記式(21)に示す化合物)を合成した。
Figure 2008102545
塩化亜鉛6.8g(0.05モル)をメタノール200gに溶解し、撹拌しながらエチレンジアミン3.0g(0.05モル)をエタノール27.0gに溶解した溶液を30分間かけて滴下装入した。10℃で一晩静置して晶析し、析出した結晶をろ取してメタノールで洗浄し、減圧乾燥して、上記式(21)に示す化合物8.5g(収率87%)を得た。
以下に、得られた化合物の同定データを示す。
1H−NMR(溶媒:DMSO−d6、内部標準物質:TMS):δ2.60(4H)、3.80(4H)。
IR(ユニバーサルATR法):3281、1573、1454、1338、1128、1005、656、608cm-1
(参考製造例3)
本製造例では、3−メルカプトチエタンナトリウム塩(下記式(22)に示す化合物)を合成した。
Figure 2008102545
3−メルカプトチエタン10.8g(0.10モル)を水10.3gと混合し、撹拌しながら10℃まで冷却した。続いて30重量%水酸化ナトリウム水溶液13.3g(0.10モル)を30分かけて滴下装入した。アセトン350gに排出し、撹拌、晶析をおこなった。結晶をろ取して100gのアセトンで洗浄し、重量減少が無くなるまで減圧乾燥して目的の上記式(22)に示す化合物10.3g(収率81%)を得た。
以下に、得られた化合物の同定データを示す。
1H−NMR(溶媒:DMSO−d6、内部標準物質:TMS):δ3.19(2H)、3.43(2H)、4.57(1H)。
(参考製造例4)
本製造例では、1,3−ビス(3−チエタニルチオ)−2−プロパノール(下記式(130)に示す化合物)を合成した。
Figure 2008102545
参考製造例1で製造した3−メルカプトチエタン50g(0.47モル)を水64gと混合し、31重量%水酸化ナトリウム水溶液26g(0.20モル)を滴下装入した。35℃まで昇温し、この温度を保ちながらエピクロロヒドリン19g(0.21モル)を2時間かけて滴下し、1時間攪拌しながら熟成した。トルエン100gを加えて抽出した後、有機層を水50gで2回洗浄した。硫酸マグネシウムを加えて乾燥し、ろ過して塩を除去した後に減圧濃縮してトルエンを留去した。残った液をろ過して固形物を除去し、目的の上記式に示す化合物25gを得た。
以下に、得られた化合物の同定データを示す。
1H−NMR(溶媒:CDCl、内部標準物質:TMS):δ2.6〜2.8(4H)、2.9(1H)、δ3.2〜3.5(8H)、δ3.8(1H)、δ4.5(2H)。
13C−NMR(溶媒:CDCl):δ34、37、43、70。
IR(ユニバーサルATR法):3429、651cm-1
MS(EI法):m/e計算値C9164O(M+)268、実測値268。
(例A1)
本例では、トリス(チエタニルチオ)アンチモン(トリス(3−チエタニルチオ)アンチモン、下記式(4)に示す化合物)を合成した。
参考製造例1で製造した3−メルカプトチエタン71.3g(0.66モル)を純水106.9g中に装入し、15℃まで冷却した。続いて、30重量%水酸化ナトリウム水溶液87.7g(0.66モル)を1時間かけて滴下装入した。続いて、20重量%三塩化アンチモンのエタノール溶液250.0g(三塩化アンチモン0.22モルに相当)を同温度で2時間かけて滴下装入した。滴下終了後、同温度でさらに2時間攪拌した。
この反応混合物をろ過して固形物をろ取し、200gの水で洗浄を繰り返して副生した塩を除去した。4回洗浄を繰り返した後、固形物をメタノール200gでさらに洗浄して固形物をろ取した。ろ取した固形物を減圧乾燥した。
乾燥後の反応混合物をクロロホルム500gに溶解し、不溶物をろ過して除去した。ろ過後の有機層を濃縮してヘキサンを装入し、析出物をろ取した後に減圧乾燥して下記式(4)に示す化合物87.6g(収率91%)を得た。
Figure 2008102545
以下に、得られた化合物の同定データを示す。
1H−NMR(溶媒:CDCl3、内部標準物質:TMS):δ3.40(6H)、3.54(6H)、4.73(3H)。
13C−NMR(溶媒:CDCl3):δ39.4、43.3。
IR(ユニバーサルATR法):2916、1444、1414、1252、1227、1170、946、933cm-1
FDMS:m/e計算値C9156Sb(M+)436、実測値436。
元素分析:計算値C:24.7%、H:3.5%、S:44.0%、Sb:27.8%、実測値:C:24.3%、H:2.8%、S:43.8%、Sb:27.5%。
(例A2)
本例では、トリス(チエタニルチオ)アンチモン(上記式(4)に示す化合物)を合成した。
参考製造例1で製造した3−メルカプトチエタン71.3g(0.66モル)を純水106.9g中に装入し、15℃まで冷却した。続いて、30重量%水酸化ナトリウム水溶液109.5g(0.82モル)を1時間かけて滴下装入した。続いて、60.2重量%三塩化アンチモンの水溶液83.0g(三塩化アンチモン0.22モルに相当)を同温度で2時間かけて滴下装入した。滴下終了後、同温度でさらに2時間攪拌した。
この反応混合物をろ過して固形物をろ取し、200gの水で洗浄を繰り返して副生した塩を除去した。4回洗浄を繰り返した後、固形物をメタノール200gでさらに洗浄して固形物をろ取した。ろ取した固形物を減圧乾燥した。
乾燥後の反応混合物をジクロロメタン700gに溶解し、不溶物をろ過して除去した。ろ過後の有機層を濃縮してヘキサンを装入し、析出物をろ取した後に減圧乾燥して上記式(4)に示す化合物60.7g(収率63%)を得た。得られた化合物の分析値は例A1で得られた化合物の分析値と同じであった。
(例A3)
本例では、トリス(チエタニルチオ)アンチモン(上記式(4)に示す化合物)を合成した。
三酸化アンチモン10g(0.03モル)、参考製造例1で製造した3−メルカプトチエタン24g(0.22モル)、酢酸1g(0.02モル)の混合物を40℃で3時間さらに50℃で5時間攪拌した。さらに、参考製造例1で製造した3−メルカプトチエタンを5g追加して、50℃で5時間攪拌した。
反応混合物をクロロホルム200ml中に加えて希釈した後、水洗した。有機層中の不溶物をろ過で除去後してろ液を減圧濃縮した。濃縮物にクロロホルム10mlとヘキサン100mlを装入して晶析し、析出物をろ取して、上記式(4)に示した化合物29.3g(収率97%)を得た。
以下に、得られた化合物の同定データを示す。
1H−NMR(溶媒:CDCl3、内部標準物質:TMS):δ3.40(6H)、3.54(6H)、4.73(3H)。
(例A4)
本例では、ペンタキス(チエタニルチオ)アンチモン(下記式(5)に示す化合物)を合成した。
Figure 2008102545
参考製造例1で製造した3−メルカプトチエタン27.2g(0.25モル)を純水40.8g中に装入し、15℃まで冷却した。続いて、30重量%水酸化ナトリウム水溶液33.3g(0.25モル)を1時間かけて滴下装入した。その後、13.0重量%五塩化アンチモンのエタノール溶液115.0g(五塩化アンチモン0.05モルに相当)を同温度で1.5時間かけて滴下装入した。滴下終了後、同温度でさらに2時間攪拌した。
この反応混合物をろ過して固形物をろ取し、100gの水で洗浄を繰り返して副生した塩を除去した。4回洗浄を繰り返した後、固形物をメタノール100gでさらに洗浄して固形物をろ取した。ろ取した固形物は減圧乾燥した。
乾燥後の反応混合物をクロロホルム270gに溶解し、不溶物をろ過して除去した。ろ過後の有機層を濃縮してヘキサンを装入し、析出物をろ取した後に減圧乾燥して上記式(5)に示す化合物26.3g(収率81%)を得た。
以下に、得られた化合物の同定データを示す。
1H−NMR(溶媒:CDCl3、内部標準物質:TMS):δ3.20(2H)、3.40(8H)3.54(10H)、4.45(1H)、4.73(4H)。
13C−NMR(溶媒:CDCl3):δ39.4、43.2。
IR(ユニバーサルATR法):2916、1444、1414、1252、1227、1170、946、933cm-1
(例A5)
本例では、ビス(チエタニルチオ)(エチレンジアミン)亜鉛(下記式(23)に示す化合物)を合成した。
Figure 2008102545
参考製造例1で製造した3−メルカプトチエタン8.7g(0.08モル)を純水13.0g中に装入し、15℃まで冷却した。続いて、30重量%水酸化ナトリウム水溶液10.7g(0.08モル)を1時間かけて滴下装入した。続いて、参考製造例2で製造したジクロロ(エチレンジアミン)亜鉛7.9g(0.04モル)を4回に分けて分割装入した。5時間の撹拌の後に、この反応混合物をろ過して固形物をろ取し、50gの水で洗浄を繰り返して副生した塩を除去した。4回洗浄を繰り返した後、固形物をメタノール50gでさらに洗浄して固形物をろ取した。ろ取した固形物を減圧乾燥し、目的のビスチエタニルチオ(エチレンジアミン)亜鉛10.6g(収率79%)を得た。
以下に、得られた化合物の同定データを示す。
1H−NMR(溶媒:DMSO−d6、内部標準物質:TMS):δ2.57(4H)、3.12(4H)、3.24(4H)、3.52(4H)、4.45(2H)。
13C−NMR(溶媒:CDCl3):δ40.4、40.7。
IR(ユニバーサルATR法):3250、1577、1445、1155、1020、943、641cm-1
FDMS:m/e計算値C81824Zn(M+)334、実測値334。
(例A6)
本例では、トリス(チエタニルチオ)ビスマス(下記式(24)に示す化合物)を合成した。
Figure 2008102545
3−メルカプトチエタン8.0g(0.075モル)を純水12.0g中に装入し、続いて、30重量%水酸化ナトリウム水溶液9.8g(0.075モル)を室温下、45分かけて滴下装入した。続いて、13.6重量%三塩化ビスマスのエタノール溶液57.9g(三塩化ビスマス0.025モルに相当)を同温度で1.5時間かけて滴下装入した。滴下終了後、同温度でさらに2時間攪拌した。
この反応混合物をろ過して固形物をろ取してジクロロメタン500gに溶解し、不溶物をろ過して除去した。ろ過後の有機層を100gの純水で2回洗浄した後、テフロン(登録商標)製フィルターでろ過をして不溶物を除去した。こうして得られた抽出物から溶媒を留去してヘキサンを装入し、上記式(24)に示す化合物10.6g(収率81%)を得た。
以下に、得られた化合物の同定データを示す。
1H−NMR(溶媒:DMSO−d6、内部標準物質:TMS):δ3.28(12H)、5.77(3H)。
13C−NMR(溶媒:DMSO−d6):δ41.5。
IR(ユニバーサルATR法):2919、1410、1196、931cm-1
FDMS:m/e計算値C9156Bi(M+)524、実測値524。
(例A7)
本例では、2−(3−チエタニルチオ−1、3−ジチアスティボラン(下記式(25)に示す化合物)を合成した。
Figure 2008102545
トリス(メルカプトチエタニル)アンチモン2.2g(0.005モル)と1,2−エタンジチオール0.5g(0.005モル)を混合し、室温で撹拌した。クロロホルム20gを装入した後に生成した不溶物をろ過して除去し、濾液を濃縮した後にメタノールで洗浄を繰り返して副生した3−メルカプトチエタンを除去した。未反応のトリス(メルカプトチエタニル)アンチモンとの混合物として目的の2−チエタニルチオ−1、3−ジチアスティボランを含む無色オイルを3.0g得た。
以下に、得られた化合物の同定データを示す。
1H−NMR(溶媒:DMSO−d6、内部標準物質:TMS):δ3.17(4H)、3.36(4H)、4.72(1H)。
FDMS:m/e計算値C594Sb(M+)318、実測値318。
(例A8)
本例では、2,2,2−トリス(チエタニルチオ)−1,3−ジチアスティボラン(下記式(26)に示す化合物)を合成した。
ペンタ(メルカプトチエタニル)アンチモン6.5g(0.01モル)と1,2−エタンジチオール0.9g(0.01モル)を混合し、室温で撹拌した。続けてメタノールで洗浄を繰り返して副生した3−メルカプトチエタンを除去した。残った黄色オイルを減圧乾燥して目的の2,2,2−トリス(チエタニルチオ)−1,3−ジチアスティボランを4.5g得た。
Figure 2008102545
以下に、得られた化合物の同定データを示す。
1H−NMR(溶媒:DMSO−d6、内部標準物質:TMS):3.40(16H)、δ4.80(3H)。
IR(ユニバーサルATR法):2924、1443、1408、1232、1161、921,833、780cm-1
(例A9)
本例では、テトラキス(チエタニルチオ)ジルコニウム(下記式(27)に示す化合物)を合成した。
テトラキスジメチルアミドジルコニウム2.7g(0.01モル)を脱水テトラヒドロフラン50gに溶解し、窒素下で撹拌しながら10℃まで冷却した。3−メルカプトチエタン6.0g(0.06モル)を30分かけて滴下装入し、室温に戻して5時間撹拌を続けた。析出した不溶物をろ過して除去し、溶媒を留去して、3−メルカプトチエタンとの混合物として目的のテトラキス(チエタニルチオ)ジルコニウムを含む黄色オイルを8.3g得た。
Figure 2008102545
以下に、得られた化合物の同定データを示す。
1H−NMR(溶媒:CDCl3、内部標準物質:TMS):δ3.30(8H)、3.42(8H)、4.39(4H)。
IR(ユニバーサルATR法):1448、1251、1166、950、640cm-1
FDMS:m/e計算値C12208Zr(M+)510、実測値509。
(例A10)
本例では、テトラキス(チエタニルオキシ)チタン(下記式(28)に示す化合物)を合成した。
参考製造例1で製造した3−チエタノール4.05g(0.045モル)をテトラヒドロフラン5mlに溶解後、テトラキス(ジメチルアミノ)チタン2.00g(0.009モル)のテトラヒドロフラン溶液(10ml)を滴下し、室温で12時間反応した。反応混合物をヘキサンに装入して析出した固体をろ集、乾燥して下記式(28)に示す化合物2.3g(収率64%)を得た。
Figure 2008102545
以下に、得られた化合物の同定データを示す。
1H−NMR(溶媒:DMSO−d6、内部標準物質:TMS):δ3.13(8H),3.23(8H),4.64(4H)。
IR(ユニバーサルATR法):1447,1328,1195,1162,1061,667cm-1
元素分析:計算値C:35.6%、H:5.0%、S:31.7%、Ti:11.8%。
実測値C:33.0%、H:5.7%、S:30.0%、Ti:11.0%。
(例A11)
本例では、テトラキス(チエタニルオキシ)ジルコニウム(下記式(29)に示す化合物)を合成した。
テトラキスジメチルアミドジルコニウム2.7g(0.01モル)を脱水テトラヒドロフラン25gに溶解し、窒素下で撹拌しながら10℃まで冷却した。3−ヒドロキシチエタン5.6g(0.08モル)を30分かけて滴下装入し、室温に戻して3時間撹拌を続けた。析出した不溶物をろ過して除去し、溶媒を留去して、3−ヒドロキシチエタンとの混合物として目的のテトラキス(チエタニルオキシ)ジルコニウムを含む薄黄色オイルを6.7g得た。
Figure 2008102545
以下に、得られた化合物の同定データを示す。
1H−NMR(溶媒:CDCl3、内部標準物質:TMS):δ3.13(8H)、3.24(8H)、5.03(4H)。
(例A12)
本例では、ペンタキス(チエタニルチオ)タンタル(下記式(32)に示す化合物)を合成した。
3−メルカプトチエタン2.4g(0.02モル)と参考製造例3で作成した3−メルカプトチエタンナトリウム塩6.4g(0.05モル)を脱水テトラヒドロフラン50g中で混合し、窒素下で撹拌しながら10℃まで冷却した。塩化タンタル3.6g(0.01モル)を脱水テトラヒドロフラン50gに溶解した溶液を30分間かけて滴下装入し、室温に戻して5時間撹拌を続けた。析出した不溶物をろ過して除去し、溶媒を留去して、3−メルカプトチエタンとの混合物として目的のペンタキス(チエタニルチオ)タンタルを含む無色オイルを5.1g得た。
Figure 2008102545
以下に、得られた化合物の同定データを示す。
1H−NMR(溶媒:CDCl3、内部標準物質:TMS);δ3.42(20H)、4.37(5H)。
(例A13)
本例ではテトラキス(3−チエタニルチオ)スズ(下記式(12)に示す化合物)を合成した。
参考製造例1で製造した3−メルカプトチエタン11.2g(0.11モル)を純水50g中に装入し、続いて、10%水酸化ナトリウム水溶液41.2g(0.10モル)を室温下、40分かけて滴下装入した。続いて、反応液を30℃まで昇温し、10%四塩化スズの水溶液65.2g(四塩化スズ0.025モルに相当)を同温度で4時間かけて滴下装入した。滴下終了後、同温度でさらに2時間攪拌した。この反応混合物にクロロホルム100mlを加え、有機層と水層に分液した。有機層を100mlの純水で2回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。この抽出物から溶媒を留去して、下記式(12)に示される化合物13.4g(収率99%)を得た。
Figure 2008102545
(例A14)
本例では、下記(A14−1)〜(A14−4)の手順で(3−チエタニルチオ)ビス[2−(3−チエタニルチオ)エチルチオ]アンチモン(III)(下記式(33)に示す化合物)を合成した。
Figure 2008102545
(A14−1) 2−(3−チエタニルチオ)エタノールの合成
Figure 2008102545
3−メルカプトチエタン(84.7g)のメタノール(400ml)溶液に、冷却下(5℃)28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液(152g)を装入した。次に2−ブロモエタノール(98.6g)を滴下装入し、さらに5時間反応した。反応混合物を減圧濃縮して溶媒(メタノール)を除去した後、酢酸エチルと水で分配した。有機層を水洗後に硫酸マグネシウムを加えて乾燥した。ろ過後減圧濃縮して、油状の目的物(100g)を得た。
以下に、得られた化合物の同定データを示す。
1H−NMR(溶媒:CDCl、内部標準物質:TMS)δ:2.76(2H),3.26(2H),3.46(2H),3.73(2H),4.42(1H).
EI−MS:m/Z150(M+).
(A14−2) チオ酢酸2−(3−チエタニルチオ)エチルエステルの合成
Figure 2008102545
2−(3−チエタニルチオ)エタノール(21g)のジクロロメタン(130ml)溶液にトリエチルアミン(Et3N)(18g)を加えた。これを冷却下(−15℃)、メタンスルホニルクロリド(MsCl)(18g)のジクロロメタン(30ml)溶液を滴下装入し、0℃で1時間反応した。反応混合物に冷水を装入し分配後、有機層(ジクロロメタン溶液)をチオ酢酸カリウム(AcSK)(21g)のメタノール(200ml)溶液へ冷却下(5℃)滴下装入し、10時間反応を行った。反応混合物に酢酸エチルおよび水を装入して抽出を行い、有機層を水洗、硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後減圧濃縮して、油状の目的物(27g)を得た。
以下に、得られた化合物の同定データを示す。
1H−NMR(溶媒:CDCl、内部標準物質:TMS)δ:2.36(3H),2.70(2H),3.03(2H),3.28(2H),3.46(2H),4.48(1H).
IR(ユニバーサルATR法):2933,1685,1417,1352,1130,1101,953,620cm-1
EI−MS:m/Z208(M+).
(A14−3) 2−(3−チエタニルチオ)エタンチオールの合成
Figure 2008102545
水酸化ナトリウム(1.6g)をメタノール(35ml)に溶解し、5℃まで冷却した。これにチオ酢酸2−(3−チエタニルチオ)エチルエステル(7g)のテトラヒドロフラン(10ml)溶液を滴下装入し、さらに1時間反応を行った。反応混合物を一旦減圧濃縮後に、ジクロロメタンと水を加え、さらに1規定塩酸を加えて中和を行った。分配後に有機層を水洗、硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後減圧濃縮して、油状の目的物(5.6g)を得た。
以下に、得られた化合物の同定データを示す。
1H−NMR(溶媒:CDCl、内部標準物質:TMS)δ:1.72(1H)、2.72(2H),2.80(2H),3.25(2H),3.46(2H),4.41(1H).
IR(ユニバーサルATR法):2932,2540,1426,1250,1210,1168,951,697,650cm-1
EI−MS:m/Z166(M+).
(A14−4) (3−チエタニルチオ)ビス[2−(3−チエタニルチオ)エチルチオ]アンチモン(III)の合成
Figure 2008102545
2−(3−チエタニルチオ)エタンチオール(2g)のジクロロメタン(10ml)溶液に、氷冷下トリス(3−チエタニルチオ)アンチモン(III)(例A1と同様の方法で製造した化合物;2g)を添加して1時間反応を行った。得られた溶液を一旦減圧濃縮してジクロロメタンを留去したのち、ヘキサン(10ml)を加え攪拌、デカント分離操作を4回繰り返して行い、さらに減圧乾燥し溶媒を留去して、黄色油状の目的物(2.7g)を得た。
以下に、得られた化合物の同定データを示す。
1H−NMR(溶媒:CDCl、内部標準物質:TMS)δ:2.90(4H),3.18(4H),3.29(4H),3.50(8H),4.45(2H),4.75(1H).
IR(ユニバーサルATR法):2928,1420,1247,1165,948,642cm-1
FD−MS:m/Z451[(M−C+],393[(M−C593+].
(例A15)
本例では、トリス[2−(3−チエタニルチオ)エチルチオ]アンチモン(III)(下記式(34)に示す化合物)を合成した。
Figure 2008102545
Figure 2008102545
チオ酢酸2−(3−チエタニルチオ)エチルエステル(26.6g;例A14と同様の方法で製造)をテトラヒドロフラン(140ml)およびメタノール(70ml)に溶解した。氷冷下28%ナトリウムメトキシド(NaOMe)メタノール(MeOH)溶液(24.6g)を滴下装入し、12時間反応を行った。減圧下濃縮により一旦溶媒(テトラヒドロフランおよびメタノール)を留去した後、水(190g)を加えた。これに氷冷下塩化アンチモン(SbCl3;9.9g)のエタノール(30g)溶液を滴下装入し、さらに4時間反応を行った。デカントで上精(排水)を除いた後、クロロホルム(500ml)に溶解し、さらに水洗を行った。クロロホルム抽出液をろ過して不溶物を除去した後、減圧濃縮を行って黄色油状の目的物(20.3g)を得た。
以下に、得られた化合物の同定データを示す。
1H−NMR(溶媒:CDCl、内部標準物質:TMS)δ:2.90(6H),3.18(6H),3.29(6H),3.49(6H),4.47(3H).
IR(ユニバーサルATR法):2930,1417,1168,950,690,648.
FD−MS:m/Z618(M+).
(例A16)
本例では、2−(3−チエタニルチオ)−1,3−ジチアスティボラン(下記式(25)に示す化合物)を合成した。
Figure 2008102545
Figure 2008102545
トリス(3−チエタニルチオ)アンチモン(III)(30g;例A1と同様の方法で製造)のクロロホルム(420g)溶液に、氷冷下1,2−エタンジチオール(6.5g)を滴下装入し、さらに1時間反応を行った。減圧下濃縮により溶媒(クロロホルム)を留去した後、メタノール(200ml)を加え攪拌、デカントした。再びメタノール(100ml)を加えて氷冷下攪拌を行い、析出した固体をろ取、減圧乾燥して目的物(22g)を得た。
以下に、得られた化合物の同定データを示す。
1H−NMR(溶媒:CDCl、内部標準物質:TMS)δ:3.25(2H),3.56(4H),3.74(2H),4.46(1H).
FT−IR(ユニバーサルATR法):2927,2897,1407,1257,1154,944,917,835,785,639cm-1
FD−MS:m/Z320(M+).
(例A17)
本例では、トリス(3−チエタニルオキシ)アンチモン(III)(下記式(35)に示す化合物)を合成した。
Figure 2008102545
三塩化アンチモン11.6g(0.05モル)をテトラヒドロフラン50gに溶解した溶液にトリエチルアミン15.4g(0.15モル)を加えて攪拌、分散させた。この溶液に3−チエタノール16.8g(0.17モル)を1時間かけて滴下装入した後に攪拌しながら3時間熟成をおこなった。析出したトリエチルアミン塩酸塩をろ過で除去し、溶媒のテトラヒドロフランを減圧留去して目的の上記式(35)に示す化合物64重量%と3−チエタノール36重量%の混合物であるオイルを21.8g得た。
以下に、得られた化合物の同定データを示す。
1H−NMR(溶媒:ピリジン−d5)δ:3.28(6H),3.58(6H),5.48(3H).
13H−NMR(溶媒:ピリジン−d5)δ:42,69
IR(ユニバーサルATR法):1445,1194,1156,1040,890,726,601cm-1
(重合性組成物の調製とその重合による樹脂硬化物の製造)
以下の例では、以上の例で製造したチエタン化合物を用いて重合性組成物を調製し、これを重合することにより硬化させて樹脂を得た。
得られた樹脂または光学部品(レンズ)の物性評価を下記の方法により行った。
外観:目視により透明性を確認した。
屈折率:プルフリッヒ屈折計を用いて20℃で測定した。
また、後述する例B1〜例B29において製造した樹脂の光学物性(屈折率、アッベ数)、耐熱性、色相、機械物性は以下の試験方法により評価した。
屈折率(ne),アッベ数(νe):プルフリッヒ屈折計を用い20℃で測定した。
耐熱性:TMAペネトレーション法(50g荷重、ピン先0.5mmφ、昇温速度10℃/min)で測定した測定チャートの変曲点の変形開始温度を「落ち込み開始温度」とし、変形前後の接線の交点をTg(℃)とした。
色相:ミノルタ社製の色彩色差計(CR−200)を用いて樹脂の黄色度(YI)を測定した。YI値は、厚さ5mmの平板を作成して測定した。
3点曲げ試験:SHIMADZU社製オートグラフAGS−Jにより測定した。厚さ3mm、幅25mm、長さ約70mmの樹脂平板を支点間距離34mmの支持台上に設置して上部から1.2mm/minの速度で荷重を掛けて、樹脂が破断した時の応力および変位を最大点応力および最大点変位として試験値とした。
静圧荷重試験:SHIMADZU社製オートグラフAGS−Jにより測定した。中心厚1.0mm、直径約80mmのレンズ形状の樹脂に、100Nまでは100mm/minの速度で荷重を掛けて、100N以降は2.0mm/minの速度で荷重を掛けた。樹脂が破断した時の荷重(N)を試験値とした。
(例B1)
室温(25℃)下、ガラスビーカーに例A5で製造した化合物0.20gを秤取し、続けて3−メルカプトチエタン0.52g、例A13で製造した化合物1.25gを秤取した。重合触媒を加えずに60℃に加熱して溶解させて、重合性組成物を得た。ガラスモールドとテープよりなるモールド中へ該重合性組成物を注入した後、加熱オーブン中へ入れ70℃で2時間、80℃で20時間、90℃で2時間、100℃で4日間重合を行った。
透明な樹脂成型片が得られ、屈折率を測定したところ、屈折率ne=1.767であった。
(例B2)
室温(25℃)下、ガラスビーカーに例A1で製造した化合物5gを秤取し、これを重合触媒を加えずに75℃に加熱して溶解させた。そして3.9kPa以下の減圧下に発泡が認められなくなるまで十分脱気して重合性組成物を得た。
続いて、ガラスモールドとテープよりなるモールド中へ得られた重合性化合物を注入した後、加熱オーブン中へ入れ100℃で60時間重合を行った。
得られた樹脂の成型片は透明性良好であり、歪みのない外観良好なものであった。
また、得られた樹脂の屈折率を測定したところ、屈折率ne=1.853であった。
(例B3)
室温(25℃)下、ガラスビーカーに例A1で製造した化合物7.2gを秤取し、続けてチオール化合物として参考製造例1で製造した3−メルカプトチエタン0.8gを秤取し加えた。これを重合触媒を加えずに70℃に加熱して溶解させた。そして3.9kPa以下の減圧下に発泡が認められなくなるまで十分脱気した後、テフロン(登録商標)製フィルターでろ過し、重合性組成物を得た。
続いて、ガラスモールドとテープよりなるモールド中へ得られた重合性化合物を注入した後、加熱オーブン中へ入れ100℃で23時間重合を行った。
得られた樹脂の成型片は透明性良好であり、歪みのない外観良好なものであった。
また、得られた樹脂の屈折率を測定したところ、屈折率ne=1.834であった。
(例B4)
室温(25℃)下、ガラスビーカーに例A1で製造した化合物6.90gを秤取し、続けてチオール化合物として1,2−エタンジチオール0.77gを秤取し加えた。これを、重合触媒を加えずに70℃に加熱して溶解させた。これをテフロン(登録商標)製フィルターでろ過した後、3.9kPa以下の減圧下に発泡が認められなくなるまで十分脱気し、重合性組成物を得た。
続いて、ガラスモールドとテープよりなるモールド中へ得られた重合性化合物を注入した後、加熱オーブン中へ入れ24時間重合を行った。重合中、オーブン内を90℃から120℃まで多段階で昇温した。
得られた樹脂の成型片は透明性良好であり、歪みのない外観良好なものであった。
また、得られた樹脂の屈折率を測定したところ、屈折率ne=1.838であった。
(例B5)
例A6で製造したトリス(チエタニルチオ)ビスマス75重量部、チオール化合物として3−メルカプトチエタン25重量部を、85℃にて加熱混合溶解させた後、3.9kPa以下の減圧下に発泡が認められなくなるまで十分脱気した。続いて、ガラスモールドとテープよりなるモールド中へ、脱気後の重合性組成物を注入した後、加熱オーブン中へ入れて70℃で46時間重合を行った。
得られた樹脂の成型片は透明性良好であり、歪みのない外観良好なものであった。
また、得られた樹脂の屈折率を測定したところ、屈折率ne=1.855であった。
(例B6)
例A7で製造した2−チエタニルチオ−1、3−ジチアスティボラン37重量部、トリス(3−チエタニルチオ)アンチモン60重量部、3−メルカプトチエタン3重量部の混合物を60℃にて加熱混合溶解させた後、3.9kPa以下の減圧下に発泡が認められなくなるまで十分脱気した。続いて、ガラスモールドとテープよりなるモールド中へ、脱気後の重合性組成物を注入した後、加熱オーブン中へ入れて100℃で48時間重合を行った。
得られた樹脂の成型片は透明性良好であり、歪みのない外観良好なものであった。
また、得られた樹脂の屈折率を測定したところ、屈折率ne=1.870であった。
(例B7)
例A8で製造した上記式(26)に示す化合物を75℃にて加熱混合溶解させた後、3.9kPa以下の減圧下に発泡が認められなくなるまで十分脱気した。続いて、ガラスモールドとテープよりなるモールド中へ、脱気後の重合性組成物を注入した後、加熱オーブン中へ入れて100℃で48時間重合を行った。
得られた樹脂の成型片は透明性良好であり、歪みのない外観良好なものであった。
また、得られた樹脂の屈折率を測定したところ、屈折率ne=1.865であった。
(例B8)
室温(25℃)下、ガラスビーカーに例A10で製造した化合物0.33gを秤取し、続けて3−メルカプトチエタン0.52g、例A13で製造した化合物1.25gを秤取した。重合触媒を加えずに60℃に加熱して溶解させて、重合性組成物を得た。ガラスモールドとテープよりなるモールド中へ該重合性組成物を注入した後、加熱オーブン中へ入れ70℃で6時間、80℃で8時間、100℃で5時間、110℃で5時間重合を行った。
透明な樹脂成型片が得られ、屈折率を測定したところ、屈折率ne=1.758であった。
(例B9)
例A11で製造したテトラキス(チエタニルオキシ)ジルコニウム31重量部、3−チエタノール69重量部の混合物を60℃にて加熱溶解させた後、3.9kPa以下の減圧下に発泡が認められなくなるまで十分脱気した。続いて、ガラスモールドとテープよりなるモールド中へ、脱気後の重合性組成物を注入した後、加熱オーブン中へ入れて130℃で48時間重合を行った。
得られた樹脂の成型片は透明性良好であり、歪みのない外観良好なものであった。
また、得られた樹脂の屈折率を測定したところ、屈折率ne=1.658であった。
(例B10)
室温(25℃)下、ガラスビーカーに例A4で製造した化合物1.2gを秤取し、続けてチオール化合物として参考製造例1で製造した3−メルカプトチエタン0.8gを秤取し加えた。これを、重合触媒を加えずに70℃に加熱して溶解させた。そして、これをテフロン(登録商標)製フィルターでろ過した後、3.9kPa以下の減圧下に発泡が認められなくなるまで十分脱気し、重合性組成物を得た。
続いて、ガラスモールドとテープよりなるモールド中へ得られた重合性化合物を注入した後、加熱オーブン中へ入れ1週間重合を行った。重合中、オーブン内を80℃から130℃まで多段階で昇温した。
得られた樹脂の成型片は透明性良好であり、歪みのない外観良好なものであった。
また、得られた樹脂の屈折率を測定したところ、屈折率ne=1.769であった。
(例B11)
ガラスビーカーに例A14で製造した化合物((3−チエタニルチオ)ビス[2−(3−チエタニルチオ)エチルチオ]アンチモン(III))0.50gを秤取し、続けて3−メルカプトチエタン0.50g、例A13で製造した化合物(テトラキス(3−チエタニルチオ)スズ)2.00gを秤取した。60℃に加熱して溶解後、3.9kPa以下の減圧下に発泡が認められなくなるまで十分脱気して重合性組成物を得た。ガラスモールドとテープよりなるモールド中へ該重合性組成物を注入した後、加熱オーブン中へ入れ80℃で12時間、100℃で12時間、120℃で8時間重合を行った。
透明な樹脂成型片が得られ、屈折率を測定したところ、屈折率ne=1.777であった。
(例B12)
ガラスビーカーに例A15で製造した化合物(トリス[2−(3−チエタニルチオ)エチルチオ]アンチモン(III))1.09gを秤取し、続けて3−メルカプトチエタン0.51g、例A13で製造した化合物(テトラキス(3−チエタニルチオ)スズ)2.01gを秤取した。60℃に加熱して溶解後、3.9kPa以下の減圧下に発泡が認められなくなるまで十分脱気して重合性組成物を得た。ガラスモールドとテープよりなるモールド中へ該重合性組成物を注入した後、加熱オーブン中へ入れ80℃で12時間、100℃で12時間、120℃で24時間、130℃で9時間重合を行った。
透明な樹脂成型片が得られ、屈折率を測定したところ、屈折率ne=1.772であった。
(例B13)
ガラスビーカーに例A16で製造した化合物(2−(3−チエタニルチオ)−1,3−ジチアスティボラン)12.0gを秤取し、続けて3塩化アンチモン0.17gを秤取した。70℃に加熱して溶解後、3.9kPa以下の減圧下に発泡が認められなくなるまで十分脱気して重合性組成物を得た。ガラスモールドとテープよりなるモールド中へ該重合性組成物を注入した後、加熱オーブン中へ入れ100℃で12時間、120℃で10時間、130℃で10時間重合を行った。
透明な樹脂成型片が得られ、屈折率を測定したところ、屈折率ne=1.916であった。
(例B14)
ガラスビーカーに例A17で製造した混合物2.40gと例A13で製造した化合物(テトラキス(3−チエタニルチオ)スズ)1.60gを秤取した。これらを70℃に加熱して均一になるまで撹拌、溶解し、重合性組成物を得た。ガラスモールドとテープよりなるモールド中へ該重合性組成物を注入した。加熱オーブン中へ入れ60℃から110℃まで段階的に温度を上げながら20時間重合を行った。
透明な樹脂成型片が得られ、屈折率を測定したところ、屈折率ne=1.720であった。
(例B15)
3−メルカプトチエタン(5.4g)および水(5.4g)の混合液に、10℃にて30%水酸化ナトリウム水溶液(6.7g)を滴下装入した。次に、オキシ塩化アンチモン(8.7g)を装入して12時間反応をおこなった。析出した薄黄色固体をろ取して、水洗さらにメタノール(50g)で洗浄後、減圧乾燥して薄黄色固体(9.7g)を得た。
ガラスビーカーに3−メルカプトチエタン1.08gを秤量し、上記薄黄色固体0.40gを秤取した。これらを70℃に加熱して溶解後、例A13で製造した化合物(テトラキス(3−チエタニルチオ)スズ)2.52gを装入した。均一になるまで撹拌、溶解し、重合性組成物を得た。ガラスモールドとテープよりなるモールド中へ該重合性組成物を注入した。加熱オーブン中へ入れ60℃で12時間、70℃から100℃まで段階的に温度を上げながら5時間重合を行った。
透明な樹脂成型片が得られ、屈折率を測定したところ、屈折率ne=1.788であった。
(例B16)
3−メルカプトチエタン(5.4g)および水(5.4g)の混合液に、30%水酸化ナトリウム水溶液(6.7g)を滴下装入し、続けてオキシ塩化ビスマス(13.0g)を装入して6時間反応をおこなった。析出した薄緑色固体をろ取して、水洗、次にメタノール(50g)で洗浄後、減圧乾燥して薄緑色固体(15.5g)を得た。
ガラスビーカーに3−メルカプトチエタン1.14gを秤量し、上記薄緑色固体0.20gを秤取した。60℃に加熱して溶解後、例A13で製造した化合物(テトラキス(3−チエタニルチオ)スズ)2.66gを装入した。均一になるまで撹拌、溶解し、重合性組成物を得た。ガラスモールドとテープよりなるモールド中へ該重合性組成物を注入した。加熱オーブン中へ入れ55℃で18時間、65℃から100℃まで段階的に温度を上げながら3時間重合を行った。
透明な樹脂成型片が得られ、屈折率を測定したところ、屈折率ne=1.778であった。
(例B17)
例A1で製造した化合物(トリス(3−チエタニルチオ)アンチモン)28重量部、例A13で製造した化合物(テトラキス(3−チエタニルチオ)スズ)60重量部、3−メルカプトチエタン12重量部を75℃にて加熱混合溶解させた後、3.9kPa以下の減圧下に発泡が認められなくなるまで十分脱気させ、重合性組成物を得た。続いて、ガラスモールドとテープよりなるモールド中へ該重合性組成物を注入した後、加熱オーブン中へ入れ60〜150℃まで徐々に昇温し16時間重合を行った。
得られた樹脂の成型片は透明性良好であり、歪みのない外観良好なものであった。樹脂物性評価結果を表1に示す。
(例B18)
例A1で製造した化合物40重量部、例A13で製造した化合物50重量部、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド4.3重量部、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2,2,1]−ヘプタン5.7重量部を75℃にて加熱混合溶解させた後、3.9kPa以下の減圧下に発泡が認められなくなるまで十分脱気させ、重合性組成物を得た。続いて、ガラスモールドとテープよりなるモールド中へ該重合性組成物を注入した後、加熱オーブン中へ入れ70〜120℃まで徐々に昇温し22時間重合を行った。
得られた樹脂の成型片は透明性良好であり、歪みのない外観良好なものであった。樹脂物性評価結果を表1に示す。
(例B19)
3−メルカプトチエタン1.8重量部、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2,2,1]−ヘプタン3.6重量部、ジ−n−ブチルスズジクロリド0.005重量部を60℃で6時間反応させた後、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド4.6重量部、ジ−n−ブチルスズジクロリド0.004重量部を添加してさらに60℃で6時間反応させた。得られたチオウレタンプレポリマーのNCO転化率は98.6%であった。これに例A1で製造した化合物40重量部、例A13で製造した化合物50重量部を添加して75℃にて加熱混合溶解させた後、3.9kPa以下の減圧下に発泡が認められなくなるまで十分脱気させ、重合性組成物を得た。続いて、ガラスモールドとテープよりなるモールド中へ該重合性組成物を注入した後、加熱オーブン中へ入れ70〜120℃まで徐々に昇温し22時間重合を行った。
得られた樹脂の成型片は透明性良好であり、歪みのない外観良好なものであった。樹脂物性評価結果を表1に示す。
(例B20)
例A1で製造した化合物45.7重量部、例A13で製造した化合物38.2重量部、3−メルカプトチエタン5.1重量部を75℃にて加熱混合溶解させた後、3.9kPa以下の減圧下で脱気させた後、40℃まで冷却した。続いて、特開平10−130250号公報に記載の1,8−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)−4−(2,3−エポキシプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタンを主成分とする化合物11重量部を添加し、50℃、3.9kPa以下の減圧下で脱気させ、重合性組成物を得た。ガラスモールドとテープよりなるモールド中へ該重合性組成物を注入した後、加熱オーブン中へ入れ50〜130℃まで徐々に昇温し78時間重合を行った。
得られた樹脂の成型片は透明性良好であり、歪みのない外観良好なものであった。樹脂物性評価結果を表1に示す。
(例B21)
例A1で製造した化合物39.7重量部、例A13で製造した化合物46.5重量部、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン4.8重量部を75℃にて加熱混合溶解させた後、3.9kPa以下の減圧下で脱気させた後、40℃まで冷却した。続いて、特開平10−130250号公報に記載の1,8−ビス(2,3−エポキシプロピルチオ)−4−(2,3−エポキシプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタンを主成分とする化合物9重量部を添加し、50℃、3.9kPa以下の減圧下で脱気させ、重合性組成物を得た。ガラスモールドとテープよりなるモールド中へ該重合性組成物を注入した後、加熱オーブン中へ入れ50〜130℃まで徐々に昇温し78時間重合を行った。
得られた樹脂の成型片は透明性良好であり、歪みのない外観良好なものであった。樹脂物性評価結果を表1に示す。
(例B22)
例A1で製造した化合物62.2重量部、例A13で製造した化合物17.7重量部、3−メルカプトチエタン9.1重量部、ビス(2,3−エポキシプロピル)ジスルフィド11重量部を70℃にて加熱混合溶解させた後、3.9kPa以下の減圧下に発泡が認められなくなるまで十分脱気させ、重合性組成物を得た。続いて、ガラスモールドとテープよりなるモールド中へ該重合性組成物を注入した後、加熱オーブン中へ入れ60〜110℃まで徐々に昇温し67時間重合を行った。
得られた樹脂の成型片は透明性良好であり、歪みのない外観良好なものであった。樹脂物性評価結果を表1に示す。
(例B23)
例A1で製造した化合物58.4重量部、例A13で製造した化合物23.6重量部、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン7重量部、ビス(2,3−エポキシプロピル)ジスルフィド11重量部を70℃にて加熱混合溶解させた後、3.9kPa以下の減圧下に発泡が認められなくなるまで十分脱気させ、重合性組成物を得た。続いて、ガラスモールドとテープよりなるモールド中へ該重合性組成物を注入した後、加熱オーブン中へ入れ20〜110℃まで徐々に昇温し70時間重合を行った。
得られた樹脂の成型片は透明性良好であり、歪みのない外観良好なものであった。樹脂物性評価結果を表1に示す。
(例B24)
例A1で製造した化合物42.8重量部、例A13で製造した化合物26.9重量部、3−メルカプトチエタン8.3重量部、ビス(2,3−エピチオプロピル)ジスルフィド22重量部を65℃にて加熱混合溶解させた後、3.9kPa以下の減圧下に発泡が認められなくなるまで十分脱気させ、重合性組成物を得た。続いて、ガラスモールドとテープよりなるモールド中へ該重合性組成物を注入した後、加熱オーブン中へ入れ50〜130℃まで徐々に昇温し80時間重合を行った。
得られた樹脂の成型片は透明性良好であり、歪みのない外観良好なものであった。樹脂物性評価結果を表1に示す。
(例B25)
例A1で製造した化合物29.2重量部、例A13で製造した化合物51.4重量部、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン7.4重量部、ビス(2,3−エピチオプロピル)ジスルフィド12重量部を75℃にて加熱混合溶解させた後、3.9kPa以下の減圧下に発泡が認められなくなるまで十分脱気させ、重合性組成物を得た。続いて、ガラスモールドとテープよりなるモールド中へ該重合性組成物を注入した後、加熱オーブン中へ入れ50〜130℃まで徐々に昇温し104時間重合を行った。
得られた樹脂の成型片は透明性良好であり、歪みのない外観良好なものであった。樹脂物性評価結果を表1に示す。
Figure 2008102545
(例B26)
例A1で製造した化合物42.8重量部、例A13で製造した化合物26.9重量部、3−メルカプトチエタン8.3重量部、ビス(2,3−エピチオプロピル)ジスルフィド22重量部およびアデカ社製ヒンダードアミン(製品名:アデカスタブLA−63P)0.5重量部を75℃にて加熱混合溶解させた後、3.9kPa以下の減圧下に発泡が認められなくなるまで十分脱気させ、重合性組成物を得た。続いて、ガラスモールドとテープよりなるモールド中へ該重合性組成物を注入した後、加熱オーブン中へ入れ50〜130℃まで徐々に昇温し42時間重合を行った。
得られた樹脂の成型片は透明性良好であり、歪みのない外観良好なものであった。樹脂物性評価結果を表2に示す。
(例B27)
例A1で製造した化合物42.8重量部、例A13で製造した化合物26.9重量部、3−メルカプトチエタン8.3重量部、ビス(2,3−エピチオプロピル)ジスルフィド22重量部を75℃にて加熱混合溶解させた後、3.9kPa以下の減圧下に発泡が認められなくなるまで十分脱気させ、重合性組成物を得た。続いて、ガラスモールドとテープよりなるモールド中へ該重合性組成物を注入した後、加熱オーブン中へ入れ50〜130℃まで徐々に昇温し42時間重合を行った。
得られた樹脂の成型片は透明性良好であり、歪みのない外観良好なものであった。樹脂物性評価結果を表2に示す。
Figure 2008102545
(例B28)
例A13で製造した化合物60重量部、例A1で製造した化合物28重量部、1,3−ビス(3−チエタニルチオ)−2−プロパノール(参考製造例4で製造した化合物)12重量部を75℃にて加熱混合溶解させた後、3.9kPa以下の減圧下で脱気させた後、75℃、3.9kPa以下の減圧下で脱気させ、重合性組成物を得た。ガラスモールドとテープよりなるモールド中へ該重合性組成物を注入した後、加熱オーブン中へ入れ70〜130℃まで徐々に昇温し86時間重合を行った。
得られた樹脂の成型片は透明性良好であり、歪みのない外観良好なものであった。樹脂物性評価結果を以下に示す。
屈折率ne:1.797
アッベ数νe:24.4
Tg:149.9℃
落ち込み開始温度:138.7℃
3点曲げ最大点応力:101.7N/mm
3点曲げ最大点変位:1.37mm
また、例B26で得られた樹脂は、例B27で得られた樹脂に比べてYI値が8.5小さかった(ΔYI(例B27のYIに対する例B26のYI)=−8.5)。
(例B29)
例A13で製造した化合物45重量部、例A1で製造した化合物40重量部、1,3−ビス(3−チエタニルチオ)−2−プロパノール15重量部を75℃にて加熱混合溶解させた後、3.9kPa以下の減圧下で脱気させた後、75℃、3.9kPa以下の減圧下で脱気させた。ガラスモールドとテープよりなるモールド中へ該重合性組成物を注入した後、加熱オーブン中へ入れ70〜130℃まで徐々に昇温し86時間重合を行った。
得られた樹脂の成型片は透明性良好であり、歪みのない外観良好なものであった。樹脂物性評価結果を以下に示す。
屈折率ne:1.798
アッベ数νe:24.2
Tg:133.9℃
落ち込み開始温度:119.6℃
3点曲げ最大点応力:122.8N/mm
3点曲げ最大点変位:1.86mm

Claims (40)

  1. 下記一般式(120)に示される金属チエタン化合物。
    Figure 2008102545
    (上記一般式(120)中、Mは、Bi、Sb、Ti、ZrおよびTaからなる群から選択される一種の金属原子である。X1およびX2は各々独立に硫黄原子または酸素原子である。R1は2価の有機基である。
    点線と実線で表されたM−Tの間の結合は、単結合または二重結合を表す。点線と実線で表されたM−Tの間の結合が単結合の場合、Tは1価の無機または有機基であり、qは0または1以上n−2以下の整数であり、rは1または2である。点線と実線で表されたM−Tの間の結合が二重結合の場合、Tは酸素原子または硫黄原子であり、q=1、r=1である。
    mは0または1以上の整数である。
    nはMの価数であり、pは1以上n以下の整数である。
    r=1のとき、q=0であり、Yは1価の無機または有機基である。r=1かつn−p−qが2以上の場合、複数のYは、各々独立に1価の無機または有機基である。r=1かつn−p−qが2以上の場合、複数のYが互いに結合し、Mを含む環を形成していてもよい。
    r=2のとき、n−p−q=1または2であり、Yは2価の基である。r=2かつn−p−q=2の場合、2つのYが、2つのMとともに環を形成していてもよい。r=2かつq=2の場合、複数のTは、各々独立に無機または有機基である。)
  2. 下記一般式(110)に示される金属チエタン化合物。
    Figure 2008102545
    (上記一般式(110)中、MはBi、Sb、Ti、ZrおよびTaからなる群から選択される一種の金属原子である。X1およびX2は各々独立に硫黄原子または酸素原子である。R1は2価の有機基である。
    mは0または1以上の整数である。
    nはMの価数であり、pは1以上n以下の整数である。
    qは0または1以上n−2以下の整数である。
    Yは1価または2価の基であり、Tは無機または有機基である。
    rは1または2である。
    r=1のとき、q=0であり、Yは1価の無機または有機基である。r=1かつn−p−qが2以上の場合、複数のYは、各々独立に1価の無機または有機基である。r=1かつn−p−qが2以上の場合、複数のYが互いに結合し、金属原子Mを含む環を形成していてもよい。
    r=2のとき、n−p−q=1または2であり、Yは2価の基である。r=2かつn−p−q=2の場合、2つのYが、2つの金属原子Mとともに環を形成していてもよい。r=2かつq=2の場合、複数のTは、各々独立に無機または有機基である。)
  3. 下記一般式(100)に示される金属チエタン化合物。
    Figure 2008102545
    (上記一般式(100)中、X1およびX2は各々独立に硫黄原子または酸素原子である。R1は2価の有機基である。
    mは0または1以上の整数である。
    nは3または5である。n=3のとき、pは1以上3以下の整数である。n=5のとき、pは1以上5以下の整数である。
    qは0または1以上n−2以下の整数である。
    Yは1価または2価の基であり、Tは無機または有機基である。
    rは1または2である。
    r=1のとき、q=0であり、Yは1価の無機または有機基である。r=1かつn−p−qが2以上の場合、複数のYは、各々独立に1価の無機または有機基である。r=1かつn−p−qが2以上の場合、複数のYが互いに結合し、Sb原子を含む環を形成していてもよい。
    r=2のとき、n−p−q=1または2であり、Yは2価の基である。r=2かつn−p−q=2の場合、2つのYが、2つのSb原子とともに環を形成していてもよい。r=2かつq=2の場合、複数のTは、各々独立に無機または有機基である。)
  4. 下記一般式(1)に示される金属チエタン化合物。
    Figure 2008102545
    (上記一般式(1)中、X1およびX2は各々独立に硫黄原子または酸素原子である。R1は2価の有機基である。
    mは0または1以上の整数である。nは3または5である。n=3のとき、pは1以上3以下の整数であり、n=5のとき、pは1以上5以下の整数である。
    Yは1価の無機または有機基である。n−pが2以上の場合、複数のYは、各々独立に1価の無機または有機基である。n−pが2以上の場合、複数のYが互いに結合し、Sb原子を含む環を形成していてもよい。)
  5. 請求項2乃至4いずれかに記載の金属チエタン化合物において、m=0である、金属チエタン化合物。
  6. 請求項2乃至5いずれかに記載の金属チエタン化合物において、X1が硫黄原子である、金属チエタン化合物。
  7. 請求項4に記載の金属チエタン化合物において、下記一般式(3)に示される、金属チエタン化合物。
    Figure 2008102545
    (上記一般式(3)において、Y、nおよびpは、それぞれ、前記一般式(1)におけるY、nおよびpと同じである。)
  8. 請求項2乃至7いずれかに記載の金属チエタン化合物において、n=p=3である、金属チエタン化合物。
  9. 請求項8に記載の金属チエタン化合物において、下記式(4)に示される、金属チエタン化合物。
    Figure 2008102545
  10. 請求項2乃至7いずれかに記載の金属チエタン化合物において、n=p=5である、金属チエタン化合物。
  11. 請求項10に記載の金属チエタン化合物において、下記式(5)に示される、金属チエタン化合物。
    Figure 2008102545
  12. 請求項2乃至11いずれかに記載の少なくとも一種の金属チエタン化合物を含む、重合性組成物。
  13. 請求項12に記載の重合性組成物において、さらに、チオール化合物、エポキシ化合物、エピチオ化合物、分子構造中に金属原子を含まない非金属チエタン化合物のうち少なくとも一つを含む、重合性組成物。
  14. 請求項13に記載の重合性組成物において、
    前記チオール化合物が、3−メルカプトチエタン、1,2−エタンジチオール、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカンおよび2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンからなる群から選択される一種以上であり、
    前記エポキシ化合物が、ビス(2,3−エポキシプロピル)ジスルフィド、エチレングリコールジグリシジルエーテル、イソシアヌル酸トリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3',4'−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートからなる群から選択される一種以上であり、
    前記エピチオ化合物が、ビス(2,3−エピチオプロピル)スルフィド、ビス(2,3−エピチオプロピル)ジスルフィドからなる群から選択される一種以上であり、
    前記非金属チエタン化合物が、ビスチエタニルジスルフィド、ビスチエタニルテトラスルフィド、ビス(チエタニルチオ)メタン、3−(((チエタニルチオ)メチルチオ)メチルチオ)チエタンからなる群から選択される一種以上である、重合性組成物。
  15. 請求項12に記載の重合性組成物において、下記式(130)に示す非金属チエタン化合物をさらに含む、重合性組成物。
    Figure 2008102545
  16. 請求項12に記載の重合性組成物において、
    前記金属チエタン化合物が、下記式(4)に示す金属チエタン化合物であって、
    Figure 2008102545
    下記式(12)に示す化合物をさらに含む、重合性組成物。
    Figure 2008102545
  17. 請求項16に記載の重合性組成物において、さらに、チオール化合物、エポキシ化合物、エピチオ化合物、分子構造中に金属原子を含まない非金属チエタン化合物のうち少なくとも一つを含む、重合性組成物。
  18. 請求項16に記載の重合性組成物において、下記式(130)で示される非金属チエタン化合物をさらに含む、重合性組成物。
    Figure 2008102545
  19. 請求項12乃至18いずれかに記載の重合性組成物において、一般式(110)に示した金属チエタン化合物を含み、重合性化合物の総重量に対する前記一般式(110)で表される化合物の含有量が、50重量%以上である、重合性組成物。
  20. 請求項12乃至19いずれかに記載の重合性組成物において、ブルーイング剤をさらに含む、重合成組成物。
  21. 請求項12乃至20いずれかに記載の重合性組成物を注型重合する工程を含む、樹脂の製造方法。
  22. 請求項12乃至20いずれかに記載の重合性組成物を重合して得られる樹脂。
  23. 請求項22に記載の樹脂からなる光学部品。
  24. 請求項12乃至20いずれかに記載の重合性組成物の光学部品としての使用。
  25. 請求項12乃至20いずれかに記載の重合性組成物を重合させた樹脂の光学部品としての使用。
  26. 下記一般式(201)に示されるチエタン化合物。
    Figure 2008102545
    (上記一般式(201)中、X1は硫黄原子または酸素原子を表す。Zは硫黄原子または酸素原子を表す。pは1以上5以下の整数を表す。qは0以上2以下の整数である。rは0以上4以下の整数を表す。p+r+2q=5または3である。
    rが2以上の整数の場合、複数のYは、各々独立に無機または有機残基を表す。また、複数のYが互いに結合し、Bi原子を含む環を形成していてもよい。)
  27. 請求項26に記載のチエタン化合物において、前記一般式(201)において、q=0である、チエタン化合物。
  28. 請求項26または27に記載のチエタン化合物において、前記一般式(201)において、p=3、q=0、r=0である、チエタン化合物。
  29. 請求項26に記載のチエタン化合物において、前記一般式(201)において、q=1であるチエタン化合物。
  30. 請求項29に記載のチエタン化合物において、前記一般式(201)において、Zが酸素原子である、チエタン化合物。
  31. 請求項26乃至30いずれかに記載のチエタン化合物において、前記一般式(201)において、X1が硫黄原子である、チエタン化合物。
  32. 請求項26乃至31いずれかに記載のチエタン化合物を含む、重合性組成物。
  33. 請求項32に記載の重合性組成物において、さらに、チオール化合物を含む、重合性組成物。
  34. 請求項33に記載の重合性組成物において、前記チオール化合物が、3−メルカプトチエタン、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカンおよび2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンからなる群から選択される一種以上である、重合性組成物。
  35. 請求項32乃至34いずれかに記載の重合性組成物において、重合性化合物の総重量に対する前記一般式(201)で表される化合物の含有量が、50重量%以上である、重合性組成物。
  36. 請求項32乃至35いずれかに記載の重合性組成物を注型重合する工程を含む、樹脂の製造方法。
  37. 請求項32乃至35いずれかに記載の重合性組成物を重合して得られる樹脂。
  38. 請求項37に記載の樹脂からなる光学部品。
  39. 請求項32乃至35いずれかに記載の重合性組成物の光学部品としての使用。
  40. 請求項32乃至35いずれかに記載の重合性組成物を重合させた樹脂の光学部品としての使用。
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