JPWO2008038536A1 - 分割型複合長繊維、分割型複合長繊維からなる不織布および分割繊維不織布 - Google Patents

分割型複合長繊維、分割型複合長繊維からなる不織布および分割繊維不織布 Download PDF

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Abstract

プロピレン系重合体とエチレン系重合体からなる分割型複合繊維の分割性を改良することを目的とする。荷重2160g、230℃におけるMFRが40g/10分以上のプロピレン系重合体、および高圧法低密度ポリエチレンを用いてなり、プロピレン系重合体部と高圧法低密度ポリエチレン部とが互いに接してなる分割型複合長繊維、かかる分割型複合長繊維からなる不織布および当該不織布を分割してなる分割繊維不織布およびその製造方法を提供する。

Description

本発明は、衛生材料、フィルター、ワイパー、電池セパレータなどに好適なオレフィン系重合体からなる分割性に優れる分割型複合長繊維、分割型複合長繊維からなる不織布および分割繊維不織布に関する。
極細繊維からなる不織布は、柔軟性、風合いなどに優れ、衣料、使い捨てオムツ、衛生用品、ワイピングクロスなどの材料として広く使用されている。近年は、その優れた拭取り性能よりクリーンルーム内での使用を期待されている。
極細繊維を得る方法の一つとして、複数成分の重合体を組み合わせて紡糸して分割型複合繊維とし、得られた該分割型複合繊維を物理的応力や樹脂の化学薬品に対する収縮差などを利用して、多数の繊維に分割して極細繊維を得る方法が用いられている。そして、一般的には、分割型複合繊維に用いられる重合体は、剥離が容易な、即ち、相容性がないポリエステルとポリオレフィン、ポリエステルとポリアミド、ポリアミドとポリオレフィン等が用いられている。
同種の重合体からなる分割型複合繊維はポリエステルとポリオレフィンとの組合せに比べ分割性に劣ることから、プロピレン系重合体とエチレン系重合体からなる分割型複合繊維の分割性を改良する方法が種々提案されている。例えば、MFR比が異なるポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂とを断面が屈曲した分割型複合繊維とする方法(特許文献1;特開2000−328348号公報)、分子量分布が少なくとも5のポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂を用い、断面の中央部が中空部分となる分割型複合ノズルを用いて溶融紡糸し、5倍以上に多段延伸して分割型複合繊維とする方法(特許文献2;特開2002−220740号公報)が提案されている。
特開2000−328348号公報 特開2002−220740号公報
しかしながら、分割性を高めるには、特殊なノズルを必要とするか、多段延伸を必要とし、紡出された複合長繊維を冷却流体により冷却しながら流体で長繊維に張力を加えて細化させる方法では分割性に優れる分割型複合長繊維からなる不織布は得られていない。
本発明は、プロピレン系重合体とエチレン系重合体からなる分割型複合繊維の分割性を改良することを目的として、種々検討した結果、(A)プロピレン系重合体として、荷重2160g、230℃におけるMFRが40g/10分以上の(A)プロピレン系重合体、およびエチレン系重合体として、(B)高圧法低密度ポリエチレンを用いることにより、分割性を改良し得ることを見出した。
本発明は、荷重2160g、230℃におけるMFRが40g/10分以上の(A)プロピレン系重合体および(B)高圧法低密度ポリエチレンを用いてなり、(A)プロピレン系重合体部と(B)高圧法低密度ポリエチレン部とが互いに接してなる分割型複合長繊維、かかる分割型複合長繊維からなる不織布および当該不織布を分割してなる分割繊維不織布を提供するものである。
本発明はまた、荷重2160g、230℃におけるMFRが40g/10分以上の(A)プロピレン系重合体と、(B)高圧法低密度ポリエチレンを、複合紡糸ノズルを有する紡糸口金から吐出させて、紡出された(A)プロピレン系重合体部と(B)高圧法低密度ポリエチレン部が互いに接する複合長繊維を、冷却流体により冷却しながら、流体で長繊維に張力を加えて細化させて、(A)プロピレン系重合体部を配向結晶化した後、捕集ベルト上に捕集して堆積させることを特徴とする分割型複合長繊維からなる不織布の製造方法および分割繊維不織布の製造方法を提供するものである。
本発明の分割型長繊維は、分割性に優れ、得られる不織布はオレフィン系重合体からなるので、軽量で且つ、耐水性、柔軟性に優れる。
図1は、本発明に係る複合長繊維の横断面の一例を示した模式図である。
(a)〜(d)の5形態を挙げた。(e)は分割処理後の断面形態の一例である。
図中、白塗り部分と黒塗り部分はそれぞれ組み合わせる樹脂を表す。
(A)プロピレン系重合体
本発明の分割型複合長繊維に係る(A)プロピレン系重合体は、メルトフローレート(MFR;ASTM D―1238 荷重;2160gf、温度;230℃)が、MFRが40g/10分以上、好ましくは50〜500g/10分、さらに好ましくは55〜100g/10分の範囲にある。
MFRが40g/10分未満の(A)プロピレン系重合体を用いた場合は、得られる分割型長繊維の分割性に劣る。
また、ポリ(A)プロピレン系重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnは、通常1.5〜5.0未満、さらには、紡糸性が良好で、かつ繊維強度が特に優れる複合繊維が得られる点で、1.5〜3.5が好ましい。本発明において、良好な紡糸性とは、紡糸ノズルからの吐き出し時および延伸中に糸切れを生じず、フィラメントの融着が生じないことをいう。Mw/Mnが5.0以上であると高分子量成分が多いために糸切れを生じ易く、Mw/Mnが1.5以下であると延伸中の結晶化の遅れからフィラメントの融着が生じ易いという問題が有る。本発明において、MwおよびMnは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって、公知の方法で測定することができる。
本発明に係る(A)プロピレン系重合体は、プロピレンの単独重合体若しくはプロピレンと少量のエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチルー1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等の炭素数2〜10のα―オレフィンとの共重合体を例示できる。かかる(A)プロピレン系重合体は、好ましくは融点(Tm)が155℃以上、より好ましくは160℃以上の重合体である。
本発明に係る(A)プロピレン系重合体には、本発明の目的を損なわない範囲で、通常用いられる酸化防止剤、耐候安定剤、耐光安定剤、帯電防止剤、防曇剤、ブロッキング防止剤、滑剤、核剤、顔料等の添加剤或いは他の重合体を必要に応じて配合することができる。
(B)高圧法低密度ポリエチレン
本発明の分割型複合長繊維に係る(B)高圧法低密度ポリエチレンは、所謂、エチレンを高圧下でラジカル重合して得られる重合体であり、エチレンの単独重合体あるいはエチレンと少量の酢酸ビニルとの共重合体である。かかる(B)高圧法低密度ポリエチレンは、チーグラー触媒、メタロセン触媒等を用いて低圧下にエチレンと炭素数3〜10のα-オレフィンとを共重合して得られるエチレン・α-オレフィン共重合体である、所謂、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、およびチーグラー触媒(低圧10〜20kg/cm2)またはフィリップス触媒またはスタンダード触媒(中圧30〜100kg/cm2)を用いてエチレンをラジカル重合して得られる、所謂、高密度ポリエチレン(HDPE;密度0.950〜0.970g/cm3)とも異なる重合体である。
本発明に係る(B)高圧法低密度ポリエチレンのメルトフローレート(MFR;ASTM D―1238 荷重;2160gf、温度;190℃)は、溶融紡糸し得る限り特に限定はされないが、通常、1〜1000g/10分、好ましくは10〜500g/10分、さらに好ましくは20〜100g/10分の範囲にある。
本発明に係る(B)高圧法低密度ポリエチレンの融点(Tm)は、好ましくは90〜110℃、より好ましくは95〜110℃の範囲にあり、密度が好ましくは0.900〜0.935g/cm3、より好ましくは0.905〜0.925g/cm3の範囲にある。
本発明に係る(B)高圧法低密度ポリエチレンには、本発明の目的を損なわない範囲で、通常用いられる酸化防止剤、耐候安定剤、耐光安定剤、帯電防止剤、防曇剤、ブロッキング防止剤、滑剤、核剤、顔料等の添加剤或いは他の重合体を必要に応じて配合することができる。
分割型複合長繊維
本発明の分割型複合長繊維は、前記(A)プロピレン系重合体および前記(B)高圧法低密度ポリエチレンを用いてなり、(A)プロピレン系重合体部と(B)高圧法低密度ポリエチレン部とが互いに接してなる分割型複合長繊維である。
(A)プロピレン系重合体として、荷重2160g、230℃におけるMFRが40g/10分未満の(A)プロピレン系重合体を用いた場合は、得られる分割型複合長繊維は分割性に劣り、また、(B)高圧法低密度ポリエチレンに替えて線状低密度ポリエチレンを用いた場合も、得られる分割型複合長繊維は分割性に劣る。
分割型複合長繊維の形状(断面)は、(A)プロピレン系重合体部と(B)高圧法低密度ポリエチレン部とが互いに接する限り、特に限定はされず、〔図1(a)〜図1(e)〕など種々の形状を有するが、良好な紡糸性を確保できるという観点から、中心からの距離が等しい点の集合からなる曲線である、いわゆる真円の形状(図1(a)および(b))が好ましい。
本発明の分割型複合長繊維は、配向様式が同一であり、かつその配向度が少なくとも0.80、好ましくは0.82以上のプロピレン系重合体部とエチレン系重合体部が互いに接してなる分割型複合長繊維である。ここで、配向様式とは繊維軸に対し、分子鎖中の構造要素が全体としてどのような方向に選択的に向いているかの傾向を示し、例えばc軸配向度が高いとは、結晶格子のc軸が選択的に繊維軸方向に向いており、その割合が高い状態を表す。


配向様式が同一であり、かつその配向度が高いほど、両成分の結晶化が同時に行われるためか分割性が優れるため好ましい。
本発明の分割型複合長繊維は、好ましくはエチレン系重合体の主たる配向様式の配向度が少なくとも0.70、より好ましくは0.75以上である。
本発明の配向度は、広角X線回折装置(リガク社製 RINT2550、付属装置:繊維試料台、X線源:CuKα、出力:40kV 370mA、検出器:シンチレーションカウンター)を用いて、試料を繊維軸方向に並べて試料ホルダーに固定し、結晶面ピーク[ポリプロピレン系重合体:(110)面、ポリエチレン重合体:(200)面]の方位角分布強度を測定して得られた方位角分布曲線(X線干渉図)において、ピークの半価幅(α)から下記の式より繊維軸方向の配向度を算出して評価する。なお、下記式で求められる配向度において、0.8未満の場合は配向性が非常に低いと判断し、無配向とする。
配向度(F)=(180°―α)/180° (αは方位角分布曲線におけるピーク半価幅)

本発明の分割型複合長繊維の繊度は、通常、6デニール以下が好ましい。6デニール以下であれば、割繊処理後の繊度を細くすることができ、拭取り性や柔軟性に優れるため好ましい。また、分割型複合長繊維を形成する(A)プロピレン系重合体部とエチレン系重合体部の分割数は分割性を阻害しない範囲であれば特に限定されないが、通常、4〜48分割、好ましくは4〜24分割の範囲にある。分割型複合長繊維の繊度および複合繊維の分割をかかる範囲にすることにより、複合繊維からなる不織布を分割して得られる分割繊維の繊度を0.001〜2.00デニール、好ましくは0.001〜0.5デニールの範囲にすることができる。
分割型複合長繊維からなる不織布
本発明の分割型複合長繊維からなる不織布は、前記分割型複合長繊維からなり、通常、目付けが3〜200g/m2、好ましくは10〜150g/m2の範囲にある。また、本発明の不織布は、必要に応じて、分割型複合長繊維群をエンボスロール、超音波融着などの方法により、熱融着される。熱融着する場合の面積(エンボス面積率)は、用途に応じて、適宜選択し得るが、5〜30%が好ましい。
分割繊維不織布
本発明の分割繊維不織布は、前記分割型複合長繊維からなる不織布に応力を加えることにより、複合繊維を形成する(A)プロピレン系重合体部と(B)高圧法低密度ポリエチレン部を分割してなる不織布であり、目付けが通常3〜200g/m2、好ましくは10〜150g/m2の範囲にある。
本発明の分割繊維不織布を形成する分割繊維の繊度は、通常、0.001〜2.0デニール、好ましくは0.001〜0.5デニールの範囲にある。
分割型複合長繊維からなる不織布に与える応力は、種々公知の方法、例えば、水などの液体を高圧で当てる方法、所謂高圧水流法(ウォータージェット法)、ギア延伸機が挙げられる。
堆積させてなる分割型複合長繊維からなる不織布に高圧水流を与える場合は、交絡等を促進させるために、例えば、高圧液体流による分割割繊と交絡の付与工程の前に、不織布の構成単糸間に存在する空気を水で置換するのが好ましい。具体的には、ウェブに水を付与すればよい。
高圧液体流は液体をノズル孔に通して高圧ポンプで昇圧して噴射すれば得ることができる。ノズル孔としては、通常、孔径が0.05〜1.0mmであり、更に好ましくは0.1〜0.5mmの範囲にある。また、高圧液体流の圧力としては、通常5〜400MPa、好ましくは50〜300MPaの範囲にある。また、液体としては取扱いの容易さから、水または温水が適用され、公知の水質測定装置で比抵抗値が10MΩ・cm以上が好ましく、更に好ましくは15MΩ・cm以上の純水を使用する。
ノズル孔と不織布の距離は、1〜15cm程度が好適である。この距離が15cmを超えると、液体が不織布に与えるエネルギーが低下し、割繊や交絡の効果が低下する傾向となる。また、1cm未満となると、不織布の地合が乱れる傾向となる。
一般的に、高圧液体流のノズル孔は不織布の進行方向と交差する方向に列状に配置される。片面処理の場合、均一な分割割繊や緊密な交絡結合を得るためには、噴射孔を2列以上、このましくは3列以上で行うのがよい。高圧液体流の圧力は、前段側で低く、後段側で高くするのが、地合の均一化のために好ましい。
更に、本発明に係る分割繊維不織布の外観模様、いわゆる柄は、高圧液体流の処理時に使用するスクリーンベルトのパターンを適宜選択することより、変更可能である。
高圧液体流で分割割繊処理を施された分割繊維不織布は、その後、過剰の水分を機械的絞りで除去した後、乾燥・熱処理されて最終製品となる。熱処理温度時間は、単に水分の除去に留まらず、適度の収縮および結晶化の促進を許容するように選択することも可能である。熱処理は乾熱処理や湿熱処理であってもよい。
分割型複合長繊維および不織布の製造方法
本発明の前記分割型複合長繊維および分割型複合長繊維からなる不織布は、前記(A)プロピレン系重合体および(B)高圧法低密度ポリエチレンを用いて公知の溶融紡糸の製造方法により得ることができるが、生産性が良く、分割性に優れるフィラメントが得られる点で、スパンボンド法が好ましい。
本発明の分割複合繊維不織布の製造方法として、スパンボンド法を例にとって説明する。前記(A)プロピレン系重合体および(B)高圧法低密度ポリエチレンを、それぞれ別個に押出機等で溶融し、各溶融物を図1(a)〜図1(e)に例示されるように、中空状、放射状または平行あるいは並列、若しくは弧状に断面構造を形成するようにされた複合紡糸ノズルを有する紡糸口金から吐出させて、(A)プロピレン系重合体部と(B)高圧法低密度ポリエチレン部が互いに接する分割型複合長繊維を紡出させる。紡出された分割型複合長繊維を、冷却流体により冷却し、さらに延伸エアによって長繊維に張力を加えて所定の繊度とし、そのまま捕集ベルト上に捕集して所定の厚さに堆積させる。次いで、必要に応じて熱エンボスロールによる熱融着等による熱エンボス加工を行う。熱エンボスロールによる熱融着の場合、エンボスロールのエンボス面積率は適宜決められるが、通常5〜30%が好ましい。
この際、紡糸性が良好な範囲で成形温度、紡糸速度、冷却エア温度を適宜選択することにより(A)プロピレン系重合体部、好ましくは(A)プロピレン系重合体部と(B)高圧法低密度ポリエチレン部を前記範囲で結晶化させることが必要である。
分割繊維不織布の製造方法
本発明の分割繊維不織布の製造方法は、前記分割型複合長繊維からなる不織布を前記記載の種々公知の方法で(A)プロピレン系重合体部と(B)高圧法低密度ポリエチレン部とを分割させる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例および比較例における物性値等は、以下の方法により測定した。
(1)分割率
得られた分割繊維不織布をエポキシ樹脂に包埋して、次いでミクロトームで切断し、試料片を得る。これを電子顕微鏡〔(株)日立製作所製S−3500N形 走査型電子顕微鏡〕で観察し、得られた断面像より観察された分割繊維断面のセグメント数が1つの場合は分割率を100%とし、観察された分割繊維断面のセグメント数が2つ以上の場合は分割率を以下の式で算出した。これを繊維50本分観察し、その平均値を該分割繊維不織布の分割率とした。
分割率[%]=(総セグメント数−観察された分割繊維断面のセグメント数)/総セグメント数×100
ここで、総セグメント数とは、分割型複合繊維のフィラメント横断面を形成するセグメントの総和のことである。例えば、図1(a)、(b)および(d)のようなフィラメント横断面を有する分割型複合繊維の場合は、総セグメントを8とする。
例えば、図1(a)のような総セグメント数8のフィラメントにおいて図1(e)のような分割繊維断面が観察された場合は、観察された分割繊維断面のセグメント数は3として、上式より分割率は62.5%とする。
(2)繊度
得られた分割繊維不織布をエポキシ樹脂に包埋して、次いでミクロトームで切断して試料片を得る。次いで、電子顕微鏡〔(株)日立製作所製S−3500N形 走査型電子顕微鏡〕で観察し、得られた断面像から未分割フィラメント30本を選び、その断面積を算出し、それらの平均値より未分割フィラメントの繊度を求め、分割率を用いて次の式により分割繊維の繊度を算出した。
分割繊維の繊度=未分割フィラメント繊度/(総セグメント数×分割率/100)
(3)風合い
評価者10人により手触りの評価を行い、以下の基準で評価結果を示す。
◎:手触りが良いと感じた人が、10人のうち10人の場合、
○:手触りが良いと感じた人が、10人のうち9〜7人の場合、
△:手触りが良いと感じた人が、10人のうち6〜3人の場合、
×:手触りが良いと感じた人が、10人のうち2人以下の場合。
(4)剛軟性(45°カンチレバー法)
JIS L1096(6.19.1 A法 項)に準拠して、JIS Z 8703(試験場所の標準状態)に規定する温度20±2℃、湿度65±2%の恒温室内で幅20mm×150mmの試験片を流れ方向(MD)と横方向(CD)でそれぞれ5枚採取し、45°の斜面をもつ表面の滑らかな水平台の上に試験片の短辺をスケール基線に合わせて置く。次に、手動により試験片を斜面の方向に緩やかに滑らせて試験片の一端の中央点が斜面と接したとき他端の位置の移動長さをスケールによって読む。剛軟性(剛軟度)は試験片の移動した長さ(mm)で示され、それぞれ5枚の裏表について測定し、流れ方向(MD)および横方向(CD)それぞれの平均値で表した。
剛軟度が低いほど不織布に柔軟性があると判断される。一般に流れ方向(MD)および横方向(CD)ともに剛軟度の値が25mm未満の場合に、柔軟性が良好と判断される。但し、必要な柔軟性は使用目的等によっても異なる為、必ずしもこの数値に制限されるものではない。
(5)引張強度
JIS L1906(6.12.1 A法)に準拠して、JIS Z8703(試験場所の標準状態)に規定する温度20±2℃、湿度65±2%の恒温室内で流れ方向(MD)の引張強度としては流れ方向(MD)に25cm、横方向(CD)に2.5cmの不織布試験片を3枚採取し、横方向(CD)の引張強度としては流れ方向(MD)に2.5cm、横方向(CD)に25cmの不織布試験片を3枚採取し、チャック間200mm、引張速度200mm/分の条件で引張り試験機(インストロン ジャパン カンパニイリミテッド製 インストロン5564型)を用いて引張試験を行い、3枚の試験片について引張荷重を測定し、それらの最大値の平均値を引張強度とした。
(6)通気度
JIS L 1096(通気性A法)に準拠し、試料長さ方向より100×100mmの試験片を20枚採取しフラジール型試験機(大栄科学精器製作所 AT-360S)を用いて測定した結果の平均値を通気度とした。
通気度が低いほど、分割性が高いため極細繊維が不織布全体に均一に存在していると判断できる。



実施例1
(A)プロピレン系重合体部として荷重2160g、230℃のMFRが60g/10分の(A)プロピレン系重合体〔密度0.910g/cm3、融点157℃、Mw/Mn2.75〕を、(B)高圧法低密度ポリエチレン部として荷重2160g、190℃のMFRが20g/10分の(B)高圧法低密度ポリエチレン〔密度0.919g/cm3〕をそれぞれ別個の押出機成形温度を210℃として溶融した。図1(a)のような断面形状において総セグメント数が16である分割型複合繊維紡糸用口金を用い(A)プロピレン系重合体部と(B)高圧法低密度ポリエチレン部の重量比が50/50である分割型複合長繊維を糸速度2500m/分でいわゆるスパンボンド法により紡糸し、捕集ベルト上に堆積させた。次いで、繊維を分割させるために孔径φ0.11mmのノズルを使用してノズルから不織布までの距離を10cmとして、ライン速度5m/minで1段目水圧60kgf/cm2、2段目の水圧100kgf/cm2で、3段目の水圧100kgf/cm2、4段目の水圧100kgf/cm2で不織布の表面と裏面に各4回、合計8回のウォータージェット加工を施し、目付量が50g/m2の分割繊維不織布を作製した。得られた不織布について、分割率、繊度、剛軟性、引張強度を測定して評価した。結果を表1に示す。
実施例2
(A)プロピレン系重合体部として荷重2160g、230℃のMFRが60g/10分の(A)プロピレン系重合体〔密度0.910g/cm3、融点157℃、Mw/Mn2.75〕を、(B)高圧法低密度ポリエチレン部として荷重2160g、190℃のMFRが35g/10分の(B)高圧法低密度ポリエチレン〔密度0.916 g/cm3〕を用い、それぞれ別個の押出機成形温度を210℃で溶融し、図1(a)のような断面形状において総セグメント数が16である分割型複合繊維紡糸用口金を用い(A)プロピレン系重合体部と(B)高圧法低密度ポリエチレン部の重量比が50/50である分割型複合長繊維を糸速度2500m/分でいわゆるスパンボンド法により紡糸し、捕集ベルト上に堆積させて、次いで、繊維の分割させるために孔径φ0.11mmのノズルを使用してノズルから不織布までの距離を10cmとして、ライン速度5m/minで1段目水圧60kgf/cm2、2段目の水圧100kgf/cm2で、3段目の水圧100kgf/cm2、4段目の水圧100kgf/cm2で不織布の表面と裏面に各4回、合計8回のウォータージェット加工を施し、目付量が50g/m2の分割繊維不織布を作製した。得られた不織布について、分割率、繊度、剛軟性、引張強度を測定して評価した。結果を表1に示す。
実施例3
(A)プロピレン系重合体部として荷重2160g、230℃のMFRが60g/10分の(A)プロピレン系重合体〔密度0.910 g/cm3、融点161.7℃、Mw/Mn3.40〕を、(B)高圧法低密度ポリエチレン部として荷重2160g、190℃のMFRが35g/10分の(B)高圧法低密度ポリエチレン〔密度0.916g/cm3〕を用い、それぞれ別個の押出機成形温度を210℃で溶融し、図1(a)のような断面形状において総セグメント数が16である分割型複合繊維紡糸用口金を用い(A)プロピレン系重合体部と(B)高圧法低密度ポリエチレン部の重量比が50/50である分割型複合長繊維を糸速度2500m/分でいわゆるスパンボンド法により紡糸し、捕集ベルト上に堆積させて、次いで、繊維の分割させるために孔径φ0.11mmのノズルを使用してノズルから不織布までの距離を10cmとして、ライン速度5m/minで1段目水圧60kgf/cm2、2段目の水圧100kgf/cm2で、3段目の水圧100kgf/cm2、4段目の水圧100kgf/cm2で不織布の表面と裏面に各4回、合計8回のウォータージェット加工を施し、目付量が50g/m2の分割繊維不織布を作製した。得られた不織布について、分割率、繊度、剛軟性、引張強度を測定して評価した。結果を表1に示す。
比較例1
(A)プロピレン系重合体部として荷重2160g、230℃のMFRが60g/10分の(A)プロピレン系重合体〔密度0.910g/cm3、融点157℃、Mw/Mn2.75〕を、高密度ポリエチレン部として荷重2160g、190℃のMFRが16g/10分の高密度ポリエチレン〔密度0.972g/cm3〕を用い、それぞれ別個の押出機成形温度を240℃で溶融し、図1(a)のような断面形状において総セグメント数が16である分割型複合繊維紡糸用口金を用い(A)プロピレン系重合体部と高密度ポリエチレン部の重量比が50/50である分割型複合長繊維を糸速度2500m/分でいわゆるスパンボンド法により紡糸し、捕集ベルト上に堆積させて、次いで、繊維の分割させるために孔径φ0.11mmのノズルを使用してノズルから不織布までの距離を10cmとして、ライン速度5m/minで1段目水圧60kgf/cm2、2段目の水圧100kgf/cm2で、3段目の水圧100kgf/cm2、4段目の水圧100kgf/cm2で不織布の表面と裏面に各4回、合計8回のウォータージェット加工を施し、目付量が50g/m2の分割繊維不織布を作製した。得られた不織布について、分割率、繊度、剛軟性、引張強度を測定して評価した。結果を表1に示す。
比較例2
(A)プロピレン系重合体部として荷重2160g、230℃のMFRが30g/10分の(A)プロピレン系重合体〔密度0.910g/cm3、融点165.4℃、Mw/Mn6.79〕を、高密度ポリエチレン部として荷重2160g、190℃のMFRが16g/10分の高密度ポリエチレン〔密度0.972g/cm3〕を用い、それぞれ別個の押出機成形温度を240℃で溶融し、図1(a)のような断面形状において総セグメント数が16である分割型複合繊維紡糸用口金を用い(A)プロピレン系重合体部と高密度ポリエチレン部の重量比が50/50である分割型複合長繊維を糸速度2500m/分でいわゆるスパンボンド法により紡糸し、捕集ベルト上に堆積させて、次いで、繊維の分割させるために孔径φ0.11mmのノズルを使用してノズルから不織布までの距離を10cmとして、ライン速度5m/minで1段目水圧60kgf/cm2、2段目の水圧100kgf/cm2で、3段目の水圧100kgf/cm2、4段目の水圧100kgf/cm2で不織布の表面と裏面に各4回、合計8回のウォータージェット加工を施し、目付量が50g/m2の分割繊維不織布を作製した。得られた不織布について、分割率、繊度、剛軟性、引張強度を測定して評価した。結果を表1に示す。
比較例3
(A)プロピレン系重合体部として荷重2160g、230℃のMFRが13g/10分の(A)プロピレン系重合体を〔密度0.910g/cm3、融点165.4℃、Mw/Mn10.97〕、高密度ポリエチレン部として荷重2160g、190℃のMFRが16g/10分の高密度ポリエチレン〔密度0.972g/cm3〕を用い、それぞれ別個の押出機成形温度を240℃で溶融し、図1(a)のような断面形状において総セグメント数が16である分割型複合繊維紡糸用口金を用い(A)プロピレン系重合体部と高密度ポリエチレン部の重量比が50/50である分割型複合長繊維を糸速度2500m/分でいわゆるスパンボンド法により紡糸し、捕集ベルト上に堆積させて、次いで、繊維の分割させるために孔径φ0.11mmのノズルを使用してノズルから不織布までの距離を10cmとして、ライン速度5m/minで1段目水圧60kgf/cm2、2段目の水圧100kgf/cm2で、3段目の水圧100kgf/cm2、4段目の水圧100kgf/cm2で不織布の表面と裏面に各4回、合計8回のウォータージェット加工を施し、目付量が50g/m2の分割繊維不織布を作製した。得られた不織布について、分割率、繊度、剛軟性、引張強度を測定して評価した。結果を表1に示す。
比較例4
(A)プロピレン系重合体部として荷重2160g、230℃のMFRが30g/10分の(A)プロピレン系重合体〔密度0.910g/cm3、融点157℃、Mw/Mn2.80〕を、(B)高圧法低密度ポリエチレン部として荷重2160g、190℃のMFRが20g/10分の(B)高圧法低密度ポリエチレン〔密度0.919g/cm3〕を用い、それぞれ別個の押出機成形温度を210℃で溶融し、図1(a)のような断面形状において総セグメント数が16である分割型複合繊維紡糸用口金を用い(A)プロピレン系重合体部と(B)高圧法低密度ポリエチレン部の重量比が50/50である分割型複合長繊維を糸速度2500m/分でいわゆるスパンボンド法により紡糸し、捕集ベルト上に堆積させて、次いで、繊維の分割させるために孔径φ0.11mmのノズルを使用してノズルから不織布までの距離を10cmとして、ライン速度5m/minで1段目水圧60kgf/cm2、2段目の水圧100kgf/cm2で、3段目の水圧100kgf/cm2、4段目の水圧100kgf/cm2で不織布の表面と裏面に各4回、合計8回のウォータージェット加工を施し、目付量が50g/m2の分割繊維不織布を作製した。得られた不織布について、分割率、繊度、剛軟性、引張強度を測定して評価した。結果を表1に示す。
比較例5
(A)プロピレン系重合体部として荷重2160g、230℃のMFRが60g/10分の(A)プロピレン系重合体〔密度0.910g/cm3、融点157℃、Mw/Mn2.75〕を、高密度ポリエチレン部として荷重2160g、190℃のMFRが30g/10分の高密度ポリエチレン〔密度0.95g/cm3〕を用い、それぞれ別個の押出機成形温度を210℃で溶融し、図1(a)のような断面形状において総セグメント数が16である分割型複合繊維紡糸用口金を用い(A)プロピレン系重合体部と(B)高圧法低密度ポリエチレン部の重量比が50/50である分割型複合長繊維を糸速度2500m/分でいわゆるスパンボンド法により紡糸し、捕集ベルト上に堆積させて、次いで、繊維の分割させるために孔径φ0.11mmのノズルを使用してノズルから不織布までの距離を10cmとして、ライン速度5m/minで1段目水圧60kgf/cm2、2段目の水圧100kgf/cm2で、3段目の水圧100kgf/cm2、4段目の水圧100kgf/cm2で不織布の表面と裏面に各4回、合計8回のウォータージェット加工を施し、目付量が50g/m2の分割繊維不織布を作製した。得られた不織布について、分割率、繊度、剛軟性、引張強度を測定して評価した。結果を表1に示す。
比較例6
(A)プロピレン系重合体部として荷重2160g、230℃のMFRが60g/10分の(A)プロピレン系重合体〔密度0.910g/cm3、融点157℃、Mw/Mn2.75〕を、ポリエチレン部として荷重2160g、190℃のMFRが15g/10分の直鎖状低密度ポリエチレン〔密度0.915g/cm3〕を用い、それぞれ別個の押出機成形温度を210℃で溶融し、図1(a)のような断面形状において総セグメント数が16である分割型複合繊維紡糸用口金を用い(A)プロピレン系重合体部と(B)高圧法低密度ポリエチレン部の重量比が50/50である分割型複合長繊維を糸速度2500m/分でいわゆるスパンボンド法により紡糸し、捕集ベルト上に堆積させて、次いで、繊維の分割させるために孔径φ0.11mmのノズルを使用してノズルから不織布までの距離を10cmとして、ライン速度5m/minで1段目水圧60kgf/cm2、2段目の水圧100kgf/cm2で、3段目の水圧100kgf/cm2、4段目の水圧100kgf/cm2で不織布の表面と裏面に各4回、合計8回のウォータージェット加工を施し、目付量が50g/m2の分割繊維不織布を作製した。得られた不織布について、分割率、繊度、剛軟性、引張強度を測定して評価した。結果を表1に示す。
比較例7
(A)プロピレン系重合体部として荷重2160g、230℃のMFRが35g/10分の(A)プロピレン系重合体〔密度0.910g/cm3、融点157℃、Mw/Mn2.7〕を、高密度ポリエチレン部として荷重2160g、190℃のMFRが16g/10分の高密度ポリエチレン〔密度0.972g/cm3〕を用い、それぞれ別個の押出機成形温度を240℃で溶融し、図1(a)のような断面形状において総セグメント数が16である分割型複合繊維紡糸用口金を用い(A)プロピレン系重合体部と高密度ポリエチレン部の重量比が50/50である分割型複合長繊維を糸速度2500m/分でいわゆるスパンボンド法により紡糸し、捕集ベルト上に堆積させて、次いで、繊維の分割させるために孔径φ0.11mmのノズルを使用してノズルから不織布までの距離を10cmとして、ライン速度5m/minで1段目水圧60kgf/cm2、2段目の水圧100kgf/cm2で、3段目の水圧100kgf/cm2、4段目の水圧100kgf/cm2で不織布の表面と裏面に各4回、合計8回のウォータージェット加工を施し、目付量が50g/m2の分割繊維不織布を作製した。得られた不織布について、分割率、繊度、剛軟性、引張強度を測定して評価した。結果を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1、実施例2、実施例3のポリプロピレンとポリエチレンを用いてなる複合長繊維不織布は、分割性が80%以上と容易に分割でき、得られる分割繊維の繊度も細く、柔軟性および風合いに極めて優れていた。
それに対し、比較例1、比較例2、比較例3、比較例4、比較例5、比較例6、比較例7のポリプロピレンとポリエチレンを用いてなる複合長繊維不織布は、分割が困難であり、繊度は細くなり得ず、柔軟性および風合いは劣ったものとなった。
本発明の分割繊維不織布の製造方法により得られうる分割型複合繊維不織布は、柔軟性および風合いに極めて優れており、各種ワイピングクロス、手術衣や医療用ガウンや産業用ガウンなどの衣料用不織布、包装布、使い捨てオムツやナプキンなどの衛生材料の表面材、ベッドシーツ、枕カバー等の寝具類、カーペットや人工皮革用基布等に幅広く使用することもできる。
その他用途として、例えばVTRやコンパクト・ディスクのクリーニング布、ディスクの研磨、ろ過布、フィルター、バッテリーセパレータ、一般消費材としてはグラス、貴金属、高級置物品、窓ガラス、OA機器、自動車などのウインド、楽器、鏡などの汚れ落としや油膜取り、フローリング用、トイレ用クリーナーなども挙げられる。
本発明は、衛生材料、フィルター、ワイパー、電池セパレータなどに好適なオレフィン系重合体からなる分割性に優れる分割型複合長繊維、分割型複合長繊維からなる不織布および分割繊維不織布に関する。
極細繊維からなる不織布は、柔軟性、風合いなどに優れ、衣料、使い捨てオムツ、衛生用品、ワイピングクロスなどの材料として広く使用されている。近年は、その優れた拭取り性能よりクリーンルーム内での使用を期待されている。
極細繊維を得る方法の一つとして、複数成分の重合体を組み合わせて紡糸して分割型複合繊維とし、得られた該分割型複合繊維を物理的応力や樹脂の化学薬品に対する収縮差などを利用して、多数の繊維に分割して極細繊維を得る方法が用いられている。そして、一般的には、分割型複合繊維に用いられる重合体は、剥離が容易な、即ち、相容性がないポリエステルとポリオレフィン、ポリエステルとポリアミド、ポリアミドとポリオレフィン等が用いられている。
同種の重合体からなる分割型複合繊維はポリエステルとポリオレフィンとの組合せに比べ分割性に劣ることから、プロピレン系重合体とエチレン系重合体からなる分割型複合繊維の分割性を改良する方法が種々提案されている。例えば、MFR比が異なるポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂とを断面が屈曲した分割型複合繊維とする方法(特許文献1;特開2000−328348号公報)、分子量分布が少なくとも5のポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂を用い、断面の中央部が中空部分となる分割型複合ノズルを用いて溶融紡糸し、5倍以上に多段延伸して分割型複合繊維とする方法(特許文献2;特開2002−220740号公報)が提案されている。
しかしながら、分割性を高めるには、特殊なノズルを必要とするか、多段延伸を必要とし、紡出された複合長繊維を冷却流体により冷却しながら流体で長繊維に張力を加えて細化させる方法では分割性に優れる分割型複合長繊維からなる不織布は得られていない。
特開2000−328348号公報 特開2002−220740号公報
本発明は、プロピレン系重合体とエチレン系重合体からなる分割型複合繊維の分割性を改良することを目的として、種々検討した結果、(A)プロピレン系重合体として、荷重2160g、230℃におけるMFRが40g/10分以上の(A)プロピレン系重合体、およびエチレン系重合体として、(B)高圧法低密度ポリエチレンを用いることにより、分割性を改良し得ることを見出した。
本発明は、荷重2160g、230℃におけるMFRが40g/10分以上の(A)プロピレン系重合体および(B)高圧法低密度ポリエチレンを用いてなり、(A)プロピレン系重合体部と(B)高圧法低密度ポリエチレン部とが互いに接してなる分割型複合長繊維、かかる分割型複合長繊維からなる不織布および当該不織布を分割してなる分割繊維不織布を提供するものである。
本発明はまた、荷重2160g、230℃におけるMFRが40g/10分以上の(A)プロピレン系重合体と、(B)高圧法低密度ポリエチレンを、複合紡糸ノズルを有する紡糸口金から吐出させて、紡出された(A)プロピレン系重合体部と(B)高圧法低密度ポリエチレン部が互いに接する複合長繊維を、冷却流体により冷却しながら、流体で長繊維に張力を加えて細化させて、(A)プロピレン系重合体部を配向結晶化した後、捕集ベルト上に捕集して堆積させることを特徴とする分割型複合長繊維からなる不織布の製造方法および分割繊維不織布の製造方法を提供するものである。
本発明の分割型長繊維は、分割性に優れ、得られる不織布はオレフィン系重合体からなるので、軽量で且つ、耐水性、柔軟性に優れる。
図1は、本発明に係る複合長繊維の横断面の一例を示した模式図である。(a)〜(d)の4形態を挙げた。(e)は分割処理後の断面形態の一例である。 図中、白塗り部分と黒塗り部分はそれぞれ組み合わせる樹脂を表す。
(A)プロピレン系重合体
本発明の分割型複合長繊維に係る(A)プロピレン系重合体は、メルトフローレート(MFR;ASTM D―1238 荷重;2160g、温度;230℃)が、MFRが40g/10分以上、好ましくは50〜500g/10分、さらに好ましくは55〜100g/10分の範囲にある。
MFRが40g/10分未満の(A)プロピレン系重合体を用いた場合は、得られる分割型長繊維の分割性に劣る。
また、ポリ(A)プロピレン系重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnは、通常1.5〜5.0未満、さらには、紡糸性が良好で、かつ繊維強度が特に優れる複合繊維が得られる点で、1.5〜3.5が好ましい。本発明において、良好な紡糸性とは、紡糸ノズルからの吐き出し時および延伸中に糸切れを生じず、フィラメントの融着が生じないことをいう。Mw/Mnが5.0以上であると高分子量成分が多いために糸切れを生じ易く、Mw/Mnが1.5以下であると延伸中の結晶化の遅れからフィラメントの融着が生じ易いという問題が有る。本発明において、MwおよびMnは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって、公知の方法で測定することができる。
本発明に係る(A)プロピレン系重合体は、プロピレンの単独重合体若しくはプロピレンと少量のエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチルー1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等の炭素数2〜10のα―オレフィンとの共重合体を例示できる。かかる(A)プロピレン系重合体は、好ましくは融点(Tm)が155℃以上、より好ましくは160℃以上の重合体である。
本発明に係る(A)プロピレン系重合体には、本発明の目的を損なわない範囲で、通常用いられる酸化防止剤、耐候安定剤、耐光安定剤、帯電防止剤、防曇剤、ブロッキング防止剤、滑剤、核剤、顔料等の添加剤或いは他の重合体を必要に応じて配合することができる。
(B)高圧法低密度ポリエチレン
本発明の分割型複合長繊維に係る(B)高圧法低密度ポリエチレンは、所謂、エチレンを高圧下でラジカル重合して得られる重合体であり、エチレンの単独重合体あるいはエチレンと少量の酢酸ビニルとの共重合体である。かかる(B)高圧法低密度ポリエチレンは、チーグラー触媒、メタロセン触媒等を用いて低圧下にエチレンと炭素数3〜10のα-オレフィンとを共重合して得られるエチレン・α-オレフィン共重合体である、所謂、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、およびチーグラー触媒(低圧10〜20kg/cm2)またはフィリップス触媒またはスタンダード触媒(中圧30〜100kg/cm2)を用いてエチレンをラジカル重合して得られる、所謂、高密度ポリエチレン(HDPE;密度0.950〜0.970g/cm3)とも異なる重合体である。
本発明に係る(B)高圧法低密度ポリエチレンのメルトフローレート(MFR;ASTM D―1238 荷重;2160g、温度;190℃)は、溶融紡糸し得る限り特に限定はされないが、通常、1〜1000g/10分、好ましくは10〜500g/10分、さらに好ましくは20〜100g/10分の範囲にある。
本発明に係る(B)高圧法低密度ポリエチレンの融点(Tm)は、好ましくは90〜110℃、より好ましくは95〜110℃の範囲にあり、密度が好ましくは0.900〜0.935g/cm3、より好ましくは0.905〜0.925g/cm3の範囲にある。
本発明に係る(B)高圧法低密度ポリエチレンには、本発明の目的を損なわない範囲で、通常用いられる酸化防止剤、耐候安定剤、耐光安定剤、帯電防止剤、防曇剤、ブロッキング防止剤、滑剤、核剤、顔料等の添加剤或いは他の重合体を必要に応じて配合することができる。
分割型複合長繊維
本発明の分割型複合長繊維は、前記(A)プロピレン系重合体および前記(B)高圧法低密度ポリエチレンを用いてなり、(A)プロピレン系重合体部と(B)高圧法低密度ポリエチレン部とが互いに接してなる分割型複合長繊維である。
(A)プロピレン系重合体として、荷重2160g、230℃におけるMFRが40g/10分未満の(A)プロピレン系重合体を用いた場合は、得られる分割型複合長繊維は分割性に劣り、また、(B)高圧法低密度ポリエチレンに替えて線状低密度ポリエチレンを用いた場合も、得られる分割型複合長繊維は分割性に劣る。
分割型複合長繊維の形状(断面)は、(A)プロピレン系重合体部と(B)高圧法低密度ポリエチレン部とが互いに接する限り、特に限定はされず、〔図1(a)〜図1(e)〕など種々の形状を有するが、良好な紡糸性を確保できるという観点から、中心からの距離が等しい点の集合からなる曲線である、いわゆる真円の形状(図1(a)および(b))が好ましい。
本発明の分割型複合長繊維は、配向様式が同一であり、かつその配向度が少なくとも0.80、好ましくは0.82以上のプロピレン系重合体部とエチレン系重合体部が互いに接してなる分割型複合長繊維である。ここで、配向様式とは繊維軸に対し、分子鎖中の構造要素が全体としてどのような方向に選択的に向いているかの傾向を示し、例えばc軸配向度が高いとは、結晶格子のc軸が選択的に繊維軸方向に向いており、その割合が高い状態を表す。
配向様式が同一であり、かつその配向度が高いほど、両成分の結晶化が同時に行われるためか分割性が優れるため好ましい。
本発明の分割型複合長繊維は、好ましくはエチレン系重合体の主たる配向様式の配向度が少なくとも0.70、より好ましくは0.75以上である。
本発明の配向度は、広角X線回折装置(リガク社製 RINT2550、付属装置:繊維試料台、X線源:CuKα、出力:40kV 370mA、検出器:シンチレーションカウンター)を用いて、試料を繊維軸方向に並べて試料ホルダーに固定し、結晶面ピーク[ポリプロピレン系重合体:(110)面、ポリエチレン重合体:(200)面]の方位角分布強度を測定して得られた方位角分布曲線(X線干渉図)において、ピークの半価幅(α)から下記の式より繊維軸方向の配向度を算出して評価する。なお、下記式で求められる配向度において、0.8未満の場合は配向性が非常に低いと判断し、無配向とする。
配向度(F)=(180°―α)/180° (αは方位角分布曲線におけるピーク半価幅)
本発明の分割型複合長繊維の繊度は、通常、6デニール以下が好ましい。6デニール以下であれば、割繊処理後の繊度を細くすることができ、拭取り性や柔軟性に優れるため好ましい。また、分割型複合長繊維を形成する(A)プロピレン系重合体部とエチレン系重合体部の分割数は分割性を阻害しない範囲であれば特に限定されないが、通常、4〜48分割、好ましくは4〜24分割の範囲にある。分割型複合長繊維の繊度および複合繊維の分割をかかる範囲にすることにより、複合繊維からなる不織布を分割して得られる分割繊維の繊度を0.001〜2.00デニール、好ましくは0.001〜0.5デニールの範囲にすることができる。
分割型複合長繊維からなる不織布
本発明の分割型複合長繊維からなる不織布は、前記分割型複合長繊維からなり、通常、目付けが3〜200g/m2、好ましくは10〜150g/m2の範囲にある。また、本発明の不織布は、必要に応じて、分割型複合長繊維群をエンボスロール、超音波融着などの方法により、熱融着される。熱融着する場合の面積(エンボス面積率)は、用途に応じて、適宜選択し得るが、5〜30%が好ましい。
分割繊維不織布
本発明の分割繊維不織布は、前記分割型複合長繊維からなる不織布に応力を加えることにより、複合繊維を形成する(A)プロピレン系重合体部と(B)高圧法低密度ポリエチレン部を分割してなる不織布であり、目付けが通常3〜200g/m2、好ましくは10〜150g/m2の範囲にある。
本発明の分割繊維不織布を形成する分割繊維の繊度は、通常、0.001〜2.0デニール、好ましくは0.001〜0.5デニールの範囲にある。
分割型複合長繊維からなる不織布に与える応力は、種々公知の方法、例えば、水などの液体を高圧で当てる方法、所謂高圧水流法(ウォータージェット法)、ギア延伸機が挙げられる。
堆積させてなる分割型複合長繊維からなる不織布に高圧水流を与える場合は、交絡等を促進させるために、例えば、高圧液体流による分割割繊と交絡の付与工程の前に、不織布の構成単糸間に存在する空気を水で置換するのが好ましい。具体的には、ウェブに水を付与すればよい。
高圧液体流は液体をノズル孔に通して高圧ポンプで昇圧して噴射すれば得ることができる。ノズル孔としては、通常、孔径が0.05〜1.0mmであり、更に好ましくは0.1〜0.5mmの範囲にある。また、高圧液体流の圧力としては、通常5〜400MPa、好ましくは50〜300MPaの範囲にある。また、液体としては取扱いの容易さから、水または温水が適用され、公知の水質測定装置で比抵抗値が10MΩ・cm以上が好ましく、更に好ましくは15MΩ・cm以上の純水を使用する。
ノズル孔と不織布の距離は、1〜15cm程度が好適である。この距離が15cmを超えると、液体が不織布に与えるエネルギーが低下し、割繊や交絡の効果が低下する傾向となる。また、1cm未満となると、不織布の地合が乱れる傾向となる。
一般的に、高圧液体流のノズル孔は不織布の進行方向と交差する方向に列状に配置される。片面処理の場合、均一な分割割繊や緊密な交絡結合を得るためには、噴射孔を2列以上、このましくは3列以上で行うのがよい。高圧液体流の圧力は、前段側で低く、後段側で高くするのが、地合の均一化のために好ましい。
更に、本発明に係る分割繊維不織布の外観模様、いわゆる柄は、高圧液体流の処理時に使用するスクリーンベルトのパターンを適宜選択することより、変更可能である。
高圧液体流で分割割繊処理を施された分割繊維不織布は、その後、過剰の水分を機械的絞りで除去した後、乾燥・熱処理されて最終製品となる。熱処理温度時間は、単に水分の除去に留まらず、適度の収縮および結晶化の促進を許容するように選択することも可能である。熱処理は乾熱処理や湿熱処理であってもよい。
分割型複合長繊維および不織布の製造方法
本発明の前記分割型複合長繊維および分割型複合長繊維からなる不織布は、前記(A)プロピレン系重合体および(B)高圧法低密度ポリエチレンを用いて公知の溶融紡糸の製造方法により得ることができるが、生産性が良く、分割性に優れるフィラメントが得られる点で、スパンボンド法が好ましい。
本発明の分割複合繊維不織布の製造方法として、スパンボンド法を例にとって説明する。前記(A)プロピレン系重合体および(B)高圧法低密度ポリエチレンを、それぞれ別個に押出機等で溶融し、各溶融物を図1(a)〜図1(e)に例示されるように、中空状、放射状または平行あるいは並列、若しくは弧状に断面構造を形成するようにされた複合紡糸ノズルを有する紡糸口金から吐出させて、(A)プロピレン系重合体部と(B)高圧法低密度ポリエチレン部が互いに接する分割型複合長繊維を紡出させる。紡出された分割型複合長繊維を、冷却流体により冷却し、さらに延伸エアによって長繊維に張力を加えて所定の繊度とし、そのまま捕集ベルト上に捕集して所定の厚さに堆積させる。次いで、必要に応じて熱エンボスロールによる熱融着等による熱エンボス加工を行う。熱エンボスロールによる熱融着の場合、エンボスロールのエンボス面積率は適宜決められるが、通常5〜30%が好ましい。
この際、紡糸性が良好な範囲で成形温度、紡糸速度、冷却エア温度を適宜選択することにより(A)プロピレン系重合体部、好ましくは(A)プロピレン系重合体部と(B)高圧法低密度ポリエチレン部を前記範囲で結晶化させることが必要である。
分割繊維不織布の製造方法
本発明の分割繊維不織布の製造方法は、前記分割型複合長繊維からなる不織布を前記記載の種々公知の方法で(A)プロピレン系重合体部と(B)高圧法低密度ポリエチレン部とを分割させる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例および比較例における物性値等は、以下の方法により測定した。
(1)分割率
得られた分割繊維不織布をエポキシ樹脂に包埋して、次いでミクロトームで切断し、試料片を得る。これを電子顕微鏡〔(株)日立製作所製S−3500N形 走査型電子顕微鏡〕で観察し、得られた断面像より観察された分割繊維断面のセグメント数が1つの場合は分割率を100%とし、観察された分割繊維断面のセグメント数が2つ以上の場合は分割率を以下の式で算出した。これを繊維50本分観察し、その平均値を該分割繊維不織布の分割率とした。
分割率[%]=(総セグメント数−観察された分割繊維断面のセグメント数)/総セグメント数×100
ここで、総セグメント数とは、分割型複合繊維のフィラメント横断面を形成するセグメントの総和のことである。例えば、図1(a)、(b)および(d)のようなフィラメント横断面を有する分割型複合繊維の場合は、総セグメントを8とする。
例えば、図1(a)のような総セグメント数8のフィラメントにおいて図1(e)のような分割繊維断面が観察された場合は、観察された分割繊維断面のセグメント数は3として、上式より分割率は62.5%とする。
(2)繊度
得られた分割繊維不織布をエポキシ樹脂に包埋して、次いでミクロトームで切断して試料片を得る。次いで、電子顕微鏡〔(株)日立製作所製S−3500N形 走査型電子顕微鏡〕で観察し、得られた断面像から未分割フィラメント30本を選び、その断面積を算出し、それらの平均値より未分割フィラメントの繊度を求め、分割率を用いて次の式により分割繊維の繊度を算出した。
分割繊維の繊度=未分割フィラメント繊度/(総セグメント数×分割率/100)
(3)風合い
評価者10人により手触りの評価を行い、以下の基準で評価結果を示す。
◎:手触りが良いと感じた人が、10人のうち10人の場合、
○:手触りが良いと感じた人が、10人のうち9〜7人の場合、
△:手触りが良いと感じた人が、10人のうち6〜3人の場合、
×:手触りが良いと感じた人が、10人のうち2人以下の場合。
(4)剛軟性(45°カンチレバー法)
JIS L1096(6.19.1 A法 項)に準拠して、JIS Z 8703(試験場所の標準状態)に規定する温度20±2℃、湿度65±2%の恒温室内で幅20mm×150mmの試験片を流れ方向(MD)と横方向(CD)でそれぞれ5枚採取し、45°の斜面をもつ表面の滑らかな水平台の上に試験片の短辺をスケール基線に合わせて置く。次に、手動により試験片を斜面の方向に緩やかに滑らせて試験片の一端の中央点が斜面と接したとき他端の位置の移動長さをスケールによって読む。剛軟性(剛軟度)は試験片の移動した長さ(mm)で示され、それぞれ5枚の裏表について測定し、流れ方向(MD)および横方向(CD)それぞれの平均値で表した。
剛軟度が低いほど不織布に柔軟性があると判断される。一般に流れ方向(MD)および横方向(CD)ともに剛軟度の値が25mm未満の場合に、柔軟性が良好と判断される。但し、必要な柔軟性は使用目的等によっても異なる為、必ずしもこの数値に制限されるものではない。
(5)引張強度
JIS L1906(6.12.1 A法)に準拠して、JIS Z8703(試験場所の標準状態)に規定する温度20±2℃、湿度65±2%の恒温室内で流れ方向(MD)の引張強度としては流れ方向(MD)に25cm、横方向(CD)に2.5cmの不織布試験片を3枚採取し、横方向(CD)の引張強度としては流れ方向(MD)に2.5cm、横方向(CD)に25cmの不織布試験片を3枚採取し、チャック間200mm、引張速度200mm/分の条件で引張り試験機(インストロン ジャパン カンパニイリミテッド製 インストロン5564型)を用いて引張試験を行い、3枚の試験片について引張荷重を測定し、それらの最大値の平均値を引張強度とした。
(6)通気度
JIS L 1096(通気性A法)に準拠し、試料長さ方向より100×100mmの試験片を20枚採取しフラジール型試験機(大栄科学精器製作所 AT-360S)を用いて測定した結果の平均値を通気度とした。
通気度が低いほど、分割性が高いため極細繊維が不織布全体に均一に存在していると判断できる
[実施例1]
(A)プロピレン系重合体部として荷重2160g、230℃のMFRが60g/10分の(A)プロピレン系重合体〔密度0.910g/cm3、融点157℃、Mw/Mn2.75〕を、(B)高圧法低密度ポリエチレン部として荷重2160g、190℃のMFRが20g/10分の(B)高圧法低密度ポリエチレン〔密度0.919g/cm3〕をそれぞれ別個の押出機成形温度を210℃として溶融した。図1(a)のような断面形状において総セグメント数が16である分割型複合繊維紡糸用口金を用い(A)プロピレン系重合体部と(B)高圧法低密度ポリエチレン部の重量比が50/50である分割型複合長繊維を糸速度2500m/分でいわゆるスパンボンド法により紡糸し、捕集ベルト上に堆積させた。次いで、繊維を分割させるために孔径φ0.11mmのノズルを使用してノズルから不織布までの距離を10cmとして、ライン速度5m/minで1段目水圧60kgf/cm2、2段目の水圧100kgf/cm2で、3段目の水圧100kgf/cm2、4段目の水圧100kgf/cm2で不織布の表面と裏面に各4回、合計8回のウォータージェット加工を施し、目付量が50g/m2の分割繊維不織布を作製した。得られた不織布について、分割率、繊度、剛軟性、引張強度を測定して評価した。結果を表1に示す。
[実施例2]
(A)プロピレン系重合体部として荷重2160g、230℃のMFRが60g/10分の(A)プロピレン系重合体〔密度0.910g/cm3、融点157℃、Mw/Mn2.75〕を、(B)高圧法低密度ポリエチレン部として荷重2160g、190℃のMFRが35g/10分の(B)高圧法低密度ポリエチレン〔密度0.916 g/cm3〕を用い、それぞれ別個の押出機成形温度を210℃で溶融し、図1(a)のような断面形状において総セグメント数が16である分割型複合繊維紡糸用口金を用い(A)プロピレン系重合体部と(B)高圧法低密度ポリエチレン部の重量比が50/50である分割型複合長繊維を糸速度2500m/分でいわゆるスパンボンド法により紡糸し、捕集ベルト上に堆積させて、次いで、繊維の分割させるために孔径φ0.11mmのノズルを使用してノズルから不織布までの距離を10cmとして、ライン速度5m/minで1段目水圧60kgf/cm2、2段目の水圧100kgf/cm2で、3段目の水圧100kgf/cm2、4段目の水圧100kgf/cm2で不織布の表面と裏面に各4回、合計8回のウォータージェット加工を施し、目付量が50g/m2の分割繊維不織布を作製した。得られた不織布について、分割率、繊度、剛軟性、引張強度を測定して評価した。結果を表1に示す。
[実施例3]
(A)プロピレン系重合体部として荷重2160g、230℃のMFRが60g/10分の(A)プロピレン系重合体〔密度0.910 g/cm3、融点161.7℃、Mw/Mn3.40〕を、(B)高圧法低密度ポリエチレン部として荷重2160g、190℃のMFRが35g/10分の(B)高圧法低密度ポリエチレン〔密度0.916g/cm3〕を用い、それぞれ別個の押出機成形温度を210℃で溶融し、図1(a)のような断面形状において総セグメント数が16である分割型複合繊維紡糸用口金を用い(A)プロピレン系重合体部と(B)高圧法低密度ポリエチレン部の重量比が50/50である分割型複合長繊維を糸速度2500m/分でいわゆるスパンボンド法により紡糸し、捕集ベルト上に堆積させて、次いで、繊維の分割させるために孔径φ0.11mmのノズルを使用してノズルから不織布までの距離を10cmとして、ライン速度5m/minで1段目水圧60kgf/cm2、2段目の水圧100kgf/cm2で、3段目の水圧100kgf/cm2、4段目の水圧100kgf/cm2で不織布の表面と裏面に各4回、合計8回のウォータージェット加工を施し、目付量が50g/m2の分割繊維不織布を作製した。得られた不織布について、分割率、繊度、剛軟性、引張強度を測定して評価した。結果を表1に示す。
[比較例1]
(A)プロピレン系重合体部として荷重2160g、230℃のMFRが60g/10分の(A)プロピレン系重合体〔密度0.910g/cm3、融点157℃、Mw/Mn2.75〕を、高密度ポリエチレン部として荷重2160g、190℃のMFRが16g/10分の高密度ポリエチレン〔密度0.972g/cm3〕を用い、それぞれ別個の押出機成形温度を240℃で溶融し、図1(a)のような断面形状において総セグメント数が16である分割型複合繊維紡糸用口金を用い(A)プロピレン系重合体部と高密度ポリエチレン部の重量比が50/50である分割型複合長繊維を糸速度2500m/分でいわゆるスパンボンド法により紡糸し、捕集ベルト上に堆積させて、次いで、繊維の分割させるために孔径φ0.11mmのノズルを使用してノズルから不織布までの距離を10cmとして、ライン速度5m/minで1段目水圧60kgf/cm2、2段目の水圧100kgf/cm2で、3段目の水圧100kgf/cm2、4段目の水圧100kgf/cm2で不織布の表面と裏面に各4回、合計8回のウォータージェット加工を施し、目付量が50g/m2の分割繊維不織布を作製した。得られた不織布について、分割率、繊度、剛軟性、引張強度を測定して評価した。結果を表1に示す。
[比較例2]
(A)プロピレン系重合体部として荷重2160g、230℃のMFRが30g/10分の(A)プロピレン系重合体〔密度0.910g/cm3、融点165.4℃、Mw/Mn6.79〕を、高密度ポリエチレン部として荷重2160g、190℃のMFRが16g/10分の高密度ポリエチレン〔密度0.972g/cm3〕を用い、それぞれ別個の押出機成形温度を240℃で溶融し、図1(a)のような断面形状において総セグメント数が16である分割型複合繊維紡糸用口金を用い(A)プロピレン系重合体部と高密度ポリエチレン部の重量比が50/50である分割型複合長繊維を糸速度2500m/分でいわゆるスパンボンド法により紡糸し、捕集ベルト上に堆積させて、次いで、繊維の分割させるために孔径φ0.11mmのノズルを使用してノズルから不織布までの距離を10cmとして、ライン速度5m/minで1段目水圧60kgf/cm2、2段目の水圧100kgf/cm2で、3段目の水圧100kgf/cm2、4段目の水圧100kgf/cm2で不織布の表面と裏面に各4回、合計8回のウォータージェット加工を施し、目付量が50g/m2の分割繊維不織布を作製した。得られた不織布について、分割率、繊度、剛軟性、引張強度を測定して評価した。結果を表1に示す。
[比較例3]
(A)プロピレン系重合体部として荷重2160g、230℃のMFRが13g/10分の(A)プロピレン系重合体を〔密度0.910g/cm3、融点165.4℃、Mw/Mn10.97〕、高密度ポリエチレン部として荷重2160g、190℃のMFRが16g/10分の高密度ポリエチレン〔密度0.972g/cm3〕を用い、それぞれ別個の押出機成形温度を240℃で溶融し、図1(a)のような断面形状において総セグメント数が16である分割型複合繊維紡糸用口金を用い(A)プロピレン系重合体部と高密度ポリエチレン部の重量比が50/50である分割型複合長繊維を糸速度2500m/分でいわゆるスパンボンド法により紡糸し、捕集ベルト上に堆積させて、次いで、繊維の分割させるために孔径φ0.11mmのノズルを使用してノズルから不織布までの距離を10cmとして、ライン速度5m/minで1段目水圧60kgf/cm2、2段目の水圧100kgf/cm2で、3段目の水圧100kgf/cm2、4段目の水圧100kgf/cm2で不織布の表面と裏面に各4回、合計8回のウォータージェット加工を施し、目付量が50g/m2の分割繊維不織布を作製した。得られた不織布について、分割率、繊度、剛軟性、引張強度を測定して評価した。結果を表1に示す。
[比較例4]
(A)プロピレン系重合体部として荷重2160g、230℃のMFRが30g/10分の(A)プロピレン系重合体〔密度0.910g/cm3、融点157℃、Mw/Mn2.80〕を、(B)高圧法低密度ポリエチレン部として荷重2160g、190℃のMFRが20g/10分の(B)高圧法低密度ポリエチレン〔密度0.919g/cm3〕を用い、それぞれ別個の押出機成形温度を210℃で溶融し、図1(a)のような断面形状において総セグメント数が16である分割型複合繊維紡糸用口金を用い(A)プロピレン系重合体部と(B)高圧法低密度ポリエチレン部の重量比が50/50である分割型複合長繊維を糸速度2500m/分でいわゆるスパンボンド法により紡糸し、捕集ベルト上に堆積させて、次いで、繊維の分割させるために孔径φ0.11mmのノズルを使用してノズルから不織布までの距離を10cmとして、ライン速度5m/minで1段目水圧60kgf/cm2、2段目の水圧100kgf/cm2で、3段目の水圧100kgf/cm2、4段目の水圧100kgf/cm2で不織布の表面と裏面に各4回、合計8回のウォータージェット加工を施し、目付量が50g/m2の分割繊維不織布を作製した。得られた不織布について、分割率、繊度、剛軟性、引張強度を測定して評価した。結果を表1に示す。
[比較例5]
(A)プロピレン系重合体部として荷重2160g、230℃のMFRが60g/10分の(A)プロピレン系重合体〔密度0.910g/cm3、融点157℃、Mw/Mn2.75〕を、高密度ポリエチレン部として荷重2160g、190℃のMFRが30g/10分の高密度ポリエチレン〔密度0.95g/cm3〕を用い、それぞれ別個の押出機成形温度を210℃で溶融し、図1(a)のような断面形状において総セグメント数が16である分割型複合繊維紡糸用口金を用い(A)プロピレン系重合体部と(B)高密度ポリエチレン部の重量比が50/50である分割型複合長繊維を糸速度2500m/分でいわゆるスパンボンド法により紡糸し、捕集ベルト上に堆積させて、次いで、繊維の分割させるために孔径φ0.11mmのノズルを使用してノズルから不織布までの距離を10cmとして、ライン速度5m/minで1段目水圧60kgf/cm2、2段目の水圧100kgf/cm2で、3段目の水圧100kgf/cm2、4段目の水圧100kgf/cm2で不織布の表面と裏面に各4回、合計8回のウォータージェット加工を施し、目付量が50g/m2の分割繊維不織布を作製した。得られた不織布について、分割率、繊度、剛軟性、引張強度を測定して評価した。結果を表1に示す。
[比較例6]
(A)プロピレン系重合体部として荷重2160g、230℃のMFRが60g/10分の(A)プロピレン系重合体〔密度0.910g/cm3、融点157℃、Mw/Mn2.75〕を、ポリエチレン部として荷重2160g、190℃のMFRが15g/10分の直鎖状低密度ポリエチレン〔密度0.915g/cm3〕を用い、それぞれ別個の押出機成形温度を210℃で溶融し、図1(a)のような断面形状において総セグメント数が16である分割型複合繊維紡糸用口金を用い(A)プロピレン系重合体部と(B)ポリエチレン部の重量比が50/50である分割型複合長繊維を糸速度2500m/分でいわゆるスパンボンド法により紡糸し、捕集ベルト上に堆積させて、次いで、繊維の分割させるために孔径φ0.11mmのノズルを使用してノズルから不織布までの距離を10cmとして、ライン速度5m/minで1段目水圧60kgf/cm2、2段目の水圧100kgf/cm2で、3段目の水圧100kgf/cm2、4段目の水圧100kgf/cm2で不織布の表面と裏面に各4回、合計8回のウォータージェット加工を施し、目付量が50g/m2の分割繊維不織布を作製した。得られた不織布について、分割率、繊度、剛軟性、引張強度を測定して評価した。結果を表1に示す。
[比較例7]
(A)プロピレン系重合体部として荷重2160g、230℃のMFRが35g/10分の(A)プロピレン系重合体〔密度0.910g/cm3、融点157℃、Mw/Mn2.7〕を、高密度ポリエチレン部として荷重2160g、190℃のMFRが16g/10分の高密度ポリエチレン〔密度0.972g/cm3〕を用い、それぞれ別個の押出機成形温度を240℃で溶融し、図1(a)のような断面形状において総セグメント数が16である分割型複合繊維紡糸用口金を用い(A)プロピレン系重合体部と高密度ポリエチレン部の重量比が50/50である分割型複合長繊維を糸速度2500m/分でいわゆるスパンボンド法により紡糸し、捕集ベルト上に堆積させて、次いで、繊維の分割させるために孔径φ0.11mmのノズルを使用してノズルから不織布までの距離を10cmとして、ライン速度5m/minで1段目水圧60kgf/cm2、2段目の水圧100kgf/cm2で、3段目の水圧100kgf/cm2、4段目の水圧100kgf/cm2で不織布の表面と裏面に各4回、合計8回のウォータージェット加工を施し、目付量が50g/m2の分割繊維不織布を作製した。得られた不織布について、分割率、繊度、剛軟性、引張強度を測定して評価した。結果を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1、実施例2、実施例3のポリプロピレンとポリエチレンを用いてなる複合長繊維不織布は、分割性が80%以上と容易に分割でき、得られる分割繊維の繊度も細く、柔軟性および風合いに極めて優れていた。
それに対し、比較例1、比較例2、比較例3、比較例4、比較例5、比較例6、比較例7のポリプロピレンとポリエチレンを用いてなる複合長繊維不織布は、分割が困難であり、繊度は細くなり得ず、柔軟性および風合いは劣ったものとなった。
本発明の分割繊維不織布の製造方法により得られうる分割型複合繊維不織布は、柔軟性および風合いに極めて優れており、各種ワイピングクロス、手術衣や医療用ガウンや産業用ガウンなどの衣料用不織布、包装布、使い捨てオムツやナプキンなどの衛生材料の表面材、ベッドシーツ、枕カバー等の寝具類、カーペットや人工皮革用基布等に幅広く使用することもできる。
その他用途として、例えばVTRやコンパクト・ディスクのクリーニング布、ディスクの研磨、ろ過布、フィルター、バッテリーセパレータ、一般消費材としてはグラス、貴金属、高級置物品、窓ガラス、OA機器、自動車などのウインド、楽器、鏡などの汚れ落としや油膜取り、フローリング用、トイレ用クリーナーなども挙げられる。

Claims (9)

  1. (A)荷重2160g、230℃におけるMFRが40g/10分以上のプロピレン系重合体、および
    (B)高圧法低密度ポリエチレンを用いてなり、
    (A)からなる樹脂部と(B)からなる樹脂部とが互いに接してなる分割型複合長繊維。
  2. (A)プロピレン系重合体のMw/Mn(重量平均分子量/数平均分子量の比)が5.0未満である請求項1に記載の分割型複合長繊維。
  3. (B)高圧法低密度ポリエチレンの荷重2160g、190℃におけるMFRが20g/10分以上の請求項1に記載の分割型複合長繊維。
  4. 請求項1または2に記載の分割型複合長繊維からなる不織布。
  5. 請求項4に記載の不織布に応力を付加することにより、分割型複合長繊維の(A)プロピレン系重合体部と(B)高圧法低密度ポリエチレン部を分割してなる分割繊維不織布。
  6. 応力の付加が、高圧液体流を用いて行われる請求項5に記載の分割繊維不織布。
  7. 荷重2160g、230℃におけるMFRが40g/10分以上の(A)プロピレン系重合体と、(B)高圧法低密度ポリエチレンを、複合紡糸ノズルを有する紡糸口金から吐出させて、紡出された(A)プロピレン系重合体部と(B)高圧法低密度ポリエチレン部が互いに接する複合長繊維を、冷却流体により冷却しながら、流体で長繊維に張力を加えて細化させて、(A)プロピレン系重合体部を配向結晶化した後、捕集ベルト上に捕集して堆積させることを特徴とする分割型複合長繊維からなる不織布の製造方法。
  8. 請求項4に記載の不織布に、応力を付加することにより、分割型複合長繊維の(A)プロピレン系重合体部と(B)高圧法低密度ポリエチレン部を分割することを特徴とする分割繊維不織布の製造方法。
  9. 応力の付加が、高圧液体流を用いて行われる請求項8に記載の分割繊維不織布の製造方法。
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