JPWO2008026286A1 - 紙葉類識別装置および紙葉類の識別方法 - Google Patents

紙葉類識別装置および紙葉類の識別方法 Download PDF

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Abstract

紙葉類の汚損を検出して紙葉類の汚損状態を識別する紙葉類識別装置において、紙葉類上で汚損の検出対象となるエリアを検出対象エリアとして予め記憶するエリア記憶部12と、検出対象エリアに印刷されている画像の画素数を比較する際の基準値となる基準画素数として予め記憶する画素数記憶部11と、エリア記憶部が記憶する検出対象エリアに基づいて、紙葉類から検出対象エリア上の画像を読み取る画像読取部13と、画像読取部が読み取った画像の画素数を読み取り画素数として検出する画素数検出部14と、画素数検出部が検出した読み取り画素数と画素数記憶部が記憶する基準画素数とを比較して、紙葉類の検出対象エリア上の汚損状態を示す汚損値を算出する算出部15と、を備える。

Description

本発明は、紙葉類の汚損の有無を検出する紙葉類識別装置および紙葉類の識別方法に関するものである。
市場において紙幣などの紙葉類を流通させる際には、汚損などが無い紙幣のみを適切に流通させる必要がある。このため、市場において流通させるべき紙幣と、流通させるべきでない紙幣とを正しく判別するとともに、流通させるべきでない紙幣は回収しなければならない。
従来、流通させるべき紙幣と回収して流通させない紙幣との判別は、紙幣の破れの有無、紙幣の印刷領域に対する汚損量などに基づいて行なっていた。ところが、紙幣全体の印刷領域に対する汚損量が少なくても紙幣として市場に流通させるべきでない場合もある。例えば、、タイ、マレーシア、シンガポールなどの国では紙幣の肖像画部分などに落書きを行なうと不敬罪などの罪に問われる。このため、肖像画などの所定の印刷領域に対して厳しく汚損の有無を判別することが望まれている。
特許文献1に記載の紙幣記番号読取装置は、紙幣の記番号が印刷された部分を読取って記番号領域の画像データから記番号の各桁の文字を認識すると共に、認識できなかった文字を認識エラーを示すエラー文字に置き換え、認識された文字にエラー文字を付加して認識結果を出力している。
特開2004−213559号公報
上記従来の技術では、紙幣の記番号領域から所定の文字を認識することはできるが、紙葉類の所定の印刷領域に落書きなどの汚損があるか否かを判別することはできないといった問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、紙葉類の所定の印刷領域に対して汚損を容易に検出できる紙葉類識別装置および紙葉類の識別方法を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の第1の発明は、紙葉類の汚損を検出して前記紙葉類の汚損状態を識別する紙葉類識別装置において、前記紙葉類上で汚損の検出対象となるエリアを検出対象エリアとして予め記憶するエリア記憶部と、前記検出対象エリアに印刷されている画像の画素数を比較する際の基準値となる基準画素数として予め記憶する画素数記憶部と、前記エリア記憶部が記憶する検出対象エリアに基づいて、前記紙葉類から前記検出対象エリア上の画像を読み取る画像読取部と、前記画像読取部が読み取った画像の画素数を読み取り画素数として検出する画素数検出部と、前記画素数検出部が検出した読み取り画素数と前記画素数記憶部が記憶する基準画素数とを比較して、前記紙葉類の前記検出対象エリア上の汚損状態を示す汚損値を算出する算出部と、を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、前記検出対象エリア上での汚損の有無を判定する際に汚損有無の判定基準となる基準汚損値を予め記憶する基準汚損値記憶部と、前記算出部が算出した汚損値と前記基準汚損値記憶部が記憶する基準汚損値とに基づいて、前記検出対象エリア上での汚損の有無を判定する判定部と、をさらに備えることを特徴とする。
また、第3の発明は、第1の発明において、前記紙葉類の種類を判別する紙葉類種別判別部をさらに備え、前記画像読取部は、前記紙葉類種別判別部が判別した紙葉類の種類に応じた検出対象エリアの画像を前記紙葉類から読み取るとともに、前記算出部は、前記紙葉類種別判別部が判別した紙葉類の種類に応じた基準画素数と前記読み取り画素数とを比較して前記汚損値を算出することを特徴とする。
また、第4の発明は、第3の発明において、前記判定部は、前記算出部が算出した汚損値と前記紙葉類種別判別部が判別した紙葉類の種類に応じた基準汚損値とに基づいて、前記検出対象エリア上での汚損の有無を判定することを特徴とする。
また、第5の発明は、第1の発明において、前記検出対象エリアは、前記紙葉類上で肖像画が描かれた領域であることを特徴とする。
また、第6の発明は、第2の発明において、前記画像読取部が複数の検出対象エリア上から各検出対象エリアに対応する画像を読み取る場合、前記判定部は、前記検出対象エリア毎の重要度に応じて前記各検出対象エリア上の汚損の有無を判定することを特徴とする。
また、第7の発明は、第1の発明において、前記紙葉類の汚損状態の識別結果を表示する表示部をさらに備え、前記表示部は前記紙葉類の汚損状態の識別結果として前記検出対象エリア上での汚損の有無の判定結果を表示することを特徴とする。
また、第8の発明は、第7の発明において、前記表示部は、前記算出部が算出した汚損値を表示することを特徴とする。
また、第9の発明は、第1の発明において、前記検出対象エリアは、前記紙葉類上の印刷原点を基準として設定されるエリアであることを特徴とする。
また、第10の発明は、紙葉類の汚損を検出して前記紙葉類の汚損状態を識別する紙葉類の識別方法において、前記紙葉類上で汚損の検出対象となるエリアを検出対象エリアとして予め設定するとともに、前記検出対象エリアに印刷されている画像の画素数を比較する際の基準値となる基準画素数として予め設定する設定ステップと、予め設定しておいた前記検出対象エリアに基づいて、前記紙葉類から前記検出対象エリア上の画像を読み取る画像読取ステップと、読み取った画像の画素数を読み取り画素数として検出する画素数検出ステップと、検出した読み取り画素数と予め設定しておいた基準画素数とを比較して、前記紙葉類の前記検出対象エリア上の汚損状態を示す汚損値を算出する算出ステップと、を含むことを特徴とする。
第1の発明によれば、紙葉類上で汚損の検出対象となる検出対象エリアの画像の画素数と予め記憶しておいた基準の画素数とを比較して、紙葉類の検出対象エリア上の汚損状態を汚損値として算出するので、紙葉類の検出対象エリア上の汚損を容易に検出することが可能になるという効果を奏する。
また、第2の発明によれば、汚損有無の判定基準となる基準汚損値と算出した汚損値とに基づいて、検出対象エリア上での汚損の有無を判定するので、紙葉類の検出対象エリア上に汚損が有るか否かを容易に判定することが可能になるという効果を奏する。
また、第3の発明によれば、紙葉類の種類に応じた検出対象エリアの画像を紙葉類から読み取るとともに、紙葉類の種類に応じた基準画素数と読み取り画素数とを比較して汚損値を算出するので、紙葉類の種類に応じた検出対象エリア上の汚損を容易に検出することが可能になるという効果を奏する。
また、第4の発明によれば、算出した汚損値と紙葉類の種類に応じた基準汚損値とに基づいて、検出対象エリア上での汚損の有無を判定するので、紙葉類の種類に応じた検出対象エリア上に汚損が有るか否かを容易に判定することが可能になるという効果を奏する。
また、第5の発明によれば、検出対象エリアは、紙葉類上で肖像画が描かれた領域であるので、肖像画が描かれた領域上の汚損を容易に検出することが可能になるという効果を奏する。
また、第6の発明によれば、複数の検出対象エリア上から各検出対象エリアに対応する画像を読み取る場合、検出対象エリア毎の重要度に応じて各検出対象エリア上の汚損の有無を判定するので、検出対象エリア毎の重要度に応じた汚損の有無判定を容易に行なうことが可能になるという効果を奏する。
また、第7の発明によれば、紙葉類の汚損状態の識別結果として検出対象エリア上での汚損の有無の判定結果を表示するので、検出対象エリア上での汚損の有無の判定結果をユーザに容易に通知することが可能になるという効果を奏する。
また、第8の発明によれば、算出した汚損値を表示するので、算出した汚損値をユーザに容易に通知することが可能になるという効果を奏する。
また、第9の発明によれば、検出対象エリアは紙葉類上の印刷原点を基準として設定されるので、検出対象エリアに汚損が有るか否かを判定する際の紙葉類上における印刷部分のズレの影響を低減することが可能になり、検出対象印刷領域に汚損が有るか否かを正確に判定することが可能になるという効果を奏する。
また、第10の発明によれば、紙葉類上で汚損の検出対象となる検出対象エリアの画像の画素数と予め記憶しておいた基準の画素数とを比較して、紙葉類の検出対象エリア上の汚損状態を汚損値として算出するので、紙葉類の検出対象エリア上の汚損を容易に検出することが可能になるという効果を奏する。
図1は、実施の形態にかかる紙葉類識別装置の構成を示すブロック図である。 図2は、実施の形態にかかる紙葉類識別装置の動作手順を示すフローチャートである。 図3は、画像の抽出処理を説明するための図である。 図4は、落書きの傾向に基づいた汚損有無の判定領域を説明するための図である。
符号の説明
1 紙葉類識別装置
11 画素数記憶部
12 エリア記憶部
13 画像読取部
14 画素数検出部
15 算出部
16 判定部
17 表示部
18 紙葉類種別判別部
19 基準汚損値記憶部
20 制御部
以下に、本発明にかかる紙葉類識別装置および紙葉類の識別方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態
図1は、本発明の実施の形態にかかる紙葉類識別装置の構成を示すブロック図である。紙葉類識別装置1は、紙葉類の汚損を検出して紙葉類の汚損状態を識別する装置であり、画素数記憶部11、エリア記憶部12、画像読取部13、画素数検出部14、算出部15、判定部16、表示部17、紙葉類種別判別部18、基準汚損値記憶部19、制御部20を備えている。
紙葉類種別判別部18は、画像読取部13が読み取った識別対象(汚損の判定対象)となる紙葉類(紙幣、名刺、商品券、有価証券など)の画像から、紙葉類の種類(金種、方向など)を判別する。紙葉類種別判別部18は、例えば紙葉類の図柄、サイズ、磁気データなどに基づいて紙葉類の種類を判別する。紙葉類種別判別部18は、紙葉類の種類の判別結果を画像読取部13、算出部15、判定部16に入力する。
エリア記憶部12は、紙葉類上において汚損(落書きなど)の有無の検出対象となる領域(画像が印刷された領域の座標)(検出対象エリア)(以下、検出対象印刷領域という)を紙葉類の種類毎に記憶する。検出対象印刷領域は、紙葉類上の印刷原点(紙葉類上で画像が印刷されるエリア内の原点)からの距離(ベクトル)を用いて検出対象印刷領域を設定しておく。エリア記憶部12は、検出対象印刷領域として、例えば紙幣上で肖像画が描かれた領域を記憶しておく。
画素数記憶部11は、検出対象印刷領域の画素数(汚損の有無を検出する際に基準となる画素数)(以下、基準画素数という)を紙葉類の種類毎に記憶する。基準汚損値記憶部19は、汚損の有無を判定する際の基準値(以下、基準汚損値という)を紙葉類の種類毎や検出対象印刷領域毎に記憶する。
画像読取部13は、識別対象となる紙葉類から画像(紙幣画像など)を読み取り、読み取った画像を紙葉類種別判別部18に入力する。また、画像読取部13は、紙葉類種別判別部18が判別した紙葉類の種類(判別結果)に基づいて、紙葉類の種類に応じた検出対象印刷領域をエリア記憶部12から抽出する。画像読取部13は、エリア記憶部12から抽出した検出対象印刷領域に基づいて、汚損の有無の検出対象となる紙葉類の所定の領域から検出対象印刷領域の画像(肖像画エリアの画像など)を抽出し読み取る。画像読取部13は、所定の領域から画像を抽出して読み取るセンサを備えており、このセンサによって検出対象印刷領域から画像を抽出して読み取る。画像読取部13は、例えば可視光反射データを用いて検出対象印刷領域の画像を読み取る。
画素数検出部14は、画像読取部13が読み取った画像(検出対象印刷領域の画像)の画素(例えば黒点の画素)を検出するセンサ(例えば画像読取部13が備えるセンサ)を備えており、黒点などの画素数をカウントする(画素数を読み取り画素数として検出する)。なお、画像読取部13のセンサ(画像を読み取るセンサ)、画素数検出部14のセンサ(画素数を検出するセンサ)は別々の構成である場合に限られず、1つのセンサによって画像読取部13、画素数検出部14を構成(センサの兼用)してもよい。
算出部15は、紙葉類種別判別部18が判別した紙葉類の種類(判別結果)に基づいて、紙葉類の種類に応じた基準画素数を画素数記憶部11から抽出する。算出部15は、画素数検出部14がカウントした画素数と画素数記憶部11から抽出した基準画素数の差を算出する。算出部15は、画素数の差の算出結果に基づいて、紙葉類の検出対象印刷領域内での汚損の有無を示す値(以下、汚損値という)を算出する。
判定部16は、紙葉類種別判別部18が判別した紙葉類の種類(判別結果)に基づいて、紙葉類の種類に応じた基準汚損値を基準汚損値記憶部19から抽出する。判定部16は、算出部15が算出した汚損値と基準汚損値記憶部19から抽出した基準汚損値に基づいて、紙葉類の検出対象印刷領域に汚損(落書きなど)が有るか否かを判定する。
表示部17は、判定部16が判定した汚損の有無の判定結果を出力する。表示部17は、例えば液晶モニタなどの表示手段を備えており、この表示手段に判定結果を表示させることによって汚損の有無の判定結果を出力する。制御部20は、画素数記憶部11、エリア記憶部12、画像読取部13、画素数検出部14、算出部15、判定部16、表示部17、紙葉類種別判別部18、基準汚損値記憶部19を制御する。
つぎに、本発明の実施の形態にかかる紙葉類識別装置の動作手順について説明する。図2は、本発明の実施の形態にかかる紙葉類識別装置の動作手順を示すフローチャートである。
まず、紙葉類識別装置1の画像読取部13は、識別対象となる紙葉類(汚損の有無の検出対象となる紙葉類)から紙葉類の画像(紙幣画像など)を読み取る(ステップS10)。紙葉類種別判別部18は、画像読取部13が読み取った紙幣画像から紙葉類の金種(含、方向)を判別し(ステップS20)、判別結果を画像読取部13、算出部15、判定部16に入力する。
画像読取部13は、紙葉類種別判別部18が判別した紙葉類の金種、方向(判別結果)に基づいて、紙葉類の種類に応じた検出対象印刷領域をエリア記憶部12から抽出する。画像読取部13は、エリア記憶部12から抽出した検出対象印刷領域(座標)に基づいて、紙葉類(紙幣など)の所定の領域から検出対象印刷領域の画像(肖像画エリアの画像など)を抽出し、検出対象印刷領域の画像を読み取る(ステップS30)。
ここで、検出対象印刷領域の画像の抽出処理を具体的に説明する。図3は、画像の抽出処理を説明するための図である。同図に示すように、エリア記憶部12へは、紙幣上において汚損(落書きなど)の有無の検出対象となる検出対象印刷領域(肖像画が描かれた領域など)A1を紙幣の種類毎に記憶させておく。このエリアA1は、例えば紙葉類上の印刷原点Pからの距離や印刷原点P(位置)とベクトルを用いて設定しておく。このため、ここでの画像読取部13は、印刷原点P(印刷のエッジ)を検出するとともに、印刷原点Pを画像読取の際の原点とする補正(ゼロ点補正)を行なう。そして、印刷原点Pを基準としてエリアA1を抽出する。
ここでは、エリアA1のX方向(紙幣の横方向)を印刷原点Pからの距離X1〜距離X2に設定し、エリアA1のY方向(紙幣の縦方向)を印刷原点Pからの距離Y1〜距離Y2に設定した場合を示している。したがって、画像読取部13は、印刷原点Pを検出した後、印刷原点Pを基準としてエリアA1((X1,Y1)、(X1,Y2)、(X2,Y1)、(X2,Y2)で囲まれた領域)の画像を読み取る。画素数検出部14は、画像読取部13が読み取った検出対象印刷領域の画像から、例えば黒点を検出して黒点の画素数をカウントする(ステップS40)。
算出部15は、紙葉類種別判別部18が判別した紙葉類の種類(判別結果)に基づいて、紙葉類の種類に応じた基準画素数を画素数記憶部11から抽出する。算出部15は、画素数検出部14がカウントした画素数と画素数記憶部11から抽出した基準画素数の差を算出し(ステップS50)、この算出結果に基づいて紙葉類の汚損値を算出する(ステップS60)。汚損値は、例えば画素数検出部14がカウントした画素数と画素数記憶部11から抽出した基準画素数の差であり、検出対象印刷領域内での汚損の有無に関する値である。ここでは、汚損値が大きいほど検出対象印刷領域の画像が汚損していることとなる。すなわち、例えば紙幣の肖像画が描かれた領域に落書きされていると、検出対象印刷領域の画素数が大きくなり、汚損値も大きくなる。
判定部16は、紙葉類種別判別部18が判別した紙葉類の種類(判別結果)に基づいて、紙葉類の種類に応じた基準汚損値を基準汚損値記憶部19から抽出する。判定部16は、算出部15が算出した汚損値と基準汚損値記憶部19から抽出した基準汚損値に基づいて、紙葉類の検出対象印刷領域に汚損(落書きなど)が有るか否かを判定する(ステップS70)。
判定部16は、例えば、算出部15が算出した汚損値と予め設定しておいた基準汚損値の差が所定値よりも大きい場合に検出対象印刷領域に汚損有りと判定し、算出部15が算出した汚損値と予め設定しておいた基準汚損値の差が所定値以下の場合に検出対象印刷領域に汚損無しと判定する。
表示部17は、判定部16が判定した汚損の有無の判定結果を出力する。表示部17は、例えば液晶モニタなどの表示手段に判定結果を表示させる(ステップS80)。
なお、表示部17は、検出対象印刷領域に汚損が有るか否かの判定結果として、算出部15が算出した汚損値を表示させてもよい。これにより、紙葉類識別装置1の使用者自身に検出対象印刷領域に汚損が有るか否かを判断させることが可能となる。この場合、紙葉類識別装置1へは、予め基準汚損値を設定する必要はない。
また、算出部15が算出した汚損値とともに、予め設定しておいた基準汚損値を表示させてもよい。これにより、紙葉類識別装置1の使用者自身に検出対象印刷領域に汚損が有るか否かを、基準汚損値に基づいて容易に判断させることが可能となる。
また、算出部15が算出した汚損値とともに、画像読取部13が読み取った検出対象印刷領域の画像を所定の記憶手段に記憶させてもよい。これにより、画像への落書きの実績に基づいて、紙葉類識別装置1に適切な基準画素数、基準汚損値を再設定することが可能となる。
また、画像読取部13によって紙葉類の記番号を読取り、画像読取部13が読み取った記番号と算出部15が算出した汚損値を対応付けて記憶しておいてもよい。これにより、何れの紙葉類が何れの汚損値を有していたかを使用者に通知することが可能となる。
なお、実施の形態では、検出対象印刷領域として例えば肖像画が描かれた全領域(エリアA1)に対して汚損(落書き)があるか否かを判定したが、落書きの傾向に基づいて検出対象印刷領域を設定してもよい。
図4は、落書きの傾向に基づいた検出対象印刷領域の設定を説明するための図である。例えば、人の顔(肖像画)に対しては、落書きとして髭が描かれる傾向にある。このため、人の顔に対して髭の描かれそうな領域に限定して検出対象印刷領域を設定してもよい。
落書きの傾向に基づいて汚損の有無を判定する領域を限定する場合、例えば肖像画が描かれた全領域(エリアA1)に対して、落書きのされそうな領域(エリアA2)を設定しておく。そして、紙葉類識別装置1は、落書きのされそうな領域(エリアA2)に対して汚損(落書き)があるか否かを判定する。これにより、落書きの傾向に応じて詳細に汚損の有無を判定することが可能となる。
また、検出対象印刷領域は、紙葉類上において肖像画が描かれた領域に限らず、肖像画が描かれた領域以外の他の印刷領域に設定してもよい。例えば、検出対象印刷領域を紙葉類上での全印刷領域に設定してもよい。
また、実施の形態では、検出対象印刷領域が紙葉類毎に1箇所である場合について説明したが、検出対象印刷領域を紙葉類上で複数箇所設定してもよい。この場合、紙葉類識別装置1は、各検出対象印刷領域に対して汚損の有無を判定する。複数箇所の検出対象印刷領域は、紙葉類上において同一面(表面または裏面)で設定してもよいし、表面と裏面の両方に設定してもよい。
検出対象印刷領域を紙葉類上で複数箇所設定する場合、画素数記憶部11、エリア記憶部12、基準汚損値記憶部19は、それぞれ検出対象印刷領域毎に基準画素数、検出対象印刷領域、基準汚損値を記憶しておく。そして、画像読取部13、画素数検出部14、算出部15、判定部16は、それぞれ検出対象印刷領域毎に画像を読み取って画素数をカウントし、汚損値を算出して汚損の有無を判定する。このとき、表示部17は検出対象印刷領域毎に汚損の有無を出力してもよいし、紙葉類毎に汚損の有無を出力してもよい。
また、検出対象印刷領域を紙葉類上で複数箇所設定する場合は、検出対象印刷領域毎に検出対象印刷領域毎の重要度に応じた汚損判定の軽重をつけてもよい。例えば、検出対象印刷領域を2箇所設定した場合、一方の汚損値を2倍したものと他方の汚損値とを加算し、加算した汚損値と基準汚損値を比較して、汚損の有無を判定する。これにより、検出対象印刷領域の中でも重要な箇所に対して詳細に汚損判定を行なうことが可能となる。
また、実施の形態では、画素数検出部14は、画像読取部13が読み取った画像の黒点の画素数(黒画素数)をカウントすることとしたが、画像読取部13が読み取った画像の中から黒点以外の色(例えば、赤色、緑色、青色)の画素数をカウントしてもよい。この場合、画素数記憶部11へは、検出対象印刷領域の基準画素数として黒点以外の色の画素数を記憶させておく。そして、この黒点以外の色の基準画素数を用いて汚損値を算出し、汚損の有無を判定する。さらに、画像読取部13が読み取った画像の中から複数色の画素数をカウントしてもよい。この場合、画素数記憶部11へは、検出対象印刷領域の基準画素数とて複数色の画素数を記憶させておく。そして、この複数色の基準画素数を用いて汚損値を算出し、汚損の有無を判定する。
また、実施の形態では、例えば画素数検出部14がカウントした画素数と画素数記憶部11から抽出した基準画素数の差を汚損値としたが、汚損値は他の方法によって算出してもよい。例えば、算出部15は、紙葉類からカウントした画素数と基準画素数との差を基準画素数で除した値(基準画素数に対する画素数差の割合)を汚損値としてもよい。また、算出部15は、紙葉類からカウントした画素数と基準画素数との差をカウントした画素数で除した値(カウントした画素数に対する画素数差の割合)を汚損値としてもよい。また、算出部15は、紙葉類からカウントした画素数と基準画素数との比を汚損値としてもよい。
また、実施の形態では、算出部15が算出した汚損値と予め設定しておいた基準汚損値の差に基づいて汚損の有無を判定する場合について説明したが、算出部15が算出した汚損値と予め設定しておいた基準汚損値の比に基づいて汚損の有無を判定してもよい。
また、本実施の形態では、紙葉類識別装置1が紙葉類種別判別部18を備え、紙葉類種別判別部18が汚損の判定対象となる紙葉類の種類を判別することとしたが、紙葉類識別装置1が紙葉類種別判別部18を備えない構成としてもよい。この場合、紙葉類識別装置1の使用者によって紙葉類識別装置1(マウス、キーボード、ボタンなどの情報入力手段)に紙葉類の種類を入力させる。そして、使用者によって入力された紙葉類の種類を、画像読取部13、算出部15、判定部16に入力する。これにより、紙葉類識別装置1が紙葉類種別判別部18を備えていない場合であっても、紙葉類識別装置1は紙葉類の種類に応じて検出対象印刷領域に汚損が有るか否かを判定することが可能となる。
このように実施の形態によれば、画像読取部13が読み取った画像の画素数と基準画素数に基づいて検出対象印刷領域の汚損値(汚損の有無を示す値)を算出できるとともに、算出した汚損値と基準汚損値に基づいて検出対象印刷領域に汚損(落書きなど)が有るか否かを容易に判定することが可能となる。
また、画像読取部13が検出対象印刷領域の画像を読み取って画素数検出部14が画像の画素数をカウントするので、画素数を検出するセンサの解像度に応じて簡易な構成で容易に検出対象印刷領域の画素数を取得でき、容易に検出対象印刷領域に汚損が有るか否かを判定することが可能となる。
また、黒点などの画素数(黒画素と判定されるデータの加算値)を用いて汚損値を算出し、汚損の有無を判定しているので、容易に検出対象印刷領域に汚損が有るか否かを判定することが可能となる。
また、紙葉類上の印刷原点Pを基準として検出対象印刷領域(エリアA1)を設定し、紙葉類からは印刷原点Pを基準として検出対象印刷領域(エリアA1)を検出しているので、検出対象印刷領域に汚損が有るか否かを判定する際の紙葉類上における印刷部分のズレの影響を低減することが可能となる。したがって、紙葉類のエッジ部分を基準として検出対象印刷領域に汚損が有るか否かを判定する場合よりも、検出対象印刷領域に汚損が有るか否かを正確に判定することが可能となる。
以上のように、本発明にかかる紙葉類識別装置および紙葉類の識別方法は、紙葉類の汚損の有無の検出に適している。

Claims (10)

  1. 紙葉類の汚損を検出して前記紙葉類の汚損状態を識別する紙葉類識別装置において、
    前記紙葉類上で汚損の検出対象となるエリアを検出対象エリアとして予め記憶するエリア記憶部と、
    前記検出対象エリアに印刷されている画像の画素数を比較する際の基準値となる基準画素数として予め記憶する画素数記憶部と、
    前記エリア記憶部が記憶する検出対象エリアに基づいて、前記紙葉類から前記検出対象エリア上の画像を読み取る画像読取部と、
    前記画像読取部が読み取った画像の画素数を読み取り画素数として検出する画素数検出部と、
    前記画素数検出部が検出した読み取り画素数と前記画素数記憶部が記憶する基準画素数とを比較して、前記紙葉類の前記検出対象エリア上の汚損状態を示す汚損値を算出する算出部と、
    を備えることを特徴とする紙葉類識別装置。
  2. 前記検出対象エリア上での汚損の有無を判定する際に汚損有無の判定基準となる基準汚損値を予め記憶する基準汚損値記憶部と、
    前記算出部が算出した汚損値と前記基準汚損値記憶部が記憶する基準汚損値とに基づいて、前記検出対象エリア上での汚損の有無を判定する判定部と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の紙葉類識別装置。
  3. 前記紙葉類の種類を判別する紙葉類種別判別部をさらに備え、
    前記画像読取部は、前記紙葉類種別判別部が判別した紙葉類の種類に応じた検出対象エリアの画像を前記紙葉類から読み取るとともに、前記算出部は、前記紙葉類種別判別部が判別した紙葉類の種類に応じた基準画素数と前記読み取り画素数とを比較して前記汚損値を算出することを特徴とする請求項1に記載の紙葉類識別装置。
  4. 前記判定部は、前記算出部が算出した汚損値と前記紙葉類種別判別部が判別した紙葉類の種類に応じた基準汚損値とに基づいて、前記検出対象エリア上での汚損の有無を判定することを特徴とする請求項3に記載の紙葉類識別装置。
  5. 前記検出対象エリアは、前記紙葉類上で肖像画が描かれた領域であることを特徴とする請求項1に記載の紙葉類識別装置。
  6. 前記画像読取部が複数の検出対象エリア上から各検出対象エリアに対応する画像を読み取る場合、
    前記判定部は、前記検出対象エリア毎の重要度に応じて前記各検出対象エリア上の汚損の有無を判定することを特徴とする請求項2に記載の紙葉類識別装置。
  7. 前記紙葉類の汚損状態の識別結果を表示する表示部をさらに備え、
    前記表示部は前記紙葉類の汚損状態の識別結果として前記検出対象エリア上での汚損の有無の判定結果を表示することを特徴とする請求項1に記載の紙葉類識別装置。
  8. 前記表示部は、前記算出部が算出した汚損値を表示することを特徴とする請求項7に記載の紙葉類識別装置。
  9. 前記検出対象エリアは、前記紙葉類上の印刷原点を基準として設定されるエリアであることを特徴とする請求項1に記載の紙葉類識別装置。
  10. 紙葉類の汚損を検出して前記紙葉類の汚損状態を識別する紙葉類の識別方法において、
    前記紙葉類上で汚損の検出対象となるエリアを検出対象エリアとして予め設定するとともに、前記検出対象エリアに印刷されている画像の画素数を比較する際の基準値となる基準画素数として予め設定する設定ステップと、
    予め設定しておいた前記検出対象エリアに基づいて、前記紙葉類から前記検出対象エリア上の画像を読み取る画像読取ステップと、
    読み取った画像の画素数を読み取り画素数として検出する画素数検出ステップと、
    検出した読み取り画素数と予め設定しておいた基準画素数とを比較して、前記紙葉類の前記検出対象エリア上の汚損状態を示す汚損値を算出する算出ステップと、
    を含むことを特徴とする紙葉類の識別方法。
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