本発明は、レーザ光源を用いる投写型ディスプレイ装置及び光源装置に関するものである。
大画面ディスプレイ装置として、透過/反射型液晶素子或いはマイクロミラーアレイといった空間光変調素子を用いた前面投写型ディスプレイ装置及び背面投写型ディスプレイ装置が知られている。前面投写型及び背面投写型ディスプレイ装置ではカラー画像を形成するために赤・緑・青の3原色に対応して3つの空間光変調素子を有するタイプと、一つの空間光変調素子に時分割で3原色を照射してカラー画像を合成するタイプとがある。投写型ディスプレイ装置の光源としては従来、超高圧水銀ランプが用いられていたが、近年、高出力の青色半導体レーザが商用化されてきたことで、赤色半導体レーザや第2高調波発生(以下SHGと略記)による緑色レーザと合わせて、3原色のレーザ光源を用いた投写型ディスプレイ装置の開発が進んでいる。
光源として単色光であるレーザを用いることにより、再現できる色範囲が広がり、かつ消費電力も小さな投写型ディスプレイ装置を実現することができる。投写型ディスプレイ装置において、明るい画面を得るためには高出力の光源が必要であるが、一つの半導体レーザで得られる出力には限界があるので、複数個の半導体レーザから出射するレーザ光を合わせて高出力の光を得る方法が必要となる。従来の投写型ディスプレイ装置としては、固体発光素子からの光を集光レンズにより合波して高出力化しているものがあった(例えば、特許文献1参照)。
図12は、特許文献1に記載された従来の投写型ディスプレイ装置の構成を示す図である。図12において、固体光源101から出射した光は、レンズアレイ102によりコリメートされ、集光レンズ103によってロッドインテグレータ104に集光される。ロッドインテグレータ104内で反射を繰り返すことにより、ロッドインテグレータ104の出射端面では均一な光量分布が得られる。ロッドインテグレータ104からの出射光をリレーレンズ105とフィールドレンズ106とを介して液晶空間光変調素子107に照射することで、均一な照明光が得られる。
液晶空間光変調素子107の像は、投射レンズ108によって図示しないスクリーンに結像される。ロッドインテグレータ104は硝子部材からなる直方体の光学素子であり、光の入射面の形状と出射面の形状とは液晶空間光変調素子の被照明部の形状と相似形状になっている。近年では表示画面のワイド化が進み、アスペクト比が16:9の画面が多くなっており、空間光変調素子もロッドインテグレータも16:9のアスペクト比になっている。
従来の投写型ディスプレイ装置における固体発光素子としては、発光ダイオードや超高圧水銀ランプなどが用いられる。発光ダイオードや超高圧水銀ランプなどは、発散角も発光領域もロッドインテグレータの光軸に対して軸対称となる。そのため、従来の投写型ディスプレイ装置では、特に光源とロッドインテグレータとの配置を考慮する必要がなく、単純な点光源として扱うことができる。
そのため、特許文献1における従来の投写型ディスプレイ装置の構成では、固体発光素子として直線偏光を出射する半導体レーザを用いる場合には偏光変換装置が不要になる旨は記載されているが、半導体レーザの他の特性には触れられていない。図13は、半導体レーザの構造を示す斜視図である。
図13において、半導体レーザチップ109は、活性層110及びクラッド層111を備える。半導体レーザチップ109に図示しない電極を経由して電流を流すと活性層110のうち、クラッド層111で制限された発光領域112からレーザ光が出射する。活性層110の厚さは1ミクロン程度なので、レーザ光が高出力になると発光領域112でのエネルギー密度が高くなりついには端面破壊にいたる。従って、高出力の半導体レーザでは端面破壊を避けるため発光領域112のX軸方向の長さ(以下ストライプ幅と称する)が10ミクロン〜200ミクロンと大きくなっている。
また、半導体レーザから出射するレーザ光の発散角は図13中Y方向には半値全角で20〜40度、X方向には10〜15度である。従って、集光レンズによって発光領域112から出射したレーザ光を集光すると縦横比が大きく異なる集光スポットが出来る。このように、半導体レーザからの出射光は、発光ダイオードからの出射光と異なり、発散角や発光領域の異方性が大きく、単純な点光源としては扱えないにもかかわらず、上記の特許文献1にはロッドインテグレータと半導体レーザとの配置に関しては詳述されていない。
また、ロッドインテグレータの光軸と、入射光束の最外縁光線とのなす角度は、投射レンズのFナンバーとの関係で最適な値が決まるが、特許文献1では固体発光素子からのコリメート光を集光レンズによりロッドインテグレータに集光しているので、集光レンズの口径と焦点距離との比がそのままロッドインテグレータに入射する光の角度となる。この角度を保ったまま、固体発光素子の数を増やそうとすると集光レンズの口径が大きくなり、必然的に焦点距離も大きくなり、装置の大型化につながるという課題を有していた。
特開2005−300712号公報
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、レーザ光源とホモジナイザーとの配置を最適化することにより、小型化を実現することができるとともに、高出力の光を得ることができる投写型ディスプレイ装置及び光源装置を提供することを目的とするものである。
本発明の一局面に係る投写型ディスプレイ装置は、楕円形状のレーザ光を出射する発光領域を有するレーザ光源と、前記レーザ光源から出射するレーザ光を集光する集光レンズと、前記集光レンズの集光光束上に矩形状の入射面を有するホモジナイザーと、前記ホモジナイザーから出射するレーザ光を変調する空間光変調素子と、前記空間光変調素子により変調されたレーザ光を投射する投射レンズとを備え、前記ホモジナイザーの入射面は長方形状であり、前記レーザ光源は、前記発光領域の長軸方向と、前記ホモジナイザーの入射面の長辺方向とが平行になるように配置される。
この構成によれば、レーザ光源は、楕円形状のレーザ光を出射する発光領域を有し、レーザ光源から出射するレーザ光が集光レンズにより集光される。ホモジナイザーは、集光レンズの集光光束上に矩形状の入射面を有しており、ホモジナイザーから出射するレーザ光が空間光変調素子により変調され、空間光変調素子により変調されたレーザ光が投射レンズにより投射される。そして、ホモジナイザーの入射面は長方形状であり、レーザ光源は、発光領域の長軸方向と、ホモジナイザーの入射面の長辺方向とが平行になるように配置される。
したがって、レーザ光源の発光領域の長軸方向と、ホモジナイザーの入射面の長辺方向とが平行になるようにレーザ光源が配置されるので、レーザ光源から出射したレーザ光を効率よくホモジナイザーに導くことができ、レーザ光源とホモジナイザーとの配置が最適化され、小型化を実現することができるとともに、ホモジナイザーから高出力の光を得ることができる。
本発明の他の局面に係る光源装置は、楕円形状のレーザ光を出射する発光領域を有するレーザ光源と、前記レーザ光源から出射するレーザ光を集光する集光レンズと、前記集光レンズの集光光束上に矩形状の入射面を有するホモジナイザーとを備え、前記ホモジナイザーの入射面は長方形状であり、前記レーザ光源は、前記発光領域の長軸方向と、前記ホモジナイザーの入射面の長辺方向とが平行になるように配置される。
この構成によれば、レーザ光源は、楕円形状のレーザ光を出射する発光領域を有し、レーザ光源から出射するレーザ光が集光レンズにより集光され、集光レンズの集光光束上に矩形状の入射面を有するホモジナイザーが配置される。そして、ホモジナイザーの入射面は長方形状であり、レーザ光源は、発光領域の長軸方向と、ホモジナイザーの入射面の長辺方向とが平行になるように配置される。
したがって、レーザ光源の発光領域の長軸方向と、ホモジナイザーの入射面の長辺方向とが平行になるようにレーザ光源が配置されるので、レーザ光源から出射したレーザ光を効率よくホモジナイザーに導くことができ、レーザ光源とホモジナイザーとの配置が最適化され、小型化を実現することができるとともに、ホモジナイザーから高出力の光を得ることができる。
本発明の他の局面に係る投写型ディスプレイ装置は、複数のレーザ光源と、前記複数のレーザ光源から出射するレーザ光を集光させる前記複数のレーザ光源毎に設けられた複数の集光レンズと、前記複数の集光レンズの集光光束上に矩形状の入射面を有するホモジナイザーと、前記ホモジナイザーから出射するレーザ光を変調する空間光変調素子と、前記空間光変調素子により変調されたレーザ光を投射する投射レンズとを備え、前記複数のレーザ光源は、赤色のレーザ光を出射する赤色レーザ光源と、青色のレーザ光を出射する青色レーザ光源と、緑色のレーザ光を出射する緑色レーザ光源とを含み、前記赤色レーザ光源及び青色レーザ光源は、前記ホモジナイザーの光軸に対して軸対称となるように配置され、前記緑色レーザ光源は、前記ホモジナイザーの光軸上に配置され、前記複数の集光レンズは、前記赤色レーザ光源から出射する赤色レーザ光を前記ホモジナイザーの入射面に集光させる赤色用集光レンズと、前記青色レーザ光源から出射する青色レーザ光を前記ホモジナイザーの入射面に集光させる青色用集光レンズと、前記緑色レーザ光源から出射する緑色レーザ光を前記ホモジナイザーに入射する前に集光させる緑色用集光レンズとを含み、前記緑色用集光レンズの集光点における前記ホモジナイザーの光軸と前記緑色レーザ光の最外縁とのなす角度が、前記赤色用集光レンズ又は前記青色用集光レンズの集光点における前記ホモジナイザーの光軸と前記赤色レーザ光又は前記青色レーザ光とのなす角度と同じである。
この構成によれば、複数のレーザ光源から出射したレーザ光が、複数のレーザ光源毎に設けられた複数の集光レンズにより集光される。ホモジナイザーは、複数の集光レンズの集光光束上に矩形状の入射面を有しており、ホモジナイザーから出射するレーザ光が空間光変調素子により変調され、空間光変調素子により変調されたレーザ光が投射レンズにより投射される。そして、赤色のレーザ光を出射する赤色レーザ光源と、青色のレーザ光を出射する青色レーザ光源とが、ホモジナイザーの光軸に対して軸対称となるように配置され、緑色のレーザ光を出射する緑色レーザ光源が、ホモジナイザーの光軸上に配置される。赤色用集光レンズにより、赤色レーザ光源から出射した赤色レーザ光が一点で集光され、青色用集光レンズにより、青色レーザ光源から出射した青色レーザ光が一点で集光され、緑色用集光レンズにより、緑色レーザ光源から出射した緑色レーザ光がホモジナイザーに入射する前に集光される。そして、緑色用集光レンズの集光点におけるホモジナイザーの光軸と緑色レーザ光の最外縁とのなす角度が、赤色用集光レンズ又は青色用集光レンズの集光点におけるホモジナイザーの光軸と赤色レーザ光又は青色レーザ光とのなす角度と同じとなる。
したがって、半導体レーザである赤色レーザ光源及び青色レーザ光源よりも構成が複雑な緑色レーザ光源が、ホモジナイザーの光軸上に配置されるので、装置の小型化を実現することができる。また、緑色レーザ光源をホモジナイザーの光軸上に配置したとしても、緑色レーザ光がホモジナイザーの入射面に所定の角度を有して入射するので、緑色レーザ光の光量分布を赤色及び青色レーザ光の光量分布と同程度に均一化することができ、色ムラの発生を抑制することができる。
本発明の実施の形態1における投写型ディスプレイ装置のYZ側面図である。
本発明の実施の形態1における投写型ディスプレイ装置のXZ側面図である。
本発明の実施の形態1における投写型ディスプレイ装置のXY側面図である。
半導体レーザ及びロッドインテグレータとの配置関係を説明するための図である。
複数の発光領域を有する半導体レーザとロッドインテグレータとの配置関係を説明するための図である。
本発明の実施の形態2における投写型ディスプレイ装置の構成を示す図である。
本発明の実施の形態3における投写型ディスプレイ装置の構成を示す図である。
本発明の実施の形態4における投写型ディスプレイ装置の構成を示す図である。
本発明の実施の形態4におけるレーザ光源のXY側面図である。
本発明の実施の形態4における緑色レーザの構成を示す図である。
実施の形態4において、ロッドインテグレータに入射する各色のレーザ光について説明するための図である。
従来の投写型ディスプレイ装置の構成を示す図である。
従来の半導体レーザの構造を示す斜視図である。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明はその要点を変更しない範囲において適宜変更して実施することができる。
(実施の形態1)
図1及び図2は、本発明の実施の形態1における投写型ディスプレイ装置の構成を示す図である。なお、図1及び図2中に示すようにXYZ軸を定義する。図1は、本発明の実施の形態1における投写型ディスプレイ装置のYZ側面図であり、図2は、本発明の実施の形態1における投写型ディスプレイ装置のXZ側面図である。
図1及び図2において、実施の形態1に係る投写型ディスプレイ装置は、レーザ光源1、集光レンズ2、レンチキュラレンズ3、ロッドインテグレータ4、リレーレンズ5、フィールドレンズ6、空間光変調素子7及び投射レンズ8を備える。
レーザ光源1は、後述するように6個の半導体レーザからなり、赤色または青色のレーザ光を出射する。集光レンズ2は、後述するように6個のレンズからなり、レーザ光源1から出射したレーザ光を集光する。レンチキュラレンズ3は、Y軸方向に並んだシリンドリカルレンズ群と、X方向に並んだシリンドリカルレンズ群とを一体化したレンズである。レンチキュラレンズ3は、図示しない駆動素子によりZ軸周りに回転するように保持されている。
ロッドインテグレータ4は、直方体の硝子部材で構成され、入射したレーザ光の光量分布を均一化する。ロッドインテグレータ4の入射面はY軸方向が長辺で、X軸方向が短辺である長方形状をなしている。なお、本実施の形態におけるロッドインテグレータ4がホモジナイザーの一例に相当する。リレーレンズ5とフィールドレンズ6とは、ロッドインテグレータ4の出射端面の像を空間光変調素子7上に結像する。空間光変調素子7は、例えば液晶パネルで構成され、ロッドインテグレータ4の出射端面の像を変調する。投射レンズ8は、図示しないスクリーン上に空間光変調素子7で変調された像を投射する。
図3は、本発明の実施の形態1における投写型ディスプレイ装置のXY側面図である。なお、図3では、煩雑さを避けるためレーザ光源1からロッドインテグレータ4を見た場合の構成を示している。図3において、図1及び図2と同一物については同一番号を付し説明を省略する。図3において、レーザ光源1は、複数の半導体レーザ1a〜1fを含み、集光レンズ2は、複数の集光レンズ2a〜2fを含む。
半導体レーザ1a〜1fは、ロッドインテグレータ4の光軸に対して軸対称となるように配置されている。さらに半導体レーザ1a〜1fのそれぞれの発光領域のストライプ幅方向はロッドインテグレータ4の長辺と平行になるように配置されている。半導体レーザ1a〜1fと集光レンズ2a〜2fとの相対位置は半導体レーザ1a〜1fから出射したレーザ光がそれぞれレンチキュラレンズ3を透過してロッドインテグレータ4に入射するように調整された後、固定されている。
図4は、半導体レーザとロッドインテグレータとの配置関係を説明するための図である。なお、図4では、一例として半導体レーザ1aの構成について説明する。他の半導体レーザ1b〜1fの構成は、半導体レーザ1aの構成と同じである。図4において、半導体レーザ1aは、基板21、活性層22、上部光ガイド層23、下部光ガイド層24、p型クラッド層25、n型クラッド層26、p型電極27及びn型電極28を備え、それぞれが積層されている。
活性層22は、注入された電子及びホールが再結合し、バンドギャップエネルギーに応じた波長の光を発光する。上部光ガイド層23及び下部光ガイド層24は、発光した光を活性層22に閉じこめる。p型クラッド層25及びn型クラッド層26は、活性層22の接合領域の電子密度及びホール密度を高める。p型電極27及びn型電極28は、それぞれ電源の正極及び負極に接続される。
p型電極27及びn型電極28を介して電流を注入すると、n側から多くの電子がp側へ集まるとともに、p側からも多くのホールがn側へ集まる。そして、p−n結合されている活性層22近辺の領域で、集められた電子とホールとが再結合し、再結合したときに光が誘導放出される。誘導放出された光は、上部光ガイド層23及び下部光ガイド層24の間に閉じこめられ、上部光ガイド層23及び下部光ガイド層24の間で繰り返し反射することにより、レーザ光として出射される。
活性層22の厚みは、例えば1μmである。活性層22の発光する部分の幅方向の長さは、青色レーザ光の場合で例えば7μmであり、赤色レーザ光の場合で例えば150μmである。したがって、活性層22の発光領域29からは、楕円形状の光が出射されることとなる。
ここで、ロッドインテグレータ4の入射面4aは長方形状である。半導体レーザ1aは、発光領域29の長軸方向(図4の矢印31に示すストライプ幅方向)と、ロッドインテグレータ4の入射面4aの長辺方向(図4の矢印32に示す方向)とが平行になるように配置される。
以下、図1〜図3を用いて本発明の実施の形態1における投写型ディスプレイ装置の動作について説明する。半導体レーザ1a〜1fから出射したレーザ光は、集光レンズ2a〜2fによって各々の集光光束の交点がロッドインテグレータ4の入射面に一致するように集光される。この時、半導体レーザ1a〜1fのそれぞれの活性層のストライプ幅の方向とロッドインテグレータ4の長辺方向とが平行になっていることで、ロッドインテグレータ4に入射する光がけられない範囲で最大の集光スポットを得ることができるので、ロッドインテグレータ4の出射端面での光量分布を均一にすることが出来る。
レンチキュラレンズ3は図示しない駆動素子によってZ軸周りに回転することでロッドインテグレータ4に入射するレーザ光の入射位置と入射角とを時間的に変化させる作用を有し、ロッドインテグレータ4の出射端面での光量分布の均一化を行う。
更にレーザ光は可干渉性が高いためにスクリーンの微細な凹凸から反射した光が人間の目に入って干渉することでスペックルノイズと呼ばれるランダムな干渉パターンが形成されるがレンチキュラレンズ3を駆動することでランダムな干渉パターンを平均化することができ、スペックルノイズを低減することが出来る。ロッドインテグレータ4に入射した光は内部で多重反射し、出射端面でほぼ均一な光量分布になる。さらに、半導体レーザ1a〜1fをロッドインテグレータ4の光軸に対して軸対称に配置することで、各半導体レーザから出射した光の光量分布が互いに軸対称になるので、より出射端面での光量分布の均一性が向上する。
ロッドインテグレータ4から出射する光の最外縁光とロッドインテグレータ4の光軸とのなす角度は、半導体レーザ1a〜1fからロッドインテグレータ4に入射する光がロッドインテグレータ4の光軸となす角度と、ロッドインテグレータ4の光軸に平行な光がレンチキュラレンズ3によって屈折された光がロッドインテグレータ4の光軸となす角度との和になる。したがって、これらの角度の和がリレーレンズ5の取り込み角度と整合するようにする必要がある。ロッドインテグレータ4から出射した光は、リレーレンズ5とフィールドレンズ6とによって空間光変調素子7に照射される。空間光変調素子7は、図示しない制御回路からの信号に基づき、照射された光を空間変調する。投射レンズ8は、空間光変調素子7によって空間変調された変調光を図示しないスクリーン上に投射することで像を形成する。
かかる構成によれば、半導体レーザ1a〜1fのそれぞれの活性層のストライプ幅方向と、ロッドインテグレータ4の長辺方向とが平行となるように、半導体レーザ1a〜1fを配置することにより、ロッドインテグレータ4に入射する光がけられない範囲で最大の集光スポットを得ることができるので、ロッドインテグレータ4の出射端面での光量分布を均一にすることができる。また、半導体レーザ1a〜1fがロッドインテグレータ4の光軸に対して軸対称となるように配置されることにより、各半導体レーザから出射した光の光量分布が互いに軸対称になるのでよりロッドインテグレータ4の出射端面での光量分布の均一性が向上することとなり、スクリーン上で明るく均一な光量分布が得られることとなる。
なお、本実施の形態において、ロッドインテグレータ4の代わりに内部が中空のライトパイプを用いてもかまわない。また、本実施の形態において、半導体レーザの個数は6個に限られるものではなく、いくつであってもロッドインテグレータ4の光軸に対して軸対称となるように配置すればよい。
また、半導体レーザ1a〜1fの発光領域は一つのレーザチップに対して一つと限る必要はなく、複数個の発光領域が活性層に沿って並ぶマルチエミッタ型の半導体レーザであってもよい。図5は、複数の発光領域を有する半導体レーザとロッドインテグレータとの配置関係を説明するための図である。図5において、マルチエミッタ型の半導体レーザ1a’は、基板21、活性層22、上部光ガイド層23、下部光ガイド層24、p型クラッド層25、n型クラッド層26、p型電極27及びn型電極28を備え、それぞれが積層されている。なお、図5のマルチエミッタ型の半導体レーザ1a’において、図4に示す半導体レーザ1aと同じ構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
マルチエミッタ型の半導体レーザ1a’は、各々が活性層に沿って直線上に配置された複数の発光領域29a,29b,29cを有している。活性層22の各発光領域29a,29b,29cからは、それぞれ楕円形状の光が出射される。ここで、ロッドインテグレータ4の入射面4aは長方形状である。半導体レーザ1a’は、複数の発光領域29a,29b,29cが並ぶ方向(図5の矢印33に示すストライプ幅方向)と、ロッドインテグレータ4の入射面4aの長辺方向(図5の矢印32に示す方向)とが平行になるように配置される。
このように、マルチエミッタ型の半導体レーザにおいてもストライプ幅方向とロッドインテグレータ4の長辺方向を平行とすることによりロッドインテグレータ4に入射する光がけられない範囲で最大の集光スポットを得ることができるので、ロッドインテグレータ4の出射端面での光量分布を均一にすることができる。
なお、図5に示すマルチエミッタ型の半導体レーザ1a’は、3つの発光領域を有しているが、本発明は特にこれに限定されず、マルチエミッタ型の半導体レーザ1a’は、2つ又は4つ以上の発光領域を有してもよい。
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2における投写型ディスプレイ装置の構成を示す図である。図6において、図1及び図2と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図6において、実施の形態2に係る投写型ディスプレイ装置は、レーザ光源1、集光レンズ2、レンチキュラレンズ3、ロッドインテグレータ4、リレーレンズ5、フィールドレンズ6、空間光変調素子7、投射レンズ8、凸レンズ9及び凹レンズ10を備える。凸レンズ9と凹レンズ10とは望遠タイプの光学系をなしており、凸レンズ9に入射した平行光がロッドインテグレータ4の入射面に集光するように構成されている。以下、図6を用いて本発明の実施の形態2における投写型ディスプレイ装置の動作について説明する。
レーザ光源1を構成する複数の半導体レーザの発光領域は、集光レンズ2を構成するそれぞれのレンズの焦点に一致するように調整されており、半導体レーザから出射した光は集光レンズ2によって、それぞれロッドインテグレータ4の光軸に平行な平行光となる。集光レンズを出射した平行光は凸レンズ9と凹レンズ10によって集光され、レンチキュラレンズ3を透過した後、ロッドインテグレータ4の入射端面に入射する。以降の動作については実施の形態1における投写型ディスプレイ装置の動作と同様であるので説明を省略する。
かかる構成によれば、凸レンズ9と凹レンズ10とによって構成される望遠タイプのレンズの焦点距離に比べて凸レンズ9と凹レンズ10との間隔は小さくなるので、レーザ光源1からロッドインテグレータ4までの間隔を短くすることが可能となり、投写型ディスプレイ装置の小型化が可能となる。
(実施の形態3)
図7は、本発明の実施の形態3における投写型ディスプレイ装置の構成を示す図である。図7において、図1及び図2と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図7において、実施の形態3に係る投写型ディスプレイ装置は、レーザ光源1、集光レンズ2、レンチキュラレンズ3、ロッドインテグレータ4、リレーレンズ5、フィールドレンズ6、空間光変調素子7、投射レンズ8、第1の凸レンズ11及び第2の凸レンズ12を備える。第1の凸レンズと第2の凸レンズとの間隔は各々の焦点距離の和程度に設定されており、第1の凸レンズ11によって集光された光は第2の凸レンズ12によってロッドインテグレータ4の入射端面に集光する。第1の凸レンズ11と第2の凸レンズ12とは望遠タイプの光学系をなしており、合成焦点距離に比べてレンズ間隔を小さくできる。以下図7を用いて本発明の実施の形態3における投写型ディスプレイ装置の動作について説明する。
レーザ光源1を構成する複数の半導体レーザの発光領域は、集光レンズ2を構成するそれぞれのレンズの焦点に一致するように調整されており、半導体レーザから出射した光は集光レンズ2によって、それぞれロッドインテグレータ4の光軸に平行な平行光となる。集光レンズを出射した平行光は第1の凸レンズ11と第2の凸レンズ12とによって集光され、レンチキュラレンズ3を透過した後、ロッドインテグレータ4の入射端面に入射する。以降の動作については実施の形態1における投写型ディスプレイ装置の動作と同様であるので説明を省略する。
かかる構成によれば、第1の凸レンズ11と第2の凸レンズ12とによって構成される望遠タイプのレンズの合成焦点距離に比べて、第1の凸レンズ11と第2の凸レンズ12との間隔は小さくなる。したがって、ロッドインテグレータ4に入射する最外縁光とロッドインテグレータ4の光軸とのなす角度を保ったまま、レーザ光源1のサイズ即ち第1の凸レンズ11の口径を大きくするときに、レーザ光源1からロッドインテグレータ4までの間隔を合成焦点距離よりも短くすることが可能となり、小型で高出力な投写型ディスプレイ装置を提供することが可能となる。
(実施の形態4)
図8は、本発明の実施の形態4における投写型ディスプレイ装置の構成を示す図である。図8において、図6と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図8において、実施の形態4に係る投写型ディスプレイ装置は、レーザ光源13、集光レンズ2、レンチキュラレンズ3、ロッドインテグレータ4、リレーレンズ5、フィールドレンズ6、空間光変調素子7、投射レンズ8、凸レンズ9、凹レンズ10及び2分の1波長板14を備える。
レーザ光源13は、後述するように3原色のレーザ光源からなっている。2分の1波長板14は、偏光面を回転させる。図9は、図8に示すレーザ光源13のXY側面図である。図9において、レーザ光源13は、赤色半導体レーザ13a,13c,13d,13f、青色半導体レーザ13b,13e及び緑色レーザ13gを含む。赤色半導体レーザ13a,13c,13d,13fは、偏光面が活性層の積層方向に垂直な赤色レーザ光を出射する。青色半導体レーザ13b,13eは、偏光面が活性層の積層方向に平行な青色レーザ光を出射する。緑色レーザ13gは、緑色レーザ光を出射する。
また、集光レンズ2は、複数の集光レンズ2a〜2gを含む。集光レンズ2a,2c,2d,2fは、赤色半導体レーザ13a,13c,13d,13fから出射した各赤色レーザ光を、ロッドインテグレータ4の入射面に集光する。集光レンズ2b,2eは、青色半導体レーザ13b,13eから出射した各青色レーザ光を、ロッドインテグレータ4の入射面に集光する。集光レンズ2gは、緑色半導体レーザ13gから出射した緑色レーザ光を、ロッドインテグレータ4の入射面よりも手前に集光する。
図10は、図9に示す緑色レーザ13gの構成を示す図であり、図10において、緑色レーザ13gは、赤外半導体レーザ15、レーザ媒質16及びSHG(Second Harmonic Generation)素子17を備える。赤外半導体レーザ15は、例えば809nmの波長の励起用レーザ光を出射する。レーザ媒質16は、例えばYAG結晶で構成される。レーザ媒質16の赤外半導体レーザ15側には1064nmの光を反射する反射膜が形成されている。SHG素子17は、レーザ媒質16と反対側の面に532nmの光を透過し、1064nmの光を反射する反射膜が形成されている。SHG素子17は、例えばKTP結晶やニオブ酸リチウム結晶で構成される。なお、本実施の形態において、赤外半導体レーザ15が励起用半導体レーザ光源の一例に相当し、SHG素子17が波長変換素子の一例に相当する。
赤外半導体レーザ15から出射したレーザ光によってレーザ媒質16が励起されると、1064nmのレーザ光が出射する。このレーザ光が基本波としてレーザ媒質16とSHG素子17との間を往復する間に第2高調波が発生し、532nmの緑色レーザ光がSHG素子17から出射することとなる。緑色レーザ13gから出射するレーザ光は半導体レーザ13a〜13fから出射するレーザ光と異なり、ほぼ平行光が出射する。図9において緑色レーザ13gの偏光面はY軸に平行になるように設置されている。他の半導体レーザ13a〜13fは活性層のストライプ幅方向がX軸に平行になるように設置されている。従って赤色半導体レーザ13a,13c,13d,13fの偏光面はX軸に平行となり、青色半導体レーザ13b,13eの偏光面はY軸に平行となる。
図8においてレーザ光源13のうち、半導体レーザ13a〜13fから出射したレーザ光は集光レンズ2によって平行光となり、元々平行光であるところの緑色レーザ光とともに凸レンズ9と凹レンズ10によってロッドインテグレータ4の入射端面に入射する。更に、レーザ光源13のうち赤色半導体レーザ13a,13c,13d,13fから出射したレーザ光の偏光面はもともとX軸に平行であるが、2分の1波長板14を通過する際にY軸に平行になるように回転される。従ってロッドインテグレータ4に入射するレーザ光の偏光面はすべてY軸に平行となる。以降の動作については実施の形態1における投写型ディスプレイ装置の動作と同様であるので説明を省略する。
なお、実施の形態4において、緑色レーザ光の集光点を、赤色レーザ光及び青色レーザ光の集光点と同じロッドインテグレータ4の入射面に設定した場合、緑色レーザ13gがロッドインテグレータ4の光軸上に配置されているので、緑色レーザ光がロッドインテグレータ4内で反射せずにそのまま出射してしまい、緑色レーザ光の光量分布が均一化されない虞がある。そこで、実施の形態4では、緑色レーザ光をロッドインテグレータ4に入射する前に集光させ、緑色レーザ光が集光される集光点におけるロッドインテグレータ4の光軸と緑色レーザ光の最外縁とのなす角度が、赤色レーザ光又は青色レーザ光が集光される集光点におけるロッドインテグレータ4の光軸と赤色レーザ光又は青色レーザ光とのなす角度と同じになるように、レーザ光源13、集光レンズ2、凸レンズ9及び凹レンズ10が配置される。
図11は、実施の形態4において、ロッドインテグレータ4に入射する各色のレーザ光について説明するための図である。赤色半導体レーザ13aから出射した赤色レーザ光131は、集光レンズ2aにより、ロッドインテグレータ4の入射面4aに集光され、赤色半導体レーザ13cから出射した赤色レーザ光132は、集光レンズ2cにより、ロッドインテグレータ4の入射面4aに集光される。一方、緑色レーザ13gから出射した緑色レーザ光133は、集光レンズ2gにより、ロッドインテグレータ4に入射する前に集光される。緑色レーザ光133の集光点Paは、凹レンズ10とレンチキュラレンズ3との間に存在する。
ここで、緑色用集光レンズ2gの集光点Paにおけるロッドインテグレータ4の光軸4bと緑色レーザ光133の最外縁133aとのなす角度αが、赤色用集光レンズ2cの集光点Pbにおけるロッドインテグレータ4の光軸4bと赤色レーザ光132の光軸132aとのなす角度βと同じである。
このように、緑色レーザ13gをロッドインテグレータ4の光軸上に配置したとしても、緑色レーザ光がロッドインテグレータ4の入射面に所定の角度を有して入射するので、緑色レーザ光の光量分布を赤色及び青色レーザ光の光量分布と同程度に均一化することができ、色ムラの発生を抑制することができる。
かかる構成によれば、空間光変調素子7には3原色の照明光が照射されるので、空間光変調素子7の各画素に3原色のフィルタをつけておけば、フルカラーの画像が表示されることとなる。あるいはレーザ光源13を構成する各レーザ素子を色別にパルス駆動し、これに同期して空間光変調素子7を色別に時分割駆動すれば同様にフルカラーの画像が表示されることとなる。更に活性層のストライプ幅方向とロッドインテグレータ4の長辺方向とを合わせたときに3原色のレーザ光の偏光面を一致させることで、空間光変調素子7に入射するレーザ光の偏光面を一方向だけにできる。その結果、空間光変調素子7が液晶パネルであれば入射側偏光子の偏光面を合わせやすくなり、光利用効率を高くすることができる。また空間光変調素子7がマイクロミラーアレイであっても3原色ともに反射率の高いS偏光を利用するように構成することが可能であるので、光利用効率を高くすることができる。
なお、本実施の形態において、赤色半導体レーザの偏光面と青色半導体レーザの偏光面とが互いに活性層に対して90度異なる例について説明したが、本発明は特にこれに限定されず、活性層に対してともに平行な偏光面を有する場合には2分の1波長板は不要となる。また、青色レーザ光の波長に対しては2分の1波長板として機能し、緑色レーザ光や赤色レーザ光の波長に対しては1波長板として機能するような波長板を用いることで、波長板の設置位置をロッドインテグレータ4の前後など光束の小さな場所にして部材を少なくすることも出来る。
さらに、本実施の形態において、全ての半導体レーザ13a〜13fは活性層のストライプ幅方向がロッドインテグレータ4の長辺方向に平行になるように設置されているが、本発明は特にこれに限定されず、青色半導体レーザ13b,13eについては、活性層のストライプ幅方向がロッドインテグレータ4の長辺方向に平行になるように設置しなくてもよい。上述したように、青色半導体レーザ13b,13eの発光領域は、短軸(活性層の厚さ)が例えば1μmであり、長軸(発光する活性層の幅)が例えば7μmであり、発光領域の縦横比が赤色レーザ光に比べて小さい。そのため、青色半導体レーザ13b,13eを、活性層のストライプ幅方向がロッドインテグレータ4の長辺方向に垂直になるように設置したとしても、ロッドインテグレータ4の入射面におけるレーザ光の長軸の長さがロッドインテグレータ4の短辺の長さよりも短く、レーザ光はロッドインテグレータ4の入射面にけられることなく入射する。そこで、赤色半導体レーザ13a,13c,13d,13fは活性層のストライプ幅方向がX軸に平行になるように設置し、青色半導体レーザ13b,13eは活性層のストライプ幅方向がX軸に垂直になるように設置してもよい。
このように、ロッドインテグレータ4の入射面におけるレーザ光の長軸の長さが、ロッドインテグレータ4の短辺の長さよりも長い場合、発光領域の長軸方向と、ロッドインテグレータ4の入射面の長辺方向とが平行になるように赤色半導体レーザ13a,13c,13d,13fが配置されるので、赤色半導体レーザ13a,13c,13d,13fから出射したレーザ光を効率よくロッドインテグレータ4に導くことができる。また、ロッドインテグレータ4の入射面におけるレーザ光の長軸の長さが、ロッドインテグレータ4の短辺の長さよりも短い場合、発光領域の長軸方向と、ロッドインテグレータ4の入射面の長辺方向とを平行にしなくとも、レーザ光がけられることなく、ロッドインテグレータ4に導かれる。そのため、ロッドインテグレータ4の入射面におけるレーザ光の長軸の長さが、ロッドインテグレータ4の短辺の長さよりも短い場合、青色半導体レーザ13b,13eの発光領域の長軸方向と、ロッドインテグレータ4の入射面の長辺方向とを平行にしなくてもよく、青色半導体レーザ13b,13eとロッドインテグレータ4とを自由に配置することができる。
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。
本発明の一局面に係る投写型ディスプレイ装置は、楕円形状のレーザ光を出射する発光領域を有するレーザ光源と、前記レーザ光源から出射するレーザ光を集光する集光レンズと、前記集光レンズの集光光束上に矩形状の入射面を有するホモジナイザーと、前記ホモジナイザーから出射するレーザ光を変調する空間光変調素子と、前記空間光変調素子により変調されたレーザ光を投射する投射レンズとを備え、前記ホモジナイザーの入射面は長方形状であり、前記レーザ光源は、前記発光領域の長軸方向と、前記ホモジナイザーの入射面の長辺方向とが平行になるように配置される。
この構成によれば、レーザ光源は、楕円形状のレーザ光を出射する発光領域を有し、レーザ光源から出射するレーザ光が集光レンズにより集光される。ホモジナイザーは、集光レンズの集光光束上に矩形状の入射面を有しており、ホモジナイザーから出射するレーザ光が空間光変調素子により変調され、空間光変調素子により変調されたレーザ光が投射レンズにより投射される。そして、ホモジナイザーの入射面は長方形状であり、レーザ光源は、発光領域の長軸方向と、ホモジナイザーの入射面の長辺方向とが平行になるように配置される。
したがって、レーザ光源の発光領域の長軸方向と、ホモジナイザーの入射面の長辺方向とが平行になるようにレーザ光源が配置されるので、レーザ光源から出射したレーザ光を効率よくホモジナイザーに導くことができ、レーザ光源とホモジナイザーとの配置が最適化され、小型化を実現することができるとともに、ホモジナイザーから高出力の光を得ることができる。
また、上記の投写型ディスプレイ装置において、前記レーザ光源は、複数の半導体レーザ光源を含み、前記集光レンズは、前記複数の半導体レーザ光源から出射するレーザ光を一点に集光させる前記複数の半導体レーザ光源毎に設けられた複数の集光レンズを含み、前記ホモジナイザーは、複数のレーザ光の集光点に矩形状の入射面を有することが好ましい。
この構成によれば、レーザ光源には複数の半導体レーザ光源が含まれ、複数の半導体レーザ光源から出射したレーザ光は、複数の半導体レーザ光源毎に設けられた複数の集光レンズにより一点に集光され、複数のレーザ光の集光点に矩形状の入射面を有するホモジナイザーが配置される。したがって、複数の半導体レーザから出射したレーザ光がホモジナイザーの入射面に集光するので、ホモジナイザーの出射面から高出力の光を得ることができる。
また、上記の投写型ディスプレイ装置において、前記複数の半導体レーザ光源は、前記ホモジナイザーの光軸に対して軸対称に配置されていることが好ましい。この構成によれば、複数の半導体レーザ光源が、ホモジナイザーの光軸に対して軸対称に配置されているので、各半導体レーザから出射した光の光量分布が互いに軸対称になり、ホモジナイザーの出射端面での光量分布の均一性を向上させることができる。
また、上記の投写型ディスプレイ装置において、前記レーザ光源は、複数の半導体レーザ光源を含み、前記集光レンズは、前記複数の半導体レーザ光源から出射するレーザ光をコリメートする前記複数の半導体レーザ光源毎に設けられた複数のコリメートレンズと、前記コリメートレンズによってコリメートされたレーザ光を集光する凸レンズと、前記凸レンズと前記凸レンズの集光点との間に設けられた凹レンズとを含み、前記ホモジナイザーは、前記凸レンズと前記凹レンズとからなる組レンズの集光点に矩形状の入射面を有することが好ましい。
この構成によれば、複数の半導体レーザ光源から出射したレーザ光が、複数の半導体レーザ光源毎に設けられた複数のコリメートレンズによりコリメートされ、コリメートされたレーザ光が凸レンズにより集光される。そして、凹レンズが、凸レンズと凸レンズの集光点との間に設けられており、凸レンズと凹レンズとからなる組レンズの集光点に矩形状の入射面を有するホモジナイザーが配置される。
したがって、凸レンズと凹レンズとによって構成される望遠タイプの組レンズの焦点距離に比べて、凸レンズと凹レンズとの間隔が小さくなるので、各半導体レーザ光源からホモジナイザーまでの間隔を短くすることができ、装置の小型化を実現することができる。
また、上記の投写型ディスプレイ装置において、前記レーザ光源は、赤色のレーザ光を出射する赤色レーザ光源と、青色のレーザ光を出射する青色レーザ光源と、緑色のレーザ光を出射する緑色レーザ光源とを含み、前記赤色レーザ光源及び青色レーザ光源は、前記ホモジナイザーの光軸に対して軸対称となるように配置され、前記緑色レーザ光源は、前記ホモジナイザーの光軸上に配置されることが好ましい。
この構成によれば、赤色のレーザ光を出射する赤色レーザ光源と、青色のレーザ光を出射する青色レーザ光源とが、ホモジナイザーの光軸に対して軸対称となるように配置され、緑色のレーザ光を出射する緑色レーザ光源が、ホモジナイザーの光軸上に配置される。したがって、空間光変調素子には3原色の照明光が照射されるので、フルカラーの画像を表示することができる。
また、上記の投写型ディスプレイ装置において、前記複数の集光レンズは、前記赤色レーザ光源から出射する赤色レーザ光を一点で集光させる赤色用集光レンズと、前記青色レーザ光源から出射する青色レーザ光を一点で集光させる青色用集光レンズと、前記緑色レーザ光源から出射する緑色レーザ光を前記ホモジナイザーに入射する前に集光させる緑色用集光レンズとを含み、前記緑色用集光レンズの集光点における前記ホモジナイザーの光軸と前記緑色レーザ光の最外縁とのなす角度が、前記赤色用集光レンズ又は前記青色用集光レンズの集光点における前記ホモジナイザーの光軸と前記赤色レーザ光又は前記青色レーザ光とのなす角度と同じであることが好ましい。
この構成によれば、赤色用集光レンズにより、赤色レーザ光源から出射した赤色レーザ光が一点で集光され、青色用集光レンズにより、青色レーザ光源から出射した青色レーザ光が一点で集光され、緑色用集光レンズにより、緑色レーザ光源から出射した緑色レーザ光がホモジナイザーに入射する前に集光される。そして、緑色用集光レンズの集光点におけるホモジナイザーの光軸と緑色レーザ光の最外縁とのなす角度が、赤色用集光レンズ又は青色用集光レンズの集光点におけるホモジナイザーの光軸と赤色レーザ光又は青色レーザ光とのなす角度と同じとなる。
したがって、緑色レーザ光源をホモジナイザーの光軸上に配置したとしても、緑色レーザ光がホモジナイザーの入射面に所定の角度を有して入射するので、緑色レーザ光の光量分布を赤色及び青色レーザ光の光量分布と同程度に均一化することができ、色ムラの発生を抑制することができる。
また、上記の投写型ディスプレイ装置において、前記赤色レーザ光源及び前記青色レーザ光源は、半導体レーザ光源を含み、前記緑色レーザ光源は、励起用のレーザ光を出射する励起用半導体レーザ光源と、前記励起用半導体レーザ光源から出射されたレーザ光によって励起されるレーザ媒質と、前記レーザ媒質から出射したレーザ光の波長を変換して緑色のレーザ光を出射する波長変換素子とを含むことが好ましい。
この構成によれば、半導体レーザ光源から赤色及び青色のレーザ光が出射される。また、励起用半導体レーザ光源から励起用のレーザ光が出射され、励起用半導体レーザ光源から出射されたレーザ光によってレーザ媒質が励起され、レーザ媒質から出射したレーザ光の波長が波長変換素子によって変換されて緑色のレーザ光が出射される。したがって、半導体レーザである赤色レーザ光源及び青色レーザ光源よりも構成が複雑な緑色レーザ光源が、ホモジナイザーの光軸上に配置されるので、装置の小型化を実現することができる。
また、上記の投写型ディスプレイ装置において、複数の半導体レーザ光源は、赤色のレーザ光を出射する赤色半導体レーザ光源と、青色のレーザ光を出射する青色半導体レーザ光源とを含むことが好ましい。この構成によれば、赤色半導体レーザ光源から赤色のレーザ光が出射され、青色半導体レーザ光源から青色のレーザ光が出射されるので、ホモジナイザーから赤色及び青色の光を得ることができる。
また、上記の投写型ディスプレイ装置において、前記赤色半導体レーザ光源と前記青色半導体レーザ光源とは、偏光面がそれぞれ異なるように配置されており、前記赤色半導体レーザ光源から出射したレーザ光が前記ホモジナイザーに到達するまでの光路上、及び前記青色半導体レーザ光源から出射したレーザ光が前記ホモジナイザーに到達するまでの光路上のいずれか一方に配置され、それぞれの半導体レーザ光源の偏光面を一致させる2分の1波長板をさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、赤色半導体レーザ光源と青色半導体レーザ光源とは、偏光面がそれぞれ異なるように配置されている。そして、赤色半導体レーザ光源から出射したレーザ光がホモジナイザーに到達するまでの光路上、及び青色半導体レーザ光源から出射したレーザ光がホモジナイザーに到達するまでの光路上のいずれか一方に、それぞれの半導体レーザ光源の偏光面を一致させる2分の1波長板が配置される。
したがって、赤色半導体レーザ光源から出射したレーザ光の偏光面と、青色半導体レーザ光源から出射したレーザ光の偏光面とが一致するので、空間光変調素子に入射するレーザ光の偏光面を一方向だけにすることができ、空間光変調素子の入射側偏光子の偏光面が合わせやすくなり、光利用効率を高めることができる。
また、上記の投写型ディスプレイ装置において、前記レーザ光源は、各々が直線上に配置された複数の発光領域を有する半導体レーザ光源を含み、前記半導体レーザ光源は、前記複数の発光領域が並ぶ方向と、前記ホモジナイザーの入射面の長辺方向とが平行になるように配置されることが好ましい。
この構成によれば、各々が直線上に配置された複数の発光領域を有する半導体レーザ光源が、複数の発光領域が並ぶ方向と、ホモジナイザーの入射面の長辺方向とが平行になるように配置される。したがって、複数個の発光領域が直線上に並ぶ半導体レーザ光源においても、複数の発光領域が並ぶ方向とホモジナイザーの長辺方向とが平行になるように半導体レーザ光源が配置されるので、ホモジナイザーに入射するレーザ光がけられない範囲で最大の集光スポットを得ることができる。
また、上記の投写型ディスプレイ装置において、前記レーザ光源は、前記ホモジナイザーの入射面におけるレーザ光の長軸の長さが、前記ホモジナイザーの短辺の長さよりも長い場合、前記発光領域の長軸方向と、前記ホモジナイザーの入射面の長辺方向とが平行になるように配置されることが好ましい。
この構成によれば、ホモジナイザーの入射面におけるレーザ光の長軸の長さが、ホモジナイザーの短辺の長さよりも長い場合、発光領域の長軸方向と、ホモジナイザーの入射面の長辺方向とが平行になるようにレーザ光源が配置されるので、レーザ光源から出射したレーザ光を効率よくホモジナイザーに導くことができる。また、ホモジナイザーの入射面におけるレーザ光の長軸の長さが、ホモジナイザーの短辺の長さよりも短い場合、発光領域の長軸方向と、ホモジナイザーの入射面の長辺方向とを平行にしなくとも、レーザ光がけられることなく、ホモジナイザーに導かれる。そのため、ホモジナイザーの入射面におけるレーザ光の長軸の長さが、ホモジナイザーの短辺の長さよりも短い場合、レーザ光源の発光領域の長軸方向と、ホモジナイザーの入射面の長辺方向とを平行にしなくてもよく、レーザ光源とホモジナイザーとを自由に配置することができる。
また、上記の投写型ディスプレイ装置において、前記レーザ光源は、各々が直線上に配置された複数の発光領域を有する半導体レーザ光源を含み、前記半導体レーザ光源は、前記複数の発光領域が並ぶ方向と、前記ホモジナイザーの入射面の長辺方向とが平行になるように配置されることが好ましい。
この構成によれば、各々が直線上に配置された複数の発光領域を有する半導体レーザ光源が、複数の発光領域が並ぶ方向と、ホモジナイザーの入射面の長辺方向とが平行になるように配置される。したがって、複数個の発光領域が直線上に並ぶ半導体レーザ光源においても、複数の発光領域が並ぶ方向とホモジナイザーの長辺方向とが平行になるように半導体レーザ光源が配置されるので、ホモジナイザーに入射するレーザ光がけられない範囲で最大の集光スポットを得ることができる。
また、上記の投写型ディスプレイ装置において、前記レーザ光源は、複数の半導体レーザ光源を含み、前記集光レンズは、前記複数の半導体レーザ光源から出射するレーザ光をコリメートする前記複数の半導体レーザ光源毎に設けられた複数のコリメートレンズと、前記コリメートレンズによってコリメートされたレーザ光を集光する凸レンズと、前記凸レンズと前記凸レンズの集光点との間に設けられた凹レンズとを含み、前記ホモジナイザーは、前記凸レンズと前記凹レンズとからなる組レンズの集光点に矩形状の入射面を有することが好ましい。
この構成によれば、複数の半導体レーザ光源から出射したレーザ光が、複数の半導体レーザ光源毎に設けられた複数のコリメートレンズによりコリメートされ、コリメートされたレーザ光が凸レンズにより集光される。そして、凹レンズが、凸レンズと凸レンズの集光点との間に設けられており、凸レンズと凹レンズとからなる組レンズの集光点に矩形状の入射面を有するホモジナイザーが配置される。
したがって、凸レンズと凹レンズとによって構成される望遠タイプの組レンズの焦点距離に比べて、凸レンズと凹レンズとの間隔が小さくなるので、各半導体レーザ光源からホモジナイザーまでの間隔を短くすることができ、装置の小型化を実現することができる。
また、上記の投写型ディスプレイ装置において、前記レーザ光源は、複数の半導体レーザ光源を含み、前記集光レンズは、前記複数の半導体レーザ光源から出射するレーザ光をコリメートする前記複数の半導体レーザ光源毎に設けられた複数のコリメートレンズと、前記コリメートレンズによってコリメートされたレーザ光を集光する第1の凸レンズと、前記第1の凸レンズの集光点に対して前記第1の凸レンズと反対側に設けられ、集光されたレーザ光をリレーする第2の凸レンズとを含み、前記ホモジナイザーは、前記第2の凸レンズの集光点に矩形状の入射面を有することが好ましい。
この構成によれば、複数の半導体レーザ光源から出射したレーザ光が、複数の半導体レーザ光源毎に設けられた複数のコリメートレンズによりコリメートされ、コリメートされたレーザ光が第1の凸レンズにより集光される。そして、第1の凸レンズの集光点に対して第1の凸レンズと反対側に設けられた第2の凸レンズにより、第1の凸レンズに集光されたレーザ光がリレーされ、第2の凸レンズの集光点に矩形状の入射面を有するホモジナイザーが配置される。
したがって、第1の凸レンズと第2の凸レンズとによって構成される望遠タイプの組レンズの合成焦点距離に比べて、第1の凸レンズと第2の凸レンズとの間隔が小さくなるので、ホモジナイザーに入射する最外縁光とホモジナイザーの光軸とがなす角度を保持したまま、半導体レーザ光源のサイズ即ち集光レンズの口径を大きくすることができ、ホモジナイザーから高出力の光を得ることができる。
また、上記の投写型ディスプレイ装置において、複数の半導体レーザ光源は、赤色のレーザ光を出射する赤色半導体レーザ光源と、青色のレーザ光を出射する青色半導体レーザ光源とを含むことが好ましい。この構成によれば、赤色半導体レーザ光源から赤色のレーザ光が出射され、青色半導体レーザ光源から青色のレーザ光が出射されるので、ホモジナイザーから赤色及び青色の光を得ることができる。
また、上記の投写型ディスプレイ装置において、前記赤色半導体レーザ光源と前記青色半導体レーザ光源とは、偏光面がそれぞれ異なるように配置されており、前記赤色半導体レーザ光源から出射したレーザ光が前記ホモジナイザーに到達するまでの光路上、及び前記青色半導体レーザ光源から出射したレーザ光が前記ホモジナイザーに到達するまでの光路上のいずれか一方に配置され、それぞれの半導体レーザ光源の偏光面を一致させる2分の1波長板をさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、赤色半導体レーザ光源と青色半導体レーザ光源とは、偏光面がそれぞれ異なるように配置されている。そして、赤色半導体レーザ光源から出射したレーザ光がホモジナイザーに到達するまでの光路上、及び青色半導体レーザ光源から出射したレーザ光がホモジナイザーに到達するまでの光路上のいずれか一方に、それぞれの半導体レーザ光源の偏光面を一致させる2分の1波長板が配置される。
したがって、赤色半導体レーザ光源から出射したレーザ光の偏光面と、青色半導体レーザ光源から出射したレーザ光の偏光面とが一致するので、空間光変調素子に入射するレーザ光の偏光面を一方向だけにすることができ、空間光変調素子の入射側偏光子の偏光面が合わせやすくなり、光利用効率を高めることができる。
また、上記の投写型ディスプレイ装置において、前記赤色半導体レーザ光源と前記青色半導体レーザ光源とは、偏光面が平行となるように配置されていることが好ましい。
この構成によれば、互いの偏光面が平行となるように赤色半導体レーザ光源と青色半導体レーザ光源とが配置されているので、空間光変調素子に入射するレーザ光の偏光面を一方向だけにすることができ、空間光変調素子の入射側偏光子の偏光面が合わせやすくなり、光利用効率を高めることができる。
また、上記の投写型ディスプレイ装置において、前記レーザ光源は、赤色のレーザ光を出射する赤色レーザ光源と、青色のレーザ光を出射する青色レーザ光源と、緑色のレーザ光を出射する緑色レーザ光源とを含み、前記赤色レーザ光源及び青色レーザ光源は、前記ホモジナイザーの光軸に対して軸対称となるように配置され、前記緑色レーザ光源は、前記ホモジナイザーの光軸上に配置されることが好ましい。
この構成によれば、赤色のレーザ光を出射する赤色レーザ光源と、青色のレーザ光を出射する青色レーザ光源とが、ホモジナイザーの光軸に対して軸対称となるように配置され、緑色のレーザ光を出射する緑色レーザ光源が、ホモジナイザーの光軸上に配置される。したがって、空間光変調素子には3原色の照明光が照射されるので、フルカラーの画像を表示することができる。
また、上記の投写型ディスプレイ装置において、前記赤色レーザ光源及び前記青色レーザ光源は、半導体レーザ光源を含み、前記緑色レーザ光源は、励起用のレーザ光を出射する励起用半導体レーザ光源と、前記励起用半導体レーザ光源から出射されたレーザ光によって励起されるレーザ媒質と、前記レーザ媒質から出射したレーザ光の波長を変換して緑色のレーザ光を出射する波長変換素子とを含むことが好ましい。
この構成によれば、半導体レーザ光源から赤色及び青色のレーザ光が出射される。また、励起用半導体レーザ光源から励起用のレーザ光が出射され、励起用半導体レーザ光源から出射されたレーザ光によってレーザ媒質が励起され、レーザ媒質から出射したレーザ光の波長が波長変換素子によって変換されて緑色のレーザ光が出射される。したがって、半導体レーザである赤色レーザ光源及び青色レーザ光源よりも構成が複雑な緑色レーザ光源が、ホモジナイザーの光軸上に配置されるので、装置の小型化を実現することができる。
また、上記の投写型ディスプレイ装置において、前記複数の集光レンズは、前記赤色レーザ光源から出射する赤色レーザ光を一点で集光させる赤色用集光レンズと、前記青色レーザ光源から出射する青色レーザ光を一点で集光させる青色用集光レンズと、前記緑色レーザ光源から出射する緑色レーザ光を前記ホモジナイザーに入射する前に集光させる緑色用集光レンズとを含み、前記緑色用集光レンズの集光点における前記ホモジナイザーの光軸と前記緑色レーザ光の最外縁とのなす角度が、前記赤色用集光レンズ又は前記青色用集光レンズの集光点における前記ホモジナイザーの光軸と前記赤色レーザ光又は前記青色レーザ光とのなす角度と同じであることが好ましい。
この構成によれば、赤色用集光レンズにより、赤色レーザ光源から出射した赤色レーザ光が一点で集光され、青色用集光レンズにより、青色レーザ光源から出射した青色レーザ光が一点で集光され、緑色用集光レンズにより、緑色レーザ光源から出射した緑色レーザ光がホモジナイザーに入射する前に集光される。そして、緑色用集光レンズの集光点におけるホモジナイザーの光軸と緑色レーザ光の最外縁とのなす角度が、赤色用集光レンズ又は青色用集光レンズの集光点におけるホモジナイザーの光軸と赤色レーザ光又は青色レーザ光とのなす角度と同じとなる。
したがって、緑色レーザ光源をホモジナイザーの光軸上に配置したとしても、緑色レーザ光がホモジナイザーの入射面に所定の角度を有して入射するので、緑色レーザ光の光量分布を赤色及び青色レーザ光の光量分布と同程度に均一化することができ、色ムラの発生を抑制することができる。
また、上記の投写型ディスプレイ装置において、前記レーザ光源は、前記ホモジナイザーの入射面におけるレーザ光の長軸の長さが、前記ホモジナイザーの短辺の長さよりも長い場合、前記発光領域の長軸方向と、前記ホモジナイザーの入射面の長辺方向とが平行になるように配置されることが好ましい。
この構成によれば、ホモジナイザーの入射面におけるレーザ光の長軸の長さが、ホモジナイザーの短辺の長さよりも長い場合、発光領域の長軸方向と、ホモジナイザーの入射面の長辺方向とが平行になるようにレーザ光源が配置されるので、レーザ光源から出射したレーザ光を効率よくホモジナイザーに導くことができる。また、ホモジナイザーの入射面におけるレーザ光の長軸の長さが、ホモジナイザーの短辺の長さよりも短い場合、発光領域の長軸方向と、ホモジナイザーの入射面の長辺方向とを平行にしなくとも、レーザ光がけられることなく、ホモジナイザーに導かれる。そのため、ホモジナイザーの入射面におけるレーザ光の長軸の長さが、ホモジナイザーの短辺の長さよりも短い場合、レーザ光源の発光領域の長軸方向と、ホモジナイザーの入射面の長辺方向とを平行にしなくてもよく、レーザ光源とホモジナイザーとを自由に配置することができる。
本発明の他の局面に係る光源装置は、楕円形状のレーザ光を出射する発光領域を有するレーザ光源と、前記レーザ光源から出射するレーザ光を集光する集光レンズと、前記集光レンズの集光光束上に矩形状の入射面を有するホモジナイザーとを備え、前記ホモジナイザーの入射面は長方形状であり、前記レーザ光源は、前記発光領域の長軸方向と、前記ホモジナイザーの入射面の長辺方向とが平行になるように配置される。
この構成によれば、レーザ光源は、楕円形状のレーザ光を出射する発光領域を有し、レーザ光源から出射するレーザ光が集光レンズにより集光され、集光レンズの集光光束上に矩形状の入射面を有するホモジナイザーが配置される。そして、ホモジナイザーの入射面は長方形状であり、レーザ光源は、発光領域の長軸方向と、ホモジナイザーの入射面の長辺方向とが平行になるように配置される。
したがって、レーザ光源の発光領域の長軸方向と、ホモジナイザーの入射面の長辺方向とが平行になるようにレーザ光源が配置されるので、レーザ光源から出射したレーザ光を効率よくホモジナイザーに導くことができ、レーザ光源とホモジナイザーとの配置が最適化され、小型化を実現することができるとともに、ホモジナイザーから高出力の光を得ることができる。
本発明の他の局面に係る投写型ディスプレイ装置は、複数のレーザ光源と、前記複数のレーザ光源から出射するレーザ光を集光させる前記複数のレーザ光源毎に設けられた複数の集光レンズと、前記複数の集光レンズの集光光束上に矩形状の入射面を有するホモジナイザーと、前記ホモジナイザーから出射するレーザ光を変調する空間光変調素子と、前記空間光変調素子により変調されたレーザ光を投射する投射レンズとを備え、前記複数のレーザ光源は、赤色のレーザ光を出射する赤色レーザ光源と、青色のレーザ光を出射する青色レーザ光源と、緑色のレーザ光を出射する緑色レーザ光源とを含み、前記赤色レーザ光源及び青色レーザ光源は、前記ホモジナイザーの光軸に対して軸対称となるように配置され、前記緑色レーザ光源は、前記ホモジナイザーの光軸上に配置され、前記複数の集光レンズは、前記赤色レーザ光源から出射する赤色レーザ光を前記ホモジナイザーの入射面に集光させる赤色用集光レンズと、前記青色レーザ光源から出射する青色レーザ光を前記ホモジナイザーの入射面に集光させる青色用集光レンズと、前記緑色レーザ光源から出射する緑色レーザ光を前記ホモジナイザーに入射する前に集光させる緑色用集光レンズとを含み、前記緑色用集光レンズの集光点における前記ホモジナイザーの光軸と前記緑色レーザ光の最外縁とのなす角度が、前記赤色用集光レンズ又は前記青色用集光レンズの集光点における前記ホモジナイザーの光軸と前記赤色レーザ光又は前記青色レーザ光とのなす角度と同じである。
この構成によれば、複数のレーザ光源から出射したレーザ光が、複数のレーザ光源毎に設けられた複数の集光レンズにより集光される。ホモジナイザーは、複数の集光レンズの集光光束上に矩形状の入射面を有しており、ホモジナイザーから出射するレーザ光が空間光変調素子により変調され、空間光変調素子により変調されたレーザ光が投射レンズにより投射される。そして、赤色のレーザ光を出射する赤色レーザ光源と、青色のレーザ光を出射する青色レーザ光源とが、ホモジナイザーの光軸に対して軸対称となるように配置され、緑色のレーザ光を出射する緑色レーザ光源が、ホモジナイザーの光軸上に配置される。赤色用集光レンズにより、赤色レーザ光源から出射した赤色レーザ光が一点で集光され、青色用集光レンズにより、青色レーザ光源から出射した青色レーザ光が一点で集光され、緑色用集光レンズにより、緑色レーザ光源から出射した緑色レーザ光がホモジナイザーに入射する前に集光される。そして、緑色用集光レンズの集光点におけるホモジナイザーの光軸と緑色レーザ光の最外縁とのなす角度が、赤色用集光レンズ又は青色用集光レンズの集光点におけるホモジナイザーの光軸と赤色レーザ光又は青色レーザ光とのなす角度と同じとなる。
したがって、半導体レーザである赤色レーザ光源及び青色レーザ光源よりも構成が複雑な緑色レーザ光源が、ホモジナイザーの光軸上に配置されるので、装置の小型化を実現することができる。また、緑色レーザ光源をホモジナイザーの光軸上に配置したとしても、緑色レーザ光がホモジナイザーの入射面に所定の角度を有して入射するので、緑色レーザ光の光量分布を赤色及び青色レーザ光の光量分布と同程度に均一化することができ、色ムラの発生を抑制することができる。
本発明にかかる投写型ディスプレイ装置及び光源装置は、小型化を実現することができるとともに、高出力の光を得ることができ、レーザ光源を用いるフロントプロジェクタやリアプロジェクタ等として有用である。またその照明光学系だけを利用して照明装置や液晶ディスプレイのバックパネル等の用途にも応用できる。
本発明は、レーザ光源を用いる投写型ディスプレイ装置及び光源装置に関するものである。
大画面ディスプレイ装置として、透過/反射型液晶素子或いはマイクロミラーアレイといった空間光変調素子を用いた前面投写型ディスプレイ装置及び背面投写型ディスプレイ装置が知られている。前面投写型及び背面投写型ディスプレイ装置ではカラー画像を形成するために赤・緑・青の3原色に対応して3つの空間光変調素子を有するタイプと、一つの空間光変調素子に時分割で3原色を照射してカラー画像を合成するタイプとがある。投写型ディスプレイ装置の光源としては従来、超高圧水銀ランプが用いられていたが、近年、高出力の青色半導体レーザが商用化されてきたことで、赤色半導体レーザや第2高調波発生(以下SHGと略記)による緑色レーザと合わせて、3原色のレーザ光源を用いた投写型ディスプレイ装置の開発が進んでいる。
光源として単色光であるレーザを用いることにより、再現できる色範囲が広がり、かつ消費電力も小さな投写型ディスプレイ装置を実現することができる。投写型ディスプレイ装置において、明るい画面を得るためには高出力の光源が必要であるが、一つの半導体レーザで得られる出力には限界があるので、複数個の半導体レーザから出射するレーザ光を合わせて高出力の光を得る方法が必要となる。従来の投写型ディスプレイ装置としては、固体発光素子からの光を集光レンズにより合波して高出力化しているものがあった(例えば、特許文献1参照)。
図12は、特許文献1に記載された従来の投写型ディスプレイ装置の構成を示す図である。図12において、固体光源101から出射した光は、レンズアレイ102によりコリメートされ、集光レンズ103によってロッドインテグレータ104に集光される。ロッドインテグレータ104内で反射を繰り返すことにより、ロッドインテグレータ104の出射端面では均一な光量分布が得られる。ロッドインテグレータ104からの出射光をリレーレンズ105とフィールドレンズ106とを介して液晶空間光変調素子107に照射することで、均一な照明光が得られる。
液晶空間光変調素子107の像は、投射レンズ108によって図示しないスクリーンに結像される。ロッドインテグレータ104は硝子部材からなる直方体の光学素子であり、光の入射面の形状と出射面の形状とは液晶空間光変調素子の被照明部の形状と相似形状になっている。近年では表示画面のワイド化が進み、アスペクト比が16:9の画面が多くなっており、空間光変調素子もロッドインテグレータも16:9のアスペクト比になっている。
特開2005−300712号公報
従来の投写型ディスプレイ装置における固体発光素子としては、発光ダイオードや超高圧水銀ランプなどが用いられる。発光ダイオードや超高圧水銀ランプなどは、発散角も発光領域もロッドインテグレータの光軸に対して軸対称となる。そのため、従来の投写型ディスプレイ装置では、特に光源とロッドインテグレータとの配置を考慮する必要がなく、単純な点光源として扱うことができる。
そのため、特許文献1における従来の投写型ディスプレイ装置の構成では、固体発光素子として直線偏光を出射する半導体レーザを用いる場合には偏光変換装置が不要になる旨は記載されているが、半導体レーザの他の特性には触れられていない。図13は、半導体レーザの構造を示す斜視図である。
図13において、半導体レーザチップ109は、活性層110及びクラッド層111を備える。半導体レーザチップ109に図示しない電極を経由して電流を流すと活性層110のうち、クラッド層111で制限された発光領域112からレーザ光が出射する。活性層110の厚さは1ミクロン程度なので、レーザ光が高出力になると発光領域112でのエネルギー密度が高くなりついには端面破壊にいたる。従って、高出力の半導体レーザでは端面破壊を避けるため発光領域112のX軸方向の長さ(以下ストライプ幅と称する)が10ミクロン〜200ミクロンと大きくなっている。
また、半導体レーザから出射するレーザ光の発散角は図13中Y方向には半値全角で20〜40度、X方向には10〜15度である。従って、集光レンズによって発光領域112から出射したレーザ光を集光すると縦横比が大きく異なる集光スポットが出来る。このように、半導体レーザからの出射光は、発光ダイオードからの出射光と異なり、発散角や発光領域の異方性が大きく、単純な点光源としては扱えないにもかかわらず、上記の特許文献1にはロッドインテグレータと半導体レーザとの配置に関しては詳述されていない。
また、ロッドインテグレータの光軸と、入射光束の最外縁光線とのなす角度は、投射レンズのFナンバーとの関係で最適な値が決まるが、特許文献1では固体発光素子からのコリメート光を集光レンズによりロッドインテグレータに集光しているので、集光レンズの口径と焦点距離との比がそのままロッドインテグレータに入射する光の角度となる。この角度を保ったまま、固体発光素子の数を増やそうとすると集光レンズの口径が大きくなり、必然的に焦点距離も大きくなり、装置の大型化につながるという課題を有していた。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、レーザ光源とホモジナイザーとの配置を最適化することにより、小型化を実現することができるとともに、高出力の光を得ることができる投写型ディスプレイ装置及び光源装置を提供することを目的とするものである。
本発明の一局面に係る投写型ディスプレイ装置は、楕円形状のレーザ光を出射する発光領域を有するレーザ光源と、前記レーザ光源から出射するレーザ光を集光する集光レンズと、前記集光レンズの集光光束上に矩形状の入射面を有するホモジナイザーと、前記ホモジナイザーから出射するレーザ光を変調する空間光変調素子と、前記空間光変調素子により変調されたレーザ光を投射する投射レンズとを備え、前記ホモジナイザーの入射面は長方形状であり、前記レーザ光源は、前記発光領域の長軸方向と、前記ホモジナイザーの入射面の長辺方向とが平行になるように配置される。
この構成によれば、レーザ光源は、楕円形状のレーザ光を出射する発光領域を有し、レーザ光源から出射するレーザ光が集光レンズにより集光される。ホモジナイザーは、集光レンズの集光光束上に矩形状の入射面を有しており、ホモジナイザーから出射するレーザ光が空間光変調素子により変調され、空間光変調素子により変調されたレーザ光が投射レンズにより投射される。そして、ホモジナイザーの入射面は長方形状であり、レーザ光源は、発光領域の長軸方向と、ホモジナイザーの入射面の長辺方向とが平行になるように配置される。
したがって、レーザ光源の発光領域の長軸方向と、ホモジナイザーの入射面の長辺方向とが平行になるようにレーザ光源が配置されるので、レーザ光源から出射したレーザ光を効率よくホモジナイザーに導くことができ、レーザ光源とホモジナイザーとの配置が最適化され、小型化を実現することができるとともに、ホモジナイザーから高出力の光を得ることができる。
本発明の他の局面に係る光源装置は、楕円形状のレーザ光を出射する発光領域を有するレーザ光源と、前記レーザ光源から出射するレーザ光を集光する集光レンズと、前記集光レンズの集光光束上に矩形状の入射面を有するホモジナイザーとを備え、前記ホモジナイザーの入射面は長方形状であり、前記レーザ光源は、前記発光領域の長軸方向と、前記ホモジナイザーの入射面の長辺方向とが平行になるように配置される。
この構成によれば、レーザ光源は、楕円形状のレーザ光を出射する発光領域を有し、レーザ光源から出射するレーザ光が集光レンズにより集光され、集光レンズの集光光束上に矩形状の入射面を有するホモジナイザーが配置される。そして、ホモジナイザーの入射面は長方形状であり、レーザ光源は、発光領域の長軸方向と、ホモジナイザーの入射面の長辺方向とが平行になるように配置される。
したがって、レーザ光源の発光領域の長軸方向と、ホモジナイザーの入射面の長辺方向とが平行になるようにレーザ光源が配置されるので、レーザ光源から出射したレーザ光を効率よくホモジナイザーに導くことができ、レーザ光源とホモジナイザーとの配置が最適化され、小型化を実現することができるとともに、ホモジナイザーから高出力の光を得ることができる。
本発明の他の局面に係る投写型ディスプレイ装置は、複数のレーザ光源と、前記複数のレーザ光源から出射するレーザ光を集光させる前記複数のレーザ光源毎に設けられた複数の集光レンズと、前記複数の集光レンズの集光光束上に矩形状の入射面を有するホモジナイザーと、前記ホモジナイザーから出射するレーザ光を変調する空間光変調素子と、前記空間光変調素子により変調されたレーザ光を投射する投射レンズとを備え、前記複数のレーザ光源は、赤色のレーザ光を出射する赤色レーザ光源と、青色のレーザ光を出射する青色レーザ光源と、緑色のレーザ光を出射する緑色レーザ光源とを含み、前記赤色レーザ光源及び青色レーザ光源は、前記ホモジナイザーの光軸に対して軸対称となるように配置され、前記緑色レーザ光源は、前記ホモジナイザーの光軸上に配置され、前記複数の集光レンズは、前記赤色レーザ光源から出射する赤色レーザ光を前記ホモジナイザーの入射面に集光させる赤色用集光レンズと、前記青色レーザ光源から出射する青色レーザ光を前記ホモジナイザーの入射面に集光させる青色用集光レンズと、前記緑色レーザ光源から出射する緑色レーザ光を前記ホモジナイザーに入射する前に集光させる緑色用集光レンズとを含み、前記緑色用集光レンズの集光点における前記ホモジナイザーの光軸と前記緑色レーザ光の最外縁とのなす角度が、前記赤色用集光レンズ又は前記青色用集光レンズの集光点における前記ホモジナイザーの光軸と前記赤色レーザ光又は前記青色レーザ光とのなす角度と同じである。
この構成によれば、複数のレーザ光源から出射したレーザ光が、複数のレーザ光源毎に設けられた複数の集光レンズにより集光される。ホモジナイザーは、複数の集光レンズの集光光束上に矩形状の入射面を有しており、ホモジナイザーから出射するレーザ光が空間光変調素子により変調され、空間光変調素子により変調されたレーザ光が投射レンズにより投射される。そして、赤色のレーザ光を出射する赤色レーザ光源と、青色のレーザ光を出射する青色レーザ光源とが、ホモジナイザーの光軸に対して軸対称となるように配置され、緑色のレーザ光を出射する緑色レーザ光源が、ホモジナイザーの光軸上に配置される。赤色用集光レンズにより、赤色レーザ光源から出射した赤色レーザ光が一点で集光され、青色用集光レンズにより、青色レーザ光源から出射した青色レーザ光が一点で集光され、緑色用集光レンズにより、緑色レーザ光源から出射した緑色レーザ光がホモジナイザーに入射する前に集光される。そして、緑色用集光レンズの集光点におけるホモジナイザーの光軸と緑色レーザ光の最外縁とのなす角度が、赤色用集光レンズ又は青色用集光レンズの集光点におけるホモジナイザーの光軸と赤色レーザ光又は青色レーザ光とのなす角度と同じとなる。
したがって、半導体レーザである赤色レーザ光源及び青色レーザ光源よりも構成が複雑な緑色レーザ光源が、ホモジナイザーの光軸上に配置されるので、装置の小型化を実現することができる。また、緑色レーザ光源をホモジナイザーの光軸上に配置したとしても、緑色レーザ光がホモジナイザーの入射面に所定の角度を有して入射するので、緑色レーザ光の光量分布を赤色及び青色レーザ光の光量分布と同程度に均一化することができ、色ムラの発生を抑制することができる。
本発明によれば、レーザ光源の発光領域の長軸方向と、ホモジナイザーの入射面の長辺方向とが平行になるようにレーザ光源が配置されるので、レーザ光源から出射したレーザ光を効率よくホモジナイザーに導くことができ、レーザ光源とホモジナイザーとの配置が最適化され、小型化を実現することができるとともに、ホモジナイザーから高出力の光を得ることができる。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明はその要点を変更しない範囲において適宜変更して実施することができる。
(実施の形態1)
図1及び図2は、本発明の実施の形態1における投写型ディスプレイ装置の構成を示す図である。なお、図1及び図2中に示すようにXYZ軸を定義する。図1は、本発明の実施の形態1における投写型ディスプレイ装置のYZ側面図であり、図2は、本発明の実施の形態1における投写型ディスプレイ装置のXZ側面図である。
図1及び図2において、実施の形態1に係る投写型ディスプレイ装置は、レーザ光源1、集光レンズ2、レンチキュラレンズ3、ロッドインテグレータ4、リレーレンズ5、フィールドレンズ6、空間光変調素子7及び投射レンズ8を備える。
レーザ光源1は、後述するように6個の半導体レーザからなり、赤色または青色のレーザ光を出射する。集光レンズ2は、後述するように6個のレンズからなり、レーザ光源1から出射したレーザ光を集光する。レンチキュラレンズ3は、Y軸方向に並んだシリンドリカルレンズ群と、X方向に並んだシリンドリカルレンズ群とを一体化したレンズである。レンチキュラレンズ3は、図示しない駆動素子によりZ軸周りに回転するように保持されている。
ロッドインテグレータ4は、直方体の硝子部材で構成され、入射したレーザ光の光量分布を均一化する。ロッドインテグレータ4の入射面はY軸方向が長辺で、X軸方向が短辺である長方形状をなしている。なお、本実施の形態におけるロッドインテグレータ4がホモジナイザーの一例に相当する。リレーレンズ5とフィールドレンズ6とは、ロッドインテグレータ4の出射端面の像を空間光変調素子7上に結像する。空間光変調素子7は、例えば液晶パネルで構成され、ロッドインテグレータ4の出射端面の像を変調する。投射レンズ8は、図示しないスクリーン上に空間光変調素子7で変調された像を投射する。
図3は、本発明の実施の形態1における投写型ディスプレイ装置のXY側面図である。なお、図3では、煩雑さを避けるためレーザ光源1からロッドインテグレータ4を見た場合の構成を示している。図3において、図1及び図2と同一物については同一番号を付し説明を省略する。図3において、レーザ光源1は、複数の半導体レーザ1a〜1fを含み、集光レンズ2は、複数の集光レンズ2a〜2fを含む。
半導体レーザ1a〜1fは、ロッドインテグレータ4の光軸に対して軸対称となるように配置されている。さらに半導体レーザ1a〜1fのそれぞれの発光領域のストライプ幅方向はロッドインテグレータ4の長辺と平行になるように配置されている。半導体レーザ1a〜1fと集光レンズ2a〜2fとの相対位置は半導体レーザ1a〜1fから出射したレーザ光がそれぞれレンチキュラレンズ3を透過してロッドインテグレータ4に入射するように調整された後、固定されている。
図4は、半導体レーザとロッドインテグレータとの配置関係を説明するための図である。なお、図4では、一例として半導体レーザ1aの構成について説明する。他の半導体レーザ1b〜1fの構成は、半導体レーザ1aの構成と同じである。図4において、半導体レーザ1aは、基板21、活性層22、上部光ガイド層23、下部光ガイド層24、p型クラッド層25、n型クラッド層26、p型電極27及びn型電極28を備え、それぞれが積層されている。
活性層22は、注入された電子及びホールが再結合し、バンドギャップエネルギーに応じた波長の光を発光する。上部光ガイド層23及び下部光ガイド層24は、発光した光を活性層22に閉じこめる。p型クラッド層25及びn型クラッド層26は、活性層22の接合領域の電子密度及びホール密度を高める。p型電極27及びn型電極28は、それぞれ電源の正極及び負極に接続される。
p型電極27及びn型電極28を介して電流を注入すると、n側から多くの電子がp側へ集まるとともに、p側からも多くのホールがn側へ集まる。そして、p−n結合されている活性層22近辺の領域で、集められた電子とホールとが再結合し、再結合したときに光が誘導放出される。誘導放出された光は、上部光ガイド層23及び下部光ガイド層24の間に閉じこめられ、上部光ガイド層23及び下部光ガイド層24の間で繰り返し反射することにより、レーザ光として出射される。
活性層22の厚みは、例えば1μmである。活性層22の発光する部分の幅方向の長さは、青色レーザ光の場合で例えば7μmであり、赤色レーザ光の場合で例えば150μmである。したがって、活性層22の発光領域29からは、楕円形状の光が出射されることとなる。
ここで、ロッドインテグレータ4の入射面4aは長方形状である。半導体レーザ1aは、発光領域29の長軸方向(図4の矢印31に示すストライプ幅方向)と、ロッドインテグレータ4の入射面4aの長辺方向(図4の矢印32に示す方向)とが平行になるように配置される。
以下、図1〜図3を用いて本発明の実施の形態1における投写型ディスプレイ装置の動作について説明する。半導体レーザ1a〜1fから出射したレーザ光は、集光レンズ2a〜2fによって各々の集光光束の交点がロッドインテグレータ4の入射面に一致するように集光される。この時、半導体レーザ1a〜1fのそれぞれの活性層のストライプ幅の方向とロッドインテグレータ4の長辺方向とが平行になっていることで、ロッドインテグレータ4に入射する光がけられない範囲で最大の集光スポットを得ることができるので、ロッドインテグレータ4の出射端面での光量分布を均一にすることが出来る。
レンチキュラレンズ3は図示しない駆動素子によってZ軸周りに回転することでロッドインテグレータ4に入射するレーザ光の入射位置と入射角とを時間的に変化させる作用を有し、ロッドインテグレータ4の出射端面での光量分布の均一化を行う。
更にレーザ光は可干渉性が高いためにスクリーンの微細な凹凸から反射した光が人間の目に入って干渉することでスペックルノイズと呼ばれるランダムな干渉パターンが形成されるがレンチキュラレンズ3を駆動することでランダムな干渉パターンを平均化することができ、スペックルノイズを低減することが出来る。ロッドインテグレータ4に入射した光は内部で多重反射し、出射端面でほぼ均一な光量分布になる。さらに、半導体レーザ1a〜1fをロッドインテグレータ4の光軸に対して軸対称に配置することで、各半導体レーザから出射した光の光量分布が互いに軸対称になるので、より出射端面での光量分布の均一性が向上する。
ロッドインテグレータ4から出射する光の最外縁光とロッドインテグレータ4の光軸とのなす角度は、半導体レーザ1a〜1fからロッドインテグレータ4に入射する光がロッドインテグレータ4の光軸となす角度と、ロッドインテグレータ4の光軸に平行な光がレンチキュラレンズ3によって屈折された光がロッドインテグレータ4の光軸となす角度との和になる。したがって、これらの角度の和がリレーレンズ5の取り込み角度と整合するようにする必要がある。ロッドインテグレータ4から出射した光は、リレーレンズ5とフィールドレンズ6とによって空間光変調素子7に照射される。空間光変調素子7は、図示しない制御回路からの信号に基づき、照射された光を空間変調する。投射レンズ8は、空間光変調素子7によって空間変調された変調光を図示しないスクリーン上に投射することで像を形成する。
かかる構成によれば、半導体レーザ1a〜1fのそれぞれの活性層のストライプ幅方向と、ロッドインテグレータ4の長辺方向とが平行となるように、半導体レーザ1a〜1fを配置することにより、ロッドインテグレータ4に入射する光がけられない範囲で最大の集光スポットを得ることができるので、ロッドインテグレータ4の出射端面での光量分布を均一にすることができる。また、半導体レーザ1a〜1fがロッドインテグレータ4の光軸に対して軸対称となるように配置されることにより、各半導体レーザから出射した光の光量分布が互いに軸対称になるのでよりロッドインテグレータ4の出射端面での光量分布の均一性が向上することとなり、スクリーン上で明るく均一な光量分布が得られることとなる。
なお、本実施の形態において、ロッドインテグレータ4の代わりに内部が中空のライトパイプを用いてもかまわない。また、本実施の形態において、半導体レーザの個数は6個に限られるものではなく、いくつであってもロッドインテグレータ4の光軸に対して軸対称となるように配置すればよい。
また、半導体レーザ1a〜1fの発光領域は一つのレーザチップに対して一つと限る必要はなく、複数個の発光領域が活性層に沿って並ぶマルチエミッタ型の半導体レーザであってもよい。図5は、複数の発光領域を有する半導体レーザとロッドインテグレータとの配置関係を説明するための図である。図5において、マルチエミッタ型の半導体レーザ1a’は、基板21、活性層22、上部光ガイド層23、下部光ガイド層24、p型クラッド層25、n型クラッド層26、p型電極27及びn型電極28を備え、それぞれが積層されている。なお、図5のマルチエミッタ型の半導体レーザ1a’において、図4に示す半導体レーザ1aと同じ構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
マルチエミッタ型の半導体レーザ1a’は、各々が活性層に沿って直線上に配置された複数の発光領域29a,29b,29cを有している。活性層22の各発光領域29a,29b,29cからは、それぞれ楕円形状の光が出射される。ここで、ロッドインテグレータ4の入射面4aは長方形状である。半導体レーザ1a’は、複数の発光領域29a,29b,29cが並ぶ方向(図5の矢印33に示すストライプ幅方向)と、ロッドインテグレータ4の入射面4aの長辺方向(図5の矢印32に示す方向)とが平行になるように配置される。
このように、マルチエミッタ型の半導体レーザにおいてもストライプ幅方向とロッドインテグレータ4の長辺方向を平行とすることによりロッドインテグレータ4に入射する光がけられない範囲で最大の集光スポットを得ることができるので、ロッドインテグレータ4の出射端面での光量分布を均一にすることができる。
なお、図5に示すマルチエミッタ型の半導体レーザ1a’は、3つの発光領域を有しているが、本発明は特にこれに限定されず、マルチエミッタ型の半導体レーザ1a’は、2つ又は4つ以上の発光領域を有してもよい。
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2における投写型ディスプレイ装置の構成を示す図である。図6において、図1及び図2と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図6において、実施の形態2に係る投写型ディスプレイ装置は、レーザ光源1、集光レンズ2、レンチキュラレンズ3、ロッドインテグレータ4、リレーレンズ5、フィールドレンズ6、空間光変調素子7、投射レンズ8、凸レンズ9及び凹レンズ10を備える。凸レンズ9と凹レンズ10とは望遠タイプの光学系をなしており、凸レンズ9に入射した平行光がロッドインテグレータ4の入射面に集光するように構成されている。以下、図6を用いて本発明の実施の形態2における投写型ディスプレイ装置の動作について説明する。
レーザ光源1を構成する複数の半導体レーザの発光領域は、集光レンズ2を構成するそれぞれのレンズの焦点に一致するように調整されており、半導体レーザから出射した光は集光レンズ2によって、それぞれロッドインテグレータ4の光軸に平行な平行光となる。集光レンズを出射した平行光は凸レンズ9と凹レンズ10によって集光され、レンチキュラレンズ3を透過した後、ロッドインテグレータ4の入射端面に入射する。以降の動作については実施の形態1における投写型ディスプレイ装置の動作と同様であるので説明を省略する。
かかる構成によれば、凸レンズ9と凹レンズ10とによって構成される望遠タイプのレンズの焦点距離に比べて凸レンズ9と凹レンズ10との間隔は小さくなるので、レーザ光源1からロッドインテグレータ4までの間隔を短くすることが可能となり、投写型ディスプレイ装置の小型化が可能となる。
(実施の形態3)
図7は、本発明の実施の形態3における投写型ディスプレイ装置の構成を示す図である。図7において、図1及び図2と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図7において、実施の形態3に係る投写型ディスプレイ装置は、レーザ光源1、集光レンズ2、レンチキュラレンズ3、ロッドインテグレータ4、リレーレンズ5、フィールドレンズ6、空間光変調素子7、投射レンズ8、第1の凸レンズ11及び第2の凸レンズ12を備える。第1の凸レンズと第2の凸レンズとの間隔は各々の焦点距離の和程度に設定されており、第1の凸レンズ11によって集光された光は第2の凸レンズ12によってロッドインテグレータ4の入射端面に集光する。第1の凸レンズ11と第2の凸レンズ12とは望遠タイプの光学系をなしており、合成焦点距離に比べてレンズ間隔を小さくできる。以下図7を用いて本発明の実施の形態3における投写型ディスプレイ装置の動作について説明する。
レーザ光源1を構成する複数の半導体レーザの発光領域は、集光レンズ2を構成するそれぞれのレンズの焦点に一致するように調整されており、半導体レーザから出射した光は集光レンズ2によって、それぞれロッドインテグレータ4の光軸に平行な平行光となる。集光レンズを出射した平行光は第1の凸レンズ11と第2の凸レンズ12とによって集光され、レンチキュラレンズ3を透過した後、ロッドインテグレータ4の入射端面に入射する。以降の動作については実施の形態1における投写型ディスプレイ装置の動作と同様であるので説明を省略する。
かかる構成によれば、第1の凸レンズ11と第2の凸レンズ12とによって構成される望遠タイプのレンズの合成焦点距離に比べて、第1の凸レンズ11と第2の凸レンズ12との間隔は小さくなる。したがって、ロッドインテグレータ4に入射する最外縁光とロッドインテグレータ4の光軸とのなす角度を保ったまま、レーザ光源1のサイズ即ち第1の凸レンズ11の口径を大きくするときに、レーザ光源1からロッドインテグレータ4までの間隔を合成焦点距離よりも短くすることが可能となり、小型で高出力な投写型ディスプレイ装置を提供することが可能となる。
(実施の形態4)
図8は、本発明の実施の形態4における投写型ディスプレイ装置の構成を示す図である。図8において、図6と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図8において、実施の形態4に係る投写型ディスプレイ装置は、レーザ光源13、集光レンズ2、レンチキュラレンズ3、ロッドインテグレータ4、リレーレンズ5、フィールドレンズ6、空間光変調素子7、投射レンズ8、凸レンズ9、凹レンズ10及び2分の1波長板14を備える。
レーザ光源13は、後述するように3原色のレーザ光源からなっている。2分の1波長板14は、偏光面を回転させる。図9は、図8に示すレーザ光源13のXY側面図である。図9において、レーザ光源13は、赤色半導体レーザ13a,13c,13d,13f、青色半導体レーザ13b,13e及び緑色レーザ13gを含む。赤色半導体レーザ13a,13c,13d,13fは、偏光面が活性層の積層方向に垂直な赤色レーザ光を出射する。青色半導体レーザ13b,13eは、偏光面が活性層の積層方向に平行な青色レーザ光を出射する。緑色レーザ13gは、緑色レーザ光を出射する。
また、集光レンズ2は、複数の集光レンズ2a〜2gを含む。集光レンズ2a,2c,2d,2fは、赤色半導体レーザ13a,13c,13d,13fから出射した各赤色レーザ光を、ロッドインテグレータ4の入射面に集光する。集光レンズ2b,2eは、青色半導体レーザ13b,13eから出射した各青色レーザ光を、ロッドインテグレータ4の入射面に集光する。集光レンズ2gは、緑色半導体レーザ13gから出射した緑色レーザ光を、ロッドインテグレータ4の入射面よりも手前に集光する。
図10は、図9に示す緑色レーザ13gの構成を示す図であり、図10において、緑色レーザ13gは、赤外半導体レーザ15、レーザ媒質16及びSHG(Second Harmonic Generation)素子17を備える。赤外半導体レーザ15は、例えば809nmの波長の励起用レーザ光を出射する。レーザ媒質16は、例えばYAG結晶で構成される。レーザ媒質16の赤外半導体レーザ15側には1064nmの光を反射する反射膜が形成されている。SHG素子17は、レーザ媒質16と反対側の面に532nmの光を透過し、1064nmの光を反射する反射膜が形成されている。SHG素子17は、例えばKTP結晶やニオブ酸リチウム結晶で構成される。なお、本実施の形態において、赤外半導体レーザ15が励起用半導体レーザ光源の一例に相当し、SHG素子17が波長変換素子の一例に相当する。
赤外半導体レーザ15から出射したレーザ光によってレーザ媒質16が励起されると、1064nmのレーザ光が出射する。このレーザ光が基本波としてレーザ媒質16とSHG素子17との間を往復する間に第2高調波が発生し、532nmの緑色レーザ光がSHG素子17から出射することとなる。緑色レーザ13gから出射するレーザ光は半導体レーザ13a〜13fから出射するレーザ光と異なり、ほぼ平行光が出射する。図9において緑色レーザ13gの偏光面はY軸に平行になるように設置されている。他の半導体レーザ13a〜13fは活性層のストライプ幅方向がX軸に平行になるように設置されている。従って赤色半導体レーザ13a,13c,13d,13fの偏光面はX軸に平行となり、青色半導体レーザ13b,13eの偏光面はY軸に平行となる。
図8においてレーザ光源13のうち、半導体レーザ13a〜13fから出射したレーザ光は集光レンズ2によって平行光となり、元々平行光であるところの緑色レーザ光とともに凸レンズ9と凹レンズ10によってロッドインテグレータ4の入射端面に入射する。更に、レーザ光源13のうち赤色半導体レーザ13a,13c,13d,13fから出射したレーザ光の偏光面はもともとX軸に平行であるが、2分の1波長板14を通過する際にY軸に平行になるように回転される。従ってロッドインテグレータ4に入射するレーザ光の偏光面はすべてY軸に平行となる。以降の動作については実施の形態1における投写型ディスプレイ装置の動作と同様であるので説明を省略する。
なお、実施の形態4において、緑色レーザ光の集光点を、赤色レーザ光及び青色レーザ光の集光点と同じロッドインテグレータ4の入射面に設定した場合、緑色レーザ13gがロッドインテグレータ4の光軸上に配置されているので、緑色レーザ光がロッドインテグレータ4内で反射せずにそのまま出射してしまい、緑色レーザ光の光量分布が均一化されない虞がある。そこで、実施の形態4では、緑色レーザ光をロッドインテグレータ4に入射する前に集光させ、緑色レーザ光が集光される集光点におけるロッドインテグレータ4の光軸と緑色レーザ光の最外縁とのなす角度が、赤色レーザ光又は青色レーザ光が集光される集光点におけるロッドインテグレータ4の光軸と赤色レーザ光又は青色レーザ光とのなす角度と同じになるように、レーザ光源13、集光レンズ2、凸レンズ9及び凹レンズ10が配置される。
図11は、実施の形態4において、ロッドインテグレータ4に入射する各色のレーザ光について説明するための図である。赤色半導体レーザ13aから出射した赤色レーザ光131は、集光レンズ2aにより、ロッドインテグレータ4の入射面4aに集光され、赤色半導体レーザ13cから出射した赤色レーザ光132は、集光レンズ2cにより、ロッドインテグレータ4の入射面4aに集光される。一方、緑色レーザ13gから出射した緑色レーザ光133は、集光レンズ2gにより、ロッドインテグレータ4に入射する前に集光される。緑色レーザ光133の集光点Paは、凹レンズ10とレンチキュラレンズ3との間に存在する。
ここで、緑色用集光レンズ2gの集光点Paにおけるロッドインテグレータ4の光軸4bと緑色レーザ光133の最外縁133aとのなす角度αが、赤色用集光レンズ2cの集光点Pbにおけるロッドインテグレータ4の光軸4bと赤色レーザ光132の光軸132aとのなす角度βと同じである。
このように、緑色レーザ13gをロッドインテグレータ4の光軸上に配置したとしても、緑色レーザ光がロッドインテグレータ4の入射面に所定の角度を有して入射するので、緑色レーザ光の光量分布を赤色及び青色レーザ光の光量分布と同程度に均一化することができ、色ムラの発生を抑制することができる。
かかる構成によれば、空間光変調素子7には3原色の照明光が照射されるので、空間光変調素子7の各画素に3原色のフィルタをつけておけば、フルカラーの画像が表示されることとなる。あるいはレーザ光源13を構成する各レーザ素子を色別にパルス駆動し、これに同期して空間光変調素子7を色別に時分割駆動すれば同様にフルカラーの画像が表示されることとなる。更に活性層のストライプ幅方向とロッドインテグレータ4の長辺方向とを合わせたときに3原色のレーザ光の偏光面を一致させることで、空間光変調素子7に入射するレーザ光の偏光面を一方向だけにできる。その結果、空間光変調素子7が液晶パネルであれば入射側偏光子の偏光面を合わせやすくなり、光利用効率を高くすることができる。また空間光変調素子7がマイクロミラーアレイであっても3原色ともに反射率の高いS偏光を利用するように構成することが可能であるので、光利用効率を高くすることができる。
なお、本実施の形態において、赤色半導体レーザの偏光面と青色半導体レーザの偏光面とが互いに活性層に対して90度異なる例について説明したが、本発明は特にこれに限定されず、活性層に対してともに平行な偏光面を有する場合には2分の1波長板は不要となる。また、青色レーザ光の波長に対しては2分の1波長板として機能し、緑色レーザ光や赤色レーザ光の波長に対しては1波長板として機能するような波長板を用いることで、波長板の設置位置をロッドインテグレータ4の前後など光束の小さな場所にして部材を少なくすることも出来る。
さらに、本実施の形態において、全ての半導体レーザ13a〜13fは活性層のストライプ幅方向がロッドインテグレータ4の長辺方向に平行になるように設置されているが、本発明は特にこれに限定されず、青色半導体レーザ13b,13eについては、活性層のストライプ幅方向がロッドインテグレータ4の長辺方向に平行になるように設置しなくてもよい。上述したように、青色半導体レーザ13b,13eの発光領域は、短軸(活性層の厚さ)が例えば1μmであり、長軸(発光する活性層の幅)が例えば7μmであり、発光領域の縦横比が赤色レーザ光に比べて小さい。そのため、青色半導体レーザ13b,13eを、活性層のストライプ幅方向がロッドインテグレータ4の長辺方向に垂直になるように設置したとしても、ロッドインテグレータ4の入射面におけるレーザ光の長軸の長さがロッドインテグレータ4の短辺の長さよりも短く、レーザ光はロッドインテグレータ4の入射面にけられることなく入射する。そこで、赤色半導体レーザ13a,13c,13d,13fは活性層のストライプ幅方向がX軸に平行になるように設置し、青色半導体レーザ13b,13eは活性層のストライプ幅方向がX軸に垂直になるように設置してもよい。
このように、ロッドインテグレータ4の入射面におけるレーザ光の長軸の長さが、ロッドインテグレータ4の短辺の長さよりも長い場合、発光領域の長軸方向と、ロッドインテグレータ4の入射面の長辺方向とが平行になるように赤色半導体レーザ13a,13c,13d,13fが配置されるので、赤色半導体レーザ13a,13c,13d,13fから出射したレーザ光を効率よくロッドインテグレータ4に導くことができる。また、ロッドインテグレータ4の入射面におけるレーザ光の長軸の長さが、ロッドインテグレータ4の短辺の長さよりも短い場合、発光領域の長軸方向と、ロッドインテグレータ4の入射面の長辺方向とを平行にしなくとも、レーザ光がけられることなく、ロッドインテグレータ4に導かれる。そのため、ロッドインテグレータ4の入射面におけるレーザ光の長軸の長さが、ロッドインテグレータ4の短辺の長さよりも短い場合、青色半導体レーザ13b,13eの発光領域の長軸方向と、ロッドインテグレータ4の入射面の長辺方向とを平行にしなくてもよく、青色半導体レーザ13b,13eとロッドインテグレータ4とを自由に配置することができる。
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。
本発明の一局面に係る投写型ディスプレイ装置は、楕円形状のレーザ光を出射する発光領域を有するレーザ光源と、前記レーザ光源から出射するレーザ光を集光する集光レンズと、前記集光レンズの集光光束上に矩形状の入射面を有するホモジナイザーと、前記ホモジナイザーから出射するレーザ光を変調する空間光変調素子と、前記空間光変調素子により変調されたレーザ光を投射する投射レンズとを備え、前記ホモジナイザーの入射面は長方形状であり、前記レーザ光源は、前記発光領域の長軸方向と、前記ホモジナイザーの入射面の長辺方向とが平行になるように配置される。
この構成によれば、レーザ光源は、楕円形状のレーザ光を出射する発光領域を有し、レーザ光源から出射するレーザ光が集光レンズにより集光される。ホモジナイザーは、集光レンズの集光光束上に矩形状の入射面を有しており、ホモジナイザーから出射するレーザ光が空間光変調素子により変調され、空間光変調素子により変調されたレーザ光が投射レンズにより投射される。そして、ホモジナイザーの入射面は長方形状であり、レーザ光源は、発光領域の長軸方向と、ホモジナイザーの入射面の長辺方向とが平行になるように配置される。
したがって、レーザ光源の発光領域の長軸方向と、ホモジナイザーの入射面の長辺方向とが平行になるようにレーザ光源が配置されるので、レーザ光源から出射したレーザ光を効率よくホモジナイザーに導くことができ、レーザ光源とホモジナイザーとの配置が最適化され、小型化を実現することができるとともに、ホモジナイザーから高出力の光を得ることができる。
また、上記の投写型ディスプレイ装置において、前記レーザ光源は、複数の半導体レーザ光源を含み、前記集光レンズは、前記複数の半導体レーザ光源から出射するレーザ光を一点に集光させる前記複数の半導体レーザ光源毎に設けられた複数の集光レンズを含み、前記ホモジナイザーは、複数のレーザ光の集光点に矩形状の入射面を有することが好ましい。
この構成によれば、レーザ光源には複数の半導体レーザ光源が含まれ、複数の半導体レーザ光源から出射したレーザ光は、複数の半導体レーザ光源毎に設けられた複数の集光レンズにより一点に集光され、複数のレーザ光の集光点に矩形状の入射面を有するホモジナイザーが配置される。したがって、複数の半導体レーザから出射したレーザ光がホモジナイザーの入射面に集光するので、ホモジナイザーの出射面から高出力の光を得ることができる。
また、上記の投写型ディスプレイ装置において、前記複数の半導体レーザ光源は、前記ホモジナイザーの光軸に対して軸対称に配置されていることが好ましい。この構成によれば、複数の半導体レーザ光源が、ホモジナイザーの光軸に対して軸対称に配置されているので、各半導体レーザから出射した光の光量分布が互いに軸対称になり、ホモジナイザーの出射端面での光量分布の均一性を向上させることができる。
また、上記の投写型ディスプレイ装置において、前記レーザ光源は、複数の半導体レーザ光源を含み、前記集光レンズは、前記複数の半導体レーザ光源から出射するレーザ光をコリメートする前記複数の半導体レーザ光源毎に設けられた複数のコリメートレンズと、前記コリメートレンズによってコリメートされたレーザ光を集光する凸レンズと、前記凸レンズと前記凸レンズの集光点との間に設けられた凹レンズとを含み、前記ホモジナイザーは、前記凸レンズと前記凹レンズとからなる組レンズの集光点に矩形状の入射面を有することが好ましい。
この構成によれば、複数の半導体レーザ光源から出射したレーザ光が、複数の半導体レーザ光源毎に設けられた複数のコリメートレンズによりコリメートされ、コリメートされたレーザ光が凸レンズにより集光される。そして、凹レンズが、凸レンズと凸レンズの集光点との間に設けられており、凸レンズと凹レンズとからなる組レンズの集光点に矩形状の入射面を有するホモジナイザーが配置される。
したがって、凸レンズと凹レンズとによって構成される望遠タイプの組レンズの焦点距離に比べて、凸レンズと凹レンズとの間隔が小さくなるので、各半導体レーザ光源からホモジナイザーまでの間隔を短くすることができ、装置の小型化を実現することができる。
また、上記の投写型ディスプレイ装置において、前記レーザ光源は、赤色のレーザ光を出射する赤色レーザ光源と、青色のレーザ光を出射する青色レーザ光源と、緑色のレーザ光を出射する緑色レーザ光源とを含み、前記赤色レーザ光源及び青色レーザ光源は、前記ホモジナイザーの光軸に対して軸対称となるように配置され、前記緑色レーザ光源は、前記ホモジナイザーの光軸上に配置されることが好ましい。
この構成によれば、赤色のレーザ光を出射する赤色レーザ光源と、青色のレーザ光を出射する青色レーザ光源とが、ホモジナイザーの光軸に対して軸対称となるように配置され、緑色のレーザ光を出射する緑色レーザ光源が、ホモジナイザーの光軸上に配置される。したがって、空間光変調素子には3原色の照明光が照射されるので、フルカラーの画像を表示することができる。
また、上記の投写型ディスプレイ装置において、前記複数の集光レンズは、前記赤色レーザ光源から出射する赤色レーザ光を一点で集光させる赤色用集光レンズと、前記青色レーザ光源から出射する青色レーザ光を一点で集光させる青色用集光レンズと、前記緑色レーザ光源から出射する緑色レーザ光を前記ホモジナイザーに入射する前に集光させる緑色用集光レンズとを含み、前記緑色用集光レンズの集光点における前記ホモジナイザーの光軸と前記緑色レーザ光の最外縁とのなす角度が、前記赤色用集光レンズ又は前記青色用集光レンズの集光点における前記ホモジナイザーの光軸と前記赤色レーザ光又は前記青色レーザ光とのなす角度と同じであることが好ましい。
この構成によれば、赤色用集光レンズにより、赤色レーザ光源から出射した赤色レーザ光が一点で集光され、青色用集光レンズにより、青色レーザ光源から出射した青色レーザ光が一点で集光され、緑色用集光レンズにより、緑色レーザ光源から出射した緑色レーザ光がホモジナイザーに入射する前に集光される。そして、緑色用集光レンズの集光点におけるホモジナイザーの光軸と緑色レーザ光の最外縁とのなす角度が、赤色用集光レンズ又は青色用集光レンズの集光点におけるホモジナイザーの光軸と赤色レーザ光又は青色レーザ光とのなす角度と同じとなる。
したがって、緑色レーザ光源をホモジナイザーの光軸上に配置したとしても、緑色レーザ光がホモジナイザーの入射面に所定の角度を有して入射するので、緑色レーザ光の光量分布を赤色及び青色レーザ光の光量分布と同程度に均一化することができ、色ムラの発生を抑制することができる。
また、上記の投写型ディスプレイ装置において、前記赤色レーザ光源及び前記青色レーザ光源は、半導体レーザ光源を含み、前記緑色レーザ光源は、励起用のレーザ光を出射する励起用半導体レーザ光源と、前記励起用半導体レーザ光源から出射されたレーザ光によって励起されるレーザ媒質と、前記レーザ媒質から出射したレーザ光の波長を変換して緑色のレーザ光を出射する波長変換素子とを含むことが好ましい。
この構成によれば、半導体レーザ光源から赤色及び青色のレーザ光が出射される。また、励起用半導体レーザ光源から励起用のレーザ光が出射され、励起用半導体レーザ光源から出射されたレーザ光によってレーザ媒質が励起され、レーザ媒質から出射したレーザ光の波長が波長変換素子によって変換されて緑色のレーザ光が出射される。したがって、半導体レーザである赤色レーザ光源及び青色レーザ光源よりも構成が複雑な緑色レーザ光源が、ホモジナイザーの光軸上に配置されるので、装置の小型化を実現することができる。
また、上記の投写型ディスプレイ装置において、複数の半導体レーザ光源は、赤色のレーザ光を出射する赤色半導体レーザ光源と、青色のレーザ光を出射する青色半導体レーザ光源とを含むことが好ましい。この構成によれば、赤色半導体レーザ光源から赤色のレーザ光が出射され、青色半導体レーザ光源から青色のレーザ光が出射されるので、ホモジナイザーから赤色及び青色の光を得ることができる。
また、上記の投写型ディスプレイ装置において、前記赤色半導体レーザ光源と前記青色半導体レーザ光源とは、偏光面がそれぞれ異なるように配置されており、前記赤色半導体レーザ光源から出射したレーザ光が前記ホモジナイザーに到達するまでの光路上、及び前記青色半導体レーザ光源から出射したレーザ光が前記ホモジナイザーに到達するまでの光路上のいずれか一方に配置され、それぞれの半導体レーザ光源の偏光面を一致させる2分の1波長板をさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、赤色半導体レーザ光源と青色半導体レーザ光源とは、偏光面がそれぞれ異なるように配置されている。そして、赤色半導体レーザ光源から出射したレーザ光がホモジナイザーに到達するまでの光路上、及び青色半導体レーザ光源から出射したレーザ光がホモジナイザーに到達するまでの光路上のいずれか一方に、それぞれの半導体レーザ光源の偏光面を一致させる2分の1波長板が配置される。
したがって、赤色半導体レーザ光源から出射したレーザ光の偏光面と、青色半導体レーザ光源から出射したレーザ光の偏光面とが一致するので、空間光変調素子に入射するレーザ光の偏光面を一方向だけにすることができ、空間光変調素子の入射側偏光子の偏光面が合わせやすくなり、光利用効率を高めることができる。
また、上記の投写型ディスプレイ装置において、前記レーザ光源は、各々が直線上に配置された複数の発光領域を有する半導体レーザ光源を含み、前記半導体レーザ光源は、前記複数の発光領域が並ぶ方向と、前記ホモジナイザーの入射面の長辺方向とが平行になるように配置されることが好ましい。
この構成によれば、各々が直線上に配置された複数の発光領域を有する半導体レーザ光源が、複数の発光領域が並ぶ方向と、ホモジナイザーの入射面の長辺方向とが平行になるように配置される。したがって、複数個の発光領域が直線上に並ぶ半導体レーザ光源においても、複数の発光領域が並ぶ方向とホモジナイザーの長辺方向とが平行になるように半導体レーザ光源が配置されるので、ホモジナイザーに入射するレーザ光がけられない範囲で最大の集光スポットを得ることができる。
また、上記の投写型ディスプレイ装置において、前記レーザ光源は、前記ホモジナイザーの入射面におけるレーザ光の長軸の長さが、前記ホモジナイザーの短辺の長さよりも長い場合、前記発光領域の長軸方向と、前記ホモジナイザーの入射面の長辺方向とが平行になるように配置されることが好ましい。
この構成によれば、ホモジナイザーの入射面におけるレーザ光の長軸の長さが、ホモジナイザーの短辺の長さよりも長い場合、発光領域の長軸方向と、ホモジナイザーの入射面の長辺方向とが平行になるようにレーザ光源が配置されるので、レーザ光源から出射したレーザ光を効率よくホモジナイザーに導くことができる。また、ホモジナイザーの入射面におけるレーザ光の長軸の長さが、ホモジナイザーの短辺の長さよりも短い場合、発光領域の長軸方向と、ホモジナイザーの入射面の長辺方向とを平行にしなくとも、レーザ光がけられることなく、ホモジナイザーに導かれる。そのため、ホモジナイザーの入射面におけるレーザ光の長軸の長さが、ホモジナイザーの短辺の長さよりも短い場合、レーザ光源の発光領域の長軸方向と、ホモジナイザーの入射面の長辺方向とを平行にしなくてもよく、レーザ光源とホモジナイザーとを自由に配置することができる。
また、上記の投写型ディスプレイ装置において、前記レーザ光源は、各々が直線上に配置された複数の発光領域を有する半導体レーザ光源を含み、前記半導体レーザ光源は、前記複数の発光領域が並ぶ方向と、前記ホモジナイザーの入射面の長辺方向とが平行になるように配置されることが好ましい。
この構成によれば、各々が直線上に配置された複数の発光領域を有する半導体レーザ光源が、複数の発光領域が並ぶ方向と、ホモジナイザーの入射面の長辺方向とが平行になるように配置される。したがって、複数個の発光領域が直線上に並ぶ半導体レーザ光源においても、複数の発光領域が並ぶ方向とホモジナイザーの長辺方向とが平行になるように半導体レーザ光源が配置されるので、ホモジナイザーに入射するレーザ光がけられない範囲で最大の集光スポットを得ることができる。
また、上記の投写型ディスプレイ装置において、前記レーザ光源は、複数の半導体レーザ光源を含み、前記集光レンズは、前記複数の半導体レーザ光源から出射するレーザ光をコリメートする前記複数の半導体レーザ光源毎に設けられた複数のコリメートレンズと、前記コリメートレンズによってコリメートされたレーザ光を集光する凸レンズと、前記凸レンズと前記凸レンズの集光点との間に設けられた凹レンズとを含み、前記ホモジナイザーは、前記凸レンズと前記凹レンズとからなる組レンズの集光点に矩形状の入射面を有することが好ましい。
この構成によれば、複数の半導体レーザ光源から出射したレーザ光が、複数の半導体レーザ光源毎に設けられた複数のコリメートレンズによりコリメートされ、コリメートされたレーザ光が凸レンズにより集光される。そして、凹レンズが、凸レンズと凸レンズの集光点との間に設けられており、凸レンズと凹レンズとからなる組レンズの集光点に矩形状の入射面を有するホモジナイザーが配置される。
したがって、凸レンズと凹レンズとによって構成される望遠タイプの組レンズの焦点距離に比べて、凸レンズと凹レンズとの間隔が小さくなるので、各半導体レーザ光源からホモジナイザーまでの間隔を短くすることができ、装置の小型化を実現することができる。
また、上記の投写型ディスプレイ装置において、前記レーザ光源は、複数の半導体レーザ光源を含み、前記集光レンズは、前記複数の半導体レーザ光源から出射するレーザ光をコリメートする前記複数の半導体レーザ光源毎に設けられた複数のコリメートレンズと、前記コリメートレンズによってコリメートされたレーザ光を集光する第1の凸レンズと、前記第1の凸レンズの集光点に対して前記第1の凸レンズと反対側に設けられ、集光されたレーザ光をリレーする第2の凸レンズとを含み、前記ホモジナイザーは、前記第2の凸レンズの集光点に矩形状の入射面を有することが好ましい。
この構成によれば、複数の半導体レーザ光源から出射したレーザ光が、複数の半導体レーザ光源毎に設けられた複数のコリメートレンズによりコリメートされ、コリメートされたレーザ光が第1の凸レンズにより集光される。そして、第1の凸レンズの集光点に対して第1の凸レンズと反対側に設けられた第2の凸レンズにより、第1の凸レンズに集光されたレーザ光がリレーされ、第2の凸レンズの集光点に矩形状の入射面を有するホモジナイザーが配置される。
したがって、第1の凸レンズと第2の凸レンズとによって構成される望遠タイプの組レンズの合成焦点距離に比べて、第1の凸レンズと第2の凸レンズとの間隔が小さくなるので、ホモジナイザーに入射する最外縁光とホモジナイザーの光軸とがなす角度を保持したまま、半導体レーザ光源のサイズ即ち集光レンズの口径を大きくすることができ、ホモジナイザーから高出力の光を得ることができる。
また、上記の投写型ディスプレイ装置において、複数の半導体レーザ光源は、赤色のレーザ光を出射する赤色半導体レーザ光源と、青色のレーザ光を出射する青色半導体レーザ光源とを含むことが好ましい。この構成によれば、赤色半導体レーザ光源から赤色のレーザ光が出射され、青色半導体レーザ光源から青色のレーザ光が出射されるので、ホモジナイザーから赤色及び青色の光を得ることができる。
また、上記の投写型ディスプレイ装置において、前記赤色半導体レーザ光源と前記青色半導体レーザ光源とは、偏光面がそれぞれ異なるように配置されており、前記赤色半導体レーザ光源から出射したレーザ光が前記ホモジナイザーに到達するまでの光路上、及び前記青色半導体レーザ光源から出射したレーザ光が前記ホモジナイザーに到達するまでの光路上のいずれか一方に配置され、それぞれの半導体レーザ光源の偏光面を一致させる2分の1波長板をさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、赤色半導体レーザ光源と青色半導体レーザ光源とは、偏光面がそれぞれ異なるように配置されている。そして、赤色半導体レーザ光源から出射したレーザ光がホモジナイザーに到達するまでの光路上、及び青色半導体レーザ光源から出射したレーザ光がホモジナイザーに到達するまでの光路上のいずれか一方に、それぞれの半導体レーザ光源の偏光面を一致させる2分の1波長板が配置される。
したがって、赤色半導体レーザ光源から出射したレーザ光の偏光面と、青色半導体レーザ光源から出射したレーザ光の偏光面とが一致するので、空間光変調素子に入射するレーザ光の偏光面を一方向だけにすることができ、空間光変調素子の入射側偏光子の偏光面が合わせやすくなり、光利用効率を高めることができる。
また、上記の投写型ディスプレイ装置において、前記赤色半導体レーザ光源と前記青色半導体レーザ光源とは、偏光面が平行となるように配置されていることが好ましい。
この構成によれば、互いの偏光面が平行となるように赤色半導体レーザ光源と青色半導体レーザ光源とが配置されているので、空間光変調素子に入射するレーザ光の偏光面を一方向だけにすることができ、空間光変調素子の入射側偏光子の偏光面が合わせやすくなり、光利用効率を高めることができる。
また、上記の投写型ディスプレイ装置において、前記レーザ光源は、赤色のレーザ光を出射する赤色レーザ光源と、青色のレーザ光を出射する青色レーザ光源と、緑色のレーザ光を出射する緑色レーザ光源とを含み、前記赤色レーザ光源及び青色レーザ光源は、前記ホモジナイザーの光軸に対して軸対称となるように配置され、前記緑色レーザ光源は、前記ホモジナイザーの光軸上に配置されることが好ましい。
この構成によれば、赤色のレーザ光を出射する赤色レーザ光源と、青色のレーザ光を出射する青色レーザ光源とが、ホモジナイザーの光軸に対して軸対称となるように配置され、緑色のレーザ光を出射する緑色レーザ光源が、ホモジナイザーの光軸上に配置される。したがって、空間光変調素子には3原色の照明光が照射されるので、フルカラーの画像を表示することができる。
また、上記の投写型ディスプレイ装置において、前記赤色レーザ光源及び前記青色レーザ光源は、半導体レーザ光源を含み、前記緑色レーザ光源は、励起用のレーザ光を出射する励起用半導体レーザ光源と、前記励起用半導体レーザ光源から出射されたレーザ光によって励起されるレーザ媒質と、前記レーザ媒質から出射したレーザ光の波長を変換して緑色のレーザ光を出射する波長変換素子とを含むことが好ましい。
この構成によれば、半導体レーザ光源から赤色及び青色のレーザ光が出射される。また、励起用半導体レーザ光源から励起用のレーザ光が出射され、励起用半導体レーザ光源から出射されたレーザ光によってレーザ媒質が励起され、レーザ媒質から出射したレーザ光の波長が波長変換素子によって変換されて緑色のレーザ光が出射される。したがって、半導体レーザである赤色レーザ光源及び青色レーザ光源よりも構成が複雑な緑色レーザ光源が、ホモジナイザーの光軸上に配置されるので、装置の小型化を実現することができる。
また、上記の投写型ディスプレイ装置において、前記複数の集光レンズは、前記赤色レーザ光源から出射する赤色レーザ光を一点で集光させる赤色用集光レンズと、前記青色レーザ光源から出射する青色レーザ光を一点で集光させる青色用集光レンズと、前記緑色レーザ光源から出射する緑色レーザ光を前記ホモジナイザーに入射する前に集光させる緑色用集光レンズとを含み、前記緑色用集光レンズの集光点における前記ホモジナイザーの光軸と前記緑色レーザ光の最外縁とのなす角度が、前記赤色用集光レンズ又は前記青色用集光レンズの集光点における前記ホモジナイザーの光軸と前記赤色レーザ光又は前記青色レーザ光とのなす角度と同じであることが好ましい。
この構成によれば、赤色用集光レンズにより、赤色レーザ光源から出射した赤色レーザ光が一点で集光され、青色用集光レンズにより、青色レーザ光源から出射した青色レーザ光が一点で集光され、緑色用集光レンズにより、緑色レーザ光源から出射した緑色レーザ光がホモジナイザーに入射する前に集光される。そして、緑色用集光レンズの集光点におけるホモジナイザーの光軸と緑色レーザ光の最外縁とのなす角度が、赤色用集光レンズ又は青色用集光レンズの集光点におけるホモジナイザーの光軸と赤色レーザ光又は青色レーザ光とのなす角度と同じとなる。
したがって、緑色レーザ光源をホモジナイザーの光軸上に配置したとしても、緑色レーザ光がホモジナイザーの入射面に所定の角度を有して入射するので、緑色レーザ光の光量分布を赤色及び青色レーザ光の光量分布と同程度に均一化することができ、色ムラの発生を抑制することができる。
また、上記の投写型ディスプレイ装置において、前記レーザ光源は、前記ホモジナイザーの入射面におけるレーザ光の長軸の長さが、前記ホモジナイザーの短辺の長さよりも長い場合、前記発光領域の長軸方向と、前記ホモジナイザーの入射面の長辺方向とが平行になるように配置されることが好ましい。
この構成によれば、ホモジナイザーの入射面におけるレーザ光の長軸の長さが、ホモジナイザーの短辺の長さよりも長い場合、発光領域の長軸方向と、ホモジナイザーの入射面の長辺方向とが平行になるようにレーザ光源が配置されるので、レーザ光源から出射したレーザ光を効率よくホモジナイザーに導くことができる。また、ホモジナイザーの入射面におけるレーザ光の長軸の長さが、ホモジナイザーの短辺の長さよりも短い場合、発光領域の長軸方向と、ホモジナイザーの入射面の長辺方向とを平行にしなくとも、レーザ光がけられることなく、ホモジナイザーに導かれる。そのため、ホモジナイザーの入射面におけるレーザ光の長軸の長さが、ホモジナイザーの短辺の長さよりも短い場合、レーザ光源の発光領域の長軸方向と、ホモジナイザーの入射面の長辺方向とを平行にしなくてもよく、レーザ光源とホモジナイザーとを自由に配置することができる。
本発明の他の局面に係る光源装置は、楕円形状のレーザ光を出射する発光領域を有するレーザ光源と、前記レーザ光源から出射するレーザ光を集光する集光レンズと、前記集光レンズの集光光束上に矩形状の入射面を有するホモジナイザーとを備え、前記ホモジナイザーの入射面は長方形状であり、前記レーザ光源は、前記発光領域の長軸方向と、前記ホモジナイザーの入射面の長辺方向とが平行になるように配置される。
この構成によれば、レーザ光源は、楕円形状のレーザ光を出射する発光領域を有し、レーザ光源から出射するレーザ光が集光レンズにより集光され、集光レンズの集光光束上に矩形状の入射面を有するホモジナイザーが配置される。そして、ホモジナイザーの入射面は長方形状であり、レーザ光源は、発光領域の長軸方向と、ホモジナイザーの入射面の長辺方向とが平行になるように配置される。
したがって、レーザ光源の発光領域の長軸方向と、ホモジナイザーの入射面の長辺方向とが平行になるようにレーザ光源が配置されるので、レーザ光源から出射したレーザ光を効率よくホモジナイザーに導くことができ、レーザ光源とホモジナイザーとの配置が最適化され、小型化を実現することができるとともに、ホモジナイザーから高出力の光を得ることができる。
本発明の他の局面に係る投写型ディスプレイ装置は、複数のレーザ光源と、前記複数のレーザ光源から出射するレーザ光を集光させる前記複数のレーザ光源毎に設けられた複数の集光レンズと、前記複数の集光レンズの集光光束上に矩形状の入射面を有するホモジナイザーと、前記ホモジナイザーから出射するレーザ光を変調する空間光変調素子と、前記空間光変調素子により変調されたレーザ光を投射する投射レンズとを備え、前記複数のレーザ光源は、赤色のレーザ光を出射する赤色レーザ光源と、青色のレーザ光を出射する青色レーザ光源と、緑色のレーザ光を出射する緑色レーザ光源とを含み、前記赤色レーザ光源及び青色レーザ光源は、前記ホモジナイザーの光軸に対して軸対称となるように配置され、前記緑色レーザ光源は、前記ホモジナイザーの光軸上に配置され、前記複数の集光レンズは、前記赤色レーザ光源から出射する赤色レーザ光を前記ホモジナイザーの入射面に集光させる赤色用集光レンズと、前記青色レーザ光源から出射する青色レーザ光を前記ホモジナイザーの入射面に集光させる青色用集光レンズと、前記緑色レーザ光源から出射する緑色レーザ光を前記ホモジナイザーに入射する前に集光させる緑色用集光レンズとを含み、前記緑色用集光レンズの集光点における前記ホモジナイザーの光軸と前記緑色レーザ光の最外縁とのなす角度が、前記赤色用集光レンズ又は前記青色用集光レンズの集光点における前記ホモジナイザーの光軸と前記赤色レーザ光又は前記青色レーザ光とのなす角度と同じである。
この構成によれば、複数のレーザ光源から出射したレーザ光が、複数のレーザ光源毎に設けられた複数の集光レンズにより集光される。ホモジナイザーは、複数の集光レンズの集光光束上に矩形状の入射面を有しており、ホモジナイザーから出射するレーザ光が空間光変調素子により変調され、空間光変調素子により変調されたレーザ光が投射レンズにより投射される。そして、赤色のレーザ光を出射する赤色レーザ光源と、青色のレーザ光を出射する青色レーザ光源とが、ホモジナイザーの光軸に対して軸対称となるように配置され、緑色のレーザ光を出射する緑色レーザ光源が、ホモジナイザーの光軸上に配置される。赤色用集光レンズにより、赤色レーザ光源から出射した赤色レーザ光が一点で集光され、青色用集光レンズにより、青色レーザ光源から出射した青色レーザ光が一点で集光され、緑色用集光レンズにより、緑色レーザ光源から出射した緑色レーザ光がホモジナイザーに入射する前に集光される。そして、緑色用集光レンズの集光点におけるホモジナイザーの光軸と緑色レーザ光の最外縁とのなす角度が、赤色用集光レンズ又は青色用集光レンズの集光点におけるホモジナイザーの光軸と赤色レーザ光又は青色レーザ光とのなす角度と同じとなる。
したがって、半導体レーザである赤色レーザ光源及び青色レーザ光源よりも構成が複雑な緑色レーザ光源が、ホモジナイザーの光軸上に配置されるので、装置の小型化を実現することができる。また、緑色レーザ光源をホモジナイザーの光軸上に配置したとしても、緑色レーザ光がホモジナイザーの入射面に所定の角度を有して入射するので、緑色レーザ光の光量分布を赤色及び青色レーザ光の光量分布と同程度に均一化することができ、色ムラの発生を抑制することができる。
本発明にかかる投写型ディスプレイ装置及び光源装置は、小型化を実現することができるとともに、高出力の光を得ることができ、レーザ光源を用いるフロントプロジェクタやリアプロジェクタ等として有用である。またその照明光学系だけを利用して照明装置や液晶ディスプレイのバックパネル等の用途にも応用できる。
本発明の実施の形態1における投写型ディスプレイ装置のYZ側面図である。
本発明の実施の形態1における投写型ディスプレイ装置のXZ側面図である。
本発明の実施の形態1における投写型ディスプレイ装置のXY側面図である。
半導体レーザ及びロッドインテグレータとの配置関係を説明するための図である。
複数の発光領域を有する半導体レーザとロッドインテグレータとの配置関係を説明するための図である。
本発明の実施の形態2における投写型ディスプレイ装置の構成を示す図である。
本発明の実施の形態3における投写型ディスプレイ装置の構成を示す図である。
本発明の実施の形態4における投写型ディスプレイ装置の構成を示す図である。
本発明の実施の形態4におけるレーザ光源のXY側面図である。
本発明の実施の形態4における緑色レーザの構成を示す図である。
実施の形態4において、ロッドインテグレータに入射する各色のレーザ光について説明するための図である。
従来の投写型ディスプレイ装置の構成を示す図である。
従来の半導体レーザの構造を示す斜視図である。