しかしながら、図44に記載の液晶表示装置では、中間調表示時に各副画素内に4つの配向領域(D1〜D4)が形成されるが、走査信号線に沿う部分では走査信号線に印加されるオフ電圧により液晶分子の配向が乱れるため、各配向領域の実質的な面積バランスが変わってしまい、上下左右方向、あるいは右下、右上、左上、左下等の各方向の視野角特性を悪化させる(視野角特性の対称性が異なる)おそれがある。この課題は、特に高精細化が進み各画素が小さくなるにつれて顕著になる。
例えば図44に記載の液晶表示装置では、明副画素については走査信号線に沿う配向乱れ部分ALにその一部が位置する2つの配向領域(D1・D2)の面積が実質的に減少し、暗副画素についても、走査信号線に沿う配向乱れ部分ABにその一部が位置する2つの配向領域(D3・D4)の面積が実質的に減少する。なお、明副画素において実質的な面積が減少する2つの配向領域の組み合わせ(D1・D2)と、暗副画素において実質的な面積が減少する2つの配向領域の組み合わせ(D3・D4)とは互いに異なっているが、明副画素と暗副画素とではV(電圧)−T(透過度)特性が異なるため、明・暗副画素それぞれにおける各配向領域の面積バランスは、1画素内では補償されない。
なお、走査信号線に沿う部分で走査信号線に印加されるゲートオフ電位によって液晶分子の配向方向が乱れる理由は、1画素を構成する2つの副画素(明・暗副画素)間に走査信号線が走るような液晶表示装置においては、共通電極の電位Vcomと上記ゲートオフ電位との電位差が、共通電極の電位Vcomと保持容量配線あるいはソースバスラインとの電位差に比較して大きいためである。ちなみに、走査信号線、データ信号線および保持容量配線に供給される電位は、例えば、ゲートオフ電位VgLは−6〔V〕、ゲートオン電位VgHは35〔V〕、データ信号線への信号電位Vsは0.2〜15.2〔V〕、保持容量配線への供給電位は共通電極の電位Vcom±1〔V〕、共通電極の電位Vcomは信号電位Vsの中間電位であり、ゲートオフ期間においては、ゲートオフ電位VgLと共通電極の電位Vcomとの電位差が最も大きくなる。
このような、走査信号線に沿う部分の配向乱れによる影響は図44のような画素分割方式の液晶表示装置に限られない。例えば、図43のような画素分割方式ではない液晶表示装置でも、画素電極の上下にはそれぞれ走査信号線が走るため、これに沿って配向乱れが発生し、スリット201aの(図中)右下部分の配向領域と、スリット201bの(図中)右上部分の配向領域とについては、その面積が実質的に減少する。すなわち、特定の配向領域だけその面積が減少することから、1画素単位において各配向領域の面積バランスが崩れ、視野角特性を悪化させる(視野角特性の対称性が異なってしまう)おそれがある。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、各画素に複数の配向領域を形成することが可能な液晶パネルにおいて、走査信号線沿いの配向乱れによる視野角特性の悪化を抑えられる構成を提案することにある。
本発明の液晶パネルは、画素領域、該画素領域を横切る走査信号線、およびデータ信号線を有するアクティブマトリクス基板とこれに対向する対向基板とこれら両基板間に配された液晶層とを備え、該画素領域と対向基板の該画素領域に対応する部分とを含むように画素が構成された液晶パネルであって、各画素領域には、走査信号線を挟むように第1および第2副画素領域が設けられ、上記第1副画素領域と対向基板の該第1副画素領域に対応する部分とを含むように第1副画素が構成されるとともに、上記第2副画素領域と対向基板の該第2副画素領域に対応する部分とを含むように第2副画素が構成され、第1副画素に第1配向規制構造物が設けられるとともに、第2副画素に第2配向規制構造物が設けられており、隣接する2つの画素の一方に設けられた第1配向規制構造物の形状は、上記2つの画素のもう一方に設けられた第1配向規制構造物を180°回転させて得られる形状であることを特徴とする。
本液晶パネルでは、各画素において、第1副画素には第1配向規制構造物(第1配向規制用構造物)によって複数の配向領域(ドメイン)が形成されるとともに、第2副画素には第2配向規制構造物(第2配向規制用構造物)によって複数の配向領域(ドメイン)が形成される。ここで、隣接する2つの画素の一方に設けられた第1配向規制構造物の形状は、上記2つの画素のもう一方に設けられた第1配向規制構造物を180°回転させて得られる形状であるため、上記2つの画素を画素X・画素Yとすれば、画素Xの第1副画素において走査信号線に沿った部分に形成される配向領域の種類と、画素Yの第1副画素において走査信号線に沿った部分に形成される配向領域の種類とが異なることになる。
したがって、隣接する2つの画素(X・Y)を1単位と考えると、これに属する2つの第1副画素(例えば、隣り合う2つの明副画素)が受ける配向乱れ部分が2種類以上の配向領域に分散され、特定の配向領域に偏って配向乱れの影響を受けることがなくなる。
このように、本構成によれば、隣接する2画素単位において、走査信号線に起因する配向乱れの影響を複数の配向領域に分散させることができる。これにより、設計時に意図した視野角特性のバランスが維持され、視野角特性の優れた液晶表示装置を実現することができる。
本構成は、上記第1配向規制構造物をパネル面に平行でかつ走査信号線を含む平面に投影した場合に、第1副画素領域の中央を通って該走査信号線に垂直な直線に対して非対称な形状になるとともに第1副画素領域の中央を通って該走査信号線に平行な直線に対して対称な形状になり、上記第2配向規制構造物をパネル面に平行でかつ走査信号線を含む平面に投影した場合に、第2副画素領域の中央を通って該走査信号線に垂直な直線に対して非対称な形状になるとともに第2副画素領域の中央を通って該走査信号線に平行な直線に対して対称な形状になる、例えばMVA方式の液晶パネルに好適である。
本液晶パネルにおいては、各画素において、第1副画素は表示時の明画素に対応し、第2副画素は表示時の暗画素に対応することが好ましい。明画素における配向乱れは暗画素のそれよりも視野角特性のバランスに与える影響が大きいからである。
本液晶パネルにおいては、上記隣接する2つの画素は、同色の画素である(データ信号線に沿った方向に隣接している)ことが好ましい。こうすれば、同色の隣り合う第1副画素(例えば、同色の隣り合う2つの明副画素)が受ける配向乱れ部分が2種類以上の配向領域に分散されることになるため、視野角特性をより高めることができる。
本液晶パネルにおいては、同一のデータ信号線に接続する第1および第2のトランジスタを備え、上記第1副画素領域には第1の画素電極が設けられるとともに、第2副画素領域には第2の画素電極が設けられ、上記第1の画素電極が第1のトランジスタに接続され、上記第2の画素電極が第2のトランジスタに接続されている構成とすることができる。
本液晶パネルにおいては、上記第1配向規制構造物には、対向基板に設けられたリブ、第1の画素電極に形成されたスリット、および対向基板の共通電極に形成されたスリットの少なくとも1つが含まれており、上記第2配向規制構造物には、対向基板に設けられたリブ、第2の画素電極に形成されたスリット、および対向基板の共通電極に形成されたスリットの少なくとも1つが含まれている構成とすることができる。
本液晶パネルにおいては、隣接する2つの画素の一方に設けられた第2配向規制構造物の形状は、上記2つの画素のもう一方に設けられた第2配向規制構造物を180°回転させて得られる形状であることが望ましい。こうすれば、隣り合う第1副画素(例えば、隣り合う2つの明副画素)が受ける配向乱れ部分が2種類以上の配向領域に分散されるとともに、隣り合う第2副画素(例えば、隣り合う2つの暗副画素)が受ける配向乱れ部分も2種類以上の配向領域に分散されることになり、視野角特性をより高めることができる。
本液晶パネルにおいては、各画素において、第1および第2配向規制構造物の形状がほぼ同一であることが望ましい。こうすれば、表示時における明・暗画素の配置の自由度が高まる。
本液晶パネルにおいては、隣接する2つの画素の一方に設けられた第1配向規制構造物によって、該第1副画素には、走査信号線に沿う部分に複数の配向が形成可能であり、上記隣接する2つの画素のもう一方に設けられた第1配向規制構造物によって、該第1副画素には、走査信号線に沿う部分に複数の配向が形成可能であることが望ましい。こうすれば、上記の単位(隣接する2つの画素)に属する2つの第1副画素(例えば、隣り合う2つの明副画素)が受ける配向乱れ部分が4種類以上の配向領域に分散されることになり、視野角特性を一層高めることができる。
本液晶パネルにおいては、走査信号線に沿う方向を行方向として、上記第1副画素領域は行方向に沿った2つの端部を有する形状であり、上記第1配向規制構造物には、行方向に視て、第1副画素領域の上記2つの端部それぞれと重なるとともに両端部間で屈折するV字の形状をなす上記リブ、第1の画素電極に形成され、行方向に視て上記V字の形状をなすスリット、および上記共通電極に形成され、行方向に視て上記V字の形状をなすスリットの少なくとも1つが含まれている構成とすることもできる。また、走査信号線に沿う方向を行方向として、上記第2副画素領域は行方向に沿った2つの端部を有する形状であり、上記第2配向規制構造物には、行方向に視て、第2副画素領域の上記2つの端部それぞれと重なるとともに両端部間で屈折するV字の形状をなす上記リブ、第2の画素電極に形成され、行方向に視て上記V字の形状をなすスリット、および上記共通電極に形成され、行方向に視て上記V字の形状をなすスリットの少なくとも1つが含まれている構成とすることもできる。
本液晶パネルにおいては、赤、緑、青に対応する行方向に並んだ3つの画素を1つの画素群として、行方向に隣接する2つの画素群に含まれる2つの同色の画素について、一方の画素に設けられた第1配向規制構造物の形状は、もう一方の画素に設けられた第1配向規制構造物を180°回転させて得られる形状である構成とすることもできる。こうすれば、行方向に隣り合う同色の第1副画素(例えば、行方向に隣り合う同色の2つの明副画素)が受ける配向乱れ部分も2種類以上の配向領域に分散されることになり、視野角特性をより高めることができる。
本液晶パネルにおいては、第1の画素電極あるいは第1のトランジスタに接続する容量電極と保持容量を形成する第1の保持容量配線と、第2の画素電極あるいは第2のトランジスタに接続する容量電極と保持容量を形成する第2の保持容量配線とを備える構成であってもよい。該液晶パネルを用いた液晶表示装置では、上記第1および第2の保持容量配線は、それぞれの電位波形の位相が互いに180度ずれるように電位制御される構成とすることもできる。この場合、上記第1の保持容量配線が、上記各トランジスタがオフされた後に電位が上昇してその状態が次フレームで上記各トランジスタがオフされるまで続くように電位制御されるとともに、上記第2の保持容量配線が、上記各トランジスタがオフされた後に電位が下降してその状態が次フレームで上記各トランジスタがオフされるまで続くように電位制御されるか、あるいは、上記第1の保持容量配線が、上記各トランジスタがオフされた後に電位が下降してその状態が次フレームで上記各トランジスタがオフされるまで続くように電位制御されるとともに、上記第2の保持容量配線が、上記各トランジスタがオフされた後に電位が上昇してその状態が次フレームで上記各トランジスタがオフされるまで続くように電位制御されてもよい。また、上記第1の保持容量配線の電位が上昇するのと、第2の保持容量配線の電位が下降するのとが一水平期間ずれているか、あるいは、上記第1の保持容量配線の電位が下降するのと、第2の保持容量配線の電位が上昇するのとが一水平期間ずれていてもよい。
本液晶パネルにおいては、第1のトランジスタのドレイン電極は、第1のドレイン引き出し配線と第1のコンタクトホールとを介して第1の画素電極に接続されるとともに、第2のトランジスタのドレイン電極は、第2のドレイン引き出し配線と第2のコンタクトホールとを介して第2の画素電極に接続され、上記第1のドレイン引き出し配線の少なくとも一部が、第1配向規制構造物に重なるとともに、上記第2のドレイン引き出し配線の少なくとも一部が、第2配向規制構造物に重なる構成とすることもできる。また、上記第1のコンタクトホールの少なくとも一部が第1配向規制構造物に重なるとともに、上記第2のコンタクトホールの少なくとも一部が第2配向規制構造物に重なる構成とすることもできる。こうすれば、各配向規制構造物が遮光性である場合に、開口率を高めることができる。
本液晶パネルにおいては、第1の保持容量配線からは第1の画素電極と重なるように第1の保持容量配線延伸部が延伸するとともに、第2の保持容量配線からは第2の画素電極と重なるように第2の保持容量配線延伸部が延伸し、上記第1の保持容量配線延伸部の少なくとも一部が第1配向規制構造物に重なるとともに、上記第2保持容量配線延伸部の少なくとも一部が第2配向規制構造物に重なる構成とすることもできる。こうすれば、開口率を維持しつつ、各保持容量配線延伸部によって保持容量を増加させることができる。
本液晶パネルにおいては、第1のトランジスタのドレイン電極は、第1のドレイン引き出し配線と第1のコンタクトホールとを介して第1の画素電極に接続されるとともに、第2のトランジスタのドレイン電極は、第2のドレイン引き出し配線と第2のコンタクトホールとを介して第2の画素電極に接続され、第1のドレイン引き出し配線は、第1の保持容量配線延伸部と重なる第1の重畳部を有するとともに、第2のドレイン引き出し配線は、第2の保持容量配線延伸部と重なる第2の重畳部を有する構成とすることもできる。
こうすれば、例えば、第1のトランジスタに動作不良が発生した場合に、第1の重畳部下の絶縁膜を貫通させて第1の保持容量配線延伸部と第1のドレイン引き出し配線とを接続するとともに、このドレイン引き出し配線を、第1のコンタクトホールと第1のドレイン電極との間で断線させることができる。これにより、欠陥画素に存在する第1の画素電極と第1の保持容量配線とを第1の保持容量配線延伸部を介して接続することができ、該第1の画素電極を第1の保持容量配線の電位に落とすことができる。
この場合、第1配向規制構造物には、上記第1の画素電極に形成されたスリットが含まれるとともに、第2配向規制構造物には、上記第2の画素電極に形成されたスリットが含まれ、上記第1の重畳部と第1のドレイン電極との間に上記第1のコンタクトホールが形成されるとともに、上記第2の重畳部と第2のドレイン電極との間に上記第2のコンタクトホールが形成され、上記第1のドレイン引き出し配線は、第1のドレイン電極と第1のコンタクトホールとの間にいずれかのスリットと重なる部分を有するとともに、上記第2のドレイン引き出し配線は、第2のドレイン電極と第2のコンタクトホールとの間にいずれかのスリットと重なる部分を有する構成とすることもできる。こうすれば、上記断線を画素電極のない部分で行うことができ、断線が容易になる。
本液晶パネルにおいては、第1のトランジスタのドレイン電極は、第1のドレイン引き出し配線と1以上のコンタクトホールとを介して第1の画素電極に接続されるとともに、第2のトランジスタのドレイン電極は、第2のドレイン引き出し配線と1以上のコンタクトホールとを介して第2の画素電極に接続され、上記第1のドレイン引き出し配線にはコンタクトホールと交差する刳り貫き部が形成されるとともに、上記第2のドレイン引き出し配線にもコンタクトホールと交差する刳り貫き部が形成されている構成とすることもできる。こうすれば、上記刳り貫き部によって開口率を高めることができる。なお、コンタクトホールを複数とすれば、ドレイン引き出し配線と各画素電極との電気的接続について冗長性が確保でき、接続不良を抑制することができる。
本液晶パネルにおいては、データ信号線に沿う方向を列方向、走査信号線に沿う方向を行方向として、上記第1のドレイン引き出し配線には2つのコンタクトホールそれぞれに対応して延伸形状の刳り貫き部が2つ形成されるとともに、一方の刳り貫き部の延伸方向が列方向であってもう一方の刳り貫き部の延伸方向が行方向であり、上記第2のドレイン引き出し配線には2つのコンタクトホールそれぞれに対応して延伸形状の刳り貫き部が2つ形成されるとともに、その一方の刳り貫き部の延伸方向が列方向であって、もう一方の刳り貫き部の延伸方向が行方向である構成とすることもできる。こうすれば、アライメントずれが生じてもコンタクト面積の変動を抑制することができる。
本液晶パネルは、画素領域、走査信号線およびデータ信号線を有するアクティブマトリクス基板とこれに対向する対向基板とこれら両基板間に配された液晶層とを備え、上記画素領域と対向基板の該画素領域に対応する部分とを含むように画素が構成されるとともに、該画素に配向規制構造物が設けられた液晶パネルであって、各画素には、上記配向規制構造物によって、この画素を挟むように配された2本の走査信号線の一方に沿う部分に第1および第2の配向が形成可能であるとともに、上記2本の走査信号線のもう一方に沿う部分に第3および第4の配向が形成可能であり、かつ、隣接する2つの画素の一方に設けられた上記配向規制構造物の形状は、該2つの画素のもう一方に設けられた配向規制構造物を180°回転させて得られる形状であることを特徴とする。
本液晶パネルでは、各画素において、上記配向規制構造によって複数の配向領域(ドメイン)が形成される。上記構成によれば、一方の走査信号線に沿う部分に第1および第2の配向が形成可能であるとともに、もう一方の走査信号線に沿う部分に第3および第4の配向が形成可能であるため、1画素単位において、上下2本の走査信号線による配向乱れ部分(配向乱れの影響)が4種類の配向領域(これをD1〜D4とする)に分散される。これにより、特定の配向領域に偏って配向乱れの影響を受けることがなくなる。
さらに、本構成では、隣接する2つの画素(これを画素X・Yとする)の一方に設けられた第1配向規制構造物の形状は、上記2つの画素のもう一方に設けられた第1配向規制構造物を180°回転させて得られる形状である。したがって、例えば上記MVA方式の液晶パネルにおいて画素X・Yを考えた場合に、画素Xにおける配向領域D1の配向乱れ面積+画素Yにおける配向領域D1の配向乱れ面積と、画素Xにおける配向領域D2の配向乱れ面積+画素Yにおける配向領域D2の配向乱れ面積と、画素Xにおける配向領域D3の配向乱れ面積+画素Yにおける配向領域D3の配向乱れ面積と、画素Xにおける配向領域D4の配向乱れ面積+画素Yにおける配向領域D4の配向乱れ面積とを互いに近づけることができる。すなわち、隣接する2画素(X・Y)間で各配向領域における配向乱れ面積を補償し合うことになる。
このように、本構成によれば、1画素単位において、走査信号線に起因する配向乱れの影響を各配向領域(D1〜D4)に分散させ、かつ、列方向に隣接する2画素単位において、各配向領域(D1〜D4)が受ける配向乱れの影響を均一化させることができる。これにより、設計時に意図した視野角特性のバランスが維持され、視野角特性の優れた液晶表示装置を実現することができる。
本構成は、上記のとおり、上記配向規制構造物をパネル面に平行でかつ走査信号線を含む平面に投影した場合に、画素領域の中央を通って該走査信号線に垂直な直線に対して非対称な形状になるとともに画素領域の中央を通って該走査信号線に平行な直線に対して対称な形状になる、例えばMVA方式の液晶パネルに好適である。
本液晶パネルにおいては、上記配向規制構造物の一部が、各画素における上記2本の走査信号線の一方に沿う部分と、上記2本の走査信号線のもう一方に沿う部分とに位置する構成とすることもできる。
本液晶パネルにおいては、上記隣接する2つの画素は、同色の画素である構成とすることもできる。
本液晶パネルにおいては、上記2本の走査信号線である第1および第2の走査信号線はともに、これらによって挟まれる画素に対応している構成(画素分割方式に対応する構成)とすることもできる。この場合、本液晶パネルにおいては、データ信号線および第1の走査信号線に接続する第1のトランジスタと、このデータ信号線および第2の走査信号線に接続する第2のトランジスタとを備え、上記画素領域には、1つあるいは電気的に接続された複数の透明電極からなる第1の画素電極と、1つあるいは電気的に接続された複数の透明電極からなる第2の画素電極とが設けられ、上記第1の画素電極が第1のトランジスタに接続され、上記第2の画素電極が第2のトランジスタに接続されている構成とすることもできる。さらに、上記配向規制構造物には、対向基板に設けられたリブ、透明電極の間隙、透明電極に形成されたスリット、および対向基板の共通電極に形成されたスリットの少なくとも1つが含まれている構成としてもよい。このとき、走査信号線に沿う方向を行方向として、上記配向規制構造物には、行方向に視てV字形状をなす上記リブ、行方向に視てV字形状をなす上記間隙、透明電極に形成され、行方向に視てV字形状をなす上記スリット、および対向基板の共通電極に形成され、行方向に視てV字形状をなす上記スリットの少なくとも1つが含まれている構成としてもよい。
本液晶パネルにおいては、上記2本の走査信号線の一方である第1の走査信号線は、該2本の走査信号線で挟まれる第1の画素に対応して設けられ、上記2本の走査信号線のもう一方である第2の走査信号線は、上記第1の画素に隣接する第2の画素に対応して設けられている構成とすることもできる。この場合、第1の画素は第1の走査信号線に接続するトランジスタを備え、該トランジスタは第1の画素の画素領域に設けられた画素電極に接続され、第2の画素は第2の走査信号線に接続するトランジスタを備え、該トランジスタは第2の画素の画素領域に設けられた画素電極に接続されている構成とすることもできる。さらに、上記配向規制構造物には、対向基板に設けられたリブ、画素電極に形成されたスリット、および対向基板の共通電極に形成されたスリットの少なくとも1つが含まれている構成とすることもできる。このとき、走査信号線に沿う方向を行方向として、各画素に設けられた配向規制構造物には、行方向に視てV字形状をなす上記リブ、画素電極に形成され、行方向に視てV字形状をなす上記スリット、および対向基板の共通電極に形成され、行方向に視てV字形状をなす上記スリットの少なくとも1つが含まれている構成とすることもできる。なお、第2の走査信号線と第1の画素の画素電極とが重なる部分を有し、第2の走査信号線が第1の画素の保持容量配線として機能する構成とすることもできる。
本液晶表示装置は上記液晶パネルを備えることを特徴とする。
本発明の液晶表示装置は、上記課題を解決するために、走査信号線とデータ信号線との交差する位置にスイッチング素子を介して画素が配設されたアクティブマトリクス基板、及び対向基板を有する液晶表示装置であって、上記画素には、該画素を第1副画素と第2副画素とに2分割するように走査信号線が設けられており、上記第1副画素及び第2副画素には、平面「>」形状又は平面「<」形状の配向規制構造物がそれぞれ形成されていると共に、互いに隣接する2画素単位では、第1副画素及び第2副画素の少なくとも一方において上記平面「>」形状の配向規制構造物と該配向規制構造物を180度回転した平面「<」形状の配向規制構造物とが組み合わされていることを特徴としている。
本発明の液晶表示装置は、上記課題を解決するために、走査信号線とデータ信号線と保持容量配線と、上記走査信号線とデータ信号線との交差する位置に配設されたスイッチング素子とを備えたアクティブマトリクス基板、及び対向基板を有する液晶表示装置であって、行方向の保持容量配線と列方向のデータ信号線とで囲まれた領域に1画素が形成され、上記画素には、該画素を第1副画素と第2副画素とに2分割するように走査信号線が設けられており、上記第1副画素及び第2副画素には、平面「>」形状又は平面「<」形状の配向規制構造物がそれぞれ形成されていると共に、互いに隣接する2画素単位では、第1副画素及び第2副画素の少なくとも一方において上記平面「>」形状の配向規制構造物と該配向規制構造物を180度回転した平面「<」形状の配向規制構造物とが組み合わされていることを特徴としている。
なお、平面「>」形状又は平面「<」形状は、必ずしも「>」又は「<」の先細り部分が閉じたものではなく、離れていてもよい。
上記の発明によれば、走査信号線とデータ信号線との交差する位置にスイッチング素子を介して画素が配設されている。なお、行方向の保持容量配線と列方向のデータ信号線とで囲まれた領域に1画素が形成されていてもよい。上記画素には、該画素を第1副画素と第2副画素とに2分割するように走査信号線が設けられている。また、第1副画素及び第2副画素には、平面「>」形状又は平面「<」形状の例えばリブやスリット等の配向規制構造物がそれぞれ形成されている。
このような、液晶分子を複数の配向領域に分けた垂直配向モードとマルチ画素構造とを組み合わせた液晶表示装置においては、走査信号線に沿って配向乱れ領域が発生するので、その部分の配向領域面積が実質的に減少し、各配向領域面積が実質的に異なることとなり、上下左右方向、或いは右下、右上、左上、左下等の各方向の視野角特性を悪化させる虞があるという問題点を有している。
そこで、本発明では、互いに隣接する2画素単位では、平面「>」形状の配向規制構造物の場合には上記平面「>」形状の配向規制構造物と該配向規制構造物を180度回転した平面「<」形状の配向規制構造物とが組み合わされている一方、上記平面「<」形状の配向規制構造物の場合には上記平面「<」形状の配向規制構造物と、該配向規制構造物を180度回転した平面「>」形状の配向規制構造物とが組み合わされている。このため、2画素単位においては、少なくとも各第1副画素の各配向領域同士における、走査信号線に沿った配向乱れ領域の割合は、均等に配されていることになる。この結果、設計時に意図した視野角特性のバランスが損なわれることを抑制できる。
したがって、液晶分子を複数の配向領域に分けた垂直配向モードとマルチ画素構造とを組み合わせた液晶表示装置において、画素を分断する走査信号線に沿って発生する配向乱れ領域による視野角特性の悪化を抑制し得る液晶表示装置を提供することができる。
また、本発明の液晶表示装置では、前記第1副画素は、スイッチング素子である第1トランジスタのドレイン電極に接続される第1副画素電極を有する一方、第2副画素は、スイッチング素子である第2トランジスタのドレイン電極に接続される第2副画素電極を有すると共に、上記第1副画素電極の電位及び第2副画素電極の電位は、それぞれ個別に制御されていてもよい。
したがって、例えば、第1副画素を明副画素、第2副画素を暗副画素とすることができるので、γ特性の視角依存性を改善するための画素分割駆動を実現することができる。
また、本発明の液晶表示装置では、前記第1副画素は、スイッチング素子である第1トランジスタのドレイン電極に接続される第1副画素電極を有する一方、第2副画素は、スイッチング素子である第2トランジスタのドレイン電極に接続される第2副画素電極を有すると共に、上記第1副画素は、上記第1副画素電極と、該第1副画素電極の端部側に配された前記保持容量配線である第1保持容量配線との間に第1保持容量を形成する一方、上記第2副画素は上記第2副画素電極と該第2副画素電極の端部側に配された前記保持容量配線である第2保持容量配線との間に第2保持容量を形成すると共に、上記各保持容量配線を個別に電位制御することにより、上記第1副画素電極の電位及び第2副画素電極の電位をそれぞれ個別に制御する保持容量配線電圧制御部が設けられていてもよい。
上記の発明によれば、保持容量配線電圧制御部は、各保持容量配線を個別に電位制御することにより、上記第1副画素電極の電位及び第2副画素電極の電位をそれぞれ個別に制御する。
したがって、例えば、第1副画素を明副画素、第2副画素を暗副画素とすることができるので、γ特性の視角依存性を改善するための画素分割駆動を実現することができる。
なお、「第1副画素は、上記第1副画素電極と、該第1副画素電極の端部側に配された前記保持容量配線である第1保持容量配線との間に第1保持容量を形成する一方、上記第2副画素は上記第2副画素電極と該第2副画素電極の端部側に配された前記保持容量配線である第2保持容量配線との間に第2保持容量を形成する」とは、第1保持容量及び第2保持容量が、第1副画素電極及び第2副画素電極と保持容量配線との間にゲート絶縁膜や層間絶縁膜を挟んで形成されてもよいし、或いは、保持容量配線上に保持容量上電極を設け、保持容量配線と保持容量上電極とがゲート絶縁膜を挟んで第1保持容量及び第2保持容量とし、保持容量上電極と第1副画素電極及び第2副画素電極とを接続するようにしてもよい。
また、本発明の液晶表示装置では、ある中間調表示状態において、各保持容量配線信号は、前記第1副画素と第2副画素とが輝度差を生じるように制御され、上記第1副画素の輝度が第2副画素の輝度よりも高い。
これにより、明第1副画素と暗第2副画素とを生成することができる。
なお、「中間調」とは、黒(最低階調)及び白(最高階調)を除く任意の階調を指す。
また、本発明の液晶表示装置では、ある中間調表示状態において前記第2副画素よりも輝度が高い前記第1副画素において、互いに隣接する2画素単位では、前記平面「>」形状の配向規制構造物と該配向規制構造物を180度回転した平面「<」形状の配向規制構造物とが組み合わされている。
これにより、輝度が高い前記第1副画素が、各画素において、配向規制構造物が逆向きとなる。このため、少なくとも明副画素となる各第1副画素では、各配向領域同士において、走査信号線に沿った配向乱れ領域の割合は均等に配されているので、上記第2副画素よりも比較的視認され易い上記輝度が高い第1副画素は視野角特性には殆ど影響を与えない。したがって、中間調表示を行う場合に、垂直配向モードのいわゆるマルチ画素構造の液晶表示装置において、設計時に意図した視野角特性のバランスが損なわれることを抑制できる。
また、本発明の液晶表示装置では、1画素における第1副画素及び第2副画素の前記配向規制構造物は、平面「>」形状を繰り返した平面2連「>」形状又は平面「<」形状を繰り返した平面2連「<」形状に形成されていると共に、互いに隣接する2画素単位では、上記平面2連「>」形状の配向規制構造物と、該配向規制構造物を180度回転した平面2連「<」形状の配向規制構造物とが組み合わされていてもよい。
これにより、1画素全体では、平面2連「>」形状の配向規制構造物、又は該配向規制構造物を180度回転した平面2連「<」形状の配向規制構造物が配されていることになる。この結果、ある1画素では液晶分子を4つの配向領域×2に分けることができる。そして、この1画素に隣接する1画素では、平面2連「>」形状、又は該配向規制構造物を180度回転した平面2連「<」形状に配されているので、この1画素全体でも液晶分子を4つの配向領域×2に分けることができる。したがって、全ての1画素において、液晶分子の4つの配向領域×2を確保できる。
また、互いに隣接する2画素単位では、上記平面2連「>」形状の配向規制構造物と、該配向規制構造物を180度回転した平面2連「<」形状の配向規制構造物とが組み合わされているという関係を満たしているので、画素を分断する走査信号線に沿って発生する配向乱れ領域による視野角特性の悪化を抑制することができ、設計時に意図した視野角特性のバランスが損なわれることを抑制できる。
また、本発明の液晶表示装置は、上記課題を解決するために、走査信号線とデータ信号線との交差する位置にスイッチング素子を介して画素が配設されたアクティブマトリクス基板、及び対向基板を有する液晶表示装置であって、上記画素には、該画素を第1副画素と第2副画素とに2分割するように走査信号線が設けられており、上記第1副画素及び第2副画素には、平面「>」形状又は平面「<」形状の配向規制構造物がそれぞれ形成されていると共に、上記画素は、赤、緑、青に対応する画素群からなる1絵素を構成し、互いに隣接する上記絵素同士では、上記平面「>」形状の配向規制構造物と該配向規制構造物を180度回転した平面「<」形状の配向規制構造物とが組み合わされていることを特徴としている。
また、本発明の液晶表示装置は、上記課題を解決するために、走査信号線とデータ信号線と保持容量配線と、上記走査信号線とデータ信号線との交差する位置に配設されたスイッチング素子とを備えたアクティブマトリクス基板、及び対向基板を有する液晶表示装置であって、行方向の保持容量配線と列方向のデータ信号線とで囲まれた領域に1画素が形成され、上記画素には、該画素を第1副画素及び第2副画素に2分割するように走査信号線が設けられており、上記第1副画素及び第2副画素には、平面「>」形状又は平面「<」形状の配向規制構造物がそれぞれ形成されていると共に、上記画素は、赤、緑、青に対応する画素群からなる1絵素を構成し、互いに隣接する上記絵素同士では、上記平面「>」形状の配向規制構造物と該配向規制構造物を180度回転した平面「<」形状の配向規制構造物とが組み合わされていることを特徴としている。
上記の発明によれば、互いに隣接する上記絵素同士では、上記平面「>」形状の配向規制構造物と該配向規制構造物を180度回転した平面「<」形状の配向規制構造物とが組み合わされている。したがって、隣接する絵素の同色画素において、各色の視野角均一性の低下を抑制することができる。すなわち、色表示において設計時に意図した視野角特性のバランスが損なわれることを抑制することができ、特に単色表示時に好適である。
本発明の液晶表示装置は、上記課題を解決するために、走査信号線とデータ信号線との交差する位置にスイッチング素子を介して画素が配設されたアクティブマトリクス基板、及び対向基板を有する液晶表示装置であって、上記画素には、該画素を第1副画素と第2副画素とに2分割するように走査信号線が設けられており、上記第1副画素及び第2副画素には、平面「>」形状又は平面「<」形状の配向規制構造物がそれぞれ形成されていると共に、上記画素は、赤、緑、青に対応する画素群からなる1絵素を構成し、互いに隣接する上記1絵素の同色画素同士では、上記平面「>」形状の配向規制構造物と該配向規制構造物を180度回転した平面「<」形状の配向規制構造物とが組み合わされていることを特徴としている。
本発明の液晶表示装置は、上記課題を解決するために、走査信号線とデータ信号線と保持容量配線と、上記走査信号線とデータ信号線との交差する位置に配設されたスイッチング素子とを備えたアクティブマトリクス基板、及び対向基板を有する液晶表示装置であって、行方向の保持容量配線と列方向のデータ信号線とで囲まれた領域に1画素が形成され、上記画素には、該画素を第1副画素及び第2副画素に2分割するように走査信号線が設けられており、上記第1副画素及び第2副画素には、平面「>」形状又は平面「<」形状の配向規制構造物がそれぞれ形成されていると共に、上記画素は、赤、緑、青に対応する画素群からなる1絵素を構成し、互いに隣接する上記1絵素の同色画素同士では、上記平面「>」形状の配向規制構造物と該配向規制構造物を180度回転した平面「<」形状の配向規制構造物とが組み合わされていることを特徴としている。
上記の発明によれば、互いに隣接する上記1絵素の同色画素同士では、上記平面「>」形状の配向規制構造物と該配向規制構造物を180度回転した平面「<」形状の配向規制構造物とが組み合わされている。したがって、隣接する同色画素において、各色の視野角均一性の低下を抑制することができる。すなわち、色表示において設計時に意図した視野角特性のバランスが損なわれることを抑制することができ、特に単色表示時に好適である。
また、本発明の液晶表示装置では、前記第1副画素は、スイッチング素子である第1トランジスタのドレイン電極に接続される第1副画素電極を有する一方、第2副画素は、スイッチング素子である第2トランジスタのドレイン電極に接続される第2副画素電極を有すると共に、上記第1副画素及び第2副画素に設けられた各ドレイン電極は、それぞれドレイン引き出し配線を介して第1副画素電極又は第2副画素電極に接続されていると共に、上記少なくとも1つの画素のドレイン引き出し配線は、前記配向規制構造物と重畳して配設されていてもよい。
すなわち、ドレイン電極及びドレイン引き出し配線は、一般的に、不透明な金属配線で形成されるので、ドレイン引き出し配線が第1副画素電極又は第2副画素電極と重畳すると、表示面積であるいわゆる開口領域を低下することになる。この点、本発明では、少なくとも1つの画素のドレイン引き出し配線は、例えばリブやスリット等の配向規制構造物と重畳して配設されている。したがって、開口領域として寄与しない領域にドレイン引き出し配線を設けることができるので、開口率の低下を抑制することができる。
また、本発明の液晶表示装置では、前記保持容量配線は、画素側に延びる保持容量配線延伸部を有すると共に、上記保持容量配線延伸部は、前記配向規制構造物と重畳して配設されていてもよい。
すなわち、保持容量配線及び保持容量配線延伸部は、一般的に、不透明な金属配線で形成されるので、保持容量配線延伸部が第1副画素電極又は第2副画素電極と重畳すると、表示面積であるいわゆる開口領域を低下することになる。この点、本発明では、保持容量配線延伸部は、例えばリブやスリット等の配向規制構造物と重畳して配設されている。したがって、開口領域として寄与しない領域に保持容量配線延伸部を設けることができるので、開口率の低下を抑制することができる。
また、本発明の液晶表示装置では、前記第1副画素は、スイッチング素子である第1トランジスタのドレイン電極に接続される第1副画素電極を有する一方、第2副画素は、スイッチング素子である第2トランジスタのドレイン電極に接続される第2副画素電極を有すると共に、上記第1副画素及び第2副画素に設けられた各ドレイン電極は、それぞれドレイン引き出し配線を介して第1副画素電極又は第2副画素電極に接続されており、上記少なくとも1つの画素のドレイン引き出し配線は、前記配向規制構造物と重畳して配設されていると共に、前記保持容量配線は、画素側に延びる保持容量配線延伸部を有し、上記保持容量配線延伸部は、前記配向規制構造物と重畳して配設されていてもよい。
これにより、開口領域として寄与しない領域にドレイン引き出し配線及び保持容量配線延伸部を設けることができるので、開口率の低下を抑制することができる。
また、本発明の液晶表示装置では、前記第1副画素は、スイッチング素子である第1トランジスタのドレイン電極に接続される第1副画素電極を有する一方、第2副画素は、スイッチング素子である第2トランジスタのドレイン電極に接続される第2副画素電極を有すると共に、上記第1副画素及び第2副画素に設けられた各ドレイン電極は、それぞれドレイン引き出し配線を介して第1副画素電極又は第2副画素電極に接続されていると共に、前記保持容量配線は、上記ドレイン引き出し配線側に延びる保持容量配線延伸部を有し、かつ上記保持容量配線延伸部は、上記ドレイン引き出し配線と絶縁膜を介して重畳する重畳部を有すると共に、上記重畳部は、絶縁膜の貫通により上記ドレイン引き出し配線と保持容量配線延伸部との接続が可能となっていてもよい。
上記発明によれば、保持容量配線は、ドレイン引き出し配線側に延びる保持容量配線延伸部を有し、かつ保持容量配線延伸部は、ドレイン引き出し配線と絶縁膜を介して重畳する重畳部を有する。そして、重畳部は、絶縁膜の貫通により上記ドレイン引き出し配線と保持容量配線延伸部との接続が可能となっている。
したがって、例えば、スイッチング素子に動作不良が発生した場合に、絶縁膜を貫通させて保持容量配線延伸部とドレイン引き出し配線とを接続すると共に、このドレイン引き出し配線を、第1副画素電極又は第2副画素電極との接続部である例えばコンタクトホールとドレイン電極との間にて断線させる。これにより、第1副画素電極又は第2副画素電極と保持容量配線とを保持容量配線延伸部を介して接続することができる。この結果、欠陥画素の第1副画素電極又は第2副画素電極を保持容量配線の電位に落とすことができる。
したがって、例えばノーマリーブラックの液晶表示装置に用いた場合には、動作不良が発生した欠陥画素を黒点化し、目立ち難くすることができる。
また、本発明の液晶表示装置では、前記ドレイン引き出し配線は、前記ドレイン電極と前記重畳部との間に形成される少なくとも1つのコンタクトホールを介して第1副画素電極又は第2副画素電極に接続されており、かつ、上記コンタクトホールまでの間において前記配向規制構造物と重畳して配設されていることが可能である。
これにより、例えば、スイッチング素子に動作不良が発生した場合に、ドレイン引き出し配線を、例えば画素電極がない部分であるスリット等の配向規制構造物との重畳部分で切断することができ、切断作業が容易となる。
また、コンタクトホールを複数設けた場合には、ドレイン引き出し配線と第1副画素電極又は第2副画素電極との電気的接続の冗長性を確保し、接続不良を抑制することができる。
また、本発明の液晶表示装置では、前記ドレイン引き出し配線には、前記コンタクトホールと交差する刳り抜き部が形成されていてもよい。
すなわち、ドレイン引き出し配線は、一般的に、不透明な金属配線で形成されるので、ドレイン引き出し配線が第1副画素電極のコンタクトホール又は第2副画素電極のコンタクトホールと重畳すると、表示面積であるいわゆる開口領域を低下することになる。この点、本発明では、ドレイン引き出し配線には、コンタクトホールと交差する刳り抜き部が形成されている。したがって、コンタクトホールでの開口率の低下を抑制することができる。
また、ドレイン引き出し配線の刳り抜き部は、コンタクトホールと交差するように形成されている。したがって、コンタクトホールでの開口率の低下を抑制しつつ、例えば、製造工程で起こる位置ずれにおいても、ドレイン引き出し配線とコンタクトホールとの接触を十分担保することができる。
また、本発明の液晶表示装置では、前記スイッチング素子が、列方向に隣接する画素単位同士で異なるデータ信号線に接続されていてもよい。
これにより、ソースライン反転駆動を行っても各画素はドット反転駆動となるため、データ信号線(ソースライン)へ印加する極性反転周期をドット反転駆動に比べて低下することができ、データ信号線の信号遅延による画質の劣化を抑制することができる。また、ソースライン反転駆動によるフリッカー及びクロストーク現象を抑制し、また、開口率の低下を抑える効率的なパターン配置を実現することができる。
なお、特許文献4には、ソースライン反転駆動においてトランジスタが列方向に隣接する画素同士で異なるデータ信号線に接続されている技術が開示されている。しかし、本願発明は、液晶分子を複数の配向領域に分けた垂直配向モードとマルチ画素構造とを組み合わせた液晶表示装置において、画素を分断する走査信号線に沿って発生する配向乱れ領域による視野角特性の悪化を抑制する液晶表示装置を提供すると共に、さらに、開口率低下を抑える効率的なパターン配置を可能とする点で、特許文献4に開示された技術よりも優れている。
また、本発明の液晶表示装置では、各保持容量配線信号は、前記第1トランジスタ又は第2トランジスタがオフされた後に電位が上昇又は降下すると共に、その状態が次フレームにて該第1トランジスタ又は第2トランジスタがオフされるまで続くように、電位制御されていることが可能である。
これにより、保持容量配線への電圧の波形のなまりがドレイン実効電位に与える影響が小さくなり、輝度ムラの低減に有効である。
また、本発明の液晶表示装置では、各保持容量配線信号の電位上昇と電位降下とは、1水平期間ずれていてもよい。
このような保持容量信号波形の形態とすることによって、突き上げ・突き下げ放しの保持容量信号波形であっても、1本の保持容量配線を列方向に隣接する副画素間で共有することが可能となる。
本発明の液晶表示装置は、上記課題を解決するために、走査信号線とデータ信号線との交差する位置にスイッチング素子を介して画素が配設されたアクティブマトリクス基板、及び対向基板を有する液晶表示装置であって、上記画素には、該画素を第1副画素と第2副画素とに2分割するように走査信号線が設けられており、上記第1副画素及び第2副画素におけるアクティブマトリクス基板及び対向基板には、液晶分子を複数の配向領域に分ける配向規制構造物がそれぞれ形成され、かつ上記第1副画素及び第2副画素における液晶分子の配向方向が互いに対向し合う領域を1組とするときに、上記第1副画素及び第2副画素には異なる方向に対向し合う複数組がそれぞれ形成されていると共に、隣接する2画素単位における、第1副画素及び第2副画素の少なくとも一方の各組同士では、走査信号線に沿った配向乱れ領域の割合が均等に配されるように、上記配向規制構造物が形成されていることを特徴としている。
本発明の液晶表示装置は、上記課題を解決するために、走査信号線とデータ信号線と保持容量配線と、上記走査信号線とデータ信号線との交差する位置に配設されたスイッチング素子とを備えたアクティブマトリクス基板、及び対向基板を有する液晶表示装置であって、行方向の保持容量配線と列方向のデータ信号線とで囲まれた領域に1画素が形成され、上記画素には、該画素を第1副画素と第2副画素とに2分割するように走査信号線が設けられており、上記第1副画素及び第2副画素におけるアクティブマトリクス基板及び対向基板には、液晶分子を複数の配向領域に分ける配向規制構造物がそれぞれ形成され、かつ上記第1副画素及び第2副画素における液晶分子の配向方向が互いに対向し合う領域を1組とするときに、上記第1副画素及び第2副画素には異なる方向に対向し合う複数組がそれぞれ形成されていると共に、隣接する2画素単位における、第1副画素及び第2副画素の少なくとも一方の各組同士では、走査信号線に沿った配向乱れ領域の割合が均等に配されるように、上記配向規制構造物が形成されていることを特徴としている。
上記発明によれば、第1副画素及び第2副画素における液晶分子の配向方向が互いに対向し合う領域を1組とするときに、上記第1副画素及び第2副画素には異なる方向に対向し合う複数組がそれぞれ形成されている。そして、隣接する2画素単位においては、少なくとも各第1副画素の各組同士では、走査信号線に沿った配向乱れ領域の割合が均等に配されるように、上記配向規制構造物が形成されていることを特徴としている。
このため、隣接する2画素単位においては、少なくとも各第1副画素の各組同士では、走査信号線に沿った配向乱れ領域の割合は、均等に配されていることになる。この結果、設計時に意図した視野角特性のバランスが損なわれることを抑制できる。
したがって、液晶分子を複数の配向領域に分けた垂直配向モードとマルチ画素構造とを組み合わせた液晶表示装置において、画素を分断する走査信号線に沿って発生する配向乱れ領域による視野角特性の悪化を抑制し得る液晶表示装置を提供することができる。
なお、このような場合として、配向規制構造物が平面「>」形状又は平面「<」形状である場合の他、例えば、配向規制構造物が点状リブからなり、液晶分子が放射状に配向する場合が考えられる。
本発明の液晶表示装置は、上記課題を解決するために、走査信号線とデータ信号線との交差する位置にスイッチング素子を介して画素が配設されたアクティブマトリクス基板、及び対向基板を有する液晶表示装置であって、上記画素には、該画素を第1副画素と第2副画素とに2分割するように走査信号線が設けられており、上記第1副画素及び第2副画素におけるアクティブマトリクス基板及び対向基板には、液晶分子を複数の配向領域に分ける配向規制構造物がそれぞれ形成されていると共に、隣接する2画素単位における、第1副画素及び第2副画素の少なくとも一方において各配向領域の走査信号線への対向長さが上記第1副画素及び第2副画素の少なくとも一方同士との間でそれぞれ異なるように、上記配向規制構造物が形成されていることを特徴としている。
本発明の液晶表示装置は、上記課題を解決するために、走査信号線とデータ信号線と保持容量配線と、上記走査信号線とデータ信号線との交差する位置に配設されたスイッチング素子とを備えたアクティブマトリクス基板、及び対向基板を有する液晶表示装置であって、行方向の保持容量配線と列方向のデータ信号線とで囲まれた領域に1画素が形成され、上記画素には、該画素を第1副画素と第2副画素とに2分割するように走査信号線が設けられており、上記第1副画素及び第2副画素におけるアクティブマトリクス基板及び対向基板には、液晶分子を複数の配向領域に分ける配向規制構造物がそれぞれ形成されていると共に、隣接する2画素単位における、第1副画素及び第2副画素の少なくとも一方において各配向領域の走査信号線への対向長さが上記第1副画素及び第2副画素の少なくとも一方同士との間でそれぞれ異なるように、上記配向規制構造物が形成されていることを特徴としている。
従来、隣接する2画素単位においては、第1副画素及び第2副画素の少なくとも一方において各配向領域の走査信号線への対向長さが上記第1副画素及び第2副画素の少なくとも一方同士との間ではそれぞれ同じであったので、例えば、走査信号線に沿う配向乱れ領域の近傍の第1の配向領域及び第2の配向領域では、常に、視野角特性に対する影響を受け、走査信号線に沿わない第3の配向領域及び第4の配向領域では、視野角特性に対する影響を受けていなかった。このため、視野角特性の対称性が異なることになり、かつ同じ配向領域では常に同じ視野角特性となっているので、上下左右方向、或いは右下、右上、左上、左下等の各方向における視野角特性の差異が生じた。
この点、本発明では、隣接する2画素単位における、第1副画素及び第2副画素のうちの少なくとも一方において各配向領域の走査信号線への対向長さが上記第1副画素及び第2副画素の少なくとも一方同士との間でそれぞれ異なるように、上記配向規制構造物が形成されている。
したがって、走査信号線に沿う配向乱れ領域の影響が、各配向領域に分散され、同じ配向領域に偏ることが防止される。
この結果、設計時に意図した視野角特性のバランスが大きく損なわれることを抑制できる。
したがって、液晶分子を複数の配向領域に分けた垂直配向モードとマルチ画素構造とを組み合わせた液晶表示装置において、画素を分断する走査信号線に沿って発生する配向乱れ領域による視野角特性の悪化を抑制し得る液晶表示装置を提供することができる。
本発明の液晶表示装置は、上記課題を解決するために、多数の画素が平面的に配列されてなり、各画素は走査信号線によって互いに分割された第1副画素及び第2副画素を有し、各第1副画素及び第2副画素はそれぞれ複数のドメインを有すると共に走査信号線に対して直交する対称軸に非対称に各ドメインが区画されているマルチドメイン構造を有している液晶表示装置であって、上記画素の配列方向において互いに隣接する2画素単位では、第1副画素及び第2副画素の少なくとも一方において上記対称軸に対して各ドメイン間の境界が線対称に配置されていることを特徴としている。
上記発明によれば、画素の配列方向において互いに隣接する2画素単位では、第1副画素及び第2副画素の少なくとも一方において上記対称軸に対して各ドメイン間の境界が線対称に配置されている。
この結果、隣接する2画素単位においては、第1副画素及び第2副画素の少なくとも一方において走査信号線に沿った配向乱れ領域の割合は、各ドメインに分散されることになる。この結果、設計時に意図した視野角特性のバランスが損なわれることを抑制できる。
したがって、液晶分子を複数の配向領域に分けた垂直配向モードとマルチ画素構造とを組み合わせた液晶表示装置において、画素を分断する走査信号線に沿って発生する配向乱れ領域による視野角特性の悪化を抑制し得る液晶表示装置を提供することができる。
本発明のテレビジョン装置は、上記課題を解決するために、前記記載の液晶表示装置を備えていることを特徴としている。
これにより、液晶分子を複数の配向領域に分けた垂直配向モードとマルチ画素構造とを組み合わせた液晶表示装置において、画素を分断する走査信号線に沿って発生する配向乱れ領域による視野角特性の悪化を抑制し得る液晶表示装置を備えたテレビジョン装置を提供することができる。
本発明の液晶表示装置は、以上のように、画素には、該画素を第1副画素と第2副画素とに2分割するように走査信号線が設けられており、上記第1副画素及び第2副画素には、平面「>」形状又は平面「<」形状の配向規制構造物がそれぞれ形成されていると共に、互いに隣接する2画素単位では、第1副画素及び第2副画素の少なくとも一方において上記平面「>」形状の配向規制構造物と該配向規制構造物を180度回転した平面「<」形状の配向規制構造物とが組み合わされているものである。
また、本発明の液晶表示装置は、以上のように、画素には、該画素を第1副画素及び第2副画素に2分割するように走査信号線が設けられており、上記第1副画素及び第2副画素には、平面「>」形状又は平面「<」形状の配向規制構造物がそれぞれ形成されていると共に、上記画素は、赤、緑、青に対応する画素群からなる1絵素を構成し、互いに隣接する上記絵素同士では、上記平面「>」形状の配向規制構造物と該配向規制構造物を180度回転した平面「<」形状の配向規制構造物とが組み合わされているものである。
また、本発明の液晶表示装置は、以上のように、画素には、該画素を第1副画素及び第2副画素に2分割するように走査信号線が設けられており、上記第1副画素及び第2副画素には、平面「>」形状又は平面「<」形状の配向規制構造物がそれぞれ形成されていると共に、上記画素は、赤、緑、青に対応する画素群からなる1絵素を構成し、互いに隣接する上記1絵素の同色画素同士では、上記平面「>」形状の配向規制構造物と該配向規制構造物を180度回転した平面「<」形状の配向規制構造物とが組み合わされているものである。
また、本発明の液晶表示装置は、以上のように、画素には、該画素を第1副画素と第2副画素とに2分割するように走査信号線が設けられており、上記第1副画素及び第2副画素におけるアクティブマトリクス基板及び対向基板には、液晶分子を複数の配向領域に分ける配向規制構造物がそれぞれ形成され、かつ上記第1副画素及び第2副画素における液晶分子の配向方向が互いに対向し合う領域を1組とするときに、上記第1副画素及び第2副画素には異なる方向に対向し合う複数組がそれぞれ形成されていると共に、隣接する2画素単位における、少なくとも各第1副画素の各組同士では、走査信号線に沿った配向乱れ領域の割合が均等に配されるように、上記配向規制構造物が形成されているものである。
また、本発明の液晶表示装置は、以上のように、画素には、該画素を第1副画素と第2副画素とに2分割するように走査信号線が設けられており、上記第1副画素及び第2副画素におけるアクティブマトリクス基板及び対向基板には、液晶分子を複数の配向領域に分ける配向規制構造物がそれぞれ形成されていると共に、隣接する2画素単位における、第1副画素及び第2副画素の少なくとも一方において各配向領域の走査信号線への対向長さが上記第1副画素と第2副画素とのうちの少なくとも一方同士との間でそれぞれ異なるように、上記配向規制構造物が形成されているものである。
また、本発明のテレビジョン装置は、以上のように、前記記載の液晶表示装置を備えているものである。
それゆえ、液晶分子を複数の配向領域に分けた垂直配向モードとマルチ画素構造とを組み合わせた液晶表示装置において、画素を分断する走査信号線に沿って発生する配向乱れ領域による視野角特性の悪化を抑制し得る液晶表示装置、及びテレビジョン装置を提供するという効果を奏する。
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1〜図8に基づいて説明すれば、以下の通りである。
<構成について>
図1は、本実施の形態の液晶表示装置の構成を示すものであり、アクティブマトリクス基板10に対向基板としてのカラーフィルタ基板側に設けられる液晶分子の配向規制構造物としてのリブLBを重ねた透視平面図である。列方向に平行な隣接する2画素単位を図示している。
同図に示すように、上記アクティブマトリクス基板10は、互いに直交する走査信号線2(行方向、図中左右方向)およびデータ信号線3(列方向、図中上下方向)と、第1保持容量配線11および第2保持容量配線12とを備えている。本実施の形態では、行方向の第1保持容量配線11および第2保持容量配線12と、列方向のデータ信号線3・3とによって囲まれた領域が1つの画素Pとして形成されており、複数の画素Pが液晶パネルにマトリクス状に配されている。
本実施の形態の液晶表示装置は、各画素Pを図中上下方向2つの副画素である第1副画素P1および第2副画素P2に分割するいわゆるマルチ画素構造を有しており、上記走査信号線2は画素Pを第1副画素P1と第2副画素P2とに2分割するように中央に配されている。
第1副画素P1および第2副画素P2には、これら走査信号線2とデータ信号線3との交差部分に、アクティブ素子であるスイッチング素子としての第1TFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)4aおよび第2TFT4bがそれぞれ設けられている。第1TFT4aおよび第2TFT4bは、ゲート電極として機能する走査信号線2と、データ信号線3に接続された第1ソース電極5aおよび第2ソース電極5bと、第1ドレイン電極6aおよび第2ドレイン電極6bとをそれぞれ備えている。
そして、第1ドレイン電極6aおよび第2ドレイン電極6bはそれぞれ、配線部を構成する導電層からなる第1ドレイン引き出し配線7aおよび第2ドレイン引き出し配線7bに接続されている。第1ドレイン引き出し配線7aおよび第2ドレイン引き出し配線7bは、それぞれ層間絶縁膜を貫く第1コンタクトホール8aおよび第2コンタクトホール8bを介して第1副画素電極1aおよび第2副画素電極1bと接続されている。
すなわち、第1副画素電極1aが第1TFT4aを介してデータ信号線3に接続され、第2副画素電極1bが第2TFT4bを介してデータ信号線3に接続される。なお、第1TFT4aおよび第2TFT4bのゲートはいずれも走査信号線2に接続される。また、後で詳述するように、第1副画素電極1aと第1保持容量配線11との間で第1保持容量(Strage Capacitor)Ccs1が形成され、第2副画素電極1bと第2保持容量配線12との間で第2保持容量Ccs2が形成される。なお、第1保持容量配線11および第2保持容量配線12には、互いに異なる保持容量信号(補助容量対向電圧)が供給される。ここで、第1保持容量Ccs1および第2保持容量Ccs2が、本実施形態のように、第1副画素電極1aと第1保持容量配線11との間、および第2副画素電極1bと第2保持容量配線12との間にゲート絶縁膜や層間絶縁膜を挟んで形成されてもよいし、或いは、第1保持容量配線11および第2保持容量配線12上に保持容量上電極を設け、第1保持容量配線11および第2保持容量配線12と上記保持容量上電極とがゲート絶縁膜を挟んで第1保持容量Ccs1および第2保持容量Ccs2を形成し、上記保持容量上電極と第1副画素電極1aおよび第2副画素電極1bを層間絶縁膜に設けたコンタクトホールを介して接続するようにしてもよい。
また、後述するように、第1副画素電極1a、共通対向電極Ec、および両者間の液晶層によって第1副画素容量Clc1が構成される一方、第2副画素電極1b、共通電極Ec、および両者間の液晶層によって第2副画素容量Clc2が構成される。
また、マルチ画素構造が適用される場合、副画素のうちの少なくとも2つは輝度が互いに異なるものであることが好ましい。この形態によれば、1つの画素内に明るい第1副画素P1および暗い第2副画素P2の両方が存在するため、面積階調によって中間調を表現することができ、液晶表示画面の斜め視角における白浮きを改善するのに好適である。
さらに、上記マルチ画素構造を採用する本実施の形態のアクティブマトリクス基板10は、後に詳述するように、互いに逆の位相の信号電圧が印加される2つの第1保持容量配線11および第2保持容量配線12が設けられたものであり、上記2つの第1保持容量配線11および第2保持容量配線12は、それぞれ異なる第1副画素P1および第2副画素P2に対応する第1副画素電極1aおよび第2副画素電極1bと図示しない絶縁層を介して重なる構造を有する。このような形態は、明るい第1副画素P1および暗い第2副画素P2を形成するのに好適である。なお、明るい第2副画素P2および暗い第1副画素P1を形成するものであってもよい。
また、2以上の保持容量配線に印加される互いに逆の位相の信号電圧とは、画素分割構造の画素において、面積階調を操作するために用いられる保持容量Cs波形電圧のことを意味し、ゲート信号のオフ後に、容量結合を行うタイミングで、ソースから供給されるドレイン信号電圧(Vs)の突き上げに寄与する保持容量Cs波形電圧(保持容量Cs極性が+)と、ドレイン信号電圧(Vs)の突き下げに寄与する保持容量Cs波形電圧(保持容量Cs極性が−)との2種類がある。
このような画素分割法(面積階調技術)においては、保持容量Cs波形電圧、保持容量Csおよび液晶容量の容量結合により、画素毎への実効電圧を副画素毎に変えることによって、明・暗の副画素を形成させ、これらのマルチ画素駆動を実現することができる。このような画素分割法(面積階調技術)については、前記特許文献3等に詳細が開示されている。
一方、本実施の形態の液晶表示装置では、液晶分子を複数の配向領域に分けた垂直配向モードのMVA(Multi domain Vertical Alignment)方式を採用している。すなわち、図1に示すように、アクティブマトリクス基板10には、第1副画素電極1aおよび第2副画素電極1bのそれぞれに電極切除パターンである配向規制構造物としてのスリットSLを平面「>」形状又は平面「<」形状に設けられると共に、カラーフィルタ基板の対向電極(共通電極)に配向規制構造物としてのリブLBを平面「>」形状又は平面「<」形状に設けられている。
上記リブLBおよびスリットSLに挟まれる各々の領域は、本実施形態のアクティブマトリクス基板10を用いた液晶表示装置の画素Pが中間調表示状態の時に液晶分子が傾いて配向する方向がそれぞれ90度ずつ異なることとなる。図中矢印がそれぞれの配向領域である例えばドメインD1・D2・D3・D4の液晶分子の配向方向を概念的に示している。
詳細には、図1に示すように、第1副画素P1および第2副画素P2における液晶分子の配向方向が互いに対向し合うドメインD1・D2およびドメインD3・D4をそれぞれ1組とするときに、第1副画素P1および第2副画素P2には、液晶分子が傾いて配向する方向がそれぞれ90度ずつ異なる方向に対向し合う2組である上記ドメインD1・D2およびドメインD3・D4がそれぞれ形成されている。
そして、液晶分子の配向方向が互いに対向し合うドメインD1・D2およびドメインD3・D4の各間には、リブLBが対向基板であるカラーフィルタ基板に形成されていると共に、スリットSLがアクティブマトリクス基板10にそれぞれ形成されている。したがって、リブLBおよびスリットSLは、ドメインD1・D2およびドメインD3・D4の各境界となっている。
これら4つの異なるドメインD1・D2・D3・D4により視野角特性が良好なMVA型液晶表示装置が実現される。
ところで、このような液晶分子を複数の配向領域に分けた垂直配向モードとマルチ画素構造とを組み合わせた液晶表示装置においては、走査信号線2に沿って配向乱れ領域AL・ABが発生するので、その部分の配向領域面積が実質的に減少し、各配向領域面積が実質的に異なることとなる。その結果、上下左右方向、或いは右下、右上、左上、左下等の各方向の視野角特性を悪化させる虞がある。
すなわち、従来では、隣接する2画素単位においては、第1副画素P1および第2副画素P2の少なくとも一方である例えば第1副画素P1において各ドメインD1・D2・D3・D4の走査信号線への対向長さが第1副画素P1同士との間ではそれぞれ同じであった。具体的には、図20から判るように、隣接する2画素P単位では、例えば各第1副画素P1のドメインD1の走査信号線への対向長さは常に例えば0.4L(Lは第1副画素P1の走査信号線への対向長さ)であり、各第1副画素P1のドメインD2の走査信号線への対向長さは常に例えば0.3Lとなり、それぞれ同じである。
この結果、第1副画素P1において隣接する2画素単位では、ドメインD1の走査信号線への対向長さは0.4L+0.4L=0.8Lであり、ドメインD2の走査信号線2への対向長さは0.3L+0.3L=0.6Lであり、ドメインD3の走査信号線2への対向長さは0+0=0であり、ドメインD4の走査信号線2への対向長さは0+0=0Lとなる。
この結果、走査信号線に沿う配向乱れ領域ALの近傍のドメインD1・D2では、常に、視野角特性に対する大きな影響を受け、走査信号線に沿わないドメインD3・D4では、視野角特性に対する影響を受けていないことになる。このため、ドメインD1・D2・D3・D4間で視野角特性の対称性が異なることになり、上下左右方向、或いは右下、右上、左上、左下等の各方向における視野角特性の差異が生じた。
そこで、本実施の形態では、図1に示すように、隣接する2画素単位における、第1副画素P1および第2副画素P2の少なくとも一方において各ドメインD1・D2・D3・D4の走査信号線2への対向長さが第1副画素P1および第2副画素P2のうちの少なくとも一方同士との間でそれぞれ異なるように、リブLBおよびスリットSLが形成されている。
具体的には、本実施の形態の液晶表示装置では、互いに隣接する画素P・P同士では、平面「>」形状のスリットSLおよびリブLBと、該スリットSLおよびリブLBを180度回転した平面「<」形状のスリットSLおよびリブLBとが組み合わされている。
これにより、例えば輝度が高い第1副画素P1が、各画素Pにおいて、スリットSLおよびリブLBが逆向きとなる。
この構成によれば、走査信号線2であるゲートラインGjに接続される第1副画素P1のドメインD1の走査信号線2への対向長さを例えば0.4L(Lは第1副画素P1の走査信号線2への対向長さ)とし、上記ゲートラインGjに接続される第1副画素P1のドメインD2の走査信号線2への対向長さを例えば0.3Lとすると、上記ゲートラインGjに接続される第1副画素P1のドメインD3・D4の走査信号線2への対向長さはそれぞれ0である。
一方、走査信号線2であるゲートラインGj+1に接続される第1副画素P1のドメインD3の走査信号線2への対向長さを例えば0.4Lとし、上記ゲートラインGj+1に接続される第1副画素P1のドメインD4の走査信号線2への対向長さを例えば0.3Lとすると、上記ゲートラインGj+1に接続される第1副画素P1のドメインD1・D2の走査信号線2への対向長さはそれぞれ0である。
この結果、例えば第1副画素P1において隣接する2画素単位では、ドメインD1の走査信号線2への対向長さは0.4L+0=0.4Lであり、ドメインD2の走査信号線2への対向長さは0.3L+0=0.3Lであり、ドメインD3の走査信号線2への対向長さは0.4L+0=0.4Lであり、ドメインD4の走査信号線2への対向長さは0.3L+0=0.3Lである。
これにより、走査信号線2に沿う配向乱れ領域ALの影響が、各ドメインD1・D2・D3・D4に分散され、同じドメインD1・D2・D3・D4に偏ることを防止することができる。
この結果、設計時に意図した視野角特性のバランスが大きく損なわれることを抑制できる。したがって、液晶分子を複数の配向領域に分けた垂直配向モードとマルチ画素構造とを組み合わせた液晶表示装置において、画素を分断する走査信号線に沿って発生する配向乱れ領域ALによる視野角特性の悪化を抑制し得る液晶表示装置を提供することができる。
上記の作用効果を奏する構成として、別の表現を用いれば、本実施の形態の液晶表示装置では、多数の画素Pが平面的に配列されてなり、各画素Pは走査信号線2によって互いに分割された第1副画素P1および第2副画素P2を有し、各第1副画素P1および第2副画素P1はそれぞれ複数のドメインD1・D2・D3・D4を有すると共に、走査信号線2に対して直交する対称軸に非対称に各ドメインD1・D2・D3・D4が区画されているマルチドメイン構造を有している液晶表示装置であって、上記画素P1の配列方向において互いに隣接する2画素単位では、第1副画素P1および第2副画素P2の少なくとも一方について、上記対称軸に対して各ドメインD1・D2間およびドメインD3・D4間の各境界が線対称に配置されているとすることができる。
さらに別の表現を用いれば、本実施の形態の液晶表示装置では、隣接する2画素P・P単位において、走査信号線2に沿った配向乱れ領域ALの発生する割合が、ドメインD1・D2の組とドメインD3・D4の組とに均等に配されるように、リブLBおよびスリットSLが形成されているとすることができる。
例えば、走査信号線2であるゲートラインGjに接続される第1副画素P1ではドメインD1・D2の配向乱れ領域ALの割合は例えば0.2であり、ドメインD3・D4の配向乱れ領域ALの割合は0である。また、ゲートラインGj+1に接続される第1副画素P1ではドメインD1・D2の配向乱れ領域ALの割合は0であり、ドメインD3・D4の配向乱れ領域ALの割合は例えば0.2である。
したがって、第1副画素P1において、隣接する2画素P・Pを合わせて考えると、ドメインD1・D2の配向乱れ領域ALの割合は0.2であり、ドメインD3・D4の配向乱れ領域ALの割合も0.2である。
このため、隣接する2画素P・P単位においては、少なくとも各第1副画素P1のドメインD1・D2およびドメインD3・D4同士では、走査信号線2に沿った配向乱れ領域ALの割合は、均等に配されていることになる。この結果、設計時に意図した視野角特性のバランスが損なわれることを抑制できる。
また、本実施の形態の液晶表示装置では、第1副画素P1および第2副画素P2には互いに同じ形状である平面「>」形状を繰り返した平面2連「>」形状のスリットSLおよびリブLB又は平面「<」形状を繰り返した平面2連「<」形状のスリットSLおよびリブLB)がそれぞれ形成されている。このため、画素P全体では平面2連「>」形状のスリットSLおよびリブLB、又は該配向規制構造物を180度回転した平面2連「<」形状のスリットSLおよびリブLBが配されていることになる。この結果、ある画素Pでは液晶分子を4つのドメインD1・D2・D3・D4×2に分けることができる。そして、この画素Pに隣接する画素Pでは、スリットSLおよびリブLBが180度回転した平面2連「<」形状又は平面2連「>」形状に配されているので、この画素P全体でも液晶分子を4つのドメインD1・D2・D3・D4×2に分けることができる。したがって、全ての画素Pにおいて、液晶分子の4つのドメインD1・D2・D3・D4×2を確保できる。
また、互いに隣接する上記画素同士では、平面2連「>」形状の配向規制構造物と、該配向規制構造物を180度回転した平面2連「<」形状の配向規制構造物とが組み合わされているという関係を満たしているので、画素Pを分断する走査信号線2に沿って発生する配向乱れ領域AL・ABによる視野角特性の悪化を抑制することができ、設計時に意図した視野角特性のバランスが損なわれることを抑制できる。
したがって、液晶分子を複数の配向領域に分けた垂直配向モードとマルチ画素構造とを組み合わせた液晶表示装置の中間調表示状態において、画素を分断する走査信号線2に沿って発生する配向乱れ領域AL・ABによる視野角特性の悪化を抑制し得る液晶表示装置を提供することができる。
また、明副画素と暗副画素との両方共、スリットSLおよびリブLBが対称配置されている構成では、中間調領域全般にわたって、視野角特性の悪化を防ぐ効果を得ることができる。なお、本実施の形態では、前述しているように、明副画素である第1副画素P1のみスリットSLおよびリブLBを対称に配置することが可能である。
<製造方法について>
次に、上記構成のアクティブマトリクス基板10を備えた液晶表示装置の製造方法の基本部分について、図1および図2に基づいて説明する。図2は、液晶表示装置の構成を示す断面図である。
本実施の形態では、図1および図2に示すように、ガラス、プラスチック等の透明絶縁性基板上に、第1TFT4aおよび第2TFT4bのゲート電極としても機能する走査信号線2が設けられている。走査信号線2およびゲート電極は、例えばチタン、クロム、アルミニウム、モリブデン、タンタル、タングステン、銅等の金属膜、それらの合金膜、又はそれらの積層膜を1000Å〜3000Åの膜厚でスパッタリング法等の方法にて成膜し、これをフォトエッチング法等にて必要な形状にパターン形成することによって、形成される。
続いて、ゲート絶縁膜となる窒化シリコン膜(SiNx)、アモルファスシリコンやポリシリコン等からなる高抵抗半導体層、およびn+アモルファスシリコン等の低抵抗半導体層は、プラズマCVD(化学的気相成長)法等により連続して成膜され、フォトエッチング法等によりパターン形成される。膜厚は、例えば、ゲート絶縁膜としての窒化シリコン膜は3000Å〜5000Å程度、高抵抗半導体層としてのアモルファスシリコン膜は1000Å〜3000Å程度、低抵抗半導体層としてのn+アモルファスシリコン膜は400Å〜700Å程度である。
次いで、データ信号線3、第1ソース電極5a、第2ソース電極5b、第1ドレイン電極6a、第2ドレイン電極6b、並びに第1ドレイン引き出し配線7aおよび第2ドレイン引き出し配線7bは同一工程により形成される。データ信号線3、第1ソース電極5a、第2ソース電極5b、第1ドレイン電極6a、第2ドレイン電極6b、並びに第1ドレイン引き出し配線7aおよび第2ドレイン引き出し配線7bは、チタン、クロム、アルミニウム、モリブデン、タンタル、タングステン、銅等の金属膜、それらの合金膜、又は、それらの積層膜を1000Å〜3000Åの膜厚でスパッタリング法等の方法にて形成し、フォトエッチング法等にて必要な形状にパターン形成することによって形成される。
第1TFT4aおよび第2TFT4bは、アモルファスシリコン膜等の高抵抗半導体層、およびn+アモルファスシリコン膜等の低抵抗半導体層に対して、データ信号線3、第1ソース電極5a、第2ソース電極5b、第1ドレイン電極6a、第2ドレイン電極6b、並びに第1ドレイン引き出し配線7aおよび第2ドレイン引き出し配線7bのパターンをマスクにし、ドライエッチングにてチャネルエッチングを行うことによって形成する。
さらに、層間絶縁膜として感光性アクリル樹脂等の樹脂膜や、層間絶縁膜として窒化シリコン、酸化シリコン等の無機絶縁膜、又はそれらの積層膜等が設けられる。積層膜としては、例えば、プラズマCVD法等により成膜した2000Å〜5000Å程度の膜厚の窒化シリコン膜と、この窒化シリコン膜の上にスピンコート法により形成した20000Å〜40000Åの膜厚の感光性アクリル樹脂膜との積層膜等を用いることができる。
上記第1コンタクトホール8aおよび第2コンタクトホール8bは、第1TFT4aおよび第2TFT4b、走査信号線2、データ信号線3、第1ソース電極5a、第2ソース電極5b、第1ドレイン電極6a、第2ドレイン電極6b、並びに第1ドレイン引き出し配線7aおよび第2ドレイン引き出し配線7bの上部を覆うように形成された層間絶縁膜を貫いて形成されている。第1コンタクトホール8aおよび第2コンタクトホール8bは、フォトエッチング法によりパターニングすることにより形成する。
そして、第1副画素電極1a・第2副画素電極1bは、層間絶縁膜の上層に形成され、例えば、ITO(Indium Tin Oxide:インジウムすず酸化物)、IZO、酸化亜鉛、酸化スズ等の透明性を有する導電膜を、スパッタリング法等により1000Å〜2000Å程度の膜厚で成膜し、これをフォトエッチング法等にて必要な形状、例えばMVA型の液晶表示装置に用いる場合は液晶のスリットSL等を含む形状にパターン形成することによって形成される。
なお、本実施の形態では、層間絶縁膜に窒化シリコン絶縁膜を用いたが、これに限られず、感光性アクリル樹脂膜、その他のポリイミド等の樹脂膜、感光性を有しない樹脂膜をフォトエッチングにより形成してもよい。また、スピンオンガラス(SOG)膜でも構わない。以下にスピンオンガラス(SOG)を層間絶縁膜に用いる場合の製造方法を示す。
最初に、スピンオンガラス(SOG)材料などの平坦化膜をスピンコート法により塗布する。
例えば、有機成分を含むスピンオンガラス材料(いわゆる有機スピンオンガラス(SOG)材料)を好適に用いることができ、特に、Si−O−C結合を骨格とするスピンオンガラス(SOG)材料や、Si−C結合を骨格とするスピンオンガラス(SOG)材料を好適に用いることができる。スピンオンガラス(SOG)材料とは、スピンコート法等の塗布法によってガラス膜(シリカ系皮膜)を形成し得る材料である。有機スピンオンガラス(SOG)材料は、比誘電率が低く、厚膜の形成が容易であるので、有機スピンオンガラス(SOG)材料を用いることによって、層間絶縁膜の比誘電率を低くし、厚く形成し、(副)画素電極データ信号線の間の寄生容量を低くすることが容易となる。Si−O−C結合を骨格とするスピンオンガラス(SOG)材料としては、例えば、特許文献5又は特許文献6に開示されている材料や、非特許文献1に開示されている東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製「商品名:DD1100」を用いることができる。また、Si−C結合を骨格とするスピンオンガラス(SOG)材料としては、例えば、特許文献7に開示されている材料を用いることができる。
具体的には、厚さが1.5〜3.5μmとなるように有機スピンオンガラス(SOG)材料を塗布する。その後、フォトエッチング法にて、所望のパターンを得る。エッチングには、四フッ化炭素(CF4)と酸素(O2)の混合ガスを用いてドライエッチングを行うことにより、有機SOGが除去される。
(パネル形成方法)
次に、パネル状態とするための、アクティブマトリクス基板10と対向基板であるカラーフィルタ基板20との間に液晶を封入する方法等について説明する。
液晶の封入方法については、例えば、熱硬化型シール樹脂を基板周辺に一部液晶注入のため注入口を設け、真空で注入口を液晶に浸し、大気開放することによって液晶を注入し、その後UV硬化樹脂などで注入口を封止する、真空注入法等の方法で行ってもよい。しかしながら、垂直配向の液晶パネルでは、水平配向パネルに比べ注入時間が非常に長くなる欠点がある。ここでは液晶滴下貼り合せ法による説明を行う。
アクティブマトリクス基板10側の周囲にUV硬化型シール樹脂を塗布し、カラーフィルタ基板20に滴下法により液晶の滴下を行う。液晶滴下法により液晶によって所望のセルギャップとなるよう最適な液晶量をシールの内側部分に規則的に滴下する。
さらに、上記のようにシール描画および液晶滴下を行ったカラーフィルタ基板とアクティブマトリクス基板10とを貼合せるため、貼り合わせ装置内の雰囲気を1Paまで減圧を行う。この減圧下において基板の貼合せを行った後、雰囲気を大気圧にしてシール部分が押しつぶされ、所望のシール部のギャップが得られる。
次に、シール部分の所望のセルギャップを得た構造体について、UV硬化装置にてUV照射を行いシール樹脂の仮硬化を行う。さらに、シール樹脂の最終硬化を行うためにベークを行う。この時点でシール樹脂の内側に液晶が行き渡り、液晶がセル内に充填された状態に至る。ベーク完了後に構造体を液晶パネル単位に分断し、偏光板を貼り付けることによって、液晶パネルが完成する。
以上のように、アクティブマトリクス基板10と、このアクティブマトリクス基板10の各画素Pに対応するようにマトリクス状に設けられた赤(R)、緑(G)、青(B)のうちのいずれか1つの着色層と、各着色層の間に設けられた遮光性のブラックマトリクスからなるように形成されたカラーフィルタ基板20とを貼り合わせ、液晶を注入・封止することによって、液晶表示パネルが形成される。
この液晶パネルにドライバ(液晶駆動用LSI)等を接続し、第1偏光板および第2偏光板やバックライトを装着することによって、本実施の形態の液晶表示装置が形成される。
なお、第1偏光板および第2偏光板は、図3に示すように、偏光軸が互いに直交しており、画素電極1に閾値電圧を印加した場合に液晶が傾いて配向する方向は、第1偏光板および第2偏光板の偏光軸とは方位角45度に設定してある。このとき、第1偏光板を通った入射偏光が液晶層を通るときに、偏光軸が回転するため、第2偏光板から光が出射される。また、前記画素電極1に閾値電圧以下の電圧しか印加されない場合は、液晶はアクティブマトリクス基板10に対して垂直に配向しており、入射偏光の偏向角が変化しないため、黒表示となる。
<動作について>
以下に、本実施の形態における液晶表示装置30のマルチ画素駆動方法を図4および図5に基づいて説明する。図4は、液晶表示装置30の構成およびその表示部を示すブロック図である。図5は、上記液晶表示装置30の1画素単位の等価回路図である。
上記液晶表示装置30は、アクティブマトリクス型の表示部31と、走査信号線駆動回路であるゲートドライバ32と、データ信号線駆動回路であるソースドライバ33と、保持容量配線電圧制御部としてのCS(保持容量ライン)用コントロール回路34と、上記ゲートドライバ32、ソースドライバ33、およびCS(保持容量ライン)用コントロール回路34を制御するための表示制御回路35とを備えている。
上記表示部31は、複数本(2m本(mは1以上の整数))の走査信号線2であるゲートラインG1〜G2mと、複数本(2m+1本)の第1保持容量配線11および第2保持容量配線12である保持容量ラインCS1〜CS2m+1と、それらゲートラインG1〜G2mおよび保持容量ラインCS1〜CS2m+1と交差する複数本(n本)のデータ信号線3であるソースラインSL1〜SLnと、それらゲートラインG1〜G2mとソースラインSL1〜SLnとの交差点にそれぞれ対応して設けられた複数個(2m×n個)の上記画素Pと、1画素単位が2分割された副画素(2×2m×n個)である上記第1副画素P1および第2副画素P2とを含んでいる。
これらの画素形成部は、マトリクス状に配置されて画素アレイを構成する。各画素形成部は、図5に示すように、対応する交差点を通過する上記ゲートラインGjにゲート端子が接続される共に、当該交差点を通過するソースラインSLiにソース端子が接続されたスイッチング素子である第1TFT4aおよび第2TFT4bと、その第1TFT4aおよび第2TFT4bのドレイン端子に接続された第1副画素電極1aおよび第2副画素電極1bと、上記複数の画素形成部に共通的に設けられた対向電極(共通電極)である共通対向電極Ecと、上記複数の画素形成部に共通的に設けられた第1副画素電極1a・第2副画素電極1bと共通対向電極Ecとの間に挟持された液晶層とからなる。そして、第1副画素電極1a・第2副画素電極1bと共通対向電極Ecとにより形成される液晶容量Clc(第1液晶容量Clc1・第2液晶容量Clc2)と保持容量Ccs(第1保持容量Ccs1・第2保持容量Ccs2)とにより画素容量Csp(第1副画素容量Csp1・第2副画素容量Csp2)が構成される。
各画素形成部における第1副画素電極1a・第2副画素電極1bには、ソースドライバ33およびゲートドライバ32により、表示すべき画像に応じた電位が与えられ、共通対向電極Ecには、図示しない電源回路から所定の対向電圧Vcomが与えられる。これにより、第1副画素電極1a・第2副画素電極1bと共通対向電極Ecとの間の電位差に応じた電圧が液晶に印加され、この電圧印加によって液晶層に対する光の透過量が制御されることによって、画像表示が行われる。ただし、液晶層への電圧印加によって光の透過量を制御するためには偏光板が使用され、本基本構成における液晶表示装置では、ノーマリーブラックとなるように偏光板が配置されている。
次に、図4に示す表示制御回路35は、外部の信号源から、表示すべき画像を表すデジタルビデオ信号Dvと、当該デジタルビデオ信号Dvに対応する水平同期信号HSYおよび垂直同期信号VSYと、表示動作を制御するための制御信号Dcとを受け取り、それらのデジタルビデオ信号Dv、水平同期信号HSY、垂直同期信号VSY、および制御信号Dcに基づき、そのデジタルビデオ信号Dvの表す画像を表示部31に表示させるための信号として、データスタートパルス信号SSPと、データクロック信号SCKと、表示すべき画像を表すデジタル画像信号DA(デジタルビデオ信号Dvに相当する信号)と、ゲートスタートパルス信号GSPと、ゲートクロック信号GCKと、ゲートドライバ出力制御信号GOEとを生成して出力する。
より詳しくは、デジタルビデオ信号Dvを内部メモリで必要に応じてタイミング調整等を行った後に、デジタル画像信号DAとして表示制御回路35から出力し、そのデジタル画像信号DAの表す画像の各画素に対応するパルスからなる信号としてデータクロック信号SCKを生成し、水平同期信号HSYに基づき1水平走査期間毎に所定期間だけハイレベル(Hレベル)となる信号としてデータスタートパルス信号SSPを生成し、垂直同期信号VSYに基づき1フレーム期間(1垂直走査期間)毎に所定期間だけHレベルとなる信号としてゲートスタートパルス信号GSPを生成し、水平同期信号HSYに基づきゲートクロック信号GCKを生成し、水平同期信号HSYおよび制御信号Dcに基づきゲートドライバ出力制御信号GOEを生成する。
上述のようにして、表示制御回路35において生成された信号のうち、デジタル画像信号DAとデータスタートパルス信号SSPおよびデータクロック信号SCKとは、ソースドライバ33に入力され、ゲートスタートパルス信号GSPおよびゲートクロック信号GCKとゲートドライバ出力制御信号GOEとは、ゲートドライバ32に入力される。
ソースドライバ33は、デジタル画像信号DAと、データスタートパルス信号SSPおよびデータクロック信号SCKとに基づき、デジタル画像信号DAの表す画像の各水平走査線における画素値に相当するアナログ電圧としてデータ信号S1〜Snを1水平走査期間毎に順次生成し、これらのデータ信号S1〜SnをソースラインSL1〜SLnに印加する。
さらに、保持容量ラインCS1〜CS2m+1を駆動するCS用コントロール回路には、ゲートクロック信号GCKが入力され、ゲートスタートパルス信号GSPが入力されるCS用コントロール回路34により、保持容量信号波形の位相や幅が制御される。
次に、この保持容量信号を用いた駆動方法の一例について、図6(a)(b)に基づいて説明する。図6(a)はnフレーム目の各信号の駆動電圧波形(タイミング)を示すものであり、図6(b)はn+1フレーム目の各信号の駆動電圧波形を示すものである。なお、図6(b)は図6(a)に対して極性が反転したものとなっている。
図6(a)(b)に示した電圧波形によれば、第1副画素P1が明副画素となり、第2副画素P2が暗副画素となる。Vgはゲート電圧を示し、Vsはソース電圧を示し、Vcs1・Vcs2は第1副画素P1および第2副画素P2のそれぞれの保持容量ラインCS1・CS2の電圧を示し、Vlc1およびVlc2はそれぞれ第1副画素P1および第2副画素P2の画素電極の電圧を示す。
本実施の形態では、図6(a)に示すように、nフレーム目にソース電圧の中央値Vscに対して、プラス極性としてソース電圧Vspを与え、図6(b)に示すように、次の(n+1)フレーム目にマイナス極性としてソース電圧Vsnを与え、かつ、フレーム毎にドット反転を行う。保持容量ラインCS1・CS2には、第1保持容量電圧Vcs1および第2保持容量電圧Vcs2を振幅電圧Vadで振幅させ、保持容量ラインCS1の位相と保持容量ラインCS2の位相とを180度ずらした信号を入力する。
図6(a)を参照して、nフレーム目のときの各信号の電圧の経時変化を説明する。
時刻T1のとき、ゲート電圧Vgがゲートオフ電圧VgLからゲートオン電圧VgHに変化し、両第1副画素P1および第2副画素P2の第1TFT4aおよび第2TFT4bがON状態となり、第1液晶容量Clc1・第2液晶容量Clc2および第1保持容量Ccs1・第2保持容量Ccs2にソース電圧Vspの電圧が印加される。
時刻T2のとき、ゲート電圧Vgがゲートオン電圧VgHからゲートオフ電圧VgLに変化し、第1副画素P1および第2副画素P2の第1TFT4aおよび第2TFT4bがOFF状態となり、第1液晶容量Clc1・第2液晶容量Clc2および第1保持容量Ccs1・第2保持容量Ccs2がデータ信号線3と電気的に絶縁される。なお、この直後に寄生容量等の影響による引き込み現象のために、第1副画素P1および第2副画素P2のそれぞれにVd1およびVd2の引き込み電圧が発生し、各第1副画素P1および第2副画素P2の第1副画素電圧Vlc1および第2副画素電圧Vlc2は、
Vlc1=Vsp−Vd1
Vlc2=Vsp−Vd2
となる。
また、このとき、第1保持容量電圧Vcs1および第2保持容量電圧Vcs2は、
Vcs1=Vcom−Vad
Vcs2=Vcom+Vad
である。
なお、第1引き込み電圧Vd1および第2引き込み電圧Vd2は、下記の式のようになる。
Vd1,Vd2=(VgH−VgL)×Cgd/(Clc(V)+Cgd+Ccs)
ここで、ゲートオン電圧VgHおよびゲートオフ電圧VgLはそれぞれ第1TFT4aおよび第2TFT4bのゲートオン時の電圧およびゲートオフ時の電圧、Cgdは第1TFT4aおよび第2TFT4bのゲートとドレインとの間に生じる寄生容量、Clc(V)は液晶容量の静電容量(容量値)、Ccsは保持容量の静電容量(容量値)を示す。
次に、時刻T3のとき、保持容量ラインCS1の第1保持容量電圧Vcs1がVcom−VadからVcom+Vadへ変化し、保持容量ラインCS2の第2保持容量電圧Vcs2がVcom+VadからVcom−Vadへ変化する。このとき各第1副画素P1および第2副画素P2の第1副画素電圧Vlc1および第2副画素電圧Vlc2は、
Vlc1=Vsp−Vd1+2×K×Vad
Vlc2=Vsp−Vd2−2×K×Vad
となる。ただし、K=Ccs/(Clc(V)+Ccs)である。
時刻T4では、第1保持容量電圧Vcs1がVcom+VadからVcom−Vadへ変化し、第2保持容量電圧Vcs2がVcom−VadからVcom+Vadへ変化する。このとき第1副画素電圧Vlc1および第2副画素電圧Vlc2は、
Vlc1=Vsp−Vd1
Vlc2=Vsp−Vd2
となる。
時刻T5では、第1保持容量電圧Vcs1がVcom−VadからVcom+Vadへ変化し、第2保持容量電圧Vcs2がVcom+VadからVcom−Vadへ変化する。このとき、第1副画素電圧Vlc1および第2副画素電圧Vlc2は、
Vlc1=Vsp−Vd1+2×K×Vad
Vlc2=Vsp−Vd2−2×K×Vad
となる。
後は、次にVg=VgHとなり書き込みが行われるまで、水平走査期間1Hの整数倍毎に、第1保持容量電圧Vcs1および第2保持容量電圧Vcs2と第1副画素電圧Vlc1および第2副画素電圧Vlc2とは、時刻T4と時刻T5との動作を交互に繰り返す。したがって、第1副画素電圧Vlc1および第2副画素電圧Vlc2の実効値は、
Vlc1=Vsp−Vd1+K×Vad
Vlc2=Vsp−Vd2−K×Vad
となる。
nフレーム目において、各副画素の液晶層に印加される実効電圧は、
V1=Vsp−Vd1+K×Vad−Vcom
V2=Vsp−Vd2−K×Vad−Vcom
となるため、第1副画素P1が明副画素となり、第2副画素P2が暗副画素となる。これにより、マルチ画素駆動が行われる。なお、ここでは寄生容量すなわちデータ信号線3と第1副画素電極1a・第2副画素電極1bとの寄生容量等は省略して説明した。また、ここでは簡易的に第1保持容量電圧Vcs1の位相と第2保持容量電圧Vcs2の位相とを180度ずらしているが、1画素を形成する副画素が明副画素と暗副画素となればよいので必ずしも位相のずれが180度でなくても構わない。また、第1保持容量電圧Vcs1および第2保持容量電圧Vcs2のパルス幅をVsと同等としたが、これに限らず、例えば大型高精細の液晶表示装置を駆動する場合の保持容量信号遅延による保持容量の充電不足を考慮してパルス幅を変更すればよい。
これらは、ゲートスタートパルス信号GSPやゲートクロック信号GCKが入力されるCS用コントロール回路により制御可能である。
以上のように、第1副画素P1は、第1副画素電極1aと、この第1副画素電極1aの端部側に配された第1保持容量配線11との間に第1保持容量Ccs1を形成する一方、第2副画素P2は、第2副画素電極1bの端部側に配された第2保持容量配線12との間に第2保持容量Ccs2を形成する。そして、CS用コントロール回路34は、第1保持容量配線11および第2保持容量配線12を個別に電位制御することにより、第1副画素電極1aの電位および第2副画素電極1bの電位をそれぞれ個別に制御する。
したがって、例えば、第1副画素P1を明、第2副画素P2を暗とすることができるので、γ特性の視角依存性を改善するための画素分割駆動を実現することができる。
また、本実施の形態の液晶表示装置30では、CS用コントロール回路34は、第1副画素P1を中間調表示状態の輝度となるようにすると共に、このとき同時に、第2副画素P2を該第1副画素P1よりも低輝度となるとなるようにする。これにより、具体的に、CS用コントロール回路34が明第1副画素P1と暗第2副画素P2とを生成する。
ところで、第1保持容量電圧Vcs1および第2保持容量電圧Vcs2は、図7に示すように、それぞれ時刻T3および時刻T4で「High」になったまま、あるいは「Low」になったままの波形とすることもできる。すなわち、第1保持容量電圧Vcs1および第2保持容量電圧Vcs2を各トランジスタがオフされた後に突き上げあるいは突き下げると共に、該フレームではこの突き上げたままあるいはその突き下げたままの状態を維持するように電位制御することができる。なお、ここでは時刻T3と時刻T4とは時間的に1水平期間(1H)ずれている。
nフレームにおける各電圧波形の経時変化を説明する。
まず、時刻T0で、Vcs1=Vcom−Vad、Vcs2=Vcom+Vadとする。なお、Vcomは共通電極(対向電極)の電圧である。
時刻T1で、ゲート電圧Vgがゲートオフ電圧VgLからゲートオン電圧VgHに変化し、前記各第1TFT4aおよび第2TFT4bがいずれもON状態となる。この結果、第1副画素電圧Vlc1および第2副画素電圧Vlc2がソース電圧Vspに上昇し、第1保持容量Ccs1・第2保持容量Ccs2および第1副画素容量Csp1・第2副画素容量Csp2が充電される。
時刻T2で、ゲート電圧Vgがゲートオン電圧VgHからゲートオフ電圧VgLに変化し、各第1TFT4aおよび第2TFT4bがOFF状態となって、第1保持容量Ccs1・第2保持容量Ccs2および第1副画素容量Csp1・第2副画素容量Csp2がデータ信号線3から電気的に絶縁される。なお、この直後に寄生容量等の影響によって引き込み現象が発生し、Vlc1=Vsp−Vd1、Vlc2=Vsp−Vd2となる。
時刻T3では、第1保持容量電圧Vcs1がVcom−VadからVcom+Vadへ変化する。時刻T4では(T3の1H後)、第2保持容量電圧Vcs2がVcom+VadからVcom−Vadへ変化する。この結果、
Vlc1=Vsp−Vd1+2×K×Vad
Vlc2=Vsp−Vd2−2×K×Vad
となる。ここで、K=Ccs/(Clc+Ccs)であり、Ccsは各保持容量(第1保持容量Ccs1・第2保持容量Ccs2)の容量値、Clcは液晶容量(第1液晶容量Clc1・第2液晶容量Clc2)の容量値とする。
以上から、nフレーム目において各副画素容量(第1副画素容量Csp1・第2副画素容量Csp2)にかかる実効電圧(V1・V2)は、
V1=Vsp−Vd1+2×K×Vad−Vcom
V2=Vsp−Vd2−2×K×Vad−Vcom
となるため、1つの画素P内に、第1副画素容量Csp1による明第1副画素P1と、第2副画素容量Csp2による暗第2副画素P2とが形成される。
このように、本実施の形態の液晶表示装置30では、CS用コントロール回路34は、第1TFT4a又は第2TFT4bがオフされた後に電位が上昇又は降下すると共に、その状態が次フレームにて該第1TFT4a又は第2TFT4bがオフされるまで続くように、各第1保持容量配線11および第2保持容量配線12を電位制御することが好ましい。
こうすれば、第1保持容量電圧Vcs1および第2保持容量電圧Vcs2の波形のなまりがドレイン実効電位に与える影響が小さくなり、輝度ムラの低減に有効である。
なお、本実施の形態においては、図1に示すように、第1副画素P1および第2副画素P2には、平面「>」形状のスリットSLおよびリブLBがそれぞれ形成されることにより、スリットSLおよびリブLBは1画素Pでは平面2連「>」形状に配されていると共に、互いに隣接する画素P1同士では、スリットSLおよびリブLBが180度反転した平面2連「<」形状に配されていたが、必ずしもこれに限ることはない。
例えば、図8(a)に示すように、画素P1は、赤(R)・緑(G)・青(B)に対応する画素群からなる1絵素を構成し、互いに隣接する絵素同士では、平面2連「>」形状のスリットSLおよびリブLBと、該スリットSLおよびリブLBを180度回転した平面2連「<」形状のスリットSLおよびリブLBとが組み合わされているとすることが可能である。これにより、隣接する絵素の同色画素において、各色の視野角均一性の低下を抑制することができる。すなわち、色表示において設計時に意図した視野角特性のバランスが損なわれることを抑制することができ、特に単色表示時に好適である。
また、例えば、図8(b)に示すように、画素P1は、赤(R)・緑(G)・青(B)に対応する画素群からなる1絵素を構成し、互いに隣接する1絵素の同色画素同士では、平面2連「>」形状のスリットSLおよびリブLBと、該スリットSLおよびリブLBを180度回転した平面2連「<」形状のスリットSLおよびリブLBとが組み合わされているとすることが可能である。これにより、隣接する同色画素Pにおいて、各色の視野角均一性の低下を抑制することができる。すなわち、色表示において設計時に意図した視野角特性のバランスが損なわれることを抑制することができ、特に単色表示時に好適である。
〔実施の形態2〕
本発明に係る他の実施の形態について図9ないし図12に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態の液晶表示装置40は、前記実施の形態1の構成に加えて、図9に示すように、第1ドレイン引き出し配線7aおよび第2ドレイン引き出し配線7bが、配向規制構造物としての例えばリブLBと重畳して配設されている。なお、必ずしもこれに限らず、配向規制構造物としてのスリットSLに重畳していてもよい。
すなわち、同図に示すように、第1副画素P1および第2副画素P2に設けられた各第1TFT4aおよび第2TFT4bの第1ドレイン電極6aおよび第2ドレイン電極6bは、それぞれ、配線部を構成する導電層からなる第1ドレイン引き出し配線7aおよび第2ドレイン引き出し配線7bに接続されている。また、第1ドレイン引き出し配線7aおよび第2ドレイン引き出し配線7bは、それぞれ層間絶縁膜を貫く第1コンタクトホール8aおよび第2コンタクトホール8bを介して第1副画素電極1aおよび第2副画素電極1bと接続されている。
そして、本実施の形態では、上記少なくとも1つの画素P1つまり同図9においては走査信号線2であるゲートラインGjに接続された画素Pの第1ドレイン引き出し配線7aおよび第2ドレイン引き出し配線7bは、配向規制構造物としての例えばリブLBと重畳して配設されている。なお、必ずしもこれに限らず、配向規制構造物としてのスリットSLに重畳していてもよい。
すなわち、第1ドレイン電極6aおよび第2ドレイン電極6b、並びに第1ドレイン引き出し配線7aおよび第2ドレイン引き出し配線7bは、一般的に、不透明な金属配線で形成される。このため、第1ドレイン引き出し配線7aおよび第2ドレイン引き出し配線7bが第1副画素電極1aおよび第2副画素電極1bと重畳すると、表示面積であるいわゆる開口領域を低下することになる。
この点、本実施の形態では、少なくとも1つの画素Pの第1ドレイン引き出し配線7aおよび第2ドレイン引き出し配線7bは、例えばリブLB等の配向規制構造物と重畳して配設されている。したがって、開口領域として寄与しない領域に第1ドレイン引き出し配線7aおよび第2ドレイン引き出し配線7bを設けることができるので、開口率低下を抑制することができる。
一方、同図9において、第1保持容量配線11および第2保持容量配線12は、画素P側に延びる保持容量配線延伸部11a・12aを有すると共に、この保持容量配線延伸部11a・12aが、配向規制構造物としてのリブLBと重畳して配設されているとすることができる。
すなわち、第1保持容量配線11および第2保持容量配線12は、画素P側に延びる保持容量配線延伸部11a・12aを有することによって、第1保持容量Ccs1・第2保持容量Ccs2の一部として機能する。
この場合、第1保持容量配線11および第2保持容量配線12、並びに保持容量配線延伸部11a・12aは、一般的に、不透明な金属配線で形成されるので、保持容量配線延伸部11a・12aが第1副画素電極1a又は第2副画素電極1bと重畳すると、表示面積であるいわゆる開口領域を低下することになる。
この点、本実施の形態では、保持容量配線延伸部11a・12aは、例えばスリットSLおよびリブLB等の配向規制構造物と重畳して配設されている。したがって、開口領域として寄与しない領域に保持容量配線延伸部11a・12aを設けることができるので、開口率低下を抑制することができる。
また、この保持容量配線延伸部11a・12aは、さらに他の機能を持たせることが可能である。
すなわち、本実施の形態では、図9に示すように、保持容量配線延伸部11a・12aを、リブLBの下側に沿って、第1ドレイン引き出し配線7a又は第2ドレイン引き出し配線7b側に延ばしており、この第1ドレイン引き出し配線7a又は第2ドレイン引き出し配線7bと図示しない絶縁膜を介して重畳する重畳部13を有している。そして、重畳部13は、絶縁膜の貫通により第1ドレイン引き出し配線7aと保持容量配線延伸部11aとが接続可能となっていると共に、第2ドレイン引き出し配線7bと保持容量配線延伸部12aとの接続が可能となっている。
これにより、例えば、スイッチング素子である第1TFT4aおよび第2TFT4bに動作不良が発生した場合に、絶縁膜を貫通させて保持容量配線延伸部11a・12aと第1ドレイン引き出し配線7a又は第2ドレイン引き出し配線7bとを接続すると共に、この第1ドレイン引き出し配線7a又は第2ドレイン引き出し配線7bを、第1副画素電極1a又は第2副画素電極1bとの接続部である例えば第1コンタクトホール8a又は第2コンタクトホール8bと第1ドレイン電極6aおよび第2ドレイン電極6bとの間にて断線させる。これにより、第1副画素電極1a又は第2副画素電極1bと第1保持容量配線11又は第2保持容量配線12とを保持容量配線延伸部11a・12aを介して接続することができる。この結果、欠陥画素の第1副画素電極1a又は第2副画素電極1bを第1保持容量配線11又は第2保持容量配線12の電位に落とすことができる。
したがって、例えばノーマリーブラックの液晶表示装置40に用いた場合には、動作不良が発生した欠陥画素を黒点化し、目立ち難くすることができる。
なお、この場合、第1ドレイン引き出し配線7a又は第2ドレイン引き出し配線7bは、第1ドレイン電極6a又は第2ドレイン電極6bと重畳部13との間に形成される第1コンタクトホール8a又は第2コンタクトホール8bを介して第1副画素電極1a又は第2副画素電極1bに接続されており、かつ、第1コンタクトホール8a又は第2コンタクトホール8bまでの間において配向規制構造物としての例えばスリットSL又はリブLBと重畳して配設されていることが好ましい。
これにより、例えば、スイッチング素子である第1TFT4aおよび第2TFT4bに動作不良が発生した場合に、第1ドレイン引き出し配線7a又は第2ドレイン引き出し配線7bを、例えば画素電極がない部分であるスリットSL等の配向規制構造物との重畳部分で切断することができ、切断作業が容易となる。
また、本実施の形態では、図10に示すように、第1コンタクトホール8a(又は第2コンタクトホール8b)は、第1ドレイン電極6a(又は第2ドレイン電極6b)と重畳部13との間の第1ドレイン引き出し配線7a(又は第2ドレイン引き出し配線7b)において例えば、2箇所等の複数箇所に設けられているとすることが可能である。
これにより、第1ドレイン電極6a(又は第2ドレイン電極6b)と第1副画素電極1a(又は第2副画素電極1b)との電気的接続の冗長性を確保し、接続不良を抑制することができる。
また、本実施の形態では、図11に示すように、第2ドレイン引き出し配線7b(および第1ドレイン引き出し配線7a)には、1個のコンタクト領域C1が設けられていると共に、第2コンタクトホール8b(および第1コンタクトホール8a)と交差する刳り抜き部14が形成されていることが好ましい。
すなわち、第2ドレイン引き出し配線7b(および第1ドレイン引き出し配線7a)は、一般的に、不透明な金属配線で形成されるので、第2ドレイン引き出し配線7b(および第1ドレイン引き出し配線7a)が第2副画素電極1b(および第1副画素電極1a)の第2コンタクトホール8b(および第1コンタクトホール8a)と重畳すると、表示面積であるいわゆる開口領域を低下することになる。
この点、本実施の形態では、第2ドレイン引き出し配線7b(および第1ドレイン引き出し配線7a)には、第2コンタクトホール8b(および第1コンタクトホール8a)と交差する刳り抜き部14が形成されている。したがって、第2コンタクトホール8b(および第1コンタクトホール8a)での開口率低下を抑制することができる。
また、この刳り抜き部14は、第2コンタクトホール8b(および第1コンタクトホール8a)と交差するように形成されている。したがって、第2コンタクトホール8b(および第1コンタクトホール8a)での開口率低下を抑制しつつ、例えば、製造工程で起こる位置ずれにおいても、第2ドレイン引き出し配線7b(および第1ドレイン引き出し配線7a)と第2副画素電極1b(および第1副画素電極1a)との第2コンタクトホール8b(および第1コンタクトホール8a)とを介した接触面積を十分担保することができる。
また、本実施の形態では、図12に示すように、複数個としての例えば2個のコンタクト領域C1・C2を設けると共に、少なくとも一方のコンタクト領域C1では、図中縦方向を長手方向とする長方形状の刳り抜き部14を設ける一方、他方のコンタクト領域C2では、図中横方向を長手方向とする長方形状の刳り抜き部14を設けるのが好ましい。これにより、製造工程において縦方向又は横方向のいずれの方向に位置ずれを起こしても、コンタクト領域C1・C2の少なくとも一方において、第2ドレイン引き出し配線7b(および第1ドレイン引き出し配線7a)と第2副画素電極1b(および第1副画素電極1a)との第2コンタクトホール8b(および第1コンタクトホール8a)とを介した接触面積を十分担保することができる。
このような刳り抜き部14の形成は、第2ドレイン引き出し配線7b(および第1ドレイン引き出し配線7a)のコンタクト領域C1・C2が前記リブLBや第2副画素電極1b(および第1副画素電極1a)のスリットSLの下側に形成できない場合に特に好適といえる。
〔実施の形態3〕
本発明に係るさらに他の実施の形態について図13および図14に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、実施の形態1および実施の形態2と同じである。また、説明の便宜上、実施の形態1および実施の形態2の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態の液晶表示装置50は、前記実施の形態1および実施の形態2の構成に加えて、図13(a)(b)に示すように、スイッチング素子としての第1TFT4aおよび第2TFT4bが、列方向に隣接する画素P単位同士で異なる前記データ信号線3であるソースラインSLi・SLi+1に接続されている。
すなわち、図14(a)に示すように、一般的に、液晶表示装置では、ドット反転駆動が行われる。このドット反転駆動では、水平ライン毎にソースラインSLi・SLi+1に印加する電圧を極性反転する必要があるので、ソースラインSLi・SLi+1の信号遅延による画質の劣化のおそれがある。そこで、この対策として、図14(b)に示すように、ソースライン反転駆動が行うことが考えられる。すなわち、ソースライン反転駆動では、ソースラインSLi・SLi+1に印加する電圧を1フレーム毎に極性反転するため、ドット反転駆動に比べ、データ信号の極性周期を低減することができ、前記ソースドライバ33の消費電力が低く抑えられ、ソースラインSLi・SLi+1の信号遅延による画質劣化を防ぐことができる。しかしながら、ソースライン反転駆動を行うと、隣接データ信号線3であるソースラインSLi・SLi+1の間の極性が異なる。その結果、図14(b)に示すように、画素Pの列毎に印加する電圧の極性が異なるため、縦状の縞(縦フリッカー)が視認される場合がある。
そこで、本実施の形態では、図13(a)(b)に示すように、スイッチング素子としての第1TFT4aおよび第2TFT4bを、列方向に隣接する画素P単位同士で異なるデータ信号線3であるソースラインSLi・SLi+1に接続する。
これにより、図14(c)に示すように、データ信号線3に印加する電圧を1フレーム毎に極性反転するソースライン反転駆動を行っても、各画素Pに印加される電圧の極性はドット反転駆動の場合と同じである。したがって、ソースラインSLi・SLi+1の信号遅延による画質の劣化を抑制することができると共に、上記の縦フリッカーの発生を抑制するができる。
また、前記実施の形態2の図9に示すように、ゲートラインGjに接続される画素PではスリットSLおよびリブLBを平面2連「>」形状に配すると共に、このゲートラインGjに接続される画素Pに隣接するゲートラインGj+1に接続される画素Pでは、スリットSLおよびリブLBを180度反転した平面2連「<」形状に配した場合において、ゲートラインGjに接続される画素Pについては、第1ドレイン引き出し配線7a又は第2ドレイン引き出し配線7bを、配向規制構造物としての例えばリブLBと重畳して配設することが可能である。
しかしながら、ゲートラインGj+1に接続される画素Pでは、第1ドレイン引き出し配線7a又は第2ドレイン引き出し配線7bを、配向規制構造物としての例えばリブLBに沿って完全に重畳して配設することが困難である。すなわち、開口率低下の抑制を目的として、第1ドレイン引き出し配線7aおよび第2ドレイン引き出し配線7bをリブLBに沿って完全に重畳して配設するために、この第1ドレイン引き出し配線7aおよび第2ドレイン引き出し配線7bをゲートラインGj+1に沿って、例えばゲートラインGj+1と重畳して引き回すのは、ゲートラインGj+1と第1ドレイン引き出し配線7aおよび第2ドレイン引き出し配線7bとの間の寄生容量が増加するため望ましくない。
これに対して、本実施の形態では、図13(a)(b)に示すように、スイッチング素子としての第1TFT4aおよび第2TFT4bを、列方向に隣接する画素P単位同士で異なるデータ信号線3であるソースラインSLi・SLi+1に接続する。この結果、第1ドレイン引き出し配線7a又は第2ドレイン引き出し配線7bを、配向規制構造物としての例えばリブLBと重畳して配設することが容易となる。その結果、実施の形態2よりもさらに開口率の低下を抑える効率的なパターン配置を実現することができる。
以下では、図18〜図41を用い、本発明の実施の形態をより詳細に説明する。
図18は実施の形態1で説明した液晶表示装置に用いられる、画素分割方式のMVAモード液晶パネルの平面図である。なお、本液晶パネルはアクティブマトリクス基板と液晶層とカラーフィルタ基板とを備えるが、図18では、液晶層は図示せず、カラーフィルタ基板についてはリブのみを図示している。
図18に示すように、アクティブマトリクス基板の各画素領域(図示せず)には、走査信号線2を挟むように第1および第2副画素領域(図示せず)が設けられ、この第1副画素領域とカラーフィルタ基板の該第1副画素領域に対応する部分とを含むように第1副画素が構成されるとともに、この第2副画素領域とカラーフィルタ基板の該第2副画素領域に対応する部分とを含むように第2副画素が構成される。第1副画素には、第1副画素領域のほぼ全体に重なる第1の画素電極1aが設けられ、さらに、第1リブL1とスリット(画素電極スリット)S1〜S4とからなる第1配向規制構造物が設けられる。また、第2副画素には、第2副画素領域のほぼ全体に重なる第2の画素電極1bが設けられ、さらに、第2リブL2とスリット(画素電極スリット)S5〜S8とからなる第2配向規制構造物が設けられる。そして、第1および第2副画素によって1つの画素55が構成される。
なお、図18および図5(等価回路)に示すように、画素55は2つのトランジスタ4a・4bを備えており、第1のトランジスタ4aのソース電極5aはデータ信号線3(SLi)に接続され、そのドレイン電極6aは、第1のドレイン引き出し配線7aとコンタクトホール8aとを介して第1の画素電極1aに接続され、第2のトランジスタ4bのソース電極5bはデータ信号線3に接続され、そのドレイン電極6bは、第2のドレイン引き出し配線7bとコンタクトホール8bとを介して第2の画素電極1bに接続されている。なお、第1および第2のトランジスタ4a・4bのゲート電極は走査信号線2(Gj)が兼ねている。また、第1の画素電極1aと第1保持容量配線11との重畳部に第1の保持容量(Ccs1)が形成され、また、第2の画素電極1bと第2保持容量配線12との重畳部に第2の保持容量(Ccs2)が形成される。なお、画素電極1aとカラーフィルタ基板の共通電極(共通対向電極)との間で第1副画素容量(Clc1)が形成され、画素電極1bとカラーフィルタ基板の共通電極(共通対向電極)との間で第2副画素容量(Clc2)が形成される。本液晶パネルが液晶表示装置に適用された場合、第1および第2の画素電極1a・1bには一旦同じ電位が書き込まれるが、第1および第2保持容量配線11・12の電位を、例えば互いに逆位相に制御することで、各画素電極1a・1bの実効電位を異ならせることができ。これにより、例えば、第1副画素を明副画素、第2副画素を暗副画素とすることができる。
画素55においては、走査信号線2の一方の側に位置する第1副画素が、走査信号線2に沿う端部E1とこれと向き合う端部E2と有し、走査信号線2のもう一方の側に位置する第2副画素が、走査信号線2に沿う端部E1とこれに向き合う端部E2とを有する。ここで、カラーフィルタ基板の第1副画素に対応する部分には、行方向(図中左→右方向)に視てV字形状をなす第1リブL1が、端部E1に始端部Tが位置するとともに端部E2に終端部Mが位置するように設けられ、カラーフィルタ基板の第2副画素に対応する部分にも、行方向(図中左→右方向)に視てV字形状をなす第2リブL2が、端部E1に始端部Tが位置するとともに端部E2に終端部Mが位置するように設けられる。すなわち、第1リブL1の向きと第2リブL2の向きは同方向である。
さらに、第1の画素電極1aには第1リブL1に対応して複数のスリットS1〜S4が設けられるとともに、第2の画素電極1bには第2リブL2に対応して複数のスリットS5〜S8が設けられている。ここで、スリットS2・S4は第1リブL1の始端部Tから屈折部Kまでの部分とほぼ平行となるようにその両側に設けられ、スリットS1・S3は第1リブL1の屈折部Kから終端部Mまでの部分とほぼ平行となるようにその両側に設けられ、スリットS5・S7は第2リブL2の始端部Tから屈折部Kまでの部分とほぼ平行となるようにその両側に設けられ、スリットS6・S8は第2リブL2の屈折部Kから終端部Mまでの部分とほぼ平行となるようにその両側に設けられており、スリットS5〜S8の形状および第2リブL2に対する配置位置は、スリットS1〜S4の形状および第1リブL1に対する配置位置と同様である。なお、第1および第2リブL1・L2それぞれにおいて、始端部T、屈折部K、および終端部Mがなす角(∠TKM)はおよそ90°である。
このように、スリットS1、第1リブL1の一辺(KM部分)、およびスリットS3はそれぞれ平行で、かつ走査信号線2に対して斜めに(約45°をなして)延伸し、スリットS2、第1リブL1の一辺(TK部分)、およびスリットS4はそれぞれ平行で、かつ走査信号線2に対して斜めに(約135°をなして)延伸しており、第1リブL1の一辺(TK部分)の一部とスリットS4の一部とが第1副画素の端部(走査信号線2に沿う部分)に位置している。一方、スリットS6、第2リブL2の一辺(KM部分)、およびスリットS8はそれぞれ平行で、かつ走査信号線2に対して斜めに(約135°をなして)延伸し、スリットS5、第2リブL2の一辺(TK部分)、およびスリットS7はそれぞれ平行で、かつ走査信号線2に対して斜め(約45°をなして)に延伸しており、上記第2リブL2の一辺(TK部分)の一部とスリットS7の一部とが第2副画素の端部(走査信号線2に沿う部分)に位置している。
図40(a)(b)は、本液晶パネルを液晶表示装置に適用したときの模式的な断面図である。なお本液晶パネルでは、配向膜として垂直配向膜を用い、誘電異方性が負の液晶を用いている。同図に示されるように、本液晶表示装置では、黒表示時(アクティブマトリクス基板・カラーフィルタ基板間の電圧V=0の場合)には液晶分子は直立する一方、中間調表示時には、液晶分子は、第1あるいは第2リブとスリットとで画される領域ごとに異なる方向に傾く(図40(b)の破線は電気力線を示している)。
すなわち、カラーフィルタ基板の第1副画素に対応する部分に第1リブL1を設けるとともに第1の画素電極1aにスリットS1〜S4を設けることで、図19に示すように、第1リブL1の始端部Tから屈折部Kまでの部分の両側に配向領域D3・D4が形成されるとともに、第1リブL1の屈折部Kから終端部Mまでの部分の両側に配向領域D1・D2が形成され、かつ、スリットS1の第1リブL1と向き合わない側には配向領域D2が形成され、スリットS2の第1リブL1と向き合わない側には配向領域D3が形成され、スリットS3の第1リブL1と向き合わない側には配向領域D1が形成され、スリットS4の第1リブL1と向き合わない側には配向領域D4が形成される。同様に、カラーフィルタ基板の第2副画素に対応する部分に第2リブL2を設け、第2の画素電極1bにスリットS5〜S8を設けることで、図19に示すように、第2リブL2の始端部Tから屈折部Kまでの部分の両側に配向領域D1・D2が形成されるとともに、第2リブL2の屈折部Kから終端部Mまでの部分の両側に配向領域D3・D4が形成され、かつ、スリットS5の第2リブL2と向き合わない側には配向領域D2が形成され、スリットS6の第2リブL2と向き合わない側には配向領域D3が形成され、スリットS7の第2リブL2と向き合わない側には配向領域D1が形成され、スリットS8の第2リブL2と向き合わない側には配向領域D4が形成される。これにより、本液晶パネルを用いた液晶表示装置の広視野角化を実現することができる。
そして、本液晶パネルでは、図20に示すように、列方向に隣接する2つの画素55x・55yの一方である画素55xに設けられた第1配向規制構造物(リブ・スリット)の形状は、もう一方である画素55yに設けられた第1配向規制構造物(リブ・スリット)を180°回転させて得られる形状となっている。さらに、各画素において第1および第2配向規制構造物の形状はほぼ同一であり、したがって、画素55xに設けられた第2配向規制構造物(リブ・スリット)の形状は、画素55yに設けられた第2配向規制構造物(リブ・スリット)を180°回転させて得られる形状となっている。すなわち、画素55yに設けられるリブL11〜12並びに第1〜第2の画素電極1c・1dおよびそのスリットS11〜S18は、画素55xに設けられるリブL1〜2並びに第1〜第2の画素電極1a・1bおよびそのスリットS1〜S8を180°回転して得られるものである。具体的には、スリットS11、第1リブL11の一辺、およびスリットS13はそれぞれ平行で、かつ走査信号線2に対して斜めに(約135°をなして)延伸し、スリットS12、第1リブL11の一辺、およびスリットS14はそれぞれ平行で、かつ走査信号線2に対して斜めに(約45°をなして)延伸しており、第1リブL11の一辺の一部GとスリットS14の一部Hとが第1副画素の端部(走査信号線2に沿う部分)に位置している。一方、スリットS16、第2リブL12の一辺、およびスリットS18はそれぞれ平行で、かつ走査信号線2に対して斜めに(約45°をなして)延伸し、スリットS15、第2リブL12の一辺、およびスリットS17はそれぞれ平行で、かつ走査信号線2に対して斜め(約135°をなして)に延伸しており、上記第2リブL12の一辺(TK部分)の一部IとスリットS17の一部Jとが第2副画素の端部(走査信号線2に沿う部分)に位置している。また、画素55xでは、図20に示すように、第1リブL1の一辺の一部BとスリットS4の一部Aとが第1副画素の端部(走査信号線2に沿う部分)に位置し、第2リブL2の一辺の一部FとスリットS7の一部Cとが第2副画素の端部(走査信号線2に沿う部分)に位置している。
図21に、本液晶パネルを用いた液晶表示装置において画素55x・55yに形成される配向領域D1〜D4の分布を示す。なお、画素55x・55yそれぞれにおいて、第1副画素が明副画素に、第2副画素が暗副画素に対応するものとする。
ここで、各画素においては走査信号線2の近傍(走査信号線2に沿う部分)の液晶配向が乱れることが知られているが、本液晶パネルでは、隣接する2つの画素55x・55yにおいて、画素55xにおける明副画素の配向領域D1〜D4それぞれの配向乱れ部分が、0(なし)・0(なし)・XM3・XM4α+XM4βとなり、画素55xにおける暗副画素の配向領域D1〜D4それぞれの配向乱れ部分が、XA1α+XA1β・XA2・0(なし)・0(なし)となり、画素55yにおける明副画素の配向領域D1〜D4それぞれの配向乱れ部分が、YM1・YM2α+YM2β・0(なし)・0(なし)となり、画素55yにおける暗副画素の配向領域D1〜D4それぞれの配向乱れ部分が、0(なし)・0(なし)・YA3α+YA3β・YA4となる。
したがって、2つの画素(55x・55y)を1単位としてみれば、2つの明副画素に含まれる配向領域D1〜D4それぞれの配向乱れ部分が、YM1・YM2α+YM2β・XM3・XM4α+XM4βとなり、また、2つの暗副画素に含まれる配向領域D1〜D4それぞれの配向乱れ部分が、XA1α+XA1β・XA2・YA3α+YA3β・YA4となる。
以上から、本液晶パネルでは、列方向に隣接する画素55x・55yに含まれる2つの明副画素が受ける配向乱れ部分が配向領域D1〜D4に分散されていることがわかる。さらに、本液晶パネルでは、YM1の大きさと、YM2αの大きさ+YM2βの大きさと、XM3の大きさと、XM4αの大きさ+XM4βの大きさとがほぼ等しくなるように各画素(55x・55y)の第1および第2の配向規制構造物が配設されていることから、配向領域D1〜D4それぞれの配向乱れ面積(各配向領域が受ける配向乱れの影響)はほぼ均一化されることになる。同様に、列方向に隣接する画素55x・55yに含まれる2つの暗副画素が受ける配向乱れ部分が配向領域D1〜D4に分散されていることがわかる。さらに、本液晶パネルでは、XA1αの大きさ+XA1βの大きさと、XA2の大きさと、YA3αの大きさ+YA3βの大きさと、YA4との大きさとがほぼ等しくなるように各画素(55x・55y)の第1および第2の配向規制構造物が配設されていることから、配向領域D1〜D4それぞれの配向乱れ面積(各配向領域が受ける配向乱れの影響)はほぼ均一化される。以上のことは、各画素において明副画素と暗画素の位置が入れ替わっても同じである。
なお、上記YM1の大きさは図20のG・H間の長さ、YM2αのそれは同図のP・G間の長さ、YM2βのそれは同図のH・Q間の長さ、XM3のそれは同図のA・B間の長さ、XM4αのそれは同図のP・A間の長さ、XM4βのそれは同図のB・Q間の長さで近似することができ、上記XA1αのそれは図20のP・C間の長さ、XA1βのそれは同図のF・Q間の長さ、XA2のそれは同図のC・F間の長さ、YA3αのそれは同図のP・I間の長さ、YA3βのそれは同図のJ・Q間の長さ、YA4のそれは同図のI・J間の長さで近似することができる。上記P・Qは走査信号線に沿う、副画素の両端を示している。
このように、本液晶パネルによれば、走査信号線2による配向乱れの影響を各配向領域(D1〜D4)に均一に分散させることができる。これにより、設計時に意図した視野角特性のバランスを可及的に維持することができ、視野角特性の優れた液晶表示装置を実現することができる。
さらに、図18に示す液晶パネルでは、1画素に設けられる第1および第2のリブが繋がっていない(それぞれが間隙をおいて独立している)ため、例えば液晶滴下注入法を用いる場合に、液晶中に真空気泡が発生することを抑制することができる。第1および第2リブの間隙によって液晶が広がりやすくなるためである。また、配向膜をインクジェット法で形成する場合にも、第1および第2リブの間隙によって配向膜が広がりやすくなり、配向膜の形成ムラを抑制することができる。
なお、図18の液晶パネルは、図38に示すように、第1リブL1と第2リブL2とを、走査信号線2と重なるように配設されたリブLcで繋げた構成とすることもできる。この場合、1つの画素内にジグザグ形状のリブが設けられることになる。
また、本液晶パネルは、図39のように構成することもできる。この構成は、図18における第1リブL1の替わりに、その位置に第1共通電極スリット(共通電極に設けられたスリット)Spを設け、第2リブL2の替わりに、その位置に第2共通電極スリットSqを設けた構成であり、他の構成は図18と同様である。図41(a)(b)は、該構成の液晶パネルを液晶表示装置に適用したときの模式的な断面図である。同図に示されるように、黒表示時(アクティブマトリクス基板・カラーフィルタ基板間の電圧V=0の場合)には液晶分子は直立する一方、中間調表示時には、液晶分子は、第1共通電極スリットSpと第1の画素電極1aに形成される各スリットS、または第2共通電極スリットSqと第2の画素電極1bに形成される各スリットSで画される領域ごとに異なる方向に傾く(図40(b)の破線は電気力線を示している)。これにより、第1および第2副画素それぞれに4つの配向領域(図19と同様)が形成される。
本実施の形態の液晶パネルは図22のように構成してもよい。なお、本液晶パネルは(画素分割方式ではない)MVAモードの液晶パネルであって、アクティブマトリクス基板と液晶層とカラーフィルタ基板とを備えるが、同図では、液晶層は図示せず、カラーフィルタ基板についてはリブのみを図示している。図23は、図22の一部の等価回路を示している。
本液晶パネルでは、アクティブマトリクス基板の各画素領域(図示せず)とカラーフィルタ基板の該画素領域に対応する部分とを含むように画素が構成される。図22はデータ信号線に沿う方向(列方向)に隣接する2つの画素X・Yについて示しており、画素Xにはその画素領域のほぼ全体に重なる画素電極1xが設けられ、さらに、リブL10〜12とスリット(画素スリット)S10〜S13とからなる配向規制構造物Fxが設けられる。また、画素Yには、その画素領域のほぼ全体に重なる画素電極1yが設けられ、さらに、リブL20〜22とスリットS20〜S23(画素スリット)とからなる配向規制構造物Fyが設けられる。
図22・23に示すように、画素Xは2つの走査信号線(2x・2z)に挟まれるように配され、走査信号線2xに沿う端部E1と走査信号線2zに沿う端部E2とを有する。画素電極1xは、走査信号線2xとデータ信号線3との交差部近傍に設けられたトランジスタ4xのドレイン電極に接続される。なお、トランジスタ4xのソース電極はデータ信号線3に接続され、そのゲート電極を走査信号線2xが兼ねている。また、画素電極1xと重なるように保持容量配線11xが設けられ、この重なり部分に保持容量Ccsが形成される。また、画素電極1xとカラーフィルタ基板の共通電極(共通対向電極)との間で画素容量(Clc)が形成される。
カラーフィルタ基板の画素Xに対応する部分には、行方向(図中左→右方向)に視てV字形状をなすリブL10が画素中段に設けられ、さらに、V字をなすリブL10の一辺に平行でかつ画素Xの端部E2に重なるリブL11と、リブL10のもう一辺に平行でかつ画素Xの端部E1に重なるリブL12とが設けられる。なお、リブL10の2辺がなす角度はおよそ90°である。また、画素電極1xにはリブL10〜12に対応して複数のスリットS10〜S13が設けられる。すなわち、リブL10の一辺とリブL11との間にスリットS10が配され、スリットS10とスリットS12との間に上記リブL10の一辺が配される。スリットS12、上記リブL10の一辺、スリットS10、およびリブL11はそれぞれ平行で、かつ走査信号線2zに対して斜めに(45°をなして)延伸しており、リブL11の一部Aが画素Xの端部(走査信号線2zに沿う部分)に位置する。また、リブL10のもう一辺とリブL12との間にスリットS11が配され、スリットS11とスリットS13との間に上記リブL10のもう一辺が配される。スリットS13、上記リブL10のもう一辺、スリットS11、およびリブL12はそれぞれ平行で、かつ走査信号線2xに対して斜めに(135°をなして)延伸しており、リブL12の一部Bが画素Xの端部(走査信号線2xに沿う部分)に位置する。
図22に示すように、画素Yは2つの走査信号線(2x・2y)に挟まれるように配され、画素電極1yは、走査信号線2yとデータ信号線3との交差部近傍に設けられたトランジスタ4yのドレイン電極に接続される。なお、トランジスタ4yのソース電極はデータ信号線3に接続され、そのゲート電極を走査信号線2yが兼ねている。また、画素電極1yと重なるように保持容量配線11yが設けられ、この重なり部分に保持容量が形成される。ここで、画素YのリブL20〜22並びに画素電極1yおよびそのスリットS20〜S23は、画素XにおけるリブL10〜12並びに画素電極1xおよびそのスリットS10〜S13を180°回転して得られるものである。したがって、スリットS22、リブL20の一辺、スリットS20、およびリブL21はそれぞれ平行で、かつ走査信号線2xに対して斜めに(135°をなして)延伸しており、リブL21の一部Cが画素Yの端部(走査信号線2xに沿う部分)に位置する。また、スリットS23、リブL20のもう一辺、スリットS21、およびリブL22はそれぞれ平行で、かつ走査信号線2xに対して斜めに(45°をなして)延伸しており、リブL22の一部Fが画素Yの端部(走査信号線2yに沿う部分)に位置する。
上記のように、画素Xに配向規制構造物Fxを設けるとともに、画素Yに配向規制構造物Fyを設けることで、本液晶パネルを用いた液晶表示装置において図24に示すように配向領域D1〜D4が形成され、広視野角化を実現することができる。
ここで、各画素においては走査信号線2x〜2zの近傍(走査信号線に沿う部分)の液晶配向が乱れることが知られているが、本液晶パネルでは、画素Xの配向領域D1〜D4それぞれの配向乱れ部分が、LX1・LX2・LX3・LX4となり、画素Yの配向領域D1〜D4それぞれの配向乱れ部分が、LY1・LY2・LY3・LY4となり、各画素における配向乱れ部分が配向領域D1〜D4に分散されていることがわかる。
さらに、本液晶パネルでは、列方向に隣接する2つの画素の一方である画素Yに設けられた配向規制構造物Fyの形状が、もう一方である画素Xに設けられた配向規制構造物Fxを180°回転させて得られる形状となっているため、列方向に隣接する2つの画素(X・Y)を1単位としてみれば、2つの画素に含まれる配向領域D1〜D4それぞれの配向乱れ部分が、LX1+LY1・LX2+LY2・LX3+LY3・LX4+LY4となり、LX1の大きさ≒LX4の大きさ≒LY2の大きさ≒LY3の大きさ、LX2の大きさ≒LX3の大きさ≒LY1の大きさ≒LY4の大きさであるため、LX1の大きさ+LY1の大きさと、LX2の大きさ+LY2の大きさと、LX3の大きさ+LY3の大きさと、LX4の大きさ+LY4の大きさとがほぼ等しくなり、したがって、配向領域D1〜D4それぞれの配向乱れ面積(各配向領域が受ける配向乱れの影響)がほぼ均一化されていることがわかる。
なお、上記LX1の大きさは図22のA・Q間の長さ、LX2の大きさは同図のP・A間の長さ、LX3の大きさは同図のP・B間の長さ、LX4の大きさは同図のB・Q間の長さ、LY1の大きさは同図のF・Q間の長さ、LY2の大きさは同図のP・F間の長さ、LY3の大きさは同図のP・C間の長さ、LY4の大きさは同図のC・Q間の長さで近似することができる。上記P・Qは走査信号線に沿う、画素の両端を示している。上記した、LX1の大きさ+LY1の大きさ、LX2の大きさ+LY2の大きさ、LX3の大きさ+LY3の大きさ、およびLX4の大きさ+LY4の大きさはそれぞれ、P・Q間の長さで近似することができる。
このように、本液晶パネルによれば、1画素単位において、走査信号線に起因する配向乱れの影響を各配向領域(D1〜D4)に分散させ、かつ、列方向に隣接する2画素単位において、各配向領域(D1〜D4)が受ける上記影響を均一化させることができる。これにより、設計時に意図した視野角特性のバランスを可及的に維持することができ、視野角特性の優れた液晶表示装置を実現することができる。
図24に示す液晶パネルは、画素ごとに保持容量配線を設ける構成(いわゆるCsオンコモン)であるが、これを図25のようにCsオンゲートの構成としても構わない。図26は、図25の一部の等価回路を示している。すなわち、画素電極1yは、走査信号線2yとデータ信号線3との交差部近傍に設けられたトランジスタ4yのドレイン電極に接続されるが、この画素電極1yの端部を、トランジスタ4xを駆動する走査信号線2xに重ねる。これにより、走査信号線2xがゲートOFF時に保持容量配線として機能し、走査信号線2xと画素電極1yとの間に保持容量Ccsが形成される(図26参照)。このCsオンゲートの構成では、画素を横切る保持容量配線が不要となるため、開口率を高めることができる。
図25に示す液晶パネルによっても、画素Xの配向領域D1〜D4それぞれの配向乱れ部分が、Lx1・Lx2・Lx3・Lx4となり、画素Yの配向領域D1〜D4それぞれの配向乱れ部分が、Ly1・Ly2・Ly3・Ly4となり、各画素における配向乱れ部分が配向領域D1〜D4に分散されていることがわかる。なお、画素X・Yの端部は走査信号線に重なっているため、走査信号線による配向乱れの影響を受けにくく、したがって、Lx1・Lx2・Ly3・Ly4は小さくなる。
さらに、列方向に隣接する2つの画素(X・Y)を1単位としてみれば、2つの画素に含まれる配向領域D1〜D4それぞれの配向乱れ部分が、Lx1+Ly1・Lx2+Ly2・Lx3+Ly3・Lx4+Ly4となり、Lx1の大きさ≒Lx4の大きさ≒Ly2の大きさ≒Ly3の大きさ、Lx2の大きさ≒Lx3の大きさ≒Ly1の大きさ≒Ly4の大きさであるため、Lx1の大きさ+Ly1の大きさと、Lx2の大きさ+Ly2の大きさと、Lx3の大きさ+Ly3の大きさと、Lx4の大きさ+Ly4の大きさとがほぼ等しくなり、したがって、配向領域D1〜D4それぞれの配向乱れ面積(各配向領域が受ける配向乱れの影響)がほぼ均一化されることがわかる。
このように、本液晶パネルによれば、1画素単位において、走査信号線に起因する配向乱れの影響を各配向領域(D1〜D4)に分散させ、かつ、列方向に隣接する2画素単位において、各配向領域(D1〜D4)が受ける上記影響を均一化させることができる。これにより、設計時に意図した視野角特性のバランスを可及的に維持することができ、視野角特性の優れた液晶表示装置を実現することができる。
本実施の形態の液晶パネルは図27のように構成してもよい。本液晶パネルは画素分割方式のMVAモードであって、アクティブマトリクス基板と液晶層とカラーフィルタ基板とを備えるが、同図では、液晶層は図示せず、カラーフィルタ基板についてはリブのみを図示している。図28は、図27の一部の等価回路を示している。
図27に示すように、アクティブマトリクス基板の各画素領域(図示せず)には、第1および第2副画素領域(図示せず)が設けられ、この第1副画素領域とカラーフィルタ基板の該第1副画素領域に対応する部分とを含むように第1副画素が構成されるとともに、この第2副画素領域と対向基板の該第2副画素領域に対応する部分とを含むように第2副画素が構成される。この第1副画素には、第1副画素領域のほぼ全体に重なる第1の画素電極1aが設けられ、さらに、リブとスリット(画素電極スリット)とからなる第1配向規制構造物が設けられる、また、第2副画素には、第2副画素領域のほぼ全体に重なる第2の画素電極1bが設けられ、さらに、リブとスリット(画素電極スリット)とからなる第2配向規制構造物が設けられる。
図27はデータ信号線方向に隣接する2つの画素(画素X・画素Y)について示しており、例えば画素Xは、これに対応して設けられた2つの走査信号線2xa・2xb間に配され、第1副画素が、走査信号線2xbに沿う端部とこれに向き合う端部とを有し、第2副画素が、走査信号線2xaに沿う端部とこれに向き合う端部とを有する。ここで、図27・28に示すように、第1の画素電極1aは、走査信号線2xaとデータ信号線3との交差部近傍に設けられたトランジスタ4xaのドレイン電極に接続され、第2の画素電極1bは、走査信号線2xbとデータ信号線3との交差部近傍に設けられたトランジスタ4xbのドレイン電極に接続される。なお、トランジスタ4xaのソース電極はデータ信号線3に接続され、そのゲート電極を走査信号線2xaが兼ねている。また、トランジスタ4xbのソース電極はデータ信号線3に接続され、そのゲート電極を走査信号線2xbが兼ねている。また、第1および第2の画素電極1a・1bと重なるように保持容量配線11が設けられ、それぞれの重なり部分に第1および第2の保持容量Ccs1・Ccs2が形成される。なお、画素電極1aとカラーフィルタ基板の共通電極(共通対向電極)との間で第1副画素容量(Clc1)が形成され、画素電極1bとカラーフィルタ基板の共通電極(共通対向電極)との間で第2副画素容量(Clc2)が形成される。本液晶パネルが液晶表示装置に適用された場合、第1および第2の画素電極1a・1bには異なるタイミングで別々の信号電位が供給され(図33参照)、これにより、例えば、第1副画素を明副画素、第2副画素を暗副画素とすることができる。なお、図33に示す走査信号線2xbの駆動では、走査作信号線2xaの書き込みパルスのタイミングと重なるプリチャージ期間を設けているが、このプリチャージ期間を設けなくても構わない。
画素X・Yそれぞれの第1および第2副画素に設けられるリブおよびスリットは、図20と同様である。すなわち、列方向に隣接する2つの画素55x・55yの一方である画素55xに設けられた第1配向規制構造物の形状は、もう一方である画素55yに設けられた第1配向規制構造物を180°回転させて得られる形状となっている。さらに、各画素において第1および第2配向規制構造物の形状はほぼ同一であり、したがって、画素55xに設けられた第2配向規制構造物の形状は、画素55yに設けられた第2配向規制構造物を180°回転させて得られる形状となっている。具体的には、画素55xにおいて、第1リブL1の一辺およびスリットS3はそれぞれ平行で、かつ走査信号線2に対して斜めに(約45°をなして)延伸し、該第1リブL1の一辺の一部BとスリットS3の一部Aとが第1副画素の端部(走査信号線2xaに沿う部分)に位置し、かつ、第2リブL2の一辺およびスリットS8はそれぞれ平行で、かつ走査信号線2xbに対して斜めに(約135°をなして)延伸し、該第2リブL2の一辺の一部FとスリットS8の一部Cとが第2副画素の端部(走査信号線2xbに沿う部分)に位置している。一方、画素55yにおいては、第1リブL11の一辺およびスリットS13はそれぞれ平行で、かつ走査信号線2yaに対して斜めに(約135°をなして)延伸し、該第1リブL11の一辺の一部GとスリットS13の一部Hとが第1副画素の端部(走査信号線2yaに沿う部分)に位置し、かつ、第2リブL12の一辺およびスリットS18はそれぞれ平行で、かつ走査信号線2に対して斜めに(約45°をなして)延伸し、該第2リブL12の一辺の一部IとスリットS18の一部Jとが第2副画素の端部(走査信号線2ybに沿う部分)に位置している。
図29に、本液晶パネルを用いた液晶表示装置において画素55x・55yに形成される配向領域D1〜D4の分布を示す。なお、画素55x・55yそれぞれにおいて、第1副画素が明副画素に、第2副画素が暗副画素に対応するものとする。
ここで、各画素においては走査信号線(2xa・2xb・2ya・2yb)の近傍(走査信号線に沿う部分)の液晶配向が乱れることが知られているが、本液晶パネルでは、隣接する2つの画素55x・55yにおいて、画素55xにおける明副画素の配向領域D1〜D4それぞれの配向乱れ部分が、XM1α+XM1β・XM2・0(なし)・0(なし)となり、画素55xにおける暗副画素の配向領域D1〜D4それぞれの配向乱れ部分が、0(なし)・0(なし)・XA3・XA4α+XA4βとなり、画素55yにおける明副画素の配向領域D1〜D4それぞれの配向乱れ部分が、0(なし)・0(なし)・YM3α+YM3β・YM4となり、画素55yにおける暗副画素の配向領域D1〜D4それぞれの配向乱れ部分が、YA1・YA2α+YA2β・0(なし)・0(なし)となる。
したがって、2つの画素(55x・55y)を1単位としてみれば、2つの明副画素に含まれる配向領域D1〜D4それぞれの配向乱れ部分が、XM1α+XM1β・XM2・YM3α+YM3β・YM4となり、また、2つの暗副画素に含まれる配向領域D1〜D4それぞれの配向乱れ部分が、YA1・YA2α+YA2β・XA3・XA4α+XA4βとなる。
以上から、本液晶パネルでは、列方向に隣接する画素55x・55yに含まれる2つの明副画素が受ける配向乱れ部分が配向領域D1〜D4に分散されていることがわかる。さらに、本液晶パネルでは、XM1αの大きさ+XM1βの大きさと、XM2の大きさと、YM3αの大きさ+YM3βの大きさと、YM4の大きさとがほぼ等しくなるように各画素(55x・55y)の第1および第2の配向規制構造物が配設されていることから、配向領域D1〜D4それぞれの配向乱れ面積(各配向領域が受ける配向乱れの影響)はほぼ均一化されることになる。同様に、列方向に隣接する画素55x・55yに含まれる2つの暗副画素が受ける配向乱れ部分が配向領域D1〜D4に分散されていることがわかる。さらに、本液晶パネルでは、YA1の大きさと、YA2αの大きさ+YA2βの大きさと、XA3の大きさと、XA4αの大きさ+XA4βの大きさとがほぼ等しくなるように各画素(55x・55y)の第1および第2の配向規制構造物が配設されていることから、配向領域D1〜D4それぞれの配向乱れ面積(各配向領域が受ける配向乱れの影響)はほぼ均一化される。以上のことは、各画素において明副画素と暗画素の位置が入れ替わっても同じである。
なお、上記XM1αの大きさは図27のP・A間の長さ、上記XM1βのそれは同図のB・Q間の長さ、上記XM2のそれは同図のA・B間の長さ、YM3αのそれは同図のP・G間の長さ、YM3βのそれは同図のH・Q間の長さ、YM4のそれは同図のG・H間の長さで近似することができ、上記YA1のそれは図27のI・J間の長さ、YA2αのそれは同図のP・I間の長さ、YA2βのそれは同図のJ・Q間の長さ、XA3のそれは同図のC・F間の長さ、XA4αのそれは同図のP・C間の長さ、XA4βのそれは同図のF・Q間の長さで近似することができる。上記P・Qは走査信号線に沿う、副画素の両端を示している。
このように、本液晶パネルによれば、走査信号線(2xa・2xb・2ya・2yb)による配向乱れの影響を各配向領域(D1〜D4)に均一に分散させることができる。これにより、設計時に意図した視野角特性のバランスを可及的に維持することができ、視野角特性の優れた液晶表示装置を実現することができる。
本実施の形態の液晶パネルは図30のように構成してもよい。なお、本液晶パネルは画素分割方式のMVAモードであって、アクティブマトリクス基板と液晶層とカラーフィルタ基板とを備えるが、同図では、液晶層は図示せず、カラーフィルタ基板についてはリブのみを図示している。図31は、図30の一部の等価回路を示している。
本液晶パネルでは、アクティブマトリクス基板の各画素領域(図示せず)とカラーフィルタ基板の該画素領域に対応する部分とを含むように画素が構成される。図30はデータ信号線3方向に隣接する2つの画素(画素X・画素Y)について示しており、画素Xには、その画素領域のほぼ全体に亘って第1〜第4の透明電極(1a〜1d)が設けられ、さらに、リブL10〜14と画素電極間隙(スリット)D10〜D13とからなる配向規制構造物Fxが設けられる。また、画素Yには、その画素領域のほぼ全体に亘って第1〜第4の透明電極(1e〜1h)が設けられ、さらに、リブL20〜24と画素電極間隙(スリット)D20〜D23とからなる配向規制構造物Fyが設けられる。
図30・31に示すように、画素Xは、これに対応して設けられた2つの走査信号線2xa・2xb間に配され、各走査信号線に沿うエッジE1・E2とデータ信号線に沿うエッジE3・E4を有する。第2の透明電極1bはエッジ3の一部(両端を除く部分)を長辺として含みつつ他のエッジ(E1・2・4)を含まない台形形状であり、第3の透明電極1cはエッジE1の端部とE4の端部とを含む直角三角形形状であり、第4の透明電極1dはエッジE2の端部とE4の端部とを含む直角三角形形状であり、第1の透明電極1aは、画素領域全体から第2〜第4の透明電極(1b〜1d)を除いた部分に設けられ、エッジE3の一部(両端部分)とエッジE4の一部(両端を除く部分)とE1の一部(端部)とE2の一部(端部)とを含む形状である。なお、第1の透明電極1aは、これと第2の透明電極1bとの間に間隙D10・11が形成され、かつこれと第3の透明電極1cとの間に間隙D12が形成され、かつこれと第4の透明電極1dとの間に間隙D13が形成されるように設けられている。
ここで、図30・31に示すように、第1の透明電極1aは、走査信号線2xaとデータ信号線3との交差部近傍に設けられたトランジスタ4xaのドレイン電極に接続され、その第2〜4の透明電極1b〜1dは、走査信号線2xbとデータ信号線3との交差部近傍に設けられたトランジスタ4xbのドレイン電極に接続される。具体的には、トランジスタ4xaのドレイン電極は、ドレイン引き出し配線17aとコンタクトホール8aとを介して第1の透明電極1aに接続されている。また、トランジスタ4xaのゲート電極は走査信号線2xaが兼ねる。さらに、この第1の透明電極1aはコンタクトホール18aを介してドレイン引き出し電極27aに接続される。一方、トランジスタ4xbのドレイン電極は、ドレイン引き出し配線とコンタクトホール8bとを介して第4の透明電極1dに接続されるとともに、ドレイン引き出し配線17bとコンタクトホール8bとを介してドレイン引き出し電極27bおよび第2の透明電極1bに接続される。また、トランジスタ4xbのゲート電極は走査信号線2xbが兼ねる。さらに、このドレイン引き出し電極27bは、ドレイン引き出し配線37bとコンタクトホール18bとを介して第3の透明電極1cに接続される。なお、ドレイン引き出し電極27a・27bに重なるように保持容量配線11xが設けられ、ドレイン引き出し電極27aおよび保持容量配線11x間に第1の保持容量Ccs1が形成され、ドレイン引き出し電極27bおよび保持容量配線11x間に第2の保持容量Ccs2が形成される。また、第1の透明電極1aとカラーフィルタ基板の共通電極(共通対向電極)との間で第1副画素容量(Clc1)が形成され、第2〜第4の透明電極(1b〜1d)とカラーフィルタ基板の共通電極(共通対向電極)との間で第2副画素容量(Clc2)が形成される。本液晶パネルが液晶表示装置に適用された場合、第1の透明電極1aと第2〜第4の透明電極(1b〜1d)とに、異なるタイミングで別々の信号電位が供給され(図33参照)、これにより、例えば、第1の透明電極1aを含む第1副画素を明副画素、第2〜第4の透明電極(1b〜1d)を含む第2副画素を暗副画素とすることができる。
また、カラーフィルタ基板の画素Xに対応する部分には、行方向(図中右→左方向)に視てV字形状をなすリブL10が、第2の透明電極1bと重なるように画素中段に設けられ、さらに、V字をなすリブL10の一辺と平行でかつ第3の透明電極1cと重なるリブL13と、上記リブL10の一辺およびリブL13に挟まれ、かつリブL13に平行で第1の透明電極1aと重なるリブL11とが設けられる。なお、リブL10の2辺がなす角度はおよそ90°である。また、画素Xには、V字をなすリブL10のもう一辺と平行で、かつ第4の透明電極1dと重なるリブL14が設けられ、また、上記リブL10のもう一辺およびリブL14間に挟まれ、かつリブL14に平行で第1の透明電極1aに重なるリブL12が設けられる。これにより、リブL10の一辺、間隙D10、リブL11、間隙D12およびリブL13はそれぞれ平行で、かつ走査信号線2xaに対して斜めに(135°をなして)延伸しており、間隙D12の一部AおよびリブL13の一部Bが画素Xの端部(走査信号線2xaに沿う部分)に位置する。また、リブL10のもう一辺、間隙D11、リブL12、間隙D13およびリブL14はそれぞれ平行で、かつ走査信号線2xbに対して斜めに(45°をなして)延伸しており、間隙D13の一部CおよびリブL14の一部Fが画素Xの端部(走査信号線2xbに沿う部分)に位置する。
画素Yには、第1〜第4の透明電極1e〜1hとリブL20〜24とが設けられ、第1の透明電極1eは、走査信号線2yaとデータ信号線3との交差部近傍に設けられたトランジスタ4yaのドレイン電極に接続され、その第2〜4の透明電極1f〜1hは、走査信号線2ybとデータ信号線3との交差部近傍に設けられたトランジスタ4ybのドレイン電極に接続される。ここで、画素Yの第1〜第4の透明電極1e〜1hおよびリブL20〜24は、画素Xにおける第1〜第4の透明電極(1a〜1d)およびリブL10〜14を180°回転して得られるものであり、第1〜第4の透明電極1e〜1hは上記した第1〜第4の透明電極1a〜1dに対応し、リブL20〜24は上記したリブL10〜14に対応し、間隙D20〜D24は上記した間隙D10〜D14に対応する。したがって、カラーフィルタ基板の画素Yに対応する部分には、行方向(図中左→右方向)に視てV字形状をなすリブL20が、第2の透明電極1fと重なるように画素中段に設けられる。
これにより、画素Yにおいては、リブL20の一辺、間隙D20、リブL21、間隙D22およびリブL23はそれぞれ平行で、かつ走査信号線2yaに対して斜めに(45°をなして)延伸しており、間隙D22の一部HおよびリブL23の一部Gが画素Yの端部(走査信号線2yaに沿う部分)に位置する。また、リブL20のもう一辺、間隙D21、リブL22、間隙D23およびリブL24はそれぞれ平行で、かつ走査信号線2ybに対して斜めに(135°をなして)延伸しており、間隙D23の一部JおよびリブL24の一部Iが画素Yの端部(走査信号線2ybに沿う部分)に位置する。
上記のように、画素Xに配向規制構造物Fxを設けるとともに、画素Yに配向規制構造物Fyを設けることで、本液晶パネルを用いた液晶表示装置では、図32に示すように配向領域D1〜D4が形成され、該液晶表示装置の広視野角化を実現することができる。なお、画素X・Yそれぞれにおいて、第1の透明電極1aを含む第1副画素が明副画素に、第2〜第4の透明電極(1b〜1d)を含む第2副画素が暗副画素に対応するものとする。
ここで、各画素においては走査信号線(2xa・2xb・2ya・2yb)に沿う部分の液晶配向が乱れることが知られている。しかしながら、本液晶パネルでは、隣接する2つの画素X・Yにおいて、画素Xにおける明副画素の配向領域D1〜D4それぞれの配向乱れ部分が、XM1・0(なし)・0(なし)・XM4、画素Yにおける明副画素の配向領域D1〜D4それぞれの配向乱れ部分が、0(なし)・YM2・YM3・0(なし)となり、2つの画素(X・Y)を1単位としてみれば、2つの明副画素に含まれる配向領域D1〜D4それぞれの配向乱れ部分が、XM1・XM2・YM3・YM4となって2つの画素X・Yに含まれる2つの明副画素が受ける配向乱れ部分が配向領域D1〜D4に分散されていることがわかる。さらに、本液晶パネルでは、XM1の大きさと、XM2の大きさと、YM3の大きさと、YM4の大きさとがほぼ等しくなるように各画素の第1および第2の配向規制構造物が配設されていることから、配向領域D1〜D4それぞれの配向乱れ面積(各配向領域が受ける配向乱れの影響)はほぼ均一化されることになる。
また、2つの画素X・Yにおいて、画素Xにおける暗副画素の配向領域D1〜D4それぞれの配向乱れ部分が、XA1・XA2・XA3・XA4、画素Yにおける明副画素の配向領域D1〜D4それぞれの配向乱れ部分が、YA1・YA2・YA3・YA4となり、各画素における配向乱れ部分が配向領域D1〜D4に分散されていることがわかる。さらに、2つの画素(X・Y)を1単位としてみれば、2つの画素に含まれる配向領域D1〜D4それぞれの配向乱れ部分が、XA1+YA1・XA2+YA2・XA3+YA3・XA4+YA4となり、XA1の大きさ+YA1の大きさ≒XA2の大きさ+YA2の大きさ≒XA3の大きさ+YA3の大きさ≒XA4の大きさ+YA4の大きさであるため、配向領域D1〜D4それぞれの配向乱れ面積(各配向領域が受ける配向乱れの影響)はほぼ均一化されることがわかる。すなわち、暗副画素については、1画素単位において、走査信号線に起因する配向乱れの影響を各配向領域(D1〜D4)に分散させ、かつ、列方向に隣接する2画素単位において、各配向領域(D1〜D4)が受ける上記影響を均一化させることができる。
なお、上記XM4の大きさは図32のP・A間の長さ、上記XA3のそれは同図のA・B間の長さ、上記XA4のそれは同図のB・Q間の長さ、XM1のそれは同図のP・C間の長さ、XA2のそれは同図のC・F間の長さ、XA1のそれは同図のF・Q間の長さで近似することができる。また、上記YA2のそれは図32のP・G間の長さ、YA1のそれは同図のG・H間の長さ、YM2のそれは同図のF・Q間の長さ、YA3のそれは同図のP・I間の長さ、YA4のそれは同図のI・J間の長さ、YM3のそれは同図のJ・Q間の長さで近似することができる。上記P・Qは走査信号線に沿う、副画素の両端を示している。
以上から、本液晶パネルによれば、走査信号線(2xa・2xb・2ya・2yb)による配向乱れの影響を各配向領域(D1〜D4)に均一に分散させることができる。これにより、設計時に意図した視野角特性のバランスを可及的に維持することができ、視野角特性の優れた液晶表示装置を実現することができる。
なお、図29に示す液晶パネルを図34のように構成することもできる。すなわち、列方向に並ぶ各画素は2本のデータ信号線に挟まれるが、この各画素を1画素ごとに異なるデータ信号線に接続する(千鳥接続)。例えば、列方向に隣接する2つの画素(X・Y)において、画素Xを駆動する2つのトランジスタ4xa・4xbをデータ信号線3に接続し、画素Yを駆動する2つのトランジスタ4ya・4ybを、(データ信号線3に隣接する)データ信号線103に接続する。こうすれば、各データ信号線をV(ソース)ライン反転駆動しながら、各画素をドット反転駆動させることができる。これにより、データ信号線駆動時の消費電力や発熱を低減させることができる。また、各トランジスタのドレイン引き出し配線を短縮でき、開口率を高めることもできる。
また、本液晶パネルは、図35のように構成してもよい。すなわち、赤(R)、緑(G)、青(B)に対応する行方向に並んだ3つの画素を1つの画素群として、行方向に隣接する2つの画素群に含まれる2つの同色の画素について、一方の画素に設けられたリブおよびスリットの形状は、もう一方の画素に設けられたリブおよびスリットを180°回転させて得られる形状とする。こうすれば、本液晶パネルを備えた液晶表示装置において、上記同色の画素(2画素)単位で考えたときに、走査信号線に沿う配向乱れ領域の影響が各配向領域に分散され、各方向における視野角特性に大きな差異が生じないようにすることができる。
また、本液晶パネルおいては、図36のように、列方向に隣接する2つの画素において、一方の画素の明副画素に設けられた配向規制構造物(リブおよびスリット)の形状が、もう一方の画素の明副画素に設けられた配向規制構造物(リブおよびスリット)を180°回転させて得られる形状であるが、各画素において、暗副画素に設けられた配向規制構造物(リブおよびスリット)の形状は、明画素に設けられた配向規制構造物(リブおよびスリット)を180°回転させて得られる形状であってもよい。
また、本液晶パネルおいては、図37のように、列方向に隣接する2つの画素において、一方の画素の明副画素に設けられた配向規制構造物(リブおよびスリット)の形状が、もう一方の画素の明副画素に設けられた配向規制構造物(リブおよびスリット)を180°回転させて得られる形状であるが、上記一方の画素の暗副画素に設けられた配向規制構造物(リブおよびスリット)の形状は、上記もう一方の画素の暗副画素に設けられた配向規制構造物(リブおよびスリット)と同じであってもよい。
以下に、上記液晶パネルを用いた液晶表示装置およびテレビジョン受像機(テレビジョン装置)について説明する。図15は、テレビジョン受像用における液晶表示装置70の回路ブロックである。液晶表示装置70は、同図に示すように、Y/C分離回路71、ビデオクロマ回路72、A/Dコンバータ73、液晶コントローラ74、液晶パネル75、バックライト駆動回路76、バックライト77、マイコン78、階調回路79を備えた構成となっている。
上記液晶パネル75は、本実施の形態のアクティブマトリクス基板10を使用した表示部と、その表示部を駆動するためのソースドライバ、ゲートドライバを含んでおり、その具体的な構成については、本発明の各実施形態や各変形例につき説明した何れの構成であってもよい。
上記構成の液晶表示装置70において、まず、テレビジョン信号としての複合カラー映像信号Scvが外部からY/C分離回路71に入力され、そこで輝度信号と色信号に分離される。これら輝度信号と色信号とは、ビデオクロマ回路72にて光の3原色である赤(R)・緑(G)・青(B)のアナログRGB信号に変換され、さらに、このアナログRGB信号はA/Dコンバータ73により、デジタルRGB信号に変換される。このデジタルRGB信号は、液晶コントローラ74に入力される。また、Y/C分離回路71では、外部から入力された複合カラー映像信号Scvから水平垂直同期信号および垂直同期信号も取り出され、これらの同期信号もマイコン78を介して液晶コントローラ74に入力される。
液晶パネル75には、液晶コントローラ74からのデジタルRGB信号が、上記同期信号に基づくタイミング信号と共に所定のタイミングで入力される。また、階調回路79では、カラー表示の3原色である赤(R)・緑(G)・青(B)それぞれの階調電圧が生成され、それらの階調電圧も液晶パネル75に供給される。液晶パネル75では、これらのRGB信号、タイミング信号および階調電圧に基づき内部のソースドライバやゲートドライバ等により駆動用信号(データ信号、走査信号等)が生成され、それらの駆動用信号に基づきに(アクティブマトリクス基板を使用した)内部の表示部にカラー画像が表示される。なお、この液晶パネル75によって画像を表示するには、液晶パネル75の後方から光を照射する必要があり、この液晶表示装置70では、マイコン78の制御の下にバックライト駆動回路76がバックライト77を駆動することにより、液晶パネル75の裏面に光が照射される。
上記の処理を含め、システム全体の制御はマイコン78が行う。なお、外部から入力される映像信号(複合カラー映像信号)としては、テレビジョン放送に基づく映像信号のみならず、カメラにより撮像された映像信号や、インターネット回線を介して供給される映像信号なども使用可能であり、この液晶表示装置70では、様々な映像信号に基づいた画像表示が可能である。
上記構成の液晶表示装置70でテレビジョン放送に基づく画像を表示する場合には、図16に示すように、液晶表示装置70にチューナ部81が接続される。このチューナ部81は、図示しないアンテナで受信した高周波信号の受信波の中から受信すべきチャンネルの信号を抜き出して中間周波信号に変換し、この中間周波数信号を検波することによってテレビジョン信号としての複合カラー映像信号Scvを取り出す。この複合カラー映像信号Scvは、既述のように液晶表示装置70に入力され、この複合カラー映像信号Scvに基づく画像が当該液晶表示装置70によって表示される。
図17は、上記構成の液晶表示装置70をテレビジョン受像機とするときの機械的構成の一例を示す分解斜視図である。図17に示した例では、テレビジョン受像機は、その構成要素として、上記液晶表示装置70の他に第1筐体85および第2筐体86を有しており、液晶表示装置70を第1筐体85と第2筐体86とで包み込むようにして挟持した構成となっている。第1筐体85には、液晶表示装置70で表示される画像を透過させる開口部85aが形成されている。また、第2筐体86は、液晶表示装置70の背面側を覆うものであり、当該液晶表示装置70を操作するための操作用回路87が設けられると共に、下方に支持用部材88が取り付けられている。
このように、本実施の形態のテレビジョン受像機80は、液晶表示装置70と、テレビジョン放送を受信するチューナ部81とを備えている。
これにより、液晶分子を複数の配向領域に分けた垂直配向モードとマルチ画素構造とを組み合わせた液晶表示装置70において、画素を分断する走査信号線に沿って発生する配向乱れ領域による視野角特性の悪化を抑制し得る液晶表示装置を備えたテレビジョン受像機80を提供することができる。
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。