本発明は、不良を救済するための冗長回路を有する半導体メモリに関する。
一般に、半導体メモリは、基板中の格子欠陥および製造工程で発生する異物に起因して発生する不良を救済し、歩留を向上するために、冗長回路を有している。具体的には、DRAM等の半導体メモリは、正規のワード線およびビット線に加えて冗長ワード線および冗長ビット線を有している。そして、テスト工程において、メモリセルの不良が検出された場合、不良のワード線またはビット線を冗長ワード線または冗長ビット線に置き換えるために、半導体メモリ上に形成されたヒューズ回路がプログラムされる。冗長回路を使用して不良のメモリセルを救済することで、半導体メモリの歩留は向上する。
ヒューズ回路は、冗長ワード線および冗長ビット線に対応してそれぞれ必要である。さらに、各ヒューズ回路は、不良アドレスをプログラムするために、アドレスのビット毎にヒューズを設ける必要がある。このため、ヒューズ回路は、半導体メモリのチップサイズを増加させる要因になっている。一方、冗長ワード線または冗長ビット線に不良がある場合、対応するヒューズ回路は使用できないため、救済効率は低下する。例えば、特許文献1−2等には、ヒューズ回路の数を少なくすることでチップ面積を削減するとともに、各ヒューズ回路を、複数の冗長ワード線または複数の冗長ビット線に対して使用可能にすることで、救済効率を向上する手法が記載されている。
特開平6−44795号公報
特開2000−11680号公報
上述の手法を採用することにより、不良を救済するために使用する冗長ワード線または冗長ビット線の選択の自由度は高くなり、救済効率は向上する。しかし、ヒューズ回路を所望の冗長ワード線または所望の冗長ビット線に対応させるために、複雑な論理回路が必要である。この結果、回路規模が増加する。さらに、回路の遅延が大きくなると、冗長ワード線または冗長ビット線を使用する時のアクセス時間が長くなり、半導体メモリの性能は低下する。
本発明の目的は、簡易な回路により、半導体メモリの性能および救済効率を低下させることなく不良を救済することである。
本発明の一形態では、セルアレイは、メモリセルおよびメモリセルに接続されたワード線、ビット線を有する。レギュラー冗長線は、不良アドレスがプログラムされる冗長ヒューズ回路にそれぞれ対応して専用に設けられている。リザーブ冗長線は、冗長ヒューズ回路に共通に設けられている。アドレス比較回路は、冗長ヒューズ回路にプログラムされた不良アドレスをアクセスアドレスと比較し、比較結果が一致するときに冗長信号を出力する。スイッチ回路は、選択ヒューズ回路から出力される冗長選択信号に応じて切り替え制御され、対応するレギュラー冗長線またはリザーブ冗長線のいずれかを、冗長信号に応答して有効にする。冗長線をレギュラー冗長線とリザーブ冗長線とに分類することで、簡易なスイッチ回路により、各冗長ヒューズ回路を複数の冗長線のいずれかに対応させることができる。したがって、冗長線を使用するとき(不良の救済時)と、冗長線を使用しないとき(良品)とで、信号の伝搬遅延時間の差を小さくでき、アクセス時間の差を小さくできる。すなわち、簡易な回路により、半導体メモリの性能および救済効率を低下させることなく不良を救済できる。
本発明の別の形態では、メモリコアは、メモリセルと、メモリセルをアクセスするためにドライバにより駆動される制御線と、不良のメモリセルまたは不良の制御線を救済するための複数の冗長制御線とを有する。選択スイッチ回路は、ドライバを冗長制御線のいずれかに選択的に接続する。冗長スイッチ回路は、各ドライバの出力を、冗長ヒューズ回路にプログラムされた不良アドレスに対応する制御線を除く制御線または選択スイッチ回路に接続する。すなわち、この形態では、シフト冗長方式が採用される。選択ヒューズ回路は、選択スイッチ回路の切り替えを制御するための冗長選択信号を出力する。このため、シフト冗長方式を採用する半導体メモリにおいて、簡易な冗長スイッチ回路により、冗長ヒューズ回路を複数の冗長制御線のいずれかに対応させることができる。したがって、冗長線を使用するとき(不良の救済時)と、冗長線を使用しないとき(良品)とで、信号の伝搬遅延時間の差を小さくでき、アクセス時間の差を小さくできる。すなわち、簡易な回路により、半導体メモリの性能および救済効率を低下させることなく不良を救済できる。
簡易な回路により、半導体メモリの性能および救済効率を低下させることなく不良を救済できる。
本発明の第1の実施形態の半導体メモリを示すブロック図である。
図1に示したロウデコーダの詳細を示すブロック図である。
図1に示したコラムデコーダの詳細を示すブロック図である。
図2に示した冗長ワードデコーダおよび図3に示した冗長コラムデコーダの詳細を示す回路図である。
本発明の第2の実施形態の半導体メモリを示すブロック図である。
本発明の第3の実施形態の半導体メモリを示すブロック図である。
本発明の第4の実施形態の半導体メモリを示すブロック図である。
図7に示したロウデコーダの詳細を示すブロック図である。
図7に示したコラムデコーダの詳細を示すブロック図である。
本発明の第5の実施形態の半導体メモリを示すブロック図である。
図10に示したロウデコーダの詳細を示すブロック図である。
図10に示したコラムデコーダの詳細を示すブロック図である。
本発明の第6の実施形態の半導体メモリを示すブロック図である。
本発明の第7の実施形態の半導体メモリを示すブロック図である。
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。図中、太線で示した信号線は、複数本で構成されている。また、太線が接続されているブロックの一部は、複数の回路で構成されている。信号が伝達される信号線には、信号名と同じ符号を使用する。図中の二重丸は、外部端子を示している。
図1は、本発明の第1の実施形態の半導体メモリを示している。半導体メモリMEMは、例えば、ダイナミックメモリセルを有するDRAMである。メモリMEMは、コマンド入力部10、アドレス入力部12、データ入出力部14、冗長ヒューズ部16、18、アドレス比較部20、22、アレイ制御部24、選択ヒューズ部26、28およびメモリコア24を有している。
コマンド入力部10は、コマンド端子CMDに供給されるコマンドCMD(外部アクセスコマンド)を受け、受けたコマンドCMDをアレイ制御部24に出力する。この実施形態では、読み出しコマンド、書き込みコマンドおよびリフレッシュコマンドが、コマンドCMDとしてコマンド入力部10に供給される。
アドレス入力部12は、アドレス端子ADに供給される外部アドレスADを受け、受けた外部アドレスADをロウアドレスRAD(上位アドレス)およびコラムアドレスCAD(下位アドレス)としてメモリコア30に出力する。外部アドレスADは、アクセスするメモリセルMCを示す。ロウアドレスRADは、ワード線WLを選択するために使用される。コラムアドレスCADは、ビット線BL、/BLを選択するために使用される。ロウアドレスRADおよびコラムアドレスCADは、アドレス端子ADに同時に供給される。
データ入出力部14は、読み出し動作時にデータバスDBを介してメモリコア30から出力される読み出しデータをデータ端子DT(DT0−7)に出力し、書き込み動作時にデータ端子DTで受ける書き込みデータを、データバスDBを介してメモリコア30に出力する。データ端子DTは、読み出しデータおよび書き込みデータに共通の端子である。
冗長ヒューズ部16は、不良のワード線WLを示す冗長ロウアドレスRRAD1−2をそれぞれプログラムするための2つの冗長ヒューズ回路17を有している。冗長ヒューズ部18は、不良のビット線対BL、/BLを示す冗長コラムアドレスRCAD1−2をそれぞれプログラムするための2つの冗長ヒューズ回路19を有している。このため、この実施形態のメモリMEMは、最大4つの不良を救済できる。
アドレス比較部20は、アドレス端子ADで受けるロウアドレスRADと冗長ロウアドレスRRAD1−2とをそれぞれ比較するためのアドレス比較回路21を有している。アドレス比較回路21は、比較結果が一致するときに、ロウ冗長信号RRED1−2をそれぞれ活性化する。アドレス比較部22は、アドレス端子ADで受けるコラムアドレスCADと冗長コラムアドレスRCAD1−2とをそれぞれ比較するためのアドレス比較回路23を有している。アドレス比較回路22は、比較結果が一致するときに、コラム冗長信号CRED1−2をそれぞれ活性化する。
アレイ制御部24は、メモリコア30のアクセス動作を実行するために、コマンドCMDに応答してセルアレイARYをアクセスするための制御信号CNTを出力する。制御信号CNTとして、ワード線WLの選択するためのワード線制御信号WLZ、センスアンプSAを活性化するためのセンスアンプ制御信号SAZ、コラムスイッチを選択するためのコラム線制御信号CLZ、ビット線BL、/BLをプリチャージするためのプリチャージ制御信号PREZ等がある。
選択ヒューズ部26は、後述する図2に示すレギュラー冗長ワード線RWL1−2をリザーブ冗長ワード線RSVWLに置き換えるか否かをそれぞれプログラムするための選択ヒューズ回路27を有している。選択ヒューズ回路27は、プログラム状態に応じてロウ冗長選択信号RSEL1−2をそれぞれ出力する。
選択ヒューズ部28は、後述する図3に示すレギュラー冗長コラム線RCL1−2をリザーブ冗長コラム線RSVCLに置き換えるか否かをそれぞれプログラムするための選択ヒューズ回路29を有している。選択ヒューズ回路29は、プログラム状態に応じてコラム冗長選択信号CSEL1−2をそれぞれ出力する。
メモリコア30は、ロウデコーダRDEC、コラムデコーダCDEC、センスアンプSA、コラムスイッチCSW、リードアンプRA、ライトアンプWAおよびセルアレイARYを有している。セルアレイARYは、ダイナミックメモリセルMCと、ダイナミックメモリセルMCに接続されたワード線WLおよびビット線対BL、/BLを有している。メモリセルMCは、ワード線WLとビット線対BL、/BLとの交差部分に形成される。
また、セルアレイARYは、冗長メモリセルRMCと、冗長メモリセルRMCに接続された3本の冗長ワード線RWL(図2に示すRWL1−2、RSVWL)および3組の冗長ビット線対RBL、/RBL(図3に示すRCL1−2、RSVCLに対応するビット線)を有している。図では、冗長ビット線対RBL、/RBLを1本の信号線により表している。冗長メモリセルRMCは、冗長ワード線RWLとビット線対BL、/BL、RBL、/RBLとの交差部分、および冗長ビット線対RBL、/RBLとワード線WL、RWLとの交差部分に形成される。
ロウデコーダRDECは、ロウ冗長信号RRED1−2の非活性化中に、アクセスコマンドCMDに応答してロウアドレスRADをデコードし、ワード線WLのいずれかを選択する。ロウデコーダRDECは、ロウ冗長信号RRED1−2のいずれかの活性化中に、ロウアドレスRADのデコードを禁止し、冗長ワード線RWLの少なくともいずれかを、ロウ冗長選択信号RSEL1−2の論理レベルに応じて選択する。
コラムデコーダCDECは、コラム冗長信号CRED1−2の非活性化中に、アクセスコマンドCMDに応答してコラムアドレスCADをデコードし、データ端子DTのビット数に対応する8組のビット線対BL、/BLを選択する。コラムデコーダCDECは、コラム冗長信号CRED1−2のいずれかの活性化中に、コラムアドレスCADのデコードを禁止し、冗長ビット線対RBL、/RBLの少なくとも1組を、コラム冗長選択信号CSEL1−2の論理レベルに応じて選択する。
センスアンプSAは、ビット線対BL、/BLに読み出されたデータ信号の信号量の差を増幅する。コラムスイッチCSWは、コラムアドレスCADに応じて、ビット線BL、/BLをデータバス線DBに接続する。
リードアンプRAは、読み出し動作時に、コラムスイッチCSWを介して出力される相補の読み出しデータを増幅する。ライトアンプWAは、書き込み動作時に、データバスDBを介して供給される相補の書き込みデータを増幅し、ビット線対BL、/BLに供給する。
図2は、図1に示したロウデコーダRDECの詳細を示している。ロウデコーダRDECは、ロウアドレスRADをデコードするロウアドレスデコーダRADEC、ワード線WLに高レベル電圧をそれぞれ供給するためのワードドライバWDRV、レギュラー冗長ワード線RWL1−2およびリザーブ冗長ワード線RSVWLに高レベル電圧を供給するための冗長ワードドライバRWDRVを有している。
ワードドライバWDRV、RWDRVは、ワード線制御信号WLZに同期して動作し、アクセスされるワード線WL、レギュラー冗長ワード線RWL1−2、リザーブ冗長ワード線RSVWLのいずれかを、所定の期間高レベルに変化させる。冗長ワード線RWL1−2、RSVWLのいずれかが使用される場合、不良のワード線WLに対するアクセスコマンドCMDに応答してロウ冗長信号RRED1−2の少なくともいずれかが活性化される。ワードドライバWDRVは、ロウ冗長信号RRED1−2の活性化中に非活性化され、ワード線WLのドライブ動作を停止する。
冗長ワードドライバRWDRVは、ロウ冗長信号RRED1の活性化に応答して、レギュラー冗長ワード線RWL1またはリザーブ冗長ワード線RSVWLのいずれかに高レベル電圧を供給する。また、冗長ワードドライバRWDRVは、ロウ冗長信号RRED2の活性化に応答して、レギュラー冗長ワード線RWL2またはリザーブ冗長ワード線RSVWLのいずれかに高レベル電圧を供給する。レギュラー冗長ワード線RWL1−2のいずれかに不良が存在する場合、図1に示した選択ヒューズ回路27のいずれかがプログラムされ、低論理レベルのロウ冗長選択信号RSEL1またはRSEL2が出力される。
ロウ冗長選択信号RSEL1が低論理レベルのときに、不良のレギュラー冗長ワード線RWL1の活性化は禁止され、リザーブ冗長ワード線RSVWLの活性化が許可される。ロウ冗長選択信号RSEL2が低論理レベルのときに、不良のレギュラー冗長ワード線RWL2の活性化は禁止され、リザーブ冗長ワード線RSVWLの活性化が許可される。このように、冗長ワードドライバRWDRVは、ロウ冗長選択信号RSEL1−2に応答して、対応するレギュラー冗長ワード線RWL1−2またはリザーブ冗長ワード線RSVWLのいずれかを有効にするスイッチ回路の機能を有している。そして、不良のワード線WLの代わりに冗長ワード線RWL1−2、RSVWLを用いてアクセス動作が実行され、セルアレイARYの不良が救済される。
図3は、図1に示したコラムデコーダCDECの詳細を示している。コラムデコーダCDECは、コラムアドレスCADをデコードするコラムアドレスデコーダCADEC、コラム線CLに高電圧レベルをそれぞれ供給するためのコラムドライバCDRV、レギュラー冗長コラム線RCL1−2およびリザーブ冗長コラム線RSVCLに高レベル電圧を供給するための冗長コラムドライバRCDRVを有している。コラム線CLは、ビット線対BL、/BLに接続されたコラムスイッチCSWに接続され、レギュラー冗長コラム線RCL1−2およびリザーブ冗長コラム線RSVCLは、冗長ビット線対RBL、/RBLに接続された冗長コラムスイッチCSWに接続されている。
コラムドライバCDRVは、コラム線制御信号CLZに同期して動作し、コラムスイッチCSWのオン/オフを制御するコラム線CLのいずれかを所定の期間高レベルに変化させる。コラムドライバRCDRVは、コラム線制御信号CLZに同期して動作し、冗長コラムスイッチCSWのオン/オフを制御するレギュラー冗長コラム線RCL1−2およびリザーブ冗長コラム線RSVCLのいずれかを、所定の期間高レベルに変化させる。
冗長コラム線RCL1−2、RSVCLのいずれかが使用される場合、不良のビット線対BL、/BLまたはコラム線CLに対するアクセスコマンドCMDに応答してコラム冗長信号CRED1−2の少なくともいずれかが活性化される。コラムドライバCDRVは、コラム冗長信号CRED1−2の活性化中に非活性化され、コラム線CLのドライブ動作を停止する。
冗長コラムドライバRCDRVは、コラム冗長信号CRED1の活性化に応答して、レギュラー冗長コラム線RCL1またはリザーブ冗長コラム線RSVCLのいずれかに高レベル電圧を供給する。また、冗長コラムドライバRCDRVは、コラム冗長信号CRED2の活性化に応答して、レギュラー冗長コラム線RCL2またはリザーブ冗長コラム線RSVCLのいずれかに高レベル電圧を供給する。冗長コラム線RCL1−2のいずれかに不良が存在する場合、図1に示した選択ヒューズ回路29のいずれかがプログラムされ、低論理レベルのコラム冗長選択信号CSEL1またはCSEL2が出力される。
コラム冗長選択信CSEL1が低論理レベルのとき、不良のレギュラー冗長コラム線RCL1の活性化は禁止され、リザーブ冗長コラム線RSVCLの活性化が許可される。コラム冗長選択信CSEL2が低論理レベルのとき、不良のレギュラー冗長コラム線RCL2の活性化は禁止され、リザーブ冗長コラム線RSVCLの活性化が許可される。このように、冗長コラムドライバRCDRVは、コラム冗長信号CRED1−2に応答して、対応するレギュラー冗長コラム線RCL2またはリザーブ冗長コラム線RSVCLのいずれかを有効にするスイッチ回路の機能を有している。そして、不良のコラム線CLの代わりに冗長コラム線RCL1−2、RSVCLを用いてアクセス動作が実行され、セルアレイARYの不良が救済される。
図4は、図2に示した冗長ワードドライバRWDRVおよび図3に示した冗長コラムドライバRCDRVの詳細を示している。冗長ワードドライバRWDRVおよび冗長コラムドライバRCDRVの要部は、同じ論理構成のため、ここでは、冗長ワードドライバRWDRVについて説明する。
冗長ワードドライバRWDRVは、レギュラー冗長ワード線RWL1−2をそれぞれドライブするバッファBUF1−2と、リザーブ冗長ワード線RSVWLをドライブするバッファBUFRを有している。バッファBUF1は、ロウ冗長選択信号RSEL1が高論理レベルのとき使用され、バッファBUF2は、ロウ冗長選択信号RSEL2が高論理レベルのときに使用される。バッファBUFRは、ロウ冗長選択信号RSEL1−2のいずれかが低論理レベルのときに使用される。ロウ冗長選択信号RSEL1−2(またはコラム冗長選択信号CSEL1−2)が同時に低論理レベルに設定されることは、選択ヒューズ回路27、29のプログラム仕様で禁止されている。
以上、第1の実施形態では、2つの冗長ヒューズ回路17にそれぞれ対応するレギュラー冗長ワード線RWL1−2と、2つの冗長ヒューズ回路17に共通のリザーブ冗長ワード線RSVWLとを設けることで、簡易な冗長ワードドライバRWDRV(スイッチ回路)により、各冗長ヒューズ回路17を冗長ワード線RWL1−2、RSVWLのいずれかに対応させることができる。これにより、不良の救済時と、不良を救済しないとき(良品)とで、信号の伝搬遅延時間の差を小さくできるため、アクセス時間の差を小さくできる。すなわち、簡易な回路により、半導体メモリMEMの性能および救済効率を低下させることなく不良を救済できる。
図5は、本発明の第2の実施形態の半導体メモリを示している。第1の実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。この実施形態の半導体メモリMEMは、第1の実施形態にモードレジスタ32Aおよび不良アドレス選択部34A、36Aを加えて構成されている。その他の構成は、第1の実施形態と同じである。すなわち、半導体メモリMEMは、DRAMとして形成されている。
モードレジスタ32Aは、冗長ヒューズ部16、18の出力をそれぞれ無効にするための記憶部と、仮の冗長ロウアドレスRRAD1−2および仮の冗長コラムアドレスRCAD1−2の値(不良アドレス)を保持するための記憶部とを有している。記憶部は、書き換え可能であり、モードレジスタ設定コマンドとともに供給される外部アドレスADまたはデータDTに応じて設定される。モードレジスタ32Aは、記憶部に設定された値に応じて、ロウヒューズ無効信号、コラムヒューズ無効信号、仮の冗長ロウアドレスRRAD1−2および仮の冗長コラムアドレスRCAD1−2を出力する。
不良アドレス選択部34Aは、モードレジスタ32Aから出力されるロウヒューズ無効信号に応じて冗長ヒューズ部16の出力を無効にし、モードレジスタ32Aに設定された仮の冗長ロウアドレスRRAD1−2をアドレス比較部20に出力する。不良アドレス選択部36Aは、モードレジスタ32Aから出力されるコラムヒューズ無効信号に応じて冗長ヒューズ部18の出力を無効にし、モードレジスタ32Aに設定された仮の冗長コラムアドレスRCAD1−2をアドレス比較部22に出力する。すなわち、不良アドレス選択部34A、36Aは、各冗長ヒューズ部16、18にプログラムされた不良アドレスまたはモードレジスタ32Aに保持された仮の不良アドレスのいずれかを、対応するアドレス比較回路12、23に出力する。
この実施形態では、冗長ヒューズ部16、18のプログラム前に、仮の冗長ロウアドレスRRAD1−2および仮の冗長コラムアドレスRCAD1−2をアドレス比較部20、22に出力し、レギュラー冗長ワード線RWL1−2あるいはレギュラー冗長コラム線RCL1−2を使用してワード線WLあるいはコラム線CLを一時的に救済できる。このため、レギュラー冗長ワード線RWL1−2、レギュラー冗長コラム線RCL1−2に不良があるか否かを、冗長ヒューズ部16、18がプログラムされる前に検出できる。
メモリMEMをテストするLSIテスタ等は、上記検出結果に基づいて、リザーブ冗長ワード線RSVWLおよびリザーブ冗長コラム線RSVCLを使用するか否かを判断できる。したがって、冗長ワード線RWL1−2および冗長コラム線RCL1−2の不良を、冗長ヒューズ部16、18を用いることなく確認した後に、選択ヒューズ部26、28をプログラムできる。この結果、冗長ヒューズ部16、18および選択ヒューズ部26、28のプログラムを1つのテスト工程で実施できる。
以上、第2の実施形態においても、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この実施形態では、冗長ヒューズ部16、18および選択ヒューズ部26、28のプログラムを1つのテスト工程で実施できる。この結果、簡易な回路により、メモリMEMの性能を低下させることなく、救済効率を向上でき、テストコストを削減できる。
図6は、本発明の第3の実施形態の半導体メモリを示している。第1の実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。この実施形態の半導体メモリMEMは、第1の実施形態の選択ヒューズ部26、28の代わりに選択ヒューズ部26B、28Bを有している。また、半導体メモリMEMは、モードレジスタ32Bを有している。その他の構成は、第1の実施形態と同じである。すなわち、半導体メモリMEMは、DRAMとして形成されている。
モードレジスタ32Bは、選択ヒューズ回路27B、29Bにプログラムされる値に対応する選択信号RSEL1−2、CSEL1−2の出力を無効するための出力無効信号の値をそれぞれ保持する記憶部と、仮の選択信号RSEL1−2、CSEL1−2の値をそれぞれ保持するための記憶部と、各選択ヒューズ回路27B、29Bをプログラムするためのプログラム情報が書き込まれるプログラム設定部とを有している。記憶部およびプログラム設定部は、メモリMEMの動作モードがテストモードのときに、モードレジスタ設定コマンドとともに供給される外部アドレスADまたはデータDTに応じて設定される。
モードレジスタ32Bは、記憶部に設定された値に応じて、出力無効信号および仮の選択信号RSEL1−2、CSEL1−2を、プログラム信号RPRG1、CPRG1として選択ヒューズ部26B、28Bにそれぞれ出力する。また、モードレジスタ32Bは、プログラム設定部にプログラム情報が書き込まれたときに、対応するプログラム信号RPRG2、CPRG2(電気信号)を出力する。メモリMEMは、プログラム信号線RPRG2、CPRG2に大電流または高電圧を供給するための図示しない電流生成回路または電圧生成回路を有している。
プログラム信号線RPRG2、CPRG2の大電流または高電圧により、選択ヒューズ部26B、28Bの選択ヒューズ回路27B、29Bは、プログラムされる。すなわち、モードレジスタ32Bは、選択ヒューズ回路27B、29Bをプログラムするための電気信号RPRG2、CPRG2を、メモリMEMの外部から供給されるプログラム情報に応じて出力するプログラム制御回路として機能する。
選択ヒューズ部26Bは、第1の実施形態と同様に、レギュラー冗長ワード線RWL1−2(図2)をリザーブ冗長ワード線RSVWLに置き換えるか否かをそれぞれプログラムするための選択ヒューズ回路27Bを有している。各選択ヒューズ回路27Bは、電気信号RPRG2に応じてプログラムされるために、電流によりブローされるヒューズ(金属のエレクトロマイグレーション現象を利用)、あるいは、電圧により導通または絶縁されるヒューズ(酸化膜等の耐圧を利用)を有している。選択ヒューズ回路27Bは、プログラム状態に応じてロウ冗長選択信号RSEL1−2をそれぞれ出力する。但し、選択ヒューズ部26Bは、モードレジスタ32Bから出力される出力無効信号に応じて、ヒューズ回路27Bからの選択信号ロウ冗長RSEL1−2の出力を禁止し、モードレジスタ32Bから出力される仮のロウ冗長選択信号RSEL1−2をメモリコア30に出力する。
選択ヒューズ部28Bは、第1の実施形態と同様に、レギュラー冗長コラム線RCL1−2(図3)をリザーブ冗長コラム線RSVCLに置き換えるか否かをそれぞれプログラムするための選択ヒューズ回路29Bを有している。各選択ヒューズ回路29Bは、電気信号CPRG2に応じてプログラムされるために、電流によりブローされるヒューズ(金属のエレクトロマイグレーション現象を利用)、あるいは、電圧により導通または絶縁されるヒューズ(酸化膜等の耐圧を利用)を有している。選択ヒューズ回路29Bは、プログラム状態に応じてコラム冗長選択信号CSEL1−2をそれぞれ出力する。但し、選択ヒューズ部28Bは、モードレジスタ32Cから出力される出力無効信号に応じて、選択ヒューズ回路29Bからのコラム冗長選択信号CSEL1−2の出力を禁止し、モードレジスタ32Bから出力される仮のコラム冗長選択信号CSEL1−2をメモリコア30に出力する。
この実施形態では、選択ヒューズ部26B、28Bのプログラム前に、図2に示したリザーブ冗長ワード線RSVWLおよび図3に示したリザーブ冗長コラム線RSVCLに不良があるか否かを検出できる。これにより、例えば、レギュラー冗長ワード線RWL1とリザーブ冗長ワード線RSVWLに不良があり、かつ救済すべきワード線WLが2つある場合に、半導体メモリをテストするLSIテスタ等は、選択ヒューズ部26B、28Bのプログラムすることなく、このメモリMEMの不良を救済できないと判断できる。したがって、選択ヒューズ部26B、28Bを無駄にプログラムすることを防止できる。
さらに、テスト工程が完了した後でも、モードレジスタ32Bのプログラム設定部にプログラム情報を書き込むことにより、選択ヒューズ回路27B、29Bをプログラムできる。これにより、メモリMEMが出荷された後でも、レギュラー冗長ワード線RWL1−2の代わりにリザーブ冗長ワード線RSVWLを使用でき、レギュラー冗長コラム線RCL1−2の代わりにリザーブ冗長コラム線RSVCLを使用できる。これにより、テスト工程を完了した後に、レギュラー冗長ワード線RWL1−2およびレギュラー冗長コラム線RCL1−2に発生した不良の救済をすることが可能である。
以上、第3の実施形態においても、上述した第1および第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、選択ヒューズ部26B、28Bを無駄にプログラムすることを防止でき、テストコストを削減できる。さらに、テスト工程を完了した後に、冗長線RWL1−2、RCL1−2に発生した不良を救済できる。この結果、簡易な回路により、メモリMEMの性能を低下させることなく、救済効率を向上でき、テストコストを削減できる。
図7は、本発明の第4の実施形態の半導体メモリを示している。第1の実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。この実施形態の半導体メモリMEMは、第1の実施形態の冗長ヒューズ部16、18、選択ヒューズ回路26、28およびメモリコア30の代わりに冗長ヒューズ部16C、18C、選択ヒューズ回路26C、28Cおよびメモリコア30Cを有している。また、半導体メモリMEMは、第1の実施形態のアドレス比較部20、22を有していない。その他の構成は、第1の実施形態と同じである。すなわち、半導体メモリMEMは、DRAMとして形成されている。
この実施形態のメモリMEMは、いわゆるシフト冗長方式を採用している。シフト冗長方式のメモリMEMは、後述する図8に示すように、冗長スイッチ回路RRSWを有している。冗長スイッチ回路RRSWは、メモリMEMのパワーオンシーケンス時に動作し、ワードドライバWDRVをワード線WL、RWLに接続する。同様に、シフト冗長方式のメモリMEMは、後述する図9に示すように、冗長スイッチ回路CRSWを有している。冗長スイッチ回路CRSWは、メモリMEMのパワーオンシーケンス時に動作し、コラムドライバCDRVをコラム線CL、RCLに接続する。このため、アクセス毎に外部アドレスADと不良アドレスとを比較するアドレス比較部は必要ない。
冗長ヒューズ部16Cは、不良のワード線WLを示す冗長ロウアドレスRRADをプログラムするためのヒューズ回路17Cを有しており、プログラムされた冗長ロウアドレスRRADを出力する。冗長ヒューズ部18Cは、不良のビット線対BL、/BLを示す冗長コラムアドレスRCADをプログラムするためのヒューズ回路19Cを有しており、プログラムされた冗長コラムアドレスRCADを出力する。冗長ヒューズ部16C、18Cを用いることにより、セルアレイARYに発生した不良を2つまで救済できる。
選択ヒューズ部26Cは、図8に示すレギュラー冗長ワード線RWL1−2のいずれを使用して不良を救済するかをプログラムするための選択ヒューズ回路27Cを有している。選択ヒューズ回路27Cは、プログラム状態に応じた論理レベルのロウ冗長選択信号RSELを出力する。選択ヒューズ部28Cは、図9に示すレギュラー冗長コラム線RCL1−2のいずれを使用して不良を救済するかをプログラムするための選択ヒューズ回路29Cを有している。選択ヒューズ回路29Cは、プログラム状態に応じた論理レベルのコラム冗長選択信号CSELを出力する。
メモリコア30Cは、ロウデコーダRDEC、コラムデコーダCDECおよびセルアレイARYが、第1の実施形態と相違する。セルアレイARYは、2本の冗長ワード線RWL(図8に示すRWL1−2)および2組の冗長ビット線対RBL、/RBL(図9に示すRCL1−2に対応するビット線)を有している。その他の構成は、第1の実施形態と同じである。
図8は、図7に示したロウデコーダRDECの詳細を示している。ロウデコーダRDECは、ロウアドレスデコーダRADEC、ワードドライバWDRV、冗長スイッチ回路RRSW、および選択スイッチ回路RSSWを有している。シフト冗長方式のメモリMEMでは、冗長ワード線専用の冗長ワードドライバRWDRVは形成されない。冗長スイッチ回路RRSWおよび選択スイッチ回路RSSWは、例えば、CMOS伝達ゲートにより構成されるため、回路規模は小さく、伝搬遅延時間も短い。
スイッチ回路RRSWは、冗長ロウアドレスRRADが示す不良のワード線WL(図にX印で示す)を避けて、ワードドライバWDRVをワード線WLと、選択スイッチ回路RSSW(冗長ワード線RWL1−2のいずれか)に接続する。不良がない場合、ワードドライバWDRVは、通常のワード線WLに接続され、冗長ワード線RWL1−2(冗長制御線)には接続されない。
選択スイッチ回路RSSWは、ロウ冗長選択信号RSELが低論理レベルのときに、ワードドライバWDRVを冗長ワード線RWL1に接続し、ロウ冗長選択信号RSELが高論理レベルのときに、ワードドライバWDRVを冗長ワード線RWL2に接続する。これにより、冗長ワード線RWL2に不良があるとき、冗長ワード線RWL1を用いて救済を実施でき、冗長ワード線RWL1に不良があるとき、冗長ワード線RWL2を用いて救済を実施できる。
図9は、図7に示したコラムデコーダCDECの詳細を示している。コラムデコーダCDECは、コラムアドレスデコーダCADEC、コラムドライバCDRV、冗長スイッチ回路CRSW、および選択スイッチ回路CSSWを有している。コラム線CLは、ビット線対BL、/BLに接続されたコラムスイッチCSWに接続され、レギュラー冗長コラム線RCL1−2は、冗長ビット線対RBL、/RBLに接続された冗長コラムスイッチCSWに接続されている。
シフト冗長方式のメモリMEMでは、冗長コラム線専用の冗長コラムデコーダRCDRVは形成されない。冗長スイッチ回路CRSWおよび選択スイッチ回路CSSWは、例えば、CMOS伝達ゲートにより構成されるため、回路規模は小さく、伝搬遅延時間も短い。
スイッチ回路CRSWは、冗長コラムアドレスRCADが示す不良のビット線対BL、/BL(図にX印で示す)に対応するコラム線CLを避けて、コラムドライバCDRVをコラム線CLと、選択スイッチ回路CSSW(冗長コラム線RCL1−2のいずれか)に接続する。不良がない場合、コラムドライバCDRVは、通常のコラム線CLに接続され、冗長コラム線RCL1−2(冗長制御線)には接続されない。
コラムドライバCDRVは、第1の実施形態(図3)と同様に、コラム線制御信号CLZに同期して動作し、コラムスイッチCSWのオン/オフを制御するコラム線CLのいずれかを所定の期間高レベルに変化させる。コラムドライバRCDRVは、コラム線制御信号CLZに同期して動作し、冗長コラムスイッチCSWのオン/オフを制御する冗長コラム線RCL1−2のいずれかを、所定の期間高レベルに変化させる。
選択スイッチ回路CSSWは、コラム冗長選択信号CSELが低論理レベルのときに、コラムドライバCDRVを冗長コラム線RCL1に接続し、ロウ冗長選択信号RSELが高論理レベルのときに、コラムドライバCDRVを冗長コラム線RCL2に接続する。これにより、冗長コラム線RCL2に不良があるとき、冗長コラム線RCL1を用いて救済を実施でき、冗長コラム線RCL1に不良があるとき、冗長コラム線RCL2を用いて救済を実施できる。
以上、第4の実施形態においても、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この実施形態では、シフト冗長方式が採用される半導体メモリMEMにおいても、簡易な冗長スイッチ回路RRSW、CRSWにより、半導体メモリMEMの性能および救済効率を低下させることなく不良を救済できる。
図10は、本発明の第5の実施形態の半導体メモリを示している。第1および第2の実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。この実施形態の半導体メモリMEMは、第4の実施形態の冗長ヒューズ部16C、18C、選択ヒューズ部26C、28Cおよびメモリコア30Cの代わりに冗長ヒューズ部16、18、選択ヒューズ部26、28およびメモリコア30Dを有している。その他の構成は、第4の実施形態と同じである。すなわち、半導体メモリMEMは、DRAMとして形成されている。
冗長ヒューズ部16、18は、第1の実施形態と同様に、2つの冗長ロウアドレスRRAD1−2および2つの冗長コラムアドレスRCAD1−2をそれぞれ記憶する。選択ヒューズ部26、28は、第1の実施形態と同様に、ロウ冗長選択信号RSEL1−2およびコラム冗長選択信号CSEL1−2をそれぞれ出力する。メモリコア30Dは、ロウデコーダRDECの冗長スイッチ回路RRSWと選択スイッチ回路RSSW、およびコラムデコーダCDECの冗長スイッチ回路CRSWと選択スイッチ回路CSSWが、第4の実施形態と相違している。その他の構成は、第2の実施形態と同じである。
図11は、図10に示したロウデコーダRDECの詳細を示している。この実施形態では、2つまでのワード線不良を救済できる。ワード線不良が2つある場合、スイッチ回路RRSWは、冗長ロウアドレスRRAD1−2が示す不良のワード線WL(図にX印で示す)を避けて、ワードドライバWDRVをワード線WLと選択スイッチ回路RSSWに接続する。ワード線不良が1つしかない場合、ワードドライバWDRVの1つのみが、選択スイッチ回路RSSWに接続される。ワード線不良がない場合、ワードドライバWDRVは、通常のワード線WLに接続され、選択スイッチ回路RSSWには接続されない。
選択スイッチ回路RSSWは、ロウ冗長選択信号RSEL1が低論理レベルのときに、ワードドライバWDRVをレギュラー冗長ワード線RWL1に接続し、ロウ冗長選択信号RSEL1が高論理レベルのときに、ワードドライバWDRVをリザーブ冗長ワード線RSVWLに接続する。選択スイッチ回路RSSWは、ロウ冗長選択信号RSEL2が低論理レベルのときに、ワードドライバWDRVをレギュラー冗長ワード線RWL2に接続し、ロウ冗長選択信号RSEL2が高論理レベルのときに、ワードドライバWDRVをリザーブ冗長ワード線RSVWLに接続する。各レギュラー冗長ワード線RWL1−2は、対応するワードドライバWDRVのみにより駆動され、リザーブ冗長ワード線RSVWLは、レギュラー冗長ワード線RWL1−2に対応する2つのワードドライバWDRVに共通に使用され、2つのワードドライバWDRVのいずれかにより駆動される。これにより、レギュラー冗長ワード線RWL1−2のいずれかに不良があるとき、リザーブ冗長ワード線RSVWLを用いて救済を実施できる。
図12は、図10に示したコラムデコーダCDECの詳細を示している。この実施形態では、2つまでのビット線不良を救済できる。ビット線不良が2つある場合、スイッチ回路CRSWは、冗長コラムアドレスRCAD1−2が示す不良のコラム線CLに対応するビット線対BL、/BL(図ではコラム線CLにX印で示す)を避けて、コラムドライバCDRVをコラム線CLと選択スイッチ回路RSSWに接続する。ビット線不良が1つしかない場合、コラムドライバCDRVの1つのみが、選択スイッチ回路CSSWに接続される。ビット線不良がない場合、コラムドライバCDRVは、通常のコラム線CLに接続され、選択スイッチ回路CSSWには接続されない。
選択スイッチ回路CSSWは、コラム冗長選択信号CSEL1が低論理レベルのときに、コラムドライバCDRVをレギュラー冗長コラム線RCL1に接続し、ロウ冗長選択信号RSEL1が高論理レベルのときに、コラムドライバCDRVをリザーブ冗長コラム線RSVCLに接続する。選択スイッチ回路CSSWは、コラム冗長選択信号CSEL2が低論理レベルのときに、コラムドライバCDRVをレギュラー冗長コラム線RCL2に接続し、ロウ冗長選択信号RSEL2が高論理レベルのときに、コラムドライバCDRVをリザーブ冗長コラム線RSVCLに接続する。各レギュラー冗長コラム線RCL1−2は、対応するコラムドライバCDRVのみにより駆動され、リザーブ冗長コラム線RSVCLは、レギュラー冗長コラム線RCL1−2に対応する2つのコラムドライバCDRVに共通に使用され、2つのコラムドライバCDRVのいずれかにより駆動される。これにより、レギュラー冗長コラム線RCL1−2のいずれかに不良があるとき、リザーブ冗長コラム線RSVCLを用いて救済を実施できる。
なお、図12に示した例では、レギュラー冗長コラム線RCL2に対応する冗長ビット線対RBL、/RBLに不良があるため、選択スイッチ回路CSSWは、コラムドライバCDRVを、レギュラー冗長コラム線RCL2に接続せずに、リザーブ冗長コラム線RSVCLに接続する。
以上、第5の実施形態においても、上述した第1および第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この実施形態では、簡易な選択スイッチ回路RSSW、CSSWにより、レギュラー冗長線RWL1−2、RCL1−2の不良を救済できる。すなわち、簡易な回路により、メモリMEMの性能を低下させることなく、救済効率を向上できる。
図13は、本発明の第6の実施形態の半導体メモリを示している。第1、第2および第4の実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。この実施形態の半導体メモリMEMは、第4の実施形態にモードレジスタ32Eおよび不良アドレス選択部34E、36Eを加えて構成されている。その他の構成は、第4の実施形態と同じである。すなわち、半導体メモリMEMは、DRAMとして形成されている。
モードレジスタ32Eは、冗長ヒューズ部16A、18Aの出力をそれぞれ無効にするための記憶部と、仮の冗長ロウアドレスRRADおよび仮の冗長コラムアドレスRCADの値(不良アドレス)を保持するための記憶部とを有している。記憶部は、書き換え可能であり、モードレジスタ設定コマンドとともに供給される外部アドレスADまたはデータDTに応じて設定される。モードレジスタ32Eは、記憶部に設定された値に応じて、ロウヒューズ無効信号、コラムヒューズ無効信号、仮の冗長ロウアドレスRRADおよび仮の冗長コラムアドレスRCADを出力する。
不良アドレス選択部34Eは、モードレジスタ32Eから出力されるロウヒューズ無効信号に応じて冗長ヒューズ部16Cの出力を無効にし、モードレジスタ32Eに設定された仮の冗長ロウアドレスRRADをメモリコア30Cに出力する。不良アドレス選択部36Eは、モードレジスタ32Eから出力されるコラムヒューズ無効信号に応じて冗長ヒューズ部18Cの出力を無効にし、モードレジスタ32Eに設定された仮の冗長コラムアドレスRCADをメモリコア30Cに出力する。すなわち、不良アドレス選択部34E、36Eは、各冗長ヒューズ部16C、18Cにプログラムされた不良アドレスまたはモードレジスタ32Eに保持された仮の不良アドレスのいずれかを、ロウデコーダRDECの冗長スイッチ回路RRSW(図8)およびコラムデコーダCDECの冗長スイッチ回路CRSW(図9)に出力する。
この実施形態では、第2の実施形態と同様に、冗長ヒューズ部16C、18Cのプログラム前に、仮の冗長ロウアドレスRRADおよび仮の冗長コラムアドレスRCADを用いて、ワード線WLあるいはコラム線CLを一時的に救済できる。このため、冗長ワード線RWL1−2(図8)および冗長コラム線RCL1−2(図9)に不良があるか否かを、冗長ヒューズ部16C、18Cがプログラムされる前に検出できる。以上、第6の実施形態においても、上述した第1、第2および第4の実施形態と同様の効果を得ることができる。
図14は、本発明の第7の実施形態の半導体メモリを示している。第1、第3および第4の実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。この実施形態の半導体メモリMEMは、第4の実施形態の選択ヒューズ部26C、28Cの代わりに選択ヒューズ部26F、28Fを有している。また、半導体メモリMEMは、モードレジスタ32Fを有している。その他の構成は、第4の実施形態と同じである。すなわち、半導体メモリMEMは、DRAMとして形成されている。
モードレジスタ32Fは、選択ヒューズ部26F、28Fにプログラムされる値に対応する選択信号RSEL、CSELの出力を無効するための出力無効信号の値をそれぞれ保持する記憶部と、仮の選択信号RSEL、CSELの値をそれぞれ保持するための記憶部と、各選択ヒューズ回路27F、29Fをプログラムするためのプログラム情報が書き込まれるプログラム設定部とを有している。記憶部およびプログラム設定部は、メモリMEMの動作モードがテストモードのときに、モードレジスタ設定コマンドとともに供給される外部アドレスADまたはデータDTに応じて設定される。
モードレジスタ32Fは、記憶部に設定された値に応じて、出力無効信号および仮の選択信号RSEL、CSEL1を、プログラム信号RPRG1、CPRG1として選択ヒューズ部26F、28Fにそれぞれ出力する。また、モードレジスタ32Fは、第3の実施形態と同様に、プログラム設定部にプログラム情報が書き込まれたときに、選択ヒューズ回路27F、29Fをプログラムするためのプログラム信号RPRG2、CPRG2(電気信号)を出力する。すなわち、モードレジスタ32Fは、電気信号RPRG2、CPRG2を、メモリMEMの外部から供給されるプログラム情報に応じて出力するプログラム制御回路として機能する。なお、メモリMEMは、プログラム信号線RPRG2、CPRG2に大電流または高電圧を供給するための図示しない電流生成回路または電圧生成回路を有している。
選択ヒューズ回路27F、29Fは、電気信号RPRG1−2に応じてプログラムされるために、電流によりブローされるヒューズ、あるいは、電圧により導通または絶縁されるヒューズを有している。選択ヒューズ回路27Fは、レギュラー冗長ワード線RWL1−2(図8)のいずれかを使用するために、プログラム状態に応じたロウ冗長選択信号RSELを出力する。選択ヒューズ回路29Fは、レギュラー冗長コラム線RCL1−2(図9)のいずれかを使用するために、プログラム状態に応じたコラム冗長選択信号CSELを出力する。
但し、選択ヒューズ部26Fは、モードレジスタ32Fから出力される出力無効信号に応じて、選択ヒューズ回路27Fからのロウ冗長選択信号RSELの出力を禁止し、モードレジスタ32Fから出力される仮のロウ冗長選択信号RSELをメモリコア30Cに出力する。また、選択ヒューズ部28Fは、モードレジスタ32Fから出力される出力無効信号に応じて、選択ヒューズ回路29Fからのコラム冗長選択信号CSELの出力を禁止し、モードレジスタ32Fから出力される仮のコラム冗長選択信号CSELをメモリコア30Cに出力する。
以上、第7の実施形態においても、上述した第1、第3および第4の実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、簡易な回路により、メモリMEMの性能を低下させることなく、救済効率を向上でき、テストコストを削減できる。
なお、上述した実施形態では、本発明をDRAMに適用する例について述べた。本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明を、擬似SRAM、SRAMあるいはフラッシュメモリ等に適用してもよい。擬似SRAMは、DRAMのメモリセルを有し、SRAMと同じ入出力インタフェースを有し、メモリセルのリフレッシュ動作を内部で自動的に実行するメモリである。本発明を適用する半導体メモリは、クロック非同期式でもよく、クロック同期式でもよい。
上述した第1−第3、第5の実施形態では、2本のレギュラー冗長ワード線RWL1−2に対して1本のリザーブワード線RSVWLを形成し、2本のレギュラー冗長コラム線RCL1−2に対して1本のリザーブ冗長コラム線RSVCLを形成する例について述べた。本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、3本のレギュラー冗長ワード線RWLに対して1本のリザーブワード線RSVWLを形成し、3本のレギュラー冗長コラム線RCLに対して1本のリザーブ冗長コラム線RSVCLを形成しもよい。
上述した実施形態では、本発明をワード線WLの冗長回路およびコラム線CLの冗長回路の両方に適用する例について述べた。本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明をワード線WLの冗長回路およびコラム線CLの冗長回路の一方に適用してもよい。
上述した第3および第7の実施形態では、選択ヒューズ部26B、28B、26F、28Fを、モードレジスタ32B、32Fを用いて、テスト工程後にプログラムする例について述べた。本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、冗長ヒューズ部16、18、16C、18Cを、モードレジスタ32B、32Fを用いて、テスト工程後にプログラムする回路構成としてもよい。この場合、テスト工程後に発生した通常のワード線WLの不良およびビット線BL、/BLの不良を救済できる。
上述した第3および第7の実施形態では、テスト工程後にプログラム可能にする機能と、選択ヒューズ回路27B、29B、27F、29Fにプログラムされた内容を無効にする機能とを、メモリMEMに設ける例について述べた。本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、メモリMEMに、上記機能にいずれか一方を設けてもよい。
また、第2の実施形態に第3の実施形態の特徴を加えてもよい。また、第6の実施形態に第7の実施形態の特徴を加えてもよい。すなわち、冗長ヒューズ部および選択ヒューズ部をプログラムする前に、仮の冗長アドレスおよび仮の選択信号を用いて不良を一時的に救済してもよい。この場合、ヒューズ回路を使用しても救済できない不良を予め判定することができる。この結果、ヒューズ回路を無駄にプログラムすることが無くなり、テストコストを削減できる。
本発明は、単独のパッケージにモールドされる半導体メモリに適用されてもよく、CPUあるいはメモリコントローラ等とともにシリコン基板上に搭載される半導体メモリに適用されてもよい(SOC;システムオンチップ)。あるいは、CPUあるいはメモリコントローラ等とともに1つのパッケージにモールドされる半導体メモリに適用されてもよい(SIP;システムインパッケージ)。
以上、本発明について詳細に説明してきたが、上記の実施形態およびその変形例は発明の一例に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。本発明を逸脱しない範囲で変形可能であることは明らかである。
本発明は、不良を救済するための冗長回路を有する半導体メモリに適用できる。
本発明は、不良を救済するための冗長回路を有する半導体メモリに関する。
一般に、半導体メモリは、基板中の格子欠陥および製造工程で発生する異物に起因して発生する不良を救済し、歩留を向上するために、冗長回路を有している。具体的には、DRAM等の半導体メモリは、正規のワード線およびビット線に加えて冗長ワード線および冗長ビット線を有している。そして、テスト工程において、メモリセルの不良が検出された場合、不良のワード線またはビット線を冗長ワード線または冗長ビット線に置き換えるために、半導体メモリ上に形成されたヒューズ回路がプログラムされる。冗長回路を使用して不良のメモリセルを救済することで、半導体メモリの歩留は向上する。
ヒューズ回路は、冗長ワード線および冗長ビット線に対応してそれぞれ必要である。さらに、各ヒューズ回路は、不良アドレスをプログラムするために、アドレスのビット毎にヒューズを設ける必要がある。このため、ヒューズ回路は、半導体メモリのチップサイズを増加させる要因になっている。一方、冗長ワード線または冗長ビット線に不良がある場合、対応するヒューズ回路は使用できないため、救済効率は低下する。例えば、特許文献1−2等には、ヒューズ回路の数を少なくすることでチップ面積を削減するとともに、各ヒューズ回路を、複数の冗長ワード線または複数の冗長ビット線に対して使用可能にすることで、救済効率を向上する手法が記載されている。
特開平6−44795号公報
特開2000−11680号公報
上述の手法を採用することにより、不良を救済するために使用する冗長ワード線または冗長ビット線の選択の自由度は高くなり、救済効率は向上する。しかし、ヒューズ回路を所望の冗長ワード線または所望の冗長ビット線に対応させるために、複雑な論理回路が必要である。この結果、回路規模が増加する。さらに、回路の遅延が大きくなると、冗長ワード線または冗長ビット線を使用する時のアクセス時間が長くなり、半導体メモリの性能は低下する。
本発明の目的は、簡易な回路により、半導体メモリの性能および救済効率を低下させることなく不良を救済することである。
本発明の一形態では、セルアレイは、メモリセルおよびメモリセルに接続されたワード線、ビット線を有する。レギュラー冗長線は、不良アドレスがプログラムされる冗長ヒューズ回路にそれぞれ対応して専用に設けられている。リザーブ冗長線は、冗長ヒューズ回路に共通に設けられている。アドレス比較回路は、冗長ヒューズ回路にプログラムされた不良アドレスをアクセスアドレスと比較し、比較結果が一致するときに冗長信号を出力する。スイッチ回路は、選択ヒューズ回路から出力される冗長選択信号に応じて切り替え制御され、対応するレギュラー冗長線またはリザーブ冗長線のいずれかを、冗長信号に応答して有効にする。冗長線をレギュラー冗長線とリザーブ冗長線とに分類することで、簡易なスイッチ回路により、各冗長ヒューズ回路を複数の冗長線のいずれかに対応させることができる。したがって、冗長線を使用するとき(不良の救済時)と、冗長線を使用しないとき(良品)とで、信号の伝搬遅延時間の差を小さくでき、アクセス時間の差を小さくできる。すなわち、簡易な回路により、半導体メモリの性能および救済効率を低下させることなく不良を救済できる。
本発明の別の形態では、メモリコアは、メモリセルと、メモリセルをアクセスするためにドライバにより駆動される制御線と、不良のメモリセルまたは不良の制御線を救済するための複数の冗長制御線とを有する。選択スイッチ回路は、ドライバを冗長制御線のいずれかに選択的に接続する。冗長スイッチ回路は、各ドライバの出力を、冗長ヒューズ回路にプログラムされた不良アドレスに対応する制御線を除く制御線または選択スイッチ回路に接続する。すなわち、この形態では、シフト冗長方式が採用される。選択ヒューズ回路は、選択スイッチ回路の切り替えを制御するための冗長選択信号を出力する。このため、シフト冗長方式を採用する半導体メモリにおいて、簡易な冗長スイッチ回路により、冗長ヒューズ回路を複数の冗長制御線のいずれかに対応させることができる。したがって、冗長線を使用するとき(不良の救済時)と、冗長線を使用しないとき(良品)とで、信号の伝搬遅延時間の差を小さくでき、アクセス時間の差を小さくできる。すなわち、簡易な回路により、半導体メモリの性能および救済効率を低下させることなく不良を救済できる。
簡易な回路により、半導体メモリの性能および救済効率を低下させることなく不良を救済できる。
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。図中、太線で示した信号線は、複数本で構成されている。また、太線が接続されているブロックの一部は、複数の回路で構成されている。信号が伝達される信号線には、信号名と同じ符号を使用する。図中の二重丸は、外部端子を示している。
図1は、本発明の第1の実施形態の半導体メモリを示している。半導体メモリMEMは、例えば、ダイナミックメモリセルを有するDRAMである。メモリMEMは、コマンド入力部10、アドレス入力部12、データ入出力部14、冗長ヒューズ部16、18、アドレス比較部20、22、アレイ制御部24、選択ヒューズ部26、28およびメモリコア30を有している。
コマンド入力部10は、コマンド端子CMDに供給されるコマンドCMD(外部アクセスコマンド)を受け、受けたコマンドCMDをアレイ制御部24に出力する。この実施形態では、読み出しコマンド、書き込みコマンドおよびリフレッシュコマンドが、コマンドCMDとしてコマンド入力部10に供給される。
アドレス入力部12は、アドレス端子ADに供給される外部アドレスADを受け、受けた外部アドレスADをロウアドレスRAD(上位アドレス)およびコラムアドレスCAD(下位アドレス)としてメモリコア30に出力する。外部アドレスADは、アクセスするメモリセルMCを示す。ロウアドレスRADは、ワード線WLを選択するために使用される。コラムアドレスCADは、ビット線BL、/BLを選択するために使用される。ロウアドレスRADおよびコラムアドレスCADは、アドレス端子ADに同時に供給される。
データ入出力部14は、読み出し動作時にデータバスDBを介してメモリコア30から出力される読み出しデータをデータ端子DT(DT0−7)に出力し、書き込み動作時にデータ端子DTで受ける書き込みデータを、データバスDBを介してメモリコア30に出力する。データ端子DTは、読み出しデータおよび書き込みデータに共通の端子である。
冗長ヒューズ部16は、不良のワード線WLを示す冗長ロウアドレスRRAD1−2をそれぞれプログラムするための2つの冗長ヒューズ回路17を有している。冗長ヒューズ部18は、不良のビット線対BL、/BLを示す冗長コラムアドレスRCAD1−2をそれぞれプログラムするための2つの冗長ヒューズ回路19を有している。このため、この実施形態のメモリMEMは、最大4つの不良を救済できる。
アドレス比較部20は、アドレス端子ADで受けるロウアドレスRADと冗長ロウアドレスRRAD1−2とをそれぞれ比較するためのアドレス比較回路21を有している。アドレス比較回路21は、比較結果が一致するときに、ロウ冗長信号RRED1−2をそれぞれ活性化する。アドレス比較部22は、アドレス端子ADで受けるコラムアドレスCADと冗長コラムアドレスRCAD1−2とをそれぞれ比較するためのアドレス比較回路23を有している。アドレス比較回路23は、比較結果が一致するときに、コラム冗長信号CRED1−2をそれぞれ活性化する。
アレイ制御部24は、メモリコア30のアクセス動作を実行するために、コマンドCMDに応答してセルアレイARYをアクセスするための制御信号CNTを出力する。制御信号CNTとして、ワード線WLの選択するためのワード線制御信号WLZ、センスアンプSAを活性化するためのセンスアンプ制御信号SAZ、コラムスイッチを選択するためのコラム線制御信号CLZ、ビット線BL、/BLをプリチャージするためのプリチャージ制御信号PREZ等がある。
選択ヒューズ部26は、後述する図2に示すレギュラー冗長ワード線RWL1−2をリザーブ冗長ワード線RSVWLに置き換えるか否かをそれぞれプログラムするための選択ヒューズ回路27を有している。選択ヒューズ回路27は、プログラム状態に応じてロウ冗長選択信号RSEL1−2をそれぞれ出力する。
選択ヒューズ部28は、後述する図3に示すレギュラー冗長コラム線RCL1−2をリザーブ冗長コラム線RSVCLに置き換えるか否かをそれぞれプログラムするための選択ヒューズ回路29を有している。選択ヒューズ回路29は、プログラム状態に応じてコラム冗長選択信号CSEL1−2をそれぞれ出力する。
メモリコア30は、ロウデコーダRDEC、コラムデコーダCDEC、センスアンプSA、コラムスイッチCSW、リードアンプRA、ライトアンプWAおよびセルアレイARYを有している。セルアレイARYは、ダイナミックメモリセルMCと、ダイナミックメモリセルMCに接続されたワード線WLおよびビット線対BL、/BLを有している。メモリセルMCは、ワード線WLとビット線対BL、/BLとの交差部分に形成される。
また、セルアレイARYは、冗長メモリセルRMCと、冗長メモリセルRMCに接続された3本の冗長ワード線RWL(図2に示すRWL1−2、RSVWL)および3組の冗長ビット線対RBL、/RBL(図3に示すRCL1−2、RSVCLに対応するビット線)を有している。図では、冗長ビット線対RBL、/RBLを1本の信号線により表している。冗長メモリセルRMCは、冗長ワード線RWLとビット線対BL、/BL、RBL、/RBLとの交差部分、および冗長ビット線対RBL、/RBLとワード線WL、RWLとの交差部分に形成される。
ロウデコーダRDECは、ロウ冗長信号RRED1−2の非活性化中に、アクセスコマンドCMDに応答してロウアドレスRADをデコードし、ワード線WLのいずれかを選択する。ロウデコーダRDECは、ロウ冗長信号RRED1−2のいずれかの活性化中に、ロウアドレスRADのデコードを禁止し、冗長ワード線RWLの少なくともいずれかを、ロウ冗長選択信号RSEL1−2の論理レベルに応じて選択する。
コラムデコーダCDECは、コラム冗長信号CRED1−2の非活性化中に、アクセスコマンドCMDに応答してコラムアドレスCADをデコードし、データ端子DTのビット数に対応する8組のビット線対BL、/BLを選択する。コラムデコーダCDECは、コラム冗長信号CRED1−2のいずれかの活性化中に、コラムアドレスCADのデコードを禁止し、冗長ビット線対RBL、/RBLの少なくとも1組を、コラム冗長選択信号CSEL1−2の論理レベルに応じて選択する。
センスアンプSAは、ビット線対BL、/BLに読み出されたデータ信号の信号量の差を増幅する。コラムスイッチCSWは、コラムアドレスCADに応じて、ビット線BL、/BLをデータバス線DBに接続する。
リードアンプRAは、読み出し動作時に、コラムスイッチCSWを介して出力される相補の読み出しデータを増幅する。ライトアンプWAは、書き込み動作時に、データバスDBを介して供給される相補の書き込みデータを増幅し、ビット線対BL、/BLに供給する。
図2は、図1に示したロウデコーダRDECの詳細を示している。ロウデコーダRDECは、ロウアドレスRADをデコードするロウアドレスデコーダRADEC、ワード線WLに高レベル電圧をそれぞれ供給するためのワードドライバWDRV、レギュラー冗長ワード線RWL1−2およびリザーブ冗長ワード線RSVWLに高レベル電圧を供給するための冗長ワードドライバRWDRVを有している。
ワードドライバWDRV、RWDRVは、ワード線制御信号WLZに同期して動作し、アクセスされるワード線WL、レギュラー冗長ワード線RWL1−2、リザーブ冗長ワード線RSVWLのいずれかを、所定の期間高レベルに変化させる。冗長ワード線RWL1−2、RSVWLのいずれかが使用される場合、不良のワード線WLに対するアクセスコマンドCMDに応答してロウ冗長信号RRED1−2の少なくともいずれかが活性化される。ワードドライバWDRVは、ロウ冗長信号RRED1−2の活性化中に非活性化され、ワード線WLのドライブ動作を停止する。
冗長ワードドライバRWDRVは、ロウ冗長信号RRED1の活性化に応答して、レギュラー冗長ワード線RWL1またはリザーブ冗長ワード線RSVWLのいずれかに高レベル電圧を供給する。また、冗長ワードドライバRWDRVは、ロウ冗長信号RRED2の活性化に応答して、レギュラー冗長ワード線RWL2またはリザーブ冗長ワード線RSVWLのいずれかに高レベル電圧を供給する。レギュラー冗長ワード線RWL1−2のいずれかに不良が存在する場合、図1に示した選択ヒューズ回路27のいずれかがプログラムされ、低論理レベルのロウ冗長選択信号RSEL1またはRSEL2が出力される。
ロウ冗長選択信号RSEL1が低論理レベルのときに、不良のレギュラー冗長ワード線RWL1の活性化は禁止され、リザーブ冗長ワード線RSVWLの活性化が許可される。ロウ冗長選択信号RSEL2が低論理レベルのときに、不良のレギュラー冗長ワード線RWL2の活性化は禁止され、リザーブ冗長ワード線RSVWLの活性化が許可される。このように、冗長ワードドライバRWDRVは、ロウ冗長選択信号RSEL1−2に応答して、対応するレギュラー冗長ワード線RWL1−2またはリザーブ冗長ワード線RSVWLのいずれかを有効にするスイッチ回路の機能を有している。そして、不良のワード線WLの代わりに冗長ワード線RWL1−2、RSVWLを用いてアクセス動作が実行され、セルアレイARYの不良が救済される。
図3は、図1に示したコラムデコーダCDECの詳細を示している。コラムデコーダCDECは、コラムアドレスCADをデコードするコラムアドレスデコーダCADEC、コラム線CLに高電圧レベルをそれぞれ供給するためのコラムドライバCDRV、レギュラー冗長コラム線RCL1−2およびリザーブ冗長コラム線RSVCLに高レベル電圧を供給するための冗長コラムドライバRCDRVを有している。コラム線CLは、ビット線対BL、/BLに接続されたコラムスイッチCSWに接続され、レギュラー冗長コラム線RCL1−2およびリザーブ冗長コラム線RSVCLは、冗長ビット線対RBL、/RBLに接続された冗長コラムスイッチCSWに接続されている。
コラムドライバCDRVは、コラム線制御信号CLZに同期して動作し、コラムスイッチCSWのオン/オフを制御するコラム線CLのいずれかを所定の期間高レベルに変化させる。コラムドライバRCDRVは、コラム線制御信号CLZに同期して動作し、冗長コラムスイッチCSWのオン/オフを制御するレギュラー冗長コラム線RCL1−2およびリザーブ冗長コラム線RSVCLのいずれかを、所定の期間高レベルに変化させる。
冗長コラム線RCL1−2、RSVCLのいずれかが使用される場合、不良のビット線対BL、/BLまたはコラム線CLに対するアクセスコマンドCMDに応答してコラム冗長信号CRED1−2の少なくともいずれかが活性化される。コラムドライバCDRVは、コラム冗長信号CRED1−2の活性化中に非活性化され、コラム線CLのドライブ動作を停止する。
冗長コラムドライバRCDRVは、コラム冗長信号CRED1の活性化に応答して、レギュラー冗長コラム線RCL1またはリザーブ冗長コラム線RSVCLのいずれかに高レベル電圧を供給する。また、冗長コラムドライバRCDRVは、コラム冗長信号CRED2の活性化に応答して、レギュラー冗長コラム線RCL2またはリザーブ冗長コラム線RSVCLのいずれかに高レベル電圧を供給する。冗長コラム線RCL1−2のいずれかに不良が存在する場合、図1に示した選択ヒューズ回路29のいずれかがプログラムされ、低論理レベルのコラム冗長選択信号CSEL1またはCSEL2が出力される。
コラム冗長選択信CSEL1が低論理レベルのとき、不良のレギュラー冗長コラム線RCL1の活性化は禁止され、リザーブ冗長コラム線RSVCLの活性化が許可される。コラム冗長選択信CSEL2が低論理レベルのとき、不良のレギュラー冗長コラム線RCL2の活性化は禁止され、リザーブ冗長コラム線RSVCLの活性化が許可される。このように、冗長コラムドライバRCDRVは、コラム冗長信号CRED1−2に応答して、対応するレギュラー冗長コラム線RCL2またはリザーブ冗長コラム線RSVCLのいずれかを有効にするスイッチ回路の機能を有している。そして、不良のコラム線CLの代わりに冗長コラム線RCL1−2、RSVCLを用いてアクセス動作が実行され、セルアレイARYの不良が救済される。
図4は、図2に示した冗長ワードドライバRWDRVおよび図3に示した冗長コラムドライバRCDRVの詳細を示している。冗長ワードドライバRWDRVおよび冗長コラムドライバRCDRVの要部は、同じ論理構成のため、ここでは、冗長ワードドライバRWDRVについて説明する。
冗長ワードドライバRWDRVは、レギュラー冗長ワード線RWL1−2をそれぞれドライブするバッファBUF1−2と、リザーブ冗長ワード線RSVWLをドライブするバッファBUFRを有している。バッファBUF1は、ロウ冗長選択信号RSEL1が高論理レベルのとき使用され、バッファBUF2は、ロウ冗長選択信号RSEL2が高論理レベルのときに使用される。バッファBUFRは、ロウ冗長選択信号RSEL1−2のいずれかが低論理レベルのときに使用される。ロウ冗長選択信号RSEL1−2(またはコラム冗長選択信号CSEL1−2)が同時に低論理レベルに設定されることは、選択ヒューズ回路27、29のプログラム仕様で禁止されている。
以上、第1の実施形態では、2つの冗長ヒューズ回路17にそれぞれ対応するレギュラー冗長ワード線RWL1−2と、2つの冗長ヒューズ回路17に共通のリザーブ冗長ワード線RSVWLとを設けることで、簡易な冗長ワードドライバRWDRV(スイッチ回路)により、各冗長ヒューズ回路17を冗長ワード線RWL1−2、RSVWLのいずれかに対応させることができる。これにより、不良の救済時と、不良を救済しないとき(良品)とで、信号の伝搬遅延時間の差を小さくできるため、アクセス時間の差を小さくできる。すなわち、簡易な回路により、半導体メモリMEMの性能および救済効率を低下させることなく不良を救済できる。
図5は、本発明の第2の実施形態の半導体メモリを示している。第1の実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。この実施形態の半導体メモリMEMは、第1の実施形態にモードレジスタ32Aおよび不良アドレス選択部34A、36Aを加えて構成されている。その他の構成は、第1の実施形態と同じである。すなわち、半導体メモリMEMは、DRAMとして形成されている。
モードレジスタ32Aは、冗長ヒューズ部16、18の出力をそれぞれ無効にするための記憶部と、仮の冗長ロウアドレスRRAD1−2および仮の冗長コラムアドレスRCAD1−2の値(不良アドレス)を保持するための記憶部とを有している。記憶部は、書き換え可能であり、モードレジスタ設定コマンドとともに供給される外部アドレスADまたはデータDTに応じて設定される。モードレジスタ32Aは、記憶部に設定された値に応じて、ロウヒューズ無効信号、コラムヒューズ無効信号、仮の冗長ロウアドレスRRAD1−2および仮の冗長コラムアドレスRCAD1−2を出力する。
不良アドレス選択部34Aは、モードレジスタ32Aから出力されるロウヒューズ無効信号に応じて冗長ヒューズ部16の出力を無効にし、モードレジスタ32Aに設定された仮の冗長ロウアドレスRRAD1−2をアドレス比較部20に出力する。不良アドレス選択部36Aは、モードレジスタ32Aから出力されるコラムヒューズ無効信号に応じて冗長ヒューズ部18の出力を無効にし、モードレジスタ32Aに設定された仮の冗長コラムアドレスRCAD1−2をアドレス比較部22に出力する。すなわち、不良アドレス選択部34A、36Aは、各冗長ヒューズ部16、18にプログラムされた不良アドレスまたはモードレジスタ32Aに保持された仮の不良アドレスのいずれかを、対応するアドレス比較回路12、23に出力する。
この実施形態では、冗長ヒューズ部16、18のプログラム前に、仮の冗長ロウアドレスRRAD1−2および仮の冗長コラムアドレスRCAD1−2をアドレス比較部20、22に出力し、レギュラー冗長ワード線RWL1−2あるいはレギュラー冗長コラム線RCL1−2を使用してワード線WLあるいはコラム線CLを一時的に救済できる。このため、レギュラー冗長ワード線RWL1−2、レギュラー冗長コラム線RCL1−2に不良があるか否かを、冗長ヒューズ部16、18がプログラムされる前に検出できる。
メモリMEMをテストするLSIテスタ等は、上記検出結果に基づいて、リザーブ冗長ワード線RSVWLおよびリザーブ冗長コラム線RSVCLを使用するか否かを判断できる。したがって、冗長ワード線RWL1−2および冗長コラム線RCL1−2の不良を、冗長ヒューズ部16、18を用いることなく確認した後に、選択ヒューズ部26、28をプログラムできる。この結果、冗長ヒューズ部16、18および選択ヒューズ部26、28のプログラムを1つのテスト工程で実施できる。
以上、第2の実施形態においても、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この実施形態では、冗長ヒューズ部16、18および選択ヒューズ部26、28のプログラムを1つのテスト工程で実施できる。この結果、簡易な回路により、メモリMEMの性能を低下させることなく、救済効率を向上でき、テストコストを削減できる。
図6は、本発明の第3の実施形態の半導体メモリを示している。第1の実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。この実施形態の半導体メモリMEMは、第1の実施形態の選択ヒューズ部26、28の代わりに選択ヒューズ部26B、28Bを有している。また、半導体メモリMEMは、モードレジスタ32Bを有している。その他の構成は、第1の実施形態と同じである。すなわち、半導体メモリMEMは、DRAMとして形成されている。
モードレジスタ32Bは、選択ヒューズ回路27B、29Bにプログラムされる値に対応する選択信号RSEL1−2、CSEL1−2の出力を無効するための出力無効信号の値をそれぞれ保持する記憶部と、仮の選択信号RSEL1−2、CSEL1−2の値をそれぞれ保持するための記憶部と、各選択ヒューズ回路27B、29Bをプログラムするためのプログラム情報が書き込まれるプログラム設定部とを有している。記憶部およびプログラム設定部は、メモリMEMの動作モードがテストモードのときに、モードレジスタ設定コマンドとともに供給される外部アドレスADまたはデータDTに応じて設定される。
モードレジスタ32Bは、記憶部に設定された値に応じて、出力無効信号および仮の選択信号RSEL1−2、CSEL1−2を、プログラム信号RPRG1、CPRG1として選択ヒューズ部26B、28Bにそれぞれ出力する。また、モードレジスタ32Bは、プログラム設定部にプログラム情報が書き込まれたときに、対応するプログラム信号RPRG2、CPRG2(電気信号)を出力する。メモリMEMは、プログラム信号線RPRG2、CPRG2に大電流または高電圧を供給するための図示しない電流生成回路または電圧生成回路を有している。
プログラム信号線RPRG2、CPRG2の大電流または高電圧により、選択ヒューズ部26B、28Bの選択ヒューズ回路27B、29Bは、プログラムされる。すなわち、モードレジスタ32Bは、選択ヒューズ回路27B、29Bをプログラムするための電気信号RPRG2、CPRG2を、メモリMEMの外部から供給されるプログラム情報に応じて出力するプログラム制御回路として機能する。
選択ヒューズ部26Bは、第1の実施形態と同様に、レギュラー冗長ワード線RWL1−2(図2)をリザーブ冗長ワード線RSVWLに置き換えるか否かをそれぞれプログラムするための選択ヒューズ回路27Bを有している。各選択ヒューズ回路27Bは、電気信号RPRG2に応じてプログラムされるために、電流によりブローされるヒューズ(金属のエレクトロマイグレーション現象を利用)、あるいは、電圧により導通または絶縁されるヒューズ(酸化膜等の耐圧を利用)を有している。選択ヒューズ回路27Bは、プログラム状態に応じてロウ冗長選択信号RSEL1−2をそれぞれ出力する。但し、選択ヒューズ部26Bは、モードレジスタ32Bから出力される出力無効信号に応じて、ヒューズ回路27Bからのロウ冗長選択信号RSEL1−2の出力を禁止し、モードレジスタ32Bから出力される仮のロウ冗長選択信号RSEL1−2をメモリコア30に出力する。
選択ヒューズ部28Bは、第1の実施形態と同様に、レギュラー冗長コラム線RCL1−2(図3)をリザーブ冗長コラム線RSVCLに置き換えるか否かをそれぞれプログラムするための選択ヒューズ回路29Bを有している。各選択ヒューズ回路29Bは、電気信号CPRG2に応じてプログラムされるために、電流によりブローされるヒューズ(金属のエレクトロマイグレーション現象を利用)、あるいは、電圧により導通または絶縁されるヒューズ(酸化膜等の耐圧を利用)を有している。選択ヒューズ回路29Bは、プログラム状態に応じてコラム冗長選択信号CSEL1−2をそれぞれ出力する。但し、選択ヒューズ部28Bは、モードレジスタ32Cから出力される出力無効信号に応じて、選択ヒューズ回路29Bからのコラム冗長選択信号CSEL1−2の出力を禁止し、モードレジスタ32Bから出力される仮のコラム冗長選択信号CSEL1−2をメモリコア30に出力する。
この実施形態では、選択ヒューズ部26B、28Bのプログラム前に、図2に示したリザーブ冗長ワード線RSVWLおよび図3に示したリザーブ冗長コラム線RSVCLに不良があるか否かを検出できる。これにより、例えば、レギュラー冗長ワード線RWL1とリザーブ冗長ワード線RSVWLに不良があり、かつ救済すべきワード線WLが2つある場合に、半導体メモリをテストするLSIテスタ等は、選択ヒューズ部26B、28Bのプログラムすることなく、このメモリMEMの不良を救済できないと判断できる。したがって、選択ヒューズ部26B、28Bを無駄にプログラムすることを防止できる。
さらに、テスト工程が完了した後でも、モードレジスタ32Bのプログラム設定部にプログラム情報を書き込むことにより、選択ヒューズ回路27B、29Bをプログラムできる。これにより、メモリMEMが出荷された後でも、レギュラー冗長ワード線RWL1−2の代わりにリザーブ冗長ワード線RSVWLを使用でき、レギュラー冗長コラム線RCL1−2の代わりにリザーブ冗長コラム線RSVCLを使用できる。これにより、テスト工程を完了した後に、レギュラー冗長ワード線RWL1−2およびレギュラー冗長コラム線RCL1−2に発生した不良の救済をすることが可能である。
以上、第3の実施形態においても、上述した第1および第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、選択ヒューズ部26B、28Bを無駄にプログラムすることを防止でき、テストコストを削減できる。さらに、テスト工程を完了した後に、冗長線RWL1−2、RCL1−2に発生した不良を救済できる。この結果、簡易な回路により、メモリMEMの性能を低下させることなく、救済効率を向上でき、テストコストを削減できる。
図7は、本発明の第4の実施形態の半導体メモリを示している。第1の実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。この実施形態の半導体メモリMEMは、第1の実施形態の冗長ヒューズ部16、18、選択ヒューズ回路26、28およびメモリコア30の代わりに冗長ヒューズ部16C、18C、選択ヒューズ回路26C、28Cおよびメモリコア30Cを有している。また、半導体メモリMEMは、第1の実施形態のアドレス比較部20、22を有していない。その他の構成は、第1の実施形態と同じである。すなわち、半導体メモリMEMは、DRAMとして形成されている。
この実施形態のメモリMEMは、いわゆるシフト冗長方式を採用している。シフト冗長方式のメモリMEMは、後述する図8に示すように、冗長スイッチ回路RRSWを有している。冗長スイッチ回路RRSWは、メモリMEMのパワーオンシーケンス時に動作し、ワードドライバWDRVをワード線WL、RWLに接続する。同様に、シフト冗長方式のメモリMEMは、後述する図9に示すように、冗長スイッチ回路CRSWを有している。冗長スイッチ回路CRSWは、メモリMEMのパワーオンシーケンス時に動作し、コラムドライバCDRVをコラム線CL、RCLに接続する。このため、アクセス毎に外部アドレスADと不良アドレスとを比較するアドレス比較部は必要ない。
冗長ヒューズ部16Cは、不良のワード線WLを示す冗長ロウアドレスRRADをプログラムするためのヒューズ回路17Cを有しており、プログラムされた冗長ロウアドレスRRADを出力する。冗長ヒューズ部18Cは、不良のビット線対BL、/BLを示す冗長コラムアドレスRCADをプログラムするためのヒューズ回路19Cを有しており、プログラムされた冗長コラムアドレスRCADを出力する。冗長ヒューズ部16C、18Cを用いることにより、セルアレイARYに発生した不良を2つまで救済できる。
選択ヒューズ部26Cは、図8に示すレギュラー冗長ワード線RWL1−2のいずれを使用して不良を救済するかをプログラムするための選択ヒューズ回路27Cを有している。選択ヒューズ回路27Cは、プログラム状態に応じた論理レベルのロウ冗長選択信号RSELを出力する。選択ヒューズ部28Cは、図9に示すレギュラー冗長コラム線RCL1−2のいずれを使用して不良を救済するかをプログラムするための選択ヒューズ回路29Cを有している。選択ヒューズ回路29Cは、プログラム状態に応じた論理レベルのコラム冗長選択信号CSELを出力する。
メモリコア30Cは、ロウデコーダRDEC、コラムデコーダCDECおよびセルアレイARYが、第1の実施形態と相違する。セルアレイARYは、2本の冗長ワード線RWL(図8に示すRWL1−2)および2組の冗長ビット線対RBL、/RBL(図9に示すRCL1−2に対応するビット線)を有している。その他の構成は、第1の実施形態と同じである。
図8は、図7に示したロウデコーダRDECの詳細を示している。ロウデコーダRDECは、ロウアドレスデコーダRADEC、ワードドライバWDRV、冗長スイッチ回路RRSW、および選択スイッチ回路RSSWを有している。シフト冗長方式のメモリMEMでは、冗長ワード線専用の冗長ワードドライバRWDRVは形成されない。冗長スイッチ回路RRSWおよび選択スイッチ回路RSSWは、例えば、CMOS伝達ゲートにより構成されるため、回路規模は小さく、伝搬遅延時間も短い。
スイッチ回路RRSWは、冗長ロウアドレスRRADが示す不良のワード線WL(図にX印で示す)を避けて、ワードドライバWDRVをワード線WLと、選択スイッチ回路RSSW(冗長ワード線RWL1−2のいずれか)に接続する。不良がない場合、ワードドライバWDRVは、通常のワード線WLに接続され、冗長ワード線RWL1−2(冗長制御線)には接続されない。
選択スイッチ回路RSSWは、ロウ冗長選択信号RSELが低論理レベルのときに、ワードドライバWDRVを冗長ワード線RWL1に接続し、ロウ冗長選択信号RSELが高論理レベルのときに、ワードドライバWDRVを冗長ワード線RWL2に接続する。これにより、冗長ワード線RWL2に不良があるとき、冗長ワード線RWL1を用いて救済を実施でき、冗長ワード線RWL1に不良があるとき、冗長ワード線RWL2を用いて救済を実施できる。
図9は、図7に示したコラムデコーダCDECの詳細を示している。コラムデコーダCDECは、コラムアドレスデコーダCADEC、コラムドライバCDRV、冗長スイッチ回路CRSW、および選択スイッチ回路CSSWを有している。コラム線CLは、ビット線対BL、/BLに接続されたコラムスイッチCSWに接続され、レギュラー冗長コラム線RCL1−2は、冗長ビット線対RBL、/RBLに接続された冗長コラムスイッチCSWに接続されている。
シフト冗長方式のメモリMEMでは、冗長コラム線専用の冗長コラムデコーダRCDRVは形成されない。冗長スイッチ回路CRSWおよび選択スイッチ回路CSSWは、例えば、CMOS伝達ゲートにより構成されるため、回路規模は小さく、伝搬遅延時間も短い。
スイッチ回路CRSWは、冗長コラムアドレスRCADが示す不良のビット線対BL、/BL(図にX印で示す)に対応するコラム線CLを避けて、コラムドライバCDRVをコラム線CLと、選択スイッチ回路CSSW(冗長コラム線RCL1−2のいずれか)に接続する。不良がない場合、コラムドライバCDRVは、通常のコラム線CLに接続され、冗長コラム線RCL1−2(冗長制御線)には接続されない。
コラムドライバCDRVは、第1の実施形態(図3)と同様に、コラム線制御信号CLZに同期して動作し、コラムスイッチCSWのオン/オフを制御するコラム線CLのいずれかを所定の期間高レベルに変化させる。コラムドライバRCDRVは、コラム線制御信号CLZに同期して動作し、冗長コラムスイッチCSWのオン/オフを制御する冗長コラム線RCL1−2のいずれかを、所定の期間高レベルに変化させる。
選択スイッチ回路CSSWは、コラム冗長選択信号CSELが低論理レベルのときに、コラムドライバCDRVを冗長コラム線RCL1に接続し、ロウ冗長選択信号RSELが高論理レベルのときに、コラムドライバCDRVを冗長コラム線RCL2に接続する。これにより、冗長コラム線RCL2に不良があるとき、冗長コラム線RCL1を用いて救済を実施でき、冗長コラム線RCL1に不良があるとき、冗長コラム線RCL2を用いて救済を実施できる。
以上、第4の実施形態においても、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この実施形態では、シフト冗長方式が採用される半導体メモリMEMにおいても、簡易な冗長スイッチ回路RRSW、CRSWにより、半導体メモリMEMの性能および救済効率を低下させることなく不良を救済できる。
図10は、本発明の第5の実施形態の半導体メモリを示している。第1および第2の実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。この実施形態の半導体メモリMEMは、第4の実施形態の冗長ヒューズ部16C、18C、選択ヒューズ部26C、28Cおよびメモリコア30Cの代わりに冗長ヒューズ部16、18、選択ヒューズ部26、28およびメモリコア30Dを有している。その他の構成は、第4の実施形態と同じである。すなわち、半導体メモリMEMは、DRAMとして形成されている。
冗長ヒューズ部16、18は、第1の実施形態と同様に、2つの冗長ロウアドレスRRAD1−2および2つの冗長コラムアドレスRCAD1−2をそれぞれ記憶する。選択ヒューズ部26、28は、第1の実施形態と同様に、ロウ冗長選択信号RSEL1−2およびコラム冗長選択信号CSEL1−2をそれぞれ出力する。メモリコア30Dは、ロウデコーダRDECの冗長スイッチ回路RRSWと選択スイッチ回路RSSW、およびコラムデコーダCDECの冗長スイッチ回路CRSWと選択スイッチ回路CSSWが、第4の実施形態と相違している。その他の構成は、第2の実施形態と同じである。
図11は、図10に示したロウデコーダRDECの詳細を示している。この実施形態では、2つまでのワード線不良を救済できる。ワード線不良が2つある場合、スイッチ回路RRSWは、冗長ロウアドレスRRAD1−2が示す不良のワード線WL(図にX印で示す)を避けて、ワードドライバWDRVをワード線WLと選択スイッチ回路RSSWに接続する。ワード線不良が1つしかない場合、ワードドライバWDRVの1つのみが、選択スイッチ回路RSSWに接続される。ワード線不良がない場合、ワードドライバWDRVは、通常のワード線WLに接続され、選択スイッチ回路RSSWには接続されない。
選択スイッチ回路RSSWは、ロウ冗長選択信号RSEL1が低論理レベルのときに、ワードドライバWDRVをレギュラー冗長ワード線RWL1に接続し、ロウ冗長選択信号RSEL1が高論理レベルのときに、ワードドライバWDRVをリザーブ冗長ワード線RSVWLに接続する。選択スイッチ回路RSSWは、ロウ冗長選択信号RSEL2が低論理レベルのときに、ワードドライバWDRVをレギュラー冗長ワード線RWL2に接続し、ロウ冗長選択信号RSEL2が高論理レベルのときに、ワードドライバWDRVをリザーブ冗長ワード線RSVWLに接続する。各レギュラー冗長ワード線RWL1−2は、対応するワードドライバWDRVのみにより駆動され、リザーブ冗長ワード線RSVWLは、レギュラー冗長ワード線RWL1−2に対応する2つのワードドライバWDRVに共通に使用され、2つのワードドライバWDRVのいずれかにより駆動される。これにより、レギュラー冗長ワード線RWL1−2のいずれかに不良があるとき、リザーブ冗長ワード線RSVWLを用いて救済を実施できる。
図12は、図10に示したコラムデコーダCDECの詳細を示している。この実施形態では、2つまでのビット線不良を救済できる。ビット線不良が2つある場合、スイッチ回路CRSWは、冗長コラムアドレスRCAD1−2が示す不良のコラム線CLに対応するビット線対BL、/BL(図ではコラム線CLにX印で示す)を避けて、コラムドライバCDRVをコラム線CLと選択スイッチ回路RSSWに接続する。ビット線不良が1つしかない場合、コラムドライバCDRVの1つのみが、選択スイッチ回路CSSWに接続される。ビット線不良がない場合、コラムドライバCDRVは、通常のコラム線CLに接続され、選択スイッチ回路CSSWには接続されない。
選択スイッチ回路CSSWは、コラム冗長選択信号CSEL1が低論理レベルのときに、コラムドライバCDRVをレギュラー冗長コラム線RCL1に接続し、ロウ冗長選択信号RSEL1が高論理レベルのときに、コラムドライバCDRVをリザーブ冗長コラム線RSVCLに接続する。選択スイッチ回路CSSWは、コラム冗長選択信号CSEL2が低論理レベルのときに、コラムドライバCDRVをレギュラー冗長コラム線RCL2に接続し、ロウ冗長選択信号RSEL2が高論理レベルのときに、コラムドライバCDRVをリザーブ冗長コラム線RSVCLに接続する。各レギュラー冗長コラム線RCL1−2は、対応するコラムドライバCDRVのみにより駆動され、リザーブ冗長コラム線RSVCLは、レギュラー冗長コラム線RCL1−2に対応する2つのコラムドライバCDRVに共通に使用され、2つのコラムドライバCDRVのいずれかにより駆動される。これにより、レギュラー冗長コラム線RCL1−2のいずれかに不良があるとき、リザーブ冗長コラム線RSVCLを用いて救済を実施できる。
なお、図12に示した例では、レギュラー冗長コラム線RCL2に対応する冗長ビット線対RBL、/RBLに不良があるため、選択スイッチ回路CSSWは、コラムドライバCDRVを、レギュラー冗長コラム線RCL2に接続せずに、リザーブ冗長コラム線RSVCLに接続する。
以上、第5の実施形態においても、上述した第1および第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この実施形態では、簡易な選択スイッチ回路RSSW、CSSWにより、レギュラー冗長線RWL1−2、RCL1−2の不良を救済できる。すなわち、簡易な回路により、メモリMEMの性能を低下させることなく、救済効率を向上できる。
図13は、本発明の第6の実施形態の半導体メモリを示している。第1、第2および第4の実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。この実施形態の半導体メモリMEMは、第4の実施形態にモードレジスタ32Eおよび不良アドレス選択部34E、36Eを加えて構成されている。その他の構成は、第4の実施形態と同じである。すなわち、半導体メモリMEMは、DRAMとして形成されている。
モードレジスタ32Eは、冗長ヒューズ部16A、18Aの出力をそれぞれ無効にするための記憶部と、仮の冗長ロウアドレスRRADおよび仮の冗長コラムアドレスRCADの値(不良アドレス)を保持するための記憶部とを有している。記憶部は、書き換え可能であり、モードレジスタ設定コマンドとともに供給される外部アドレスADまたはデータDTに応じて設定される。モードレジスタ32Eは、記憶部に設定された値に応じて、ロウヒューズ無効信号、コラムヒューズ無効信号、仮の冗長ロウアドレスRRADおよび仮の冗長コラムアドレスRCADを出力する。
不良アドレス選択部34Eは、モードレジスタ32Eから出力されるロウヒューズ無効信号に応じて冗長ヒューズ部16Cの出力を無効にし、モードレジスタ32Eに設定された仮の冗長ロウアドレスRRADをメモリコア30Cに出力する。不良アドレス選択部36Eは、モードレジスタ32Eから出力されるコラムヒューズ無効信号に応じて冗長ヒューズ部18Cの出力を無効にし、モードレジスタ32Eに設定された仮の冗長コラムアドレスRCADをメモリコア30Cに出力する。すなわち、不良アドレス選択部34E、36Eは、各冗長ヒューズ部16C、18Cにプログラムされた不良アドレスまたはモードレジスタ32Eに保持された仮の不良アドレスのいずれかを、ロウデコーダRDECの冗長スイッチ回路RRSW(図8)およびコラムデコーダCDECの冗長スイッチ回路CRSW(図9)に出力する。
この実施形態では、第2の実施形態と同様に、冗長ヒューズ部16C、18Cのプログラム前に、仮の冗長ロウアドレスRRADおよび仮の冗長コラムアドレスRCADを用いて、ワード線WLあるいはコラム線CLを一時的に救済できる。このため、冗長ワード線RWL1−2(図8)および冗長コラム線RCL1−2(図9)に不良があるか否かを、冗長ヒューズ部16C、18Cがプログラムされる前に検出できる。以上、第6の実施形態においても、上述した第1、第2および第4の実施形態と同様の効果を得ることができる。
図14は、本発明の第7の実施形態の半導体メモリを示している。第1、第3および第4の実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。この実施形態の半導体メモリMEMは、第4の実施形態の選択ヒューズ部26C、28Cの代わりに選択ヒューズ部26F、28Fを有している。また、半導体メモリMEMは、モードレジスタ32Fを有している。その他の構成は、第4の実施形態と同じである。すなわち、半導体メモリMEMは、DRAMとして形成されている。
モードレジスタ32Fは、選択ヒューズ部26F、28Fにプログラムされる値に対応する選択信号RSEL、CSELの出力を無効するための出力無効信号の値をそれぞれ保持する記憶部と、仮の選択信号RSEL、CSELの値をそれぞれ保持するための記憶部と、各選択ヒューズ回路27F、29Fをプログラムするためのプログラム情報が書き込まれるプログラム設定部とを有している。記憶部およびプログラム設定部は、メモリMEMの動作モードがテストモードのときに、モードレジスタ設定コマンドとともに供給される外部アドレスADまたはデータDTに応じて設定される。
モードレジスタ32Fは、記憶部に設定された値に応じて、出力無効信号および仮の選択信号RSEL、CSEL1を、プログラム信号RPRG1、CPRG1として選択ヒューズ部26F、28Fにそれぞれ出力する。また、モードレジスタ32Fは、第3の実施形態と同様に、プログラム設定部にプログラム情報が書き込まれたときに、選択ヒューズ回路27F、29Fをプログラムするためのプログラム信号RPRG2、CPRG2(電気信号)を出力する。すなわち、モードレジスタ32Fは、電気信号RPRG2、CPRG2を、メモリMEMの外部から供給されるプログラム情報に応じて出力するプログラム制御回路として機能する。なお、メモリMEMは、プログラム信号線RPRG2、CPRG2に大電流または高電圧を供給するための図示しない電流生成回路または電圧生成回路を有している。
選択ヒューズ回路27F、29Fは、電気信号RPRG1−2に応じてプログラムされるために、電流によりブローされるヒューズ、あるいは、電圧により導通または絶縁されるヒューズを有している。選択ヒューズ回路27Fは、レギュラー冗長ワード線RWL1−2(図8)のいずれかを使用するために、プログラム状態に応じたロウ冗長選択信号RSELを出力する。選択ヒューズ回路29Fは、レギュラー冗長コラム線RCL1−2(図9)のいずれかを使用するために、プログラム状態に応じたコラム冗長選択信号CSELを出力する。
但し、選択ヒューズ部26Fは、モードレジスタ32Fから出力される出力無効信号に応じて、選択ヒューズ回路27Fからのロウ冗長選択信号RSELの出力を禁止し、モードレジスタ32Fから出力される仮のロウ冗長選択信号RSELをメモリコア30Cに出力する。また、選択ヒューズ部28Fは、モードレジスタ32Fから出力される出力無効信号に応じて、選択ヒューズ回路29Fからのコラム冗長選択信号CSELの出力を禁止し、モードレジスタ32Fから出力される仮のコラム冗長選択信号CSELをメモリコア30Cに出力する。
以上、第7の実施形態においても、上述した第1、第3および第4の実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、簡易な回路により、メモリMEMの性能を低下させることなく、救済効率を向上でき、テストコストを削減できる。
なお、上述した実施形態では、本発明をDRAMに適用する例について述べた。本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明を、擬似SRAM、SRAMあるいはフラッシュメモリ等に適用してもよい。擬似SRAMは、DRAMのメモリセルを有し、SRAMと同じ入出力インタフェースを有し、メモリセルのリフレッシュ動作を内部で自動的に実行するメモリである。本発明を適用する半導体メモリは、クロック非同期式でもよく、クロック同期式でもよい。
上述した第1−第3、第5の実施形態では、2本のレギュラー冗長ワード線RWL1−2に対して1本のリザーブワード線RSVWLを形成し、2本のレギュラー冗長コラム線RCL1−2に対して1本のリザーブ冗長コラム線RSVCLを形成する例について述べた。本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、3本のレギュラー冗長ワード線RWLに対して1本のリザーブワード線RSVWLを形成し、3本のレギュラー冗長コラム線RCLに対して1本のリザーブ冗長コラム線RSVCLを形成しもよい。
上述した実施形態では、本発明をワード線WLの冗長回路およびコラム線CLの冗長回路の両方に適用する例について述べた。本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明をワード線WLの冗長回路およびコラム線CLの冗長回路の一方に適用してもよい。
上述した第3および第7の実施形態では、選択ヒューズ部26B、28B、26F、28Fを、モードレジスタ32B、32Fを用いて、テスト工程後にプログラムする例について述べた。本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、冗長ヒューズ部16、18、16C、18Cを、モードレジスタ32B、32Fを用いて、テスト工程後にプログラムする回路構成としてもよい。この場合、テスト工程後に発生した通常のワード線WLの不良およびビット線BL、/BLの不良を救済できる。
上述した第3および第7の実施形態では、テスト工程後にプログラム可能にする機能と、選択ヒューズ回路27B、29B、27F、29Fにプログラムされた内容を無効にする機能とを、メモリMEMに設ける例について述べた。本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、メモリMEMに、上記機能にいずれか一方を設けてもよい。
また、第2の実施形態に第3の実施形態の特徴を加えてもよい。また、第6の実施形態に第7の実施形態の特徴を加えてもよい。すなわち、冗長ヒューズ部および選択ヒューズ部をプログラムする前に、仮の冗長アドレスおよび仮の選択信号を用いて不良を一時的に救済してもよい。この場合、ヒューズ回路を使用しても救済できない不良を予め判定することができる。この結果、ヒューズ回路を無駄にプログラムすることが無くなり、テストコストを削減できる。
本発明は、単独のパッケージにモールドされる半導体メモリに適用されてもよく、CPUあるいはメモリコントローラ等とともにシリコン基板上に搭載される半導体メモリに適用されてもよい(SOC;システムオンチップ)。あるいは、CPUあるいはメモリコントローラ等とともに1つのパッケージにモールドされる半導体メモリに適用されてもよい(SIP;システムインパッケージ)。
以上の実施形態に関して、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
メモリセルおよびメモリセルに接続されたワード線、ビット線を有するセルアレイと、
複数の不良アドレスがそれぞれプログラムされる複数の冗長ヒューズ回路と、
前記冗長ヒューズ回路にそれぞれ対応して専用に設けられ、不良を救済するためのレギュラー冗長線と、
前記冗長ヒューズ回路に共通に設けられ、不良を救済するためのリザーブ冗長線と、
前記冗長ヒューズ回路にそれぞれ対応して設けられ、前記冗長ヒューズ回路にプログラムされた不良アドレスをアクセスアドレスと比較し、比較結果が一致するときに冗長信号をそれぞれ出力する複数のアドレス比較回路と、
前記冗長信号に応答して、対応するレギュラー冗長線または前記リザーブ冗長線のいずれかを有効にするスイッチ回路と、
前記スイッチ回路の切り替えを制御するための冗長選択信号を出力する選択ヒューズ回路とを備えていることを特徴とする半導体メモリ。
(付記2)
付記1記載の半導体メモリにおいて、
複数の不良アドレスを書き換え可能に保持するレジスタと、
前記各冗長ヒューズ回路にプログラムされた不良アドレスまたは前記レジスタに保持された対応する不良アドレスのいずれかを前記各アドレス比較回路に出力する不良アドレス選択部を備えていることを特徴とする半導体メモリ。
(付記3)
付記1記載の半導体メモリにおいて、
前記選択ヒューズ回路をプログラムするための電気信号を、半導体メモリの外部から供給されるプログラム情報に応じて出力するプログラム制御回路を備えていることを特徴とする半導体メモリ。
(付記4)
付記1記載の半導体メモリにおいて、
前記レギュラー冗長線および前記リザーブ冗長線は、不良のワード線を救済するための冗長ワード線であることを特徴とする半導体メモリ。
(付記5)
付記1記載の半導体メモリにおいて、
不良のビット線を救済するための複数の冗長ビット線と、
前記冗長ビット線にそれぞれ接続される冗長コラムスイッチとを備え、
前記レギュラー冗長線および前記リザーブ冗長線は、前記冗長コラムスイッチのオン/オフを制御するコラム線制御信号を伝達する冗長コラム線であることを特徴とする半導体メモリ。
(付記6)
メモリセルと、メモリセルをアクセスするための制御線と、不良のメモリセルまたは不良の制御線を救済するための複数の冗長制御線とを有するメモリコアと、
前記制御線をそれぞれ駆動する複数のドライバと、
不良アドレスがプログラムされる冗長ヒューズ回路と、
前記ドライバを前記冗長制御線のいずれかに選択的に接続するための選択スイッチ回路と、
前記各ドライバの出力を、前記冗長ヒューズ回路にプログラムされた不良アドレスに対応する制御線を除く制御線と選択スイッチ回路とに接続する冗長スイッチ回路と、
前記選択スイッチ回路の切り替えを制御するための冗長選択信号を出力する選択ヒューズ回路とを備えていることを特徴とする半導体メモリ。
(付記7)
付記6記載の半導体メモリにおいて、
前記冗長制御線は、前記ドライバのいずれか1つにそれぞれ対応する複数のレギュラー冗長線と、前記レギュラー冗長線に対応するドライバに共通のリザーブ冗長線とで構成されることを特徴とする半導体メモリ。
(付記8)
付記6記載の半導体メモリにおいて、
不良アドレスを書き換え可能に保持するレジスタと、
前記冗長ヒューズ回路にプログラムされた不良アドレスまたは前記レジスタに保持された不良アドレスのいずれかを前記冗長スイッチ回路に出力する不良アドレス選択部を備えていることを特徴とする半導体メモリ。
(付記9)
付記6記載の半導体メモリにおいて、
前記選択ヒューズ回路をプログラムするための電気信号を、半導体メモリの外部から供給されるプログラム情報に応じて出力するプログラム制御回路を備えていることを特徴とする半導体メモリ。
(付記10)
付記6記載の半導体メモリにおいて、
前記メモリコアは、メモリセルに接続されたワード線を備え、
前記冗長制御線は、不良のワード線を救済するための冗長ワード線であることを特徴とする半導体メモリ。
(付記11)
付記6記載の半導体メモリにおいて、
前記メモリコアは、メモリセルに接続されたビット線と、不良のビット線を救済するための冗長ビット線と、ビット線に接続されるコラムスイッチと、冗長ビット線に接続される冗長コラムスイッチとを備え、
前記冗長制御線は、冗長コラムスイッチのオン/オフを制御するコラム線制御信号を伝達する冗長コラム線であることを特徴とする半導体メモリ。
以上、本発明について詳細に説明してきたが、上記の実施形態およびその変形例は発明の一例に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。本発明を逸脱しない範囲で変形可能であることは明らかである。
本発明は、不良を救済するための冗長回路を有する半導体メモリに適用できる。
本発明の第1の実施形態の半導体メモリを示すブロック図である。
図1に示したロウデコーダの詳細を示すブロック図である。
図1に示したコラムデコーダの詳細を示すブロック図である。
図2に示した冗長ワードデコーダおよび図3に示した冗長コラムデコーダの詳細を示す回路図である。
本発明の第2の実施形態の半導体メモリを示すブロック図である。
本発明の第3の実施形態の半導体メモリを示すブロック図である。
本発明の第4の実施形態の半導体メモリを示すブロック図である。
図7に示したロウデコーダの詳細を示すブロック図である。
図7に示したコラムデコーダの詳細を示すブロック図である。
本発明の第5の実施形態の半導体メモリを示すブロック図である。
図10に示したロウデコーダの詳細を示すブロック図である。
図10に示したコラムデコーダの詳細を示すブロック図である。
本発明の第6の実施形態の半導体メモリを示すブロック図である。
本発明の第7の実施形態の半導体メモリを示すブロック図である。