JPWO2007119286A1 - 脱水方法、脱水装置及び膜型反応装置 - Google Patents

脱水方法、脱水装置及び膜型反応装置 Download PDF

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Abstract

分離膜により、水を含有する混合物31から水を選択的に分離する脱水方法であって、分離膜がDDR型ゼオライト膜2であり、混合物31を、DDR型ゼオライト膜2の一方の面に接触させ、混合物を接触させたDDR型ゼオライト膜2の面側と、DDR型ゼオライト膜2の他方の面側とに圧力差を生じさせ、水を選択的に透過させて分離する脱水方法。高いエネルギーコストを要することなく水を含有する混合物から水を選択的に分離でき、更に分離膜の耐酸性に優れる脱水方法を提供する。

Description

本発明は、脱水方法、脱水装置及び膜型反応装置に関し、更に詳しくは、高いエネルギーコストを要することなく水を含有する混合物から水を選択的に分離でき、更に分離膜の耐酸性に優れる脱水方法及び脱水装置、並びに、水を含有する反応物から水を選択的に分離でき、更に分離膜の耐酸性に優れる膜型反応装置に関する。
従来、水を含有する混合液から水を分離(脱水)する方法としては、主に蒸留法が利用されてきたが、蒸留による分離方法は、多くのエネルギーを要するため、省エネルギー等の観点から、消費エネルギー量の小さい膜分離法が提案されている。
例えば、膜分離による脱水方法に使用する分離膜としては、有機膜及び無機膜が使用されているが、混合溶液の性質により使用できない場合があるという問題があった。例えば、有機膜は耐熱性、耐薬品性に劣るものであった。また、無機膜としては、ゼオライト膜やシリカ膜が使用されているが、ゼオライト膜の中でも、A型ゼオライト膜(例えば、非特許文献1参照)は、耐酸性が低く酸性溶液の脱水には適さないものであった。また、T型ゼオライト膜(例えば、非特許文献2参照)や、MOR型ゼオライト膜(例えば、非特許文献3参照)は、A型ゼオライト膜と比較すると耐酸性が高いものであったが、未だ十分な耐酸性を有するものではなかった。一方、シリカ膜(例えば、特許文献1参照)は、耐酸性が高いものであったが、分離性能という観点からは更なる改良が望まれていた。
膜支援型メンブレンリアクタの開発、三井造船技報、2003年2月、No.178、115−120 Y. Cui et al., Zeolite T membrane: preparation, characterization, pervaporation of water/organic liquid mixtures and acid stability, Journalof Membrane Science, 2004, 236, 17-27 L. Casado et al., Preparation, characterization and pervaporation performance of mordenite membranes, Journal of Membrane Science, 2003, 216, 135-147 特許第2808479号公報
上述のように、従来の分離膜を使用した脱水方法では、酸性溶液から高い分離効率で脱水を行うことができなかった。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、高いエネルギーコストを要することなく水を含有する混合物から水を選択的に分離でき、更に分離膜の耐酸性に優れる脱水方法及び脱水装置、並びに、水を含有する反応物から水を選択的に分離でき、更に分離膜の耐酸性に優れる膜型反応装置を提供することを特徴とする。
上記課題を達成するため、本発明によって以下の脱水方法、脱水装置及び膜型反応装置が提供される。
[1] 水を含有する混合物から、分離膜により水を選択的に分離する脱水方法であって、前記分離膜がDDR型ゼオライト膜であり、前記混合物を、前記DDR型ゼオライト膜の一方の面に接触させ、前記混合物を接触させた前記DDR型ゼオライト膜の面側(供給側空間)と、前記DDR型ゼオライト膜の他方の面側(透過側空間)とに圧力差を生じさせ、水を選択的に透過させて分離する脱水方法。
[2] 前記混合物が有機化合物を含有する溶液である[1]に記載の脱水方法。
[3] 前記混合物が有機化合物を含有する気体である[1]に記載の脱水方法。
[4] 前記混合物が有機化合物を含有する超臨界ガスである[1]に記載の脱水方法。
[5] 多孔質基体、前記多孔質基体の表面に配設されたDDR型ゼオライト膜、並びに、前記多孔質基体の表面に配設された前記DDR型ゼオライト膜の一方の面側の空間(供給側空間)と他方の面側の空間(透過側空間)とに区画された容器本体を、有する分離用容器と、前記分離用容器の前記透過側空間を減圧し得る減圧装置及び/又は前記分離用容器の前記供給側空間を加圧し得る加圧装置と、を備える脱水装置。
[6] 前記供給側空間から前記DDR型ゼオライト膜を透過して前記透過側空間に移動してきた物質を捕集し得る捕集器を更に備える[5]に記載の脱水装置。
[7] 多孔質基体、前記多孔質基体の表面に配設されたDDR型ゼオライト膜、並びに、前記多孔質基体の表面に配設された前記DDR型ゼオライト膜の一方の面側の空間(反応側空間)と他方の面側の空間(透過側空間)とに区画された反応器本体を、有する反応器と、前記反応器の前記透過側空間を減圧し得る減圧装置及び/又は前記反応器の前記反応側空間を加圧し得る加圧装置と、を備える膜型反応装置。
[8] 前記反応側空間から前記DDR型ゼオライト膜を透過して前記透過側空間に移動してきた物質を捕集し得る捕集器を更に備える[7]に記載の膜型反応装置。
本発明の脱水方法によれば、水を含有する混合物を、DDR型ゼオライト膜の一方の面に接触させ、混合物を接触させたDDR型ゼオライト膜の面側と、DDR型ゼオライト膜の他方の面側とに圧力差を生じさせるだけで、高いエネルギーコストを要することなく混合物から水を選択的に分離することができる。そして、DDR型ゼオライト膜は耐酸性に優れるため、酸性の混合物を効率的に分離することが可能である。
本発明の脱水装置によれば、供給側空間に水を含有する混合物を導入し、透過側空間と供給側空間とに圧力差を生じさせると、DDR型ゼオライト膜を水が選択的に透過するため、高いエネルギーコストを要することなく混合物から水を選択的に分離することができる。そして、DDR型ゼオライト膜は耐酸性に優れるため、酸性の混合物を効率的に分離することが可能である。
本発明の膜型反応装置によれば、反応側空間で所定の反応を行い、透過側空間と反応側空間とに圧力差を生じさせると、DDR型ゼオライト膜を水が選択的に透過するため、高いエネルギーコストを要することなく反応物中の水を選択的に分離することができる。そして、DDR型ゼオライト膜は耐酸性に優れるため、酸性の反応物を効率的に分離することが可能である。
本発明の脱水装置の一実施形態を示す模式図である。 実施例における分離操作に使用するガス分離試験装置の構成を説明する模式図である。
符号の説明
1:分離用容器、2:DDR型ゼオライト膜、3:容器本体、4:有底筒状容器、5:蓋部、6:内筒(ガラス管)、7:冷却管、8:温度計、9:撹拌子、10:ユニオン、11:ゴム栓、12:熱媒用容器、13:内筒底部、14:捕集器、15:減圧装置、16:減圧用配管、17:保冷管、21:供給側空間、22:透過側空間、31:混合物、32:膜透過物質、33:熱媒、34:透過方向、35:液体窒素、47:多孔質基体、50:ガス分離試験装置、51:測定管、52:DDR型ゼオライト膜、53:管状炉、54:炉芯管、55:石英管、100:脱水装置。
以下、本発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
(1)分離方法
本発明の脱水方法は、水を含有する混合物(以下、単に「混合物」ということがある)から、分離膜により水を選択的に分離する脱水方法であって、分離膜がDDR型ゼオライト膜であり、混合物を、DDR型ゼオライト膜の一方の面に接触させ、DDR型ゼオライト膜の他方の面側を減圧し、水を選択的に透過させて分離するものである。つまり、分離膜を使用した脱水方法であって、水が選択的に分離膜を透過するものである。本発明において、分離膜として使用するDDR(Deca−Dodecasil 3R)型ゼオライトは、主成分がシリカからなる結晶であり、その細孔は酸素8員環を含む多面体によって形成されているとともに、酸素8員環の細孔径は4.4×3.6オングストロームであることが知られている(W. M. Meier, D. H. Olson, Ch. Baerlocher, Atlas of zeolite structure types, Elsevier(1996)参照。)。また、DDR型ゼオライト膜は、主成分がシリカ(シリカ/アルミナ(モル比率)が200以上)であるため、耐酸性に優れている。耐酸性に関しては、上記A型ゼオライトは、アルミナの含有率が高い(シリカ/アルミナ(モル比率)が約2)ために耐酸性が低く、T型ゼオライトは、A型と比較するとシリカの含有率が若干高いものの、シリカ/アルミナ(モル比率)が6〜8と低いため耐酸性が低くなっている。また、MOR型ゼオライトは、シリカ含有率が更に高いが、シリカ/アルミナ(モル比率)が40以下程度であるため耐酸性としては十分ではない。
このような構造上の特徴を有するDDR型ゼオライトは、ゼオライトの中では比較的細孔径が小さいものであり、従来、二酸化炭素(CO)、メタン(CH)、エタン(C)といった低分子ガスの分子篩膜としての利用が検討されている。これに対し、本発明においては、このDDR型ゼオライトを膜状に形成し、水を含有する混合物から水を選択的に分離する脱水用の分離膜として使用する。ここで、「水を選択的に分離する」とは、混合物から純度100%の水を分離して取り出すだけでなく、混合物の組成と比較して水の含有率が高くなった溶液または気体を分離して取り出すことも含む。また、「脱水」というときは、水を選択的に分離することをいう。
このように本発明の脱水方法は、DDR型ゼオライト膜を分離膜として使用するため、水を含有する混合物が酸性であっても、分離処理において分離膜の耐久性、特に耐酸性に優れるものである。これは、DDR型ゼオライト膜が、上述のように耐酸性に優れるため、酸性の混合物を分離する場合に優れた効果を発揮する。また、本発明の脱水方法は、DDR型ゼオライト膜を分離膜として使用するため、分離性能が膜透過物質の親疎水性によっては影響され難く、優れた分離性能を示す。これは、強い親水性により水を選択的に透過させるA型ゼオライト膜などとは異なり、DDR型ゼオライト膜が分子ふるい効果によって、混合物中の水以外の物質が親水性であるか疎水性であるかに関わらず、水を透過させ、水より大きい分子サイズの物質を透過させ難いという性質を有するからである。
また、本発明の脱水方法は、上記混合物を、上記DDR型ゼオライト膜の一方の面(供給側)に接触させ、上記DDR型ゼオライト膜の他方の面側(透過側)と供給側とに圧力差をさせる脱水方法であり、混合物を液体で供給した場合は透過側を減圧し、水を上記DDR型ゼオライト膜を透過させる、パーベーパレーション(Pervaporation)法によるものであり、混合物を気体または超臨界ガスで供給した場合は供給側を加圧あるいは透過側を減圧し、水を上記DDR型ゼオライト膜を透過させる、ベーパーパーミエーション(Vapor permeation)法によるものであるため、高いエネルギーコストを要することなく混合液から水を選択的に分離することが可能となる。本発明の脱水方法において、パーベーパレーション法を用いた場合は、混合液を高温に加熱することなく水を選択的に分離することができるため、蒸留による分離方法等と比較して、エネルギーコスト的に有利に実施することができる。一方、本発明の脱水方法において、ベーパーパーミエーション法を用いた場合は、混合物を供給する状態に応じて加熱が必要となるが、加熱操作は一段のみであり、加熱操作を多段でおこなう一般的な蒸留による分離方法等と比較して、やはりエネルギーコスト的に有利に実施することができる。また、液体を気化させて混合物とした場合、液体中の水より沸点の低い成分による膜への悪影響を抑えることができる。ここでの悪影響とはファウリング(目詰まり)や化学反応を示す。さらに、混合物が加熱処理の必要なく高温気体(高温蒸気)として供給されている場合は、DDR型ゼオライト膜を透過する前後での相変化が伴わないため、潜熱による温度低下が起こらず、エネルギーコスト的に有利に実施することができる。
パーベーパレーション法の場合、DDR型ゼオライト膜の一方の面側(供給側)の圧力は大気圧であることが好ましい。DDR型ゼオライト膜の他方の面側(透過側)の圧力は8×10Pa以下であることが好ましく、1×10−2〜5×10Paであることが更に好ましく、1×10−1〜1×10Paであることが特に好ましい。また、パーベーパレーション法により混合液から水を選択的に分離するときの、混合液の温度は20〜100℃であることが好ましく20〜80℃であることが更に好ましい。このように、低い温度で混合液の分離を行えるため、多くのエネルギーを使用せずに分離することができる。100℃より高温であるとエネルギーコストが大きくなることがあり、20℃より低温であると分離速度が遅くなることがある。ベーパーパーミエーション法の場合、DDR型ゼオライト膜の一方の面側(供給側)の圧力は1×10〜2.5×10Paであることが好ましく、分離速度の観点からはより高い圧力が好ましい。供給側と透過側の圧力差が2.5×10Pa以上になるとDDR型ゼオライト膜に損傷を与えることや、シール部の気密が悪くなることがある。DDR型ゼオライト膜の他方の面側(透過側)の圧力は、供給側の圧力より低い圧力であれば良いが、8×10Pa以下であることが好ましく、1×10−2〜5×10Paであることが更に好ましく、1×10−1〜1×10Paであることが特に好ましい。また、ベーパーパーミエーション法により混合物から水を選択的に分離するときの、混合物の温度は20℃以上であることが好ましく、100〜400℃であることが更に好ましく、100〜200℃であることがエネルギーコストの点から特に好ましい。20℃より低温であると分離速度が遅くなることがある。400℃より高温では、膜を劣化させることがある。
DDR型ゼオライト膜は多孔質基体の表面に配設されていることが好ましい。多孔質基体表面に配設されることにより、ゼオライト膜を薄膜としても、基体に支えられてその形状を維持し破損等を防止することが可能となる。基体は、多孔質であり、ゼオライト膜を形成することができれば特に限定されるものではなく、その材質、形状及び大きさは用途等に合わせて適宜決定することができる。
本発明の脱水方法においては、混合物は、水以外に、有機化合物を含有することが好ましい。有機化合物としては、アルコール、フェノール、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、エーテル、エステル、アミン、ニトリル、直鎖飽和炭化水素、枝分れ飽和炭化水素、環状飽和炭化水素、鎖状不飽和炭化水素、芳香族炭化水素、含窒素化合物、含硫黄化合物、炭化水素のハロゲン誘導体等を挙げることができる。アルコールとしてはメタノール、エタノール、イソプロパノール等を挙げることができ、ケトンとしてはアセトン、エチルメチルケトン等を挙げることができ、カルボン酸としては蟻酸、酢酸、酪酸、プロピオン酸等を挙げることができ、芳香族炭化水素としてはトルエン、ベンゼン等を挙げることができる。これらは、一種単独で含有されてもよいし、複数種が含有されてもよい。
(2)脱水装置
上述した本発明の脱水方法は、以下に説明する本発明の脱水装置を使用して実施することが好ましい。本発明の脱水装置は、多孔質基体、多孔質基体の表面に配設されたDDR型ゼオライト膜、並びに、多孔質基体の表面に配設されたDDR型ゼオライト膜の一方の面側の空間(供給側空間)と他方の面側の空間(透過側空間)とに区画された容器本体を、有する分離用容器と、分離用容器の透過側空間を減圧し得る減圧装置とを備えるもの、あるいは分離用容器の供給側空間を加圧し得る加圧装置とを備えるもの、あるいは減圧装置と加圧装置とを共に備えるものである。また、供給側空間からDDR型ゼオライト膜を透過して透過側空間に移動してきた物質を捕集し得る捕集器を更に備えることが好ましい。以下、本発明の脱水装置について説明する。
(2−1)分離用容器
本発明の脱水装置に使用する分離用容器は、上述のように、多孔質基体と、多孔質基体の表面に配設されたDDR型ゼオライト膜と、多孔質基体の表面に配設されたDDR型ゼオライト膜の一方の面側の空間(供給側空間)と他方の面側の空間(透過透過側空間)とに区画される容器本体と、を備えるものである。容器本体には、上述のように供給側空間と透過側空間とが形成され、これら2つの空間の境界部分の少なくとも一部にDDR型ゼオライト膜が、その一方の面が供給側空間に面し、他方の面が透過側空間に面するように配設されている。そして、供給側空間に混合物を入れたときに、DDR型ゼオライト膜の一の面全体が混合物と接触していることが好ましく、分離操作が終了するまで、DDR型ゼオライト膜の一の面全体が混合物と接触している状態が維持されることが好ましい。
分離用容器の構造は、上記条件を満たせば特に限定されるものではなく、いずれの構造でもよい。例えば、図1に示すように、分離装置100を構成する分離用容器1は容器本体3とDDR型ゼオライト膜2を成膜した多孔質基体47とを備える構造が挙げられ、容器本体3としては、蓋部5で開口部が塞がれた有底筒状容器4と、蓋部5を通して有底筒状容器4内に挿入される温度計8、筒状の内筒6、及び冷却管7とを有するものが挙げられる。内筒6の有底筒状容器4に挿入されている側の端部にはDDR型ゼオライト膜2を成膜した多孔質基体47が接着されており、DDR型ゼオライト膜2を成膜した多孔質基体47のうち、内筒6と接着されていないもう一方の端部は内筒底部13により塞がれている。内筒底部13の材質、形状は特に限定されず、混合物の性状等によって適宜決定することができる。筒状の内筒6はガラス管もしくはステンレス管を使用することができる。この場合、有底筒状容器4の内部であって、かつ内筒6の外部側の空間が、供給側空間21となり、内筒6の内部側の空間が透過側空間22となる。
分離用容器1をこのように形成することにより、混合物31を供給側空間21内に入れてDDR型ゼオライト膜2の一方の面に接触させるようにし、多孔質基体47内の空間(透過側空間22)を減圧して、供給側空間21側からDDR型ゼオライト膜2を透過して多孔質基体47内の空間(透過側空間22)に入ってくる膜透過物質32を捕捉することができる。膜透過物質32は、水又は水が濃縮された溶液または気体である。膜透過物質32は、多孔質基体47内が捕集器(トラップ)を介して減圧装置により減圧される場合には、膜透過物質32が内筒6から減圧用の配管を通じて外部に流出し、捕集器により捕捉される。
図1において、温度計8及び内筒6は、ゴム栓11に通され、ゴム栓11を介して蓋部5に固定されている。また、分離用容器1は、熱媒33が入れられた熱媒用容器12内に入れられ、混合物31が熱媒33により加熱されるように形成されている。混合物31は、撹拌子9により撹拌されるように形成されている。分離用容器1内の加熱されたガスは、冷却管7により冷却される。
また、図1に示すように、内筒6は、ゼオライト膜2を成膜した多孔質基体47が配設されていない側の端部(混合物と接触していない側の端部)が減圧用配管16とユニオン10により接続されている。減圧用配管16は捕集器(トラップ)14に繋がり、捕集器14からさらに減圧用配管16で減圧装置15に接続されていることが好ましい。従って、内筒6内(透過側空間22)は、ユニオン10を通じて減圧装置15により透過方向34に吸引されて減圧される。
容器本体3及び冷却管7の材質は、いずれも特に限定されるものではなく、混合物の性状等に合わせて適宜決定することができる。例えば、混合物が酸を含有する場合は、ガラス、ステンレス等を挙げることができる。
本発明の脱水装置に使用する分離容器を構成するDDR型ゼオライト膜は、膜厚が0.01〜30μmであることが好ましく、0.05〜5μmであることが更に好ましい。0.01μmより薄いと、膜欠陥が生じやすく分離性能が低下しやすくなり、30μmより厚いと膜透過物質の透過速度が遅くなり、膜分離に時間がかかることがある。ここで、ゼオライト膜の膜厚は、走査型電子顕微鏡(SEM)によってゼオライト膜の断面を観察して得られた平均的な値とする。
DDR型ゼオライト膜の製造方法は、特に限定されるものではなく、緻密なDDR型ゼオライト膜を形成できればよい。例えば、特開2003−159518号公報に記載のDDR型ゼオライト膜の製造方法のように、1−アダマンタンアミンとシリカとの含有割合(1−アダマンタンアミン/SiO)がモル比率で0.03〜0.4、水とシリカとの含有割合(水/SiO)がモル比率で20〜500、更にエチレンジアミンと1−アダマンタンアミンとの含有割合(エチレンジアミン/1−アダマンタンアミン)がモル比率で5〜32である原料溶液と、種結晶となるDDR型ゼオライト粉末とを用いて、水熱合成することによりDDR型ゼオライト膜を形成する方法が挙げられる。
図1に示すように、DDR型ゼオライト膜2は多孔質基体47の外表面に配設されるが、このように、DDR型ゼオライト膜が多孔質基体表面に配設されることにより、ゼオライト膜を薄膜としても、基体に支えられてその形状を維持し破損等を防止することが可能となる。多孔質基体は、多孔質であり、ゼオライト膜を形成することができれば特に限定されるものではなく、その材質、形状及び大きさは用途等に合わせて適宜決定することができる。基体を構成する材料としては、アルミナ(α−アルミナ、γ−アルミナ、陽極酸化アルミナ等)、ジルコニア等のセラミックスあるいはステンレスなどの金属等を挙げることができ、基体作製、入手の容易さの点から、アルミナが好ましい。アルミナとしては、平均粒径0.001〜30μmのアルミナ粒子を原料として成形、焼結させたものが好ましい。多孔質基体の形状としては、板状、円筒状、断面多角形の管状、モノリス形状等いずれの形状でもよい。
また、分離用容器1の外部に、混合物31を貯留する原料タンク(図示せず)とポンプ(図示せず)とを設置し、混合物31が、分離容器1と原料タンクとの間で循環するように構成してもよい。さらに、混合物31を予備加熱する加熱装置(図示せず)や加圧装置(図示せず)を、分離容器1と原料タンクとの間に配置するように構成してもよい。
(2−2)捕集器(トラップ)
図1に示すように、捕集器14は、分離用容器1の減圧用ノズル10と、減圧用配管16により繋がり、さらに減圧用配管16により減圧装置15とも繋がっていることが好ましい。このように構成することにより、分離操作を行うときには、減圧装置15を作動させて、減圧用配管16を通じて捕集器14内を減圧し、更に捕集器14及び減圧用配管16を通じて分離用容器1の内筒6内(透過側空間22)を所定の圧力まで減圧することができる。ただし、供給側空間21が大気圧以上に加圧されていて、透過側空間22を減圧する必要がない場合は、減圧装置15はなくてもよく、さらに、膜透過物質32を捕集する必要がない場合は、捕集器14および保冷管17はなくてもよい。
捕集器14は、減圧操作時の圧力に耐え得る材質であることが好ましい。材質としては、例えば、ガラス、ステンレス等を挙げることができる。また、捕集器14の構造としては、分離用容器1の内筒6内(透過側空間22)を所定の圧力まで減圧しながら、膜を透過してくる物質を捕集できる構造であれば図1に示す捕集器14の形状にこだわるものではない。また、図1においては、側部に減圧用のノズルが形成された円筒状(上端部及び下端部の両方が閉じられている)の捕集器本体と、捕集器本体の一方の端部から捕集器本体の内部に挿入され捕集器本体の外部と内部とを連通させる挿入管とを備えた構造となっている。また、図1に示すように、捕集器14は、流入してくる膜透過物質の蒸気を冷却して捕集するため、冷媒である液体窒素35を入れた有底円筒状の保冷管17内に配置することが好ましい。冷媒としては、膜透過物質32を捕集器14で捕集することができれば特に限定されるものではなく、膜透過物質の種類、捕集器内の圧力によって適宜選択することができる。例えば、冷媒としては、液体窒素の他に、氷水、水、ドライアイス(固体状の二酸化炭素)、ドライアイスとエタノール(又はアセトン、メタノール)、液体アルゴン等も使用することができる。また、保冷管17としては、ガラスやステンレス等の容器を使用することができる。
(2−3)減圧装置
上記分離用容器の内筒内(透過側空間22)を減圧するための減圧装置15は、特に限定されず、透過側空間22を所定の圧力以下に減圧することができればよい。ここで、減圧には膜透過物質32の透過側空間22での分圧を低下させることも含む。また、透過側空間22の圧力を調節するために、圧力制御器を減圧装置15と捕集器14との間の減圧用配管16に設置することが好ましいが、捕集器14に設置したり、捕集器14と分離用容器1との間の減圧用配管16に設置したり、分離用容器1に設置したりしてもよい。
(3)膜型反応装置
本発明の膜型反応装置は、多孔質基体、多孔質基体の表面に配設されたDDR型ゼオライト膜、並びに、多孔質基体の表面に配設されたDDR型ゼオライト膜の一方の面側の空間(反応側空間)と他方の面側の空間(透過側空間)とに区画された反応器本体を、有する反応器と、反応器の透過側空間を減圧し得る減圧装置とを備えるもの、あるいは反応器の反応側空間を加圧し得る加圧装置とを備えるもの、あるいは減圧装置と加圧装置とを共に備えるものである。また、透過側空間を減圧して反応側空間からDDR型ゼオライト膜を透過して減圧側空間に移動してきた物質を捕集し得る捕集器を更に備えることが好ましい。
本発明の膜型反応装置としては、上述した本発明の脱水装置を使用することが好ましい。本発明の脱水装置を本発明の膜型反応装置として使用する場合には、本発明の脱水装置における分離用容器、容器本体、及び供給側空間を、それぞれ反応器、反応器本体、及び反応側空間として使用することが好ましい。
従って、図1に示す本発明の脱水装置100を膜型反応装置として使用し、供給側空間21を反応側空間として使用し、混合物31の代わりに反応用の原料を入れて反応させる。そして、反応により水が生じた場合等に、透過側空間22を減圧して、その水を、DDR型ゼオライト膜2を透過させて捕集器14で捕集する。
本発明の膜型反応装置を使用するのに適した反応は、例えば、カルボン酸とアルコールとを原料とするエステル化反応、アルコールを原料とするエーテル化反応等を挙げることができる。これらの反応は、脱水反応であるため、反応に伴い水が発生する。そのため、反応を進行させてエステル等の反応生成物の収率を上げるためには、反応系外に水を除去する必要がある。本発明の膜型反応装置は反応系から水を選択的に除去することができるため、このようなエステル化反応等に使用することが好ましい。
エステル化反応としては、例えば、酢酸とエタノールとの反応、乳酸とエタノールとの反応、酢酸とメタノールとの反応、蟻酸とメタノールとの反応、蟻酸とエタノールとの反応等を挙げることができる。エーテル化反応としては、例えば、メタノールからのジメチルエーテル化反応、エタノールからのジエチルエーテル化反応、メタノールとエタノールからのエチルメチルエーテル化反応等を挙げることができる。
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
(DDR型ゼオライト膜の作製)
(1)成膜ゾルの調製:
フッ素樹脂製の100ml広口瓶に6.21gのエチレンジアミン(和光純薬工業社製)を入れた後、0.98gの1−アダマンタンアミン(アルドリッチ社製)を加え、1−アダマンタンアミンの沈殿が残らないように溶解した。別のビーカーに53.87gの水を入れ、22.00gの30質量%シリカゾル(スノーテックスS、日産化学社製)を加えて軽く撹拌した後、これをエチレンジアミンと1−アダマンタンアミンを混ぜておいた広口瓶に加えて強く振り混ぜた。その後、その広口瓶をシェーカーにセットし、500rpmでさらに1時間振り混ぜ、原料溶液とした。このとき、1−アダマンタンアミン/シリカ比は0.0589、水/シリカ比は0.94、エチレンジアミン/1−アダマンタンアミン比は16であった。
(2)ゼオライト膜の形成
成膜用の多孔質基体となる直径12mmφ×長さ40mmの多孔質アルミナチューブにDDR型ゼオライト微粉末を塗布し、内容積100mlのフッ素樹脂製内筒付きステンレス製耐圧容器内に配置した。その後、原料溶液を耐圧容器に注ぎ、150℃で16時間、加熱処理(水熱合成)を行った。加熱処理後、この基体表面にDDR型ゼオライト膜が形成されていた。水洗、乾燥した後、大気中、電気炉で0.1℃/minの速度で750℃まで昇温して4時間保持後、1℃/minの速度で室温まで冷却した。
(分離用容器)
図1に示すような、蓋部5と、容量500mLの有底円筒状の有底筒状容器4とを有する容器本体3の、蓋部5に温度計8と冷却管7とを差し込んだ。そして、上記、DDR型ゼオライト膜2を成膜した多孔質基体47の端部にガラス製の内筒底部13を取り付け、他方の端部に内筒(ガラス管)6を接続し、ガラス管6と減圧用配管16とをステンレス製のユニオン10で接続した。内筒底部13側が容器本体3内に入るようにしてガラス管6をゴム栓11に差し込んだ状態で蓋部5(容器本体3)に配設した。混合物を撹拌できるように、マクネティックスターラー用の撹拌子9を容器本体3内に入れた。
(混合物の分離装置)
図1に示すような、分離装置100を作製した。すなわち、得られた分離用容器1を、図に示すように、熱媒33を入れた熱媒用容器12内に入れ、温度制御可能にした。熱媒33としては、水を使用した。そして、図1に示すように、捕集器14と減圧装置15とを準備し、分離用容器1のガラス管6と減圧用配管16とをステンレス製のユニオン10で接続し、捕集器14とを減圧用配管16で繋ぎ、捕集器14と減圧装置15とを減圧用配管16でつないだ。捕集器14としては、大倉理研社製のトラップを使用し、減圧装置15としては、油回転真空ポンプ(G20DA)を使用した。また、捕集器14は、流入してくる膜透過物質の蒸気を冷却して捕集するため、冷媒である液体窒素35を入れた有底円筒状の保冷管17内に配置した。
(分離操作1)
図1に示すように、エタノール90体積%水溶液(混合物31)を上記分離用容器1の有底筒状容器4内(供給側空間21)に入れた。次に、混合物31を撹拌子9で撹拌しながら、混合物31が75℃になるように熱媒33により加熱し、内筒6内(透過側空間22)を10Pa以下に減圧した。そして、捕集器14により膜透過物質32を捕集した。得られた膜透過物質は、以下の方法により分析した。得られた分析結果を表1に示す。表1において、「透過量」の欄は膜透過物質の全量を示し、「分離係数」の欄は(透過物質のA成分濃度/透過物質のB成分濃度)/(混合物のA成分濃度/混合物のB成分濃度)を示す。
(膜透過物質の分析)
分析装置:HP社製ガスクロマトグラフ、商品名:HP6890
分析方法:ガスクロマトグラフィー、検出器:TCD
Figure 2007119286
(実施例2〜5)
混合物組成、分離操作温度を表1に示すように変えること以外は、実施例1と同じ操作を行い、DDR型ゼオライト膜による混合物の透過性能を調べた。得られた結果を表1に示す。
(実施例6)
(分離操作2)
実施例1に示したエタノール90体積%水溶液での分離操作を実施した後、実施例4に示した酢酸68質量%水溶液での分離操作を実施したDDR型ゼオライト膜において、再度、実施例1に示した操作方法に従いエタノール90体積%水溶液の分離操作を実施した。これにより、DDR型ゼオライト膜の耐酸性を評価した。得られた結果を表2に示す。
Figure 2007119286
(実施例7)
(分離操作3)
実施例1と同様に作製したDDR型ゼオライト膜を用いて分離操作をおこなった。図2は、分離操作に使用するガス分離試験装置50の構成を説明する模式図であり、アルミナ製の測定管51(内径15mmφ)に、DDR型ゼオライト膜52を取り付け、先端をアルミナ蓋56で塞ぎ、これを管状炉の炉芯管54(内径25mmφ)に入れ、測定管51の内側に内径6mmφの石英管55をDDR型ゼオライト膜52の先端近傍まで通して三重管構造とした状態を示している。測定管51の外側(DDR型ゼオライト膜の供給側空間)には、供給ガスとして25℃での水の飽和蒸気を二酸化炭素と共に100ml/minで導入した。DDR型ゼオライト膜の温度は管状炉53により加熱して60℃に保ち、測定管51の内側(DDR型ゼオライト膜の透過側空間)の石英管55にはDDR型ゼオライト膜52を透過した膜透過物質の分圧を低下させるためのHeガス(スイープガス、100ml/min)を流した。DDR型ゼオライト膜52を透過した水を含有するガスを分取し、ガスクロマトグラフにて分析し、水の透過係数(mol/m/Pa/s)を評価した。水の透過係数は3.48×10−7(mol/m/Pa/s)であった。さらに、供給ガスとして25℃でのメタノールの飽和蒸気を二酸化炭素と共に導入した。上記水の場合と同様にして、メタノールの透過係数を評価した。このとき、メタノールの透過係数は2.00×10−8(mol/m/Pa/s)であった。これらの透過係数を用いると、水/メタノールの理想分離係数は17.4となった。ここで理想分離係数とは単成分の透過係数の比である。分離操作方法、供給濃度、温度が異なるため、単純に比較はできないが、実施例2と同様に、メタノールよりも水がDDR型ゼオライト膜を透過しやすい特性を示した。
表1より、実施例1〜5の脱水方法によれば、水とアルコール又は水と有機酸の混合物から水を選択的に分離することができることがわかる。ここで、実施例で用いた水と各有機溶媒および有機酸の分子径に着目する。ここで、分子径とは動力学直径を意味する。水の分子径は0.265nmであり、メタノール、エタノール、アセトン、酢酸、イソプロパノールの各分子径はそれぞれ、0.38nm、0.43nm、0.469nm、0.436nm、0.47nmである。一方、DDR型ゼオライトの細孔径は0.36×0.44nmである。水がDDR型ゼオライトの細孔径を容易に透過するのに対し、エタノール、アセトン、酢酸、イソプロパノールはいずれもDDR型ゼオライトの細孔径とほぼ等しいか大きい分子径であるため、これらの有機溶媒および有機酸はDDR型ゼオライトの細孔を透過しにくい。そのため、実施例1、3〜5に示したように非常に高い分離係数となったと考える。しかし、メタノールの分子径は他の有機溶媒、有機酸より小さく、DDR型ゼオライトの細孔を比較的透過するため、実施例2に示すようにやや低い分離係数となったと考える。また、表2より、酢酸68質量%水溶液での分離操作を実施した後、すなわちpH2未満の酸性溶液である酢酸68質量%水溶液への浸漬をした後にも、DDR型ゼオライト膜は分離性能を維持していることがわかる。さらに、実施例7より、混合物をガスで供給した場合においても、有機溶媒より水が選択的に透過する傾向を示したため、混合物の状態は特に限定されない。
本発明は、水を含有する混合物から水を分離するための脱水方法として利用することが可能であり、特に、高いエネルギーコストを要することなく混合物から水を分離でき、分離処理において分離膜の耐酸性に優れ、分離性能が膜透過物質の親疎水性によっては影響され難い脱水方法である。

Claims (8)

  1. 水を含有する混合物から、分離膜により水を選択的に分離する脱水方法であって、前記分離膜がDDR型ゼオライト膜であり、前記混合物を、前記DDR型ゼオライト膜の一方の面に接触させ、前記混合物を接触させた前記DDR型ゼオライト膜の面側(供給側空間)と、前記DDR型ゼオライト膜の他方の面側(透過側空間)とに圧力差を生じさせ、水を選択的に透過させて分離する脱水方法。
  2. 前記混合物が有機化合物を含有する溶液である請求項1に記載の脱水方法。
  3. 前記混合物が有機化合物を含有する気体である請求項1に記載の脱水方法。
  4. 前記混合物が有機化合物を含有する超臨界ガスである請求項1に記載の脱水方法。
  5. 多孔質基体、前記多孔質基体の表面に配設されたDDR型ゼオライト膜、並びに、前記多孔質基体の表面に配設された前記DDR型ゼオライト膜の一方の面側の空間(供給側空間)と他方の面側の空間(透過側空間)とに区画された容器本体を、有する分離用容器と、前記分離用容器の前記透過側空間を減圧し得る減圧装置及び/又は前記分離用容器の前記供給側空間を加圧し得る加圧装置と、を備える脱水装置。
  6. 前記供給側空間から前記DDR型ゼオライト膜を透過して前記透過側空間に移動してきた物質を捕集し得る捕集器を更に備える請求項5に記載の脱水装置。
  7. 多孔質基体、前記多孔質基体の表面に配設されたDDR型ゼオライト膜、並びに、前記多孔質基体の表面に配設された前記DDR型ゼオライト膜の一方の面側の空間(反応側空間)と他方の面側の空間(透過側空間)とに区画された反応器本体を、有する反応器と、前記反応器の前記透過側空間を減圧し得る減圧装置及び/又は前記反応器の前記反応側空間を加圧し得る加圧装置と、を備える膜型反応装置。
  8. 前記反応側空間から前記DDR型ゼオライト膜を透過して前記透過側空間に移動してきた物質を捕集し得る捕集器を更に備える請求項7に記載の膜型反応装置。
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