JP5181028B2 - 長繊維不織布 - Google Patents

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Description

本発明は、単糸強度が強く、しかも、細繊維にした場合でも中空率が高いプロピレン系重合体繊維からなる長繊維不織布に関する。
近年、ポリプロピレン不織布は通気性、柔軟性、軽量性に優れることから各種用途に幅広く用いられている。そのため、不織布には、その用途に応じた各種の特性が求められるとともに、その特性の向上が要求されている。
不織布を軽量化する目的の一つとして、不織布を形成する繊維を中空繊維とする方法が種々提案されている。ダイのスリット幅を薄くすればより中空率が高いポリプロピレン繊維が得られるが、ダイのスリット幅を薄くするとダイ内の圧力が高くなるので、薄くするには限界がある。したがって、中空率が高いポリプロピレン繊維を得るには、ダイの径を大きくする必要、例えば、繊維径が25μm以上と、ある程度繊維径を大きくすることで中空率が10〜60%の中空断面を有するポリプロピレン系繊維よりなる長繊維不織布を得ることが提案されている(特許文献1)。特許文献1の実施例1には繊維径が33μmで中空率が40%の長繊維不織布、実施例2には繊維径が40μmで中空率が50%の長繊維不織布を得たことが記載されているが、引張強度はそれぞれ7.4kg/5cm(36.3N/25mm)、6.8kg/5cm(33.3N/25mm)とあり、未だ強度が不十分である。
一方、繊維径が20μm以下で中空率が5〜70%のポリプロピレン不織布(特許文献2)が提案されているが、特許文献2の表1(TABLE 1)及び表2(TABLE 2)には、中空率が12.5〜19%の繊維径が約20μmからなるポリプロピレン不織布が開示されているのみで、繊維径が25μm未満と細くなると、実際には中空率が19%以下と小さく、細繊維で且つ中空率が高いポリプロピレン不織布を得ることは困難であることが示されている。
特開平8−126440号公報、特許請求の範囲、実施例1、実施例2 米国特許明細書第6,368,990号、特許請求の範囲、表1、表2
本発明者らは、強度に優れた中空繊維、とりわけ単糸強度が強く、しかも、細繊維にした場合でも中空率が高いプロピレン系重合体繊維からなる長繊維不織布を開発することを目的とし、種々検討した結果、プロピレン系重合体としてZ平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)との比(Mz/Mw)が特定の範囲にあるプロピレン系重合体を用いることにより、本発明の目的を達成し得ることを見出した。
本発明は、Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)との比(Mz/Mw)が1.5〜1.9の範囲にあるプロピレン系重合体の中空繊維からなる長繊維不織布、好ましくは繊維径が15〜50μm及び中空率が5〜50%である中空繊維からなる長繊維不織布を提供するものである。
また、本発明は、繊維径が15〜24μm及び中空率が22〜35%の中空断面を有するプロピレン系重合体繊維、好ましくはプロピレン系重合体繊維を構成するプロピレン系重合体が、Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)との比(Mz/Mw)が1.5〜1.9の範囲にあることを特徴とする長繊維不織布を提供するものである。
本発明の長繊維不織布は、従来の中空繊維不織布に比べ、繊維の強度、とりわけ単糸強度が強く、しかも、不織布を形成するプロピレン系重合体繊維の繊維径を細くしても中空率が高いという特徴に加え、通気性、特に軽量性、隠蔽性、反射性に優れる。
は、本発明に係るノズル孔形状の模式図である。 は、本発明に係る長繊維不織布の繊維断面の模式図である。 は、本発明の実施例及び比較例に用いたスパンボンド装置の概略図である。
<プロピレン系重合体>
本発明の長繊維不織布を形成するプロピレン系重合体繊維を構成するプロピレン系重合体は、Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)との比(Mz/Mw)が1.5〜1.9の範囲、好ましくは、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が2.0〜2.9の範囲にある。Mz/Mwが1.9を超えるプロピレン系重合体を用いた場合は、繊維径を24μm以下で中空率が22%以上の長繊維を得ることは困難である。
本発明に係るプロピレン系重合体が上記範囲にあるということは、通常のプロピレン系重合体に比べて、高分子量成分の含有量が少ないことを意味する。
本発明に係るプロピレン系重合体は、メルトフローレート(MFR)(ASTM D−1238、230℃、荷重2160g)が10〜100g/10分、好ましくは20〜70g/10分の範囲にある。MFRが10g/10分未満のプロピレン系重合体は、溶融粘度が高く紡糸性に劣るので、中空率が高い細繊維を得ることは困難となる虞があり、一方、100g/10分を超えるプロピレン系重合体は、得られる長繊維不織布の引張強度等が劣る虞がある。
本発明に係るプロピレン系重合体は、プロピレンの単独重合体及びプロピレンとエチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン等の炭素数2以上、好ましくは2〜8の1種または2種以上のα−オレフィンとのランダム共重合体(プロピレン・α―オレフィンランダム共重合体)であり、通常、融点(Tm)が135℃以上、好ましくは135〜165℃の範囲にある。α−オレフィンの共重合量は、得られるプロピレン系重合体の融点(Tm)が上記範囲にある限り特に限定はされないが、通常、10モル%以下、好ましくは6モル%以下である。
本発明において、プロピレン系重合体のMn、Mw、Mz、Mw/Mn、及びMz/Mwは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって、公知の方法で測定することができる。
本発明に係るプロピレン系重合体は、Exxon Mobil ChemicalからAchieve3854(商品名)として製造・販売されている。また、本発明に係るプロピレン系重合体は、例えば、特表2001−508472号公報に記載された特定のメタロセン触媒を用いてプロピレン及び必要に応じて炭素数2以上のα−オレフィンを重合することにより得られる。
本発明に係るプロピレン系重合体には、本発明の目的を損なわない範囲で、通常用いられる酸化防止剤、耐候安定剤、耐光安定剤、帯電防止剤、防曇剤、ブロッキング防止剤、滑剤、核剤、顔料等の添加剤或いは他の重合体を必要に応じて配合することができる。
<長繊維不織布>
本発明の長繊維不織布は、前記プロピレン系重合体の中空繊維、好ましくは繊維径が15〜50μm及び中空率が5〜50%、より好ましくは繊維径が25〜45μm及び中空率が15〜50%、さらに好ましくは繊維径が35〜45μm及び中空率が15〜50%である中空繊維からなる長繊維不織布である。
また、本発明の長繊維不織布は、15〜24μm、好ましくは19〜22μmの細繊維でも、中空率が22〜35%、好ましくは25〜30%と中空率が高い中空断面を有するプロピレン系重合体繊維からなる。
かかる細繊維で中空率が高い中空断面を有するプロピレン系重合体繊維は、プロピレン系重合体として、前記記載のZ平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)との比(Mz/Mw)が1.5〜1.9の範囲、好ましくは、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が2.0〜2.9の範囲にあるプロピレン系重合体を用いることにより、上記範囲にある中空断面を有するプロピレン系重合体からなる長繊維不織布を容易に得ることができる。
本発明の長繊維不織布は、通常、目付が1〜1000g/m2、好ましくは10〜100g/m2、より好ましくは10〜30g/m2の範囲にある。
本発明の長繊維不織布は、用途により、種々公知の交絡方法、例えば、ニードルパンチ、ウォータージェット、超音波等の手段を用いる方法、あるいはエンボスロールを用いる熱エンボス加工またはホットエアースルーを用いることにより1部熱融着する方法により交絡しておいてもよい。かかる交絡方法は単独でも複数の交絡方法を組合わせて用いてもよい。
熱エンボス加工により熱融着する場合は、通常、エンボス面積率が5〜20%、好ましくは5〜10%、非エンボス単位面積が0.5mm2以上、好ましくは4〜40mm2の範囲にある。非エンボス単位面積とは、四方をエンボス部で囲まれた最小単位の非エンボス部において、エンボスに内接する四角形の最大面積である。かかる範囲のエンボスを有することにより、強度と柔軟性に優れた不織布を作成することができる。
ニードルパンチ加工により交絡処理する場合は、公知のニードルパンチ機を使用し、繊維の性状に応じ、針密度、ニードル種類、ニードル深度、パンチ数といった条件を調整することで強度と柔軟性に優れた不職布を作成することができる。場合によっては、複数のニードルパンチ機を通して交絡を最適化してもよい。
<長繊維不織布の製造方法>
本発明の長繊維不織布は、前記プロピレン系重合体を用いて公知のスパンボンド不織布の製造方法により製造し得る。
具体的には、前記プロピレン系重合体を押出機で溶融した後、溶融した重合体を繊維断面が中空断面を形成する例えば図1に示すような多数の紡糸孔(ノズル)を備えた口金(ダイ)に導入して吐出させた後、溶融紡糸された中空状のプロピレン系重合体長繊維を冷却室に導入し、冷却風により冷却した後、延伸エアにより長繊維を延伸(牽引)し、移動捕集面上に堆積させる方法により製造し得る。プロピレン系重合体の溶融温度は、通常180〜240℃、好ましくは190〜230℃、より好ましくは200〜225℃の温度に設定し得る。
冷却風の温度はプロピレン系重合体が固化する温度であれば特に限定はされないが、通常5〜50℃、好ましくは10〜40℃、より好ましくは15〜30℃の範囲にある。延伸エアの風速は、通常100〜10,000m/分、好ましくは500〜10,000m/分の範囲にある。
繊維径が15〜50μm及び中空率が5〜50%、とりわけ繊維径が15〜24μm及び中空率が22〜35%の中空断面を有するプロピレン系重合体繊維を得るには、前記紡糸孔(ノズル)として、外径が0.5〜5.0mmの範囲で、且つスリット幅が0.05〜0.5mmの範囲にある紡糸孔を備えた口金を用いることが必要である。なお外径が5.0mmを超える紡糸孔を用いた場合は、繊維径が24μm以下の長繊維を得ることが困難となる虞があり、スリット幅が0.5mmを超える紡糸孔を用いた場合は、中空率が22%を超える長繊維を得ることが困難となる虞がある。
また、0.05mm未満のスリット幅の紡糸孔では、設備制約上、前記記載のプロピレン系重合体を用いても紡糸孔直前の圧力が高くなり、紡糸が困難であった。したがって、繊維径が24μm以下で、中空率が22%を超える中空繊維は、同じように、スリット幅を狭くする必要があり、その結果、紡糸に糸切れしたりして、安定して製造することが困難である。
<長繊維不織布積層体>
本発明の長繊維不織布は、種々用途応じて、他の層を積層してもよい。長繊維不織布に積層される他の層は、特に限定はされず、用途により種々の層が積層し得る。
具体的には、例えば、編布、織布、不織布、フィルム等を挙げることができる。本発明の長繊維不織布と他の層を積層する(貼り合せる)場合は、熱エンボス加工、超音波融着等の熱融着法、ニードルパンチ、ウォータージェット等の機械的交絡法、ホットメルト接着剤、ウレタン系接着剤等の接着剤による方法、押出しラミネート等をはじめ、種々公知の方法を採り得る。
本発明の長繊維不織布と積層される不織布としては、通常のスパンボンド不織布、メルトブローン不織布、湿式不織布、乾式不織布、乾式パルプ不織布、フラッシュ紡糸不織布、開繊不織布等、種々公知の不織布を挙げることができる。
本発明の長繊維不織布と積層されるフィルムとしては、本発明の長繊維不織布の特徴である通気性、柔軟性及び軽量性を生かす、通気性(透湿性)フィルムが好ましい。かかる通気性フィルムとしては、種々公知の通気性フィルム、例えば、透湿性を有するポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等の熱可塑性エラストマーからなるフィルム、無機あるいは有機微粒子を含む熱可塑性樹脂からなるフィルムを延伸して多孔化してなる多孔フィルム等を挙げることができる。多孔フィルムに用いる熱可塑性樹脂としては、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(所謂LLDPE)、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリプロピレンランダム共重合体あるいはそれらの組成物等のポリオレフィンが好ましい。
通気性フィルムとの積層体は、本発明の長繊維不織布の柔軟性を生かすとともに、極めて高い耐水性を有する、クロスライクな複合素材となり得る。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例における物性値等は、以下の方法により測定した。
(1)プロピレン系重合体の分子量分布、平均分子量
プロピレン系重合体30mgをo−ジクロロベンゼン20mLに145℃で完全に溶解した後、その溶液を孔径が1.0μmの焼結フィルターで濾過し、試料溶液を得た。
得られた試料溶液をゲル浸透クロマトグラフ装置〔Waters社製 alliance GPC 2000型〕を用いて、カラム温度140℃、移動層o−ジクロロベンゼン、流速1mLの条件で測定し、分子量分布および平均分子量を得た。
(2)プロピレン系重合体の融点(Tm)の測定方法
プロピレン系重合体の融点(Tm)は、示差走査熱量計(DSC)を用い、次の公知の方法で実施した。(DSC)を用いて次の公知の方法で実施した。昇温速度;10℃/分で昇温したときの融解吸熱曲線の極値を与える温度より50℃程度高い温度まで昇温して、この温度で10分間保持した後、降温速度;10℃/分で30℃まで冷却し、再度、昇温速度;10℃/分で所定の温度まで昇温したときの融解曲線を測定し、かかる融解曲線から、ASTM D3419の方法に習い、融解吸熱曲線の極値を与える温度を求め、かかるピーク温度の吸熱ピークを融点(Tm)とした。
(3)繊維径(μm)
得られた長繊維不織布を光学顕微鏡〔Nikon社製 ECLIPSE E−400〕で観察し、画面上のフィラメントから30本を選びその繊維径を測定し、その平均値を当該不織布の繊維径とした。
(4)繊度[d]
当該長繊維不織布の繊度は以下の式を用いて算出した。
繊度[d]=0.00225×π×ρ[g/cm3]×D2[μm]×(1−中空率[%])
ここで、ρ[g/cm3]は樹脂の使用温度における溶融密度、Dは繊維径である。
(5)単糸強度[gf/d]
JIS L1905(7.5.1法)に準拠して、JIS Z8703(試験場所の標準状態)に規定する温度20±2℃、湿度65±2%の恒温室内でフィラメントを60本採取し、チャック間20mm、引張速度20mm/分の条件で引張り試験機(インストロン・ジャパン・カンパニイリミテッド製 インストロン5564型)を用いて引張試験を行い、60本分の試験片について引張荷重を測定し、それらの最大値の平均値を単糸強度とした。
(6)中空率[%]
長繊維不織布をエポキシ樹脂に包埋して、次いでミクロトームで切断し、試料片を得る。これを電子顕微鏡〔(株)日立製作所製S−3500N形 走査型電子顕微鏡〕で観察し、得られた断面像より観察された繊維断面像のおける繊維全体の断面積と中空部断面積を求め、以下の式より算出した。
中空率[%]=(中空部の断面積/繊維全体の断面積)×100
中空率の値は繊維20本を測定した平均値とした。
(7)嵩高性[mm/(g/m2)]
JIS L1906(6.5)に準拠して、JIS Z8703(試験場所の標準状態)に規定する温度20±2℃、湿度65±2%の恒温室内で、長繊維不織布から、流れ方向(MD)に10cm、横方向(CD)に10cmの試験片を1枚採取し、試験片の重量を測定して、目付(g/m2)を求めた。次いで、当該試験片の5箇所を厚み測定器(テスター産業)により一定時間(10秒)、一定圧力(20g)のもとでφ1.6cmの先端冶具を試験片に押し付けて、厚さ(mm)を測定した。次いで、試験片の厚さ(mm)を目付(g/m2)で割って、長繊維不織布の嵩高性を求めた。目付当たりの厚さが厚いほど、長繊維不織布の嵩高性が良好である。
(8)形態安定性
JIS Z8703(試験場所の標準状態)に規定する温度20±2℃、湿度65±2%の恒温室内で長繊維不織布から流れ方向(MD)に26cm、横方向(CD)に13cmの試験片を3枚採取し、チャック間210mm、引張速度50mm/分の条件で引張り試験機(インストロン・ジャパン・カンパニイリミテッド製 インストロン5564型)を用いて、荷重が4kgfとなるところまで引張試験を行い、MD方向の中央におけるCD方向の長さAmmを測定し、(A/130)×100(%)を求め、3枚の試験片についてのこの値の平均値を形態安定性とした。形態安定性が高い数値を示すほど、長繊維不織布の加工における耐ネッキング特性に優れる。
(9)剛軟性[45°カンチレバー法]
JIS L1096(6.19.1 A法)に準拠して、JIS Z 8703(試験場所の標準状態)に規定する温度20±2℃、湿度65±2%の恒温室内で、長繊維不織布から幅20mm×150mmの試験片を流れ方向(MD)と横方向(CD)でそれぞれ5枚採取し、45°の斜面をもつ表面の滑らかな水平台の上に試験片の短辺をスケール基線に合わせて置く。次に、手動により試験片を斜面の方向に緩やかに滑らせて試験片の一端の中央点が斜面と接したとき他端の位置の移動長さをスケールによって読む。剛軟度は試験片の移動した長さ(mm)で示され、それぞれ5枚の裏表について測定し、流れ方向(MD)および横方向(CD)それぞれの平均値で表した。
(10)引張強度
JIS L1906(6.12.1 A法)に準拠して、JIS Z8703(試験場所の標準状態)に規定する温度20±2℃、湿度65±2%の恒温室内で流れ方向(MD)に25cm、横方向(CD)に2.5cmの不織布試験片を3枚採取し、チャック間30mm、引張速度30mm/分の条件で引張り試験機(インストロン ジャパン カンパニイリミテッド製 インストロン5564型)を用いて引張試験を行い、3枚の試験片について引張荷重を測定し、それらの最大値の平均値を引張強度とした。
〔実施例1〕
プロピレン系重合体として荷重2160g、230℃のMFRが24g/10分のプロピレン単独重合体(PP−1)〔Exxon Mobil Chemical製、商品名:Achieve3854、Mw/Mn=2.3、Mz/Mw=1.8、融点(Tm):148℃:メタロセン系触媒〕を用い、押出機(スクリュー径75mmφ)により成形温度210℃で溶融し、ノズルピッチが縦方向4.5mm、横方向4.0mm、図1に示すような孔形状を有し、図2の繊維断面となる紡糸口金を配置した図3に示すような不織布製造装置(スパンボンド成形機、捕集面上の機械の流れ方向に垂直な方向の長さ:320mm)を用いて、冷却流体に25℃のエアーを用い、スパンボンド法によりプロピレン系重合体の単孔吐出量を0.6g/分、糸速度2550m/分で紡糸し、捕集ベルト上に堆積させ、次いで、これをエンボスロールで加熱加圧処理(エンボス面積率20.6%、エンボス温度140℃)し、目付量が30g/m2の長繊維不織布を得た。
なお、図3において、付番1は、第1の押出機、付番1’は第2の押出機であり、第1押出機および第2押出機には同じプロピレン系重合体が用いられる。付番2は紡糸口金、付番3は連続フィラメント、付番4は冷却風、付番5はエジェクター、付番6は捕捉装置、付番7は吸引装置、付番8はウエブ、付番9はエンボス装置、付番10は巻取りロールである。
得られたフィラメントおよび長繊維不織布について、繊度、単糸強度、中空率、嵩高性、形態安定性、剛軟性、引張強度を測定して評価した。結果を表1に示す。
〔実施例2〕
プロピレン系重合体として荷重2160g、230℃のMFRが65g/10分のプロピレン単独重合体(PP−2)〔Mw/Mn=2.6、Mz/Mw=1.7、融点(Tm):155℃:メタロセン系触媒〕を用い、押出機(スクリュー径75mmφ)により成形温度190℃で溶融し、ノズルピッチが縦方向4.5mm、横方向4.0mm、図1に示すような孔形状を有し、図2の繊維断面となる紡糸口金を配置した図3に示すような不織布製造装置(スパンボンド成形機、捕集面上の機械の流れ方向に垂直な方向の長さ:320mm)を用いて、冷却流体に25℃のエアーを用い、スパンボンド法によりプロピレン系重合体の単孔吐出量を0.6g/分、糸速度3158m/分で紡糸し、捕集ベルト上に堆積させ、次いで、これをエンボスロールで加熱加圧処理(エンボス面積率20.6%、エンボス温度140℃)し、目付量が30g/m2の長繊維不織布を得た。
得られたフィラメントおよび長繊維不織布について、繊度、単糸強度、中空率、嵩高性、形態安定性、剛軟性、引張強度を測定して評価した。結果を表1に示す。
〔実施例3〕
プロピレン系重合体として荷重2160g、230℃のMFRが65g/10分のプロピレン単独重合体(PP−3)〔Mw/Mn=2.8、Mz/Mw=1.8、融点(Tm):155℃:メタロセン系触媒〕を用い、押出機(スクリュー径75mmφ)により成形温度190℃で溶融し、ノズルピッチが縦方向4.5mm、横方向4.0mm、図1に示すような孔形状を有し、図2の繊維断面となる紡糸口金を配置した図3に示すような不織布製造装置(スパンボンド成形機、捕集面上の機械の流れ方向に垂直な方向の長さ:320mm)を用いて、冷却流体に25℃のエアーを用い、スパンボンド法によりプロピレン系重合体の単孔吐出量を0.6g/分、糸速度2769m/分で紡糸し、捕集ベルト上に堆積させ、次いで、これをエンボスロールで加熱加圧処理(エンボス面積率20.6%、エンボス温度140℃)し、目付量が30g/m2の長繊維不織布を得た。
得られたフィラメントおよび長繊維不織布について、繊度、単糸強度、中空率、嵩高性、形態安定性、剛軟性、引張強度を測定して評価した。結果を表1に示す。
〔比較例1〕
プロピレン系重合体として荷重2160g、230℃のMFRが60g/10分のプロピレン単独重合体(PP−4)〔Mw/Mn=2.9、Mz/Mw=2.5、融点(Tm):163℃:チタン系触媒〕を用い、押出機(スクリュー径75mmφ)により成形温度210℃で溶融し、ノズルピッチが縦方向4.5mm、横方向4.0mm、図1に示すような孔形状を有し、図2の繊維断面となる紡糸口金を配置した図3に示すような不織布製造装置(スパンボンド成形機、捕集面上の機械の流れ方向に垂直な方向の長さ:320mm)を用いて、冷却流体に25℃のエアーを用い、スパンボンド法によりプロピレン系重合体の単孔吐出量を0.6g/分、糸速度2506m/分で紡糸し、捕集ベルト上に堆積させ、次いで、これをエンボスロールで加熱加圧処理(エンボス面積率20.6%、エンボス温度140℃)し、目付量が30g/m2の長繊維不織布を得た。
得られたフィラメントおよび長繊維不織布について、繊度、単糸強度、中空率、嵩高性、形態安定性、剛軟性、引張強度を測定して評価した。結果を表1に示す。
〔比較例2〕
プロピレン系重合体として荷重2160g、230℃のMFRが60g/10分のプロピレン・エチレンランダム共重合体(PP−5)〔Mw/Mn=2.8、Mz/Mw=2.2、融点(Tm);145℃、エチレン含有量;4モル%:チタン系触媒〕を用い、押出機(スクリュー径75mmφ)により成形温度210℃で溶融し、ノズルピッチが縦方向4.5mm、横方向4.0mm、図1に示すような孔形状を有し、図2の繊維断面となる紡糸口金を配置した図3に示すような不織布製造装置(スパンボンド成形機、捕集面上の機械の流れ方向に垂直な方向の長さ:320mm)を用いて、冷却流体に25℃のエアーを用い、スパンボンド法によりプロピレン系重合体の単孔吐出量を0.6g/分、糸速度2496m/分で紡糸し、捕集ベルト上に堆積させ、次いで、これをエンボスロールで加熱加圧処理(エンボス面積率20.6%、エンボス温度130℃)し、目付量が30g/m2の長繊維不織布を得た。
得られたフィラメントおよび長繊維不織布について、繊度、単糸強度、中空率、嵩高性、形態安定性、剛軟性、引張強度を測定して評価した。結果を表1に示す。
〔比較例3〕
プロピレン系重合体として荷重2160g、230℃のMFRが65g/10分のプロピレン重合体(PP−6)〔FINA社製、商品名:MM302、Mw/Mn=2.5、Mz/Mw=2.0、融点(Tm):156℃;メタロセン系触媒〕を用い、押出機(スクリュー径75mmφ)により成形温度210℃で溶融し、ノズルピッチが縦方向4.5mm、横方向4.0mm、図1に示すような孔形状を有し、図2の繊維断面となる紡糸口金を配置した図3に示すような不織布製造装置(スパンボンド成形機、捕集面上の機械の流れ方向に垂直な方向の長さ:320mm)を用いて、冷却流体に25℃のエアーを用い、スパンボンド法によりプロピレン系重合体の単孔吐出量を0.6g/分、糸速度2545m/分で紡糸し、捕集ベルト上に堆積させ、次いで、これをエンボスロールで加熱加圧処理(エンボス面積率20.6%、エンボス温度140℃)し、目付量が30g/m2の長繊維不織布を得た。
得られたフィラメントおよび長繊維不織布について、繊度、単糸強度、中空率、嵩高性、形態安定性、剛軟性、引張強度を測定して評価した。結果を表1に示す。
〔比較例4〕
プロピレン系重合体として荷重2160g、230℃のMFRが15g/10分のプロピレン単独重合体(PP−7)〔Mw/Mn=6.0、Mz/Mw=4.0、融点(Tm):163℃;チタン系触媒〕を用い、押出機(スクリュー径75mmφ)により成形温度260℃で溶融し、ノズルピッチが縦方向4.5mm、横方向4.0mm、図1に示すような孔形状を有し、図2の繊維断面となる紡糸口金を配置した図3に示すような不織布製造装置(スパンボンド成形機、捕集面上の機械の流れ方向に垂直な方向の長さ:320mm)を用いて、冷却流体に25℃のエアーを用い、スパンボンド法によりプロピレン系重合体の単孔吐出量を0.6g/分、糸速度2282m/分で紡糸し、捕集ベルト上に堆積させ、次いで、これをエンボスロールで加熱加圧処理(エンボス面積率20.6%、エンボス温度140℃)し、目付量が30g/m2の長繊維不織布を得た。
得られたフィラメントおよび長繊維不織布について、繊度、単糸強度、中空率、嵩高性、形態安定性、剛軟性、引張強度を測定して評価した。結果を表1に示す。
〔比較例5〕
プロピレン重合体として比較例1で用いたPP−4を用い、押出機(スクリュー径75mmφ)により成形温度210℃で溶融し、ノズルピッチが縦方向4.5mm、横方向4.0mm、図1に示すような孔形状を有すが、そのスリット幅が比較例1において使用したノズルのスリット幅の1/2であるノズルを使用し、図2の繊維断面となる紡糸口金を配置した図3に示すような不織布製造装置(スパンボンド成形機、捕集面上の機械の流れ方向に垂直な方向の長さ:320mm)を用いて、冷却流体に25℃のエアーを用い、スパンボンド法によりプロピレン系重合体の単孔吐出量を0.6g/分、糸速度2501m/分で紡糸を試みたが、ノズル内の樹脂圧が耐圧を上回ってしまい、紡糸不可であった。
〔比較例6〕
プロピレン重合体として比較例1で用いたPP−4を用い、押出機(スクリュー径75mmφ)により成形温度210℃で溶融し、ノズルピッチが縦方向4.5mm、横方向4.0mm、図1に示すような孔形状を有し、図2の繊維断面となる紡糸口金を配置した図3に示すような不織布製造装置(スパンボンド成形機、捕集面上の機械の流れ方向に垂直な方向の長さ:320mm)を用いて、冷却流体に25℃のエアーを用い、スパンボンド法によりプロピレン系重合体の単孔吐出量を0.3g/分、糸速度1255m/分で紡糸し、捕集ベルト上に堆積させ、次いで、これをエンボスロールで加熱加圧処理(エンボス面積率20.6%、エンボス温度140℃)し、目付量が30g/m2の長繊維不織布を得た。
前記長繊維不織布の繊度は比較例1で得た長繊維不織布の繊度とほぼ同等であり、その他の特性(単糸強度、中空率、嵩高性、形態安定性、剛軟性、引張強度)についても、比較例1の結果と変わらなかった。
Figure 0005181028
〔実施例4〕
プロピレン系重合体として荷重2160g、230℃のMFRが24g/10分のプロピレン単独重合体(PP−1)〔Exxon Mobil Chemical製、商品名:Achieve3854、Mw/Mn=2.3、Mz/Mw=1.8、融点(Tm):148℃:メタロセン系触媒〕を用い、押出機(スクリュー径75mmφ)により成形温度225℃で溶融し、ノズルピッチが縦方向4.5mm、横方向4.0mm、図1に示すような孔形状を有し、図2の繊維断面となる紡糸口金を配置した図3に示すような不織布製造装置(スパンボンド成形機、捕集面上の機械の流れ方向に垂直な方向の長さ:320mm)を用いて、冷却流体に25℃のエアーを用い、スパンボンド法によりプロピレン系重合体の単孔吐出量を0.6g/分、糸速度646m/分で紡糸し、捕集ベルト上に堆積させ、次いで、これをニードルパンチで機械的交絡処理(針深度10mm、打込み回数150回/min)し、目付量が341g/m2の長繊維不織布を得た。
得られたフィラメントおよび長繊維不織布について、繊度、中空率、単糸強度、引張強度を測定して評価した。結果を表2に示す。
〔比較例7〕
プロピレン系重合体として荷重2160g、230℃のMFRが60g/10分のプロピレン単独重合体(PP−4)〔Mw/Mn=2.9、Mz/Mw=2.5、融点(Tm):163℃:チタン系触媒〕を用い、押出機(スクリュー径75mmφ)により成形温度220℃で溶融し、ノズルピッチが縦方向4.5mm、横方向4.0mm、図1に示すような孔形状を有し、図2の繊維断面となる紡糸口金を配置した図3に示すような不織布製造装置(スパンボンド成形機、捕集面上の機械の流れ方向に垂直な方向の長さ:320mm)を用いて、冷却流体に25℃のエアーを用い、スパンボンド法によりプロピレン系重合体の単孔吐出量を0.6g/分、糸速度576m/分で紡糸し、捕集ベルト上に堆積させ、次いで、これをニードルパンチで機械的交絡処理(針深度10mm、打込み回数150回/min)し、目付量が352g/m2の長繊維不織布を得た。
得られたフィラメントおよび長繊維不織布について、繊度、中空率、単糸強度、引張強度を測定して評価した。結果を表2に示す。
Figure 0005181028
表1から明らかなように、Mz/Mwが1.8のプロピレン単独重合体(PP−1)を用いた場合(実施例1)は、繊維径を21.5μmと細くしても、中空率が28.5%と高い中空率の長繊維を得ることができ、しかも、単糸強度も4.02gf/dと強く、長繊維不織布は剛性があり、引張強度もMDが58.00N/25mm及びCDが19.10N/25mmと強い強度を有する長繊維不織布を得ることができる。
また、Mz/Mwが1.7のプロピレン単独重合体(PP−2)を用いた場合(実施例2)は、繊維径を18.5μmと細くしても、中空率が22.1%と高い中空率の長繊維を得ることができ、しかも、単糸強度も3.62gf/dと強く、長繊維不織布は剛性があり、引張強度もMDが58.45N/25mm及びCDが18.22N/25mmと強い強度を有する長繊維不織布を得ることができる。
さらに、Mz/Mwが1.8のプロピレン単独重合体(PP−3)を用いた場合(実施例3)は、繊維径を20.9μmと細くしても、中空率が30.3%と高い中空率の長繊維を得ることができ、しかも、単糸強度も4.22gf/dと強く、長繊維不織布は剛性があり、引張強度もMDが60.00N/25mm及びCDが20.10N/25mmと強い強度を有する長繊維不織布を得ることができる。
一般的に、繊維径が同じ中空繊維を比較した場合、中空率が低いほど、繊維の強度が高い傾向が見られる。本願発明の比較例として、メタロセン系触媒を用いてもMz/Mwが2.0のプロピレン重合体(PP−6)を用いた場合(比較例3)は、繊維径を20.1μmと実施例1と同程度に細い中空繊維は、中空率が18.4%と低い中空率の長繊維しか得ることができなかった。また中空率が実施例1よりも低いにも関わらず、単糸強度も3.34gf/dと弱く、長繊維不織布は剛性が低く、引張強度はMDが53.65N/25mm及びCDが16.57N/25mmと低い強度を有する長繊維不織布しか得られなかった。
また、Mz/Mwが2.5のチタン系触媒で得られたプロピレン単独重合体(PP−4)を用いた場合(比較例1)は、繊維径を20.1μmと実施例1と同程度に細い中空繊維は、中空率が16.8%と更に低い中空率の長繊維しか得ることができなかった。また中空率が実施例1よりも低いにも関わらず、単糸強度も2.36gf/dと弱く、長繊維不織布は剛性がやや低く、引張強度はMDが43.21N/25mm及びCDが16.28N/25mmと更に低い強度を有する長繊維不織布しか得られなかった。
Mz/Mwが2.5のチタン系触媒で得られたプロピレン・エチレンランダム共重合体(PP−5)を用いた場合(比較例2)でも、繊維径を19.8μmと実施例1と同程度に細い中空繊維は、中空率が13.8%と更に低い中空率の長繊維しか得ることができなかった。また中空率が実施例1よりも低いにも関わらず、単糸強度も2.40gf/dと弱く、長繊維不織布は剛性が低く、引張強度はMDが27.43N/25mm及びCDが15.23N/25mmと更に低い強度を有する長繊維不織布しか得られなかった。
そして、Mz/Mwが4.0のチタン系触媒で得られたプロピレン単独重合体(PP−7)を用いた場合(比較例4)においても、繊維径を21.5μmと実施例1と同程度に細い中空繊維は、中空率が20.3%と低い中空率の長繊維しか得ることができなかった。また中空率が実施例1よりも低いにも関わらず、単糸強度も1.92gf/dと更に弱く、長繊維不織布は剛性がやや低く、引張強度はMDが49.77N/25mm及びCDが18.80N/25mmと更に低い強度を有する長繊維不織布しか得られなかった。
また、表2から明らかなように、Mz/Mwが1.8のプロピレン単独重合体(PP−1)を用いて得られた繊維径が40.4μm及び中空率20.4%の長繊維不織布(実施例7)は単糸強度が4.00gf/dと強く、引張強度もMDが45.6N/25mm及びCDが40.3N/25mmと強い強度を有する長繊維不織布であるのに対し、Mz/Mwが2.5のプロピレン単独重合体(PP−4)を用いて得られた長繊維不織布(比較例7)は、繊維径40.3μとほぼ同じであるが、中空率10.2%と低く、単糸強度は2.06gf/dと低い強度を示した。
本発明の長繊維不織布は、従来の中空繊維不織布に比べ、繊維の強度、とりわけ単糸強度が強く、しかも、不織布を形成するプロピレン系重合体繊維の繊維径を細くしても中空率が高いという特徴に加え、通気性、特に軽量性、隠蔽性、反射性に優れるので、かかる特性を活かして、種々の用途、例えば、衛生材料をはじめ、油吸着性マット等の産業材関連用途への展開も期待できる。
1;第1の押出機、1’;第2の押出機、2;紡糸口金、3;連続フィラメント、4;冷却風、5;エジェクター、6;捕捉装置、7;吸引装置、8;ウエブ、9;エンボス装置、10;巻取りロール

Claims (2)

  1. Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)との比(Mz/Mw)が1.5〜1.9の範囲にあるプロピレン系重合体からなり、繊維径が15〜24μm及び中空率が25〜30%の中空断面を有する中空繊維からなる長繊維不織布。
  2. プロピレン系重合体が、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が2.0〜2.9である請求項1に記載の長繊維不織布。
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