JP2005106933A - 量子化ビット拡張処理装置及び量子化ビット拡張処理プログラム - Google Patents

量子化ビット拡張処理装置及び量子化ビット拡張処理プログラム Download PDF

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Abstract

【目的】 量子化ビット拡張処理装置及びコンピュータの量子化ビット拡張処理プログラムを提供する。
【構成】 Aビットデータのサンプリング毎のレベルの差分値を抽出し、所定数サンプリング時間にわたって差分値ゼロが連続した時点を無変化点として抽出する抽出手段と、連続して4点抽出した時点でこれら抽出点の波形変化形態パターンを生成する手段と、全波形変化形態パターンのテーブルから該当パターンを抽出する手段と、予め設定されたBビット(B>A)のコーディング演算処理又は無処理の一つに振り分ける処理振り分け手段と、Bビットコーディング演算処理手段と、各ポイントにおけるBビットデータ値のAビットスケールでの剰余を算出し、前後各所定数のポイントの剰余との剰余平均を算出し、元のBビットデータの変化パターンとの適合性を判定して適合的に平均値化処理を行う手段として機能させる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、圧縮されたデジタルオーディオ信号又はデジタルビジュアル信号やCD等の圧縮されていないデジタルオーディオ信号の量子化ビット数をコンピュータにおいてソフトウェアプロセスのみによって元のアナログ信号を可及的に忠実に再現するように拡張するためのプログラムに関する。
デジタルオーディオ信号やデジタルビジュアル信号の圧縮されたデジタルデータは多くの情報量が欠落しており、品質の改善が求められている。また、CDの16ビットデジタルデータのような一般的なデジタルデータのHiFiレベルへの品質改善も強く要請されている。
この点、所謂ハイビット方式のような量子化ビット数16の16ビットデジタルデータをより大きな20ビットデジタルデータに変換するためのデジタル信号処理回路は既に実現している。つまり、DAコンバータ等の専用LSIの追加といった新たなハードウェアによって量子化ビット数をAビットからBビット(B>A)のデジタルデータに拡張するデジタル信号処理回路はある(例えば、特許文献1又は特許文献2参照。)。
特開平9−64750号公報
特開平10−242859号公報
ところが、上記従来技術では、デジタル信号の品質改善のための量子化ビット数の拡張を行う際には、別途新たなハードウェアが必要であり、それなりの動作環境を用意しなければならなかった。
この点、例えば量子化ビット数の拡張を新たなハードウェア(LSI等)の追加なしにソフトウェアのみの追加によって実現することができれば、既存のパーソナルコンピュータ(以下、PCとも略する。)、デジタルオーディオシステム、デジタルオーディオビジュアルシステム等に対して、量子化ビット数の拡張によるデジタル信号の品質改善が実現できるであろう。しかし、現在のところこのような発想に基づいてコンピュータをデジタル信号データの量子化ビット数の拡張手段として機能させるデジタル信号処理プログラムは無い。
即ち、マイクロコンピュータのCPU或いは信号処理LSI(DSP;デジタルシグナルプロセッサ)による演算処理のみで、新たなハードウェア(LSI等)の追加なしに量子化ビット数の拡張を実現するデジタル信号処理プログラムや装置は無い。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、ハードウェアによらずにソフトウェアのみによってコンピュータを一般的なデジタルデータのHiFiレベルへの品質改善のための量子化ビット拡張処理手段として機能させることを目的とする処理プログラム及び装置を提供するものである。
本発明は、上記課題を達成するために、
(1)量子化ビット数Aのデジタル信号のAビットデータのサンプリング毎のデータレベルの差分値を取ることによって、その正負を生じた時点を正負変化点として抽出するとともに、所定数サンプリング時間にわたって差分値ゼロが連続した時点を無変化点として抽出するAビットデータ波形変化点抽出手段と、
前記正負変化点及び無変化点のうちの少なくとも一方を連続して所定数抽出した時点でこれら抽出点の波形変化形態パターンを生成する手段と、
予めメモリ装置に記録された全波形変化形態パターンのテーブルから前記生成された波形変化形態パターンに該当するパターンを抽出する手段と、
前記抽出された波形変化形態パターンに対する処理を、前記全波形変化形態パターンと対応して予め設定されている量子化ビット数AからBビット(B>A)への複数のコーディング演算処理又は無処理の一つに振り分ける処理振り分け手段と、
量子化ビット数AビットからBビットへの前記振り分けられたコーディング演算処理を行う手段と、
前記コーディング演算処理の後のBビットデジタル波形において、各サンプリングポイントにおけるBビットデータ値のAビットスケールでの剰余を算出し、算出された当該サンプリングポイントの剰余と近接する前後各所定個数のサンプリングポイントの剰余との剰余平均を算出し、算出された前記剰余平均で補正したBビットデータ値と前記Bビットデジタル波形の当該サンプリングポイントでの変化パターンとの適合性を所定条件で判定して、適合する場合は前記剰余平均で補正したBビットデータ値を当該サンプリングポイントのBビットデータ値として生成し、適合しない場合は前記剰余演算処理の前のBビットデータ値をそのままBビットデータ値とする平均値化処理を行う手段と、を備えることを特徴とする量子化ビット拡張処理装置を提供する。
(2)また、コンピュータを、
量子化ビット数Aのデジタル信号のAビットデータのサンプリング毎のデータレベルの差分値を取ることによって、その正負を生じた時点を正負変化点として抽出するとともに、所定数サンプリング時間にわたって差分値ゼロが連続した時点を無変化点として抽出するAビットデータ波形変化点抽出手段と、
前記正負変化点及び無変化点のうちの少なくとも一方を連続して所定数抽出した時点でこれら抽出点の波形変化形態パターンを生成する手段と、
予めメモリ装置に記録された全波形変化形態パターンのテーブルから前記生成された波形変化形態パターンに該当するパターンを抽出する手段と、
前記抽出された波形変化形態パターンに対する処理を、前記全波形変化形態パターンと対応して予め設定されている量子化ビット数AからBビット(B>A)への複数のコーディング演算処理又は無処理の一つに振り分ける処理振り分け手段と、
量子化ビット数AビットからBビットへの前記振り分けられたコーディング演算処理を行う手段と、
前記コーディング演算処理の後のBビットデジタル波形において、各サンプリングポイントにおけるBビットデータ値のAビットスケールでの剰余を算出し、算出された当該サンプリングポイントの剰余と近接する前後各所定個数のサンプリングポイントの剰余との剰余平均を算出し、算出された前記剰余平均で補正したBビットデータ値と前記Bビットデジタル波形の当該サンプリングポイントでの変化パターンとの適合性を所定条件で判定して、適合する場合は前記剰余平均で補正したBビットデータ値を当該サンプリングポイントのBビットデータ値として生成し、適合しない場合は前記剰余演算処理の前のBビットデータ値をそのままBビットデータ値とする平均値化処理を行う手段として機能させるための量子化ビット拡張処理プログラムを提供する。
本発明に係るデジタル信号の量子化ビット拡張処理装置及び量子化ビット拡張処理プログラムは、上記のように構成されているため、PCその他のハードウェアにおけるコンピュータ(マイクロコンピュータ、DSP等)のソフトウェアの変更のみで、高品質化を実現するデジタル信号処理(量子化ビット拡張処理)が行われるため、新たなハードウェアは不要である。
したがって、PCやオーディオシステム、オーディオビジュアルシステムでの動作環境そのままで圧縮デジタルデータ等の品質改善等を行うことが可能となる。
また、量子化ビット拡張後のデジタルデータ波形の平均値化処理によって、元のアナログ信号に対する忠実度が高いデジタルデータ波形が出力される。
本発明に係る量子化ビット拡張処理装置及び量子化ビット拡張処理プログラムの実施の形態について図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の量子化ビット拡張処理プログラムを実行するパーソナルコンピュータ(PC)における量子化ビット拡張処理装置の構成例である。
図2は、本発明の量子化ビット拡張処理プログラムを実行する量子化ビット拡張処理装置の構成例である。
図3は、本発明のAビットデジタルデータをBビットデジタルデータ(B>A)に量子化ビット拡張処理を行うソフトウェアのフローチャートである。
図4は、本発明のAビットからBビット(B>A)に量子化ビット拡張処理を行う手段を説明するためのデジタル信号波形の例である。
図5は、本発明における全波形変化形態パターンのテーブルである。
図6は、本発明における基本的な波形変化形態パターン数例とそのコーディング演算処理の対応を示した図である。
図7は、本発明の量子化ビット拡張処理前の16ビットデジタルデータ波形と、その24ビットへの量子化ビット拡張処理後のデータ波形実測図である。
図8は、本発明の平均値化処理のフローチャート例である。
図9は、本発明の平均値化処理における剰余平均による補正に適合性がある場合の例を説明する図である。
図10は、本発明の平均値化処理における剰余平均による補正に適合性がない場合の例を説明する図である。
図11は、本発明の平均値化処理における剰余平均による補正を行わない例外処理の4パターンの場合と仮に平均値化処理を行った場合の結果を示す図である。
図12は、量子化ビット拡張処理後の平均値化処理における(a)例外処理を容れない場合(例外処理OFF)と、(b)例外処理を行った場合(例外処理ON)のビットデータ波形を示すグラフである。
図1に示されるように、本発明の量子化ビット拡張処理装置(ハードウェア)の実施の形態は、量子化ビット拡張を新たなハードウェア(LSI)の追加なしに処理プログラムの追加のみでPC2のCPU4によるソフトウェアプロセスとしてのデジタルオーディオ信号データの演算処理で実現するものである。
即ち、PC2は既存のプログラム実行によってCD−ROMやDVD−ROM等の記録媒体1に記録されているデジタルデータを読み込むか若しくは一旦HDD3に書き込み、次に、そのAビットデジタルデータ及びHDD3に記録されている当該量子化ビット拡張処理プログラムをメモリ5にロードし、さらにCPU4で前記デジタルデータに当該量子化ビット拡張処理プログラム実行によるコーディング演算処理を施して量子化ビット拡張処理による高品質化を図り、最後に高品質化したデジタルデータをインターフェース7を介してオーディオアウト(Audio Out)8からアナログオーディオ信号としてスピーカ9から出力する構成である。
勿論、本発明の量子化ビット拡張処理装置は、上記PC2をハードウェアとする以外にも、図2に示されるようなSPDIF等のデジタルインターフェース11と信号処理LSI(DSP;デジタルシグナルプロセッサ等)12及びDAC(Digital to Analog Converter)13を搭載したアンプ部14とスピーカ9等を備えるデジタルオーディオシステム20或いはデジタルオーディオビジュアルシステムでもよく、それらに搭載されているコンピュータ(DSPを含む。)のCPUに対して当該量子化ビット拡張処理プログラム実行によるコーディング演算処理を施すことで実現できる。即ち、先ずCDプレーヤ等の再生機器15にてCD等の記録媒体に記録されているデジタルデータを読み込み、該デジタルデータをSPDIF11等のデジタルインターフェイスを介してDACの前段に装備する信号処理LSI12に入力する。そして前記信号処理LSI12にて信号処理した後、DAC13にてアナログデータに変換し、スピーカ9から出力する構成である。
次に、本発明の量子化ビット拡張処理プログラムの処理内容につき、図1に示されるような上記PC2によるAビットデジタルデータをBビットデジタルデータ(B>A)に量子化ビット拡張処理を行うソフトウェアのプロセスを詳述する。なお、図3のフローの(イ)〜(ヌ)の処理手順は以下の(イ)〜(ヌ)に対応する。また、量子化ビット拡張の例としては、サンプリング周波数44.1KHzのCDのような16ビットデータからDVDオーディオのような24ビットデータへの拡張が典型的であり、本実施の形態もこれを念頭に説明する。
先ず、(イ)既存のプログラムでメモリ装置5から読み込んだAビットデジタルデータが、(ロ)圧縮データか否かを判定し、(ハ)圧縮データであればデコード処理をした後、圧縮データでなければそのまま本発明の量子化ビット拡張処理プログラムの処理フロー10に入る。
次に、本量子化ビット拡張処理プログラムは、PC2のCPU4を、(ニ)量子化ビット数Aのデジタルデータのサンプリング毎のデータレベルの差分値((差分値)=(現サンプリングのデータレベル)−(前回のサンプリングのデータレベル))を取ることによって、その正又は負を生じた時点を正変化点又は負変化点として抽出するとともに、所定数サンプリング時間(例えば16サンプリング)にわたって差分値ゼロが連続した時点を無変化点として抽出するAビットデータ波形変化点抽出手段として機能させる。
次に、(ホ)前記正負変化点及び無変化点のうちの少なくとも一方を連続して4点抽出した時点で、これら4点の抽出点の波形変化形態パターンを生成する手段として機能させ、次に、(ヘ)予め前記メモリ装置5に記録された図5に示されるような全ての波形変化形態パターンのテーブルから前記生成された波形変化形態パターンに該当するパターンを抽出する手段として機能させ、次に、(ト)前記抽出された波形変化形態パターンに対する処理を、前記全波形変化形態パターンと対応して予め設定されている量子化ビット数AからBビット(B>A)への複数のコーディング演算処理又は無処理の一つに振り分ける処理振り分け手段として機能させ、次に、(チ)振り分けられた量子化ビット数AビットからBビットへのコーディング演算処理を行う手段として機能させ、更に、(リ)前記コーディング演算処理の後に、デジタル波形をスムーズに変化させるエネルギー等価変換の平均値化処理を行う手段として機能させる。
最後に、(ヌ)生成されたBビットデータ波形はインターフェイス7を介して出力される。
なお、上記(ト)において無処理に振り分けられた場合は、以後の(チ)、(リ)の処理は行わない。
上記(ニ)の処理は、例えば図4におけるAビットデータ波形(点線波形)のレベルが変化した点(番号1、2、3、4)を抽出することを意味し、番号1はレベルが1LSB上がっているので正変化点、番号2は4サンプリング後にレベルが1LSB上がっているので正変化点、番号3は5サンプリング後に1LSB上がっているので正変化点、番号4は3サンプリング後に1LSB下がっているので負変化点として抽出される。また、16サンプリング経過しても変化せずレベルが一定の場合はその時点で無変化点として抽出する。換言すれば、必ず16サンプリング期間の間に一回は変化点乃至無変化点を抽出するのである。この無変化点を何時抽出するかはデジタルオーディオ信号の実態に則して適宜設定されるべきものである。本実施の形態では44.1KHzのサンプリング周波数における16サンプリングの時間経過で無変化であれば無変化点として抽出するに適当であると考察している。
上記(ホ)の処理は、(ニ)でのAビットデータ波形変化点を4つ抽出した時点で、それぞれの変化点が正変化点もしくは負変化点もしくは無変化点であるかによってAビットデータ波形1〜4区間の波形変化形態パターンとみなす。例えば図4の波形の抽出された4点の場合は、(正、正、正、負)という波形変化形態パターンを生成する。
上記(へ)の処理は、(ホ)で生成した波形変化形態パターンを図5の波形変化形態パターンテーブルから抽出する処理である。4つの変化点に対して、それぞれ3変化(正、負、無変化(以下、無と略記する。))が存在する為、3の4乗で全81パターン存在することになる。図5中の1〜4の抽出点で正変化点は上矢印、負変化点は下矢印、無変化区間は×で表されている。
上記(ト)の処理は、(ヘ)で抽出した波形変化形態パターンを処理内容別に振り分ける。この振り分けられる処理内容は、各波形変化形態パターンに対応してどのようなBビットのコーディング演算処理をどの区域で行うのかが予め決められている。図5の全81個の波形変化形態パターンのテーブルにおいて、斜め線の入った領域(変化点2〜3間の区間又は変化点1と2の間から変化点3と4の間の区間)がコーディング演算処理を表している。このコーディング演算処理には、(0)凸処理、(1)凹処理、(2)直線処理、(3)前半直線処理、(4)後半直線処理の5種がある。尤も、波形変化形態パターンによってはコーディング演算処理をしない無処理に振り分けられる場合も少なくない。例えば図5のNo.80(無、無、無、無)、No.24(正、無、無、負)等のパターンは無処理である。また、無変化点を含まない16個のパターン(No.0、1、3、4、9、10、12、13、27、28、30、31、36、37、39、40)は基本波形パターンとして、これらのコーディング演算処理は前コーディング演算処理又は前々コーディング演算処理の内容に依存させて、複数のコーディング演算処理(無処理を含む)の一つに振り分けている。例えば、図6に示された以下の(例1)〜(例4)のように判断する。
(例1)波形パターンNo.0(正、正、正、正)では、(a)前コーディングが凸処理をしていた場合にはコーディング演算処理を行わず、(b)前コーディングが直線処理をしていた場合には変化点2−3間で直線コーディング演算処理を行う。
(例2)波形パターンNo.1(正、正、正、負)では、(c)前コーディングが凸処理をしていた場合にはコーディング演算処理を行わず、(d)前コーディングが直線処理をしていた場合には変化点2−3間の前半直線コーディング演算処理を行う。
(例3)波形パターンNo.9(正、負、正、正)では、(e)前コーディングが凹処理をしていた場合にはコーディング演算処理を行わず、(f)前コーディングが凸処理をしていた場合には変化点2−3間の後半直線コーディング演算処理を行う。また、(g)前々コーディング演算処理が凹処理をしていた場合には凹コーディング演算処理を行う。
(例4)波形パターンNo.13(正、負、負、負)では、(h)前コーディングが凹処理をしていた場合にはコーディング演算処理を行わず、(i)前コーディングが凸処理をしていた場合には変化点2−3間の後半直線コーディング演算処理を行う。また、(j)前コーディング演算処理が半直線処理をしていた場合には直線コーディング演算処理を行う。
なお、上記基本波形パターン及び他の波形パターンのコーディング演算処理(乃至無処理)の振り分けは、現実の波形変化形態パターンの解析と処理結果の妥当性を実験的乃至経験的に割り出して予め設定される。
上記(チ)の処理は、(ト)で振り分けられたコーディング演算処理を実行する。その演算自身は従来のハードウェアによる手法と変わらない。結果は図4におけるBビットデータ波形(実線波形)で示されるような細かな階段状にAビットデータ波形(点線波形)の品質改善が実現する。
上記(リ)の処理は、(チ)で実行されたコーディング演算処理後のBビットデータ波形では、急激なレベル変化があるAビットデータ波形に対しては好ましいコーディング結果が得られないことから、周波数特性を劣化させる事なくBビットデータ波形をスムーズに変化させるために、エネルギー等価変換に基づく平均値化処理を行うものである。この平均値化処理の具体的内容については別途後述する。
最後の(ヌ)の処理で出力された24ビットデータ波形は例えば図7の1KHz、90dB(サンプリング周波数44.1KHz)のデータ波形における右側のsin波形のようになり、左側の元の16ビットデータ波形と比べると格段に品質改善が為されていることが判る。
以上、本発明の量子化ビット拡張処理プログラムによれば、新たなハードウェアの追加なしに既存のハードウェアに対してソフトウェアプロセスのみで圧縮デジタルデータ又は一般の圧縮されていないデジタルデータについて量子化ビット拡張処埋を行える為、低コストでデジタルデータの高品質化を図ることができる。
なお、上記実施の形態における(ホ)の処理は連続する抽出点4点で一つの波形変化形態パターンを生成しているが、この抽出点の数は5点以上であってもよいし(但し、この場合は予めメモリ装置5に記録する全波形変化形態パターンが1点増える毎に×3で増大する。)、更には、抽出点2点若しくは3点で波形変化形態パターンを生成することも可能である。但し抽出点が2点若しくは3点の場合には、予め記録する全波形変化形態パターン数は少なくなるものの、より望ましい量子化ビット拡張を行うためには、以前の波形変化形態パターンとそのコーディング演算処理の内容に以後の(ト)の処理が大きく依存することになる。即ち、(ト)の振り分け処理における全波形変化形態パターンと対応して予め設定すべき量子化ビット数AからBビット(B>A)への複数のコーディング演算処理又は無処理の場合分けが増大する。以上のことから、一つの波形変化形態パターンを生成するに必要な抽出点数は本実施の形態のように4点、若しくは5点程度が妥当である。
本発明の量子化ビット拡張処理プログラムが特に有効に機能する場合は、聴覚上、レベル変化の微妙な上下変動が認識される得る程度の小さな音が比較的長く続く場合であり、特に音量変化の緩やかな時間が多いクラシック音楽のデジタルオーディオデータに対して有益である。
最後に、前記(リ)の平均値化処理については、デジタル信号処理においてAビットデジタル信号をBビットデジタル信号(B>A)に量子化ビット拡張演算後、周波数特性を劣化させる事なく滑らかな波形整形を行う為には、元のアナログ信号を可及的に忠実に再現したBビットデータ波形とすることが肝要である。
このためには、少なくともAビットスケールの1LSB(±0.5LSB)の範囲内のアナログ信号がAビットデジタル信号に量子化されていることに鑑み、量子化ビットが拡張されたBビットデータ波形においても、Aビットスケールの1LSBの範囲内を条件に当該サンプリングポイントでの前後1乃至2点のサンプリングポイントとの平均値化処理を行うことが合理的である。
具体的には、量子化ビット拡張後のBビットデータ波形において、図8のフロー図に示されるように、各サンプリングポイントにおけるBビットデータ値のAビットスケールでの剰余を算出し(ステップ1)、算出された当該サンプリングポイントの剰余と近接する前後各所定個数(好例として前後各1〜2個)のサンプリングポイントの剰余との剰余平均を算出し(ステップ2)、算出された剰余平均を当該サンプリングポイントの剰余としてBビットデータとする。
例えば、図9の(a)に示されるビット波形のようにb点からc点に急激にレベルが階段状に変化するデータ値の場合、第1に、各サンプリングポイントのBビットデータをAビットスケールで剰余を取り、第2に、その剰余を前後1サンプルで平均値演算を行う((B−A)ビットスケール演算)。第3に、剰余平均の演算の結果と元のBビットデジタルデータで演算を行い、Bビットスケールで波形整形を行う。図9の(a)においては、サンプル(サンプリングポイント)b点の前後各1個の計3点のポイントを剰余平均の対象とする場合に、サンプルb点の剰余は1、前のサンプルa点の剰余は1、後のサンプルc点の剰余は4であるから、3点の剰余平均は(1+1+4)/3=2となり、この値2がサンプルb点のAビットスケールの剰余となり、同様にしてサンプルc点の剰余はサンプルb点(剰余=1)、c点(剰余=4)、d点(剰余=4)の剰余平均を求めるとc点の剰余は3となる。結果として、図9の(b)のようにサンプルb点、c点は補正されて全体として滑らかなアナログ波形に忠実なBビットデータ波形となる。
尤も、量子化ビット拡張後のBビットデータ波形のデータによっては上記平均値化処理で意図する滑らかな波形整形を行う事が出来ない場合が発生してしまう。
例えば、図10の(a)のBビットデータ波形のサンプルa点、b点、c点に於いて、b点を決定する際の平均値化処理について考えると、それぞれのAビットスケールにおける剰余は、a点=4、b点=4、c点=1である。この剰余の剰余平均xはx=(4+4+1)/3=3となる。この値xがb点におけるAビットスケールの補正された剰余となるが、この平均値化処理の結果として図10の(b)のBビットデータ波形のように、波形全体の傾きはプラス方向であるにもかかわらず、b点のみがマイナス方向となってしまう不具合が発生する。実際、アナログ信号の急激な変化点においては、1LSB範囲内の平均値化処理が功を奏さない場合がある。
そこで、本発明では、図8の(ステップ3)のように算出された前記剰余平均で補正したBビットデータ値と前記Bビットデジタル波形の当該サンプリングポイントでの変化パターンとの適合性を所定条件で判定し、適合する場合は前記剰余平均で補正したBビットデータ値を当該サンプリングポイントのBビットデータ値として生成し(ステップ4)、適合しない場合は平均値化処理を行わない例外処理(ステップ5)として前記剰余演算処理の前のBビットデータ値をそのままBビットデータ値とする。即ち、Aビットスケールの1LSB範囲内での平均値化処理で、意図する滑らかな波形整形処理を行う事ができない入力データ波形を予め解析して、問題となるデータ波形が入力された際は、平均値化処理を行わないとする例外処理(ステップ5)を設けるのである。
上記例外処理が必要なケースは、前後1点を平均値化処理の対象とする上記平均値化処理の場合は図11に示す(a)〜(d)の4つのケースある。左側が平均値化処理前のBビットデータ波形であり、右側が平均値化処理後のBビットデータ波形である。図11の(a)は、(c−b)値がAビット1LSB以上且つb剰余>a,b,c剰余平均値の場合であり、(b)は(b−a)値がAビット1LSB以上且つb剰余<a,b,c剰余平均値の場合であり、(c)は(b−c)値がAビット1LSB以上且つb剰余<a,b,c剰余平均値の場合であり、(d)は(a−b)値がAビット1LSB以上且つb剰余>a,b,c剰余平均値の場合である。
図8に示されるような(ステップ3)の条件に該当する例外処理の4つのケースは平均値化処理によって却ってアナログ信号波形からずれた特異点(突起)として現れてしまう場合であり、図12の(a)の例外処理を設けない場合と、(b)の例外処理を設けた場合との比較から明らかなように、Bビットデータ波形の滑らかさの点において顕著な差が現れるのである。
なお、平均値化処理における平均値化処理の対象サンプル数を前後各1サンプルの計3点とする場合は上記のように例外処理は4つのケースであるが、サンプル数を増やすと例外処理のケースは増大する。したがって、平均値化処理におけるサンプル数は上記例のように3点或いは前後各2サンプルの5点までとするのが好ましい。
本発明の処理プログラムを実行するハードウェアについて、PCのハードウェア構成例である。 本発明の量子化ビット拡張処理プログラムを実行する量子化ビット拡張処理装置の構成例である。 本発明のAビットデジタルデータをBビットデジタルデータ(B>A)に量子化ビット拡張処理を行うソフトウェアのフローチャートである。 本発明のAビットからBビット(B>A)に量子化ビット拡張処理を行う手段を説明するためのデジタル信号波形の例である。 本発明における全波形変化形態パターンのテーブルである。 本発明における基本的な波形変化形態パターン数例とそのコーディング演算処理の対応を示した図である。 本発明の量子化ビット拡張処理前の16ビットデジタルデータ波形と、その24ビットへの量子化ビット拡張処理後のデータ波形実測図である。 本発明の平均値化処理のフローチャート例である。 本発明の平均値化処理における剰余平均による補正に適合性がある場合の例を説明する図である。 本発明の平均値化処理における剰余平均による補正に適合性がない場合の例を説明する図である。 本発明の平均値化処理における剰余平均による補正を行わない例外処理の4パターンの場合と仮に平均値化処理を行った場合の結果を示す図である。 量子化ビット拡張処理後の平均値化処理における(a)例外処理を容れない場合(例外処理OFF)と、(b)例外処理を行った場合(例外処理ON)のビットデータ波形を示すグラフである。
符号の説明
1 記録媒体
2 パーソナルコンピュータ(PC)
3 HDD
4 CPU
5 メモリ装置
7 インターフェイス
8 オーディオアウト
9 スピーカ
10 量子化ビット拡張処理プログラムの処理フロー
11 デジタルインターフェース
12 信号処理LSI
13 DAC
14 アンプ部
15 再生機器
20 デジタルオーディオシステム
B、A 量子化ビット数

Claims (2)

  1. 量子化ビット数Aのデジタル信号のAビットデータのサンプリング毎のデータレベルの差分値を取ることによって、その正負を生じた時点を正負変化点として抽出するとともに、所定数サンプリング時間にわたって差分値ゼロが連続した時点を無変化点として抽出するAビットデータ波形変化点抽出手段と、
    前記正負変化点及び無変化点のうちの少なくとも一方を連続して所定数抽出した時点でこれら抽出点の波形変化形態パターンを生成する手段と、
    予めメモリ装置に記録された全波形変化形態パターンのテーブルから前記生成された波形変化形態パターンに該当するパターンを抽出する手段と、
    前記抽出された波形変化形態パターンに対する処理を、前記全波形変化形態パターンと対応して予め設定されている量子化ビット数AからBビット(B>A)への複数のコーディング演算処理又は無処理の一つに振り分ける処理振り分け手段と、
    量子化ビット数AビットからBビットへの前記振り分けられたコーディング演算処理を行う手段と、
    前記コーディング演算処理の後のBビットデジタル波形において、各サンプリングポイントにおけるBビットデータ値のAビットスケールでの剰余を算出し、算出された当該サンプリングポイントの剰余と近接する前後各所定個数のサンプリングポイントの剰余との剰余平均を算出し、算出された前記剰余平均で補正したBビットデータ値と前記Bビットデジタル波形の当該サンプリングポイントでの変化パターンとの適合性を所定条件で判定して、適合する場合は前記剰余平均で補正したBビットデータ値を当該サンプリングポイントのBビットデータ値として生成し、適合しない場合は前記剰余演算処理の前のBビットデータ値をそのままBビットデータ値とする平均値化処理を行う手段と、を備えることを特徴とする量子化ビット拡張処理装置。
  2. コンピュータを、
    量子化ビット数Aのデジタル信号のAビットデータのサンプリング毎のデータレベルの差分値を取ることによって、その正負を生じた時点を正負変化点として抽出するとともに、所定数サンプリング時間にわたって差分値ゼロが連続した時点を無変化点として抽出するAビットデータ波形変化点抽出手段と、
    前記正負変化点及び無変化点のうちの少なくとも一方を連続して所定数抽出した時点でこれら抽出点の波形変化形態パターンを生成する手段と、
    予めメモリ装置に記録された全波形変化形態パターンのテーブルから前記生成された波形変化形態パターンに該当するパターンを抽出する手段と、
    前記抽出された波形変化形態パターンに対する処理を、前記全波形変化形態パターンと対応して予め設定されている量子化ビット数AからBビット(B>A)への複数のコーディング演算処理又は無処理の一つに振り分ける処理振り分け手段と、
    量子化ビット数AビットからBビットへの前記振り分けられたコーディング演算処理を行う手段と、
    前記コーディング演算処理の後のBビットデジタル波形において、各サンプリングポイントにおけるBビットデータ値のAビットスケールでの剰余を算出し、算出された当該サンプリングポイントの剰余と近接する前後各所定個数のサンプリングポイントの剰余との剰余平均を算出し、算出された前記剰余平均で補正したBビットデータ値と前記Bビットデジタル波形の当該サンプリングポイントでの変化パターンとの適合性を所定条件で判定して、適合する場合は前記剰余平均で補正したBビットデータ値を当該サンプリングポイントのBビットデータ値として生成し、適合しない場合は前記剰余演算処理の前のBビットデータ値をそのままBビットデータ値とする平均値化処理を行う手段として機能させるための量子化ビット拡張処理プログラム。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011095739A (ja) * 2009-10-01 2011-05-12 Panasonic Corp オーディオ信号処理装置およびオーディオ信号処理方法
EP2372712A3 (en) * 2010-03-03 2015-04-15 Yamaha Corporation Quantization bit rate expansion method and quantization bit rate expansion device
WO2022264663A1 (ja) * 2021-06-18 2022-12-22 株式会社Jvcケンウッド ビット拡張処理装置、ビット拡張処理方法、及びビット拡張処理プログラム

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