JPWO2008053979A1 - 歯科用セルフエッチングプライマー組成物 - Google Patents

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Abstract

重合性単量体、硫黄を含有する還元性無機化合物、ケトン系溶媒、および水を含有する混合物からなりそして65℃で2時間以上の保存安定性を有する歯科用セルフエッチングプライマー組成物ならびにキット。

Description

本発明は、歯科用セルフエッチングプライマー組成物に関する。更に詳細には、歯の象牙質またはエナメル質に、ボンディング剤を介してコンポジットレジンを接着させる際に、あるいは接着性レジンセメントを介して金属、矯正用ブラケットなどを接着させる際に、歯の象牙質またはエナメル質の表面処理のために用いられる歯科用セルフエッチングプライマー組成物に関する。
歯科用修復材であるコンポジットレジンの普及に伴い、歯質とコンポジットレジンとの間には、操作が簡単で、安全且つ信頼性のある強固な接着が必要とされている。従来から用いられてきている接着方法としては、歯質をリン酸やクエン酸などの酸でエッチングし、水洗、乾燥、プライマー処理、乾燥、接着剤塗布、重合、コンポジットレジン充填を順次行うような一連の操作が代表的な修復物の接着方法である。このような方法は、接着操作ステップが煩雑であり、実際の臨床においては時間が掛かり安定した信頼性のある接着が得られていないのが実状である。
そこで近年、このような複雑な操作ステップを簡略化するための接着方法が検討されて来ている。特開平3−240712号公報および特開平7−82115号公報では、エッチング操作を無くしたプライマーが提案されている。これは、エッチング処理とプライマー処理とを同時に行うことができると言われているセルフエッチングプライマーで歯質を処理し、乾燥してから接着剤を塗布するものである。即ち、セルフエッチングプライマーで窩洞形成された歯質表面を処理することにより、窩洞形成によって生じたスメアー層を溶解しながら、セルフエッチングプライマーが歯質に浸透する。
そこにボンディング剤を塗布することにより、セルフエッチングプライマーとボンディング剤とが一体化して硬化することにより、強固な接着層が得られる。
しかしながら、現在市販されているこの種のセルフエッチングプライマーは、セルフエッチングプライマー中の重合性成分を硬化させるための重合触媒と重合促進剤とを必要としており、保存性が良好で安定した接着性能を有するセルフエッチングプライマーを得るためには重合触媒と重合促進剤とを分離する必要がある。そのために現在市販されているセルフエッチングプライマーは、重合触媒と重合促進剤との2液性のセルフエッチングプライマーで構成されており、使用する前には必ず2液を混合する必要がある。従って、それらは必ずしも操作が簡単であるとは言い難いし、計量誤差による不安定な接着を生じる可能性もある。又、特開平6−40838号公報も重合性成分と重合促進剤の混合組成物の長期保存安定性について、何ら示唆していない。
本発明の目的は、歯科用修復物の歯質への接着に関して、前述した如く接着操作ステップが煩雑で時間が掛かったり、安定した接着強度が得られなかったりしていて未だ臨床的に満足できる接着剤が得られていない前記従来技術の欠点を解消し、より簡便な操作で強固に且つ確実に歯科用修復物を歯質に接着させることのできる、特に象牙質に対して優れた接着性が発揮される接着性プライマー組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記プライマー組成物からなる歯科用セルフエッチングプライマーキットを提供することにある。
本発明のさらに他の目的および利点は以下の説明から明らかになろう。
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第1に、
(A)重合性単量体、
(B)硫黄を含有する還元性無機化合物、
(C)ケトン系溶媒、および
(D)水
を含有する混合物からなりそして65℃で2時間以上の保存安定性を有する、ことを特徴とする歯科用セルフエッチングプライマー組成物により達成される。
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第2に、
本発明の歯科用セルフエッチングプライマー組成物よりなる歯科用セルフエッチングプライマーキットであり、成分(A)および/または(B)を含有する組成物Iとは隔離されて別の組成物IIに(E)成分が含有されてなる、組成物IおよびIIよりなる歯科用セルフエッチングプライマーキットにより達成される。
本発明の歯科用セルフエッチングプライマー組成物は研削した歯質表面に直接に適用できる。
本発明の歯科用セルフエッチングプライマー組成物において、(A)成分は重合性単量体である。かかる単量体の重合性基としては、例えばアクリロイル基、メタクリロイル基(以下、アクリロイル基とメタクリロイル基の総称として(メタ)アクリロイル基ということがある)、スチリル基、ビニル基、アリル基などのラジカル重合可能な不飽和基を挙げることができる。かかる重合性基は1分子中に少なくとも1個含有していればよい。1分子中に上記の重合性基が1個、2個および3個含有する重合性単量体として、それぞれ単官能単量体、2官能単量体および3官能単量体が好ましく用いられる。さらに、これらの重合性単量体は、分子内にカルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、水酸基、アミノ基、グリシジル基などの官能基を含有することができる。
(A)成分として使用できる重合性単量体として、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸の脂肪族エステル;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2または3−プロピル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキプロピル(メタ)アクリレート、1モルのビスフェノールAと2モルのグリシジル(メタ)アクリレートの付加物などの水酸基含有の(メタ)アクリレート;メチロール(メタ)アクリルアミドなどの水酸基含有の(メタ)アクリルアミド;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート;プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート;上記のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートおよびポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートのどちらか一方の(メタ)アクリロイル基がメチル基およびエチル基などで置換されたモノ(メタ)アクリレート;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートまたは2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートまたは1,3,5−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの付加物などのウレタン結合を有する(メタ)アクリレート;ビスフェノールAにオキシエチレンを付加させた生成物にさらに(メタ)アクリル酸を縮合させた2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパンなどを挙げることができる。これらの重合性単量体は単独でもしくは組み合わせて使用できる。
また、(A)成分として使用できる1分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する重合性単量体としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸およびテトラカルボン酸またはこれらの誘導体を挙げることができる。例えば(メタ)アクリル酸、マレイン酸、p−ビニル安息香酸、11−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−ウンデカンジカルボン酸(MAC−10)、1,4−ジ(メタ)アクリロイルオキシエチルピロメリット酸、6−(メタ)アクリロイルオキシエチルナフタレン−1,2,6−トリカルボン酸、4−(メタ)アクリロイルオキシメチルトリメリット酸およびその無水物、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリット酸およびその無水物、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルトリメリット酸およびその無水物、4−[2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシブチル]トリメリット酸およびその無水物、2,3−ビス(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)プロピル(メタ)アクリレート、N,O−ジ(メタ)アクリロイルオキシチロシン、O−(メタ)アクリロイルオキシチロシン、N−(メタ)アクリロイルオキシチロシン、N−(メタ)アクリロイルオキシフェニルアラニン、N−(メタ)アクリロイル−p−アミノ安息香酸、N−(メタ)アクリロイル−O−アミノ安息香酸、N−(メタ)アクリロイル−5−アミノサリチル酸、N−(メタ)アクリロイル−4−アミノサリチル酸、2または3または4−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとピロメリット酸二無水物の付加生成物(PMDM)、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと無水マレイン酸または3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)または3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の付加反応物、2−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)−1,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシプロパン、N−フェニルグリシンまたはN−トリルグリシンとグリシジル(メタ)アクリレートとの付加物、4−[(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)アミノ]フタル酸、3または4−[N−メチル−N−(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)アミノ]フタル酸などを挙げることができる。このうち、11−メタクリロイルオキシ−1,1−ウンデカンジカルボン酸(MAC−10)、4−メタクリロイルオキシエチルトリメリット酸(4−MET)や4−メタクリロイルオキシエチルトリメリット酸無水物(4−META)等の4−(メタ)アクリロイルオキシアルキルトリメリット酸系化合物やその酸無水物、およびN−メタクリロイル−5−アミノサリチル酸(5−MASA)が好ましく用いられる。これらのうち特に好ましいものは、4−メタクリロイルオキシエチルトリメリット酸(4−MET)である。4−METを(A)成分の少なくとも1部として20重量%以下の範囲で含有させることにより熱安定性が良好な組成物が得られる。
これらのカルボキシル基を有する重合性単量体は単独でまたは組み合わせて使用できる。
1分子中に少なくとも1個のリン酸基を有する重合性単量体として、例えば2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシドホスフェート、2および3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシドホスフェート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルアシドホスフェート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルアシドホスフェート、8−(メタ)アクリロイルオキシオクチルアシドホスフェート、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルアシドホスフェート、12−(メタ)アクリロイルオキシドデシルアシドホスフェート、ビス{2−(メタ)アクリロイルオキシエチル}アシドホスフェートやビス{2または3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル}アシドホスフェート等のビス{(メタ)アクリロイルオキシアルキル}アシドホスフェート系化合物、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルアシドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−p−メトキシフェニルアシドホスフェートなどを挙げることができる。これらの化合物におけるリン酸基は、チオリン酸基に置き換えることができる。このうち、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルアシドホスフェート、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルアシドホスフェートが好ましく用いられる。これらのリン酸基を有する重合性単量体は単独でまたは組み合わせて使用できる。
1分子中に少なくとも1個のスルホン酸基を有する重合性単量体としては、例えば2−スルホエチル(メタ)アクリレート、2または1−スルホ−1または2−プロピル(メタ)アクリレート、1または3−スルホ−2−ブチル(メタ)アクリレート、3−ブロモ−2−スルホ−2−プロピル(メタ)アクリレート、3−メトキシ−1−スルホ−2−プロピル(メタ)アクリレート、1,1−ジメチル−2−スルホエチル(メタ)アクリルアミドなどを挙げることができる。このうち、2−メチル−2−(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸が好ましく用いられる。これらのスルホン酸基を有する重合性単量体は単独でまたは組み合わせて使用できる。
上記(A)成分としては、上記の重合性単量体をそれぞれ単独で使用でき、また組み合わせて使用することもできる。(A)成分は、好ましくは、酸性基および/または酸無水物基を有する重合性単量体であり、より好ましくは、カルボン酸基、燐酸基、及びそれらの酸無水物よりなる群から選ばれる少なくとも1つの重合性単量体である。カルボン酸については、好ましくは、芳香族カルボン酸、ジカルボン酸、芳香環上に隣接するジカルボン酸であり、リン酸については、好ましくはアルキルエステル体、特にジアルキルエステル体(R−O−PO(OH)−O−R’,RとR’はアルキル基)である。(A)成分は、好ましくは(メタ)アクリル系重合性単量体である。勿論、複数種の重合性単量体を組み合わせることも可能であり、例えば、カルボン酸基及び/又はその酸無水物基を有する(メタ)アクリル系重合性単量体とリン酸基及び/又はその酸無水物基を有する(メタ)アクリル系重合性単量体の組み合わせは好ましく、特に、4−(メタ)アクリロイルオキシアルキルトリメリット酸系化合物および/またはその酸無水物と、ビス{(メタ)アクリロイルオキシアルキル}アシドホスフェート系化合物との組み合わせが好ましく、特に4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリット酸とビス{2−(メタ)アクリロイルオキシエチル}アシドホスフェートの組み合わせが、熱安定性、歯質浸透性、接着力等が良好なので更に好ましい。特に前記のようなホスフェート系化合物により、未研削の歯質にも良好な接着性が得られる。その重量比率は好ましくは10:90〜90:10であり、より好ましくは20:80〜80:20であり、更に好ましくは30:70〜70:30である。
本発明の歯科用セルフエッチングプライマー組成物において、(A)成分は、好ましくは1〜40重量%、より好ましくは3〜35重量%、更に好ましくは4〜30重量%の範囲内において含有される。前記数値範囲の下限値を下回ると接着性が悪化し、一方、上限値を上回ると安定性が悪くなり、いずれも好ましくない。
本発明の歯科用セルフエッチングプライマー組成物において、(B)成分は硫黄を含有する還元性無機化合物である。かかる化合物としては、水などの媒体中でラジカル重合性単量体を重合させる際に使用できるレドックス重合開始剤としての硫黄を含有する還元性無機化合物が好ましく用いられる。例えば亜硫酸、重亜硫酸、メタ亜硫酸、メタ重亜硫酸、ピロ亜硫酸、チオ硫酸、1亜2チオン酸、1,2チオン酸、次亜硫酸、ヒドロ亜硫酸およびこれらの塩が挙げられる。このうち亜硫酸塩が好ましく用いられ、特に亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウムが好ましい。
これらの還元性無機化合物は単独でもしくは組み合わせて使用できる。さらに本発明の効果を損なわない範囲で、他の還元性無機化合物もしくは還元性有機化合物を組み合わせて使用することができる。
本発明の歯科用セルフエッチングプライマー組成物において、(B)成分は、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.3〜8重量%、更に好ましくは0.5〜5重量%の範囲内において含有される。前記数値範囲の下限値を下回ると接着性が悪化し、一方、上限値を上回ると安定性が悪くなり、いずれも好ましくない。
本発明の歯科用セルフエッチングプライマー組成物において、(C)成分はケトン系溶媒である。かかるケトン系溶媒としては、溶媒として通常用いられていて、歯科用などに問題なく使用可能である顕著な有害性を有しないケトン系化合物ならば、特に限定されるものではない。アルキル基を有するケトン化合物が好適に用いられる。具体例としては、アセトン、エチルメチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、エチルプロピルケトン、ジプロピルケトン等がある。これらのうち、蒸発しやすく、単量体や水との相溶性が良好で、顕著な有害性が認められないアセトンが好ましい。
本発明の歯科用セルフエッチングプライマー組成物において、(C)成分は、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜50重量%、更に好ましくは15〜50重量%の範囲内において含有される。前記数値範囲の下限値を下回ると不均一となり、一方、上限値を上回るとやはり溶解性が不良となり、いずれも好ましくない。
本発明の歯科用セルフエッチングプライマー組成物において、(D)成分は水である。ここで使用できる水としては、例えば精製水(日本薬局方)、蒸留水、イオン交換水または生理食塩水などが挙げられる。ここでは蒸留水およびイオン交換水が好ましく用いられる。
本発明の歯科用セルフエッチングプライマー組成物において、(D)成分は、好ましくは25〜75重量%、より好ましくは25〜70重量%、更に好ましくは30〜70重量%の範囲内において含有される。前記数値範囲の下限値を下回ると接着性が悪化し、一方、上限値を上回ると不均一となり、いずれも好ましくない。
本発明の歯科用セルフエッチングプライマー組成物においては、上記各成分を混合した状態における保存安定性は65℃で2時間以上である。好ましくは65℃で4時間以上、より好ましくは65℃で8時間以上である。前記保存安定性とは、65℃において、当該組成物がゲル化乃至は粘調化などの変異を生じないことである。この保存安定性は、65℃に曝された後の当該組成物をプライマーとして使用して、処方に従ってスーパーボンド(登録商標、サンメディカル(株)製)にて歯質を接着した際、牛歯象牙質に対して15MPa以上の引っ張り接着試験に耐えられる強度を発現することで確認される。前記処方も含めた典型的な接着試験方法は以下の通りである。即ち、牛歯象牙質を、注水、指圧下で耐水エメリー紙180番で研削し、平滑な面を得た後、気銃にて水分を除去する。研削面に、試験対象となるプライマー組成物を塗布して20秒静置し気銃にて3秒乾燥する。このプライマー処理された面に、接着面積を直径4.8mmとなるように規定してスーパーボンド(登録商標、サンメディカル(株)製)の混和泥を盛り付けてポリアクリル製円柱(以下、アクリル棒又はアクリルと略記する)を5秒間指圧下にて圧着する。その1時間後に37℃の水中に16時間浸漬後、引っ張り接着試験(クロスヘッドスピード2mm/min)を行う。
なお、本発明の歯科用セルフエッチングプライマー組成物には、アルコール系溶媒は実質上含有されない。好ましくは当該組成物中に、高々2.5重量%、より好ましくは高々2重量%、更に好ましくは高々1.5重量%以下である。前記数値範囲の上限値を上回ると安定性が悪くなり好ましくない。当該アルコール系溶媒とは、アルコール性水酸基を有する炭化水素であり、低級アルコールが好ましくなく、例えば、エチルアルコール、プロピルアルコール(その異性体、n−プロピルアルコールとイソプロピルアルコールを含む)、ブチルアルコール(その異性体、すなわちn−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、そしてt−ブチルアルコールを含む)等が挙げられ、特にエタノールは禁忌である。
本発明の歯科用セルフエッチングプライマー組成物は、上記(A)、(B)、(C)および(D)成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で過酸化ベンゾイル(BPO)、ラウリルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシドおよびt−ブチルハイドロパーオキシドなどの有機過酸化物または過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、塩素酸カリウム、臭素酸カリウムおよび過リン酸カリウムなどの無機過酸化物;N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N−フェニルグリシンなどの脂肪族あるいは芳香族の第2級あるいは第3級アミンなどの還元性有機化合物;ホルムアルデヒドやグルタルアルデヒドなどのアルデヒド類の如きタンパク架橋剤;ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ヒドロキシメトキシベンゾキノンまたはブチル化したヒドロキシトルエンなどの貯蔵安定剤、重合体による増粘剤、および無機および有機の充填材などを含有することができる。
本発明においては、還元性有機化合物成分を組み合わせて用いることができる。かかる還元性有機化合物としては、例えばN,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン(DMPT)、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジエタノール−p−トルイジン、N,N−ジメチル−p−tert−ブチルアニリン、N,N−ジメチルアニシジン、N,N−ジメチル−p−クロルアニリン、N,N−ジメチルアニシジン、N,N−ジメチル−p−クロルアニリン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸およびそのアルキルエステル、N,N−ジエチルアミノ安息香酸およびそのアルキルエステル、N,N−ジメチルアミノベンツアルデヒド、N,N−ジエチルアミノベンツアルデヒド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの脂肪族あるいは芳香族アミン;ベンゼンスルフィン酸、o−トルエンスルフィン酸、p−トルエンスルフィン酸、エチルベンゼンスルフィン酸、デシルベンゼンスルフィン酸、ドデシルベンゼンスルフィン酸、クロルベンゼンスルフィン酸、ナフタリンスルフィン酸などの芳香族スルフィン酸またはその塩(Li、Na、K、Mg、Ca塩等);下記式(I)
Figure 2008053979
(ここで、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子または官能基もしくは置換基を含有してもよいアルキル基であり、そしてRは水素原子または金属を示す。)で表されるアミン化合物、例えばN−フェニルグリシン(NPG)、N−トリルグリシン、N,N−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)フェニルグリシン;およびアスコルビン酸等の還元糖類乃至はその誘導体などを挙げることができる。これらの還元性有機化合物は単独で、もしくは組み合わせて使用できる。NPGを含む組み合わせが特に好ましく用いられる。
これらの還元性有機化合物のうち、(E)硫黄を含有する還元性有機化合物成分が好ましく、スルフィン酸がより好ましく、p−トルエンスルフィン酸がさらに好ましく、p−トルエンスルフィン酸ナトリウムが特に好ましい。
本発明の歯科用セルフエッチングプライマーキットは、本発明の上記歯科用セルフエッチングプライマー組成物からなる。このキットは上記成分(A)および/または成分(B)を含有する組成物Iと、組成物Iとは異なる組成からなる組成物IIとからなる。上記(E)成分を含有するキットでは、成分(A)および/または(B)を含有する組成物Iとは隔離されて別の組成物IIに(E)成分が含有されるものであることが好ましい。これにより、保存安定性が良好となるからである。
そして、前記組成物IIの溶媒は特に限定されるものではないが、水および/またはアルコールが好ましい。アルコールとしては、好ましくは、エチルアルコール、プロピルアルコール(その異性体、n−プロピルアルコールとイソプロピルアルコールを含む)、ブチルアルコール(その異性体、すなわちn−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、そしてt−ブチルアルコールを含む)、そしてこれらの混合物が含まれる。これらのうち、エチルアルコールが好ましい。
かかる組成物IIの組成としては、(E)硫黄を含有する還元性有機化合物成分は、好ましくは0.2〜20重量%、より好ましくは0.5〜10重量%、更に好ましくは1〜5重量%であり、水は、好ましくは15〜85重量%、より好ましくは33〜65重量%、更に好ましくは43〜54重量%であり、アルコールは好ましくは15〜85重量%、より好ましくは33〜65重量%、更に好ましくは43〜54重量%である。但し、これらの合計は100重量%を越えないものとする。
前記組成物IIを有することにより、次亜塩素酸塩類等による酸化的殺菌処理による接着力低下を回復する能力を有する歯科用セルフエッチングプライマーキットとなすことができる。
適用方法としては、組成物IIで処理した後に組成物Iを適用しても良いし、その逆でも良いし、適用する直前に予め両者を混合してからであってもよい。
より具体的には、NaOCl等で殺菌処理したのち、水洗好ましくは更にエアブローしたのち、前記組成物I、IIの処理を行い、10〜60秒静置ののち、接着剤を適用するものである。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1〜5
新鮮なウシ下顎前歯を抜去し、水中で凍結し保存したものを歯質サンプルとして使用した。解凍した牛歯を、回転式研磨機ECOMET−III(BUEHLER社製)で注水、指圧下で耐水エメリー紙180番まで研削し、エナメル質および象牙質の平滑な面を得た後、気銃にて水分を除去した。研削面に、表1の組成の通りの本発明の歯科用セルフエッチングプライマー組成物を塗布して20秒静置し気銃にて3秒乾燥した。この上に、接着面積を規定するため、直径4.8mmの円孔のあいた厚さ0.15mmの規定紙を置いて固定した。この穴に、硬化性樹脂組成物として、スーパーボンド(登録商標、サンメディカル(株)製)を処方に従って、充填し、アクリル棒を接着して15分間静置して試験体を作成した。
これらの試験体を、37℃の水中に16時間浸漬後、または、55℃温水浴と5℃冷水浴に交互に浸漬することを5,000回繰り返した(TC5,000回)後、引っ張り接着試験(クロスヘッドスピード2mm/min)を行った。
結果は表1の通りとなった。
Figure 2008053979
なお、表1および以下の表中の略号意味は下記のとおりである。
P2M:ビス(メタアクリロイルオキシエチル)アシドホスフェート、
4MET:4−メタクリロイルオキシエチルトリメリット酸、
NPG・Na:N−フェニルグリシンナトリウム、
p−TSNa:p−トルエンスルフィン酸ナトリウム、
EtOH:エタノール。
実施例6〜9
表2の通りの組成にて、実施例1〜5と同様の処理にて試験体を作成したところ、37℃の水中に16時間浸漬後の引っ張り接着試験は、表2の通りとなった。
Figure 2008053979
比較例1〜3
B成分が本発明とは異なる表3の通りの組成にて、実施例1〜5と同様の処理にて試験体を作成したところ、37℃の水中に16時間浸漬後の引っ張り接着試験は、表3の通りとなった。
Figure 2008053979
実施例10〜12
実施例3と同様の組成のプライマー組成物を、表4の通りの加熱温度・加熱時間にて保存安定性試験を行った後、実施例3と同様の処理組成にて、実施例1〜5と同様の処理にて試験体を作成したところ、37℃の水中に16時間浸漬後の引っ張り接着試験は、表4の通りとなった。
Figure 2008053979
なお、安定性の評価基準は以下の通りである。
○:外観上、何ら変化がない。
△:粘調化している。
×:ゲル状になる。
比較例4〜6
表5の通りの組成にて、プライマー組成物を作成し、室温にて16時間静置した後、前記安定性の評価基準にて判定した結果は、表5の通りであった。
Figure 2008053979
実施例13〜16
実施例3と同様の組成のプライマー組成物を、表6の通りの加熱温度・加熱時間にて保存安定性試験を行った後、実施例3と同様の組成にて、以下の(1)〜(4)の処理にて試験体を作成したところ、37℃の水中に16時間浸漬後の引っ張り接着試験は、表6の通りとなった。
処理1
新鮮なウシ下顎前歯を抜去し、水中で凍結し保存したものを歯質サンプルとして使用した。解凍した牛歯を、回転式研磨機ECOMET−III(BUEHLER製)で注水、指圧下で耐水エメリー紙180番まで研削し、象牙質の平滑な面を得た。研削した牛歯を気銃にて水分を除去した。研削面に、プライマー組成物を塗布して20秒静置し気銃にて3秒乾燥した。この上に、接着面積を規定するため、直径4.8mmの円孔のあいた厚さ0.15mmの厚紙を置いて固定した。この穴に、硬化性樹脂組成物として、サンメディカル(株)製Dライナーデュアル(登録商標)(以下、DLDと略記する)を処方に従って、塗布して20秒静置し気銃にて3秒乾燥した後、10秒間光照射した。ついで、コンポジットレジンとしてメタフィルC(登録商標、サンメディカル(株)製)を処方に従って硬化後、アクリル棒にスーパーボンド混和泥を盛り付け、メタフィルC硬化物面に圧接して15秒静置して、試験体を作成した。
これらの試験体を、37℃の水中に16時間浸漬後、引っ張り接着試験(クロスヘッドスピード2mm/min)を行った。
処理2
前記処理1中、Dライナーデュアル塗布及び静置を60秒間とし、光照射を省いた以外は、同様に処理した。
処理3
前記処理2中、メタフィルCに代えてアマルガム充填とした以外は、同様に処理した。
処理4:微小引張り接着試験
試験直前に解凍した牛歯歯根部を用いて、φ4mmの円柱窩洞を形成し根管拡大を行った。拡大した根管内の水分を気銃にて除去した後、プライマー組成物を塗布して20秒静置し気銃にて3秒乾燥した。
ついで、スーパーボンド根充シーラー(登録商標、サンメディカル(株)製)を処方に従って、充填・硬化して試験体を作成した。
相対湿度95%、37℃の恒温槽内に24時間静置後、根管方向に対して平行に、組成物が充填された円柱窩洞の中心部を通る平面にて半分に割断した。一辺10mmのアクリル製立方体をスーパーボンドC&B(サンメディカル(株)製)を用いて割断面に接着させ20分経過後に低速回転ダイヤモンドカッターISOMET(BUEHLER社製)にて1mm程度の厚さになるように根管方向に対して垂直な断面に割断した。さらに接着面積が1mmになるようにダンベル形状(最細部:歯部−充填組成物の界面)にトリミングした後、小型卓上試験機EZ−TEST((株)島津製作所製)にてクロスヘッドスピード1mm/minにて微小引張り接着強さ(MTBS:Micro Tensile Bond Strength)試験を行った。
10−3処理
なお、上記それぞれの処理1〜4の参照例として、本発明のプライマーによる前処理に代えて、10−3処理(10%クエン酸3%塩化第二鉄水溶液の塗布処理)を施した結果、表6の通りとなった。
Figure 2008053979
(なお、表の接着強さ欄下部の括弧内(n.n.n)の記載はn:1回目の試験結果、n:2回目の試験結果、n:3回目の試験結果を示し、それらにおいて素材が記載してある場合は当該素材において破壊が生じた場合の試験結果、「素材A/素材B」と記載してある場合は、素材Aと素材Bの間で剥離が生じた場合、数字が記載してある場合は、破壊断面においてレジンが歯面に残存している面積%を意味するということである。)
実施例17、18、比較例7〜9
表7の通りの比率にてエタノールを含有する組成物について、熱安定性を試験したところ、表7の通りとなった。
Figure 2008053979
安定性及び65℃加熱促進の評価基準は以下の通りである。
○:外観上、何ら変化がない。
△:粘調化している。
×:ゲル状になる。
実施例19−21、比較例10
エッチングプライマ処理の前段階の気銃にて水分除去する処理に代えて、以下の殺菌処理を行い、エッチングプライマ処方を以下の通りとした以外は、実施例1〜5と同様の処理にて試験体を作成したところ、37℃の水中に16時間浸漬後の引っ張り接着試験は、表8の通りとなった。
(殺菌処理)
キャナルクリーナー(福地製薬社製、次亜塩素酸ナトリウムを10重量%含有)を塗布後、60秒静置した。
エッチングプライマ処方(A)
スリーウェイシリンジ(モリタ製作所社製)にて10秒、水/エア洗浄後、処理面に、下記組成からなる組成物iを塗布して20秒静置後、下記組成からなる組成物iiを塗布して10秒静置した。
エッチングプライマ処方(B)
スリーウェイシリンジにて10秒、水/エア洗浄後、組成物i/組成物iiを1/1滴にて混合後、直ちに処理面に塗布して20秒静置した。
エッチングプライマ処方(B’)
水/エア洗浄を、エアのみの洗浄に代え、エッチングプライマ塗布後の静置時間を10秒から60秒に代えた以外は、エッチングプライマ処方(B)と同様とした。
エッチングプライマ処方(C)
スリーウェイシリンジにて10秒、水/エア洗浄後、処理面に、表面処理材グリーンを塗布して10秒静置後、組成物iiを塗布して10秒静置した。
なお、前記組成物等は以下の組成である。
(組成物i)
4−MET:10重量%
P−2M:10重量%
アセトン:30重量%
精製水:47.5重量%
NaSO:2.5重量%
4−メトキシフェノール:0.03重量%
(組成物ii)
p−トルエンスルフィン酸ナトリウム:3重量%
エタノール:48.5%重量
精製水:48.5重量%
(グリーン)
クエン酸:10重量%
塩化第二鉄:3重量%
精製水:87重量%
青色1号:微量
Figure 2008053979
実施例22、比較例11
実施例1において、牛歯を研削するのに代えて、電動式ハンドピースを用いて歯面研磨材(ネオポリッシングクリーム)による研磨を行うことによりペリクルや沈着物の除去だけ行い、水洗し、エッチングプライマ処方を表9の通りに変更した以外は同様にして、表9の通りの結果を得た。
Figure 2008053979
エッチングプライマ処方(D)
気銃にて水分除去後、組成物iを塗布して5秒静置後、エアブローした。
エッチングプライマ処方(E)
気銃にて水分除去後、レッドを塗布して30秒静置後、水洗、エアブローした。
(レッド)
リン酸:69重量%
精製水:28重量%
PVA:3重量%
黄色5号及びエチルバニリン:微量

Claims (16)

  1. (A)重合性単量体、(B)硫黄を含有する還元性無機化合物、(C)ケトン系溶媒、および(D)水を含有する混合物からなりそして65℃で2時間以上の保存安定性を有することを特徴とする歯科用セルフエッチングプライマー組成物。
  2. アルコール系溶媒を実質的に含有しない請求項1に記載の歯科用セルフエッチングプライマー組成物。
  3. アルコール系溶媒の含有量が高々2.5重量%である請求項2に記載の歯科用セルフエッチングプライマー組成物。
  4. アルコール系溶媒がエタノールである請求項2に記載の歯科用セルフエッチングプライマー組成物。
  5. (A)成分が酸性基および/または酸無水物基を有する重合性単量体である請求項1に記載の歯科用セルフエッチングプライマー組成物。
  6. (A)成分がカルボン酸基、燐酸基、及びそれらの酸無水物よりなる群から選ばれる少なくとも1つの基を有する重合性単量体である請求項5に記載の歯科用セルフエッチングプライマー組成物。
  7. (A)成分が(メタ)アクリル系重合性単量体である請求項1に記載の歯科用セルフエッチングプライマー組成物。
  8. (A)成分が4−(メタ)アクリロイルオキシアルキルトリメリット酸、ビス{(メタ)アクリロイルオキシアルキル}アシドホスフェート、及びそれらの酸無水物よりなる群から選ばれる少なくとも1つの重合性単量体である請求項1に記載の歯科用セルフエッチングプライマー組成物。
  9. (B)成分が亜硫酸および/またはその塩である請求項1に記載の歯科用セルフエッチングプライマー組成物。
  10. (C)成分がアセトンである請求項1に記載の歯科用セルフエッチングプライマー組成物。
  11. (A)成分が1〜40重量%、(B)成分が0.1〜10重量%、(C)成分が5〜50重量%、および(D)成分が25〜75重量%の範囲にある請求項1に記載の歯科用セルフエッチングプライマー組成物。
  12. 更に(E)硫黄を含有する還元性有機化合物成分を含有する請求項1に記載の歯科用セルフエッチングプライマー組成物。
  13. (E)成分がスルフィン酸系化合物である請求項12に記載の歯科用セルフエッチングプライマー組成物。
  14. 請求項1に記載の歯科用セルフエッチングプライマー組成物よりなる歯科用セルフエッチングプライマーキットであり、成分(A)および/または(B)を含有する組成物Iとは隔離されて別の組成物IIに(E)成分が含有されてなる、組成物IおよびIIよりなる歯科用セルフエッチングプライマーキット。
  15. 組成物IIには、少なくとも(E)成分とアルコール系溶媒が含まれる請求項14に記載の歯科用セルフエッチングプライマーキット。
  16. 酸化剤系処理による接着力の低下を回復する能力を有する請求項14に記載の歯科用セルフエッチングプライマーキット。
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