JP4349048B2 - プロジェクタ - Google Patents
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このプロジェクタの光源装置として、従来はメタルハライドランプやハロゲンランプ等が利用されていたが、近時では光源装置およびプロジェクタの小型化を図るため、発光ダイオード(LED)を整列配置した光源装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
そこで、上述したLEDに代えて高出力の半導体レーザ(LD)を採用することが考えられるが、緑色光を直接発光するLDは入手困難である。
面発光レーザは、基板上の任意の位置に半導体結晶を成長させて形成することが可能であり、励起レーザの集積度を向上させることが可能である。したがって、プロジェクタを小型化することができる。また、面発光レーザはLEDに比べて高出力であり、プロジェクタの明るさを確保することができる。
固体レーザ媒質で発生した光をレーザ発振させるには、発振器の両端面に配置される一対の共振ミラーの平行度を厳密に確保する必要がある。本発明では、励起レーザより少数の発振器について共振ミラーの平行度を確保すれば足りるので、プロジェクタの製造コストを低減することができる。
励起レーザと発振器とが離間している場合には、励起レーザからの光を発振器に集光するため、マイクロレンズアレイを設ける必要がある。本発明によれば、励起レーザからの光が発散する前に発振器に入射するので、マイクロレンズアレイが不要となる。したがって、プロジェクタの製造コストを低減することができる。
この構成によれば、小型で明るく、低コストのプロジェクタを提供することができる。
この構成によれば、プロジェクタにおける3原色の光源にレーザ光源を用いることが可能になり、プロジェクタの明るさを確保することができる。
この構成によれば、プロジェクタの明るさを確保することができる。
この構成によれば、緑色光を直接発光するレーザが入手困難な場合でも、人間による視角感度が高い緑色光を、高出力のレーザ光で構成することが可能になる。したがって、プロジェクタの明るさを確保することができる。
この構成によれば、人間による視角感度が比較的低い赤色光および/または青色光の光源装置が固体光源で構成されるので、プロジェクタの色バランスを確保しつつ、製造コストを低減することができる。
レーザ光の干渉によって生じるスペックルパターンは、画像光の表示品質を低下させる原因となる。本発明では、拡散手段または位相差付与手段によりレーザ光を拡散・位相差付与するだけでなく、レーザ光の入射面を変更して拡散・位相差状態を変化させることができるので、スペックルパターンの発生を防止することができる。したがって、プロジェクタの表示品質を向上させることができる。
この構成によれば、光源装置が固体光源を備えている場合でも、レンズアレイ等の光学手段を大型化することなく、画像光におけるムラを補正することが可能になる。したがって、プロジェクタを大型化することなく、表示品質を向上させることができる。
この構成によれば、光源装置としてレーザ光を出射するものを用いても、光源装置から出射するレーザ光の干渉によるスペックルパターンの発生を防止することができる。レーザ光の干渉によって生じるスペックルパターンは、画像光の表示品質を低下させる原因となる。本発明では、拡散手段または位相差付与手段によりレーザ光を拡散・位相差付与するだけでなく、レーザ光の入射面を変更して拡散・位相差状態を変化させることができるので、スペックルパターンの発生を防止することができる。したがって、プロジェクタの表示品質を向上させることができる。
図1は、本実施形態に係るプロジェクタの全体構成を示す平面図である。本実施形態のプロジェクタ1は、青色光源装置100、赤色光源装置200、および緑色光源装置300と、各色光源装置から出射された光源光を変調する光変調手段190,290,390と、各光変調手段から出射された変調光を合成して画像光を作製するクロスダイクロイックプリズム10と、画像光を拡大してスクリーン30に投射する投射レンズ20とを備えている。
青色光源装置100は、複数の固体光源112が整列配置された光源アレイ110と、各固体光源112からの光を略平行光に変換するマイクロレンズアレイ(MLA)120とを有している。
また、LEDアレイ110の後方(光の照射方向)には、マイクロレンズアレイ(MLA)120が配設されている。このMLA120は、ガラス材料等からなる複数の凸レンズを各LED112の光軸上に整列配置して形成されている。このMLA120により、各LED112から放射状に出射された光が略平行光に変換されて、光変調手段190の所定領域に入射するようになっている。
一方、赤色光源装置200は、複数の固体光源212が整列配置された光源アレイ210と、固体光源212からの光を略平行光に変換するマイクロレンズアレイ(MLA)220とによって構成されている。
なお、上述した端面発光レーザを用いてLDアレイ210を形成するには、LD212の個片を基板上に実装する必要があり、LDアレイ210集積度の向上に限界がある。そこで、LD212として面発光(縦型)レーザを採用してLDアレイ210を形成することが望ましい。面発光レーザは、活性層の上下に多層膜反射鏡を有するものである。この多層膜反射鏡は、屈折率の違う材料を交互に積み重ねて構成されている。そして、活性層から出た光が多層膜反射鏡で反射されながら増幅され、上部電極に形成された開口部から出射されるようになっている。この面発光レーザでは、基板上の任意の位置に半導体結晶を成長させてLDアレイ210を形成することができるので、LDアレイ210の製造コストを低減することができるとともに、LDアレイ210の集積度を向上させることができる。また、端面発光レーザではレーザ光のスポット形状が楕円形となるのに対して、面発光レーザでは円形となる。したがって、集光光学系が簡略化され、プロジェクタ1の低コスト化および小型化が可能になる。
一方、緑色光源装置300は、DPSS(Diode Pomping Solid State)レーザによって構成されている。DPSSレーザは、励起レーザ(ポンピングレーザ)312と、励起レーザ312により励起される固体レーザ媒質332と、固体レーザ媒質332で発生した光をレーザ発振させる発振器330と、発振器330により発振されたレーザ光を所望波長レーザ光に変換する波長変換素子334とを備えている。
固体レーザ媒質332として、ネオジウムを添加したバナジウム酸塩(Nd:YVO2)の結晶が採用されている。この結晶は、LD312により発振された波長808nm付近の赤外レーザ光を受けて、波長1064nm付近の赤外光を励起するものである。なお固体レーザ媒質332として、Nd:YVO2以外にも、波長1064nm付近の赤外光を励起するNd:YAGやNd:YVO4、波長1062nm付近の赤外光を励起するNd:LSB、波長1060nm付近の赤外光を励起するNd:Glass、波長1053nm付近の赤外光を励起するNd:YLF、波長1084nmおよび1092nm付近の赤外光を励起するNd:NiNbO4(niodymium doped lithium niobate)などを採用することが可能である。
また、波長変換素子334として、KTP(KTiOPO4)の結晶が採用されている。この結晶は、固体レーザ媒質332により励起された波長1064nm付近の赤外光を受けて、その第2高調波である波長532nm付近の緑色光を発生させるものである。
そして、固体レーザ媒質332で励起された波長1064nm付近の赤外光は、一対の共振ミラーの間で全反射を繰り返しながら増幅されてレーザ発振し、波長1064nm付近の赤外レーザ光を発生させる。また波長変換素子334は、発生した赤外レーザ光の第2高調波である波長532nm付近の緑色レーザ光を発生させる。そして、発生した緑色レーザ光は、第2共振ミラーから後方に出射されるようになっている。なお、LD312から照射された波長808nm付近の赤外レーザ光の一部が、発振器330を透過して光変調手段390に入射すると、光変調手段390を損傷するおそれがある。そこで、発振器330と光変調手段390との間に、赤外カットフィルタ340を設けることが望ましい。
一方、平行配置された一対の共振ミラー336,338の間で全反射を繰り返す間に、固体レーザ媒質332で励起された赤外光は平行光に変換される。これに伴って、波長変換素子334で発生する緑色レーザ光も平行光となってDPSSレーザから出射されることになる。また、励起レーザにより発振される赤外レーザ光は、特定方向のみに振動する偏光によって構成されるので、DPSSレーザから出射される緑色レーザ光も偏光によって構成される。ここで、波長変換素子334の結晶方位を調整することにより、DPSSレーザから出射された緑色レーザ光の偏光方向を調整することができる。
一方、図1に示すように、緑色光源装置300と光変調手段390との間には、レーザ光の拡散手段380が設けられている。図3はレーザ光拡散手段の説明図であって、図3(a)は正面図であり、図3(b)は図3(a)のA−A線における底面断面図である。レーザ光拡散手段380は、主に拡散板382および中心軸384で構成されている。拡散板382は、表面に微細な凹凸を有するすりガラス等によって構成されている。そして、図3(b)に示すように、緑色光源装置から拡散板382に入射したレーザ光386は、拡散板382の表面の微細な凹凸により拡散されて光変調手段に出射される。これにより、レーザ光のスペックルパターンの発生を防止することが可能になる。
ところで、半導体レーザや発光ダイオード等の固体光源を採用したプロジェクタでは、スクリーン30上に投射された画像光に、明るさムラや色ムラ等が発生する場合がある。そこで、本実施形態のプロジェクタ1には、ムラ補正機構50が設けられている。ムラ補正機構50は、スクリーン30上に投射された画像の色ムラを検知するセンサ52と、センサ52による検知結果に基づいて発光量を調整する制御部54とを主として構成されている。センサ52は、例えばCCDカメラ等で構成されている。このセンサ52は、スクリーン上に投射された画像を撮影して、画像の各領域における各色光の光強度を求める。この各色光の光強度を比較することにより、ムラの発生領域および程度を検知しうるようになっている。
また、本実施形態のプロジェクタは、レーザ光を出射する光源装置の光軸上に、光拡散板・光位相板を配置した。この構成によれば、光源装置としてレーザ光を出射するものを用いても、レーザ光の干渉によるスペックルパターンの発生を防止することができる。したがって、優れた表示品質を有するプロジェクタを提供することができる。
Claims (4)
- 光源装置からの光を変調して画像光を作製し、前記画像光をスクリーンに投射するプロジェクタであって、
前記光源装置は、励起レーザと、前記励起レーザにより励起される固体レーザ媒質と、前記固体レーザ媒質で発生した光をレーザ発振させる発振器と、前記発振器により発振されたレーザ光を所望波長レーザ光に変換する波長変換素子とを有し、
前記光源装置は、整列配置された複数の前記励起レーザを有し、
前記励起レーザは、面発光レーザであり、
一つの前記発振器に対して、複数の前記励起レーザからのレーザ光が入射可能とされ、
前記発振器は、前記面発光レーザの発光面に隣接配置され、
前記各励起レーザは、複数のグループごとに独立して発光量を調整可能に形成され、
前記各グループに起因する光源光が、前記画像光の所定領域を構成するように形成され、
前記スクリーンに投射された前記画像光におけるムラの発生領域および程度を検知するセンサを用い、
前記センサが前記ムラの発生を検知した場合に、前記ムラの発生領域に対応する前記グループにつき、前記ムラの程度に応じて発光量を調整する制御部を備えたことを特徴とするプロジェクタ。 - 前記光源装置は、前記プロジェクタの緑色光源装置であることを特徴とする請求項1に記載のプロジェクタ。
- 前記プロジェクタの赤色光源装置および/または青色光源装置は、固体光源を備えていることを特徴とする請求項2に記載のプロジェクタ。
- 前記光源装置の光軸上に、前記光源装置から入射するレーザ光の拡散手段または位相差付与手段が配設され、
前記拡散手段または位相差付与手段は、前記レーザ光の入射面を変更可能に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のプロジェクタ。
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