JPWO2008075468A1 - 2−イソプロペニル−5−メチル−4−ヘキセン−1−イル3−メチル−2−ブテノアートの製造方法 - Google Patents

2−イソプロペニル−5−メチル−4−ヘキセン−1−イル3−メチル−2−ブテノアートの製造方法 Download PDF

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Abstract

害虫であるコナカイガラムシ類のメスが作り出すフェロモンであり農薬として有用なLVSAを、工業的に大量生産する場合に生じる問題点を解決し、高収率で製造できる方法を提供する。具体的には、セネシオン酸とハロゲン化剤を反応させてセネシオン酸ハライドを得、得られたセネシオン酸ハライドと2−イソプロペニル−5−メチル−4−ヘキセン−1−オールを有機塩基化合物の存在下に反応させて得られる粗2−イソプロペニル−5−メチル−4−ヘキセン−1−イル 3−メチル−2−ブテノアートを、塩基性物質の存在下に50〜250℃で加熱処理することを特徴とする、2−イソプロペニル−5−メチル−4−ヘキセン−1−イル 3−メチル−2−ブテノアートの製造方法を提供する。

Description

本発明は、2−イソプロペニル−5−メチル−4−ヘキセン−1−イル 3−メチル−2−ブテノアート(以下、LVSAと称する。)の製造方法に関する。かかるLVSAは、害虫であるコナカイガラムシ類のメスが作り出すフェロモンであり、農薬として有用である(非特許文献1参照)。
従来のLVSAの製造方法としては、セネシオン酸と塩化チオニルを反応させることによりセネシオン酸クロリドを得、得られたセネシオン酸クロリドと2−イソプロペニル−5−メチル−4−ヘキセン−1−オールを有機塩基化合物の存在下に反応させる方法が知られている(非特許文献1参照)。
「テトラヘドロン レターズ(Tetrahedron Letters)」、2001年、第42巻、第9刷、p.1619−1621(Scheme1.および第2頁右上欄第15〜18行目参照)
非特許文献1に記載の方法は、実験室で実施する程度の規模の小量の製造であれば、特に問題なく目的とするLVSAを得ることができる。しかしながら、工業的な規模での大量生産(例えば、1日あたり1kg以上の生産)を試みると、意外にも、副生成物が生じることなどによりLVSAの収率が低下するという問題が生じることが判明した。
しかして、本発明の目的は、工業的に大量生産する場合においても高収率を得ることができるLVSAの製造方法を提供することにある。
本発明によれば、上記目的は、セネシオン酸とハロゲン化剤を反応させてセネシオン酸ハライドを得、得られたセネシオン酸ハライドと2−イソプロペニル−5−メチル−4−ヘキセン−1−オールを有機塩基化合物の存在下に反応させて得られる粗2−イソプロペニル−5−メチル−4−ヘキセン−1−イル 3−メチル−2−ブテノアート(以下、粗LVSAと称する。)を、塩基性物質の存在下に50〜250℃で加熱処理することを特徴とする、LVSAの製造方法を提供することにより達成される。
本発明によれば、工業的な規模で大量生産する場合でも、簡単な操作および高収率でLVSAを製造することができる。
本発明は、上記した様に、
(1)セネシオン酸とハロゲン化剤を反応させてセネシオン酸ハライドを得る工程(以下、工程1と称する。)、
(2)こうして得られたセネシオン酸ハライドと2−イソプロペニル−5−メチル−4−ヘキセン−1−オールを有機塩基化合物の存在下に反応させ、得られた反応混合液を、適宜、後述する中和処理などを施し、必要に応じて溶媒を留去することにより粗LVSAを得る工程(以下、工程2と称する。)、および
(3)前記(2)で得られた粗LVSAを、塩基性物質の存在下に50〜250℃で加熱処理する工程(以下、工程3と称する。)、
からなる。
以下、工程1について説明する。
ハロゲン化剤としては特に制限は無く、公知のハロゲン化剤を使用できる。かかるハロゲン化剤としては、例えば塩化チオニル、臭化チオニル、塩化スルフリル、三塩化リン、三臭化リン、五塩化リン、塩化オキザリル、塩化ベンジル、ホスゲン、トリホスゲン、塩化シアヌル、臭化シアヌル、ジクロロトリフェニルホスホラン、ジブロモトリフェニルホスホランなどが挙げられる。どのハロゲン化剤を使用しても構わないが、代表例として、塩化チオニルを使用する方法について以下に記載する。
塩化チオニルの使用量に特に制限は無いが、セネシオン酸1モルに対して、通常、0.8〜1.5モルの範囲であるのが好ましく、1〜1.2モルの範囲であるのがより好ましい。
工程1は、触媒の不存在下に実施することもできるが、触媒の存在下に実施することが好ましい。かかる触媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ヘキサメチルリン酸トリアミド、ピリジンなどが挙げられる。これらの中でも、N,N−ジメチルホルムアミドを使用することが好ましい。触媒は1つを単独で使用してもよいし、2つ以上を併用してもよい。触媒を使用する場合、その使用量に特に制限は無いが、セネシオン酸1モルに対して、通常、0.001〜0.5モルの範囲であるのが好ましく、0.01〜0.1モルの範囲であるのがより好ましい。
また、工程1は、溶媒の存在下に実施することが好ましく、かかる溶媒としては、例えばトルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素:テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテルなどのエーテルなどが挙げられる。溶媒は1つを単独で使用してもよいし、2つ以上を使用してもよい。溶媒を使用する場合、その使用量に特に制限は無いが、セネシオン酸に対して、通常、0.4〜5倍質量の範囲であるのが好ましく、0.7〜2倍質量の範囲であるのがより好ましい。
ハロゲン化剤として塩化チオニルを使用する工程1は、セネシオン酸、触媒および適宜使用する溶媒からなる混合液を、50〜70℃、好ましくは55〜65℃に加温した後、塩化チオニルを滴下することによって行なう。滴下の際、溶液の温度は50〜70℃に維持しておくことが好ましい。かかる滴下時間は、セネシオン酸、塩化チオニルおよび溶媒の使用量により異なり、特に制限は無く、反応液の温度を一定範囲に保てるように適宜設定することができる。例えばセネシオン酸を5kg使用する場合、塩化チオニルを10〜20時間かけて滴下するのが好ましい。また、滴下終了後、50〜70℃でさらに10〜20時間攪拌して反応を追い込むことが好ましい。
なお、塩化チオニルの滴下開始後、反応が進行するにつれて塩酸ガスおよび二酸化硫黄ガスが発生するが、副生成物の生成を抑制するため、これらを反応系外に排出しながら反応を行なうことが極めて好ましい。
工程1終了後、得られた反応混合液から溶媒を減圧下に留去する。次いで、未だ残留物中に混入している低沸点成分(塩酸ガス、二酸化硫黄ガス、塩化チオニルなど)を充分に低減するため、該残留物に好ましくは反応に用いたものと同じ溶媒を添加してから、低沸点成分と共に該溶媒を減圧下に留去する操作を2〜4回繰り返しておくことが好ましい。減圧下に留去する際の圧力および温度に特に制限はないが、例えば3.3kPaおよび30〜50℃で実施すれば、残留物中の低沸点成分を低減することができる。さらに、その後、例えば3.3kPaにて50〜60℃で蒸留することにより、セネシオン酸クロリドを得ることができる。
以下、工程2について説明する。
2−イソプロペニル−5−メチル−4−ヘキセン−1−オールの使用量は、セネシオン酸ハライド1モルに対して、通常、0.4〜1.5モルの範囲であるのが好ましく、0.6〜1.2モルの範囲であるのがより好ましい。
工程2で使用する有機塩基化合物としては、ピリジン、ピリミジン、キノリン、ジメチルアミノピリジンなどの含窒素複素環式芳香族化合物:トリエチルアミン、トリブチルアミンなどのアミンなどが挙げられる。これらの中でも、選択性の観点から、ピリジンを使用するのが好ましい。また、有機塩基化合物は1つを単独で使用してもよいし、2つ以上を併用してもよい。かかる有機塩基化合物の使用量としては、セネシオン酸ハライド1モルに対して、通常、0.6〜2.5モルの範囲であるのが好ましく、1〜2モルの範囲であるのがより好ましい。
工程2は、溶媒の存在下に実施してもよい。かかる溶媒としては、例えばトルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素:ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテルなどのエーテルなどが挙げられる。溶媒は1つを単独で使用してもよいし、2つ以上を使用してもよい。溶媒を使用する場合、その使用量に特に制限は無いが、セネシオン酸ハライドに対して、通常、1〜10倍質量の範囲であるのが好ましく、2〜6倍質量の範囲であるのがより好ましい。
工程2では、2−イソプロペニル−5−メチル−4−ヘキセン−1−オール、有機塩基化合物および適宜使用する溶媒からなる混合液を0〜10℃に冷却した後、工程1により得られたセネシオン酸ハライドを滴下することにより反応を行なう。この際、溶液の温度は0〜15℃に維持しておくことが好ましい。セネシオン酸ハライドの滴下時間は、セネシオン酸ハライド、2−イソプロペニル−5−メチル−4−ヘキセン−1−オールおよび溶媒の使用量により異なり、特に制限は無く、反応液の温度を一定範囲に保てるように適宜設定することができる。例えばセネシオン酸クロリドを5kg使用する場合、セネシオン酸クロリドを3〜6時間かけて滴下するのが好ましい。また、滴下終了後、0〜15℃で10〜25時間攪拌して反応を追込むことが好ましい。
さらに、工程2終了後、得られた反応混合液に中和・洗浄処理を施しておくことが好ましい。例えば、工程2で得られた反応混合液1Lに対し、水1L、1モル%塩酸水溶液1L、水1L、5質量%炭酸ナトリウム水溶液1L、水1Lの順で洗浄する方法が挙げられる。かかる中和・洗浄処理の後、必要に応じて、得られた有機層から溶媒を減圧下に留去することにより、粗LVSAを得ることができる。
以下、工程3について説明する。
工程3では、工程2で得られた粗LVSAを、塩基性物質の存在下に50〜250℃、好ましくは60〜230℃で加熱処理する。加熱処理の温度が50℃未満であると、工程3による収率向上効果が乏しくなるため、本発明の目的を充分に達成できず、一方、250℃を超えるとLVSAが分解する傾向にあり、収率が低下するため、好ましくない。
工程3で使用する塩基性物質としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属の炭酸水素塩:炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ土類金属の炭酸塩:酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カリウムなどの、カルボン酸のアルカリ金属塩:トリエチルアミン、トリブチルアミンなどのアルキルアミン:ピリジン、ピコリンなどの含窒素複素環式芳香族化合物:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン(DBN)などの含窒素二環性複素環式化合物などが挙げられる。これらは1つを単独で使用してもよいし、2つ以上を併用してもよい。また、塩基性物質の使用量は、粗LVSA1質量部に対して0.1〜20質量部の範囲であるのが好ましく、1〜10質量部の範囲であるのがより好ましい。加熱処理の時間は、粗LVSAの量および塩基性物質の種類・使用量並びに加熱温度などにより異なるが、通常、1〜24時間の範囲であるのが好ましい。
工程3の終了後、引き続いて減圧下に蒸留(105〜109℃/79〜81Pa)することによりLVSAを分離・精製できる。
工業的な規模でLVSAを大量生産(例えば、1日あたり1kg以上生産)する場合でも、驚くべきことに、本工程3を経ることによりLVSAの収率を向上させることができる。工程3を経ない場合、工業的な規模でLVSAを大量生産すると、蒸留により精製する際に配管が閉塞するなどの問題が生じてLVSAの収率が大幅に減少する(本明細書の比較例1〜4参照)。かかる問題が生じる正確な原因は不明であるが、スケールアップに伴なって反応時間が長くなるため、それが原因で副生成物が生じ易くなっており、工程3の後の蒸留時に、前述の原因により生成した副生成物が悪影響を及ぼしているものと考えられる。
なお、工程2において使用する2−イソプロペニル−5−メチル−4−ヘキセン−1−オールは、例えば、セネシオンアルデヒドジメチルアセタールと3−メチル−1−ブテン−3−オールを酸触媒の存在下に反応させ、得られた2−イソプロペニル−5−メチル−4−ヘキセナールを水素化ホウ素ナトリウムで還元することにより製造できる(特許文献1参照)。
特開平14−308815号公報
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はかかる実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1>工程1:セネシオン酸クロリドの製造
温度計および攪拌機を備えた内容積20Lの四口フラスコに、セネシオン酸5kg(42.17mol)、DMF115.9ml(1.49mol)およびトルエン7.5Lを入れ、得られた混合液を55℃に昇温した後、塩化チオニル6.55kg(55.07mol)を14時間かけて滴下した。滴下中、混合液の温度は55〜65℃を維持していた。滴下終了後、55〜65℃に反応混合液の温度を保ちながら、さらに8時間攪拌を続けた。
反応終了後、減圧下にトルエンを留去(30〜35℃/3.3kPa)した後、トルエン2000mlを添加してからトルエンを留去し(35〜40℃/3.3kPa)、さらにトルエン2000mlを添加してから再度トルエンを留去(50〜60℃/3.3kPa)することにより、できる限り不純物を除去した。その結果、セネシオン酸クロリドのトルエン溶液17.87kg[セネシオン酸クロリド4.28kg(36.1mol)相当、収率85.6%]を得た。
<実施例2>工程2:粗LVSAの製造
温度計および攪拌機を備えた内容積50Lの四口フラスコに、2−イソプロペニル−5−メチル−4−ヘキセン−1−オール4435g(28.75mol)、ピリジン4026g(50.89mol)、トルエン10Lを入れ、得られた混合液を5℃まで冷却した。その後、実施例1にて得られたセネシオン酸クロリドのトルエン溶液16.79kg[セネシオン酸クロリド4.02kg(33.92mol)相当]を4.5時間かけて滴下した。滴下中、混合液の温度は0〜5℃を維持していた。滴下終了後、0〜10℃でさらに17時間攪拌を続けた。
反応終了後、同温度で蒸留水20Lを添加し、1時間攪拌した。分液した後、有機層を1モル%塩酸水溶液10L、蒸留水10L、5質量%炭酸ナトリウム水溶液10L、蒸留水10Lで順次、中和・洗浄した。中和・洗浄後の有機層を濃縮し、粗LVSA7.12kg[LVSA5.47kg(23.14mol)相当、純度78%、収率80.5%]を得た。
<実施例3>工程3
冷却器、温度計および攪拌機を備えた内容積2Lの三口フラスコに、実施例2で得られた粗LVSA949g[LVSA808g(3.41mol)相当]および炭酸ナトリウム46g(0.434mol)を入れ、200℃で12時間攪拌して加熱処理を行なった。加熱処理後の混合物を室温に冷却し、固形物(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムおよび食塩など)をろ過した後、ろ液を理論段数23段の蒸留塔(充填剤:ヘリパック)を用いて減圧下に蒸留(105〜109℃/80Pa)し、下記の物性を有するLVSA725g(3.06mol、回収率89.7%、純度99.2%)を得た。
H−NMR(300MHz、CDCl、TMS)δ:5.66(1H,s)、5.07(1H,t)、4.82(1H,t)、4.75(1H,s)、4.07(2H,d)、2.42(1H,m)、2.15(3H,s)、2.03−2.24(2H,m)、1.88(3H,s)、1.70(3H,s)、1.68(3H,s)、1.60(3H,s)
<実施例4>
実施例3において、加熱処理時の温度を250℃にした以外は実施例3と同様に実験を行なった。その結果、LVSA707g(2.98mol、回収率87.5%、純度99.0%)を得た。
<実施例5>
実施例3において、炭酸ナトリウム46g(0.434mol)の代わりに1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)66g(0.434mol)を使用し、加熱処理時の温度を62℃にした以外は実施例3と同様に実験を行なった。その結果、LVSA700g(2.95mol、回収率86.6%、純度99.1%)を得た。
<比較例1>工程3を経ずに粗LVSAを蒸留した場合
冷却器、温度計および攪拌機を備えた内容積2Lの三口フラスコに、実施例2で得られた粗LVSA949g[LVSA808g(3.41mol)相当]を入れ、理論段数10段の蒸留塔(充填剤:ヘリパック)を用いて、減圧下に蒸留(105〜109℃/80Pa)した。しかし、すぐに蒸留塔の頭頂部などが閉塞してしまい、目的物であるLVSAを留出させることができなかった。なお、蒸留塔の閉塞部から、セネシオン酸が検出された。
<比較例2>工程3を経ずに粗LVSAを理論段数の少ない蒸留塔を用いて蒸留した場合
冷却器、温度計および攪拌機を備えた内容積2Lの三口フラスコに、実施例2で得られた粗LVSA1285g[LVSA1000g(4.21mol)相当]を入れ、理論段数5段の蒸留塔(充填剤:ヘリパック)を用いて減圧下に蒸留(120℃/267Pa)した。しかし、しばらくすると蒸留塔の頭頂部が閉塞してしまい、目的物であるLVSAを留出させることができなかった。なお、蒸留塔の閉塞部から、セネシオン酸が検出された。
<比較例3>工程3にて、加熱処理時の温度を20℃にした場合
実施例3において、加熱処理時の温度を20℃にした以外は実施例3と同様に実験を行なった。その結果、LVSAを333g(回収率41.2%、純度72.3%)しか得られなかった。
<比較例4>工程3にて、加熱処理時の温度を270℃にした場合
実施例3において、加熱処理時の温度を270℃にした以外は実施例3と同様に実験を行なった。その結果、LVSAの分解が生じ、LVSAを480g(回収率60.1%、純度95.3%)しか得られなかった。
<参考例1>工程1および工程2を小規模で実施し、工程3を経ずに粗LVSAを蒸留した場合
工程1:セネシオン酸クロリドの製造
温度計および攪拌機を備えた内容積2Lの四口フラスコに、セネシオン酸500g(5mol)、DMF11.1ml(0.15mol)およびトルエン650mLを入れ、得られた混合液を55℃に昇温した後、塩化チオニル652g(5.5mol)を2.5時間かけて滴下した。滴下中、混合液の温度は54〜68℃を維持していた。滴下終了後、さらに同温度で1時間攪拌を続けた。
反応終了後、減圧下にトルエンを留去(30〜35℃/3.3kPa)した後、トルエン430mlを添加してからトルエンを留去し(35〜40℃/3.3kPa)、さらにトルエン430mlを添加してから再度トルエンを留去(50〜60℃/3.3kPa)することにより、できる限り不純物を除去した。その結果、セネシオン酸クロリドのトルエン溶液784.9g[セネシオン酸クロリド418g(3.53mol)相当、収率70.6%]を得た。
工程2:粗LVSAの製造
温度計および攪拌機を備えた内容積5Lの四口フラスコに、2−イソプロペニル−5−メチル−4−ヘキセン−1−オール425.4g(2.75mol)、ピリジン325.9g(4.12mol)、トルエン1.97Lを入れ、得られた混合液を5℃まで冷却した後、上記工程1にて得られたセネシオン酸クロリドのトルエン溶液727.8g[セネシオン酸クロリド387.9g(3.27mol)相当]を1時間かけて滴下した(滴下中、混合液の温度は10〜13℃を維持していた。)。滴下終了後、3〜5℃でさらに4.5時間攪拌を続けた。
反応終了後、同温度で蒸留水1.7Lを添加し、10分間攪拌した。分液した後、有機層を1モル%塩酸水溶液860mL、蒸留水830mL、5質量%炭酸ナトリウム水溶液880mL、蒸留水830mLで順次、中和・洗浄した。中和・洗浄後の有機層を濃縮し、粗LVSA689.7g[LVSA614.2g(2.6mol)相当、純度89%、収率94.9%]を得た。
(工程3を経ずに蒸留)
次いで、冷却器、温度計および攪拌機を備えた内容積1Lの三口フラスコに、上記工程2で得られた粗LVSA689.7g[LVSA614.2g(2.6mol)相当]を入れ、理論段数10段の蒸留塔(充填剤:ヘリパック)を用いて減圧下に蒸留した(105℃/80Pa)その結果、特に問題なくLVSA546.0g(2.31mol、純度99.0%、収率88.9%)が得られた。
実施例1〜5、比較例1〜4および参考例1より、粗LVSAの製造を工業的な規模にて行なった場合には、工程3を経ずにそのまま蒸留操作を実施すると、蒸留塔の頭頂部などの閉塞により蒸留できなくなるが、塩基性物質の存在下に50〜250℃で加熱処理するという「工程3」を経ることにより、工程3後の蒸留操作における前記問題が解決し、高純度および高収率でLVSAを製造できることがわかった。
本発明は、2−イソプロペニル−5−メチル−4−ヘキセン−1−イル 3−メチル−2−ブテノアート(以下、LVSAと称する。)の製造方法に関する。かかるLVSAは、害虫であるコナカイガラムシ類のメスが作り出すフェロモンであり、農薬として有用である。

Claims (1)

  1. セネシオン酸とハロゲン化剤を反応させてセネシオン酸ハライドを得、得られたセネシオン酸ハライドと2−イソプロペニル−5−メチル−4−ヘキセン−1−オールを有機塩基化合物の存在下に反応させて得られる粗2−イソプロペニル−5−メチル−4−ヘキセン−1−イル 3−メチル−2−ブテノアートを、塩基性物質の存在下に50〜250℃で加熱処理することを特徴とする、2−イソプロペニル−5−メチル−4−ヘキセン−1−イル 3−メチル−2−ブテノアートの製造方法。
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