JPWO2008038665A1 - 材料回収方法、および材料回収装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、少なくとも片方の面に付着物が付着したガラス基板から前記付着物を除去し、前記ガラス基板を回収する材料回収方法であって、前記ガラス基板の一部を破砕してガラス破砕片を作製する工程Aと、前記ガラス破砕片を前記付着物に衝突させて、前記付着物を前記ガラス基板から剥離除去する工程Bとを含むものである。このような方法により、ガラス基板に付着した付着物を低コストで除去することができるとともに、ガラス基板の高収率化が可能になる。

Description

本発明は、付着物が付着したガラス基板から付着物を除去し、ガラス基板を回収することができる材料回収方法、および材料回収装置に関する。特に、プラズマディスプレイパネルなどのようにガラス基板を備えた表示装置から、ガラス基板などのように再生利用可能な材料を回収する材料回収方法、および材料回収装置に関する。
近年、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと記す)を用いたプラズマディスプレイ装置や、液晶ディスプレイパネル(以下、LCDと記す)を用いた液晶ディスプレイ装置などのような、薄型、大型化に適した表示装置が大量に生産されている。これらの表示装置は、不良や故障などにより使用できなくなった場合、環境問題および省資源の観点により、解体してリサイクルすることが必要である。
これらのPDPやLCDなどの表示装置は、互いに対向配置された2枚のガラス基板に、薄膜または厚膜の表示部材(付着物)が付着形成され、さらに2枚のガラス基板の間隙には表示用の放電ガスまたは液晶部材が封入されて構成されている。
例えば、PDPは、前面ガラス基板に表示電極、誘電体層、酸化マグネシウム(MgO)による保護層などが形成された前面板と、背面ガラス基板にアドレス電極、隔壁、蛍光体層などが形成された背面板とを備えている。PDPは、前面板と背面板とを微小な放電空間が形成されるように対向配置し、前面ガラス基板と背面ガラス基板の周縁部を封着部材により封着した構造である。また、放電空間内には、ネオン(Ne)およびキセノン(Xe)などを混合してなる放電ガスが封入されている。
また、LCDは、電極、薄膜トランジスタ、偏光膜、カラーフィルタなどが形成された2枚のガラス基板を対向配置して、その間隙に液晶部材を封入し、ガラス基板の周縁部を封着部材により封着した構造である。
ここで、PDPは、製造工程において生じた不良品や、故障などによって使用者から回収した使用済みの製品は、工程内で再生できる一部の製品または部品を除き、従来殆どが解体した後に埋め立てなどの廃棄処理がなされていた。しかしながら、近年PDPが急速に普及するのに伴って、廃棄物の量が増大してきている。廃棄物の量が増大すると、廃棄物処理の埋め立て用地の不足や、地球環境の悪化などの問題が生じる。したがって、PDPの有効な再利用技術の開発が求められている。
PDPの再利用を考える上では、PDPの主要構成材料である前面ガラス基板及び背面ガラス基板を、ガラス素材に近い状態で回収することが重要である。そのためには、ガラス基板上に形成されている誘電体層、電極、蛍光体層などの表示部材を、できるだけ他の材料が混入しない状態で、剥離除去することが必要となる。
ガラス基板に形成された表示部材を剥離除去する方法には、様々な方法がある。
特許文献1及び2には、表示部材を機械的に研削して剥離除去する方法が開示されている。特許文献1及び2に開示されている方法は、PDPを前面板と背面板とに分離し、前面ガラス基板に付着形成された表示部材と、背面ガラス基板に付着形成された表示部材とを、ホイール状の砥石を固定した電着ホイールを使用して削り取る方法が開示されている。砥石は、例えばダイヤモンドやCBN(立方晶窒化硼素)で構成されている。
特開2004−305900号公報 特開2005−334790号公報
大量の使用済みのディスプレイパネルを再資源化するためには、ガラス基板に付着した表示部材を、効率的かつ低コストで剥離および除去することが必要である。
特許文献1及び2に開示されているように、砥石を用いて機械的に表示部材を研削する構成では、砥石には研削寿命があるため、新規砥石への交換回数が増えたり砥石を再生する必要があるなど、研削コストが増大するという問題が発生する。
また、不規則に割れたり粉砕されたガラス基板に対しては、特許文献1及び2に開示されたような研削処理を行うことができず、廃棄せざるを得ないガラス基板が増えてしまい、収率を低下させてしまうという問題が発生する。
本発明の目的は、ガラス基板に付着した付着物を低コストで除去することができるとともに、ガラス基板の高収率化が可能な材料回収装置及び材料回収方法を提供することである。
本発明の材料回収方法は、少なくとも片方の面に付着物が付着したガラス基板から前記付着物を除去し、前記ガラス基板を回収する材料回収方法であって、前記ガラス基板の一部を破砕してガラス破砕片を作製する工程Aと、前記ガラス破砕片を前記付着物に衝突させて、前記付着物を前記ガラス基板から剥離除去する工程Bとを含む。
本発明の材料回収装置は、少なくとも片方の面に付着物が付着したガラス基板から前記付着物を除去し、前記ガラス基板を回収する材料回収装置であって、側面に複数の貫通孔を備え、内部に前記ガラス基板を収容可能な収納体と、前記収納体の前記複数の貫通孔を介して、前記ガラス基板の両面に対してブラスト処理が可能なブラスト装置とを備えている。
本発明によれば、ガラス基板に付着した付着物を低コストで除去することができる。また、ガラス基板をリサイクルする際、収率を高くすることができる。
図1Aは、表示装置の構成を示す平面図である。 図1Bは、図1AにおけるZ−Z部分の断面図である。 図2は、表示装置の要部斜視図である。 図3は、実施の形態1における材料回収方法の流れを示すフローチャートである。 図4Aは、分割前の表示装置の構成を示す平面図である。 図4Bは、分割後の表示装置の構成を示す平面図である。 図4Cは、図4BのY−Y部分の断面図である。 図5は、表示部材の剥離除去動作を説明するための模式図である。 図6は、実施の形態2における材料回収方法の流れを示すフローチャートである。 図7は、実施の形態3における材料回収方法の流れを示すフローチャートである。 図8は、実施の形態3における材料回収装置の構成を示す模式図である。 図9は、実施の形態3における材料回収装置の他例の構成を示す模式図である。 図10は、ブラスト装置の構成を示す模式図である。 図11Aは、収納部の構成を示す側面図である。 図11Bは、図11AのX−X部分の断面図である。 図12は、実施の形態4における材料回収方法の流れを示すフローチャートである。 図13Aは、実施の形態4における材料回収装置の構成を示す模式図である。 図13Bは、図13Aにおける矢印Kに示す方向から見た材料回収装置の構成を示す模式図である。 図14は、実施の形態4における材料回収装置の他例の構成を示す模式図である。 図15は、実施の形態5における材料回収方法の流れを示すフローチャートである。 図16は、実施の形態5における材料回収装置の構成を示す模式図である。 図17は、実施の形態5における付着物除去方法の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
1 PDP
10 前面板
11 前面ガラス基板
12 走査電極
13 維持電極
14 表示電極
15 遮光層
16 誘電体層
17 保護層
18 前面板表示部材
20 背面板
21 背面ガラス基板
22 アドレス電極
23 下地誘電体層
24 隔壁
25 蛍光体層
26 放電空間
27 封着部
28 背面板表示部材
31 第1領域部材
32a,32b,32c,32d 第2領域部材
40 ガラス破砕片
41 ブラスト装置
42 搬送部
43 ブラストノズル
本発明の第1の材料回収方法は、前面ガラス基板上に前面板表示部材を形成した前面板と、背面ガラス基板上に背面板表示部材を形成した背面板とを対向配置するとともに、周囲を封着部材で封着して放電空間を形成した表示装置から、前記ガラス基板を回収する材料回収方法であって、前記ガラス基板の所定領域を破砕してガラス破砕片を作製する工程Aと、前記ガラス破砕片を前記前面板表示部材および前記背面板表示部材の少なくとも一方に衝突させて、前記前面板表示部材または前記背面板表示部材を前記前面ガラス基板または前記背面ガラス基板から剥離除去する工程Bとを含む。このような方法によれば、機械的な研削手段などを用いず、なおかつ、表示装置を構成する材料だけを用いているので、低コストで他の物質の混入のない材料回収が可能となる。
本発明の第1の材料回収方法において、前記表示装置を、前記放電空間を含む第1領域部材と、前記第1領域部材以外の第2領域部材とに分割する工程Cを、さらに備え、前記工程Aにおいて、前記第2領域部材を破砕してガラス破砕片を作製する方法とすることができる。このような方法によれば、板状の前面ガラス基板と背面ガラス基板に形成されている前面板表示部材と背面板表示部材と効率的に剥離除去することが可能となり、前面ガラス基板と背面ガラス基板の材料回収を効率的に行うことができる。
本発明の第1の材料回収方法において、前記第1領域部材を破砕してガラス基板破砕片を作製する工程Dを、さらに備え、前記工程Bにおいて、前記工程Aで作製された前記ガラス破砕片と、前記工程Dで作製された前記ガラス基板破砕片とを相互に衝突させて、前記ガラス基板破砕片に付着した表示部材を当該ガラス基板破砕片から剥離除去する方法とすることができる。このような方法によれば、使用済みの表示装置などのように、前面ガラス基板や背面ガラス基板が割れて、機械的な研削手段などが使用不可能な状態の表示装置であっても、前面板表示部材や背面板表示部材を剥離除去して材料回収することが可能となる。
本発明の第1の材料回収方法において、前記前面板表示部材または前記背面板表示部材に含まれる金属を回収する工程Eを、さらに備え、前記工程Eは、前記工程Bの後に実施する方法とすることができる。このような方法によれば、表示装置に使用されている物質以外の不純物のない材料成分から、貴金属などを回収して再利用することが可能となる。
本発明の第2の材料回収方法は、少なくとも片方の面に付着物が付着したガラス基板から前記付着物を除去し、前記ガラス基板を回収する材料回収方法であって、側面に複数の貫通孔を備えた収納体内に、前記ガラス基板を収納する工程Fと、前記収納体の前記複数の貫通孔を介して、前記ガラス基板の両面に対してブラスト処理を行う工程Gとを含む。このような方法によれば、ガラス基板の表面および裏面の両面からブラストを行うため、薄膜部材、厚膜部材を表面裏面とも同時に剥離除去することができるので、高い生産性でガラス基板のみを回収することができる。
本発明の第2の材料回収方法において、前記収納体は、鉛直方向に対して傾斜して配置され、前記収納体の傾斜面の下側からブラスト処理を行う際のブラスト圧力を、前記傾斜面の上側からブラスト処理を行う際のブラスト圧力よりも高くする構成とすることができる。このような方法によれば、収納体を傾斜することで収納体の中の表示部材付ガラス基板を落下させながらブラスト処理を行うことができ、連続処理が可能となる。また、その際に、下側からのブラスト圧力を上側からのブラスト圧力よりも高くすることによって、収納体に収納された表示部材付ガラス基板を浮かせながら落下させることができるため、確実に連続処理が可能となる。
本発明の第2の材料回収方法において、前記収納体を鉛直方向に立設した構成とすることができる。このような方法によれば、収納体に所定量の表示部材付ガラス基板を収納した後に、表示部材付ガラス基板の両面からブラスト処理を効率的に行うことができる。
本発明の第2の材料回収方法において、前記収納体は、複数の貫通孔が形成された少なくとも2枚の板体を、ギャップを介して対向配置して形成され、前記ギャップは、前記ガラス基板の厚さよりも広く、当該ガラス基板の厚さの2倍よりも狭く形成されている構成とすることができる。このような方法によれば、ギャップ内での表示部材付ガラス基板の重なりを防止して、確実にガラス基板に付着している付着物を剥離除去することができる。
本発明の第2の材料回収方法において、前記工程Gにおいて、前記収納体および前記収納体に収納された前記ガラス基板のうちの少なくとも一方を揺動する方法とすることができる。このような方法によれば、ブラスト処理をする際に収納体を構成する板体の貫通孔を形成する枠の影響を受けずに表示部材付ガラス基板の全面にブラスト処理をすることができ、効率的な剥離除去をすることができる。
本発明の第1の材料回収装置は、少なくとも片方の面に付着物が付着したガラス基板から前記付着物を除去し、前記ガラス基板を回収する材料回収装置であって、側面に複数の貫通孔を備え、内部に前記ガラス基板を収容可能な収納体と、前記収納体の前記複数の貫通孔を介して、前記ガラス基板の両面に対してブラスト処理が可能なブラスト装置とを備えている。このような構成によれば、ガラス基板の表面および裏面の両面からブラストを行うため、薄膜部材、厚膜部材を表面裏面とも同時に剥離除去することができるので、高い生産性でガラス基板のみを回収するガラス基板回収装置を提供することができる。
本発明の第1の材料回収装置において、前記収納体は、前記収納体が前記ガラス基板を収納する収納側からブラスト処理を施すブラスト処理側に傾斜面を備えた構成とすることができる。このような構成によれば、収納体を傾斜することで収納体の中の表示部材付ガラス基板を落下させながらブラスト処理を行うことができ、連続処理が可能となる。
本発明の第1の材料回収装置において、前記収納体は、複数の貫通孔が形成された少なくとも2枚の板体を、ギャップを介して対向配置して形成され、前記ギャップは、前記ガラス基板の厚さよりも広く、当該ガラス基板の厚さの2倍よりも狭く形成されている構成とすることができる。このような構成によれば、ギャップ内での表示部材付ガラス基板の重なりを防止して、確実にガラス基板に付着している付着物を剥離除去することができる。
本発明の第1の材料回収装置において、前記収納体および前記収納体に収納された前記ガラス基板のうちの少なくとも一方を揺動する揺動装置を、さらに備えた構成とすることができる。このような構成によれば、ブラスト処理をする際に、収納体を構成する板体の貫通孔を形成する枠の影響を受けずに、表示部材付ガラス基板の全面にブラスト処理をすることができ、効率的な剥離除去をすることができる。
本発明の第3の材料回収方法は、少なくとも片方の面に付着物が付着したガラス基板から前記付着物を除去し、前記ガラス基板を回収する材料回収方法であって、前記ガラス基板を基板載置台に単層に整列させる工程Hと、前記ガラス基板の一方の面に対してブラスト処理を行う工程Iと、前記工程Iの後に、前記ガラス基板を表裏反転させて基板載置台に単層に整列させる工程Jと、前記工程Jの後に、前記ガラス基板の他方の面に対してブラスト処理を行う工程Kとを含む。このような表面除去方法によれば、基板の表裏いずれの面に付着物が形成されている場合でも、基板を単層となるように基板載置台に整列させているので、一回目の剥離除去ステップで一方の面に付着物が露出している基板から付着物を除去し、基板を表裏反転した後に第2の剥離除去ステップでさらに一方の面に付着物が露出しているガラス基板から付着物を除去することが可能となる。したがって、基板載置台に基板を載置する際に、ガラス基板が全て同じ方向を向いていなくても、確実に全ての基板から付着物を剥離除去し、ガラス基板などの基板のみを効率的に回収することができる。
本発明の第3の材料回収方法において、工程I及び工程Kは、前記ガラス基板の一方の面側から当該ガラス基板に対してブラスト処理を行い、当該ガラス基板に付着している前記付着物を剥離除去する工程であることが好ましい。このような方法によれば、基板載置台に載置する基板が不定形の破壊されたような基板であっても、基板表面に形成された付着物を確実に効率的に剥離除去することができる。
本発明の第3の材料回収方法において、工程Hは、前記ガラス基板を第1の基板載置台に載置する工程であり、工程Jは、前記ガラス基板を第2の基板載置台に載置する工程であることが好ましい。このような方法によれば、剥離除去を連続的に行うことができ、生産性の高い表面除去を行うことができる。
本発明の第2の材料回収装置は、少なくとも片方の面に付着物が付着したガラス基板から前記付着物を除去し、前記ガラス基板を回収する材料回収装置であって、前記ガラス基板を単層に載置する基板載置台と、前記基板載置台に載置された前記ガラス基板の一方の面側から当該ガラス基板に対してブラスト処理を行うブラスト装置と、前記基板載置台に載置された前記ガラス基板を表裏反転する反転機構部とを備え、前記反転機構部は、前記ブラスト装置が前記ガラス基板の一方の面に対してブラスト処理した後、当該ガラス基板の他方の面に対してブラスト処理が可能なように当該ガラス基板を表裏反転させるものである。このような構成によれば、基板の表裏いずれの面に付着物が形成されている場合でも、基板を単層となるように基板載置台に整列させ、研削材噴射装置によって研削材を基板表面に吹き付けて付着物が露出している基板から付着物を除去し、基板を表裏反転した後にさらに一方の面に付着物が露出しているガラス基板から付着物を除去することが可能となる。したがって、基板載置台に基板を載置する際に、全てのガラス基板が同一方向を向いていなくても、確実に全ての基板から付着物を剥離除去し、ガラス基板などの基板のみを効率的に回収することができる。
本発明の第2の材料回収装置において、前記基板載置台は、第1のブラスト装置を備えた第1の基板載置台と、第2のブラスト装置を備えた第2の基板載置台と、前記ガラス基板を前記第1の基板載置台から前記第2の基板載置台に搬送可能な搬送部とを備え、前記第1の基板載置台と前記第2の基板載置台との間に、前記反転機構部を備えた構成とすることができる。このような構成によれば、剥離除去を連続的に行うことができ、生産性の高い表面除去を行うことができる。
本発明の第2の材料回収装置において、前記反転機構部は、前記第1の基板載置台から搬送された前記ガラス基板を載置する第1の板体と、前記第1の板体に対向配置された第2の板体と、前記第1の板体と前記第2の板体とにより前記ガラス基板を挟持する挟持機構と、前記挟持機構が前記ガラス基板を挟持した状態で、前記第1の板体と前記第2の板体の位置を互いに置換する反転部とを備えた構成とすることができる。このような構成によれば、第1の板体と第2の板体とで、同一方向を向いていないガラス基板を確実に挟み込んで反転させて、確実に全ての基板から付着物を剥離除去してガラス基板などの基板のみを効率的に回収することができる。
(実施の形態1)
〔1.表示装置の構成〕
本発明の材料回収装置および材料回収方法は、表示装置に含まれるガラス基板に付着した付着物を、低コストかつ効率良く除去することを主な特徴としている。表示装置は、例えばPDP(Plasma Display Panel)やLCD(Liquid Crystal Display)などがあるが、本発明の各実施の形態ではPDPを一例として挙げて説明する。したがって、本発明の実施の形態では、PDPに含まれるガラス基板に付着した、表示部材などの付着物を除去することができる装置及び方法について説明する。
まず、本発明の各実施の形態において記載している用語について、その定義を説明する。「表示装置」とは、PDPやLCDのことである。「前面板」及び「背面板」とは、ガラス基板及びそれに付着した付着物を含むものである。「前面ガラス基板」及び「背面ガラス基板」とは、前面板及び背面板に含まれるガラス基板そのものを指している。「ガラス基板」とは、前面ガラス基板及び背面ガラス基板を総称したものである。「ガラス基板破砕片」とは、ガラス基板を破砕機によって破砕したものであり、後述するガラス破砕片に比べて粗く破砕されたものである。「ガラス破砕片」とは、ガラス基板を破砕機によって破砕したものであり、前述のガラス基板破砕片に比べて細かく破砕されたものである。「ガラス粉末」は、ガラス破砕片と粒径が同等であり、ガラス破砕片の定義に含まれるものとする。
図1Aは、PDPの基本構造を示す平面図であり、PDPの前面側(表示される映像を外部から視認可能な面側)から見た図である。図1Bは、図1AにおけるZ−Z部分の断面であり、表示部材などの詳細な構成は描画を省略した。本実施の形態のPDPの基本構造は、AC型として代表的な交流面放電型のPDPと同様である。
図1A及び図1Bに示すように、PDP1は、前面板10と背面板20とを備えている。図1Bに示すように、前面板10と背面板20とは、微小な放電空間26を挟んで、主平面が互いに平行対向するように配されている。また、前面板10と背面板20とは、互いに対向する主平面において封着部27によって封着されている。封着部27は、図1に示すように投影面上でPDP1の表示領域1aを囲むように配されている。
図2は、PDP1の表示領域1aの一部を破断して示す要部斜視図である。前面板10は、前面ガラス基板11,走査電極12及び維持電極13から構成される表示電極14,および遮光層15を備えている。また、背面板20は、背面ガラス基板21,アドレス電極22,下地誘電体層23,隔壁24,および蛍光体層25を備えている。
前面ガラス基板11は、一方の主平面に表示電極14を備え、表示電極14によって表示される画像を他方の主平面側から視認することができる。表示電極14は、走査電極12および維持電極13よりなる一対の電極を、前面ガラス基板11の面方向に互いに平行となるように複数備えている。遮光層15は、表示電極14間に形成され、各表示電極14から発する光が隣接する表示電極側へ漏れないように分離している。誘電体層16は、前面ガラス基板11上に形成され、表示電極14を覆ってコンデンサとしての働きをする。保護層17は、誘電体層16上に形成され、酸化マグネシウム(MgO)を主成分とする材料で形成されている。
背面ガラス基板21は、一方の主平面にアドレス電極22と下地誘電体層23とが形成されている。アドレス電極22は、背面ガラス基板21の主平面の面方向に対してストライプ状に形成されている。下地誘電体層23は、アドレス電極22を覆うように形成されている。隔壁24は、下地誘電体層23上に形成されている。隔壁24は、各アドレス電極22を光学的に分離するように、アドレス電極22に対して平行な方向に形成されている。蛍光体層25は、各隔壁24間に形成され、赤色(R),緑色(G),青色(B)でそれぞれ発光する材料で構成されている。
図2に示すように、前面板10と背面板20とは、表示電極14とアドレス電極22とが投影面上で互いに直交するように、微小な放電空間26を挟んで対向配置されている。放電空間26は、PDP1の表示領域1aに形成されている。PDP1の表示領域1aは、封着部27によってその周縁部を気密封着されている。なお,封着部27には,一般的にガラスフリットが適用される。また、放電空間26には、放電ガスが所定の圧力で封入されている。放電ガスは、例えばネオン(Ne)およびキセノン(Xe)の混合ガスで構成されている。また、放電ガスは、例えば53〜80kPaの圧力で放電空間26に封入されている。また、放電空間26は、隔壁24によって区画されている。1つの放電セルは、区画された放電空間26と、蛍光体層25と、表示電極14とアドレス電極22との交差部分とで構成される。また、1つの画素は、隣接する3色(R,G,B)の放電セルにより構成される。
上記のように構成されたPDP1に映像を表示する場合は、表示電極14に、映像信号に基づく電圧を選択的に印加する。表示電極14に電圧を印加することによって、放電空間26に封入されている放電ガスが放電を行い、プラズマが発生する。プラズマが発生する時に生じる紫外線が蛍光体層25を励起して、蛍光体層25が赤色,緑色,青色のいずれかの可視光線を発光する。表示電極14に印加する電圧を制御して、放電空間26におけるプラズマの発生と消滅とを制御して、カラー画像の表示を行うことができる。
次に、PDPの製造方法とその材料について説明する。
PDPを製造する場合は、まず、前面ガラス基板11上に、走査電極12,維持電極13,遮光層15を形成する。前面ガラス基板11は、フロート法により形成された硼珪素ナトリウム系ガラスなどにより形成されている。走査電極12と維持電極13は、それぞれ透明電極(図示せず)と金属バス電極(図示せず)とにより構成されている。透明電極は、インジウム錫酸化物(ITO)や酸化錫(SnO2)などから形成されている。金属バス電極は、透明電極上に形成された銀(Ag)材料を主成分とする導電性材料より形成されている。なお、透明電極は、薄膜プロセスなどを用いて形成される。金属バス電極は、銀(Ag)材料にガラス材料を含むペーストを所望の温度で焼成して固化して形成される。また、遮光層15は、黒色顔料にガラス材料を含むペーストをスクリーン印刷する方法、または、黒色顔料を前面ガラス基板11の全面に形成した後、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングし、焼成する方法により形成される。
次に、前面ガラス基板11上に誘電体層16を形成する。具体的には、前面ガラス基板11上に誘電体ペーストをダイコート法などにより塗布して誘電体ペースト層(誘電体材料層)を形成する。この時、誘電体ペースト層は、走査電極12、維持電極13および遮光層15を覆うように形成する。誘電体ペーストを塗布した後、所定の時間放置することによって、塗布された誘電体ペースト表面がレベリングされて平坦な表面になる。その後、誘電体ペースト層を焼成固化することにより、走査電極12、維持電極13および遮光層15を覆う誘電体層16が形成される。なお、誘電体ペーストは、ガラス粉末などの誘電体材料と、バインダと、溶剤とを含む塗料で構成される。
次に、誘電体層16上に、酸化マグネシウム(MgO)で構成された保護層17を、真空蒸着法により形成する。
以上の工程により前面ガラス基板11上に所定の前面板表示部材18(走査電極12,維持電極13,遮光層15,誘電体層16,保護層17)が形成され、前面板10が完成する。
次に、背面板20の形成方法について説明する。
まず、背面ガラス基板21上に、アドレス電極22を形成する。具体的には、背面ガラス基板21上に、銀(Ag)材料にガラス材料を含むペーストをスクリーン印刷する方法や、金属膜を全面に形成した後、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングする方法などにより、材料層を形成する。次に、材料層を所望の温度で焼成することにより、アドレス電極22を形成することができる。
次に、下地誘電体層23を形成する。具体的には、アドレス電極22が形成された背面ガラス基板21上に、ダイコート法などにより誘電体ペーストを塗布して誘電体ペースト層を形成する。この時、誘電体ペーストは、アドレス電極22を覆うように塗布する。その後、誘電体ペースト層を焼成することにより、下地誘電体層23を形成することができる。なお、誘電体ペーストは、ガラス粉末などの誘電体材料と、バインダと、溶剤とを含んだ塗料で構成される。
次に、隔壁24を形成する。具体的には、下地誘電体層23上に隔壁形成用ペーストを塗布して所定の形状にパターニングすることにより、隔壁材料層を形成する。次に、隔壁材料層を焼成して、隔壁24を形成する。隔壁形成用ペーストは、ガラス材料や骨材などの隔壁材料を含む。ここで、隔壁用ペーストをパターニングする方法としては、フォトリソグラフィ法やサンドブラスト法を用いることができる。
次に、蛍光体層25を形成する。具体的には、隣接する隔壁24間の下地誘電体層23上および隔壁24の側面に、蛍光体材料を含む蛍光体ペーストを塗布する。次に、蛍光体ペーストを焼成することにより、蛍光体層25が形成される。なお、蛍光体層25における赤色蛍光体層は、Y2x3:Eux、または(Y,Gd)1-xBO3:Euxの蛍光体材料粉体で形成することができる。また、緑色蛍光体層は、〔(Zn1-xMnx2SiO4〕の蛍光体材料粉体で形成することができる。また、青色蛍光体層は、Ba1-xMgAl1017:Eux、またはBa1-x-ySryMgAl1017:Euxの蛍光体材料粉体で形成することができる。これらの材料粉体をペーストとして使用し、印刷法やインクジェット法などを用いて、隣接する隔壁24間に塗布する。次に、材料粉体を乾燥させた後に焼成することで、各色の蛍光体層25が形成される。
以上の工程により、背面ガラス基板21上に、所定の背面板表示部材28(アドレス電極22、下地誘電体層23、隔壁24、蛍光体層25)が形成された背面板20が完成する。
次に、前面板表示部材18を備えた前面板10と、背面板表示部材28を備えた背面板20とを、走査電極12とアドレス電極22とが投影面上で直交するように対向配置して、前面板10と背面板20の周囲の封着部27を封着部材で封着する。封着部材は、例えば低融点のガラスフリットで構成される。次に、放電空間26に放電ガスを封入する。以上の工程により、PDP1が完成する。
〔2.材料回収方法〕
PDP1は、前面ガラス基板11あるいは背面ガラス基板21に、ガラス成分を含む所定の材料組成の表示部材(蛍光体層25は除く)を結着させた構成となっている。したがって、これらの表示部材を剥離除去するためには、結着界面に相当量の剥離力を与える必要がある。
本実施の形態におけるPDPの材料回収方法は、破損や割れなどがない状態のPDPから、材料を回収するのに好適な方法である。
図3は、実施の形態1における材料回収方法の流れを示す。以下、本実施の形態における材料回収方法について説明する。
まず、PDPを分割する(S1)。PDPは、前述したように前面板10と背面板20とが、その外周部において封着部27によって封着されているため、前面板10と背面板20とを分離することが必要となる。S1では、PDP1を所定の位置で切断し、前面板第1領域部材33、背面板第1領域部材34,第2領域部材32a,32b,32c,32dの6つの部材に分割する。なお、具体的な分割方法については後述する。
次に、第2領域部材32a,32b,32c,32dは、ガラス破砕片を作製(S2)でガラス破砕片に細分化される。具体的には、第2領域部材32a,32b,32c,32dを粉砕機で粉砕し、数十μmから数千μmの粒径を有するガラス破砕片を作製する。
次に、ブラスト装置でガラス破砕片を高速噴出させて、前面板第1領域部材33と背面板第1領域部材34とに衝突させて、その時に生じる衝撃力によって前面板第1領域部材33と背面板第1領域部材34とに付着している表示部材を剥離除去(S3)することで純ガラス板を得ることができる。具体的な剥離除去方法については後述する。
次に、前面板表示部材18及び背面板表示部材28の剥離除去のために使われたガラス破砕片と、前面板表示部材18及び背面表示部材28が剥離除去される過程で発生したガラス破砕片(誘電体層16、遮蔽層15、隔壁24、下地誘電体層23等)や金属破砕片(表示電極14、アドレス電極22)は、回収されて分別処理される(S4)。具体的には、ガラス破砕片や金属破砕片を、比重選別方法や静電分離方法などを用いて、無機粉体と金属粉体とに粉体分別する。無機粉体は、ブラスト装置で前面表示部材18及び背面表示部材28を剥離除去する衝撃力を付与したガラス破砕片と、前面板表示部材18に含まれる誘電体層16や背面表示部材28に含まれる下地誘電体層23などに含まれていたガラス成分とが含まれている。金属粉体は、主として前面表示部材18に含まれる走査電極12や維持電極13、背面表示部材28に含まれるアドレス電極などを構成する銀、錫、あるいはインジウムなどが含まれている。
無機粉体は、篩いにかけてブラスト装置用の研削材として再利用したり、ガラス成分材料として回収し、再利用することができる(S5)。また、金属粉体は、電気分解手法などを用いて貴金属を回収し、再利用することができる(S6)。
なお、表示部材剥離除去されることで得られる純ガラス基板も、当然回収し、再利用することができる(S7)。
PDP1の分割方法について説明する。
図4Aは、分割処理前のPDP1を示す。図4Aに示すPDP1において、一点鎖線Aで示す部分を切断処理する。一点鎖線Aは、封着部27の表示領域1a側(以下、「内面」と称す)に対して略平行な線である。PDP1の切断方法としては、カッターホイール、ダイヤモンドカッター、ウォータージェット、通電したワイヤーなどをガラス基板に接触させて切断する方法や、レーザー光をガラス基板に照射して発熱させて切断する方法などがある。図4B及び図4Cは、切断処理後のPDP1を示す。図4Cは、図4BにおけるY−Y部分の断面である。図4B及び図4Cに示すように、PDP1は、図3におけるS1において、第1領域部材31と第2領域部材32a,32b,32c,32dとに分割される。図4Bに示すように、第1領域部材31は、封着部27の内側の部分に相当する。また、図4Bに示すように、第2領域部材32a,32b,32c,32dは、第1領域部材31の周囲の部材であり、封着部27を含んでいる。第1領域部材31は、前面板10の前面ガラス基板11に前面板表示部材18を含む前面板第1領域部材33と、背面板20の背面ガラス基板21に背面板表示部材28を含む背面板第1領域部材34とに分割することができる。また、第2領域部材32a,32b,32c,32dには、前面ガラス基板11や背面ガラス基板21の封着部27に付着した封着部材に含まれる封着ガラスや、前面板10や背面板20の端部に形成された電極端子部材などが含まれている。
〔2−1.表示部材の剥離除去方法〕
次に、前面板第1領域部材33から前面板表示部材18を剥離除去する方法、および背面板第1領域部材34から背面板表示部材28を剥離除去する方法について説明する。
図5は、実施の形態1における付着物除去装置の概要を示す。付着物除去装置は、主にブラスト装置41と搬送部42とで構成されている。ブラスト装置41は、所定の粒度を有するガラス破砕片40を高速で吐出することができる。ブラスト装置41は、ガラス破砕片40などの研削材を供給する供給装置(図示せず)と、ガラス破砕片40などの研削材をブラストノズル43から高速で吐出させる空気加圧装置(図示せず)とを備えている。搬送部42は、前面板第1領域部材33または背面板第1領域部材34を載置して、矢印Bに示す方向へ搬送することができる。なお、図5では、前面板第1領域部材33が搬送部42に載置されている状態を示し、搬送部42に、前面板第1領域部材33が載置された場合を例に挙げている。
まず、搬送部42に、前面板表示部材18が形成された前面ガラス基板11を、前面板表示部材18側を上面にして載置する。
次に、ブラスト装置41は、ブラストノズル43から前面板表示部材18の表面に向けて、前述の第2領域部材32a,32b,32c,32dを破砕して作製したガラス破砕片40を、矢印Cに示す方向に高速で噴出させる。ブラストノズル43から噴出されたガラス破砕片40は、前面板表示部材18に衝突し、その時の衝撃力により前面板表示部材18を第1領域部材31から剥離除去することができる。この時、ブラストノズル43から噴出されるガラス破砕片40の前面板表示部材18に対する衝撃力は、少なくとも前面板表示部材18を第1領域部材31から剥離除去可能な力であればよい。なお、搬送部42を矢印Bに示す方向へ移動させながら、ブラストノズル43を揺動させて噴射方向を変動させることによって、前面板表示部材18の全領域にわたってガラス破砕片40を衝突させるとともに、衝突角度を制御する。
本実施の形態では、ガラス破砕片40は、第2領域部材32a,32b,32c,32dを破砕して作製したガラス破砕片を用いている。前述のように第2領域部材32a,32b,32c,32dは、その主成分が前面ガラス基板11および背面ガラス基板21のガラスが封着材27で封着されているために、例えば前面板表示部材18の誘電体層16を構成する材料の硬度と同等、もしくはそれ以上の硬度を有している。第2領域部材32a,32b,32c,32dの硬度を前面板表示部材18の硬度以上とすることで、ブラストノズル43の噴出力を上げなくても前面板表示部材18に対する衝撃力を上げることができる。したがって、ブラスト装置41の操作条件や、ブラストノズル43と前面板表示部材18との距離などによってガラス破砕片40の衝突スピードや衝突角度を制御するとともに、ガラス破砕片40の粒度分布を制御することによって、前面ガラス基板11に形成されている前面板表示部材18を精度良く剥離除去することが可能となる。
以上のように剥離除去処理を行うことで、板状の第1領域部材31から前面板表示部材18などの付着物を剥離除去することができ、第1領域部材31の構成材料である前面ガラス基板11だけを回収することができる。なお、上述したように、ガラス破砕片は前面ガラス基板11と同一ガラス成分であるため、回収した前面ガラス基板11を再溶融する前にガラス破砕片を前面ガラス基板11から除去する必要がない。このため、回収した前面ガラス基板11を再溶融して再利用する際などに、ガラス基板の扱いが容易となり、再生利用効率を向上させることが可能となる。
なお、上述の説明では、前面板第1領域部材33における前面板表示部材18の剥離除去方法について述べたが、背面板第1領域部材34を対象とする場合も、同様の方法により背面板表示部材28を効率的に精度良く剥離除去することが可能である。
〔3.実施の形態の効果、他〕
本実施の形態によれば、第2領域部材32a,32b,32c,32dを破砕してガラス破砕片40を形成し、そのガラス破砕片40を第1領域部材31に衝突させて表示部材などの付着物を除去する構成としたことにより、PDP1を構成する部材のみで剥離除去処理を行うため、低コストで付着物の剥離除去を行うことができる。
また、表示部材を剥離除去するのに、砥石などの機械的な研削手段を用いないため、研削手段を用意するためのコストや、研削手段を管理(砥石の定期的なメンテナンスなど)するためのコストが不要となり、研削コストを削減することができる。
また、本実施の形態では、材料の回収処理の過程でPDP1を構成する物質だけが使用され、他の物質が混入することがないため、回収材料の品質維持が容易である。
また、本実施の形態では、ガラス基板の付着物の除去は、溶液などを用いない乾式処理であるため、工程管理を容易にすることができる。すなわち、ガラス基板や剥離除去装置の洗浄などが不要であるため、工程管理を容易にすることができる。
なお、剥離除去処理(図3のS3)の後に金属を回収する工程を追加してもよい。金属回収工程を追加することにより、ガラス基板から剥離除去した表示部材に含まれる金属材料などを、効率的に回収することが可能となる。
また、ガラス破砕片を作製(図3のS2)した後に、作製したガラス破砕片40を篩いにかけて、所定の粒度分布を有する粒度に揃える構成としてもよい。このようにガラス破砕片40の粒度を揃えることで、剥離除去処理の際、前面ガラス基板11または背面ガラス基板21に対する衝撃力を面方向に均一にすることができ、表示部材などの付着物をムラなく剥離除去することができる。
また、本実施の形態では、図5に示すように前面ガラス基板11を搬送部42上に直接載置したが、搬送部42と前面ガラス基板11との間に保持板を配してもよい。保持板を配することで、前面ガラス基板11と搬送部42との相対位置を一定にすることができ、剥離除去処理の際に表示部材をムラなく剥離除去することができる。また、前面ガラス基板11を真空吸着などによって固定保持してもよい。前面ガラス基板11を固定保持することで、前面ガラス基板11と搬送部42との相対位置を一定にすることができ、剥離除去処理の際に表示部材をムラなく剥離除去することができる。
また、背面板表示部材28を剥離除去する際、ガラス破砕片40の衝突による剥離除去処理の前に、蛍光体層25を剥離除去する工程を加えてもよい。蛍光体層25は、他の層に比べて比較的付着力が弱いため、前述したようなガラス破砕片40の衝突による剥離除去の前に、背面板表示部材28に対してエアーブロー処理や弱いブラスト処理などを行うことで、蛍光体材料のみを分別回収することができる。
また、本実施の形態では、走査電極12、維持電極13、遮光層15、誘電体層16、保護層17から構成された前面板表示部材18と、アドレス電極22、下地誘電体層23、隔壁24、蛍光体層25から構成された背面板表示部材28とを一例として挙げて説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、例えば新たに別の膜を付加した構成にも適用可能である。
(実施の形態2)
〔1.材料回収方法〕
図6は、実施の形態2におけるPDPの材料回収方法を示すフローチャートである。なお、実施の形態2において、PDP1の構成や、付着物除去装置の構成は、実施の形態1と同一であるため、詳細な説明は省略する。実施の形態1と実施の形態2とで異なる点は、材料回収方法のフローである。
実施の形態2は、前面ガラス基板や背面ガラス基板に破損または割れが発生しているPDPに好適な材料回収方法である。すなわち、製品寿命などによって使用者から回収されたPDPは、その取り扱い過程または搬送過程において、前面ガラス基板及び背面ガラス基板に破損または割れが発生する場合がある。実施の形態2の材料回収方法は、破損または割れが発生している前面ガラス基板及び背面ガラス基板から、高品質なガラス材料を低コストに回収することができる方法である。
まず、PDP1を分割する(S11)。PDP1は、前述したように前面板10と背面板20とが、その外周部において封着部27によって封着されているため、前面板10と背面板20とを分離することが必要となる。S11の工程では、PDP1を所定の位置で切断し、前面板第1領域部材33、背面板第1領域部材34,第2領域部材32a,32b,32c,32dの6つの部材に分割する。具体的な分割方法は、図3におけるS1と同様であるため、詳しい説明は省略する。
次に、第2領域部材32a,32b,32c,32dを粉砕機で粉砕して、ガラス破砕片を作製する(S12)。具体的な作製方法は、図3におけるS2の工程と同様であるため、詳しい説明は省略する。
一方、S11の工程で分割処理されて得られた前面板第1領域部材33と背面板第1領域部材34は、破砕機により破砕または切断機により切断(以下、本実施形態では破砕と称す)され、ガラス基板破砕片が作製される(S13)。すなわち、PDP1の分割処理(S11)よりも前に、既に前面ガラス基板11や背面ガラス基板12が割れていた場合、その割れの程度によっては、ガラス面へのブラスト処理が適用できない場合がある。本実施の形態では、PDP1の分割前に既に前面ガラス基板11や背面ガラス基板12に割れなどが生じている場合は、S11の工程で分割された前面板第1領域部材33と背面板第1領域部材34とを、ガラス基板と表示部材とを含めて破砕し、ガラス基板破砕片を作製する。なお、ガラス基板破砕片は、例えば数mm程度の粒径を有する。
次に、S12の工程で作製したガラス破砕片とS13の工程で作製したガラス基板破砕片とを、互いに機械的に衝突させて、ガラス基板破砕片に付着している前面板表示部材18及び背面板表示部材28を剥離除去する(S14)。なお、S14の工程は、例えば実施の形態1で説明したような付着物除去装置を用いることができる。すなわち、ガラス破砕片(S12の工程において作製)を、付着物除去装置のブラスト装置でガラス基板破砕片(S13の工程において作製)に向かって高速噴射してガラス基板破砕片に衝突させ、ガラス基板破砕片に付着している表示部材を剥離除去する。
次に、S14の工程でガラス基板破砕片から前面板表示部材18や背面板表示部材28を剥離除去される過程で発生した誘電体層16や下地誘電体層23等のガラス破砕片や金属破砕片の粉体と、ガラス基板破砕片とを回収し、破砕片/粉体分別を行う(S15)。この破砕片/粉体分別工程で分別された粉体は、回収したガラス破砕片及び金属破砕片を比重選別方法や静電分離方法などを用いて、無機粉体と金属粉体とに粉体分別工程で分別する(S16)。無機粉体には、前面ガラス基板11や背面ガラス基板21のガラス破砕片と、誘電体層16,下地誘電体層23,および隔壁24などに含まれるガラス成分とが含まれる。また、金属粉体は、主として走査電極12,維持電極13,およびアドレス電極22などに含まれる銀,錫,あるいはインジウムなどである。
次に、S16の工程で分別された無機粉体に含まれるガラス成分は、ガラス基板用や誘電体用などにさらに分別することで、ガラス成分材料として再利用することが可能となる(S17)。
また、S16の工程で分別された金属粉体は、電気分解手法などを用いて貴金属を回収し、回収した貴金属を再利用することができる(S18)。
さらに、S15の破砕片/粉体分別工程で分別されたガラス基板破砕片は、付着物が除去されているので純ガラス基板破砕片であり、純ガラス基板として回収され溶融等により再利用することができる(S19)。
〔2.実施の形態の効果、他〕
以上のように実施の形態2における材料回収方法によれば、取り扱い過程、搬送過程などにおいて前面ガラス基板や背面ガラス基板が割れたPDPの材料回収を、効率的に行うことができる。
また、ガラス基板破砕片から表示部材を剥離除去する工程(S14)では、第2領域部材34から作製されたガラス破砕片を用いて表示部材を剥離除去するため、PDP1を構成する物質だけが使用されて他の物質が混入することがなく、回収材料の品質管理が容易である。
また、本実施の形態における材料回収方法は、全ての工程において溶液などを用いない乾式処理であるため、溶液の洗浄工程などが不要であり、工程管理を容易にすることができる。
なお、S13の工程で作製されるガラス基板破砕片の大きさは、PDP1の前面ガラス基板11と背面ガラス基板21の割れの程度に応じて任意に設定することが好ましい。
また、本実施の形態は、前面板第1領域部材33と背面板第1領域部材34とに基づいてガラス基板破砕片を作製しているが、前面板第1領域部材33と背面板第1領域部材34との各々に基づいてガラス基板破砕片を作製してもよい。このように作製することで、前面板第1領域部材33に付着している前面板表示部材18と、背面板第1領域部材34に付着している背面板表示部材28とで付着力が異なっていたとしても、ガラス材料の収率を高くすることができる。
なお、前面ガラス基板11や背面ガラス基板21に破損または割れが発生している場合について説明したが、本実施の形態を前面ガラス基板11及び背面ガラス基板21に破損または割れがない場合であっても適用することができる。
(実施の形態3)
〔1.材料回収方法〕
次に、本発明の実施の形態3における材料回収方法について説明する。なお、本実施の形態において、PDP1の構成については、前述の実施の形態1において説明したものと同様であるため、詳しい説明は省略する。
実施の形態3は、製造工程で不良になったPDPや製品寿命を迎えた使用済みのPDPなどに含まれる前面ガラス基板11および背面ガラス基板21から、表示電極15やアドレス電極22などの電極、および誘電体層16、下地誘電体層22、蛍光体層25などの付着物を剥離除去し、材料を回収する方法に関する。また、本実施の形態は、PDP1に含まれる前面ガラス基板11及び背面ガラス基板21に破損や割れなどが生じていない場合における、材料回収方法に関する。以下、図7を参照して、本実施の形態における材料回収方法の流れについて説明する。
図7に示すように、まず、PDP1を分割する(S20)。PDP1は、前述したように前面板10と背面板20とが、その外周部において封着部27によって封着されているため、前面板10と背面板20とを分離することが必要となる。S20の工程では、PDP1を図4Aに示す一点鎖線Aの部分で切断し、図4Bに示すように前面板第1領域部材33、背面板第1領域部材34,第2領域部材32a,32b,32c,32dの6つの部材に分割する。具体的な分割方法は、図6におけるS11と同様であるため、詳しい説明は省略する。
次に、第2領域部材32a,32b,32c,32dを粉砕機で粉砕して、ガラス粉末を作製する(S21)。具体的な作製方法は、図6におけるS12の工程と同様であるため、詳しい説明は省略する。
一方、S20の工程において分割処理されて得られた前面板第1領域部材33と背面板第1領域部材34とを破砕機により破砕または切断機により切断し(以下、本実施形態では破砕と称す)、数十cmのサイズのガラス基板破砕片を作製する(S22)。このようにして得られた第1領域部材31のガラス基板破砕片には、片面に表示電極14、誘電体層16、保護層17、下地誘電体層23、隔壁24、アドレス電極22および蛍光体層が付着形成されている。このガラス基板破砕工程S22は、破損や割れが発生していないガラス基板を破砕することにより、後述する移送、配列工程S23及び付着物剥離除去工程S24の装置を小型化できるメリットがある。具体的なガラス基板破砕片の作製方法は、図6におけるS13の工程と同様であるため、詳しい説明は省略する。
次に、ガラス基板破砕工程S22において作製されたガラス基板破砕片を、付着物除去装置における所定位置に移送し、配列する(S23)。
次に、所定位置に配列されたガラス基板破砕片に対して、S21のガラス粉末作製工程において作製されたガラス粉末を噴射及び衝突させる。これにより、ガラス基板破砕片に付着している表示部材などの付着物を剥離除去する(S24)。
次に、S24の付着物剥離除去工程で剥離除去される過程で発生したガラス破砕片や金属破砕片の粉体と、付着物が除去されたガラス基板破砕片とを回収し、ガラス破砕片と粉体(無機粉体と金属粉体)とに破砕片/粉体分別を行う(S25)。具体的な分別方法については、図6のS15の工程と同様であるため、詳しい説明は省略する。
次に、S25の破砕片/粉体分別工程で分別された前面ガラス基板11または背面ガラス基板21のガラス基板破砕片は、純粋なガラス成分のみを含み、再溶融して容易に再利用することができる(S27)。
また、粉体分別工程S26で粉体として分別された誘電体層16や下地誘電体層23などに含まれるガラス成分である無機粉体は、誘電体用などに再利用することができる(S28)。
また、粉体分別工程S26で分別された金属粉体は、電気分解方法などを用いて貴金属を回収し、再利用することができる(S29)。
〔2.付着物除去方法〕
次に、S23及びS24の工程における動作について詳しく説明する。
図8は、本実施の形態における付着物除去装置の構成を示す。図8に示すように、付着物除去装置は、投入部51、傾斜部52、搬送部53、電磁振動子54、導入部55、傾斜部56、傾斜部57、電磁振動子58、規制部59、可動弁60、収納部61、ブラストノズル62、開口部61aおよび61b、可動弁64、および容器65を備えている。
投入部51は、ガラス基板破砕片50aを本装置内へ投入する部分である。ここで、ガラス基板破砕片50aは、図7のS22において作製されたガラス基板破砕片である。
傾斜部52は、投入部51の後段に配されている。傾斜部52は、ガラス基板破砕片50aを搬送部53側へスライド可能な傾斜面52aを備えている。
搬送部53は、ガラス基板破砕片50aを載置可能なベルト53aと、ベルト53aが巻き回されモータなどの駆動手段により回転駆動される4本の駆動軸53bとを備えている。なお、ベルト53aは、移送中のガラス基板破砕片50aがベルト53aから落下しないように、幅方向端部に側壁(不図示)を設けることが好ましい。
電磁振動子54は、ベルト53aにおけるガラス基板破砕片50aを載置する面の裏面側に配されている。電磁振動子54は、通電することで振動するように構成されている。電磁振動子54を振動させることで、ベルト53aを振動させることができる。
導入部55は、搬送部53の後段に配されている。また、導入部55は、所定の空隙を挟んで傾斜部56に対向配置されている。導入部55と傾斜部56との間の空隙は、ガラス基板破砕片50aの厚さの1.5倍以上2倍未満の寸法を有している。そのため、導入部55と傾斜部56との間は、1枚分のガラス基板破砕片50aのみが通過可能である。また、導入部55の搬送部53側の端部には、複数枚重なったガラス基板破砕片50aが後段へ移送されるのを規制する規制面55aが形成されている。
傾斜部56は、導入部55の下部に配されている。傾斜部56は、搬送部53を出たガラス基板破砕片50aを後段の傾斜部57側へスライド可能なように傾斜面を備えている。
傾斜部57は、傾斜部56の後段に配されている。傾斜部57は、導入部55と傾斜部56との間を通過したガラス基板破砕片50aを、後段の収納部61側へスライド可能なように傾斜面を備えている。
電磁振動子58は、傾斜部57の下部に配されている。電磁振動子58は、通電することにより傾斜部57を振動させるように構成されている。
規制部59は、傾斜部57上を通過したガラス基板破砕片50aを収納部61側へ案内し、移送経路外へ脱落するのを防ぐために配されている。
可動弁60は、収納部61の上部の開口部を開閉可能なように配されている。また、可動弁60は、収納部61内に所定量のガラス基板破砕片50aが収容された時に、収納部61の上部の開口部を塞ぎ、所定量よりも多いガラス基板破砕片50aが収納部61内に入るのを防ぐためのものである。
収納部61(収納体)は、内部に所定量のガラス基板破砕片50aを収容可能な空間を備え、上部と下部に開口部61a及び61bを備えている。図11Aは、収納部61をブラストノズル62側から見た図である。図11Bは、図11AにおけるX−X部分の断面である。収納部61は、側面に多数の貫通孔から構成される開口部63が形成された板状のパンチングメタル68(第1の板体、第2の板体)を、2枚互いに対向配置させて構成されている。パンチングメタル68は、上端及び下端においてホルダー67に固定されている。また、パンチングメタル68の内面間の幅Tは、少なくともガラス基板破砕片50aの1枚分の厚さ以上(1.5枚分の厚さ以上が好ましい)で2枚分の厚さ未満の寸法を有している。したがって、開口部61aを介して収納部61に挿入されたガラス基板破砕片50aは、収納部61の下端側(開口部61b側)へ向かって自由落下することができる。
ブラストノズル62は、収納部61に形成されている開口部63に対向する位置に配され、ガラス粉末などから構成される研削材を収納部61に向かって噴出可能に配されている。本実施の形態では、研削材は、第2領域部材32を粉砕機にかけて粉砕した、数十μmから数千μmの粒径を有するガラス粉末66を用いている。このガラス粉末66は主成分がガラスであって、研削材としての硬度条件を満たすとともに、回収されるガラス基板への不純物汚染を引き起こさない。また、ブラストノズル62は、収納部61内に位置しているガラス基板破砕片50aの表裏に研削材を噴射可能なように、収納部61における開口部63が形成された側面に対向する位置に配されている。図10は、ブラストノズル62の一構成を示す。図10に示すように、ブラストノズル62は、ケース62a内にブラスト材(本実施の形態ではガラス粉末66)を噴出する第1のノズル62bと、圧縮空気を噴出する第2のノズル62cとを備えている。第1のノズル62bには、粉砕機(不図示)で作製されたガラス粉末66が供給されている。第1のノズル62bから噴出されたガラス粉末66は、第2のノズル62cから高速噴出される圧縮空気によって、ケース62aに形成された開口部62dを介して、外部へ高速噴出することができる。なお、図10ではブラスト材を噴出する第1のノズル62bと圧縮空気を噴出する第2のノズル62cとを含む2ノズルの形態であるが、圧縮空気中にブラスト材を噴出する1ノズルの形態であってもよい。
開口部63は、収納部61における対向する2側面にそれぞれ形成されている。開口部63は、少なくともブラストノズル62から噴出されるガラス粉末66の粒径よりも大きく、ガラス基板破砕片50aのサイズよりも小さく形成されている。したがって、開口部63は、ガラス粉末66は通すが、ガラス基板破砕片50aは通さない大きさに形成されている。
可動弁64は、収納部61の下部の開口部61bを開閉可能に配されている。可動弁64は、収納部61内にガラス基板破砕片50aを挿入する時、および収納部61内に収容されているガラス基板破砕片50aに対してブラスト処理を行っている時は、開口部61bを閉塞する。また、可動弁64は、収納部61からガラス基板破砕片50aを排出する時は、開口部61bを開放する。
容器65は、収納部61中の両側からブラストノズル62により、ガラス基板破砕片50bから前面板表示部材18及び背面板表示部材28を除去した後、排出されたガラス基板破砕片50bを収容することができる。
以下、動作について説明する。なお、以下の説明において、ガラス基板破砕片50aは、表示部材が付着しているガラス基板破砕片であり、ガラス基板破砕片50bは、前面板表示部材18及び背面板表示部材28(以下、両者を表示部材と総称する)が剥離除去された純ガラス基板破砕片である。
ガラス基板破砕片50aに付着した表示部材などの付着物を除去する際は、まず、投入部51にガラス基板破砕片50aを投入する。ガラス基板破砕片50aは、傾斜部52の傾斜面52aをスライドし、搬送部53のベルト53aの上に載置される。ベルト53aは矢印Eに示す方向へ駆動されているため、ガラス基板破砕片50aは矢印Dに示す方向へ移送される。ここで、電磁振動子54に通電を行い振動させることにより、その振動がベルト53aに伝達される。ベルト53aが振動することにより、ベルト53a上に載置されているガラス基板破砕片50aが複数枚重なっている場合に、ガラス基板破砕片50a上に載置されている他のガラス基板破砕片50aを、ベルト53a上に落下させることができる。これにより、単層移送が可能になる。
次に、ガラス基板破砕片50aは、導入部55と傾斜部56との間をスライドし、傾斜部57上に移動する。ここで、導入部55と傾斜部56との間隙は、ガラス基板破砕片50aの1枚分の厚さの1.5倍以上2倍未満の寸法となっているため、導入部55と傾斜部56との間は1枚のガラス基板破砕片50aのみ通過することができる。仮に、複数枚のガラス基板破砕片50aが重なっていた場合は、ガラス基板破砕片50aの上に載置された他のガラス基板破砕片50aが規制面55aに当接し、ベルト53a上に落下するように構成されている。すなわち、規制部55は、ガラス基板破砕片50aを単層状態で移送するために配されている。また、傾斜部57の下部に配された電磁振動子58に通電を行い振動させることで、傾斜部57を振動させることができ、これにより、傾斜部57上に位置しているガラス基板破砕片50aを収納部61側へスムーズに移送させることができる。
次に、ガラス基板破砕片50aは、規制部59において移送方向が規制されながら、収納部61の内部へ挿入される。この時、ガラス基板破砕片50aは、可動弁60が開いているため、開口部61aを介して収納部61内へ移動する。収納部61は、略垂直に立設されているため、ガラス基板破砕片50aは収納部61内を鉛直方向に自由落下する。収納部61の下端に形成された開口部61bは、可動弁64によって閉じられているため、収納部61内を落下したガラス基板破砕片50aは可動弁64に当接して停止する。収納部61内には、複数枚のガラス基板破砕片50aを鉛直方向に積層して収容可能である。収納部61に、所定量のガラス基板破砕片50aが収容されれば、可動弁60を閉じて、収納部61にガラス基板破砕片50aが挿入されるのを禁止する。
次に、ブラスト装置を動作させ、ブラストノズル62からガラス粉末66を噴出させる。ブラストノズル62から噴出されたガラス粉末66は、パンチングメタル68の開口部63を介して、収納部61内に位置しているガラス基板破砕片50aに衝突する。この時、ガラス粉末66は、ブラストノズル62から高速噴出されているため、ガラス基板破砕片50aに高い衝撃力を伴って衝突する。ガラス基板破砕片50aにガラス粉末66を衝突させることにより、その衝撃力によってガラス基板破砕片50aに付着している付着物を剥離除去することができる。なお、図示したように、ブラストノズル62は、収納部61の対向する2面側からガラス粉末を噴射しているため、ガラス基板破砕片50aの表裏に同時にガラス粉末を衝突させることができ、ガラス基板破砕片50aの表裏に付着した表示部材を剥離除去することができる。上記のようなブラスト処理を所定時間行うことで、表示部材が除去されたガラス基板破砕片50bを得ることができる。
また、ブラスト処理の際、揺動機構(不図示)によって収納部61を垂直方向あるいは水平方向へ揺動させている。ブラスト処理の際にガラス基板破砕片50aを揺動させなかった場合、ガラス基板破砕片50aと開口部63との相対位置は変動しないため、ガラス基板破砕片50aにおける開口部63に対向する部分にはガラス粉末66を衝突させることができるが、ガラス基板破砕片50aにおいて開口部63が形成されていない部分に対向する部分にはガラス粉末66を衝突させることができない。これに対して本実施の形態のように、ブラスト処理の際にガラス基板破砕片50aを垂直方向へ揺動させることにより、ガラス基板破砕片50aと開口部63との相対位置を変動させることができるため、ガラス粉末66をムラなくガラス基板破砕片50aへ衝突させることができる。なお、揺動機構は、例えば電磁振動子54や58を適用することができる。
次に、可動弁64を開き、収納部61内に収容されているガラス基板破砕片50bを収納部61から排出する。排出されたガラス基板破砕片50bは、収納部61の下方に配された容器65に収容される。
次に、別のガラス基板破砕片50aをブラスト処理する場合は、可動弁64を閉じ、可動弁60を開いて、ガラス基板破砕片50aを収納部61内へ収容する。以降の動作は、上記と同様であるため、説明は省略する。
〔3.実施の形態の効果、他〕
本実施の形態によれば、表示パネルを構成する前面ガラス基板11または背面ガラス基板21のガラス基板破砕片50aから、付着物を剥離除去した純ガラス破砕片を回収することができる。回収された純ガラス破砕片は、純粋なガラス成分であるため、再溶融して容易に再利用できる。
また、本実施の形態によれば、ガラス基板の表面及び裏面の両面に対してブラスト処理を行うため、ガラス基板の両面に付着した表示部材などの付着物を同時に剥離除去できるので、効率よくガラス基板のみを回収することができる。すなわち、短時間で多くのガラス基板を回収することができる。
また、本実施の形態によれば、一対のパンチングメタル68における相互対向する面の間隔Tは、1枚分のガラス基板破砕片50aの厚さ以上(好ましくは1.5枚分の厚さ以上)で、その厚さの2倍未満である構成とすることで、収納部61内においてガラス基板破砕片50aが水平方向に重なることを防止することができる。よって、ブラスト処理の際に、確実にガラス基板破砕片50aに付着している付着物を剥離除去することができる。
なお、本実施の形態では、S21で作製したガラス粉末をブラスト処理用の粉末として用いているが、ブラスト処理用の粉末としてはこれに限らない。少なくとも、ブラスト処理を行う際にガラス基板破砕片に付着している付着物を除去することができる粉末であれば、S21で作製したガラス粉末以外の粉末を用いてもよい。また、ブラスト処理に用いる粉末の硬度は、高い方が効率よく付着物を除去することができるので好ましい。
また、ガラス基板破砕片50aを収納部61に収容する際に、収納部61を揺動させる構成としてもよい。これにより、ガラス基板破砕片50aが収納部61内を自由落下する際に、ガラス基板破砕片50aが落下途中で開口部63に引っ掛かった場合、揺動機構により収納部61を揺動させてガラス基板破砕片50aを所定の位置まで落下させることができる。また,パンチングメタル68の影となりブラスト処理ができない箇所にも、均一にブラスト処理を施すことができる。
また、収納部61は、図8に示すように鉛直方向に立設されている構成に限らず、傾斜して配置する構成としてもよい。図9は、収納部61を鉛直方向に対して傾斜して配置した構成を示す。このような構成とすることで、ガラス基板破砕片50aは、収納部61内を落下移動する際、パンチングメタル68の内面上をスライドしながら移動する。したがって、図8に示す構成に比べてガラス基板破砕片50aの落下速度が低いため、可動弁60及び64を開放状態にしたままで、ガラス基板破砕片50aを収納部61内において落下移動させながら連続的にブラスト処理を行うことができる。
図9に示す構成において、ガラス基板破砕片50aが収納部61内を落下移動する際、ガラス基板破砕片50aの角部が、パンチングメタル68に形成された開口部63に引っ掛かる可能性がある。すると、ガラス基板破砕片50aが、収納部61内の落下経路の途中で停止してしまうこととなり、連続的なブラスト処理が行えなくなる。本実施の形態では、収納部61に対して斜め上方から研削材を噴射するブラストノズル62aの噴射圧力よりも、収納部61に対して斜め下方から研削材を噴射するブラストノズル62bの噴射圧力を高くしている。これにより、ブラストノズル62bの噴射圧力により、ガラス基板破砕片50aが斜め上方に僅かに浮き上がりながら落下し、ガラス基板破砕片50aの角部が開口部63に引っ掛かることを防ぐことができる。したがって、ガラス基板破砕片50aが収納部61内の落下経路の途中で停止してしまうことがなくなり、連続的なブラスト処理を行うことができる。
なお、前面ガラス基板11及び背面ガラス基板21に破損や割れなどが生じていない場合について説明したが、前面ガラス基板11及び背面ガラス基板21に割れがある場合であっても適用することができる。
(実施の形態4)
〔1.材料回収方法〕
次に、本発明の実施の形態4における材料回収方法について説明する。なお、本実施の形態において、PDPの構成については、前述の実施の形態1において説明したものと同様であるため、詳しい説明は省略する。本実施の形態は、前述の実施の形態3と比べて、ガラス回収方法の工程が異なるのみである。
実施の形態4は、製造工程で不良になったPDPや製品寿命を迎えた使用済みのPDPなどに含まれる前面板10および背面板20から、表示電極15やアドレス電極22などの電極、および誘電体層16、下地誘電体層22、蛍光体層25などの付着物を剥離除去し、材料を回収する方法に関する。また、本実施の形態は、PDPに含まれる前面ガラス基板11及び背面ガラス基板21に破損や割れなどが生じている場合における、材料回収方法に関する。前面ガラス基板11及び背面ガラス基板21に破損や割れが生じたPDPの場合、封着部27の位置を特定することが困難であり、封着部27を含むガラス破砕片を選択的に除去する必要がある。以下、図12を参照して、本実施の形態における材料回収方法の流れについて説明する。
図12に示すように、まず、PDP1のガラス基板を破砕または切断(以下、本実施の形態では破砕と総称する)し、ガラス破砕片を作製する(S30)。具体的には、表示パネルを構成するガラス基板を、破砕機で数cmから数十cm程度の大きさに破砕する。図4Cに示す前面板第1領域部材33のガラス破砕片の片面には、表示電極14、誘電体層16および保護層17が付着している。また、背面板第1領域部材34のガラス基板破砕片の片面には、アドレス電極22、下地誘電体層23、隔壁24および蛍光体層25が付着している。また、第2領域部材32a,32b,32c,32dのガラス基板破砕片は、主に前面ガラス基板11と背面ガラス基板21が封着部27で接着されている。また、第2領域部材32a,32b,32c,32dの厚さは、第1領域部材31のガラス基板破砕片の厚さの倍以上である。
次に、S30の工程で作製したガラス基板破砕片を分別する(S31)。具体的には、図13に示す破砕片分別装置でガラス基板破砕片の厚さに基づいて、第1領域部材31におけるガラス基板破砕片である第1領域破砕片70aと、第2領域部材32a,32b,32c,32dにおけるガラス基板破砕片である第2領域破砕片70bとに分別する。なお、破砕片分別装置の詳しい構成及び動作については後述する。
次に、第2領域破砕片70bを粉砕機で粉砕し、ガラス粉末を作製する(S32)。
次に、第1領域破砕片70aを付着物除去装置における所定位置に移送し、配列する(S33)。
次に、所定位置に配列された第1領域破砕片70aに対して、S33の工程において作製されたガラス粉末を噴射及び衝突させ、第1領域破砕片70aに付着している表示部材などの付着物を除去する(S34)。
次に、S34の工程で付着物が剥離除去されたガラス基板破砕片、剥離除去される過程で発生したガラス破砕片や金属破砕片を回収し、ガラス基板破砕片と粉体(無機粉体及び金属粉体)とを分別する破砕片/粉体分別を行う(S35)。具体的な分別方法については、図6のS15と同様であるため、詳しい説明は省略する。
次に、S35の工程で分別された前面ガラス基板11または背面ガラス基板21のガラス基板破砕片は、純粋なガラス成分であるため、再溶融して容易に再利用することができる(S36)。
また、S35の工程で分別された粉体は、誘電体層16や下地誘電体層23などに含まれるガラス成分である無機粉体と表示電極14やアドレス電極22などに含まれる金属粉体とに粉体分別する(S37)。
この無機粉体は、誘電体用などに再利用することができ(S38)、金属粉体は、電気分解手法などを用いて貴金属を回収し、再利用することができる(S39)。
〔2.ガラス基板破砕片の分別方法〕
次に、S31の工程におけるガラス基板破砕片の分別方法について詳しく説明する。
図13A及び図13Bは、本実施の形態における破砕片分別装置の構成を示す。図13Bは、図13Aに示す破砕片分別装置を矢印Kに示す方向から見た図である。図13A及び図13Bに示すように、破砕片分別装置は、投入部71、傾斜部72、第1の搬送部73、第2の搬送部74、容器75、および電磁振動子76を備えている。
投入部71は、ガラス基板破砕片70を本装置内へ投入する部分である。ここで、ガラス基板破砕片70は、図12のS31において作製されたガラス基板破砕片である。
傾斜部72は、投入部71の後段に配され、ガラス基板破砕片70を第1の搬送部73側へ移送可能な傾斜面72aを備えている。
第1の搬送部73は、ガラス基板破砕片70を載置可能なベルト73aと、ベルト73aが巻き回されモータなどの駆動手段により回転駆動される4本の駆動軸73bとを備えている。なお、ベルト73aは、移送中のガラス基板破砕片70がベルト73aから落下しないように、幅方向端部に側壁(不図示)を設けることが好ましい。
第2の搬送部74は、表面に接着剤が塗布されたベルト74aと、ベルト74aが巻き回されモータなどの駆動手段により回転駆動される4本の駆動軸74bとを備えている。また、第2の搬送部74は、第1の搬送部73の上部に配され、その長手方向が第1の搬送部73の長手方向に対して略直交するように配されている。また、第1の搬送部73と第2の搬送部74との間隙寸法は、第1領域破砕片70a(1枚分のガラス基板破砕片)の厚さの1.5倍以上で、第2領域破砕片70b(2枚分のガラス基板破砕片)の厚さ未満に設定されている。したがって、第1領域破砕片70aは、第1の搬送部73で移送される際は、第2の搬送部74に接触することなく通過するが、第2領域破砕片70bは、第1の搬送部73で移送される際は、第2の搬送部74に接触する。
容器75は、第1の搬送部73及び第2の搬送部74で分別された第1領域破砕片70aのみを収容するものである。
電磁振動子76は、ベルト73aにおけるガラス基板破砕片70を載置する面の裏面側に配され、通電することでベルト73aを振動させるように構成されている。
以下、動作について説明する。
ガラス基板破砕片70を第1領域破砕片70aと第2領域破砕片70bとに分別する際は、まず、投入部71にガラス基板破砕片70を投入する。ガラス基板破砕片70は、傾斜部72の傾斜面72aをスライドし、第1の搬送部73のベルト73aの上に載置される。ベルト73aは矢印Gに示す方向へ駆動しているため、ガラス基板破砕片70は矢印Hに示す方向へ移送される。ここで、電磁振動子76に通電を行い振動させることにより、その振動がベルト73aに伝達される。ベルト73aを振動させることにより、複数枚重なった状態のガラス基板破砕片80を、1枚ずつ単層配置された状態へ移行させることができる。
ここで、ガラス基板破砕片70には第1領域破砕片70aと第2領域破砕片70bとが混在している。第1領域破砕片70aは、1枚分のガラス基板の厚さとなっているが、第2領域破砕片70bは、封着部27によって前面ガラス基板11と背面ガラス基板21とが接続された状態で破砕されるため、2枚分のガラス基板の厚さとなっている。このようなガラス基板破砕片70が第1の搬送部73で移送されると、第1領域破砕片70aは第2の搬送部74に接触することなく、容器75に収容されるが、第2領域破砕片70bは第2の搬送部74に接触する。第2の搬送部74のベルト74aには接着剤が塗布されているため、ベルト74aに接触した第2領域破砕片70bはベルト74aに接着する。図13Bに示すように、ベルト74aは矢印Lに示す方向に駆動しているため、ベルト74aに接着した第2領域破砕片70bは、第1の搬送部73から離間される。
このようにして第2の搬送部74で抽出した第2領域破砕片70bを、別途回収することにより、ガラス基板破砕片70を第1領域破砕片70aと第2領域破砕片70bとに分別することができる。
なお、本実施の形態では、ベルト73aとベルト74aとが互いに略直交するように第1の搬送部73と第2の搬送部74とを配置したが、図14に示すように、ベルト73aとベルト74aとが互いに略平行になるように第1の搬送部73と第2の搬送部74とを配置してもよい。
図14において、図13に示す構成と同様の構成については、同一番号を付与して詳しい説明は省略する。図14に示すように、第1の搬送部73と第2の搬送部74とを互いに平行になるように配置することにより、ベルト73aとベルト74aとが投影面上で重なる部分が多くなるため、確実に第2の搬送部74で第2領域破砕片70bを抽出することができる。
〔3.実施の形態の効果、他〕
以上のように本実施の形態によれば、PDP1に含まれる前面ガラス基板11及び背面ガラス基板21に破損や割れなどが生じている場合において、付着物除去処理の前にガラス基板破砕片70を第1領域破砕片70aと第2領域破砕片70bとに分別することにより、付着物を除去した純ガラス破砕片(第1領域破砕片70a)を効率よく回収することができる。
なお、本実施の形態では、接着剤が塗布されたベルト74aで第2領域破砕片70bを抽出する構成としたが、少なくとも第1の搬送部73で移送されているガラス基板破砕片70の中から第2領域破砕片70bを抽出することができれば、他の構成で実現してもよい。例えば、第2領域破砕片70bのみを真空吸着する構成などがある。
(実施の形態5)
〔1.材料回収方法〕
次に、本発明の実施の形態5における材料回収方法について説明する。なお、本実施の形態において、PDP1の構成については、前述の実施の形態1において説明したものと同様であるため、詳しい説明は省略する。
実施の形態5は、製造工程で不良になったPDPや製品寿命を迎えた使用済みのPDPなどに含まれる前面ガラス基板11および背面ガラス基板21から、表示電極15やアドレス電極22などの電極、および誘電体層16、下地誘電体層22、蛍光体層25などの付着物を剥離除去し、材料を回収する方法に関する。また、本実施の形態は、PDPに含まれる前面ガラス基板11及び背面ガラス基板21に破損や割れなどが生じている場合における、材料回収方法に関する。以下、図15を参照して、本実施の形態における材料回収方法の流れについて説明する。
図15に示すように、まず、PDP1の前面ガラス基板11及び背面ガラス基板21を破砕し、ガラス基板破砕片を作製する(S40)。具体的には、前面ガラス基板11及び背面ガラス基板21を、数cmから数十cm程度の大きさに破砕機で破砕または切断機で切断(以下、本実施の形態では両者を破砕と総称する)する。図4Cに示す前面板第1領域部材33のガラス基板破砕片の片面には、表示電極14、誘電体層16および保護層17が付着している。また、背面板第1領域部材34のガラス基板破砕片の片面には、アドレス電極22、下地誘電体層23、隔壁24および蛍光体層25が付着している。また、第2領域部材32a,32b,32c,32dのガラス基板破砕片は、主に前面ガラス基板11と背面ガラス基板21が封着部27で接着されているため、PDP1を分割すると、封着部27において接着された前面ガラス基板11と背面ガラス基板21とからなるガラス基板破砕片(封着部材付破砕片)と、前面ガラス基板11のガラス基板破砕片からなる第1のガラス基板破砕片と、背面ガラス基板21のガラス基板破砕片からなる第2のガラス基板破砕片とに分断される。なお、S40の工程では、封着部27に沿ってその内側でPDP1を分割し、さらに、封着部27の外側領域を排除した内側領域のみを適当なサイズに分割してもよい。また、封着部材付破砕片は、その厚さは前面ガラス基板11及び背面ガラス基板21の単独の厚さの2倍以上になっているが、封着部27の外側領域を排除した場合には、ほぼ厚さが揃ったガラス基板破砕片となっている。
次に、S40の工程で作製したガラス破砕片を分別する(S41)。具体的には、封着部材付破砕片と、第1のガラス基板破砕片及び第2のガラス基板破砕片とに分別する。分別方法は、例えば実施の形態4で説明したような、図13A及び図13Bに示す破砕片分別装置を用いて、ガラス基板破砕片の厚さに基づき分別することができる。
次に、第1のガラス基板破砕片に含まれる前面ガラス基板11、及び第2のガラス基板破砕片に含まれる背面ガラス基板21と、電極、誘電体層、蛍光体層などの付着物とを剥離除去する第1の剥離除去を行う(S42)。
次に、S42の第1の剥離除去工程で剥離除去される過程で発生したガラス破砕片や金属破砕片を回収し、ガラス基板破砕片と粉体(無機粉体及び金属粉体)とに分別する第1の分別処理を行う(S43)。第1の分別工程S43で分別したガラス基板破砕片(第1のガラス基板破砕片及び第2のガラス基板破砕片)を反転させた(S44)後、第1のガラス基板破砕片または第2のガラス基板破砕片に付着している付着物を剥離除去する第2の剥離除去を行い(S45)、ガラス基板破砕片と粉体とに分別する第2の分別処理を行う(S46)。第1の剥離除去工程、反転工程及び第2の剥離除去工程については、後述する。なお、第1の分別工程S42及び第2の分別工程S46の具体的な分別方法については、図6のS15と同様であるため、詳しい説明は省略する。
次に、S43の工程で分別された前面ガラス基板11または背面ガラス基板21のガラス破砕片は、純粋なガラス成分であるため、再溶融して容易に再利用することができる(S47)。
また、第2の分別工程S46で分別された粉体成分は、粉体分別工程(S48)において、誘電体層16や下地誘電体層23などに含まれるガラス成分である無機粉体と、表示電極14やアドレス電極22などに含まれる金属粉体とに分別される。粉体分別工程S48で分別された無機粉体は、誘電体用などに再利用することができる(S49)。また、粉体分別工程S46で分別された金属粉体は、電気分解手法などを用いて貴金属を回収し、再利用することができる(S50)。
〔2.付着物除去方法〕
次に、S41、S42、S44及びS46の工程における動作について詳しく説明する。
図16は、本実施の形態における付着物除去装置の構成を示す。図16に示すように、付着物除去装置は、投入部81、傾斜部82、電磁振動子83、第1の搬送部84、第1のブラストノズル85、第1のストッパー87、反転機構部88、第2のストッパー89、第2の搬送部90、第2のブラストノズル91、容器93を備えている。
投入部81は、ガラス基板破砕片80を本装置内へ投入する部分である。ここで、ガラス基板破砕片80は、図15の工程S41において作製された第1のガラス基板破砕片80aと第2のガラス基板破砕片80bであり、付着部材付破砕片は含まれない。
傾斜部82は、投入部81の後段に配され、ガラス基板破砕片80を第1の搬送部84側へ移送可能な傾斜面82aを備えている。
電磁振動子83は、傾斜部82に埋め込まれて配され、通電することで傾斜部82を振動させるように構成されている。傾斜部82を振動させることにより、複数枚重なった状態のガラス基板破砕片80を、1枚ずつ単層配置された状態へ移行させることができる。
第1の搬送部84は、傾斜部82の後段に配され、ガラス基板破砕片80を載置可能なベルト84aと、ベルト84aが巻き回されモータなどの駆動手段により回転駆動される4本の駆動軸84bとを備えている。なお、ベルト84aは、移送中のガラス基板破砕片80がベルト84aから落下しないように、幅方向端部に側壁(不図示)を設けることが好ましい。
第1のブラストノズル85は、第1の搬送部84の上部に配されている。また、第1のブラストノズル85は、ガラス粉末などから構成される研削材86を、ベルト84a上に載置されているガラス基板破砕片80に向かって噴出可能に配されている。本実施の形態では、研削材は、封着部材付破砕片を粉末化したガラス粉末や酸化物などを用いている。
第1のストッパー87は、第1の搬送部84の後段に配され、第1の搬送部84から反転機構部88へのガラス基板破砕片80の移送を規制することができる。具体的には、第1の搬送部84から反転機構部88へガラス基板破砕片80を移送する場合は、ガラス基板破砕片80の移送経路を開放し、反転機構部88へ所定量のガラス基板破砕片80が移送されればガラス基板破砕片80の移送経路を閉塞するように構成されている。
反転機構部88は、第1のストッパー87の後段に配され、矢印Pに示す方向に回転可能に配されている。具体的には、反転機構部88は、略中央に支軸を備え、その支軸を挟むようにして第1の板体88aと第2の板体88bとを備えている。第1の板体88aと第2の板体88bとは、互いにその主平面が略平行になるように配され、両者の間には少なくとも1枚のガラス基板破砕片80を内在可能な間隙(例えばガラス基板厚みの1.5枚分等)を備えている。また、第1の板体88aと第2の板体88bとは、別途設けられている駆動手段によって、互いに近づく方向および互いに離れる方向に移動可能である。反転機構部88内にガラス基板破砕片80を挿入する場合は、第1の板体88aと第2の板体88bとを互いに離れる方向に移動させ、反転機構部88内にガラス基板破砕片80を挿入した状態で回転駆動する場合は、第1の板体88aと第2の板体88bとを互いに近づく方向へ移動させて、第1の板体88aと第2の板体88bとでガラス基板破砕片80を挟持するように構成されている。また、反転機構部88は、図16に示すように第1の搬送部84側が高くなり、第2の搬送部80側が低くなるように、傾斜した状態を基準状態としている。反転機構部88が基準状態の時に、第2のストッパー89が反転機構部88の第2の搬送部90側の開口部を閉塞することで、第1の搬送部84から移送されるガラス基板破砕片80を反転機構部88内にスライドさせて挿入することができる。また、反転機構部88が基準状態の時に、第2のストッパー89が反転機構部88の第2の搬送部90側の開口部を開放することで、反転機構部88が傾斜しているため、反転機構部88内のガラス基板破砕片80を第2の搬送部90側へスライドさせて移送させることができる。
第2のストッパー89は、反転機構部89における第2の搬送部90側の端部に配され、反転機構部89における第2の搬送部90側の開口部を開閉可能に配されている。
第2の搬送部90は、反転機構部88の後段に配され、ガラス基板破砕片80を載置可能なベルト90aと、ベルト90aが巻き回されモータなどの駆動手段により回転駆動される4本の駆動軸90bとを備えている。なお、ベルト90aは、移送中のガラス基板破砕片80がベルト90aから落下しないように、幅方向端部に側壁(不図示)を設けることが好ましい。また、第2の搬送部90は、第1の搬送部84に対して、鉛直方向に低い位置に配されている。これにより、反転機構部88内に位置しているガラス基板破砕片80を、傾斜した第1の板体88aまたは第2の板体88b上をスライドさせて、容易に第2の搬送部90へ移送させることができる。
第2のブラストノズル91は、第2の搬送部90の上部に配されている。また、第2のブラストノズル91は、ガラス粉末などから構成される研削材92を、ベルト90a上に載置されているガラス基板破砕片80に向かって噴出可能に配されている。本実施の形態では、研削材は、封着部材付破砕片を粉末化したガラス粉末や酸化物などを用いている。
容器93は、第2の搬送部90から排出されたガラス基板破砕片80を収容することができる。
以下、図16及び図17を参照して、付着物除去動作について説明する。
ガラス基板破砕片80に付着した表示部材などの付着物を除去する際は、まず、ガラス基板破砕片80を、矢印Mに示すように投入部81に投入する(S51)。ガラス基板破砕片80は、傾斜部82の傾斜面82aに沿って落下し、第1の搬送部84のベルト84aの上に載置される。この時、傾斜部82は電磁振動子83によって振動されることにより、複数枚重なった状態のガラス基板破砕片80を、1枚ずつ縦列配置された状態へ移行させることができる(S52)。
ベルト84aは、矢印Nに示す方向へ駆動しているため、ガラス基板破砕片50aは矢印Mに示す方向へ移送される(S53)。ここで、第1の搬送部84に移送されたガラス基板破砕片80は、付着物が付着している面が、必ずしも同一方向を向いているとは限らない。例えば、図16に示す例ではガラス基板破砕片80aは付着物が付着している面が上方(第1のブラストノズル85側)を向いており、ガラス基板破砕片80bは付着物が付着している面が下方(ベルト84a側)を向いている。図16では、ガラス基板破砕片80に付着している付着物を、太線で描画した。
次に、ブラスト装置を動作させ、第1のブラストノズル85から研削材86を噴出させる(S54)。第1のブラストノズル85から噴出された研削材86は、ベルト84a上に位置しているガラス基板破砕片80に衝突する。この時、研削材86は、第1のブラストノズル85から高速噴出されているため、ガラス基板破砕片80に高い衝撃力を伴って衝突する。ガラス基板破砕片80に研削材86を衝突させることにより、その衝撃力によってガラス基板破砕片80に付着している付着物を剥離除去することができる。なお、第1のブラストノズル85は、ベルト84a上に位置しているガラス基板破砕片80の一方の主平面のみに研削材86を衝突させることができるため、付着物が付着した面が上方を向いているガラス基板破砕片80aに対してのみ、付着物を剥離除去することができる。
次に、第1の搬送部84によって移送されるガラス基板破砕片80は、反転機構部88に挿入される(S55)。この時、第1のストッパー87は開き、第2のストッパー89は閉じている。また、反転機構部88は、図16に示すように傾斜した状態になっているため、ガラス基板破砕片80が第1の板体88aまたは第2の板体88bに沿って落下し、閉塞状態にある第2のストッパー89に当接する。第1の板体88aと第2の板体88bとの間隙は、1枚のガラス基板破砕片80の厚さの1.5倍以上2倍未満となっているため、ガラス基板破砕片80はスムーズにスライド移動するとともに、反転機構部88内で複数枚のガラス基板破砕片80が重なることもない。
次に、反転機構部88内に所定量のガラス基板破砕片80が挿入されると、第1のストッパー87がガラス基板破砕片80の移送経路を塞ぎ、第1の搬送部84から排出されるガラス基板破砕片80が反転機構部88側へ移送されるのを禁止する(S56)。この時、ブラスト装置は動作を停止し、第1のブラストノズル85から研削材86が噴出されるのを停止する。
次に、反転機構部88は、第1の板体88aと第2の板体88bとを互いに近づく方向へ移動させる。第1の板体88a及び第2の板体88bは、ガラス基板破砕片80を挟持する(S57)。
次に、反転機構部88は、図16に示す状態から、別途設けられた駆動機構によって矢印Pに示す方向へ180度回転駆動される(S58)。したがって、第1の板体88aと第2の板体88bとは位置が置換した状態となり、反転機構部88内のガラス基板破砕片80は表裏反転した状態になる。反転機構部88は、反転後も傾斜した状態になっているため、内在しているガラス基板破砕片80が第2の搬送部90側へスライド移動する。反転機構部88から排出されたガラス基板破砕片80は、第2の搬送部90のベルト90aに載置される(S59)。ガラス基板破砕片80は、ベルト90aに載置された状態の時、ベルト84aに載置していた時に上方を向いていた面が下面となる。反転機構部88は、内在していたガラス基板破砕片80が全て排出されれば、矢印Qに示す方向へ180度回転されて、図16に示す基準状態に移行される。
次に、ガラス基板破砕片80は、矢印Rに示す方向に駆動しているベルト90aによって、矢印Mに示す方向に移送される。この時、ブラスト装置を動作させ、第2のブラストノズル91から研削材92を噴出させる(S60)。第2のブラストノズル91から噴出された研削材92は、ベルト90a上に位置しているガラス基板破砕片80に衝突する。この時、研削材92は、第2のブラストノズル91から高速噴出されているため、ガラス基板破砕片80に高い衝撃力を伴って衝突する。ガラス基板破砕片80に研削材92を衝突させることにより、その衝撃力によってガラス基板破砕片80に付着している付着物を剥離除去することができる。なお、第2のブラストノズル91は、ベルト90a上に位置しているガラス基板破砕片80の一方の主平面のみに研削材92を衝突させることができるため、付着物が付着した面が上方を向いているガラス基板破砕片80bに対してのみ、付着物を剥離除去することができる。第1のブラストノズル85または第2のブラストノズル91によって付着物が剥離除去されたガラス基板破砕片80を、ガラス基板破砕片80cとする。
次に、第2の搬送部90から排出されたガラス基板破砕片80cは、容器93に収容される(S61)。
以上のように、ガラス基板破砕片80の投入、第1の搬送部84における付着物剥離除去、反転機構部88による表裏反転、第2の搬送部90における剥離除去の処理を繰り返すことによって、生産性良く、ガラス基板破砕片80から付着物を剥離除去することができ、ガラス基板のみを回収することができる。回収されたガラス基板のみの純ガラス破砕片は、再溶融して容易に再利用することができる。
〔3.実施の形態の効果、他〕
廃棄するPDPは、その取り扱い過程または運送過程において、PDPを構成する前面ガラス基板や背面ガラス基板に破損や割れが発生する可能性がある。本発明の実施の形態における表面除去方法および表面除去装置によれば、材料回収処理よりも前に、既にPDP1に破損や割れがあったとしても、ガラス基板に付着している付着物を確実に除去することが可能となる。
また、本実施の形態によれば、ガラス基板破砕片の一方の面をブラスト処理し、ガラス基板破砕片を表裏反転し、ガラス基板破砕片の他方の面をブラスト処理する構成としたことにより、第1搬送部84にガラス基板破砕片80を載置する際に、ガラス基板破砕片80の主平面が全て同一方向を向いていなくても、確実に全てのガラス基板破砕片80の表裏をブラスト処理することができ、ガラス基板のみを効率的に回収することができる。
また、本実施の形態によれば、第1のブラスト85及び第2のブラストノズル91が互いに略同一方向を向くように配置したことにより、第1の搬送部84及び第2の搬送部90に載置するガラス基板破砕片80が不定形に破砕されたものであっても、基板表面に付着した付着物を確実に効率的に除去することができる。
また、本実施の形態によれば、第1の搬送部84と第2の搬送部90は、それぞれ異なる搬送部で構成したことにより、付着物の剥離除去を連続的に行うことができ、効率よく剥離除去処理を行うことができる。
なお、本実施の形態では、第1の板体88aと第2の板体88bとを移動可能な構成としたが、少なくとも反転機構部88内にガラス基板破砕片80を挿入可能で、かつ反転機構部88を回転させる際に内部に挿入されているガラス基板破砕片80が反転機構部88から脱落しないようにできる構成であればよい。例えば、反転機構部88における第1の搬送部84側の開口部と第2の搬送部90側の開口部とを開閉可能な機構を備え、反転機構部88内にガラス基板破砕片80を挿入する際に前記開口部を開き、反転機構部88を回転させている時は前記開口部を閉塞する構成が考えられる。
また、本実施の形態では、2つの搬送部(第1の搬送部84、第2の搬送部90)を備える構成としたが、1つの搬送部でも実現することができる。すなわち、単一の搬送部に載置したガラス基板破砕片の一方の面をブラスト処理した後、ガラス基板破砕片を表裏反転させ、ガラス基板破砕片を再び搬送部上に載置して他方の面をブラスト処理する構成である。このように構成することで、搬送部が1つになるため。設備投資にかかるコストを低減させることができる。
上記各実施の形態における説明では、PDPの場合を例に挙げて説明したが、LCDにおいても、同様にガラス基板に付着している付着物を効率的に除去することができる。すなわち、LCDも同様に、カラーフィルタ、偏光フィルタ、駆動用部材などを付着させた前面ガラス基板と、偏光フィルタ、駆動用部材などを付着させた背面ガラス基板とを対向配置している。したがって、LCDを適当なサイズに破砕し、前面板および背面板のガラス破砕片を同様の表面除去方法および表面除去装置によって、ガラス基板から付着物を効率的に剥離除去しガラス素材だけからなるガラス破砕片を得ることができる。
また、ガラス破砕片(ガラス粉末)の作製工程であるS2,S12,S21,S32は、工程Aの一例である。剥離除去工程であるS3,S14,S24,S34,S42,S45は、工程Bの一例である。PDP分割工程であるS1,S11,S20,S40は、工程Cの一例である。ガラス基板破砕片の作製工程であるS13,S22,S30は、工程Dの一例である。剥離除去処理後の材料から無機粉体と金属粉体とを分別する工程(粉体分別工程)であるS4,S15,S16,S25,S26,S35,S37,S43,S48と、無機粉体を回収再利用する工程であるS5,S17,S28,S38,S49と、貴金属を回収する工程であるS6,S18,S29,S39,S50とは、工程Eの一例である。収納部61にガラス基板破砕片50aを挿入する工程は、工程Fの一例である。収納部61内のガラス基板破砕片50aに対してブラスト処理を行う工程は、工程Gの一例である。第1の搬送部84へガラス基板破砕片80を載置する工程であるS52及びS53は、工程Hの一例である。第1の搬送部84上のガラス基板破砕片80にブラスト処理を行う工程であるS54は、工程Iの一例である。ガラス基板破砕片80を表裏反転させ、第2の搬送部90へ載置する工程であるS58及びS59は、工程Jの一例である。第2の搬送部90上のガラス基板破砕片80にブラスト処理を行う工程であるS60は、工程Kの一例である。
また、搬送部42,53、第1の搬送部73,84、第2の搬送部74,90は、基板載置台の一例である。また、第1の搬送部73,84は、第1の基板載置台の一例である。第2の搬送部74,90は、第2の基板載置台の一例である。
本発明は、ガラス基板に付着した付着物を剥離除去する装置及び方法である。例えば、PDPやLCDなどに搭載されるガラス基板に付着した表示部材などを除去する装置及び方法に有用である。
本発明は、付着物が付着したガラス基板から付着物を除去し、ガラス基板を回収することができる材料回収方法、および材料回収装置に関する。特に、プラズマディスプレイパネルなどのようにガラス基板を備えた表示装置から、ガラス基板などのように再生利用可能な材料を回収する材料回収方法、および材料回収装置に関する。
近年、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと記す)を用いたプラズマディスプレイ装置や、液晶ディスプレイパネル(以下、LCDと記す)を用いた液晶ディスプレイ装置などのような、薄型、大型化に適した表示装置が大量に生産されている。これらの表示装置は、不良や故障などにより使用できなくなった場合、環境問題および省資源の観点により、解体してリサイクルすることが必要である。
これらのPDPやLCDなどの表示装置は、互いに対向配置された2枚のガラス基板に、薄膜または厚膜の表示部材(付着物)が付着形成され、さらに2枚のガラス基板の間隙には表示用の放電ガスまたは液晶部材が封入されて構成されている。
例えば、PDPは、前面ガラス基板に表示電極、誘電体層、酸化マグネシウム(MgO)による保護層などが形成された前面板と、背面ガラス基板にアドレス電極、隔壁、蛍光体層などが形成された背面板とを備えている。PDPは、前面板と背面板とを微小な放電空間が形成されるように対向配置し、前面ガラス基板と背面ガラス基板の周縁部を封着部材により封着した構造である。また、放電空間内には、ネオン(Ne)およびキセノン(Xe)などを混合してなる放電ガスが封入されている。
また、LCDは、電極、薄膜トランジスタ、偏光膜、カラーフィルタなどが形成された2枚のガラス基板を対向配置して、その間隙に液晶部材を封入し、ガラス基板の周縁部を封着部材により封着した構造である。
ここで、PDPは、製造工程において生じた不良品や、故障などによって使用者から回収した使用済みの製品は、工程内で再生できる一部の製品または部品を除き、従来殆どが解体した後に埋め立てなどの廃棄処理がなされていた。しかしながら、近年PDPが急速に普及するのに伴って、廃棄物の量が増大してきている。廃棄物の量が増大すると、廃棄物処理の埋め立て用地の不足や、地球環境の悪化などの問題が生じる。したがって、PDPの有効な再利用技術の開発が求められている。
PDPの再利用を考える上では、PDPの主要構成材料である前面ガラス基板及び背面ガラス基板を、ガラス素材に近い状態で回収することが重要である。そのためには、ガラス基板上に形成されている誘電体層、電極、蛍光体層などの表示部材を、できるだけ他の材料が混入しない状態で、剥離除去することが必要となる。
ガラス基板に形成された表示部材を剥離除去する方法には、様々な方法がある。
特許文献1及び2には、表示部材を機械的に研削して剥離除去する方法が開示されている。特許文献1及び2に開示されている方法は、PDPを前面板と背面板とに分離し、前面ガラス基板に付着形成された表示部材と、背面ガラス基板に付着形成された表示部材とを、ホイール状の砥石を固定した電着ホイールを使用して削り取る方法が開示されている。砥石は、例えばダイヤモンドやCBN(立方晶窒化硼素)で構成されている。
特開2004−305900号公報 特開2005−334790号公報
大量の使用済みのディスプレイパネルを再資源化するためには、ガラス基板に付着した表示部材を、効率的かつ低コストで剥離および除去することが必要である。
特許文献1及び2に開示されているように、砥石を用いて機械的に表示部材を研削する構成では、砥石には研削寿命があるため、新規砥石への交換回数が増えたり砥石を再生する必要があるなど、研削コストが増大するという問題が発生する。
また、不規則に割れたり粉砕されたガラス基板に対しては、特許文献1及び2に開示されたような研削処理を行うことができず、廃棄せざるを得ないガラス基板が増えてしまい、収率を低下させてしまうという問題が発生する。
本発明の目的は、ガラス基板に付着した付着物を低コストで除去することができるとともに、ガラス基板の高収率化が可能な材料回収装置及び材料回収方法を提供することである。
本発明の材料回収方法は、前面ガラス基板上に前面板表示部材を形成した前面板と、背面ガラス基板上に背面板表示部材を形成した背面板とを対向配置するとともに、周囲を封着部材で封着して空間を形成した表示装置から、前記ガラス基板を回収する材料回収方法であって、前記表示装置を、前記空間を含む第1領域部材と、前記第1領域部材以外の第2領域部材とに分割する工程Aと、前記第2領域部材を破砕してガラス破砕片を作製する工程Bと、前記ガラス破砕片を前記前面板表示部材および前記背面板表示部材の少なくとも一方に衝突させて、前記前面板表示部材または前記背面板表示部材を前記前面ガラス基板または前記背面ガラス基板から剥離除去する工程Cとを含む。
本発明の材料回収方法は、少なくとも片方の面に付着物が付着したガラス基板から前記付着物を除去し、前記ガラス基板を回収する材料回収方法であって、側面に複数の貫通孔を備えた収納体内に、前記ガラス基板を収納する工程Fと、前記収納体の前記複数の貫通孔を介して、前記ガラス基板の両面に対してブラスト処理を行う工程Gとを含む。
本発明の材料回収方法は、少なくとも片方の面に付着物が付着したガラス基板から前記付着物を除去し、前記ガラス基板を回収する材料回収方法であって、前記ガラス基板を基板載置台に単層に整列させる工程Hと、前記ガラス基板の一方の面に対してブラスト処理を行う工程Iと、前記工程Iの後に、前記ガラス基板を表裏反転させて基板載置台に単層に整列させる工程Jと、前記工程Jの後に、前記ガラス基板の他方の面に対してブラスト処理を行う工程Kとを含み、前記工程Jは、第1の板体に載置された前記ガラス基板が前記第1の板体に対向配置された第2の板体とで挟持され、前記ガラス基板が挟持された状態で前記第1の板体と前記第2の板体の位置を互いに置換する工程である。
本発明の材料回収装置は、少なくとも片方の面に付着物が付着したガラス基板から前記付着物を除去し、前記ガラス基板を回収する材料回収装置であって、側面に複数の貫通孔を備え、内部に前記ガラス基板を収容可能な収納体と、前記収納体の前記複数の貫通孔を介して、前記ガラス基板の両面に対してブラスト処理が可能なブラスト装置とを備えた。
本発明の材料回収装置は、少なくとも片方の面に付着物が付着したガラス基板から前記付着物を除去し、前記ガラス基板を回収する材料回収装置であって、前記ガラス基板の一方の面側から当該ガラス基板に対してブラスト処理を行うブラスト装置と、前記ブラスト装置が前記ガラス基板の一方の面に対してブラスト処理した後、前記ガラス基板の他方の面に対してブラスト処理が可能なように前記ガラス基板を表裏反転する反転機構部とを備え、前記反転機構部は、前記第1の基板載置台から搬送された前記ガラス基板を載置する第1の板体と、前記第1の板体に対向配置された第2の板体と、前記第1の板体と前記第2の板体とにより前記ガラス基板を挟持する挟持機構と、前記挟持機構が前記ガラス基板を挟持した状態で、前記第1の板体と前記第2の板体の位置を互いに置換する反転部とを備えた。
本発明によれば、ガラス基板に付着した付着物を低コストで除去することができる。また、ガラス基板をリサイクルする際、収率を高くすることができる。
本発明の第1の材料回収方法は、前面ガラス基板上に前面板表示部材を形成した前面板と、背面ガラス基板上に背面板表示部材を形成した背面板とを対向配置するとともに、周囲を封着部材で封着して空間を形成した表示装置から、前記ガラス基板を回収する材料回収方法であって、前記表示装置を、前記空間を含む第1領域部材と、前記第1領域部材以外の第2領域部材とに分割する工程Aと、前記第2領域部材を破砕してガラス破砕片を作製する工程Bと、前記ガラス破砕片を前記前面板表示部材および前記背面板表示部材の少なくとも一方に衝突させて、前記前面板表示部材または前記背面板表示部材を前記前面ガラス基板または前記背面ガラス基板から剥離除去する工程Cとを含む。このような方法によれば、機械的な研削手段などを用いず、なおかつ、表示装置を構成する材料だけを用いているので、低コストで他の物質の混入のない材料回収が可能となる。
本発明の第1の材料回収方法において、前記第1領域部材を破砕してガラス基板破砕片を作製する工程Dを、さらに備え、前記工程Cにおいて、前記工程Bで作製された前記ガラス破砕片と、前記工程Dで作製された前記ガラス基板破砕片とを相互に衝突させて、前記ガラス基板破砕片に付着した表示部材を当該ガラス基板破砕片から剥離除去する方法とすることができる。このような方法によれば、使用済みの表示装置などのように、前面ガラス基板や背面ガラス基板が割れて、機械的な研削手段などが使用不可能な状態の表示装置であっても、前面板表示部材や背面板表示部材を剥離除去して材料回収することが可能となる。
本発明の第1の材料回収方法において、前記前面板表示部材または前記背面板表示部材に含まれる無機および金属の少なくとも一方を回収する工程Eを、さらに備え、前記工程Eは、前記工程Cの後に実施する方法とすることができる。このような方法によれば、表示装置に使用されている物質以外の不純物のない材料成分から、貴金属などを回収して再利用することが可能となる。
本発明の第2の材料回収方法は、少なくとも片方の面に付着物が付着したガラス基板から前記付着物を除去し、前記ガラス基板を回収する材料回収方法であって、側面に複数の貫通孔を備えた収納体内に、前記ガラス基板を収納する工程Fと、前記収納体の前記複数の貫通孔を介して、前記ガラス基板の両面に対してブラスト処理を行う工程Gとを含む。このような方法によれば、ガラス基板の表面および裏面の両面からブラストを行うため、薄膜部材、厚膜部材を表面裏面とも同時に剥離除去することができるので、高い生産性でガラス基板のみを回収することができる。
本発明の第2の材料回収方法において、前記収納体は、鉛直方向に対して傾斜して配置され、前記収納体の傾斜面の下側からブラスト処理を行う際のブラスト圧力を、前記傾斜面の上側からブラスト処理を行う際のブラスト圧力よりも高くする構成とすることができる。このような方法によれば、収納体を傾斜することで収納体の中の表示部材付ガラス基板を落下させながらブラスト処理を行うことができ、連続処理が可能となる。また、その際に、下側からのブラスト圧力を上側からのブラスト圧力よりも高くすることによって、収納体に収納された表示部材付ガラス基板を浮かせながら落下させることができるため、確実に連続処理が可能となる。
本発明の第2の材料回収方法において、前記収納体を鉛直方向に立設した構成とすることができる。このような方法によれば、収納体に所定量の表示部材付ガラス基板を収納した後に、表示部材付ガラス基板の両面からブラスト処理を効率的に行うことができる。
本発明の第2の材料回収方法において、前記収納体は、複数の貫通孔が形成された少なくとも2枚の板体を、ギャップを介して対向配置して形成され、前記ギャップは、前記ガラス基板の厚さよりも広く、当該ガラス基板の厚さの2倍よりも狭く形成されている構成とすることができる。このような方法によれば、ギャップ内での表示部材付ガラス基板の重なりを防止して、確実にガラス基板に付着している付着物を剥離除去することができる。
本発明の第2の材料回収方法において、前記工程Gにおいて、前記収納体および前記収納体に収納された前記ガラス基板のうちの少なくとも一方を揺動する方法とすることができる。このような方法によれば、ブラスト処理をする際に収納体を構成する板体の貫通孔を形成する枠の影響を受けずに表示部材付ガラス基板の全面にブラスト処理をすることができ、効率的な剥離除去をすることができる。
本発明の第1の材料回収装置は、少なくとも片方の面に付着物が付着したガラス基板から前記付着物を除去し、前記ガラス基板を回収する材料回収装置であって、側面に複数の貫通孔を備え、内部に前記ガラス基板を収容可能な収納体と、前記収納体の前記複数の貫通孔を介して、前記ガラス基板の両面に対してブラスト処理が可能なブラスト装置とを備えている。このような構成によれば、ガラス基板の表面および裏面の両面からブラストを行うため、薄膜部材、厚膜部材を表面裏面とも同時に剥離除去することができるので、高い生産性でガラス基板のみを回収するガラス基板回収装置を提供することができる。
本発明の第1の材料回収装置において、前記収納体は、前記収納体が前記ガラス基板を収納する収納側からブラスト処理を施すブラスト処理側に傾斜面を備えた構成とすることができる。このような構成によれば、収納体を傾斜することで収納体の中の表示部材付ガラス基板を落下させながらブラスト処理を行うことができ、連続処理が可能となる。
本発明の第1の材料回収装置において、前記収納体は、複数の貫通孔が形成された少なくとも2枚の板体を、ギャップを介して対向配置して形成され、前記ギャップは、前記ガラス基板の厚さよりも広く、当該ガラス基板の厚さの2倍よりも狭く形成されている構成とすることができる。このような構成によれば、ギャップ内での表示部材付ガラス基板の重なりを防止して、確実にガラス基板に付着している付着物を剥離除去することができる。
本発明の第1の材料回収装置において、前記収納体および前記収納体に収納された前記ガラス基板のうちの少なくとも一方を揺動する揺動装置を、さらに備えた構成とすることができる。このような構成によれば、ブラスト処理をする際に、収納体を構成する板体の貫通孔を形成する枠の影響を受けずに、表示部材付ガラス基板の全面にブラスト処理をすることができ、効率的な剥離除去をすることができる。
本発明の第3の材料回収方法は、少なくとも片方の面に付着物が付着したガラス基板から前記付着物を除去し、前記ガラス基板を回収する材料回収方法であって、前記ガラス基板を基板載置台に単層に整列させる工程Hと、前記ガラス基板の一方の面に対してブラスト処理を行う工程Iと、前記工程Iの後に、前記ガラス基板を表裏反転させて基板載置台に単層に整列させる工程Jと、前記工程Jの後に、前記ガラス基板の他方の面に対してブラスト処理を行う工程Kとを含み、前記工程Jは、第1の板体に載置された前記ガラス基板が前記第1の板体に対向配置された第2の板体とで挟持され、前記ガラス基板が挟持された状態で前記第1の板体と前記第2の板体の位置を互いに置換する工程である。このような表面除去方法によれば、基板の表裏いずれの面に付着物が形成されている場合でも、基板を単層となるように基板載置台に整列させているので、一回目の剥離除去ステップで一方の面に付着物が露出している基板から付着物を除去し、基板を表裏反転した後に第2の剥離除去ステップでさらに一方の面に付着物が露出しているガラス基板から付着物を除去することが可能となる。したがって、基板載置台に基板を載置する際に、ガラス基板が全て同じ方向を向いていなくても、確実に全ての基板から付着物を剥離除去し、ガラス基板などの基板のみを効率的に回収することができる。
本発明の第3の材料回収方法において、工程I及び工程Kは、前記ガラス基板の一方の面側から当該ガラス基板に対してブラスト処理を行い、当該ガラス基板に付着している前記付着物を剥離除去する工程であることが好ましい。このような方法によれば、基板載置台に載置する基板が不定形の破壊されたような基板であっても、基板表面に形成された付着物を確実に効率的に剥離除去することができる。
本発明の第3の材料回収方法において、工程Hは、前記ガラス基板を第1の基板載置台に載置する工程であり、工程Jは、前記ガラス基板を第2の基板載置台に載置する工程であることが好ましい。このような方法によれば、剥離除去を連続的に行うことができ、生産性の高い表面除去を行うことができる。
本発明の第2の材料回収装置は、少なくとも片方の面に付着物が付着したガラス基板から前記付着物を除去し、前記ガラス基板を回収する材料回収装置であって、前記ガラス基板の一方の面側から当該ガラス基板に対してブラスト処理を行うブラスト装置と、前記ブラスト装置が前記ガラス基板の一方の面に対してブラスト処理した後、前記ガラス基板の他方の面に対してブラスト処理が可能なように前記ガラス基板を表裏反転する反転機構部とを備え、前記反転機構部は、前記第1の基板載置台から搬送された前記ガラス基板を載置する第1の板体と、前記第1の板体に対向配置された第2の板体と、前記第1の板体と前記第2の板体とにより前記ガラス基板を挟持する挟持機構と、前記挟持機構が前記ガラス基板を挟持した状態で、前記第1の板体と前記第2の板体の位置を互いに置換する反転部とを備えたものである。このような構成によれば、基板の表裏いずれの面に付着物が形成されている場合でも、基板を単層となるように基板載置台に整列させ、研削材噴射装置によって研削材を基板表面に吹き付けて付着物が露出している基板から付着物を除去し、基板を表裏反転した後にさらに一方の面に付着物が露出しているガラス基板から付着物を除去することが可能となる。したがって、基板載置台に基板を載置する際に、全てのガラス基板が同一方向を向いていなくても、確実に全ての基板から付着物を剥離除去し、ガラス基板などの基板のみを効率的に回収することができる。
本発明の第2の材料回収装置において、第1のブラスト装置を備えガラス基板を載置する第1の基板載置台と、第2のブラスト装置を備えガラス基板を載置する第2の基板載置台と、前記ガラス基板を前記第1の基板載置台から前記第2の基板載置台に搬送可能な搬送部とを備え、前記第1の基板載置台と前記第2の基板載置台との間に、前記反転機構部を備えた構成とすることができる。このような構成によれば、剥離除去を連続的に行うことができ、生産性の高い表面除去を行うことができる。
本発明の第2の材料回収装置において、前記第1の基板載置台は、前記ガラス基板を分別する分別装置を備えた構成とすることができる。
(実施の形態1)
〔1.表示装置の構成〕
本発明の材料回収装置および材料回収方法は、表示装置に含まれるガラス基板に付着した付着物を、低コストかつ効率良く除去することを主な特徴としている。表示装置は、例えばPDP(Plasma Display Panel)やLCD(Liquid Crystal Display)などがあるが、本発明の各実施の形態ではPDPを一例として挙げて説明する。したがって、本発明の実施の形態では、PDPに含まれるガラス基板に付着した、表示部材などの付着物を除去することができる装置及び方法について説明する。
まず、本発明の各実施の形態において記載している用語について、その定義を説明する。「表示装置」とは、PDPやLCDのことである。「前面板」及び「背面板」とは、ガラス基板及びそれに付着した付着物を含むものである。「前面ガラス基板」及び「背面ガラス基板」とは、前面板及び背面板に含まれるガラス基板そのものを指している。「ガラス基板」とは、前面ガラス基板及び背面ガラス基板を総称したものである。「ガラス基板破砕片」とは、ガラス基板を破砕機によって破砕したものであり、後述するガラス破砕片に比べて粗く破砕されたものである。「ガラス破砕片」とは、ガラス基板を破砕機によって破砕したものであり、前述のガラス基板破砕片に比べて細かく破砕されたものである。「ガラス粉末」は、ガラス破砕片と粒径が同等であり、ガラス破砕片の定義に含まれるものとする。
図1Aは、PDPの基本構造を示す平面図であり、PDPの前面側(表示される映像を外部から視認可能な面側)から見た図である。図1Bは、図1AにおけるZ−Z部分の断面であり、表示部材などの詳細な構成は描画を省略した。本実施の形態のPDPの基本構造は、AC型として代表的な交流面放電型のPDPと同様である。
図1A及び図1Bに示すように、PDP1は、前面板10と背面板20とを備えている。図1Bに示すように、前面板10と背面板20とは、微小な放電空間26を挟んで、主平面が互いに平行対向するように配されている。また、前面板10と背面板20とは、互いに対向する主平面において封着部27によって封着されている。封着部27は、図1に示すように投影面上でPDP1の表示領域1aを囲むように配されている。
図2は、PDP1の表示領域1aの一部を破断して示す要部斜視図である。前面板10は、前面ガラス基板11,走査電極12及び維持電極13から構成される表示電極14,および遮光層15を備えている。また、背面板20は、背面ガラス基板21,アドレス電極22,下地誘電体層23,隔壁24,および蛍光体層25を備えている。
前面ガラス基板11は、一方の主平面に表示電極14を備え、表示電極14によって表示される画像を他方の主平面側から視認することができる。表示電極14は、走査電極12および維持電極13よりなる一対の電極を、前面ガラス基板11の面方向に互いに平行となるように複数備えている。遮光層15は、表示電極14間に形成され、各表示電極14から発する光が隣接する表示電極側へ漏れないように分離している。誘電体層16は、前面ガラス基板11上に形成され、表示電極14を覆ってコンデンサとしての働きをする。保護層17は、誘電体層16上に形成され、酸化マグネシウム(MgO)を主成分とする材料で形成されている。
背面ガラス基板21は、一方の主平面にアドレス電極22と下地誘電体層23とが形成されている。アドレス電極22は、背面ガラス基板21の主平面の面方向に対してストライプ状に形成されている。下地誘電体層23は、アドレス電極22を覆うように形成されている。隔壁24は、下地誘電体層23上に形成されている。隔壁24は、各アドレス電極22を光学的に分離するように、アドレス電極22に対して平行な方向に形成されている。蛍光体層25は、各隔壁24間に形成され、赤色(R),緑色(G),青色(B)でそれぞれ発光する材料で構成されている。
図2に示すように、前面板10と背面板20とは、表示電極14とアドレス電極22とが投影面上で互いに直交するように、微小な放電空間26を挟んで対向配置されている。放電空間26は、PDP1の表示領域1aに形成されている。PDP1の表示領域1aは、封着部27によってその周縁部を気密封着されている。なお,封着部27には,一般的にガラスフリットが適用される。また、放電空間26には、放電ガスが所定の圧力で封入されている。放電ガスは、例えばネオン(Ne)およびキセノン(Xe)の混合ガスで構成されている。また、放電ガスは、例えば53〜80kPaの圧力で放電空間26に封入されている。また、放電空間26は、隔壁24によって区画されている。1つの放電セルは、区画された放電空間26と、蛍光体層25と、表示電極14とアドレス電極22との交差部分とで構成される。また、1つの画素は、隣接する3色(R,G,B)の放電セルにより構成される。
上記のように構成されたPDP1に映像を表示する場合は、表示電極14に、映像信号に基づく電圧を選択的に印加する。表示電極14に電圧を印加することによって、放電空間26に封入されている放電ガスが放電を行い、プラズマが発生する。プラズマが発生する時に生じる紫外線が蛍光体層25を励起して、蛍光体層25が赤色,緑色,青色のいずれかの可視光線を発光する。表示電極14に印加する電圧を制御して、放電空間26におけるプラズマの発生と消滅とを制御して、カラー画像の表示を行うことができる。
次に、PDPの製造方法とその材料について説明する。
PDPを製造する場合は、まず、前面ガラス基板11上に、走査電極12,維持電極13,遮光層15を形成する。前面ガラス基板11は、フロート法により形成された硼珪素ナトリウム系ガラスなどにより形成されている。走査電極12と維持電極13は、それぞれ透明電極(図示せず)と金属バス電極(図示せず)とにより構成されている。透明電極は、インジウム錫酸化物(ITO)や酸化錫(SnO2)などから形成されている。金属バス電極は、透明電極上に形成された銀(Ag)材料を主成分とする導電性材料より形成されている。なお、透明電極は、薄膜プロセスなどを用いて形成される。金属バス電極は、銀(Ag)材料にガラス材料を含むペーストを所望の温度で焼成して固化して形成される。また、遮光層15は、黒色顔料にガラス材料を含むペーストをスクリーン印刷する方法、または、黒色顔料を前面ガラス基板11の全面に形成した後、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングし、焼成する方法により形成される。
次に、前面ガラス基板11上に誘電体層16を形成する。具体的には、前面ガラス基板11上に誘電体ペーストをダイコート法などにより塗布して誘電体ペースト層(誘電体材料層)を形成する。この時、誘電体ペースト層は、走査電極12、維持電極13および遮光層15を覆うように形成する。誘電体ペーストを塗布した後、所定の時間放置することによって、塗布された誘電体ペースト表面がレベリングされて平坦な表面になる。その後、誘電体ペースト層を焼成固化することにより、走査電極12、維持電極13および遮光層15を覆う誘電体層16が形成される。なお、誘電体ペーストは、ガラス粉末などの誘電体材料と、バインダと、溶剤とを含む塗料で構成される。
次に、誘電体層16上に、酸化マグネシウム(MgO)で構成された保護層17を、真空蒸着法により形成する。
以上の工程により前面ガラス基板11上に所定の前面板表示部材18(走査電極12,維持電極13,遮光層15,誘電体層16,保護層17)が形成され、前面板10が完成する。
次に、背面板20の形成方法について説明する。
まず、背面ガラス基板21上に、アドレス電極22を形成する。具体的には、背面ガラス基板21上に、銀(Ag)材料にガラス材料を含むペーストをスクリーン印刷する方法や、金属膜を全面に形成した後、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングする方法などにより、材料層を形成する。次に、材料層を所望の温度で焼成することにより、アドレス電極22を形成することができる。
次に、下地誘電体層23を形成する。具体的には、アドレス電極22が形成された背面ガラス基板21上に、ダイコート法などにより誘電体ペーストを塗布して誘電体ペースト層を形成する。この時、誘電体ペーストは、アドレス電極22を覆うように塗布する。その後、誘電体ペースト層を焼成することにより、下地誘電体層23を形成することができる。なお、誘電体ペーストは、ガラス粉末などの誘電体材料と、バインダと、溶剤とを含んだ塗料で構成される。
次に、隔壁24を形成する。具体的には、下地誘電体層23上に隔壁形成用ペーストを塗布して所定の形状にパターニングすることにより、隔壁材料層を形成する。次に、隔壁材料層を焼成して、隔壁24を形成する。隔壁形成用ペーストは、ガラス材料や骨材などの隔壁材料を含む。ここで、隔壁用ペーストをパターニングする方法としては、フォトリソグラフィ法やサンドブラスト法を用いることができる。
次に、蛍光体層25を形成する。具体的には、隣接する隔壁24間の下地誘電体層23上および隔壁24の側面に、蛍光体材料を含む蛍光体ペーストを塗布する。次に、蛍光体ペーストを焼成することにより、蛍光体層25が形成される。なお、蛍光体層25における赤色蛍光体層は、Y2x3:Eux、または(Y,Gd)1-xBO3:Euxの蛍光体材料粉体で形成することができる。また、緑色蛍光体層は、〔(Zn1-xMnx2SiO4〕の蛍光体材料粉体で形成することができる。また、青色蛍光体層は、Ba1-xMgAl1017:Eux、またはBa1-x-ySryMgAl1017:Euxの蛍光体材料粉体で形成することができる。これらの材料粉体をペーストとして使用し、印刷法やインクジェット法などを用いて、隣接する隔壁24間に塗布する。次に、材料粉体を乾燥させた後に焼成することで、各色の蛍光体層25が形成される。
以上の工程により、背面ガラス基板21上に、所定の背面板表示部材28(アドレス電極22、下地誘電体層23、隔壁24、蛍光体層25)が形成された背面板20が完成する。
次に、前面板表示部材18を備えた前面板10と、背面板表示部材28を備えた背面板20とを、走査電極12とアドレス電極22とが投影面上で直交するように対向配置して、前面板10と背面板20の周囲の封着部27を封着部材で封着する。封着部材は、例えば低融点のガラスフリットで構成される。次に、放電空間26に放電ガスを封入する。以上の工程により、PDP1が完成する。
〔2.材料回収方法〕
PDP1は、前面ガラス基板11あるいは背面ガラス基板21に、ガラス成分を含む所定の材料組成の表示部材(蛍光体層25は除く)を結着させた構成となっている。したがって、これらの表示部材を剥離除去するためには、結着界面に相当量の剥離力を与える必要がある。
本実施の形態におけるPDPの材料回収方法は、破損や割れなどがない状態のPDPから、材料を回収するのに好適な方法である。
図3は、実施の形態1における材料回収方法の流れを示す。以下、本実施の形態における材料回収方法について説明する。
まず、PDPを分割する(S1)。PDPは、前述したように前面板10と背面板20とが、その外周部において封着部27によって封着されているため、前面板10と背面板20とを分離することが必要となる。S1では、PDP1を所定の位置で切断し、前面板第1領域部材33、背面板第1領域部材34,第2領域部材32a,32b,32c,32dの6つの部材に分割する。なお、具体的な分割方法については後述する。
次に、第2領域部材32a,32b,32c,32dは、ガラス破砕片を作製(S2)でガラス破砕片に細分化される。具体的には、第2領域部材32a,32b,32c,32dを粉砕機で粉砕し、数十μmから数千μmの粒径を有するガラス破砕片を作製する。
次に、ブラスト装置でガラス破砕片を高速噴出させて、前面板第1領域部材33と背面板第1領域部材34とに衝突させて、その時に生じる衝撃力によって前面板第1領域部材33と背面板第1領域部材34とに付着している表示部材を剥離除去(S3)することで純ガラス板を得ることができる。具体的な剥離除去方法については後述する。
次に、前面板表示部材18及び背面板表示部材28の剥離除去のために使われたガラス破砕片と、前面板表示部材18及び背面表示部材28が剥離除去される過程で発生したガラス破砕片(誘電体層16、遮蔽層15、隔壁24、下地誘電体層23等)や金属破砕片(表示電極14、アドレス電極22)は、回収されて分別処理される(S4)。具体的には、ガラス破砕片や金属破砕片を、比重選別方法や静電分離方法などを用いて、無機粉体と金属粉体とに粉体分別する。無機粉体は、ブラスト装置で前面表示部材18及び背面表示部材28を剥離除去する衝撃力を付与したガラス破砕片と、前面板表示部材18に含まれる誘電体層16や背面表示部材28に含まれる下地誘電体層23などに含まれていたガラス成分とが含まれている。金属粉体は、主として前面表示部材18に含まれる走査電極12や維持電極13、背面表示部材28に含まれるアドレス電極などを構成する銀、錫、あるいはインジウムなどが含まれている。
無機粉体は、篩いにかけてブラスト装置用の研削材として再利用したり、ガラス成分材料として回収し、再利用することができる(S5)。また、金属粉体は、電気分解手法などを用いて貴金属を回収し、再利用することができる(S6)。
なお、表示部材剥離除去されることで得られる純ガラス基板も、当然回収し、再利用することができる(S7)。
PDP1の分割方法について説明する。
図4Aは、分割処理前のPDP1を示す。図4Aに示すPDP1において、一点鎖線Aで示す部分を切断処理する。一点鎖線Aは、封着部27の表示領域1a側(以下、「内面」と称す)に対して略平行な線である。PDP1の切断方法としては、カッターホイール、ダイヤモンドカッター、ウォータージェット、通電したワイヤーなどをガラス基板に接触させて切断する方法や、レーザー光をガラス基板に照射して発熱させて切断する方法などがある。図4B及び図4Cは、切断処理後のPDP1を示す。図4Cは、図4BにおけるY−Y部分の断面である。図4B及び図4Cに示すように、PDP1は、図3におけるS1において、第1領域部材31と第2領域部材32a,32b,32c,32dとに分割される。図4Bに示すように、第1領域部材31は、封着部27の内側の部分に相当する。また、図4Bに示すように、第2領域部材32a,32b,32c,32dは、第1領域部材31の周囲の部材であり、封着部27を含んでいる。第1領域部材31は、前面板10の前面ガラス基板11に前面板表示部材18を含む前面板第1領域部材33と、背面板20の背面ガラス基板21に背面板表示部材28を含む背面板第1領域部材34とに分割することができる。また、第2領域部材32a,32b,32c,32dには、前面ガラス基板11や背面ガラス基板21の封着部27に付着した封着部材に含まれる封着ガラスや、前面板10や背面板20の端部に形成された電極端子部材などが含まれている。
〔2−1.表示部材の剥離除去方法〕
次に、前面板第1領域部材33から前面板表示部材18を剥離除去する方法、および背面板第1領域部材34から背面板表示部材28を剥離除去する方法について説明する。
図5は、実施の形態1における付着物除去装置の概要を示す。付着物除去装置は、主にブラスト装置41と搬送部42とで構成されている。ブラスト装置41は、所定の粒度を有するガラス破砕片40を高速で吐出することができる。ブラスト装置41は、ガラス破砕片40などの研削材を供給する供給装置(図示せず)と、ガラス破砕片40などの研削材をブラストノズル43から高速で吐出させる空気加圧装置(図示せず)とを備えている。搬送部42は、前面板第1領域部材33または背面板第1領域部材34を載置して、矢印Bに示す方向へ搬送することができる。なお、図5では、前面板第1領域部材33が搬送部42に載置されている状態を示し、搬送部42に、前面板第1領域部材33が載置された場合を例に挙げている。
まず、搬送部42に、前面板表示部材18が形成された前面ガラス基板11を、前面板表示部材18側を上面にして載置する。
次に、ブラスト装置41は、ブラストノズル43から前面板表示部材18の表面に向けて、前述の第2領域部材32a,32b,32c,32dを破砕して作製したガラス破砕片40を、矢印Cに示す方向に高速で噴出させる。ブラストノズル43から噴出されたガラス破砕片40は、前面板表示部材18に衝突し、その時の衝撃力により前面板表示部材18を第1領域部材31から剥離除去することができる。この時、ブラストノズル43から噴出されるガラス破砕片40の前面板表示部材18に対する衝撃力は、少なくとも前面板表示部材18を第1領域部材31から剥離除去可能な力であればよい。なお、搬送部42を矢印Bに示す方向へ移動させながら、ブラストノズル43を揺動させて噴射方向を変動させることによって、前面板表示部材18の全領域にわたってガラス破砕片40を衝突させるとともに、衝突角度を制御する。
本実施の形態では、ガラス破砕片40は、第2領域部材32a,32b,32c,32dを破砕して作製したガラス破砕片を用いている。前述のように第2領域部材32a,32b,32c,32dは、その主成分が前面ガラス基板11および背面ガラス基板21のガラスが封着材27で封着されているために、例えば前面板表示部材18の誘電体層16を構成する材料の硬度と同等、もしくはそれ以上の硬度を有している。第2領域部材32a,32b,32c,32dの硬度を前面板表示部材18の硬度以上とすることで、ブラストノズル43の噴出力を上げなくても前面板表示部材18に対する衝撃力を上げることができる。したがって、ブラスト装置41の操作条件や、ブラストノズル43と前面板表示部材18との距離などによってガラス破砕片40の衝突スピードや衝突角度を制御するとともに、ガラス破砕片40の粒度分布を制御することによって、前面ガラス基板11に形成されている前面板表示部材18を精度良く剥離除去することが可能となる。
以上のように剥離除去処理を行うことで、板状の第1領域部材31から前面板表示部材18などの付着物を剥離除去することができ、第1領域部材31の構成材料である前面ガラス基板11だけを回収することができる。なお、上述したように、ガラス破砕片は前面ガラス基板11と同一ガラス成分であるため、回収した前面ガラス基板11を再溶融する前にガラス破砕片を前面ガラス基板11から除去する必要がない。このため、回収した前面ガラス基板11を再溶融して再利用する際などに、ガラス基板の扱いが容易となり、再生利用効率を向上させることが可能となる。
なお、上述の説明では、前面板第1領域部材33における前面板表示部材18の剥離除去方法について述べたが、背面板第1領域部材34を対象とする場合も、同様の方法により背面板表示部材28を効率的に精度良く剥離除去することが可能である。
〔3.実施の形態の効果、他〕
本実施の形態によれば、第2領域部材32a,32b,32c,32dを破砕してガラス破砕片40を形成し、そのガラス破砕片40を第1領域部材31に衝突させて表示部材などの付着物を除去する構成としたことにより、PDP1を構成する部材のみで剥離除去処理を行うため、低コストで付着物の剥離除去を行うことができる。
また、表示部材を剥離除去するのに、砥石などの機械的な研削手段を用いないため、研削手段を用意するためのコストや、研削手段を管理(砥石の定期的なメンテナンスなど)するためのコストが不要となり、研削コストを削減することができる。
また、本実施の形態では、材料の回収処理の過程でPDP1を構成する物質だけが使用され、他の物質が混入することがないため、回収材料の品質維持が容易である。
また、本実施の形態では、ガラス基板の付着物の除去は、溶液などを用いない乾式処理であるため、工程管理を容易にすることができる。すなわち、ガラス基板や剥離除去装置の洗浄などが不要であるため、工程管理を容易にすることができる。
なお、剥離除去処理(図3のS3)の後に金属を回収する工程を追加してもよい。金属回収工程を追加することにより、ガラス基板から剥離除去した表示部材に含まれる金属材料などを、効率的に回収することが可能となる。
また、ガラス破砕片を作製(図3のS2)した後に、作製したガラス破砕片40を篩いにかけて、所定の粒度分布を有する粒度に揃える構成としてもよい。このようにガラス破砕片40の粒度を揃えることで、剥離除去処理の際、前面ガラス基板11または背面ガラス基板21に対する衝撃力を面方向に均一にすることができ、表示部材などの付着物をムラなく剥離除去することができる。
また、本実施の形態では、図5に示すように前面ガラス基板11を搬送部42上に直接載置したが、搬送部42と前面ガラス基板11との間に保持板を配してもよい。保持板を配することで、前面ガラス基板11と搬送部42との相対位置を一定にすることができ、剥離除去処理の際に表示部材をムラなく剥離除去することができる。また、前面ガラス基板11を真空吸着などによって固定保持してもよい。前面ガラス基板11を固定保持することで、前面ガラス基板11と搬送部42との相対位置を一定にすることができ、剥離除去処理の際に表示部材をムラなく剥離除去することができる。
また、背面板表示部材28を剥離除去する際、ガラス破砕片40の衝突による剥離除去処理の前に、蛍光体層25を剥離除去する工程を加えてもよい。蛍光体層25は、他の層に比べて比較的付着力が弱いため、前述したようなガラス破砕片40の衝突による剥離除去の前に、背面板表示部材28に対してエアーブロー処理や弱いブラスト処理などを行うことで、蛍光体材料のみを分別回収することができる。
また、本実施の形態では、走査電極12、維持電極13、遮光層15、誘電体層16、保護層17から構成された前面板表示部材18と、アドレス電極22、下地誘電体層23、隔壁24、蛍光体層25から構成された背面板表示部材28とを一例として挙げて説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、例えば新たに別の膜を付加した構成にも適用可能である。
(実施の形態2)
〔1.材料回収方法〕
図6は、実施の形態2におけるPDPの材料回収方法を示すフローチャートである。なお、実施の形態2において、PDP1の構成や、付着物除去装置の構成は、実施の形態1と同一であるため、詳細な説明は省略する。実施の形態1と実施の形態2とで異なる点は、材料回収方法のフローである。
実施の形態2は、前面ガラス基板や背面ガラス基板に破損または割れが発生しているPDPに好適な材料回収方法である。すなわち、製品寿命などによって使用者から回収されたPDPは、その取り扱い過程または搬送過程において、前面ガラス基板及び背面ガラス基板に破損または割れが発生する場合がある。実施の形態2の材料回収方法は、破損または割れが発生している前面ガラス基板及び背面ガラス基板から、高品質なガラス材料を低コストに回収することができる方法である。
まず、PDP1を分割する(S11)。PDP1は、前述したように前面板10と背面板20とが、その外周部において封着部27によって封着されているため、前面板10と背面板20とを分離することが必要となる。S11の工程では、PDP1を所定の位置で切断し、前面板第1領域部材33、背面板第1領域部材34,第2領域部材32a,32b,32c,32dの6つの部材に分割する。具体的な分割方法は、図3におけるS1と同様であるため、詳しい説明は省略する。
次に、第2領域部材32a,32b,32c,32dを粉砕機で粉砕して、ガラス破砕片を作製する(S12)。具体的な作製方法は、図3におけるS2の工程と同様であるため、詳しい説明は省略する。
一方、S11の工程で分割処理されて得られた前面板第1領域部材33と背面板第1領域部材34は、破砕機により破砕または切断機により切断(以下、本実施形態では破砕と称す)され、ガラス基板破砕片が作製される(S13)。すなわち、PDP1の分割処理(S11)よりも前に、既に前面ガラス基板11や背面ガラス基板12が割れていた場合、その割れの程度によっては、ガラス面へのブラスト処理が適用できない場合がある。本実施の形態では、PDP1の分割前に既に前面ガラス基板11や背面ガラス基板12に割れなどが生じている場合は、S11の工程で分割された前面板第1領域部材33と背面板第1領域部材34とを、ガラス基板と表示部材とを含めて破砕し、ガラス基板破砕片を作製する。なお、ガラス基板破砕片は、例えば数mm程度の粒径を有する。
次に、S12の工程で作製したガラス破砕片とS13の工程で作製したガラス基板破砕片とを、互いに機械的に衝突させて、ガラス基板破砕片に付着している前面板表示部材18及び背面板表示部材28を剥離除去する(S14)。なお、S14の工程は、例えば実施の形態1で説明したような付着物除去装置を用いることができる。すなわち、ガラス破砕片(S12の工程において作製)を、付着物除去装置のブラスト装置でガラス基板破砕片(S13の工程において作製)に向かって高速噴射してガラス基板破砕片に衝突させ、ガラス基板破砕片に付着している表示部材を剥離除去する。
次に、S14の工程でガラス基板破砕片から前面板表示部材18や背面板表示部材28を剥離除去される過程で発生した誘電体層16や下地誘電体層23等のガラス破砕片や金属破砕片の粉体と、ガラス基板破砕片とを回収し、破砕片/粉体分別を行う(S15)。この破砕片/粉体分別工程で分別された粉体は、回収したガラス破砕片及び金属破砕片を比重選別方法や静電分離方法などを用いて、無機粉体と金属粉体とに粉体分別工程で分別する(S16)。無機粉体には、前面ガラス基板11や背面ガラス基板21のガラス破砕片と、誘電体層16,下地誘電体層23,および隔壁24などに含まれるガラス成分とが含まれる。また、金属粉体は、主として走査電極12,維持電極13,およびアドレス電極22などに含まれる銀,錫,あるいはインジウムなどである。
次に、S16の工程で分別された無機粉体に含まれるガラス成分は、ガラス基板用や誘電体用などにさらに分別することで、ガラス成分材料として再利用することが可能となる(S17)。
また、S16の工程で分別された金属粉体は、電気分解手法などを用いて貴金属を回収し、回収した貴金属を再利用することができる(S18)。
さらに、S15の破砕片/粉体分別工程で分別されたガラス基板破砕片は、付着物が除去されているので純ガラス基板破砕片であり、純ガラス基板として回収され溶融等により再利用することができる(S19)。
〔2.実施の形態の効果、他〕
以上のように実施の形態2における材料回収方法によれば、取り扱い過程、搬送過程などにおいて前面ガラス基板や背面ガラス基板が割れたPDPの材料回収を、効率的に行うことができる。
また、ガラス基板破砕片から表示部材を剥離除去する工程(S14)では、第2領域部材34から作製されたガラス破砕片を用いて表示部材を剥離除去するため、PDP1を構成する物質だけが使用されて他の物質が混入することがなく、回収材料の品質管理が容易である。
また、本実施の形態における材料回収方法は、全ての工程において溶液などを用いない乾式処理であるため、溶液の洗浄工程などが不要であり、工程管理を容易にすることができる。
なお、S13の工程で作製されるガラス基板破砕片の大きさは、PDP1の前面ガラス基板11と背面ガラス基板21の割れの程度に応じて任意に設定することが好ましい。
また、本実施の形態は、前面板第1領域部材33と背面板第1領域部材34とに基づいてガラス基板破砕片を作製しているが、前面板第1領域部材33と背面板第1領域部材34との各々に基づいてガラス基板破砕片を作製してもよい。このように作製することで、前面板第1領域部材33に付着している前面板表示部材18と、背面板第1領域部材34に付着している背面板表示部材28とで付着力が異なっていたとしても、ガラス材料の収率を高くすることができる。
なお、前面ガラス基板11や背面ガラス基板21に破損または割れが発生している場合について説明したが、本実施の形態を前面ガラス基板11及び背面ガラス基板21に破損または割れがない場合であっても適用することができる。
(実施の形態3)
〔1.材料回収方法〕
次に、本発明の実施の形態3における材料回収方法について説明する。なお、本実施の形態において、PDP1の構成については、前述の実施の形態1において説明したものと同様であるため、詳しい説明は省略する。
実施の形態3は、製造工程で不良になったPDPや製品寿命を迎えた使用済みのPDPなどに含まれる前面ガラス基板11および背面ガラス基板21から、表示電極15やアドレス電極22などの電極、および誘電体層16、下地誘電体層22、蛍光体層25などの付着物を剥離除去し、材料を回収する方法に関する。また、本実施の形態は、PDP1に含まれる前面ガラス基板11及び背面ガラス基板21に破損や割れなどが生じていない場合における、材料回収方法に関する。以下、図7を参照して、本実施の形態における材料回収方法の流れについて説明する。
図7に示すように、まず、PDP1を分割する(S20)。PDP1は、前述したように前面板10と背面板20とが、その外周部において封着部27によって封着されているため、前面板10と背面板20とを分離することが必要となる。S20の工程では、PDP1を図4Aに示す一点鎖線Aの部分で切断し、図4Bに示すように前面板第1領域部材33、背面板第1領域部材34,第2領域部材32a,32b,32c,32dの6つの部材に分割する。具体的な分割方法は、図6におけるS11と同様であるため、詳しい説明は省略する。
次に、第2領域部材32a,32b,32c,32dを粉砕機で粉砕して、ガラス粉末を作製する(S21)。具体的な作製方法は、図6におけるS12の工程と同様であるため、詳しい説明は省略する。
一方、S20の工程において分割処理されて得られた前面板第1領域部材33と背面板第1領域部材34とを破砕機により破砕または切断機により切断し(以下、本実施形態では破砕と称す)、数十cmのサイズのガラス基板破砕片を作製する(S22)。このようにして得られた第1領域部材31のガラス基板破砕片には、片面に表示電極14、誘電体層16、保護層17、下地誘電体層23、隔壁24、アドレス電極22および蛍光体層が付着形成されている。このガラス基板破砕工程S22は、破損や割れが発生していないガラス基板を破砕することにより、後述する移送、配列工程S23及び付着物剥離除去工程S24の装置を小型化できるメリットがある。具体的なガラス基板破砕片の作製方法は、図6におけるS13の工程と同様であるため、詳しい説明は省略する。
次に、ガラス基板破砕工程S22において作製されたガラス基板破砕片を、付着物除去装置における所定位置に移送し、配列する(S23)。
次に、所定位置に配列されたガラス基板破砕片に対して、S21のガラス粉末作製工程において作製されたガラス粉末を噴射及び衝突させる。これにより、ガラス基板破砕片に付着している表示部材などの付着物を剥離除去する(S24)。
次に、S24の付着物剥離除去工程で剥離除去される過程で発生したガラス破砕片や金属破砕片の粉体と、付着物が除去されたガラス基板破砕片とを回収し、ガラス破砕片と粉体(無機粉体と金属粉体)とに破砕片/粉体分別を行う(S25)。具体的な分別方法については、図6のS15の工程と同様であるため、詳しい説明は省略する。
次に、S25の破砕片/粉体分別工程で分別された前面ガラス基板11または背面ガラス基板21のガラス基板破砕片は、純粋なガラス成分のみを含み、再溶融して容易に再利用することができる(S27)。
また、粉体分別工程S26で粉体として分別された誘電体層16や下地誘電体層23などに含まれるガラス成分である無機粉体は、誘電体用などに再利用することができる(S28)。
また、粉体分別工程S26で分別された金属粉体は、電気分解方法などを用いて貴金属を回収し、再利用することができる(S29)。
〔2.付着物除去方法〕
次に、S23及びS24の工程における動作について詳しく説明する。
図8は、本実施の形態における付着物除去装置の構成を示す。図8に示すように、付着物除去装置は、投入部51、傾斜部52、搬送部53、電磁振動子54、導入部55、傾斜部56、傾斜部57、電磁振動子58、規制部59、可動弁60、収納部61、ブラストノズル62、開口部61aおよび61b、可動弁64、および容器65を備えている。
投入部51は、ガラス基板破砕片50aを本装置内へ投入する部分である。ここで、ガラス基板破砕片50aは、図7のS22において作製されたガラス基板破砕片である。
傾斜部52は、投入部51の後段に配されている。傾斜部52は、ガラス基板破砕片50aを搬送部53側へスライド可能な傾斜面52aを備えている。
搬送部53は、ガラス基板破砕片50aを載置可能なベルト53aと、ベルト53aが巻き回されモータなどの駆動手段により回転駆動される4本の駆動軸53bとを備えている。なお、ベルト53aは、移送中のガラス基板破砕片50aがベルト53aから落下しないように、幅方向端部に側壁(不図示)を設けることが好ましい。
電磁振動子54は、ベルト53aにおけるガラス基板破砕片50aを載置する面の裏面側に配されている。電磁振動子54は、通電することで振動するように構成されている。電磁振動子54を振動させることで、ベルト53aを振動させることができる。
導入部55は、搬送部53の後段に配されている。また、導入部55は、所定の空隙を挟んで傾斜部56に対向配置されている。導入部55と傾斜部56との間の空隙は、ガラス基板破砕片50aの厚さの1.5倍以上2倍未満の寸法を有している。そのため、導入部55と傾斜部56との間は、1枚分のガラス基板破砕片50aのみが通過可能である。また、導入部55の搬送部53側の端部には、複数枚重なったガラス基板破砕片50aが後段へ移送されるのを規制する規制面55aが形成されている。
傾斜部56は、導入部55の下部に配されている。傾斜部56は、搬送部53を出たガラス基板破砕片50aを後段の傾斜部57側へスライド可能なように傾斜面を備えている。
傾斜部57は、傾斜部56の後段に配されている。傾斜部57は、導入部55と傾斜部56との間を通過したガラス基板破砕片50aを、後段の収納部61側へスライド可能なように傾斜面を備えている。
電磁振動子58は、傾斜部57の下部に配されている。電磁振動子58は、通電することにより傾斜部57を振動させるように構成されている。
規制部59は、傾斜部57上を通過したガラス基板破砕片50aを収納部61側へ案内し、移送経路外へ脱落するのを防ぐために配されている。
可動弁60は、収納部61の上部の開口部を開閉可能なように配されている。また、可動弁60は、収納部61内に所定量のガラス基板破砕片50aが収容された時に、収納部61の上部の開口部を塞ぎ、所定量よりも多いガラス基板破砕片50aが収納部61内に入るのを防ぐためのものである。
収納部61(収納体)は、内部に所定量のガラス基板破砕片50aを収容可能な空間を備え、上部と下部に開口部61a及び61bを備えている。図11Aは、収納部61をブラストノズル62側から見た図である。図11Bは、図11AにおけるX−X部分の断面である。収納部61は、側面に多数の貫通孔から構成される開口部63が形成された板状のパンチングメタル68(第1の板体、第2の板体)を、2枚互いに対向配置させて構成されている。パンチングメタル68は、上端及び下端においてホルダー67に固定されている。また、パンチングメタル68の内面間の幅Tは、少なくともガラス基板破砕片50aの1枚分の厚さ以上(1.5枚分の厚さ以上が好ましい)で2枚分の厚さ未満の寸法を有している。したがって、開口部61aを介して収納部61に挿入されたガラス基板破砕片50aは、収納部61の下端側(開口部61b側)へ向かって自由落下することができる。
ブラストノズル62は、収納部61に形成されている開口部63に対向する位置に配され、ガラス粉末などから構成される研削材を収納部61に向かって噴出可能に配されている。本実施の形態では、研削材は、第2領域部材32を粉砕機にかけて粉砕した、数十μmから数千μmの粒径を有するガラス粉末66を用いている。このガラス粉末66は主成分がガラスであって、研削材としての硬度条件を満たすとともに、回収されるガラス基板への不純物汚染を引き起こさない。また、ブラストノズル62は、収納部61内に位置しているガラス基板破砕片50aの表裏に研削材を噴射可能なように、収納部61における開口部63が形成された側面に対向する位置に配されている。図10は、ブラストノズル62の一構成を示す。図10に示すように、ブラストノズル62は、ケース62a内にブラスト材(本実施の形態ではガラス粉末66)を噴出する第1のノズル62bと、圧縮空気を噴出する第2のノズル62cとを備えている。第1のノズル62bには、粉砕機(不図示)で作製されたガラス粉末66が供給されている。第1のノズル62bから噴出されたガラス粉末66は、第2のノズル62cから高速噴出される圧縮空気によって、ケース62aに形成された開口部62dを介して、外部へ高速噴出することができる。なお、図10ではブラスト材を噴出する第1のノズル62bと圧縮空気を噴出する第2のノズル62cとを含む2ノズルの形態であるが、圧縮空気中にブラスト材を噴出する1ノズルの形態であってもよい。
開口部63は、収納部61における対向する2側面にそれぞれ形成されている。開口部63は、少なくともブラストノズル62から噴出されるガラス粉末66の粒径よりも大きく、ガラス基板破砕片50aのサイズよりも小さく形成されている。したがって、開口部63は、ガラス粉末66は通すが、ガラス基板破砕片50aは通さない大きさに形成されている。
可動弁64は、収納部61の下部の開口部61bを開閉可能に配されている。可動弁64は、収納部61内にガラス基板破砕片50aを挿入する時、および収納部61内に収容されているガラス基板破砕片50aに対してブラスト処理を行っている時は、開口部61bを閉塞する。また、可動弁64は、収納部61からガラス基板破砕片50aを排出する時は、開口部61bを開放する。
容器65は、収納部61中の両側からブラストノズル62により、ガラス基板破砕片50bから前面板表示部材18及び背面板表示部材28を除去した後、排出されたガラス基板破砕片50bを収容することができる。
以下、動作について説明する。なお、以下の説明において、ガラス基板破砕片50aは、表示部材が付着しているガラス基板破砕片であり、ガラス基板破砕片50bは、前面板表示部材18及び背面板表示部材28(以下、両者を表示部材と総称する)が剥離除去された純ガラス基板破砕片である。
ガラス基板破砕片50aに付着した表示部材などの付着物を除去する際は、まず、投入部51にガラス基板破砕片50aを投入する。ガラス基板破砕片50aは、傾斜部52の傾斜面52aをスライドし、搬送部53のベルト53aの上に載置される。ベルト53aは矢印Eに示す方向へ駆動されているため、ガラス基板破砕片50aは矢印Dに示す方向へ移送される。ここで、電磁振動子54に通電を行い振動させることにより、その振動がベルト53aに伝達される。ベルト53aが振動することにより、ベルト53a上に載置されているガラス基板破砕片50aが複数枚重なっている場合に、ガラス基板破砕片50a上に載置されている他のガラス基板破砕片50aを、ベルト53a上に落下させることができる。これにより、単層移送が可能になる。
次に、ガラス基板破砕片50aは、導入部55と傾斜部56との間をスライドし、傾斜部57上に移動する。ここで、導入部55と傾斜部56との間隙は、ガラス基板破砕片50aの1枚分の厚さの1.5倍以上2倍未満の寸法となっているため、導入部55と傾斜部56との間は1枚のガラス基板破砕片50aのみ通過することができる。仮に、複数枚のガラス基板破砕片50aが重なっていた場合は、ガラス基板破砕片50aの上に載置された他のガラス基板破砕片50aが規制面55aに当接し、ベルト53a上に落下するように構成されている。すなわち、規制部55は、ガラス基板破砕片50aを単層状態で移送するために配されている。また、傾斜部57の下部に配された電磁振動子58に通電を行い振動させることで、傾斜部57を振動させることができ、これにより、傾斜部57上に位置しているガラス基板破砕片50aを収納部61側へスムーズに移送させることができる。
次に、ガラス基板破砕片50aは、規制部59において移送方向が規制されながら、収納部61の内部へ挿入される。この時、ガラス基板破砕片50aは、可動弁60が開いているため、開口部61aを介して収納部61内へ移動する。収納部61は、略垂直に立設されているため、ガラス基板破砕片50aは収納部61内を鉛直方向に自由落下する。収納部61の下端に形成された開口部61bは、可動弁64によって閉じられているため、収納部61内を落下したガラス基板破砕片50aは可動弁64に当接して停止する。収納部61内には、複数枚のガラス基板破砕片50aを鉛直方向に積層して収容可能である。収納部61に、所定量のガラス基板破砕片50aが収容されれば、可動弁60を閉じて、収納部61にガラス基板破砕片50aが挿入されるのを禁止する。
次に、ブラスト装置を動作させ、ブラストノズル62からガラス粉末66を噴出させる。ブラストノズル62から噴出されたガラス粉末66は、パンチングメタル68の開口部63を介して、収納部61内に位置しているガラス基板破砕片50aに衝突する。この時、ガラス粉末66は、ブラストノズル62から高速噴出されているため、ガラス基板破砕片50aに高い衝撃力を伴って衝突する。ガラス基板破砕片50aにガラス粉末66を衝突させることにより、その衝撃力によってガラス基板破砕片50aに付着している付着物を剥離除去することができる。なお、図示したように、ブラストノズル62は、収納部61の対向する2面側からガラス粉末を噴射しているため、ガラス基板破砕片50aの表裏に同時にガラス粉末を衝突させることができ、ガラス基板破砕片50aの表裏に付着した表示部材を剥離除去することができる。上記のようなブラスト処理を所定時間行うことで、表示部材が除去されたガラス基板破砕片50bを得ることができる。
また、ブラスト処理の際、揺動機構(不図示)によって収納部61を垂直方向あるいは水平方向へ揺動させている。ブラスト処理の際にガラス基板破砕片50aを揺動させなかった場合、ガラス基板破砕片50aと開口部63との相対位置は変動しないため、ガラス基板破砕片50aにおける開口部63に対向する部分にはガラス粉末66を衝突させることができるが、ガラス基板破砕片50aにおいて開口部63が形成されていない部分に対向する部分にはガラス粉末66を衝突させることができない。これに対して本実施の形態のように、ブラスト処理の際にガラス基板破砕片50aを垂直方向へ揺動させることにより、ガラス基板破砕片50aと開口部63との相対位置を変動させることができるため、ガラス粉末66をムラなくガラス基板破砕片50aへ衝突させることができる。なお、揺動機構は、例えば電磁振動子54や58を適用することができる。
次に、可動弁64を開き、収納部61内に収容されているガラス基板破砕片50bを収納部61から排出する。排出されたガラス基板破砕片50bは、収納部61の下方に配された容器65に収容される。
次に、別のガラス基板破砕片50aをブラスト処理する場合は、可動弁64を閉じ、可動弁60を開いて、ガラス基板破砕片50aを収納部61内へ収容する。以降の動作は、上記と同様であるため、説明は省略する。
〔3.実施の形態の効果、他〕
本実施の形態によれば、表示パネルを構成する前面ガラス基板11または背面ガラス基板21のガラス基板破砕片50aから、付着物を剥離除去した純ガラス破砕片を回収することができる。回収された純ガラス破砕片は、純粋なガラス成分であるため、再溶融して容易に再利用できる。
また、本実施の形態によれば、ガラス基板の表面及び裏面の両面に対してブラスト処理を行うため、ガラス基板の両面に付着した表示部材などの付着物を同時に剥離除去できるので、効率よくガラス基板のみを回収することができる。すなわち、短時間で多くのガラス基板を回収することができる。
また、本実施の形態によれば、一対のパンチングメタル68における相互対向する面の間隔Tは、1枚分のガラス基板破砕片50aの厚さ以上(好ましくは1.5枚分の厚さ以上)で、その厚さの2倍未満である構成とすることで、収納部61内においてガラス基板破砕片50aが水平方向に重なることを防止することができる。よって、ブラスト処理の際に、確実にガラス基板破砕片50aに付着している付着物を剥離除去することができる。
なお、本実施の形態では、S21で作製したガラス粉末をブラスト処理用の粉末として用いているが、ブラスト処理用の粉末としてはこれに限らない。少なくとも、ブラスト処理を行う際にガラス基板破砕片に付着している付着物を除去することができる粉末であれば、S21で作製したガラス粉末以外の粉末を用いてもよい。また、ブラスト処理に用いる粉末の硬度は、高い方が効率よく付着物を除去することができるので好ましい。
また、ガラス基板破砕片50aを収納部61に収容する際に、収納部61を揺動させる構成としてもよい。これにより、ガラス基板破砕片50aが収納部61内を自由落下する際に、ガラス基板破砕片50aが落下途中で開口部63に引っ掛かった場合、揺動機構により収納部61を揺動させてガラス基板破砕片50aを所定の位置まで落下させることができる。また,パンチングメタル68の影となりブラスト処理ができない箇所にも、均一にブラスト処理を施すことができる。
また、収納部61は、図8に示すように鉛直方向に立設されている構成に限らず、傾斜して配置する構成としてもよい。図9は、収納部61を鉛直方向に対して傾斜して配置した構成を示す。このような構成とすることで、ガラス基板破砕片50aは、収納部61内を落下移動する際、パンチングメタル68の内面上をスライドしながら移動する。したがって、図8に示す構成に比べてガラス基板破砕片50aの落下速度が低いため、可動弁60及び64を開放状態にしたままで、ガラス基板破砕片50aを収納部61内において落下移動させながら連続的にブラスト処理を行うことができる。
図9に示す構成において、ガラス基板破砕片50aが収納部61内を落下移動する際、ガラス基板破砕片50aの角部が、パンチングメタル68に形成された開口部63に引っ掛かる可能性がある。すると、ガラス基板破砕片50aが、収納部61内の落下経路の途中で停止してしまうこととなり、連続的なブラスト処理が行えなくなる。本実施の形態では、収納部61に対して斜め上方から研削材を噴射するブラストノズル62aの噴射圧力よりも、収納部61に対して斜め下方から研削材を噴射するブラストノズル62bの噴射圧力を高くしている。これにより、ブラストノズル62bの噴射圧力により、ガラス基板破砕片50aが斜め上方に僅かに浮き上がりながら落下し、ガラス基板破砕片50aの角部が開口部63に引っ掛かることを防ぐことができる。したがって、ガラス基板破砕片50aが収納部61内の落下経路の途中で停止してしまうことがなくなり、連続的なブラスト処理を行うことができる。
なお、前面ガラス基板11及び背面ガラス基板21に破損や割れなどが生じていない場合について説明したが、前面ガラス基板11及び背面ガラス基板21に割れがある場合であっても適用することができる。
(実施の形態4)
〔1.材料回収方法〕
次に、本発明の実施の形態4における材料回収方法について説明する。なお、本実施の形態において、PDPの構成については、前述の実施の形態1において説明したものと同様であるため、詳しい説明は省略する。本実施の形態は、前述の実施の形態3と比べて、ガラス回収方法の工程が異なるのみである。
実施の形態4は、製造工程で不良になったPDPや製品寿命を迎えた使用済みのPDPなどに含まれる前面板10および背面板20から、表示電極15やアドレス電極22などの電極、および誘電体層16、下地誘電体層22、蛍光体層25などの付着物を剥離除去し、材料を回収する方法に関する。また、本実施の形態は、PDPに含まれる前面ガラス基板11及び背面ガラス基板21に破損や割れなどが生じている場合における、材料回収方法に関する。前面ガラス基板11及び背面ガラス基板21に破損や割れが生じたPDPの場合、封着部27の位置を特定することが困難であり、封着部27を含むガラス破砕片を選択的に除去する必要がある。以下、図12を参照して、本実施の形態における材料回収方法の流れについて説明する。
図12に示すように、まず、PDP1のガラス基板を破砕または切断(以下、本実施の形態では破砕と総称する)し、ガラス破砕片を作製する(S30)。具体的には、表示パネルを構成するガラス基板を、破砕機で数cmから数十cm程度の大きさに破砕する。図4Cに示す前面板第1領域部材33のガラス破砕片の片面には、表示電極14、誘電体層16および保護層17が付着している。また、背面板第1領域部材34のガラス基板破砕片の片面には、アドレス電極22、下地誘電体層23、隔壁24および蛍光体層25が付着している。また、第2領域部材32a,32b,32c,32dのガラス基板破砕片は、主に前面ガラス基板11と背面ガラス基板21が封着部27で接着されている。また、第2領域部材32a,32b,32c,32dの厚さは、第1領域部材31のガラス基板破砕片の厚さの倍以上である。
次に、S30の工程で作製したガラス基板破砕片を分別する(S31)。具体的には、図13に示す破砕片分別装置でガラス基板破砕片の厚さに基づいて、第1領域部材31におけるガラス基板破砕片である第1領域破砕片70aと、第2領域部材32a,32b,32c,32dにおけるガラス基板破砕片である第2領域破砕片70bとに分別する。なお、破砕片分別装置の詳しい構成及び動作については後述する。
次に、第2領域破砕片70bを粉砕機で粉砕し、ガラス粉末を作製する(S32)。
次に、第1領域破砕片70aを付着物除去装置における所定位置に移送し、配列する(S33)。
次に、所定位置に配列された第1領域破砕片70aに対して、S33の工程において作製されたガラス粉末を噴射及び衝突させ、第1領域破砕片70aに付着している表示部材などの付着物を除去する(S34)。
次に、S34の工程で付着物が剥離除去されたガラス基板破砕片、剥離除去される過程で発生したガラス破砕片や金属破砕片を回収し、ガラス基板破砕片と粉体(無機粉体及び金属粉体)とを分別する破砕片/粉体分別を行う(S35)。具体的な分別方法については、図6のS15と同様であるため、詳しい説明は省略する。
次に、S35の工程で分別された前面ガラス基板11または背面ガラス基板21のガラス基板破砕片は、純粋なガラス成分であるため、再溶融して容易に再利用することができる(S36)。
また、S35の工程で分別された粉体は、誘電体層16や下地誘電体層23などに含まれるガラス成分である無機粉体と表示電極14やアドレス電極22などに含まれる金属粉体とに粉体分別する(S37)。
この無機粉体は、誘電体用などに再利用することができ(S38)、金属粉体は、電気分解手法などを用いて貴金属を回収し、再利用することができる(S39)。
〔2.ガラス基板破砕片の分別方法〕
次に、S31の工程におけるガラス基板破砕片の分別方法について詳しく説明する。
図13A及び図13Bは、本実施の形態における破砕片分別装置の構成を示す。図13Bは、図13Aに示す破砕片分別装置を矢印Kに示す方向から見た図である。図13A及び図13Bに示すように、破砕片分別装置は、投入部71、傾斜部72、第1の搬送部73、第2の搬送部74、容器75、および電磁振動子76を備えている。
投入部71は、ガラス基板破砕片70を本装置内へ投入する部分である。ここで、ガラス基板破砕片70は、図12のS31において作製されたガラス基板破砕片である。
傾斜部72は、投入部71の後段に配され、ガラス基板破砕片70を第1の搬送部73側へ移送可能な傾斜面72aを備えている。
第1の搬送部73は、ガラス基板破砕片70を載置可能なベルト73aと、ベルト73aが巻き回されモータなどの駆動手段により回転駆動される4本の駆動軸73bとを備えている。なお、ベルト73aは、移送中のガラス基板破砕片70がベルト73aから落下しないように、幅方向端部に側壁(不図示)を設けることが好ましい。
第2の搬送部74は、表面に接着剤が塗布されたベルト74aと、ベルト74aが巻き回されモータなどの駆動手段により回転駆動される4本の駆動軸74bとを備えている。また、第2の搬送部74は、第1の搬送部73の上部に配され、その長手方向が第1の搬送部73の長手方向に対して略直交するように配されている。また、第1の搬送部73と第2の搬送部74との間隙寸法は、第1領域破砕片70a(1枚分のガラス基板破砕片)の厚さの1.5倍以上で、第2領域破砕片70b(2枚分のガラス基板破砕片)の厚さ未満に設定されている。したがって、第1領域破砕片70aは、第1の搬送部73で移送される際は、第2の搬送部74に接触することなく通過するが、第2領域破砕片70bは、第1の搬送部73で移送される際は、第2の搬送部74に接触する。
容器75は、第1の搬送部73及び第2の搬送部74で分別された第1領域破砕片70aのみを収容するものである。
電磁振動子76は、ベルト73aにおけるガラス基板破砕片70を載置する面の裏面側に配され、通電することでベルト73aを振動させるように構成されている。
以下、動作について説明する。
ガラス基板破砕片70を第1領域破砕片70aと第2領域破砕片70bとに分別する際は、まず、投入部71にガラス基板破砕片70を投入する。ガラス基板破砕片70は、傾斜部72の傾斜面72aをスライドし、第1の搬送部73のベルト73aの上に載置される。ベルト73aは矢印Gに示す方向へ駆動しているため、ガラス基板破砕片70は矢印Hに示す方向へ移送される。ここで、電磁振動子76に通電を行い振動させることにより、その振動がベルト73aに伝達される。ベルト73aを振動させることにより、複数枚重なった状態のガラス基板破砕片80を、1枚ずつ単層配置された状態へ移行させることができる。
ここで、ガラス基板破砕片70には第1領域破砕片70aと第2領域破砕片70bとが混在している。第1領域破砕片70aは、1枚分のガラス基板の厚さとなっているが、第2領域破砕片70bは、封着部27によって前面ガラス基板11と背面ガラス基板21とが接続された状態で破砕されるため、2枚分のガラス基板の厚さとなっている。このようなガラス基板破砕片70が第1の搬送部73で移送されると、第1領域破砕片70aは第2の搬送部74に接触することなく、容器75に収容されるが、第2領域破砕片70bは第2の搬送部74に接触する。第2の搬送部74のベルト74aには接着剤が塗布されているため、ベルト74aに接触した第2領域破砕片70bはベルト74aに接着する。図13Bに示すように、ベルト74aは矢印Lに示す方向に駆動しているため、ベルト74aに接着した第2領域破砕片70bは、第1の搬送部73から離間される。
このようにして第2の搬送部74で抽出した第2領域破砕片70bを、別途回収することにより、ガラス基板破砕片70を第1領域破砕片70aと第2領域破砕片70bとに分別することができる。
なお、本実施の形態では、ベルト73aとベルト74aとが互いに略直交するように第1の搬送部73と第2の搬送部74とを配置したが、図14に示すように、ベルト73aとベルト74aとが互いに略平行になるように第1の搬送部73と第2の搬送部74とを配置してもよい。
図14において、図13に示す構成と同様の構成については、同一番号を付与して詳しい説明は省略する。図14に示すように、第1の搬送部73と第2の搬送部74とを互いに平行になるように配置することにより、ベルト73aとベルト74aとが投影面上で重なる部分が多くなるため、確実に第2の搬送部74で第2領域破砕片70bを抽出することができる。
〔3.実施の形態の効果、他〕
以上のように本実施の形態によれば、PDP1に含まれる前面ガラス基板11及び背面ガラス基板21に破損や割れなどが生じている場合において、付着物除去処理の前にガラス基板破砕片70を第1領域破砕片70aと第2領域破砕片70bとに分別することにより、付着物を除去した純ガラス破砕片(第1領域破砕片70a)を効率よく回収することができる。
なお、本実施の形態では、接着剤が塗布されたベルト74aで第2領域破砕片70bを抽出する構成としたが、少なくとも第1の搬送部73で移送されているガラス基板破砕片70の中から第2領域破砕片70bを抽出することができれば、他の構成で実現してもよい。例えば、第2領域破砕片70bのみを真空吸着する構成などがある。
(実施の形態5)
〔1.材料回収方法〕
次に、本発明の実施の形態5における材料回収方法について説明する。なお、本実施の形態において、PDP1の構成については、前述の実施の形態1において説明したものと同様であるため、詳しい説明は省略する。
実施の形態5は、製造工程で不良になったPDPや製品寿命を迎えた使用済みのPDPなどに含まれる前面ガラス基板11および背面ガラス基板21から、表示電極15やアドレス電極22などの電極、および誘電体層16、下地誘電体層22、蛍光体層25などの付着物を剥離除去し、材料を回収する方法に関する。また、本実施の形態は、PDPに含まれる前面ガラス基板11及び背面ガラス基板21に破損や割れなどが生じている場合における、材料回収方法に関する。以下、図15を参照して、本実施の形態における材料回収方法の流れについて説明する。
図15に示すように、まず、PDP1の前面ガラス基板11及び背面ガラス基板21を破砕し、ガラス基板破砕片を作製する(S40)。具体的には、前面ガラス基板11及び背面ガラス基板21を、数cmから数十cm程度の大きさに破砕機で破砕または切断機で切断(以下、本実施の形態では両者を破砕と総称する)する。図4Cに示す前面板第1領域部材33のガラス基板破砕片の片面には、表示電極14、誘電体層16および保護層17が付着している。また、背面板第1領域部材34のガラス基板破砕片の片面には、アドレス電極22、下地誘電体層23、隔壁24および蛍光体層25が付着している。また、第2領域部材32a,32b,32c,32dのガラス基板破砕片は、主に前面ガラス基板11と背面ガラス基板21が封着部27で接着されているため、PDP1を分割すると、封着部27において接着された前面ガラス基板11と背面ガラス基板21とからなるガラス基板破砕片(封着部材付破砕片)と、前面ガラス基板11のガラス基板破砕片からなる第1のガラス基板破砕片と、背面ガラス基板21のガラス基板破砕片からなる第2のガラス基板破砕片とに分断される。なお、S40の工程では、封着部27に沿ってその内側でPDP1を分割し、さらに、封着部27の外側領域を排除した内側領域のみを適当なサイズに分割してもよい。また、封着部材付破砕片は、その厚さは前面ガラス基板11及び背面ガラス基板21の単独の厚さの2倍以上になっているが、封着部27の外側領域を排除した場合には、ほぼ厚さが揃ったガラス基板破砕片となっている。
次に、S40の工程で作製したガラス破砕片を分別する(S41)。具体的には、封着部材付破砕片と、第1のガラス基板破砕片及び第2のガラス基板破砕片とに分別する。分別方法は、例えば実施の形態4で説明したような、図13A及び図13Bに示す破砕片分別装置を用いて、ガラス基板破砕片の厚さに基づき分別することができる。
次に、第1のガラス基板破砕片に含まれる前面ガラス基板11、及び第2のガラス基板破砕片に含まれる背面ガラス基板21と、電極、誘電体層、蛍光体層などの付着物とを剥離除去する第1の剥離除去を行う(S42)。
次に、S42の第1の剥離除去工程で剥離除去される過程で発生したガラス破砕片や金属破砕片を回収し、ガラス基板破砕片と粉体(無機粉体及び金属粉体)とに分別する第1の分別処理を行う(S43)。第1の分別工程S43で分別したガラス基板破砕片(第1のガラス基板破砕片及び第2のガラス基板破砕片)を反転させた(S44)後、第1のガラス基板破砕片または第2のガラス基板破砕片に付着している付着物を剥離除去する第2の剥離除去を行い(S45)、ガラス基板破砕片と粉体とに分別する第2の分別処理を行う(S46)。第1の剥離除去工程、反転工程及び第2の剥離除去工程については、後述する。なお、第1の分別工程S42及び第2の分別工程S46の具体的な分別方法については、図6のS15と同様であるため、詳しい説明は省略する。
次に、S43の工程で分別された前面ガラス基板11または背面ガラス基板21のガラス破砕片は、純粋なガラス成分であるため、再溶融して容易に再利用することができる(S47)。
また、第2の分別工程S46で分別された粉体成分は、粉体分別工程(S48)において、誘電体層16や下地誘電体層23などに含まれるガラス成分である無機粉体と、表示電極14やアドレス電極22などに含まれる金属粉体とに分別される。粉体分別工程S48で分別された無機粉体は、誘電体用などに再利用することができる(S49)。また、粉体分別工程S46で分別された金属粉体は、電気分解手法などを用いて貴金属を回収し、再利用することができる(S50)。
〔2.付着物除去方法〕
次に、S41、S42、S44及びS46の工程における動作について詳しく説明する。
図16は、本実施の形態における付着物除去装置の構成を示す。図16に示すように、付着物除去装置は、投入部81、傾斜部82、電磁振動子83、第1の搬送部84、第1のブラストノズル85、第1のストッパー87、反転機構部88、第2のストッパー89、第2の搬送部90、第2のブラストノズル91、容器93を備えている。
投入部81は、ガラス基板破砕片80を本装置内へ投入する部分である。ここで、ガラス基板破砕片80は、図15の工程S41において作製された第1のガラス基板破砕片80aと第2のガラス基板破砕片80bであり、付着部材付破砕片は含まれない。
傾斜部82は、投入部81の後段に配され、ガラス基板破砕片80を第1の搬送部84側へ移送可能な傾斜面82aを備えている。
電磁振動子83は、傾斜部82に埋め込まれて配され、通電することで傾斜部82を振動させるように構成されている。傾斜部82を振動させることにより、複数枚重なった状態のガラス基板破砕片80を、1枚ずつ単層配置された状態へ移行させることができる。
第1の搬送部84は、傾斜部82の後段に配され、ガラス基板破砕片80を載置可能なベルト84aと、ベルト84aが巻き回されモータなどの駆動手段により回転駆動される4本の駆動軸84bとを備えている。なお、ベルト84aは、移送中のガラス基板破砕片80がベルト84aから落下しないように、幅方向端部に側壁(不図示)を設けることが好ましい。
第1のブラストノズル85は、第1の搬送部84の上部に配されている。また、第1のブラストノズル85は、ガラス粉末などから構成される研削材86を、ベルト84a上に載置されているガラス基板破砕片80に向かって噴出可能に配されている。本実施の形態では、研削材は、封着部材付破砕片を粉末化したガラス粉末や酸化物などを用いている。
第1のストッパー87は、第1の搬送部84の後段に配され、第1の搬送部84から反転機構部88へのガラス基板破砕片80の移送を規制することができる。具体的には、第1の搬送部84から反転機構部88へガラス基板破砕片80を移送する場合は、ガラス基板破砕片80の移送経路を開放し、反転機構部88へ所定量のガラス基板破砕片80が移送されればガラス基板破砕片80の移送経路を閉塞するように構成されている。
反転機構部88は、第1のストッパー87の後段に配され、矢印Pに示す方向に回転可能に配されている。具体的には、反転機構部88は、略中央に支軸を備え、その支軸を挟むようにして第1の板体88aと第2の板体88bとを備えている。第1の板体88aと第2の板体88bとは、互いにその主平面が略平行になるように配され、両者の間には少なくとも1枚のガラス基板破砕片80を内在可能な間隙(例えばガラス基板厚みの1.5枚分等)を備えている。また、第1の板体88aと第2の板体88bとは、別途設けられている駆動手段によって、互いに近づく方向および互いに離れる方向に移動可能である。反転機構部88内にガラス基板破砕片80を挿入する場合は、第1の板体88aと第2の板体88bとを互いに離れる方向に移動させ、反転機構部88内にガラス基板破砕片80を挿入した状態で回転駆動する場合は、第1の板体88aと第2の板体88bとを互いに近づく方向へ移動させて、第1の板体88aと第2の板体88bとでガラス基板破砕片80を挟持するように構成されている。また、反転機構部88は、図16に示すように第1の搬送部84側が高くなり、第2の搬送部80側が低くなるように、傾斜した状態を基準状態としている。反転機構部88が基準状態の時に、第2のストッパー89が反転機構部88の第2の搬送部90側の開口部を閉塞することで、第1の搬送部84から移送されるガラス基板破砕片80を反転機構部88内にスライドさせて挿入することができる。また、反転機構部88が基準状態の時に、第2のストッパー89が反転機構部88の第2の搬送部90側の開口部を開放することで、反転機構部88が傾斜しているため、反転機構部88内のガラス基板破砕片80を第2の搬送部90側へスライドさせて移送させることができる。
第2のストッパー89は、反転機構部89における第2の搬送部90側の端部に配され、反転機構部89における第2の搬送部90側の開口部を開閉可能に配されている。
第2の搬送部90は、反転機構部88の後段に配され、ガラス基板破砕片80を載置可能なベルト90aと、ベルト90aが巻き回されモータなどの駆動手段により回転駆動される4本の駆動軸90bとを備えている。なお、ベルト90aは、移送中のガラス基板破砕片80がベルト90aから落下しないように、幅方向端部に側壁(不図示)を設けることが好ましい。また、第2の搬送部90は、第1の搬送部84に対して、鉛直方向に低い位置に配されている。これにより、反転機構部88内に位置しているガラス基板破砕片80を、傾斜した第1の板体88aまたは第2の板体88b上をスライドさせて、容易に第2の搬送部90へ移送させることができる。
第2のスブラストノズル91は、第2の搬送部90の上部に配されている。また、第2のブラストノズル91は、ガラス粉末などから構成される研削材92を、ベルト90a上に載置されているガラス基板破砕片80に向かって噴出可能に配されている。本実施の形態では、研削材は、封着部材付破砕片を粉末化したガラス粉末や酸化物などを用いている。
容器93は、第2の搬送部90から排出されたガラス基板破砕片80を収容することができる。
以下、図16及び図17を参照して、付着物除去動作について説明する。
ガラス基板破砕片80に付着した表示部材などの付着物を除去する際は、まず、ガラス基板破砕片80を、矢印Mに示すように投入部81に投入する(S51)。ガラス基板破砕片80は、傾斜部82の傾斜面82aに沿って落下し、第1の搬送部84のベルト84aの上に載置される。この時、傾斜部82は電磁振動子83によって振動されることにより、複数枚重なった状態のガラス基板破砕片80を、1枚ずつ縦列配置された状態へ移行させることができる(S52)。
ベルト84aは、矢印Nに示す方向へ駆動しているため、ガラス基板破砕片50aは矢印Mに示す方向へ移送される(S53)。ここで、第1の搬送部84に移送されたガラス基板破砕片80は、付着物が付着している面が、必ずしも同一方向を向いているとは限らない。例えば、図16に示す例ではガラス基板破砕片80aは付着物が付着している面が上方(第1のブラストノズル85側)を向いており、ガラス基板破砕片80bは付着物が付着している面が下方(ベルト84a側)を向いている。図16では、ガラス基板破砕片80に付着している付着物を、太線で描画した。
次に、ブラスト装置を動作させ、第1のブラストノズル85から研削材86を噴出させる(S54)。第1のブラストノズル85から噴出された研削材86は、ベルト84a上に位置しているガラス基板破砕片80に衝突する。この時、研削材86は、第1のブラストノズル85から高速噴出されているため、ガラス基板破砕片80に高い衝撃力を伴って衝突する。ガラス基板破砕片80に研削材86を衝突させることにより、その衝撃力によってガラス基板破砕片80に付着している付着物を剥離除去することができる。なお、第1のブラストノズル85は、ベルト84a上に位置しているガラス基板破砕片80の一方の主平面のみに研削材86を衝突させることができるため、付着物が付着した面が上方を向いているガラス基板破砕片80aに対してのみ、付着物を剥離除去することができる。
次に、第1の搬送部84によって移送されるガラス基板破砕片80は、反転機構部88に挿入される(S55)。この時、第1のストッパー87は開き、第2のストッパー89は閉じている。また、反転機構部88は、図16に示すように傾斜した状態になっているため、ガラス基板破砕片80が第1の板体88aまたは第2の板体88bに沿って落下し、閉塞状態にある第2のストッパー89に当接する。第1の板体88aと第2の板体88bとの間隙は、1枚のガラス基板破砕片80の厚さの1.5倍以上2倍未満となっているため、ガラス基板破砕片80はスムーズにスライド移動するとともに、反転機構部88内で複数枚のガラス基板破砕片80が重なることもない。
次に、反転機構部88内に所定量のガラス基板破砕片80が挿入されると、第1のストッパー87がガラス基板破砕片80の移送経路を塞ぎ、第1の搬送部84から排出されるガラス基板破砕片80が反転機構部88側へ移送されるのを禁止する(S56)。この時、ブラスト装置は動作を停止し、第1のブラストノズル85から研削材86が噴出されるのを停止する。
次に、反転機構部88は、第1の板体88aと第2の板体88bとを互いに近づく方向へ移動させる。第1の板体88a及び第2の板体88bは、ガラス基板破砕片80を挟持する(S57)。
次に、反転機構部88は、図16に示す状態から、別途設けられた駆動機構によって矢印Pに示す方向へ180度回転駆動される(S58)。したがって、第1の板体88aと第2の板体88bとは位置が置換した状態となり、反転機構部88内のガラス基板破砕片80は表裏反転した状態になる。反転機構部88は、反転後も傾斜した状態になっているため、内在しているガラス基板破砕片80が第2の搬送部90側へスライド移動する。反転機構部88から排出されたガラス基板破砕片80は、第2の搬送部90のベルト90aに載置される(S59)。ガラス基板破砕片80は、ベルト90aに載置された状態の時、ベルト84aに載置していた時に上方を向いていた面が下面となる。反転機構部88は、内在していたガラス基板破砕片80が全て排出されれば、矢印Qに示す方向へ180度回転されて、図16に示す基準状態に移行される。
次に、ガラス基板破砕片80は、矢印Rに示す方向に駆動しているベルト90aによって、矢印Mに示す方向に移送される。この時、ブラスト装置を動作させ、第2のブラストノズル91から研削材92を噴出させる(S60)。第2のブラストノズル91から噴出された研削材92は、ベルト90a上に位置しているガラス基板破砕片80に衝突する。この時、研削材92は、第2のブラストノズル91から高速噴出されているため、ガラス基板破砕片80に高い衝撃力を伴って衝突する。ガラス基板破砕片80に研削材92を衝突させることにより、その衝撃力によってガラス基板破砕片80に付着している付着物を剥離除去することができる。なお、第2のブラストノズル91は、ベルト90a上に位置しているガラス基板破砕片80の一方の主平面のみに研削材92を衝突させることができるため、付着物が付着した面が上方を向いているガラス基板破砕片80bに対してのみ、付着物を剥離除去することができる。第1のブラストノズル85または第2のブラストノズル91によって付着物が剥離除去されたガラス基板破砕片80を、ガラス基板破砕片80cとする。
次に、第2の搬送部90から排出されたガラス基板破砕片80cは、容器93に収容される(S61)。
以上のように、ガラス基板破砕片80の投入、第1の搬送部84における付着物剥離除去、反転機構部88による表裏反転、第2の搬送部90における剥離除去の処理を繰り返すことによって、生産性良く、ガラス基板破砕片80から付着物を剥離除去することができ、ガラス基板のみを回収することができる。回収されたガラス基板のみの純ガラス破砕片は、再溶融して容易に再利用することができる。
〔3.実施の形態の効果、他〕
廃棄するPDPは、その取り扱い過程または運送過程において、PDPを構成する前面ガラス基板や背面ガラス基板に破損や割れが発生する可能性がある。本発明の実施の形態における表面除去方法および表面除去装置によれば、材料回収処理よりも前に、既にPDP1に破損や割れがあったとしても、ガラス基板に付着している付着物を確実に除去することが可能となる。
また、本実施の形態によれば、ガラス基板破砕片の一方の面をブラスト処理し、ガラス基板破砕片を表裏反転し、ガラス基板破砕片の他方の面をブラスト処理する構成としたことにより、第1搬送部84にガラス基板破砕片80を載置する際に、ガラス基板破砕片80の主平面が全て同一方向を向いていなくても、確実に全てのガラス基板破砕片80の表裏をブラスト処理することができ、ガラス基板のみを効率的に回収することができる。
また、本実施の形態によれば、第1のブラスト85及び第2のブラストノズル91が互いに略同一方向を向くように配置したことにより、第1の搬送部84及び第2の搬送部90に載置するガラス基板破砕片80が不定形に破砕されたものであっても、基板表面に付着した付着物を確実に効率的に除去することができる。
また、本実施の形態によれば、第1の搬送部84と第2の搬送部90は、それぞれ異なる搬送部で構成したことにより、付着物の剥離除去を連続的に行うことができ、効率よく剥離除去処理を行うことができる。
なお、本実施の形態では、第1の板体88aと第2の板体88bとを移動可能な構成としたが、少なくとも反転機構部88内にガラス基板破砕片80を挿入可能で、かつ反転機構部88を回転させる際に内部に挿入されているガラス基板破砕片80が反転機構部88から脱落しないようにできる構成であればよい。例えば、反転機構部88における第1の搬送部84側の開口部と第2の搬送部90側の開口部とを開閉可能な機構を備え、反転機構部88内にガラス基板破砕片80を挿入する際に前記開口部を開き、反転機構部88を回転させている時は前記開口部を閉塞する構成が考えられる。
また、本実施の形態では、2つの搬送部(第1の搬送部84、第2の搬送部90)を備える構成としたが、1つの搬送部でも実現することができる。すなわち、単一の搬送部に載置したガラス基板破砕片の一方の面をブラスト処理した後、ガラス基板破砕片を表裏反転させ、ガラス基板破砕片を再び搬送部上に載置して他方の面をブラスト処理する構成である。このように構成することで、搬送部が1つになるため。設備投資にかかるコストを低減させることができる。
上記各実施の形態における説明では、PDPの場合を例に挙げて説明したが、LCDにおいても、同様にガラス基板に付着している付着物を効率的に除去することができる。すなわち、LCDも同様に、カラーフィルタ、偏光フィルタ、駆動用部材などを付着させた前面ガラス基板と、偏光フィルタ、駆動用部材などを付着させた背面ガラス基板とを対向配置している。したがって、LCDを適当なサイズに破砕し、前面板および背面板のガラス破砕片を同様の表面除去方法および表面除去装置によって、ガラス基板から付着物を効率的に剥離除去しガラス素材だけからなるガラス破砕片を得ることができる。
また、PDP分割工程であるS1,S11,S20,S40は、工程Aの一例である。ガラス破砕片(ガラス粉末)の作製工程であるS2,S12,S21,S32は、工程Bの一例である。剥離除去工程であるS3,S14,S24,S34,S42,S45は、工程Cの一例である。ガラス基板破砕片の作製工程であるS13,S22,S30は、工程Dの一例である。剥離除去処理後の材料から無機粉体と金属粉体とを分別する工程(粉体分別工程)であるS4,S15,S16,S25,S26,S35,S37,S43,S48と、無機粉体を回収再利用する工程であるS5,S17,S28,S38,S49と、貴金属を回収する工程であるS6,S18,S29,S39,S50とは、工程Eの一例である。収納部61にガラス基板破砕片50aを挿入する工程は、工程Fの一例である。収納部61内のガラス基板破砕片50aに対してブラスト処理を行う工程は、工程Gの一例である。第1の搬送部84へガラス基板破砕片80を載置する工程であるS52及びS53は、工程Hの一例である。第1の搬送部84上のガラス基板破砕片80にブラスト処理を行う工程であるS54は、工程Iの一例である。ガラス基板破砕片80を表裏反転させ、第2の搬送部90へ載置する工程であるS58及びS59は、工程Jの一例である。第2の搬送部90上のガラス基板破砕片80にブラスト処理を行う工程であるS60は、工程Kの一例である。
また、搬送部42,53、第1の搬送部73,84、第2の搬送部74,90は、基板載置台の一例である。また、第1の搬送部73,84は、第1の基板載置台の一例である。第2の搬送部74,90は、第2の基板載置台の一例である。
本発明は、ガラス基板に付着した付着物を剥離除去する装置及び方法である。例えば、PPDPやLCDなどに搭載されるガラス基板に付着した表示部材などを除去する装置及び方法に有用である。
図1Aは、表示装置の構成を示す平面図である。 図1Bは、図1AにおけるZ−Z部分の断面図である。 図2は、表示装置の要部斜視図である。 図3は、実施の形態1における材料回収方法の流れを示すフローチャートである。 図4Aは、分割前の表示装置の構成を示す平面図である。 図4Bは、分割後の表示装置の構成を示す平面図である。 図4Cは、図4BのY−Y部分の断面図である。 図5は、表示部材の剥離除去動作を説明するための模式図である。 図6は、実施の形態2における材料回収方法の流れを示すフローチャートである。 図7は、実施の形態3における材料回収方法の流れを示すフローチャートである。 図8は、実施の形態3における材料回収装置の構成を示す模式図である。 図9は、実施の形態3における材料回収装置の他例の構成を示す模式図である。 図10は、ブラスト装置の構成を示す模式図である。 図11Aは、収納部の構成を示す側面図である。 図11Bは、図11AのX−X部分の断面図である。 図12は、実施の形態4における材料回収方法の流れを示すフローチャートである。 図13Aは、実施の形態4における材料回収装置の構成を示す模式図である。 図13Bは、図13Aにおける矢印Kに示す方向から見た材料回収装置の構成を示す模式図である。 図14は、実施の形態4における材料回収装置の他例の構成を示す模式図である。 図15は、実施の形態5における材料回収方法の流れを示すフローチャートである。 図16は、実施の形態5における材料回収装置の構成を示す模式図である。 図17は、実施の形態5における付着物除去方法の流れを示すフローチャートである。
1 PDP
10 前面板
11 前面ガラス基板
12 走査電極
13 維持電極
14 表示電極
15 遮光層
16 誘電体層
17 保護層
18 前面板表示部材
20 背面板
21 背面ガラス基板
22 アドレス電極
23 下地誘電体層
24 隔壁
25 蛍光体層
26 放電空間
27 封着部
28 背面板表示部材
31 第1領域部材
32a,32b,32c,32d 第2領域部材
40 ガラス破砕片
41 ブラスト装置
42 搬送部
43 ブラストノズル

Claims (20)

  1. 少なくとも片方の面に付着物が付着したガラス基板から前記付着物を除去し、前記ガラス基板を回収する材料回収方法であって、
    前記ガラス基板の一部を破砕してガラス破砕片を作製する工程Aと、
    前記ガラス破砕片を前記付着物に衝突させて、前記付着物を前記ガラス基板から剥離除去する工程Bとを含む、材料回収方法。
  2. 前面ガラス基板上に前面板表示部材を形成した前面板と、背面ガラス基板上に背面板表示部材を形成した背面板とを対向配置するとともに、周囲を封着部材で封着して放電空間を形成した表示装置から、前記ガラス基板を回収する材料回収方法であって、
    前記ガラス基板の所定領域を破砕してガラス破砕片を作製する工程Aと、
    前記ガラス破砕片を前記前面板表示部材および前記背面板表示部材の少なくとも一方に衝突させて、前記前面板表示部材または前記背面板表示部材を前記前面ガラス基板または前記背面ガラス基板から剥離除去する工程Bとを含む、材料回収方法。
  3. 前記表示装置を、前記放電空間を含む第1領域部材と、前記第1領域部材以外の第2領域部材とに分割する工程Cを、さらに備え、
    前記工程Aにおいて、前記第2領域部材を破砕してガラス破砕片を作製する、請求項2に記載の材料回収方法。
  4. 前記第1領域部材を破砕してガラス基板破砕片を作製する工程Dを、さらに備え、
    前記工程Bにおいて、前記工程Aで作製された前記ガラス破砕片と、前記工程Dで作製された前記ガラス基板破砕片とを相互に衝突させて、前記ガラス基板破砕片に付着した表示部材を当該ガラス基板破砕片から剥離除去する、請求項3に記載の材料回収方法。
  5. 前記前面板表示部材または前記背面板表示部材に含まれる金属を回収する工程Eを、さらに備え、
    前記工程Eは、前記工程Bの後に実施する、請求項2〜4のいずれかに記載の材料回収方法。
  6. 少なくとも片方の面に付着物が付着したガラス基板から前記付着物を除去し、前記ガラス基板を回収する材料回収方法であって、
    側面に複数の貫通孔を備えた収納体内に、前記ガラス基板を収納する工程Fと、
    前記収納体の前記複数の貫通孔を介して、前記ガラス基板の両面に対してブラスト処理を行う工程Gとを含む、材料回収方法。
  7. 前記収納体は、鉛直方向に対して傾斜して配置され、
    前記収納体の傾斜面の下側からブラスト処理を行う際のブラスト圧力を、前記傾斜面の上側からブラスト処理を行う際のブラスト圧力よりも高くした、請求項6に記載の材料回収方法。
  8. 前記収納体を鉛直方向に立設した、請求項6に記載の材料回収方法。
  9. 前記収納体は、複数の貫通孔が形成された少なくとも2枚の板体を、ギャップを介して対向配置して形成され、
    前記ギャップは、前記ガラス基板の厚さよりも広く、当該ガラス基板の厚さの2倍よりも狭く形成されている、請求項6〜8のいずれかに記載の材料回収方法。
  10. 前記工程Gにおいて、前記収納体および前記収納体に収納された前記ガラス基板のうちの少なくとも一方を揺動する、請求項6〜9のいずれかに記載の材料回収方法。
  11. 少なくとも片方の面に付着物が付着したガラス基板から前記付着物を除去し、前記ガラス基板を回収する材料回収装置であって、
    側面に複数の貫通孔を備え、内部に前記ガラス基板を収容可能な収納体と、
    前記収納体の前記複数の貫通孔を介して、前記ガラス基板の両面に対してブラスト処理が可能なブラスト装置とを備えた、材料回収装置。
  12. 前記収納体は、前記収納体が前記ガラス基板を収納する収納側からブラスト処理を施すブラスト処理側に傾斜面を備えた、請求項11に記載の材料回収装置。
  13. 前記収納体は、
    複数の貫通孔が形成された少なくとも2枚の板体を、ギャップを介して対向配置して形成され、
    前記ギャップは、前記ガラス基板の厚さよりも広く、当該ガラス基板の厚さの2倍よりも狭く形成されている、請求項11または12に記載の材料回収方法。
  14. 前記収納体および前記収納体に収納された前記ガラス基板のうちの少なくとも一方を揺動する揺動装置を、さらに備えた、請求項11〜13のいずれかに記載の材料回収装置。
  15. 少なくとも片方の面に付着物が付着したガラス基板から前記付着物を除去し、前記ガラス基板を回収する材料回収方法であって、
    前記ガラス基板を基板載置台に単層に整列させる工程Hと、
    前記ガラス基板の一方の面に対してブラスト処理を行う工程Iと、
    前記工程Iの後に、前記ガラス基板を表裏反転させて基板載置台に単層に整列させる工程Jと、
    前記工程Jの後に、前記ガラス基板の他方の面に対してブラスト処理を行う工程Kとを含む、材料回収方法。
  16. 工程I及び工程Kは、
    前記ガラス基板の一方の面側から当該ガラス基板に対してブラスト処理を行い、当該ガラス基板に付着している前記付着物を剥離除去する工程である、請求項15に記載の材料回収方法。
  17. 工程Hは、前記ガラス基板を第1の基板載置台に載置する工程であり、
    工程Jは、前記ガラス基板を第2の基板載置台に載置する工程である、請求項15または16に記載の材料回収方法。
  18. 少なくとも片方の面に付着物が付着したガラス基板から前記付着物を除去し、前記ガラス基板を回収する材料回収装置であって、
    前記ガラス基板を単層に載置する基板載置台と、
    前記基板載置台に載置された前記ガラス基板の一方の面側から当該ガラス基板に対してブラスト処理を行うブラスト装置と、
    前記基板載置台に載置された前記ガラス基板を表裏反転する反転機構部とを備え、
    前記反転機構部は、前記ブラスト装置が前記ガラス基板の一方の面に対してブラスト処理した後、当該ガラス基板の他方の面に対してブラスト処理が可能なように当該ガラス基板を表裏反転させる、材料回収装置。
  19. 前記基板載置台は、
    第1のブラスト装置を備えた第1の基板載置台と、
    第2のブラスト装置を備えた第2の基板載置台と、
    前記ガラス基板を前記第1の基板載置台から前記第2の基板載置台に搬送可能な搬送部とを備え、
    前記第1の基板載置台と前記第2の基板載置台との間に、前記反転機構部を備えた、請求項18に記載の材料回収装置。
  20. 前記反転機構部は、
    前記第1の基板載置台から搬送された前記ガラス基板を載置する第1の板体と、
    前記第1の板体に対向配置された第2の板体と、
    前記第1の板体と前記第2の板体とにより前記ガラス基板を挟持する挟持機構と、
    前記挟持機構が前記ガラス基板を挟持した状態で、前記第1の板体と前記第2の板体の位置を互いに置換する反転部とを備えた、請求項18または19に記載の材料回収装置。
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