JPWO2007148712A1 - 銅基圧延合金及びその製造方法 - Google Patents

銅基圧延合金及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2007148712A1
JPWO2007148712A1 JP2008522486A JP2008522486A JPWO2007148712A1 JP WO2007148712 A1 JPWO2007148712 A1 JP WO2007148712A1 JP 2008522486 A JP2008522486 A JP 2008522486A JP 2008522486 A JP2008522486 A JP 2008522486A JP WO2007148712 A1 JPWO2007148712 A1 JP WO2007148712A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rolling
alloy
copper
less
rolled
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008522486A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5263525B2 (ja
Inventor
哲夫 左海
哲夫 左海
尚国 松村
尚国 松村
広樹 千葉
広樹 千葉
直樹 山上
直樹 山上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Osaka University NUC
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Osaka University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Insulators Ltd, Osaka University NUC filed Critical NGK Insulators Ltd
Priority to JP2008522486A priority Critical patent/JP5263525B2/ja
Publication of JPWO2007148712A1 publication Critical patent/JPWO2007148712A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5263525B2 publication Critical patent/JP5263525B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C9/00Alloys based on copper
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B1/00Metal-rolling methods or mills for making semi-finished products of solid or profiled cross-section; Sequence of operations in milling trains; Layout of rolling-mill plant, e.g. grouping of stands; Succession of passes or of sectional pass alternations
    • B21B1/22Metal-rolling methods or mills for making semi-finished products of solid or profiled cross-section; Sequence of operations in milling trains; Layout of rolling-mill plant, e.g. grouping of stands; Succession of passes or of sectional pass alternations for rolling plates, strips, bands or sheets of indefinite length
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C9/00Alloys based on copper
    • C22C9/01Alloys based on copper with aluminium as the next major constituent
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C9/00Alloys based on copper
    • C22C9/02Alloys based on copper with tin as the next major constituent
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C9/00Alloys based on copper
    • C22C9/05Alloys based on copper with manganese as the next major constituent
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C9/00Alloys based on copper
    • C22C9/06Alloys based on copper with nickel or cobalt as the next major constituent
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C9/00Alloys based on copper
    • C22C9/10Alloys based on copper with silicon as the next major constituent
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22FCHANGING THE PHYSICAL STRUCTURE OF NON-FERROUS METALS AND NON-FERROUS ALLOYS
    • C22F1/00Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22FCHANGING THE PHYSICAL STRUCTURE OF NON-FERROUS METALS AND NON-FERROUS ALLOYS
    • C22F1/00Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working
    • C22F1/08Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working of copper or alloys based thereon

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Metal Rolling (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)

Abstract

銅基圧延合金において、Be、Mg、Al、Si、P、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zr及びSnから選択される1種又は2種以上の元素を0.05質量%以上10質量%以下含有する銅基合金組成を有し、圧延面において測定した(hkl)面のX線回折強度比I(111)/I(200)が2.0以上である。

Description

本発明は、銅基圧延合金及びその製造方法に関する。、
各種銅合金は、優れた導電性と加工性を備えていることから各種の電子部品や機械部品に用いられている。こうした銅合金においても、製品のコンパクト化や高機能化のため、一層の加工性向上が求められるようになってきている。銅合金材を高精度で微小な部材に加工するには、銅合金材を良好な加工性を確保した状態に圧延して圧延合金とすることが望まれる。例えば、板面に平行に[111]面を配向させること、すなわち、<111>//ND集合組織を発達させることが、圧延材のプレス成形性や曲げ加工性を向上させるのに重要であることが知られている(非特許文献1、2)。アルミニウムや銅などの面心立方晶(FCC)構造の金属では、通常の圧延焼鈍法ではこの<111>//ND成分が全く発達しないが、せん断変形に伴い発達することが知られており、例えば、高摩擦条件下で圧延されたアルミニウムの表面近傍には<111>//NDが発達することが報告されている(非特許文献3)。
異周速圧延は、板厚全体において<111>//ND集合組織が発達するのに有用であるとされ、アルミニウム合金板に対しての有効性が報告されている(非特許文献4)。一方、無酸素銅及び銅−亜鉛合金である黄銅に対して異周速圧延加工を施すと、板厚全体にわたって<111>//ND集合組織が形成されることが報告されている(非特許文献5)。
Ph. Lequeu and J.J. Jonas : Metallugical transactions A,19A(1988),105-120 五弓勇雄、鈴木敬二郎、藤倉潮三、日本金属学会誌、32(1968)、742−747 T.Sakai, SH. Lee and Y. Saito, Proc. LiMAT2001, Busan, Korea(2001), 311-316 T.Sakai, K.Yoneda, Y. Saito, Material Science Forum, 96-402(2002), 309-314 T. Sakai, J. Watanabe, N. Iwamoto and H. Utsunomiya, Journalof the JRICu, Vol. 44 No.1(2005), 73-78
上記のように、異周速圧延によれば、純銅及び黄銅においては、<111>//ND方位が発達した圧延集合組織を有する銅合金は得られている。しかしながら、本発明者らの検討によれば、銅合金において高摩擦下で圧延することで表面付近においては<111>//NDが発達するものの溶体化処理によって一旦形成された<111>//ND集合組織は著しく減少してしまうことがわかった。したがって、現在までのところ、他の銅合金、特に、溶体化処理のような700℃〜1000℃という温度域の熱処理後においても、<111>//ND方位が発達した圧延集合組織を有する銅合金は得られていない。
せん断歪によって形成されるせん断集合組織も変形集合組織であるため、合金成分の影響を受けることが予測されている。しかしながら、銅合金中の合金成分によって形成されるせん断集合組織の構造や一旦形成されたせん断集合組織がその後の加工によってどのように変化するのかについては全く予測できない。
そこで、本発明は、加工性に優れる銅基圧延合金及びその製造方法を提供することを一つの目的とする。また、本発明は、加工性と強度とに優れる銅基圧延合金及びその製造方法を提供することを他の一つの目的とする。さらに、本発明は、<111>//ND集合組織が発達した銅基圧延合金及びその製造方法を提供することを他の一つの目的とする。さらにまた、本発明は、<111>//ND集合組織を備える析出硬化型銅基圧延合金及びその製造方法を提供することを一つの目的とする。
本発明者らは、上記した課題を解決するために種々検討したところ、一定範囲の合金成分を含む銅合金に対して無潤滑で圧延処理を施すことにより、加工性に優れる組織である<111>//ND集合組織を発達させることができるとともに、溶体化処理後においてもこの圧延集合組織を維持できることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明によれば、以下の手段が提供される。
(1)銅基圧延合金であって、
Be、Mg、Al、Si、P、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zr及びSnから選択される1種又は2種以上の元素を0.05質量%以上10質量%以下含有する銅基合金組成を有し、圧延面において測定した(hkl)面のX線回折強度比I(111)/I(200)が2.0以上である、銅基圧延合金。
(2)前記元素は、Be、Si、Ti及びNiから選択される1種又は2種以上である、(1)に記載の銅基圧延合金。
(3)Pを不可避不純物濃度以上に含有しない、(1)又は(2)に記載の銅基圧延合金。
(4)前記X線回折強度比が3.0以上である、(1)〜(3)のいずれかに記載の銅基圧延合金。
(5)前記X線回折強度比が4.0以上である、(4)に記載の銅基圧延合金。
(6)前記圧延合金の板厚方向にわたって前記圧延方向から測定した(hkl)面のX線回折強度比I(111)/I(200)が2.0以上である、(1)〜(5)のいずれかに記載の銅基圧延合金。
(7)溶体化処理が施される溶体化処理用である、(1)〜(6)のいずれかに記載の銅基圧延合金。
(8) 溶体化処理可能な温度で5秒〜120分間加熱処理したとき、前記圧延面において測定した(hkl)面のX線回折強度比I(111)/I(200)が60%以上維持される、(7)に記載の銅基圧延合金。
(9)前記X線回折強度比が維持される比率は70%以上である、(8)に記載の銅基圧延合金。
(10) 前記X線回折強度比が維持される比率は75%以上である、請求項(8)に記載の銅基圧延合金。
(11) 溶体化処理済みである、(1)〜(10)のいずれかに記載の銅基圧延合金。(12) 少なくとも前記圧延面において測定した(hkl)面のX線回折強度比を得るための圧延後に溶体化処理されて得られる、(11)に記載の銅基圧延合金。
(13) 前記圧延面において測定した(hkl)面のX線回折強度比I(111)/I(200)が前記溶体化処理後において60%以上維持される、(7)〜(12)のいずれかに記載の銅基圧延合金。
(14) 前記元素を含む金属間化合物の析出物を含む、(1)〜(6)のいずれかに記載の銅基圧延合金。
(15) 析出硬化型合金である、(14)に記載の銅基圧延合金。
(16) 析出硬化処理は200℃以上の析出硬化処理である、(15)に記載の銅基圧延合金。
(17) 析出硬化処理は250℃以上の析出硬化処理である、(15)に記載の銅基圧延合金。
(18) 前記合金の平均結晶粒径が1μm以上50μm以下である、(14)〜(17)のいずれかに記載の銅基圧延合金。
(19) 前記合金の前記平均結晶粒径は20μm以下である、(18)に記載の銅基圧延合金。
(20) 圧延方向と直角方向に90°曲げ加工したときの加工可能な最小曲げ半径Rとその時の板材厚さtとの比R/tが1.0以下である、(14)〜(19)のいずれかに記載の銅基圧延合金。
(21) 引張り強さが500N/mm2以上である、(14)〜(20)のいずれかに記載の銅基圧延合金。
(22) 前記元素はBeを含む、(14)〜(21)のいずれかに記載の銅基圧延合金。
(23) 引張り強さが650N/mm2以上1000N/mm2以下である、(22)に記載の銅基圧延合金。
(24) 前記元素はTiを含む、(14)〜(21)のいずれかに記載の銅基圧延合金。
(25) 引張り強さが700N/mm2以上900N/mm2以下である、(24)に記載の銅基圧延合金。
(26) 前記元素はSi及びNiを含む、(14)〜(21)のいずれかに記載の銅基圧延合金。
(27) 引張り強さが500N/mm2以上750N/mm2以下である、(26)に記載の銅基圧延合金。
(28) 250℃以上550℃以下の温度で少なくとも15分加熱処理したとき、前記圧延面において測定した(hkl)面のX線回折強度比I(111)/I(200)が60%以上維持される、(14)〜(27)のいずれかに記載の銅基圧延合金。
(29) 銅基圧延合金の製造方法であって、
Be、Mg、Al、Si、P、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zr及びSnから選択される1種又は2種以上の元素を0.05質量%以上10質量%以下含有する銅基合金組成を有する合金鋳造体を、<111>//ND集合組織を付与するようにせん断変形を伴って圧延する圧延工程と、
前記圧延工程を経た被加工体を700℃以上1000℃以下で溶体化する溶体化処理工程と、
を備える、製造方法。
(30) 前記元素は、Be、Si、Ti及びNiから選択される1種又は2種以上である、(29)に記載の製造方法。
(31) Pを不可避不純物濃度以上に含有しない、(29)又は(30)に記載の製造方法。
(32) 前記圧延工程は、板厚方向にわたって<111>//ND集合組織を付与するように圧延する工程である、(29)〜(31)のいずれかに記載の製造方法。
(33) 前記圧延工程は、摩擦係数μ0.2以上で圧延するステップを含む、(29)〜(32)のいずれかに記載の製造方法。
(34) 前記圧延工程は、下記(1)式で表される相当ひずみεが1.6以上となる圧延条件下で圧延するステップを含む、請求項29〜33のいずれかに記載の製造方法。
Figure 2007148712
ただし、
Figure 2007148712
r:圧下率
θ:圧延前に板表面と垂直であった要素の板厚方向のある位置における圧延後の見かけのせん断角
φ:せん断係数
(35) 前記せん断係数φは、1.2以上2.5以下とする、(34)に記載の製造方法。
(36) 前記圧延工程は、前記合金鋳造体を異周速圧延及び異径ロール圧延から選択されるいずれかによるステップを含む、請求項29〜35のいずれかに記載の製造方法。
(37) 前記圧延工程は、周速比1.2以上2.0以下の条件で異周速圧延を実施するか又は前記周速比範囲となる条件で異径ロール圧延を実施する圧延ステップを含む、(29)〜(36)のいずれかに記載の製造方法。
(38) 前記溶体化処理工程を経た被加工体を時効硬化処理する時効硬化処理工程を備える、(29)〜(37)のいずれかに記載の製造方法。
(39) 前記時効硬化処理工程は、200℃以上550℃以下で時効処理する工程である、(38)に記載の製造方法。
(40) 前記時効硬化処理温度は、250℃以上500℃以下である、(38)に記載の製造方法。
(41) (29)〜(40)のいずれかに記載の銅基圧延合金の製造方法によって得られる、銅基圧延合金。
溶体化処理温度とX線回折強度比I(111)/I(200)との関係を示す図である。 平均結晶粒径とX線回折強度比I(111)/I(200)との関係を示す図である。 引張り強さと曲げ係数との関係を示す図である。
本発明は、Be、Mg、Al、Si、P、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zr及びSnから選択される1種又は2種以上の元素を0.05質量%以上10質量%以下含有する銅基合金組成を有し、圧延面において測定した(hkl)面のX線回折強度比I(111)/I(200)が2.0以上である、銅基圧延合金に関する。本発明の銅基圧延合金によれば、その圧延面において測定した(hkl)面のX線回折強度比I(111)/I(200)が2.0以上であるため、<111>//ND集合組織が発達したものとなっている。このため、優れたプレス成形性及び/又は曲げ加工性などの加工性を備える銅基圧延合金を提供できる。また、析出硬化型の銅基圧延合金において<111>//ND集合組織が発達されている場合には、良好な加工性と強度及び/又は導電性とを備える銅基圧延合金を提供できる。
また、本発明は、銅基圧延合金の製造方法であって、Be、Mg、Al、Si、P、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zr及びSnから選択される1種又は2種以上の元素を0.05質量%以上10質量%以下含有する銅基合金組成を有する合金鋳造体を、<111>//ND集合組織を付与するようにせん断変形を伴って圧延する圧延工程と、前記圧延工程を経た被加工体を700℃以上1000℃以下で溶体化する溶体化処理工程と、を備える、製造方法に関する。本発明の製造方法によれば、上記合金組成の鋳造体に上記圧延工程を実施することで、その後の溶体化処理を行っても<111>//ND集合組織を形成することができる。溶体化処理を行っても<111>//ND集合組織を維持できるため、その後の時効処理による析出硬化によって強度及び導電性に優れた圧延合金を製造することができる。この結果、プレス成形性及び/又は曲げ加工性や強度や導電性に優れる銅基圧延合金を製造できる。
以下、本発明の実施の形態である銅基圧延合金及びその製造方法について詳細に説明する。
(銅基圧延合金)
本発明の銅基圧延合金は、圧延後の溶体化処理前の圧延合金、溶体化処理後の時効硬化処理していない未時効材、溶体化処理後に時効硬化処理した析出硬化型材(ミルハードン材を含む)を含んでいる。なかでも、析出硬化型の銅基合金であることが好ましい。なかでも、200℃以上の高温時効硬化処理が適用される析出硬化型銅基合金であることが好ましい。時効硬化処理温度は250℃以上であることが好ましく、より好ましくは300℃以上である。また、本銅基圧延合金はメッキ等の各種表面処理などが施されていてもよい。
(銅基合金組成)
本発明の銅基圧延合金は、Be、Mg、Al、Si、P、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zr及びSnから選択される1種又は2種以上の元素を0.05質量%以上10質量%以下含有する銅基合金組成を有している。これらの元素は、それぞれ銅基母相に合金成分として添加して固溶又は金属間化合物を析出させることで、機械的強度、導電性、応力緩和特性、耐熱性、圧延性のいずれかの向上に寄与することができる。これらの合金成分は、それぞれ0.05質量%以上10質量%以下含有されていることが好ましい。この範囲であると小型電子部品や機械部品に用いられるための良好な加工性と強度及び/又は導電性とを備えるからであり、0.05質量%未満であると良好な強度が得られないためであり、10質量%を超えると良好な導電性が得られないからである。
本銅基圧延合金は、好ましくは、Be、Si、Ti及びNiから選択される1種又は2種以上の元素を含有している。Beは、合金の導電率及び強度を向上させることができる。Cu−Be合金を得る場合には、圧延合金組成中、Beを0.05質量%以上2.0質量%以下とすることが好ましい。2.0質量%を超えるとBeによって構成される析出相の粗大化により強度が低下してしまい、0.05質量%未満であると十分な強度を得ることができないからである。より好ましくは0.2質量%以上2.0質量%以下である。なお、Cu−Be合金は、Be以外に、Ni、Co、Fe、Al、Mg、Zr及びPbから選択される1種又は2種以上を含むことができる。
Tiは、時効処理による金属間化合物の析出により合金の強度を効果的に向上させることができる。Cu−Ti合金を得るには、圧延合金組成中、Tiを2.0質量%以上5.0質量%以下とすることが好ましい。5.0質量%を超えるとCu3Tiが過剰に析出してしまい導電性と加工性が低下するからであり、2.0質量%未満であると十分な強度を得ることができないからである。より好ましくは2.5質量%以上4.0質量%以下である。なお、Cu−Ti合金は、Ti以外に、Fe、Ni、Cr、Si、Al、Mnから選択される1種又は2種以上を含むことができる。
Ni及びSiは、時効処理による金属間化合物の析出により合金の強度を効果的に向上させることができる。Cu−Ni−Si合金を得るには、圧延合金組成中、Niを1.0質量%以上4.7質量%以下とすることが好ましく、同時にSiを0.3質量%以上1.2質量%以下とすることが望ましい。Niが4.7質量%を超え、またはSiが1.2質量%を超えると強度は向上するものの、導電性と加工性が著しく劣化する。Niが1.0質量%未満、またはSiを0.3質量%未満であると、十分な強度は得られない。より好ましくはNiを2.0質量%以上3.5質量%以下、かつSiを0.7質量%以上1.0質量%以下である。Cu−Ni−Si合金は、Ni及びSi以外に、Mg、Fe、Zn、Sn、Cr、Al、Mn、Ti、Beから選択される1種又は2種以上を含むことができる。
本発明の合金組成は、上記特定元素以外の不可避的不純物及び銅からなることが好ましい。したがって、本発明の圧延合金組成は、P(リン)を不可避不純物の濃度以上に含有していないことが好ましい。Pを含有することで他の元素と結びついて化合物をつくることがあり、場合によっては母相の硬化現象を促して圧延性を阻害するとともに、母相への分散が認められる場合には摩擦係数を小さくする効果を招きかねないからである。また、こうした銅基母相原料としては、電気銅又は無酸素銅を用いることができる。
なお、本発明の銅基圧延合金組成としては、当業者によく知られるCu−Cr,Cu−Co,Cu−Cr−Zr合金などもが挙げられる。
(圧延面の結晶方位)
本圧延合金は、すでに説明したように各種態様の圧延合金を含んでいるが、本圧延合金は、溶体化処理前において溶体化処理後も高率で維持される特定の結晶方位特性を有し、溶体化処理後においては、後段の時効硬化処理によっても維持される特定の結晶方位特性を有し、時効硬化処理後においては、時効硬化処理による強度と特定の結晶方位特性に基づく加工性とを兼ね備えることができる。したがって、溶体化処理や高温時効によって高率で結晶方位特性が維持される点において、本合金は溶体化処理後に通常の仕上げ圧延によって<111>//ND集合組織が形成されているものとは相違している。以下、圧延後溶体化処理前、溶体化処理後及び時効硬化処理後の各段階における結晶方位特性について説明する。
(圧延後溶体化処理前)
圧延後溶体化処理前の本圧延合金は、圧延面においてX線回折により測定したX線回折強度比I(111)/I(200)が2.0以上であることが好ましい。2.0以上であると、プレス加工性に優れることを示す方位の強度I(111)と、同時に立方体方位の強度I(200)を持たないために優れる曲げ加工性の傾向とを先鋭に得られるので、良好な加工性を確保できる。この強度比は、圧延面における[200]面のX線回折積分強度に対する[111]面のX線回折積分強度との比である。圧延面における[200]面の比率は圧延などによって変化しにくいため、この回折強度比は、圧延面における[111]面の割合の指標とすることができる。また、この回折強度比は<111>//ND集合組織の指標であり、板厚方向における<111>//ND集合組織の発達程度と関連している。<111>//ND集合組織が発達している圧延合金によれば、優れた曲げ成形性及びプレス成形性を備えることができる。
なお、圧延面においてX線回折により測定した(hkl)面反射のX線回折強度比は、いずれも表面(約200μm程度の深さまで)の積分強度比に基づくものであるが、本発明者らは、こうした圧延面近傍X線回折積分強度に基づく上記X線強度比は、板厚方向への<111>//ND集合組織の発達傾向に対応していることを確認している。
圧延面におけるX線回折強度比は、2.5以上であることが好ましい。2.5以上であると、この後の溶体化処理においても良好な加工性を確保できるX線回折強度比2.0以上を維持しやすいからである。3.0以上であることがさらに好ましい。3.0以上であると、成形性と強度とをバランスよく得ることができるとともに溶体化処理後においてもこれらを維持できるからである。さらに好ましくは4.0以上である。
また、圧延面の方向からX線回折により測定したX線回折強度比I(111)/I(200)が2.0以上であることが好ましい。ここでいうX線回折強度比は、圧延面に平行な[200]面のX線回折強度に対する圧延面に平行な[111]面のX線回折強度との比であり、銅基圧延合金の板厚方向における任意の領域での<111>//ND集合組織の発達程度と関連している。こうしたX線回折強度比が2.0以上であると板厚全体にわたり良好な加工性を確保できる。<111>//ND集合組織が板厚方向の領域全体に発達している圧延合金によれば、板厚全体にわたり優れた曲げ成形性及びプレス成形性を備えることができる。本発明の銅基圧延合金は、こうした強度比は、その後の溶体化処理を考慮すると、2.5以上であることがより好ましい。また、成形性についてのメリットと、強度並びに溶体化処理を得ようとするための熱処理が圧延後に付与されることを考慮するとプレス加工性に優れることを示す方位の強度I(111)と、同時に立方体方位の強度I(200)を持たないために優れる曲げ加工性の傾向をより先鋭に得られることとなる3.0以上であることが好ましく、より好ましくは4.0以上である。
また、この段階の本圧延合金は、溶体化処理したとき、前記圧延面において測定したX線回折強度比I(111)/I(200)が60%以上維持されるものであることが好ましい。通常の圧延によれば、30%程度しか維持されていないが、前記X線回折強度比が60%以上維持されることで、溶体化処理後においてもこの結晶方位に基づく良好な加工性を得ることができる。より好ましくは、前記圧延面におけるX線回折強度比の維持率は、70%以上であり、さらに好ましくは75%以上である。
なお、溶体化処理の条件は合金組成によって異なるが、本圧延合金の組成に従えば、溶体化処理可能な温度は700℃以上1000℃以下とすることができる。この場合、処理時間は5秒〜2時間で設定することもできる。溶体化処理可能な温度は、より好ましくは、700℃以上850℃以下である。この場合、処理時間は0.5分〜60分程度である。溶体化処理可能な温度はさらに好ましくは800℃である。この場合、処理時間は60秒とすることができる。ただし溶体化処理の本質が、時効硬化処理時に析出物を構成する化合物の、銅に対する溶解度線以上の温度に加熱した後、室温まで急冷してそれらの構成元素を過飽和に固溶している状態で保つことにあるので、温度および時間の選択範囲には銅基合金組成によって若干変動する可能性がある。加熱により銅基圧延合金が固溶状態に至る過程で、原子の拡散が十分に生じる温度になると、圧延で生じたひずみのない結晶粒が新たに発生する再結晶が起こる。この際には、圧延で得た(111)面方位の格子配列は、新しい(200)面方位の格子配列に置換される傾向にある。この再結晶は、溶解度線に到達するよりも低い温度から起こりはじめ、銅基合金では一般に600℃付近から始まる。
(溶体化処理後)
溶体化処理後においては、圧延面における上記X線回折強度比は、2.0以上であることが好ましい。2.0以上であると良好な加工性を確保できるからである。3.0以上であることがより好ましい。3.0以上であると、成形性と強度とをバランスよく得ることができるからである。さらに好ましくは4.0以上である。
また、溶体化処理後においても、圧延面の方向からX線回折により測定したX線回折強度比I(111)/I(200)が2.0以上であることが好ましい。こうしたX線回折強度比が2.0以上であると板厚全体にわたり良好な加工性を確保できる。<111>//ND集合組織が板厚方向の領域全体に発達している圧延合金によれば、板厚全体にわたり優れた曲げ成形性及びプレス成形性を備えることができる。また、成形性と強度を考慮すると3.0以上であることが好ましく、より好ましくは4.0以上である。
特に、Cu−Be圧延合金としては、上記X線回折強度比は3.0以上であることがより好ましく、さらに好ましくは4.0以上である。また、Cu−Ti圧延合金においては、X線回折強度比は4.5以上であることが一層好ましい。さらに、Cu−Ni−Si合金にあっては、上記X線回折強度比は3.5以上であることがより好ましく、さらに好ましくは4.0以上である。
(時効硬化処理後)
時効硬化処理後は、本圧延合金組成に従えば、250℃以上500℃以下であることが好ましく、典型的には300℃以上450℃以下とすることができる。こうした時効硬化処理後においては、時効硬化処理前の圧延面におけるX線回折強度比及び圧延面方向からのX線回折強度比はそのまま維持される。これらの時効硬化処理温度は、前述の銅基圧延銅合金の再結晶温度よりも低いだからであり、工業規模で管理可能な時間単位の内においてはそのまま維持される。したがって、本発明の析出硬化型圧延合金は、時効硬化処理による強度と特定の結晶方位特性による良好な加工性とを兼ね備えることができる。時効硬化処理の温度は、例えば、Cu−Be合金においては、300℃で30分が好適である。
(結晶方位の測定方法)
X線回折による(111)面の回折強度及び(200)面の回折強度は、X線回折装置において、2θ走査面が試料に垂直で圧延方向(RD)を含むように入射角(θ)でX線を入射させ、2θ走査で検出される{111}面の積分強度と{200}面からの回折線のピークの積分強度をそれぞれ求め、これらの比を算出して評価するものである。通常のX線回折測定法においては、試料面に対してX線の入射角と反射角が等しくなる関係を保つ。このため、実際の装置では、X線発生源である管球が固定され、試料面が入射線に対しθの角度にあるとき、計数管が入射線に対し2θとなるように試料面と計数管が回転する。このとき、通常法においては、測定対象面は、常に試料面に平行な面となる。管球はCu、管電圧は40kV、管電流は200mA、X線侵入深さが約200μmであるため、板厚内部を測定する際は、片面を目標板厚になるまでエッチングすればよい。
(平均結晶粒径)
本圧延合金の平均結晶粒径は1μm以上50μm以下であることが好ましい。1μm未満であると再結晶はしているものの固溶度に不十分が残るためであり、50μmを超えると固溶度は十分なものの結晶があまりに粗大化してプレス加工性や成形性を阻害するからである。より好ましくは20μm以下である。平均結晶粒径が20μm以下であると、本圧延合金の強度と成形性が向上するからである。好ましくは15μm以下であり、より好ましくは10μm以下である。なお、本圧延合金の平均結晶粒径は、JIS H0501 求積法により測定することができる。既知の面積(普通は5000mm2、例えば円の場合は径79.8mm)の円又は長方形を写真又はピントガラスの上に描き、その面積内に完全に含まれる結晶粒の数と、円又は長方形の周辺で切断される結晶粒の半分との和を全結晶粒数とする。結晶粒度は、結晶粒を正方形と考えて次の式で表す。
d=1/M√(A/n)
n=Z+w/2
ここに、d:結晶粒度(mm)
M:使用倍率
A:測定面積(mm2
Z:測定面積A内に完全に含まれる結晶粒数
w:周辺部の結晶粒数
n:全結晶粒数
(機械的強度等)
析出硬化型の本圧延合金においては、圧延方向と直角方向に90°曲げ加工したときの加工可能な最小曲げ半径Rとその時の板材厚さtとの比R/tが1.0以下であることが好ましい。R/tが1.0以下であると小型電子部品の成形加工に好適となるからであり、R/tが1.0を超えると中大型の電子部品の成形加工用に限られるからである。より好ましくは0.5以下である。
また、析出硬化型の本圧延合金においては、引張り強さが500N/mm2以上であることが好ましい。引張り強さは500N/mm2以上であると小型電子部品としても十分な接点圧力が得られるからであり、500N/mm2未満であると逆に部品の接点圧力が不足するからである。
なお、引張り強さは、JISZ 2241 金属材料引張試験方法により測定することができるほか、この方法と同等の精度と正確性の方法によって測定することができる。また、R/tは、JIS Z 2248 金属材料曲げ試験方法により測定することができる。また、最小曲げ半径とは、曲げた部分の内側半径である。なお、板厚を例えば0.6mm、幅を例えば10mmとすることができる。
Cu−Be圧延合金においては、引張り強さが650N/mm2以上であり1000N/mm2以下であることが好ましい。また、R/tが1.0以下であることが好ましい。こうした強度と曲げ特性を有していることで、より自由度の高い加工が可能なCu−Be圧延合金となる。より好ましくは、引張り強さが800N/mm2以上であり、さらに好ましくは900N/mm2以上である。また、より好ましくはR/tが0.5以下である。
Cu−Ti圧延合金としては、上記回折強度比が3.0以上であることが好ましく、より好ましくは4.0以上であり、一層好ましくは5.0以上である。また、引張り強さが700N/mm2以上であり900N/mm2以下であることが好ましい。また、R/tが1.0以下であることが好ましい。こうした強度と曲げ特性を有していることで、より自由度の高い加工が可能なCu−Ti圧延合金となる。より好ましくは、引張り強さが800N/mm2以上であり、さらに好ましくは750N/m2以上である。また、より好ましくはR/tが0.5以下である。
Cu−Ni−Si圧延合金としては、上記回折強度比が3.0以上であることが好ましく、より好ましくは4.0以上であり、一層好ましくは5.0以上である。また、引張り強さが500N/mm2以上であり750N/mm2以下であることが好ましい。また、比R/tが1.0以下であることが好ましい。こうした強度と曲げ特性を有していることで、より自由度の高い加工が可能なCu−Ni−Si圧延合金となる。より好ましくは、引張り強さが600N/mm2以上である。また、より好ましくは比R/tが0.5以下である。
(銅基圧延合金の製造方法)
次に、本銅基圧延合金を製造するのに適した製造方法について説明する。
(溶解・鋳造)
銅基圧延合金は、予め設定された銅基合金組成に基づいて原料を配合し、溶解・鋳造する。すなわち、合金原料を適切な炉に導入して溶解し、その後、鋳型に注入して凝固させてビレット等を鋳造する。なお、できたビレット等の鋳造体は適宜、適当な寸法への荷重負荷による変形加工を加えてよいし、加工によって硬化したビレット等を再び軟化させる熱処理をその後に加えてもよい。
(圧延)
圧延は、通常、熱間圧延工程と冷間圧延工程とを行う。熱間圧延工程は、特に限定しないで合金組成や得ようとする合金材の形状等に応じた条件を採用すればよい。一方、冷間圧延工程は、せん断変形を伴って圧延するようにすることが好ましい。せん断変形を伴って圧延することで溶体化処理後の維持可能な<111>//ND集合組織を形成することができる。
せん断変形を伴う圧延ステップは、例えば、摩擦係数μが0.2以上の条件(以下、無潤滑条件ともいう。)で行う冷間圧延とすることができる。こうした無潤滑条件での冷間圧延ステップを実施することで、被加工体にせん断応力を作用させることができる。なお、こうした無潤滑条件での冷間圧延ステップは、一般に冷間圧延時に用いられる潤滑剤を用いないことで実施することができる。
無潤滑条件での冷間圧延ステップにより、被加工体にせん断応力が作用して、<111>//ND集合組織の発達が促され、結果として、後段の溶体化処理工程においても<111>//ND集合組織を維持させることができ、溶体化後の被加工体においてこうした集合組織による優れた加工性を発揮させることができる。なお、従来、こうしたせん断応力を作用させた冷間圧延、溶体化処理後においてこの種の集合組織が効果的に維持されることも知られていない。
また、せん断変形を伴う圧延ステップは、下記(1)式で表される相当ひずみεが1.6以上となる圧延条件下で圧延を実施することが好ましい。下記(1)式を用いることで、必要な圧延条件を容易に取得することができる。
Figure 2007148712
ただし
Figure 2007148712
r:圧下率
θ:圧延前に板表面と垂直であった要素の板厚方向のある位置における圧延後の 見かけのせん断角
φ:せん断係数
上記(2)式は、本発明者らが、被加工体に対して無潤滑圧延等を実施したときに得られる圧下率rと被加工体における見かけのせん断角θとから導いたものである。上記(2)式を用いることで、上記(1)式における相当ひずみεは、圧下率rと見かけのせん断角θから導かれることになる。したがって、所望の相当ひずみεを得るための、すなわち、所望のせん断係数φを得るための圧下率rと見かけのせん断角θが得られるような、無潤滑圧延条件(周速比又は異径ロール比、圧下率、パス回数等)を予め選択して無潤滑圧延工程を実施することできる。
なお、圧下率rと見かけのせん断角θとの関係を求めるには、以下のようにして行うことができる。すなわち、圧延前の板幅方向の中心部に、板面に垂直に直径3mmの穴を開け、同じ直径の3mmの純銅の丸棒を埋め込み、圧延後の板幅中央付近で圧延方向に沿って板を切断し、断面に現れる丸棒の変形を観察して、圧下率とせん断角の関係を求めることができる。
上記(1)式の相当ひずみεが1.6に満たないと、板厚方向の内部にまでせん断力が及ばず、板厚方向への<111>//ND集合組織の発達が促されにくくなる。また上限を設ける必要はないが、物理的には4.0を超える条件を得ようとするには不可能であり、実質的に4.0以下となる。
上記(1)式における相当ひずみεが1.6の無潤滑圧延条件を充足するには、本発明者らによる実験に基づけば、後述する異周速圧延又は異径ロール圧延を採用する場合、せん断係数φが1.2以上2.5以下となるようにすることが好ましい。この範囲であると、十分に大きいせん断角θを採ることができるからである。無潤滑条件下での圧延工程における異速比又は異径ロール比と圧下率とパス回数とについてそれぞれ適切な値を設定することにより実現されるが、例えば、異周速圧延にあっては、異速比を1.2以上とすることにより好ましいせん断係数φを得られやすい。異速比が1.2以上であるとせん断角が増大するからである。より好ましくは1.6以上である。また、好ましくは2.0以下である。また、異径ロール圧延にあっては、せん断係数φは1.4以上2.2以下となるようにすることがより好ましい。好ましいせん断係数φを異径ロール圧延において実現するには、せん断角θを確保するために異速比が1.2以上2.0以下となるように異径比を設定することが好ましい。
こうしたせん断変形を伴う圧延ステップは、等速圧延、異周速圧延及び異径ロール圧延のいずれかの圧延方法を採用して行うことができるが、特に、板厚方向の各表面から板中心方向に向かって前記集合組織を形成する場合、少なくとも厚さの25%以下の領域にせん断応力を被加工体に効果的に作用させるには等速圧延とすることができ、表面から板中心部まで全域にわたってせん断応力を効果的に被加工体に作用させるには異周速圧延又は異径ロール圧延とすることが好ましい。こうしたせん断応力を板厚全体に導入するには、すでに説明したように、異速比1.2以上となるように異周速圧延又は異径ロール圧延を実施すればよい。
こうした冷間圧延ステップは上下ロールを等速で回転させる等速圧延、異なる周速で回転させて行う異周速圧延、異なるロール径で行う異径ロール圧延など種々の形態で実施できる。せん断応力を被加工体に効果的に作用させる観点からは、異周速圧延又は異径ロール圧延とすることが好ましい。例えば、異周速圧延では、異速比を1.2以上とすることが好ましい。異速比が1.2以上であるとせん断ひずみを板厚全体に容易に導入することができるからである。より好ましくは1.4以上である。また、好ましくは2.0以下である。また、異径ロール圧延においても、上記異速比(1.2以上が好ましく、より好ましくは、1.4以上、上限は2.0以下である。)に相当するような異径比を実現するようにすればよい。
無潤滑条件下での冷間圧延ステップのパス数や冷間圧延の全工程における実施時期は、特に限定しないで、所定の回折強度比が得られる範囲で設定すればよい。好ましくは、2パス以上とし、より好ましくは4パス以上とする。また、異周速圧延又は異径ロール圧延を実施する場合には、高速ロール又は大径ロールへの被加工体の当接面をパス毎又は所定パス毎に適宜変更してもよいし、これらのロールが一方の面にのみ当接するようにしてもよい。また、無潤滑条件での冷間圧延での圧下率も特に限定しないが、30%以上98%以下とすることができる。好ましくは、50%以上95%以下とする。
例えば、室温〜300℃程度の範囲で行うことができる。好ましくは、200℃以下である。
(溶体化処理)
次いで、被加工体の溶体化処理を行う。溶体化は、銅基合金組成中の添加成分を銅に固溶させる処理であり、具体的には被加工体を加熱しその後急冷する処理である。溶体化のための加熱温度は合金組成等によっても異なるが、700℃以上1000℃以下とすることが好ましい。より好ましくは、700℃以上850℃以下である。また、当該温度に維持する時間は、適宜設定できるが、例えば、5秒以上900秒以下の範囲とすることができる。
以上の工程によって得られる銅基圧延合金においては、上記圧延工程における無潤滑圧延ステップにより、<111>//ND集合組織が発達されており、溶体化処理後もこの圧延集合組織が維持されている。この結果、溶体化処理後においては、圧延面においてX線回折により測定した(hkl)面におけるX線回折強度比I(111)/I(200)が2.0以上であり、好ましくはこの回折強度比が3.0以上であり、より好ましくは4.0以上である。
また、得られた銅基圧延合金は、圧延面方向からのX線回折強度比についても、2.0以上であり、好ましくはこの回折強度比が3.0以上であり、より好ましくは4.0以上である。
以上のことからこうしたX線回折強度比は、適宜仕上げ圧延等が施され時効硬化処理前の未時効材として提供される本銅基圧延合金のほか、所定の熱処理を行ってミルハードン材として提供される本銅基圧延合金においても維持されている。さらに、時効硬化処理後においても維持されている。
したがって、本製造方法によれば、溶体化処理を経て得られる未時効材、さらにミルハードン材や、時効硬化処理材(被加工体)において、いずれも<111>//ND集合組織を維持し、曲げ加工性やプレス加工性に優れる銅基圧延合金を得ることができる。溶体化処理後もこうした組織を維持できることで、強度や導電率とともに優れた加工性を備える銅基圧延合金及び該合金製品を提供することができる。
(仕上げ圧延・硬化処理)
溶体化後、必要に応じ仕上げ圧延を行うことができる。仕上げ圧延は、潤滑条件下(摩擦係数μ0.2未満、好ましくは0.15以下)で室温近傍で行うことができる。加工率は適宜設定できるが、例えば20%以下とすることができる。さらに、仕上げ圧延後には、適宜曲げ加工などを行うことができる。また、硬化処理は、ミルハードン材を得るための硬化処理と時効硬化処理とがあるが、例えば時効硬化処理は、銅基合金組成に応じ、200℃以上550℃以下で1分以上200分以下とすることができる。また、ミルハードン材のための熱処理は、時効硬化処理条件よりも硬化を抑制した条件で実施することができる。
時効硬化処理は、析出させようとする化合物が再び固溶しないようにする観点から溶体化処理可能な温度未満で実施することが好ましいが、経済的に時効硬化処理することを考慮すると250℃以上であることが好ましい。例えば、Cu−Be合金においては、250℃以上500℃以下で時効硬化処理することが好ましい。この温度範囲であると工業規模でも経済的であるからである。また、Cu−Ti合金においては、前述と同様の観点から400℃以上550℃以下で時効硬化処理することが好ましい。さらに、Cu−Ni−Si合金においても、同様の観点から400℃以上550℃以下で時効硬化処理することが好ましい。
こうした時効硬化処理を経た本圧延合金は、時効硬化処理後においても溶体化処理後に保持していた圧延面におけるX線回折強度比及び圧延面方向からのX線回折強度比を維持することができる。このため、こうしたX線回折強度比に基づく加工性と溶体化処理並びに時効硬化処理に基づく機械的強度等を備える合金となっている。
次に、本発明を、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1:溶体化処理後における圧延面の結晶方位等の評価)
(試験材の作製)
表1に示す組成に基づき、電気銅(Cu)あるいは無酸素銅(Cu)を主原料として3種類の合金原料を配合し、高周波溶解炉にて真空中またはAr雰囲気中で溶製し、直径80mmのインゴットに鋳造した。インゴットより、厚さ10mm、幅50mmの板材を切り出した。次に、これらの各板材を表2に示す条件で、圧延工程を実施するとともに、温度を変えた溶体化工程を実施し、さらに仕上げ圧延工程及び時効硬化処理を実施し、厚さ0.6mmの板とし、本実施例の試験材1〜12とした。なお、比較例として、圧延工程において無潤滑冷間圧延ステップを行わずに通常の潤滑冷間圧延ステップのみを実施した以外は、実施例と同様に作製した圧延材を比較例の試験材1〜13とした。
Figure 2007148712
Figure 2007148712
得られた試験材の結晶配向をX線回折装置を用いて評価した。なお、評価は、既に述べた方法を用いた。また、試験材の平均結晶粒径JIS H 0501 求積法により測定した。結果を表3並びに図1及び図2に示す。
Figure 2007148712
表3並びに図1及び図2に示すように、得られた試験材のうち、無潤滑圧延ステップを実施した実施例の試験材1〜12は、いずれも、X線回折強度比I(111)/I(200)が3.0以上であった。一方、比較例の試験材1〜13はいずれも2.0未満の回折強度比しか得られなかった。特に、Cu−Be合金では、2.0未満であり、Cu−Ti合金では、1.5未満であり、Cu−Ni−Si合金では0.5未満であった。また、図2に示すように、平均結晶粒径は実施例と比較例の試験材とで大きく変化せず、無潤滑圧延ステップによる結晶粒径への影響は考えにくかった。以上のことから、無潤滑圧延ステップを実施することで、選択的に<111>//ND集合組織を発達させるとともに溶体化処理後においても維持できることがわかった。なお、実施例の試験材について片面を目標板厚(深度)までエッチングした状態でX線回折を行い、上記X線回折強度比を測定したところ、板厚中心での積分強度比は2.8〜4.4であり、板厚方向に<111>//ND集合組織が発達していることがわかった。
(実施例2:特性の評価)
実施例1で得られた試験材のうち、実施例の試験材3、7及12について時効硬化処理の条件を表4に示すように、種々変更して試験材3a〜3j、及び試験材7a〜7h及び試験材12a〜12gを作製した。また、比較例の試験材3、8及び13についても同様に、時効硬化処理条件を種々に変更して試験材3a〜3i、及び試験材8a〜8h及び試験材13a〜13gを作製した。これらの各種試験材について、引張り強さと安全曲げ係数R/tを測定した。なお、引張り強さは、JIS Z 2241 金属材料引張試験方法により測定し、安全曲げ係数R/tはJIS Z 2248 金属材料曲げ試験方法(板厚0.6mm,幅10mm)により測定した。実施例及び比較例の試験材についての結果を表5及び表6並びに図3に示す。
Figure 2007148712
Figure 2007148712
Figure 2007148712
表5,表6及び図3に示すように、実施例の試験材は明らかに比較例の試験材よりも引張り強さと曲げ特性を有していることがわかった。以上のことから、銅基圧延合金において、<111>//ND集合組織を発達させることで曲げ特性と強度とを向上させることができることがわかった。
(実施例3:溶体化処理前後におけるX線回折強度比)
(試験材の作製)
実施例1と同様に表1の組成に基づいて実施例1と同様にして試験材を作製した。試験材について、表7に示すせん断係数φ、相当ひずみεが得られるように、周速比、圧下率、及びパス回数を変更する以外は実施例1と同様にして冷間圧延工程を実施するとともに、その後、表7に示す溶体化温度で溶体化処理を60秒間実施して、実施例の試験材10〜120の合計12サンプルを作製した。潤滑条件下で冷間圧延工程を実施する以外は、実施例の試験材10〜120と同様にし、さらに、表7に示す溶体化温度で60秒間溶体化処理を実施して、比較例の試験材1010〜1130の合計13サンプルを作製した。
得られた試験材の結晶配向をX線回折装置を用いて評価した。なお、X線回折強度比及び平均結晶粒径についての評価は、実施例1と同様の方法を用いた。結果を併せて表7に示す。
Figure 2007148712
表7に示すように、実施例の試験材10〜120については、溶体化処理前及び溶体化処理後において、それぞれ平均して5.0及び4.1のX線回折強度比を有しており、溶体化後であっても、平均で81%の溶体化処理前のX線回折強度比を維持していることがわかった。これに対して、比較例の試験材1010〜1130においては、溶体化処理前及び溶体化処理後において、それぞれ平均して2.5及び0.9のX線回折強度比しか有しておらず、溶体化処理後には、溶体化処理前のX線回折強度比の32%しか維持されないことがわかった。また、実施例1と同様にして、板厚中心近傍まで銅基圧延合金をエッチングして圧延面に平行な面を露出させて圧延面の方向からX線回折強度比を測定したところ、板厚方向に<111>//ND集合組織が発達していることがわかった。
以上のことから、すなわち、本実施例の銅基圧延合金の製造方法によれば、溶体化処理しても圧延後溶体化処理前に取得した所定のX線回折強度比をおおよそ維持できる銅基圧延合金が得られること及び溶体化処理前において無潤滑圧延により高いX線回折強度比が得られるため、溶体化処理後においても高いX線回折強度比を保持した銅基圧延合金が得られることがわかった。また、同時に、こうしたX線回折強度比を備える<111>//ND集合組織が板厚方向に発達した銅基圧延合金が得られることがわかった。
(実施例4:特性の評価)
実施例3で得られた試験材のうち、実施例の試験材30、70及120について時効硬化処理の条件を表8に示すように種々変更して試験材30a〜3j、試験材70a〜70h及び試験材120a〜120gを作製した。また、比較例の試験材1030、1080及び1130についても同様に、表9に示すように時効硬化処理条件を種々に変更して試験材1030a〜1030i、及び試験材1080a〜1080h及び試験材1130a〜1130gを作製した。これらの各種試験材について、実施例2と同様にして引張り強さと安全曲げ係数R/tを測定した。実施例及び比較例の試験材についての結果を表8及び表9に示す。
Figure 2007148712
Figure 2007148712
表8及び表9に示すように、実施例の試験材は明らかに比較例の試験材よりも引張り強さと曲げ特性を有していることがわかった。以上のことから、銅基圧延合金において、<111>//ND集合組織を発達させることで曲げ特性と強度とを向上させることができることがわかった。
本出願は2006年6月23日に出願された日本国特許出願第2006−174419号を優先権主張の基礎としており、引用によりその内容の全てが本明細書に含まれる。
本発明の銅基圧延合金は、例えば各種の電子部品や機械部品に利用可能である。

Claims (11)

  1. 銅基圧延合金であって、
    Be、Mg、Al、Si、P、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zr及びSnから選択される1種又は2種以上の元素を0.05質量%以上10質量%以下含有し、Pを不可避不純物濃度以上に含有しない銅基合金組成を有し、前記圧延合金の板厚方向にわたって前記圧延方向から測定した(hkl)面のX線回折強度比I(111)/I(200)が2.0以上である、銅基圧延合金。
  2. 溶体化処理可能な温度で5秒〜120分間加熱して溶体化処理を施したあとの、前記圧延合金の板厚方向にわたって前記圧延方向から測定した(hkl)面のX線回折強度比I(111)/I(200)が、60%以上維持されている、溶体化処理済みの請求項1に記載の銅基圧延合金。
  3. 前記元素を含む金属間化合物の析出物を含み、析出硬化処理が施された析出硬化型銅基圧延合金である、請求項1又は2に記載の銅基圧延合金。
  4. 前記合金の平均結晶粒径は20μm以下であり、引っ張り強さが700N/mm2以上900N/mm2以下のときに、圧延方向と直角方向に90°曲げ加工したときの加工可能な最小曲げ半径Rとその時の板材厚さtとの比R/tが1.0以下である、請求項3に記載の銅基圧延合金。
  5. 銅基圧延合金の製造方法であって、
    Be、Mg、Al、Si、P、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zr及びSnから選択される1種又は2種以上の元素を0.05質量%以上10質量%以下含有する銅基合金組成を有し、Pを不可避不純物濃度以上に含有しない合金鋳造体を、<111>//ND集合組織を付与するようにせん断変形を伴って圧延する圧延工程と、
    前記圧延工程を経た被加工体を700℃以上1000℃以下で溶体化する溶体化処理工程と、
    を備える、製造方法。
  6. 前記圧延工程は、圧延するにあたり、摩擦係数μ0.2以上で且つ下記(1)式で表される相当ひずみεが1.6以上となる圧延条件下で圧延するステップである、請求項5に記載の製造方法。
    Figure 2007148712
    ただし、
    Figure 2007148712
    r:圧下率
    θ:圧延前に板表面と垂直であった要素の板厚方向のある位置における圧延後の見かけのせん断角
    φ:せん断係数
  7. 前記せん断係数φは、1.2以上2.5以下とする、請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記圧延工程は、前記合金鋳造体を異周速圧延及び異径ロール圧延から選択されるいずれかによるステップを含む、請求項5〜7のいずれかに記載の製造方法。
  9. 前記圧延工程は、周速比1.2以上2.0以下の条件で異周速圧延を実施するか又は前記周速比範囲となる条件で異径ロール圧延を実施する圧延ステップを含む、請求項5〜8のいずれかに記載の製造方法。
  10. 前記溶体化処理工程を経た被加工体を200℃以上550℃以下で時効硬化処理する時効硬化処理工程を備える、請求項5〜9のいずれかに記載の製造方法。
  11. 請求項5〜10のいずれかに記載の銅基圧延合金の製造方法によって得られる、銅基圧延合金。
JP2008522486A 2006-06-23 2007-06-20 銅基圧延合金の製造方法 Active JP5263525B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008522486A JP5263525B2 (ja) 2006-06-23 2007-06-20 銅基圧延合金の製造方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006174419 2006-06-23
JP2006174419 2006-06-23
JP2008522486A JP5263525B2 (ja) 2006-06-23 2007-06-20 銅基圧延合金の製造方法
PCT/JP2007/062378 WO2007148712A1 (ja) 2006-06-23 2007-06-20 銅基圧延合金及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2007148712A1 true JPWO2007148712A1 (ja) 2009-11-19
JP5263525B2 JP5263525B2 (ja) 2013-08-14

Family

ID=38833452

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008522486A Active JP5263525B2 (ja) 2006-06-23 2007-06-20 銅基圧延合金の製造方法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US8211249B2 (ja)
EP (1) EP2042613B1 (ja)
JP (1) JP5263525B2 (ja)
KR (1) KR101448313B1 (ja)
CN (1) CN101473056B (ja)
WO (1) WO2007148712A1 (ja)

Families Citing this family (31)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5655269B2 (ja) * 2009-01-30 2015-01-21 三菱マテリアル株式会社 無酸素銅巻線及び無酸素銅巻線の製造方法
JP4930527B2 (ja) * 2009-03-05 2012-05-16 日立電線株式会社 銅合金材及び銅合金材の製造方法
JP2011021225A (ja) * 2009-07-15 2011-02-03 Hitachi Cable Ltd 端子・コネクタ用銅合金材及びその製造方法
EP2508632B1 (en) * 2009-12-02 2015-05-20 Furukawa Electric Co., Ltd. Copper alloy sheet material
US20110229367A1 (en) * 2010-03-17 2011-09-22 Shau-Kuan Chiu Copper nickel aluminum alloy
US9382603B2 (en) 2010-03-17 2016-07-05 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Metal tape material and interconnector for solar module current collection
JP4677505B1 (ja) * 2010-03-31 2011-04-27 Jx日鉱日石金属株式会社 電子材料用Cu−Ni−Si−Co系銅合金及びその製造方法
CN101851711A (zh) * 2010-06-09 2010-10-06 襄樊博亚精工机器有限公司 铜合金焊轮及其制造方法
JP5794817B2 (ja) * 2010-09-06 2015-10-14 古河電気工業株式会社 銅合金板条およびその製造方法
JP5451674B2 (ja) 2011-03-28 2014-03-26 Jx日鉱日石金属株式会社 電子材料用Cu−Si−Co系銅合金及びその製造方法
JP4799701B1 (ja) 2011-03-29 2011-10-26 Jx日鉱日石金属株式会社 電子材料用Cu−Co−Si系銅合金条及びその製造方法
JP5595961B2 (ja) * 2011-03-30 2014-09-24 Jx日鉱日石金属株式会社 電子材料用Cu−Ni−Si系銅合金及びその製造方法
JP5995421B2 (ja) * 2011-10-11 2016-09-21 古河電気工業株式会社 銅合金条およびその製造方法
CN103290345B (zh) * 2012-02-28 2015-07-01 Jx日矿日石金属株式会社 轧制铜箔
JP5546571B2 (ja) * 2012-03-29 2014-07-09 Jx日鉱日石金属株式会社 銅箔、銅張積層体、フレキシブル配線板及び立体成型体
JP6126791B2 (ja) * 2012-04-24 2017-05-10 Jx金属株式会社 Cu−Ni−Si系銅合金
JP5380621B1 (ja) * 2013-03-25 2014-01-08 Jx日鉱日石金属株式会社 導電性及び応力緩和特性に優れる銅合金板
KR101510222B1 (ko) * 2013-03-29 2015-04-08 한국기계연구원 고강도 및 고전기전도도를 가진 구리합금 및 이의 제조방법
EP4095276A1 (en) * 2013-04-23 2022-11-30 Materion Corporation Copper-nickel-tin alloy with high toughness
CN103526067B (zh) * 2013-10-13 2015-07-08 蒋荣 一种高强度稀土掺杂铜合金的制备方法
KR101468959B1 (ko) * 2014-05-13 2014-12-08 한국기계연구원 고강도 및 고전기전도도를 가진 구리합금 및 이의 제조방법
RU2566098C1 (ru) * 2014-12-22 2015-10-20 Юлия Алексеевна Щепочкина Сплав на основе меди
RU2618955C1 (ru) * 2016-07-11 2017-05-11 Юлия Алексеевна Щепочкина Сплав на основе меди
JP6848251B2 (ja) * 2016-08-04 2021-03-24 日立金属株式会社 熱電変換モジュールおよびその製造方法
CN106148755B (zh) * 2016-08-09 2018-04-24 苏州天兼新材料科技有限公司 一种核动力汽轮机耐磨泵块用铸造材料及其制作方法
CN108277535B (zh) * 2018-01-10 2019-07-23 厦门大学 一种铜铝锰基单晶合金材料
RU2704047C2 (ru) * 2018-02-01 2019-10-23 Общество с ограниченной ответственностью "Сплав-Арм" Искробезопасный износостойкий сплав на основе меди повышенной твердости и прочности
CN109112348A (zh) * 2018-10-14 2019-01-01 广州宇智科技有限公司 一种具有优异冲压性能的沿海佛像用仿金合金及其工艺
CN109022897A (zh) * 2018-10-14 2018-12-18 广州宇智科技有限公司 一种海洋环境下佛像用具备纯金光泽的仿金合金
CN110747371B (zh) * 2019-12-06 2021-11-09 沈阳金科有色产品研制有限公司 一种高导电高强度高硬度铜合金及其制备方法
CN115011836B (zh) * 2022-05-27 2023-06-13 中国航发四川燃气涡轮研究院 一种铜基合金材料及其制备方法、喷管及其增材制造方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4067750A (en) * 1976-01-28 1978-01-10 Olin Corporation Method of processing copper base alloys
JP4009981B2 (ja) * 1999-11-29 2007-11-21 Dowaホールディングス株式会社 プレス加工性に優れた銅基合金板
JP3318309B2 (ja) * 2000-02-29 2002-08-26 日鉱金属株式会社 リードフレームおよびリードフレーム用銅合金
JP3892640B2 (ja) * 2000-03-14 2007-03-14 独立行政法人科学技術振興機構 金属板材の連続せん断変形加工方法および該方法のための装置
EP1471164B1 (en) * 2002-01-30 2013-01-23 JX Nippon Mining & Metals Corporation Copper alloy sputtering target and method for manufacturing the target
KR100565979B1 (ko) * 2002-09-09 2006-03-30 삼보신도고교 가부기키가이샤 고강도 동합금
JP4524471B2 (ja) * 2004-08-30 2010-08-18 Dowaメタルテック株式会社 銅合金箔およびその製造法
KR20060065482A (ko) 2004-12-10 2006-06-14 마이크로소프트 코포레이션 스트리밍 미디어 데이터의 코딩 비트 레이트의 제어 시스템및 프로세스

Also Published As

Publication number Publication date
US20090165899A1 (en) 2009-07-02
KR20090023407A (ko) 2009-03-04
CN101473056A (zh) 2009-07-01
KR101448313B1 (ko) 2014-10-07
EP2042613B1 (en) 2017-10-18
EP2042613A4 (en) 2013-03-13
EP2042613A1 (en) 2009-04-01
WO2007148712A1 (ja) 2007-12-27
CN101473056B (zh) 2010-12-08
JP5263525B2 (ja) 2013-08-14
US8211249B2 (en) 2012-07-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5263525B2 (ja) 銅基圧延合金の製造方法
JP4809935B2 (ja) 低ヤング率を有する銅合金板材およびその製造法
JP4006460B1 (ja) 高強度、高導電率および曲げ加工性に優れた銅合金およびその製造方法
JP5261500B2 (ja) 導電性と曲げ性を改善したCu−Ni−Si−Mg系合金
TWI465591B (zh) Cu-Ni-Si alloy and its manufacturing method
JP2005048262A (ja) 疲労特性に優れたCu−Ni−Si系合金
JP5247010B2 (ja) 高強度で曲げ加工性に優れたCu−Zn系合金
JP2011508081A (ja) 銅−ニッケル−ケイ素系合金
KR20110039372A (ko) 전기·전자부품용 동합금재
CN104903478A (zh) 电子电气设备用铜合金、电子电气设备用铜合金薄板、电子电气设备用导电元件及端子
JP5135914B2 (ja) 電気・電子部品用高強度銅合金の製造方法
CN104870672A (zh) 电子电气设备用铜合金、电子电气设备用铜合金薄板、电子电气设备用导电元件及端子
JP2008075151A (ja) 高強度、高導電率および曲げ加工性に優れた銅合金
KR102042885B1 (ko) 전자·전기 기기용 구리 합금, 전자·전기 기기용 구리 합금 박판, 전자·전기 기기용 도전 부품 및 단자
JP2007169781A (ja) 曲げ部のしわを低減させたCu−Ni−Si系合金及びその製造方法
TW201428113A (zh) 電子/電氣機器用銅合金、電子/電氣機器用銅合金薄板、電子/電氣機器用銅合金之製造方法、電子/電氣機器用導電零件及端子
JP5957083B2 (ja) 電子・電気機器用銅合金、電子・電気機器用銅合金薄板、電子・電気機器用導電部品及び端子
JP2005133185A (ja) 析出型銅合金の熱処理方法と析出型銅合金および素材
JP5232794B2 (ja) 熱間加工性に優れた高強度高導電性銅合金
KR20150129780A (ko) 전자·전기 기기용 구리 합금, 전자·전기 기기용 구리 합금 박판, 전자·전기 기기용 도전 부품 및 단자
KR101967017B1 (ko) 코르손 합금 및 그 제조 방법
JP7574176B2 (ja) 高い強度及び高い電気伝導性を有する銅-ニッケル-ケイ素合金
JP2009084595A (ja) 耐応力緩和特性に優れた銅合金板
JP5550856B2 (ja) 銅合金材及び銅合金材の製造方法
JP7172090B2 (ja) 電子・電気機器用銅合金、電子・電気機器用銅合金薄板、電子・電気機器用導電部品及び端子

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20081218

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100526

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100526

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20100527

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100526

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130122

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130314

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130409

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130416

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5263525

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150