JPWO2008023686A1 - 超音波モーター用圧電アクチュエータ素子 - Google Patents

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Abstract

圧電層10と、圧電層10を略2分割するように形成された電極層12とを交互に積層してなる積層圧電素子14からなり、一次縦、二次屈曲モードを使用する超音波モーター用圧電アクチュエータ素子である。積層圧電素子14の表面部より厚み方向中央部において、圧電不活性領域11が形成されている。この圧電アクチュエータ素子は、変位の低下を抑えつつ、耐マイグレーション性が向上し、短絡(ショート)発生を防止することができるとともに、交流分極時の発熱個所を分散させることができ、信頼性が向上する。また、電極量が少なくて済み、コスト低減に寄与することができる。

Description

本発明は、超音波モーター用圧電アクチュエータ素子に関する。
弾性体の共振モードを利用した超音波モーターは制御性に優れ、特に精密位置決め用アクチュエータとしても注目されている。また、各種ステージ用のアクチュエータとしてはリニヤ型の超音波モーターが要求される場合が多く、多くのタイプが提案され研究されている。その中でも、矩形板の縦(伸縮)振動と屈曲振動の合成振動を利用した超音波モーターは様々なものが研究されている(例えば、特許文献1参照)。これらのうち、例えば特許文献1に示すように、矩形状の圧電素子単板を厚み方向に分極処理すると共に4分割された電極を設け、対角と成る電極を組とし、一組の電極に駆動信号を印加することで圧電素子からなる振動体に縦振動と屈曲振動を励振し、これと接する移動体を駆動する原理のものは様々な用途に実用化も進められている。
また、特許文献2においても、一次縦、二次屈曲モードを使用した超音波モーター素子が開示されており、矩形の圧電層と、該圧電層を略2分割するように形成された電極層と、を交互に積層してなる圧電アクチュエータ素子に関する記載がある。
図13(a)(b)は、この圧電アクチュエータ素子の概略図を示すもので、圧電層10と電極層12が交互に積層された構造を示している。この圧電アクチュエータ素子も、上記特許文献1に記載された構造の圧電素子と同様の動きをしており、圧電素子からなる振動体に縦振動と屈曲振動を励振し、これと接する部材を駆動するものである。
特許2980541号公報 ACTUATOR2006予講集A1.1(Piezoelectric Ultrasonic Motors for Lens Positioning of Cellular Phone Camera Modules)
しかしながら、特許文献1に記載の構造では、振動体の駆動に極めて高い電圧を必要とし、大きな昇圧回路を必要とするため、駆動回路の大型化、複雑化を招き駆動回路の価格も高価なものになる。そしてこの場合、小型な機器、特にバッテリーで駆動される用途への適用は難しかった。また、振動体の構造としては圧電素子の厚みが薄いと十分な出力が得られないと共に、機械的強度も低く破損につながる恐れもあった。
また、特許文献2に記載の超音波モーター素子においては、特許文献1に記載の構造に比べて駆動回路の小型化には資するものの、素子中央部の圧電焼結性が悪く、マイグレーションが発生しやすく、また、分極時に高効率で分極することを目的として交流分極を行うと、素子内部での発熱が大きくなり、素子中央部でクラックが発生しやすいという問題がある。
さらに、この超音波モーター素子では、電極存在箇所が素子投影面で同一であり(電極間距離が同じ)、電極エッジ近傍の圧電部分に積層圧力が加わり難く、積層不良や層間剥離が発生しやすいという問題があった。
本発明は、このようなマイグレーションが発生し易い積層圧電素子の厚み方向中央付近における耐マイグレーション性を向上させることができる圧電アクチュエータ素子を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、交流分極処理する際の局部的な発熱を防止し、分極時のクラック発生を防止できる圧電アクチュエータ素子を提供することである。
本発明によれば、圧電層と、該圧電層を略2分割するように形成された電極層とを交互に積層してなる積層圧電素子からなり、一次縦、二次屈曲モードを使用する超音波モーター用圧電アクチュエータ素子であって、該積層圧電素子の表面部より厚み方向中央部において、圧電不活性領域が形成されている、超音波モーター用圧電アクチュエータ素子が提供される。
本発明の圧電アクチュエータ素子においては、該積層圧電素子の表面部より厚み方向中央部において、層厚が積層方向厚みの10%以上である圧電不活性領域が形成されていることが好ましい。また、該積層圧電素子を分極処理する際に発熱する発熱部が分散していることが好ましい。
また、本発明の圧電アクチュエータ素子においては、該積層圧電素子の表面部より厚み方向中央部において、該電極層の形成密度が小さくなるように形成されていることが好ましく、該積層圧電素子の表面部より厚み方向中央部において、電極間距離が大きくなるように形成されていることが好ましい。
さらに本発明の圧電アクチュエータ素子においては、該積層圧電素子の表面部より厚み方向中央部において、電極層面積が小さくなるように形成されていることが好ましく、該積層圧電素子の厚み方向中央部において、電極層が形成されていないことが好ましい。
図1(a)(b)は、本発明の超音波モーター用圧電アクチュエータ素子の一実施形態を示すもので、図1(a)は正面図、図1(b)は側面図である。 図2(a)(b)は、本発明の超音波モーター用圧電アクチュエータ素子の他の実施形態を示すもので、図2(a)は正面図、図2(b)は側面図である。 図3は、素子上下表面から素子中央部にかけての電極間距離(各層間距離)の変化を示すグラフである。 図4(a)(b)は、本発明の超音波モーター用圧電アクチュエータ素子の他の実施形態を示すもので、図4(a)は正面図、図4(b)は側面図である。 図5(a)(b)は、本発明の超音波モーター用圧電アクチュエータ素子の他の実施形態を示すもので、図5(a)は正面図、図5(b)は側面図である。 図6(a)(b)は、本発明の超音波モーター用圧電アクチュエータ素子の他の実施形態を示すもので、図6(a)は正面図、図6(b)は側面図である。 図7(a)(b)は、本発明の超音波モーター用圧電アクチュエータ素子の他の実施形態を示すもので、図7(a)は正面図、図7(b)は側面図である。 図8(a)(b)は、本発明の超音波モーター用圧電アクチュエータ素子の他の実施形態を示すもので、図8(a)は正面図、図8(b)は側面図である。 図9(a)(b)は、本発明の超音波モーター用圧電アクチュエータ素子の他の実施形態を示すもので、図9(a)は正面図、図9(b)は側面図である。 図10(a)(b)は、本発明の超音波モーター用圧電アクチュエータ素子の他の実施形態を示すもので、図10(a)は正面図、図10(b)は側面図である。 図11(a)(b)は、本発明の超音波モーター用圧電アクチュエータ素子の他の実施形態を示すもので、図11(a)は正面図、図11(b)は側面図である。 図12(a)(b)は、本発明の超音波モーター用圧電アクチュエータ素子の他の実施形態を示すもので、図12(a)は正面図、図12(b)は側面図である。 図13(a)(b)は、従来の超音波モーター用圧電アクチュエータ素子の構成の概要を示すもので、図13(a)は正面図、図13(b)は側面図である。 図14は、実施例2、比較例2における圧電素子の分極処理時のクラック発生頻度を示すグラフである。
以下、本発明について、その実施形態を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されて解釈されるものではなく、発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
本発明の圧電アクチュエータ素子は、基本的に、圧電層と、該圧電層を略2分割するように形成された電極層とを交互に積層してなる積層圧電素子から構成されている。この積層圧電素子は、電圧を付加することにより、一次縦、二次屈曲モードのように屈曲変形する。この積層圧電素子の基本構成とその一次縦、二次屈曲モードについては、ACTUATOR2006予講集A1.1(Piezoelectric Ultrasonic Motors for Lens Positioning of Cellular Phone Camera Modules)の記載を参照のためここに組み入れることにする。
本発明の圧電アクチュエータ素子においては、上記した積層圧電素子の内部層に圧電不活性領域を形成したことにその特徴を有する。この圧電不活性領域は、積層圧電素子の厚み方向中央付近に、層厚が積層方向厚みの10%以上となるように形成されていることが好ましく、圧電不活性領域の層厚が積層方向厚みの10%〜50%であることがより好ましく、10%〜40%であることが特に好ましい。圧電不活性領域の層厚が積層方向厚みの50%より大きくなると、素子駆動時の入力信号に対し、素子駆動振幅が著しく小さくなり、一方、10%未満の場合には分極時にクラックが発生しやすくなる(後述の実施例1、2参照)。
このように積層圧電素子の内部層に圧電不活性領域を形成することにより、耐マイグレーション性が向上し、短絡(ショート)発生を防止することができる。
また、上記のような積層圧電素子は、使用にあたって分極処理が行われるが、このときに発熱する発熱部が素子中に分散していることが、分極時にクラックが発生することを防止できることから好ましい。
発熱部を分散させる具体的手段としては、積層圧電素子の内部層に圧電不活性領域を形成することが挙げられる。この圧電不活性領域についても、上記と同様に、積層圧電素子の厚み方向中央付近に、層厚が積層方向厚みの10%以上となるように形成されていることが好ましく、圧電不活性領域の層厚が積層方向厚みの10%〜50%であることがより好ましく、10%〜40%であることが特に好ましい。
さらに、本発明においては、積層圧電素子の表面部より厚み方向中央部において、電極層の形成密度が小さくなるように形成されていることが好ましい。ここで、電極層の形成密度が小さくなるように形成するには、例えば、図2(a)(b)に示すように、積層圧電素子の表面部より厚み方向中央部において、電極間距離が大きくなるように形成するか、また、図4(a)(b)〜図10(a)(b)に示すように、積層圧電素子の表面部より厚み方向中央部において、電極層面積が小さくなるように形成されていることが好ましい。
このように積層圧電素子の表面部より厚み方向中央部において、電極層の形成密度が小さくなるように形成することにより、変位の低下を抑えつつ、耐マイグレーション性が向上し、短絡(ショート)発生を防止することができるとともに、交流分極時の発熱個所を分散させることができ、信頼性が向上する。また、電極量が少なくて済み、コスト低減に寄与することができる。
次に、本発明の圧電アクチュエータ素子に用いる材料について説明する。
圧電層としては、圧電セラミックスが好適に用いられるが、電歪セラミックスや強誘電体セラミックス、あるいは反強誘電体セラミックスを用いることも可能である。具体的な材料としては、ジルコン酸鉛、チタン酸鉛、マグネシウムニオブ酸鉛、ニッケルニオブ酸鉛、亜鉛ニオブ酸鉛、マンガンニオブ酸鉛、アンチモンスズ酸鉛、マンガンタングステン酸鉛、コバルトニオブ酸鉛、チタン酸バリウム、チタン酸ナトリウムビスマス、チタン酸ビスマスネオジウム、ニオブ酸カリウムナトリウム、タンタル酸ストロンチウムビスマス、等を単独であるいは混合物として含有するセラミックスが挙げられる。
電極層は、室温で固体であり、導電性に優れた金属で構成されていることが好ましく、例えばアルミニウム、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、パラジウム、ロジウム、銀、スズ、タンタル、タングステン、イリジウム、白金、金、鉛等の金属単体、若しくはこれらの合金が用いられ、更に、これらに圧電層と同じ材料を分散させたサーメット材料を用いてもよい。
以下、本発明に係る圧電アクチュエータ素子の各種実施形態を図面に基づいて説明する。
図1(a)(b)は、本発明の超音波モーター用圧電アクチュエータ素子の一実施形態を示すもので、圧電層10と、該圧電層10を略2分割するように形成された電極層12とを交互に積層してなる積層圧電素子14から構成されており、積層圧電素子14の表面部より厚み方向中央部において、圧電不活性領域(電極層が形成されていない領域)11が形成されている。なお、15は摩擦部材である。
図2(a)(b)は、本発明に係る圧電アクチュエータ素子の他の実施形態を示すもので、圧電層10と、該圧電層10を略2分割するように形成された電極層12とを交互に積層してなる積層圧電素子14から構成されており、積層圧電素子14の表面部より厚み方向中央部において、電極間距離が大きくなるように形成されている。すなわち、積層圧電素子14の厚み方向の上下表面部近傍は、図13(a)(b)に示す従来例と同じ電極間距離で、厚み方向中央部は電極間距離が広い。ここで、図3に示すように、上下表面部から中央部にかけての電極間距離の変化は直線的でも、指数関数的でもよいが、指数関数的であることが好ましい。また、電極間距離(電極層間距離)の変化は複数層毎(ステップ状)でもよい。
図4(a)(b)〜図6(a)(b)は、それぞれ本発明に係る圧電アクチュエータ素子の他の実施形態を示すもので、積層圧電素子14の表面部より厚み方向中央部において、電極層12の面積が小さくなるように形成されている。すなわち、積層圧電素子14の厚み方向の上下表面部近傍は、図13(a)(b)に示す従来例と同じ電極長で、厚み方向中央部は電極長が短くなるように形成されている(B2モード屈曲点近傍を中心として電極が配置される)。ここで、電極長の変化率は一次関数的(図4(a)(b)を参照)でも、高次関数的や指数関数的(図5(a)(b)及び図6(a)(b)を参照)でもよいが、厚み方向中央部ほど変化率が小さく、上下表面部近傍ほど変化率が大きい図6(a)(b)に示す実施形態が好ましい。これは、熱放散し難い積層圧電素子14の中央部の発熱が抑制されるためである。
図4(a)(b)〜図6(a)(b)の実施形態によれば、変位低下を抑えつつ、コスト低減(電極量低減)が図れるとともに、交流分極時の発熱箇所が分散され、電極エッジが重ならないため、積層圧力の面内分布が緩やかとなり、積層不良が低減すると共に、分極時に発生するエッジ端部の応力が緩和されるという作用効果を奏する。
図7(a)(b)〜図9(a)(b)も、それぞれ本発明に係る圧電アクチュエータ素子の他の実施形態を示すものであり、積層圧電素子14の厚み方向の上下表面部近傍は、図13(a)(b)に示す従来例と同じ電極幅で、厚み方向中央部は電極幅が狭くなるように形成されているものである。ここで、電極幅の変化率は一次関数的(図7(a)(b)を参照)でも、高次関数的や指数関数的(図8(a)(b)及び図9(a)(b)を参照)でもよいが、厚み方向中央部ほど変化率が小さく、上下表面部近傍ほど変化率が大きい図9(a)(b)に示す実施形態が好ましい。これは、熱放散し難い積層圧電素子14の中央部の発熱が抑制されるためである。
なお、図7(a)(b)〜図9(a)(b)の実施形態による作用効果は、図4(a)(b)〜図6(a)(b)の実施形態とほぼ同様である。
また、図10(a)(b)は、本発明に係る圧電アクチュエータ素子のさらに他の実施形態を示すものであり、上記した図4(a)(b)〜図6(a)(b)の実施形態と図7(a)(b)〜図9(a)(b)の実施形態を足し合わせたものといえる。
次に、図11(a)(b)は、本発明に係る圧電アクチュエータ素子のさらに他の実施形態を示すものであり、積層圧電素子14の厚み方向中央部において、電極層が形成されておらず、圧電層10を構成する材料より強度の大きなセラミック板状部材16が一体形成されているものである。この実施形態では、積層圧電素子14の厚み方向中央部において、ジルコニアをはじめとする高強度セラミック板状部材16が一体焼成されて素子が構成されており、セラミック板状部材16の一方端もしくは両端が積層圧電素子14の圧電部位から突出させて、摩擦部材としている。
この実施形態によれば、図1(a)(b)等の実施形態のように、後付の摩擦部材が不要であってコストが低減するとともに、摩擦部材を接合するための接着剤が不要で、しかも接着剤が不要故温度特性が良好であるという作用効果を奏する。
図12(a)(b)は、本発明に係る圧電アクチュエータ素子のさらに他の実施形態を示すものであり、積層圧電素子14の厚み方向中央部近傍において、電極層18が全長に渡って形成されているものである。この実施形態によれば、全長に渡る電極層18の層数を適切に選択することにより、L1、B2振動による摩擦部材20のx方向変位、y方向変位のバランスを最適化でき、駆動効率を向上できる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。
(実施例1〜10、比較例1)
長さ5.0mm×幅1.5mm×厚み1.5mmの超音波モーター用圧電素子を、焼成後に1μmとなるようにしたAg−Pd合金電極材料ペーストを、焼成後に10μmとなるようにした圧電グリーンシート上に印刷したものを150層積層したグリーンシート積層体を焼成後、前記外形となるよう機械加工した後、側面電極を形成した超音波モーター用圧電素子を作製した(比較例1)。
一方、外形は上記比較例1と同様で、積層方向の中央部分に圧電不活性層を、超音波モーター用圧電素子の総厚の2〜40%となるように形成した超音波モーター用圧電素子を上記比較例1と同様に作製した(実施例1〜10)。
これらの素子について、85℃、85%RHの環境下で2.8V駆動耐久試験を実施した結果を表1に示す。比較例1(圧電不活性層0%)では200hr程度でショートとなるものが現れた。この素子の外観を金属顕微鏡及びSEM−EDSにて観察、分析したところ、Agマイグレーションが確認できた。
一方、実施例1〜10の素子では、表1に示すように、圧電不活性層厚みの増加に伴い、ショートが発生するまでの時間が長期化され、圧電不活性層厚みが10%以上では、ショートの発生が認められなかった。
SEM観察の結果、比較例1では厚み方向中央付近の圧電層で気孔が多数見られ、焼結が不十分であったが、実施例1〜10では圧電不活性層厚みが増すにしたがって、前記気孔の数が減少していた。理由は不明であるが、圧電不活性層が存在することにより、素子の中央付近の焼結性が向上し、水分の吸着サイトとなり得る微細気孔が減少することにより、素子の耐マイグレーション性が向上したものと推察できる。
Figure 2008023686
(実施例11〜20、比較例2)
上記の実施例1〜10、比較例1と同様にして、超音波モーター用圧電素子を作製した。
これらの素子について、以下の条件で分極処理を行った。
(分極条件)
・温度:室温
・入力信号:10kHz 0−250Vパルス波
・時間:60秒
その結果を表2及び図14のグラフに示す。
Figure 2008023686
表2及び図14に示す結果からわかるように、比較例2のように、厚み方向中央付近に圧電不活性層がない場合には、分極処理によりクラックの発生頻度が高かった。これに対して、厚み方向中央付近に圧電不活性層を総厚の2〜40%となるように形成した実施例11〜20では、分極処理によってもクラックの発生頻度が低下した。
本発明の圧電アクチュエータ素子を用いた超音波モーターは、微小距離を高速かつ高精度に位置決めすることが可能な上、信頼性が高いため、カメラのオートフォーカス機構、ズーム機構、手振れ補正機構に利用可能であり、また、光学顕微鏡、電子顕微鏡、原子間力顕微鏡などのステージ駆動用といった高い信頼性が要求される分野においても好適に用いられる。

Claims (7)

  1. 圧電層と、該圧電層を略2分割するように形成された電極層とを交互に積層してなる積層圧電素子からなり、一次縦、二次屈曲モードを使用する超音波モーター用圧電アクチュエータ素子であって、
    該積層圧電素子の表面部より厚み方向中央部において、圧電不活性領域が形成されている、超音波モーター用圧電アクチュエータ素子。
  2. 該積層圧電素子の表面部より厚み方向中央部において、層厚が積層方向厚みの10%以上である圧電不活性領域が形成されている、請求項1記載の超音波モーター用圧電アクチュエータ素子。
  3. 該積層圧電素子を分極処理する際に発熱する発熱部が分散している、請求項1記載の超音波モーター用圧電アクチュエータ素子。
  4. 該積層圧電素子の表面部より厚み方向中央部において、該電極層の形成密度が小さくなるように形成されている、請求項1記載の超音波モーター用圧電アクチュエータ素子。
  5. 該積層圧電素子の表面部より厚み方向中央部において、電極間距離が大きくなるように形成されている、請求項1記載の超音波モーター用圧電アクチュエータ素子。
  6. 該積層圧電素子の表面部より厚み方向中央部において、電極層面積が小さくなるように形成されている、請求項1記載の超音波モーター用圧電アクチュエータ素子。
  7. 該積層圧電素子の厚み方向中央部において、電極層が形成されていない、請求項1記載の超音波モーター用圧電アクチュエータ素子。
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