JPWO2007116755A1 - デジタル信号処理装置及び倍音生成方法 - Google Patents

デジタル信号処理装置及び倍音生成方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2007116755A1
JPWO2007116755A1 JP2008509782A JP2008509782A JPWO2007116755A1 JP WO2007116755 A1 JPWO2007116755 A1 JP WO2007116755A1 JP 2008509782 A JP2008509782 A JP 2008509782A JP 2008509782 A JP2008509782 A JP 2008509782A JP WO2007116755 A1 JPWO2007116755 A1 JP WO2007116755A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
level
music signal
music
correction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008509782A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4787316B2 (ja
Inventor
啓太郎 菅原
啓太郎 菅原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pioneer Corp
Original Assignee
Pioneer Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pioneer Corp filed Critical Pioneer Corp
Priority to JP2008509782A priority Critical patent/JP4787316B2/ja
Publication of JPWO2007116755A1 publication Critical patent/JPWO2007116755A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4787316B2 publication Critical patent/JP4787316B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10HELECTROPHONIC MUSICAL INSTRUMENTS; INSTRUMENTS IN WHICH THE TONES ARE GENERATED BY ELECTROMECHANICAL MEANS OR ELECTRONIC GENERATORS, OR IN WHICH THE TONES ARE SYNTHESISED FROM A DATA STORE
    • G10H1/00Details of electrophonic musical instruments
    • G10H1/02Means for controlling the tone frequencies, e.g. attack or decay; Means for producing special musical effects, e.g. vibratos or glissandos
    • G10H1/06Circuits for establishing the harmonic content of tones, or other arrangements for changing the tone colour
    • G10H1/16Circuits for establishing the harmonic content of tones, or other arrangements for changing the tone colour by non-linear elements
    • GPHYSICS
    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10HELECTROPHONIC MUSICAL INSTRUMENTS; INSTRUMENTS IN WHICH THE TONES ARE GENERATED BY ELECTROMECHANICAL MEANS OR ELECTRONIC GENERATORS, OR IN WHICH THE TONES ARE SYNTHESISED FROM A DATA STORE
    • G10H2210/00Aspects or methods of musical processing having intrinsic musical character, i.e. involving musical theory or musical parameters or relying on musical knowledge, as applied in electrophonic musical tools or instruments
    • G10H2210/155Musical effects
    • G10H2210/311Distortion, i.e. desired non-linear audio processing to change the tone color, e.g. by adding harmonics or deliberately distorting the amplitude of an audio waveform

Abstract

【課題】小信号レベルの音楽信号であっても確実に倍音を生成することができる倍音生成装置及びデジタル信号処理装置を提供する。【解決手段】音楽信号のデジタル信号処理を行い該デジタル信号処理可能な信号レベルの最大値よりも大きい信号レベルが発生すると当該信号レベルを前記最大値に抑制するDSP内において、第1レベル補正部11が、音楽信号の信号レベルが最大値を越えるように音楽信号の信号レベルに補正係数を乗じてレベル補正を行い、第2レベル補正部13が、第1レベル補正部11により補正された音楽信号の信号レベルに(1/前記補正係数)を乗じてレベル補正を行う。【選択図】図9

Description

本発明は、倍音生成装置、デジタル信号処理装置及び倍音生成方法に関するものである。
MP3やWMAといった圧縮された音楽信号は、ファイルサイズを縮小するため人間の耳に聞こえにくいとする高音域をカットしている。このため圧縮すると音が劣化してしまうという問題があった。そこで、上記音楽信号から倍音を生成して失われた高音域を復活させる倍音発生器が提案されている。
従来の倍音発生器は図1に示すような入出力特性を有するコンプレッサーを用いていた。同図に示すように、コンプレッサーは入力信号が所定値A以下のときは線形に出力信号を出力し、入力信号が所定値Aを越えると所定値Aの出力信号を出力する。従って、図2(a)に示すような正弦波の音楽信号をコンプレッサーに入力すると、図2(b)に示すように所定値Aを越える部分が歪んだ音楽信号がコンプレッサーから出力される。図3に図2(b)に示す音楽信号の周波数と信号レベルとの関係を示す。同図から明らかなように、図2(b)に示す音楽信号には、元の音楽信号の周波数fに加えこの周波数の倍音成分2f、3f、4f…が発生している。
また、コンプレッサーの代わりに音楽信号の各種デジタル信号処理を行うDSP(デジタル信号処理装置)を用いて、DSPが図1に示す非線形の入出力特性と同等の非線形関数に従って音楽信号の信号レベルを変換して倍音を生成することも提案されている(特許文献1)。
特開平5−6177号公報
しかしながら、上述した従来の倍音生成方法では、信号レベルが所定値A以下の小信号レベルの音楽信号については倍音を生成できないという問題や、コンプレッサー等の非線形入出力装置が必要となり回路規模が大きくなるという問題があった。
また、上述した従来の倍音生成方法では、音楽信号が含む全ての周波数について倍音を生成していた。このため、例えばボーカル領域の周波数帯のみの倍音を生成してボーカル領域が特に良く聞こえるようにすることができないという問題があった。
従って、本発明の目的は、例えば、小信号レベルの音楽信号であっても確実にかつ簡単に倍音を生成することができる倍音生成装置、デジタル信号処理装置及び倍音生成方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、例えば、所定の周波数帯のみが特に良く聞こえる音楽信号を得ることができる倍音生成装置、デジタル信号処理装置及び倍音生成方法を提供することにある。
請求項1記載の発明は、音楽信号の所定値を越える信号レベルを前記所定値に抑制して前記音楽信号に倍音成分を発生させる倍音発生手段を備えた倍音生成装置において、前記音楽信号の信号レベルが前記所定値を越えるように前記音楽信号の信号レベルに補正係数を乗じてレベル補正を行った後に前記倍音発生手段により倍音成分を発生させる第1レベル補正手段と、前記倍音成分を発生させた前記音楽信号の信号レベルに(1/前記補正係数)を乗じてレベル補正を行う第2レベル補正手段とを備えたことを特徴とする倍音生成装置に存する。
請求項5記載の発明は、音楽信号に対して倍音成分を発生させる倍音発生手段を備えた倍音生成装置において、前記音楽信号から所定周波数帯のみを抽出して該抽出した所定周波数帯の音楽信号を前記倍音発生手段に供給する第1抽出手段と、前記倍音成分を発生させた音楽信号から前記所定周波数帯を除去して倍音成分のみを抽出する第2抽出手段と、前記音楽信号に前記第2抽出手段により抽出された前記倍音成分を加算する加算手段とを備えたことを特徴とする倍音生成装置に存する。
請求項6記載の発明は、音楽信号のデジタル信号処理を行い該デジタル信号処理可能な信号レベルの最大値よりも大きい信号レベルが発生すると当該信号レベルを前記最大値に抑制するデジタル信号処理装置において、前記音楽信号の信号レベルが前記最大値を越えるように前記音楽信号の信号レベルに補正係数を乗じてレベル補正して倍音成分を発生させる第1レベル補正手段と、前記第1レベル補正手段により補正された前記音楽信号の信号レベルに(1/前記補正係数)を乗じてレベル補正を行う第2のレベル補正手段とを備えたことを特徴とするデジタル信号処理装置に存する。
請求項9記載の発明は、音楽信号のデジタル処理を行うデジタル信号処理装置において、前記音楽信号の所定値を越える信号レベルを前記所定値に抑制して前記音楽信号に倍音成分を発生させる倍音発生手段と、前記音楽信号から所定周波数帯のみを抽出して該抽出した所定周波数帯の音楽信号を前記倍音発生手段に供給する第1抽出手段と、前記倍音成分を発生させた音楽信号から前記所定周波数帯を除去して倍音成分のみを抽出する第2抽出手段と、前記音楽信号に前記第2抽出手段により抽出された前記倍音成分を加算する加算手段とを備えたことを特徴とするデジタル信号処理装置に存する。
請求項10記載の発明は、音楽信号に倍音成分を発生させる倍音生成方法において、前記音楽信号の信号レベルが所定値を越えるように前記音楽信号の信号レベルに補正係数を乗じてレベル補正を行った後に、前記音楽信号の所定値を越える信号レベルを前記所定値に抑制して倍音成分を発生させ、前記倍音成分を発生させた前記音楽信号の信号レベルに(1/前記補正係数)を乗じてレベル補正を行うことを特徴とする倍音生成方法に存する。
請求項11記載の発明は、音楽信号に倍音成分を発生させる倍音生成方法において、前記音楽信号から所定周波数帯のみを抽出して、該抽出した所定周波数帯の音楽信号に対して倍音成分を発生させ、前記倍音成分を発生させた前記音楽信号から前記所定周波数帯を除去して前記倍音成分のみを抽出し、前記音楽信号に前記抽出した倍音成分を加算することを特徴とする倍音生成方法に存する。
従来、倍音発生器として用いられたコンプレッサーの入出力特性を示すグラフである。 (a)は図1に示す入出力特性を有するコンプレッサーに入力する音楽信号を示すグラフであり、(b)は図1に示す入出力特性を有するコンプレッサーから出力された音楽信号を示すグラフである。 図2(b)に示す音楽信号の周波数と信号レベルとの関係を示すグラフである。 本発明に係る倍音生成装置の基本構成の一例を示す構成図である。 本発明に係る倍音生成装置の基本構成の一例を示す構成図である。 本発明に係るデジタル信号処理装置の基本構成の一例を示す構成図である。 本発明に係るデジタル信号処理装置の基本構成の一例を示す構成図である。 本発明に係る倍音生成装置及びデジタル信号処理装置を組み込んだ再生装置の一実施の形態を示すブロック図である。 図8に示す再生装置を構成するDSPの構成を示すブロック図である。 (a)は第1レベル補正部11aによるレベル補正が行われる前の音楽信号の信号レベルであり、(b)は第1レベル補正部11によるレベル補正が行われた後の音楽信号の信号レベルであり、(c)及び(d)は第2レベル補正部13によりレベル補正された後の音楽信号の信号レベルである。 (a)は第1フィルタ部14に入力される前の音楽信号の周波数特性を示し、(b)は第1フィルタ部14を通過した後の音楽信号の周波数特性を示し、(c)は第1レベル補正部11によるレベル補正が行われた後の音楽信号の周波数特性を示し、(d)は第2フィルタ部15を通過した後の音楽信号の周波数特性を示し、(e)は加算部16を通過した後の音楽信号の周波数特性を示す。
符号の説明
A 所定値
max 最大値
11 第1レベル補正部(第1レベル補正手段)
11a 第1補正係数乗算部(第1補正係数乗算手段)
11b 第2補正係数乗算部(第2補正係数乗算手段)
11c 係数補正手段(係数補正部)
13 第2レベル補正部(第2レベル補正手段)
14 第1フィルタ部(第1抽出手段)
15 第2フィルタ部(第2抽出手段)
16 加算部(加算手段)
103 DSP(倍音発生手段)
以下、本発明に係る倍音生成装置及びデジタル信号処理装置の一最良の形態を、図4〜図7の図面を参照して説明する。なお、図4、図5は本発明に係る倍音生成装置の基本構成の一例を示す構成図であり、図6、図7は本発明に係るデジタル信号処理装置の基本構成の一例を示す構成図である。
図4において、倍音生成装置は、音楽信号の所定値を越える信号レベルを所定値に抑制して音楽信号に倍音成分を発生させる倍音発生手段103を備えた倍音生成装置において、音楽信号の信号レベルが所定値を越えるように音楽信号の信号レベルに補正係数を乗じてレベル補正を行った後に倍音発生手段103により倍音成分を発生させる第1レベル補正手段11と、倍音成分を発生させた音楽信号の信号レベルに(1/補正係数)を乗じてレベル補正を行う第2レベル補正手段13とを備えている。
これによれば、小信号レベルの音楽信号であっても第1レベル補正手段11のレベル補正により信号レベルが所定値を越えるため、確実に倍音発生手段103によって音楽信号の信号レベルを抑制して倍音を発生させることができる。即ち、小信号レベルの音楽信号であっても確実に倍音を生成することができる。
また、倍音生成装置は、倍音発生手段103が、音楽信号のデジタル信号処理を行い該デジタル信号処理可能な信号レベルの最大値よりも大きい信号レベルが発生すると当該信号レベルを最大値に抑制するデジタル信号処理装置から構成され、そして、所定値が、最大値であってもよい。
これによれば、各種の音楽信号のデジタル信号処理を行うデジタル信号処理装置を倍音発生手段103として流用することができる。しかも、所定値が上記最大値であることによりデジタル信号処理装置をオーバーフローさせて倍音を生成することができるため、デジタル信号処理装置に非線形関数に従って演算処理などを行わせなくても倍音を生成することができ、少ない演算処理で倍音を生成することができる。
また、倍音生成装置は、第1レベル補正手段11が、デジタル信号処理装置から構成されていて、音楽信号の信号レベルに第1補正係数を乗じる第1補正係数乗算手段11aと、第1補正係数を乗じた信号レベルにさらに予め定めた第2補正係数を乗じる第2補正係数乗算手段11bと、第1補正係数を乗じた信号レベルと予め定めた目標値を第2補正係数で除した値との差が0になるように第1補正係数を補正する係数補正手段11cとを有していてもよい。
これによれば、係数補正手段11cが、信号レベルが目標値よりも小さい(目標値/第2補正係数)になるように第1補正係数を補正する。このため、目標値を最大値に近い値に設定しても、信号レベルに第1補正係数を乗じた時点で信号レベルが最大値を越えないようにすることができ、係数補正手段11cがデジタル信号処理装置のオーバーフローの影響を受けることなく第1補正係数の補正を行うことができる。
また、倍音生成装置は、音楽信号から所定周波数帯のみを抽出して該抽出した所定周波数帯の音楽信号を第1レベル補正手段11に供給する第1抽出手段14と、倍音成分を発生させた音楽信号から所定周波数帯を除去して倍音成分のみを抽出する第2抽出手段15と、音楽信号に第2レベル補正手段13によりレベル補正された倍音成分を加算する加算手段16とを備えていてもよい。これによれば、音楽信号を構成する周波数帯のうち所定周波数帯が特に良く聞こえる音楽信号を得ることができる。
図5において、倍音生成装置は、音楽信号の所定値を越える信号レベルを所定値に抑制して音楽信号に倍音成分を発生させる倍音発生手段103を備えた倍音生成装置において、音楽信号から所定周波数帯のみを抽出して該抽出した所定周波数帯の音楽信号を倍音発生手段103に供給する第1抽出手段14と、倍音成分を発生させた音楽信号から所定周波数帯を除去して倍音成分のみを抽出する第2抽出手段15と、音楽信号に第2抽出手段15により抽出された倍音成分を加算する加算手段16とを備えている。これによれば、音楽信号を構成する周波数帯のうち所定周波数帯が特に良く聞こえる音楽信号を得ることができる。
図6において、デジタル信号処理装置は、音楽信号のデジタル信号処理を行い該デジタル信号処理可能な信号レベルの最大値よりも大きい信号レベルが発生すると当該信号レベルを最大値に抑制するデジタル信号処理装置において、音楽信号の信号レベルが最大値を越えるように音楽信号の信号レベルに補正係数を乗じてレベル補正して倍音成分を発生させる第1レベル補正手段11と、第1レベル補正手段11により補正された音楽信号の信号レベルに(1/前記補正係数)を乗じてレベル補正を行う第2のレベル補正手段13とを備えている。
これによれば、小信号レベルの音楽信号であっても第1レベル補正手段11のレベル補正により信号レベルがデジタル信号処理装置の最大値を越えるため、確実にデジタル信号処理装置がオーバーフローして音楽信号の信号レベルを抑制して倍音を発生させることができる。即ち、小信号レベルの音楽信号であっても確実に倍音を生成することができる。しかも、デジタル信号処理装置をオーバーフローさせて倍音を生成することができるため、デジタル信号処理装置に非線形関数に従って演算処理などを行わせなくても倍音を生成することができ、少ない演算処理で倍音を生成することができる。
また、デジタル信号処理装置は、第1レベル補正手段11が、音楽信号の信号レベルに第1補正係数を乗じる第1補正係数乗算手段11aと、第1補正係数を乗じた信号レベルにさらに第2補正係数を乗じる第2補正係数乗算手段11bと、第1補正係数を乗じた信号レベルと予め定めた目標値を第2補正係数で除した値との差が0になるように第1補正係数を補正する係数補正手段11cとを有していてもよい。
これによれば、係数補正手段11cが、信号レベルが目標値よりも小さい(目標値/第2補正係数)になるように第1補正係数を補正する。このため、目標値を最大値に近い値に設定しても、信号レベルに第1補正係数を乗じた時点で信号レベルが最大値を越えないようにすることができ、係数補正手段11cがデジタル信号処理装置のオーバーフローの影響を受けることなく第1補正係数の補正を行うことができる。
また、デジタル信号処理装置は、音楽信号から所定周波数帯のみを抽出して該抽出した所定周波数帯の音楽信号を第1レベル補正手段に供給する第1抽出手段14と、前記倍音成分を発生させた音楽信号から所定周波数帯を除去して倍音成分のみを抽出する第2抽出手段15と、音楽信号に第2レベル補正手段によりレベル補正された倍音成分を加算する加算手段16とを備えていてもよい。これによれば、音楽信号を構成する周波数帯のうち所定周波数帯が特に良く聞こえる音楽信号を得ることができる。
図7において、デジタル信号処理装置は、音楽信号のデジタル処理を行うデジタル信号処理装置において、音楽信号に対して倍音成分を発生させる倍音発生手段103と、音楽信号から所定周波数帯のみを抽出して該抽出した所定周波数帯の音楽信号を倍音発生手段103に供給する第1抽出手段14と、倍音成分を発生させた音楽信号から所定周波数帯を除去して倍音成分のみを抽出する第2抽出手段15と、音楽信号に前記第2抽出手段15により抽出された倍音成分を加算する加算手段16とを備えている。これによれば、音楽信号を構成する周波数帯のうち所定周波数帯が特に良く聞こえる音楽信号を得ることができる。
また、本発明の一実施の形態に係る倍音生成方法は、音楽信号に倍音成分を発生させる倍音生成方法において、音楽信号の信号レベルが所定値を越えるように音楽信号の信号レベルに補正係数を乗じてレベル補正を行った後に、音楽信号の所定値を越える信号レベルを所定値に抑制して倍音成分を発生させ、倍音成分を発生させた音楽信号の信号レベルに(1/補正係数)を乗じてレベル補正を行う。
これによれば、小信号レベルの音楽信号であってもレベル補正により信号レベルが所定値を越えるため、確実に音楽信号の信号レベルを抑制して倍音を発生させることができる。即ち、小信号レベルの音楽信号であっても確実に倍音を生成することができる。
また、本発明の一実施の形態に係る倍音生成方法は、音楽信号に倍音成分を発生させる倍音生成方法において、音楽信号から所定周波数帯のみを抽出して、該抽出した所定周波数帯の音楽信号に対して倍音成分を発生させ、倍音成分を発生させた音楽信号から所定周波数帯を除去して倍音成分のみを抽出し、音楽信号に抽出した倍音成分を加算する。これによれば、音楽信号を構成する周波数帯のうち所定周波数帯が特に良く聞こえる音楽信号を得ることができる。
次に、上述した倍音生成装置及びデジタル信号処理装置を音楽再生装置に組み込む場合の実施例を以下説明する。なお、図8は倍音生成装置及びデジタル信号処理装置を組み込んだ音楽再生装置の構成の一例を示す構成図である。
この音楽再生装置は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)やCD(Compact Disc)、ハードディスク(Hard Disk)などの記録媒体に記録されているデジタルの音楽信号をスピーカによって再生可能な信号に処理する。この音楽再生装置100には、処理した音楽情報を再生する出力部200が接続されている。
出力部200は、音楽再生装置100から出力される音楽信号を再生出力する。この出力部200は、デジタル/アナログ(D/A)変換器210と、アンプ220と、スピーカ230とを備えている。D/A変換器210は、音楽再生装置100に接続され、音楽再生装置100から出力されるデジタルの音楽信号をアナログに変換する。そして、D/A変換器210は、アナログに変換した音楽信号をアンプ220へ出力する。
アンプ220は、D/A変換器210に接続されているとともに、スピーカ230に接続されている。このアンプ220は、D/A変換器210から出力されるアナログの音楽信号を増幅してスピーカ230から出力させる。
再生装置100は、上述した記憶媒体から読み取ったデジタルの音楽信号が入力されるDIR(Digital Interface Receiver:デジタルインタフェースレシーバ)101と、圧縮された音楽信号を復調するデコーダ102と、復調された音楽信号の例えばミキシング処理やエフェクト処理などの各種信号処理を行うDSP(Digital Signal Processor:デジタル信号処理装置)103と、DSP103を制御するCPU104とから構成されている。
上述したDSP103は、デジタル信号処理可能な信号レベルの最大値xmax(=所定値)よりも大きい信号レベルが発生するとオーバーフローして、その信号レベルを最大値xmaxに抑制する。通常、デジタルの音楽信号の信号レベルは、DSP103の最大値xmaxを越えないようになっている。なお、上記信号レベルは絶対値である。
次に、上述したDSP103の構成について図9を参照して以下説明する。DSP103は図示しないメモリに記憶されたプログラムにより、音楽信号から所定周波数帯のみを抽出する第1抽出手段としての第1フィルタ部14と、音楽信号の信号レベルがDSP103の最大値xmaxを越えるように音楽信号の信号レベルに補正係数2Wを乗じる第1レベル補正手段としての第1レベル補正部11と、音楽信号の信号レベルに(1/補正係数2W)を乗じる第2レベル補正手段としての第2レベル補正部13と、倍音成分を発生させた音楽信号から所定周波数帯を除去して倍音成分のみを抽出する第2抽出手段としての第2フィルタ部15と、元の音楽信号に第2フィルタ部15により抽出された倍音成分を加算する加算部16とから構成されている。
上述した第1レベル補正部11は、音楽信号の信号レベルxに第1補正係数Wを乗じる第1補正係数乗算手段としての第1補正係数乗算部11aと、信号レベルxに第1補正係数Wを乗じた値(以下x・W)にさらに2(=第2補正係数)を乗じる第2補正係数乗算手段としての第2補正係数乗算部11bと、x・Wと予め定めた目標値Vを2で除した値(=以下V/2)との差が0になるように第1補正係数Wを補正する係数補正手段としての係数補正部11cと、信号レベルxに第1補正係数Wを乗じた値の絶対値(以下|x・W|を係数補正部11cに出力する絶対値部11dとを備えている。なお、本実施例では、目標値Vは最大値よりも高い値に設定されている。
上述した係数補正部11cは、上記(V/2)から上記|x・W|を減算する減算部11c−1と、その減算値e(=(V/2)−|x・W|)にステップサイズαを乗じた値α・eを第1補正係数Wに加算して第1補正係数Wを補正する補正部11c−2とを備えている。
上記補正部11c−2によって(n−1)回目の補正が行われた時点での第1補正係数をW(n)、n回目の補正が行われた時点での第1補正係数をW(n−1)としたときW(n)とW(n−1)とは以下の式(1)に示す関係となる。なお、nは任意の整数である。
W(n)=W(n−1)+αe
=W(n−1)+α(V/2−|x・W|) …(1)
上記式(1)から明らかなように、係数補正部11cは、|x・W|が(V/2)よりも大きければαeがマイナスとなり、第1補正係数Wが小さくなるように補正され、|x・W|が(V/2)よりも小さければαeがプラスとなり、第1補正係数Wが大きくなるように補正される。また、|x・W|と(V/2)との差が大きければαeの値も大きくなり、大きいαeが第1補正係数Wに加算又は減算され、|x・W|と(V/2)との差が小さければαeが小さくなり、小さいαeが第1補正係数Wに加算又は減算される。即ち、係数補正部11cは、信号レベルxに第1補正係数Wを乗じた値|x・W|がV/2となるように第1補正係数Wの補正を行う。これにより、第1補正係数乗算部11aによって音楽信号の信号レベルxがV/2に近づくようにレベル補正され、第2補正係数乗算部11bによって音楽信号の信号レベルxがVに近づくようにレベル補正される。
次に、上記第1及び第2レベル補正部11、13内での信号処理について、図10を参照して以下説明する。図10(a)は第1レベル補正部11によるレベル補正が行われる前の音楽信号の信号レベルであり、(b)は第1レベル補正部11によるレベル補正が行われた後の音楽信号の信号レベルであり、(c)及び(d)は第2レベル補正部13によりレベル補正された後の音楽信号の信号レベルである。なお、図10(a)〜(c)については説明を簡単にするために信号レベルを絶対値で表している。
今、DSP103内に図10(a)に示すような正弦波の音楽信号が入力されたとする。第1レベル補正部11は、上述したように図10(a)に示す音楽信号の信号レベルxが目標値Vに近づくように信号レベルxに補正係数2Wを乗じて信号レベルxを補正する。この結果、図10(b)の点線で示すように音楽信号の信号レベルが目標値Vに対してオーバーシュート、アンダーシュートを繰り返すような補正係数2Wが信号レベルxに乗算される。目標値Vは最大値xmaxよりも大きな値に設定されている。従って、第1レベル補正部11により音楽信号の信号レベルのうち閾値K(図10(a)、(b)参照)を越える部分が最大値xmaxを越えるような補正係数2Wが乗算される。
信号レベルが最大値xmaxを越えると、DSP103がオーバーフローして最大値xmaxを越える信号レベルを最大値xmaxに抑制する。従って、第1レベル補正部11により、図10(b)に示すように最大値xmaxを越えた部分が歪み、倍音成分が発生した音楽信号が得られる。その後、第2レベル補正部13が、図10(b)に示す音楽信号の信号レベルに(1/補正係数2W)を乗じて信号レベルが第1レベル補正部11による補正が行われる前のレベルに戻す。これにより、図10(c)及び(d)に示すように閾値K以上の信号レベルが歪み、倍音成分が発生した音楽信号が得られる。以上のことから明らかなようにDSP103が倍音発生手段に相当する。
上記閾値Kは目標値Vと最大値xmaxとの関係で定まる値である。つまり、目標値Vが大きくなるほど閾値Kが小さくなり、DSP103のオーバーフローする割合が大きくなる。なお本実施例では目標値Vとしては最大値xmaxよりも大きく設定していたが、第1レベル補正部11のレベル補正により信号レベルが目標値Vをオーバーシュートして、最大値xmaxを越えるようであれば最大値xmaxよりも小さい値に設定してもよい。即ち、目標値Vは音楽信号の信号レベルが最大値xmaxを越えるような値に設定されていればよい。
上述した構成の音楽再生装置100全体の動作について、図11を参照して以下説明する。図11(a)は第1フィルタ部14に入力される前の音楽信号の周波数特性を示し、(b)は第1フィルタ部14を通過した後の音楽信号の周波数特性を示し、(c)は第1レベル補正部11aによるレベル補正が行われた後の音楽信号の周波数特性を示し、(d)は第2フィルタ部15を通過した後の音楽信号の周波数特性を示し、(e)は加算部16を通過した後の音楽信号の周波数特性を示す。
まず、記録媒体などから読み取ったデジタルの音楽信号がDIR101を介してデコーダ102に入力される。デコーダ102は、MP3やWMAといった圧縮形式で圧縮された音楽信号を復調して、DSP103に対して供給する。図11(a)に示すような周波数特性を有する音楽信号がDSP103内の第1フィルタ部14に入力されると、第1フィルタ部14は音楽信号から所定周波数帯のみを抽出して図11(b)に示すような所定周波数帯のみから成る音楽信号にする。なお、第1フィルタ部14が抽出する所定周波数はたとえば複数の周波数帯(ボーカル領域、低音領域、高音領域など)からユーザが選択操作できるようになっており、CPU104はユーザが選択した周波数帯を抽出するようにDSP103を制御する。
その後、第1レベル補正部11、第2レベル補正部13により音楽信号には、図11(c)に示すような倍音成分が発生する。次に、第2フィルタ部15が図11(d)に示すように所定周波数帯を除去して倍音成分のみを抽出する。次に、加算部16が、図11(e)に示すように元の音楽信号と第2フィルタ部15により抽出された倍音成分とを加算する。図11(e)に示すように元の周波数成分に斜線で示す高周波の倍音成分を付加することができる。倍音成分が付加された音楽信号はその後各種信号処理を施された後、D/A変換器210に出力される。
D/A変換器210は、倍音成分が付加されたデジタルの音楽信号をアナログに変換した後、アンプ220を介してスピーカ230に出力する。そして、スピーカ230によって倍音成分が付加された音楽信号が再生される。
上述した音楽再生装置100のDSP103によれば、小信号レベルの音楽信号であっても第1レベル補正部11のレベル補正により信号レベルが最大値xmaxを越えるため、確実にDSP103のオーバーフローが発生して音楽信号の信号レベルを抑制して倍音を発生させることができる。即ち、小信号レベルの音楽信号であっても確実に倍音を生成することができる。これによれば、小信号レベルの音楽信号であっても第1レベル補正部11のレベル補正により信号レベルがDSP103の最大値を越えるため、確実にDSP103がオーバーフローして音楽信号の信号レベルを抑制して倍音を発生させることができる。即ち、小信号レベルの音楽信号であっても確実に倍音を生成することができる。しかも、DSP103をオーバーフローさせて倍音を生成することができるため、DSP103に非線形関数に従って演算処理などを行わせなくても倍音を生成することができ、少ない演算処理で倍音を生成することができる。
また、上述したDSP103によれば、第1レベル補正部11が信号レベルに乗じる補正係数2Wを第1補正係数乗算部11aと第2補正係数乗算部11bとによって2回に分けて乗算している。そして、係数補正部11cが、信号レベルxに第1補正係数Wを乗じた値x・Wが目標値Vよりも小さい(V/2)になるように第1補正係数Wを補正している。たとえば、係数補正部11cによってx・Vが目標値Vになるように第1補正係数Wを補正した場合、信号レベルに第1補正係数Wを乗じた時点で信号レベルが最大値xmaxを越えてしまい、係数補正部11cは最大値と目標値Vとの差が0になるように補正係数の補正を行ってしまい、x・Vと目標値Vとの差が0になるような補正係数の補正を行うことができない。しかし本実施例では、目標値Vを最大値xmaxに近い値に設定しても、信号レベルに第1補正係数Wを乗じた時点で信号レベルが最大値xmaxを越えないようにすることができ、係数補正部11cがDSP103のオーバーフローの影響を受けることなく第1補正係数Wの補正を行うことができる。
また、上述したDSP103によれば、第1フィルタ部14によって音楽信号から所定周波数帯のみを抽出している。そして、該抽出した所定周波数帯の音楽信号に倍音成分を発生させた後、第2フィルタ部15によって所定周波数帯を除去して倍音成分のみを抽出して、最後に加算部16によって元の音楽信号に倍音成分を加算している。これによれば、音楽信号を構成する周波数帯のうち所定周波数帯が特に良く聞こえる音楽信号を得ることができる。たとえば、所定周波数帯をボーカル領域となるように設定すると、ボーカルがより響く音楽信号となり、所定周波数帯を低音領域となるように設定すると、低音がより響く音楽信号となる。
なお、上述した実施例によれば、DSP103をオーバーフローさせて倍音を生成しているが、本発明はこれに限ったものではない。たとえば、DSP103に図1に示すような入出力特性と同等の非線形関数の演算を行わせるプログラムを組み込んで倍音を生成できるようにしてもよい。この場合、図1中の所定値Aを上記最大値xmaxよりも小さい値に設定して、第1レベル補正部11に音楽信号の信号レベルが所定値Aを越えるように音楽信号の信号レベルに補正係数を乗じてレベル補正を行わせれば、上記DSP103の非線形演算により倍音を生成することができる。
また、所定値Aを上記最大値xmaxよりも小さい値に設定すれば、第1レベル補正部11としては、信号レベルに補正係数を乗じる補正係数乗算部と、信号レベルに補正係数を乗じた値と目標値Vとが0になるように補正係数を補正する係数補正部とから構成してもよい。
また、図1に示すような入出力特性を有するアナログのコンプレッサーを倍音発生手段としてもよい。この場合も、図1中の所定値Aを上記最大値xmaxよりも小さい値に設定して、DSP103の第1レベル補正部11に音楽信号の信号レベルが所定値Aを越えるように音楽信号の信号レベルに補正係数を乗じてレベル補正を行わせる。そして、第1レベル補正部11によりレベル補正を行った音楽信号をD/A変換して、アナログの音楽信号に変換した後に、上記アナログのコンプレッサーに供給すれば倍音を生成することができる。
また、上述した実施例によれば、第2補正係数乗算部11bでは第2補正係数として2を乗じていたが、本発明はこれに限ったものではない。第2補正係数としては、目標値V/第2補正係数が上記最大値xmaxよりも小さい値になればどんな値でもよい。
また、上述した実施例によれば、DSP103内の第1レベル補正部11において、第1補正係数乗算部11aが音楽信号の信号レベルに第1補正係数Wを乗じて、第2補正係数乗算部11bが第1補正係数Wを乗じた信号レベルにさらに2を乗じて、係数補正部11cが第1補正係数Wを乗じた信号レベルxと予め定めた目標値Vを2で除した値との差が0になるように第1補正係数Wを補正していたが、本発明ではこれに限ったものではない。たとえば、補正係数を補正することなく、図10に示す閾値Kの信号レベルが確実に最大値xmaxを越えるような大きい補正係数を乗じて、音楽信号の信号レベルが最大値xmaxを越えるようにレベル補正を行ってもよい。
また、上述した実施例によれば、第1及び第2レベル補正部11、13をDSP103で構成していたが、本発明はこれに限ったものではなく、同等の働きをするアナログ回路で構成してもよい。
また、上述した実施例によれば、第1レベル補正手段としては、信号レベルxを目標値(V/2)に近づける評価値として、誤差eそのものを用いていたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、評価値として二乗誤差eを用いてこの二乗誤差eが0になるように補正係数Wを補正してもよい。即ち、第1レベル補正手段としては、本発明の目的に反しない限りどんなアルゴリズムであってもよい。
また、上述した実施例によれば、第1及び第2レベル補正部11、13を設けていたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、倍音発生手段として音楽信号のピーク値を保持して倍音成分を発生させるピークホールド回路を用いる場合は、第1及び第2レベル補正部11、13を設ける必要がない。この場合、倍音生成装置は、音楽信号から所定周波数帯のみを抽出して該抽出した所定周波数帯の音楽信号を倍音発生手段としての例えばピークホールド回路に供給する第1フィルタ部14と、倍音成分を発生させた音楽信号から所定周波数帯を除去して倍音成分のみを抽出する第2フィルタ部15と、音楽信号に第2フィルタ部15により抽出された倍音成分を加算する加算部16とを有していれば良い。
また、前述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0001】
技術分野
[0001]
本発明は、デジタル信号処理装置及び倍音生成方法に関するものである。
背景技術
[0002]
MP3やWMAといった圧縮された音楽信号は、ファイルサイズを縮小するため人間の耳に聞こえにくいとする高音域をカットしている。このため圧縮すると音が劣化してしまうという問題があった。そこで、上記音楽信号から倍音を生成して失われた高音域を復活させる倍音発生器が提案されている。
[0003]
従来の倍音発生器は図1に示すような入出力特性を有するコンプレッサーを用いていた。同図に示すように、コンプレッサーは入力信号が所定値A以下のときは線形に出力信号を出力し、入力信号が所定値Aを越えると所定値Aの出力信号を出力する。従って、図2(a)に示すような正弦波の音楽信号をコンプレッサーに入力すると、図2(b)に示すように所定値Aを越える部分が歪んだ音楽信号がコンプレッサーから出力される。図3に図2(b)に示す音楽信号の周波数と信号レベルとの関係を示す。同図から明らかなように、図2(b)に示す音楽信号には、元の音楽信号の周波数f1に加えこの周波数の倍音成分2f1、3f1、4f1…が発生している。
[0004]
また、コンプレッサーの代わりに音楽信号の各種デジタル信号処理を行うDSP(デジタル信号処理装置)を用いて、DSPが図1に示す非線形の入出力特性と同等の非線形関数に従って音楽信号の信号レベルを変換して倍音を生成することも提案されている(特許文献1)。
特許文献1:特開平5−6177号公報
発明の開示
発明が解決しようとする課題
[0005]
しかしながら、上述した従来の倍音生成方法では、信号レベルが所定値A以下の小信号レベルの音楽信号については倍音を生成できないという問題や、コンプレッ
【0002】
サー等の非線形入出力装置が必要となり回路規模が大きくなるという問題があった。
[0006]
また、上述した従来の倍音生成方法では、音楽信号が含む全ての周波数について倍音を生成していた。このため、例えばボーカル領域の周波数帯のみの倍音を生成してボーカル領域が特に良く聞こえるようにすることができないという問題があった。
[0007]
従って、本発明の目的は、例えば、小信号レベルの音楽信号であっても確実にかつ簡単に倍音を生成することができるデジタル信号処理装置及び倍音生成方法を提供することにある。
[0008]
また、本発明の目的は、例えば、所定の周波数帯のみが特に良く聞こえる音楽信号を得ることができるデジタル信号処理装置及び倍音生成方法を提供することにある。
課題を解決するための手段
[0009]
[0010]
[0011]
請求項1記載の発明は、音楽信号のデジタル信号処理を行い該デジタル信号処理可能な信号レベルの最大値よりも大きい信号レベルが発生すると当該信号レベルを前記最大値に抑制するデジタル信号処理装置において、前記音楽信号の
【0003】
信号レベルが前記最大値を越えるように前記音楽信号の信号レベルに補正係数を乗じてレベル補正して倍音成分を発生させる第1レベル補正手段と、前記第1レベル補正手段により補正された前記音楽信号の信号レベルに(1/前記補正係数)を乗じてレベル補正を行う第2のレベル補正手段と、を備え、前記第1レベル補正手段が、前記音楽信号の信号レベルに第1補正係数を乗じる第1補正係数乗算手段と、前記第1補正係数を乗じた信号レベルにさらに第2補正係数を乗じる第2補正係数乗算手段と、前記第1補正係数を乗じた信号レベルと予め定めた目標値を前記第2補正係数で除した値との差が0になるように前記第1補正係数を補正する係数補正手段と、を有することを特徴とするデジタル信号処理装置。
[0012]
請求項3記載の発明は、音楽信号のデジタル信号処理を行い該デジタル信号処理可能な信号レベルの最大値よりも大きい信号レベルが発生すると当該信号レベルを前記最大値に抑制するデジタル信号処理装置を用いて前記音楽信号に倍音成分を発生させる倍音生成方法であって、前記デジタル信号処理装置に、前記音楽信号の信号レルが前記最大値を越えるように前記音楽信号の信号レベルに補正係数を乗じてレベル補正して倍音成分を発生させる第1工程と、前記補正された前記音楽信号の信号レベルに(1/前記補正係数)を乗じてレベル補正させる第2工程と、を行わせ、前記第1工程において、前記デジタル信号処理装置に、前記音楽信号の信号レベルに第1補正係数を乗じさせ、前記第1補正係数を乗じた信号レベルにさらに第2補正係数を乗じさせ、前記第1補正係数を乗じた信号レベルと予め定めた目標値を前記第2補正係数で除した値との差が0になるように前記第1補正係数を補正させることを特徴とする倍音生成方法。
[0013]
[0014]
図面の簡単な説明
[0015]
[図1]従来、倍音発生器として用いられたコンプレッサーの入出力特性を示すグラフである。
[図2](a)は図1に示す入出力特性を有するコンプレッサーに入力する音楽信号を示

Claims (11)

  1. 音楽信号の所定値を越える信号レベルを前記所定値に抑制して前記音楽信号に倍音成分を発生させる倍音発生手段を備えた倍音生成装置において、
    前記音楽信号の信号レベルが前記所定値を越えるように前記音楽信号の信号レベルに補正係数を乗じてレベル補正を行った後に前記倍音発生手段により倍音成分を発生させる第1レベル補正手段と、
    前記倍音成分を発生させた前記音楽信号の信号レベルに(1/前記補正係数)を乗じてレベル補正を行う第2レベル補正手段とを備えたことを特徴とする倍音生成装置。
  2. 前記倍音発生手段が、前記音楽信号のデジタル信号処理を行い該デジタル信号処理可能な信号レベルの最大値よりも大きい信号レベルが発生すると当該信号レベルを前記最大値に抑制するデジタル信号処理装置から構成され、そして、
    前記所定値が、前記最大値であることを特徴とする請求項1記載の倍音生成装置。
  3. 前記第1レベル補正手段が、前記デジタル信号処理装置から構成されていて、
    前記音楽信号の信号レベルに第1補正係数を乗じる第1補正係数乗算手段と、
    前記第1補正係数を乗じた信号レベルにさらに予め定めた第2補正係数を乗じる第2補正係数乗算手段と、
    前記第1補正係数を乗じた信号レベルと予め定めた目標値を前記第2補正係数で除した値との差が0になるように前記第1補正係数を補正する係数補正手段とを有することを特徴とする請求項2記載の倍音生成装置。
  4. 前記音楽信号から所定周波数帯のみを抽出して該抽出した所定周波数帯の音楽信号を前記第1レベル補正手段に供給する第1抽出手段と、
    前記倍音成分を発生させた音楽信号から前記所定周波数帯を除去して倍音成分のみを抽出する第2抽出手段と、
    前記音楽信号に前記第2レベル補正手段によりレベル補正された前記倍音成分を加算する加算手段とを備えたことを特徴とする請求項3項記載の倍音生成装置。
  5. 音楽信号に対して倍音成分を発生させる倍音発生手段を備えた倍音生成装置において、
    前記音楽信号から所定周波数帯のみを抽出して該抽出した所定周波数帯の音楽信号を前記倍音発生手段に供給する第1抽出手段と、
    前記倍音成分を発生させた音楽信号から前記所定周波数帯を除去して倍音成分のみを抽出する第2抽出手段と、
    前記音楽信号に前記第2抽出手段により抽出された前記倍音成分を加算する加算手段とを備えたことを特徴とする倍音生成装置。
  6. 音楽信号のデジタル信号処理を行い該デジタル信号処理可能な信号レベルの最大値よりも大きい信号レベルが発生すると当該信号レベルを前記最大値に抑制するデジタル信号処理装置において、
    前記音楽信号の信号レベルが前記最大値を越えるように前記音楽信号の信号レベルに補正係数を乗じてレベル補正して倍音成分を発生させる第1レベル補正手段と、
    前記第1レベル補正手段により補正された前記音楽信号の信号レベルに(1/前記補正係数)を乗じてレベル補正を行う第2のレベル補正手段とを備えたことを特徴とするデジタル信号処理装置。
  7. 前記第1レベル補正手段が、前記音楽信号の信号レベルに第1補正係数を乗じる第1補正係数乗算手段と、
    前記第1補正係数を乗じた信号レベルにさらに第2補正係数を乗じる第2補正係数乗算手段と、
    前記第1補正係数を乗じた信号レベルと予め定めた目標値を前記第2補正係数で除した値との差が0になるように前記第1補正係数を補正する係数補正手段とを有することを特徴とする請求項6記載のデジタル信号処理装置。
  8. 前記音楽信号から所定周波数帯のみを抽出して該抽出した所定周波数帯の音楽信号を前記第1レベル補正手段に供給する第1抽出手段と、
    前記倍音成分を発生させた音楽信号から前記所定周波数帯を除去して倍音成分のみを抽出する第2抽出手段と、
    前記音楽信号に前記第2レベル補正手段によりレベル補正された前記倍音成分を加算する加算手段とを備えたことを特徴とする請求項6又は7項記載のデジタル信号処理装置。
  9. 音楽信号のデジタル処理を行うデジタル信号処理装置において、
    前記音楽信号の所定値を越える信号レベルを前記所定値に抑制して前記音楽信号に倍音成分を発生させる倍音発生手段と、
    前記音楽信号から所定周波数帯のみを抽出して該抽出した所定周波数帯の音楽信号を前記倍音発生手段に供給する第1抽出手段と、
    前記倍音成分を発生させた音楽信号から前記所定周波数帯を除去して倍音成分のみを抽出する第2抽出手段と、
    前記音楽信号に前記第2抽出手段により抽出された前記倍音成分を加算する加算手段とを備えたことを特徴とするデジタル信号処理装置。
  10. 音楽信号に倍音成分を発生させる倍音生成方法において、
    前記音楽信号の信号レベルが所定値を越えるように前記音楽信号の信号レベルに補正係数を乗じてレベル補正を行った後に、
    前記音楽信号の所定値を越える信号レベルを前記所定値に抑制して倍音成分を発生させ、
    前記倍音成分を発生させた前記音楽信号の信号レベルに(1/前記補正係数)を乗じてレベル補正を行うことを特徴とする倍音生成方法。
  11. 音楽信号に倍音成分を発生させる倍音生成方法において、
    前記音楽信号から所定周波数帯のみを抽出して、
    該抽出した所定周波数帯の音楽信号に対して倍音成分を発生させ、
    前記倍音成分を発生させた前記音楽信号から前記所定周波数帯を除去して前記倍音成分のみを抽出し、
    前記音楽信号に前記抽出した倍音成分を加算することを特徴とする倍音生成方法。
JP2008509782A 2006-03-30 2007-03-27 デジタル信号処理装置及び倍音生成方法 Expired - Fee Related JP4787316B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008509782A JP4787316B2 (ja) 2006-03-30 2007-03-27 デジタル信号処理装置及び倍音生成方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006093092 2006-03-30
JP2006093092 2006-03-30
JP2008509782A JP4787316B2 (ja) 2006-03-30 2007-03-27 デジタル信号処理装置及び倍音生成方法
PCT/JP2007/056442 WO2007116755A1 (ja) 2006-03-30 2007-03-27 倍音生成装置、デジタル信号処理装置及び倍音生成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2007116755A1 true JPWO2007116755A1 (ja) 2009-08-20
JP4787316B2 JP4787316B2 (ja) 2011-10-05

Family

ID=38581052

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008509782A Expired - Fee Related JP4787316B2 (ja) 2006-03-30 2007-03-27 デジタル信号処理装置及び倍音生成方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US7847176B2 (ja)
EP (1) EP2012302A1 (ja)
JP (1) JP4787316B2 (ja)
WO (1) WO2007116755A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009116150A1 (ja) 2008-03-19 2009-09-24 パイオニア株式会社 倍音生成装置、音響装置及び倍音生成方法
JP2013019930A (ja) * 2011-07-07 2013-01-31 Rohm Co Ltd 高域補完装置および音声信号処理システム
JP2013239973A (ja) * 2012-05-16 2013-11-28 Yamaha Corp 音声信号の倍音付加装置
JP7262580B2 (ja) * 2018-11-16 2023-04-21 ディラック、リサーチ、アクチボラグ オーディオシステムにおける倍音の生成

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS543724B2 (ja) 1973-12-29 1979-02-26
JPS5939327B2 (ja) * 1977-06-10 1984-09-22 トヨタ自動車株式会社 車輌の懸架装置における着氷防止プロテクタ
JPS62146313A (ja) * 1985-12-19 1987-06-30 Penta Ocean Constr Co Ltd 水中設置物基部の洗掘防止工法
JPS62146313U (ja) 1986-03-06 1987-09-16
JP3149459B2 (ja) 1991-06-03 2001-03-26 カシオ計算機株式会社 ディストーション回路
JP3151001B2 (ja) 1991-06-28 2001-04-03 パイオニア株式会社 倍音発生器
TW343417B (en) 1996-05-08 1998-10-21 Philips Eloctronics N V Circuit, audio system and method for processing signals, and a harmonics generator
KR20000069914A (ko) * 1997-11-07 2000-11-25 요트.게.아. 롤페즈 오디오 신호 처리 회로를 구비하는 오디오 시스템
WO2000014998A1 (en) * 1998-09-08 2000-03-16 Koninklijke Philips Electronics N.V. Means for bass enhancement in an audio system
US8023673B2 (en) * 2004-09-28 2011-09-20 Hearworks Pty. Limited Pitch perception in an auditory prosthesis
JP4158941B2 (ja) * 2004-05-13 2008-10-01 パイオニア株式会社 音響システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP4787316B2 (ja) 2011-10-05
US7847176B2 (en) 2010-12-07
WO2007116755A1 (ja) 2007-10-18
EP2012302A1 (en) 2009-01-07
US20090165635A1 (en) 2009-07-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101310231B1 (ko) 저음 증강 장치 및 방법
KR101329308B1 (ko) 오디오 신호의 저주파 성분 보강 방법 및 그 장치, 오디오신호의 기본 주파수 계산 방법 및 그 장치
JP4983694B2 (ja) 音声再生装置
JP4787316B2 (ja) デジタル信号処理装置及び倍音生成方法
JPWO2009004718A1 (ja) 楽音強調装置、楽音強調方法、楽音強調プログラムおよび記録媒体
JP2008072600A (ja) 音響信号処理装置、音響信号処理プログラム、音響信号処理方法
JP4224807B2 (ja) 音声信号処理装置及び音声信号処理コンピュータプログラム
JP4852612B2 (ja) 倍音生成装置及び倍音生成方法
WO2009116150A1 (ja) 倍音生成装置、音響装置及び倍音生成方法
US20190074805A1 (en) Transient Detection for Speaker Distortion Reduction
JP5103606B2 (ja) 信号処理装置
US8195317B2 (en) Data reproduction apparatus and data reproduction method
JP5671823B2 (ja) 高調波生成方法、高調波生成装置、及び、プログラム
JP2007282089A (ja) オーディオ信号処理装置,オーディオ信号処理方法,プログラムおよび記憶媒体
WO2013024508A1 (ja) 音声処理装置、再生装置、音声処理方法およびプログラム
JP2007272057A (ja) オーディオ信号処理装置,オーディオ信号処理方法,プログラムおよび記憶媒体
JP2006267790A (ja) 高音増強装置
JP6511988B2 (ja) デジタル音声処理装置、デジタル音声処理方法、デジタル音声処理プログラム
JP6603725B2 (ja) 音声信号生成装置、音声信号生成方法、及び、プログラム
JP2005106933A (ja) 量子化ビット拡張処理装置及び量子化ビット拡張処理プログラム
JP6226166B2 (ja) 音響再生装置
JPH10187190A (ja) 音響信号処理方法及び音響信号処理装置
JP2007089029A (ja) 音響信号圧縮装置および音響信号圧縮プログラム
KR20120023519A (ko) 출력음향신호에 따라 필터의 계수를 적응적으로 조정하는 음향 신호 재생 방법 및 장치
JP2002111498A (ja) デジタルアッテネータ回路

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110301

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110425

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110712

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110714

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140722

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees