JPH0748219A - 生体硬組織に隙間なく接着できる硬化性組成物 - Google Patents

生体硬組織に隙間なく接着できる硬化性組成物

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JPH0748219A
JPH0748219A JP5191475A JP19147593A JPH0748219A JP H0748219 A JPH0748219 A JP H0748219A JP 5191475 A JP5191475 A JP 5191475A JP 19147593 A JP19147593 A JP 19147593A JP H0748219 A JPH0748219 A JP H0748219A
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隆司 山本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 歯牙特に象牙質に対して簡便な接着操作で、
しかも湿潤した条件においても隙間なく接着できる硬化
性組成物および使用方法を提供することにある。さら
に、酸エッチングやプライマー処理を行わずとも象牙質
に対して接着性を有し、同時に、接着界面に隙間を生じ
させないように硬化性組成物自体が高い粘性を有する、
簡単な操作で隙間なく接着できる硬化性組成物を提供す
る。 【構成】 分子内に酸性基を含有する高分子重合体、分
子内に水酸基を含有する重合性単量体、重合開始剤から
成る第1の硬化性組成物、または、第1の硬化性組成物
に、分子内に水酸基を含有する重合性単量体と共重合可
能な重合性単量体を添加した第2の硬化性組成物、およ
び、第1または第2の硬化性組成物に、更に、有機質フ
ィラー、無機質フィラーおよび有機質複合フィラーから
選択される少なくとも1種の添加剤を含有する第3の硬
化性組成物のいずれかの硬化性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、歯牙および骨に代表さ
れる生体硬組織に対して、簡便な操作で隙間なく接着で
きる硬化性組成物に関する。さらに詳しくは、歯牙など
の表面コーティング材、もしくはPMMA系レジン、レ
ジンセメント、コンポジットレジン等の歯科用修復レジ
ンの修復に好適であり、歯質と修復レジンを簡単な操作
で隙間なく接着できる硬化性組成物およびその使用方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】生体の硬組織、とりわけ歯質に対する接
着材料には、歯質と修復材料とを隙間なく強力に接着す
ること、かつ、口腔内での作業であるため可能な限り、
簡単で短時間の作業で終了できることが望ましい。歯質
に強力に接着させるためには、歯質組織内に接着材料を
十分に浸透させて確実に硬化させることが重要であると
されている。歯質内に接着材成分を拡散させるために種
々の拡散促進モノマーが提案され、これを含有した歯質
接着性組成物が提案されている。また、接着材が浸透し
やすくするための歯質表面処理として、エッチングまた
は/さらにプライマーなどの組成物および適用方法が提
案されている。これらの接着材料およびプライマー組成
物は、歯質組織内に十分に浸透しやすいように比較的粘
度が低く設定されているのが現状である。一方、接着界
面を隙間なく封鎖するために、接着材と比較して粘度の
高い充填材(低粘性充填材または低粘度レジンと呼ぶ)
が提案されている(特開昭63−162705号公報参
照)。低粘度充填材は、粘度が高いために歯質との接着
性が極めて乏しく、そのためプライマーや接着材と併用
して使用されている。
【0003】従来の技術では、歯質に修復材料を隙間な
く強力に接着させるためには、エッチングおよび/もし
くはプライマー処理を行った歯面に接着材を塗布して硬
化させ、更に低粘度充填材で歯質表面を覆ってから、コ
ンポジットレジンなどの修復用充填材を填入することが
接着技術としては最も好ましいと考えられていた。しか
しその反面、歯科治療に要する時間が非常に長くなって
患者に大変な苦痛を強いること、また、歯科医師にとっ
ても手間のかかる作業であることから、好ましい治療方
法とは言い難い。
【0004】接着性能については、これまで多くの接着
材および接着方法の提案がなされ、改善がなされてき
た。しかし、これらの提案における実験的な接着性能は
きわめて優れているにもかかわらず、実際の臨床的な評
価では性能が十分に発揮されずに満足されていない。こ
れは実験的な接着性能試験で行う接着面と実際の口腔内
における接着面の相違によるものと推測でき、特に接着
面の乾燥状態の違いが指摘されている。
【0005】従って、従来技術では、歯質に修復材料を
隙間なく強力に接着させるにあたり、医師や患者に大変
な苦痛や労力を長時間強いることとなり、さらに、接着
材料には、十分な乾燥状態を保つことができない口腔内
では、十分な接着性能を発揮できないなどの深刻な問題
を抱えている。
【0006】
【発明が解決すべき課題】本発明の目的は、上記の問題
を解決するために、歯牙特に象牙質に対して簡便な接着
操作で、しかも湿潤した条件においても隙間なく接着で
きる硬化性組成物およびその使用方法を提供することに
ある。
【0007】さらに、本発明の他の目的は、酸エッチン
グやプライマー処理を行わずとも象牙質に対して接着性
を有し、同時に接着材自体が高い粘性を有するため接着
界面に隙間を生じさせない利点を有する、簡単な操作で
隙間なく接着できる硬化性組成物を提供するものであ
る。
【0008】本願出願人は、上記問題点を解決すべく、
既に歯質に接着性を有する表面被覆材を提案している。
この表面被覆材は主構成成分として、(A)分子内に酸
性基を含有する高分子重合体、(B)重合性単量体、
(C)水または水系溶媒、さらには(D)重合開始剤あ
るいは還元性化合物からなる。この表面被覆材は簡便な
接着操作で歯牙などの生体硬組織の表面に対して接着性
および封鎖性を有するために、コーティング材、接着材
あるいはプライマーとして使用できる。この提案におい
ては、(C)成分である水または水系溶媒を使用してい
るために、歯質の乾燥状態によって生ずる性能の差はき
わめて少ないと推察されるが、主に表面被覆材の機械的
な強度や長期的な接着安定性が要求される場合には適さ
ないことがあった。本発明は、上記提案における、簡単
な操作で接着性と封鎖性を同時に満足する長所を維持し
つつ、さらに機械的な強度および長期的な接着安定性を
改善したものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、本発明
の上記目的および利点は、次の第1から第3の硬化性組
成物のいずれかを用いることによって達成される。 (A)分子内に酸性基を含有する高分子重合体、(B)
分子内に水酸基を含有する重合性単量体 および(C)
重合開始剤 を含有することを特徴とする硬化性組成物(以下、第1
の硬化性組成物という)、または(A)分子内に酸性基
を含有する高分子重合体、(B)分子内に水酸基を含有
する重合性単量体、(C)重合開始剤、および(D)分
子内に水酸基を含有する重合性単量体と共重合可能な重
合性単量体、を含有することを特徴とする硬化性組成物
(以下、第2の硬化性組成物という)、および(A)分
子内に酸性基を含有する高分子重合体、(B)分子内に
水酸基を含有する重合性単量体、(C)重合開始剤、お
よび(E)有機質フィラー、無機質フィラーおよび有機
質複合フィラーから選択される少なくとも1種のフィラ
ーを含有することを特徴とする硬化性組成物(以下、第
3の硬化性組成物という)、または、(A)分子内に酸
性基を含有する高分子重合体、(B)分子内に水酸基を
含有する重合性単量体、(C)重合開始剤 (D)分子内に水酸基を含有する重合性単量体と共重合
可能な重合性単量体、および(E)有機質フィラー、無
機質フィラーおよび有機質複合フィラーから選択される
少なくとも1種のフィラーを含有することを特徴とする
硬化性組成物(以下、第3の硬化性組成物という)。
【0010】本発明の硬化性組成物はいずれも、水分が
多く存在する歯質の表面に対して、濡れ性、歯質反応
性、歯質浸透性を同時に合わせ持ち、生体硬組織に隙間
なく接着できる。
【0011】本発明の硬化性組成物を、歯質特に象牙質
に使用する場合には、歯髄への安全性を考慮して、湿潤
した歯質に対してそのまま接触させるのが好ましい。ま
た、状況に合わせて歯質表面を金属塩を含んでいてもよ
いリン酸水溶液、クエン酸水溶液またはEDTA水溶液
などのエッチング剤によって、あらかじめ歯牙の表面を
処理してから使用することもできる。
【0012】本発明の第1から第3の硬化性組成物にお
いて、(A)成分は分子内に酸性基を有する高分子重合
体である。かかる高分子重合体は、例えばカルボン酸
基、リン酸基、チオリン酸基、スルホン酸基およびスル
フィン酸基などから選択される酸性基を少なくとも1種
含んでいる重合体であり、さらに平均分子量が5000
以上であることが好ましい。(A)成分は歯質表面に対
して反応性もしくは結合性を有し、しかも分子量が高い
ために組成物の粘度を増大させ、さらに歯質表面で被膜
を形成する役割を果たす。従って、(A)成分の高分子
重合体としては、例えばセルロース誘導体やタンパク質
誘導体などの天然高分子量体、または合成高分子量体を
挙げることができる。さらに、これらの重合体としては
懸濁重合体や乳化重合体などを挙げることができる。
【0013】歯質に対して、長期にわたり高い接着性を
特に要求される場合には、(A)成分は酸性基を有する
ビニルモノマーユニットと酸性基を有しないビニルモノ
マーユニットを同時に含有する共重合体であることが好
ましい。とりわけ、(メタ)アクリル酸アルキルエルテ
ルとスチレンスルホン酸の共重合体であることが特に好
ましい。
【0014】かかる高分子重合体が有する酸性基として
はスルホン酸基が好ましく用いられる。スルホン酸基を
含有する重合体を製造する方法としては、例えばスルホ
ン酸またはその塩を有する重合性単量体を単独で重合し
た後、もしくは他の共重合可能な重合性単量体と共重合
した後単離する方法を挙げることができる。ここで使用
できるスルホン酸基を含有する重合性単量体としては、
例えばスチレンスルホン酸、2−アクリルアミド2−メ
チルプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸およびこれ
らの金属塩やアンモニウム塩を挙げることができる。ス
ルホン酸基を含有する重合性単量体と共重合できる重合
性単量体としては、分子中に重合性基を含有し、さらに
水酸基、カルボン酸基、リン酸基、アミノ基、アミド基
などの官能基を含んでもよい脂肪族および芳香族の重合
性単量体が好ましい。
【0015】これら共重合できる単量体の具体例として
は、例えば(メタ)アクリル酸メチル(MMA)、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、
(メタ)アクリル酸ブチルなどの脂肪族(メタ)アクリ
ル酸エステル類;スチレン、α−メチルスチレンなどの
スチレン類;N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミ
ド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イ
ソプロピル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アク
リルアミド類;(メタ)アクリル酸、β−(メタ)アク
リロイルオキシエチルハイドロゲンサクシネートなどの
カルボン酸基含有(メタ)アクリレート類;2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、2または3−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、メチロール(メ
タ)アクリルアミドなどの水酸基含有の(メタ)アクリ
レート類および(メタ)アクリルアミド類などを挙げる
ことができる。これらの重合性単量体は組み合わせて用
いることができる。
【0016】(A)成分としてさらに好ましくは、既に
報告されている方法[中林ら、歯科材料・器械、6
(6)、873−876、1987または木下ら、歯科
材料・器械、8(6)、913−921、1989およ
び山本ら、高分子論文集、49(2)、119−12
3、1992]に基づいて、上記の単量体を予めラジカ
ル重合して得られた重合体で、平均分子量が5000以
上を有するスルホン酸基含有の重合体である。本発明に
記載した平均分子量とは、ゲルパーミエイションクロマ
トグラフィー(GPC)を用いたポリスチレン換算の重
量平均分子量である。
【0017】(A)成分中の酸性基の一部がナトリウ
ム、カリウムおよびアンモニウムなどの1価のカチオ
ン、もしくはカルシウム、マグネシウム、銅、アルミニ
ウムもしくは鉄などの金属塩を形成していてもよく、ま
た(A)成分を金属酸化物などの金属化合物と共存させ
ることもできる。
【0018】本発明の第1から第3の硬化性組成物にお
いて、(B)成分は分子内に水酸基を含有する重合性単
量体である。かかる単量体の重合性基は、例えば(メ
タ)アクリロイル基、スチリル基、ビニル基、アリル基
などを有するラジカル重合可能な不飽和基を挙げること
ができる。1分子内にこれらの重合性基から選択される
基が少なくとも1個含有されていればよい(以下に記述
する重合性単量体における重合性基は、すべてこれと同
様に解釈されるべきである)。更に、これらの水酸基含
有重合性単量体は、さらに分子内にカルボキシル基、リ
ン酸基、スルホン酸基、水酸基、アミノ基、グリシジル
基などの官能基を併せて含有することもできる。
【0019】(B)成分として使用できる重合性単量体
として、例えば(メタ)アクリロイル基を有する単量体
としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2または3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5
−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒド
ロキシヘキシル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキ
シデシル(メタ)アクリレ−ト、1,2−または1,3−
および2,3−ジヒドロキシプロパン(メタ)アクリレ
ート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート
などの水酸基含有の(メタ)アクリレート類;メチロー
ル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイル
−2,3−ジヒドロキシプロピルアミン、N−(メタ)
アクリロイル−1,3−ジヒドロキシプロピルアミンな
どの水酸基含有の(メタ)アクリルアミド類;2−ヒド
ロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート
(メタクリレートの場合HPPM)、2−ヒドロキシ−
3−ナフトキシプロピル(メタ)アクリレート(メタク
リレートの場合HNPM)、1モルのビスフェノールA
と2モルのグリシジル(メタ)アクリレート(メタクリ
レートのの場合GMA)の付加反応生成物(メタクリレ
ートの場合Bis−GMA)などのGMAと脂肪族もし
くは芳香族ポリオール(フェノールを含む)との付加生
成物などを挙げることができる。これらの重合性単量体
は単独で、もしくは組み合わせて使用することができ
る。このうち、(B)成分の少くとも1部として、
(A)、(B)および(C)成分の合計100重量部に
対し、40〜99.9重量部の範囲で2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート(メタクリレートの場合HE
MA)を含有することが特に好ましい。
【0020】本発明の第1から第3の硬化性組成物にお
いて、(C)成分は重合開始剤である。かかる重合開始
剤としては、例えばジアセチルペルオキシド、ジプロピ
ルペルオキシド、ジブチルペルオキシド、ジカプリルペ
ルオキシド、ジラウリルペルオキシド、ジラウリルペル
オキシド、過酸化ベンゾイル(BPO)、p,p'−ジク
ロルベンゾイルペルオキシド、p,p'−ジメトキシベン
ゾイルペルオキシド、p,p'−ジメチルベンゾイルペル
オキシド、p,p'−ジニトロジベンゾイルペルオキシド
などの有機過酸化物:および過硫酸アンモニウム、過硫
酸カリウム、塩素酸カリウム、臭素酸カリウムおよび過
リン酸カリウムなどの無機過酸化物を挙げることができ
る。これらのうちでは、BPOが好ましい。
【0021】また、本発明の硬化性組成物は紫外光線も
しくは可視光線を照射することによって光重合すること
もできる。かかる光重合の際に使用できる重合開始剤に
特に制限はないが、例えばベンジル、4,4'−ジクロロ
ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベ
ンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエー
テル、ベンゾフェノン、9,10−アントラキノン、ジ
アセチル、d,l−カンファキノン(CQ)などの紫外
線または可視光線増感剤が挙げられる。
【0022】有機過酸化物もしくは光重合開始剤を使用
する場合、還元性化合物を併用することができる。ここ
で、有機還元性化合物としては、例えばN,N−ジメチ
ルアニリン、N,N−ジメチルp−トルイジン(DMP
T)、N,N−ジエチルp−トルイジン、N,N−ジエタ
ノールp−トルイジン(DEPT)、N,N−ジメチル
p−tert−ブチルアニリン、N,N−ジメチルアニ
シジン、N,N−ジメチルp−クロルアニリン、N,N−
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−
ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−
ジメチルアミノ安息香酸およびそのアルキルエステル、
N,N−ジエチルアミノ安息香酸(DEABA)および
そのアルキルエステル、N,N−ジメチルアミノベンツ
アルデヒド(DMABAd)などの芳香族アミン類;N
−フェニルグリシン(NPG)、N−トリルグリシン
(NTG)、N,N−(3−メタクリロイルオキシ−2
−ヒドロキシプロピル)フェニルグリシン(NPG−G
MA)などを併用することができる。これらの中、DM
PT、DEPT、DEABA、DMABAd、NPG、
NTGが好ましく使用できる。
【0023】また、別の有機還元性化合物として、例え
はベンゼンスルフィン酸、o−トルエンスルフィン酸、
p−トルエンスルフィン酸、エチルベンゼンスルフィン
酸、デシルベンゼンスルフィン酸、ドデシルベンゼンス
ルフィン酸、クロルベンゼンスルフィン酸、ナフタリン
スルフィン酸などの芳香族スルフィン酸またはその塩類
を併用することもできる。
【0024】また、無機還元性化合物としては、硫黄を
含有する還元性無機化合物が好ましく使用できる。かか
る化合物としては、水または水系溶媒などの媒体中でラ
ジカル重合性単量体を重合させる際に使用できるレドッ
クス重合開始剤としての使用される還元性無機化合物が
好ましい。例えば亜硫酸、重亜硫酸、メタ亜硫酸、メタ
重亜硫酸、ピロ亜硫酸、チオ硫酸、1亜2チオン酸、
1,2チオン酸、次亜硫酸、ヒドロ亜硫酸およびこれら
の塩が挙げられる。このうち亜硫酸塩が好ましく用いら
れ、特に亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水
素ナトリウム、亜硫酸水素カリウムが好ましい。これら
の還元性無機化合物は単独で、もしくは組み合わせて使
用できる。
【0025】さらに、その他の還元性化合物として、ト
リアルキルホウ素またはその部分酸化物を使用すること
もできる。具体的には、トリアルキルホウ素、トリプロ
ピルホウ素、トリイソプロピルホウ素、トリ−n−ブチ
ルホウ素、トリ−n−アミルホウ素、トリアミルホウ
素、トリイソアミルホウ素、トリ−sec−アミルホウ
素またはこれらの一部が酸化されたトリアルキルホウ素
酸化物を用いることができる。これらのなかでは、トリ
−n−ブチルホウ素またはその部分酸化物を使用するこ
とが好ましい。
【0026】本発明の第1の硬化性組成物は、(A)、
(B)および(C)成分の合計100重量部当り、
(A)成分を0.1〜70重量部、(B)成分を1〜9
9.9重量部、および(C)成分を0.01〜50重量部
の範囲で含有するのが好ましい。さらに好ましくは、
(A)成分が1〜30重量部、(B)成分が3〜90重
量部および(C)成分が0.1〜20重量部の範囲で使
用される。
【0027】本発明の第2の硬化性組成物のうち、
(D)成分は分子内に水酸基を有する重合性単量体
(B)と共重合可能な重合性単量体である。かかる重合
性単量体は、例えば(メタ)アクリロイル基、スチリル
基、ビニル基、アリル基などを有するラジカル重合可能
な不飽和基を有する単量体を挙げることができる。1分
子内に上記の重合性基から選択される基が少なくとも1
個含有されていればよい単量体である。さらに、これら
の重合性単量体は、分子内にカルボキシル基、リン酸
基、スルホン酸基、水酸基、アミノ基、グリシジル基な
どの官能基を含有することができる。
【0028】(D)成分として使用できる重合性単量体
としては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)
アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メ
タ)アクリル酸ブチル、ネオペンチルグリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸の脂肪族エ
ステル類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラデカエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのポリエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート類;プロピレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレング
リコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ノナプロピレングリコ
ールジ(メタ)アクリレートなどのポリプロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート類;上記のポリエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレートおよびポリプロピレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート類のどちらか一方
の(メタ)アクリロイル基がメチル基およびエチル基な
どに置換されたモノ(メタ)アクリレート類;2−(メ
タ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートまたは
2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート
または1,3,5−トリメチルヘキサメチレンジイソシア
ネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの
付加物などのウレタン結合を有する(メタ)アクリレー
ト類;ビスフェノールAにオキシエチレンを付加させた
生成物にさらに(メタ)アクリル酸を縮合させた2,2
−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシポリエトキシ
フェニル)プロパン類;スチレン、4−メチルスチレ
ン、4−クロルメチルスチレン、ジビニルベンゼンなど
のスチレン誘導体類;酢酸ビニルなどを挙げることがで
きる。これらの重合性単量体は単独で、もしくは組み合
わせて使用できる。
【0029】また、(D)成分として使用できる重合性
単量体のうち、1分子中に少なくとも1個のカルボキシ
ル基を有する重合性単量体としては、モノカルボン酸、
ジカルボン酸、トリカルボン酸およびテトラカルボン酸
またはこれらの誘導体を挙げることができ、例えば(メ
タ)アクリル酸、マレイン酸、p−ビニル安息香酸、1
1−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−ウンデカン
ジカルボン酸(メタクリレートの場合:MAC−1
0)、1,4−ジ(メタ)アクリロイルオキシエチルピ
ロメリット酸、6−(メタ)アクリロイルオキシエチル
ナフタレン−1,2,6−トリカルボン酸、4−(メタ)
アクリロイルオキシメチルトリメリット酸およびその無
水物、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリ
ット酸(メタクリレートの場合:4−MET)およびそ
の無水物(メタクリレートの場合:4−META)、4
−(メタ)アクリロイルオキシブチルトリメリット酸お
よびその無水物、4−[2−ヒドロキシ−3−(メタ)
アクリロイルオキシ]ブチルトリメリット酸およびその
無水物、2,3−ビス(3,4−ジカルボキシベンゾイル
オキシ)プロピル(メタ)アクリレート、N,O−ジ
(メタ)アクリロイルオキシチロシン、O−(メタ)ア
クリロイルオキシチロシン、N−(メタ)アクリロイル
オキシチロシン、N−(メタ)アクリロイルオキシフェ
ニルアラニン、N−(メタ)アクリロイルp−アミノ安
息香酸、N−(メタ)アクリロイルO−アミノ安息香
酸、N−(メタ)アクリロイル5−アミノサリチル酸
(メタクリレートの場合:5−MASA)、N−(メ
タ)アクリロイル4−アミノサリチル酸、2または3ま
たは4−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレートとピロメリット酸
二無水物の付加生成物(メタクリレートの場合:PMD
M)、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと無
水マレイン酸または3,3',4,4'−ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸二無水物(メタクリレートの場合:BT
DA)または3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物の付加反応物、2−(3,4−ジカルボキ
シベンゾイルオキシ)1,3−ジ(メタ)アクリロイル
オキシプロパン、N−フェニルグリシンまたはN−トリ
ルグリシンとグリシジル(メタ)アクリレートとの付加
物、4−[(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイ
ルオキシプロピル)アミノ]フタル酸、3または4−
[N−メチルN−(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アク
リロイルオキシプロピル)アミノ]フタル酸などを挙げ
ることができる。このうち、MAC−10、4−ME
T、4−METAおよび5−MASAが好ましく用いら
れる。これらのカルボキシル基を有する重合性単量体は
単独または組み合わせて使用できる。
【0030】(D)成分として使用できる重合性単量体
のうち、1分子中に少なくとも1個のリン酸基を有する
重合性単量体としては、例えば2−(メタ)アクリロイ
ルオキシエチルアシドホスフェート、2および3−(メ
タ)アクリロイルオキシプロピルアシドホスフェート、
4−(メタ)アクリロイルオキシブチルアシドホスフェ
ート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルアシド
ホスフェート、8−(メタ)アクリロイルオキシオクチ
ルアシドホスフェート、10−(メタ)アクリロイルオ
キシデシルアシドホスフェート、12−(メタ)アクリ
ロイルオキシドデシルアシドホスフェート、ビス{2−
(メタ)アクリロイルオキシエチル}アシドホスフェー
ト、ビス{2または3−(メタ)アクリロイルオキシプ
ロピル}アシドホスフェート、2−(メタ)アクリロイ
ルオキシエチルフェニルアシドホスフェート、2−(メ
タ)アクリロイルオキシエチルp−メトキシフェニルア
シドホスフェートなどを挙げることができる。これらの
化合物におけるリン酸基は、チオリン酸基に置き換える
ことができる。このうち、2−(メタ)アクリロイルオ
キシエチルフェニルアシドホスフェート、10−(メ
タ)アクリロイルオキシデシルアシドホスフェートが好
ましく用いられる。これらのリン酸基を有する重合性単
量体は単独でまたは組み合わせて使用できる。
【0031】(D)成分として使用できる重合性単量体
のうち、1分子中に少なくとも1個のスルホン酸基を有
する重合性単量体としては、例えば2−スルホエチル
(メタ)アクリレート、2または1−スルホ−1または
2−プロピル(メタ)アクリレート、1または3−スル
ホ−2−ブチル(メタ)アクリレート、3−ブロモ−2
−スルホ−2−プロピル(メタ)アクリレート、3−メ
トキシ−1−スルホ−2−プロピル(メタ)アクリレー
ト、1,1−ジメチル−2−スルホエチル(メタ)アク
リルアミドなどを挙げることができる。このうち、2−
メチル−2−(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン
酸を好ましく用いられる。これらのスルホン酸基を有す
る重合性単量体は単独でまたは組み合わせて使用でき
る。
【0032】上記(D)成分として、上記に挙げた種々
の重合性単量体はそれぞれ単独でまたは組み合わせて使
用することができる。
【0033】第2の硬化性組成物の組成は、上記
(A)、(B)、(C)成分と上記の(D)成分の合計
を100重量部としたとき、(A)、(B)および
(C)成分の合計が30〜97重量部、好ましくは、4
0〜90重量部の範囲であり、(D)成分が3〜70重
量部、好ましくは、10〜60重量部の範囲内で含有す
るが望ましい。(A)、(B)および(C)成分の割合
は第1の硬化性組成物におけると同じであると理解され
るべきである。
【0034】本発明の第1および第2の硬化性組成物
は、特に好ましい状態として、37.5℃における粘度
が100〜8000センチポアズ(cP)の範囲内にあ
ることである。この粘度範囲の組成物を使用することに
よって、特に、歯質との接着界面に隙間なく優れた封鎖
性および接着性を発揮する。本発明における硬化性組成
物の粘度は、E型粘度計を用いて37.5℃で測定した
ものである。
【0035】本発明の第3の硬化性組成物のうち、
(E)成分は、有機質フィラー、無機質フィラーおよび
有機質複合フィラーから選択される少なくとも1種のフ
ィラーである。有機質フィラーとしては、例えば重合体
の粉砕もしくは分散重合によって得られた粉末重合体の
フィラーや架橋剤を含む重合性単量体を重合させた後粉
砕して得られたフィラーを挙げることができる。ここ
で、使用できるフィラーの原料となる重合体としては、
(B)成分もしくは(D)成分で例示した重合性単量体
の単独重合体もしくは共重合体を挙げることができる。
例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタ
クリル酸エチル、ポリメタクリル酸プロピル、ポリメタ
クリル酸ブチル(PBMA)、ポリ酢酸ビニル(PVA
c)、ポリエチレングリコール(PEG)やポリプロピ
レングリコール(PPG)、ポリビニルアルコール(P
VA)などを挙げることができる。
【0036】無機質フィラーとしては、例えばシリカ、
シリカアルミナ、アルミナ、アルミナ石英、ガラス(バ
リウムガラスを含む)、チタニア、ジルコニア、炭酸カ
ルシウム、カオリン、クレー、雲母、硫酸アルミニウ
ム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化チタン、リン
酸カルシウムなどを挙げることができる。
【0037】有機質複合フィラーとしては、前述した無
機質フィラー表面を重合性単量体で重合して被覆した
後、粉砕して得られるフィラーを挙げることができる。
具体的には、無機質フィラーのうち、微粉末シリカをト
リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TM
PT)を主成分とする重合性単量体で重合被覆し、得ら
れた重合体を粉砕したフィラー(TMPT・f)を挙げ
ることができる。
【0038】本発明の第3の硬化性組成物は、(A)、
(B)および(C)成分と(E)成分から、あるいは
(A)、(B)、(C)および(D)成分と(E)成分
からなり、それぞれにおいて、これらの各成分と(E)
成分の合計を100重量部としたとき、(A)、(B)
および(C)成分の合計または(A)、(B)、(C)
および(D)成分の合計が30〜95重量部、好ましく
は65〜85重量部の範囲であり、(E)成分は5〜7
0重量部、好ましくは15〜35重量部の範囲であるこ
とが望ましい。(A)、(B)および(C)成分の組合
せ並びに(A)、(B)、(C)および(D)成分の組
合せにおける各成分の割合はそれぞれ第1および第2の
硬化性組成物におけると同じであると理解すべきであ
る。
【0039】本発明の硬化性組成物は、(E)成分を使
用することによって容易に粘度を調節することができ
る。37.5℃における粘度を100〜8000cPの
範囲内にすることができる。この粘度範囲の組成物を使
用することによって、前述の如く、特に歯質との接着界
面に隙間なく優れた封鎖性および接着性を発揮する。
【0040】本発明の第1から第3の硬化性組成物は、
上記(A)から(E)成分の他に、ベリリウム、マグネ
シウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどの
アルカリ土類金属、アルミニウム、ガリウム、インジウ
ムなどの第III族金属、ゲルマニウム、スズ、鉛など
の第IV族の金属および鉄、銅、コバルト、ニッケルな
どの遷移金属などの多価金属の水酸化物、ハロゲン化
物、酸化物などを含有することができる。これらの添加
剤は、(A)成分の高分子重合体と反応して増粘効果や
塗膜性の向上および硬化促進に役立つ。
【0041】本発明の第1から第3の硬化性組成物は、
上記(A)から(E)成分を予め混合して歯質に適用す
ることができる。これらの成分の混合物が長期にわたり
形態や性能が変化し、本発明の効果を損なう恐れがある
場合には、各成分を単独であるいは任意の組合せで分割
して保存し使用前に混合して硬化性組成物とすることが
できる。
【0042】硬化性組成物の保存の方法としては、例え
ばA/B(/D/E)成分の混合物とC成分の2つに分
割する場合、A/B(/D/E)成分の混合物とB(/
D/E)/C成分の混合物に分割する場合がある。これ
らの混合物は別々の容器に入れられ、キットに収容され
て製品として提供できる。また、(C)成分が、例え
ば、BPOないしはCQとアミンからなる2成分の場合
にはA/B/C(BPOないしはCQ)(/D/E)成
分の混合物とB(/D/E)/C{アミン例えばN,N
−ジメチルp−トルイジン(DMPTと略記)}成分の
混合物などが挙げることができる。また、(C)成分の
一部ないしは全部を、あらかじめ、硬化性組成物を歯面
に塗布する際に使用する治具に含有させ、使用直前に
(A)、(B)、(D)および(E)成分と治具とを接
触させて硬化性組成物をその場で調製し、そのまま歯面
に塗布することもできる。歯面に塗布する治具として
は、筆、繊維球または布、スポンジ球またはスポンジ片
などを好ましいものとして挙げることができるが、これ
に限定されるものではない。
【0043】この方法によって、例えば、硬化性組成物
を二つの容器に分割して使用直前に混合して用いる方法
に比較して、手間が省け、また、容器から直接に硬化性
組成物を必要量だけスポンジ等の治具に接触させること
によって、混合容器などを用いずに経済的に使用するこ
とができる。本発明の硬化性組成物を歯質表面に適用さ
せたのち、その上に歯科用修復レジンを適用することに
よって、歯を修復することが有利に行なわれる。
【0044】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明がこれら実施例に限定されるものではない。
【0045】実施例1 分子内に酸性基を有する重合体
(A)の合成 2lのフラスコに33gのp−スチレンスルホン酸ナト
リウム(p−SSA、和光純薬)、144gのメタクリ
ル酸メチル(MMA、和光純薬)および2.26gの2,
2'−アゾビスイソブチロニトリルを窒素雰囲気下で1.
6lの水/エタノール(EtOH)の混合溶媒(水/E
tOH=1/0.6容量比)に溶解し、続いて溶液を7
5℃の油浴中に入れて11時間攪拌した。溶液を室温に
もどして減圧下でEtOH分を留去した。残った溶液は
透析チューブ(Union Carbide、三光純薬)に詰めてイ
オン交換水中で3日間透析を行った。チューブ内の溶液
を集め、1.5Kgのイオン交換樹脂(アンバーライトI
R-118、オルガノ)を充填したカラムに通し脱塩した。
水を留去して目的の重合体を得た。得られた重合体は、
1H−NMR、元素分析およびGPC(N,N−ジメチ
ルホルムアミド溶媒中ポリスチレン換算分子量)分析を
行い、数平均分子量が10万以上のメタクリル酸メチル
−p-スチレンスルホン酸共重合体(MMA含量約90
モル%、以下これをPOLY−Aと略記する)であるこ
とを確認した。
【0046】接着力の評価方法は、以下のとおりであ
る。
【0047】新鮮なウシ下顎前歯を抜去し、水中で凍結
し保存したものを歯質サンプルとして使用した。解凍し
た牛歯をエナメル質および象牙質が露出するように回転
式研磨機ECOMET-III(BUEHLER製)で注水、指圧下で
耐水エメリー紙#600番まで研削し、平滑な面を得
た。研削した牛歯を一度気銃にて水分を除去して、直ち
に接着面積を規定するための直径5.1mmの円孔のあ
いたセロハンテープを張り付け、再度水中に浸漬した。
水中に最低1分間浸漬した牛歯を取り出し、接着面を綿
球で軽く水分をぬぐい取った。この表面にはまだ水分が
かなり残っており、湿潤表面として接着試験に使用し
た。
【0048】本発明の硬化性組成物をスポンジ(スーパ
ーボンドC&B付属品、サンメディカル製)にて塗布し
て、気銃にて軽くエアーを約5秒間吹きかけた。可視光
照射器(Translux CL, Kulzer)にて20秒間光照射し
て本発明の硬化性組成物を硬化させた。片面に粘着材の
ついた内径5.1mmの厚紙を置いて固定し、この穴に
コンポジットレジン(Silux Plus, 3M)を充填して、厚
さ50μmのポリエステルフィルムで覆った。このフィ
ルムの上から可視光照射器(Translux CL, Kulzer)に
て40秒間光照射してコンポジットレジンを硬化させた
後、フィルムを剥がし、メタファースト(サンメディカ
ル)にてアクリル棒を植立して15分間静置した。37
℃の水中に24時間浸漬した後、引っ張り接着試験(ク
ロスヘッドスピード2mm/min)を行った。
【0049】歯質と修復材料との界面の隙間(ギャッ
プ)の測定は、以下の方法で行った。
【0050】歯質と修復物との封鎖性を確認するため、
解凍した牛歯をエナメル質および象牙質が露出するよう
に回転式研磨機ECOMET-III(BUEHLER製)で注水、指
圧下で耐水エメリー紙#600まで研削し平滑な面を得
た。φ3×3mmの窩洞を注水下でダイヤモンドポイン
トを用いて形成した。本発明の硬化性組成物をスポンジ
を用いて窩洞内の表面に塗布して軽くエアブローして窩
洞上部から可視光照射器(Translux CL, Kulzer)にて
20秒間光照射して硬化させた。更にコンポジットレジ
ンを充填して同様に40秒間光照射して硬化させた。表
面を#600まで注水下で研磨して平滑にした後、塩基
性フクシン水溶液中に1分間浸漬して水洗した。気銃に
て乾燥した状態での隙間(ギャップ)を光学顕微鏡にて
観測し、さらにギャップの生じた部分に認められる着色
を目視にて確認し、隙間の有無を判定した。
【0051】実施例2 本発明の硬化性組成物として、9重量部のPOLY−
A、63重量部の2−ヒドロキシエチルメタクリレート
(HEMA)、9重量部のトリエチレングリコールジメ
タクリレート(3G)、9重量部の2,2−ビス(4−
メタクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン
(2.6E、新中村化学)、9重量部の4−MET、0.
45重量部のd,l−カンファーキノン(CQ)および
0.45重量部のN,N−ジメチルアミノベンツアルデヒ
ド(DMABAd)を混合して溶解した。調製直後に使
用して接着試験を行った結果、象牙質に対する接着強さ
は50±17kgf/cm2であり、ギャップの形成は
認められなかった。
【0052】実施例3 本発明の硬化性組成物として、6.8重量部のPOLY
−A、47.7重量部のHEMA、25重量部のVR9
0(昭和高分子)、6.8重量部の3G、6.8重量部の
2.6E、6.8重量部の4−MET、0.5重量部のC
Qおよび0.5重量部のDMABAdを混合して溶解し
た。調製直後に使用して接着試験を行った結果、象牙質
に対する接着強さは56±13kgf/cm2であり、
ギャップの形成は認められなかった。
【0053】実施例4 本発明の硬化性組成物として、実施例3における4−M
ETを4−METAに変更したものを使用した。その結
果、象牙質に対する接着強さが53±9kgf/cm2
であり、ギャップの形成は認められなかった。
【0054】実施例5 本発明の硬化性組成物として、6.8重量部のPOLY
−A、47.3重量部のHEMA、6.8重量部の3G、
6.8重量部の2.6E、6.8重量部の4−MET、0.
34重量部のCQ、0.34重量部のDMABAdおよ
び25重量部の微粉末シリカ(RM50)を混合した。
調製直後に使用して接着試験を行った結果、象牙質に対
する接着強さは41±5kgf/cm2であり、ギャッ
プの形成は認められなかった。
【0055】実施例6 本発明の硬化性組成物として、6.8重量部のPOLY
−A、51重量部のHEMA、6.8重量部の3G、6.
8重量部の2.6E、6.8重量部の4−MET、0.3
4重量部のCQ、0.34重量部のDMABAdおよび
25重量部の有機複合フィラー(TMPT・f)を混合
した。調製直後に使用して接着試験を行った結果、象牙
質に対する接着強さは51±20kgf/cm2であ
り、ギャップの形成は認められなかった。
【0056】実施例7 本発明の硬化性組成物として、6.8重量部のPOLY
−A、51重量部のHEMA、6.8重量部の3G、6.
8重量部の2.6E、6.8重量部の4−MET、0.3
4重量部のCQ、0.34重量部のDMABAdおよび
12.5重量部のRM50、12.5重量部のTMPT・
fを混合した。調製直後に使用して接着試験を行った結
果、象牙質に対する接着強さは91±16kgf/cm
2であり、ギャップの形成は認められなかった。
【0057】実施例8 本発明の硬化性組成物として、6.8重量部のPOLY
−A、51重量部のHEMA、6.8重量部の3G、6.
8重量部の2.6E、6.8重量部の4−MET、0.3
4重量部のCQ、0.34重量部のDMABAdおよび
25重量部のポリ酢酸ビニル(PVAc)を混合した。
調製直後に使用して接着試験を行った結果、象牙質に対
する接着強さは105±32kgf/cm2であり、ギ
ャップの形成は認められなかった。
【0058】実験例9 本発明の硬化性組成物として、6.8重量部のPOLY
−A、51重量部のHEMA、6.8重量部の3G、6.
8重量部の2.6E、6.8重量部の4−MET、0.3
4重量部のCQ、0.34重量部のDMABAdおよび
25重量部のポリ(メタクリル酸メチル−co−メタク
リル酸ブチル)を混合した。調製直後に使用して接着試
験を行った結果、象牙質に対する接着強さは56±13
kgf/cm2であった。
【0059】実施例10 実施例3において、DMABAdの代わりにNPGを使
用した。その結果、象牙質に対する接着強さは94±9
kgf/cm2であり、ギャップの形成は認められなか
った。
【0060】実施例11 実施例2から9の硬化性組成物は、調製後約1時間で硬
化した。また、実施例10の硬化性組成物は、調製後約
15分間で硬化した。そこで、保存安定性を向上させる
ために、本発明の硬化性組成物を歯面に塗布する際に使
用するスポンジにNPGを以下の手順で含有させた。ま
ず、NPG粉末の入った容器中にスーパーボンドC&B
付属のスポンジをいれてよく混ぜた後、スポンジを取り
出して軽く振り、余分のNPGを振り落とした。これを
歯面に塗布するスポンジ(NPG−SP)として使用し
た。
【0061】実施例12 実施例3において、DMABAdを含まない硬化性組成
物を調製し、実施例11で作製したNPG−SPを使用
して歯質表面への塗布を行った。その結果、本発明の硬
化性組成物の保存安定性および操作性を損なうことな
く、作業することができ、象牙質に対する接着強さが6
4±18kgf/cm2であった。
【0062】比較例1 実施例2において、分子内に水酸基を含有する重合性単
量体(B)であるHEMAを使用せずに、メタクリル酸
エチル(EMA)を使用した。その結果、POLY−A
が溶解せず、硬化性組成物が調製できなかった。
【0063】比較例2 実施例2において、HEMAを使用しないで、(A)成
分であるPOLY−Aと(D)成分である3G、2.6
Eおよび4−METの重量比を変化させて硬化性組成物
の調製を試みたが、POLY−Aが十分に溶解せず調製
できなかった。
【0064】比較例3 実施例2において、(A)成分のPOLY−Aを使用せ
ずに硬化性組成物を調製した結果、象牙質に対する接着
強さが42±10kgf/cm2であったが、ギャップ
の形成が認められた。
【0065】以上の結果を表1および表2にまとめて記
載した。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
【発明の効果】本発明の硬化性組成物は、エッチングや
プライマー処理を行わずとも象牙質に対して高い接着強
さを発揮し、さらに隙間のない接着ができることから、
歯髄に対する刺激が極めて少なく、しかも簡便な操作で
短時間に接着歯科治療ができる。更に本発明の硬化性組
成物は、湿潤状態の象牙質に対しても高い接着強さを示
すことから、実際の臨床的な使用にあたっても安定した
性能を発揮する。本発明において、使用する治具や容器
などに硬化性組成物の構成成分の一部を予め含有させて
おくことによって、保存安定性や操作性などを損なわず
に必要量だけ硬化性組成物を使用できる操作方法を提供
する。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)分子内に酸性基を含有する高分子
    重合体、(B)分子内に水酸基を含有する重合性単量体
    および(C)重合開始剤を含有することを特徴とする
    生体硬組織に隙間なく接着できる硬化性組成物。
  2. 【請求項2】 (A)、(B)および(C)成分の合計
    を100重量部としたとき、(A)成分が0.1〜70
    重量部、(B)成分が1〜99.9重量部、および
    (C)成分が0.01〜50重量部の範囲で含有される
    請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 【請求項3】 (A)成分の平均分子量が5000以上
    である請求項1に記載の硬化性組成物。
  4. 【請求項4】 (A)成分が分子内の酸性基として、カ
    ルボン酸基、リン酸基、チオリン酸基、スルホン酸基お
    よびスルフィン酸基よりなる群から選択される酸性基を
    少なくとも1種含んでいる請求項1に記載の硬化性組成
    物。
  5. 【請求項5】 (A)成分が酸性基を有するビニルモノ
    マーユニットと酸性基を有しないビニルモノマーユニッ
    トを同時に含有する共重合体である請求項1に記載の硬
    化性組成物。
  6. 【請求項6】 (A)成分が(メタ)アクリル酸アルキ
    ルエステルとスチレンスルホン酸の共重合体である請求
    項1に記載の硬化性組成物。
  7. 【請求項7】 (A)、(B)および(C)成分の合計
    100重量部のうち、(B)成分の少くとも1部とし
    て、40〜99.9重量部の範囲で2−ヒドロキシエチ
    ル(メタ)アクリレートを含有する請求項1に記載の硬
    化性組成物。
  8. 【請求項8】 上記(A)、(B)および(C)の成分
    の他に、(D)分子内に水酸基を含有する重合性単量体
    (B)と共重合可能な重合性単量体、をさらに含有する
    生体硬組織に隙間なく接着できる硬化性組成物。
  9. 【請求項9】 (A)、(B)、(C)および(D)成
    分の合計を100重量部としたとき、(A)、(B)お
    よび(C)成分の合計が30〜97重量部および(D)
    成分が3〜70重量部の範囲内で含有される請求項8に
    記載の硬化性組成物。
  10. 【請求項10】 37.5℃における粘度が100〜8
    000cPの範囲内にある請求項1または8に記載の硬
    化性組成物。
  11. 【請求項11】 (A)、(B)および(C)成分、ま
    たは(A)、(B)、(C)および(D)成分の他に、
    (E)有機質フィラー、無機質フィラーおよび有機質複
    合フィラーから選択される少なくとも1種のフィラーを
    さらに含有することを特徴とする硬化性組成物。
  12. 【請求項12】 (A)、(B)および(C)成分、ま
    たは(A)、(B)、(C)および(D)成分と(E)
    成分の合計を100重量部としたとき、(A)、(B)
    および(C)成分の合計または(A)、(B)、(C)
    および(D)成分の合計が30〜95重量部および
    (E)成分が5〜70重量部の範囲内で含有される請求
    項11に記載の硬化性組成物。
  13. 【請求項13】 請求項1、8または11の硬化性組成
    物に含まれる(A)〜(E)成分から選らばれる少なく
    とも3成分を、任意の組合せで2つ以上に分割して収容
    することを特徴とする請求項1、8または11に記載の
    硬化性組成物の製品キット。
  14. 【請求項14】 請求項1、8または11の硬化性組成
    物を使用する方法であって、(C)成分の一部ないしは
    全部を、あらかじめ、硬化性組成物を歯面に塗布する際
    に使用する治具に含有させ、使用直前に(A)および
    (B)成分、並びに必要によりさらに(D)および
    (E)成分と該治具とを接触させて硬化性組成物をその
    場で調製することを特徴とする硬化性組成物の使用方
    法。
  15. 【請求項15】 上記の歯面を塗布する際に使用する治
    具が、筆、繊維球または布、スポンジ球またはスポンジ
    片である請求項14に記載の使用方法。
  16. 【請求項16】 請求項1、8または11の硬化性組成
    物を歯質表面に適用させた後、歯科用修復レジンを接着
    させることを特徴とする歯の修復方法。
  17. 【請求項17】 請求項1、8または11の硬化性組成
    物を湿潤した歯質表面に適用する請求項16に記載の修
    復方法。
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